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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156268
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】コネクタ及びコネクタ接続構造
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/04 20060101AFI20241029BHJP
【FI】
H01R13/04 C
H01R13/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070591
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】和田 卓十
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 猛
(72)【発明者】
【氏名】谷川 智明
(72)【発明者】
【氏名】加門 創太
(57)【要約】
【課題】接続端子同士の接続において相対的な向きや姿勢を規制し、安定した接続状態が得られるコネクタ及びコネクタ接続構造を提供する。
【解決手段】ハーネス側コネクタ20と奥行き方向Dに嵌合して、それぞれに設けた端子同士を接続する機器側コネクタ10であって、機器筐体60に固定されるオス型ハウジング14と、オス型ハウジング14の内部に一部が配置される機器側端子11とが備えられ、機器側端子11は、ハーネス側コネクタ20のハーネス側端子21における挿入空間Sに対して奥行き方向Dに挿入されて接続する板状の板状接続部111が備えられ、機器側端子11を保持する端子保持部146に、板状接続部111の周縁沿う延設体147が備えられ、延設体147の柱部148は、板状接続部111の厚みより厚く、且つ側壁213の内面同士の間隔以下の厚みで形成された。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手方コネクタと所定の嵌合方向に嵌合して、それぞれに設けた端子同士を接続するコネクタであって、
筐体に固定されるコネクタハウジングと、
該コネクタハウジングの内部に少なくとも一部が配置される接続端子とが備えられ、
前記接続端子は、
前記相手方コネクタの接続端子において前記嵌合方向に対して交差する方向に対向する一対の側壁同士の間の挿入空間に前記嵌合方向から挿入されて接続する板状の板状接続部が備えられ、
前記コネクタハウジングに、
前記接続端子を保持する端子保持部と、前記板状接続部の周縁の少なくとも一部に沿う沿設体とが備えられ、
前記沿設体の少なくとも一部は、前記板状接続部の厚みより厚く、且つ前記側壁の内面同士の間隔以下の厚みで形成された
コネクタ。
【請求項2】
前記沿設体は、
前記嵌合方向に突出する前記板状接続部の周縁に沿う枠状であり、
枠状の前記沿設体のうち前記嵌合方向に沿う嵌合方向部分が、前記板状接続部の厚みより厚く、且つ前記側壁の内面同士の間隔以下の厚みで形成された
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記嵌合方向部分は、
一対の前記側壁のうち少なくとも一方の内面に沿って設けられるバネ板材同士の間隔あるいは前記側壁の内面と前記バネ板材の内面との間隔以下の厚みで形成された
請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
枠状の前記沿設体のうち、前記板状接続部の前記突出部分の先端に沿うとともに、前記嵌合方向部分同士を連結する先端連結部分は、前記板状接続部の厚みと同程度の厚みで形成された
請求項2又は請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記先端連結部分における長手方向の中央付近に前記嵌合方向に向かって突出する先端突出部が設けられた
請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記接続端子は金属製板材で構成され、
前記沿設体は樹脂製である
請求項5に記載のコネクタ。
【請求項7】
第一コネクタと第二コネクタとを嵌合させて、それぞれに設けた端子同士を接続するコネクタ接続構造であって、
前記第一コネクタは、
先端に第一接続端子が装着された電線と、前記第一接続端子が内部に配置されるハウジングとが備えられ、
前記第一接続端子は、
嵌合方向に対して交差する方向に対向する一対の側壁を有する端子接続部が備えられ、
前記第二コネクタは、筐体に固定されるコネクタハウジングと、該コネクタハウジングの内部に少なくとも一部が配置される第二接続端子とが備えられ、
前記第二接続端子は、
前記第一接続端子における一対の前記側壁同士の間の挿入空間に前記嵌合方向から挿入されて接続する板状接続部が備えられ、
前記コネクタハウジングに、前記第二接続端子を保持する端子保持部と、前記板状接続部の周縁の少なくとも一部に沿う沿設体とが備えられ、
前記沿設体の少なくとも一部は、前記板状接続部の厚みより厚く、且つ前記側壁の内面同士の間隔以下の厚みで形成された
コネクタ接続構造。
【請求項8】
一対の前記側壁の内面の少なくとも一方に、挿入された前記板状接続部に対して付勢状態で当接するアーム部を有するバネ板材が設けられ、
前記板状接続部の厚みより厚く形成された前記沿設体の少なくとも一部は、前記バネ板材同士の間隔あるいは前記側壁の内面と前記バネ板材の内面との間隔以下の厚みで形成された
請求項7に記載のコネクタ接続構造。
【請求項9】
一対の前記側壁同士の間隔を保持する間隔保持部が設けられた
請求項7又は請求項8に記載のコネクタ接続構造。
【請求項10】
一対の前記側壁の基端部分を連結する連結基端部が設けられるとともに、
前記間隔保持部は、一対の前記側壁の先端同士を跨いで連結する構成である
請求項9に記載のコネクタ接続構造。
【請求項11】
一対の前記側壁の先端同士を跨いで連結する前記間隔保持部は、一対の前記側壁の先端において、前記側壁同士が対向する対向方向及び前記嵌合方向に交差する方向に所定間隔を隔てて2つ配置された
請求項10に記載のコネクタ接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、モータなどの電装機器やバッテリーなどの電源機器等の電気機器を内部に配置する筐体に取り付けられ、電装機器につながる電気回路に設けられたコネクタと接続されるコネクタ及びコネクタ接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等に装備された電装機器は、被覆電線を束ねたワイヤーハーネスを介して、別の電装機器や電源装置などの電気機器と接続している。この際、ワイヤーハーネスと電気機器とは、それぞれに装着したコネクタ同士で接続される。
例えば、特許文献1に示すようなハーネス側のコネクタ(以下においてハーネス側コネクタという)を、モータなどの機器の筐体に備えた機器側のコネクタ(以下において機器側コネクタという)に接続する。
【0003】
具体的には、ハーネス側コネクタを、モータなどの機器に備えた機器側コネクタに嵌合させることで、ハーネス側コネクタに設けた接続端子(以下においてハーネス側端子という)と、機器側コネクタに設けた接続端子(以下において機器側端子という)とを接続し、ハーネス側コネクタと機器側コネクタとを導通可能に接続するものである。
【0004】
詳しくは、ハーネス側コネクタと機器側コネクタとを嵌合すると、機器側コネクタ内部において突出する機器側端子の板状の端子接続部が、ハーネス側コネクタ内部に配置されたハーネス側端子における端子接続部と嵌合し、導通可能に接続される。
【0005】
なお、ハーネス側コネクタに配置されたハーネス側端子の端子接続部は、ハーネス側コネクタと機器側コネクタとの嵌合方向に対して交差する方向に対向する一対の側壁を有し、側壁同士の間の挿入空間に機器側端子の板状の端子接続部が挿入される。
【0006】
