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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024156846
(43)【公開日】2024-11-06
(54)【発明の名称】カメラシステム
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/14 20210101AFI20241029BHJP
   H04N 23/66 20230101ALI20241029BHJP
【FI】
G03B17/14
H04N23/66
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024125897
(22)【出願日】2024-08-01
(62)【分割の表示】P 2023049753の分割
【原出願日】2018-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】河井 亮彦
(57)【要約】      (修正有)
【課題】カメラボディからみてマスターレンズと中間アクセサリとを区別するために、マスターレンズと中間アクセサリとで端子数を変える必要があった。
【解決手段】少なくとも1つのアクセサリ4と、前記アクセサリと通信可能なカメラボディ2とを有するカメラシステム1であって、ボディ側マウント210を備えるカメラボディと、前記ボディ側マウントに着脱可能なアクセサリ側マウントと、前記カメラボディから送信される指示信号を受信する受信部と、を備えるアクセサリと、を備え、前記指示信号には、識別情報と、前記カメラボディからの指示と、が含まれ、前記識別情報は、前記ボディ側マウントに装着されて前記カメラボディと通信可能なアクセサリを識別する情報であるカメラシステムである。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのアクセサリと、前記アクセサリと通信可能なカメラボディとを有するカメラシステムであって、
ボディ側マウントを備えるカメラボディと、
前記ボディ側マウントに着脱可能なアクセサリ側マウントと、前記カメラボディから送信される指示信号を受信する受信部と、を備えるアクセサリと、を備え、
前記指示信号には、識別情報と、前記カメラボディからの指示と、が含まれ、
前記識別情報は、前記ボディ側マウントに装着されて前記カメラボディと通信可能なアクセサリを識別する情報であるカメラシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラアクセサリとして、被写体像を結像可能なマスターレンズと、マスターレンズとカメラボディとの間に装着可能な中間アクセサリと、がある(特許文献1参照)。従来技術では、カメラボディからみてマスターレンズと中間アクセサリとを区別するために、マスターレンズと中間アクセサリとで端子数を変える必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63-38926号公報
【発明の概要】
【0004】
少なくとも1つのアクセサリと、前記アクセサリと通信可能なカメラボディとを有するカメラシステムであって、ボディ側マウントを備えるカメラボディと、前記ボディ側マウントに着脱可能なアクセサリ側マウントと、前記カメラボディから送信される指示信号を受信する受信部と、を備えるアクセサリと、を備え、前記指示信号には、識別情報と、前記カメラボディからの指示と、が含まれ、前記識別情報は、前記ボディ側マウントに装着されて前記カメラボディと通信可能なアクセサリを識別する情報であるカメラシステムである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】カメラシステムを例示する斜視図である。
図2】テレコンバータを含むカメラシステムの要部構成を説明するブロック図である。
図3】カメラボディ、テレコンバータおよび交換レンズ間の電気的接続を模式的に示す回路図である。
図4】ボディ側通信部とレンズ側通信部との間で行われるコマンドデータ通信のタイミングを例示する図である。
図5】ボディ側通信部とレンズ側通信部との間で行われるホットライン通信のタイミングを例示する図である。
図6図6(a)はコマンドパケットの構造を例示する図、図6(b)はデータパケットの構造を例示する図である。
図7】機器ID割り振りコマンドデータ通信と通常コマンドデータ通信とにおける処理の流れを説明する図である。
図8】ボディ側制御部、制御/通信部、レンズ側制御部において機器ID割り振りコマンドデータ通信時に実行される処理の流れを説明するフローチャートである。
図9】ボディ側制御部、制御/通信部、レンズ側制御部において通常コマンドデータ通信時に実行される通常コマンドデータ通信の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。
図1は、発明の一実施の形態によるカメラボディ2にカメラアクセサリが装着される前のカメラシステム1の斜視図である。図2は、カメラシステム1の要部構成を説明するブロック図である。
本実施形態のカメラアクセサリは、マスターレンズとしての交換レンズ3と、中間アクセサリとしてのテレコンバータ4と、を含む。本実施形態のマスターレンズとは、カメラボディ2に装着されて被写体像を結像可能な機器をいう。また、本実施形態のマスターレンズは、その被写体側に他のカメラアクセサリが通信可能な状態で装着されない機器をいう。また、本実施形態の中間アクセサリとは、その被写体側に他の機器が通信可能な状態で装着され得る機器であり、非マスターレンズともいう。非マスターレンズは、マスターレンズと組み合わせて用いるものである。
カメラボディ2とカメラアクセサリの結合とカメラアクセサリ同士の結合は、ボディ側マウントとレンズ側マウントのバヨネット構造により行われる。従って、カメラボディ2のボディ側マウント210と、テレコンバータ4のレンズ側に配置された前側マウント413とは、略同様の形状であり、交換レンズ3のレンズ側マウント310とテレコンバータ4のボディ側に配置された後側マウント412とは、略同様の形状である。従って、交換レンズ3は、テレコンバータ4を介さずにカメラボディ2に直接装着しても使用可能であり、テレコンバータ4を介してカメラボディ2に間接的に装着しても使用可能である。カメラボディ2とカメラアクセサリ、または、カメラアクセサリ同士が結合すると、各マウントに設けられた端子同士が物理的に接触し、電気的に接続される。
【0007】
<交換レンズ>
交換レンズ3は、レンズ側マウント310、レンズ側制御部330、レンズ側通信部340、レンズ側記憶部350、レンズ側電源回路352、撮像光学系360、レンズ駆動部370、および絞り駆動部380を有する。
【0008】
円環状のレンズ側マウント310には、レンズ側端子保持部320が設けられる。レンズ側端子保持部320は、光軸を中心とした円弧状に複数のレンズ側端子を配置する。複数のレンズ側端子には、例えば、交換レンズ3がカメラボディ2に装着されたことを示す信号をカメラボディ2に伝える装着検出端子、交換レンズ3とカメラボディ2との間の通信で使用する通信用端子、カメラボディ2から交換レンズ3へ電力が供給される給電用端子、および接地用端子が含まれる。
【0009】
各端子が伝える信号や電力は、交換レンズ3がテレコンバータ4を介してカメラボディ2に装着された状態では、交換レンズ3からカメラボディ2へテレコンバータ4を介して伝えられる。また、交換レンズ3がカメラボディ2に直接装着された状態では、交換レンズ3からカメラボディ2へ直接伝えられる。
【0010】
レンズ側制御部330は、マイクロコンピュータおよびその周辺回路等から構成される。レンズ側制御部330は、レンズ側記憶部350に記憶されている制御プログラムを実行して交換レンズ3の各部を制御する。また、レンズ側制御部330は、カメラボディ2からの要求により、レンズ側記憶部350に記憶されているデータを読み出し、レンズ側通信部340からテレコンバータ4を介して、または直接、カメラボディ2へ送信する。レンズ側制御部330は、レンズ側通信部340、レンズ側記憶部350、レンズ駆動部370および絞り駆動部380と接続される。
【0011】
レンズ側通信部340は、ボディ側通信部240の指示に基づき、テレコンバータ4を介して、または直接、ボディ側通信部240との間で所定の通信を行う。レンズ側通信部340は、レンズ側制御部330および上述した通信用端子と接続される。ボディ側通信部240とレンズ側通信部340との間で行われる通信により、後述するレンズ361を移動させる等の指示やレンズ側記憶部350に記憶されているデータなどの情報の送信要求が、カメラボディ2からテレコンバータ4を介して、または直接、交換レンズ3へ送信される。一方、ボディ側通信部240の指示に基づき、移動後のレンズ361の位置などの交換レンズ3内の状態を示す情報等やレンズ側記憶部350から読み出されたデータが、交換レンズ3からテレコンバータ4を介して、または直接、カメラボディ2へ送信される。
【0012】
レンズ側記憶部350は、不揮発性の記憶媒体によって構成される。レンズ側記憶部350は、レンズ側制御部330によってデータの記録と読み出しが制御される。レンズ側記憶部350は、レンズ側制御部330が実行する制御プログラム等を記憶する他に、交換レンズ3の機種名を示すデータ(機種名情報とも称する)や、撮像光学系360の光学特性を示すデータ、および、機器IDを示すデータ等を記憶することができる。機器IDは、カメラボディ2が装着されたカメラアクセサリを識別するために用いる識別子であり、装着されたカメラアクセサリの中から通信相手を指定するために用いる符号等で構成されたデータである。機器IDは、交換レンズ3がカメラボディ2に装着(または装着を検出)される度にカメラボディ2から送信されるものである。レンズ側記憶部350は、レンズ側制御部330と接続される。
【0013】
電源回路352は、給電用端子を介してカメラボディ2から交換レンズ3に供給された電力を、交換レンズ3内の各部へ分配する。電源回路352は、上述した給電用端子と接続される。
【0014】
撮像光学系360は、テレコンバータ4を介して、または直接、撮像面に被写体像を結像させる。撮像光学系360の光軸Oは、レンズ側マウント310、テレコンバータ4の前側マウント413、テレコンバータ4の後側マウント412、ボディ側マウント210および撮像面の中心位置と略一致する。撮像光学系360は、例えば、フォーカシングレンズやズームレンズ等を含む複数のレンズ361と、絞り362とによって構成される。複数のレンズ361の少なくとも一部は、レンズ駆動部370や手動操作により、光軸O方向に移動可能に構成されている。各レンズの光軸O方向の位置は、レンズ駆動部370のエンコーダ等によって検出可能に構成されている。
【0015】
絞り362は、撮像素子260へ入射する光量を調節する。絞り362は、絞り駆動部380や手動操作により、開口径(絞り値)を変化させることが可能に構成されている。絞り362の開口径は、絞り駆動部380のエンコーダ等によって検出可能に構成されている。
【0016】
レンズ駆動部370は、例えばモータおよびレンズ駆動機構によって構成される。レンズ駆動部370は、レンズ側制御部330からの指示に基づき、レンズ361に含まれるフォーカシングレンズを光軸Oの方向に沿って移動させる。レンズ駆動部370は、レンズ側制御部330と接続される。
絞り駆動部380は、モータおよび絞り駆動機構によって構成される。絞り駆動部380は、レンズ側制御部330からの指示に基づき、絞り362の開口径を変化させる。絞り駆動部380は、レンズ側制御部330と接続される。
【0017】
<テレコンバータ4>
テレコンバータ4は、カメラボディ2に装着された際にボディ側マウント210に対向する後側マウント412と、交換レンズ3が装着された際にレンズ側マウント310に対向する前側マウント413と、アクセサリ側制御/通信部435、アクセサリ側記憶部437、スイッチ450、アクセサリ側電源回路452およびレンズ460を有する。
【0018】
後側マウント412には、光軸を中心とした円弧状に複数の端子を配置した後側端子保持部422が設けられる。前側マウント413には、光軸を中心とした円弧状に複数の端子を配置した前側端子保持部423が設けられる。後側端子保持部422と前側端子保持部423に配置された複数の端子には、カメラアクセサリが装着されたことを示す信号を伝える装着検出端子、カメラアクセサリがカメラボディ2との間の通信で使用する通信用端子、カメラボディ2からカメラアクセサリへ電力が供給される給電用端子、および接地用端子が含まれる。ここで、中間アクセサリの後側(カメラボディ2側)に配置された後側端子保持部422に含まれる端子は、レンズ側マウント310のレンズ側端子保持部320に含まれる端子と同じである。また、中間アクセサリの前側(被写体側)に配置された前側端子保持部423に含まれる端子は、ボディ側マウント210に配置されたボディ側端子保持部220に含まれる端子と同じである。
