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特開2024-154748電子機器、情報処理システム、ログ管理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154748
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】電子機器、情報処理システム、ログ管理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/34 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
G06F11/34 176
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068760
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 雄児
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042MA08
5B042MA09
5B042MA11
5B042MC35
5B042MC37
5B042MC40
(57)【要約】
【課題】電子機器のプログラムを変更することなく必要なログをサーバに送信することができる電子機器、情報処理システム、ログ管理方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】電子機器であって、前記電子機器に関する機器ログを保存する保存部と、サーバから、特定のログを検索することが規定されたパターンファイルを取得する取得部と、前記機器ログに対して、前記取得部により取得された前記パターンファイルに適合するログを検索する検索部と、前記検索部による検索により得られた前記ログを前記サーバへ送信する送信部と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器であって、
前記電子機器に関する機器ログを保存する保存部と、
サーバから、特定のログを検索することが規定されたパターンファイルを取得する取得部と、
前記機器ログに対して、前記取得部により取得された前記パターンファイルに適合するログを検索する検索部と、
前記検索部による検索により得られた前記ログを前記サーバへ送信する送信部と、
を備えた電子機器。
【請求項2】
前記パターンファイルの内容を設定可能とする設定画面を表示装置に表示させる表示制御部を、さらに備え、
前記パターンファイルは、前記設定画面上で設定可能である請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記機器ログは、前記電子機器に対して行われた各種操作の履歴を示す第1ログと、該電子機器における各種動作の履歴を示す第2ログと、を含む請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記保存部に保存された前記第1ログから、前記電子機器に対するどのような操作についてのログを検索するかを設定可能とする前記設定画面を前記表示装置に表示させる請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記保存部に保存された前記第2ログから、前記電子機器のどのような動作についてのログを検索するかを設定可能とする前記設定画面を前記表示装置に表示させる請求項3に記載の電子機器。
【請求項6】
前記パターンファイルは、電子機器毎に生成される請求項1~5のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記取得部は、
前記サーバで管理されている前記パターンファイルが更新されているか否かを確認し、
前記パターンファイルが更新されている場合、更新された前記パターンファイルを前記サーバから取得する請求項1~5のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項8】
電子機器と、サーバとを含む情報処理システムであって、
前記サーバは、特定のログを検索することが規定されたパターンファイルを記憶する記憶部を備え、
前記電子機器は、
前記電子機器に関する機器ログを保存する保存部と、
サーバから、前記パターンファイルを取得する取得部と、
前記機器ログに対して、前記取得部により取得された前記パターンファイルに適合するログを検索する検索部と、
前記検索部による検索により得られた前記ログを前記サーバへ送信する送信部と、
を備えた情報処理システム。
【請求項9】
前記電子機器は、前記パターンファイルの内容を設定可能とする設定画面を表示装置に表示させる表示制御部を、さらに備え、
前記サーバは、前記電子機器において前記設定画面で入力された設定情報に基づいて、前記パターンファイルを生成または更新する生成部を、さらに備えた請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
電子機器におけるログ管理方法であって、
前記電子機器に関する機器ログを保存部に保存する保存ステップと、
サーバから、特定のログを検索することが規定されたパターンファイルを取得する取得ステップと、
前記機器ログに対して、取得した前記パターンファイルに適合するログを検索する検索ステップと、
検索により得られた前記ログを前記サーバへ送信する送信ステップと、
を有するログ管理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
電子機器に関する機器ログを保存部に保存する保存ステップと、
サーバから、特定のログを検索することが規定されたパターンファイルを取得する取得ステップと、
前記機器ログに対して、取得した前記パターンファイルに適合するログを検索する検索ステップと、
検索により得られた前記ログを前記サーバへ送信する送信ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、情報処理システム、ログ管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置等の電子機器においては、当該電子機器の操作および動作等に関するログを記録し、当該電子機器の状況を管理するために、サーバ側で必要なログの内容を収集する技術が知られている。
【0003】
