(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015678
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】検査方法、検査装置および搬送装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/956 20060101AFI20240130BHJP
【FI】
G01N21/956 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117908
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】500216466
【氏名又は名称】住重アテックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】藤原 修司
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA51
2G051AB02
2G051BA01
2G051BB01
2G051CA03
2G051CB01
2G051DA06
(57)【要約】
【課題】外観検査に要する追加の検査時間を削減する。
【解決手段】検査装置40は、第1ロボットハンド32によって搬送される対象物の搬送経路において、対象物の移動方向A1と直交するライン領域48を照明する照明装置42と、ライン領域48を撮像するラインセンサ44と、ラインセンサ44から出力される画像信号から対象物の画像を生成する画像生成部72と、対象物の画像に含まれる特徴を検出する画像認識部74と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハホルダ上にウェハを配置する工程と、
前記ウェハが配置された状態で前記ウェハホルダを移動させる工程と、
前記ウェハが配置された状態の前記ウェハホルダの移動中に、前記ウェハおよび前記ウェハホルダを撮像して第1画像を取得する工程と、
前記第1画像に基づいて前記ウェハを検査する工程と、
前記第1画像に基づいて前記ウェハホルダに対する前記ウェハの位置を検査する工程と、を備えることを特徴とする検査方法。
【請求項2】
前記第1画像を取得する工程は、前記ウェハおよび前記ウェハホルダをラインセンサを用いて撮像することを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
【請求項3】
前記ウェハが配置されていない状態で前記ウェハホルダを移動させる工程と、
前記ウェハが配置されていない状態の前記ウェハホルダの移動中に、前記ウェハホルダを撮像して第2画像を取得する工程と、
前記第2画像に基づいて、前記ウェハホルダを検査する工程と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
【請求項4】
前記第1画像を取得する工程は、前記ウェハおよび前記ウェハホルダをラインセンサを用いて撮像し、
前記第2画像を取得する工程は、前記ウェハホルダを前記ラインセンサを用いて撮像することを含むことを特徴とする請求項3に記載の検査方法。
【請求項5】
前記ウェハホルダに配置されていない状態で前記ウェハを移動させる工程と、
前記ウェハホルダに配置されていない状態の前記ウェハの移動中に、前記ウェハを撮像して第3画像を取得する工程と、
前記第3画像に基づいて前記ウェハを検査する工程と、をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の検査方法。
【請求項6】
前記第3画像を取得する工程は、前記ウェハをラインセンサを用いて撮像することを含むことを特徴とする請求項5に記載の検査方法。
【請求項7】
前記第1画像を取得する工程は、前記ウェハの第1面を撮像することを含み、
前記第3画像を取得する工程は、前記ウェハの前記第1面とは反対側の第2面を撮像することを含むことを特徴とする請求項5に記載の検査方法。
【請求項8】
前記第3画像に基づいて前記ウェハの向きを検出する工程と、
前記検出した前記ウェハの向きに基づいて前記ウェハの向きを調整する工程と、をさらに備え、
前記ウェハの向きが調整された前記ウェハを前記ウェハホルダ上に配置することを特徴とする請求項5に記載の検査方法。
