(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154753
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】予測方法、混合物の製造方法、学習装置、予測装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G16C 60/00 20190101AFI20241024BHJP
【FI】
G16C60/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068773
(22)【出願日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】堀田 友樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 直広
(57)【要約】
【課題】グラスライニング機器の破損を予測する。
【解決手段】コンピュータが、1種類以上の固体及び1種類以上の液体を含む混合物に関する帯電パラメータと、混合物によるグラスライニング機器の破損に関する情報とを含むデータセットに基づいて、帯電パラメータと破損との関係を学習した学習済みモデルを生成する手順と、1種類以上の固体及び1種類以上の液体を含む原料混合物に関する帯電パラメータを学習済みモデルに入力することで、原料混合物によるグラスライニング機器の破損を予測する手順と、を実行する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
1種類以上の固体及び1種類以上の液体を含む混合物に関する帯電パラメータと、前記混合物によるグラスライニング機器の破損に関する情報とを含むデータセットに基づいて、前記帯電パラメータと前記破損との関係を学習した学習済みモデルを生成する手順と、
1種類以上の固体及び1種類以上の液体を含む原料混合物に関する前記帯電パラメータを前記学習済みモデルに入力することで、前記原料混合物による前記グラスライニング機器の破損を予測する手順と、
を実行する予測方法。
【請求項2】
前記混合物は、スラリーである、
請求項1に記載の予測方法。
【請求項3】
前記スラリーは、高帯電スラリーである、
請求項2に記載の予測方法。
【請求項4】
前記帯電パラメータは、前記混合物を前記グラスライニング機器に接触させたときに前記グラスライニング機器の帯電状態を変化させる因子を含む、
請求項1に記載の予測方法。
【請求項5】
前記帯電パラメータは、前記混合物の物性値と前記グラスライニング機器による撹拌条件とを含む、
請求項4に記載の予測方法。
【請求項6】
前記コンピュータが、
前記グラスライニング機器の帯電状態を変化させる複数の因子を説明変数とし、前記グラスライニング機器の破損に関する情報を目的変数とする回帰モデルを学習する手順と、
前記回帰モデルにおける各説明変数の重要度に基づいて前記複数の因子から前記帯電パラメータを決定する手順と、
をさらに実行する請求項4に記載の予測方法。
【請求項7】
前記学習済みモデルは、多変量解析モデル又は回帰モデルである、
請求項1に記載の予測方法。
【請求項8】
前記多変量解析モデルは、主成分分析モデルである、
請求項7に記載の予測方法。
【請求項9】
前記回帰モデルは、ロジスティック回帰モデルである、
請求項7に記載の予測方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の予測方法により、1種類以上の固体及び1種類以上の液体を含む原料混合物によるグラスライニング機器の破損を予測する工程と、
前記グラスライニング機器の破損の予測結果が前記原料混合物により前記グラスライニング機器が破損しないことを示すとき、前記原料混合物を前記グラスライニング機器に接触させる工程と、
を含む混合物の製造方法。
【請求項11】
1種類以上の固体及び1種類以上の液体を含む混合物に関する帯電パラメータと、前記混合物によるグラスライニング機器の破損に関する情報とを含むデータセットを取得するように構成されているデータ取得部と、
前記データセットに基づいて前記帯電パラメータと前記破損との関係を学習した学習済みモデルを生成するように構成されているモデル学習部と、
を備える学習装置。
【請求項12】
1種類以上の固体及び1種類以上の液体を含む原料混合物に関する帯電パラメータを取得するように構成されているパラメータ取得部と、
前記原料混合物に関する前記帯電パラメータを、1種類以上の固体及び1種類以上の液体を含む混合物に関する前記帯電パラメータと前記混合物によるグラスライニング機器の破損との関係を学習した学習済みモデルに入力することで、前記原料混合物による前記グラスライニング機器の破損を予測するように構成されている破損予測部と、
を備える予測装置。
【請求項13】
コンピュータに、
1種類以上の固体及び1種類以上の液体を含む混合物に関する帯電パラメータと、前記混合物によるグラスライニング機器の破損に関する情報とを含むデータセットを取得する手順と、
前記データセットに基づいて前記帯電パラメータと前記破損との関係を学習した学習済みモデルを生成する手順と、
を実行させるためのプログラム。
【請求項14】
