(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156520
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】カバー
(51)【国際特許分類】
G01D 11/30 20060101AFI20241029BHJP
G01D 11/26 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
G01D11/30 S
G01D11/26 E
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023071053
(22)【出願日】2023-04-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-23
(71)【出願人】
【識別番号】320011650
【氏名又は名称】大陽日酸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢島 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】赤井 康昭
(57)【要約】
【課題】センサの着脱が容易なカバーを提供する。
【解決手段】測定装置1用のカバー10であって、設置面12aを有し、透明なカバー本体11と、設置面12aに設けられ、センサ70と嵌め合う嵌合部16と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定装置用のカバーであって、
設置面を有し、透明なカバー本体と、
前記設置面に設けられ、センサと嵌め合う嵌合部と、
を備える、カバー。
【請求項2】
前記嵌合部は、
前記設置面に設けられ、前記設置面に接触する前記センサを囲う環状の保持部材と、
前記設置面に設けられ、前記設置面に対して、前記設置面に沿う沿面方向に弾性的に変位し、前記センサの段部に、係止する爪と、
を有する、請求項1に記載のカバー。
【請求項3】
前記嵌合部は、
前記設置面から、前記設置面に交差する交差方向の第1側に向かって延びる支持部材と、
可撓性を有し、自身の端部が、前記支持部材に支持された可撓部材と、
を有し、
前記可撓部材における前記端部よりも前記交差方向の第2側に、前記爪が配置されている、請求項2に記載のカバー。
【請求項4】
前記嵌合部は、前記爪を一対有し、
前記一対の爪は、前記沿面方向に互いに間隔を空けて配置されている、請求項2又は3に記載のカバー。
【請求項5】
前記カバー本体に設けられ、前記嵌合部周りの角度を表す指標を備える、請求項1又は2に記載のカバー。
【請求項6】
前記カバー本体は、
円板状に形成され、自身の主面が前記設置面である本体部と、
前記本体部の外周縁から、前記設置面に交差する交差方向に向かって突出する筒状部と、
前記筒状部が突出する端部から、前記本体部の径方向外側に向かって突出するフランジと、
を有する、請求項2又は3に記載のカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液面測定装置、圧力測定装置等の測定装置において、測定結果を針の向きで表すことが行われている(例えば、特許文献1参照)。測定装置の針には、指針読取装置が取付けられ、針の向きが検出される。
指針読取装置は、磁石と、磁気センサ(センサ)と、を備える。磁石は、針における、針が回転する軸線上の部分に取付けられる。磁気センサは、測定装置のカバーの開口部に、センサケースを用いて取付けられる。磁気センサは、磁石の軸線回り向きを検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、コールド・エバポレータ貯槽に、液面測定装置等である測定装置が取付けられている場合には、高圧ガス保安法に基づき、測定装置を定期自主検査する必要がある。この場合には、カバーから磁気センサを取外したうえで測定装置を校正し、カバーに再び磁気センサを取付ける必要がある。
しかしながら、特許文献1の測定装置では、カバーに磁気センサを着脱する構造に改善の余地がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、センサの着脱が容易なカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明の態様1は、測定装置用のカバーであって、設置面を有し、透明なカバー本体と、前記設置面に設けられ、センサと嵌め合う嵌合部と、を備える、カバーである。