【請求項9】
ロボットハンドによって搬送される対象物の搬送経路において、対象物の移動方向と直交するライン領域を照明する照明装置と、
前記ライン領域を撮像するラインセンサと、
前記ラインセンサから出力される画像信号から前記対象物の画像を生成する画像生成部と、
前記対象物の画像に含まれる特徴を検出する画像認識部と、を備えることを特徴とする検査装置。
【請求項10】
対象物を搬送するロボットハンドと、
前記ロボットハンドの搬送経路において、対象物の移動方向と直交するライン領域を照明する照明装置と、
前記ライン領域を撮像するラインセンサと、を備えることを特徴とする搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査方法、検査装置および搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェハなどの基板の外観を検査する装置が知られている。外観検査装置は、例えば、ウェハを回転させる回転ステージと、ウェハを直線的に移動させるスキャンステージとを有し、ライン照明で照明したウェハの表面の画像をラインセンサカメラで撮像するよう構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の先行技術では、検査対象物をステージ上に配置する工程と、ステージを回転および移動させる工程と、検査対象物をステージから移動させる工程とを必要とするため、検査のための追加の時間を要する。
【0005】
本発明のある態様の例示的な目的のひとつは、外観検査に要する追加の検査時間を削減する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様の検査方法は、ウェハホルダ上にウェハを配置する工程と、ウェハが配置された状態でウェハホルダを移動させる工程と、ウェハが配置された状態のウェハホルダの移動中に、ウェハおよびウェハホルダを撮像して第1画像を取得する工程と、第1画像に基づいてウェハを検査する工程と、第1画像に基づいてウェハホルダに対するウェハの位置を検査する工程と、を備える。
【0007】
本発明の別の態様は、検査装置である。この装置は、ロボットハンドによって搬送される対象物の搬送経路において、対象物の移動方向と直交するライン領域を照明する照明装置と、ライン領域を撮像するラインセンサと、ラインセンサから出力される画像信号から対象物の画像を生成する画像生成部と、対象物の画像に含まれる特徴を検出する画像認識部と、を備える。
【0008】
本発明のさらに別の態様は、搬送装置である。この装置は、対象物を搬送するロボットハンドと、ロボットハンドの搬送経路において、対象物の移動方向と直交するライン領域を照明する照明装置と、ライン領域を撮像するラインセンサと、を備える。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明のある態様によれば、外観検査に要する追加の時間を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態に係る搬送システムの構成を模式的に示す上面図である。
【
図2】第1搬送装置の構成を模式的に示す側面図である。
【
図3】第2搬送装置の構成を模式的に示す側面図である。
【
図4】実施の形態に係る検査方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、以下に述べる構成は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。また、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、以下の説明において参照する図面において、各構成部材の大きさや厚みは説明の便宜上のものであり、必ずしも実際の寸法や比率を示すものではない。
【0013】
図1は、実施の形態に係る搬送システム10の構成を模式的に示す上面図である。搬送システム10は、第1搬送装置12と、第2搬送装置14とを備える。搬送システム10は、半導体基板などのウェハ16と、ウェハ16が搭載されるウェハホルダ18とを搬送するよう構成される。本実施の形態では、搬送システム10の搬送対象物がウェハ16およびウェハホルダ18である場合を例示するが、搬送システム10の搬送対象物は特に限られない。
