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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015462
(43)【公開日】2024-02-02
(54)【発明の名称】光デバイス
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/42 20060101AFI20240125BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240125BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
G02B6/42
H05K7/20 D
H01L23/12 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115347
(22)【出願日】2022-07-20
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度 国立研究開発法人情報通信研究機構「革新的情報通信技術研究開発委託研究/研究開発課題名:Beyond 5G超大容量無線通信を支える次世代エッジクラウドコンピューティング基盤の研究開発/研究開発項目1)高速大容量データ転送を実現する革新的ハードウェア技術の研究開発/研究開発項目2)多種多様なサービスに対応可能な高機能エッジクラウド情報処理基盤の研究開発/副題:Beyond 5Gに向けた革新的高速大容量データ転送ハードウェア開発と高機能エッジクラウド情報処理基盤の研究開発」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】505173245
【氏名又は名称】古河ネットワークソリューション株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三浦 健輔
(72)【発明者】
【氏名】高橋 慶
【テーマコード(参考)】
2H137
5E322
【Fターム(参考)】
2H137AA01
2H137AB05
2H137AB06
2H137BA01
2H137BB02
2H137BB12
2H137BB17
2H137CC05
2H137DA39
2H137DB12
2H137DB14
5E322AA01
5E322AA03
5E322BB03
5E322FA04
(57)【要約】
【課題】例えば、基板の表面に沿ってより小さく構成することが可能となるような、改善された新規な光デバイスを得る。
【解決手段】光デバイスは、例えば、複数の光トランシーバが実装され第一方向と交差した第一基板と、半導体集積回路が実装され第一方向と交差し第一基板と第一方向に間隔をあけて並んだ第二基板と、第一基板と第二基板との間に介在し、光トランシーバの導体と半導体集積回路の導体とを電気的に接続する配線を有した中間部材と、を備える。中間部材は、配線として、第一方向に伸縮可能なピンを有してもよい。中間部材は、配線を支持するベースを有し、ベースの少なくとも一部は、導体で作られてもよい。また、ベースには、第一方向に貫通し配線が通る開口が設けられ、開口の少なくとも内周面は、導体で作られてもよい。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光トランシーバが実装され第一方向と交差した第一基板と、
半導体集積回路が実装され前記第一方向と交差し前記第一基板と前記第一方向に間隔をあけて並んだ第二基板と、
前記第一基板と前記第二基板との間に介在し、前記光トランシーバの導体と前記半導体集積回路の導体とを電気的に接続する配線を有した中間部材と、
を備えた、光デバイス。
【請求項2】
前記中間部材は、前記配線として、前記第一方向に伸縮可能なピンを有した、請求項1に記載の光デバイス。
【請求項3】
前記中間部材は、前記配線を支持するベースを有し、前記ベースの少なくとも一部は、導体で作られた、請求項1に記載の光デバイス。
【請求項4】
前記ベースには、前記第一方向に貫通し前記配線が通る開口が設けられ、
前記開口の少なくとも内周面は、前記導体で作られた、請求項3に記載の光デバイス。
【請求項5】
前記配線と前記内周面との間に空間が設けられた、請求項4に記載の光デバイス。
【請求項6】
前記配線は、絶縁体を介して前記ベースに支持された、請求項4または5に記載の光デバイス。
【請求項7】
前記中間部材は、前記配線として、前記ベースの前記導体と電気的に接続された配線を有した、請求項4に記載の光デバイス。
【請求項8】
前記ベースの前記導体は、前記半導体集積回路を覆う、請求項3に記載の光デバイス。
【請求項9】
前記ベースは、前記半導体集積回路と熱的に接続された、請求項3に記載の光デバイス。
【請求項10】