このような電子機器のログを収集する技術として、電子機器としての画像形成装置の動作履歴を取得し、取得した動作履歴を解析して、所定の非効率動作の出現状況に係る作業特性データを生成する技術が開示されている(例えば特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術においては、電子機器に蓄積されたログから新たな種類のログを取得しようとする場合には、当該電子機器のプログラムの修正を行ったうえで更新し、当該電子機器を再起動する必要があるため、プログラムの開発期間が必要になり、プログラムを更新するためのダウンタイムが発生してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電子機器のプログラムを変更することなく必要なログをサーバに送信することができる電子機器、情報処理システム、ログ管理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、電子機器であって、前記電子機器に関する機器ログを保存する保存部と、サーバから、特定のログを検索することが規定されたパターンファイルを取得する取得部と、前記機器ログに対して、前記取得部により取得された前記パターンファイルに適合するログを検索する検索部と、前記検索部による検索により得られた前記ログを前記サーバへ送信する送信部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電子機器のプログラムを変更することなく必要なログをサーバに送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る画像形成装置のハードウェアの一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るサーバのハードウェアの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理システムの機能ブロックの構成の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る画像形成装置で保存される操作ログの一例を示す図である。
図6図6は、操作ログに対して検索するためのパターンファイルの一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る画像形成装置の操作ログに対する検索動作を説明する図である。
図8図8は、実施形態に係る画像形成装置で保存される動作ログの一例を示す図である。
図9図9は、動作ログに対して検索するためのパターンファイルの一例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る画像形成装置の動作ログに対する検索動作を説明する図である。
図11図11は、取得ログ選択設定画面の一例を示す図である。
図12図12は、取得ログ詳細設定画面の一例を示す図である。
図13図13は、実施形態に係る画像形成装置におけるログ検索動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照しながら、本発明に係る電子機器、情報処理システム、ログ管理方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。また、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、およびいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
【0010】
(情報処理システムの全体構成)
図1は、実施形態に係る情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。図1を参照しながら、本実施形態に係る情報処理システム1の全体構成について説明する。
【0011】
図1に示す情報処理システム1は、画像形成装置20a、20bに保存されているログからサーバ10で設定されたパターンファイルを用いて必要なログを検索し、サーバ10側で収集するためのシステムである。情報処理システム1は、図1に示すように、サーバ10と、画像形成装置20a、20bと、を含む。サーバ10および画像形成装置20a、20bは、ネットワークNを介して相互に通信を行う。ネットワークNは、例えば、LAN(Local Area Network)またはインターネット等のネットワークであり、有線ネットワークまたは無線ネットワークを含んでいてもよい。
【0012】
サーバ10は、画像形成装置20a、20bで保存されているログ(例えば操作ログおよび動作ログ等)から必要なログを検索するためのパターンファイルを管理および記憶し、当該パターンファイルを画像形成装置20a、20bへ提供する情報処理装置である。ここで、操作ログとは、画像形成装置20a、20bに対して行われたログイン操作、ログアウト操作、設定操作、蓄積ファイルの削除操作等の各種操作の履歴を示すログである。また、動作ログとは、画像形成装置20a、20bの動作においてエラーまたは警告等が発生した場合におけるスタックトレースの内容、システムメッセージ等の各種動作の履歴を示すログであり、画像形成装置20a、20bの監視用、または設計者によるデバッグ用等に用いられるログである。なお、画像形成装置20a、20bで保存されるログとして操作ログ(機器ログの一例、第1ログ)および動作ログ(機器ログの一例、第2ログ)を挙げたが、ログとしてこれに限定されるものではなく、例えばシステム、アプリケーション等の処理で発生したエラー等を記録したログ等、画像形成装置20a、20bに関するログ(機器ログ)であればどのようなログであってもよい。
【0013】
画像形成装置20a、20bは、印刷ジョブを実行して画像を形成する装置である。画像形成装置20a、20bは、例えばMFP(Multifunction Peripheral:複合機)または商用印刷機等である。ここで、MFPとは、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、およびファックス機能のうち少なくとも2つの機能を有する画像形成装置である。また、画像形成装置20a、20bは、各種操作が発生した場合にその履歴を操作ログとして保存し、各種動作が発生した場合にその履歴を動作ログとして保存する。
【0014】
なお、画像形成装置20a、20bは、電子機器の一例であり、ログを保存する電子機器としては画像形成装置には限定されるものではなく、例えば画像処理装置、プロジェクタ装置、PC(Personal Computer)、スマートフォン等の電子機器であってもよいが、本実施形態では電子機器として画像形成装置を例に説明する。また、図1では、情報処理システム1に2台の画像形成装置20a、20bが含まれる例を示しているが、画像形成装置の台数について限定されるものではない。また、画像形成装置20a、20bについて、任意の画像形成装置を示す場合、または総称する場合、単に「画像形成装置20」と称するものとする。
【0015】
(画像形成装置のハードウェア構成)
図2は、実施形態に係る画像形成装置のハードウェアの一例を示す図である。図2を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置20のハードウェア構成について説明する。なお、図2では、画像形成装置20はMFPであるものとして説明する。
【0016】
図2に示すように、画像形成装置20は、コントローラ910と、近距離通信回路920と、エンジン制御部930と、操作パネル940と、ネットワークI/F950と、を備えている。
【0017】
コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU(Central Processing Unit)901と、MEM-P(システムメモリ)902と、NB(ノースブリッジ)903と、SB(サウスブリッジ)904と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906と、MEM-C(ローカルメモリ)907と、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ908と、HD909と、を有する。このうち、NB903とASIC906とは、AGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続されている。
【0018】