【0014】
第1搬送装置12は、ホルダケース20と載置台22の間でウェハホルダ18を搬送する。第1搬送装置12は、ホルダケース20に収容されているウェハホルダ18をホルダケース20から取り出し、ウェハホルダ18を載置台22に搬送する。第1搬送装置12は、ウェハホルダ18の上にウェハ16が配置されていない状態のウェハホルダ18をホルダケース20から載置台22に搬送する。第1搬送装置12は、載置台22にてウェハホルダ18の上にウェハ16が配置されると、ウェハ16が配置された状態のウェハホルダ18を載置台22からホルダケース20に搬送する。第1搬送装置12は、ウェハ16が配置された状態のウェハホルダ18をホルダケース20に収容する。
【0015】
第2搬送装置14は、ウェハカセット24、アライナ26および載置台22の間でウェハ16を搬送する。第2搬送装置14は、ウェハホルダ18に配置されていない状態のウェハ16を搬送する。第2搬送装置14は、ウェハカセット24に収容されているウェハ16をウェハカセット24から取り出し、ウェハ16をアライナ26に搬送する。第2搬送装置14は、アライナ26にて位置合わせされたウェハ16を載置台22に搬送する。第2搬送装置14は、載置台22に配置されているウェハホルダ18の上にウェハ16を配置する。
【0016】
ウェハホルダ18は、半導体製造工程に含まれるプロセス中のウェハ16を保持するために用いられる。ウェハホルダ18は、例えば、ウェハ16に対するイオン照射工程中のウェハ16を保持するために用いられる。
【0017】
ウェハホルダ18の上面には、ウェハ16を収容するための凹部28が設けられる。凹部28は、ウェハ16の外形よりわずかに大きい形状を有し、例えば、ウェハ16の円形の外形に対応した円形状を有する。ウェハホルダ18の上面には、ウェハホルダ18の個体を識別するための識別子30が付与されている。識別子30は、数字、文字、記号などであってもよいし、1次元コードまたは2次元コードであってもよい。
【0018】
ホルダケース20は、複数のウェハホルダ18を収容する容器である。載置台22は、第2搬送装置14と第1搬送装置12の間に配置され、ウェハホルダ18を支持するよう構成される。ウェハカセット24は、複数枚のウェハ16を収容する容器であり、例えば、FOUP(Front-Opening Unified Pod)である。アライナ26は、ウェハ16の向きを調整する装置であり、ウェハ16を回転させてウェハ16のノッチやオリフラ等の目印が所定の位置となるようにする。
【0019】
第1搬送装置12は、ウェハホルダ18を搬送するための第1ロボットハンド32を備える。第1ロボットハンド32は、ウェハホルダ18を鉛直方向下側から支持して搬送するよう構成される。
【0020】
第2搬送装置14は、ウェハ16を搬送するための第2ロボットハンド34を備える。第2ロボットハンド34は、ウェハ16を把持するための遠位端グリップ36および近位端グリップ38を有する。遠位端グリップ36および近位端グリップ38は、いわゆるエッジグリップチャックであり、ウェハ16の外縁に接触し、遠位端グリップ36および近位端グリップ38の間にウェハ16を挟み込んで把持する。遠位端グリップ36および近位端グリップ38は、ウェハ16を鉛直方向上側から把持するよう構成される。第2ロボットハンド34は、ウェハ16を上側から把持することにより、ウェハホルダ18の上にウェハ16を配置することが容易となる。
【0021】
第1搬送装置12は、第1検査装置40をさらに備える。第1検査装置40は、第1ロボットハンド32の搬送経路の途中に設けられる。第1検査装置40は、第1ロボットハンド32の搬送経路の任意の位置に設けることできる。第1検査装置40は、第1ロボットハンド32によってウェハホルダ18が直線移動する位置に設けることが好ましい。
図1の例では、載置台22の近傍または隣に設けられる。第1検査装置40は、ホルダケース20の近傍または隣に設けられてよい。
【0022】
