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特開2024-154837管理サーバ及びネットワーク状態管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154837
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】管理サーバ及びネットワーク状態管理方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/06 20220101AFI20241024BHJP
   H04L 41/085 20220101ALI20241024BHJP
【FI】
H04L41/06
H04L41/085
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068984
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】有馬 康弘
(57)【要約】
【課題】複数のノード装置を有するネットワークの状態取得にかかる通信量を低減することができる管理サーバ及びネットワーク状態管理方法を提供する。
【解決手段】ノード装置NA,NBから状態変化のイベント通知m1,m2を受けた場合、イベント通知m1,m2に対してイベント通知m1,m2の受信時から予め設定した待機時間Tの計時を開始し、1つの待機時間Tの計時が終了した時点で待機時間Tを計時中の他のイベント通知があるか否かを判定し、待機時間Tを計時中の他のイベント通知m2がある場合、待機時間Tの計時が終了したイベント通知m1に対する処理を打ち切り、待機時間Tを計時中の他のイベント通知がない場合、各ノード装置Nに対する状態取得を実行する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノード装置を有するネットワーク内における各ノード装置の動作状態及び各ノード装置間の接続状態を管理する管理サーバであって、
前記ノード装置から状態変化のイベント通知を受けた場合、前記イベント通知に対して前記イベント通知の受信時から予め設定した待機時間の計時を開始し、1つの前記待機時間の計時が終了した時点で前記待機時間を計時中の他のイベント通知があるか否かを判定し、前記待機時間を計時中の他のイベント通知がある場合、前記待機時間の計時が終了した前記イベント通知に対する処理を打ち切り、前記待機時間を計時中の他のイベント通知がない場合、各ノード装置に対する状態取得を実行することを特徴とする管理サーバ。
【請求項2】
前記待機時間は、前記ノード装置が状態変化を検出する状態変化検出時間よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項3】
前記待機時間は、前記ノード装置の初期化時間に前記ノード装置が状態変化を検出する状態変化検出時間を加えた時間よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項4】
前記待機時間は、各ノード装置から前記管理サーバに前記イベント通知が到達する通知所要時間のうちの最大である最大通知所要時間よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項5】
前記待機時間は、前記ノード装置の初期化時間、前記ノード装置が状態変化を検出する状態変化検出時間、及び、各ノード装置から前記管理サーバに前記イベント通知が到達する通知所要時間のうちの最大である最大通知所要時間、のうちの1以上の時間を組み合わせ、組み合わせた時間の最大時間であることを特徴とする請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項6】
前記ネットワークは、マルチホップ通信を行う光ネットワークであることを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の管理サーバ。
【請求項7】
複数のノード装置を有するネットワーク内における各ノード装置の動作状態及び各ノード装置間の接続状態を管理するネットワーク状態管理方法であって、
