(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024157826
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】シート搬送装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 9/14 20060101AFI20241031BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20241031BHJP
B65H 5/36 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B65H9/14
G03G15/00 446
B65H5/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072423
(22)【出願日】2023-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100182453
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 英明
(72)【発明者】
【氏名】田中 瑞来
(72)【発明者】
【氏名】井野 司郎
【テーマコード(参考)】
2H072
3F101
3F102
【Fターム(参考)】
2H072AA13
2H072AA22
2H072CA01
2H072CB05
2H072CB09
2H072HA07
2H072JA04
2H072JC07
3F101FA06
3F101FB02
3F101FD05
3F101FE01
3F101FE06
3F101FE22
3F101LA01
3F101LB01
3F102AA01
3F102AB01
3F102BA02
3F102BB02
3F102DA08
3F102DA14
3F102EA03
3F102FA03
(57)【要約】
【課題】コシの弱いシートとコシの強いシートの両方に対して適切な斜行補正と良好な搬送性を確保する。
【解決手段】シート搬送装置30は、シートを搬送する搬送部材34A,34Bと、シートの先端を突き当ててシートの斜行を補正する補正部材35A,35Bと、凹曲面状のガイド面390を有するガイド部材39Bと、ガイド面390と対向するように配置され、シートを補正部材35A,35Bへ案内する弾性部材40とを備え、第一基準値未満の坪量のシートが補正部材35A,35Bに突き当てられて撓んだ状態で、シートが弾性部材40に接触した場合は、弾性部材40は弾性変形せず、第二基準値以上の坪量のシートが補正部材35A,35Bに突き当てられて撓んだ状態で、シートが弾性部材40に接触した場合は、弾性部材40がガイド面390に近づくように弾性変形する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送する搬送部材と、
前記シートの先端を突き当てて前記シートの斜行を補正する補正部材と、
前記補正部材よりも前記シートの搬送方向上流側に配置され、凹曲面状のガイド面を有するガイド部材と、
前記ガイド面と対向するように配置され、前記シートを前記補正部材へ案内する弾性部材とを備え、
第一基準値未満の坪量の前記シートが前記補正部材に突き当てられて撓んだ状態で、前記シートが前記弾性部材に接触した場合は、前記弾性部材は弾性変形せず、
第二基準値以上の坪量の前記シートが前記補正部材に突き当てられて撓んだ状態で、前記シートが前記弾性部材に接触した場合は、前記弾性部材が前記ガイド面に近づくように弾性変形することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記第一基準値は、105g/m2であり、
前記第二基準値は、158g/m2である請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
坪量が120g/m2未満の前記シートが前記補正部材に突き当てられて撓んだ状態で、前記シートが前記弾性部材に接触した場合は、前記弾性部材は弾性変形せず、
坪量が120g/m2以上の前記シートが前記補正部材に突き当てられて撓んだ状態で、前記シートが前記弾性部材に接触した場合は、前記弾性部材が前記ガイド面に近づくように弾性変形する請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記弾性部材は、弾性変形しない状態において、平面状に保持される請求項1又は2に記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記弾性部材は、最大幅の前記シートが搬送される領域の幅よりも小さい請求項1又は2に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
前記弾性部材は、貫通孔を有する請求項1又は2に記載のシート搬送装置。
【請求項7】
前記貫通孔は、前記シートが搬送される方向に向かって幅が小さくなるように形成される請求項6に記載のシート搬送装置。
【請求項8】
前記弾性部材は、前記シートの幅方向に渡って複数に分割される請求項1又は2に記載のシート搬送装置。
【請求項9】
前記弾性部材は、前記シートが搬送される領域の幅の中央を基準に対称な形状に構成される請求項1又は2に記載のシート搬送装置。
【請求項10】
請求項1又は2に記載のシート搬送装置と、
