(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015472
(43)【公開日】2024-02-02
(54)【発明の名称】基板アセンブリ、光通信装置、および光学装置
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20240125BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
H05K1/02 P
H01L23/12 Q
H01L23/12 E
H05K1/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201844
(22)【出願日】2022-12-19
(31)【優先権主張番号】P 2022115348
(32)【優先日】2022-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、国立研究開発法人情報通信研究機構「革新的情報通信技術研究開発委託研究/研究開発課題名:Beyond 5G超大容量無線通信を支える次世代エッジクラウドコンピューティング基盤の研究開発/研究開発項目1)高速大容量データ転送を実現する革新的ハードウェア技術の研究開発/研究開発項目2)多種多様なサービスに対応可能な高機能エッジクラウド情報処理基盤の研究開発/副題:Beyond 5Gに向けた革新的高速大容量データ転送ハードウェア開発と高機能エッジクラウド情報処理基盤の研究開発」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】505173245
【氏名又は名称】古河ネットワークソリューション株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 慶
(72)【発明者】
【氏名】三浦 健輔
(72)【発明者】
【氏名】鳥光 悟
(72)【発明者】
【氏名】石毛 悠太
(72)【発明者】
【氏名】山本 篤司
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338AA03
5E338BB12
5E338CC01
5E338CC05
5E338CC06
5E338CD13
5E338CD32
5E338EE11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】例えば、差動インピーダンスを目標値に近付け易くする構成を備えるような、新規な改善された基板アセンブリ、光通信装置及び光学装置を提供する。
【解決手段】基板アセンブリは、二つの差動ビア12b2間の間隔としての第一間隔I1が、少なくとも部分的に、二つの差動電極12a間の間隔としての第二間隔I2と相違する第一構造、差動ビアとグラウンドビアビア13b1、13b2との間の第一方向と交差した方向における最小距離としての第一距離d1が、少なくとも部分的に、差動電極とグラウンド電極13aとの間の第一方向と交差した方向における最小距離としての第二距離d2と相違する第二構造、および差動ビアが、第一方向と交差した方向における第一直径D12が異なる複数の部位を有した第三構造、のうち、少なくとも一つの構造を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁体と、第一導体と、第一方向を向く第一面と、を有した配線基板と、
前記第一面に実装された電子部品と、
を備えた基板アセンブリであって、
前記第一導体は、
前記第一面に設けられ、それぞれが前記電子部品の第二導体と電気的に接続された二つの差動電極を含む差動電極対と、
前記第一面に設けられ、前記差動電極対の周囲に配置された複数のグラウンド電極と、
前記第一方向に延び、前記差動電極のそれぞれと電気的に接続された二つの差動ビアを含む差動ビア対と、
前記差動ビア対の周囲に配置され、前記第一方向に延び、前記グラウンド電極のそれぞれと電気的に接続された複数のグラウンドビアと、
を有し、
前記二つの差動ビア間の前記第一方向と交差した方向における間隔としての第一間隔が、少なくとも部分的に、前記二つの差動電極の前記第一方向と交差した方向における間隔としての第二間隔と相違する第一構造、
前記差動ビアと前記グラウンドビアとの間の前記第一方向と交差した方向における最小距離としての第一距離が、少なくとも部分的に、前記差動電極と前記グラウンド電極との間の前記第一方向と交差した方向における最小距離としての第二距離と相違する第二構造、および、
前記差動ビアが、前記第一方向と交差した方向における第一直径が異なる複数の部位を有した第三構造、
のうち、少なくとも一つの構造を有した、基板アセンブリ。
【請求項2】
前記配線基板は、それぞれが、前記差動電極対と、当該差動電極対に対応して設けられた前記差動ビア対と、を含む複数の差動配線対を、有した、請求項1に記載の基板アセンブリ。
【請求項3】
前記第一構造は、前記第一間隔が前記第二間隔より広い構造であり、
前記第二構造は、前記第一距離が前記第二距離より長い構造であり、
前記第三構造は、前記差動ビアが、前記第一直径が所定値である第一部位と、当該第一部位より前記差動電極に近く前記第一直径が前記第一部位より大きい第二部位と、を有する構造である、請求項1または2に記載の基板アセンブリ。
【請求項4】
前記第一構造は、前記第一間隔が前記第二間隔より狭い構造であり、
前記第二構造は、前記第一距離が前記第二距離より短い構造であり、
前記第三構造は、前記差動ビアが、前記第一直径が所定値である第一部位と、当該第一部位より前記差動電極に近く前記第一直径が前記第一部位より小さい第二部位と、を有する構造である、請求項1または2に記載の基板アセンブリ。
【請求項5】
前記電子部品の第二導体と、前記差動電極または前記グラウンド電極とが、接続導体を介して電気的に接続された、請求項1または2に記載の基板アセンブリ。
【請求項6】
前記第一導体は、前記第一方向と交差して延びて前記差動電極対に含まれる前記差動電極のそれぞれと前記差動電極対に対応した前記差動ビア対に含まれる前記差動ビアのそれぞれの少なくとも一部とを電気的に接続する二つの接続部を含む接続部対を有した、請求項1に記載の基板アセンブリ。
【請求項7】
前記第一導体は、前記第一方向と交差して延びて前記差動電極対に含まれる前記差動電極のそれぞれと前記差動電極対に対応した前記差動ビア対に含まれる前記差動ビアのそれぞれの少なくとも一部とを電気的に接続する二つの接続部を含む接続部対を有し、
前記配線基板は、前記複数の差動配線対として、長さが互いに異なる前記接続部対を有した複数の差動配線対を有した、請求項2に記載の基板アセンブリ。
【請求項8】
前記絶縁体は、前記第一方向において互いにずれて誘電率が互いに異なる複数の部位を有した、請求項1に記載の基板アセンブリ。
【請求項9】
前記絶縁体は、前記第一方向に積層された複数の絶縁層を有し、
前記複数の絶縁層は、誘電率が互いに異なる複数の絶縁層を含む、請求項8に記載の基板アセンブリ。
【請求項10】
前記絶縁体に、前記差動ビアと前記グラウンドビアとの間、または互いに隣り合う二つの前記グラウンドビアの間で、前記第一方向に延びた空洞が設けられた、請求項1または8に記載の基板アセンブリ。
【請求項11】
絶縁体と、第一導体と、第一方向を向く第一面と、を有した配線基板と、
前記第一面に実装された電子部品と、
を備えた基板アセンブリであって、
前記第一導体は、
前記第一面に設けられ、それぞれが前記電子部品の第二導体と電気的に接続された二つの差動電極を含む差動電極対と、
前記第一面に設けられ、前記差動電極対の周囲に配置された複数のグラウンド電極と、
前記第一方向に延び、前記差動電極のそれぞれと電気的に接続された二つの差動ビアを含む差動ビア対と、