この発明では、例えば、カバーが用いられる測定装置の針の向きを、透明なカバー本体を通して視認することができる。また、センサは、設置面に設けられた嵌合部により、嵌め合いによりカバー本体に取付けられる。このため、例えば、センサ及び嵌合部のうち、一方の窪みに他方を入れることにより、センサ及び嵌合部を容易に装着し、一方の窪みから他方を取外すことにより、センサ及び嵌合部を容易に離脱させることができる。従って、カバーからセンサを容易に着脱させることができる。
【0007】
(2)本発明の態様2は、前記嵌合部は、前記設置面に設けられ、前記設置面に接触する前記センサを囲う環状の保持部材と、前記設置面に設けられ、前記設置面に対して、前記設置面に沿う沿面方向に弾性的に変位し、前記センサの段部に、係止する爪と、を有する、(1)に記載のカバーであってもよい。
この発明では、保持部材は、設置面に接触するセンサを囲うため、センサが設置面に沿う方向に移動するのが規制される。そして、爪が、設置面に対して沿面方向に弾性的に変位し、センサの段部に係止する。このため、設置面に対してセンサが設置面に交差する方向に移動するのが規制される。
以上のようにして、嵌合部が有する保持部材及び爪により、嵌合部がセンサと嵌め合うことができる。
【0008】
(3)本発明の態様3は、前記嵌合部は、前記設置面から、前記設置面に交差する交差方向の第1側に向かって延びる支持部材と、可撓性を有し、自身の端部が、前記支持部材に支持された可撓部材と、を有し、前記回転部材における前記端部よりも前記交差方向の第2側に、前記爪が配置されている、(2)に記載のカバーであってもよい。
この発明では、可撓部材が撓むことにより、爪を沿面方向に弾性的に変位させることができる。そして、支持部材により、カバー本体の設置面上で可撓部材を支持することができる。また、可撓部材における端部よりも交差方向の第2側に、爪が配置されているため、可撓部材の端部よりも設置面に近い位置で、センサの移動を安定的に規制することができる。
【0009】
(4)本発明の態様4は、前記嵌合部は、前記爪を一対有し、前記一対の爪は、前記沿面方向に互いに間隔を空けて配置されている、(2)又は(3)に記載のカバーであってもよい。
この発明では、沿面方向の両側からセンサを挟むように、センサの移動を安定的に規制することができる。
【0010】
(5)本発明の態様5は、前記カバー本体に設けられ、前記嵌合部周りの角度を表す指標を備える、(1)から(4)のいずれか一に記載のカバーであってもよい。
この発明では、作業者は、指標を視認することで、例えば分度器を用いることなく、嵌合部周りの角度を理解することができる。
【0011】
(6)本発明の態様6は、前記カバー本体は、円板状に形成され、自身の主面が前記設置面である本体部と、前記本体部の外周縁から、前記設置面に交差する交差方向に向かって突出する筒状部と、前記筒状部が突出する端部から、前記本体部の径方向外側に向かって突出するフランジと、を有する、(1)から(5)のいずれか一に記載のカバーであってもよい。
この発明では、例えば、カバー本体の外周縁を装置本体により保持する際に、本体部が装置本体から離間するように、フランジを保持する。これにより、例えば、装置本体に取付けられた針等の部材から、本体部を離間させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のカバーでは、センサの着脱を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態の液面測定装置の斜視図である。
【
図8】同カバーにカバー指標を設ける方法の一例を示す断面図である。
【
図9】同カバーから磁気センサを取外す方法を説明する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るカバー及び測定装置の一実施形態を、
図1から
図9を参照しながら説明する。
図1に示すように、液面測定装置(測定装置)1は、コールド・エバポレータ貯槽100に取付けて用いられる。コールド・エバポレータ貯槽100は、例えば、二重殻による真空断熱構造である。コールド・エバポレータ貯槽100内には、液化酸素、液化窒素等の超低温の液化ガスが貯蔵されている。
コールド・エバポレータ貯槽100には、液面測定装置1以外に、圧力測定装置105が取付けられている。液面測定装置1の後述する液面計35及び圧力測定装置105の上方及び側方は、日除け106に覆われている。
【0015】
図1から
図3に示すように、液面測定装置1は、カバー10と、液面計35と、磁石60と、磁石固定具65と、磁気センサ(センサ)70と、無線通信部80と、を備える。
図2及び
図4に示すように、カバー10は、液面測定装置1用のカバーである。カバー10は、カバー本体11と、嵌合部16と、を有する。カバー本体11は、本体部12と、筒状部13と、フランジ14と、を有する。
