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  • 特開-複合ケーブル 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154181
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】複合ケーブル
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/00 20060101AFI20241023BHJP
【FI】
H01B7/00 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067876
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】株式会社プロテリアル
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黄 得天
(72)【発明者】
【氏名】森山 真至
【テーマコード(参考)】
5G309
【Fターム(参考)】
5G309KA02
(57)【要約】
【課題】耐ノイズ性が高く、伝送特性が良好な複合ケーブルを提供する。
【解決手段】複合ケーブル1は、複数本の電源線2と複数本の信号線3とを撚り合わせて構成され、電源線2と信号線3とがケーブル周方向に交互にかつ互いに接触して配置されたケーブルコア4と、ケーブルコア4の周囲に螺旋状に巻き付けられたテープ部材5と、テープ部材5の周囲を覆うシース7と、を備え、ケーブルコア4は、複数本の電源線2と複数本の信号線3とで囲まれたケーブル中心に位置する領域である中心領域91、及び、ケーブル周方向に隣り合う電源線2及び信号線3とテープ部材5とで囲まれた領域である複数の外側領域92のそれぞれに配置された繊維介在8を有し、テープ部材5の巻き方向が、ケーブルコア4の撚り方向と逆方向であり、テープ部材5の巻きピッチが、ケーブルコア4の撚りピッチよりも小さい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源供給用の複数本の電源線と信号伝送用の複数本の信号線とを撚り合わせて構成され、前記電源線と前記信号線とがケーブル周方向に交互にかつ互いに接触して配置されたケーブルコアと、
前記ケーブルコアの周囲に螺旋状に巻き付けられたテープ部材と、
前記テープ部材の周囲を覆うシースと、を備え、
前記ケーブルコアは、複数本の前記電源線と複数本の前記信号線とで囲まれたケーブル中心に位置する領域である中心領域、及び、ケーブル周方向に隣り合う前記電源線及び前記信号線と前記テープ部材とで囲まれた領域である複数の外側領域のそれぞれに配置された繊維介在を有し、
前記テープ部材の巻き方向が、前記ケーブルコアの撚り方向と逆方向であり、
前記テープ部材の巻きピッチが、前記ケーブルコアの撚りピッチよりも小さい、
複合ケーブル。
【請求項2】
前記ケーブルコアの撚りピッチをP、層心径をPDとしたとき、P/PDが15以上25以下である、
請求項1に記載の複合ケーブル。
【請求項3】
前記中心領域での前記繊維介在の充填量と、前記外側領域のそれぞれでの前記繊維介在の充填量とが、等しい、
請求項1に記載の複合ケーブル。
【請求項4】
前記中心領域での前記繊維介在の充填率が、前記外側領域のそれぞれでの前記繊維介在の充填率よりも大きい、
請求項1に記載の複合ケーブル。
【請求項5】
前記中心領域及び前記外側領域のそれぞれでの前記繊維介在の充填量が、5250デニール以上5750デニール以下である、
請求項1に記載の複合ケーブル。
【請求項6】
前記繊維介在が、熱可塑性樹脂からなる、
請求項1に記載の複合ケーブル。
【請求項7】
前記電源線は、第1導体と、前記第1導体の周囲を覆う第1絶縁体と、を有し、
前記信号線は、第2導体と、前記第2導体の周囲を覆う第2絶縁体と、を有し、
前記第1絶縁体が、前記第2絶縁体よりも柔らかい、
請求項1に記載の複合ケーブル。
【請求項8】
前記第1絶縁体のショアA硬度が、60以上90以下である、