コンピュータに、
1種類以上の固体及び1種類以上の液体を含む原料混合物に関する帯電パラメータを取得する手順と、
前記原料混合物に関する前記帯電パラメータを、1種類以上の固体及び1種類以上の液体を含む混合物に関する前記帯電パラメータと前記混合物によるグラスライニング機器の破損との関係を学習した学習済みモデルに入力することで、前記原料混合物による前記グラスライニング機器の破損を予測する手順と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、予測方法、混合物の製造方法、学習装置、予測装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
グラスライニング機器は運転中に発生する静電気に起因して破損することがある。例えば、非特許文献1には、静電気によるグラスライニング撹拌槽の損傷事例及びグラスライニング機器における静電気対策が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】沢田雅光、「静電気によるGLの損傷とその対策」、神鋼パンテック技報、Vol.34、No.3、pp.22-27、1990年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のグラスライニング機器の静電気対策は破損防止の効果が不明である。例えば、非特許文献1に開示されている静電気対策は定性条件のみであり、グラスライニング機器の破損を防止するための基準が明確ではない。
【0005】
本開示の一態様は、グラスライニング機器の破損を予測することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様による予測方法は、コンピュータが、1種類以上の固体及び1種類以上の液体を含む混合物に関する帯電パラメータと、混合物によるグラスライニング機器の破損に関する情報とを含むデータセットに基づいて、帯電パラメータと破損との関係を学習した学習済みモデルを生成する手順と、1種類以上の固体及び1種類以上の液体を含む原料混合物に関する帯電パラメータを学習済みモデルに入力することで、原料混合物によるグラスライニング機器の破損を予測する手順と、を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、グラスライニング機器の破損を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】コンピュータのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】混合物製造システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】製造方法の一例を示すフローチャートである。
【
図5】決定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】学習処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】予測処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の各実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
【0010】
[実施形態]
本開示の一実施形態は、グラスライニング機器を用いて固体と液体とを含む混合物を製造する混合物製造システムである。グラスライニング機器は、グラスライニングが施された機器である。グラスライニングは、鋼等の金属基材にグラス層を形成する表面処理法である。グラスライニング機器において、グラス層が形成された部位はグラスライニング面等とも呼ばれる。
【0011】
グラスライニング機器は、一例として、耐食性、不活性、耐熱性等を有し、化学工業、医薬品工業、食品工業、電子産業等の分野で広く用いられている。グラスライニング機器は、一例として、反応機(又は反応釜)、撹拌翼、撹拌槽、熱交換器、乾燥機、蒸発機、濾過機等が挙げられる。
【0012】
グラスライニング機器は、混合物を撹拌することで帯電し、その電荷が放電することでグラスライニング面にピンホールや剥離等の局部的な破損が生じることがある。グラスライニング面が破損したグラスライニング機器を継続して使用すると、その破損部から金属基材に腐食が進行し、金属の溶出による内容物の汚染や内容物の機器外への漏出等の問題が発生する。そのため、グラスライニング面に破損が生じた場合、グラスライニング機器の使用を停止し、破損部の補修や機器の更新等の対処を行う必要がある。
【0013】
例えば非特許文献1には、グラスライニング機器における静電気対策として、体積抵抗率の小さい材料を使用する、強い撹拌を避ける、内容物の量を減らす等が挙げられている。しかしながら、これらの静電気対策は定性条件であり、グラスライニング機器におけるグラスライニング面の破損(以下、「GL破損」とも呼ぶ)を防止するための明確な基準は示されていない。また、これらの静電気対策によりGL破損をどの程度防止できるかも不明である。
【0014】