前記シート搬送装置によって搬送されるシートに画像を形成する画像形成部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート搬送装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタなどの画像形成装置に搭載されるシート搬送装置として、例えば、用紙又は原稿などを搬送する装置が知られている。
【0003】
この種のシート搬送装置においては、搬送されるシートの先端をローラ対のニップに突き当ててシートの斜行を補正する方式が採用されている。
【0004】
例えば、特許文献1(実開平5-51839号公報)においては、ローラ対のニップ部に突き当てられたシートの先端及び左右方向の姿勢を安定させるため、弾性部材によってシートを押し上げる構成が開示されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の構成においては、コシの弱いシートとコシの強いシートの両方に対して適切な斜行補正と良好な搬送性を確保することが難しいといった課題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明においては、コシの弱いシートとコシの強いシートの両方に対して適切な斜行補正と良好な搬送性を確保することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係るシート搬送装置は、シートを搬送する搬送部材と、前記シートの先端を突き当てて前記シートの斜行を補正する補正部材と、前記補正部材よりも前記シートの搬送方向上流側に配置され、凹曲面状のガイド面を有するガイド部材と、前記ガイド面と対向するように配置され、前記シートを前記補正部材へ案内する弾性部材とを備え、第一基準値未満の坪量の前記シートが前記補正部材に突き当てられて撓んだ状態で、前記シートが前記弾性部材に接触した場合は、前記弾性部材は弾性変形せず、第二基準値以上の坪量の前記シートが前記補正部材に突き当てられて撓んだ状態で、前記シートが前記弾性部材に接触した場合は、前記弾性部材が前記ガイド面に近づくように弾性変形することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、コシの弱いシートとコシの強いシートの両方に対して適切な斜行補正と良好な搬送性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【
図2】本発明の第一実施形態に係るシート搬送装置の基本構成を示す図である。
【
図3】本発明の第一実施形態に係るシート搬送装置の特徴部分の構成を示す図である。
【
図4】本発明の第一実施形態に係る弾性部材の構成を示す図である。
【
図5】本発明の第一実施形態に係るシート搬送装置において、コシの弱いシートが搬送される場合の態様を示す図である。
【
図6】本発明の第一実施形態に係るシート搬送装置において、コシの強いシートが搬送される場合の態様を示す図である。
【
図7】本発明の第二実施形態に係る弾性部材の構成を示す図である。
【
図8】本発明の第三実施形態に係る弾性部材の構成を示す図である。
【
図9】比較例に係るシート搬送装置の構成を示す図である。
【
図10】比較例に係るシート搬送装置において、シートの先端が補正ローラ対に突き当てられた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材及び構成部品などの構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付し、一度説明した後ではその説明を省略する。
【0011】
図1は、本発明の第一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。ここで、本明細書中における「画像形成装置」には、プリンタ、複写機、ファクシミリ、印刷機、又は、これらのうちの二つ以上を組み合わせた複合機などが含まれる。また、以下の説明で使用する「画像形成」とは、文字及び図形などの意味を持つ画像を形成するだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像を形成することも意味する。まず、
図1を参照して、本発明の第一実施形態に係る画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。
【0012】
<画像形成装置の全体構成>
図1に示される画像形成装置1000は、画像形成部100と、シート収容部200と、定着部300と、シート排出部400と、シート搬送部500とを備えている。
【0013】
(画像形成部)
画像形成部100は、シート収容部200から供給されるシートSに対して画像を形成する部分である。画像形成部100には、複数の作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkと、露光装置6と、転写装置7が含まれる。
【0014】
複数の作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの異なる色のトナーを収容している以外、基本的に同じ構成である。具体的に、各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkは、感光体2と、帯電装置3と、現像装置4と、クリーニング装置5などを備えている。
【0015】
感光体2は、表面に静電潜像を担持する静電潜像担持体である。感光体2としては、
図1に示されるようなドラム状のものほか、無端ベルト状のものなどが用いられる。
