(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155929
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】ウェハテストシステム、プローブカード交換方法、及びプローバ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20241024BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
H01L21/66 B
H01L21/68 A
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024133861
(22)【出願日】2024-08-09
(62)【分割の表示】P 2022005019の分割
【原出願日】2022-01-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-10-08
(71)【出願人】
【識別番号】000151494
【氏名又は名称】株式会社東京精密
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】山口 晃
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雄太
(72)【発明者】
【氏名】笠井 直樹
(72)【発明者】
【氏名】山添 直幸
(72)【発明者】
【氏名】安中 哲也
(72)【発明者】
【氏名】瀧井 数馬
(72)【発明者】
【氏名】青木 徹平
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 渡
(72)【発明者】
【氏名】石田 大樹
(72)【発明者】
【氏名】井口 靖仁
(57)【要約】
【課題】設置スペースの増加を抑えつつ低コストでプローブカードの交換を自動化できるウェハテストシステム、プローブカード交換方法、及びプローバを提供する。
【解決手段】プローバ10と、半導体ウェハWを収納するカセットCSをプローバ10に搬入及びプローバ10から回収する無人搬送車(天井走行式無人搬送車54)と、プローバ10においてプローブカード30を保持位置と交換位置との間で搬送するカード搬送機構32と、無人搬送車を制御して、プローブカード30を交換位置と保管所との間で搬送する搬送制御部(回収制御部84、搬入制御部86)と、カード搬送機構32を制御して、交換前のプローブカード30を保持位置から交換位置まで搬送する分離処理を実行する分離制御部64と、カード搬送機構32を制御して、新たなプローブカード30を交換位置から保持位置まで搬送する装着処理を実行する装着制御部66と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェハを保持するチャックと、プローブ針を有するプローブカードとを備え、前記半導体ウェハに形成された複数の半導体チップに前記プローブ針を接触させて前記半導体チップの検査を行うプローバと、
検査前の複数の前記半導体ウェハを収納するカセットを前記プローバに搬入し且つ検査済みの複数の前記半導体ウェハを収納する前記カセットを前記プローバから回収する無人搬送車と、
前記無人搬送車を制御して、前記プローブカードを、前記プローバにおいて予め定められた前記プローブカードの交換位置と、前記プローバとは別の場所にある前記プローブカードの保管所との間で搬送する搬送制御部と、
前記プローバに設けられ、前記プローブカードを前記プローバ内で保持される保持位置と前記交換位置との間で搬送するカード搬送機構と、
前記カード搬送機構を制御して、交換前の前記プローブカードを前記保持位置から前記交換位置まで搬送する分離処理を実行する分離制御部と、
前記カード搬送機構を制御して、新たな前記プローブカードを前記交換位置から前記保持位置まで搬送する装着処理を実行する装着制御部と、
を備えるウェハテストシステム。
【請求項2】
前記プローバが、
前記チャック、前記プローブカード、及び前記カード搬送機構を収納する筐体と、
前記筐体に形成され、前記交換位置を前記筐体の外部に露出させる開口部と、
前記開口部を開放する開状態と前記開口部を覆う閉じ状態とに切替可能な扉と、
前記扉を前記開状態と前記閉じ状態とに切り替える扉開閉機構と、
前記分離処理において前記扉開閉機構を駆動して前記扉を前記閉じ状態から前記開状態に切り替え、且つ前記装着処理において前記扉開閉機構を駆動して前記扉を前記開状態から前記閉じ状態に切り替える扉開閉制御部と、
を備える請求項1に記載のウェハテストシステム。
【請求項3】
前記扉の位置を基準として予め設定されたプロテクトエリア内への人の侵入の有無を検出する人検出センサを備え、
前記扉開閉制御部が、前記人検出センサの検出結果に基づき前記プロテクトエリア内に人が侵入している間、前記扉開閉機構の駆動を停止させる請求項2に記載のウェハテストシステム。
【請求項4】
前記扉開閉制御部が、前記扉開閉機構の駆動を途中で停止させた場合に、前記人検出センサの検出結果が前記プロテクトエリア内への人の侵入有から侵入無に切り替わるのに応じて、前記扉開閉機構の駆動を再開させる請求項3に記載のウェハテストシステム。
【請求項5】
前記プローブカードを前記保持位置で着脱自在に保持するカード保持部を備え、
前記カード搬送機構が、前記プローブカードを保持可能なトレイを有し、前記トレイを前記保持位置と前記交換位置との間で搬送し、
前記分離制御部が、前記分離処理として、前記カード搬送機構を駆動して前記トレイを前記保持位置に搬送する処理と、前記カード保持部による前記プローブカードの保持を解除して前記トレイに前記プローブカードを保持させる処理と、前記カード搬送機構を駆動して前記トレイを前記保持位置から前記交換位置に搬送する処理と、を順番に実行し、
前記装着制御部が、前記交換位置にある前記トレイに新たな前記プローブカードが保持された場合に、前記装着処理として、前記カード搬送機構を駆動して前記トレイを前記交換位置から前記保持位置に搬送する処理と、前記カード保持部により前記プローブカードを保持させる処理と、を順番に実行する請求項1から4のいずれか1項に記載のウェハテストシステム。
【請求項6】
前記プローバが、前記プローブカードを保持するカードホルダを備え、
前記カード搬送機構が、前記プローブカード及び前記カードホルダを一体に前記保持位置と前記交換位置との間で搬送する請求項1から5のいずれか1項に記載のウェハテストシステム。
【請求項7】
前記カードホルダが、前記プローブカードを保持するカード保持穴を有し、
前記無人搬送車が、前記交換位置にある前記カードホルダの前記カード保持穴に前記プローブカードを載置し、
前記カードホルダの前記カード保持穴を形成する開口縁部に設けられた複数の位置決め部を備え、
前記複数の位置決め部が、前記無人搬送車により前記プローブカードが前記カード保持穴に載置される場合に、前記プローブカードを前記カード保持穴に案内するガイド面を有する請求項6に記載のウェハテストシステム。
【請求項8】
前記搬送制御部が、前記無人搬送車を制御して、前記プローバの交換前の前記プローブカードを前記交換位置から前記保管所まで搬送する回収処理と、新たな前記プローブカードを前記保管所から前記交換位置まで搬送する搬入処理を実行し、
前記交換位置を基準として予め設定されたプロテクトエリア内への人の侵入の有無を検出する人検出センサを備え、
前記搬送制御部が、前記人検出センサの検出結果に基づき前記プロテクトエリア内への人の侵入有の状態の間、前記回収処理を停止し、
前記搬送制御部が、前記人検出センサの検出結果に基づき前記プロテクトエリア内への人の侵入有の状態の間、前記搬入処理を停止する請求項1からの7のいずれか1項に記載のウェハテストシステム。
【請求項9】
前記搬送制御部が、前記無人搬送車を制御して、前記プローバの交換前の前記プローブカードを前記交換位置から前記保管所まで搬送する回収処理と、新たな前記プローブカードを前記保管所から前記交換位置まで搬送する搬入処理を実行し、
前記無人搬送車が、昇降自在で且つ前記カセット又は前記プローブカードを着脱自在に保持する昇降保持部を備え、
前記搬送制御部が、前記回収処理として、前記無人搬送車を前記交換位置の直上位置まで移動させる処理と、前記昇降保持部を前記交換位置まで下降させる処理と、前記昇降保持部により前記交換位置にある前記プローブカードを保持させる処理と、前記昇降保持部を上昇させる処理と、前記無人搬送車を前記直上位置から前記保管所まで移動させる処理と、を実行し、
前記搬送制御部が、前記搬入処理として、前記保管所において前記昇降保持部に前記プローブカードを保持させる処理と、前記無人搬送車を前記保管所から前記直上位置まで移動させる処理と、前記昇降保持部を下降させる処理と、前記昇降保持部により前記交換位置で前記プローブカードの保持を解除させる処理と、前記昇降保持部を上昇させる処理と、を実行する請求項1から8のいずれか1項に記載のウェハテストシステム。
【請求項10】
前記プローバに設けられ、前記プローブカードを前記プローバ内で保持される保持位置と前記交換位置との間で搬送するカード搬送機構を備え、
前記カード搬送機構が、前記プローブカードを保持可能なトレイを有し、前記トレイを前記保持位置と前記交換位置との間で搬送し、
前記トレイに設けられ、前記トレイ上の前記プローブカードの有無を検出するカードセンサを備え、
前記搬送制御部が、前記カードセンサにおいて前記トレイ上に前記プローブカードが無と検出されている間、前記昇降保持部を下降させる処理を実行し、さらに前記カードセンサの検出結果が前記トレイ上の前記プローブカードの無から有に切り替わるのに応じて、前記昇降保持部による前記プローブカードの保持解除と、前記昇降保持部を上昇させる処理と、を実行する請求項9に記載のウェハテストシステム。
【請求項11】
前記無人搬送車が搬送レールに沿って移動し、
前記搬送レールが互いに直交するXYZ方向のうちでX方向に延び、
前記無人搬送車が、Z方向に昇降自在で且つY方向に予め定められた可動範囲内で位置調整可能な昇降保持部を備え、且つ前記昇降保持部により前記カセット又は前記プローブカードを着脱自在に保持可能であり、