第1検査装置40は、第1照明装置42と、第1撮像装置44と、第1画像処理装置46とを備える。第1照明装置42は、第1ロボットハンド32によって搬送されるウェハホルダ18が移動する第1方向A1と直交する第1ライン領域48を照明する。第1照明装置42は、例えば、第1方向A1と直交する方向に延びるバー型照明である。第1撮像装置44は、第1照明装置42によって照明される第1ライン領域48を撮像する。第1撮像装置44は、例えばラインセンサであり、フォトダイオードなどの画素が1次元に並べられた撮像素子である。第1画像処理装置46は、第1撮像装置44から画像信号を取得し、画像認識技術を用いてウェハ16およびウェハホルダ18の外観を検査する。第1ライン領域48は、第1方向A1に短く、第1方向A1と直交する方向に長い矩形領域である。第1ライン領域48の長手方向の幅D1は、ウェハホルダ18の外形よりも大きい。
【0023】
第2搬送装置14は、第2検査装置50をさらに備える。第2検査装置50は、第1検査装置40と同様に構成することができる。第2検査装置50は、第2ロボットハンド34によって搬送されるウェハ16を撮像し、撮像した画像に基づいてウェハ16の外観を検査する。第2検査装置50は、第2ロボットハンド34の搬送経路の途中に設けられる。第2検査装置50は、第2ロボットハンド34の搬送経路の任意の位置に設けることできる。第2検査装置50は、第2ロボットハンド34によってウェハ16が直線移動する位置に設けることが好ましい。
図1の例では、アライナ26の近傍または隣に設けられる。第2検査装置50は、ウェハカセット24の近傍または隣に設けられてよいし、載置台22の近傍または隣に設けられてもよい。
【0024】
第2検査装置50は、第2照明装置52と、第2撮像装置54と、第2画像処理装置56とを備える。第2照明装置52は、第2ロボットハンド34によって搬送されるウェハ16が移動する第2方向A2と直交する第2ライン領域58を照明する。第2照明装置52は、例えば、第2方向A2と直交する方向に延びるバー型照明である。第2撮像装置54は、第2照明装置52によって照明された第2ライン領域58を撮像する。第2撮像装置54は、例えばラインセンサであり、フォトダイオードなどの画素が1次元に並べられた撮像素子である。第2画像処理装置56は、第2撮像装置54から画像信号を取得し、画像認識技術を用いてウェハ16の外観を検査する。第2ライン領域58は、第2方向A2に短く、第2方向A2と直交する方向に長い矩形領域である。第2ライン領域58の長手方向の幅D2は、ウェハ16の直径よりも大きい。
【0025】
図2は、第1搬送装置12の構成を模式的に示す側面図である。
図2は、ウェハ16が配置された状態のウェハホルダ18を第1搬送装置12が搬送する場合を示す。ウェハ16は、ウェハホルダ18の凹部28に収容されている。ウェハ16は、第1面16aと、第1面16aとは反対側の第2面16bとを有し、第2面16bがウェハホルダ18と接触している。第1搬送装置12は、第1面16aが鉛直方向上側、第2面16bが鉛直方向下側となるように、ウェハ16をウェハホルダ18とともに搬送する。
【0026】
第1照明装置42および第1撮像装置44は、第1搬送装置12によって搬送されるウェハ16およびウェハホルダ18の鉛直方向上側に配置される。第1照明装置42は、ウェハ16の第1面16aおよびウェハホルダ18の上面18aに向けて照明光62を照射する。第1撮像装置44は、ウェハ16の第1面16aおよびウェハホルダ18の上面18aからの反射光64を撮像する。
【0027】
第1照明装置42および第1撮像装置44は、例えば、照明光62の入射角θ1および反射光64の反射角θ2がほぼ同じとなるように配置される。第1照明装置42および第1撮像装置44は、例えば、ハイアングル照明となるように配置され、入射角θ1および反射角θ2が30度以下となるように配置される。第1照明装置42および第1撮像装置44は、ローアングル照明となるように配置されてもよく、入射角θ1および反射角θ2が45度以上または60度以上となるように配置されてもよい。なお、入射角θ1および反射角θ2が異なる複数の第1照明装置42および複数の第1撮像装置44が設けられてもよい。
【0028】
第1画像処理装置46は、第1信号取得部70と、第1画像生成部72と、第1画像認識部74と、第1出力部76とを備える。第1画像処理装置46の各機能ブロックは、例えば、ハードウェアおよびソフトウェアの連携によって実現されうる。第1画像処理装置46のハードウェアは、コンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や機械装置で実現される。第1画像処理装置46のソフトウェアは、コンピュータプログラム等によって実現される。