【0019】
アクセサリ側制御/通信部435は、マイクロコンピュータ、記憶部およびその周辺回路等から構成される。アクセサリ側制御/通信部435は、アクセサリ側記憶部437に記憶されている制御プログラムを実行してスイッチ450を開閉制御する。スイッチ450が閉じると、カメラボディ2から電源回路452に供給された電力が交換レンズ3へ供給され、スイッチ450が開くと、交換レンズ3への電力の供給が遮断される。また、アクセサリ側制御/通信部435は、ボディ側通信部240との間で所定の通信を行う。さらにまた、アクセサリ側制御/通信部435は、カメラボディ2からの要求により、アクセサリ側記憶部437に記憶されているデータを読み出し、カメラボディ2へ送信する。また、アクセサリ側制御/通信部435は、カメラボディ2からの指示に応じてテレコンバータ4内での動作や検出などの制御を行う。アクセサリ側制御/通信部435は、上述した通信用端子およびスイッチ450と接続される。
【0020】
アクセサリ側記憶部437は、アクセサリ側制御/通信部435によってデータの記録と読み出しが制御される。アクセサリ側記憶部437は、アクセサリ側制御/通信部435が実行する制御プログラム等を記憶する他に、テレコンバータ4の機種名を示すデータ(機種名情報とも称する)や、機器IDを示すデータ等を記憶することができる。アクセサリ側記憶部437は、アクセサリ側制御/通信部435と接続される。
【0021】
スイッチ450は、例えばFET(電界効果トランジスタ)を用いた半導体スイッチ素子により構成される。アクセサリ側制御/通信部435からスイッチ450へ入力される制御信号により、スイッチ450のオン、オフが制御される。スイッチオフは接点開、スイッチオンは接点閉を意味する。スイッチ450は、例えば、アクセサリ側制御/通信部435からハイレベル(以下、「Hレベル」)の制御信号が入力されない状態(つまり、ローレベル(以下、「Lレベル」)の制御信号が入力される状態)でオフ、アクセサリ側制御/通信部435からHレベルの制御信号が入力された状態でオンする。スイッチ450は、電源回路452、上記レンズ側第2端子の給電用端子、およびアクセサリ側制御/通信部435と接続される。
【0022】
電源回路452は、上記ボディ側の給電用端子および接地用端子を介してテレコンバータ4に供給された電力を、テレコンバータ4内の各部または交換レンズ3へ分配する。電源回路452は、給電用端子とスイッチ450に接続される。
【0023】
レンズ460は、レンズ361の焦点距離を、例えば1.4倍に変換するテレコンバータレンズである。交換レンズ3にテレコンバータ4が装着された状態では、テレコンバータ4が装着されない状態と比べて、交換レンズ3の焦点距離が1.4倍になる。
【0024】
<カメラボディ>
カメラボディ2は、ボディ側マウント210、ボディ側制御部230、ボディ側通信部240、電源部250、撮像素子260、信号処理部270、操作部材280、および表示部290を有する。
【0025】
円環状のボディ側マウント210には、ボディ側端子保持部220が設けられる。ボディ側端子保持部220は、複数のボディ側端子を有する。複数のボディ側端子には、例えば、カメラボディ2に交換レンズ3が装着されたことを示す信号を、テレコンバータ4を介して、または直接、カメラボディ2へ伝える装着検出端子、カメラボディ2とテレコンバータ4や交換レンズ3との間の通信で使用される通信用端子、カメラボディ2からテレコンバータ4や交換レンズ3へ電力が供給される給電用端子、および接地用端子が含まれる。
【0026】
ボディ側制御部230は、マイクロコンピュータおよびその周辺回路等から構成される。ボディ側制御部230は、記憶部235に記憶されている制御プログラムを実行してカメラボディ2内の各部を制御する。ボディ側制御部230は、ボディ側通信部240、電源部250、撮像素子260、信号処理部270、操作部材280、表示部290および上述した装着検出端子と接続される。
【0027】
ボディ側制御部230は、記憶部235を含む。記憶部235は、ボディ側制御部230によってデータの記録と読み出しが制御される。記憶部235は、ボディ側制御部230が実行する制御プログラム等を記憶する他に、カメラアクセサリの機種名情報、カメラアクセサリの光学特性を示すデータ等を記憶することができる。また、ボディ側制御部230は、カメラアクセサリが装着されると、後述の機器ID割り振りを行ってカメラアクセサリに送信した機器IDを保持して一時的に記憶する。ボディ側制御部230は、保持した機器IDの情報を、電源オフ操作やカメラアクセサリ取り外しの際に消去するようになっている。
【0028】
ボディ側通信部240は、レンズ側通信部340またはアクセサリ側制御/通信部435との間で上述した通信を行う。ボディ側通信部240は、ボディ側制御部230および上述した通信用端子と接続される。
電源部250は、不図示の電池の電圧をカメラシステム1の各部で使用される電圧に変換し、カメラボディ2の各部、交換レンズ3およびテレコンバータ4へ供給する。電源部250は、ボディ側制御部230の指示により、給電先ごとに給電のオンとオフとを切換え可能である。電源部250は、ボディ側制御部230および上述した給電用端子と接続される。
【0029】
撮像素子260は、例えばCMOSイメージセンサやCCDイメージセンサ等の固体撮像素子である。撮像素子260は、ボディ側制御部230からの制御信号により、撮像面の被写体像を撮像して撮像信号を出力する。撮像素子260は、ボディ側制御部230および信号処理部270と接続される。
【0030】
撮像素子260は、画像生成用の画素(撮像用画素と称する)と焦点検出用の画素(焦点検出用画素と称する)を有する。撮像用画素で生成される信号(以下、撮像用画素信号と呼ぶ)は、後述する信号処理部270によって画像データの生成に用いられる。また、焦点検出用画素で生成される信号(以下、焦点検出用画素信号と呼ぶ)は、後述する信号処理部270によって交換レンズ3による像の結像状態、換言すると焦点位置を検出する焦点検出処理に用いられる。
【0031】
信号処理部270は、撮像素子260から出力された撮像用画素信号に対して所定の画像処理を行って画像データを生成する。生成された画像データは、不図示の記憶媒体に所定のファイル形式で記録されたり、表示部290による画像表示に用いられたりする。信号処理部270は、ボディ側制御部230、撮像素子260、および表示部290と接続される。
【0032】
また、信号処理部270は、撮像素子260から出力された焦点検出用画素信号を用いて、交換レンズ3の焦点位置を検出し、デフォーカス量を算出する。信号処理部270は、算出したデフォーカス量に基づいて、合焦位置までのフォーカシングレンズの移動量を算出する。
【0033】
レリーズボタンや操作スイッチ等を含む操作部材280は、カメラボディ2の外装面に設けられる。ユーザは、操作部材280を操作することにより、撮影指示や撮影条件の設定指示等を行う。操作部材280は、ユーザの操作に応じた操作信号をボディ側制御部230へ送出する。
表示部290は、例えば液晶表示パネルによって構成される。表示部290は、ボディ側制御部230からの指示により、信号処理部270によって処理された画像データに基づく画像や、操作メニュー画面等を表示する。表示部290は、ボディ側制御部230および信号処理部270と接続される。
【0034】
<端子の詳細>
図3は、カメラボディ2、テレコンバータ4、および交換レンズ3間の電気的接続を模式的に示す回路図である。図3において、信号の流れを矢印で示す。
ボディ側マウント210のボディ側端子保持部220は、上記ボディ側端子として、LDET(B)端子、VBAT(B)端子、PGND(B)端子、V33(B)端子、GND(B)端子、RDY(B)端子、DATAB(B)端子、CLK(B)端子、DATAL(B)端子、HCLK(B)端子、およびHDATA(B)端子を有する。これら計11個のボディ側端子をボディ側端子群と総称する。ボディ側端子群の各端子は、ボディ側マウント部210の中心軸を中心とした円弧状に、図3に示す順番に並ぶ。
【0035】
レンズ側マウント310のレンズ側端子保持部320は、LDET(L)端子、VBAT(L)端子、PGND(L)端子、V33(L)端子、GND(L)端子、RDY(L)端子、DATAB(L)端子、CLK(L)端子、DATAL(L)端子、HCLK(L)端子、およびHDATA(L)端子を有する。これら計11個のレンズ側端子をレンズ側端子群と総称する。レンズ側端子群の各端子は、レンズ側端子保持部320において、光軸を中心とした円弧状に、図3に示す順番に並ぶ。
【0036】
テレコンバータ4において、前側端子保持部423に含まれる第2端子群はボディ側端子群と同じであり、後側端子保持部422に含まれる第1端子群はレンズ側端子群と同じである。図3では、後側端子保持部422および前側端子保持部423の各端子の標記を省略している。
【0037】
さらに、アクセサリ側制御/通信部435は、カメラボディ2のRDY(B)端子と交換レンズ3のRDY(L)端子との間、カメラボディ2のDATAB(B)端子と交換レンズ3のDATAB(L)端子との間、カメラボディ2のCLK(B)端子と交換レンズ3のCLK(L)端子との間、カメラボディ2のDATAL(B)端子と交換レンズ3のDATAL(L)端子との間に、それぞれ並列に接続される。
【0038】
RDY(B)端子、DATAB(B)端子、CLK(B)端子、DATAL(B)端子、HCLK(B)端子、HDATA(B)端子、RDY(L)端子、DATAB(L)端子、CLK(L)端子、DATAL(L)端子、HCLK(L)端子、HDATA(L)端子は、上述した通信用端子である。通信用端子のうちRDY(B)端子、DATAB(B)端子、CLK(B)端子、DATAL(B)端子は、後述するコマンドデータ通信に用いられる。また、通信用端子のうちHCLK(B)端子、HDATA(B)端子は、後述するホットライン通信に用いられる。本実施形態では、コマンドデータ通信とホットライン通信との2つの通信系統を備える。コマンドデータ通信とホットライン通信とは、異なる独立した通信系統である。
RDY(B)端子、DATAB(B)端子、CLK(B)端子、DATAL(B)端子、HCLK(B)端子、HDATA(B)端子は、それぞれボディ側通信部240を介してボディ側制御部230に接続される。RDY(L)端子、DATAB(L)端子、CLK(L)端子、DATAL(L)端子、HCLK(L)端子、HDATA(L)端子は、それぞれレンズ側通信部340を介してレンズ側制御部220に接続される。
【0039】
RDY(B)端子は、RDY(L)端子からの信号が入力される入力端子である。RDY(B)端子には、交換レンズ3のRDY(L)端子から、テレコンバータ4を介して、交換レンズ3がコマンドデータ通信可能であるか否かを示す信号(以下、RDYL信号)が入力される。また、RDY(B)端子には、テレコンバータ4から、テレコンバータ4がコマンドデータ通信可能であるか否かを示す信号(以下、RDYA信号)が入力される。レンズ側制御部330は、コマンドデータ通信可能な状態の際には、RDYL信号の電位をLレベルから一旦Hレベルを介してLレベルに変化させる。アクセサリ側制御/通信部435は、コマンドデータ通信可能な状態の際には、RDYA信号の電位をLレベルから一旦Hレベルを介してLレベルに変化させる。RDY(B)端子は、RDYL信号またはRDYA信号を受信することにより、RDYB信号をボディ側通信部240を介してボディ側制御部230に送信する。ボディ側制御部230は、RDYB信号の電位がLレベル→Hレベル→Lレベルと変化したことを検知すると、機器IDによって指定しているカメラアクセサリがコマンドデータ通信可能であるか否かを判断する。
レンズ側制御部330は、交換レンズ3のRDY(L)端子の出力を高インピーダンス状態に切り替えることが可能である。また、アクセサリ側制御/通信部435は、テレコンバータ4のRDY(L)端子の出力を高インピーダンス状態に切り替えることが可能である。高インピーダンス状態とは、ボディ側通信部240との接続を実質的に遮断した状態をいう。アクセサリ側制御/通信部435がボディ側通信部240との接続を遮断することにより、レンズ側通信部340はボディ側通信部240と接続される状態となる。また、レンズ側通信部340がボディ側通信部240との接続を遮断することにより、アクセサリ側制御/通信部435はボディ側通信部240と接続される状態となる。
