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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156487
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】圧電素子
(51)【国際特許分類】
   H10N 30/87 20230101AFI20241029BHJP
   H10N 30/88 20230101ALI20241029BHJP
   H10N 30/50 20230101ALI20241029BHJP
   H10N 30/30 20230101ALI20241029BHJP
   H10N 30/853 20230101ALI20241029BHJP
   H10N 30/076 20230101ALI20241029BHJP
   H04R 17/02 20060101ALI20241029BHJP
   H04R 17/00 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
H10N30/87
H10N30/88
H10N30/50
H10N30/30
H10N30/853
H10N30/076
H04R17/02
H04R17/00 330H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070992
(22)【出願日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(71)【出願人】
【識別番号】000191238
【氏名又は名称】日清紡マイクロデバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 愛美
(72)【発明者】
【氏名】山田 英雄
(72)【発明者】
【氏名】川合 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】臼井 孝英
【テーマコード(参考)】
5D004
5D019
【Fターム(参考)】
5D004AA01
5D004BB01
5D004CC01
5D004DD03
5D004FF01
5D019AA21
5D019BB02
5D019BB25
5D019FF01
(57)【要約】
【課題】性能低下を抑制することができる圧電素子を提供する。
【解決手段】圧電素子は、支持体10と、支持体10に積層された第1電極膜51と、第1電極膜51に積層された圧電膜41と、圧電膜41に積層された第2電極膜52と、を備え、第1電極膜51、圧電膜41、第2電極膜52の積層方向に垂直な平面において、第2電極膜52の外縁は、第1電極膜51の外縁の外側にある。第2電極膜52の外縁を第1電極膜51の外縁の外側に形成することにより、リーク電流の発生に関与する領域が小さくなるため、tanδが改善され、性能低下を抑制することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電素子であって、
支持体(10)と、
前記支持体に積層された第1電極膜(51、52)と、
前記第1電極膜に積層された圧電膜(41、42)と、
前記圧電膜に積層された第2電極膜(52、53)と、を備え、
前記第1電極膜、前記圧電膜、前記第2電極膜の積層方向に垂直な平面において、前記第2電極膜の外縁は、前記第1電極膜の外縁の外側にある圧電素子。
【請求項2】
前記第2電極膜の上部に配置された配線膜(63)と、
前記第1電極膜と前記配線膜とを接続する貫通電極(61b、62b)と、を備え、
前記貫通電極は、前記第2電極膜および前記圧電膜を貫通して前記第1電極膜を露出させる孔部(61a、62a)の内部に配置されており、
前記孔部の前記第2電極膜における開口部の下部に位置する前記圧電膜が除去されている請求項1に記載の圧電素子。
【請求項3】
前記第2電極膜の外縁は、前記第1電極膜の外縁よりも0.2μm以上外側にある請求項1または2に記載の圧電素子。
【請求項4】
圧電素子であって、
支持体(10)と、
前記支持体に積層された第1電極膜(51、52)と、
前記第1電極膜に積層された圧電膜(41、42)と、
前記圧電膜に積層された第2電極膜(52、53)と、を備え、
前記第1電極膜、前記圧電膜、前記第2電極膜の積層方向に垂直な平面において、前記第2電極膜の外縁は、前記第1電極膜の外縁の内側にあり、
前記圧電膜は、前記第1電極膜の上面および前記第2電極膜の側面を露出させるスリット(20b)によって区画されており、
前記スリットにおいて該側面の下部に位置する前記圧電膜が除去されている圧電素子。
【請求項5】
前記スリットの内部が絶縁膜(81、82)で埋め込まれている請求項4に記載の圧電素子。
【請求項6】
前記圧電膜と前記第2電極膜との間に配置された保護膜(91、92)を備える請求項1ないし5のいずれか1つに記載の圧電素子。