前記ノード装置から状態変化のイベント通知を受けた場合、前記イベント通知に対して前記イベント通知の受信時から予め設定した待機時間の計時を開始し、1つの前記待機時間の計時が終了した時点で前記待機時間を計時中の他のイベント通知があるか否かを判定し、前記待機時間を計時中の他のイベント通知がある場合、前記待機時間の計時が終了した前記イベント通知に対する処理を打ち切り、前記待機時間を計時中の他のイベント通知がない場合、各ノード装置に対する状態取得を実行することを特徴とするネットワーク状態管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のノード装置を有するネットワークの状態取得にかかる通信量を低減することができる管理サーバ及びネットワーク状態管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のノード装置を有したネットワークでは、各ノード装置の動作状態や各ノード装置間の接続状態を管理する必要がある。この各ノード装置のネットワーク管理を定期的に行うネットワーク管理装置が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-259520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1では、各ノード装置に対して定期的に状態取得を行っているため、通信量が増大してしまう。一方、ノード装置から障害発生などの状態変化のイベント通知を受けるごとに、各ノード装置に対して状態取得を実行すると、連続して発生する状態変化のイベント通知に対してそれぞれに状態取得を実行することになり、ネットワーク管理のための通信量が増大する。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数のノード装置を有するネットワークの状態取得にかかる通信量を低減することができる管理サーバ及びネットワーク状態管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる管理サーバは、複数のノード装置を有するネットワーク内における各ノード装置の動作状態及び各ノード装置間の接続状態を管理する管理サーバであって、前記ノード装置から状態変化のイベント通知を受けた場合、前記イベント通知に対して前記イベント通知の受信時から予め設定した待機時間の計時を開始し、1つの前記待機時間の計時が終了した時点で前記待機時間を計時中の他のイベント通知があるか否かを判定し、前記待機時間を計時中の他のイベント通知がある場合、前記待機時間の計時が終了した前記イベント通知に対する処理を打ち切り、前記待機時間を計時中の他のイベント通知がない場合、各ノード装置に対する状態取得を実行することを特徴とする。
【0007】
また、本発明にかかる管理サーバは、上記の発明において、前記待機時間は、前記ノード装置が状態変化を検出する状態変化検出時間よりも長いことを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる管理サーバは、上記の発明において、前記待機時間は、前記ノード装置の初期化時間に前記ノード装置が状態変化を検出する状態変化検出時間を加えた時間よりも長いことを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる管理サーバは、上記の発明において、前記待機時間は、各ノード装置から前記管理サーバに前記イベント通知が到達する通知所要時間のうちの最大である最大通知所要時間よりも長いことを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる管理サーバは、上記の発明において、前記待機時間は、前記ノード装置の初期化時間、前記ノード装置が状態変化を検出する状態変化検出時間、及び、各ノード装置から前記管理サーバに前記イベント通知が到達する通知所要時間のうちの最大である最大通知所要時間、のうちの1以上の時間を組み合わせ、組み合わせた時間の最大時間であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる管理サーバは、上記の発明において、前記ネットワークは、マルチホップ通信を行う光ネットワークであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかるネットワーク状態管理方法は、複数のノード装置を有するネットワーク内における各ノード装置の動作状態及び各ノード装置間の接続状態を管理するネットワーク状態管理方法であって、前記ノード装置から状態変化のイベント通知を受けた場合、前記イベント通知に対して前記イベント通知の受信時から予め設定した待機時間の計時を開始し、1つの前記待機時間の計時が終了した時点で前記待機時間を計時中の他のイベント通知があるか否かを判定し、前記待機時間を計時中の他のイベント通知がある場合、前記待機時間の計時が終了した前記イベント通知に対する処理を打ち切り、前記待機時間を計時中の他のイベント通知がない場合、各ノード装置に対する状態取得を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、逐次発生するネットワークの状態変化のイベント通知を一連のイベント通知とし、各イベント通知をまとめて各ノード装置に対する状態取得を実行するようにしているので、各ノード装置の状態取得にかかる通信量を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施の形態である管理サーバを含むネットワークの概要構成を示す模式図である。
図2図2は、ノード装置の構成を示す機能ブロック図である。
図3図3は、ノード装置がリンクダウンした場合における管理サーバの状態取得処理を示すシーケンス図である。
図4図4は、管理サーバによる各ノード装置に対する状態取得処理手順を示す全体フローチャートである。
図5図5は、図4に示した状態取得処理の処理手順を示す詳細フローチャートである。
図6図6は、変形例1の管理サーバによる状態取得処理を示すシーケンス図である。
図7図7は、変形例2の管理サーバによる状態取得処理を示すシーケンス図である。
図8図8は、変形例3の管理サーバによる状態取得処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
【0016】
<装置構成>
図1は、本発明の実施の形態である管理サーバ1を含むネットワーク2の概要構成を示す模式図である。ネットワーク2は、複数のノード装置Nを有し、各ノード装置Nの接続状態において各ノード装置N間で通信を行う。ネットワーク2は、例えば、メッシュ型の光ネットワークであり、マルチホップ通信を行う。ネットワーク2を構成する複数のノード装置Nを経由する通信経路を決定するルーティングプロトコルとしては、例えば、AODV(Ad hoc On-Demand Distance Vector)ルーティングプロトコルを用いる。AODVルーティングプロトコルは、リアクティブ型ルーティングプロトコルであり、ノード装置Nのホップ数が小さい通信経路を決定する。
【0017】
一般的なAODVルーティングプロトコルの概要は、まず、送信元ノード装置が経路要求パケット(RREQ:Route Request)を隣接ノード装置にブローキャストし、この経路要求パケットを受信したノード装置が、受信したノード装置以外の隣接ノード装置にブロードキャストすることを送信先ノード装置まで繰り返す。この際、経路要求パケットは、転送ごとに累積中継数(ホップ数)がインクリメントされる。そして、送信先ノード装置は、受信した複数の経路要求パケット内の中継数が最も少ない経路要求パケットが示す経路に対して経路回答パケット(RREP:Route Reply)を送信元ノード装置にユニキャストする。各ノード装置は、経路要求パケットを受信した際、送信元、送信先、中継元、中継先を含む仮の経路テーブルを一時的に記憶しておき、所定時間内に経路回答パケットを受信した場合に仮の経路テーブルを経路テーブルとして記憶し、他の仮の経路テーブルを削除する。これにより、各ノード装置は、経路テーブルを用いて送信元ノード装置と送信先ノード装置との間の通信経路を決定する。
【0018】
図2は、ノード装置Nの構成を示す機能ブロック図である。図2に示すように、ノード装置Nは、パケット中継処理部15に、記憶部11,制御部12、受信部13-1~13-n、送信部14-1~14-nが接続される。パケット中継処理部15は、制御部12の制御に応じて、受信部13―1~13-nによって受信されたパケットを、そのヘッダに格納されている情報に応じて、対応する送信部14-1~14-nから送信する。制御部12は、記憶部11に記憶されている経路テーブルRTに応じて、パケット中継処理部15を制御し、パケットを中継するとともに、最適経路を決定し、決定した経路テーブルRTを設定する。なお、受信部13-1~13-nと送信部14-1~14-nは、それぞれ対となって、他のノード装置Nとの間の通信経路にそれぞれ接続され、それぞれ他のノード装置Nとの間の送受信処理を行う。
【0019】