CPU901は、画像形成装置20の全体制御を行う演算装置である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904およびAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタおよびAGPターゲットと、を有する。
【0019】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムおよびデータの格納用メモリであるROM902aと、プログラムおよびデータの展開、ならびにメモリ印刷時の描画用メモリ等として用いるRAM902bと、を含む。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Compact Disc Recordable)、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0020】
SB904は、NB903と、PCIデバイスおよび周辺デバイス等と、を接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDDコントローラ908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。ASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジック等により画像データの回転等を行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、ならびに、スキャナ部931およびプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットを含む。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)インターフェース、またはIEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースが接続されるようにしてもよい。
【0021】
MEM-C907は、コピー用画像バッファおよび符号バッファとして用いるローカルメモリである。HDDコントローラ908は、CPU901の制御に従って、HD909に対するデータの読み出しまたは書き込みを制御するコントローラである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、およびフォームの蓄積を行うためのストレージである。なお、HDDコントローラ908およびHD909は、SSD(Solid State Drive)であってもよい。
【0022】
AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインターフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0023】
近距離通信回路920は、NFC(Near Field Communication)またはBluetooth(登録商標)等の通信回路である。近距離通信回路920は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。近距離通信回路920には、無線通信用のアンテナ920aが接続されている。
【0024】
エンジン制御部930は、スキャナ部931およびプリンタ部932を含む。スキャナ部931およびプリンタ部932は、誤差拡散またはガンマ変換等の画像処理機能を含む。
【0025】
操作パネル940は、現在の設定値または選択画面等を表示させ、ユーザからの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a(表示装置)と、濃度の設定条件等の画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキーおよびコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなるハードキー940bと、を備えている。
【0026】
なお、画像形成装置20は、操作パネル940のアプリケーションの切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファックス機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファックス機能の選択時にはファックスモードとなる。
【0027】
ネットワークI/F950は、ネットワークを介してデータ通信をするためのインターフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、およびTCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)等に準拠した通信が可能なインターフェースである。ネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0028】
なお、図2に示した画像形成装置20を構成する情報処理装置のハードウェア構成は一例を示すものであり、図2に示した構成要素をすべて含む必要はなく、または、その他の構成要素を含むものとしてもよい。
【0029】
(サーバのハードウェア構成)
図3は、実施形態に係るサーバのハードウェアの一例を示す図である。図3を参照しながら、本実施形態に係るサーバ10のハードウェア構成について説明する。
【0030】
図3に示すように、サーバ10は、CPU501と、ROM502と、RAM503と、HD504、HDDコントローラ505と、ディスプレイ506と、外部機器接続I/F508と、ネットワークI/F509と、キーボード511と、ポインティングデバイス512と、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514と、メディアI/F516と、を備えている。これらの各装置は、データ通信が可能となるようにアドレスバスおよびデータバス等のバスライン510で接続されている。
【0031】
CPU501は、サーバ10全体の動作を制御する演算装置である。ROM502は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する不揮発性記憶装置である。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される揮発性記憶装置である。
【0032】
HD504は、プログラム等の各種データを記憶する不揮発性の補助記憶装置である。HDDコントローラ505は、CPU501の制御に従って、HD504に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御するコントローラである。なお、HD504およびHDDコントローラ505は、SSD等であってもよい。
【0033】
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字または画像等の各種情報を表示する表示装置である。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ等が挙げられる。ネットワークI/F509は、ネットワークNを介してデータ通信をするためのインターフェースであり、例えば、イーサネット、およびTCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)等に準拠した通信が可能なインターフェースである。
【0034】
キーボード511は、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えた入力装置である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択、実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行うマウス等の入力装置である。
【0035】
DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-R(Digital Versatile Disk Recordable)またはDVD-RW等のDVD513に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する装置である。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等のメディア515に対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御するインターフェースである。
【0036】
なお、図3に示したサーバ10のハードウェア構成は一例を示すものであり、図3に示した構成要素をすべて含む必要はなく、または、その他の構成要素を含むものとしてもよい。
【0037】
(情報処理システムの機能ブロックの構成および動作)
図4は、実施形態に係る情報処理システムの機能ブロックの構成の一例を示す図である。図4を参照しながら、本実施形態に係る情報処理システム1の機能ブロックの構成および動作について説明する。
【0038】
画像形成装置20は、図4に示すように、通信部201と、第1ログ保存部202(保存部の一例)と、第2ログ保存部203(保存部の一例)と、パターン取得部204(取得部)と、ログ検索部205(探索部)と、ログ送信部206(送信部)と、操作入力部207と、表示制御部208と、を有する。また、画像形成装置20には、図4に示すように、アプリケーションA~C、およびシステムプログラムDがインストールされているものとして説明する。
【0039】
アプリケーションA~Cは、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、ファックス機能等を提供する各種アプリケーションである。なお、画像形成装置20にインストールされているアプリケーションは、アプリケーションA~Cの3つに限定されるものではない。システムプログラムDは、アプリケーションA~Cの動作を制御するためのプログラムである。
【0040】
通信部201は、ネットワークNを介してサーバ10とデータ通信を行う機能部である。通信部201は、図2に示すネットワークI/F950およびCPU901によりプログラムが実行されることによって実現される。
【0041】
第1ログ保存部202は、アプリケーションA~CおよびシステムプログラムDに対してユーザによる各種操作等のイベントが発生した場合に、アプリケーションA~CおよびシステムプログラムDにより操作ログとして保存される機能部である。第1ログ保存部202は、図2に示すHD909によって実現される。
【0042】
第2ログ保存部203は、アプリケーションA~CおよびシステムプログラムDの機能に基づく各種動作イベントが発生した場合に、アプリケーションA~CおよびシステムプログラムDにより動作ログとして保存される機能部である。第2ログ保存部203は、図2に示すHD909によって実現される。
【0043】
なお、アプリケーションA~CおよびシステムプログラムDのすべてが、操作ログおよび動作ログの双方をログとして保存することに限られるものではなく、操作ログおよび動作ログのうち少なくともいずれかをログとして保存する場合も想定される。また、画像形成装置20にインストールされたアプリケーション等のプログラムがすべてログを保存する必要があるわけではないが、図4に示すアプリケーションA~CおよびシステムプログラムDは、ログを保存するインストールされたプログラムとして例示列挙したものである。
【0044】
また、第1ログ保存部202および第2ログ保存部203は別の機能部として区別しているが、概念上区別しているのであって、物理的に区別していることを意図しているものではない。したがって、概念上、1の保存部として構成されているものとしてもよい。
【0045】
パターン取得部204は、サーバ10で管理されているパターンファイルを、通信部201を介して取得する機能部である。パターン取得部204は、例えば図2に示すCPU901によりプログラムが実行されることによって実現される。
【0046】
ログ検索部205は、第1ログ保存部202に保存された操作ログ、および第2ログ保存部203に保存された動作ログに対して、パターン取得部204により取得されたパターンファイルに規定されたパターンに適合する特定の文字列等を検索する機能部である。なお、操作ログおよび動作ログのうちいずれか一方のみしか保存されていない場合、ログ検索部205は、当該一方のログに対して検索を実行する。ログ検索部205は、例えば図2に示すCPU901によりプログラムが実行されることによって実現される。
【0047】
ログ送信部206は、ログ検索部205による操作ログおよび動作ログのうち少なくともいずれかに対する検索により得られた特定の文字列等を、サーバ10で管理する必要のあるログ(以下、抽出ログと称する場合がある)として、通信部201を介してサーバ10へ送信する機能部である。ログ送信部206は、例えば図2に示すCPU901によりプログラムが実行されることによって実現される。
【0048】
操作入力部207は、ユーザ(管理者、設計者等を含む)による操作入力を受け付ける機能部である。操作入力部207は、図2に示す操作パネル940によって実現される。
【0049】
表示制御部208は、操作パネル940のパネル表示部940aの表示動作を制御する機能部である。表示制御部208は、後述するように、サーバ10で管理するパターンファイルの内容を設定するための画面を表示させ、当該画面で設定された設定情報を、通信部201を介してサーバ10へ送信する。表示制御部208は、例えば図2に示すCPU901によりプログラムが実行されることによって実現される。
【0050】
なお、パターン取得部204、ログ検索部205、ログ送信部206および表示制御部208のうち少なくともその一部が、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC等のハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0051】
また、図4に示す画像形成装置20の各機能部は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば、図4に示す画像形成装置20で独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、図4に示す画像形成装置20で1つの機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成するものとしてもよい。
【0052】
サーバ10は、図4に示すように、通信部101と、UI(User Interface)提供部102と、設定部103と、パターン記憶部104(記憶部)と、パターン送信部105と、ログ取得部106と、ログ蓄積部107と、を有する。
【0053】