前記プローバが、前記X方向において前記交換位置とは異なる位置に設けられ且つ前記無人搬送車により前記カセットが載置されるロードポートを備え、
前記昇降保持部は、前記Y方向において前記昇降保持部の前記可動範囲内で、前記カセットを前記ロードポートに載置可能であり、且つ、前記プローブカードを前記交換位置に載置可能である請求項1から10のいずれか1項に記載のウェハテストシステム。
【請求項12】
半導体ウェハを保持するチャックと、プローブ針を有するプローブカードとを備え、前記半導体ウェハに形成された複数の半導体チップに前記プローブ針を接触させて検査を行うプローバの前記プローブカードを交換するプローブカード交換方法において、
前記プローバのカード搬送機構が、交換前の前記プローブカードを前記プローバ内で保持される保持位置から、前記プローバにおいて予め定められた前記プローブカードの交換位置まで搬送する分離処理を行う分離ステップと、
検査前の複数の前記半導体ウェハを収納するカセットを前記プローバに搬入及び検査済みの複数の前記半導体ウェハを収納する前記カセットを前記プローバから回収する無人搬送車が、前記交換位置に搬送された交換前の前記プローブカードを前記交換位置から前記プローバとは別の場所にある前記プローブカードの保管所まで搬送する回収処理を実行する回収ステップと、
前記無人搬送車が、新たな前記プローブカードを前記保管所から前記交換位置まで搬送する搬入処理を実行する搬入ステップと、
前記カード搬送機構が、新たな前記プローブカードを前記交換位置から前記保持位置まで搬送する装着処理を実行する装着ステップと、
を有するプローブカード交換方法。
【請求項13】
半導体ウェハを保持するチャックと、プローブ針を有するプローブカードとを備え、前記半導体ウェハに形成された複数の半導体チップに前記プローブ針を接触させて前記半導体チップの検査を行うプローバにおいて、
前記プローブカードを前記プローバ内での保持位置と前記プローブカードの交換を行う交換位置との間で搬送するカード搬送機構と、
無人搬送車によって、複数の前記半導体ウェハを収納するカセットが載置されるロードポートと、
を備え、
前記交換位置に対して前記無人搬送車による前記プローブカードの載置が可能であり、
前記プローブカードが、前記無人搬送車に保持される被保持部を有し、
前記交換位置が、前記無人搬送車による前記プローブカードの交換が可能な位置であるプローバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プローバを用いて半導体ウェハの検査を行うウェハテストシステム、プローバのプローブカードを交換するプローブカード交換方法、及びウェハテストシステムに用いられるプローバに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハの表面には、同一の電気素子回路を有する複数の半導体チップが形成されている。各半導体チップは、半導体製造工程においてダイサーで個々に切断される前に、ウェハテストシステムにより電気的特性が検査される。このウェハテストシステムは、プローバとテスタとを備える(特許文献1参照)。
【0003】
プローバは、半導体ウェハをウェハチャック上に保持した状態で、プローブ針を有するプローブカードとウェハチャックとを相対移動させることにより、半導体チップの電極パッドにプローブ針を電気的に接触(コンタクト)させる。テスタは、プローブ針に接続された端子を介して、半導体チップに各種の試験信号を供給すると共に、半導体チップから出力される信号を受信及び解析して半導体チップが正常に動作するか否かをテストする。
【0004】
近年、半導体製造工程の自動化が進んでおり、ウェハテストシステムにおいても自動化が進んでいる。例えば上記特許文献1に記載のウェハテストシステムでは、天井走行式無人搬送車(Overhead Hoist Transport:OHT)を用いて、検査対象の複数の半導体ウェハを収納したカセットをプローバのロードポートに載置する。次いでウェハテストシステムでは、ウェハチャックへの半導体ウェハのセット、半導体ウェハの各半導体チップへのプローブ針のコンタクト、及びテスタによる各半導体チップのテストが行われる。そして、OHTにより検査済みの半導体ウェハを収納したカセットがプローバから回収される。これにより、オペレータが介在することなく半導体ウェハの検査を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、半導体ウェハに形成される半導体チップの種類は多様であり、半導体チップの検査に用いられるプローブカードの種類も多様である。このため、ウェハテストシステムでは、検査対象の半導体チップの種類の切り替えに応じて、プローバにセットするプローブカードの種類を交換しなければならない場合がある。従来、プローバにおけるプローブカードの交換には必ずオペレータが介在しており、この交換は手動又はセミオートで行われていた。このため、米国及びヨーロッパに納入される装置は、所定の安全規格(SEMI規格S2CE等)を満たす必要があり、例えばプローブカードの交換時にプローバの扉を開閉する場合にはプローバの駆動部の電源OFFする必要がある。さらに、オペレータによる手作業でのプローブカードの交換は、誤ってプローブカードを落下させるおそれがあるため、半導体製造工程においてプローバにおけるプローブカードの交換を自動化することが強く要望されている。
【0007】
プローバのプローブカードの交換を自動化するためには、プローバからの交換前のプローブカードの回収と、プローバへの新たなプローブカードの搬入とを自動化する必要がある。しかしながら、プローブカードの回収及び搬入を行う設備を半導体製造工程に新設する場合には費用、設置スペースの点で問題がある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、設置スペースの増加を抑えつつ低コストでプローブカードの交換を自動化できるウェハテストシステム、プローブカード交換方法、及びプローバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的を達成するためのウェハテストシステムは、半導体ウェハを保持するチャックと、プローブ針を有するプローブカードとを備え、半導体ウェハに形成された複数の半導体チップにプローブ針を接触させて半導体チップの検査を行うプローバと、複数の半導体ウェハを収納するカセットを保持した状態で搬送レールに沿って移動する天井走行式無人搬送車であって、検査前の複数の半導体ウェハを収納するカセットをプローバに搬入し且つ検査済みの複数の半導体ウェハを収納するカセットをプローバから回収する天井走行式無人搬送車と、天井走行式無人搬送車を制御して、プローブカードを、プローバにおいて予め定められたプローブカードの交換位置と、プローバとは別の場所にあるプローブカードの保管所との間で搬送する搬送制御部と、プローバに設けられ、プローブカードをプローバ内で保持される保持位置と交換位置との間で搬送するカード搬送機構と、カード搬送機構を制御して、交換前のプローブカードを保持位置から交換位置まで搬送する分離処理を実行する分離制御部と、カード搬送機構を制御して、新たなプローブカードを交換位置から保持位置まで搬送する装着処理を実行する装着制御部と、を備える。
【0010】
このウェハテストシステムによれば、カセット搬送用の天井走行式無人搬送車を利用して、プローバのプローブカードの交換を自動で行うことができる。
【0011】
本発明の他の態様に係るウェハテストシステムにおいて、プローバが、チャック、プローブカード、及びカード搬送機構を収納する筐体と、筐体に形成され、交換位置を筐体の外部に露出させる開口部と、開口部を開放する開状態と開口部を覆う閉じ状態とに切替可能な扉と、扉を開状態と閉じ状態とに切り替える扉開閉機構と、分離処理において扉開閉機構を駆動して扉を閉じ状態から開状態に切り替え、且つ装着処理において扉開閉機構を駆動して扉を開状態から閉じ状態に切り替える扉開閉制御部と、を備える。これにより、分離処理時及び装着処理時の扉の開閉を自動化することができる。
【0012】
本発明の他の態様に係るウェハテストシステムにおいて、扉の位置を基準として予め設定されたプロテクトエリア内への人の侵入の有無を検出する人検出センサを備え、扉開閉制御部が、人検出センサの検出結果に基づきプロテクトエリア内に人が侵入している間、扉開閉機構の駆動を停止させる。これにより、扉が人に衝突したり、手又は指を扉に挟まれたりすることが防止される。
【0013】
本発明の他の態様に係るウェハテストシステムにおいて、扉開閉制御部が、扉開閉機構の駆動を途中で停止させた場合に、人検出センサの検出結果がプロテクトエリア内への人の侵入有から侵入無に切り替わるのに応じて、扉開閉機構の駆動を再開させる。これにより、オペレータが再開操作を行う手間を減らすことができる。
【0014】
本発明の他の態様に係るウェハテストシステムにおいて、プローブカードを保持位置で着脱自在に保持するカード保持部を備え、カード搬送機構が、プローブカードを保持可能なトレイを有し、トレイを保持位置と交換位置との間で搬送し、分離制御部が、分離処理として、カード搬送機構を駆動してトレイを保持位置に搬送する処理と、カード保持部によるプローブカードの保持を解除してトレイにプローブカードを保持させる処理と、カード搬送機構を駆動してトレイを保持位置から交換位置に搬送する処理と、を順番に実行し、装着制御部が、交換位置にあるトレイに新たなプローブカードが保持された場合に、装着処理として、カード搬送機構を駆動してトレイを交換位置から保持位置に搬送する処理と、カード保持部によりプローブカードを保持させる処理と、を順番に実行する。これにより、分離処理及び装着処理も自動化できるので、プローバのプローブカードの交換を全て自動で行うことができる。
【0015】
本発明の他の態様に係るウェハテストシステムにおいて、プローバが、プローブカードを保持するカードホルダを備え、カード搬送機構が、プローブカード及びカードホルダを一体に保持位置と交換位置との間で搬送する。
【0016】