そして、ハーネス側端子において一対の側壁の内面には、挿入された機器側端子の板状の端子接続部に対して付勢しながら当接する複数のアーム部を有するバネ板材が設けられている。
そのため、ハーネス側端子の挿入空間に挿入された機器側端子の板状の端子接続部は、付勢しながら当接する複数のアーム部を有するバネ板材を介してハーネス側端子と電気的に接続されることとなる。
【0007】
したがって、ハーネス側端子の挿入空間に挿入する機器側端子の端子接続部を挿入する際に、ハーネス側端子の挿入空間に対する機器側端子の端子接続部が向きや姿勢が捩じれた状態となると、複数のアーム部の当接状態が安定しないおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2023-018355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、接続端子同士の接続において相対的な向きや姿勢を規制し、安定した接続状態が得られるコネクタ及びコネクタ接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、相手方コネクタと所定の嵌合方向に嵌合して、それぞれに設けた端子同士を接続するコネクタであって、筐体に固定されるコネクタハウジングと、該コネクタハウジングの内部に少なくとも一部が配置される接続端子とが備えられ、前記接続端子は、前記相手方コネクタの接続端子において前記嵌合方向に対して交差する方向に対向する一対の側壁同士の間の挿入空間に前記嵌合方向から挿入されて接続する板状の板状接続部が備えられ、前記コネクタハウジングに、前記接続端子を保持する端子保持部と、前記板状接続部の周縁の少なくとも一部に沿う沿設体とが備えられ、前記沿設体の少なくとも一部は、前記板状接続部の厚みより厚く、且つ前記側壁の内面同士の間隔以下の厚みで形成されたコネクタであることを特徴とする。
【0011】
前記板状接続部の周縁の少なくとも一部に沿う沿設体は、前記板状接続部の周縁の少なくとも一部に接する態様、あるいはわずかな隙間を設けた態様が含まれるものとする。
上述の前記挿入空間に対する前記板状接続部の向きは、板状に形成された前記板状接続部において、前記嵌合方向に沿う軸を中心とした回転方向の相対的な向きを示し、前記板状接続部の姿勢は、板状に形成された前記板状接続部において、前記嵌合方向及び対向方向に直交する直交方向に沿う軸を中心とした回転方向の相対的な姿勢を示す。
【0012】
上述の前記沿設体による前記挿入空間に対する前記板状接続部の向きや姿勢の規制は、前記挿入空間に挿入する際、及び挿入された状態の少なくとも一方の前記板状接続部の向きや姿勢を規制することをいう。
【0013】
沿設体の少なくとも一部の厚みが前記側壁の内面同士の間隔以下の厚みとは、沿設体の全部あるいは一部の厚みが、前記側壁の内面同士の間隔と公差の範囲で同じ、あるいはひと回り薄い厚みをいう。なお、厚みとは側壁同士が対向する対向方向の長さである。また、前記側壁の内面同士の間隔は、前記側壁の内面同士の間隔以外にも、側壁内面に設けたバネ板材などの構成部品同士の間隔、構成部品と側壁内面との間隔も含まれるものとする。
【0014】
この発明により、接続端子同士の接続において相対的な向きや姿勢を規制し、接続状態を安定させることができる。
詳述すると、前記接続端子の少なくとも一部を内部に配置するとともに、筐体に固定されるコネクタハウジングに、前記相手方コネクタの接続端子において前記嵌合方向に対して交差する方向に対向する一対の側壁同士の間の前記挿入空間に前記嵌合方向から挿入されて接続する板状の板状接続部を有する前記接続端子を保持する端子保持部が設けられている。また、前記端子保持部に保持された前記接続端子の前記板状接続部の周縁の少なくとも一部に沿って配置され、少なくとも一部が前記板状接続部の厚みより厚く、且つ前記側壁の内面同士の間隔以下の厚みで形成された沿設体が備えられている。
【0015】
なお、前記相手方コネクタの前記接続端子において前記板状接続部を挿入する前記挿入空間を形成する側壁同士の間隔は、前記板状接続部の厚みより広く形成されている。これに対し、少なくとも一部が前記板状接続部の厚みより厚い前記沿設体が前記板状接続部とともに前記挿入空間に挿入されるため、前記挿入空間に対して前記板状接続部の向きや姿勢を規制することができる。したがって、接続端子同士の接続において相対的な向きや姿勢を規制し、接続状態を安定させることができる。
【0016】
この発明の態様として、前記沿設体は、前記嵌合方向に突出する前記板状接続部の周縁に沿う枠状であり、枠状の前記沿設体のうち前記嵌合方向に沿う嵌合方向部分が、前記板状接続部の厚みより厚く、且つ前記側壁の内面同士の間隔以下の厚みで形成されてもよい。
【0017】
この発明により、前記沿設体が嵌合方向に突出する前記板状接続部の周縁に沿う枠状であるため、前記板状接続部を前記挿入空間に挿入する際に、前記板状接続部とともに前記沿設体を前記挿入空間に挿入することができる。
【0018】
また、枠状に形成された前記沿設体における嵌合方向部分が、前記板状接続部の厚みより厚く、且つ前記側壁の内面同士の間隔以下の厚みで形成されているため、前記板状接続部の向きや姿勢を規制しながら前記挿入空間へ挿入することができる。
【0019】
またこの発明の態様として、前記嵌合方向部分は、一対の前記側壁のうち少なくとも一方の内面に沿って設けられるバネ板材同士の間隔あるいは前記側壁の内面と前記バネ板材の内面との間隔以下の厚みで形成されてもよい。
この発明により、バネ板材に対する前記板状接続部の姿勢や向きを規制することができる。
【0020】
上述のバネ板材同士の間隔あるいは前記側壁の内面と前記バネ板材の内面との間隔とは、前記板状接続部に対して付勢状態で当接して電気的に導通するアーム部を有する前記バネ板材において、前記側壁に対して固定する平面状などの固定部分同士の間隔、あるいは、前記バネ板材の平面状の固定部分と前記側壁の内面との間隔を指す。
【0021】
またこの発明の態様として、枠状の前記沿設体のうち、前記板状接続部の前記突出部分の先端に沿うとともに、前記嵌合方向部分同士を連結する先端連結部分は、前記板状接続部の厚みと同程度の厚みで形成されてもよい。
【0022】
この発明により、前記先端連結部分が前記板状接続部と相手方の前記接続端子との接続に支障することなく、枠状の前記沿設体の剛性を確保することができる。したがって、枠状の前記沿設体を前記板状接続部における突出部分の周縁に確実に沿わせて、前記挿入空間に対する前記沿設体の姿勢や向きを規制することができる。
【0023】
またこの発明の態様として、前記先端連結部分における長手方向の中央付近に前記嵌合方向に向かって突出する先端突出部が設けられてもよい。
この発明により、前記先端連結部分が前記板状接続部と相手方の前記接続端子との接続に支障することなく、前記先端連結部分の剛性を向上することができる。これにより、枠状の前記沿設体の剛性を向上でき、枠状の前記沿設体を前記板状接続部における突出部分の周縁により確実に沿わせ、前記挿入空間に対する前記沿設体の姿勢や向きを規制することができる。
【0024】
またこの発明の態様として、前記接続端子は金属製板材で構成され、前記沿設体は樹脂製であってもよい。
この発明により、金属製板材で構成された前記接続端子の前記板状接続部の周縁の少なくとも一部に沿う沿設体を容易に加工して構成することができる。また、樹脂製であっても、枠状の前記沿設体において、先端連結部分に先端突出部が設けられることで、枠状の前記沿設体の剛性を向上し、枠状の前記沿設体を前記板状接続部における突出部分の周縁により確実に沿わせることができる。
【0025】