通信部101は、ネットワークNを介して画像形成装置20とデータ通信を行う機能部である。通信部101は、図3に示すネットワークI/F509、およびCPU501によりプログラムが実行されることによって実現される。
【0054】
UI提供部102は、後述するパターンファイルの内容を設定するための画面のWebページを、通信部101を介して画像形成装置20に提供する機能部である。すなわち、この場合、サーバ10は、Webサーバとして機能部する。UI提供部102は、例えば図3に示すCPU501によりプログラムが実行されることによって実現される。
【0055】
設定部103は、UI提供部102により画像形成装置20へ提供されたパターンファイルの内容を設定するための画面において入力された設定情報に基づいて、当該パターンファイルを生成または更新する機能部である。設定部103は、設定更新したパターンファイルを、パターン記憶部104に記憶させる。設定部103は、例えば図3に示すCPU501によりプログラムが実行されることによって実現される。
【0056】
パターン記憶部104は、パターンファイルを記憶する機能部である。パターン記憶部104は、図3に示すHD504によって実現される。
【0057】
パターン送信部105は、画像形成装置20からのダウンロード要求に応じて、パターン記憶部104に記憶されたパターンファイルを、通信部101を介して画像形成装置20へ送信する機能部である。パターン送信部105は、例えば図3に示すCPU501によりプログラムが実行されることによって実現される。
【0058】
ログ取得部106は、ログ検索部205により抽出され、ログ送信部206により送信された抽出ログを、通信部101を介して取得する機能部である。ログ取得部106は、取得した抽出ログをログ蓄積部107に蓄積させる。ログ取得部106は、例えば図3に示すCPU501によりプログラムが実行されることによって実現される。
【0059】
ログ蓄積部107は、ログ取得部106により取得された抽出ログを蓄積する機能部である。ログ蓄積部107は、図3に示すHD504によって実現される。
【0060】
なお、UI提供部102、設定部103、パターン送信部105およびログ取得部106のうち少なくともその一部が、FPGAまたはASIC等のハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0061】
また、図4に示すサーバ10の各機能部は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば、図4に示すサーバ10で独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、図4に示すサーバ10で1つの機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成するものとしてもよい。
【0062】
(操作ログに対する検索について)
図5は、実施形態に係る画像形成装置で保存される操作ログの一例を示す図である。図6は、操作ログに対して検索するためのパターンファイルの一例を示す図である。図7は、実施形態に係る画像形成装置の操作ログに対する検索動作を説明する図である。図5図7を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置20で保存された操作ログに対する検索について説明する。
【0063】
まず、図5に示した操作ログの一例について説明する。図5に示すように、操作ログは、例えば、各種操作等のイベントが発生した日時と、操作等の種類を示すログタイプと、ログのアクティビティの詳細度を示すログレベルと、当該操作等の結果と、当該操作等に関する詳細情報とが関連付けられて構成されている。詳細情報は、図5に示すように、例えば、操作等の主体を識別するユーザIDと、当該操作等の対象と、当該操作等で入力された設定値と、当該操作等の対象であるファイルの文書名と、を含む。操作ログは、例えばCSV(Comma Separated Values)形式等のファイルとして第1ログ保存部202に保存され、情報がない場合には空欄として保存される。なお、操作ログについて上限容量が規定されている場合には、古いログから削除されるFIFO(First In First Out)形式で管理される。
【0064】
なお、図5に示した操作ログの内容は一例を示すものであり、図5に示す内容をすべて含む必要はなく、また、これらの内容以外の内容を含むものであってもよい。
【0065】
次に、図6に示す操作ログに対する検索を行うためのパターンファイルの一例について説明する。図6に示すように、操作ログに対する検索を行うためのパターンファイルは、例えばXML(Extensible Markup Language)形式で記述されている。また、パターンファイルは、操作ログに対して検索したい項目ごとに<saerch>タグで規定し、<condition>タグにより検索条件を規定し、<and>タグにより<condition>がタグで規定した条件をAND条件とし、<or>タグにより<condition>がタグで規定した条件をOR条件として規定する。また、<condition>タグの属性“target”で操作ログの検索対象となる列を指定し、属性“pattern”で検索する文字列を指定する。なお、検索する文字列には、正規表現が用いられていてもよい。また、図6に示すパターンファイルで使用しているタグおよび属性は一例であり、これ以外のタグまたは属性を用いてもよい。
【0066】
図6に示すパターンファイルは、記述部1001と、記述部1002と、を含んでいる。記述部1001は、操作ログから、結果(Result)が“Failed”であり、かつ、ログタイプ(LogType)が“Stored File .+”である行を検索するための検索パターンである。なお、“Stored File .+”のうち、“.”は任意の文字を示す正規表現であり、“+”は直前の文字が1文字以上連続することを示す正規表現である。記述部1002は、操作ログから、ログレベル(LogLevel)が“Error”であるか、または、ログレベル(LogLevel)が“Warning”である行を検索するための検索パターンである。
【0067】
ログ検索部205は、第1ログ保存部202に保存された操作ログに対して、パターン取得部204により取得された図6に示すようなパターンファイルを用いて、当該パターンファイルに規定された検索条件に適合する行を検索する。
【0068】
次に、図7を参照しながら、ログ検索部205によるパターンファイルを用いた操作ログに対する具体的な検索動作について説明する。図7(a)に示すパターンファイルの記述部は、図6に示した記述部1001と同一のものである。記述部1001は、詳細には、図7(a)に示すように、記述部1001aと、記述部1001bと、記述部1001cと、を含む。
【0069】
記述部1001bは、図7(b)に示す操作ログから目的とするログを検索する検索条件として、結果(Result)が“Failed”であることを示す。記述部1001cは、図7(b)に示す操作ログから目的とするログを検索する検索条件として、ログタイプ(LogType)が“Stored File .+”であることを示す。そして、記述部1001aは、記述部1001bが示す検索条件と、記述部1001cが示す検索条件とをAND条件とすることを示す。そして、図7(a)に示すパターンファイルの記述部(図6に示した記述部1001)に基づいて操作ログを検索した結果、図7(b)に示すように、結果(Result)が“Failed”であり、かつログタイプ(LogType)が“Stored File .+”である行が抽出される。すなわち、図7(b)に示すように、日時(Time)が“2023-02-12 15:57:04”、ログタイプ(LogType)が“Stored File Deletion”、ログレベル(LogLevel)が“Error”、結果(Resul)が“Failed”、ユーザID(UserId)が“0x000010”、文書名(DocumentName)が“R_SCAN0001”である行が抽出される。