前記差動ビア対の周囲に配置され、前記第一方向に延び、前記グラウンド電極のそれぞれと電気的に接続された複数のグラウンドビアと、
を有し、
前記絶縁体は、前記第一方向において互いにずれて誘電率が互いに異なる複数の部位を有した、基板アセンブリ。
【請求項12】
前記絶縁体は、前記第一方向に積層された複数の絶縁層を有し、
前記複数の絶縁層は、誘電率が互いに異なる複数の絶縁層を含む、請求項11に記載の基板アセンブリ。
【請求項13】
前記絶縁体に、前記差動ビアと前記グラウンドビアとの間、または互いに隣り合う二つの前記グラウンドビアの間で、前記第一方向において部分的に延びた空洞が設けられた、請求項11または12に記載の基板アセンブリ。
【請求項14】
前記電子部品として、
前記差動電極のそれぞれが前記差動ビアを介さずに電気的に接続された前記第二導体と前記グラウンド電極のそれぞれが前記グラウンドビアを介さずに電気的に接続された前記第二導体とを有した第一電子部品と、
前記差動電極のそれぞれが前記差動ビアを介して電気的に接続された前記第二導体と前記グラウンド電極のそれぞれが前記グラウンドビアを介して電気的に接続された前記第二導体とを有した第二電子部品と、
を備えた、請求項1または11に記載の基板アセンブリ。
【請求項15】
前記第一電子部品および前記第二電子部品のうちの一方は、光トランシーバであり、
前記第一電子部品および前記第二電子部品のうちの他方は、半導体集積回路である、請求項14に記載の基板アセンブリ。
【請求項16】
前記第一電子部品として、複数の光トランシーバを備えるとともに、
前記第二電子部品として、一つの半導体集積回路を備えた、請求項14に記載の基板アセンブリ。
【請求項17】
請求項16に記載の基板アセンブリとしての複数の基板アセンブリと、
前記複数の基板アセンブリが装着されたマザーボードと、
前記マザーボードに実装され前記複数の基板アセンブリの前記電子部品の作動を制御する信号処理回路と、
を備えた、光通信装置。
【請求項18】
絶縁体と、第一導体と、第一方向を向く第一面と、を有した配線基板と、
前記第一面に実装された電子部品およびアクティブ光学部品と、
を備えた光学装置であって、
前記第一導体は、
前記第一面に設けられ、それぞれが前記電子部品または前記アクティブ光学部品の第二導体と電気的に接続された二つの差動電極を含む差動電極対と、
前記第一面に設けられ、前記差動電極対の周囲に配置された複数のグラウンド電極と、
前記第一方向に延び、前記差動電極のそれぞれと電気的に接続された二つの差動ビアを含む差動ビア対と、
前記差動ビア対の周囲に配置され、前記第一方向に延び、前記グラウンド電極のそれぞれと電気的に接続された複数のグラウンドビアと、
を有し、
前記二つの差動ビア間の前記第一方向と交差した方向における間隔としての第一間隔が、少なくとも部分的に、前記二つの差動電極の前記第一方向と交差した方向における間隔としての第二間隔と相違する第一構造、
前記差動ビアと前記グラウンドビアとの間の前記第一方向と交差した方向における最小距離としての第一距離が、少なくとも部分的に、前記差動電極と前記グラウンド電極との間の前記第一方向と交差した方向における最小距離としての第二距離と相違する第二構造、および、
前記差動ビアが、前記第一方向と交差した方向における第一直径が異なる複数の部位を有した第三構造、
のうち、少なくとも一つの構造を有した、光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板アセンブリ、光通信装置、および光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光トランシーバを備えた光通信装置が知られている(特許文献1)。特許文献1に開示される光通信装置は、複数の集積回路パッケージを備えている。各集積回路パッケージは、配線基板と、当該配線基板に実装されたASICや光トランシーバのような複数の電子部品と、を有した基板アセンブリを構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板アセンブリにおいて、複数の電子部品間で、配線基板に設けられた対をなす導体配線(差動配線)を介して比較的高速の差動信号が伝送される場合、当該差動配線のインピーダンス(差動インピーダンス)は、通常、例えば、100[Ω]や90[Ω]に設定される。
【0005】
近年、より小型の通信装置によって、通信トラフィックの増大に対応するため、当該通信装置に実装される基板アセンブリひいては電子部品はより小型化される傾向にある。これに伴い、配線基板に設けられ電子部品の導体と電気的に接続され差動配線の一部を構成する対をなす電極(差動電極)の間隔は、狭まる傾向にある。
【0006】
差動配線の差動インピーダンスは、対をなす差動電極の間隔に応じて変化する。よって、差動インピーダンスが目標値となるように差動電極の間隔を設定した場合には、配線基板ひいては通信装置が大型化する虞があり、逆に、配線基板を小型化するために差動電極の間隔を狭く設定した場合には、伝送線路の差動インピーダンスを、100[Ω]や90[Ω]のような目標値に設定し難くなる虞がある。また、光トランシーバのような光学装置の内部の配線基板にあっても、同様の課題は生じうる。
【0007】
そこで、本発明の課題の一つは、例えば、差動インピーダンスを目標値に近付け易くする構成を備えるような、新規な改善された基板アセンブリ、光通信装置、および光学装置を得ること、である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の基板アセンブリは、例えば、絶縁体と、第一導体と、第一方向を向く第一面と、を有した配線基板と、前記第一面に実装された電子部品と、を備えた基板アセンブリであって、前記第一導体は、前記第一面に設けられ、それぞれが前記電子部品の第二導体と電気的に接続された二つの差動電極を含む差動電極対と、前記第一面に設けられ、前記差動電極対の周囲に配置された複数のグラウンド電極と、前記第一方向に延び、前記差動電極のそれぞれと電気的に接続された二つの差動ビアを含む差動ビア対と、前記差動ビア対の周囲に配置され、前記第一方向に延び、前記グラウンド電極のそれぞれと電気的に接続された複数のグラウンドビアと、を有し、前記二つの差動ビア間の前記第一方向と交差した方向における間隔としての第一間隔が、少なくとも部分的に、前記二つの差動電極の前記第一方向と交差した方向における間隔としての第二間隔と相違する第一構造、前記差動ビアと前記グラウンドビアとの間の前記第一方向と交差した方向における最小距離としての第一距離が、少なくとも部分的に、前記差動電極と前記グラウンド電極との間の前記第一方向と交差した方向における最小距離としての第二距離と相違する第二構造、および、前記差動ビアが、前記第一方向と交差した方向における第一直径が異なる複数の部位を有した第三構造、のうち、少なくとも一つの構造を有する。
【0009】
前記基板アセンブリでは、前記配線基板は、それぞれが、前記差動電極対と、当該差動電極対に対応して設けられた前記差動ビア対と、を含む複数の差動配線対を、有してもよい。
【0010】
前記基板アセンブリでは、前記第一構造は、前記第一間隔が前記第二間隔より広い構造であり、前記第二構造は、前記第一距離が前記第二距離より長い構造であり、前記第三構造は、前記差動ビアが、前記第一直径が所定値である第一部位と、当該第一部位より前記差動電極に近く前記第一直径が前記第一部位より大きい第二部位と、を有する構造であってもよい。
【0011】
前記基板アセンブリでは、前記第一構造は、前記第一間隔が前記第二間隔より狭い構造であり、前記第二構造は、前記第一距離が前記第二距離より短い構造であり、前記第三構造は、前記差動ビアが、前記第一直径が所定値である第一部位と、当該第一部位より前記差動電極に近く前記第一直径が前記第一部位より小さい第二部位と、を有する構造であってもよい。