本体部12は、円板状に形成されている。本体部12の主面は、嵌合部16が設けられる設置面12aである。言い換えれば、本体部12は設置面12aを有する。
設置面12aは、設置面12aに直交する直交方向(交差方向)Zの第1側Z1(以下では、単に第1側Z1とも言う)を向く面である。なお、交差方向は、設置面12aに交差する方向であってもよい。以下では、本体部12における設置面12aとは反対側の面を、反設置面12bと言う。
【0016】
筒状部13は、円筒状に形成されている。筒状部13は、本体部12の外周縁から、直交方向Zにおける第1側Z1とは反対側の第2側Z2(以下では、単に第2側Z2とも言う)に向かって、本体部12の全周にわたって突出している。筒状部13の内径及び外径は、筒状部13が突出する向きである第2側Z2に向かうに従い、それぞれ大きくなる。
フランジ14は、円環状に形成されている。フランジ14は、筒状部13における、筒状部13が突出する第2側Z2の端部から、本体部12の径方向外側に向かって、筒状部13の全周にわたって突出している。
【0017】
図4及び
図5に示すように、嵌合部16は、設置面12aに設けられ、磁気センサ70と嵌め合う。
図5から
図7に示すように、嵌合部16は、センサ保持部材(保持部材)17と、2つの爪ユニット18A,18Bと、を有する。
センサ保持部材17は、磁気センサ70の形状に対応して環状に形成され、設置面12aに設けられている。より詳しくは、
図5に示すカバー10の正面視において、センサ保持部材17は、設置面12aに沿う第1沿面方向Xに長い額縁状である。センサ保持部材17は、壁体17aが額縁状に形成されて構成されている。
ここで、設置面12aに沿うとともに、第1沿面方向Xに直交する方向を第2沿面方向(沿面方向)Yと規定する。
【0018】
前記正面視において、センサ保持部材17では、第1沿面方向Xの第1側の壁体17aが、半円弧状である。
図5及び
図6に示すように、センサ保持部材17における第1沿面方向Xの第2側の部分の壁体17aには、切欠き17bが形成されている。切欠き17bは、壁体17aの第2沿面方向Yの中間部における第1側Z1の部分に形成されている。
センサ保持部材17は、センサ保持部材17内に配置され、設置面12aに接触する磁気センサ70を囲う。
【0019】
図5に示すように、本実施形態では、爪ユニット18Aの構成と爪ユニット18Bの構成とは、本体部12の軸線(中心軸線)O1を含む基準面S1に対して面対称である。軸線O1は、直交方向Zに沿って延びる線である。
このため、爪ユニット18Aの構成を、符号の数字、又は数字及び英小文字に英大文字「A」を付加することで示す。爪ユニット18Bのうち爪ユニット18Aに対応する構成を、爪ユニット18Aの符号と同一の数字、又は数字及び英小文字に英大文字「B」を付加することで示す。これにより、重複する説明を省略する。例えば、爪ユニット18Aの後述する支持部材21Aと爪ユニット18Bの後述する支持部材21Bとは、基準面S1に対して面対称である。
磁気センサ70の後述する段部75A,75Bについても、同様である。
【0020】
図6及び
図7に示すように、爪ユニット18Aは、支持部材21Aと、可撓部材22Aと、爪(凸部)23Aと、を有する。
支持部材21Aは、自身の厚さ方向が第2沿面方向Yとなる、平板状に形成されている。支持部材21Aは、本体部12の設置面12aから、第1側Z1に向かって延びている。
本実施形態では、支持部材21Aにおける第2側Z2の部分は、センサ保持部材17における第2沿面方向Yの第1側Y1(以下では、単に第1側Y1とも言う)の壁体17aと一体になっている。支持部材21Aにおける第1側Z1の部分は、第1側Z1に向かうに従い漸次、第1沿面方向Xの長さが短くなる。
図6に示すように、第2沿面方向Yに見たときの支持部材21Aの中間部には、開口21aAが形成されている。開口21aAは、第2沿面方向Yに見たときに矩形状を呈し、支持部材21Aを第2沿面方向Yに貫通している。
【0021】
図6及び
図7に示すように、可撓部材22Aは、自身の厚さ方向が第2沿面方向Yとなる、平板状に形成されている。可撓部材22Aは、第2沿面方向Yに見たときに矩形状を呈している。可撓部材22Aは、支持部材21Aの開口21aA内に配置されている。
可撓部材22Aの第1側Z1の端部22aAは、支持部材21Aにおける開口21aAの周縁部に接続されている。可撓部材22Aの端部22aAは、支持部材21Aに支持されている。このため、
図6に示す第2沿面方向Yに見たときに、可撓部材22Aの周囲には、第1側Z1が開口するU字状の切欠き21bAが形成されている。