本実施形態における混合物製造システムは、GL破損のリスクを低減することを目的とする。混合物製造システムは、GL破損のリスクを低減するために、混合物を製造する際のGL破損を予測する。混合物を製造する前にGL破損のリスクを評価することができれば、混合物の組成やグラスライニング機器の使用条件を調整することができ、その結果、GL破損を未然に防止することができる。
【0015】
<全体構成>
本実施形態における混合物製造システムの全体構成について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態における混合物製造システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
図1に示されているように、本実施形態における混合物製造システム10は、グラスライニング機器1、学習装置2及び予測装置3を含む。なお、学習装置2及び予測装置3は、LAN(Local Area Network)又はインターネット等の通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続されている。
【0017】
グラスライニング機器1は、1種類以上の固体及び1種類以上の液体を含む混合物(以下、「原料混合物」とも呼ぶ)を撹拌することで、1種類以上の固体及び1種類以上の液体を含む混合物(以下、「目的混合物」とも呼ぶ)を製造する機器である。本実施形態における混合物は、例えば、スラリーであってもよい。本実施形態におけるスラリーは、例えば、高い帯電性を有する高帯電スラリーであってもよい。高帯電スラリーとしては、例えば、グラスライニング機器に投入し、撹拌した際に、接地面と機器内のガラス面との電位差が0.1kV以上となるスラリーが例示される。高帯電スラリーの一例は、溶媒にヘプタン又はヘキサンを用いているスラリー等である。
【0018】
学習装置2は、予測モデルを学習するパーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバ等の情報処理装置である。予測モデルは、混合物に関する帯電パラメータとGL破損との関係を学習した機械学習モデルである。具体的には、予測モデルは、混合物に関する帯電パラメータを説明変数とし、GL破損のリスクを示す評価値を目的変数とする回帰モデルである。
【0019】
予測装置3は、グラスライニング機器1のGL破損を予測するパーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバ等の情報処理装置である。予測装置3は、グラスライニング機器1に投入する原料混合物に関する帯電パラメータを、学習装置2により生成された学習済みの予測モデルに入力することで、グラスライニング機器1のGL破損を予測する。
【0020】
≪帯電パラメータ≫
帯電パラメータは、グラスライニング機器1を用いて混合物を製造するときに、グラスライニング機器1の帯電状態に影響を与えるパラメータ群である。帯電パラメータは、グラスライニング機器1の帯電状態を変化させる候補パラメータのうち、GL破損との関係が強いパラメータを抽出したものである。
【0021】
候補パラメータは、グラスライニング機器1を帯電させる帯電因子と、グラスライニング機器1を除電する除電因子とを列挙したパラメータ群である。帯電因子及び除電因子は、混合物の物性に関する因子、混合物に関する撹拌条件に関する因子、及びそれらの両方に関する因子を含む。
【0022】
本実施形態では、一例として、下記の候補パラメータ(1)~(25)を用いる。なお、以下の説明は、グラスライニング機器1がグラスライニング反応釜であり、混合物がスラリーである場合の候補パラメータの一例である。
【0023】
(1)スラリー濃度[wt%]:スラリー濃度は、グラスライニング反応釜内のスラリーの濃度である。スラリー濃度は、スラリー中の固体重量をスラリーの総重量で除算した値である。
【0024】
(2)最低温度[℃]:最低温度は、スラリーを撹拌する際の取り扱い最低温度である。
【0025】
(3)最高温度[℃]:最高温度は、スラリーを撹拌する際の取り扱い最高温度である。
【0026】
(4)粉体抵抗[Ω・m]:粉体抵抗は、固体の体積抵抗率である。体積抵抗率は、導電率とも呼ばれる。粉体抵抗は、対数値に変換して利用してもよい。
【0027】
(5)溶剤抵抗[Ω・m]:溶剤抵抗は、液体の体積抵抗率である。溶剤抵抗は、粉体抵抗と同様に、対数値に変換して利用してもよい。
【0028】
(6)釜容積[m3]:釜容積は、グラスライニング反応釜の容積である。なお、スラリーの種類によって釜容積は異なる。
【0029】
(7)スラリー液量[m3]:スラリー液量は、グラスライニング反応釜内のスラリーの体積である。なお、スラリー液量は、液体のみの体積ではなく、液体の体積と固体の体積との和である。
【0030】
(8)槽径[m]:槽径は、グラスライニング反応釜の内径である。なお、グラスライニング反応釜の大きさによって槽径は異なる。
【0031】
(9)翼径[m]:翼径は、グラスライニング反応釜における撹拌の内径である。なお、撹拌翼の形状やグラスライニング反応釜の大きさによって翼径は異なる。
【0032】
(10)回転数[rpm]:回転数は、グラスライニング反応釜における撹拌翼が1分間に回転する回数である。