【0012】
前記基板アセンブリでは、前記電子部品の第二導体と、前記差動電極または前記グラウンド電極とが、接続導体を介して電気的に接続されてもよい。
【0013】
前記基板アセンブリでは、前記第一導体は、前記第一方向と交差して延びて前記差動電極対に含まれる前記差動電極のそれぞれと前記差動電極対に対応した前記差動ビア対に含まれる前記差動ビアのそれぞれの少なくとも一部とを電気的に接続する二つの接続部を含む接続部対を有してもよい。
【0014】
前記基板アセンブリでは、前記第一導体は、前記第一方向と交差して延びて前記差動電極対に含まれる前記差動電極のそれぞれと前記差動電極対に対応した前記差動ビア対に含まれる前記差動ビアのそれぞれの少なくとも一部とを電気的に接続する二つの接続部を含む接続部対を有し、前記配線基板は、前記複数の差動配線対として、長さが互いに異なる前記接続部対を有した複数の差動配線対を有してもよい。
【0015】
前記基板アセンブリでは、前記絶縁体は、前記第一方向における位置が異なり誘電率が互いに異なる複数の部位を有してもよい。
【0016】
前記基板アセンブリでは、前記絶縁体は、前記第一方向に積層された複数の絶縁層を有し、前記複数の絶縁層は、誘電率が互いに異なる複数の絶縁層を含んでもよい。
【0017】
前記基板アセンブリでは、前記絶縁体に、前記差動ビアと前記グラウンドビアとの間、または互いに隣り合う二つの前記グラウンドビアの間で、前記第一方向に延びた空洞が設けられてもよい。
【0018】
また、本発明の基板アセンブリは、例えば、絶縁体と、第一導体と、第一方向を向く第一面と、を有した配線基板と、前記第一面に実装された電子部品と、を備えた基板アセンブリであって、前記第一導体は、前記第一面に設けられ、それぞれが前記電子部品の第二導体と電気的に接続された二つの差動電極を含む差動電極対と、前記第一面に設けられ、前記差動電極対の周囲に配置された複数のグラウンド電極と、前記第一方向に延び、前記差動電極のそれぞれと電気的に接続された二つの差動ビアを含む差動ビア対と、前記差動ビア対の周囲に配置され、前記第一方向に延び、前記グラウンド電極のそれぞれと電気的に接続された複数のグラウンドビアと、を有し、前記絶縁体は、前記第一方向において互いにずれて誘電率が互いに異なる複数の部位を有する。
【0019】
前記基板アセンブリでは、前記絶縁体は、前記第一方向に積層された複数の絶縁層を有し、前記複数の絶縁層は、誘電率が互いに異なる複数の絶縁層を含んでもよい。
【0020】
前記基板アセンブリでは、前記絶縁体に、前記差動ビアと前記グラウンドビアとの間、または互いに隣り合う二つの前記グラウンドビアの間で、前記第一方向において部分的に延びた空洞が設けられてもよい。
【0021】
前記基板アセンブリは、前記電子部品として、前記差動電極のそれぞれが前記差動ビアを介さずに電気的に接続された前記第二導体と前記グラウンド電極のそれぞれが前記グラウンドビアを介さずに電気的に接続された前記第二導体とを有した第一電子部品と、前記差動電極のそれぞれが前記差動ビアを介して電気的に接続された前記第二導体と前記グラウンド電極のそれぞれが前記グラウンドビアを介して電気的に接続された前記第二導体とを有した第二電子部品と、を備えてもよい。
【0022】
前記基板アセンブリでは、前記第一電子部品および前記第二電子部品のうちの一方は、光トランシーバであり、前記第一電子部品および前記第二電子部品のうちの他方は、半導体集積回路であってもよい。
【0023】
前記基板アセンブリでは、前記第一電子部品として、複数の光トランシーバを備えるとともに、前記第二電子部品として、一つの半導体集積回路を備えてもよい。
【0024】
また、本発明の光通信装置は、例えば、前記基板アセンブリとしての複数の基板アセンブリと、前記複数の基板アセンブリが装着されたマザーボードと、前記マザーボードに実装され前記複数の基板アセンブリの前記電子部品の作動を制御する信号処理回路と、を備える。
【0025】
また、本発明の光学装置は、例えば、絶縁体と、第一導体と、第一方向を向く第一面と、を有した配線基板と、前記第一面に実装された電子部品およびアクティブ光学部品と、を備えた光学装置であって、前記第一導体は、前記第一面に設けられ、それぞれが前記電子部品または前記アクティブ光学部品の第二導体と電気的に接続された二つの差動電極を含む差動電極対と、前記第一面に設けられ、前記差動電極対の周囲に配置された複数のグラウンド電極と、前記第一方向に延び、前記差動電極のそれぞれと電気的に接続された二つの差動ビアを含む差動ビア対と、前記差動ビア対の周囲に配置され、前記第一方向に延び、前記グラウンド電極のそれぞれと電気的に接続された複数のグラウンドビアと、を有し、前記二つの差動ビア間の前記第一方向と交差した方向における間隔としての第一間隔が、少なくとも部分的に、前記二つの差動電極の前記第一方向と交差した方向における間隔としての第二間隔と相違する第一構造、前記差動ビアと前記グラウンドビアとの間の前記第一方向と交差した方向における最小距離としての第一距離が、少なくとも部分的に、前記差動電極と前記グラウンド電極との間の前記第一方向と交差した方向における最小距離としての第二距離と相違する第二構造、および、前記差動ビアが、前記第一方向と交差した方向における第一直径が異なる複数の部位を有した第三構造、のうち、少なくとも一つの構造を有する。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、新規な改善された基板アセンブリ、光通信装置、および光学装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、第1実施形態の基板アセンブリとしてを備えた光通信装置の例示的かつ模式的な平面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態のスイッチ装置の例示的かつ模式的な平面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態のスイッチ装置に含まれる配線基板の一部の例示的かつ模式的な平面図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態のスイッチ装置に含まれる配線基板の一部の厚さ方向の中間位置における例示的かつ模式的な断面図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態のスイッチ装置に含まれる配線基板の一部であって
図5より広い範囲の厚さ方向の中間位置における例示的かつ模式的な断面図である。
【
図7】
図7は、第3実施形態のスイッチ装置に含まれる配線基板の一部の例示的かつ模式的な平面図である。
【
図9】
図9は、第4実施形態の光トランシーバの例示的かつ模式的な斜視図である。
【
図10】
図10は、第4実施形態の光トランシーバの例示的かつ模式的な分解斜視図である。
【
図11】
図11は、第4実施形態の光トランシーバの例示的かつ模式的な断面図である。
【
図12】
図12は、第4実施形態の光トランシーバの底面の例示的かつ模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0029】
以下に示される複数の実施形態は、同様の構成を備えている。よって、各実施形態の構成によれば、当該同様の構成に基づく同様の作用および効果が得られる。また、以下では、それら同様の構成には同様の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される場合がある。