前記ベースは、前記複数の光トランシーバと熱的に接続された、請求項3または9に記載の光デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークスイッチ装置に用いられる光デバイスとして、小型光トランシーバを備えた光デバイスが、知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-027147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される光デバイスでは、基板の表面上に、信号処理IC(integrated circuit)としてのスイッチASIC(application specific integrated circuit)と、複数の光トランシーバとが、実装されている。当該光デバイスでは、信号処理ICの周囲に複数の光トランシーバが一つの基板の表面上に配置されているため、光デバイスは、当該基板の表面に沿って大型化しやすくなる。
【0005】
そこで、本発明の課題の一つは、基板と、複数の光トランシーバと、信号処理ICとを備えた光デバイスとして、例えば、基板の表面に沿ってより小さく構成することが可能となるような、改善された新規な光デバイスを得ること、である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光デバイスは、例えば、複数の光トランシーバが実装され第一方向と交差した第一基板と、半導体集積回路が実装され前記第一方向と交差し前記第一基板と前記第一方向に間隔をあけて並んだ第二基板と、前記第一基板と前記第二基板との間に介在し、前記光トランシーバの導体と前記半導体集積回路の導体とを電気的に接続する配線を有した中間部材と、を備える。
【0007】
前記光デバイスでは、前記中間部材は、前記配線として、前記第一方向に伸縮可能なピンを有してもよい。
【0008】
前記光デバイスでは、前記中間部材は、前記配線を支持するベースを有し、前記ベースの少なくとも一部は、導体で作られてもよい。
【0009】
前記光デバイスでは、前記ベースには、前記第一方向に貫通し前記配線が通る開口が設けられ、前記開口の少なくとも内周面は、前記導体で作られてもよい。
【0010】
前記光デバイスでは、前記配線と前記内周面との間に空間が設けられてもよい。
【0011】
前記光デバイスでは、前記配線は、絶縁体を介して前記ベースに支持されてもよい。
【0012】
前記光デバイスでは、前記中間部材は、前記配線として、前記ベースの前記導体と電気的に接続された配線を有してもよい。
【0013】
前記光デバイスでは、前記ベースの前記導体は、前記半導体集積回路を覆ってもよい。
【0014】
前記光デバイスでは、前記ベースは、前記半導体集積回路と熱的に接続されてもよい。
【0015】
前記光デバイスでは、前記ベースは、前記複数の光トランシーバと熱的に接続されてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、新規な改善された光デバイスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、第1実施形態の光デバイスを備えた通信装置の例示的かつ模式的な斜視図である。
図2図2は、第1実施形態の光デバイスの例示的かつ模式的な斜視図である。
図3図3は、第1実施形態の光デバイスの例示的かつ模式的な分解斜視図である。
図4図4は、第1実施形態の光デバイスに含まれる中間部材の一部の例示的かつ模式的な断面図である。
図5図5は、第1実施形態の光デバイスの一部の例示的かつ模式的な断面図である。
図6図6は、第2実施形態の光デバイスに含まれる中間部材の一部の例示的かつ模式的な断面図である。
図7図7は、第3実施形態の光デバイスに含まれる中間部材の一部の例示的かつ模式的な断面図である。
図8図8は、第4実施形態の光デバイスの一部の例示的かつ模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0019】
以下に示される複数の実施形態は、同様の構成を備えている。よって、各実施形態の構成によれば、当該同様の構成に基づく同様の作用および効果が得られる。また、以下では、それら同様の構成には同様の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される場合がある。
【0020】
本明細書において、序数は、方向や、部材等を区別するために便宜上付与されており、優先順位や順番を示すものではない。
【0021】
各図において、X方向を矢印Xで表し、Y方向を矢印Yで表し、Z方向を矢印Zで表す。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに交差するとともに互いに直交している。また、以下では、X方向を長手方向若しくは延び方向、Y方向を短手方向若しくは幅方向、Z方向を積層方向若しくは高さ方向と称する。
【0022】
また、各図は説明を目的とした模式図であって、各図と実物とでスケールや比率は、必ずしも一致しない。
【0023】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の通信装置200の斜視図である。図1に示されるように、通信装置200は、マザーボード201と、IC202と、複数のスイッチ装置100と、ファン203と、電源モジュール204と、を備えている。
【0024】