【0029】
第1信号取得部70は、第1撮像装置44から1次元の画像信号を取得する。第1画像生成部72は、第1信号取得部70が取得する1次元の画像信号を用いて2次元画像を生成する。第1画像生成部72は、第1ロボットハンド32によるウェハホルダ18の移動中に第1撮像装置44によって撮像される1次元画像を撮像順に並べることによって、ウェハホルダ18の上面18aの全体に対応する2次元画像を生成する。第1画像生成部72は、第1撮像装置44によって撮像される1次元画像を第1ロボットハンド32が移動する第1方向A1の位置と対応付けることによって2次元画像を生成してもよい。第1ロボットハンド32が移動する第1方向A1の位置は、例えば、第1ロボットハンド32を駆動するためのエンコーダ信号を用いて特定できる。
【0030】
第1画像生成部72は、ウェハ16が配置された状態のウェハホルダ18の移動中に取得される画像信号に基づいて、ウェハ16の第1面16aとウェハホルダ18の上面18aを含む2次元画像を生成する。本明細書において、ウェハ16およびウェハホルダ18の双方を含む2次元画像を「第1画像」ともいう。第1画像生成部72は、ウェハ16が配置されていない状態のウェハホルダ18の移動中に取得される画像信号に基づいて、ウェハホルダ18の上面18aを示す2次元画像を生成する。本明細書において、ウェハホルダ18のみを含む2次元画像を「第2画像」ともいう。
【0031】
第1画像認識部74は、第1画像生成部72によって生成された画像に含まれる特徴を画像認識技術を用いて検出する。第1画像認識部74は、ウェハ16およびウェハホルダ18の双方を含む第1画像に基づいて、ウェハ16およびウェハホルダ18の少なくとも一方の特徴を検出する。第1画像認識部74は、第1画像に基づいて、ウェハ16の外周に存在する割れや欠損、ウェハ16の第1面16aに存在する傷といった欠陥を検出してもよい。第1画像認識部74は、第1画像に基づいて、ウェハホルダ18の外周や上面18aに存在する欠陥を検出してもよい。第1画像認識部74は、第1画像に基づいて、ウェハホルダ18の上面18aに付与される識別子30を検出してもよい。第1画像認識部74は、第1画像に基づいて、ウェハホルダ18に対するウェハ16の位置に関する特徴を検出してもよい。第1画像認識部74は、ウェハホルダ18の凹部28とウェハ16を検出し、凹部28の内側にウェハ16の全体が収容されているか否かを検出してもよい。第1画像認識部74は、ウェハホルダ18に対するウェハ16のノッチやオリフラ等の目印の位置が適切であるか否かを検出してもよい。
【0032】
第1画像認識部74は、ウェハホルダ18のみを含む第2画像に基づいて、ウェハホルダ18の特徴を検出する。第1画像認識部74は、第2画像に基づいて、ウェハホルダ18の外周や上面18aに存在する欠陥を検出してもよい。第1画像認識部74は、第2画像に基づいて、ウェハホルダ18の凹部28に存在する傷やごみといった欠陥を検出してもよい。
【0033】
第1出力部76は、第1画像認識部74による検出結果を出力する。第1出力部76は、第1画像認識部74によって欠陥が検出されたか否かを示す欠陥信号を出力してもよい。第1出力部76は、ウェハホルダ18に対するウェハ16の位置が適切であるかを示すアライメント信号を出力してもよい。第1出力部76は、欠陥や位置ずれなどの異常の有無を示す異常信号を出力してもよい。
【0034】
図3は、第2搬送装置14の構成を模式的に示す側面図である。第2搬送装置14は、第1面16aが鉛直方向上側、第2面16bが鉛直方向下側となるようにウェハ16を搬送する。
【0035】
第2照明装置52および第2撮像装置54は、第2搬送装置14によって搬送されるウェハ16の鉛直方向下側に配置される。第2照明装置52は、ウェハ16の第2面16bに向けて照明光66を照射する。第2撮像装置54は、ウェハ16の第2面16bからの反射光68を撮像する。
【0036】