【0030】
本明細書において、序数は、方向や、部品、部位、スペック、部分的な構造等を区別するために便宜上付与されており、優先順位や順番を示すものではない。
【0031】
各図において、X方向を矢印Xで表し、Y方向を矢印Yで表し、Z方向を矢印Zで表す。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに交差するとともに互いに直交している。また、Z方向は、積層方向や厚さ方向とも称されうる。
【0032】
また、各図は説明を目的とした模式図であって、各図と実物とでスケールや比率等は、必ずしも一致しない。
【0033】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の光通信装置200の平面図である。
図1に示されるように、光通信装置200は、マザーボード201と、IC202と、複数のスイッチ装置100と、を備えている。なお、光通信装置200は、これらの他に、電源モジュールや、冷却用のファン等(いずれも不図示)を備えてもよい。
【0034】
マザーボード201は、Z方向に略一定の厚さを有し、Z方向と交差して広がっている。マザーボード201は、面201aと、面201bと、を有している。面201aは、Z方向を向くとともに、Z方向と交差している。また、面201bは、面201aとは反対側でZ方向の反対方向を向くとともに、Z方向と交差している。
【0035】
複数のスイッチ装置100は、面201a上に実装され、IC202は、面201b上に実装されている。なお、IC202は、面201a上に実装されてもよい。
【0036】
IC202は、複数のスイッチ装置100の作動を制御するとともに、当該複数のスイッチ装置100との間で通信信号を伝送する。IC202は、信号処理回路の一例である。
【0037】
マザーボード201の導体(不図示)とスイッチ装置100の導体(不図示)とは、コネクタ内の導体(不図示)を介して電気的に接続されている。
【0038】
図2は、スイッチ装置100の平面図である。
図2に示されるように、スイッチ装置100は、ドータボード10と、複数の光トランシーバ30と、スイッチASIC20(ASIC:application specific integrated circuit)と、を備えている。光トランシーバ30およびスイッチASIC20は、電子部品の一例である。また、スイッチ装置100は、ドータボード10と電子部品とを備えた基板アセンブリの構成を備えている。スイッチ装置100は、光デバイスとも称されうる。
【0039】
ドータボード10は、正方形状(四角形状)の形状を有している。ドータボード10は、Z方向と交差するとともに直交して広がるとともに、板状の形状を有している。ドータボード10は、Z方向を向く面10aと、当該面10aとは反対側でZ方向の反対方向を向く面10bと、を有している。面10a,10bは、Z方向と交差するとともに直交して広がっている。ドータボード10は、例えば、プリント配線基板とも称され、配線基板40の一例である。面10aは、第一面40aの一例であり、面10bは、第一面40aとは反対側の第二面40bの一例であり、Z方向は、第一方向の一例である。
【0040】
図2に示されるように、複数の光トランシーバ30は、ドータボード10の四つの辺10cのそれぞれに沿って配置されている。なお、各光トランシーバ30からは、光ファイバ(不図示)が延びている。光ファイバは、光トランシーバ30からZ方向に略沿って延びてもよいし、Z方向と交差した方向に略沿って延びてもよい。
【0041】
また、本実施形態では、光トランシーバ30は、ドータボード10の面10a上に実装されている。光トランシーバ30は、例えば、ソケット(不図示)に、Z方向と交差した方向に着脱されるが、これには限定されない。
【0042】
スイッチASIC20は、ドータボード10の辺10cのそれぞれから離れた位置(本実施形態では一例としてドータボード10の略中央部)で、面10a上にフリップチップ実装されている。スイッチASIC20は、各光トランシーバ30の作動を制御するするとともに、当該複数の光トランシーバ30との間で通信信号を伝送する。スイッチASIC20は、半導体集積回路の一例であり、信号処理ICとも称されうる。なお、スイッチASIC20は、フリップ実装以外の方式でドータボード10に実装されてもよい。
【0043】
図3は、ドータボード10A(10)の面10aを見た平面図であって、光トランシーバ30が実装された領域において、当該光トランシーバ30を取り外した状態を示す図である。
図3に示されるように、ドータボード10は、絶縁体11と、導体で作られた複数の電極12a,13aと、を有している。本実施形態では、一例として、面10a上には、複数の電極12a,13aが、三角格子状に配置されている。ただし、これら電極12a,13aの配置は、このような配置には限定されず、電極12a,13aは、斜方格子や正方格子のような他の格子状に配置されてもよいし、ランダムに配置されてもよい。
【0044】
これら電極12a,13aは、それぞれ、接合導体(不図示)を介して、光トランシーバ30の導体(不図示)と電気的に接続されている。接続導体は、例えば、はんだボールや、伸縮可能な導体ピン、プローブ等である。また、電極12a,13aは、それぞれ、ドータボード10に設けられた差動信号配線12-1,12-2およびグラウンド導体13を介してスイッチASIC20の導体(不図示)とも電気的に接続されている。光トランシーバ30は、第一電子部品の一例である。差動信号配線12-1,12-2およびグラウンド導体13は、第一導体の一例である。また、光トランシーバ30の導体およびスイッチASIC20の導体は、第二導体の一例である。なお、電極12a,13aは、円形状かつ板状の形状を有しているが、これには限定されない。
【0045】
二つの電極12aは、Z方向と交差した方向、本実施形態では、一例としてX方向に、間隔をあけて配置されている。スイッチ装置100において、一つのスイッチASIC20内の信号が伝送される導体と、各光トランシーバ30内の信号が伝送される導体とは、ドータボード10に設けられた差動信号配線12-1,12-2を介して電気的に接続されている。差動信号配線12-1,12-2は、比較的高速な差動信号を伝送する差動配線(の対)を構成している。電極12aは、それぞれ、差動信号配線12-1,12-2の一部を構成している。電極12aは、差動電極の一例であり、二つの電極12aは、差動電極対の一例である。
【0046】
複数の電極13aは、Z方向において二つの電極12aと略同じ位置に配置されるとともに、当該二つの電極12aの周囲を離れて取り囲むように配置されている。スイッチ装置100において、一つのスイッチASIC20内のグラウンド導体と、各光トランシーバ30内のグラウンド導体とは、ドータボード10に設けられたグラウンド導体13を介して電気的に接続されている。グラウンド導体13は、グラウンド配線の一例である。電極13aは、それぞれ、グラウンド導体13の一部を構成している。電極13aは、グラウンド電極の一例である。スイッチASIC20は、第二電子部品の一例である。
【0047】
図4は、
図3のIV-IV断面図である。
図4に示されるように、ドータボード10は、絶縁体11としてZ方向に重なった複数の絶縁層11a1~11a4を有した多層基板として構成されている。また、ドータボード10は、導体として、ビア12b1,12b2,13b1,13b2と、ランド12c,13cと、層状部13dと、を有している。ビア12b1,12b2,13b1,13b2は、それぞれ絶縁層11a1~11a4を貫通しZ方向に延びており、中実であり、かつ略円柱状の形状を有している。ランド12c,13cは、それぞれ、層間においていずれかのビア12b1,12b2,13b1,13b2の周囲を取り囲んでおり、環状かつ板状の形状を有している。層状部13dは、層間において、いずれかのランド13cに対してビア12b1,12b2とは反対側でZ方向と交差して広がっており、当該ランド13cと隣接しかつ電気的に接続されている。