マザーボード201は、Z方向に略一定の厚さを有し、Z方向と交差して広がっている。マザーボード201は、面201aと、を有している。面201aは、Z方向を向くとともに、Z方向と交差している。
【0025】
IC202、複数のスイッチ装置100、ファン203、および電源モジュール204は、面201a上に実装されている。
【0026】
IC202は、複数のスイッチ装置100の作動を制御する。ファン203は、通信装置200の各部を冷却する空気流を送る電動ファンである。電源モジュール204は、通信装置200の各部に電源電力を供給する。
【0027】
マザーボード201の導体(不図示)とスイッチ装置100の導体(不図示)とは、コネクタ90内の導体(不図示)を介して電気的に接続されている。
【0028】
図2は、スイッチ装置100の斜視図であり、図3は、スイッチ装置100の分解斜視図である。スイッチ装置100は、光デバイスの一例である。
【0029】
図2,3に示されるように、スイッチ装置100は、第一基板10と、第二基板20と、中間部材30と、光トランシーバ40と、スイッチASIC50と、を備えている。
【0030】
第一基板10は、正方形状(四角形状)の形状を有している。第一基板10は、Z方向と交差するとともに直交して広がるとともに、板状の形状を有している。第一基板10は、Z方向を向く面10aと、当該面10aとは反対側でZ方向の反対方向を向く面10bと、を有している。面10a,10bは、Z方向と交差するとともに直交して広がっている。第一基板10は、例えば、プリント配線基板である。Z方向は、第一方向の一例である。
【0031】
図2に示されるように、複数の光トランシーバ40は、第一基板10の四つの辺10cのそれぞれに沿って配置されている。各光トランシーバ40からは、光ファイバ41が延びている。なお、光ファイバ41は、光トランシーバ40からZ方向と交差した方向に延びているが、これには限定されず、光トランシーバ40からZ方向に略沿って延びてもよい。
【0032】
また、本実施形態では、光トランシーバ40は、第一基板10の面10a上に実装されたソケット10dに着脱可能に装着されている。すなわち、光トランシーバ40は、所謂プラガブル光トランシーバである。なお、光トランシーバ40は、ソケット10dに、Z方向と交差した方向に着脱されるが、これには限定されず、光トランシーバ40は、ソケット10dに、Z方向に略沿って着脱されてもよい。
【0033】
第二基板20は、正方形状(四角形状)の形状を有している。第二基板20は、Z方向と交差するとともに直交して広がるとともに、板状の形状を有している。第二基板20は、Z方向を向く面20aと、当該面20aとは反対側でZ方向の反対方向を向く面20bと、を有している。面20a,20bは、Z方向と交差するとともに直交して広がっている。第二基板20は、例えば、プリント配線基板である。
【0034】
第二基板20は、第一基板10に対して、Z方向の反対方向に離れている。すなわち、第二基板20と第一基板10とは、Z方向に間隔をあけて並んでいる。
【0035】
また、第二基板20の面20bには、スイッチASIC50が実装されている。スイッチASIC50は、第一基板10の辺10cのそれぞれから離れた位置(本実施形態では一例として第一基板10の略中央部)で、第一基板10にフリップチップ実装されている。スイッチASIC50は、各光トランシーバ40の作動を制御する。スイッチASIC50は、半導体集積回路の一例であり、信号処理ICとも称される。
【0036】
スイッチASIC50に対して第二基板20とは反対側には、ヒートシンク51が設けられている。ヒートシンク51は、スイッチASIC50で生じた熱を放出する。ヒートシンク51は、放熱機構や、冷却機構とも称されうる。なお、冷却機構は、ヒートシンク51には限定されず、例えば、冷媒による熱輸送機構を有するなど、他の構成を有してもよい。
【0037】
第一基板10と第二基板20との間には、中間部材30が設けられている。中間部材30(のベース31)は、Z方向と交差するとともに直交して広がるとともに、板状の形状を有している。厚さは、第一基板10および第二基板20の厚さよりも大きいが、これには限定されない。
【0038】
図4は、中間部材30の一部の断面図である。図4に示されるように、中間部材30は、ベース31と、配線部材32と、絶縁体33と、を有している。配線部材32は、第一基板10と第二基板20との間に介在し、光トランシーバ40中の導体(不図示)とスイッチASIC50中の導体(不図示)とを電気的に接続する配線の一部として機能する。
【0039】
ベース31は、例えば、導体で作られる。導体は、例えば、アルミニウム合金や純アルミニウムのようなアルミニウム系材料や、銅合金や無酸素銅のような銅系材料である。さらに、導体は、比較的熱伝導性の高い材料で作られるのが好ましい。
【0040】
配線部材32は、ベース31をZ方向に貫通する開口31a内に収容され、当該ベース31をZ方向に貫通している。開口31aは、貫通孔や、切欠として、設けられうる。配線部材32は、ベース31に対してZ方向およびZ方向の反対方向の双方に露出している。配線部材32は、配線の一例である。