【0070】
(動作ログに対する検索について)
図8は、実施形態に係る画像形成装置で保存される動作ログの一例を示す図である。図9は、動作ログに対して検索するためのパターンファイルの一例を示す図である。図10は、実施形態に係る画像形成装置の動作ログに対する検索動作を説明する図である。図8図10を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置20で保存された動作ログに対する検索について説明する。
【0071】
まず、図8に示した動作ログの一例について説明する。図8に示すように、動作ログは、例えば、各種動作等のイベントが発生した日時と、ログのアクティビティの詳細度を示すログレベルと、ログを記録したアプリケーションの名称であるタグ名と、動作内容等を示すメッセージ内容とが関連付けられて構成されている。動作ログは、例えばCSV形式等のファイルとして第2ログ保存部203に保存され、情報がない場合には空欄として保存される。なお、動作ログについて上限容量が規定されている場合には、古いログから削除されるFIFO形式で管理される。
【0072】
なお、図8に示した動作ログの内容は一例を示すものであり、図8に示す内容をすべて含む必要はなく、また、これらの内容以外の内容を含むものであってもよい。
【0073】
次に、図9に示す動作ログに対する検索を行うためのパターンファイルの一例について説明する。図9に示すパターンファイルの記述部が示すように、検索する文字列には正規表現が用いられていてもよい。具体的には、図9に示すパターンファイルの記述部1101は、任意の日時を示す正規表現であり、記述部1102は、任意のメッセージ内容を示している。
【0074】
次に、図10を参照しながら、ログ検索部205によるパターンファイルを用いた動作ログに対する具体的な検索動作について説明する。図10(a)に示すパターンファイルは、記述部1111aと、記述部1111bと、記述部1111cと、を含む。
【0075】
記述部1111bは、図10(b)に示す動作ログから目的とするログを検索する検索条件として、ログレベル(LogLevel)が“E”であることを示す。記述部1111cは、図10(b)に示す動作ログから目的とするログを検索する検索条件として、タグ名(Tag)が“CopyApp”であることを示す。そして、記述部1111aは、記述部1111bが示す検索条件と、記述部1111cが示す検索条件とをAND条件とすることを示す。そして、図10(a)に示すパターンファイルの記述部に基づいて動作ログを検索した結果、図10(b)に示すように、ログレベル(LogLevel)が“E”であり、かつタグ名(Tag)が“CopyApp”である行が抽出される。すなわち、図10(b)に示すように、日時が“09-13 23:56:41.911”、ログレベルが“E”、タグ名が“CopyApp”、メッセージ内容が“Error! No Response, error id=10”である行が抽出される。
【0076】
(取得するログを設定する設定画面について)
図11は、取得ログ選択設定画面の一例を示す図である。図12は、取得ログ詳細設定画面の一例を示す図である。図11および図12を参照しながら、操作ログおよび動作ログから取得(抽出)するログを設定する画面について説明する。
【0077】
まず、図11に示す取得ログ選択設定画面2000(設定画面の一例)について説明する。図11に示す取得ログ選択設定画面2000は、画像形成装置20に保存された操作ログおよび動作ログからどのようなログを取得するかを設定するための画面である。
【0078】
ユーザは、画像形成装置20のパネル表示部940aに表示されるブラウザを介して、操作入力部207への操作を行うことにより、表示制御部208は、Webページ等で構成される取得ログ選択設定画面2000の画面情報の取得要求を、通信部201を介してサーバ10へ送信する。サーバ10のUI提供部102は、通信部101を介して当該取得要求を受信すると、取得ログ選択設定画面2000の画面情報(Webページ)を、通信部101を介して画像形成装置20へ送信する。これによって、画像形成装置20の表示制御部208は、ブラウザ上に取得ログ選択設定画面2000を表示させる。
【0079】
取得ログ選択設定画面2000は、図11に示すように、URL(Uniform Resource Locator)表示領域2001と、操作ログ選択領域2002と、動作ログ選択領域2003と、OKボタン2004と、キャンセルボタン2005と、を含む。
【0080】
URL表示領域2001は、取得ログ選択設定画面2000のWebページに対応するURLである。
【0081】
操作ログ選択領域2002は、操作ログからどのような操作についてのログを取得するかを選択するためのチェックボックス群の領域である。図11に示す例では、「ログイン」、「ログアウト」、「蓄積文書削除」、「不正コピー」、「ファームウェアアップデート」、「パスワード変更」、「管理者変更」等の各種操作についてのログを取得することが選択可能となっている。なお、図11に示す選択項目は一例では、これらをすべて含む必要はなく、また異なる選択項目が含まれていてもよい。
【0082】
動作ログ選択領域2003は、動作ログからどのような動作についてのログを取得するかを選択するためのチェックボックス群の領域である。図11に示す例では、「コピー」、「蓄積文書印刷」、「スキャナー:送信」、「スキャナー:文書蓄積」、「プリンター:印刷」等の各種動作についてのログを取得することが選択可能となっている。なお、図11に示す選択項目は一例では、これらをすべて含む必要はなく、また異なる選択項目が含まれていてもよい。
【0083】
OKボタン2004は、操作ログ選択領域2002および動作ログ選択領域2003で選択設定された内容を設定情報としてサーバ10へ送信するためのボタンである。OKボタン2004が押下されると、表示制御部208は、当該設定情報を、通信部201を介してサーバ10へ送信する。サーバ10の設定部103は、通信部101を介して当該設定情報を受信すると、当該設定情報に基づいてパターンファイルを作成し、または、既にパターンファイルが存在する場合、当該設定情報の内容で更新する。
【0084】
キャンセルボタン2005は、操作ログ選択領域2002および動作ログ選択領域2003で選択された内容をキャンセルするためのボタンである。
【0085】
次に、図12に示す取得ログ詳細設定画面2100(設定画面の一例)について説明する。図12に示す取得ログ詳細設定画面2100は、画像形成装置20に保存された操作ログから取得するログについて詳細な設定をするための画面である。
【0086】