本発明の他の態様に係るウェハテストシステムにおいて、カードホルダが、プローブカードを保持するカード保持穴を有し、天井走行式無人搬送車が、交換位置にあるカードホルダのカード保持穴にプローブカードを載置し、カードホルダのカード保持穴を形成する開口縁部に設けられた複数の位置決め部を備え、複数の位置決め部が、天井走行式無人搬送車によりプローブカードがカード保持穴に載置される場合に、プローブカードをカード保持穴に案内するガイド面を有する。これにより、プローブカードをカード保持穴に確実に案内することができる。
【0017】
本発明の他の態様に係るウェハテストシステムにおいて、搬送制御部が、天井走行式無人搬送車を制御して、プローバの交換前のプローブカードを交換位置から保管所まで搬送する回収処理と、新たなプローブカードを保管所から交換位置まで搬送する搬入処理を実行し、交換位置を基準として予め設定されたプロテクトエリア内への人の侵入の有無を検出する人検出センサを備え、搬送制御部が、人検出センサの検出結果に基づきプロテクトエリア内への人の侵入有の状態の間、回収処理を停止し、搬送制御部が、人検出センサの検出結果に基づきプロテクトエリア内への人の侵入有の状態の間、搬入処理を停止する。これにより、天井走行式無人搬送車が人に衝突することが防止される。
【0018】
本発明の他の態様に係るウェハテストシステムにおいて、搬送制御部が、天井走行式無人搬送車を制御して、プローバの交換前のプローブカードを交換位置から保管所まで搬送する回収処理と、新たなプローブカードを保管所から交換位置まで搬送する搬入処理を実行し、天井走行式無人搬送車が、昇降自在で且つカセット又はプローブカードを着脱自在に保持する昇降保持部を備え、搬送制御部が、回収処理として、天井走行式無人搬送車を交換位置の直上位置まで移動させる処理と、昇降保持部を交換位置まで下降させる処理と、昇降保持部により交換位置にあるプローブカードを保持させる処理と、昇降保持部を上昇させる処理と、天井走行式無人搬送車を直上位置から保管所まで移動させる処理と、を実行し、搬送制御部が、搬入処理として、保管所において昇降保持部にプローブカードを保持させる処理と、天井走行式無人搬送車を保管所から直上位置まで移動させる処理と、昇降保持部を下降させる処理と、昇降保持部により交換位置でプローブカードの保持を解除させる処理と、昇降保持部を上昇させる処理と、を実行する。これにより、カセット搬送用の天井走行式無人搬送車を利用して、プローバのプローブカードの交換を自動で行うことができる。
【0019】
本発明の他の態様に係るウェハテストシステムにおいて、プローバに設けられ、プローブカードをプローバ内で保持される保持位置と交換位置との間で搬送するカード搬送機構を備え、カード搬送機構が、プローブカードを保持可能なトレイを有し、トレイを保持位置と交換位置との間で搬送し、トレイに設けられ、トレイ上のプローブカードの有無を検出するカードセンサを備え、搬送制御部が、カードセンサにおいてトレイ上にプローブカードが無と検出されている間、昇降保持部を下降させる処理を実行し、さらにカードセンサの検出結果がトレイ上のプローブカードの無から有に切り替わるのに応じて、昇降保持部によるプローブカードの保持解除と、昇降保持部を上昇させる処理と、を実行する。これにより、搬入処理を自動化することができる。
【0020】
本発明の他の態様に係るウェハテストシステムにおいて、搬送レールが互いに直交するXYZ方向のうちでX方向に延び、天井走行式無人搬送車が、Z方向に昇降自在で且つY方向に予め定められた可動範囲内で位置調整可能な昇降保持部を備え、且つ昇降保持部によりカセット又はプローブカードを着脱自在に保持可能であり、プローバが、X方向において交換位置とは異なる位置に設けられ且つ天井走行式無人搬送車によりカセットが載置されるロードポートを備え、昇降保持部は、Y方向において昇降保持部の可動範囲内で、カセットをロードポートに載置可能であり、且つ、プローブカードを交換位置に載置可能である。これにより、カセット搬送用の天井走行式無人搬送車を利用して、交換位置からのプローブカードの回収及び交換位置へのプローブカードの搬入を行うことができる。
【0021】
本発明の目的を達成するためのプローブカード交換方法は、半導体ウェハを保持するチャックと、プローブ針を有するプローブカードとを備え、半導体ウェハに形成された複数の半導体チップにプローブ針を接触させて検査を行うプローバのプローブカードを交換するプローブカード交換方法において、プローバのカード搬送機構が、交換前のプローブカードをプローバ内で保持される保持位置から、プローバにおいて予め定められたプローブカードの交換位置まで搬送する分離処理を行う分離ステップと、複数の半導体ウェハを収納するカセットを保持した状態で搬送レールに沿って移動し、且つ検査前の複数の半導体ウェハを収納するカセットをプローバに搬入及び検査済みの複数の半導体ウェハを収納するカセットをプローバから回収する天井走行式無人搬送車が、交換位置に搬送された交換前のプローブカードを交換位置からプローバとは別の場所にあるプローブカードの保管所まで搬送する回収処理を実行する回収ステップと、天井走行式無人搬送車が、新たなプローブカードを保管所から交換位置まで搬送する搬入処理を実行する搬入ステップと、カード搬送機構が、新たなプローブカードを交換位置から保持位置まで搬送する装着処理を実行する装着ステップと、を有する。
【0022】
本発明の目的を達成するためのプローバは、半導体ウェハを保持するチャックと、プローブ針を有するプローブカードとを備え、半導体ウェハに形成された複数の半導体チップにプローブ針を接触させて半導体チップの検査を行うプローバにおいて、プローブカードをプローバ内での保持位置とプローブカードの交換を行う交換位置との間で搬送するカード搬送機構と、互いに直交するXYZ方向のうちでX方向に延びた搬送レールに沿って移動自在な天井走行式無人搬送車であって且つZ方向に昇降自在でY方向に予め定められた可動範囲内で位置調整可能な昇降保持部を有する天井走行式無人搬送車によって、複数の半導体ウェハを収納するカセットが載置されるロードポートと、を備え、Y方向において昇降保持部の可動範囲内で、ロードポートに対して昇降保持部によるカセットの載置が可能であり、且つ、交換位置に対して昇降保持部によるプローブカードの載置が可能であり、プローブカードが、昇降保持部に保持される被保持部を有し、交換位置が、天井走行式無人搬送車によるプローブカードの交換が可能な位置である。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、設置スペースの増加を抑えつつ低コストでプローブカードの交換を自動化できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図4】カードホルダに設けられている複数の位置決め部の拡大図である。
【
図5】プローブカード及びカードホルダを保持するトレイの斜視図である。
【
図7】プローブカードの交換時の分離処理を説明するための説明図である。
【
図8】プローブカードの交換時の分離処理を説明するための説明図である。
【
図9】プローブカードの交換時の装着処理を説明するための説明図である。
【
図10】プローブカードの交換時の装着処理を説明するための説明図である。
【
図11】開状態に切り替えられた筐体の扉の斜視図である。
【
図12】閉じ状態に切り替えられた筐体の扉の斜視図である。
【
図15】ウェハ搬送機構によるプローブカードの回収処理及び搬入処理を可能にする条件を説明するための説明図である。
【
図16】プローバのプローバ制御部、及びGEMホストの機能ブロック図である。
【
図17】ウェハテストシステムで行われるプローバのプローブカードの交換処理の流れを示すフローチャートである。
【
図18】
図17に示したステップS1の分離処理(交換指示)を説明するための説明図である。
【
図19】
図17に示したステップS1の分離処理(トレイ搬送)を説明するための説明図である。
【
図20】
図17に示したステップS1の分離処理(扉の開状態への切替開始)を説明するための説明図である。
【
図21】
図17に示したステップS1の分離処理(扉開閉機構の緊急停止)を説明するための説明図である。
【
図22】
図17に示したステップS1の分離処理(扉開閉機構の駆動再開)を説明するための説明図である。
【
図23】
図17に示したステップS1の分離処理(交換準備完了通知)を説明するための説明図である。
【
図24】
図17のステップS2の回収処理(昇降保持部の下降)を説明するための説明図である。
【
図25】
図17のステップS2の回収処理(昇降保持部の上昇)を説明するための説明図である。
【
図26】
図17に示したステップS3の搬入処理(プローブカードの搬送)を説明するための説明図である。
【
図27】
図17に示したステップS3の搬入処理(昇降保持部の下降)を説明するための説明図である。
【
図28】
図17に示したステップS3の搬入処理(昇降保持部の上昇)を説明するための説明図である。
【
図29】
図17に示したステップS4の装着処理(装着指示)を説明するための説明図である。
【
図30】
図17に示したステップS4の装着処理(扉の閉じ状態への切替開始)を説明するための説明図である。
【
図31】
図17に示したステップS4の装着処理(読取情報、認証結果)を説明するための説明図である。
【
図32】
図17に示したステップS4の装着処理(プローブカードの装着)を説明するための説明図である。
【
図33】
図17に示したステップS4の装着処理(チャックの移動)を説明するための説明図である。
【
図34】
図17に示したステップS4の装着処理(交換完了通知)を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[ウェハテストシステムの全体構成]
図1は、ウェハテストシステム2の概略図である。
図1に示すように、ウェハテストシステム2は、後述のプローバ10を用いて半導体ウェハWの各半導体チップ(図示は省略)の電気特性の検査を自動で行う。また、ウェハテストシステム2は、プローバ10のプローブカード30の交換を自動で行う。
【0026】
ウェハテストシステム2は、大別して、プローバ10と、テスタ11(
図2参照)と、レーザスキャナ12と、ウェハ搬送機構14と、GEM(Generic Model For Communications and Control Of Manufacturing Equipment)コンピュータであるGEMホスト16と、を備える。なお、ウェハテストシステム2には、プローバ10が複数設けられている(