【0048】
ビア12b1,12b2およびランド12cは、それぞれ、二つの電極12aのうちのいずれかと電気的に接続され、差動信号配線12-1または差動信号配線12-2のうち、Z方向に延びた区間を構成している。
【0049】
二つのビア12b1は、Z方向と交差した方向、本実施形態では、一例としてX方向に、互いに離れている。ビア12b1は、それぞれ、電気的に接続された電極12aに対して、Z方向の反対方向に並んでいる。また、二つのビア12b1は、Z方向と交差した方向、本実施形態では、一例としてX方向に、互いに離れている。なお、ビア12b1は、本実施形態では、Z方向の反対方向に見た場合に、電気的に接続された電極12aと略同心に位置されており、当該電極12aに対してZ方向と交差した方向にずれていないが、当該電極12aに対してZ方向と交差した方向にずれてもよい。ビア12b1は、差動ビアの一例であり、二つのビア12b1は、差動ビア対の一例である。
【0050】
二つのビア12b2は、Z方向と交差した方向、本実施形態では、一例としてX方向に、互いに離れている。また、ビア12b2は、それぞれ、電気的に接続されたビア12b1に対して、Z方向の反対方向にずれて位置されるとともに、Z方向と交差した方向、本実施形態では、一例としてX方向またはX方向の反対方向にも、ずれて位置されている。ビア12b2は、差動ビアの一例であり、二つのビア12b2は、差動ビア対の一例である。
【0051】
ビア13b1,13b2およびランド13cは、それぞれ、複数の電極13aのうちのいずれかと電気的に接続され、グラウンド配線のうち、Z方向に略沿って延びる区間を構成している。なお、複数のグラウンド配線は、層状部13d等を介して互いに電気的に接続されるとともに、例えば機器グラウンド部のようなグラウンド部と電気的に接続されている。層状部13dは、ベタパターンとも称されうる。ビア13b1,13b2は、グラウンドビアの一例である。
【0052】
複数のビア13b1は、Z方向と交差した方向に、互いに離れている。複数のビア13b1は、Z方向において二つのビア12b1と略同じ位置に配置されるとともに、当該二つのビア12b1の周囲を離れて取り囲むように配置されている。また、ビア13b1は、それぞれ、電気的に接続された電極13aに対して、Z方向の反対方向に並んでいる。なお、ビア13b1は、本実施形態では、Z方向の反対方向に見た場合に、電気的に接続された電極13aと略同心に位置されており、当該電極13aに対してZ方向と交差した方向にずれていないが、当該電極13aに対してZ方向と交差した方向にずれてもよい。
【0053】
複数のビア13b2は、Z方向と交差した方向に、互いに離れている。絶縁層11a2,11a3を貫通する複数のビア13b2は、Z方向において二つのビア12b1または二つのビア12b2と略同じ位置に配置されるとともに、当該二つのビア12b1または二つのビア12b2の周囲を離れて取り囲むように配置されている。ビア13b2は、それぞれ、電気的に接続されたビア13b1に対して、Z方向の反対方向にずれて位置されるとともに、Z方向と交差した方向にも、ずれて位置されている。また、絶縁層11a4を貫通する複数のビア13b2は、絶縁層11a2,11a3を貫通する複数のビア13b2に対して、Z方向の反対方向に並んでいる。ビア13b1,13b2は、グラウンドビアの一例である。
【0054】
また、
図3,4に示されるように、本実施形態では、一例として、複数の電極12a,13aおよび複数のビア12b1,12b2,13b1,13b2の配置は、Z方向およびY方向と平行であるとともにX方向と直交した仮想平面Vpに対して、面対称である。
【0055】
このような構成の光通信装置200ひいてはスイッチ装置100において、例えば、Z方向と交差した方向におけるサイズ(フットプリント)が定められ、さらに、差動信号を伝送する差動配線対を構成する差動信号配線12-1,12-2のペアの数が定められている場合、他の条件も含めて、それらの条件を満たすよう、光トランシーバ30のサイズが定められ、それに伴って、複数の電極12a,13aの配置が定められる場合がある。その場合には、例えば、二つの電極12a間の間隔が狭くなってしまい、差動信号配線12-1,12-2の差動インピーダンスを所期の目標値、例えば、100[Ω]や90[Ω]に設定し難くなる場合がある。逆に、例えば、所期の差動インピーダンスが得られるよう複数の電極12a,13aの配置が定められた場合には、差動信号配線12-1,12-2の所期のペアの数を実現するための光トランシーバ30、ひいてはスイッチ装置100および光通信装置200のZ方向と交差した方向におけるサイズが大きくなり、サイズの条件を満たせなくなってしまう虞がある。
【0056】
そこで、本実施形態のスイッチ装置100は、差動信号配線12-1,12-2のうち、ビア12b1,12b2およびランド12cを有して電極12aからZ方向の反対方向に延びる部分、および、グラウンド導体13のうち、ビア13b1,13b2およびランド13cを有して電極13aからZ方向の反対方向に延びる部分において、複数の電極12a,13aの配置による差動インピーダンスの目標値からの乖離を補償することが可能な、以下の三つの構造を備えている。
【0057】
[第一構造]
第一構造は、対をなす二つのビア12b2間のZ方向と交差した方向における間隔I1(中心間の間隔)が、少なくとも部分的に、対をなす二つの電極12a間のZ方向と交差した方向における間隔I2(中心間の間隔)と相違する構造である。本実施形態では、一例として、
図4に示されるように、間隔I1が間隔I2より広くなるよう、すなわち、I1>I2となるよう、設定されている。間隔I1は、第一間隔の一例であり、間隔I2は、第二間隔の一例である。
【0058】
[第二構造]
第二構造は、ビア12b2とその周囲のビア13b2との間のZ方向と交差した方向における最小距離としての距離d1が、少なくとも部分的に、当該ビア12b2と電気的に接続された電極12aと当該ビア13b2と電気的に接続された電極13aとの間のZ方向と交差した方向における最小距離としての距離d2と相違する構造である。本実施形態では、一例として、
図4に示されるように、距離d1が距離d2より長くなるよう、すなわち、d1>d2となるよう、設定されている。距離d1は、第一距離の一例であり、距離d2は、第二距離の一例である。
【0059】
[第三構造]
第三構造は、ビア12b1,12b2の直径D12,D1が、Z方向の位置に応じて相違する構造である。本実施形態では、一例として、
図4に示されるように、直径D12が直径D1より大きくなるよう、すなわち、D12>D1となるよう、設定されている。直径D12は、直径D1となる部位(ビア12b2)よりも電極12aにより近い部位(ビア12b1)の直径である。直径D1となる部位(ビア12b2)は、第一部位の一例であり、直径D12となる部位(ビア12b1)は、第二部位の一例である。直径D12,D1は、第一直径の一例である。
【0060】
[第四構造]
第四構造は、ビア12b2のZ方向と交差した方向における直径D1が、少なくとも部分的に、当該ビア12b2と電気的に接続された電極12aのZ方向と交差した方向における直径D2と相違する構造である。本実施形態では、一例として、
図4に示されるように、直径D1が直径D2より小さくなるよう、すなわち、D1<D2となるよう、設定されている。
【0061】