【請求項7】
前記保護膜は、窒化物または酸化物で構成されている請求項6に記載の圧電素子。
【請求項8】
前記支持体に積層された下層電極膜(51)と、
前記下層電極膜に積層された下層圧電膜(41)と、
前記下層圧電膜に積層された中間電極膜(52)と、
前記中間電極膜に積層された上層圧電膜(42)と、
前記上層圧電膜に積層された上層電極膜(53)と、を備え、
前記第1電極膜は前記下層電極膜で構成されており、
前記第2電極膜は前記中間電極膜で構成されている請求項1ないし7のいずれか1つに記載の圧電素子。
【請求項9】
前記支持体に積層された下層電極膜(51)と、
前記下層電極膜に積層された下層圧電膜(41)と、
前記下層圧電膜に積層された中間電極膜(52)と、
前記中間電極膜に積層された上層圧電膜(42)と、
前記上層圧電膜に積層された上層電極膜(53)と、を備え、
前記第1電極膜は前記中間電極膜で構成されており、
前記第2電極膜は前記上層電極膜で構成されている請求項1ないし7のいずれか1つに記載の圧電素子。
【請求項10】
前記圧電膜に印加される音圧を検出するマイクロフォンである請求項1ないし9のいずれか1つに記載の圧電素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マイクロフォン等に用いられる圧電素子は、基板と、基板上に積層された下層電極膜、下層圧電膜、中間電極膜、上層圧電膜、上層電極膜とを備えている。各電極膜は必要な機能に応じてパターニングされ、一部が除去されて開口部が形成されている。この開口部では、圧電膜の結晶方位に沿ってクラックが生じるおそれがある。
【0003】
例えば特許文献1では、このクラックを抑制するために、各電極膜の開口部の面内位置をずらして配置している。すなわち、中間電極膜が除去された部分は、基板が下層電極膜で覆われた部分の上方に位置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第10566517号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
中間電極膜のパターニングの際には、中間電極膜の一部をエッチングで除去した後、通常、表面正常化のためにミリングやアッシングなどの処理を施す。このとき、中間電極膜が除去された部分の下部に下層電極膜があると、エッチングダメージが下層電極膜まで到達し、下層電極膜と中間電極膜との間に微量なリーク電流が流れるおそれがある。そして、この微量なリーク電流によりtanδすなわち誘電損失が増加し、圧電素子の性能が低下するおそれがある。
【0006】
なお、本発明者らの鋭意検討によれば、中間電極膜のエッチング後にミリングやアッシングを行わないことでtanδの増加を抑制できることが確認されている。しかしながら、この方法でtanδの増加を抑制するためには、製造装置の状態を常に一定にする必要があり、装置管理や先行確認等によって製造コストが増加する。また、エッチング後の表面状態によっては、ミリングやアッシングを行わないとリーク電流が抑制できずに圧電素子の性能が低下するおそれがある。
【0007】
本発明は上記点に鑑みて、性能低下を抑制することができる圧電素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、圧電素子であって、支持体(10)と、支持体に積層された第1電極膜(51、52)と、第1電極膜に積層された圧電膜(41、42)と、圧電膜に積層された第2電極膜(52、53)と、を備え、第1電極膜、圧電膜、第2電極膜の積層方向に垂直な平面において、第2電極膜の外縁は、第1電極膜の外縁の外側にある。
【0009】
本発明者らの鋭意検討によれば、リーク電流の発生および誘電損失の増加に関与する領域は第2電極膜の外縁近傍に存在し、第2電極膜の外縁の下部に第1電極膜が存在する場合にリーク電流が発生すると推測される。第2電極膜の外縁を第1電極膜の外縁の外側に形成することにより、リーク電流の発生に関与する領域が小さくなるため、tanδが改善され、性能低下を抑制することができる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明では、圧電素子であって、支持体(10)と、支持体に積層された第1電極膜(51、52)と、第1電極膜に積層された圧電膜(41、42)と、圧電膜に積層された第2電極膜(52、53)と、を備え、第1電極膜、圧電膜、第2電極膜の積層方向に垂直な平面において、第2電極膜の外縁は、第1電極膜の外縁の内側にあり、圧電膜は、第1電極膜の上面および第2電極膜の側面を露出させるスリット(20b)によって区画されており、スリットにおいて該側面の下部に位置する圧電膜が除去されている。
【0011】
本発明者らの鋭意検討によれば、リーク電流の発生および誘電損失の増加に関与する領域は第2電極膜の外縁近傍に存在し、第2電極膜の外縁の下部に第1電極膜が存在する場合にリーク電流が発生すると推測される。スリットにおいて第2電極膜の側面の下部に位置する圧電膜を除去することにより、リーク電流の発生に関与する領域が小さくなるため、tanδが改善され、性能低下を抑制することができる。