またこの発明は、第一コネクタと第二コネクタとを嵌合させて、それぞれに設けた端子同士を接続するコネクタ接続構造であって、前記第一コネクタは、先端に第一接続端子が装着された電線と、前記第一接続端子が内部に配置されるハウジングとが備えられ、前記第一接続端子は、前記嵌合方向に対して交差する方向に対向する一対の側壁を有する端子接続部が備えられ、前記第二コネクタは、筐体に固定されるコネクタハウジングと、該コネクタハウジングの内部に少なくとも一部が配置される第二接続端子とが備えられ、前記第二接続端子は、前記側壁同士の間の挿入空間に前記嵌合方向から挿入されて接続する板状接続部が備えられ、前記コネクタハウジングに、前記第二接続端子を保持する端子保持部と、前記板状接続部の周縁の少なくとも一部に沿う沿設体とが備えられ、前記沿設体の少なくとも一部は、前記板状接続部の厚みより厚く、且つ前記側壁の内面同士の間隔以下の厚みで形成されたことを特徴とする。
【0026】
この発明により、第一接続端子と第二接続端子との接続において相対的な向きや姿勢を規制し、接続状態を安定させることができる。
詳述すると、前記接続端子の少なくとも一部を内部に配置するとともに、筐体に固定されるコネクタハウジングに、前記第一コネクタの第一接続端子において前記嵌合方向に対して交差する方向に対向する一対の側壁同士の間の挿入空間に前記嵌合方向から挿入されて接続する板状の板状接続部を有する前記第二接続端子を保持する端子保持部と、前記板状接続部の周縁の少なくとも一部に沿って配置され、少なくとも一部が前記板状接続部の厚みより厚く、且つ前記側壁の内面同士の間隔以下の厚みで形成された沿設体とが備えられている。
【0027】
なお、前記第一コネクタの前記第一接続端子において前記板状接続部を挿入する挿入空間を形成する側壁同士の間隔は、前記板状接続部の厚みより広く形成されている。これに対し、前記板状接続部の厚みより厚い前記沿設体が前記板状接続部とともに挿入空間に挿入されるため、挿入空間に対して前記板状接続部の向きや姿勢を規制することができる。したがって、第一接続端子と第二接続端子との接続において相対的な向きや姿勢を規制し、接続状態を安定させることができる。
【0028】
この発明の態様として、一対の前記側壁の内面の少なくとも一方に、挿入された前記板状接続部に対して付勢状態で当接するアーム部を有するバネ板材が設けられ、前記板状接続部の厚みより厚く形成された前記沿設体の少なくとも一部は、前記バネ板材同士の間隔あるいは前記側壁の内面と前記バネ板材の内面との間隔以下の厚みで形成されてもよい。
この発明により、バネ板材に対する前記板状接続部の姿勢や向きを規制することができる。
【0029】
またこの発明の態様として、一対の前記側壁同士の間隔を保持する間隔保持部が設けられてもよい。
この発明により、前記側壁同士の間隔が間隔保持部によって保持されるため、側壁同士の間隔が狭くなって挿入空間に前記板状接続部が挿入できなくなったり、前記板状接続部とともに前記挿入空間に挿入する前記沿設体によって側壁同士の間隔が開いたりすることなく、側壁同士の間の前記挿入空間に前記板状接続部を挿入し、第一接続端子と第二接続端子とを確実に接続することができる。
【0030】
またこの発明の態様として、一対の前記側壁の基端部分を連結する連結基端部が設けられるとともに、前記間隔保持部は、一対の前記側壁の先端同士を跨いで連結する構成であってもよい。
この発明により、一対の前記側壁の先端同士を跨いで連結する前記間隔保持部は、側壁の基端側で一対の前記側壁同士を跨いで連結する構成に比べて小さな剛性であっても、一対の前記側壁の基端部分を連結する連結基端部と協働して確実に前記側壁同士の間隔を保持することができる。
【0031】
またこの発明の態様として、一対の前記側壁の先端同士を跨いで連結する前記間隔保持部は、一対の前記側壁の先端において、前記側壁同士が対向する対向方向及び前記嵌合方向に交差する方向に所定間隔を隔てて2つ配置されてもよい。
この発明により、一対の前記側壁の先端同士を跨いで連結する前記間隔保持部は、一対の前記側壁の基端部分を連結する連結基端部と協働してより確実に前記側壁同士の間隔を保持することができる。
【0032】
また、前記挿入空間への前記板状接続部の挿入する際に、前記嵌合方向及び対向方向に直交する直交方向における前記挿入空間に対する前記板状接続部の位置や、前記側壁が対向する対向方向に沿う軸を中心とした前記板状接続部の回転方向の傾きを規制することができる。
【発明の効果】
【0033】
この発明によれば、接続端子同士の接続において相対的な向きや姿勢を規制し、安定した接続状態が得られるコネクタ及びコネクタ接続構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】コネクタ接続構造の説明図。
図2】分離状態のコネクタ接続構造の斜視図。
図3】分離状態のコネクタ接続構造の斜視図。
図4】ハーネス側コネクタの分解斜視図。
図5】ハーネス側コネクタの分解斜視図。
図6】端子付きハーネスの斜視図による説明図。
図7】端子付きハーネスの説明図。
図8】端子付きハーネスの斜視図による組付に関する説明図。
図9】端子付きハーネスの説明図。
図10】機器側コネクタの分解斜視図。
図11】機器側コネクタの分解斜視図。
図12】機器側コネクタの斜視図による組付に関する説明図。
図13】機器側コネクタの説明図。
図14】コネクタ接続構造の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
この発明の一実施形態を以下図面とともに詳述する。
図1はコネクタ接続構造1の説明図を示し、図2及び図3は分離状態のコネクタ接続構造1の斜視図を示している。図4及び図5はハーネス側コネクタ20の分解斜視図を示している。
【0036】
詳述すると、図1(a)は正面、左側面及び底面から視たコネクタ接続構造1の斜視図であり、図1(b)は背面、右側面及び底面から視たコネクタ接続構造1の斜視図である。図2は正面、左側面及び底面から視たコネクタ接続構造1の分解斜視図であり、図3は背面、右側面及び底面から視たコネクタ接続構造1の分解斜視図である。
図4は正面、左側面及び底面から視たハーネス側コネクタ20の分解斜視図を示し、図5は背面、右側面及び底面から視たハーネス側コネクタ20の分解斜視図を示している。
【0037】
図6は端子付きハーネス204の斜視図による説明図を示し、図7は端子付きハーネス204の説明図を示し、図8は端子付きハーネス204の斜視図による組付に関する説明図を示し、図9は端子付きハーネス204の説明図を示している。
【0038】
詳述すると、図6(a)はハーネス側コネクタ20に設けられる端子付きハーネス204の背面、左側面及び平面から視た斜視図を示し、図6(b)は端子付きハーネス204の正面、右側面及び平面から視た斜視図を示している。
【0039】
図7(a)は端子付きハーネス204の背面図を示し、図7(b)は端子付きハーネス204の右側面図を示し、図7(c)は図7(b)のA-A矢視断面図を示し、図7(d)は図7(c)のB-B矢視断面図を示している。
【0040】
図8(a)は背面、左側面及び平面から視た分解状態の端子付きハーネス204の斜視図を示し、図8(b)は背面、左側面及び平面から視た端子付きハーネス204の斜視図を示している。
図9(a)はハーネス側コネクタ20の右側面図を示し、図9(b)は図9(a)のC-C矢視断面図を示している。
【0041】
図10及び図11は機器側コネクタ10の分解斜視図を示し、図12は機器側コネクタ10の斜視図による組付に関する説明図を示し、図13は機器側コネクタ10の説明図を示し、図14はコネクタ接続構造1の説明図を示している。
【0042】
詳述すると、図10は正面、左側面及び底面から視た機器側コネクタ10の分解斜視図であり、図11は背面、右側面及び底面から視た機器側コネクタ10の分解斜視図である。
図12(a)は正面、左側面及び底面から視た分解状態の機器側コネクタ10の斜視図を示し、図12(b)は正面、左側面及び底面から視た機器側コネクタ10の斜視図を示している。なお、図10乃至図12では、機器側コネクタ10におけるオス型ハウジング14のフード部142を透過状態で図示している。
【0043】
図13(a)は機器側端子11が組付けられる前の機器側コネクタ10の右側面図を示し、図13(b)は図13(a)のD-D矢視断面図を示し、図13(c)は図13(b)のE-E矢視断面図を示し、図13(d)は機器側端子11が組付けられた機器側コネクタ10の右側面図を示し、図13(e)は図13(d)のF-F矢視断面図を示し、図13(f)は図13(e)のG-G矢視断面図を示している。