ノード装置Nの1つに、管理サーバ1が接続される。各ノード装置Nは、ノード装置Nの動作状態及びノード装置N間の接続状態が変化した場合、状態変化のイベント通知を管理サーバ1に通知する。例えば、図1に示すように、ノード装置NAとノード装置NBとの間がリンクダウンした場合、ノード装置NA,NBはそれぞれリンクが確立しているノード装置Nを介して管理サーバ1に状態変化のイベント通知を送る。このイベント通知を受けた管理サーバ1は、各ノード装置Nに対する状態取得を実行する。
【0020】
ここで、本実施の形態の管理サーバ1は、ノード装置Nから状態変化のイベント通知を受けた場合、イベント通知に対してイベント通知の受信時から予め設定した待機時間の計時を開始し、1つの待機時間の計時が終了した時点で待機時間を計時中の他のイベント通知があるか否かを判定し、待機時間を計時中の他のイベント通知がある場合、待機時間の計時が終了したイベント通知に対する処理を打ち切り、待機時間を計時中の他のイベント通知がない場合、各ノード装置に対する状態取得を実行する。
【0021】
図3は、ノード装置NA,NBがリンクダウンした場合における管理サーバ1の状態取得処理を示すシーケンス図である。図3に示すように、ノード装置NA,NBがリンクダウンした場合、ノード装置NAは、状態変化(リンクダウン)のイベント通知m1を管理サーバ1に送信する。また、ノード装置NBは、状態変化(リンクダウン)のイベント通知m2を管理サーバ1に送信する。
【0022】
イベント通知m1,m2を受けた管理サーバ1は、各イベント通知m1,m2に対してイベント通知m1,m2の受信時から予め設定した待機時間Tの計時をそれぞれ開始する。そして、管理サーバ1は、イベント通知m1に対する待機時間Tの計時が終了した時点で待機時間Tを計時中の他のイベント通知があるか否かを判定する。この場合、他のイベント通知としてイベント通知m2が待機時間Tを計時中であるため、イベント通知m1に対する処理を打ち切る。そして、管理サーバ1は、その後、イベント通知m2に対する待機時間Tの計時が終了した時点で待機時間Tを計時中の他のイベント通知がないため、この時点で、各ノード装置Nに対して状態取得のメッセージmmを送信して各ノード装置Nの状態を取得する。
【0023】
本実施の形態では、各イベント通知m1,m2の受信ごとに各ノード装置Nに対する状態取得の処理を実行せず、イベント通知m1,m2を一連のイベント通知とし、各イベント通知m1,m2をまとめて各ノード装置Nに対する状態取得を実行するようにしているので、各ノード装置Nの状態取得にかかる通信量を減らすことができる。
【0024】
<状態取得処理>
図4は、管理サーバ1による各ノード装置Nに対する状態取得処理手順を示す全体フローチャートである。図4に示すように、管理サーバ1は、まず、ノード装置Nから状態変化のイベント通知があったか否かを判定する(ステップS101)。イベント通知がない場合(ステップS101:No)、ステップS101の判定処理を繰り返す。一方、イベント通知があった場合(ステップS101:Yes)、状態取得処理を実行し(ステップS102)、ステップS101に戻って上記の処理を繰り返す。なお、ステップS102の状態処理取得は、サブルーチンではなく、その都度、状態取得処理のスレッドを起動するものであり、状態取得処理後、ステップS102に戻らずに処理を終了し、1以上のスレッドが並列した起動状態を許容するものである。
【0025】
また、図5は、図4に示した状態取得処理の処理手順を示す詳細フローチャートである。図5に示すように、管理サーバ1は、まず受信したイベント通知の受信時から待機時間Tの計時を開始する(ステップS201)。その後、管理サーバ1は、待機時間Tの計時が終了したか否かを判定する(ステップS202)。待機時間Tの計時が終了しない場合(ステップS202:No)、本判定処理を繰り返す。
【0026】
一方、待機時間Tの計時が終了した場合(ステップS202:Yes)、さらに、他の待機中の状態取得処理があるか否かを判定する(ステップS203)。他の待機中の状態取得処理がある場合(ステップS203:Yes)、本処理を終了する。これに対し、他の待機中の状態取得処理がない場合(ステップS203:No)、このイベント通知に対する状態取得の実行を行って(ステップS204)、本処理を終了する。すなわち、イベント通知に対する状態取得のために、各ノード装置Nに対して状態取得のメッセージを送信して各ノード装置Nの状態を取得し、本処理を終了する。
【0027】
<変形例1>
図6は、変形例1の管理サーバ1による状態取得処理を示すシーケンス図である。変形例1では、待機時間Tを、ノード装置が状態変化を検出する状態変化検出時間Tdよりも長い時間(待機時間TA)としている。