【0012】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態にかかる圧電素子の上面図である。
図2図1のII-II断面図である。
図3図1のIII-III断面図である。
図4】下層電極膜および中間電極膜の上面図である。
図5】第1比較例の断面図である。
図6】第2比較例の断面図である。
図7】第3比較例の断面図である。
図8】中間電極膜の周囲長とtanδとの関係を示す図である。
図9】中間電極膜の大きさとtanδとの関係を示す図である。
図10】第2実施形態にかかる圧電素子の断面図であって、図2に相当する図である。
図11】第2実施形態にかかる圧電素子の断面図であって、図3に相当する図である。
図12】第3実施形態にかかる圧電素子の断面図であって、図2に相当する図である。
図13】第4実施形態にかかる圧電素子の断面図であって、図2に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0015】
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。本実施形態の圧電素子は、スマートフォンやAI(artificial intelligence)スピーカ等に搭載されるマイクロフォン等に用いられると好適である。また、本実施形態の圧電素子は、超音波センサ等に用いられると好適である。
【0016】
圧電素子は、図1図3に示すように、支持体10と、支持体10上に配置された振動部20とを備え、平面形状が矩形状とされている。支持体10は、一面11aを有する支持基板11と、支持基板11の一面11a上に形成された絶縁膜12とを有している。支持基板11はシリコン基板等で構成され、絶縁膜12は酸化膜等で構成されている。支持体10の上面を構成する矩形の2辺に平行な方向をX方向とし、他の2辺に平行な方向をY方向とする。X方向およびY方向の両方に垂直な方向をZ方向とする。後述する圧電膜40、電極膜50は、支持体10に対してZ方向に積層されている。
【0017】
支持体10には、振動部20における内縁側を浮遊させるための凹部10aが形成されている。このため、振動部20は、支持体10上に配置された支持領域21aと、支持領域21aと繋がっていると共に凹部10a上で浮遊する浮遊領域21bとを有する構成となっている。本実施形態の凹部10aは、振動部20側の開口端の形状が平面矩形状とされている。したがって、浮遊領域21bの全体は、平面矩形状とされている。
【0018】
絶縁膜12および振動部20の外縁部分には、支持基板11の外縁部分を露出させる開口部12a、20aが形成されている。開口部12a、20aは、圧電素子を製造する際のダイシング工程を容易にするものであり、必ずしも形成されていなくてもよい。
【0019】
浮遊領域21bには、当該浮遊領域21bを厚さ方向に貫通するスリット30が形成されている。スリット30は、浮遊領域21bを4分割するように形成されている。詳しくは、スリット30は、浮遊領域21bの中心部を通り、浮遊領域21bの相対する角部に向かって延設されるように、2本形成されている。言い換えると、スリット30は、平面矩形状とされた浮遊領域21bの各角部から中心部に向かって延設されると共に、中心部にて各スリット30が交差するように形成されている。これにより、浮遊領域21bは、略平面三角形状とされた第1~第4振動領域22a~22dに分離されている。
【0020】
本実施形態のスリット30は、支持領域21aまで延設されているが、浮遊領域21b内で終端するように形成されていてもよい。また、スリット30が、浮遊領域21bと支持領域21aとの境界部で終端するように形成されていてもよい。
【0021】
第1~第4振動領域22a~22dは、上記の構成とされることにより、支持領域21a側の端部が固定端とされ、支持領域21aと反対側の先端部が自由端とされたカンチレバーとされている。
【0022】
振動部20は、圧電膜40および圧電膜40と接続される電極膜50を有する構成とされている。具体的には、圧電膜40は、下層圧電膜41と、下層圧電膜41上に積層される上層圧電膜42とを有している。下層圧電膜41および上層圧電膜42は、窒化スカンジウムアルミニウム(ScAlN)や、窒化アルミニウム(AlN)等の鉛フリーの圧電セラミックス等を用いて構成されている。また、下層圧電膜41および上層圧電膜42は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等を用いて構成される。
【0023】
電極膜50は、圧電膜40と接続されるように各振動領域22a~22dに形成されており、モリブデン(Mo)を用いて構成されている。但し、電極膜50は、モリブデンの他に、チタン(Ti)、プラチナ(Pt)、アルミニウム(Al)、ルテニウム(Ru)等のいずれか1つを主成分とする金属材料を用いて構成されていてもよい。