ユーザは、画像形成装置20のパネル表示部940aに表示されるブラウザを介して、操作入力部207への操作を行うことにより、表示制御部208は、Webページ等で構成される取得ログ詳細設定画面2100の画面情報の取得要求を、通信部201を介してサーバ10へ送信する。サーバ10のUI提供部102は、通信部101を介して当該取得要求を受信すると、取得ログ詳細設定画面2100の画面情報(Webページ)を、通信部101を介して画像形成装置20へ送信する。これによって、画像形成装置20の表示制御部208は、ブラウザ上に取得ログ詳細設定画面2100を表示させる。
【0087】
取得ログ詳細設定画面2100は、図12に示すように、URL表示領域2101と、時間指定選択チェックボックス2102と、時間設定領域2103と、結果指定チェックボックス2104と、結果選択入力領域2105と、文書名指定チェックボックス2106と、文書名入力領域2107と、OKボタン2108と、キャンセルボタン2109と、を含む。
【0088】
URL表示領域2101は、取得ログ詳細設定画面2100のWebページに対応するURLである。
【0089】
時間指定選択チェックボックス2102は、操作ログから所定のログを取得する時間の指定を選択するためのチェックボックスである。時間設定領域2103は、操作ログから所定のログを取得する開始時刻(開始日時)および終了時刻(終了日時)を設定入力するための領域である。なお、時間設定領域2103は、時間指定選択チェックボックス2102がチェックされている場合に、設定入力可能となるようにすればよい。
【0090】
結果指定チェックボックス2104は、操作ログから所望の結果であるログを取得することを指定するためのチェックボックスである。結果選択入力領域2105は、操作ログから所望の結果であるログを取得するために、当該結果を選択入力するための領域である。なお、結果選択入力領域2105は、結果指定チェックボックス2104がチェックされている場合に、選択入力可能となるようにすればよい。
【0091】
文書名指定チェックボックス2106は、操作ログから所望の文書名を含むログを取得することを指定するための領域である。文書名入力領域2107は、操作ログから所望の文書名を含むログを取得するために、当該文書名を設定入力するための領域である。なお、文書名入力領域2107は、文書名指定チェックボックス2106がチェックされている場合に、設定入力可能となるようにすればよい。
【0092】
OKボタン2108は、時間設定領域2103、結果選択入力領域2105および文書名入力領域2107で入力された内容を設定情報としてサーバ10へ送信するためのボタンである。OKボタン2108が押下されると、表示制御部208は、当該設定情報を、通信部201を介してサーバ10へ送信する。サーバ10の設定部103は、通信部101を介して当該設定情報を受信すると、当該設定情報に基づいてパターンファイルを作成し、または、既にパターンファイルが存在する場合、当該設定情報の内容で更新する。
【0093】
キャンセルボタン2109は、時間設定領域2103、結果選択入力領域2105および文書名入力領域2107で入力された内容をキャンセルするためのボタンである。
【0094】
なお、取得ログ選択設定画面2000および取得ログ詳細設定画面2100で設定内容は一例であり、他の内容が設定できるものであってもよい。また、図12に示した取得ログ詳細設定画面2100は、画像形成装置20に保存された操作ログから取得するログについて詳細な設定をするための画面であるが、動作ログから取得するログについて詳細な設定が可能な設定画面が設けられていてもよい。また、取得ログ選択設定画面2000および取得ログ詳細設定画面2100は、複数の画像形成装置20に共通に適用されるパターンファイルを設定するものであってもよく、または、画像形成装置20ごとにパターンファイルを設定するものであってもよい。
【0095】
また、取得ログ選択設定画面2000および取得ログ詳細設定画面2100は、画像形成装置20で表示され、かつ設定されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、サーバ10と通信可能な、画像形成装置20以外のPC等の情報処理装置でこれらの設定画面が表示され、かつ設定入力が可能であるものとしてもよい。
【0096】
(画像形成装置におけるログ検索動作の流れ)
図13は、実施形態に係る画像形成装置におけるログ検索動作の流れの一例を示すフローチャートである。図13を参照しながら、本実施形態に係る画像形成装置20におけるログ検索動作の流れについて説明する。
【0097】
<ステップS11>
画像形成装置20は、一定時間ごとにステップS12以降の処理を実行する。当該一定時間経過後、ステップS12へ移行する。
【0098】
<ステップS12>
画像形成装置20のパターン取得部204は、画像形成装置20で管理されているパターンファイルが更新されているか否かを確認する。例えば、パターン取得部204は、サーバ10に対してパターンファイルの更新確認要求を送信し、サーバ10からの当該更新確認要求の応答に基づいてパターンファイルが更新されているか否かを確認すればよい。そして、ステップS13へ移行する。
【0099】
<ステップS13>
パターンファイルが更新されている場合(ステップS13:Yes)、ステップS14へ移行し、更新されていない場合(ステップS13:No)、ステップS15へ移行する。
【0100】
<ステップS14>
パターン取得部204は、サーバ10で管理されている、更新されたパターンファイルを、通信部201を介して取得(ダウンロード)する。そして、ステップS15へ移行する。
【0101】
<ステップS15>
画像形成装置20のログ検索部205は、第1ログ保存部202に保存された操作ログ、および第2ログ保存部203に保存された動作ログに対して、パターン取得部204により取得されたパターンファイルに規定されたパターンに適合する特定の文字列等を検索する。なお、操作ログおよび動作ログのうちいずれか一方のみしか保存されていない場合、ログ検索部205は、当該一方のログに対して検索を実行する。また、ステップS13でパターンファイルが更新されていない場合は、既にパターン取得部204により取得されているパターンファイルを、ログ検索部205による検索に用いればよい。そして、ステップS16へ移行する。
【0102】
<ステップS16>
画像形成装置20のログ送信部206は、ログ検索部205による操作ログおよび動作ログのうち少なくともいずれかに対する検索により得られた特定の文字列等を抽出ログとして、通信部201を介してサーバ10へ送信する。これによって、画像形成装置20によるログ検索動作を終了する。
【0103】
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置20では、保存部(例えば第1ログ保存部202、第2ログ保存部203)は、画像形成装置20に関する機器ログを保存し、パターン取得部204は、サーバ10から、特定のログを検索することが規定されたパターンファイルを取得し、ログ検索部205は、機器ログに対して、パターン取得部204により取得されたパターンファイルに適合するログを検索し、ログ送信部206は、ログ検索部205による検索により得られたログをサーバ10へ送信するものとしている。これによって、画像形成装置20等の電子機器のプログラムを変更することなく必要なログをサーバ10に送信することができる。
【0104】
また、本実施形態に係る画像形成装置20では、表示制御部208は、パターンファイルの内容を設定可能とする設定画面(例えば取得ログ選択設定画面2000、取得ログ詳細設定画面2100等)をパネル表示部940aに表示させ、パターンファイルは、当該設定画面上で設定可能であるものとしている。これによって、画像形成装置20等の電子機器のプログラムを変更することなく、必要に応じてサーバ10での管理対象とする所望のログの探索を設定することが可能となる。