図14正面、左側面及び底面はコネクタ接続構造1の右側面図を示し、図14(b)は図14(a)のH-H矢視断面図を示している。
【0044】
なお、図1(a)における上下方向を高さ方向Hとし、左上と右下とを結ぶ方向を幅方向Wとし、左下と右上とを結ぶ方向を奥行き方向Dとしている。さらには、上下方向の高さ方向Hにおける上側を上方側Huとし、下側を下方側Hdとしている。また、左下と右上とを結ぶ奥行き方向Dにおける左下側を奥側Dbとし、右上側を手前側Dfとしている。
【0045】
また、上述の方向は、コネクタ接続構造1の構成の説明において便宜的に、機器側コネクタ10とハーネス側コネクタ20との脱着方向を奥行き方向Dとしている。また、機器側コネクタ10に対してハーネス側コネクタ20を取付ける方向を奥側Db、機器側コネクタ10からハーネス側コネクタ20を取り外す方向を手前側Dfとしている。さらに、奥行き方向Dに対して直交する方向を幅方向W及び高さ方向Hに設定している。しかしながら、機器側コネクタ10、ハーネス側コネクタ20及びコネクタ接続構造1の構成に関して方向を規定するものではないが、本明細書では各図面において上述の方向を共通して用いて説明する。
【0046】
本発明のコネクタ接続構造1は、ハーネス側コネクタ20と機器側コネクタ10とを嵌合させて、それぞれに設けた接続端子同士(機器側端子11,ハーネス側端子21)を接続する接続構造であり、接続端子同士の接続において相対的な向きや姿勢を規制し、接続状態を安定させることができる。
【0047】
そのため、機器側コネクタ10は、2つの機器側端子11と、機器側端子11の少なくとも一部を内部に配置するとともに、取付台座70を介して機器筐体60に固定されるオス型ハウジング14とが備えられている。
【0048】
機器側端子11は、ハーネス側コネクタ20のハーネス側端子21において幅方向Wに対向する一対の側壁213同士の間の挿入空間Sに対して奥行き方向Dに挿入されて接続する板状の板状接続部111と、機器筐体60の内部に配置されるとともに、機器筐体60内に設けられた電気回路と接続される回路接続部113とが備えられている。
【0049】
オス型ハウジング14に、機器側端子11を保持する端子保持部146と、板状接続部111の周縁の少なくとも一部に沿う延設体147とが備えられ、延設体147の少なくとも一部は、板状接続部111の厚みより厚く、且つ側壁213の内面同士の間隔以下の厚みで形成されている。これにより、接続端子同士(機器側端子11,ハーネス側端子21)の接続において相対的な向きや姿勢を規制し、接続状態を安定させることができる。
【0050】
これらコネクタ接続構造1、機器側コネクタ10及びハーネス側コネクタ20について以下で詳細に説明する。
コネクタ接続構造1は、図1乃至図3に示すように、例えば、自動車等に装備されたモータなどの電装機器や電源機器などの電気機器につながる電気回路が接続された機器側コネクタ10と、高圧電線201を束ねたワイヤーハーネス200に装着したハーネス側コネクタ20とを奥行き方向Dに嵌合して接続し、電気的且つ物理的に安定した接続状態を確立できる接続構造である。
【0051】
まず、コネクタ接続構造1を構成するハーネス側コネクタ20について、図4乃至図9とともに説明する。
ハーネス側コネクタ20は、上述の機器側コネクタ10に取付けてコネクタ接続構造1を構成し、内部に配置したハーネス側端子21に機器側コネクタ10の機器側端子11を接続するコネクタである。
【0052】
ハーネス側コネクタ20は、ワイヤーハーネス200、ワイヤーハーネス200を構成する高圧電線201の先端に取り付けたハーネス側端子21、内部ハウジング22、ハウジングシェル23、ハウジングシール24、ハウジングカバー25、ワイヤーシール26、シェルシール27及び電線保持部28を備えている。なお、先端にハーネス側端子21を取り付けた高圧電線201を端子付きハーネス204としている。
【0053】
ハーネス側端子21は、絶縁被覆203で電線導体202を被覆した高圧電線201の先端から露出した電線導体202に装着した高圧用端子である。なお、2本の高圧電線201で構成したワイヤーハーネス200の場合、各高圧電線201にハーネス側端子21を装着しており、ハーネス側コネクタ20には2つのハーネス側端子21を備えている。なお、ハーネス側端子21の詳細については後述する。
【0054】
内部ハウジング22は、2つのハーネス側端子21をハーネス側コネクタ20の内部における所定の位置に保持するものであり、ワイヤーハーネス200を挿通するハーネス挿通筒部221と、ハーネス挿通筒部221に挿通されたワイヤーハーネス200の先端に設けたハーネス側端子21を保持する保持部本体222とを備えている。なお、内部ハウジング22は樹脂製である。
【0055】
ハーネス挿通筒部221は、下方側Hdの端部(下端部)が開口された角型筒状体であり、上方側Huの端部(上端部)は保持部本体222の内部と連通している。
ハーネス挿通筒部221における上方側Hu且つ幅方向Wの中央には、後述する固定ボルト29が奥行き方向Dに貫通できる貫通孔を設けている。
【0056】
保持部本体222は、ハーネス挿通筒部221の上方側Huの端部に配置され、奥側Dbが開放された略直方体状であり、内部にハーネス側端子21を保持するように構成している。
保持部本体222は、図5に示すように、外壁222aと内壁222bとの2重壁で構成され、内壁222bの内部にハーネス側端子21を保持するように構成している。
【0057】
外壁222aと内壁222bとの間は、機器側コネクタ10とハーネス側コネクタ20とを組み付けた状態において、後述する機器側コネクタ10のオス型ハウジング14のフード部142が挿入される空間であり、ハウジングシール24が装着される。
【0058】
ハウジングシェル23は、内部ハウジング22の外側を覆うとともに、ハーネス側コネクタ20の外形を形成するものである。
ハウジングシェル23は、内部ハウジング22よりひとまわり大きく、ハーネス挿通筒外部231と、シェル本体232とを備えている。
【0059】
詳しくは、ハーネス挿通筒外部231は、ワイヤーハーネス200を挿通するハーネス挿通筒部221を内部に配置するように、ハーネス挿通筒部221よりひとまわり大きい角型筒状体であり、上方側Huの端部はシェル本体232の内部と連通している。
なお、ハーネス挿通筒外部231の下方側Hdの側は、角型筒状体における奥側Dbの下方側Hdの一部を後述する電線保持部28としている。
【0060】
シェル本体232は、ハーネス挿通筒外部231の上方側Huの端部に配置されるとともに、内部に配置する保持部本体222よりひとまわり大きな、奥側Dbが開放された略直方体形状である。
なお、奥側Dbが開放された略直方体状に形成されたシェル本体232において、ハーネス側端子21が奥側Dbに露出する嵌合開口235(図3参照)としている。また、シェル本体232の上方側Huにカバー部233を備えている。
【0061】
カバー部233は、シェル本体232より上方側Huに突出する正面視三角錐台状であり、機器筐体60に設けられた取付台座70に機器側コネクタ10のオス型ハウジング14を固定する固定凸部144及び固定ボルト(図示省略)を囲繞するように形成している。
また、内部ハウジング22を内包するハウジングシェル23は、金属製であり、ハーネス挿通筒外部231とシェル本体232とを組み付けて構成している。
【0062】
ハウジングシール24は、保持部本体222における内壁222bの背面視形状と一致する平面視略四角形状のリング状であり、ゴム製である。
ハウジングシール24は、内部ハウジング22における内壁222bに対して外嵌し、機器側コネクタ10とハーネス側コネクタ20との組付け状態において、後述する機器側コネクタ10のオス型ハウジング14におけるフード部142とハーネス側コネクタ20の内部ハウジング22との間を封止するシール材である。
【0063】