【0028】
図6に示すように、ノード装置NA,NBは状態変化(リンクダウン)が発生した場合、ノード装置NA,NBはそれぞれイベント通知m10,m11を管理サーバ1に通知する。
【0029】
ここで、管理サーバ1は、各イベント通知m10,m11の受信時に、各イベント通知m10,m11の受信時から待機時間TAを計時する。待機時間TAは、状態変化検出時間Tdよりも長いため、各イベント通知m10,m11は、待機時間TAの期間内に発生する。図6では、イベント通知m10が先に管理サーバ1に通知されるため、イベント通知m10の待機時間TAの終了時点では、イベント通知m11の待機時間TAは計時中であり、イベント通知m10の処理は打ち切られる。
【0030】
その後、イベント通知m11の待機時間TAの終了時点で、待機時間TAを計時中の他のイベント通知がない場合、イベント通知m11の待機時間TAの終了時点において、各ノード装置Nに対する状態取得が実行されるが、図6では、イベント通知m11の待機時間TA中に、ノード装置NA,NBの状態変化(リンクアップ)が発生し、状態変化検出時間Td後に、ノード装置NA,NBからそれぞれイベント通知m12,m13が管理サーバ1に通知され、各イベント通知m12,m13に対する待機時間TAがそれぞれ計時されている。このため、イベント通知m11の待機時間TAの終了時点で、イベント通知m12,m13に対する待機時間TAが計時中であり、イベント通知m11の処理は打ち切られる。
【0031】
同様にして、イベント通知m12の待機時間TAの終了時点で、イベント通知m13の待機時間TAが計時中であり、イベント通知m12の処理は打ち切られる。そして、イベント通知m13の待機時間TAの終了時点で、待機時間TAを計時中の他のイベント通知がないため、イベント通知m13の待機時間TAの終了時点において、管理サーバ1は、各ノード装置Nに対してメッセージmmを送信して、各ノード装置Nの状態を取得する。
【0032】
本変形例1では、待機時間TAを状態変化検出時間Tdよりも長くしているので、通信ケーブルの曲がりなどによる通信が不安定となって接続されているノード装置間がリンクダウンした場合であっても、接続されていたノード装置NA,NBのイベント通知を一連のイベント通知としてまとめて一回のノード装置Nに対する状態取得を実行している。これにより、ノード装置Nに対する状態取得の通信量を減少させることができる。
【0033】
<変形例2>
図7は、変形例2の管理サーバ1による状態取得処理を示すシーケンス図である。変形例2では、待機時間Tを、ノード装置Nの停止後におけるノード装置Nの初期化(起動)時間Tsと状態変化検出時間Tdとの合計時間よりも長い時間(待機時間TB)としている。
【0034】
図7に示すように、ノード装置NBが停止した場合、ノード装置NBに接続されていたノード装置NAは、状態変化(リンクダウン)のイベント通知m20を、ノード装置NAが状態変化を検出する状態変化検出時間Td後に管理サーバ1に通知する。
【0035】
その後、ノード装置NBは起動され、初期化時間Ts後に、ノード装置NBは初期化が完了する。このノード装置NBの初期化により、ノード装置NAとノード装置NBとがリンクアップし、ノード装置NAは、リンクアップから状態変化検出時間Td後に、状態変化(リンクアップ)のイベント通知m21を管理サーバ1に通知する。同様にして、ノード装置NBは、ノード装置NAとの間の接続確立により、リンクアップから状態変化検出時間Td後に、状態変化(リンクアップ)のイベント通りm22を管理サーバ1に通知する。
【0036】
ここで、管理サーバ1は、各イベント通知m20,m21,m22の受信時に、各イベント通知m20,m21,m22の受信時から待機時間TBを計時する。待機時間TBは、ノード装置Nの初期化時間Tsに状態変化検出時間Tdを加えた時間よりも長い時間としている。このため、イベント通知m20の待機時間TBの計時終了の時点で、イベント通知m21,m222の待機時間TBが計時中であるため、イベント通知m20に対する処理は打ち切られる。そして、イベント通知m21の待機時間TBの計時終了の時点でも、イベント通知m22の待機時間TBが計時中であるため、イベント通知m21に対する処理は打ち切られる。その後、イベント通知m22の待機時間TBの計時終了の時点で、待機時間TBを計時中のイベント通知がないため、イベント通知m22の待機時間TBの終了の時点で、管理サーバ1は、各ノード装置Nに対してメッセージmmを送信して、各ノード装置Nの状態を取得する。