請求項7に記載の複合ケーブル。
【請求項9】
前記第1絶縁体が、ポリ塩化ビニルをベースとする樹脂組成物からなる、
請求項7に記載の複合ケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電源線と信号線とを複合した複合ケーブルが知られている。例えば、特許文献1では、一対の電源線と一対の信号線を有し、電源線と信号線とをケーブル周方向に交互に配置することで、耐ノイズ性を向上した複合ケーブルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-134925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の複合ケーブルでは、電源線と信号線の絶縁体同士が接触する部分において、絶縁体が潰れてしまい、伝送特性が低下してしまう場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、耐ノイズ性が高く、伝送特性が良好な複合ケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決することを目的として、電源供給用の複数本の電源線と信号伝送用の複数本の信号線とを撚り合わせて構成され、前記電源線と前記信号線とがケーブル周方向に交互にかつ互いに接触して配置されたケーブルコアと、前記ケーブルコアの周囲に螺旋状に巻き付けられたテープ部材と、前記テープ部材の周囲を覆うシースと、を備え、前記ケーブルコアは、複数本の前記電源線と複数本の前記信号線とで囲まれたケーブル中心に位置する領域である中心領域、及び、ケーブル周方向に隣り合う前記電源線及び前記信号線と前記テープ部材とで囲まれた領域である複数の外側領域のそれぞれに配置された繊維介在を有し、前記ケーブルコアの撚り方向が、前記テープ部材の巻き方向と逆方向であり、前記ケーブルコアの撚りピッチが、前記テープ部材の巻きピッチよりも大きい、複合ケーブルを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、耐ノイズ性が高く、伝送特性が良好な複合ケーブルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施の形態に係る複合ケーブルの長手方向に垂直な断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0010】
図1は、本実施の形態に係る複合ケーブル1の長手方向に垂直な断面を示す断面図である。図1に示すように、複合ケーブル1は、電源供給用の複数本の電源線2と信号伝送用の複数本の信号線3とを撚り合わせて構成されたケーブルコア4と、ケーブルコア4の周囲に螺旋状に巻き付けられたテープ部材5と、テープ部材5の周囲を覆うシールド層6と、シールド層6の周囲を覆うシース7と、を備えている。複合ケーブル1は、例えば、可動部を介さない固定部用の配線として用いられるものである。なお、以下に述べる複合ケーブル1を構成する各部の外径、厚さ、ピッチ等については、JISC3005に準拠する試験方法によって測定することができる。
【0011】
(ケーブルコア4)
本実施の形態では、2本の電源線2と、2本の信号線3とを撚り合わせてケーブルコア4を構成した。ケーブルコア4では、電源線2と信号線3とがケーブル周方向に交互にかつ互いに接触して配置されている。すなわち、2本の電源線2がケーブル中心を挟んで対向するように対角配置されており、2本の信号線3がケーブル中心を挟んで対向するように対角配置されている。これにより、2本の電源線2で生じる磁界を合成した合成磁界の面が、2本の信号線3の中心を通る面と平行になるため、合成磁界による誘導電流が信号線3に生じることが抑制され、耐ノイズ性が向上する。
【0012】
電源線2は、第1導体21と、第1導体21の周囲を覆う第1絶縁体22と、を有している。そして、信号線3は、第2導体31と、第2導体31の周囲を覆う第2絶縁体32と、を有している。本実施の形態では、電源線2と信号線3の外径が略同じとなっている。
【0013】
(電源線2)