【0041】
配線部材32は、例えば、内部にばね(不図示)のような弾性部材を有し、Z方向において弾性的に伸縮可能なピンである。第一基板10および第二基板20とアセンブリされていない自由状態において、配線部材32のZ方向の端部32aは、ベース31のZ方向の端部に位置する面31bからZ方向に突出し、配線部材32のZ方向の反対方向の端部32bは、ベース31のZ方向の反対方向の端部に位置する面31cからZ方向の反対方向に突出している。
【0042】
配線部材32は、ベース31に、絶縁体33を介して支持されている。絶縁体33は、開口31aのZ方向およびZ方向の反対方向の端部を塞ぐキャップとして設けられている。このような構成により、本実施形態では、開口31aの内周面31a1と配線部材32との間に、空間Sが設けられている。
【0043】
また、このような構成において、ベース31は、グラウンドと電気的に接続され、開口31aの直径、すなわち内周面31a1の直径は、ベース31に対する配線部材32の差動インピーダンスが所期の値(例えば、100[Ω]や、90[Ω])となるよう、設定される。
【0044】
なお、ベース31は、その全体が導体で作られなくてもよく、言い換えると、少なくとも一部が導体であればよく、例えば、配線部材32を間隔をあけて取り囲む別の導体で作られた筒状部材(不図示)と、当該筒状部材を支持する支持部材(不図示)と、を有してもよい。この場合、支持部材は、導体であってもよいし、導体でなくてもよい。
【0045】
図5は、スイッチ装置100A(100)の一部の断面図である。図5に示されるように、第一基板10、第二基板20、および中間部材30は、ボルトやナットのような結合機構70を介して一体化され、これにより、スイッチ装置100Aが構成されている。中間部材30の配線部材32は、第一基板10に設けられた導体10eと、第二基板20に設けられた導体20cとを電気的に接続している。アセンブリされた状態で、配線部材32は、第一基板10および第二基板20によってZ方向に弾性的に圧縮される。これにより、配線部材32は、弾性的に伸張し、導体10e,20cを、それぞれ所要の押圧力で押圧する。また、第一基板10の導体10eは、光トランシーバ40の導体(不図示)と電気的に接続されている。他方、第二基板20の導体20cは、はんだボールのようなバンプ20dを介して、スイッチASIC50の導体(不図示)と電気的に接続されている。バンプ20dは、導体の一例であり、配線の一部を構成している。
【0046】
上述した構成において、光トランシーバ40は、それぞれ、光ファイバ41において伝送された光信号を受光し、当該光信号に応じた電気信号を出力する。光トランシーバ40から出力された電気信号は、第一基板10の導体10e、中間部材30の配線部材32、第二基板20の導体20c、およびバンプ20dを介して、スイッチASIC50へ入力される。光トランシーバ40は、光信号を受光する複数の受光部として、フォトダイオードアレイ(不図示)を有している。また、光トランシーバ40は、それぞれ、スイッチASIC50から、バンプ20d、第二基板20の導体20c、中間部材30の配線部材32、および第一基板10の導体10eを介して、電気信号を受信し、当該電気信号に応じた光信号を出力する。光トランシーバ40から出力された光信号は、光ファイバ41に結合され、当該光ファイバ41において伝送される。光トランシーバ40は、光信号を出力する複数の発光部として、例えば、LDアレイ(不図示、LD:laser diode)を有している。
【0047】
なお、スイッチASIC50とヒートシンク51との間には、熱伝導シート52が介在している。すなわち、ヒートシンク51は、熱伝導シート52を介して、スイッチASIC50と熱的に接続されている。なお、スイッチASIC50とヒートシンク51との間には、熱伝導シート52に替えて、熱伝導ゲルのような別の部材が介在してもよい。熱伝導シート52や、熱伝導ゲルは、伝熱部材とも称されうる。また、スイッチASIC50とヒートシンク51とは、他の部材を介することなく、直接的に接続されてもよい。
【0048】
以上説明したように、本実施形態では、複数の光トランシーバ40が第一基板10に実装されるとともに、スイッチASIC50(半導体集積回路)が第二基板20に実装され、第一基板10と第二基板20とが、それらが交差するZ方向に間隔をあけて並べられている。これにより、複数の光トランシーバ40とスイッチASIC50とが一つの基板に実装された構成に比べて、スイッチ装置100のZ方向と交差する方向におけるサイズをより小さくすることができる。これにより、図1に示されるようにマザーボード201上に複数のスイッチ装置100が実装される構成において、マザーボード201のサイズをより小さく(狭く)することができ、ひいては通信装置200をより小さく構成できるという利点が得られる。また、複数の光トランシーバ40とスイッチASIC50とが一つの基板に実装された構成において、例えば、光トランシーバ40の数が多いような場合には、面10aにおいて配策される各光トランシーバ40とスイッチASIC50との間の配線が、それぞれ長くなってしまう虞がある。この点、本実施形態によれば、各光トランシーバ40とスイッチASIC50との間の配線部材32を含む配線を、面10aと交差したZ方向に配策することができる分、配線をより短くできる場合がある。