【0024】
そして、本実施形態では、電極膜50として、下層圧電膜41の下方に形成された下層電極膜51と、下層圧電膜41と上層圧電膜42との間に形成された中間電極膜52と、上層圧電膜42の上方に形成された上層電極膜53とが形成されている。下層電極膜51と中間電極膜52とは、下層圧電膜41を挟んで対向するように配置されている。中間電極膜52と上層電極膜53とは、上層圧電膜42を挟んで対向するように配置されている。上層電極膜53は、後述する層間絶縁膜81の下において、図1の破線L1で示す位置まで形成されている。下層電極膜51は第1電極膜に相当し、中間電極膜52は第2電極膜に相当する。なお、図1は、断面図ではないが、理解をし易くするために、上層電極膜53等にハッチングを施してある。
【0025】
図4に示すように、本実施形態では、XY平面において、中間電極膜52の外縁は下層電極膜51の外縁の外側にあり、中間電極膜52の外縁の下部においては下層電極膜51が除去されている。具体的には、各振動領域22a~22dにおいて、下層電極膜51、中間電極膜52、上層電極膜53は各振動領域22a~22dの上面形状に沿った三角形状とされている。そして、下層電極膜51、中間電極膜52、上層電極膜53は、中間電極膜52が下層電極膜51、上層電極膜53よりも大きくなるように相似形状とされており、XY平面において、下層電極膜51、上層電極膜53は全体が中間電極膜52の内側に入っている。なお、図5では第1振動領域22aにおける下層電極膜51と中間電極膜52の上面形状を示しているが、第2~第4振動領域22b~22dにおいても、同様に、中間電極膜52の外縁の内側に下層電極膜51の全体が配置されている。
【0026】
Z方向に垂直でかつ下層電極膜51、中間電極膜52の外縁に垂直な方向における中間電極膜52の外縁と下層電極膜51の外縁との距離をd1とする。本実施形態では、距離d1は0.2μm以上とされている。
【0027】
各振動領域22a~22dの端面においては、図2に示すように中間電極膜52の端面が上層圧電膜42に覆われていてもよいし、中間電極膜52の端面がスリット30に露出していてもよい。
【0028】
第1~第4振動領域22a~22dの電極膜50は、配線部60によって電気的に直列に接続されている。具体的には、各振動領域22a~22dに形成される各下層電極膜51、各中間電極膜52、各上層電極膜53がそれぞれ並列に接続されつつ、各振動領域22a~22d間が直列に接続されている。
【0029】
配線部60は、下層電極膜51に接続される第1電極部61と、中層電極膜52に接続される第2電極部62と、第1電極部61および第2電極部62を接続する配線膜63とを備えている。また、配線部60は、上層電極膜53に接続される第3電極部64を備えており、第1電極部61および第2電極部62は、配線膜63によって、第3電極部64にも接続されている。
【0030】
支持領域21aには、下層圧電膜41および上層圧電膜42を貫通して下層電極膜51を露出させる第1孔部61aが形成されており、第1電極部61は、下層電極膜51と電気的に接続されるように第1孔部61aに配置された第1貫通電極61bを備えている。また、支持領域21aには、上層圧電膜42を貫通して中層電極膜52を露出させる第2孔部62aが形成されており、第2電極部62は、中層電極膜52と電気的に接続されるように第2孔部62aに配置された第2貫通電極62bを備えている。
【0031】
本実施形態では、第1孔部61aの中間電極膜52における開口部の下部に位置する下層圧電膜41が除去されている。具体的には、第1孔部61aはZ方向を軸方向とする四角柱状に形成されている。そして、Z方向に平行な断面において第1孔部61aの壁面が平坦な形状となるように、中間電極膜52の開口部の下部全体に渡って下層圧電膜41が除去されている。
【0032】
後述するように、第1孔部61aの壁面、第2孔部62aの壁面、および、上層圧電膜42の上面には、層間絶縁膜81が形成されている。第1貫通電極61b、第2貫通電極62bは、それぞれ、層間絶縁膜81によって圧電膜40と絶縁されるように、第1孔部61a、第2孔部62aの内部に配置されている。配線膜63は、層間絶縁膜81の上面に配置されており、第1孔部61a、第2孔部62aの上部において、第1貫通電極61b、第2貫通電極62bと電気的に接続されている。なお、図1では、配線膜63のうち、第1貫通電極61aと第2貫通電極62bとを接続する部分、および、外部回路に接続されるパッド部のみを図示している。
【0033】
振動部20は、支持体10側に、下層電極膜51が配置されるバッファ層70を有している。バッファ層70は、例えば、窒化アルミニウム(AlN)等で構成される。バッファ層70は、下層電極膜51と同じ形状にパターニングされており、下層電極膜51はバッファ層70の上面に形成されている。
【0034】