図14参照)。
【0027】
各プローバ10とウェハ搬送機構14とGEMホスト16とは公知のネットワーク18を介して互いに接続されている。なお、実際には各プローバ10及びGEMホスト16を接続するネットワーク18と、ウェハ搬送機構14及びGEMホスト16を接続するネットワーク18と、は異なっている(
図16参照)。また、各プローバ10とウェハ搬送機構14(OHT54)とは、I/Oインターフェース19(SEMI-E48準拠)で接続されている(
図16参照)。また、レーザスキャナ12は、プローバ10に接続されており、このプローバ10及びネットワーク18を介してGEMホスト16に接続されている。
【0028】
[プローバ]
図2は、プローバ10及びテスタ11の概略図である。なお、図中の互いに直交するXYZ方向のうち、XY方向は水平方向であり、Z方向は上下方向である。
図2に示すように、プローバ10は、大別して、ベース20と、ロードポート21(
図13参照)と、チャック22と、チャック移動機構24と、カード保持部26と、カードホルダ28と、プローブカード30と、カード搬送機構32と、これらを収納する筐体34と、を備える。なお、プローバ10の詳細な構成は公知技術であるので(例えば特開2018-117096号公報参照)、ここではプローバ10の一部構成の説明のみを行う。
【0029】
ベース20上には、チャック22がXYZ方向の各方向に移動自在に保持されていると共に、Z方向に平行な軸を中心とする軸周り方向であるθ方向に回転自在に保持されている。また、ベース20上には、カード搬送機構32がY方向に移動自在に保持されている。
【0030】
ロードポート21(
図13参照)には、後述のウェハ搬送機構14のOHT54により、検査対象の複数の半導体ウェハWを収納したカセットCSが載置される。なお、図示は省略するが、プローバ10には、ロードポート21とチャック22との間で半導体ウェハWを搬送する搬送機構が設けられている。
【0031】
チャック22の上面には、真空吸着等の各種保持方法により半導体ウェハWが保持される。チャック22の内部には、半導体ウェハWの温度調整を行う温度調整部(図示は省略)が設けられている。
【0032】
また、チャック22には、後述のカード搬送機構32に対向する位置に連結部36が設けられている。連結部36は、チャック22とカード搬送機構32との連結に用いられる。連結部36は、後述のプローブカード30の交換時以外はチャック22の内部に収納され、プローブカード30の交換時にチャック22の側面からY方向に突出してカード搬送機構32に連結する。これにより、プローブカード30の交換時にチャック22とカード搬送機構32とが一体に移動可能になる。なお、連結部36を設けずに、常にチャック22とカード搬送機構32を一体に移動させてもよい。
【0033】
チャック移動機構24は、モータ等で構成される公知のアクチュエータである。このチャック移動機構24は、チャック22をXYZθ方向に移動可能である。これにより、チャック22に保持されている半導体ウェハWと、後述のプローブ針30aと、をXYZθ方向に相対移動させることができる。また、チャック移動機構24は、プローブカード30の交換時にはチャック22及びカード搬送機構32をY方向に一体に移動させる。なお、チャック移動機構24とは別にカード搬送機構32を移動させる機構を設けてもよい。
【0034】
カード保持部26(ヘッドステージともいう)は、Z方向においてチャック22よりも上方側の位置に設けられており、カードホルダ28を着脱自在に保持する。このカードホルダ28は、プローブカード30の外周を保持する。これにより、カード保持部26は、カードホルダ28を介してプローブカード30を着脱自在に保持する。
【0035】
図3は、カードホルダ28の上面図である。
図4は、カードホルダ28に設けられている複数の位置決め部40の拡大図である。
【0036】
図3及び
図4に示すように、カードホルダ28は、プローブカード30の外周部を保持するカード保持穴38を有する。また、カードホルダ28には、カード保持穴38を形成する開口縁部に沿って間隔をあけて設けられた複数の位置決め部40を備える。
【0037】
各位置決め部40は、後述のOHT54によりカード保持穴38にプローブカード30を載置する場合において(
図27参照)、プローブカード30をカード保持穴38に案内するガイド面40aを有する。ガイド面40aは、そのZ方向下端部がカード保持穴38の開口縁部上に位置し、且つZ方向上方側に向かうのに従ってカード保持穴38から次第に水平方向に遠ざかるように傾斜した傾斜面である。これにより、プローブカード30を各位置決め部40のガイド面40aに沿ってカード保持穴38に案内することができる。
【0038】
図2に戻って、プローブカード30は、半導体ウェハWに多数形成されている不図示の半導体チップの電極パッドの配置等に応じて配置されたプローブ針30aを有している。また、プローブカード30の上面には、後述のウェハ搬送機構14を構成するOHT54の昇降保持部54a(
図1参照)によって保持される被保持部30bが設けられている。さらに、プローブカード30には、プローブ針30aに電気的に接続された不図示の接続端子が設けられており、この接続端子にはテスタ11が接続される。
【0039】
テスタ11は、プローブカード30の接続端子、及びプローブ針30aを介して、半導体ウェハWの各半導体チップの電極パッドに各種の試験信号を供給すると共に、電極パッドから出力される信号を受信及び解析して半導体チップが正常に動作するか否かを検査(テスト)する。なお、テスタ11の構成及びテスト方法は公知技術であるので詳細な説明は省略する。
【0040】
このような半導体チップの検査に用いられるプローブカード30は、例えば、半導体チップの種類に応じて交換されたり、或いは所定の検査回数ごとに交換されたりする。本実施形態のウェハテストシステム2では、既述のチャック移動機構24及び後述のカード搬送機構32と、後述のウェハ搬送機構14と、を用いてプローブカード30の交換を自動で行う。ここでいう「プローブカード30の交換」には、プローバ10にプローブカード30が装着されていない状態で新たなプローブカード30をプローバ10に装着する場合も含まれるが、本実施形態ではカード保持部26に既に保持されている交換前のプローブカード30を新たなプローブカード30に交換する場合を例に挙げて説明を行う。
【0041】
カード搬送機構32は、プローブカード30の交換時にチャック移動機構24と共に、カードホルダ28及び交換前のプローブカード30を一体に「保持位置」から「交換位置」に搬送する分離処理と、カードホルダ28及び新たなプローブカード30を一体に「交換位置」から「保持位置」に搬送する装着処理と、を行う。ここで保持位置とは、カード保持部26によりプローブカード30及びカードホルダ28が保持される位置である。また、交換位置とは、プローバ10においてプローブカード30の交換が行われる位置、より具体的には後述のOHT54(
図1参照)によるプローブカード30の回収及び搬入が可能な位置である(
図8参照)。
【0042】
カード搬送機構32は、プローブカード30の交換時に既述の連結部36を介してチャック22に連結されることで(
図7参照)、カードホルダ28及びプローブカード30を一体に保持位置と交換位置との間で搬送する。
【0043】
カード搬送機構32は、プローブカード30及びカードホルダ28を保持可能(支持可能)な略平板状のトレイ42を、XZ面に平行な倒伏状態(
図2参照)と、XY面に平行な起立状態(
図7参照)とに変位自在に保持する。また、カード搬送機構32は、起立状態のトレイ42をZ方向に昇降自在に保持する(
図7参照)。
【0044】
図5は、プローブカード30及びカードホルダ28を保持(支持)するトレイ42の斜視図である。
図6は、トレイ42の上面図である。
図5及び
図6に示すように、トレイ42は、カードホルダ28の外周部を保持するホルダ保持穴44を有し、既述の起立状態においてホルダ保持穴44によりカードホルダ28を保持する。これにより、トレイ42は、プローブカード30及びカードホルダ28を一体に保持する。
【0045】
トレイ42には、カードホルダ28の有無を検出する複数のホルダセンサ46と、プローブカード30の有無を検出する複数のカードセンサ48と、が設けられている。各ホルダセンサ46は、例えば、ホルダ保持穴44の底面上に設けられた押圧式(感圧式でも可)のセンサである。各ホルダセンサ46は、ホルダ保持穴44にカードホルダ28が保持された場合に、このカードホルダ28により押圧されることでセンサ出力値を変化させる。これにより、各ホルダセンサ46のセンサ出力値に基づき、トレイ42上のカードホルダ28の有無を検出することができる。
【0046】
各カードセンサ48は、例えば、ホルダ保持穴44の内側に設けられた押圧式のセンサである。各カードセンサ48のセンサヘッドは、ホルダ保持穴44にカードホルダ28が保持されている状態において、カード保持穴38の内側からZ方向上方に突出する。このため、各カードセンサ48は、カード保持穴38にプローブカード30が保持された場合に、このカードホルダ28により押圧されることでセンサ出力値を変化させる。これにより、各カードセンサ48のセンサ出力値に基づき、トレイ42上のプローブカード30の有無を検出することができる。
【0047】
図7及び
図8は、プローブカード30の交換時の分離処理を説明するための説明図である。なお、
図7及び
図8(後述の
図9及び
図10)では、図面の煩雑化を防止するためにプローバ10の内部構造及びプローブカード30等を簡略的に記載し、さらにトレイ42によりプローブカード30及びカードホルダ28が搬送されていることが明確になるように、トレイ42よりもプローブカード30及びカードホルダ28の大きさを強調している。
【0048】
図7の符号7Aに示すように、分離処理の開始前には、チャック22はカード保持部26の鉛直下方の位置である検査位置Y1に位置決めされている。また、カード搬送機構32は、交換位置に位置決めされている。さらに、カード搬送機構32のトレイ42は倒伏状態に切り替えられている。
【0049】