アクセサリ側制御/通信部435がボディ側通信部240と接続される状態では、カメラボディ2のRDY(B)端子にテレコンバータ4からのRDYA信号が送信される。レンズ側通信部340がボディ側通信部240と接続される状態では、カメラボディ2のRDY(B)端子に交換レンズ3からのRDYL信号が送信される。アクセサリ側制御/通信部435が出力するRDYA信号は、アクセサリ側制御/通信部435によって判断・生成された信号である。レンズ側通信部340が出力するRDYL信号は、レンズ側制御部330によって判断・生成された信号である。
【0040】
DATAB(B)端子は、交換レンズ3またはテレコンバータ4のDATAB(L)端子に向けてデータ信号(以下、DATAB信号)を出力する。DATAB(L)端子は、DATAB(B)端子からのDATAB信号を入力する入力端子である。従って、レンズ側通信部340またはアクセサリ側制御/通信部435には、ボディ側通信部240からのDATAB信号が入力される。
【0041】
DATAL(B)端子は、DATAL(L)端子からの信号が入力される入力端子である。DATAL(B)端子には、テレコンバータ4のDATAL(L)端子からデータ信号(以下、DATAA信号)が入力され、または、交換レンズ3のDATAL(L)端子からのデータ信号(以下、DATAL信号)がテレコンバータ4を介して入力される。
レンズ側通信部340は、交換レンズ3のDATAL(L)端子の出力を高インピーダンス状態に切り替えることが可能である。また、アクセサリ側制御/通信部435は、テレコンバータ4のDATAL(L)端子の出力を高インピーダンス状態に切り替えることが可能である。アクセサリ側制御/通信部435がボディ側通信部240と接続される状態では、カメラボディ2のDATAL(B)端子にテレコンバータ4からのDATAA信号が送信される。レンズ側通信部340がボディ側通信部240と接続される状態では、カメラボディ2のDATAL(B)端子に交換レンズ3からのDATAL信号が送信される。アクセサリ側制御/通信部435が出力するDATAA信号は、アクセサリ側制御/通信部435によって判断・生成された信号である。レンズ側通信部340が出力するDATAL信号は、レンズ側制御部330によって判断・生成された信号である。
【0042】
CLK(B)端子は、CLK(L)端子に向けてクロック信号(以下、CLK信号)が出力される出力端子である。CLK(L)端子は、CLK(B)端子からのCLK信号が入力される入力端子である。レンズ側通信部340には、ボディ側通信部240からのCLK信号が、テレコンバータ4を介して入力される。アクセサリ側制御/通信部435には、ボディ側通信部240からのCLK信号が入力される。
【0043】
HCLK(B)端子は、交換レンズ3のHCLK(L)端子からのクロック信号(以下、HCLK信号)がボディ側通信部240へ入力される入力端子である。HCLK(L)端子は、HCLK(B)端子へ向けてHCLK信号を出力する出力端子である。
HDATA(B)端子は、交換レンズ3のHDATA(L)端子からのデータ信号(以下、HDATA信号)がボディ側通信部240へ入力される入力端子である。HDATA(L)端子は、HDATA(B)端子へ向けてHDATA信号を出力する出力端子である。
【0044】
LDET(B)端子は、上述した装着検出端子である。カメラボディ2において、LDET(B)端子は抵抗器R2を介してボディ側制御部230に接続される。抵抗器R2とボディ側制御部230との間は、電源部250から供給される電源V33と抵抗器R1を介して接続される。
一方、交換レンズ3において、LDET(L)端子は抵抗器R3を介してGND電位に接続(接地)されている。また、テレコンバータ4において、LDET(B)端子とLDET(L)端子との間は接地されていない。本実施形態では、マスターレンズにおいてLDET(L)端子が設置され、非マスターレンズにおいてLDET(B)端子とLDET(L)端子との間は接地されていないものとする。
このような構成により、カメラボディ2内でLDET(B)端子はプルアップされており、交換レンズ3が装着されない状態では電源V33の電位となる。交換レンズ3が装着されると、プルアップされたLDET(B)端子に対して接地電位のLDET(L)端子が接続され、LDET(B)端子の電位が低下する。このことから、カメラボディ2は、交換レンズ3が装着されたことを検知できる。また、カメラボディ2にテレコンバータ4のみが装着されて交換レンズ3が装着されていない状態では、LDET(B)端子は電源V33の電位のままである。
【0045】
VBAT(B)端子は、カメラアクセサリへ電力を給電する給電用端子である。VBAT(B)端子からVBAT(L)端子へ供給される電力により、レンズ駆動部370および絞り駆動部380が駆動される。レンズ駆動部370および絞り駆動部380は、モータ等のアクチュエータを含むので、レンズ側制御部330へ供給される電力よりも高い電圧、大きな電流が必要とされる。以下の説明において、電源部250がVBAT(B)端子に印加する電圧を、駆動系電圧と称する。PGND(B)端子は、VBAT(B)端子に対応する接地用端子である。PGND(B)端子はPGND(L)端子と接続される。
【0046】
V33(B)端子も、カメラアクセサリへ電力を給電する給電用端子である。V33(B)端子からテレコンバータ4へ供給される電力は、電源回路452によってアクセサリ側制御/通信部435等のテレコンバータ4の各部へ分配される。また、電源回路452から出力される電力は、スイッチ450を介して交換レンズ3のV33(L)端子へ供給される。V33(L)端子から交換レンズ3へ供給された電力は、電源回路352によってレンズ側制御部330等の交換レンズ3の各部へ分配される。
【0047】
レンズ側制御部330は、V33(B)端子に接続され、駆動系電圧よりも低い電圧、小さな電流で動作する。以下の説明において、電源部250がV33(B)端子に印加する電圧を、回路系電圧と称する。GND(B)端子は、V33(B)端子に対応する接地用端子である。GND(B)端子は、上述したようにテレコンバータ4内の信号線を介して交換レンズ3のGND(L)端子と接続される。
なお、図3において、電力が供給される方向を矢印で示す。回路系電圧による電力(以下、回路系電力と呼ぶ)は、電源部250によってボディ側制御部230等のカメラボディ2の各部にも分配される。
【0048】
本実施形態では、カメラボディ2のV33(B)端子と交換レンズ3のV33(L)端子との間に、テレコンバータ4の電源回路452およびスイッチ450が直列に挿入、接続される。そして、スイッチ450がオンした状態では電源回路452を介してV33(L)端子へ回路系電力が供給され、スイッチ450がオフした状態ではV33(L)端子へ回路系電力の供給が遮断される。アクセサリ側制御/通信部435へは、スイッチ450よりも上流側で回路系電力が供給されるため、スイッチ450の開閉に係わらず、回路系電力が供給される。
【0049】
スイッチ450は、アクセサリ側制御/通信部435が起動してから、アクセサリ側制御/通信部435とボディ側通信部240との間での機器ID割り振りコマンドデータ通信(後述)を終了するまで開制御される。そして、スイッチ450は、アクセサリ側制御/通信部435とボディ側通信部240との間の機器ID割り振りコマンドデータ通信が終了した後に閉制御される。スイッチ450が閉じることによって、カメラボディ2と次のカメラアクセサリ(本実施形態では交換レンズ3)とが接続され、回路系電力が供給される。
【0050】
交換レンズ3において、VBAT(L)端子は、電源回路351と接続される。電源回路351の出力とPGND(L)端子は、レンズ駆動部370および絞り駆動部380に接続される。また、V33(L)端子は、上述したように電源回路352と接続される。電源回路352の出力とGND(L)端子は、レンズ側制御部330等の各部に接続される。
【0051】
<コマンドデータ通信の説明>
次に、図4を用いて、コマンドデータ通信について説明する。コマンドデータ通信では、レンズ側制御部330とボディ側制御部230との間で双方向のデータ信号の送受信が可能である。
ここで、カメラボディ2にテレコンバータ4を介して交換レンズ3を間接的に装着する使用形態を第1使用例とし、カメラボディ2にテレコンバータ4を介することなく交換レンズ3を直接装着する使用形態を第2使用例とする。図4は、第2使用例での各種信号のタイミングを例示する図である。
【0052】
本実施形態では、コマンドデータ通信として、機器ID割り振りコマンドデータ通信と通常コマンドデータ通信の2種類のコマンドデータ通信が行われる。機器ID割り振りコマンドデータ通信とは、カメラボディ2に装着された交換レンズ3やテレコンバータ4などのカメラアクセサリに対し、カメラボディ2が機器IDを割り振るために行うコマンドデータ通信である。通常コマンドデータ通信は、機器ID割り振りコマンドデータ通信によって機器IDが割り振られた後に行うコマンドデータ通信である(図7参照)。
1回のコマンドデータ通信では、カメラボディ2からカメラアクセサリへ1つのコマンドパケット402を送信した後に、カメラボディ2とカメラアクセサリとの間で相互に1つずつのデータパケット406、407が送受信される。
コマンドパケット402は、機種名情報の要求を示すデータ、マスターレンズか非マスターレンズかを判別するための判別信号の要求を示すデータ、当該コマンドデータ通信の相手先を示す機器IDを示すデータ、カメラアクセサリの光学特性に関する情報の要求を示すデータ、次のデータパケットで何のデータが送信されるかを示すデータ、次のデータパケットのデータ長を示すデータ、などを含む。
カメラボディ2からカメラアクセサリに送信されるデータパケット406は、カメラアクセサリ内での可動部の駆動量を示すデータ、カメラボディ2内での動作状態を伝えるためのデータ、機器IDを伝えるためのデータ、などを含む。
カメラアクセサリからカメラボディ2に送信されるデータパケット407は、カメラアクセサリの機種名情報を示すデータ、マスターレンズか非マスターレンズかを判別するための判別信号を示すデータ、カメラアクセサリ内での可動部の動作状態を伝えるためのデータ、カメラアクセサリの光学特性に関する情報を示すデータ、テレコンバータ4の拡大倍率を示すデータ、テレコンバータ4に所定の交換レンズを装着した場合の装着後の交換レンズの光学特性を示すデータ、などを含む。
【0053】
図4および以下の説明で、ボディ側通信部240とレンズ側通信部340との間のコマンドデータ通信を示すが、ボディ側通信部240とアクセサリ側制御/通信部435との間のコマンドデータ通信も同様であり、その場合、図4および以下の説明で、RDYL信号はRDYA信号に、DATAL信号はDATAA信号に、レンズ側通信部340はアクセサリ側制御/通信部435となる。
【0054】
レンズ側通信部340は、コマンドデータ通信開始時にはRDYL信号の電位をLレベルとする。また、レンズ側通信部340は、コマンドデータ通信を行える状態になったと判断すると、RDYL信号の電位をLレベルのままとする。また、レンズ側通信部340は、コマンドデータ通信を行えない状態ではRDYL信号のレベルをHレベルとする。
【0055】
ボディ側通信部240は、コマンドデータ通信の開始時(T1)に、RDYL信号がLレベルであると、CLK信号としてのクロック信号401の出力を開始する。これにより、カメラボディ2から交換レンズ3へクロック信号401が送信される。クロック信号401の周波数は、例えば8MHzである。
【0056】
ボディ側通信部240は、クロック信号401に同期して、DATAB信号としてのコマンドパケット402を出力する。図4において、コマンドパケット402は、HレベルとLレベルの切り替えで示される。ボディ側通信部240は、コマンドパケット402の送信が完了すると、クロック信号401の出力を終了する。
【0057】
レンズ側制御部330は、レンズ側通信部340で受信されたコマンドパケット402に含まれているエラー検出符号(例えばチェックサムデータ)を用いて、コマンドパケット402の通信エラーの有無を判断する。通信エラーがないと判断すると、レンズ側通信部340は、RDYL信号のレベルをHレベルにする(T2)。そして、レンズ側制御部330は、コマンドパケット402に基づいて第1制御処理404を開始する。
【0058】
レンズ側通信部340は、レンズ側制御部330による第1制御処理404が完了すると、RDYL信号のレベルをLレベルにすることができる(T3)。ボディ側通信部240は、入力されるRDYL信号のレベルがLレベルになると、CLK信号としてのクロック信号405を出力する。
【0059】
ボディ側通信部240は、クロック信号405に同期して、DATAB信号としてのデータパケット406を出力する。図4において、データパケット406は、HレベルとLレベルの切り替えで示される。ボディ側通信部240は、所定長のデータパケット406の送信が完了すると、クロック信号405の出力を終了する(T4)。