【0033】
(11)動力数:動力数は、撹拌翼の形状やバッフル板の種類及び枚数によって定まる。動力数は、グラスライニング反応釜固有の値である。動力数は、後述の(22)対単位伝面及び(23)翼先端速度を計算する際に用いられる。
【0034】
(12)液密度[kg/m3]:液密度は、液体の密度である。
【0035】
(13)固体真密度[kg/m3]:固体真密度は、固体の密度である。
【0036】
(14)溶剤粘度[mPa・s]:溶剤粘度は、液体の粘度である。
【0037】
(15)粒子径[μm]:粒子径は、固体の粒子の大きさである。粒子径は、乾燥状態の固体の粒子径(「ドライケーキ」又は「D/C」とも呼ばれる)を用いる。なお、粒子径はある程度の分布を持つため、代表値として積算値が50%の地点の粒子径(「D50」又は「メジアン径」とも呼ばれる)を用いる。
【0038】
(16)終末沈降速度[m/s]:終末沈降速度は、撹拌していない状態で、D50の固体をスラリーに用いる液体に入れたとき、固体が液体中を落下するときに到達する速度である。
【0039】
(17)浮遊限界速度[rpm]:浮遊限界速度は、グラスライニング反応釜で撹拌する際、グラスライニング反応釜の下部に沈降したD50の固体をグラスライニング反応釜の上部まで浮遊させるために必要な撹拌の回転数である。
【0040】
(18)浮遊限界速度比:浮遊限界速度比は、(10)回転数と(17)浮遊限界速度との比である。浮遊限界速度比が1より大きいと、固体はグラスライニング反応釜内で均一に撹拌できる。一方、浮遊限界速度比が1より小さいと、グラスライニング反応釜の下部で固体が滞留しやすい。
【0041】
(19)平均温度[℃]:平均温度は、(2)最低温度と(3)最高温度との平均値である。
【0042】
(20)接液面積[m2]:接液面積は、グラスライニング反応釜にスラリーを入れた際に、グラスライニング面とスラリーとが接する面積である。
【0043】
(21)対単位容積[kW/m3]:対単位容積は、スラリーの単位体積あたりに、撹拌が与えるエネルギーの量である。
【0044】
(22)対単位伝面[W/m2]:対単位伝面は、接液面の単位面積あたりに、撹拌が与えるエネルギーの量である。
【0045】
(23)翼先端速度[m/s]:翼先端速度は、(9)翼径である撹拌翼を(10)回転数で回した際の撹拌の先端部分の速度である。
【0046】
(24)液深[m]:液深は、(6)釜容積のグラスライニング反応釜に(7)スラリー液量のスラリーを入れた際のスラリーの深さである。
【0047】
(25)比表面積[m2/m3]:比表面積は、(7)スラリー液量の単位体積あたりの(20)接液面積である。
【0048】
<ハードウェア構成>
本実施形態における混合物製造システム10に含まれる各装置のハードウェア構成について、
図2を参照しながら説明する。
【0049】
≪コンピュータのハードウェア構成≫
本実施形態における学習装置2及び予測装置3は、例えばコンピュータにより実現される。
図2は、本実施形態におけるコンピュータのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0050】
図2に示されているように、本実施形態におけるコンピュータ500は、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、HDD(Hard Disk Drive)504、入力装置505、表示装置506、通信I/F(Interface)507及び外部I/F508を有する。CPU501、ROM502及びRAM503は、いわゆるコンピュータを形成する。コンピュータ500の各ハードウェアは、バスライン509を介して相互に接続されている。なお、入力装置505及び表示装置506は外部I/F508に接続して利用する形態であってもよい。
【0051】
CPU501は、ROM502又はHDD504等の記憶装置からプログラムやデータをRAM503上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ500全体の制御や機能を実現する演算装置である。コンピュータ500は、CPU501に加えて又はCPU501に代えて、GPU(Graphics Processing Unit)を有していてもよい。
【0052】
ROM502は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM502は、HDD504にインストールされている各種プログラムをCPU501が実行するために必要な各種プログラム、データ等を格納する主記憶装置として機能する。具体的には、ROM502には、コンピュータ500の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、EFI(Extensible Firmware Interface)等のブートプログラムや、OS(Operating System)設定、ネットワーク設定等のデータが格納されている。
【0053】