ハウジングカバー25は、内部ハウジング22の内壁222bに対して奥行き方向Dの奥側Dbから取付けて、内部ハウジング22の保持部本体222に配置したハウジングシール24を固定するとともに、保持部本体222の内部に配置したハーネス側端子21を保持するものであり、樹脂製である。
【0064】
ワイヤーシール26は、高圧電線201を挿通する挿通孔261を有する平面視長方形状であり、ハーネス挿通筒部221に挿通した高圧電線201とハーネス挿通筒部221の内面との間を封止するシール部材である。そのため、ワイヤーシール26は2本の高圧電線201に対応して二つ設けている。
【0065】
シェルシール27は、内部ハウジング22のハーネス挿通筒部221に外嵌し、ハーネス挿通筒部221とハーネス挿通筒外部231との間を封止するシール部材である。シェルシール27はハーネス挿通筒部221に外嵌できる略長方形枠状に形成している。
【0066】
ハーネス挿通筒外部231の下方側Hdの端部に備えた電線保持部28は、ハーネス挿通筒部221に挿通した高圧電線201をハーネス挿通筒外部231に保持するものであり、高圧電線201を挿通する電線挿通孔281を有している。
【0067】
電線挿通孔281は、ワイヤーハーネス200を構成する2本の高圧電線201に対応して、幅方向Wに所定間隔を隔てて2つ設けており、電線挿通孔281は挿通する高圧電線201の外径と同じあるいはわずかに小径に形成している。
【0068】
また、電線保持部28は、ハーネス挿通筒外部231の下方側Hdにおいて、挿通された高圧電線201を保持する電線挿通孔281を有し、ハーネス挿通筒外部231の下方側Hdにおいて、ハーネス挿通筒外部231と一体で構成された固定側保持部282と、固定側保持部282に対して装着される装着保持部283とが設けられ、固定側保持部282に組み付けた装着保持部283を固定する固定ボルト(図示省略)を備えている。
【0069】
装着保持部283を、ハーネス挿通筒外部231の固定側保持部282に組み付け、図示省略する固定ボルト(図示省略)を螺合することで、固定側保持部282に対して装着保持部283を固定することができる。
【0070】
このように各要素を構成したハーネス側コネクタ20を、後述する機器側コネクタ10に嵌合させて接続し、接続状態を固定する固定ボルト29は、取付台座70の固定凸部73に設けた螺合孔74に螺合する螺子軸部の端部にボルト頭部が設けられた金属製のボルトである。
【0071】
続いて、上述のハーネス側端子21について、図6乃至図8とともに説明する。
ハーネス側端子21は、上述したように、2本の高圧電線201の先端において、絶縁被覆203から露出する電線導体202と接続された高圧用端子であり、先端にハーネス側端子21が接続された高圧電線201を端子付きハーネス204としている。
【0072】
このようにして、端子付きハーネス204を構成するハーネス側端子21は、高圧電線201の電線導体202を接続する電線接続部211と、機器側端子11の板状接続部111(図6)が接続される端子接続部212とが設けられ、高さ方向Hに沿って配置している。
【0073】
電線接続部211は、図7(c)に示すように、高さ方向Hから視て奥側Dbが開放された角形U字状に形成している。
端子接続部212は、幅方向Wに所定間隔を隔てた二枚の側壁213と、側壁213の下端を連結する下部連結部214とで、高さ方向Hから視て奥側Dbが開放する略U字状に形成され、幅方向Wに対向する側壁213同士の間の空間を、後述する機器側端子11の板状接続部111を挿入して接続する挿入空間Sとしている。
【0074】
なお、側壁213は奥行き方向Dより高さ方向Hに長い、幅方向Wから視て長方形状である。下部連結部214は高さ方向Hに所定の間隔を隔てて配置しているため、奥行き方向Dに貫通する貫通口215を設けている(図6(b)参照)。
【0075】
また、幅方向Wに所定間隔を隔てた二枚の側壁213の奥側Dbの端部には、幅方向Wに跨いで連結する跨ぎ連結部216を、高さ方向Hに所定間隔を隔てて二つ設けている。
連結部216は、図8(a)のa部拡大図に示すように、幅方向Wの一方の側壁213の端部から奥側Dbに向かって突出する凸部216aと幅方向Wの他方の側壁213の端部から奥側Dbに向かって延びる帯状の帯状部216bとを備えている。
【0076】
なお、帯状部216bの先端側の厚みを薄く形成するとともに、凸部216aを係止する係止開口216cを設けている。
そして、幅方向Wの他方側の帯状部216bを一方側に曲げ、一方側の側壁213の凸部216aを係止開口216cに挿入するように係止する。これによって、連結部216は、幅方向Wに対向する一対の側壁213同士の間隔を保持することができる。
【0077】
また、幅方向Wに対向する一対の側壁213の内面には、それぞれバネ板材30を備えている。
バネ板材30は、金属板を打ち抜くことで略正方形状に形成されている。バネ板材30は、機器側端子11の板状接続部111(図9参照)に当接する10枚のアームバネ31と、アームバネ31を取り囲むとともに側壁213に取付けるバネ取付部32とを有している。
【0078】
バネ取付部32は、略四角枠状に形成され、奥行き方向Dの内側に延びるアームバネ31を支持するとともに、側壁213の内面に固定する溶接部33(図7(d)参照)が設けられている。
【0079】
10枚のアームバネ31のうち5枚は、高さ方向Hに並列配置されるとともに、バネ取付部32に支持された奥側Dbから手前側Dfに向かって延設されている。そして、残りの5枚のアームバネ31は高さ方向Hに並列配置されるとともに、バネ取付部32に支持された手前側Dfから奥側Dbに向かって延設されている。
【0080】
このようにして基部がバネ取付部32に支持されたアームバネ31は、先端に向かって徐々に突出し、先端付近に対向方向に突出する接点部34を備えている。
また、高さ方向Hに並列したアームバネ31の両側のアームバネ31は他のアームバネ31より幅広に形成している。
【0081】
このように構成したバネ板材30を、一対の側壁213の内面に取り付けられることにより、互いに対向して配置される。これらバネ板材30は、二つ一組で使用され、挿入空間Sに挿入された板状接続部111を挟み込むように付勢力が作用する構成とされている。
【0082】
上述のバネ板材30が幅方向Wに対向する側壁213の内面に固定されたハーネス側端子21の電線接続部211が高圧電線201の電線導体202に接続された端子付きハーネス204が内部に配置されたハーネス側コネクタ20は、図9(b)に示すように、幅方向Wに所定間隔を隔てて配置されたハーネス側端子21が嵌合開口235から奥側Dbに露出する態様となる。
【0083】
次に、図1乃至図3に示すように、電気機器を内部に配置する機器筐体60に設けられた取付台座70に取付けられる機器側コネクタ10について図10乃至図13とともに説明する。
なお、取付台座70は、破線でその一部を示す機器筐体60に取付けられ、後述するオス型ハウジング14やハーネス側コネクタ20を固定する台座である。
【0084】
取付台座70は、図10に示すように、正面視中央に奥行き方向Dに貫通する貫通孔71を有する幅方向Wより高さ方向Hに長い縦長の長方形状であり、奥行き方向Dに所定の厚みを有している。
また、取付台座70における正面側の主面を、取付けられるハーネス側コネクタ20を固定するための固定主面72とし、固定主面72における貫通孔71より下方側Hdには、手前側Dfに向かって突出する円柱状の固定凸部73が設けられ、固定凸部73の頂部に、ハーネス側コネクタ20をボルト固定するための固定ボルト29(図2図3参照)が螺合する螺合孔74を設けている。
【0085】
貫通孔71より上方側Huの固定主面72には、後述するオス型ハウジング14を固定ボルト(図示省略)で固定する螺合孔75を幅方向Wの中央に設けている。
このように構成された取付台座70は、金属製である。
【0086】
なお、オス型ハウジング14を螺合固定する固定ボルト(図示省略)が螺合する螺合孔75は、ハーネス側コネクタ20を取付台座70に対して螺合する固定凸部73に設けた螺合孔74とは、取付台座70において、機器側端子11を装着する貫通孔71を挟んで対向する位置に設けられている。