電源線2に用いる第1導体21は、銅または銅合金からなる金属素線を複数本撚り合わせた撚線導体からなる。電源線2に用いる第1絶縁体22としては、複合ケーブル1の屈曲時等に信号線3が潰され変形してしまうことを抑制するために、なるべく柔らかい材質のものを用いるとよく、少なくとも信号線3の第2絶縁体32よりも柔らかい(つまり、硬度が小さい)材質からなるものを用いるとよい。より具体的には、第1絶縁体22の硬度は、ショアA硬度で60以上90以下であるとよい。第1絶縁体22は、ショアA硬度で60以上90以下であると、信号線3と電源線2とが互いに接触した状態で撚り合わせされたときに信号線3が潰れることを抑制でき、また、複合ケーブル1を屈曲させたときにも第1絶縁体22が潰れることを抑制できる。なお、第1絶縁体22の硬度は、例えば、JISK7215に準拠する試験方法によって測定することができる。本実施の形態では、第1絶縁体22を、PVC(ポリ塩化ビニル)をベースとする樹脂組成物で構成した。これにより、複合ケーブル1の屈曲時等に信号線3の第2絶縁体32が潰れにくくなり、当該潰れによる伝送特性の低下を抑制できる。
【0014】
(信号線3)
信号線3に用いる第2導体31は、銅または銅合金からなる金属素線を複数本撚り合わせた撚線導体からなる。信号線3に用いる第2絶縁体32としては、非発泡の樹脂を用いることが望ましい。これは、発泡樹脂は外力により潰れやすく伝送特性の低下が生じやすいためである。ただし、直線状に配置される用途など、外力がかかりにくい状況で使用される複合ケーブル1においては、第2絶縁体32として発泡樹脂を使用してもよい。信号線3に用いる第2絶縁体32としては、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、フッ素樹脂等を用いることができる。環境への負荷を軽減する観点からは、フッ素樹脂よりもPEやPPによって第2絶縁体32が構成されていることがよい。また、第2絶縁体32を2層以上の多層構造としてもよい。なお、信号線3は、第2絶縁体32の周囲に、シールド層(遮蔽層)を有していてもよい。シールド層としては、例えば、複数の金属素線が螺旋状に巻き付けられてなる横巻シールドや複数本の金属素線を編み組みしてなる編組シールドが用いられる。シールド層は、横巻シールドや編組シールドの周囲を覆うようにめっき層が設けられていてもよい。
【0015】
(繊維介在8)
本実施の形態では、ケーブルコア4は、電源線2や信号線3に加えて、繊維介在8を共に撚り合わせて構成されている。繊維介在8としては、吸湿しにくいものを用いるとよく、例えば、ナイロン、フッ素樹脂、PE、PP等の熱可塑性樹脂からなるものを用いるとよい。なお、例えば、スフ(ステープルファイバー)や綿等の吸湿しやすい材質を用いた場合、吸湿によって信号線3の伝送特性が低下してしまうおそれがある。本実施の形態では、ナイロンからなる繊維介在8を用いた。1本の繊維介在8は、複数本の単繊維から構成され、1本の繊維介在8の繊度は1050デニール以上1150デニール以下であるとよい。また、繊維介在8の引張強さは50N以上であるとよく、伸びは10%以上であるとよい。なお、繊維介在8の繊度は、長さ450mでその質量が0.05gであるものを1デニールとする。また、繊維介在8の引張強さ及び伸びは、竪型引張試験機を用い、ツカミ間隔250mm以上300mm以下、引張速度200mm/min以上300mm/min以下として切断時における荷重及び伸びを測定する。荷重及び伸びの測定は、少なくとも5回行い、その平均値で表す。
【0016】
繊維介在8は、複数本(ここでは2本)の電源線2と複数本(ここでは2本)の信号線3とで囲まれたケーブル中心に位置する領域である中心領域91と、ケーブル周方向に隣り合う電源線2及び信号線3とテープ部材5とで囲まれた領域である複数(ここでは4つ)の外側領域92のそれぞれに配置されている。これにより、繊維介在8が緩衝材として機能し、信号線3の第2絶縁体32の潰れを抑制して伝送特性の低下を抑制できる。
【0017】