図7の符号7Bに示すように、分離処理が開始されると、チャック移動機構24がチャック22を連結位置Y3まで移動させる。連結位置Y3は、交換位置に隣接する位置であって且つチャック22がカード搬送機構32に連結可能な位置である。そして、チャック22の側面から連結部36がY方向に突出してカード搬送機構32に連結する。これにより、チャック22とカード搬送機構32とが一体にY方向に移動可能になる。
【0050】
図7の符号7Cに示すように、チャック22及びカード搬送機構32の連結後、チャック移動機構24がチャック22を検査位置Y1と連結位置Y3との間のトレイ切替位置Y2まで移動させる。この移動完了後、カード搬送機構32がトレイ42を倒伏状態から起立状態に切り替える。
【0051】
図7の符号7Dに示すように、トレイ42が起立状態に切り替えられた後、チャック移動機構24がチャック22を分離・装着位置Y0まで移動させる。この分離・装着位置Y0は、カード保持部26の鉛直下方位置にトレイ42が位置調整される位置であり、より具体的にはトレイ42のホルダ保持穴44と、カード保持部26に保持されているカードホルダ28とが一致する位置である。この移動完了後、カード搬送機構32がトレイ42を上昇させて、このトレイ42を、カード保持部26により保持されているカードホルダ28に接する位置まで搬送する。これにより、トレイ42のホルダ保持穴44内にカードホルダ28が保持され、このカードホルダ28を介してプローブカード30が保持される。
【0052】
図8の符号8Aに示すように、トレイ42によりプローブカード30及びカードホルダ28が保持されると共に、カード保持部26によるカードホルダ28の保持が解除されると、各ホルダセンサ46のセンサ出力値及び各カードセンサ48の出力値が変化する。これにより、トレイ42によりプローブカード30及びカードホルダ28が保持された状態になる。
【0053】
図8の符号8Bに示すように、カード保持部26によるカードホルダ28の保持が解除されると、カード搬送機構32がトレイ42を下降させる。
【0054】
図8の符号8Cに示すように、トレイ42の下降が完了すると、チャック移動機構24がチャック22を連結位置Y3まで移動させる。これにより、カード搬送機構32のトレイ42が交換位置まで搬送されることで、プローブカード30及びカードホルダ28も交換位置まで搬送される。なお、交換位置の手前には詳しくは後述する扉35が設けられているため、チャック移動機構24は、トレイ42を交換位置に向けて搬送する際に扉35の手前でトレイ42の搬送を一旦停止させ、この扉35が開放された後でトレイ42の搬送を再開する(後述の
図22参照)。トレイ42が交換位置まで搬送されることで、後述のOHT54によるトレイ42からの交換前のプローブカード30の回収(
図25参照)と、OHT54によるトレイ42への新たなプローブカード30の搬入(
図27参照)とが可能になる。
【0055】
図9及び
図10は、プローブカード30の交換時の装着処理を説明するための説明図である。
【0056】
図9の符号9Aに示すように、交換位置にセットされたトレイ42上のカードホルダ28に新たなプローブカード30が保持されると、
図9の符号9Bに示すようにチャック移動機構24がチャック22を分離・装着位置Y0まで移動させる。これにより、カード保持部26の鉛直下方位置に、トレイ42、プローブカード30、及びカードホルダ28が位置調整される。そして、カード搬送機構32がトレイ42を上昇させる。これにより、トレイ42に保持されているカードホルダ28及びプローブカード30も一体に上昇する。
【0057】
図9の符号9Cに示すように、カード搬送機構32によるトレイ42の上昇は、カードホルダ28がカード保持部26(保持位置)に達するまで継続される。これにより、トレイ42、プローブカード30、及びカードホルダ28が交換位置から保持位置まで搬送され、この搬送が完了するとカード保持部26がカードホルダ28を保持する。その結果、カードホルダ28を介してカード保持部26に新たなプローブカード30が装着される。
【0058】
図10の符号XAに示すように、カード保持部26がカードホルダ28を保持すると、カード搬送機構32がトレイ42を下降させる。これにより、トレイ42によるカードホルダ28の保持が解除される。
【0059】
図10の符号XBに示すように、トレイ42の下降が完了すると、チャック移動機構24がチャック22をトレイ切替位置Y2まで移動させる。この移動完了後、カード搬送機構32がトレイ42を起立状態から倒伏状態に切り替える。
【0060】
図10の符号XCに示すように、トレイ42の倒伏状態への切替後、チャック移動機構24がチャック22を連結位置Y3まで移動させる。そして、連結部36がチャック22の内部に収納されることで、チャック22とカード搬送機構32との連結が解除される。その結果、カード搬送機構32が分離処理開始前の交換位置に配置される。
【0061】
図10の符号XDに示すように、チャック22とカード搬送機構32との連結が解除されると、チャック移動機構24がチャック22を検査位置Y1まで移動させる。これにより、装着処理が完了する。
【0062】
図11は、開状態に切り替えられた筐体34の扉35の斜視図である。
図12は、閉じ状態に切り替えられた筐体34の扉35の斜視図である。
図11及び
図12に示すように、筐体34には、交換位置、より具体的には交換位置に移動されたトレイ42等を外部に露出させる開口部34aが形成されている。なお、本実施形態では、交換位置に移動されたトレイ42等の一部が開口部34aから筐体34の外部に突出する。
【0063】
筐体34には、開口部34aを開放する開状態(
図11参照)と開口部34aを覆う閉じ状態(
図12参照)とに切替可能な扉35が回動自在に設けられている。この扉35の開閉は、モータ等の公知のアクチュエータにより構成される扉開閉機構49(
図16参照)により実行される。扉開閉機構49は、分離処理中にトレイ42が交換位置に移動される前に扉35を開状態に切り替える。また、扉開閉機構49は、装着処理中にトレイ42が筐体34内に収納された後で扉35を閉じ状態に切り替える。
【0064】
[レーザスキャナ]
図13は、レーザスキャナ12の説明図である。
図13及び既述の
図1に示すように、レーザスキャナ12は、本発明の人検出センサに相当するものであり、プローバ10の扉35(開口部34a)の近傍に配置されている。このレーザスキャナ12は、例えば、赤外線レーザ光の出射及び走査を行い、被検出物体である人Hに当たって反射された赤外線レーザ光を検出することで、人Hまでの距離を検出する。レーザスキャナ12の設置位置及び赤外線レーザ光の走査範囲を調整することで、交換位置及び扉35の位置を基準として予め設定されたプロテクトエリアPA内及び警告エリアWA内への人Hの侵入の有無を検出することができる。
【0065】
プロテクトエリアPAは、開閉する扉35に人Hが衝突する或いは手を挟まれるおそれがある範囲、すなわち扉35の開閉動作中に人Hが侵入すると危険な範囲を定めたエリアである。
【0066】
警告エリアWAは、プロテクトエリアPAの外側に設定されており、プロテクトエリアPAに侵入するおそれがある人Hに対して警告を発するためのエリアである。なお、警告エリアWAの設定については省略してもよい。
【0067】
レーザスキャナ12から出力される検出信号は、プローバ10に入力され、さらにこのプローバ10及びネットワーク18を介して後述のGEMホスト16に入力される。
【0068】
[ウェハ搬送機構]
図14は、ウェハ搬送機構14のOHT54の概略図である。
図14及び既述の
図1に示すように、ウェハ搬送機構14は、XY方向に2次元配置されている複数のプローバ10と、所定の保管所50(
図1参照)との間で、複数の半導体ウェハWを収納しているカセットCSを搬送する。具体的にはウェハ搬送機構14は、複数のプローバ10ごとに、プローバ10に対する検査前の複数の半導体ウェハWを収納したカセットCSの搬入(搬入ともいう)と、プローバ10からの検査済みの複数の半導体ウェハWを収納したカセットCSの回収(搬出ともいう)と、を行う。
【0069】
ウェハ搬送機構14は、複数の搬送レール52と複数の天井走行式無人搬送車であるOHT54とを備える。各搬送レール52は、X方向に延びており、半導体製造工程(図示は省略)の天井においてY方向に複数に並べて設けられている。すなわち搬送レール52は、X方向に複数配置されたプローバ10の列ごとに設けられている。より具体的には、搬送レール52は、Z方向上方側から見た場合において、プローバ10の列ごとに列内の各プローバ10のロードポート21と交差するように天井に設けられている。
【0070】
各搬送レール52の一端側は保管所50に接続されている。この保管所50には、検査前の複数の半導体ウェハWを収納したカセットCSが複数保管されていると共に、半導体ウェハWの半導体チップの種類に対応した複数種類のプローブカード30が複数保管されている。なお、カセットCSが保管される保管所50と、プローブカード30が保管される保管所50と、が別の場所に設けられていてもよい。
【0071】
OHT54は、搬送レール52ごとに設けられており、搬送レール52に沿って走行する。このため、各OHT54はX方向においては移動自在である。これにより、OHT54が、プローバ10の列ごとに列内の各プローバ10のロードポート21の直上位置(略直上位置を含む)に移動可能である。また、各OHT54は、Z方向(上下方向)に昇降自在で且つY方向に位置調整可能な昇降保持部54aを備える。
【0072】
昇降保持部54aは、ロードポート21へのカセットCSの載置・回収時において、複数の半導体ウェハWを収納したカセットCSを解除可能に保持する。
【0073】
ロードポート21へのカセットCSの載置時には、OHT54が保管所50まで移動した後、昇降保持部54aを下降させて昇降保持部54aによりカセットCSを保持する。次いで、OHT54が、カセットCSを保持した昇降保持部54aを上昇させた後、後述のGEMホスト16に指定されたプローバ10のロードポート21の直上位置まで移動する。そして、OHT54が、昇降保持部54aを下降させてロードポート21上にカセットCSを載置させた後、昇降保持部54aによるカセットCSの保持を解除させる。これにより、保管所50からロードポート21までカセットCS、すなわち検査前の複数の半導体ウェハWを搬送することができる。