【0060】
一方、レンズ側通信部340はクロック信号405が入力されると、クロック信号405に同期して、DATAL信号としてのデータパケット407を出力する。図4において、データパケット407は、HレベルとLレベルの切り替えで示される。
【0061】
レンズ側制御部330は、レンズ側通信部340で受信されたデータパケット406に含まれているエラー検出符号(例えばチェックサムデータ)を用いて、データパケット406の通信エラーの有無を判断する。通信エラーが無いと判断されると、レンズ側通信部340は、RDYL信号のレベルを再びHレベルにする(T4)。そして、レンズ側制御部330は、データパケット406に基づいて第2制御処理408を開始する。
【0062】
<パケット構造>
図6(a)はコマンドパケット402の構造を例示する図であり、図6(b)はデータパケット406、407の構造を例示する図である。コマンドパケット402およびデータパケット406、407は、それぞれ先頭部分に同期用のデータを含む。
コマンドパケット402は、例えば全体が8バイトの固定長データである。「Dev ID」63は、通信相手の機器IDを含む固定長のデータである。通常コマンドデータ通信は、機器ID割り振りコマンドデータの後に行われるので、コマンドパケット402は通信相手の機器IDを含めて送信される。そのため、「Dev ID」63には通信相手の機器IDを示すデータがセットされる。これに対し、機器ID割り振りコマンドデータ通信の場合、機器IDを割り振る前に行われるので、コマンドパケット402は通信相手の機器IDを指定しないで送信される。その場合、機器ID割り振りコマンドデータ通信では、「Dev ID」63にはあらかじめ定めた初期値がセットされ、コマンドパケット402は固定長のままである。
【0063】
「CMD」64は、指示や要求などを示す固定長のデータである。「CMD」64には、カメラボディ2からの指示や要求を表すデータが含まれる。「Length」66は、次に送信されるデータパケット406のデータ長(すなわち情報量)を示す固定長のデータである。コマンドパケット402で後続のデータパケット406のデータ長が示されるので、受信側の機器(交換レンズ3またはテレコンバータ4)は、データパケット406を受信する際に、同期用のデータを検出してから「Length」66によって示されたデータ長を計測して、データパケット406の受信を終了することができる。
【0064】
データパケット406、407は、「Length」66によって示されたデータ数を有するmバイトの可変長データである。「DATA1」72、「DATA2」73、…「DATAn」m-1は、それぞれ1バイト長に分けられたデータである。送信される情報は、「DATA1」72、「DATA2」73、…と1バイト単位に分けてセットされる。機器ID割り振りコマンドデータ通信のデータパケット406の場合、機器IDを示すデータが、例えば「DATA1」72にセットされる。通常コマンドデータ通信のデータパケット407の場合には、カメラアクセサリからの情報を示すデータが、「DATA1」72、「DATA2」73、…「DATAn」m-1にセットされる。
【0065】
<第1および第2制御処理の説明>
次に、図4に示すコマンドデータ通信の第1制御処理404および第2制御処理408の一例を説明する。
例えば、コマンドパケット402が、レンズ361の駆動指示を含むとする。レンズ側制御部330は、第1制御処理404として、レンズ361の駆動指示を受信したことを示すデータパケット407を生成する。次に、レンズ側制御部330は、第2制御処理408として、データパケット406によって示された移動量だけレンズ361を移動させるように、レンズ駆動部370へ指示を出す。これにより、レンズ361が光軸O方向に移動する。レンズ側通信部340は、レンズ側制御部330からレンズ駆動部370へレンズ361の移動指示が出されると、第2制御処理408を完了したとしてRDYL信号のレベルをLレベルにする(T5)。
また、例えば、コマンドパケット402が、ホットライン通信の開始指示を含むとする。レンズ側制御部330は、第1制御処理404として、ホットライン通信の開始指示を受信したことを示すデータパケット407を生成する。次に、レンズ側制御部330は、第2制御処理408としてレンズ側通信部340にホットライン通信を開始させる指示を出力し、第2制御処理408を完了したとしてRDYL信号のレベルをLレベルにする(T5)。
【0066】
<コマンドデータ通信の処理の流れ>
次に、アクセサリとしてテレコンバータ4を装着する場合の、コマンドデータ通信の処理の流れを説明する。図7は、機器ID割り振りコマンドデータ通信と、機器IDが割り振られた以降に行われる通常コマンドデータ通信とにおける、処理の流れを説明するタイムチャートである。図7において上から順に、カメラボディ2に入力されるRDYB信号、カメラボディ2から出力されるDATAB信号、アクセサリ側制御/通信部435から出力されるRDYA信号、アクセサリ側制御/通信部435から出力されるDATAA信号、レンズ側制御部330から出力されるRDYL信号、レンズ側制御部330から出力されるDATAL信号を示す。また、図7において横軸は時間を表す。また、図7においてSから始まる符号は、図8図9のフローチャートにおいて対応する処理を示すステップ番号である。図8は、機器ID割り振りコマンドデータ通信時に実行される処理の流れを示すフローチャートである。図9は、通常コマンドデータ通信時に実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【0067】
図7の大まかな流れを説明すると、時刻t10から時刻t20までを、カメラボディ2がテレコンバータ4および交換レンズ3と順番に機器ID割り振りコマンドデータ通信を行う期間とする。そして、時刻t20以降を、カメラボディ2が交換レンズ3またはテレコンバータ4と個別に通常コマンドデータ通信を行う期間とする。
ボディ側通信部240は、時刻t10から時刻t12までアクセサリ側制御/通信部435と機器ID割り振りコマンドデータ通信を行い、時刻t13から時刻t20までレンズ側通信部340と機器ID割り振りコマンドデータ通信を行う。
【0068】
ボディ側制御部230は、カメラアクセサリが装着されたことを検出すると、装着されたカメラアクセサリそれぞれに対して機器ID割り振りコマンドデータ通信を行うことにより、各カメラアクセサリに対して機器IDを割り振る。その後、通常コマンドデータ通信では、ボディ側制御部230は、各コマンドデータ通信において通信相手の機器IDを指定する。なお、本実施形態では、装着検出端子によるカメラアクセサリの装着検出または電源投入ごとに、ボディ側制御部230が機器IDを割り振るものとする。そのため、機器ID割り振りコマンドデータ通信を行う前において過去の機器IDが記憶部にボディ側制御部230に保持されていたとしても、機器IDを割り振りなおしてから通信を行うものとする。
【0069】
(機器ID割り振りコマンドデータ通信)
カメラボディ2にテレコンバータ4を介して間接的に交換レンズ3が装着されると、LDET(B)端子の電位が低下する。ボディ側制御部230は、LDET(B)端子の電位の低下を検知すると、テレコンバータ4のV33(B)端子へ回路系電力を供給する。これにより、アクセサリ側制御/通信部435に給電が行われ、時刻t10においてアクセサリ側制御/通信部435が起動する。起動したアクセサリ側制御/通信部435は、RDYA信号をLレベル→Hレベル→Lレベルに変化させて(S410)、機器ID割り振りコマンドデータ通信を受信可能状態であることをカメラボディ2に報知する。
【0070】
RDYB信号によりテレコンバータ4が受信可能状態であることを報知されたボディ側制御部230は、クロック信号401に同期してDATAB信号を出力する(S230)。この際のDATAB信号にはコマンドパケット402が含まれており、テレコンバータ4に対する機器IDの割り振り指示と、テレコンバータ4に対する判別信号の要求とが含まれる。コマンドパケット402に対する第1制御処理404を完了したアクセサリ側制御/通信部435は、RDYA信号をLレベル→Hレベル→Lレベルに変化させて(S425)受信可能状態であることをカメラボディ2へ報知する。ボディ側通信部240は、クロック信号405に同期してDATAB信号を出力する(S240)。この際のDATAB信号には、データパケット406であり、テレコンバータ4に割り振る機器ID(例えば機器ID1)を含む。データパケット406を受信したアクセサリ側制御/通信部435は、第2制御処理408により機器ID1を記憶部437に記憶またはアクセサリ側制御/通信部435に保持させる。
【0071】
一方、アクセサリ側制御/通信部435は、クロック信号405に同期して、DATAA信号を出力する(S430)。このDATAA信号には、データパケット407が含まれており、テレコンバータ4の判別信号や機種名情報などを含む。本実施形態では、テレコンバータ4の判別信号は、例えば「DATA_1」72の領域に含まれるデータを「01」などで表し、非マスターレンズであることを表している。つまり、テレコンバータ4から判別信号(01)を受信することにより、カメラボディ2は、現在通信しているカメラアクセサリ(テレコンバータ4)の被写体側に他の機器(本例では交換レンズ3)が通信可能に装着され得る、ということを認識できる。テレコンバータ4の判別信号は、記憶部437に記憶されている。また、カメラボディ2は、テレコンバータ4に付与した機器ID1を、テレコンバータ4から受信した機種名情報と関連付けてボディ内制御部230に保持する。
【0072】
データパケット406の受信の完了(S240)とデータパケット406の送信の完了(S430)を確認すると、アクセサリ側制御/通信部435は、RDYA信号をLレベル→Hレベル→Lレベルに変化させて通信放棄する(S445)とともに、Lレベルに変化させた時刻t11から所定時間内の時刻内において、RDYA信号およびDATAA信号の出力を遮断する(t12、S450)。さらに、アクセサリ側制御/通信部435は、スイッチ450をオン、すなわち電源回路452からの回路系電力を交換レンズ3に接続させる(S460)。
回路系電力が接続されることにより、交換レンズ3に給電が行われ、時刻t13においてレンズ側制御部330が起動する。レンズ側制御部330が起動すると、交換レンズ3がカメラボディ2と機器ID割り振りコマンドデータ通信を行うことが可能になり、レンズ側制御部330は、アクセサリ側制御/通信部が時刻t10からt12まで行った処理と同様の処理を行う。本実施形態では、交換レンズ3の判別信号は、例えば「DATA_1」72の領域に含まれるデータを「00」などで表し、マスターレンズであることを表している。つまり、交換レンズ3から判別信号(00)を受信することにより、カメラボディ2は、現在通信しているカメラアクセサリ(交換レンズ3)の被写体側に他の機器が通信可能に装着されない、ということを認識できる。交換レンズ3の判別信号は、記憶部350に記憶されている。また、カメラボディ2は、交換レンズ3に機器ID(例えば、機器ID2)を付与し、交換レンズ3から受信した情報(例えば、機種名情報)と交換レンズ3に付与した機器ID2とを関連付けてボディ内制御部230に保持する。また、交換レンズ3は、付与された機器ID2を記憶部350に記憶またはレンズ側制御部330に保持させる。ボディ側制御部230は、判別信号に基づき機器ID2を付与した機器がマスターレンズでありその被写体側に他の機器が通信可能な状態で装着されないとわかるので、機器ID割り振りコマンドデータ通信を終了する。
このようにして機器ID割り振りコマンドデータ通信を行うことにより、カメラボディ2は、通信可能に装着されているカメラアクセサリの全てに機器IDの割り振りを行うことができるとともに、取得した機種名情報と付与した機器IDとを対応付けて保持することができる。
【0073】
本実施形態では、時刻t10からt12で電力が供給されているテレコンバータ4のみがカメラボディ2と機器ID割り振りコマンドデータ通信を行うことが可能になり、機器IDの割り振りと判別信号の要求を受ける。一方、電力が供給されていない交換レンズ3は、カメラボディ2と機器ID割り振りコマンドデータ通信を行うことができないため、機器IDの割り振りと判別信号の要求を受けない。そのため、アクセサリ側制御/通信部435のみが、自分の機種名情報と判別信号をカメラボディ2に送ることができる。これにより、カメラボディ2は、テレコンバータ4に機器ID1を付与し、テレコンバータ4から受信した情報(例えば、機種名情報)とテレコンバータ4に付与した機器ID1とを関連付けてボディ側制御部230に保持する。ボディ側制御部230は、判別信号により、機器ID1を付与した機器が非マスターレンズでありその被写体側に通信可能な他の機器が装着され得るとわかるので、次の機器ID2の割り振りを開始することができる。