第2照明装置52および第2撮像装置54は、例えば、照明光66の入射角θ3および反射光68の反射角θ4がほぼ同じとなるように配置される。第2照明装置52および第2撮像装置54は、例えば、ハイアングル照明となるように配置され、入射角θ3および反射角θ4が30度以下となるように配置される。第2照明装置52および第2撮像装置54は、ローアングル照明となるように配置され、入射角θ3および反射角θ4が45度以上または60度以上となるように配置されてもよい。なお、入射角θ3および反射角θ4が異なる複数の第2照明装置52および複数の第2撮像装置54が設けられてもよい。
【0037】
第2画像処理装置56は、第2信号取得部80と、第2画像生成部82と、第2画像認識部84と、第2出力部86とを備える。第2画像処理装置56の各機能ブロックは、例えば、ハードウェアおよびソフトウェアの連携によって実現されうる。第2画像処理装置56のハードウェアは、コンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や機械装置で実現される。第2画像処理装置56のソフトウェアは、コンピュータプログラム等によって実現される。
【0038】
第2信号取得部80は、第2撮像装置54から1次元の画像信号を取得する。第2画像生成部82は、第2信号取得部80が取得する1次元の画像信号を用いて2次元画像を生成する。第2画像生成部82は、第2ロボットハンド34によるウェハ16の移動中に第2撮像装置54によって撮像される1次元画像を撮像順に並べることによって、ウェハ16の第2面16bの全体に対応する2次元画像を生成する。第2画像生成部82は、第2撮像装置54によって撮像される1次元画像を第2ロボットハンド34が移動する第2方向A2の位置と対応付けることによって2次元画像を生成してもよい。第2ロボットハンド34が移動する第2方向A2の位置は、例えば、第2ロボットハンド34を駆動するためのエンコーダ信号を用いて特定できる。本明細書において、ウェハ16のみの2次元画像を「第3画像」ともいう。
【0039】
第2画像認識部84は、第2画像生成部82によって生成された画像に含まれる特徴を画像認識技術を用いて検出する。第2画像認識部84は、例えば、第3画像に基づいて、ウェハ16の外周に存在する割れや欠損、ウェハ16の第2面16bに存在する傷といった欠陥を検出する。第2画像認識部84は、第3画像に基づいて、ウェハ16のノッチやオリフラ等の目印の位置を検出し、ウェハ16の向きを検出してもよい。
【0040】
第2出力部86は、第2画像認識部84による検出結果を出力する。第2出力部86は、第2画像認識部84によって欠陥が検出されたか否かを示す欠陥信号を出力してもよい。第2出力部86は、ウェハ16のノッチやオリフラ等の目印の位置を示すアライメント信号を出力してもよい。アライナ26は、第2出力部86から出力されるアライメント信号に基づいて、アライナ26に配置されるウェハ16の向きを調整してもよい。アライナ26でウェハ16の向きを調整する代わりに、ウェハホルダ18の上にウェハ16を配置する際に、ウェハホルダ18に対するウェハ16の向きを第2ロボットハンド34を用いて調整してもよい。
【0041】
つづいて、搬送システム10の動作について説明する。
図4は、実施の形態に係る検査方法の一例を示すフローチャートである。
【0042】
第1搬送装置12は、ホルダケース20からウェハホルダ18を取り出し、ウェハ16が配置されていない状態のウェハホルダ18をホルダケース20から載置台22に向けて移動させる(S10)。第1検査装置40は、ウェハホルダ18の移動中にウェハホルダ18の上面18aおよび凹部28を撮像した第2画像を取得し(S12)、第2画像に基づいてウェハホルダ18を検査する(S14)。第1搬送装置12は、ウェハホルダ18に欠陥等がなければ、ウェハホルダ18を載置台22に配置する(S16)。
【0043】
第2搬送装置14は、ウェハカセット24からウェハ16を取り出し、ウェハホルダ18に配置されていない状態のウェハ16を移動させる(S18)。第2検査装置50は、ウェハ16の移動中にウェハ16の第2面16bを撮像した第3画像を取得し(S20)、第3画像に基づいてウェハ16を検査する(S22)。S18の工程において、第2搬送装置14は、ウェハ16をウェハカセット24からアライナ26に向けて移動させてもよいし、アライナ26から載置台22に向けて移動させてもよいし、ウェハカセット24から載置台22に向けて移動させてもよい。第2搬送装置14は、ウェハ16に欠陥等がなければ、載置台22にあるウェハホルダ18の上にウェハ16を配置する(S24)。
【0044】