【0074】
ロードポート21からのカセットCSの回収時には、OHT54が回収対象のプローバ10のロードポート21の直上位置まで移動した後、昇降保持部54aを下降させて昇降保持部54aによりロードポート21上に載置されているカセットCSを保持する。次いで、OHT54が、カセットCSを保持している昇降保持部54aを上昇させた後、保管所50まで搬送する。そして、OHT54が、昇降保持部54aを保管所50に下降させた後、昇降保持部54aによるカセットCSの保持を解除させる。これにより、ロードポート21から保管所50までカセットCS、すなわち検査済みの複数の半導体ウェハWを搬送することができる。
【0075】
このようなウェハ搬送機構14は、カセットCSの載置・回収だけではなく、プローブカード30の交換にも使用される。具体的にはウェハ搬送機構14は、複数のプローバ10ごとに、分離処理で交換位置に搬送されたトレイ42から交換前のプローブカード30を回収して保管所50まで搬送する回収処理と、装着処理の前に保管所50から交換位置にあるトレイ42まで新たなプローブカード30を搬送する搬入処理と、を行う。この際に、各プローバ10は、ウェハ搬送機構14によるプローブカード30の回収処理と搬入処理とを可能にするため、ロードポート21の中心位置とトレイ42の交換位置とが調整されている。
【0076】
図15は、ウェハ搬送機構14によるプローブカード30の回収処理及び搬入処理を可能にする条件を説明するための説明図である。なお、ここでは1台のプローバ10を例に挙げて説明を行う。
【0077】
既述の通り、OHT54は搬送レール52に沿って移動するため、X方向には移動自在である。一方、OHT54の昇降保持部54aはY方向に位置調整が可能ではあるが、その可動範囲ΔYには制限(例えば十数mm程度)がある。また、各プローバ10を半導体製造工程に設置する際に、XY方向の設置誤差が生じる場合がある。このため、
図15に示すように、ウェハ搬送機構14によるプローブカード30の回収処理及び搬入処理を可能にするためには、上述の列内のプローバ10ごとのロードポート21の中心位置C1と、交換位置にセットされたトレイ42(ホルダ保持穴44)の中心位置C2と、がX方向に沿って略一直線上に配置されている必要がある。
【0078】
そこで本実施形態では、プローバ10ごとの中心位置C1が昇降保持部54aにより保持されているカセットCSのY方向の移動可能範囲ΔY内に収まり、且つプローバ10ごとの中心位置C2が昇降保持部54aにより保持されているプローブカード30のY方向の移動可能範囲ΔY内に収まるように、各プローバ10内の中心位置C1及び中心位置C2の調整を行うと共に、各プローバ10の設置位置の調整を行う。これにより、昇降保持部54aは、Y方向においてその可動範囲内で、カセットCSをロードポート21に載置可能になり、且つ、プローブカード30を交換位置に載置可能になる。なお、各プローバ10の設置位置精度、すなわち中心位置C1の位置精度が高くなるほど、中心位置C1と中心位置C2との差分Aを大きくすることができ、逆に中心位置C1の位置精度が低くなるほど差分Aを小さくする必要がある。
【0079】
このようにプローバ10の列ごとに、列内の各プローバ10の中心位置C1と中心位置C2とをX方向において略同一直線上に配置することにより、OHT54の昇降保持部54aを中心位置C2の直上位置に位置調整することができる。このため、昇降保持部54aを下降させてこの昇降保持部54aによりプローブカード30の被保持部30bを保持することができる。これにより、OHT54によりトレイ42上のカードホルダ28から交換前のプローブカード30を回収したり、或いはトレイ42上のカードホルダ28のカード保持穴38に新たなプローブカード30を載置したりすることができる。その結果、ウェハ搬送機構14によるプローブカード30の回収処理と搬入処理とが可能になる。
【0080】
なお、本実施形態では、カセットCSの交換(回収、載置)に用いられるOHT54の昇降保持部54aによりプローブカード30を保持するため、プローブカード30の被保持部30bは昇降保持部54aで保持可能な形状及び配置に調整されている。例えば、プローブカード30の被保持部30bをカセットCSの被保持部(図示は省略)と共通化してもよい。
【0081】
[プローバ制御部]
図16は、プローバ10のプローバ制御部58、及びGEMホスト16の機能ブロック図である。
図16に示すように、プローバ10には、既述の各部の他にプローバ制御部58が設けられている。
【0082】
プローバ制御部58は、後述のGEMホスト16の制御の下でプローバ10の動作を統括的に制御するものであり、各種のプロセッサ(Processor)及びメモリ等から構成された演算回路を備える。各種のプロセッサには、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及びプログラマブル論理デバイス[例えばSPLD(Simple Programmable Logic Devices)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、及びFPGA(Field Programmable Gate Arrays)]等が含まれる。なお、プローバ制御部58の各種機能は、1つのプロセッサにより実現されてもよいし、同種または異種の複数のプロセッサで実現されてもよい。
【0083】
プローバ制御部58には、テスタ11、チャック移動機構24、カード搬送機構32、ホルダセンサ46、カードセンサ48、及び扉開閉機構49が接続されていると共に、不図示の接続インターフェースを介してレーザスキャナ12が接続されている。また、プローバ制御部58は、不図示の通信インターフェース及びネットワーク18を介して、GEMホスト16に接続されている。
【0084】
プローバ制御部58は、不図示の記憶部から読み出した制御プログラムを実行することで、送受信制御部60、検査制御部62、分離制御部64、装着制御部66、スキャナ制御部68、及び扉開閉制御部70として機能する。
【0085】
送受信制御部60は、プローブカード30の交換時において、ネットワーク18を経由してGEMホスト16との間で各種情報の遣り取りを行う。例えば、送受信制御部60は、分離処理の開始前にはGEMホスト16からプローブカード30の「交換指示」を受信する。また、送受信制御部60は、分離処理の完了後にはGEMホスト16に対して「交換準備完了通知」を送信する。また、送受信制御部60は、OHT54による搬入処理の完了後に、GEMホスト16から「装着処理の開始指示」を受信する。
【0086】
また、送受信制御部60は、装着処理の途中で扉35が閉じ状態に切り替えられた後で、GEMホスト16に対してプローブカード30の情報を読み取ったプローブカード30の「読み取り情報」を送信する(
図31参照)。また、送受信制御部60は、「読み取り情報」の送信に応じてGEMホスト16から送信されたプローブカード30の「認証結果」を受信する。さらに、送受信制御部60は、装着処理の完了後にはGEMホスト16に対してプローブカード30の「交換完了通知」を送信する。
【0087】
さらにまた、送受信制御部60は、プローブカード30の搬入処理中(特に昇降保持部54aの昇降が行われる間)、ホルダセンサ46及びカードセンサ48の双方のセンサ出力値をGEMホスト16に出力する。なお、GEMホスト16への各センサ出力値の出力は常時行われていてもよい。
【0088】
さらにまた、送受信制御部60は、レーザスキャナ12が作動している間、このレーザスキャナ12から出力される検出信号を、ネットワーク18を介して、GEMホスト16に送信する。なお、送受信制御部60は、プローブカード30の交換時以外のタイミングにおいてもGEMホスト16との間で各種情報(例えば半導体ウェハWの検査指示等)の遣り取りを行うが、これらについは公知技術であるので、ここでは具体的な説明は省略する。
【0089】
検査制御部62は、GEMホスト16の制御の下、テスタ11及びチャック移動機構24を制御して、チャック22に保持されている半導体ウェハWとプローブ針30aとの位置合わせ、半導体ウェハWの半導体チップへのプローブ針30aの接触、及びテスタ11によるテストを実行させる。
【0090】
分離制御部64は、GEMホスト16の制御の下、チャック移動機構24、連結部36、カード搬送機構32、及びカード保持部26を制御して、既述の
図7及び
図8に示した分離処理を実行させる。また、分離制御部64は、分離処理の完了後、送受信制御部60からネットワーク18を経由してGEMホスト16へ「交換準備完了通知」を送信させる。
【0091】
装着制御部66は、GEMホスト16の制御の下、チャック移動機構24、連結部36、カード搬送機構32、及びカード保持部26を制御して、既述の
図9及び
図10に示した装着処理を実行させる。また、装着制御部66は、装着処理の途中でプローブカード30の情報を公知の方法で読み取り、この「読取情報」を送受信制御部60からネットワーク18を経由してGEMホスト16へ送信させる。さらに、装着制御部66は、装着処理の完了後、送受信制御部60からネットワーク18を経由してGEMホスト16へ「交換完了通知」を送信させる。
【0092】
スキャナ制御部68は、分離処理の途中での扉開閉機構49による扉35の開状態への切替開始時から、装着処理の途中での扉開閉機構49による扉35の閉じ状態への切替終了時までの間、レーザスキャナ12によるプロテクトエリアPA内及び警告エリアWA内への人Hの侵入の有無を連続的に検出させる。なお、レーザスキャナ12の検出は常時行ってもよい。
【0093】
扉開閉制御部70は、分離処理の途中でトレイ42が扉35の手前まで搬送された場合に、扉開閉機構49を駆動して扉35を閉じ状態から開状態に切り替える。また、扉開閉制御部70は、装着処理の途中でトレイ42が筐体34内に収納された場合に、扉開閉機構49を駆動して扉35を開状態から閉じ状態に切り替える。
【0094】