RAM503は、電源を切るとプログラムやデータが消去される揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。RAM503は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等である。RAM503は、HDD504にインストールされている各種プログラムがCPU501によって実行される際に展開される作業領域を提供する。
【0054】
HDD504は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。HDD504に格納されるプログラムやデータには、コンピュータ500全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーション等がある。なお、コンピュータ500はHDD504に替えて、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いる記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive等)を利用するものであってもよい。
【0055】
入力装置505は、ユーザが各種信号を入力するために用いるタッチパネル、操作キーやボタン、キーボードやマウス、音声等の音データを入力するマイクロホン等である。
【0056】
表示装置506は、画面を表示する液晶や有機EL(Electro-Luminescence)等のディスプレイ、音声等の音データを出力するスピーカ等で構成されている。
【0057】
通信I/F507は、通信ネットワークに接続し、コンピュータ500がデータ通信を行うためのインタフェースである。
【0058】
外部I/F508は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、ドライブ装置510等がある。
【0059】
ドライブ装置510は、記録媒体511をセットするためのデバイスである。ここでいう記録媒体511には、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する媒体が含まれる。また、記録媒体511には、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等が含まれていてもよい。これにより、コンピュータ500は外部I/F508を介して記録媒体511の読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。
【0060】
なお、HDD504にインストールされる各種プログラムは、例えば、配布された記録媒体511が外部I/F508に接続されたドライブ装置510にセットされ、記録媒体511に記録された各種プログラムがドライブ装置510により読み出されることでインストールされる。あるいは、HDD504にインストールされる各種プログラムは、通信I/F507を介して、通信ネットワークとは異なる他のネットワークよりダウンロードされることでインストールされてもよい。
【0061】
<機能構成>
本実施形態における混合物製造システム10の機能構成について、
図3を参照しながら説明する。
図3は、本実施形態における混合物製造システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【0062】
≪学習装置の機能構成≫
図3に示されているように、本実施形態における学習装置2は、データ記憶部100、パラメータ決定部101、データ取得部102及びモデル学習部103を備える。
【0063】
データ記憶部100は、例えば、
図2に示されているHDD504によって実現される。パラメータ決定部101、データ取得部102及びモデル学習部103は、例えば、
図2に示されているHDD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501に実行させる処理によって実現される。
【0064】
データ記憶部100には、予測モデルを学習するためのデータセットが予め記憶されている。データセットは、混合物に関する候補パラメータとその混合物をグラスライニング機器で撹拌したときの破損有無を示す情報とが関連付けられた複数のデータを含む。データセットは、過去にグラスライニング機器を用いて混合物を製造したときの実績を記録したデータを含んでもよいし、文献等に記載されたデータを含んでもよい。
【0065】
パラメータ決定部101は、データ記憶部100から読み出したデータセットに基づいて、帯電パラメータを決定する。具体的には、まず、パラメータ決定部101は、データセットに基づいて回帰モデルを学習する。回帰モデルは、各候補パラメータを説明変数とし、GL破損の有無を目的変数とする機械学習モデルである。
【0066】
次に、パラメータ決定部101は、学習済みの回帰モデルから各説明変数の重要度を取得する。説明変数の重要度は、各説明変数が予測結果に与える影響度合いを示すスコアである。そして、パラメータ決定部101は、各説明変数の重要度に基づいて、候補パラメータから帯電パラメータを抽出する。
【0067】
本実施形態における回帰モデルは、一例として、部分的最小二乗回帰(PLS; Partial Least Square)に基づく回帰モデルである。回帰モデルがPLS回帰の場合、需要度はVIP(Variable Importance in Projection)スコアを用いることができる。