【0074】
(通常コマンドデータ通信)
機器ID割り振りコマンドデータ通信を終了したボディ側制御部230は、時刻t20以降に通常コマンドデータ通信を行う。通常コマンドデータ通信は、カメラボディ2が交換レンズ3またはテレコンバータ4のいずれか一方を通信相手に指定して個別に行う。
図7の例では、カメラボディ2が、時刻t23から時刻t32までテレコンバータ4と通常コマンドデータ通信を行い、時刻t33以降に交換レンズ3と通常コマンドデータ通信を行う。
【0075】
ボディ側通信部240は、RDYB信号がLレベル→Hレベル→Lレベルに変化したことを検知すると、クロック信号401に同期してDATAB信号を出力する(S130)。この際のDATAB信号にはコマンドパケット402が含まれ、テレコンバータ4に対する指示や要求が含まれる。したがって、コマンドパケット402にテレコンバータ4に対応する機器ID1が含まれる。
【0076】
コマンドパケット402は、レンズ側通信部340およびアクセサリ側制御/通信部435によってそれぞれ受信される。コマンドパケット402を受信したレンズ側通信部340は、コマンドパケット402に自身の機器ID1とは異なる機器ID2が含まれていることを検知すると、コマンドパケット402を受信完了した時刻t21から所定時間(t33)まで、RDYL信号およびDATAL信号の出力を遮断する(S570)。遮断する所定時間は、後続のデータパケット406のデータ長がコマンドパケット402に含まれていることから、レンズ側通信部340でも認識可能である。
一方、コマンドパケット402を受信したアクセサリ側制御/通信部435は、コマンドパケット402に自身の機器ID2が含まれていることを検知すると、コマンドパケット402を受信完了した時刻t21から所定時間内において、RDYA信号およびDATAA信号の出力を通信可能状態にする(t23、S530)。アクセサリ側制御/通信部435は、RDYA信号をLレベル→Hレベル→Lレベルに変化させて(S540)、コマンドデータ通信可能状態であり、後続のデータパケット406を受信可能あることをカメラボディ2へ報知する。
【0077】
テレコンバータ4から受信可能状態であることを報知されたボディ側通信部240は、クロック信号405に同期してDATAB信号を出力する(S140)。この際のDATAB信号にはデータパケット406が含まれており、テレコンバータ4が時刻t21において受信完了したコマンドパケット402で指示された動作を行うためのデータ等が含まれる。一方、アクセサリ側制御/通信部435は、クロック信号405に同期して、DATAA信号を出力する(S550)。この際のDATAA信号にはデータパケット407が含まれており、例えば、テレコンバータ4の焦点距離の拡大倍率、レンズ460の光学特性を示す情報、所定の交換レンズを装着した場合の装着後の交換レンズの光学特性などを含めることができる。
【0078】
続いて、ボディ側通信部240は、RDYB信号がLレベル→Hレベル→Lレベルに変化すると、クロック信号401に同期してDATAB信号を出力する(S130)。この際のDATAB信号にはコマンドパケット402が含まれており、交換レンズ3に対応する機器ID2が含まれる。
コマンドパケット402は、レンズ側通信部340およびアクセサリ側制御/通信部435によってそれぞれ受信される。アクセサリ側制御/通信部435は、コマンドパケット402に自身の機器ID1とは異なる機器ID2が含まれていることを確認すると、コマンドパケット402を受信完了した時刻t31から所定時間内において、RDYA信号およびDATAA信号の出力を遮断する(t32、S570)。一方、レンズ側通信部340は、コマンドパケット402に自身の機器ID2が含まれていることを確認すると、コマンドパケット402を受信完了した時刻t31から所定時間内において、RDYL信号およびDATAL信号の出力を通信可能状態にする(t33、S530)。レンズ側通信部340は、RDYL信号をLレベル→Hレベル→Lレベルに変化させて(S540)受信可能状態であることをカメラボディ2に報知する。
【0079】
交換レンズ3から受信可能状態であることを報知されたボディ側通信部240は、クロック信号405に同期してDATAB信号を出力する(S140)。この際のDATAB信号には、データパケット406が含まれており、交換レンズ3が、時刻t31において受信完了したコマンドパケット402で指示された動作を行うためのデータ等が含まれる。
一方、レンズ側通信部340は、クロック信号405に同期して、DATAL信号出力する(S550)。この際のDATAL信号には、データパケット407が含まれており、交換レンズ3の撮像光学系360の焦点距離等の光学特性を示す情報、可動部の動作状態を示す情報などを含めることができる。
【0080】
なお、第2使用例では、テレコンバータ4が装着されておらず、カメラボディ2に交換レンズ3が直接装着されている。その場合、機器ID割り振りコマンドデータ通信として図7の時刻t13以降の処理が行われる。また、通常コマンドデータ通信として図7の時刻t33以降の処理が行われる。第2使用例の場合、機器IDは交換レンズ3に対する1つの機器ID(例えば、機器ID1)しか付与されず、カメラボディ2から送信されるコマンドパケットには常にその機器ID(機器ID1)が含まれる。よって、結果的に交換レンズ3はカメラボディ2からのコマンドデータを全て受信できることになる。
【0081】
交換レンズ3とカメラボディ2との間に中間アクセサリが複数、たとえば2つ存在する場合には、交換レンズ3よりも先に、カメラボディ2に近い第1中間アクセサリとカメラボディ2との間で機器ID割り振りコマンドデータ通信が開始される。そして、第1中間アクセサリとの機器ID割り振りコマンドデータ通信の終了を待って、第1中間アクセサリの被写体側(カメラボディ2から遠い側)に装着された第2中間アクセサリとの間で機器ID割り振りコマンドデータ通信が開始される。つまり、通信相手を切り替えて、機器ID割り振りコマンドデータ通信が行われる。カメラボディ2と交換レンズ3との間に装着された全ての中間アクセサリとの機器ID割り振りコマンドデータ通信の終了を待って、カメラボディ2と交換レンズ3との間で機器ID割り振りコマンドデータ通信が開始される。
つまり、中間アクセサリが複数存在する場合は、機器ID割り振りコマンドデータ通信として図7の時刻t10からt12までの処理と同様の処理が、時刻t13の前に挿入して行われる。
【0082】
(機器ID割り振りコマンドデータ通信でのボディ側制御部230の処理)
次に、図8に基づいて、カメラボディ2での機器ID割り振りコマンドデータ通信の処理を説明する。
ボディ側制御部230は、電源オン操作に応じて電源オン処理を行うと図8の機器ID割り振りコマンドデータ通信を開始させる。ステップS210において、ボディ側制御部230は、LDET(B)端子の信号がLレベルか否か、すなわち交換レンズ3の装着の有無を判定する。ボディ側制御部230は、LDET(B)端子がLレベルである場合にステップS210を肯定判定してステップS220へ進み、交換レンズ3からの応答に基づく判断を行う。ボディ側制御部230は、LDET(B)端子がHレベルの場合にはステップS210を否定判定し、ステップS210の処理を繰り返しながら交換レンズ3の装着を待つ。
【0083】
ステップS220において、ボディ側制御部230は、RDYB信号がLレベル→Hレベル→Lレベルに変化したか否かを判定する。ボディ側制御部230は、RDYB信号の変化が検知されると、テレコンバータ4が受信可能状態であると判断し、ステップS220を肯定判定してステップS230へ進む。ボディ側制御部230は、上記の変化が検知されない場合には、ステップS220を否定判定してステップS220の処理を繰り返す。
ステップS230において、ボディ側制御部230は、機器ID割り振りコマンドデータ通信のコマンドパケット402を送信させる。ステップS235において、ボディ側制御部230は、RDYB信号が変化したか否かを判定する。ボディ側制御部230は、ボディ側通信部240によってLレベル→Hレベル→Lレベルへの変化が検知されると、テレコンバータ4が受信可能状態であると判断し、ステップS235を肯定判定してステップS240へ進む。ボディ側制御部230は、上記の変化が検知されない場合には、ステップS235を否定判定してステップS235の処理を繰り返す。
ステップS240において、ボディ側制御部230は、機器ID割り振りコマンドデータ通信のデータパケット406を送信させるとともに、カメラアクセサリから機器ID割り振りコマンドデータ通信のデータパケット407を受信させてステップS245へ進む。データパケット406には、機器IDを示すデータが含まれている。一方、データパケット407には、カメラアクセサリの判別信号と機種名情報が含まれる。
【0084】
ステップS245において、ボディ側制御部230は、RDYB信号が変化したか否かを判定する。ボディ側制御部230は、RDYB信号のLレベル→Hレベル→Lレベルへの変化が検知されると、通信相手が受信可能状態であると判断し、ステップS245を肯定判定してステップS250へ進む。ボディ側制御部230は、上記の変化が検知されない場合には、ステップS245を否定判定してステップS245の処理を繰り返す。
ステップS250において、ボディ側制御部230は、送信した機器IDと通信相手の機種名情報とを関連付けて保持してステップS260へ進む。すなわち、ボディ側制御部230は、S240においてデータパケット406にセットした機器ID1と、通信相手である「テレコンバータ4」とを紐付けた情報を記憶する。
【0085】
ステップS260において、ボディ側制御部230は、判別信号がマスターレンズであることを示すか否かを判定する。つまり、ボディ側制御部230は、判別信号が00であるか01であるかを判定する。判別信号がマスターレンズ(00)を示していると、本実施形態ではマスターレンズの被写体側に他のカメラアクセサリが通信可能な状態で装着されることはないので、通信可能な状態で装着されている全てのカメラアクセサリへ機器IDを割り振ったと判断できる。ボディ側制御部230は、ステップS260を肯定判定して図8による機器ID割り振りコマンドデータ通信を終了する。機器ID割り振りコマンドデータ通信後は、図9の通常コマンドデータ通信へ進む。
判別信号が非マスターレンズ(01)を示していると、非マスターレンズの被写体側に他のカメラアクセサリが通信可能な状態で装着される可能性があるので、通信可能な状態で装着されている全てのカメラアクセサリへ機器IDを割り振ったと判断できない。ボディ側制御部230は、ステップS260を否定判定してステップS220へ戻る。ステップS220へ戻った場合、ボディ側制御部230は、上述した処理と同様の処理を繰り返す。
【0086】
(機器ID割り振りコマンドデータ通信でのアクセサリ側制御/通信部435の処理)
次に、図8に基づいて、テレコンバータ4での機器ID割り振りコマンドデータ通信の処理を説明する。
アクセサリ側制御/通信部435は、回路系電力の供給により起動して受信可能状態になると、ステップS410において、RDYA信号をLレベル→Hレベル→Lレベルに変化させて、ステップS420へ進む。
【0087】
ステップS420において、アクセサリ側制御/通信部435は、ボディ側通信部240から機器ID割り振りコマンドデータ通信のコマンドパケット402を受信してステップS425へ進む。ステップS425において、アクセサリ側制御/通信部435は、次のデータパケット406を受信可能状態になると、RDYA信号をLレベル→Hレベル→Lレベルに変化させて、ステップS430へ進む。
ステップS430において、アクセサリ側制御/通信部435は、ボディ側通信部240から機器ID割り振りコマンドデータ通信のデータパケット406を受信するとともに、ボディ側通信部240へデータパケット407を送信してステップS440へ進む。
【0088】
ステップS440において、アクセサリ側制御/通信部435は、ステップS430で受信したデータパケット406によってカメラボディ2からテレコンバータ4に割り振られた機器IDを、記憶部437に記憶してステップS445へ進む。
ステップS445において、アクセサリ側制御/通信部435は、第1制御処理404として機器IDの記憶を完了し、受信可能状態になると、RDYA信号をLレベル→Hレベル→Lレベルに変化させて、ステップS450へ進む。
【0089】
ステップS450において、アクセサリ側制御/通信部435は、上RDYA信号およびDATAA信号の出力を遮断(高インピーダンス状態にする)してステップS460へ進む。ステップS460において、アクセサリ側制御/通信部435は、スイッチ450をオンさせて、すなわち回路系電力を交換レンズ3へ供給して図8による機器ID割り振りコマンドデータ通信を終了する。機器ID割り振りコマンドデータ通信後は、図9の通常コマンドデータ通信へ進む。