【0016】
帯電装置3は、感光体2の表面を帯電させる装置である。帯電装置3としては、感光体2の表面に電圧を印加して一様に帯電させることができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択可能である。例えば、帯電装置3として、導電性又は半導電性の帯電ローラ、磁気ブラシ、ファーブラシ、フィルム、ゴムブレードなど接触式の帯電部材を有するもののほか、コロナ放電を利用した非接触式の帯電装置が用いられる。
【0017】
現像装置4は、感光体2上の静電潜像にトナーを供給してトナー画像を形成する装置である。現像装置4は、感光体2に対して接触する、又は非接触で近接するように配置されるトナー担持体などを有している。トナー担持体が、表面にトナーを担持しながら回転することにより、トナー担持体から感光体2へトナーが供給される。
【0018】
クリーニング装置5は、感光体2の表面に残留するトナー及びその他の異物を除去する装置である。クリーニング装置5は、感光体2の表面に接触するクリーニングブレードなどを有している。感光体2が回転すると、感光体2の表面に残留するトナー及び異物がクリーニングブレードによって除去される。
【0019】
露光装置6は、感光体2の帯電面を露光して静電潜像を形成する装置である。 露光装置6としては、感光体2の帯電面に対して露光できる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択可能である。具体的に、露光装置6の例としては、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系、などの各種露光装置が挙げられる。
【0020】
転写装置7は、シートSに画像を転写する装置である。具体的に、転写装置7は、中間転写ベルト10と、一次転写ローラ11と、二次転写ローラ12を備えている。中間転写ベルト10は、複数の支持ローラによって張架される無端状のベルトにより構成される。一次転写ローラ11は、中間転写ベルト10の内側に各感光体2に対応して4つ設けられている。各一次転写ローラ11が中間転写ベルト10を介して各感光体2に接触することにより、中間転写ベルト10と各感光体2との間に一次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ12は、中間転写ベルト10を張架する支持ローラの1つに対して中間転写ベルト10を介して接触している。これにより、中間転写ベルト10と二次転写ローラ12との間に、二次転写ニップが形成されている。
【0021】
(シート収容部)
シート収容部200は、複数のシートSが収容される部分である。シートSとしては、普通紙などの用紙のほか、OHPシート又は布帛、金属シート、プラスチックフィルム、あるいは炭素繊維にあらかじめ樹脂を含浸させたプリプレグシートなどが含まれる。また、用紙には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙及びアート紙など)、トレーシングペーパなどが含まれる。
【0022】
(定着部)
定着部300には、シートSに画像を定着させる定着装置13が設けられている。定着装置13は、互いに接触する一対の回転体14,15を備える。一対の回転体14,15のうち、一方は、シートSの画像形成面に接触してトナー画像を加熱する加熱回転体14であり、他方は、ばねなどの付勢部材によって加熱回転体14に対して加圧される加圧回転体15である。
【0023】
(シート排出部)
シート排出部400は、画像が定着されたシートSが排出される部分である。シート排出部400には、排出されたシートSを受ける排出トレイ16が設けられている。
【0024】
(シート搬送部)
シート搬送部500には、画像形成装置1000内でシートSを搬送するシート搬送装置30が設けられている。シート搬送装置30は、搬送路に沿ってシートSを搬送する複数の搬送ローラなどを備える。本実施形態においては、搬送路として、供給路20と、転写後搬送路21と、排出路22と、反転搬送路23とが設けられている。
【0025】
<画像形成動作>
続いて、
図1を参照しつつ本発明の第一実施形態に係る画像形成装置1000の画像形成動作について説明する。
【0026】
画像形成動作が開始されると、各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkの感光体2及び転写装置7の中間転写ベルト10が回転を開始する。各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkにおいては、まず、感光体2の表面が帯電装置3によって均一に帯電される帯電工程が行われる。次に、露光装置6による露光工程が行われる。露光工程では、露光装置6が、原稿読取装置によって読み取られた原稿の画像情報、あるいは端末からプリント指示されたプリント画像情報に基づいて感光体2の帯電面を露光する。これにより、露光された部分の電位が低下して、感光体2に静電潜像が形成される。そして、現像装置4が、感光体2の静電潜像に対してトナーを供給することにより、感光体2上にトナー画像が形成される現像工程が行われる。
【0027】