このような扉開閉機構49による扉35の開閉動作が行われている間、扉開閉制御部70は、レーザスキャナ12から入力される検出信号を取得する。そして、扉開閉制御部70は、レーザスキャナ12の検出結果に基づき、プロテクトエリアPA内に人Hが侵入している場合には、扉開閉機構49の駆動を停止させる。これにより、扉35が人に衝突する前、或いは手(指)を挟まれる前に扉35の開閉動作を停止させることができる。
【0095】
また、扉開閉制御部70は、プロテクトエリアPA内に人Hの侵入している間、扉開閉機構49の駆動停止を継続する。そして、扉開閉制御部70は、レーザスキャナ12の検出結果に基づき、プロテクトエリアPA内への人Hの侵入有から侵入無に切り替わるのに応じて扉開閉機構49の駆動を再開させる。
【0096】
[GEMホスト]
GEMホスト16は、複数のプローバ10及び複数のOHT54の動作を統括的に制御するものであり、各種のプロセッサ及びメモリ等から構成された演算回路を備える。なお、GEMホスト16の各種機能は、1つのプロセッサにより実現されてもよいし、同種または異種の複数のプロセッサで実現されてもよい。また、複数のプローバ10及び複数のOHT54の動作を統括的に制御可能であれば、GEMホスト16以外の制御装置を用いてもよい。
【0097】
GEMホスト16は、不図示の記憶部から読み出した制御プログラムを実行することで、検査開始制御部80、分離処理開始制御部82、回収制御部84、搬入制御部86、装着処理開始制御部88、及び認証制御部90として機能する。
【0098】
検査開始制御部80は、OHT54により保管所50からプローバ10のロードポート21までカセットCSが搬送された後、ネットワーク18を経由してプローバ10に対して半導体ウェハWの検査指示を出力する。この検査指示は、送受信制御部60を介して検査制御部62に入力される。これにより、検査制御部62がテスタ11及びチャック移動機構24を制御して、半導体ウェハWの半導体チップのテストを実行する。
【0099】
分離処理開始制御部82は、プローブカード30の交換を行う所定の交換タイミングで、ネットワーク18を経由して、プローバ10の送受信制御部60に対してプローブカード30の交換指示を出力する。この交換指示は、送受信制御部60を介して分離制御部64及び扉開閉制御部70に入力される。これにより、分離制御部64がチャック移動機構24、連結部36、カード搬送機構32、及びカード保持部26を制御して分離処理を実行し、この分離処理の完了後に送受信制御部60からGEMホスト16へ「交換準備完了通知」を送信させる。また、扉開閉制御部70が分離処理の途中で扉開閉機構49を駆動して扉35を開状態に切り替える。
【0100】
なお、プローブカード30の交換タイミングとしては、検査対象の半導体ウェハWの半導体チップの種類の切替タイミング、プローブカード30が所定回数以上使用された場合、及びGEMホスト16に対してオペレータが手動でプローブカード30の交換指示を入力した場合などが例として挙げられる。
【0101】
回収制御部84及び搬入制御部86は、本発明の搬送制御部を構成するものであり、ウェハ搬送機構14のOHT54を制御して、プローブカード30の交換位置と保管所50との間の搬送を実行させる。
【0102】
回収制御部84は、送受信制御部60からネットワーク18を経由して「交換準備完了通知」が入力されると、OHT54を制御して回収処理を開始させる。具体的には回収制御部84は、交換位置の直上位置までのOHT54の移動処理、交換位置への昇降保持部54aの下降処理、昇降保持部54aによるプローブカード30の保持処理、昇降保持部54aの上昇処理、およびOHT54による保管所50までのプローブカード30の搬送処理を順番に実行させる。
【0103】
搬入制御部86は、回収処理の完了後にOHT54を制御して搬入処理を開始させる。具体的には搬入制御部86は、最初に検査対象の半導体ウェハWに対応したプローブカード30をOHT54により保管所50から交換位置の直上位置まで搬送させる処理を実行する。
【0104】
次いで、搬入制御部86は、送受信制御部60からネットワーク18を経由して入力されたカードセンサ48のセンサ出力値に基づき、交換位置(トレイ42)への昇降保持部54aの下降処理、昇降保持部54aによるプローブカード30の保持解除処理を行う。この場合には搬入制御部86は、カードセンサ48のセンサ出力値が変化するまで、すなわちプローブカード30によりカードセンサ48が押圧されるまで下降処理を継続し、センサ出力値の変化に応じて保持解除処理を行う。次いで、搬入制御部86は、昇降保持部54aの上昇処理を実行させる。
【0105】
なお、回収制御部84及び搬入制御部86は、送受信制御部60からネットワーク18を経由して入力されるレーザスキャナ12の検出信号に基づき、プロテクトエリアPA内への人Hの侵入有の状態が発生した場合には、OHT54の駆動、特に昇降保持部54aの昇降を停止させる。そして、回収制御部84及び搬入制御部86は、プロテクトエリアPA内への人Hの侵入有の状態が続いている間はOHT54の駆動を停止させ、プロテクトエリアPA内への人Hの侵入有の状態から侵入無の状態に切り替わるのに応じてOHT54の駆動を再開させる。
【0106】
装着処理開始制御部88は、搬入処理の完了後にプローバ10に対してプローブカード30の装着処理の開始指示を出力する。この開始指示は、送受信制御部60を介して装着制御部66及び扉開閉制御部70に入力される。これにより、装着制御部66がチャック移動機構24、連結部36、カード搬送機構32、及びカード保持部26を制御して装着処理を実行すると共に、送受信制御部60からGEMホスト16へ「読取情報」及び「交換完了通知」を送信させる。また、扉開閉制御部70が装着処理の途中で扉開閉機構49を駆動して扉35を閉じ状態に切り替える。
【0107】
認証制御部90は、装着処理中に送受信制御部60からネットワーク18を経由してプローブカード30の「読取情報」が入力された場合に、公知の手法でプローブカード30の認証を行い、その認証結果を、ネットワーク18を経由して送受信制御部60へ送信する。この認証結果は、送受信制御部60を介して装着制御部66に入力される。これにより、装着制御部66は、認証結果が適正である場合には装着処理を継続し、不適正である場合には装着処理を停止する。
【0108】
[ウェハテストシステムの作用]
図17は、上記構成のウェハテストシステム2で行われるプローバ10のプローブカード30の交換処理の流れを示すフローチャートである(本発明のプローブカード交換方法に相当)。
図17に示すように、プローバ10のプローブカード30の交換を行う場合、GEMホスト16の制御の下、プローバ10ごとに、分離処理(ステップS1、分離ステップに相当)、回収処理(ステップS2、回収ステップに相当)、搬入処理(ステップS3、搬入ステップに相当)、及び装着処理(ステップS4、装着ステップに相当)が順番に実行される。
【0109】
<分離処理>
図18から
図23は、
図17に示したステップS1の分離処理を説明するための説明図である。
図18に示すように、分離処理開始制御部82は、プローブカード30の所定の交換タイミングで、ネットワーク18を経由してプローバ10に対してプローブカード30の交換指示T1を出力する。この交換指示T1は、プローバ10の送受信制御部60を介して分離制御部64及び扉開閉制御部70に入力される。
【0110】
図19に示すように、交換指示T1を受け付けた分離制御部64が、チャック移動機構24、連結部36、カード搬送機構32、及びカード保持部26を制御して分離処理を開始する。これにより、既述の
図7及び
図8に示したように、保持位置にあるプローブカード30及びカードホルダ28がトレイ42に保持された後、チャック移動機構24によりトレイ42が扉35の手前まで搬送される。
【0111】
一方、
図20に示すように、交換指示T1を受け付けた扉開閉制御部70は、チャック移動機構24によりトレイ42が扉35の手前まで搬送されると、扉開閉機構49を駆動して扉35の閉じ状態から開状態への切り替えを開始する。また、この切替開始に応じて、スキャナ制御部68が、レーザスキャナ12による検出、すなわちプロテクトエリアPA内への人Hの侵入の有無の検出を開始させる。このレーザスキャナ12の検出結果は、扉開閉制御部70に連続的に入力されると共に、送受信制御部60からネットワーク18を経由してGEMホスト16に連続的に入力される。
【0112】
図21に示すように、扉開閉制御部70は、レーザスキャナ12の検出結果に基づき、プロテクトエリアPA内に人Hが侵入している間は扉開閉機構49の駆動を停止させる。これにより、扉35が人Hに衝突することが防止される。そして、
図22に示すように、扉開閉制御部70は、レーザスキャナ12の検出結果に基づき、プロテクトエリアPA内への人Hの侵入有から侵入無に切り替わった場合には扉開閉機構49の駆動を再開させる。これにより、オペレータが再開操作を行う手間を減らすことができる。
【0113】
図23に示すように、扉35が開状態に切り替えられると、チャック移動機構24によるトレイ42の搬送が再開され、チャック移動機構24がトレイ42を交換位置に搬送する。これにより、トレイ42上のカードホルダ28に保持されているプローブカード30も交換位置に搬送される。この搬送完了後に、分離制御部64は、送受信制御部60からネットワーク18を経由してGEMホスト16に対して交換準備完了通知T2を送信する。以上でステップS1の分離処理が完了する。なお、この分離処理の完了後に送受信制御部60がカードセンサ48等のセンサ出力値を、ネットワーク18を経由してGEMホスト16へ連続的に出力する。
【0114】
<回収処理>
図24から
図25は、
図17のステップS2の回収処理を説明するための説明図である。
図24に示すように、GEMホスト16の回収制御部84は、ネットワーク18を経由して交換準備完了通知T2が入力されると、ウェハ搬送機構14のOHT54を制御して、OHT54をプローバ10の交換位置の直上位置まで移動させる処理、交換位置への昇降保持部54aの下降処理、昇降保持部54aによりプローブカード30の被保持部30bを保持する保持処理を順番に実行する。次いで、
図25に示すように回収制御部84は、OHT54を制御して、プローブカード30を保持した昇降保持部54aを上昇させる処理、OHT54によりプローブカード30を保管所50まで搬送させる処理を順番に実行する。