【0105】
なお、上述の実施形態において、画像形成装置20の各機能部の少なくともいずれかがプログラムの実行によって実現される場合、そのプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。また、上述の実施形態において、画像形成装置20で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD-R(Compact Disk-Recordable)、またはDVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態において、画像形成装置20で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態において、画像形成装置20で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、上述の実施形態において、画像形成装置20で実行されるプログラムは、上述した各機能部のうち少なくともいずれかを含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU901が上述の記憶装置(例えば、MEM-P902、MEM-C907、HD909等)からプログラムを読み出して実行することにより、上述の各機能部が主記憶装置上にロードされて生成されるようになっている。
【0106】
本発明の態様は、以下の通りである。
<1>電子機器であって、
前記電子機器に関する機器ログを保存する保存部と、
サーバから、特定のログを検索することが規定されたパターンファイルを取得する取得部と、
前記機器ログに対して、前記取得部により取得された前記パターンファイルに適合するログを検索する検索部と、
前記検索部による検索により得られた前記ログを前記サーバへ送信する送信部と、
を備えた電子機器である。
<2>前記パターンファイルの内容を設定可能とする設定画面を表示装置に表示させる表示制御部を、さらに備え、
前記パターンファイルは、前記設定画面上で設定可能である前記<1>に記載の電子機器である。
<3>前記機器ログは、前記電子機器に対して行われた各種操作の履歴を示す第1ログと、該電子機器における各種動作の履歴を示す第2ログと、を含む前記<2>に記載の電子機器である。
<4>前記表示制御部は、前記保存部に保存された前記第1ログから、前記電子機器に対するどのような操作についてのログを検索するかを設定可能とする前記設定画面を前記表示装置に表示させる前記<3>に記載の電子機器である。
<5>前記表示制御部は、前記保存部に保存された前記第2ログから、前記電子機器のどのような動作についてのログを検索するかを設定可能とする前記設定画面を前記表示装置に表示させる前記<3>に記載の電子機器である。
<6>前記パターンファイルは、電子機器毎に生成される前記<1>~<5>のいずれか一項に記載の電子機器である。
<7>前記取得部は、
前記サーバで管理されている前記パターンファイルが更新されているか否かを確認し、
前記パターンファイルが更新されている場合、更新された前記パターンファイルを前記サーバから取得する前記<1>~<5>のいずれか一項に記載の電子機器である。
<8>電子機器と、サーバとを含む情報処理システムであって、
前記サーバは、特定のログを検索することが規定されたパターンファイルを記憶する記憶部を備え、
前記電子機器は、
前記電子機器に関する機器ログを保存する保存部と、
サーバから、前記パターンファイルを取得する取得部と、
前記機器ログに対して、前記取得部により取得された前記パターンファイルに適合するログを検索する検索部と、
前記検索部による検索により得られた前記ログを前記サーバへ送信する送信部と、
を備えた情報処理システムである。
<9>前記電子機器は、前記パターンファイルの内容を設定可能とする設定画面を表示装置に表示させる表示制御部を、さらに備え、
前記サーバは、前記電子機器において前記設定画面で入力された設定情報に基づいて、前記パターンファイルを生成または更新する生成部を、さらに備えた前記<8>に記載の情報処理システムである。
<10>電子機器におけるログ管理方法であって、
前記電子機器に関する機器ログを保存部に保存する保存ステップと、
サーバから、特定のログを検索することが規定されたパターンファイルを取得する取得ステップと、
前記機器ログに対して、取得した前記パターンファイルに適合するログを検索する検索ステップと、
検索により得られた前記ログを前記サーバへ送信する送信ステップと、
を有するログ管理方法である。
<11>コンピュータに、
電子機器に関する機器ログを保存部に保存する保存ステップと、
サーバから、特定のログを検索することが規定されたパターンファイルを取得する取得ステップと、
前記機器ログに対して、取得した前記パターンファイルに適合するログを検索する検索ステップと、
検索により得られた前記ログを前記サーバへ送信する送信ステップと、
を実行させるためのプログラムである。
【符号の説明】
【0107】
1 情報処理システム
10 サーバ
20、20a、20b 画像形成装置
101 通信部
102 UI提供部
103 設定部
104 パターン記憶部
105 パターン送信部
106 ログ取得部
107 ログ蓄積部
201 通信部
202 第1ログ保存部
203 第2ログ保存部
204 パターン取得部
205 ログ検索部
206 ログ送信部
207 操作入力部
208 表示制御部
501 CPU
502 ROM
503 RAM
504 HD
505 HDDコントローラ
506 ディスプレイ
508 外部機器接続I/F
509 ネットワークI/F
510 バスライン
511 キーボード
512 ポインティングデバイス
513 DVD
514 DVD-RWドライブ
515 メディア
516 メディアI/F
901 CPU
902 MEM-P
902a ROM
902b RAM
903 NB
904 SB
906 ASIC
907 MEM-C
908 HDDコントローラ
909 HD
910 コントローラ
920 近距離通信回路
920a アンテナ
921 AGPバス
922 PCIバス
930 エンジン制御部
931 スキャナ部
932 プリンタ部
940 操作パネル
940a パネル表示部
940b ハードキー
950 ネットワークI/F
1001、1001a~1001c 記述部
1002 記述部
1101、1102 記述部
1111a~1111c 記述部
2000 取得ログ選択設定画面
2001 URL表示領域
2002 操作ログ選択領域
2003 動作ログ選択領域
2004 OKボタン
2005 キャンセルボタン
2100 取得ログ詳細設定画面
2101 URL表示領域
2102 時間指定選択チェックボックス
2103 時間設定領域
2104 結果指定チェックボックス
2105 結果選択入力領域
2106 文書名指定チェックボックス
2107 文書名入力領域
2108 OKボタン
2109 キャンセルボタン
A~C アプリケーション
D システムプログラム
N ネットワーク
【先行技術文献】
【特許文献】
【0108】
【特許文献1】特開2022-015778号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13