感光体2上に形成されたトナー画像は、感光体2の回転に伴って一次転写ニップ(一次転写ローラ11の位置)に達する。そして、感光体2上のトナー画像は、一次転写ニップにおいて中間転写ベルト10上に転写される。また、感光体2上に残留するトナーは、クリーニング装置5によって除去される。各感光体2上の各色のトナー画像が中間転写ベルト10へ順次重なり合うように転写されることにより、中間転写ベルト10上にフルカラー画像が形成される。なお、画像形成は、4つの作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkを用いてフルカラー画像を形成する場合に限らず、各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkのうち、いずれか一つを使用して単色画像を形成したり、いずれか2つ又は3つの作像ユニットを用いて2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
【0028】
中間転写ベルト10上に転写されたトナー画像は、中間転写ベルト10の回転に伴って二次転写ニップ(二次転写ローラ12の位置)へ搬送される。そして、トナー画像は、二次転写ニップにおいて、搬送されてきたシートSに対して転写される。このとき、搬送されるシートSは、シート搬送装置30によってシート収容部200から搬送されたものである。シートSは、シート収容部200から送り出され、供給路20を通って二次転写ニップへ搬送される。
【0029】
その後、シートSは、転写後搬送路21を通って定着装置13へ搬送される。そして、シートSが一対の回転体14,15同士の間(定着ニップ)へ進入すると、一対の回転体14,15によってシートS及びトナー画像が加圧及び加熱され、トナー画像がシートSに定着される。
【0030】
その後、シートSは、排出路22を通って排出トレイ16へ排出される。
【0031】
また、両面印刷を行う場合は、シートSが排出路22から反転搬送路23へ搬送される。そして、シートSは、反転搬送路23内でスイッチバック搬送されることにより、表裏が反転した状態で再び供給路20へ搬送される。そして、シートSは、二次転写ニップへ搬送され、シートSの裏面にトナー画像が転写される。シートSの裏面に転写されるトナー画像は、表面用のトナー画像と同じ画像形成工程(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て形成されたものである。その後、シートSは、定着装置13へ搬送され、トナー画像の定着処理が行われた後、排出トレイ16へ排出される。以上のようにして一連の画像形成動作が完了する。
【0032】
<シート搬送装置の基本構成>
図2は、本発明の第一実施形態に係るシート搬送装置30の基本構成を示す図である。
【0033】
図2に示されるように、シート搬送装置30は、シートSを搬送する搬送部材として、ピックアップローラ31と、給送ローラ32と、分離ローラ33と、中継ローラ対34A,34Bと、補正ローラ対35A,35Bとを備えている。
【0034】
ピックアップローラ31は、シート収容部200に収容されるシートS(シート束)の上面に接触するように配置される。詳しくは、シートSを積載する積載トレイ36が、ばねなどの付勢部材37によって上方へ付勢されることにより、シートSの上面がピックアップローラ31の下面に押し当てられた状態で保持される。この状態で、ピックアップローラ31が回転を開始すると、シートSの搬送が開始される。
【0035】
給送ローラ32と分離ローラ33は、ピックアップローラ31よりもシートSの搬送方向下流側に配置されている。分離ローラ33は、給送ローラ32に対して加圧された状態で接触しているため、給送ローラ32が回転駆動すると、分離ローラ33が従動回転する。また、分離ローラ33は、トルクリミッタにより一定のトルクが付与された状態で従動回転する。このため、シートSが2枚重なった状態で搬送されても、分離ローラ33に生じるトルクによって下側(分離ローラ33側)のシートSの搬送が制限され、重なり合うシートSが分離される。これにより、上側(給送ローラ32側)のシートSのみが給送ローラ32によって搬送される。
【0036】
中継ローラ対34A,34Bは、給送ローラ32及び分離ローラ33よりもシートSの搬送方向下流側に配置されている。中継ローラ対34A,34Bは、回転駆動する中継駆動ローラ34Aと、中継駆動ローラ34Aに対して加圧される中継従動ローラ34Bにより構成される。中継駆動ローラ34Aが回転駆動すると、中継従動ローラ34Bが従動回転する。給送ローラ32によってシートSが搬送されると、シートSは回転する中継ローラ対34A,34Bによってさらに下流側へ搬送される。
【0037】
補正ローラ対35A,35Bは、シートSの斜行を補正する補正部材の機能と、斜行補正後のシートSを二次転写ニップ(二次転写ローラ12)へ搬送する搬送部材としての機能の両方を兼ねるローラ対である。補正ローラ対35A,35Bは、二次転写ニップ(二次転写ローラ12)よりもシートSの搬送方向上流側であって、中継ローラ対34A,34BよりもシートSの搬送方向下流側に配置される。また、補正ローラ対35A,35Bは、回転駆動する補正駆動ローラ35Aと、補正駆動ローラ35Aに対して加圧される補正従動ローラ35Bにより構成される。補正駆動ローラ35Aが回転駆動すると、補正従動ローラ35Bが従動回転する。
【0038】
また、中継ローラ対34A,34Bと補正ローラ対35A,35Bの間には、シートSの先端を検知するシート検知手段38が配置されている。シート検知手段38としては、シートSに接触してシートSの先端を検知する接触式の検知手段のほか、非接触でシートSの先端を検知する非接触式の検知手段であってもよい。
【0039】