【0037】
本変形例2では、待機時間TBをノード装置Nの初期化時間Tsに状態変化検出時間Tdを加えた時間よりも長くしているので、ノード装置Nの停止に対するイベント通知からノード装置Nの起動(再起動)によるリンクアップに対するイベント通知までの間に発生するイベント通知をまとめられ、1つの状態取得処理を行うようにしている。具体的には、イベント通知m20,m21,m22を一連のイベント通知としてまとめて一回のノード装置Nに対する状態取得を実行している。これにより、ノード装置Nに対する状態取得の通信量を減少させることができる。
【0038】
<変形例3>
図8は、変形例3の管理サーバ1による状態取得処理を示すシーケンス図である。変形例3では、待機時間Tとして、各ノード装置Nから管理サーバ1にイベント通知が到達する通知所要時間のうちの最大である最大通知所要時間Txよりも長い時間(待機時間TC)としている。なお、最大通知所要時間Txは、例えば、隣接ノード装置間の転送所要時間に、マルチホップによるネットワーク2内の最大転送回数を乗算した値である。
【0039】
図8に示すように、ノード装置NA,NBは状態変化(リンクダウン)が発生し、それぞれイベント通知m31,m32を管理サーバ1に通知する。また、ノード装置NCは、イベント通知m31,m32の後、単独の他の状態変化が発生し、イベント通知m33を管理サーバ1に通知する。
【0040】
ここで、管理サーバ1は、各イベント通知m31,m32,m33の受信時に、各イベント通知m31,m32,m33の受信時から待機時間TCを計時する。各イベント通知m31~m33は、同時に状態変化が生じても、ネットワーク2内のホップ数などによって管理サーバ1の受信時点が異なる。待機時間TCは、この各イベント通知m31~m33の通知時間差を吸収できるようにしており、短時間に発生した多くのイベント通知に対してそれぞれ個別に状態取得を実行せずに、一回の状態取得のみを実行するようにしている。
【0041】
具体的に、イベント通知m31の待機時間TCの終了時点で、イベント通知m32,M33の待機時間TCは計時中であるため、イベント通知m31に対する処理は打ち切られる。その後、イベント通知32の待機時間TCの終了時点で、イベント通知m32の待機時間TCは計時中であるため、イベント通知m32に対する処理は打ち切られる。さらに、その後、イベント通知33の待機時間TCの終了時点で、他のイベント通知はないため、この時点で状態取得が実行される。
【0042】
本変形例3では、待機時間TCを最大通知所要時間Txよりも長くしているので、少なくとも、ほぼ同時に発生した状態変化に伴う複数のイベント通知に対する状態取得の実行を一回のみで行うことができる。これにより、ノード装置Nに対する状態取得の通信量を減少させることができる。
【0043】
なお、待機時間Tは、ノード装置の初期化時間Ts、状態変化検出時間Td、及び、最大通知所要時間Tx、のうちの1以上の時間を組み合わせ、組み合わせた時間の最大時間としてもよい。
【0044】
また、上記の実施の形態及び変形例では、マルチホップ通信を行う光ネットワークを例にあげて説明したが、これに限らず、ネットワーク2は複数のノード装置Nによって接続されるものであればよく、また、光以外の有線ネットワークや無線ネットワークにも適用でき、一部に光以外の有線ネットワークや無線ネットワークを含むものであってもよい。
【0045】
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態及び変形例について説明したが、本実施の形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例、及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
1 管理サーバ
2 ネットワーク
11 記憶部
12 制御部
13-1~13-n 受信部
14-1~14-n 送信部
15 パケット中継処理部
m1,m2,m10,m11,m12,m20,m21,m31,m32,m33 イベント通知
mm メッセージ
N,NA,NB,NC ノード装置
RT 経路テーブル
T,TA,TB,TC 待機時間
Td 状態変化検出時間
Ts 初期化時間
Tx 最大通知所要時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8