本実施形態の第一構造(I1>I2)、第二構造(d1>d2)、第三構造(D12>D1)、および第四構造(D1<D2)は、いずれも、
図4に示されるドータボード10の内部において、差動インピーダンスをより高くしたい場合に採用される構造である。なお、本実施形態では、ドータボード10は、第一構造、第二構造、第三構造、および第四構造の全てを有しているが、これには限定されず、第一構造、第二構造、第三構造、および第四構造のうち、少なくとも一つの構造を有していればよい。また、本実施形態の場合とは逆に、
図4に示されるドータボード10の内部において、差動インピーダンスをより低くしたい場合には、ドータボード10は、I1<I2とする第一構造、d1<d2とする第二構造、D12<D1とする第三構造、およびD1>D2とする第四構造のうち、少なくとも一つの構造を有すればよい。
【0062】
[絶縁層の誘電率の設定]
また、絶縁体11が、Z方向における位置が異なり誘電率が異なる複数の部位を有してもよい。言い換えると、ドータボード10は、Z方向の位置に応じて絶縁体11の誘電率が異なる構造を有してもよい。一例として、絶縁層11a1~11a4の誘電率が互いに異なってもよい。具体的には、
図4に示されるドータボード10の内部において、差動インピーダンスをより高くしたい場合、絶縁層11a2~11a4の誘電率を、絶縁層11a1の誘電率より低くすればよい。逆に、
図4に示されるドータボード10の内部において、差動インピーダンスをより低くしたい場合、絶縁層11a2~11a4の誘電率を、絶縁層11a1の誘電率より高くすればよい。絶縁層11a1~11a4は、絶縁体11中でZ方向における位置が異なり誘電率が異なる複数の部位の一例である。
【0063】
以上説明したように、本実施形態では、ドータボード10が、第一構造、第二構造、第三構造、および第四構造のうち少なくとも一つを有することにより、ドータボード10における複数の電極12a,13aの配置による差動インピーダンスの目標値からの乖離を、補償することができる。また、本実施形態では、ドータボード10が、Z方向の位置に応じて絶縁体11の誘電率が異なる構造を有することにより、ドータボード10における複数の電極12a,13aの配置による差動インピーダンスの目標値からの乖離を、補償することができる。すなわち、本実施形態によれば、差動インピーダンスを目標値に近付け易くすることが可能な、新規な改善されたスイッチ装置100(基板アセンブリ)、および当該スイッチ装置100を備えた光通信装置200を、実現することができる。なお、ドータボード10は、第一構造、第二構造、第三構造、第四構造、およびZ方向の位置に応じて絶縁体11の誘電率が異なる構造のうち、少なくとも一つを有すればよい。
【0064】
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態のドータボード10B(10)の一部のZ方向と交差した断面図である。この
図5は、
図4のV-V断面と同等位置における断面図である。なお、わかりやすさのため、
図5では、各部のハッチングを省略している。
【0065】
上述したように、第1実施形態では、差動信号配線12-1,12-2およびグラウンド導体13が電極12a,13aからZ方向の反対方向に延びる区間に、複数の電極12a,13aの配置による差動インピーダンスの目標値からの乖離を補償することが可能な構造、すなわち、第一構造、第二構造、第三構造、第四構造、および絶縁体11の場所に応じて異なる誘電率が設定された構造、のうち少なくともいずれか一つが、設けられた。これに対し、本実施形態では、ドータボード10は、差動信号配線12-1,12-2およびグラウンド導体13が電極12a,13a(
図4参照)からZ方向の反対方向に延びた区間A1、当該区間A1と隣り合い差動信号配線12-1,12-2がZ方向と交差した方向に延びた区間A2、当該区間A2と隣り合い差動信号配線12-1,12-2およびグラウンド導体13がZ方向の反対方向またはZ方向に延びた区間A3、および当該区間A3と隣り合い差動信号配線12-1,12-2がZ方向と交差した方向に延びた区間A4、を有している。そして、複数の電極12a,13aの配置による差動インピーダンスの目標値からの乖離を補償することが可能な構造は、第1実施形態のように区間A1ではなく、当該区間A1とは異なりかつ当該区間A1からZ方向と交差した方向に離隔した区間A3に、設けられている。区間A1は、比較的密に配置される複数の電極12a,13aとZ方向に隣り合っているため、特にドータボード10が複数の差動配線対Sを有するような場合には、区間A1の大きさを確保し難くなる場合がある。この点、本実施形態によれば、サイズの制約がより少ない位置である区間A3に、複数の電極12a,13aの配置による差動インピーダンスの目標値からの乖離を補償することが可能な構造を設けることができるため、差動インピーダンスを目標値により近付け易いという利点が得られる。
【0066】
区間A1において、差動信号配線12-1,12-2は、それぞれ、電極12aからZ方向の反対方向に延びた少なくとも一つのビア12bと、当該ビア12bに対して電極12aとは反対側で当該ビア12bと接したランド12cと、を有している。また、グラウンド導体13は、電極13aのそれぞれからZ方向の反対方向に延びたビア13bを有している。複数のビア13bは、差動信号配線12-1,12-2のビア12bの周囲を間隔をあけて取り囲んでいる。なお、
図5中で、電極12aは、ランド12cとZ方向に略重なっている。
【0067】
区間A2において、差動信号配線12-1,12-2は、それぞれ、区間A1のランド12cからZ方向と交差した方向に(本実施形態では、Y方向に略沿って)に略一定の幅で延びた延部12dを有している。差動信号配線12-1,12-2の延部12dは、略一定の間隔をあけた状態で略平行に延びている。また、区間A2において、対をなす延部12dは、グラウンド導体13の層状部13dの二つのエッジ13d1の間で、延びている。これら二つのエッジ13d1は、延部12dの幅方向に略一定の間隔で互いに対向し当該延部12dに略沿って延びている。このような構成により、二つの延部12dの間、およびエッジ13d1と延部12dとの間には、それぞれ、絶縁体11が介在するとともに、略一定の間隔が確保されている。延部12dは、接続部の一例であり、二つの延部12dは、接続部対の一例である。
【0068】
区間A3において、差動信号配線12-1,12-2は、それぞれ、区間A2の延部12dと接したランド12cと、当該ランド12cからZ方向の反対方向またはZ方向に延びた少なくとも一つのビア12bと、当該ビア12bに対してランド12cとは反対側で当該ビア12bと接したもう一つのランド12cと、を有している。また、グラウンド導体13は、層状部13dからビア12bに沿ってZ方向の反対方向またはZ方向に延びた複数のビア13bを有している。複数のビア13bは、差動信号配線12-1,12-2のビア12bの周囲を間隔をあけて取り囲んでいる。
【0069】
区間A4は、区間A2と同様の構成を有している。区間A4において、差動信号配線12-1,12-2は、それぞれ、区間A3のランド12cからZ方向と交差した方向に略一定の幅で延びた延部12dを有している。また、差動信号配線12-1,12-2の延部12dは、互いに略一定の間隔をあけた状態で、延びている。ただし、区間A2と区間A4とでは、延部12dのZ方向の位置が相違している。
【0070】
