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特開2024-158258情報処理システム、情報処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158258
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/44 20180101AFI20241031BHJP
   G06F 8/30 20180101ALI20241031BHJP
【FI】
G06F9/44
G06F8/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073308
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100110607
【弁理士】
【氏名又は名称】間山 進也
(72)【発明者】
【氏名】卜部 みか
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376BC32
5B376FA19
5B376GA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザによる設定ミスをなくし、複数の機能の実行を容易にするシステム、方法およびプログラムを提供すること。
【解決手段】情報処理システムにおいて、携帯端末10は、機器の機器情報と、実行すべき複数の機能の選択とを受け付ける入力受付部70と、受け付けた機器情報に応じて、選択された複数の機能の実行順序を規定したフローを生成する生成部71と、生成されたフローに従って複数の機能を順に実行する実行部74と、を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器に対する複数の機能を実行する情報処理システムであって、
前記機器の機器情報と、実行すべき複数の機能の選択とを受け付ける入力受付手段と、
受け付けた前記機器情報に応じて、選択された前記複数の機能の実行順序を規定したフローを生成する生成手段と、
生成された前記フローに従って前記複数の機能を順に実行する実行手段とを含む、情報処理システム。
【請求項2】
機器ごとに各機能に対して重み値を設定した重み付け情報を保存する情報保存手段を含み、
前記生成手段は、前記情報保存手段に保存された前記重み付け情報に基づき、前記フローを生成する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記実行手段が生成した前記各機能を前記機器に実行させるための各命令を、前記機器に送信する送信手段を含む、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
生成された前記フローを保存するフロー保存手段を含み、
前記実行手段は、前記フローの開始指示に応答して、前記フロー保存手段から前記フローを読み出し、読み出した前記フローに従って前記複数の機能を順に実行する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記実行手段が前記複数の機能を実行した実行結果とログを保存する結果保存手段を含む、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記情報処理システムは、第1の装置を含み、
前記第1の装置が、前記入力受付手段と、前記生成手段と、前記実行手段とを含む、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記情報処理システムは、第1の装置と、第2の装置とを含み、
前記第1の装置が、前記入力受付手段と、前記実行手段とを含み、
前記第2の装置が、前記生成手段を含む、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記情報処理システムは、第1の装置と、第2の装置と、第3の装置とを含み、
前記第1の装置が、前記入力受付手段を含み、
前記第2の装置が、前記生成手段を含み、
前記第3の装置が、前記実行手段を含む、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項9】
機器に対する複数の機能を実行する情報処理システムにより実行される情報処理方法であって、
前記機器の機器情報と、実行すべき複数の機能の選択とを受け付けるステップと、 受け付けた前記機器情報に応じて、選択された前記複数の機能の実行順序を規定したフローを生成するステップと、 生成された前記フローに従って前記複数の機能を順に実行するステップと
を含む、情報処理方法。
【請求項10】
請求項9に記載の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器に対する複数の機能を実行する情報処理システム、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
PC(Personal Computer)等の情報処理装置を、画像形成装置等の機器と接続して機器の設定・保守を行う場合、顧客ごとに使用する機能が異なるため、設定・保守を行うユーザは、現場で作業指示書を参照しながら、複数の機能を選択し、選択した複数の機能を実行する必要がある。
【0003】
従来において機器の設定作業を容易にする目的で、機器の設定手順を示す設定シナリオ情報を作成し、コマンドデータベースに格納されたコマンドを、設定シナリオ情報に対応する順序及びタイミングで、設定対象の機器へ順に送信する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、ユーザが設定・保守を行う複数の機能の実行順序を指定するため、実行順序に制約がある場合、その制約を加味して実行順序を指定しなければならない。これでは、順序の設定にミスが発生する可能性があり、複数の機能の実行に際して手間がかかるという問題があった。
【0005】