【0090】
(機器ID割り振りコマンドデータ通信でのレンズ側制御部330の処理)
次に、図8に基づいて、交換レンズ3での機器ID割り振りコマンドデータ通信の処理を説明する。
レンズ側制御部330は、回路系電力の供給により起動して受信可能状態になると、ステップS310において、レンズ側通信部340によりRDYL信号をLレベル→Hレベル→Lレベルに変化させて、ステップS320へ進む。
【0091】
ステップS320において、レンズ側制御部330は、レンズ側通信部340によりボディ側通信部240から機器ID割り振りコマンドデータ通信のコマンドパケット402を受信してステップS325へ進む。ステップ325おいて、レンズ側制御部330は、次のデータパケット406を受信可能状態になると、レンズ側通信部340によりRDYL信号をLレベル→Hレベル→Lレベルに変化させて、ステップS330へ進む。
ステップS330において、レンズ側制御部330は、レンズ側通信部340によりボディ側通信部240から機器ID割り振りコマンドデータ通信のデータパケット406を受信するとともに、ボディ側通信部240へデータパケット407を送信してステップS340へ進む。
【0092】
ステップS340において、レンズ側制御部330は、ステップS330で受信したデータパケット406によってカメラボディ2から交換レンズ3に割り振られた機器IDを、第1制御処理404としてレンズ側記憶部350に記憶してステップS345へ進む。
ステップS345において、レンズ側制御部330は、機器IDの記憶を完了し、受信可能状態になると、レンズ側通信部340によりRDYL信号をLレベル→Hレベル→Lレベルに変化させて図8による機器ID割り振りコマンドデータ通信を終了する。機器ID割り振りコマンドデータ通信後は、図9の通常コマンドデータ通信へ進む。
【0093】
(通常コマンドデータ通信でのボディ側制御部230の処理)
次に、図9に基づいて、カメラボディ2での通常コマンドデータ通信の処理を説明する。
ステップS110において、ボディ側制御部230は、通信相手(つまり機器ID)を決定してステップS120へ進む。この際、通信相手の機器IDは、ボディ側制御部230に保持されている。ボディ側制御部230は、例えば、テレコンバータ4内での駆動制御、テレコンバータ4内でのエラーチェックなど、テレコンバータ4へ指示や要求を行う場合はテレコンバータ4を通信相手にするので、機器ID1に決定する。また、例えば、レンズ駆動部370によりレンズ361を初期位置へ移動させる等の初期化、レンズ駆動部370によるレンズ361の駆動制御、交換レンズ3内でのエラーチェックなど、交換レンズ3へ指示や要求を行う場合は交換レンズ3を通信相手にするので、機器ID2に決定する。
【0094】
ステップS120において、ボディ側制御部230は、RDYB信号がHレベルであるか否かを判定する。つまり、ボディ側制御部230は、カメラアクセサリでの機器ID割り振り処理や第2制御処理が終了してRDYB信号がLレベル→Hレベル→Lレベルへ変化したことが検知されると、ステップS120を肯定判定してステップS130へ進む。ボディ側制御部230は、上記の変化が検知されない場合には、ステップS120を否定判定してステップS120の処理を繰り返す。
【0095】
ステップS130において、ボディ側制御部230は、通常コマンドデータ通信のコマンドパケット402を送信させてステップS135へ進む。この際のコマンドパケット402には、機器IDを指定するデータが含まれる。ステップS135において、ボディ側制御部230は、RDYB信号が変化したか否かを判定する。ボディ側制御部230は、RDYB信号のLレベル→Hレベル→Lレベルへの変化が検知されると、通信相手が受信可能状態であると判断し、ステップS135を肯定判定してステップS140へ進む。ボディ側制御部230は、上記の変化が検知されない場合には、ステップS135を否定判定してステップS135の処理を繰り返す。
ステップS140において、ボディ側制御部230は、通常コマンドデータ通信のデータパケット406を送信させるとともに、通信相手のカメラアクセサリから通常コマンドデータ通信のデータパケット407を受信させてステップS145へ進む。
ステップS145において、ボディ側制御部230は、RDYB信号が変化したか否かを判定する。ボディ側制御部230は、RDYB信号のLレベル→Hレベル→Lレベルへの変化が検知されると、通信相手が受信可能状態であると判断し、ステップS145を肯定判定してステップS150へ進む。ボディ側制御部230は、上記の変化が検知されない場合には、ステップS145を否定判定してステップS145の処理を繰り返す。
【0096】
ステップS150において、ボディ側制御部230は、終了処理を行うか否かを判定する。ボディ側制御部230は、例えば電源オフ操作が行われた場合にはステップS150を肯定判定し、所定のオフ処理を行って図9による通常コマンドデータ通信を終了する。オフ処理時に、記憶部235に記憶している機器IDを消去するものとする。
ボディ側制御部230は、終了処理を行わない場合には、ステップS150を否定判定してステップS130へ戻る。ステップS130へ戻ると、ボディ側制御部230は上述した処理と同様の処理を繰り返す。なお、ボディ側制御部230は、ステップS130の前に、通信相手を決定するステップS110を行うこととしても良い。
【0097】
(通常コマンドデータ通信での中間アクセサリ制御/通信部435、レンズ側制御部330の処理)
次に、図9に基づいて、カメラアクセサリでの通常コマンドデータ通信の処理を説明する。以下、アクセサリ側制御/通信部435またはレンズ側制御部330は、まとめて「カメラアクセサリの制御部」とする。
ステップS510において、カメラアクセサリの制御部は、通常コマンドデータ通信のコマンドパケット402をボディ側制御部240から受信してステップS520へ進む。
【0098】
ステップS520において、カメラアクセサリの制御部は、コマンドパケット402に含まれる機器IDが自身の機器IDと一致するか否かを判定する。カメラアクセサリの制御部は、コマンドパケット402に自身の機器IDが含まれる場合にはステップS520を肯定判定してステップS530へ進む。カメラアクセサリの制御部は、コマンドパケット402に自身の機器IDが含まれない場合にはステップS520を否定判定してステップS570へ進む。
【0099】
コマンドパケット402が自分宛である場合には、カメラアクセサリの制御部は、ステップS530においてRDYA信号およびDATAA信号の出力、または、RDYL信号およびDATAL信号の出力を、通信可能状態にしてステップS540へ進む。ステップS540において、カメラアクセサリの制御部は、コマンドパケット402の受信にエラーが無いと判断すると、RDYA信号またはRDYL信号をLレベル→Hレベル→Lレベルに変化させてステップS545へ進む。ステップS545において、カメラアクセサリの制御部は、コマンドパケット402に基づいて第1制御処理404を開始してステップS550へ進む。
【0100】
ステップS550において、カメラアクセサリの制御部は、ボディ側制御部240からデータパケット406を受信するとともに、ボディ側制御部240へデータパケット407を送信してステップS560へ進む。
ステップS560において、カメラアクセサリの制御部は、データパケット406の受信にエラーが無いと判断すると、RDYA信号またはRDYL信号をLレベル→Hレベル→Lレベルに変化させてステップS565へ進む。ステップS565において、カメラアクセサリの制御部は、データパケット406による制御内容に基づいて第2制御処理408を開始してステップS510へ戻る。
【0101】
コマンドパケット402に自身の機器IDが含まれない場合は、カメラアクセサリの制御部は、ステップS520を否定判定して、ステップS570に進む。カメラアクセサリの制御部は、ステップS570において、RDYA信号またはRDYL信号およびDATAA信号またはDATAL信号の出力を遮断してステップS510へ戻る。
【0102】
(第3使用例)
第1使用例と第2使用例では、カメラボディ2に非マスターレンズのみが装着された状態では、LDET(B)端子の電位は電源V33の電位のままで低下せず、カメラボディ2はカメラアクセサリが装着されていると検出しないこととした。また、第1使用例と第2使用例では、ボディ側制御部230は、LDET(B)端子の電位の低下の検知と、ボディ側マウント210に設けられた不図示のレンズ着脱検出ピンを用いた装着検出とによって、交換レンズ3の装着を検知するように構成した。
しかしながら、カメラボディ2は、非マスターレンズが装着されておりマスターレンズが装着されていない状態でも、カメラアクセサリが装着されていると検出することとしてもよい。
以下、カメラボディ2にテレコンバータ4が装着されている状態で電源投入され、その後に交換レンズ3が装着される使用例を、第3使用例とする。第3使用例では、カメラボディ2の電源投入時かつ交換レンズ3装着前にステップS220以降の機器ID割り振りコマンドデータ通信を開始するようにしてもよい。このようにすると、カメラボディ2にテレコンバータ4だけが装着された状態で時刻t10から時刻t12の処理によりテレコンバータ4に機器IDを割り振っておき、その後に交換レンズ3が装着されてから交換レンズ3にのみ時刻t12から時刻20の処理を行って機器IDを割り振ることとしてもよい。
【0103】
<ホットライン通信の説明>
ボディ側制御部230は、マスターレンズとの間でホットライン通信をおこなう。マスターレンズ(本実施形態では交換レンズ3)は、内部に移動部材を備えており、移動部材の位置や移動状況を、コマンドデータ通信とは独立したホットライン通信で送信する。ホットライン通信では、レンズ側制御部330からボディ側制御部230へ、データ信号(HDATA信号)およびクロック信号(HCLK信号)を一方向に送信する。
【0104】
ホットライン通信は、コマンドデータ通信によってカメラボディ2から交換レンズ3へホットライン通信開始の指示が送信されると、コマンドデータ通信によってカメラボディ2から交換レンズ3へホットライン通信終了の指示が送信されるまで、コマンドデータ通信とは無関係に(独立して)レンズ側通信部340からボディ側通信部240へホットラインデータを送信する。レンズ側通信部340からボディ側通信部240へ送信されるホットラインデータは、例えば、交換レンズ3の状態に関する情報であり、レンズ361のフォーカシングレンズの位置情報、振れ補正レンズの位置情報、フォーカシングレンズの制御状態を示す情報などを含めることができる。この情報は、以下に説明する図5ではレンズ信号503として示されている。
【0105】
図5は、ボディ側通信部240とレンズ側通信部340との間で行われるホットライン通信のタイミングを例示する図である。レンズ側制御部330は、コマンドデータ通信によりホットライン通信の開始のコマンドが受信されると(T6)、レンズ情報に関するデータの生成処理501を開始する。生成処理501は、例えば、1ミリ秒のサンプリング周期で交換レンズ3の状態を示す情報を取得し、取得した情報をのせた信号、すなわちレンズ信号503を生成する処理である。
【0106】
レンズ側通信部340は、レンズ側制御部330によるレンズ信号503の生成が完了すると(T7)、HCLK(L)端子からクロック信号502を出力する。これにより、交換レンズ3からカメラボディ2へクロック信号502が送信される。クロック信号502の周波数は、例えば2.5MHzである。
【0107】
レンズ側通信部340は、クロック信号502に同期して、HDATA信号としてのレンズ信号503を出力する。図5においてレンズ信号503は、HレベルとLレベルの切り替えで示される。レンズ側通信部340は、レンズ信号503の送信が完了すると(T8)、クロック信号502の出力を終了し時刻T6に戻る。レンズ側通信部340は、時刻T6からT8を1回のホットライン周期として繰り返す。
レンズ側通信部340は、コマンドデータ通信によってカメラボディ2から通信終了の指示(送信停止の指示とも称する)が送信されるまで、一定期間(例えば1ミリ秒)ごとに、生成処理501とレンズ信号503の送信とを繰り返す。なお、時刻T7から時刻T8の時間は、時刻T6から時刻T8までの時間の80%を超えないものとする。つまり、1回のホットライン通信のうち、レンズ信号503の送信に要する時間は75%程とされており、80%を超えないようなレンズ信号503のデータ長とされる。また、レンズ側制御部330は、生成処理501をHCLK信号やHDATA信号とは無関係に行うものとしてもよい。その場合、生成処理501は必ずしもT6からT7の間に行うとはならない。