【0068】
帯電パラメータの抽出条件は、パラメータ数に基づく条件であってもよいし、重要度に基づく条件であってもよい。パラメータ数に基づく条件は、重要度が高い順に所定数の候補パラメータを抽出する条件である。重要度に基づく条件は、重要度が所定の閾値以上の候補パラメータを抽出する条件である。
【0069】
帯電パラメータを抽出するとき、他の候補パラメータと類似する特性を示す候補パラメータを除外してもよい。例えば、抽出した複数の候補パラメータの中に類似する特性を示す複数の候補パラメータが含まれる場合、重要度が高い方の候補パラメータのみを帯電パラメータとして抽出してもよい。複数の候補パラメータが類似する特性を示すか否かは、ドメイン知識に基づいて判定してもよい。
【0070】
データ取得部102は、予測モデルを学習するための学習データをデータ記憶部100から取得する。学習データは、データ記憶部100に記憶されているデータセットのうち、パラメータ決定部101により決定された帯電パラメータに関するデータを抽出したものである。
【0071】
モデル学習部103は、データ取得部102により取得された学習データに基づいて、予測モデルを学習する。予測モデルは、各帯電パラメータを説明変数とし、GL破損のリスクを示す評価値を目的変数とするモデルである。
【0072】
本実施形態における予測モデルは、多変量解析に基づくモデルである。多変量解析は、一例として、主成分分析(PCA; Principal Component Analysis)である。予測モデルは、学習データを主成分分析して得られる第1主成分を、GL破損のリスクを示す評価値として出力する。モデル学習部103は、破損有の学習データと破損無の学習データとの距離が最大となるように、第1主成分の係数を学習する。また、モデル学習部103は、破損有の学習データと破損無の学習データとを分離する境界値を学習する。
【0073】
本実施形態における予測モデルは、回帰モデルであってもよい。回帰モデルは、一例として、ロジスティック回帰モデルであってもよい。
【0074】
≪予測装置の機能構成≫
図3に示されているように、本実施形態における予測装置3は、モデル記憶部200、パラメータ取得部201及び破損予測部202を備える。
【0075】
モデル記憶部200は、例えば、
図2に示されているHDD504によって実現される。パラメータ取得部201及び破損予測部202は、例えば、
図2に示されているHDD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501に実行させる処理によって実現される。
【0076】
モデル記憶部200には、学習済みの予測モデル及び境界値が記憶される。予測モデル及び境界値は、学習装置2により学習され、予測装置3に転送される。
【0077】
パラメータ取得部201は、原料混合物に関する帯電パラメータを取得する。例えば、パラメータ取得部201は、混合物製造システム10のユーザにより予測装置3に入力された帯電パラメータを受け付けることで、帯電パラメータを取得する。
【0078】
破損予測部202は、モデル記憶部200から読み出した予測モデル及び境界値並びにパラメータ取得部201により取得された帯電パラメータに基づいて、原料混合物によるグラスライニング機器1のGL破損を予測する。具体的には、まず、破損予測部202は、帯電パラメータを予測モデルに入力することで、GL破損のリスクを示す評価値を計算する。次に、破損予測部202は、計算した評価値を境界値と比較することで、原料混合物によりグラスライニング機器1が破損するか否かを判定する。
【0079】
<混合物の製造方法の処理手順>
本実施形態における混合物の製造方法について、
図4乃至
図7を参照しながら説明する。
図4は、本実施形態における混合物の製造方法の一例を示すフローチャートである。
【0080】
ステップS1において、学習装置2は、データ記憶部100に記憶されているデータセットに基づいて、帯電パラメータを決定する。学習装置2は、決定した帯電パラメータを示す情報を予測装置3に送信する。
【0081】
≪決定処理≫
本実施形態における決定処理(
図4のステップS1)について、
図5を参照しながらより詳細に説明する。
図5は、本実施形態における決定処理の一例を示すフローチャートである。決定処理は、学習装置2のパラメータ決定部101により実行される。
【0082】
ステップS1-1において、パラメータ決定部101は、データ記憶部100からデータセットを読み出す。パラメータ決定部101は、データセットの一部(例えば、4分の3)のみを読み出し、残りの一部(例えば、4分の1)は検証データとして用いてもよい。
【0083】
ステップS1-2において、パラメータ決定部101は、ステップS1-1で読み出したデータセットに基づいて、各候補パラメータを説明変数とし、GL破損の有無を目的変数とする回帰モデルを学習する。
【0084】
ステップS1-3において、パラメータ決定部101は、ステップS1-2で学習した回帰モデルから各説明変数の重要度を取得する。次に、パラメータ決定部101は、各候補パラメータを重要度の降順で整列する。
【0085】