シートSが中継ローラ対34A,34Bによって搬送されると、シートSの先端がシート検知手段38によって検知される。その後、シートSが補正ローラ対35A,35Bへ搬送されると、シートSの先端が補正ローラ対35A,35Bのニップ部に突き当てられる。このとき、補正ローラ対35A,35Bは、回転しておらず、静止した状態である。その後、中継ローラ対34A,34Bの回転が停止されることにより、シートSの先端が補正ローラ対35A,35Bに突き当てられた状態のまま、シートSが撓んだ状態で保持される。これにより、シートSの先端が補正ローラ対35A,35Bのニップ部に倣って配置され、シートSの斜行が補正される。
【0040】
その後、補正ローラ対35A,35Bが所定のタイミングで回転を開始することにより、シートSが二次転写ニップへ搬送される。そして、二次転写ニップにおいて、シートSにトナー画像が転写され、シートSが定着部300へ搬送される。
【0041】
<シート搬送時の課題>
ここで、本発明の第一実施形態とは異なるシート搬送装置を例に、シート搬送時の課題について説明する。
【0042】
図9は、比較例に係るシート搬送装置90の構成を示す図である。
【0043】
比較例に係るシート搬送装置90は、本発明の第一実施形態に係るシート搬送装置30と同じように、中継ローラ対94A,94Bと、補正ローラ対95A,95Bと、シート検知手段98などを備えている。シート収容部から送り出されたシートSは、中継ローラ対94A,94Bによって補正ローラ対95A,95Bへ搬送される。そして、シートSの先端が補正ローラ対95A,95Bのニップ部に突き当てられ、補正ローラ対95A,95BによってシートSの斜行が補正される。
【0044】
図10は、比較例に係るシート搬送装置90において、シートSの先端が補正ローラ対95A,95Bに突き当てられた状態を示す図である。
【0045】
シートSの先端が補正ローラ対95A,95Bのニップ部に良好に突き当てられるためには、
図10中の点線にて示されるように、シートSの撓みD1が補正ローラ対95A,95Bの近傍に形成されることが好ましい。しかしながら、搬送されるシートSが、コシ(剛性)の弱いシートである場合、
図10中の実線にて示されるように、シートSの撓みD2が、補正ローラ対95A,95Bの近傍ではなく、中継ローラ対94A,94Bの近傍に形成されることがある。この場合、シートSの先端が補正ローラ対95A,95Bのニップ部に対して良好に突き当てられず、シートSの斜行補正が適切に行われない虞がある。
【0046】
このような課題を改善する対策として、中継ローラ対94A,94Bの下流側近傍に配置されるガイド部材99A,99B同士の間隔を小さくすることが考えられる。ガイド部材99A,99B同士の間隔を小さくすることにより、中継ローラ対94A,94Bの近傍においてシートSの撓みD2が形成されにくくなるため、コシの弱いシートSであっても、補正ローラ対95A,95Bに対してシートSの先端を良好に突き当てることができるようになる。
【0047】
しかしながら、ガイド部材99A,99B同士の間隔を小さくすると、コシの強いシートSを搬送する場合に、シートSが必要以上に大きく撓み、補正ローラ対95A,95Bに対するシートSの突き当て力が大きくなり過ぎる課題が生じる。その場合、シートSの先端が補正ローラ対95A,95Bのニップ部を突き抜け、シートSに形成される画像の位置がずれたり、中継ローラ対94A,94BにおいてシートSがスリップして、異音が発生したりする虞がある。
【0048】
このように、比較例に係るシート搬送装置90においては、コシの弱いシートとコシの強いシートに対して適切な斜行補正と良好な搬送性の両方を確保することが難しいといった課題がある。
【0049】
そこで、本発明の第一実施形態に係るシート搬送装置においては、コシの弱いシートとコシの強いシートの両方に対して適切な斜行補正と良好な搬送性を確保できるように次のような構成を採用している。
【0050】
<シート搬送装置の特徴部分について>
以下、本発明の第一実施形態に係るシート搬送装置30の特徴部分について説明する。
【0051】
図3に示されるように、本発明の第一実施形態に係るシート搬送装置30は、シートSを案内するための複数のガイド部材39A~39Fを備えている。複数のガイド部材39A~39Fは、供給路20、反転搬送路23などの搬送路を挟んで互いに対向するように配置されている。
【0052】
複数のガイド部材39A~39Fのうち、中継ローラ対34A,34Bと補正ローラ対35A,35Bとの間に配置されるガイド部材39A,39Bは、中継ローラ対34A,34Bから補正ローラ対35A,35Bへ向かって円弧状に湾曲した湾曲部を有している。詳しくは、各ガイド部材39A,39Bの湾曲部は、各ガイド部材39A,39Bよりも
図3における左下側に位置する任意の点を曲率中心とする円弧状に形成されている。そして、各ガイド部材39A,39Bのうち、曲率中心から遠い方の外側のガイド部材39Bには、弾性部材40が取り付けられている。
【0053】
弾性部材40は、例えば、厚みが0.1mm以上0.25mm以下のポリカーボネート製のシート状部材により構成される。弾性部材40のシート搬送方向上流側の部分40aは、外側のガイド部材39Bに対して両面粘着テープなどにより固定されている。一方、弾性部材40のシート搬送方向下流側の部分40bは、外側のガイド部材39Bに対して固定されておらず、弾性変形可能に保持されている。すなわち、弾性部材40は、外側のガイド部材39Bに固定される固定部40aと、固定部40aよりもシート搬送方向下流側に配置される弾性変形部40bとを有している。