中心領域91での繊維介在8の充填量と、外側領域92のそれぞれでの繊維介在8の充填量とは、等しくされる。より具体的には、中心領域91及び外側領域92のそれぞれでの繊維介在8の充填量は、5250デニール以上5750デニール以下であるとよい。例えば、繊維介在8の1本が1050デニールである場合は、中心領域91及び外側領域92のそれぞれに5本の繊維介在8を充填するとよい。例えば、繊維介在8の1本が1050デニール未満である場合には、中心領域91及び外側領域92のそれぞれに充填する繊維介在8の本数は5本以上にするとよい。これにより、電源線2と信号線3との間に隙間なく繊維介在8を充填することが可能になり、ケーブルコア4を緩く撚り合わせた状態としても、ケーブルコア4内で電源線2や信号線3に位置ズレが生じることを抑制でき、位置ズレによる伝送特性の低下を抑制できる。
【0018】
なお、中心領域91は、周囲の電源線2や信号線3から圧縮され断面積が比較的小さくなるために、外側領域92と比較して繊維介在8の充填率(=充填量/断面積)が大きくなる。すなわち、中心領域91での繊維介在8の充填率は、外側領域92のそれぞれでの繊維介在8の充填率よりも大きい。中心領域91と比較して外側領域92の充填率を小さくすることにより、複合ケーブル1を曲げた際における外側領域92に充填された繊維介在8による信号線3への負荷を小さくでき、信号線3の潰れによる伝送特性の低下を抑制できる。
【0019】
(テープ部材5)
ケーブルコア4の周囲には、テープ部材5が螺旋状に巻き付けられている。テープ部材5は、その幅方向における一部が重なり合うように巻き付けられている。テープ部材5としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂からなるテープ部材を用いることができる。
【0020】
本実施の形態では、テープ部材5の巻き方向は、ケーブルコア4の撚り方向と逆方向される。これにより、複合ケーブル1を円形状に維持しようとする力が強くなるため、複合ケーブル1を曲げた際等にケーブルコア4に負荷される応力を小さくし、信号線3の潰れによる伝送特性の低下を抑制できる。なお、テープ部材5の巻き方向とは、複合ケーブル1の一端から見たときに、一端から他端にかけてテープ部材5が回転している方向である。また、ケーブルコア4の撚り方向とは、複合ケーブル1の一端から見たときに、一端から他端にかけて電源線2や信号線3が回転している方向である。
【0021】
また、本実施の形態では、テープ部材5の巻きピッチは、ケーブルコア4の撚りピッチよりも小さくされる。テープ部材5の巻きピッチを比較的小さくすることで、ケーブルコア4の変形を抑制する効果が高くなり、信号線3の潰れによる伝送特性の劣化を抑制できる。また、ケーブルコア4の撚りピッチを比較的大きくすることで、撚り合わせの際に信号線3が潰れてしまうことが抑制され、潰れによる伝送特性の劣化が抑制される。つまり、テープ部材5の巻きピッチを、ケーブルコア4の撚りピッチよりも小さくすることで、繊維介在8を含むケーブルコア4を緩く撚り合わせ、その周囲のテープ部材5でケーブルコア4の形状を保持することができ、信号線3の潰れによる伝送特性の劣化を抑制できる。
【0022】
より具体的には、ケーブルコア4の撚りピッチをP、層心径をPDとしたとき、P/PDが15以上25以下であるとよい。なお、テープ部材5の巻きピッチとは、テープ部材5の周方向位置が同じとなる箇所のケーブル長手方向に沿った間隔であり、ケーブルコア4の撚りピッチとは、任意の電源線2や信号線3の周方向位置が同じとなる箇所のケーブル長手方向に沿った間隔である。また、ケーブルコア4の層心径PDは、ケーブル長手方向に垂直な断面視で電源線2や信号線3の中心を通る円の直径であり、ケーブルコア4全体の外径から、1本の電源線2または信号線3の外径を減じた値となる。
【0023】
(シールド層6)
シールド層6は、テープ部材5の周囲を覆うように設けられている。シールド層6の具体的な構造は限定されないが、例えば、金属素線を編み組みした編組シールドや、金属素線を螺旋状に巻き付けた横巻きシールドを用いてもよい。また、金属層を有するテープ部材を巻き付けてシールド層6を構成してもよい。
【0024】
(シース7)