このように構成された取付台座70は適宜の方法で、電気機器を内部に配置する機器筐体60に取り付けられる。
【0087】
機器筐体60に取り付けられた取付台座70に装着する機器側コネクタ10は、図10及び図11に示すように、機器側端子11、機器側シール13、オス型ハウジング14及び固定ボルト(図示省略)を備えている。
機器側端子11は、機器筐体60の内部に配置された電気機器につながる電気回路と接続されるとともに、ハーネス側コネクタ20の内部に配置されるハーネス側端子21と接続されるものであり、幅方向Wに所定間隔を隔てて2つ備えている。
【0088】
機器側端子11は、金属製板材で構成され、板状接続部111、連結部112及び回路接続部113が奥行き方向Dの手前側Dfから奥側Dbに向かってこの順で配置されている。
【0089】
板状接続部111は、ハーネス側コネクタ20と機器側コネクタ10とを接続することで、ハーネス側端子21における側壁213同士の間に形成された挿入空間Sに挿入され、バネ板材30を介してハーネス側端子21と接続する部分である。
【0090】
連結部112は、板状接続部111と回路接続部113とを連結する部分であり、回路接続部113は、機器筐体60の内部に配置された電気機器とつながる電気回路(図示省略)と接続される部分である。
【0091】
板状接続部111、連結部112及び回路接続部113は、奥行き方向Dに連続して形成されており、板材の主面が高さ方向H且つ幅方向Wに沿う平面状に形成されている。ハーネス側端子21と接続される板状接続部111は、後述するオス型ハウジング14のフード部142の内側に配置されるとともに、後述するオス型ハウジング14における本体部分141より奥行き方向Dに突出している。
【0092】
板状接続部111と連続する連結部112は、後述するオス型ハウジング14における本体部分141及び挿入筒部143を貫通する長さで形成している。回路接続部113は、挿入筒部143より奥側Dbに突出するように形成されている。
【0093】
機器側シール13は、後述するオス型ハウジング14の挿入筒部143に装着し、オス型ハウジング14の挿入筒部143と取付台座70との間を封止するシール部材であり、リング状のゴム製である。
【0094】
オス型ハウジング14は、取付台座70に機器側端子11を保持するためのものであり、機器側端子11を保持する本体部分141と、本体部分141で保持する機器側端子11の周囲を囲繞するフード部142と、取付台座70の貫通孔71に挿入する円筒状の挿入筒部143と、オス型ハウジング14を固定ボルト(図示省略)で取付台座70に固定する固定凸部144とを備えている。
【0095】
本体部分141は、奥行き方向Dから視て幅方向Wより高さ方向Hに少し長い略長方形状に形成されている。なお、本体部分141には手前側Dfに向かって突出する端子保持部146を設けている。
【0096】
フード部142は、手前側Dfが開口され、奥行き方向Dの両側及び上方側Huが本体部分141より手前側Dfに向かって突出する、周壁状に形成されている。なお、フード部142において、下方側Hdの部分より上方側Huの部分が手前側Dfに突出するように形成している。
【0097】
挿入筒部143は、本体部分141の奥側Dbに配置され、取付台座70の貫通孔71に挿入できるように、貫通孔71よりわずかに小径な円盤状に形成され、取付台座70の奥行き方向Dの厚みよりひと回り厚く形成している。
固定凸部144は、本体部分141の上方側Huにおいて、幅方向Wの中央から上方側Huに突出し、オス型ハウジング14を取付台座70の螺合孔75に螺合固定する固定ボルト(図示省略)を装着する装着孔を設けている。
【0098】
このようにオス型ハウジング14では、組み付ける機器側端子11が本体部分141及び挿入筒部143を奥行き方向Dに貫通するとともに、本体部分141より手前側Dfに突出する端子保持部146で機器側端子11を保持することができる。つまり、挿入筒部143、本体部分141及び端子保持部146には、機器側端子11が挿通可能な奥行き方向Dの貫通孔が設けられ、当該貫通孔に挿通された機器側端子11は、オス型ハウジング14に保持されることとなる。
【0099】
さらに、本体部分141から手前側Dfに突出する端子保持部146より、さらに手前側Dfに突出する延設体147を備えている。
延設体147は、端子保持部146で保持する機器側端子11において、端子保持部146より手前側Dfに突出する板状接続部111の周縁に沿うように、幅方向Wから視て門型枠状に形成している。
【0100】
詳述すると、延設体147は、端子保持部146から手前側Dfに突出する板状接続部111の側周縁に沿うように、手前側Dfに向かって端子保持部146から突出する2本の柱部148と、板状接続部111の先端縁に沿うように、柱部148の先端同士を高さ方向Hに掛け渡して連結する先端連結部149とを備えている。
【0101】
なお、2本の柱部148は内面同士の間隔が板状接続部111の高さ方向Hの幅に対応する間隔で配置されており、その先端同士を掛け渡す先端連結部149によって、幅方向Wから視て、板状接続部111と略同形状の内部空間Isを内部に有する門型枠状となる。
【0102】
このように、門型枠状の延設体147を構成する2本の柱部148は、四角形断面を有する柱状であるが、板状接続部111の厚み(幅方向Wの長さ)より厚く(長く)形成している。また、柱部148の厚み(幅方向Wの長さ)は、機器側端子11が接続するハーネス側端子21における側壁213の内面同士の間隔(幅方向Wの長さ)より薄く(短く)形成している。
【0103】
より具体的には、柱部148の厚み(幅方向Wの長さ)は、板状接続部111の厚み(幅方向Wの長さ)より厚く(長く)、且つ、機器側端子11が接続するハーネス側端子21における側壁213の内面に設けるバネ板材30のバネ取付部32の内面同士の間隔(幅方向Wの長さ)より薄く(短く)形成している。
【0104】
先端連結部149は、板状接続部111の厚み(幅方向Wの長さ)と同程度の厚みで形成している。
また、先端連結部149は、厚み(幅方向Wの長さ)より広い幅(奥行き方向Dの長さを長く)に形成するとともに、長手方向(高さ方向H)の中央部分に手前側Dfに突出する先端突出部149aを設けている。
【0105】
先端突出部149aは、先端連結部149の長手方向(高さ方向H)の長さに対して2/3程度の長さで形成している。なお、柱部148、先端連結部149及び先端突出部149aの手前側Dfの先端は、徐々に厚みが薄くなるように形成している。
このように各要素を構成した機器側コネクタ10は樹脂製で一体に構成されている。
【0106】
このように各要素を構成した機器側コネクタ10は、オス型ハウジング14の本体部分141に機器側端子11を組付けるとともに、挿入筒部143に機器側シール13を外嵌して組み付ける。
具体的には、フード部142の内部に板状接続部111が配置されるように、挿入筒部143、本体部分141及び端子保持部146に連結部112を挿通させ、挿入筒部143より奥側Dbに回路接続部113が突出するように、機器側端子11をオス型ハウジング14に取り付ける。
【0107】
このとき、板状接続部111は、端子保持部146より手前側Dfに突出する延設体147の内部空間Isに配置される。そのため、延設体147を構成する柱部148は板状接続部111の側周縁に沿うとともに、先端連結部149が板状接続部111の先端縁に沿うこととなる。したがって、端子保持部146から手前側Dfに突出する板状接続部111の周縁は延設体147で囲繞され、板状接続部111の幅方向Wの面が延設体147から幅方向Wに向かって露出する態様となる。
【0108】
そして、機器側端子11及び機器側シール13を組み付けたオス型ハウジング14の挿入筒部143を取付台座70の貫通孔71に挿入し、固定凸部144に装着した固定ボルト(図示省略)を螺合孔75に螺合して、取付台座70とオス型ハウジング14とを固定して機器側コネクタ10の組み付けは完了する。