【0054】
弾性変形部40bは、補正ローラ対35A,35BよりもシートSの搬送方向上流側、詳しくは中継ローラ対34A,34Bとシート検知手段38との間に配置される。また、弾性変形部40bは、外側のガイド部材39Bの内面である凹曲面状のガイド面390に対して対向するように配置されている。弾性変形部40bが平面状であるのに対して、外側のガイド面390が凹曲面状であるため、弾性変形部40bとガイド面390との間には、弾性変形部40bがガイド面390側へ弾性変形可能な空間が形成されている。
【0055】
また、弾性変形部40bの先端(シート搬送方向下流端)は、外側のガイド部材39Bのガイド面390に対して接触するように配置されている。これにより、内側のガイド部材39Aと弾性変形部40bとの間に、シートSが搬送される搬送路(供給路20)が形成されている。
【0056】
図4に示されるように、弾性変形部40bは、最大幅のシートが搬送される領域の幅W(以下、「最大搬送幅」という。)の範囲内に配置されている。また、弾性変形部40bは、最大搬送幅Wの中央Cを基準に対称に配置されると共に、最大搬送幅Wの中央Cを基準に対称な形状に構成されている。なお、本実施形態においては、異なる幅サイズのシートが幅方向中央を基準に合わせて搬送される中央基準方式が採用されているため、弾性変形部40bは、各種シートが搬送される領域の幅(以下、「搬送幅」という。)の中央を基準に、対称に配置されると共に、対称な形状に構成されている。
【0057】
続いて、弾性部材40の作用について説明する。
【0058】
まず、
図5に示されるように、コシの弱いシートS1が搬送される場合は、シートS1が弾性部材40の弾性変形部40bに接触しても、弾性変形部40bは弾性変形することなく平面状のまま保持される。その後、シートS1の先端が補正ローラ対35A,35Bに突き当てられ、シートS1が撓んだ状態で保持されても、弾性変形部40bは弾性変形せず平面状のまま保持される。
【0059】
このように、コシの弱いシートS1が搬送される場合は、弾性変形部40bが弾性変形しないことにより、シートSが中継ローラ対34A,34Bの近傍において外側(ガイド部材39B側)へ大きく撓まないように支持される。これにより、補正ローラ対35A,35Bの近傍においてシートS1が大きく撓むことができる(撓みDが形成される)ようになるため、補正ローラ対35A,35Bに対するシートS1の突き当て力が良好に得られ、シートS1の斜行補正を適切に行えるようになる。
【0060】
一方、
図6に示されるように、コシの強いシートS2が搬送される場合は、弾性変形部40bがシートS2によって押されて弾性変形する。詳しくは、シートS2が補正ローラ対35A,35Bに突き当てられた状態となると、弾性変形部40bがシートSによって押されて外側のガイド部材39Bのガイド面390に近づくように変位する。これにより、弾性変形部40bが、外側のガイド部材39Bのガイド面390に沿って曲面状に弾性変形する。
【0061】
この場合、弾性変形部40bが外側(ガイド部材39B側)へ弾性変形することにより、弾性変形部40bと内側のガイド部材39Aとの間の間隔が広がるため、シートS2が必要以上に大きく撓むことが抑制される。これにより、補正ローラ対35A,35Bに対するシートS2の突き当て力が過大となるのが防止されるため、シートS2の先端が補正ローラ対35A,35Bのニップ部から突き抜けたり、中継ローラ対34A,34BにおいてシートS2がスリップしたりするのが防止される。
【0062】
以上のように、本発明の第一実施形態に係るシート搬送装置30においては、シートのコシに応じて弾性部材40が弾性変形する場合と弾性変形しない場合とに調整されているため、搬送されるシートが、コシの弱いシートであっても、コシの強いシートであっても、適切な斜行補正と良好な搬送性を確保できる。また、本実施形態に係る構成よれば、弾性部材を設けるだけで適切な斜行補正と良好な搬送性の確保を実現できるため、コシに応じてシートの搬送制御を変更する必要が無く、構成の簡素化も図れる。
【0063】
ところで、シートのコシ(剛性)は、シートの坪量との間に相関関係がある。一般的に、坪量が大きいほどシートのコシが強く、坪量が小さいほどシートのコシが弱くなる傾向にある。なお、「坪量」とは、単位面積あたりのシートの質量であり、例えば[g/m2]を単位として表される。
【0064】
このように、シートの坪量とシートのコシとの間には相関関係があるため、本発明においては、シートの坪量に応じて弾性部材40が弾性変形するか否かを決定している。
【0065】
すなわち、本発明においては、坪量が第一基準値未満のコシの弱いシートである場合、シートが補正ローラ対35A,35Bに突き当てられて撓んだ状態で、シートが弾性部材40に接触しても、弾性部材40が弾性変形しないようにする。これに対して、坪量が第二基準値以上のコシの強いシートである場合は、シートが補正ローラ対35A,35Bに突き当てられて撓んだ状態で、弾性部材40が弾性変形するようにする。これにより、コシの弱いシートとコシの強いシートのいずれにおいても適切な斜行補正と良好な搬送性を確保できるようになる。
【0066】
第一基準値及び第二基準値は、使用される各種シートの坪量の中から任意に選択することが可能である。
【0067】