【0022】
図6及び
図7に示すように、爪23Aは、可撓部材22Aにおける端部22aAよりも第2側Z2に配置されている。この例では、爪23Aは、可撓部材22Aにおける第2側Z2の端部に配置されている。爪23Aは、可撓部材22Aの端部から、第2沿面方向Yにおける第1側Y1とは反対側の第2側Y2(以下では、単に第2側Y2とも言う)に向かって突出している。
図7に示すように、爪23Aにおける第1側Z1の部分には、第2側Y2に向かうに従い漸次、第2側Z2に向かうように傾斜した傾斜面23aAが形成されている。
爪23Aは、設置面12aに、支持部材21A及び可撓部材22Aを介して設けられている。直交方向Zにおいて、爪23Aは、可撓部材22Aの端部22aAと設置面12aとの間に配置されている。
爪23Aは、可撓部材22A等の撓みにより、設置面12aに対して、第2沿面方向Yに弾性的に変位する。
【0023】
爪ユニット18Bは、爪ユニット18Aの支持部材21A、可撓部材22A、爪23Aに対して、基準面S1に対して面対称に形成された支持部材21B、可撓部材22B、爪23Bを有する。
すなわち、嵌合部16は、一対の爪23A,23Bを有する。爪23A,23Bは、第2沿面方向Yに互いに間隔を空けて配置されている。
図4に示すように、嵌合部16は、設置面12aにおける軸線O1上に設けられている。
【0024】
カバー10が有するカバー本体11及び嵌合部16は、合成樹脂等の、無色透明かつ可撓性を有する材料で一体に形成されている。カバー10は、ポリーカーボネートで形成されていることが好ましい。
図4に示すように、例えば、本体部12の反設置面12bには、カバー指標(指標)25が設けられている。例えば、カバー指標25は、第1指標26,27と、複数の第2指標28と、を有する。
第1指標26は、液面計35の後述する針37の校正時の基準となる位置を表す、線による目印である。第1指標27は、針37の嵌合部16(軸線O1)周りの角度を表す、点や線による目印である。
複数の第2指標28は、針37の嵌合部16周りの角度を表す、数値である。
カバー指標25の色は、液面計35の後述する本体指標47の黒色とは異なることが好ましい。カバー指標25の色は、水色であることがより好ましい。
【0025】
図2及び
図3に示すように、液面計35は、装置本体36と、針37と、を有する。
装置本体36は、収容部40と、カバー保持部材41と、封止部材42と、を有する。
図2に示すように、収容部40は、有底円筒状に形成されている。すなわち、収容部40は、周壁45と、底壁46と、を有する。
周壁45は、円筒状に形成され、軸線O1上に配置されている。周壁45の外周面には、雄ネジ45aが形成されている。
底壁46は、周壁45の第2側Z2の端部を封止している。底壁46における第1側Z1を向く面46aは、白色である。
図3に示すように、面46aには本体指標47が設けられている。本体指標47は、液面の高さを表す目印及び数値である。例えば、本体指標47は、黒色である。本体指標47は、液面測定装置1を目視する作業者が、通常の業務において、コールド・エバポレータ貯槽100内の液化ガスの液面の高さを測定するのに用いられる。
【0026】
図2及び
図3に示すように、カバー保持部材41は、周壁50と、押え部51と、を有する。
周壁50は、円筒状に形成され、軸線O1上に配置されている。周壁50の内周面には、周壁45の雄ネジ45aに嵌め合う雌ネジ50aが形成されている。
押え部51は、周壁50の第1側Z1の端部から、周壁50の径方向内側に向かって突出している。押え部51は、周壁50の全周にわたって設けられている。押え部51は、収容部40の周壁45よりも第1側Z1に配置されている。
【0027】
図2に示すように、封止部材42は、周壁54と、フランジ部55と、を有する。
周壁54は、円筒状に形成され、収容部40の周壁45の径方向内側に配置されている。フランジ部55は、周壁54の第1側Z1の端部から、周壁54の径方向外側に向かって突出している。フランジ部55は、周壁54の全周にわたって設けられている。
装置本体36が有する収容部40の周壁45及びカバー保持部材41の押え部51は、封止部材42のフランジ部55及びカバー本体11のフランジ14(カバー本体11の外周縁)を、直交方向Zに挟んで保持している。
カバー保持部材41は、収容部40に着脱可能に装着されている。
収容部40、カバー保持部材41、及び封止部材42は、それぞれ合成樹脂等で一体に形成されている。
【0028】
図2及び
図3に示すように、針37は、棒状に形成され、軸線O1に直交する方向に延びている。針37は、装置本体36内に配置されている。