そして、上述したように、本実施形態では、複数の電極12a,13aの配置による差動インピーダンスの目標値からの乖離を補償することが可能な構造は、区間A3に、設けられている。具体的には、例えば、区間A3において対をなす二つのビア12b2間の間隔I1が、少なくとも部分的に、対をなす二つの電極12a間の間隔I2(≒区間A1における二つのビア12bの中心間の間隔)と相違してもよい(第一構造)。また、例えば、区間A3におけるビア12bとその周囲のビア13bとの間の最小距離としての距離d1が、電極12aと電極13aとの間のZ方向と交差した方向における最小距離としての距離d2と相違してもよい(第二構造)。また、例えば、区間A3のビア12bのZ方向と交差した方向における直径(不図示)が、少なくとも部分的に、電極12aのZ方向と交差した方向における直径(不図示)と相違してもよい。さらに、絶縁体11のうち区間A3における二つのビア12b間またはビア12bとビア13bとの間の部位の誘電率と、絶縁体11のうち二つの電極12aと接した部位の誘電率とが相違してもよい(絶縁体11の場所に応じて異なる誘電率が設定された構造)。
【0071】
図6は、本実施形態のドータボード10B(10)の一部の
図5と同じ位置での断面図であって、
図5より広い範囲を示す図である。
図6に示されるように、ドータボード10B(10)は、複数の差動配線対S(S1~S3)を有しており、
図5には、それらのうち一つの差動配線対S2のみが示されている。
【0072】
ここで、各差動配線対Sにおいて、
図4に示されるように、d1>d2、I1>I2とする場合、区間A3のZ方向と交差した方向におけるサイズは、区間A1のZ方向と交差した方向におけるサイズより広くなる。このため、ドータボード10が複数の差動配線対S1~S3(S)を有する場合、当該複数の差動配線対S1~S3間で、区間A3は区間A1よりも互いに近接しやすくなる。複数の差動配線対Sにおいて、区間A3同士が過度に近接した場合、所期の差動インピーダンスが得られ難くなる。
【0073】
そこで、本実施形態では、
図6に示されるように、少なくとも互いに隣り合う区間A3同士は、X方向およびY方向にずれて配置されている。これに伴って、本実施形態では、複数の差動配線対S1~S3について、延部12dの長さが互いに相違するとともに、少なくとも一つの差動配線対S1~S3について、延部12dが屈曲あるいは湾曲している。言い換えると、本実施形態では、ドータボード10は、延部12dの対(接続部対)の長さ(二つの延部12dの平均長さあるいは合計長さ)が互いに異なる複数の差動配線対S1~S3を有するとともに、屈曲あるいは湾曲した延部12dを有した少なくとも一つの差動配線対S1~S3を有している。これにより、ドータボード10が複数の差動配線対Sを有する場合に、差動配線対Sの区間A3同士が過度に近接しない構成を実現し易い。なお、差動配線対Sの数は3には限定されないし、各差動配線対Sの構成は、
図5,6の形状には限定されない。
【0074】
[第3実施形態]
図7は、ドータボード10C(10)の面10aを見た平面図であって、光トランシーバ30が実装された領域において、当該光トランシーバ30を取り外した状態を示す図である。また、
図8は、
図7のVIII-VIII断面図である。
【0075】
図7,8に示されるように、本実施形態のドータボード10C(10)には、複数のビア12b1間、複数のビア13b1間、およびビア12b1とビア13b1との間において、Z方向に延びた有底孔Hが設けられている。有底孔Hは、面10bにおいてZ方向の反対方向に開口し、当該面10bから、Z方向に、面10aには到達しないドータボード10Cの厚さ方向の途中位置まで、延びている。有底孔H内の気体(例えば、空気や不活性ガス)の誘電率は、絶縁体11の誘電率とは異なるため、このような構成によって、差動インピーダンスをより調整しやすくなる。有底孔Hは、空洞の一例である。
【0076】
なお、有底孔Hは、絶縁層11a1まで延びてもよい。また、有底孔HのZ方向と交差した断面の形状は、例えば、円形であるが、これには限定されない。さらに、本実施形態では、差動信号配線12-1,12-2は、それぞれ、電極12aとZ方向に並んだ複数のビア12b1を有し、グラウンド導体13は、電極13aとZ方向に並んだ複数のビア13b1を有したが、これには限定されず、例えば、有底孔Hは、第1実施形態のような構造に設けられてもよいし、第2実施形態の区間A3に設けられてもよい。
【0077】
[第4実施形態]
[光トランシーバ]
図9は、本実施形態の光トランシーバ30D(30)の斜視図である。
図10は、光トランシーバ30D(30)の分解斜視図である。また、
図11は、光トランシーバ30D(30)の断面図である。光トランシーバ30Dは、第1実施形態のスイッチ装置100に適用することができる。光トランシーバ30D(30)は、光学装置の一例である。
【0078】
図9,10に示されるように、光トランシーバ30は、ボディ31と、基板33と、コネクタ34と、位置決めピン35と、固定具36と、を備えている。光ファイバ32は、光トランシーバ30から、Z方向に延びている。ボディ31を構成する第一部材31A、基板33、およびボディ31を構成する第二部材31Bは、Z方向にこの順に並び、固定具36によって一体化されている。固定具36は、例えば、ねじである。ボディ31は、光トランシーバ30の筐体とも称されうる。
【0079】
図10,11に示されるように、コネクタ34にはZ方向の反対方向に隣り合ってレンズアセンブリ37が取り付けられている。レンズアセンブリ37は、ホルダ37aと、当該ホルダ37aに取り付けられた例えばコリメートレンズアレイや集光レンズアレイのようなレンズアレイと、を有している。位置決めピン35は、コネクタ34とレンズアセンブリ37とをZ方向と交差した方向に位置決めする。
【0080】
第二部材31Bは、略直方体状の形状を有している。第二部材31Bには、Z方向と交差した第二部材31Bの長手方向の中間部分において、開口31b3が設けられている。当該開口31b3は、第二部材31BをZ方向に貫通している。第二部材31Bの開口31b3には、コネクタ34およびレンズアセンブリ37の少なくとも一部が収容されている。
【0081】
また、第二部材31Bには、複数箇所において、Z方向に貫通する貫通孔31b1が設けられている。貫通孔31b1とZ方向に並ぶように、基板33には、Z方向に貫通する貫通孔33c1が設けられ、第一部材31Aには、雌ねじ孔31a1が設けられている。固定具36は、貫通孔31b1および貫通孔33c1を貫通し、雌ねじ孔31a1に固定される。
【0082】
基板33は、例えば、プリント配線基板である。基板33は、Z方向に略一定の厚さを有し、Z方向と交差するとともに直交している。基板33は、面33aと、面33bと、を有している。
【0083】
面33aは、Z方向を向きZ方向と交差するとともに直交している。面33a上には、光学素子301や、電子部品302等が実装されている。光学素子301は、例えば、フォトダイオードアレイのような受光部や、VCSELアレイのような発光部である。光学素子301は、アクティブ光学部品の一例である。また、電子部品302は、例えば、受光部や発光部に対応して作動するICである。
【0084】
面33bは、Z方向の反対方向を向きZ方向と交差するとともに直交している。面33bは、ソケット52と面している。
【0085】
また、
図11に示されるように、第二部材31BのZ方向の反対方向の端部のうち、光学素子301や電子部品302の実装領域と面する部分には、Z方向に凹む凹部が設けられている。このような構成により、基板33と第二部材31Bとの間には、光学素子301や電子部品302のような部品の収容室Rが設けられている。なお、基板33の第二部材31Bと面する部分に凹部が設けられてもよい。
【0086】