第1孔部61aおよび第2孔部62aの壁面には、層間絶縁膜81が形成されている。層間絶縁膜81は、電極間のリークを抑制するためのものである。層間絶縁膜81は、上層電極膜53の上面、および、上層電極膜53から露出した上層圧電膜42の上面にも形成されており、第1電極部61と第2電極部62は、層間絶縁膜81の上面に形成された配線膜63を介して接続されている。層間絶縁膜81は、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール(PBO)等の感光性樹脂、または、酸化膜、窒化膜等の絶縁物で構成されている。
【0035】
圧電素子の中央部においては、層間絶縁膜81に開口部81aが形成されており、これにより浮遊領域21bの上層電極膜53が層間絶縁膜81から露出している。
【0036】
以上が本実施形態における圧電素子の構成である。このような圧電素子では、各振動領域22a~22dに音圧等の圧力が印加されると、各振動領域22a~22dが振動する。そして、例えば、各振動領域22a~22dの自由端側が上方に変位した場合、下層圧電膜41には引張応力が発生し、上層圧電膜42には圧縮応力が発生する。したがって、配線部60のパッド部から電荷を取り出すことにより、音圧等の圧力が検出される。
【0037】
本実施形態の圧電素子の製造方法について説明する。まず、支持基板11上に絶縁膜12が配置されたウェハ状の支持体10を用意する。次に、支持体10上にCVD(Chemical Vapor Deposition)法等を用いてバッファ層70および下層電極膜51を順に成膜し、前述した形状にパターニングする。
【0038】
続いて、CVD法等によって下層圧電膜41および中間電極膜52を成膜し、中間電極膜52を前述した形状にパターニングする。同様に、CVD法等によって上層圧電膜42および上層電極膜53を成膜し、上層電極膜53を前述した形状にパターニングする。
【0039】
このようにして圧電膜40および電極膜50を形成した後、エッチングにより下層電極膜51を露出させる第1孔部61a、中間電極膜52を露出させる第2孔部62a、および、絶縁膜12を露出させるスリット30を形成する。また、ダイシングラインに位置する圧電膜40を除去して開口部20aを形成すると共に、絶縁膜12を除去して開口部12aを形成する。
【0040】
その後、層間絶縁膜81を形成する。層間絶縁膜81を感光性樹脂で構成する場合には、支持体10、圧電膜40、電極膜50、バッファ層70を覆うように、ウェハ全体に感光性樹脂を塗布し、図示しないマスクを用いてこの感光性樹脂を露光する。そして、現像により開口部81a、第1孔部61a、第2孔部62aに対応する部分の感光性樹脂を除去し、層間絶縁膜81を形成する。層間絶縁膜81を酸化膜、窒化膜等の絶縁物で構成する場合には、支持体10、圧電膜40、電極膜50、バッファ層70を覆うように、ウェハ全体に絶縁物を積層した後にレジストを塗布し、図示しないマスクを用いてこのレジストを露光する。そして、エッチングにより開口部81a、第1孔部61a、第2孔部62aに対応する部分の絶縁物を除去し、層間絶縁膜81を形成する。
【0041】
続いて、第1孔部61a、第2孔部62aを埋め込むように金属膜を成膜することにより、第1貫通電極61b、第2貫通電極62bを形成する。そして、層間絶縁膜81上に成膜された金属膜をパターニングすることで配線膜63を形成する。これにより、配線部60が形成される。
【0042】
その後は、適宜図示しないマスクを配置してエッチングを行うことにより、凹部10aを形成する。そして、ダイシングラインに沿ってチップ単位に分割する。これにより、支持体10上に振動部20が配置された上記の圧電素子が製造される。
【0043】
本実施形態の効果について説明する。本発明者らは、圧電素子におけるリーク電流について、電極膜の形状とtanδとの関係を調べた。図5に示す第1比較例では、XY平面において中間電極膜52の外縁は下層電極膜51の外縁の内側にある。図6に示す第2比較例では、中間電極膜52が2つに分割されており、2つの中間電極膜52の外縁は下層電極膜51の外縁の内側にある。図7に示す第3比較例では、中間電極膜52が3つに分割されており、3つの中間電極膜52の外縁は下層電極膜51の外縁の内側にある。
【0044】
このような構成により、第1~第3比較例の中間電極膜52全体における周囲長は、第1比較例が最も短く、第3比較例が最も長くなっている。このように中間電極膜52の周囲長を変えてtanδを計測したところ、図8に示すように、中間電極膜52の周囲長が長いほどtanδが大きくなった。
【0045】
図9は、距離d1を変化させてtanδを計測した結果を示す図である。なお、図9において、距離d1は、XY平面において中間電極膜52の外縁が下層電極膜51の外縁の外側にあるときに正の値となり、中間電極膜52の外縁が下層電極膜51の外縁の内側にあるときに負の値となる。また、距離d1は、XY平面において中間電極膜52の外縁と下層電極膜51の外縁が一致しているときに0となる。
