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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154746
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】光導波路搭載基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/18 20060101AFI20241024BHJP
   G02B 6/26 20060101ALI20241024BHJP
   G02B 6/12 20060101ALI20241024BHJP
   G02B 6/122 20060101ALI20241024BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
H05K1/18 J
G02B6/26
G02B6/12 371
G02B6/122
H05K3/34 507Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068758
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】兼田 悠
【テーマコード(参考)】
2H137
2H147
5E319
5E336
【Fターム(参考)】
2H137AB01
2H137BA53
2H137BA55
2H137CA12B
2H137CA34
2H137CC01
2H137CC05
2H137DB01
2H147BD01
2H147CC02
2H147CC12
2H147CC14
2H147CD02
2H147CD12
2H147DA08
2H147DA19
2H147EA09C
2H147EA13A
2H147EA13C
2H147EA14C
2H147EA14D
2H147EA16A
2H147EA16B
2H147EA16C
2H147EA17A
2H147EA17B
2H147EA19A
2H147EA19B
2H147EA20A
2H147EA20B
5E319AA03
5E319AB05
5E319AC20
5E319CC22
5E319GG09
5E336AA04
5E336BC25
5E336CC34
5E336EE01
5E336GG09
(57)【要約】
【課題】シリコン導波路とコア層との位置精度を向上可能な光導波路搭載基板を提供する。
【解決手段】本光導波路搭載基板は、第1面に開口する凹部を備えた配線基板と、支持体、及び前記支持体に設けられたコア層を備えた光導波路基板と、シリコン基板、及び前記シリコン基板に設けられたシリコン導波路を備えたシリコンフォトニクスチップと、を含み、前記シリコン導波路が前記コア層と光結合している光導波路装置と、を有し、前記光導波路基板は、前記コア層が前記凹部と反対側を向き、かつ前記支持体の厚さ方向の少なくとも一部が凹部内に位置するように、前記配線基板に搭載されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面に開口する凹部を備えた配線基板と、
支持体、及び前記支持体に設けられたコア層を備えた光導波路基板と、シリコン基板、及び前記シリコン基板に設けられたシリコン導波路を備えたシリコンフォトニクスチップと、を含み、前記シリコン導波路が前記コア層と光結合している光導波路装置と、を有し、
前記光導波路基板は、前記コア層が前記凹部と反対側を向き、かつ前記支持体の厚さ方向の少なくとも一部が凹部内に位置するように、前記配線基板に搭載されている、光導波路搭載基板。
【請求項2】
前記凹部と前記支持体とが対向する領域に、第1樹脂が配置されている、請求項1に記載の光導波路搭載基板。
【請求項3】
前記シリコンフォトニクスチップは、前記第1面にフリップチップ実装されている、請求項2に記載の光導波路搭載基板。
【請求項4】
前記シリコン基板と前記第1面とが対向する領域に、第2樹脂が配置されている、請求項3に記載の光導波路搭載基板。
【請求項5】
前記支持体は、前記支持体を貫通する貫通配線を備え、
前記シリコンフォトニクスチップは、前記支持体の前記コア層が設けられた第2面に、前記貫通配線の一端と電気的に接続するようにフリップチップ実装され、
前記貫通配線の他端は、前記凹部内で、前記配線基板と電気的に接続されている、請求項2に記載の光導波路搭載基板。
【請求項6】
前記シリコン基板と前記第2面とが対向する領域に、第2樹脂が配置されている、請求項5に記載の光導波路搭載基板。
【請求項7】
前記第1樹脂と前記第2樹脂は、同一材料により、一体に形成されている、請求項4又は6に記載の光導波路搭載基板。
【請求項8】
前記支持体は、ガラス基板である、請求項3又は5に記載の光導波路搭載基板。
【請求項9】
第1面に開口する凹部を備えた配線基板と、