電子部品302は、作動に応じて発熱する。電子部品302は、発熱体とも称されうる。電子部品302で生じた熱を放熱するため、本実施形態では、放熱経路が設けられている。当該放熱経路は、電子部品302から、当該電子部品302と第二部材31Bとの間に設けられた放熱材303を介して、当該第二部材31Bへ熱を逃がす経路である。放熱材303は、熱伝導率が比較的高く、かつ可撓性および柔軟性を有した熱伝導シート(例えばグラファイトシート)、またはシリコーンを主成分とする合成材料で、作られる。放熱材303は、熱伝導部材とも称されうる。また、第二部材31Bも、例えば、アルミニウム系金属材料のような、熱伝導率が比較的高い材料であって、基板33の絶縁体より熱伝導率が高い材料で、作られている。当該放熱経路を介して、第一部材31Aまたは第二部材31Bへ伝わった熱は、光トランシーバ30をドータボード10に固定する固定機構(不図示)等を介して、スイッチ装置100外へ、放熱される。
【0087】
また、
図10,11に示されるように、第一部材31Aは、Z方向に略一定の厚さを有し、Z方向と交差するとともに直交している。第一部材31Aには、Z方向と交差した長手方向の中間部分において、Z方向に貫通する開口31a3が設けられている。
【0088】
図11に示されるように、開口31a3を、ソケット52が貫通している。ソケット52は、絶縁体52aと、複数の接続導体52bと、を有している。絶縁体52aは、複数の接続導体52bを支持している。接続導体52bは、それぞれ、ソケット52をZ方向に貫通し、基板33の導体とドータボード10(
図11には不図示)の導体とを電気的に接続している。接続導体52bは、例えば、Z方向に延びた弾性的に伸縮可能なピンを有した接触端子として構成することができる。このような構成において、電子部品302の導体は、光トランシーバ30の基板33の導体、接続導体52b、およびドータボード10の導体を介して、スイッチASIC20の導体と、電気的に接続されている。ソケット52を設けることにより、例えば、ドータボード10に直接電気インタフェースを設けた場合に比べて、着脱可能な光トランシーバ30の基板33の導体と、ドータボード10の導体との間で、所要の位置決め精度を確保できる構成を、より容易に構築できるという利点が得られる。また、接続導体52bを、伸縮可能なピンを有した接触端子として構成することにより、基板33の導体と接続導体52bとの間、およびドータボード10の導体と接続導体52bとの間で、所要の面圧および所要の接触面積を確保しやすくなり、接触抵抗の増大を抑制できるという利点が得られる。
【0089】
図12は、光トランシーバ30のZ方向の反対方向に位置する下面31a4を見た平面図である。
【0090】
図12に示されるように、光トランシーバ30のZ方向の反対方向の端部では、第一部材31Aに設けられた開口31a3を介して、基板33の面33bのうち、電気インタフェース33dが設けられた領域が、露出している。電気インタフェース33dは、複数のランド33d1と、絶縁体33d2と、を有している。ランド33d1は、それぞれ、ソケット52の接続導体52bとZ方向に接触し、電気的に接続される。ランド33d1は、第一導体の一例である。
【0091】
ここで、
図12に示されるように、複数のランド33d1は、ランドグリッドアレイを構成している。
図12に例示されるランドグリッドアレイでは、複数のランド33d1がZ方向と交差した第一部材31Aの短手方向(横方向)に一定の間隔で並んだ当該ランド33d1の行が、Z方向と交差した第一部材31Aの長手方向(縦方向)に略一定の間隔で並んでいる。また、長手方向に隣り合う二つのランド33d1の行の位置は、例えば、短手方向におけるランド33d1の間隔の略半分だけずれている。すなわち、ランドグリッドアレイは、複数のランド33d1が、斜方格子状に配置されている。このような配置により、より多くのランド33d1を、より密に配置することができるため、光トランシーバ30をより小型に構成することができる。このように、複数のランド33d1をランドグリッドアレイとして配置するのは、ランド33d1の間隔が0.6[mm]以下の場合に好ましく、0.3[mm]以下の場合にさらに好ましい。
【0092】
このような、狭い間隔で配置されたドータボード10の複数の導体と基板33の複数の導体としてのランド33d1との電気的な接続を確保するためには、ドータボード10、ソケット52、および基板33を、Z方向と交差した方向において精度良く位置決めする必要がある。そこで、本実施形態では、位置決めピン51が、ドータボード10、ソケット52、および基板33を、Z方向と交差した方向に、位置決めしている。
【0093】
さらに、本実施形態では、
図11に示されるように、第二部材31Bに、基板33と接する位置からZ方向に延びた有底孔31b2が設けられている。有底孔31b2は、貫通孔31a2,33c2とZ方向に並ぶとともに、当該貫通孔31a2,33c2と略同じ直径でZ方向に延びている。この場合、光トランシーバ30の組み立ての際に、貫通孔31a2,33c2を貫通して有底孔31b2に挿入される位置決めピンを利用して、第一部材31A、基板33、および第二部材31Bを、Z方向と交差した方向に位置決めすることができる。
【0094】
本実施形態の基板33は、上記実施形態のドータボード10と同様の
図3~8に示された配線構造を有した配線基板40として、構成することができる。よって、本実施形態の光トランシーバ30D(30)においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。基板33は、配線基板40の一例であり、面33aは、第一面40aの一例であり、面33bは、第二面40bの一例である。
【0095】
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、型式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【0096】
例えば、本発明は、光トランシーバ以外の光学装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0097】
10,10A~10C…ドータボード(配線基板)
10a…面(第一面)
10b…面(第二面)
10c…辺
11…絶縁体
11a1~11a4…絶縁層
12-1,12-2…差動信号配線
12a…電極
12b…ビア
12b1…ビア(第二部位)
12b2…ビア(第一部位)
12c…ランド
12d…延部
13…グラウンド導体
13a…電極
13b,13b1,13b2…ビア
13c…ランド
13d…層状部
13d1…エッジ
20…スイッチASIC
30,30D…光トランシーバ
31…ボディ
31A…第一部材
31B…第二部材
31a1…雌ねじ孔
31a2…貫通孔
31a3…開口
31a4…下面
31b1…貫通孔
31b2…有底孔
31b3…開口
32…光ファイバ
33…基板(配線基板)
33a…面(第一面)
33b…面(第二面)
33c1…貫通孔
33c2…貫通孔
33d…電気インタフェース
33d1…ランド(第一導体)
33d2…絶縁体
34…コネクタ
35…位置決めピン
36…固定具
37…レンズアセンブリ
37a…ホルダ
40…配線基板
40a…第一面
40b…第二面
51…位置決めピン
52…ソケット
52a…絶縁体
52b…接続導体
100…スイッチ装置(基板アセンブリ)
200…光通信装置
201…マザーボード
201a…面
201b…面
202…IC
301…光学素子(アクティブ光学部品)
302…電子部品
303…放熱材
A1~A4…区間
D1…直径(第一直径)
D12…直径(第一直径)
D2…直径(第二直径)
d1…距離(第一距離)
d2…距離(第二距離)
H…有底孔(空間)
I1…間隔(第一間隔)
I2…間隔(第二間隔)
R…収容室
Vp…仮想平面
X…方向
Y…方向
Z…方向(第一方向)