【0109】
このように、機器筐体60に取り付けられた取付台座70に装着された機器側コネクタ10と、ワイヤーハーネス200の先端に設けられたハーネス側コネクタ20とを嵌合させ、機器側コネクタ10の機器側端子11と、ハーネス側コネクタ20の21とを接続すると、コネクタ接続構造1を構成することができる。
【0110】
具体的には、機器筐体60に取り付けられた取付台座70に装着された機器側コネクタ10に対して、ワイヤーハーネス200の先端に設けたハーネス側コネクタ20を奥側Dbに向かって移動させると、機器側コネクタ10のフード部142と、機器側端子11の板状接続部111がハーネス側コネクタ20の嵌合開口235からハーネス側コネクタ20の内部に挿入される。
【0111】
より詳細には、機器側コネクタ10のフード部142は、ハーネス側コネクタ20において、ハウジングシール24が装着された外壁222aと内壁222bとの間に挿入される。
そして、機器側コネクタ10の機器側端子11の板状接続部111は、嵌合開口235から露出するハーネス側端子21の側壁213同士の間の挿入空間Sに、延設体147とともに挿入される。
【0112】
板状接続部111が、挿入空間Sに挿入されると、側壁213の内面に溶接部33によって固定されたバネ板材30のアームバネ31によって幅方向Wの両側から付勢された状態で挟み込まれて当接し、バネ板材30を介して、機器側端子11とハーネス側端子21とは導通可能に接続されることとなる。
【0113】
このとき、板状接続部111とともに挿入空間Sに挿入された延設体147の柱部148は、幅方向Wに対向する側壁213の内面のそれぞれに固定されたバネ板材30において、幅方向Wに対向するバネ取付部32同士の間に配置されることとなる。したがって、延設体147の柱部148は、幅方向Wに対向するバネ板材30のバネ取付部32の少なくとも一方に対して当接する、あるいはわずかな隙間が幅方向Wに形成された状態で配置されることとなる。
【0114】
そのため、柱部148を有する延設体147が設けられたオス型ハウジング14は、挿入空間Sにおいて、柱部148が幅方向Wに対向するバネ取付部32によって規制され、ハーネス側端子21に対して機器側端子11の相対的な向きや姿勢を規制された状態で、ハーネス側端子21の挿入空間Sに機器側端子11を挿入することができる。
【0115】
また、挿入空間Sにおいて、柱部148が幅方向Wに対向するバネ取付部32によって規制されているため、ハーネス側端子21における挿入空間Sに板状接続部111が挿入された接続状態においても、ハーネス側端子21に対して機器側端子11の相対的な向きや姿勢を規制でき、その接続状態を安定させることができる。
【0116】
具体的には、ハーネス側端子21の挿入空間Sに板状接続部111とともに、延設体147が挿入され、延設体147の柱部148の幅方向Wの厚みが挿入空間Sにおいて対向するバネ取付部32同士の間よりわずかに狭く形成されているため、挿入空間Sに対して奥行き方向Dに沿う軸を中心とした回転方向の相対的な板状接続部111の向きや、高さ方向Hに沿う軸を中心とした回転方向の相対的な板状接続部111の姿勢を規制し、幅方向Wに対向するアームバネ31同士の間に板状接続部111を高さ方向H且つ奥行き方向Dに沿う面に沿って挿入することができる。したがって、コネクタ接続構造1における機器側端子11とハーネス側端子21との接続状態を安定させることができる。
【0117】
上述したように、ハーネス側コネクタ20と所定の奥行き方向Dに嵌合して、それぞれに設けた端子(11,21)同士を接続する機器側コネクタ10は、取付台座70を介して機器筐体60に固定されるオス型ハウジング14と、オス型ハウジング14の内部に一部が配置される機器側端子11とが備えられ、機器側端子11は、ハーネス側コネクタ20のハーネス側端子21において奥行き方向Dに対して幅方向Wに対向する一対の側壁213同士の間の挿入空間Sに対して奥行き方向Dに挿入されて接続する板状の板状接続部111が備えられ、オス型ハウジング14に、機器側端子11を保持する端子保持部146と、板状接続部111の周縁の少なくとも一部に沿う延設体147とが備えられ、延設体147の柱部148は、板状接続部111の厚みより厚く、且つ側壁213の内面同士の間隔以下の厚みで形成されている。
【0118】
また、ハーネス側コネクタ20と機器側コネクタ10とを嵌合させて、それぞれに設けた端子(11,21)同士を接続するコネクタ接続構造1のハーネス側コネクタ20は、先端にハーネス側端子21が装着された高圧電線201と、ハーネス側端子21が内部に配置されるハウジングシェル23とが備えられ、ハーネス側端子21は、奥行き方向Dに対して幅方向Wに対向する一対の側壁213を有する端子接続部212が備えられ、機器側コネクタ10は、取付台座70を介して機器筐体60に固定されるオス型ハウジング14と、オス型ハウジング14の内部に一部が配置される機器側端子11とが備えられ、機器側端子11は、側壁213同士の間の挿入空間Sに対して奥行き方向Dに挿入されて接続する板状接続部111が備えられ、オス型ハウジング14に、機器側端子11を保持する端子保持部146と、板状接続部111の周縁に沿う延設体147とが備えられ、延設体147の柱部148は、板状接続部111の厚みより厚く、且つ側壁213の内面同士の間隔以下の厚みで形成されている。
【0119】
そのため、機器側コネクタ10及びコネクタ接続構造1は、機器側端子11同士の接続において相対的な向きや姿勢を規制し、接続状態を安定させることができる。
詳述すると、機器側端子11の一部を内部に配置するとともに、取付台座70を介して機器筐体60に固定されるオス型ハウジング14に、ハーネス側コネクタ20のハーネス側端子21において奥行き方向Dに対して幅方向Wに対向する一対の側壁213同士の間の挿入空間Sに対して奥行き方向Dに挿入されて接続する板状の板状接続部111を有する機器側端子11を保持する端子保持部146と、板状接続部111の周縁に沿って配置され、柱部148が板状接続部111の厚みより厚く、且つ側壁213の内面同士の間隔以下の厚みで形成された延設体147が備えられている。
【0120】
なお、ハーネス側コネクタ20のハーネス側端子21において板状接続部111を挿入する挿入空間Sを形成する側壁213同士の間隔は、板状接続部111の厚みより広く形成されている。これに対し、板状接続部111の厚みより一部の厚みが厚い延設体147が板状接続部111とともに挿入空間Sに挿入されるため、挿入空間Sに対して板状接続部111の向きや姿勢を規制することができる。したがって、機器側端子11同士の接続において相対的な向きや姿勢を規制し、接続状態を安定させることができる。
【0121】
また、延設体147は、端子保持部146より奥行き方向Dに突出する板状接続部111の周縁に沿う門型枠状であり、門型枠状の延設体147のうち奥行き方向Dに沿う柱部148が、板状接続部111の厚みより厚く、且つ側壁213の内面同士の間隔以下の厚みで形成されている。そのため、板状接続部111を挿入空間Sに挿入する際に、端子保持部146より奥行き方向Dに突出する板状接続部111の周縁に沿う門型枠状である延設体147が板状接続部111とともに挿入空間Sに挿入することができる。
【0122】
また、門型枠状に形成された延設体147における柱部148が、板状接続部111の厚みより厚く、且つ側壁213の内面同士の間隔以下の厚みで形成されているため、板状接続部111の向きや姿勢を規制しながら挿入空間Sへ挿入することができる。
【0123】
また、柱部148は、一対の側壁213の内面に沿って設けられるバネ板材30におけるバネ取付部32同士の間隔以下の厚みで形成されているため、バネ板材30に対する板状接続部111の姿勢や向きを規制することができる。
【0124】