【0046】
図9に示すように、距離d1が0以上の範囲では、距離d1が-2μm以下の範囲に比べて、tanδが小さい。そして、距離d1が-2μmより大きく0未満の範囲では、距離d1が0以上の範囲、および、距離d1が-2μm以下の範囲に比べて、距離d1の変化に対してtanδが大きく変化した。
【0047】
図8図9に示す結果から、リーク電流の発生および誘電損失の増加に関与する領域は中間電極膜52の外縁近傍に存在し、中間電極膜52の外縁の下部に下層電極膜51が存在する場合にリーク電流が発生すると考えられる。
【0048】
前述したように、本実施形態では、XY平面において中間電極膜52の外縁が下層電極膜51の外縁の外側にある。したがって、中間電極膜52の外縁の下部に下層電極膜51が存在しないため、リーク電流の発生およびtanδの増加を抑制し、圧電素子の性能低下を抑制することができる。
【0049】
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0050】
(1)第1孔部61aの中間電極膜52における開口部の下部に位置する下層圧電膜41が除去されている。これによれば、第1孔部61aの開口端と下層電極膜51との間にリーク電流の経路となる下層圧電膜41が存在しないため、第1孔部61aにおけるリーク電流の発生を抑制することができる。
【0051】
(2)中間電極膜52の外縁は、下層電極膜51の外縁よりも0.2μm以上外側にある。これによれば、フォトリソグラフィでのアライメントずれやエッチングでのサイズ縮小によってサイズがばらついた場合でも、中間電極膜52の外縁が下層電極膜51の外縁の外側にある状態を維持することができる。
【0052】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して上層電極膜53の大きさを変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0053】
図10図11に示すように、本実施形態では、XY平面において、上層電極膜53の外縁は中間電極膜52の外縁の外側にあり、上層電極膜53の外縁の下部においては中間電極膜52が除去されている。本実施形態では、下層電極膜51、中間電極膜52がそれぞれ第1電極膜、第2電極膜に相当するとともに、中間電極膜52、上層電極膜53がそれぞれ第1電極膜、第2電極膜に相当する。
【0054】
Z方向に垂直でかつ中間電極膜52、上層電極膜53の外縁に垂直な方向における上層電極膜53の外縁と中間電極膜52の外縁との距離をd2とする。
【0055】
本実施形態では、第2孔部62aは、上層圧電膜42および上層電極膜53を貫通しており、第2孔部62aの上層電極膜53における開口部の下部に位置する上層圧電膜42が除去されている。具体的には、第2孔部62aはZ方向を軸方向とする四角柱状に形成されている。そして、Z方向に平行な断面において第2孔部62aの壁面が平坦な形状となるように、上層電極膜53の開口部の下部全体に渡って上層圧電膜42が除去されている。
【0056】
上層電極膜53の外縁が中間電極膜52の外縁の内側にあると、上層電極膜53の形成後にミリング等を行った場合に、上層電極膜53の外縁近傍でリーク電流が発生するおそれがある。本実施形態では、上層電極膜53の外縁が中間電極膜52の外縁の外側にあるため、このリーク電流の発生を抑制することができる。なお、距離d2は、距離d1と同様に、フォトリソグラフィでのアライメントずれや、エッチングでのサイズ縮小を考慮して、0.2μm以上とすることが望ましい。
【0057】
また、第2孔部62aの上層電極膜53における開口部の下部に位置する上層圧電膜42が除去されており、第2孔部62aの開口端と中間電極膜52との間にリーク電流の経路となる上層圧電膜42が存在しない。したがって、第2孔部62aにおけるリーク電流の発生を抑制することができる。
【0058】
本実施形態は、第1実施形態と同様の構成および作動からは第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0059】
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態は、第2実施形態に対して保護膜を追加したものであり、その他については第2実施形態と同様であるため、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0060】
図12に示すように、本実施形態の圧電素子は、下層圧電膜41と中間電極膜52との間に配置された下層保護膜91と、上層圧電膜42と上層電極膜53との間に配置された上層保護膜92とを備える。下層保護膜91、上層保護膜92は、シリコン等の酸化物または窒化物で構成されている。
【0061】
本実施形態は、第1、第2実施形態と同様の構成および作動からは第1、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0062】