第1搬送装置12は、ウェハ16が配置された状態のウェハホルダ18を載置台22からホルダケース20に向けて移動させる(S26)。第1検査装置40は、ウェハ16およびウェハホルダ18の移動中に、ウェハ16の第1面16aおよびウェハホルダ18の上面18aを撮像した第1画像を取得し(S28)、第1画像に基づいてウェハ16およびウェハホルダ18を検査する(S30)。第1搬送装置12は、ウェハ16およびウェハホルダ18に欠陥や位置ずれなどの異常がなければ、ウェハ16が配置された状態のウェハホルダ18をホルダケース20に収容する(S32)。
【0045】
本実施の形態によれば、第1搬送装置12および第2搬送装置14の搬送経路に第1検査装置40および第2検査装置50をそれぞれ設けることで、ウェハ16やウェハホルダ18の移動中にこれらを検査することができる。その結果、専用の検査装置にウェハ16やウェハホルダ18を配置して検査する工程を省略することができ、半導体製造工程の生産性を低下させることなく、ウェハ16およびウェハホルダ18の外観を検査できる。本実施の形態によれば、外観検査に要する追加の検査時間を削減することができる。
【0046】
本実施の形態によれば、半導体製造工程の生産性を低下させることなく、ウェハ16およびウェハホルダ18の全数検査も可能となる。したがって、本実施の形態によれば、半導体製造工程の生産性を低下させることなく、半導体生産工程の信頼性を向上できる。
【0047】
本実施の形態によれば、ウェハ16を下側から支持して搬送する第1搬送装置12と、ウェハ16を上側から保持して搬送する第2搬送装置14とを組み合わせることにより、ウェハ16の第1面16aおよび第2面16bの双方の検査が可能となる。したがって、本実施の形態によれば、ウェハ16の片面のみを検査する場合に比べて、検査の信頼性を向上させることができる。
【0048】
本実施の形態によれば、ラインセンサを用いることにより、撮像対象となる第1ライン領域48や第2ライン領域58を均一に照明することが容易となる。その結果、エリアセンサカメラを用いてウェハ16やウェハホルダ18の全体を一度に撮像する場合に比べて、輝度ムラや外乱の影響がより少ない精細な画像を得ることができる。その結果、画像を用いた検査の信頼性を向上させることができる。
【0049】
本実施の形態によれば、ラインセンサを用いることにより、ウェハ16やウェハホルダ18が移動する方向A1、A2の検査装置のサイズを小さくすることができる。そのため、検査装置を設けるために搬送経路を長くする必要がなくなるため、半導体製造工程の生産性の低下を抑制できる。
【0050】
上述の実施の形態では、第1搬送装置12と第2搬送装置14を組み合わせる場合について示したが、変形例においては、第1搬送装置12と第2搬送装置14のいずれか一方のみを用いてもよい。
【0051】
上述の実施の形態では、第1画像処理装置46と第2画像処理装置56を別個に設ける構成について示したが、変形例においては、第1画像処理装置46および第2画像処理装置56の双方の機能を実現する一つの画像処理装置を用いてもよい。その他、第1画像処理装置46および第2画像処理装置56のそれぞれの各機能を二以上の装置に分散させて実現してもよい。
【0052】
変形例においては、ウェハやウェハホルダなどの搬送対象物の側面のみを把持し、対象物の第1面および第2面のそれぞれの実質的に全体が見える状態で、対象物を搬送してもよい。この場合、搬送経路の途中において、第1面を検査するための第1検査装置と、第2面を検査するための第2検査装置とを同じ位置に配置し、第1面と第2面を同時に検査してもよい。搬送対象物は、第1検査装置と第2検査装置の間をロボットハンドなどで搬送されるよう構成されてもよい。
【0053】
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0054】
10…搬送システム、12…第1搬送装置、14…第2搬送装置、16…ウェハ、16a…第1面、16b…第2面、18…ウェハホルダ、18a…上面、32…第1ロボットハンド、34…第2ロボットハンド、40…第1検査装置、42…第1照明装置、44…第1撮像装置、46…第1画像処理装置、48…第1ライン領域、50…第2検査装置、52…第2照明装置、54…第2撮像装置、56…第2画像処理装置、58…第2ライン領域。