針37には、公知の液面検出部(不図示)が接続されている。液面検出部は、コールド・エバポレータ貯槽100内の液化ガスの液面を検出し、その検出結果に基づいて、針37を軸線O1回りに回転させる。
【0029】
例えば、磁石60には、円柱状の永久磁石が用いられる。
図2に示すように、磁石60は、公知の磁石固定具65により、針37における軸線O1上の部分に取付けられている。
磁気センサ70は、磁石60の軸線O1回り向きを検出する公知のセンサである。
図5から
図7に示すように、例えば、磁気センサ70は、ケース71と、検出部(不図示)と、を有する。
図5に示す直交方向Zに見たときに、ケース71は、カバー10のセンサ保持部材17よりもわずかに小さい形状に形成されている。
図5から
図7に示すように、ケース71の第2沿面方向Yの両側面には、段部(窪み)75A,75Bが形成されている。
【0030】
段部75Aにおける第2側Z2の部分は、段部75Aにおける第1側Y1の部分よりも第1側Y1に突出している。
図7に示すように、カバー10の爪23Aは、磁気センサ70の段部75Aに、段部75Aの第1側Z1から係止している。
こうして、磁気センサ70は、カバー10の嵌合部16と嵌め合っている。
検出部は、コイル等により、磁石60の軸線O1回り向きを検出する。検出部は、ケース71内に収容されている。検出部は、検出結果を配線72に送る。
配線72の第1端部は、検出部に接続されている。配線72における第1端部とは反対側の第2端部は、無線通信部80に接続されている。
【0031】
無線通信部80は、公知の装置である。例えば、無線通信部80は、LPWA(Low Power Wide Area)等の無線通信規格に基づいて、検出結果を無線通信により送信する。
図1に示すように、例えば、無線通信部80は日除け106に取付けられている。
【0032】
なお、
図8に示すように、カバー10の反設置面12bにカバー指標25を設けるには、タンポ110を用いたタンポ印刷により設けることが好ましい。
【0033】
以上のように構成された液面測定装置1において、以下のように定期自主検査が行われる。
まず、カバー10の嵌合部16から磁気センサ70を取外す。具体的には、
図9に示すように、カバー10の嵌合部16に対して、磁気センサ70のケース71の第1沿面方向Xの第2側の部分を第1側Z1に移動させる。このとき、嵌合部16の爪23A,23Bが第2沿面方向Yに沿って互いに離間するように変位する。このため、磁気センサ70の段部75A,75Bと嵌合部16の爪23A,23Bとの係止が解除され、嵌合部16から磁気センサ70を第1側Z1に取外すことができる。
【0034】
なお、磁気センサ70を取外し難い場合には、
図5に二点鎖線L1で示すように、支持部材21A,21Bにおける、第1側Z1かつ第1沿面方向Xの第1側の部分を、第2沿面方向Yに互いに接近させるように変形させる。すると、爪23A,23Bが互いに第2沿面方向Yに離間するように変位し、磁気センサ70が取外しやすくなる。
次に、作業者は、カバー10に設けられたカバー指標25等を用いて、液面測定装置1を適宜校正する。この際に、カバー指標25が水色であれば、作業者の視野内に黒色の本体指標47が入っても、カバー指標25が見難くなり難い。
【0035】
次に、カバー10の嵌合部16に磁気センサ70を取付ける。具体的には、嵌合部16に対する第1側Z1から、磁気センサ70を第2側Z2に押し込む。すると、爪23A,23Bの傾斜面23aA,23aBにケース71の第2側Z2の面が接触する。磁気センサ70を第2側Z2に押し込む力により、爪23A,23Bが第2沿面方向Yの外側に変位する。ケース71における第2側Z2の部分が爪23A,23Bよりも第2側Z2に移動すると、カバー本体11の設置面12aに磁気センサ70が接触するとともに、センサ保持部材17内に磁気センサ70の第2側Z2の部分が配置される。爪23A,23Bが、磁気センサ70の段部75A,75Bに、段部75A,75Bの第1側Z1から係止し、嵌合部16に磁気センサ70が嵌め合う。
以上の工程を行うことにより、定期自主検査が終了する。
【0036】
以上説明したように、本実施形態のカバー10では、カバー10が用いられる液面測定装置1の針37の向きを、透明なカバー本体11を通して視認することができる。また、磁気センサ70は、設置面12aに設けられた嵌合部16により、嵌め合いによりカバー本体11に取付けられる。このため、例えば、磁気センサ70及び嵌合部16のうち、一方の窪みに他方を入れることにより、磁気センサ70及び嵌合部16を容易に装着し、一方の窪みから他方を取外すことにより、磁気センサ70及び嵌合部16を容易に離脱させることができる。従って、カバー10から磁気センサ70を容易に着脱させることができる。