支持体、及び前記支持体に設けられたコア層を備えた光導波路基板と、シリコン基板、及び前記シリコン基板に設けられたシリコン導波路を備えたシリコンフォトニクスチップと、を含み、前記シリコン導波路が前記コア層と光結合している光導波路装置と、を準備する工程と、
前記光導波路装置を前記配線基板に搭載する工程と、を有し、
前記搭載する工程では、前記光導波路基板の前記コア層が前記凹部と反対側を向き、かつ前記光導波路基板の前記支持体の厚さ方向の少なくとも一部が凹部内に位置するように、前記光導波路装置を前記配線基板に搭載する、光導波路搭載基板の製造方法。
【請求項10】
前記凹部と前記支持体とが対向する領域に、第1樹脂を配置する工程を有する、請求項9に記載の光導波路搭載基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光導波路搭載基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種のコンピュータやデータ通信などの装置が設置されたデータセンター等において、シリコンフォトニクスチップと光導波路とを有する光導波路装置を用いて光信号の送受信が行われている。このような光導波路装置では、光導波路のコア層とシリコンフォトニクスチップのシリコン導波路とが光結合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-77715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような光導波路装置を配線基板に搭載した光導波路搭載基板がある。光導波路搭載基板では、シリコンフォトニクスチップのシリコン導波路と光導波路のコア層との光結合と、シリコンフォトニクスチップと配線基板との電気接続の両方が必要である。しかし、配線基板上にシリコンフォトニクスチップと光導波路を高い位置精度で搭載することは容易ではない。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、シリコン導波路とコア層との位置精度を向上可能な光導波路搭載基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本光導波路搭載基板は、第1面に開口する凹部を備えた配線基板と、支持体、及び前記支持体に設けられたコア層を備えた光導波路基板と、シリコン基板、及び前記シリコン基板に設けられたシリコン導波路を備えたシリコンフォトニクスチップと、を含み、前記シリコン導波路が前記コア層と光結合している光導波路装置と、を有し、前記光導波路基板は、前記コア層が前記凹部と反対側を向き、かつ前記支持体の厚さ方向の少なくとも一部が凹部内に位置するように、前記配線基板に搭載されている。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、シリコン導波路とコア層との位置精度を向上可能な光導波路搭載基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る光導波路搭載基板を例示する図である。
図2図1の光導波路搭載基板における光導波路装置近傍の部分斜視図である。
図3】第1実施形態に係る光導波路搭載基板の製造工程を例示する図である。
図4】第2実施形態に係る光導波路搭載基板を例示する断面図である。
図5】第2実施形態に係る光導波路搭載基板の製造工程を例示する図である。
図6】第1実施形態の変形例に係る光導波路搭載基板を例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0010】
〈第1実施形態〉
[光導波路搭載基板]
図1は、第1実施形態に係る光導波路搭載基板を例示する図であり、図1(a)は、平面図、図1(b)は図1(a)のコア層の1つを通る縦断面図である。図2は、図1の光導波路搭載基板における光導波路装置近傍の部分斜視図である。
【0011】
図1及び図2を参照すると、光導波路搭載基板1は、配線基板2と、光導波路装置3とを有している。配線基板2は、例えば、配線層と樹脂絶縁層が交互に積層された所謂ビルドアップ多層配線基板である。配線基板2は、第1面2aを有する。図示の例では、第1面2aは上面である。
【0012】
配線基板2は、第1面2aに開口する凹部2xを備えている。凹部2xは、第1面2aから第1面2aとは反対側の面に向かって窪む。凹部2xは、例えば、第1面2aの端部に設けることができる。凹部2xは、例えば、配線基板2の絶縁層が1層又は複数層除去された深さとすることができる。第1面2aを基準とする凹部2xの深さは、例えば、500μm程度である。
【0013】
光導波路装置3は、光導波路基板10と、シリコンフォトニクスチップ20とを含む。光導波路基板10は、支持体11と、支持体11に設けられたクラッド層12及びコア層13とを備えている。なお、クラッド層12上に、コア層13を部分的に被覆する第2クラッド層が設けられてもよい。
【0014】