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0063】
(1)下層圧電膜41と中間電極膜52との間に配置された下層保護膜91を備える。また、上層圧電膜42と上層電極膜53との間に配置された上層保護膜92を備える。これによれば、中間電極膜52のエッチングによるダメージが下層圧電膜41および下層電極膜51に到達することを抑制するとともに、上層電極膜53のエッチングによるダメージが上層圧電膜42および中間電極膜52に到達することを抑制することができる。したがって、リーク電流の発生をさらに抑制することができる。
【0064】
(2)下層保護膜91、上層保護膜92は、酸化膜または窒化膜で構成されている。これによれば、簡易な工程で下層保護膜91、上層保護膜92を形成することができる。
【0065】
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。本実施形態は、第3実施形態に対して中間電極膜52、上層電極膜53の構成を変更したものであり、その他については第3実施形態と同様であるため、第3実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0066】
図13に示すように、本実施形態では、下層圧電膜41、上層圧電膜42、下層保護膜91、上層保護膜92を貫通して下層電極膜51の上面を露出させるスリット20bが各振動領域22a~22dに形成されている。スリット20bは、XY平面において下層電極膜51の外縁の内側に形成されており、下層電極膜51の上面と相似な三角形の枠状に開口している。すなわち、下層圧電膜41、上層圧電膜42は、スリット20bによって三角形状の領域と他の領域とに区画されている。
【0067】
中間電極膜52、上層電極膜53は、側面がスリット20bの内壁面に露出するように、振動部20のうちスリット20bで囲まれた部分にのみ形成されている。すなわち、XY平面において中間電極膜52、上層電極膜53の外縁は一致しており、下層電極膜51の外縁の内側にある。本実施形態では、下層電極膜51が第1電極膜に相当し、中間電極膜52が第2電極膜に相当する。
【0068】
スリット20bにおいて、中間電極膜52、上層電極膜53の側面の下部に位置する下層圧電膜41、上層圧電膜42は除去されている。具体的には、スリット20bはZ方向に延設された三角枠状のスリットとされている。そして、Z方向に平行な断面においてスリット20bの壁面が平坦な形状となるように、中間電極膜52、上層電極膜53が除去された部分の下部全体に渡って下層圧電膜41、上層圧電膜42が除去されている。
【0069】
スリット20bの内部は、埋め込み絶縁膜82によって埋め込まれている。埋め込み絶縁膜82は、絶縁性材料で構成されている。詳細には、埋め込み絶縁膜82は、層間絶縁膜81と同じ材料、すなわち、ポリイミド、PBO等の感光性樹脂、または、酸化膜、窒化膜等の絶縁物で構成されている。なお、本実施形態ではスリット20bは浮遊領域21bから支持領域21aに至るように形成されており、支持領域21aに形成されたスリット20bは、層間絶縁膜81によって埋め込まれている。
【0070】
本実施形態は、第1~第3実施形態と同様の構成および作動からは第1~第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0071】
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0072】
(1)スリット20bの開口部の下部に位置する下層圧電膜41、上層圧電膜42が除去されている。これによれば、スリット20bの内壁面に露出した中間電極膜52、上層電極膜53の側面と下層電極膜51との間にリーク電流の経路となる下層圧電膜41、上層圧電膜42が存在しないため、スリット20bにおけるリーク電流の発生を抑制することができる。
【0073】
(2)スリット20bの内部が埋め込み絶縁膜82で埋め込まれている。これによれば、下層圧電膜41、上層圧電膜42が除去された部分における短絡を抑制し、圧電素子の信頼性を向上させることができる。
【0074】
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
【0075】
第1、第2実施形態において、下層電極膜51、中間電極膜52、上層電極膜53が相似形状とされていなくてもよい。この場合、第1実施形態では、XY平面における下層電極膜51の外縁と中間電極膜52の外縁との最短距離を0.2μm以上とすることが望ましい。また、第2実施形態では、XY平面における中間電極膜52の外縁と上層電極膜53の外縁との最短距離を0.2μm以上とすることが望ましい。
【0076】