【0108】
上述したコマンドデータ通信とホットライン通信とによって2系統の通信を独立して行えるので、それぞれの通信を並行して実行することが可能である。すなわち、ボディ側制御部230およびレンズ側制御部330は、コマンドデータ通信を行っているときにホットライン通信を開始することも終了することもできる。また、ホットライン通信を行っているときにコマンドデータ通信を行うことも可能である。そのため、ボディ側制御部230は、コマンドデータ通信中であってもホットライン通信により交換レンズ3に関する情報を継続的に取得することができる。また、ホットライン通信で交換レンズ3に関する情報を継続的に取得できるので、コマンドデータ通信で長いデータの送受信を行うことによる弊害を抑制することができる。また、ボディ側制御部230は、ホットライン通信があるので、交換レンズ3への種々の指示や要求を任意のタイミングで送ることができるし、交換レンズ3から任意のタイミングで情報を受けることができる。
【0109】
上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)カメラボディ2は、被写体からの光が入射するカメラアクセサリを着脱可能に構成され、ボディ側端子と、装着されたカメラアクセサリの少なくとも一つと通信するボディ側通信部240とを備える。ボディ側通信部240は、ボディ側端子のうちの通信用端子を介して、テレコンバータ4の前側(被写体の側)にカメラボディ2と通信可能な他の機器(例えば交換レンズ3)が装着可能か否かを示す判別信号をテレコンバータ4に要求する。このように構成したので、通信する機器の前側にカメラアクセサリが存在するか否かを示す判別信号を、通信する機器から取得することができる。判別信号は、マスターレンズであるか、非マスターレンズであるかを判別する情報であり、本実施形態では、機器の被写体側に他の機器が通信可能に装着されないか、装着され得るかを示す情報として定義されている。
マスターレンズか非マスターレンズであるかを判別するための判別信号をカメラアクセサリが送信することにより、カメラボディ2はマスターレンズか非マスターレンズかを区別するための専用端子を設ける必要が無く、また、カメラアクセサリの機種名情報などからマスターレンズか非マスターレンズかを判別する必要もない。マスターレンズか非マスターレンズかを区別するためだけの端子を設ける必要がないので、カメラボディ2やカメラアクセサリのマウント部の小型化に寄与する。また、マスターレンズの端子数と非マスターレンズの端子数とを同じにすることもでき、マウント部の小型化に寄与する。また、カメラボディ2はカメラアクセサリの機種名情報などからマスターレンズか非マスターレンズかを判別する必要もないので、カメラボディ2に装着され得るカメラアクセサリの機種名情報を全て記憶させておく必要も無く、カメラボディ2より後に開発・発売されたカメラアクセサリでもマスターレンズか非マスターレンズかの判別を行うことができる。
【0110】
(2)カメラボディ2は、交換レンズ3とテレコンバータ4とを識別するための機器IDを記憶する記憶部を備える。このように構成したので、カメラボディ2に接続されているカメラアクセサリの機器IDを適切に管理することができる。
【0111】
(3)ボディ側通信部240は、交換レンズ3には機器ID2をコマンドパケット402で指示し、テレコンバータ4には機器ID1をコマンドパケット402で指示する。機器ID割り振りコマンドデータ通信と、通常コマンドデータ通信とを並行して行わないので、通信相手に機器IDをそれぞれ適切に割り振ることができ、その後の通常コマンドデータ通信では機器IDを用いるだけで所望の通信相手を指定することができる。また、コマンドデータ通信において、カメラアクセサリの制御部は、データパケット406の受信と並行してデータパケット407の送信を行う。このように、コマンドパケット402は一方向としたが、データパケットを双方向としたので、カメラアクセサリからカメラボディ2へのデータ通信手段をコマンドデータ通信でも確保することができる。
また、本実施形態では、機器IDは、電源投入毎またはアクセサリ着脱毎に割り振られるものであり、カメラボディ2に装着される順に割り振っていくものである。従って、カメラボディ2は特定のカメラアクセサリにいつも同じ機器IDを割り振るとは限らない。
【0112】
(4)ボディ側通信部240は、機器IDを用いて通常コマンドデータ通信を行う。このように構成したので、指示する相手を機器IDによって指定して、適切に指示を送ることができる。ここで、機器IDを用いない場合、カメラアクセサリ内でカメラボディ2からの指示が自分宛のものか否かを判断する必要があり、複数のカメラアクセサリが装着された際に、所望のカメラアクセサリが指示を受信するまでの時間が伸びてしまうおそれがある。また、機器IDを用いない場合、カメラアクセサリ内でカメラボディ2からの指示が自分宛のものか否かを判断できないこともあり、その際には、所望のカメラアクセサリに指示を受信させることができないという問題もある。しかしながら、本実施形態によれば、所望のカメラアクセサリに適切なタイミングで指示を受信させることができる。
【0113】
(5)ボディ側通信部240は、カメラアクセサリの前側(被写体の側)にカメラボディ2と通信可能な他の機器が装着可能か否かを示す判別信号が、装着不可であることを示すことをもって、機器ID割り振りコマンドデータ通信を終了する。ボディ側制御部230は、機器ID割り振りコマンドデータ通信が終了してから、カメラアクセサリに通常コマンドデータ通信により初期化処理開始などを指示する。初期化処理は、例えば、レンズ361などの被駆動部を初期位置へ移動させる等の処理である。
本実施形態では、前側に他の機器が装着不可であることを示す判別信号を受信してから機器ID割振りコマンドデータ通信を終了することとしたので、カメラボディ2に装着されているカメラアクセサリの全てに機器IDを割り振ることが可能である。装着されているカメラアクセサリの全てに機器IDを割り振ってから通常コマンドデータ通信を開始することができるので、通信可能に装着されているカメラアクセサリの全てに対して機器IDを用いた通信を行うことができる。
【0114】
(6)ボディ側通信部240は、上記判別信号がカメラアクセサリの前側(被写体の側)にカメラボディ2と通信可能な他の機器が装着可能であることを示す場合は、当該カメラアクセサリを介して他の機器との通信を行う。このように構成したので、交換レンズ3はテレコンバータ4を介してカメラボディ2との通信を行うことができ、カメラボディ2と通信する端子とテレコンバータと通信する端子とをそれぞれ分けて設ける必要が無く、マウント部の小型化が可能である。
【0115】
(7)ボディ側通信部240は、交換レンズ3の機器IDを、テレコンバータ4の端子を介して指示する。このように構成したので、中間アクセサリが装着されていても、機器IDをカメラアクセサリへ適切に知らせることができる。
【0116】
(8)ボディ側通信部240は、機器ID割り振りコマンドデータ通信を開始後、最初に機器IDを付与するカメラアクセサリ(本実施形態ではテレコンバータ4)に機器IDとしての機器ID1を指示し、その次に識別子を付与するカメラアクセサリ(本実施形態では交換レンズ3)に機器IDとしての機器ID2を指示する。機器ID1は、テレコンバータ4が自分宛の指示を認識するためのものであり、交換レンズ3宛の指示と識別するためのものである。機器ID2は、交換レンズ3が自分宛の指示を認識するためのものであり、テレコンバータ4宛の指示と識別するためのものである。このように、カメラボディ2寄りのカメラアクセサリから順番に、複数のカメラアクセサリに別々の機器IDを割り振る構成にしたので、複数の通信相手に適切に機器IDを割り振ることができる。
【0117】
(9)カメラボディ2は、装着されたテレコンバータ4の電源回路452や交換レンズ3の電源回路352に給電を行う電源部250を備える。このように構成したので、複数の通信相手に対し、カメラボディ2の1つの電源部250により適切に給電させることができる。
【0118】
(10)被写体からの光が入射するカメラアクセサリは、カメラボディ2に着脱可能に構成される。例えばテレコンバータ4は、カメラボディ2と通信するアクセサリ側制御/通信部435と、テレコンバータ4の前側(すなわち被写体の側)にカメラボディ2と通信可能な他のカメラアクセサリ(例えば交換レンズ3)が装着可能であることを示す判別信号(例えば、01)を記憶する記憶部437とを備え、アクセサリ側制御/通信部435は、上記判別信号をカメラボディ2へ送る。また、交換レンズ3は、カメラボディ2と通信するレンズ側通信部340と、交換レンズ3の前側(被写体の側)にカメラボディ2と通信可能な他のカメラアクセサリが装着不可であることを示す判別信号(例えば、00)を記憶するレンズ側記憶部350とを備え、レンズ側通信部340は、上記判別信号をカメラボディ2へ送る。このように構成したので、カメラアクセサリの前側に他のカメラアクセサリが通信可能に装着され得るか否かを、カメラボディ2が容易に認識することができる。
【0119】
(11)被写体からの光が入射するカメラアクセサリは、カメラボディ2に着脱可能であり、カメラボディ2と通信する通信部を備える。カメラアクセサリは、当該カメラアクセサリの被写体側にカメラボディ2と通信可能な他の機器の装着可否を示す判別信号を記憶し、通信部はその判別信号をカメラボディ2に送信する。つまり、マスターレンズは、カメラボディ2と通信可能な他の機器が被写体側に装着されないことを示す判別信号を記憶し、非マスターレンズは、カメラボディ2と通信可能な他の機器が被写体側に装着され得ることを示す判別信号を記憶する。このように構成したので、カメラアクセサリからカメラボディ2へ、被写体側に他のカメラアクセサリが通信可能に存在するか否かを示す情報を適切に知らせることができる。判別信号は、カメラアクセサリ毎に記憶しているので、カメラボディがカメラアクセサリ毎にマスターレンズか非マスターレンズかの区別を記憶しておく必要がないという効果がある。
【0120】
(12)カメラアクセサリは、それぞれ、他のカメラアクセサリと識別するための機器IDを記憶する記憶部を備える。このように構成したので、カメラアクセサリは、自分の機器IDを適切に保持し、カメラボディ2からの指示を適切に受信することができる。
【0121】
(13)カメラアクセサリは、カメラボディ2から送信されるコマンドパケット402に、記憶部に記憶されている自身の機器IDが含まれるか否かを識別する識別部(テレコンバータ4の場合はアクセサリ側制御/通信部435、交換レンズ3の場合はレンズ側制御部330)を備える。このように構成したので、カメラボディ2から送信されたコマンドパケット402が自分宛であるか他人宛であるかを適切に判別することができる。
【0122】
(14)カメラアクセサリは、コマンドパケット402に自身の機器IDが含まれる場合、自分宛のコマンドデータ通信と判断してデータパケット406を受信する。仮に、自身の機器IDと異なる機器IDが含まれるデータパケット406まで受信してしまうと、カメラボディ2からの駆動指示が意図したカメラアクセサリで正常に実行されなかったり、意図しないカメラアクセサリからカメラボディ2にデータパケット407を送信してしまうおそれがある。本実施形態では上述のように構成したので、カメラボディ2から送信された自分宛のコマンドパケット402とその後に続くデータパケット406を適切に受けることができる。
【0123】
(15)カメラアクセサリは、コマンドパケット402に自身の機器IDが含まれない場合、通信用端子を高インピーダンス状態にして、データパケット406を受信しない。このように構成したので、カメラボディ2から送信された指示や要求が他人宛である場合において、データパケット406の受信を避けることができる。
【0124】
(16)カメラアクセサリは、被写体の側と反対側(撮像面側)にレンズ側端子を備える。アクセサリ側制御/通信部435、レンズ側通信部340は、レンズ側端子を介して、カメラボディ2と通信する。
【0125】
(17)テレコンバータ4は、被写体の側に交換レンズ3と通信を行うボディ側端子を備え、光軸O方向における被写体の側と反対側にレンズ側端子を備え、レンズ側端子とボディ側端子との間を接続する信号線と、信号線を介した通信を通信可能状態(信号を出力する状態)または通信放棄状態(信号を出力しない高インピーダンス状態)に切替えることが可能なアクセサリ側制御/通信部435と、を備える。このように構成したので、例えば、交換レンズ3から出力されたRDYL信号と、テレコンバータ4から出力されたRDYA信号とが信号線上で衝突(collision)するのを避けることができる。
【0126】
(18)テレコンバータ4や交換レンズ3は、被写体側からの光を通過させる光学系を有する。
【0127】