支持体11は、クラッド層12及びコア層13を形成するための基体となる部分である。支持体11は、例えば、ガラスエポキシ樹脂などの絶縁樹脂材料から形成される。支持体11は、剛性の強いリジッド基板であってもよく、あるいは、剛性の弱いフレキシブル基板であってもよい。支持体11は、ガラス基板であってもよい。有機基板は熱による収縮や吸湿等により変形しやすいが、ガラス基板を用いると変形を低減することができる。支持体11は、シリコン基板やセラミック基板であってもよい。
【0015】
クラッド層12は、支持体11の上に形成されている。クラッド層12の厚さは、例えば、10μm~30μm程度とすることができる。クラッド層12の屈折率は、例えば、1.5程度とすることができる。クラッド層12は、例えば、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリノルボルネン樹脂等の感光性樹脂から形成することができる。
【0016】
コア層13は、クラッド層12の上に形成されている。コア層13の幅は、例えば、5μm~10μm程度とすることができる。コア層13の厚さは、例えば、5μm~10μm程度とすることができる。コア層13の屈折率は、クラッド層12の屈折率よりも高く、例えば、1.6程度とすることができる。コア層13は、例えば、クラッド層12の材料として例示した中から適宜選択した材料により形成することができる。
【0017】
なお、光導波路基板10では12個のコア層13が間隔を開けて並置されているが、これには限定されず、コア層13は1個以上の任意の個数として構わない。又、コア層13は直線状に形成しなくてもよく、湾曲する部分を含んでいてもよい。隣接するコア層13の間隔は、一定であってもよいし、一定でなくてもよい。
【0018】
シリコンフォトニクスチップ20は、シリコン基板21と、シリコン基板21の一方の面側に設けられたシリコン導波路22とを備えている。シリコン導波路22は、シリコンチップに作り込まれた微細な光導波路であり、シリコンチップに光回路などを集積化するシリコンフォトニクス技術に使用される。
【0019】
シリコンフォトニクスチップ20は、シリコン導波路22をコア層13の側に向けて配置され、シリコン導波路22はコア層13と光結合している。シリコン導波路22の一部又は全部は、コア層13に埋め込まれてもよい。なお、図示の例では、シリコン導波路22とコア層13はアディアバティック結合されているが、シリコン導波路22はコア層13と光結合していればよく、図示の例には限定されない。シリコン導波路22とコア層13は、例えば、直接結合されてもよい。
【0020】
シリコン基板21の厚さは、例えば、100μm~800μm程度である。シリコン導波路22は、例えば、シリコン基板21上に設けられた保護膜上に設けることができる。保護膜は、例えば、SiOやSiO等から形成することができる。保護膜の厚さは、例えば、2μm~6μm程度である。
【0021】
平面視で、シリコン導波路22の一端側は、例えば、テーパー形状になっていてもよい。すなわち、平面視で、シリコン導波路22のコア層13と光結合する側は、徐々に幅が狭くなってもよい。このような形状により、シリコン導波路22とコア層13との光結合効率を向上できる。シリコン導波路22の幅は、テーパー形状の部分以外では、例えば、200nm~500nm程度である。テーパー形状の部分の先端の幅は、例えば、一定幅の部分の1/2から1/4程度である。シリコン導波路22の厚さは一定である。シリコン導波路22の厚さは、例えば、20nm~300nm程度である。
【0022】
光導波路装置3において、光導波路基板10は、コア層13が配線基板2の凹部2xと反対側を向き、かつ支持体11の厚さ方向の少なくとも一部が凹部2x内に位置するように、配線基板2に搭載されている。凹部2xの底面と支持体11の下面との間隔は、例えば、10μm~100μm程度とすることができる。凹部2xと支持体11とが対向する領域に、第1樹脂30が配置されてもよい。第1樹脂30の材料としては、例えば、エポキシ樹脂などの絶縁性樹脂を用いることができる。第1樹脂30の材料としては、流動性の高い樹脂材料を用いることが好ましい。高い流動性により、第1樹脂30を凹部2xと支持体11とが対向する領域に充填しやすくなる。第1樹脂30を配置することにより、支持体11の厚さやうねりのばらつきを許容することができる。
【0023】
また、光導波路装置3において、シリコンフォトニクスチップ20は、例えば、第1面2aにフリップチップ実装することができる。すなわち、シリコンフォトニクスチップ20の電極と配線基板2の電極は、はんだ等の導電接合材40を介して電気的に接続することができる。シリコン基板21の下面と第1面2aとの間隔は、例えば、10μm~100μm程度とすることができる。シリコン基板21と第1面2aとが対向する領域に、第2樹脂50が配置されてもよい。第1樹脂30と第2樹脂50は、同一材料により、一体に形成されてもよい。また、光導波路基板10において、シリコン導波路22とコア層13が光結合している側と反対側の端面(図1の右側の端面)には、コネクタ等(図示せず)が結合されていてもよい。
【0024】
[光導波路搭載基板の製造方法]