ステップS1-4において、パラメータ決定部101は、重要度が高い候補パラメータを抽出する。次に、パラメータ決定部101は、抽出した候補パラメータを帯電パラメータとして決定する。そして、パラメータ決定部101は、帯電パラメータを示す情報をデータ取得部102に送る。また、パラメータ決定部101は、帯電パラメータを示す情報を予測装置3に送信する。
【0086】
図4に戻って説明する。ステップS2において、学習装置2は、データ記憶部100に記憶されているデータセットから帯電パラメータに関する学習データを抽出する。次に、学習装置2は、学習データに基づいて、予測モデルを学習する。学習装置2は、学習済みの予測モデルを予測装置3に送信する。
【0087】
≪学習処理≫
本実施形態における学習処理(
図4のステップS2)について、
図6を参照しながらより詳細に説明する。
図6は、本実施形態における学習処理の一例を示すフローチャートである。学習処理は、学習装置2のデータ取得部102及びモデル学習部103により実行される。
【0088】
ステップS2-1において、データ取得部102は、パラメータ決定部101から帯電パラメータを示す情報を受け取る。次に、データ取得部102は、データ記憶部100に記憶されているデータセットのうち、帯電パラメータに関するデータを抽出する。これにより、データ取得部102は、予測モデルを学習するための学習データを取得する。なお、データ取得部102は、データセットの一部(例えば、4分の3)のみを学習データとして読み出し、残りの一部(例えば、4分の1)は検証データとして用いてもよい。データ取得部102は、取得した学習データをモデル学習部103に送る。
【0089】
ステップS2-2において、モデル学習部103は、データ取得部102から学習データを受け取る。次に、モデル学習部103は、学習データに基づいて、各帯電パラメータを説明変数とし、GL破損のリスクを示す評価値を目的変数とする予測モデルを学習する。また、モデル学習部103は、評価値を判定するための境界値を学習する。
【0090】
ステップS2-3において、モデル学習部103は、ステップS2-2で学習した予測モデル及び境界値を予測装置3に送信する。予測装置3は、学習済みの予測モデル及び境界値を学習装置2から受信する。予測装置3は、受信した予測モデル及び境界値をモデル記憶部200に記憶する。
【0091】
図4に戻って説明する。ステップS3において、混合物製造システム10のユーザは、原料混合物を準備する。原料混合物の準備は、実際に原料混合物を準備してもよいし、原料混合物の帯電パラメータを計算可能な設計情報を準備してもよい。
【0092】
ステップS4において、予測装置3は、帯電パラメータに関する情報及び学習済みの予測モデルを学習装置2から受信する。次に、予測装置3は、原料混合物に関する帯電パラメータを取得する。続いて、予測装置3は、学習済みの予測モデル及び原料混合物の帯電パラメータに基づいて、原料混合物によるグラスライニング機器1のGL破損を予測する。
【0093】
≪予測処理≫
本実施形態における予測処理(
図4のステップS4)について、
図7を参照しながらより詳細に説明する。
図7は、本実施形態における予測処理の一例を示すフローチャートである。予測処理は、予測装置3により実行される。
【0094】
ステップS4-1において、予測装置3のパラメータ取得部201は、学習装置2から帯電パラメータを示す情報を受信する。次に、パラメータ取得部201は、原料混合物に関する帯電パラメータを取得する。パラメータ取得部201は、取得した帯電パラメータを破損予測部202に送る。
【0095】
ステップS4-2において、予測装置3の破損予測部202は、パラメータ取得部201から原料混合物に関する帯電パラメータを受け取る。次に、破損予測部202は、モデル記憶部200から予測モデル及び境界値を読み出す。
【0096】
ステップS4-3において、予測装置3の破損予測部202は、原料混合物に関する帯電パラメータを予測モデルに入力する。これにより、予測モデルからGL破損のリスクを示す評価値が出力される。次に、破損予測部202は、GL破損のリスクを示す評価値を境界値と比較することで、原料混合物によりグラスライニング機器1が破損するか否かを判定する。
【0097】
ステップS4-4において、予測装置3の破損予測部202は、原料混合物によるGL破損の予測結果を出力する。破損予測部202は、例えば、予測装置3が備える表示装置506に予測結果を表示する。
【0098】
混合物製造システム10のユーザは、予測装置3の表示装置506に表示された予測結果を参照することで、グラスライニング機器1を用いて目的混合物を製造するか否かを判断することができる。
【0099】
図4に戻って説明する。ステップS5において、混合物製造システム10は、GL破損の予測結果を判定する。予測結果が破損しないことを示す場合(YES)、混合物製造システム10はステップS6に処理を進める。一方、予測結果が破損することを示す場合(NO)、混合物製造システム10はステップS3に処理を戻す。
【0100】