【0115】
なお、回収制御部84は、上述の各処理の実行中に送受信制御部60からネットワーク18を経由して入力されるレーザスキャナ12の検出結果に基づき、プロテクトエリアPA内に人Hが侵入した場合には、OHT54の駆動、特に昇降保持部54aの昇降を停止させる。これにより、人Hへの昇降保持部54aの衝突が防止される。そして、回収制御部84は、レーザスキャナ12の検出結果に基づき、プロテクトエリアPA内への人Hの侵入有から侵入無に切り替わった場合にはOHT54の駆動を再開させる。これにより、オペレータが再開操作を行う手間を減らすことができる。以上でステップS2の回収処理が完了する。
【0116】
<搬入処理>
図26から
図28は、
図17に示したステップS3の搬入処理を説明するための説明図である。
図26に示すように、GEMホスト16の搬入制御部86は、回収処理が完了すると、OHT54を制御して、OHT54を保管所50に移動させ、さらに昇降保持部54aにより検査対象の半導体ウェハWに対応した新たなプローブカード30を保持させた後、OHT54を交換位置の直上位置まで移動させる。
【0117】
次いで、
図27に示すように、搬入制御部86は、プローブカード30を保持している昇降保持部54aを下降させる。この際に搬入制御部86は、ネットワーク18を経由して入力された各カードセンサ48のセンサ出力値に基づき、このセンサ出力値が変化するまで、すなわちプローブカード30により各カードセンサ48が押圧されるまで昇降保持部54aの下降処理を継続する。ここで既述の通り、トレイ42上のカードホルダ28には、そのカード保持穴38の周囲に複数の位置決め部40(
図3及び
図4参照)が設けられている。このため、昇降保持部54aのXY位置に位置ズレ(例えば±2mm程度)が発生していたとしても、各位置決め部40のガイド面40aによりプローブカード30がカード保持穴38内に案内され、プローブカード30がカードホルダ28に保持される。
【0118】
プローブカード30がカードホルダ28により保持されると、既述の通り、各カードセンサ48のセンサ出力値が変化することで、カードホルダ28(トレイ42)上のプローブカード30の保持無から保持有に切り替わったことを搬入制御部86が判別する。そして、搬入制御部86は、昇降保持部54aの下降処理を停止させると共に、昇降保持部54aによるプローブカード30(被保持部30b)の保持を解除させる。これにより、新たなプローブカード30が保管所50から交換位置まで搬送される。次いで、
図28に示すように、搬入制御部86が昇降保持部54aを上昇させる。
【0119】
なお、搬入制御部86は、搬入処理中に送受信制御部60からネットワーク18を経由して入力されるレーザスキャナ12の検出結果に基づき、プロテクトエリアPA内に人Hが侵入している間、既述の回収処理時と同様にOHT54の駆動を停止させ、プロテクトエリアPAから人Hが退去するのに応じてOHT54の駆動を再開させる。これにより、人Hへの昇降保持部54aの衝突が防止される。以上でステップS3の搬入処理が完了する。
【0120】
<装着処理>
図29から
図34は、
図17に示したステップS4の装着処理を説明するための説明図である。
図29に示すように、装着処理開始制御部88は、搬入処理が完了すると、ネットワーク18を経由してプローバ10に対してプローブカード30の装着指示T3を出力する。この装着指示T3は、プローバ10の送受信制御部60を介して装着制御部66及び扉開閉制御部70に入力される。
【0121】
そして、装着指示T3を受け付けた装着制御部66が、チャック移動機構24、連結部36、カード搬送機構32、及びカード保持部26を制御して装着処理を開始する。これにより、既述の
図9に示したように、チャック移動機構24及びカード搬送機構32によりトレイ42が保持位置に向けて搬送される。
【0122】
一方、
図30に示すように、装着指示T3を受け付けた扉開閉制御部70は、保持位置に向けて搬送されるトレイ42が筐体34内に収納されると、扉開閉機構49を駆動して扉35を開状態から閉じ状態に切り替える。この際にも扉開閉制御部70は、レーザスキャナ12の検出結果に基づき、プロテクトエリアPA内に人Hが侵入している間は扉開閉機構49の駆動を停止させる。これにより、扉35が人Hに衝突したり、或いはその手又は指を挟んだりすることが防止される。
【0123】
図31に示すように、扉35の閉じ状態への切替後(切替前でも可)、装着制御部66は、トレイ42上のカードホルダ28に保持されているプローブカード30の情報を読み取り、この読取情報T4を、送受信制御部60からネットワーク18を経由してGEMホスト16の認証制御部90へ送信させる。そして、認証制御部90が、ネットワーク18を経由して入力された読取情報T4に基づきプローブカード30の認証を行い、その認証結果T5をネットワーク18及び送受信制御部60を経由して装着制御部66へ送信する。この認証結果T5を受け付けた装着制御部66は、認証結果T5が適正である場合には装着処理を継続し、不適正である場合には装着処理を停止する。
【0124】
また、プローブカード30の認証が完了すると、スキャナ制御部68がレーザスキャナ12による検出を終了させる。
【0125】
図32に示すように、装着処理が継続すると、既述の
図9に示したようにチャック移動機構24及びカード搬送機構32によりトレイ42が保持位置まで搬送された後、カード保持部26によりカードホルダ28が保持される。これにより、プローブカード30の保持位置への搬送が完了し、カード保持部26に新たなプローブカード30が装着される。
【0126】
図33に示すように、カード保持部26への新たなプローブカード30の装着が完了すると、既述の
図10に示したように、カード搬送機構32によるトレイ42の下降、チャック移動機構24によるチャック22の移動、カード搬送機構32によるトレイ42の倒伏状態への切り替え、及びチャック22とカード搬送機構32との連結解除などを経て、チャック移動機構24によりチャック22が検査位置Y1まで移動される。
【0127】
図34に示すように、検査位置Y1へのチャック22の移動が完了すると、装着制御部66は、送受信制御部60からネットワーク18を経由してGEMホスト16へ交換完了通知を送信させる。以上でステップS4の装着処理が完了する。
【0128】
以上のように本実施形態では、半導体製造工程においてプローバ10のカセットCS(半導体ウェハW)の載置及び回収を行うウェハ搬送機構14のOHT54を用いて、プローバ10のプローブカード30の搬入及び回収を行うことで、プローブカード30の回収及び搬入を行う設備を半導体製造工程に新設する必要がなくなる。その結果、半導体製造工程内での設置スペースの増加を抑えつつ低コストでプローブカード30の交換を自動化できる。
【0129】
[その他]
上記実施形態では、カード保持部26にカードホルダ28及びプローブカード30が保持されている状態で分離処理が開始された場合を例に挙げて説明したが、カード保持部26にカードホルダ28及びプローブカード30が保持されていない状態で分離処理が開始される場合もある。この場合の分離処理(ステップS1)では、既述の
図7の符号7Cに示した状態から
図8の符号8Cに示した状態に移行する。そして、回収処理(ステップS2)が省略され、搬入処理(ステップS3)及び装着処理(ステップS4)が順番に実行される。
【0130】
上記実施形態ではウェハテストシステム2に複数のプローバ10が設けられているが、プローバ10の数は1台であってもよい。
【0131】
上記実施形態では、プロテクトエリアPA内に人Hが侵入した場合に、扉35の開閉、及びOHT54の駆動を停止させているが、例えば、レーザスキャナ12の検出結果に基づき警告エリアWA内への人Hの侵入が発生した時点で人Hに対する警告(警告音、警告表示等)を実施してもよい。
【0132】
上記実施形態ではレーザスキャナ12を用いてプロテクトエリアPA及び警告エリアWAへの人Hの侵入の有無を検出しているが、例えば監視カメラにより撮影された撮影画像の画像解析によりプロテクトエリアPA等への人Hの侵入の有無を検出してもよく、公知の各種人検出センサを用いてもよい。
【0133】
上記実施形態では、ウェハ搬送機構14としてOHT54を例に挙げて説明したが、カセットCS(半導体ウェハWのみでも可)の搬送が可能な無人搬送車(Automated Guided Vehicle:AGV)、天井走行式シャトル(Over Head Shuttle:OHS)等の公知の各種ウェハ搬送機構を用いてよい。
【0134】
上記実施形態では、カセットCS(半導体ウェハW)の載置及び回収を行うウェハ搬送機構14を用いてプローブカード30を保管所50と交換位置との間で搬送しているが、ウェハ搬送機構14とは別途に設置された搬送機構を用いて保管所50と交換位置との間でプローブカード30の搬送を行ってもよい。
【符号の説明】
【0135】
2 ウェハテストシステム
10 プローバ
11 テスタ
12 レーザスキャナ
14 ウェハ搬送機構
16 GEMホスト
18 ネットワーク
20 ベース
21 ロードポート
22 チャック
24 チャック移動機構
26 カード保持部
28 カードホルダ
30 プローブカード
30a プローブ針
30b 被保持部
32 カード搬送機構
34 筐体
34a 開口部
35 扉
36 連結部
38 カード保持穴
40 位置決め部
40a ガイド面
42 トレイ
44 ホルダ保持穴
46 ホルダセンサ
48 カードセンサ
49 扉開閉機構
50 保管所
52 搬送レール
54a 昇降保持部
58 プローバ制御部
60 送受信制御部
62 検査制御部
64 分離制御部
66 装着制御部
68 スキャナ制御部
70 扉開閉制御部
80 検査開始制御部
82 分離処理開始制御部
84 回収制御部
86 搬入制御部
88 装着処理開始制御部
90 認証制御部
A 差分
C1 中心位置
C2 中心位置
CS カセット
H 人
PA プロテクトエリア
T1 交換指示
T2 交換準備完了通知
T3 装着指示
T4 読取情報
T5 認証結果
W 半導体ウェハ
WA 警告エリア
Y0 装着位置
Y1 検査位置
Y2 トレイ切替位置
Y3 連結位置
ΔY 可動範囲