次に、光導波路搭載基板1の製造方法について説明する。図3は、第1実施形態に係る光導波路搭載基板の製造工程を例示する図である。
【0025】
図3(a)に示す工程では、まず、第1面2aに開口する凹部2xを備えた配線基板2と、シリコンフォトニクスチップ20のシリコン導波路22が光導波路基板10のコア層13と光結合している光導波路装置3とを準備する。シリコンフォトニクスチップ20の電極には、例えば、はんだ等の導電接合材40が接合されている。光導波路装置3は、例えば、既に完成したものを購入等により準備してもよいし、光導波路基板10及びシリコンフォトニクスチップ20を準備し、両者を周知の方法により光結合させてもよい。
【0026】
次に、図3(b)に示す工程では、光導波路装置3を配線基板2に搭載する。具体的には、光導波路基板10のコア層13が凹部2xと反対側を向き、かつ光導波路基板10の支持体11の厚さ方向の少なくとも一部が凹部2x内に位置するように、光導波路装置3を配線基板2に搭載する。このとき、導電接合材40が配線基板2の電極上に来るように位置調整を行う。そして、導電接合材40を溶融後凝固させ、シリコンフォトニクスチップ20の電極と配線基板2の電極とを、導電接合材40を介して電気的に接続する。
【0027】
次に、必要に応じ、図3(c)に示す工程のように、凹部2xと支持体11とが対向する領域に、第1樹脂30を配置する。例えば、凹部2xと支持体11とが対向する領域に、流動性の高い樹脂を流し込み、硬化させて第1樹脂30を形成する。この工程では、シリコン基板21と第1面2aとが対向する領域に、第2樹脂50を配置してもよい。
【0028】
第1樹脂30と第2樹脂50は、同一材料により、一体に形成することができる。すなわち、凹部2xと支持体11とが対向する領域、及びシリコン基板21と第1面2aとが対向する領域に、流動性の高い同一の樹脂を流し込み、硬化させることで、第1樹脂30と第2樹脂50を一体に形成することができる。
【0029】
なお、第1樹脂30と第2樹脂50は、別工程で形成してもよい。例えば、凹部2xと支持体11とが対向する領域に、流動性の高い樹脂を流し込み、硬化させて第1樹脂30を形成する。その後、シリコン基板21と第1面2aとが対向する領域に、流動性の高い樹脂を流し込み、硬化させて第2樹脂50を形成してもよい。
【0030】
また、図3(b)の工程よりも前に、凹部2xと支持体11とが対向する予定の領域、及び/又はシリコン基板21と第1面2aとが対向する予定の領域に、流動性の高い樹脂を配置し、その後、図3(b)の工程を実施してもよい。この場合、導電接合材40の硬化と、第1樹脂30及び/又は第2樹脂50となる樹脂の硬化を同時に行うことができる。
【0031】
このように、光導波路搭載基板1では、シリコンフォトニクスチップ20のシリコン導波路22が光導波路基板10のコア層13と光結合している光導波路装置3を、配線基板2に実装する。すなわち、シリコン導波路22とコア層13との光結合と、光導波路装置3の配線基板2への電気的な接続とを独立させている。そのため、シリコン導波路22とコア層13との位置ずれが生じることなく、光導波路装置3を配線基板2に実装することができる。
【0032】
図3(b)に示す工程では、導電接合材40自体に高さのばらつきがあり、また導電接合材40が一度溶融するため、実装前と実装後で導電接合材40の高さが異なる。しかし、光導波路搭載基板1では、配線基板2に対する光導波路装置3の高さが変わるだけで、すでに光結合されたシリコン導波路22とコア層13との位置関係は変わらない。そのため、シリコン導波路22とコア層13との高い位置精度を維持できる。
【0033】
〈第2実施形態〉
第2実施形態では、支持体が貫通配線を有する例を示す。なお、第2実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
【0034】
[光導波路搭載基板]
図4は、第2実施形態に係る光導波路搭載基板を例示する断面図であり、図1(b)に対応する断面を示している。
【0035】
図4に示す光導波路搭載基板1Aは、光導波路装置3が光導波路装置3Aに置換されている点が、光導波路搭載基板1と相違する。
【0036】
光導波路装置3Aは、光導波路基板10Aを含む。光導波路基板10Aにおいて、支持体11は、支持体11を貫通する貫通配線14を備えている。シリコンフォトニクスチップ20は、支持体11のコア層13が設けられた第2面11aに、貫通配線14の一端と電気的に接続するようにフリップチップ実装されている。すなわち、シリコンフォトニクスチップ20の電極と貫通配線14の一端とは、はんだ等の導電接合材40を介して電気的に接続されている。貫通配線14の他端は、凹部2x内で、配線基板2の電極と、はんだ等の導電接合材60を介して電気的に接続されている。
【0037】
凹部2xと支持体11とが対向する領域に、第1樹脂30が配置されてもよいまた、シリコン基板21と第2面11aとが対向する領域に、第2樹脂50が配置されてもよい。第1樹脂30と第2樹脂50は、同一材料により、一体に形成されてもよい。第1樹脂30を配置することにより、支持体11の厚さやうねりのばらつきを許容することができる。