例えば、第一基準値を105g/m2に設定し、第二基準値を158g/m2に設定してもよい。この場合、坪量が105g/m2未満の普通紙及び薄紙などのコシの弱いシートであっても、シートの斜行補正を適切に行うことができる。また、坪量が158g/m2以上の厚紙などのコシの強いシートであっても、良好な搬送性を確保できる。従って、本発明によれば、コシの弱いシートとコシの強いシートのいずれにおいても適切な斜行補正と良好な搬送性を確保することが可能である。
【0068】
また、第一基準値は、第二基準値よりも小さい値に設定され場合のほか、第二基準値と同じ値に設定されてもよい。
【0069】
例えば、坪量が120g/m2未満のシートをコシの弱いシートとし、坪量が120g/m2以上のシートをコシの強いシートとしてもよい。この場合、坪量が120g/m2未満のシートの場合は、弾性部材40が弾性変形せず、坪量が120g/m2以上のシートの場合は、弾性部材40が弾性変形することにより、コシの弱いシートとコシの強いシートのいずれにおいても適切な斜行補正と良好な搬送性を確保できる。
【0070】
また、弾性部材40の弾性力は、弾性部材40の厚さ又は幅を変更することにより調整することが可能である。弾性部材40の弾性力が大き過ぎると、コシの強いシートであっても、弾性変形部40bを適度に弾性変形させることができない虞がある。そのため、弾性部材40の弾性力を調整することが好ましい。例えば、本実施形態においては、
図4に示されるように、弾性変形部40bの幅Xを最大搬送幅Wよりも小さくし、弾性変形部40bの弾性力が大きくなり過ぎないようにしている。
【0071】
また、
図4に示されるように、弾性変形部40bは、シートが搬送される搬送幅の中央Cを基準に対称に配置され、かつ、搬送幅の中央Cを基準に対称な形状に構成されていることが好ましい。これにより、搬送幅の中央Cを挟んで両側における弾性変形部40bの弾性力を均等にできるので、シートを安定的かつ良好に搬送できるようになる。
【0072】
続いて、本発明の第一実施形態とは異なる他の実施形態について説明する。以下、主に本発明の第一実施形態とは異なる部分について説明し、同じ部分については適宜説明を省略する。
【0073】
<本発明の第二実施形態の構成>
図7は、本発明の第二実施形態に係る弾性部材40の構成を示す図である。
【0074】
第二実施形態に係る弾性部材40は、弾性変形部40bの幅方向中央に貫通孔41を有している。貫通孔41は、
図7における紙面直交方向に弾性変形部40bを貫通する孔である。
【0075】
貫通孔41があることにより、貫通孔41が無い構成に比べて、弾性変形部40bの弾性力を小さくすることができる。従って、弾性変形部40bに貫通孔41を設けることにより、弾性変形部40bの弾性力を低下させ、弾性変形部40bを適度に弾性変形させることができるようになる。また、貫通孔41を設けることにより、弾性変形部40bの幅Xを確保したまま弾性力を低下させることができるので、弾性変形部40bの幅Xが小さくなることに伴う搬送性の低下を回避でき、安定した搬送性が得られる。なお、貫通孔41の数は1つである場合に限らず、複数であってもよい。また、貫通孔41の形状及び大きさも適宜変更することが可能である。
【0076】
貫通孔41は、弾性変形部40bの幅方向中央に設けられることが好ましい。また、貫通孔41が複数ある場合は、複数の貫通孔41が弾性変形部40bの幅方向中央を基準に対称に設けられることが好ましい。これにより、弾性変形部40bが搬送幅の中央Cを基準に対称な形状となるので、搬送幅の中央Cを挟んで両側における弾性変形部40bの弾性力を均等にすることができ、シートを安定的かつ良好に搬送できるようになる。
【0077】
また、貫通孔41の幅Vは、シートが搬送される搬送方向(
図7における上方向)に向かって小さくなることが好ましい。貫通孔41の幅Vが搬送方向に向かって小さくなることにより、シートが貫通孔41に引っ掛かりにくくなるため、搬送性が向上する。
【0078】
また、貫通孔41は、外側のガイド部材39Bを画像形成装置本体に固定するためのねじ、及び、ねじを回す工具を挿入するための孔であってもよい。
【0079】
<本発明の第三実施形態の構成>
図8は、本発明の第三実施形態に係る弾性部材40の構成を示す図である。
【0080】
第三実施形態に係る弾性部材40は、シートの幅方向に渡って複数に分割された弾性変形部40bを有している。
【0081】
弾性変形部40bがシートの幅方向に渡って複数に分割されていることにより、弾性変形部40bの弾性力を調整できる。すなわち、弾性変形部40bを分割して1つあたりの弾性変形部40bの幅を小さくすることにより、弾性変形部40bの弾性力を低下させることができる。また、弾性変形部40bを分割することにより、弾性変形部40b全体の幅Xを確保したまま弾性力を低下させることができるので、弾性変形部40b全体の幅Xが小さくなることに伴う搬送性の低下を回避でき、安定した搬送性が得られるようになる。なお、弾性変形部40bの分割位置及び分割数は、適宜変更可能である。
【0082】
また、複数の弾性変形部40bは、搬送幅の中央Cを基準に対称に配置され、かつ、搬送幅の中央Cを基準に対称な形状に構成されていることが好ましい。これにより、搬送幅の中央Cを挟んで両側における弾性変形部40bの弾性力を均等にすることができ、シートを安定的かつ良好に搬送できるようになる。
【0083】
以上、本発明の実施形態について説明した。本発明においては、シートの坪量が第一基準値未満である場合、弾性部材40が弾性変形せず、シートの坪量が第二基準値以上である場合は、弾性部材40が弾性変形することを特徴としている。ここで、本発明において、弾性部材40が「弾性変形しない」とは、弾性部材40がシート搬送前の状態に比べて弾性変形しないことを意味する。同様に、本発明において、弾性部材40が「弾性変形する」とは、弾性部材40がシート搬送前の状態に比べて弾性変形することを意味する。