ステップS3に戻った後、混合物製造システム10のユーザは、原料混合物の組成又はグラスライニング機器1の使用条件を調整する。その後、混合物製造システム10はステップS3からステップS5までの処理を再度実行する。このように、グラスライニング機器1が破損しないと判定されるまで、原料混合物の組成又はグラスライニング機器1の使用条件を繰り返し調整することで、グラスライニング機器1を破損しない原料混合物の組成及びグラスライニング機器1の使用条件を決定することができる。
【0101】
ステップS6において、グラスライニング機器1を用いて目的混合物を製造する。目的混合物の製造は、原料混合物をグラスライニング機器1に接触させる工程を含む。原料混合物をグラスライニング機器1に接触させる工程とは、例えば、原料混合物をグラスライニング反応釜に投入し、帯電パラメータが示す撹拌条件を満たすように原料混合物を撹拌することを含む。
【0102】
<検証結果>
本実施形態によるGL破損の予測精度を検証した結果について、
図8を参照しながら説明する。
図8は、検証結果の一例を示す図である。
【0103】
予測精度の検証では、事前に収集した48件のデータセットのうち、38件のデータセットを用いて予測モデルを学習した。また、学習に用いた38件のデータセットとは異なる10件のデータセットをテストデータとして、GL破損を予測した。そして、テストデータにおけるGL破損の実績値と、本実施形態による予測結果とを比較した。
【0104】
図8に示されているように、実績値が破損有であったテストデータ2件は、いずれも破損有と予測された。また、実績値が破損無であったテストデータ8件は、いずれも破損無と予測された。すなわち、10件のテストデータすべてについて、実績値と予測結果とが一致する結果となった。本検証では10件のテストデータに対する正答率は100%であった。
【0105】
GL破損の予測では、特に再現率(実績値が破損有のデータのうち破損有と予測されたデータの割合)を向上することが重要である。実際にGL破損が発生するケースを見逃すと、運転の停止、破損部の補修又は機器の更新等の重大な結果をもたらすためである。
図8に示した検証結果では、実績値が破損有であったテストデータを破損無と予測したケースは存在しない。したがって、この観点からも、本実施形態におけるGL破損の予測精度は良好であったと評価できる。
【0106】
本検証により、本実施形態における予測装置3は、混合物によるGL破損を精度よく予測できることが示された。
【0107】
<実施形態の効果>
本実施形態における学習装置2は、混合物に関する帯電パラメータと混合物によるGL破損に関する情報とを含むデータセットに基づいて予測モデルを学習する。本実施形態における予測装置3は、原料混合物に関する帯電パラメータを学習済みの予測モデルに入力することで、原料混合物によるグラスライニング機器1のGL破損を予測する。したがって、本実施形態によれば、グラスライニング機器1のGL破損を予測することができる。
【0108】
本実施形態における混合物は、1種類以上の固体及び1種類以上の液体を含む。1種類以上の固体及び1種類以上の液体を含む混合物は、スラリーであってもよい。スラリーは、高帯電スラリーであってもよい。したがって、本実施形態によれば、スラリーを製造するときのグラスライニング機器1のGL破損を予測することができる。
【0109】
本実施形態における帯電パラメータは、混合物をグラスライニング機器1に接触させたときにグラスライニング機器1の帯電状態を変化させる因子である。帯電パラメータは、混合物の物性値とグラスライニング機器1による撹拌条件とを含んでもよい。GL破損は、混合物を撹拌することで生じる静電気が一因であることが知られている。したがって、本実施形態によれば、静電気によるグラスライニング機器1のGL破損を精度よく予測することができる。
【0110】
本実施形態における予測モデルは、多変量解析モデル又は回帰モデルである。多変量解析モデルは、主成分分析モデルであってもよい。主成分分析モデルによれば、低次元の評価値に基づいてGL破損を判定することができる。回帰モデルは、ロジスティック回帰モデルであってもよい。したがって、本実施形態によれば、少ない計算量でグラスライニング機器1のGL破損を判定することができる。
【0111】
本実施形態における混合物製造システム10は、原料混合物によるGL破損がないと予測されたとき、原料混合物をグラスライニング機器1に接触させる工程を実行する。したがって、本実施形態によれば、混合物を製造するときのグラスライニング機器1のGL破損のリスクを低減することができる。
【0112】
[補足]
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるCPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)のようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等の機器を含むものとする。
【0113】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0114】
1 グラスライニング機器
2 学習装置
3 予測装置
10 混合物製造システム
100 データ記憶部
101 パラメータ決定部
102 データ取得部
103 モデル学習部
200 モデル記憶部
201 パラメータ取得部
202 破損予測部