また、門型枠状の延設体147のうち、板状接続部111の先端に沿うとともに、柱部148同士を連結する先端連結部149は、板状接続部111の厚みと同程度の厚みで形成されている。そのため、先端連結部149が板状接続部111とハーネス側コネクタ20のハーネス側端子21との接続に支障することなく、門型枠状の延設体147の剛性を確保することができる。したがって、門型枠状の延設体147を板状接続部111の周縁に確実に沿わせて、挿入空間Sに対する延設体147の姿勢や向きを規制することができる。
【0125】
また、先端連結部149における長手方向の中央付近に奥行き方向Dに向かって突出する先端突出部149aが設けられている。そのため、先端連結部149が板状接続部111とハーネス側コネクタ20のハーネス側端子21との接続に支障することなく、門型枠状の延設体147を構成する先端連結部149の剛性を向上することができる。これにより、門型枠状の延設体147の剛性を向上でき、門型枠状の延設体147を板状接続部111の周縁により確実に沿わせ、挿入空間Sに対する延設体147の姿勢や向きを規制することができる。
【0126】
また、機器側端子11は金属製板材で構成され、延設体147は樹脂製であるため、金属製板材で構成された機器側端子11の板状接続部111の周縁に沿う延設体147を容易に加工して構成することができる。また、樹脂製であっても、門型枠状の延設体147において、先端連結部149に先端突出部149aが設けられることで、門型枠状の延設体147の剛性を向上し、門型枠状の延設体147を板状接続部111の周縁により確実に沿わせることができる。
【0127】
また、ハーネス側端子21において一対の側壁213同士の間隔を保持する連結部216が設けられている。そのため、側壁213同士の間隔が連結部216によって保持でき、側壁213同士の間隔が狭くなって挿入空間Sに板状接続部111が挿入できなくなったり、板状接続部111とともに挿入空間Sに挿入する延設体147によって側壁213同士の間隔が開いたりすることを防止できる。したがって、側壁213同士の間の挿入空間Sに板状接続部111を挿入し、ハーネス側端子21と機器側端子11とを確実に接続することができる。
【0128】
また、一対の側壁213の基端部分を連結する下部連結部214が設けられるとともに、連結部216は、一対の側壁213の奥側Dbの先端同士を跨いで連結する構成である。そのため、一対の側壁213の奥側Dbの先端同士を跨いで連結する連結部216は、側壁213の基端側(手前側Dfの部分)で一対の側壁213同士を跨いで連結する構成に比べて小さな剛性であっても、一対の側壁213の基端部分を連結する下部連結部214と協働して確実に側壁213同士の間隔を保持することができる。
【0129】
また、一対の側壁213の先端同士を跨いで連結する連結部216は、一対の側壁213の先端において、高さ方向Hに所定間隔を隔てて2つ配置されている。そのため、一対の側壁213の先端同士を跨いで連結する連結部216は、一対の側壁213の基端部分を連結する下部連結部214と協働してより確実に側壁213同士の間隔を保持することができる。
【0130】
また、連結部216は、一対の側壁213の先端において、高さ方向Hに所定間隔を隔てて2つ配置されているため、挿入空間Sへの板状接続部111の挿入する際に、ハーネス側端子21に対する板状接続部111の高さ方向Hの位置や、幅方向Wに沿う軸を中心とした回転方向の板状接続部111の傾きを規制することができる。
【0131】
この発明の構成と、実施形態との対応において、この発明の相手方コネクタは及び第一コネクタはハーネス側コネクタ20に対応し、
以下同様に、
嵌合方向は奥行き方向Dに対応し、
コネクタ及び第二コネクタは機器側コネクタ10に対応し、
筐体は機器筐体60に対応し、
コネクタハウジングはオス型ハウジング14に対応し、
接続端子及び第二接続端子は機器側端子11に対応し、
相手方コネクタの接続端子及び第一接続端子はハーネス側端子21に対応し、
交差する方向は幅方向Wに対応し、
側壁は側壁213に対応し、
挿入空間は挿入空間Sに対応し、
板状接続部は板状接続部111に対応し、
端子保持部は端子保持部146に対応し、
沿設体は延設体147に対応し、
嵌合方向部分は柱部148に対応し、
バネ板材はバネ板材30に対応し、
先端連結部分は先端連結部149に対応し、
先端突出部は先端突出部149aに対応し、
コネクタ接続構造はコネクタ接続構造1に対応し、
電線は高圧電線201に対応し、
ハウジングはハウジングシェル23に対応し、
端子接続部は端子接続部212に対応し、
アーム部はアームバネ31に対応し、
間隔保持部は連結部216に対応し、
連結基端部は下部連結部214に対応するも、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【0132】
例えば、上述のコネクタ接続構造1では、板状接続部111の厚みより厚く形成された延設体147の柱部148が、バネ板材30におけるバネ取付部32同士の間に配置されたが、幅方向Wに対向する側壁213の内面同士の間に配置されるように構成し、板状接続部111の厚みより厚く形成された柱部148を、側壁213の内面同士の間隔以下の厚みで形成してもよい。これにより、バネ板材30に対する板状接続部111の姿勢や向きを規制することができる。
【0133】
また、一対の側壁213のうち一方の側壁213の内面にのみバネ板材30が取り付けられ、柱部148がバネ取付部32と他方の側壁213の内面との間に配置されるように構成してもよい。この場合であっても、バネ板材30に対する板状接続部111の姿勢や向きを規制することができる。
【0134】
また、延設体147は、板状接続部111の周縁に沿う門型枠状に形成したが、板状接続部111の周縁の一部に沿い、その他は周縁から隙間を設けて配置してもよいし、板状接続部111の周縁のすべてに対して隙間を設けて配置してもよい。
【0135】
また、延設体147は、2本の柱部148と先端連結部149とで門型枠状で構成したが、柱部148だけで延設体147を構成してもよいし、1本の柱部148と先端連結部149とで逆L字状の延設体147を構成してもよい。また、先端連結部149に先端突出部149aを設けなくてもよい。
【0136】
また、上述のバネ板材30では、幅方向Wから視て四角枠状のバネ取付部32に支持されたアームバネ31は、高さ方向Hにおいて二段設けられるとともに、高さ方向Hの外側から内側に向かって延設された、つまり、高さ方向Hにおいて二段設けられたアームバネ31は高さ方向Hにおいて反対方向に延設するように構成されたが、二段のアームバネ31が同じ方向に延設されてもよいし、アームバネ31が一段だけ設けられてもよい。
【0137】
また、バネ取付部32を四角枠状に形成したが、アームバネ31を有するバネ板材30を溶接部33によって側壁213の内面に固定できれば、一文字状、L字状、角型U字状など適宜の形状であってもよい。また、幅方向Wに対向する一対の側壁213の内面のそれぞれにバネ板材30を設けたが幅方向Wに対向する一対の側壁213の一方の内面にのみバネ板材30を備えてもよい。
【0138】
また、ハーネス側端子21において、一対の側壁213の幅方向Wの間隔を保持するため、側壁213の奥側Dbの端部において、一方の側壁213から延びる帯状部216bに設けた係止開口216cに、他方の側壁213に設けた凸部216aを挿入して係止したが、帯状部216bを他方の側壁213に対して、接着や溶接など適宜の手段で固定してもよい。
【符号の説明】
【0139】
1…コネクタ接続構造
10…機器側コネクタ
11…機器側端子
14…オス型ハウジング
20…ハーネス側コネクタ
21…ハーネス側端子
23…ハウジングシェル
30…バネ板材
31…アームバネ
60…機器筐体
111…板状接続部
146…端子保持部
147…延設体
148…柱部
149…先端連結部
149a…先端突出部
201…高圧電線
212…端子接続部
213…側壁
214…下部連結部
216…連結部
D…奥行き方向
S…挿入空間
W…幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図10
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