(19)テレコンバータ4は、カメラボディ2側の後側端子保持部422に設けられる複数のレンズ側端子と、交換レンズ3側の前側端子保持部423に設けられる複数のボディ側端子と、レンズ側端子の少なくとも一つとボディ側端子の少なくとも一つとをそれぞれ接続する少なくとも一つの給電用信号線と、その給電用信号線を開閉するスイッチ450とを備える。
本実施形態によれば、カメラボディ2と交換レンズ3との間の接続端子数(11個)と、テレコンバータ4と交換レンズ3との間の接続端子数(11個)とが等しく、端子数を増やさなくてよい。
テレコンバータ4が装着されるカメラボディ2は、ボディ側端子群と、テレコンバータ4においてスイッチ450が設けられている給電用信号線と接続されるV33(B)端子を介してテレコンバータ4へ給電する電源部250とを備える。このように構成したので、ボディ側制御部230は、スイッチ450を開いた状態ではカメラボディ2からテレコンバータ4へ給電させ、スイッチ450を閉じた状態ではカメラボディ2からテレコンバータ4および交換レンズ3へ給電させることができる。
【0128】
(20)上記カメラボディ2は、ボディ側端子群のうち通信用端子を介してアクセサリ側制御/通信部435と通信を行うボディ側通信部240をさらに備える。ボディ側通信部240は、RDYA信号またはRDYL信号がLレベル→Hレベル→Lレベルに変化するのを受けると、機器ID割り振りコマンドデータ通信を開始する。このように構成したので、給電を受けたカメラアクセサリが通信可能になるのを待って、カメラボディ2からカメラアクセサリへ機器IDを割り振ることができる。
【0129】
(21)第1使用例で、上記電源部250は、機器ID割り振りコマンドデータ通信で第2制御処理408が完了してスイッチ450が閉じられると、電源用のV33(B)端子を介して交換レンズ3へ給電する。さらに、ボディ側通信部240は、通信用端子を介してレンズ側通信部340と通信を行い、供給された交換レンズ3からコマンドデータ通信可能であるか否かを示すRDYL信号の変化(Lレベル→Hレベル→Lレベル)を受けると交換レンズ3へ機器IDを含むコマンドパケット402を送る。このように構成したので、給電を受けた交換レンズ3が通信可能になるのを待って、カメラボディ2から交換レンズ3へ機器IDを割り振ることができる。
【0130】
(22)カメラボディ2に装着されるカメラアクセサリは、通信用端子を介してボディ側通信部240と通信を行う通信部を備える。カメラアクセサリの通信部は、RDYL信号またはRDYA信号、DATAL信号またはDATAA信号を、それぞれ通信放棄状態(高インピーダンス状態)または通信可能状態に切り替える。このように構成したので、例えば、交換レンズ3から出力されたRDYL信号と、テレコンバータ4から出力されたRDYA信号とが信号線上で衝突(collision)するのを避けることができる。
【0131】
(23)カメラアクセサリの通信部は、カメラボディ2からDATAB信号、CLK信号を入力する入力部(通信用端子DATAB、CLK)を、それぞれ通信可能状態にする。このように構成したので、交換レンズ3およびテレコンバータ4は、カメラボディ2から出力されるCLK信号およびDATAB信号を、適切に受けることができる。
【0132】
(24)カメラアクセサリの通信部は、カメラボディ2のから自分宛の機器IDを含むコマンドパケット402が入力されると、出力部(通信用端子RDY(L)、DATAL(L))を通信可能状態に切り替える。このように構成したので、自分宛の機器IDを含むコマンドパケット402が入力されるのを待って、出力部を通信可能状態に切り替える。そのため、例えば、交換レンズ3から出力された信号(RDYL、DATAL)と、テレコンバータ4から出力された信号(RDYA、DATAA)とが信号線上で衝突(collision)することを、適切に避けることができる。
【0133】
(25)カメラアクセサリの通信部は、カメラボディ2から他人宛の機器IDを含むコマンドパケット402が入力されているとき、すなわち自分宛の機器IDを含むコマンドパケット402が入力部に入力されていないときには、出力部(通信用端子RDY(L)、DATAL(L))を通信放棄状態(高インピーダンス状態)に切り替える。このように構成したので、例えば、交換レンズ3から出力された信号(RDYL、DATAL)と、テレコンバータ4から出力された信号(RDYA、DATAA)とが信号線上で衝突(collision)することを、適切に避けることができる。
【0134】
(26)カメラボディ2と交換レンズ3との間に装着されるテレコンバータ4は、カメラボディ2側の後側端子保持部422に設けられるレンズ側端子と、交換レンズ3側の前側端子保持部423に設けられるボディ側端子と、レンズ側端子とボディ側端子とをそれぞれ接続する複数の信号線と、いずれか一つの信号線に設けられ信号線を開閉するスイッチ450とを備える。このように構成したので、例えば、スイッチ450を開いた状態では、カメラボディ2から交換レンズ3への信号線を遮断させ、カメラボディ2からテレコンバータ4への信号線のみを導通させ、スイッチ450を閉じた状態では、カメラボディ2からテレコンバータ4を介して交換レンズ3への信号線を導通させることができる。
【0135】
(27)上記テレコンバータ4において、スイッチ450は、複数の信号線のうちの少なくともカメラボディ2の電源部250から供給される信号線に設けられる。このように構成したので、スイッチ450を開いた状態ではカメラボディ2からテレコンバータ4へ給電させることができる。また、スイッチ450を閉じた状態ではカメラボディ2からテレコンバータ4および交換レンズ3へ給電させることができる。
【0136】
(28)上記テレコンバータ4において、スイッチ450は、常開接点であるので、スイッチ450が開いた初期状態ではカメラボディ2からテレコンバータ4のみへ給電させ、スイッチ450を閉じた状態ではカメラボディ2からテレコンバータ4および交換レンズ3へ給電させることができる。
【0137】
(29)上記テレコンバータ4において、アクセサリ側制御/通信部435は、通信用の信号線(RDYA信号およびDATAA信号の信号線)に対する出力部を通信放棄状態(高インピーダンス状態)にしてからスイッチ450を閉じる。このように構成したので、例えば、スイッチ450を閉じることによって供給された交換レンズ3から通信用の信号線にRDYL信号が出力されても、RDYL信号がテレコンバータ4の上記出力部から出力するRDYA信号と信号線上で衝突(collision)するのを避けることができる。
【0138】
(30)カメラボディ2は、通信可能に装着されている全てのカメラアクセサリに対して機器IDを割り振ってから、通常コマンドデータ通信で機器IDを指定してコマンドパケット402とデータパケット406とをボディ側通信部240から送信させる。このように構成したので、カメラボディ2は、通信相手を指定して、指定した機器IDと一致する機器IDが割り振られている機器と通信を行うことができる。
【0139】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
本実施形態のカメラボディ2はミラーレスタイプとしたが、一眼レフタイプでもよい。
本実施形態の記憶部は揮発性でも不揮発性でもよい。機器IDは制御部(ボディ側制御部230、アクセサリ側制御/通信部435、レンズ側制御部330)に保持して一時的に記憶させておくものとしても良く、記憶部(記憶部235、437、350)に一時的に記憶させておくものとしても良い。なお、機器IDを記憶しておく時間は、少なくともアクセサリが装着されている時間を含めばよく、アクセサリ取り外し後や電源オフ後に機器IDの記憶を継続する必要はない。
本実施形態では、レンズ駆動部370としてフォーカシングレンズを光軸Oの方向に沿って移動させるものとしたが、適宜変更可能である。複数のレンズ361にズームレンズが含まれる場合、レンズ駆動部370としてズーム駆動部を含んでいてもよい。また、手ぶれ等に起因する振れの影響を抑えるための振れ補正レンズが複数のレンズ361に含まれる場合、レンズ駆動部370として振れ補正レンズ駆動部を含んでいてもよい。
本実施形態では、駆動系電圧による電力の供給は交換レンズ3へのみ行われ、テレコンバータ4へは供給されないこととしたが、テレコンバータ4へ駆動系電力を供給しても構わない。
本実施形態では、1つのコマンドパケット402に、カメラアクセサリに対する機器IDの割り振り指示とカメラアクセサリに対して判別信号を送信することの指示とを含ませたが、2つのコマンドパケットに分けてもよい。その場合、カメラアクセサリは、機種名情報を含むデータパケット407と判別信号を含むデータパケット407を別々に用意する。
本実施形態では、カメラボディ2に装着される全てのカメラアクセサリについて、カメラボディ2に接続される順番に(カメラボディ2に近いカメラアクセサリから順番に)それぞれ機器IDが割り振られることとしたが、この限りではない。本実施形態では、図2図3のようにカメラボディ2にテレコンバータ4および交換レンズ3が装着されている状態では、ボディ側制御部230がテレコンバータ4に対して機器IDを割り振った後で、交換レンズ3に対して機器IDを割り振る。この順序は、カメラボディ2に対してテレコンバータ4が単独で装着された後で、カメラボディ2と一体となったテレコンバータ4に対して交換レンズ3が装着される場合と、テレコンバータ4に交換レンズ3が装着された後で、交換レンズ3と一体となったテレコンバータ4がカメラボディ2に装着される場合とで共通(不変)である。
本実施形態では、電源オン操作に応じて電源オン処理を行うとともに機器ID割り振りコマンドデータ通信を開始させることとしたが、この限りではない。
本実施形態では、非マスターレンズの一例としてテレコンバータ4を例に挙げて説明したが、非マスターレンズは、テレコンバータ4に限らない。例えば、ワイドコンバータ、接写リングなどでもよい。すなわち、カメラボディ2とマスターレンズとの間に装着して使用する中間アクセサリであれば、テレコンバータ4はいずれの態様であってもよい。なお、レンズフードやフロントコンバータなどは、マスターレンズの被写体側に装着可能であるが、カメラボディ2と通信を行わないため、通信可能な状態で装着される機器ではないものとした。また、マスターレンズの他の例として、通信規格をカメラボディ2に変換するアダプターがある。アダプターは、被写体側に他の通信規格の交換レンズが装着されるが、カメラボディ2との通信ではアダプターが通信規格を変換して他の通信規格の交換レンズへ指示を送信する。したがって、通信の観点で、アダプターはマスターレンズとしてもよい。
なお、通信可能に装着され得るとは、カメラボディ2からの指示を受信し、かつ、その指示に対して適切に応答することができることをいう。したがって、カメラアクセサリの被写体側に物理的に装着可能なレンズキャップやフードなどの部材は、本実施形態では「通信可能に装着され得るカメラアクセサリ」でないものとする。また、カメラボディ2にマウントアダプターを介して他の通信規格の交換レンズも装着可能であるが、その場合、他の通信規格の交換レンズはカメラボディ2からの指示をそのまま受信しても適切に応答できず、マウントアダプターがカメラボディ2からの指示を変換する必要がある。したがって、上記他の通信規格の交換レンズは、本実施形態では「通信可能に装着され得るカメラアクセサリ」ではないものとする。
本実施形態では、アクセサリ側制御/通信部435は、HCLK(B)端子、HCLK(L)端子、HDATA(B)端子、およびHDATA(L)端子とは接続されない。そのため、カメラボディ2から見てホットライン通信の相手は交換レンズ3のみであり、1対1の関係が保たれる。よって、ホットライン通信については通信相手の機器IDを指定しないこととしたがこの限りではない。
本実施形態では、中間アクセサリとして1つのテレコンバータ4を装着したが、複数の中間アクセサリを装着するものとしてもよい。また、中間カメラアクセサリの数に上限(例えば、2個)を設けてもよい。
【0140】
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0141】
1…カメラシステム、2…カメラボディ、3…交換レンズ、4…アクセサリ、210…ボディ側マウント、230…ボディ側制御部、235…記憶部、240…ボディ側通信部、270…信号処理部、310…レンズ側マウント、330…レンズ側制御部、340…レンズ側通信部、350…レンズ側記憶部、352、452…電源回路、360…撮像光学系、402…コマンドパケット、406、407…データパケット、412…後側マウント、413…前側マウント、435…制御/通信部、437…記憶部、450…スイッチ、460…レンズ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9