磁気センサ70を、カバー10における軸線O1上に容易に位置決めして取付けることができる。
【0037】
嵌合部16は、センサ保持部材17及び爪23A,23Bを有する。センサ保持部材17は、設置面12aに接触する磁気センサ70を囲うため、磁気センサ70が設置面12aに沿う第1沿面方向X及び第2沿面方向Yに移動するのが規制される。そして、爪23A,23Bが、設置面12aに対して第2沿面方向Yに弾性的に変位し、磁気センサ70の段部75A,75Bに係止する。このため、設置面12aに対して磁気センサ70が直交方向Zに移動するのが規制される。
以上のようにして、嵌合部16が有するセンサ保持部材17及び爪23A,23Bにより、嵌合部16が磁気センサ70と嵌め合うことができる。
【0038】
可撓部材22Aが撓むことにより、爪23Aを第2沿面方向Yに弾性的に変位させることができる。そして、支持部材21Aにより、カバー本体11の設置面12a上で可撓部材22Aを支持することができる。また、可撓部材22Aにおける端部22aAよりも第2側Z2に爪23Aが配置されているため、可撓部材22Aの端部22aAよりも設置面12aに近い位置で、磁気センサ70の移動を安定的に規制することができる。
嵌合部16は一対の爪23A,23Bを有し、一対の爪23A,23Bは第2沿面方向Yに互いに間隔を空けて配置されている。このため、第2沿面方向Yの両側から磁気センサ70を挟むように、磁気センサ70の移動を安定的に規制することができる。
【0039】
カバー10は、カバー指標25を備える。従って、作業者は、カバー指標25を視認することで、例えば分度器を用いることなく、嵌合部16周りの角度を理解することができる。
カバー本体11は、本体部12と、筒状部13と、フランジ14と、を有する。そして、カバー本体11の外周縁を装置本体36により保持する際に、本体部12が装置本体36から第1側Z1に離間するように、フランジ14を保持する。これにより、例えば、カバー本体の形状が、
図2に二点鎖線L3で示す平坦な円板状である場合に比べて、装置本体36に取付けられた針37、磁石固定具65等の部材から、本体部12を離間させることができる。
【0040】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。
例えば、前記実施形態では、磁気センサ70のケース71には、段部75A,75Bに代えて、爪23A,23Bが係止する溝等が形成されてもよい。例えば、溝は、段部75Aと、第2段部により構成することができる。
【0041】
嵌合部16が支持部材21Aを有さず、可撓部材が設置面12aから第1側Z1に向かって延びるとともに、爪23Aが可撓部材の第1側Z1の端部に設けられてもよい。
嵌合部16は、爪ユニット18A,18Bのうち一方のみを備えてもよい。
センサは、磁気センサ70に限定されない。例えば、センサは、針37の位置を検出する近接センサ等でもよい。
【0042】
嵌合部16は、爪23A,23Bに代えて、第2沿面方向Yに移動可能なボルトを備えてもよい。この場合、ボルトが磁気センサ70の段部75A,75Bに係止する。
カバー10は、カバー指標25を備えなくてもよい。カバー本体は、平坦な円板状に形成されてもよい。嵌合部16は、透明でなくてもよい。
圧力測定装置105が、カバー10、磁石60、磁石固定具65、及び磁気センサ70を備え、無線通信部80が圧力測定装置105の検出結果を無線通信により送信してもよい。検出結果は、有線通信により送信されてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 液面測定装置(測定装置)
10 カバー
11 カバー本体
12 本体部
12a 設置面
13 筒状部
14 フランジ
16 嵌合部
17 センサ保持部材(保持部材)
21A,21B 支持部材
22aA,22aB 端部
22A,22B 可撓部材
23A,23B 爪
25 カバー指標(指標)
36 装置本体
37 針
60 磁石
70 磁気センサ(センサ)
75A,75B 段部
O1 軸線
Y 第2沿面方向(沿面方向)
Z 直交方向(交差方向)
【手続補正書】
【提出日】2023-08-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定装置用のカバーであって、
設置面を有し、透明なカバー本体と、
前記設置面に設けられ、センサと嵌め合う嵌合部と、
を備え、
前記嵌合部は、
前記設置面に設けられ、前記設置面に接触する前記センサを囲う保持部材と、
前記設置面に設けられ、前記設置面に対して、前記設置面に沿う沿面方向に弾性的に変位し、前記センサの段部に、係止する爪と、