【0049】
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態の中間部材30の一部の断面図である。図6に示されるように、本実施形態では、開口31a内には空間S(図4参照)が設けられず、開口31a内は全て絶縁体33で埋められている。本実施形態でも、配線部材32は、絶縁体33を介してベース31に支持されている。また、本実施形態でも、開口31aの直径、すなわち内周面31a1の直径は、ベース31に対する配線部材32の差動インピーダンスが所期の値(例えば、100[Ω]や、90[Ω])となるよう、設定される。なお、当該直径は、第1実施形態のように空間Sである場合とは異なる値となる。
【0050】
[第3実施形態]
図7は、第3実施形態の中間部材30の一部の断面図である。図7に示されるように、本実施形態では、一部の配線部材32は、ベース31によって、直接支持されており、導体としてのベース31と電気的に接続されている。この場合、配線部材32は、例えば、光トランシーバ40のグラウンド導体およびスイッチASIC50のグラウンド導体のうち少なくとも一方の導体と電気的に接続されたグラウンド配線である。なお、図4(第1実施形態)の構造、図6の構造(第2実施形態)、および図7(第3実施形態)の構造のうち、少なくとも二つの構造は、同じスイッチ装置100内に設けられてもよい。
【0051】
[第4実施形態]
図8は、第4実施形態のスイッチ装置100D(100)の一部の断面図である。第1実施形態では、スイッチASIC50は、第二基板20の面20b上に実装されていたが、本実施形態では、図8に示されるように、スイッチASIC50は、第二基板20の面20a上に実装されている。ベース31には、スイッチASIC50を収容する凹部31dが設けられている。そして、スイッチASIC50と、凹部31dの底面31d1との間には、可撓性を有した熱伝導シート52が、圧縮された状態で介在している。このような構成により、スイッチASIC50は、ベース31(中間部材30)と熱的に接続されている。すなわち、スイッチASIC50で生じた熱は、熱伝導シート52を介して、ベース31へ伝達される。なお、スイッチASIC50と凹部31dの底面31d1との間には、熱伝導シート52に替えて、熱伝導ゲルのような別の部材が介在してもよい。熱伝導シート52や、熱伝導ゲルは、伝熱部材とも称されうる。
【0052】
また、図8に示されるように、スイッチASIC50は、導体によって作られたベース31によって覆われている。この場合、ベース31が電磁シールドとなり、不要電磁波がスイッチASIC50の作動に悪影響を及ぼしたり、あるいはスイッチASIC50から周囲に不要電磁波が放射され光トランシーバ40や他の部品の作動に悪影響を及ぼしたりするのを抑制することができる。
【0053】
さらに、図8に示されるように、本実施形態では、第一基板10には、当該第一基板10をZ方向に貫通する熱伝達部材10fと、当該熱伝達部材10fと接して熱的に接続された熱伝達部材10gと、が設けられている。そして、光トランシーバ40と、ベース31(中間部材30)とが、当該熱伝達部材10f,10gを介して熱的に接続されている。熱伝達部材10fは、例えば、インレイや、貫通ビアであり、熱伝達部材10gは、例えば、はんだボールのようなバンプや、パッドである。すなわち、本実施形態では、ベース31(中間部材30)は、スイッチASIC50および光トランシーバ40のそれぞれに対して、放熱機構として機能しうる。なお、本実施形態では、ベース31(中間部材30)は、スイッチASIC50および光トランシーバ40の双方に熱的に接続されたが、いずれか一方に熱的に接続されてもよい。
【0054】
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、型式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0055】
10…第一基板
10a…面
10b…面
10c…辺
10d…ソケット
10e…導体
10f…熱伝達部材
10g…熱伝達部材
20…第二基板
20a…面
20b…面
20c…導体
20d…バンプ
30…中間部材
31…ベース
31a…開口
31a1…内周面
31b…面
31c…面
31d…凹部
31d1…底面
32…配線部材(配線)
32a…端部
32b…端部
33…絶縁体
40…光トランシーバ
41…光ファイバ
50…スイッチASIC(半導体集積回路)
51…ヒートシンク
52…熱伝導シート
70…結合機構
90…コネクタ
100,100A,100D…スイッチ装置(光デバイス)
200…通信装置
201…マザーボード
201a…面
202…IC
203…ファン
204…電源モジュール
S…空間
X…方向
Y…方向
Z…方向(第一方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8