第2実施形態において、XY平面で中間電極膜52の外縁が下層電極膜51の外縁と同じ位置にあってもよいし、中間電極膜52の外縁が下層電極膜51の外縁の内側にあってもよい。このような構成においても、中間電極膜52と上層電極膜53との間のリーク電流を抑制することができる。しかしながら、下層圧電膜41は上層圧電膜42の下地となるため、下層圧電膜41の上下に配置された下層電極膜51、中間電極膜52において、XY平面で下層電極膜51が中間電極膜52の外縁の内側に配置された構成とすることが望ましい。
【0077】
第3実施形態において、圧電素子が下層保護膜91および上層保護膜92のうちいずれか一方のみを備えていてもよい。XY平面で中間電極膜52の外縁が下層電極膜51の外縁と同じ位置にあってもよいし、中間電極膜52の外縁が下層電極膜51の外縁の内側にあってもよい。中間電極膜52の外縁が下層電極膜51の外縁と一致する場合や、下層電極膜51の外縁の内側にある場合にも、下層保護膜91によってリーク電流を抑制することができる。同様に、上層電極膜53の外縁が中間電極膜52の外縁と同じ位置にあってもよいし、上層電極膜53の外縁が中間電極膜52の外縁の内側にあってもよい。
【0078】
第4実施形態において、XY平面で上層電極膜53の外縁が中間電極膜52の外縁の内側にあり、スリット20bが上層圧電膜42を貫通して中間電極膜52の上面を露出させるように形成されていてもよい。このような構成では、中間電極膜52が第1電極膜に相当し、上層電極膜53が第2電極膜に相当する。また、圧電素子が下層保護膜91、上層保護膜92を備えていなくてもよい。また、スリット20bの内部が層間絶縁膜81、埋め込み絶縁膜82によって埋め込まれていなくてもよい。
【0079】
(本開示の特徴)
[第1の観点]
圧電素子であって、
支持体(10)と、
前記支持体に積層された第1電極膜(51、52)と、
前記第1電極膜に積層された圧電膜(41、42)と、
前記圧電膜に積層された第2電極膜(52、53)と、を備え、
前記第1電極膜、前記圧電膜、前記第2電極膜の積層方向に垂直な平面において、前記第2電極膜の外縁は、前記第1電極膜の外縁の外側にある圧電素子。
[第2の観点]
前記第2電極膜の上部に配置された配線膜(63)と、
前記第1電極膜と前記配線膜とを接続する貫通電極(61b、62b)と、を備え、
前記貫通電極は、前記第2電極膜および前記圧電膜を貫通して前記第1電極膜を露出させる孔部(61a、62a)の内部に配置されており、
前記孔部の前記第2電極膜における開口部の下部に位置する前記圧電膜が除去されている第1の観点に記載の圧電素子。
[第3の観点]
前記第2電極膜の外縁は、前記第1電極膜の外縁よりも0.2μm以上外側にある第1または第2の観点に記載の圧電素子。
[第4の観点]
圧電素子であって、
支持体(10)と、
前記支持体に積層された第1電極膜(51、52)と、
前記第1電極膜に積層された圧電膜(41、42)と、
前記圧電膜に積層された第2電極膜(52、53)と、を備え、
前記第1電極膜、前記圧電膜、前記第2電極膜の積層方向に垂直な平面において、前記第2電極膜の外縁は、前記第1電極膜の外縁の内側にあり、
前記圧電膜は、前記第1電極膜の上面および前記第2電極膜の側面を露出させるスリット(20b)によって区画されており、
前記スリットにおいて該側面の下部に位置する前記圧電膜が除去されている圧電素子。
[第5の観点]
前記スリットの内部が絶縁膜(81、82)で埋め込まれている第4の観点に記載の圧電素子。
[第6の観点]
前記圧電膜と前記第2電極膜との間に配置された保護膜(91、92)を備える第1ないし第5の観点のいずれか1つに記載の圧電素子。
[第7の観点]
前記保護膜は、窒化物または酸化物で構成されている第6の観点に記載の圧電素子。
[第8の観点]
前記支持体に積層された下層電極膜(51)と、
前記下層電極膜に積層された下層圧電膜(41)と、
前記下層圧電膜に積層された中間電極膜(52)と、
前記中間電極膜に積層された上層圧電膜(42)と、
前記上層圧電膜に積層された上層電極膜(53)と、を備え、
前記第1電極膜は前記下層電極膜で構成されており、
前記第2電極膜は前記中間電極膜で構成されている第1ないし第7の観点のいずれか1つに記載の圧電素子。
[第9の観点]
前記支持体に積層された下層電極膜(51)と、
前記下層電極膜に積層された下層圧電膜(41)と、
前記下層圧電膜に積層された中間電極膜(52)と、
前記中間電極膜に積層された上層圧電膜(42)と、
前記上層圧電膜に積層された上層電極膜(53)と、を備え、
前記第1電極膜は前記中間電極膜で構成されており、
前記第2電極膜は前記上層電極膜で構成されている第1ないし第7の観点のいずれか1つに記載の圧電素子。
[第10の観点]
前記圧電膜に印加される音圧を検出するマイクロフォンである第1ないし第9の観点のいずれか1つに記載の圧電素子。
【符号の説明】
【0080】
10 支持体
41 下層圧電膜
42 上層圧電膜
51 下層電極膜
52 中間電極膜
53 上層電極膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13