シース7は、シールド層6を覆うように設けられている。シース7は、例えば、PVCからなる。シース7の外径、すなわち複合ケーブル1の外径は、10mm以下である。
【0025】
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係る複合ケーブル1では、ケーブルコア4は、中心領域91及び複数の外側領域92のそれぞれに配置された繊維介在8を有し、テープ部材5の巻き方向を、ケーブルコア4の撚り方向と逆方向とし、かつ、テープ部材5の巻きピッチを、ケーブルコア4の撚りピッチよりも小さくしている。
【0026】
これにより、繊維介在8を中心領域91と外側領域92の全てに配置したケーブルコア4を緩く撚り合わせ、かつ、その周囲のテープ部材5でケーブルコア4の形状を円形状に保持することが可能になり、信号線3の潰れによる伝送特性の低下を抑制することが可能になる。
【0027】
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
【0028】
[1]電源供給用の複数本の電源線(2)と信号伝送用の複数本の信号線(3)とを撚り合わせて構成され、前記電源線(2)と前記信号線(3)とがケーブル周方向に交互にかつ互いに接触して配置されたケーブルコア(4)と、前記ケーブルコア(4)の周囲に螺旋状に巻き付けられたテープ部材(5)と、前記テープ部材(5)の周囲を覆うシース(7)と、を備え、前記ケーブルコア(4)は、複数本の前記電源線(2)と複数本の前記信号線(3)とで囲まれたケーブル中心に位置する領域である中心領域(91)、及び、ケーブル周方向に隣り合う前記電源線(2)及び前記信号線(3)と前記テープ部材(5)とで囲まれた領域である複数の外側領域(92)のそれぞれに配置された繊維介在(8)を有し、前記テープ部材(5)の巻き方向が、前記ケーブルコア(4)の撚り方向と逆方向であり、前記テープ部材(5)の巻きピッチが、前記ケーブルコア(4)の撚りピッチよりも小さい、複合ケーブル(1)。
【0029】
[2]前記ケーブルコア(4)の撚りピッチをP、層心径をPDとしたとき、P/PDが15以上25以下である、[1]に記載の複合ケーブル(1)。
【0030】
[3]前記中心領域(91)での前記繊維介在(8)の充填量と、前記外側領域(92)のそれぞれでの前記繊維介在(8)の充填量とが、等しい、[1]または[2]に記載の複合ケーブル(1)。
【0031】
[4]前記中心領域(91)での前記繊維介在(8)の充填率が、前記外側領域(92)のそれぞれでの前記繊維介在(8)の充填率よりも大きい、[1]乃至[3]の何れか1項に記載の複合ケーブル(1)。
【0032】
[5]前記中心領域(91)及び前記外側領域(92)のそれぞれでの前記繊維介在(8)の充填量が、5250デニール以上5750デニール以下である、[1]乃至[4]の何れか1項に記載の複合ケーブル(1)。
【0033】
[6]前記繊維介在(8)が、熱可塑性樹脂からなる、[1]乃至[5]の何れか1項に記載の複合ケーブル(1)。
【0034】
[7]前記電源線(2)は、第1導体(21)と、前記第1導体(21)の周囲を覆う第1絶縁体(22)と、を有し、前記信号線(3)は、第2導体(31)と、前記第2導体(31)の周囲を覆う第2絶縁体(32)と、を有し、前記第1絶縁体(22)が、前記第2絶縁体(32)よりも柔らかい、[1]乃至[6]の何れか1項に記載の複合ケーブル(1)。
【0035】
[8]前記第1絶縁体(22)のショアA硬度が、60以上90以下である、[7]に記載の複合ケーブル(1)。
【0036】
[9]前記第1絶縁体(22)が、ポリ塩化ビニルをベースとする樹脂組成物からなる、[7]または[8]に記載の複合ケーブル(1)。
【0037】
(付記)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0038】
1…複合ケーブル
2…電源線
21…第1導体
22…第1絶縁体
3…信号線
31…第2導体
32…第2絶縁体
4…ケーブルコア
5…テープ部材
6…シールド層
7…シース
8…繊維介在
91…中心領域
92…外側領域
図1