前記設置面から、前記設置面に交差する交差方向の第1側に向かって延びる支持部材と、
可撓性を有し、自身の端部が、前記支持部材に支持された可撓部材と、
を有し、
前記可撓部材における前記端部よりも前記交差方向の第2側に、前記爪が配置されている、カバー。
【請求項2】
前記嵌合部は、前記爪を一対有し、
前記一対の爪は、前記沿面方向に互いに間隔を空けて配置されている、請求項1に記載のカバー。
【請求項3】
前記カバー本体に設けられ、前記嵌合部周りの角度を表す指標を備える、請求項1に記載のカバー。
【請求項4】
前記カバー本体は、
円板状に形成され、自身の主面が前記設置面である本体部と、
前記本体部の外周縁から、前記設置面に交差する交差方向に向かって突出する筒状部と、
前記筒状部が突出する端部から、前記本体部の径方向外側に向かって突出するフランジと、
を有する、請求項1に記載のカバー。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
前記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明の態様1は、測定装置用のカバーであって、設置面を有し、透明なカバー本体と、前記設置面に設けられ、センサと嵌め合う嵌合部と、を備え、前記嵌合部は、前記設置面に設けられ、前記設置面に接触する前記センサを囲う保持部材と、前記設置面に設けられ、前記設置面に対して、前記設置面に沿う沿面方向に弾性的に変位し、前記センサの段部に、係止する爪と、前記設置面から、前記設置面に交差する交差方向の第1側に向かって延びる支持部材と、可撓性を有し、自身の端部が、前記支持部材に支持された可撓部材と、を有し、前記可撓部材における前記端部よりも前記交差方向の第2側に、前記爪が配置されている、カバーである。
この発明では、例えば、カバーが用いられる測定装置の針の向きを、透明なカバー本体を通して視認することができる。また、センサは、設置面に設けられた嵌合部により、嵌め合いによりカバー本体に取付けられる。このため、例えば、センサ及び嵌合部のうち、一方の窪みに他方を入れることにより、センサ及び嵌合部を容易に装着し、一方の窪みから他方を取外すことにより、センサ及び嵌合部を容易に離脱させることができる。従って、カバーからセンサを容易に着脱させることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
また、保持部材は、設置面に接触するセンサを囲うため、センサが設置面に沿う方向に移動するのが規制される。そして、爪が、設置面に対して沿面方向に弾性的に変位し、センサの段部に係止する。このため、設置面に対してセンサが設置面に交差する方向に移動するのが規制される。
以上のようにして、嵌合部が有する保持部材及び爪により、嵌合部がセンサと嵌め合うことができる。
可撓部材が撓むことにより、爪を沿面方向に弾性的に変位させることができる。そして、支持部材により、カバー本体の設置面上で可撓部材を支持することができる。また、可撓部材における端部よりも交差方向の第2側に、爪が配置されているため、可撓部材の端部よりも設置面に近い位置で、センサの移動を安定的に規制することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
(2)本発明の態様2は、前記嵌合部は、前記爪を一対有し、前記一対の爪は、前記沿面方向に互いに間隔を空けて配置されている、(1)に記載のカバーであってもよい。
この発明では、沿面方向の両側からセンサを挟むように、センサの移動を安定的に規制することができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
(3)本発明の態様3は、前記カバー本体に設けられ、前記嵌合部周りの角度を表す指標を備える、(1)又は(2)に記載のカバーであってもよい。
この発明では、作業者は、指標を視認することで、例えば分度器を用いることなく、嵌合部周りの角度を理解することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
(4)本発明の態様4は、前記カバー本体は、円板状に形成され、自身の主面が前記設置面である本体部と、前記本体部の外周縁から、前記設置面に交差する交差方向に向かって突出する筒状部と、前記筒状部が突出する端部から、前記本体部の径方向外側に向かって突出するフランジと、を有する、(1)から(3)のいずれか一に記載のカバーであってもよい。
この発明では、例えば、カバー本体の外周縁を装置本体により保持する際に、本体部が装置本体から離間するように、フランジを保持する。これにより、例えば、装置本体に取付けられた針等の部材から、本体部を離間させることができる。