【0038】
[光導波路搭載基板の製造方法]
次に、光導波路搭載基板1Aの製造方法について説明する。図5は、第2実施形態に係る光導波路搭載基板の製造工程を例示する図である。
【0039】
図5(a)に示す工程では、まず、第1面2aに開口する凹部2xを備えた配線基板2と、シリコンフォトニクスチップ20のシリコン導波路22が光導波路基板10のコア層13と光結合している光導波路装置3Aとを準備する。支持体11は、支持体11を貫通する貫通配線14を備えている。そして、シリコンフォトニクスチップ20は、支持体11のコア層13が設けられた第2面11aに、貫通配線14の一端と電気的に接続するようにフリップチップ実装されている。また、配線基板2の電極には、例えば、はんだ等の導電接合材60が接合されている。光導波路装置3Aは、例えば、既に完成したものを購入等により準備してもよいし、光導波路基板10A及びシリコンフォトニクスチップ20を準備し、両者を周知の方法により光結合させてもよい。
【0040】
次に、図5(b)に示す工程では、光導波路装置3Aを配線基板2に搭載する。具体的には、光導波路基板10Aのコア層13が凹部2xと反対側を向き、かつ光導波路基板10Aの支持体11の厚さ方向の少なくとも一部が凹部2x内に位置するように、光導波路装置3Aを配線基板2に搭載する。このとき、貫通配線14の他端が導電接合材60上に来るように位置調整を行う。そして、導電接合材60を溶融後凝固させ、貫通配線14の他端と配線基板2の電極とを、導電接合材60を介して電気的に接続する。
【0041】
次に、必要に応じ、図5(c)に示す工程のように、凹部2xと支持体11とが対向する領域に、第1樹脂30を配置する。この工程では、シリコン基板21と第2面11aとが対向する領域に、第2樹脂50を配置してもよい。第1樹脂30と第2樹脂50は、同一材料により、一体に形成することができる。すなわち、凹部2xと支持体11とが対向する領域、及びシリコン基板21と第2面11aとが対向する領域に、流動性の高い同一の樹脂を流し込み、硬化させることで、第1樹脂30と第2樹脂50を一体に形成することができる。予め凹部2xを深くしておき、第2樹脂50を凹部2x内に形成可能な位置関係にしておいてもよい。
【0042】
なお、第1樹脂30と第2樹脂50は、別工程で形成してもよい。また、第2樹脂50は、図5(a)の工程で形成してもよい。また、第1樹脂30は、図5(b)の工程の前に配置してもよい。
【0043】
このように、光導波路搭載基板1Aでは、光導波路搭載基板1と同様に、シリコンフォトニクスチップ20のシリコン導波路22が光導波路基板10Aのコア層13と光結合している光導波路装置3Aを、配線基板2に実装する。すなわち、シリコン導波路22とコア層13との光結合と、光導波路装置3Aの配線基板2への電気的な接続とを独立させている。そのため、シリコン導波路22とコア層13との位置ずれが生じることなく、光導波路装置3Aを配線基板2に実装することができる。
【0044】
〈第1実施形態の変形例〉
第1実施形態の変形例では、配線基板に半導体チップを実装する例を示す。なお、第1実施形態の変形例において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
【0045】
図6は、第1実施形態の変形例に係る光導波路搭載基板を例示する断面図であり、図1(b)に対応する断面を示している。
【0046】
図6に示す光導波路搭載基板1Bは、半導体チップ61及び62を有する点が、光導波路搭載基板1と相違する。
【0047】
半導体チップ61及び62は、例えば、配線基板2の第1面2aにフリップチップ実装されている。半導体チップ61は、例えば、ASICやロジックICである。また、半導体チップ62は、例えば、PHYチップである。PHYチップは、物理的なインターフェースを形成するチップであり、例えば、データの符号化や復号化を実施することができる。
【0048】
このように、配線基板2に半導体チップを実装してもよい。半導体チップは、上記の機能には限定されず、様々な機能を有してもよい。また、配線基板2に実装される半導体チップは1つでもよいし、3つ以上でも良い。
【0049】
以上、好ましい実施形態について詳説したが、上述した実施形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0050】
1,1A、1B 光導波路搭載基板
2 配線基板
2a 第1面
2x 凹部
3,3A 光導波路装置
10,10A 光導波路基板
11 支持体
12 クラッド層
13 コア層
14 貫通配線
20 シリコンフォトニクスチップ
21 シリコン基板
22 シリコン導波路
30 第1樹脂
40,60 導電接合材
50 第2樹脂
61,62 半導体チップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6