【0084】
従って、本発明において、弾性部材40は、全く弾性変形しない状態で保持される場合に限らず、多少弾性変形した状態で保持される場合であってもよい。例えば、シート搬送前の状態において、弾性変形部40bが外側のガイド部材39Bに押し当てられて多少湾曲した状態で保持されてもよい。ただし、弾性変形部40bが弾性変形した状態で長期間保持されると、弾性変形部40bが塑性変形することによる弾性力の低下のほか、弾性変形部40bに弾性復元力が常時作用することによる固定部40aの剥がれの虞がある。このため、弾性変形部40bは、弾性変形した状態で保持されるよりは、弾性変形しない平面状に保持されることが好ましい。
【0085】
また、弾性変形部40bの先端は、外側のガイド部材39Bのガイド面390に対して接触している場合に限らず、ガイド面390に対して非接触に配置されていてもよい。なお、弾性変形部40bの先端が外側のガイド部材39Bのガイド面390に接触するように配置される場合は、内側のガイド部材39Aと弾性変形部40bとの間において搬送路を大きく確保できると共に、搬送路内で詰まったシートを中継ローラ対34A,34B側から除去する場合に、シートが弾性変形部40bの先端に引っ掛かりにくくなる利点がある。
【0086】
また、本発明は、トナー画像を形成する電子写真方式の画像形成装置に適用される場合に限らず、液体のインクを用いて画像を形成するインクジェット式の画像形成装置にも適用可能である。また、本発明は、カラー画像を形成するタンデム方式の画像形成装置に限らず、単色画像を形成する画像形成装置にも適用可能である。
【0087】
以上説明した本発明の態様をまとめると、本発明には、少なくとも下記の態様が含まれる。
【0088】
[第1の態様]
第1の態様は、シートを搬送する搬送部材と、前記シートの先端を突き当てて前記シートの斜行を補正する補正部材と、前記補正部材よりも前記シートの搬送方向上流側に配置され、凹曲面状のガイド面を有するガイド部材と、前記ガイド面と対向するように配置され、前記シートを前記補正部材へ案内する弾性部材とを備え、第一基準値未満の坪量の前記シートが前記補正部材に突き当てられて撓んだ状態で、前記シートが前記弾性部材に接触した場合は、前記弾性部材は弾性変形せず、第二基準値以上の坪量の前記シートが前記補正部材に突き当てられて撓んだ状態で、前記シートが前記弾性部材に接触した場合は、前記弾性部材が前記ガイド面に近づくように弾性変形するシート搬送装置である。
【0089】
[第2の態様]
第2の態様は、第1の態様において、前記第一基準値は、105g/m2であり、前記第二基準値は、158g/m2であるシート搬送装置である。
【0090】
[第3の態様]
第3の態様は、第1の態様において、坪量が120g/m2未満の前記シートが前記補正部材に突き当てられて撓んだ状態で、前記シートが前記弾性部材に接触した場合は、前記弾性部材は弾性変形せず、坪量が120g/m2以上の前記シートが前記補正部材に突き当てられて撓んだ状態で、前記シートが前記弾性部材に接触した場合は、前記弾性部材が前記ガイド面に近づくように弾性変形するシート搬送装置である。
【0091】
[第4の態様]
第4の態様は、第1から第3のいずれか1つの態様において、前記弾性部材は、弾性変形しない状態において、平面状に保持されるシート搬送装置である。
【0092】
[第5の態様]
第5の態様は、第1から第4のいずれか1つの態様において、前記弾性部材は、最大幅の前記シートが搬送される領域の幅よりも小さいシート搬送装置である。
【0093】
[第6の態様]
第6の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様において、前記弾性部材は、貫通孔を有するシート搬送装置である。
【0094】
[第7の態様]
第7の態様は、第6の態様において、前記貫通孔は、前記シートが搬送される方向に向かって幅が小さくなるように形成されるシート搬送装置である。
【0095】
[第8の態様]
第8の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様において、前記弾性部材は、前記シートの幅方向に渡って複数に分割されるシート搬送装置である。
【0096】
[第9の態様]
第9の態様は、第1から第8のいずれか1つの態様において、前記弾性部材は、前記シートが搬送される領域の幅の中央を基準に対称な形状に構成されるシート搬送装置である。
【0097】
[第10の態様]
第10の態様は、第1から第9のいずれか1つの態様のシート搬送装置と、前記シート搬送装置によって搬送されるシートに画像を形成する画像形成部とを備える画像形成装置である。
【0098】
30 シート搬送装置
31 ピックアップローラ(搬送部材)
32 給送ローラ(搬送部材)
33 分離ローラ(搬送部材)
34A 中継駆動ローラ(搬送部材)
34B 中継従動ローラ(搬送部材)
35A 補正駆動ローラ(補正部材、搬送部材)
35B 補正従動ローラ(補正部材、搬送部材)
39A ガイド部材
39B ガイド部材
39C ガイド部材
39D ガイド部材
39E ガイド部材
39F ガイド部材
40 弾性部材
41 貫通孔
100 画像形成部
1000 画像形成装置
C 搬送幅の中央
S シート
W 最大搬送幅
【先行技術文献】
【特許文献】
【0099】