本発明は上述した課題を解決するものであり、ユーザによる設定ミスをなくし、複数の機能の実行を容易にする情報処理システム、情報処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、機器に対する複数の機能を実行する情報処理システムであって、
機器の機器情報と、実行すべき複数の機能の選択とを受け付ける入力受付手段と、
受け付けた機器情報に応じて、選択された複数の機能の実行順序を規定したフローを生成する生成手段と、
生成されたフローに従って複数の機能を順に実行する実行手段とを含む、情報処理システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザによる設定ミスをなくし、複数の機能の実行を容易にするシステム、方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの第1の構成例を示した図。
図2図1に示した情報処理システムを構成する携帯端末のハードウェア構成の一例を示した図。
図3図1に示した情報処理システムを構成する画像形成装置のハードウェア構成の一例を示した図。
図4図1に示した携帯端末および画像形成装置の機能構成の一例を示したブロック図。
図5】機器の種類ごとに複数の機能の実行フローを保存する処理の一例を示したフローチャート。
図6】複数の機能を選択する画面の一例を示した図。
図7】複数の機能の実行順序を判断するために参照される機能重み付けテーブルの一例を示した図。
図8】複数の機能を実行する処理の第1の例を示したシーケンス図。
図9】本実施形態に係る情報処理システムの第2の構成例を示した図。
図10図9に示した携帯端末、画像形成装置、ユーザ端末、サーバの機能構成の一例を示したブロック図。
図11】複数の機能を実行する処理の第2の例を示したシーケンス図。
図12図9に示した情報処理システムを利用した具体的な処理について説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について実施形態をもって説明するが、本発明は後述する実施形態に限定されるものではない。
【0010】
一般に、画像形成装置等の機器を新規に設置し、設定作業を行う場合や、機器の保守作業を行う場合、それらの機器を扱うメーカーのフィールドエンジニアが、機器に搭載されている設定・保守を行う機能を実行し、設定・保守作業を行う。保守は、機器が正常に動作し続けるために必要なメンテナンス、監視を行うことで、運用中に発生したバグやトラブルに対応することを含む。これらの作業において、フィールドエンジニアは、作業指示書を参照し、どの機能を実行するかを各自で判断している。
【0011】
このため、設定・保守を行う機能の実行順序を設定する際に設定ミスが発生する可能性があり、設定順序を判断するにあたっても時間を要するため、作業時間が必然的に増えてしまう。また、現状では、実行する機能の判断は、フィールドエンジニアの専門的な知識に基づいて判断しているため、専門的な知識を有しない外部委託業者に作業を委託することはできない。
【0012】
本実施形態に係る情報処理システムは、これらの問題を解決したシステムであり、設定ミスをなくし、作業時間を短縮し、外部業者に作業を委託することも可能にするシステムである。
【0013】
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの第1の構成例を示した図である。情報処理システムは、少なくとも1つの情報処理装置と、設定・保守を行う対象の機器とを含む。なお、情報処理システムは、少なくとも1つの情報処理装置を含み、設定・保守を行う対象の機器は含まなくてもよい。ここでは、情報処理システムとしての情報処理装置を携帯端末10とし、設定・保守を行う対象の機器を画像形成装置11として参照する。
【0014】
携帯端末10は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)等である。画像形成装置11は、プリンタ、MFP(Multi-Function Peripheral)等である。
【0015】
情報処理装置は、通信機能を備えた装置であれば、上記の携帯端末10に限定されるものではなく、機器も、通信機能を備えた機器であれば、画像形成装置11に限定されるものではない。したがって、情報処理装置は、ノートPC、デスクトップPC、ウェアラブルPC、ゲーム機等であってもよく、機器は、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUP(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)等であってもよい。
【0016】
携帯端末10は、画像形成装置11とケーブルを使用して接続してもよいし、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信機能を使用して無線により接続してもよい。携帯端末10は、画像形成装置11とネットワークを介して接続してもよく、ネットワークは、有線ネットワークであってもよいし、無線LAN等の無線ネットワークであってもよい。
【0017】
携帯端末10は、画像形成装置11に対して実行する機能として、画像形成装置11の設定・保守を行う機能を複数搭載している。携帯端末10は、自機に搭載された設定・保守を行う機能の一覧を表示し、ユーザが任意の複数の機能を選択すると、選択された複数の機能の実行順序を判断し、フローを生成する。携帯端末10は、生成したフローに従って複数の機能を順に実行する。図1に示す実施形態では、携帯端末10が、ユーザからの機能の選択等を受け付ける入力受付手段、フローを生成する生成手段、複数の機能を実行する実行手段を含む第1の装置に該当する。
【0018】
携帯端末10は、画像形成装置11に接続し、機能の実行において画像形成装置11へ命令(コマンド)を送信する。コマンドは、例えばプログラムの種類の1つで、人が読み書きしやすいプログラミング言語で記述されたスクリプトとされる。コマンドは、スクリプトに限定されるものではないが、以下、スクリプトとして説明する。
【0019】
画像形成装置11は、携帯端末10からスクリプトを受信し、スクリプトを実行する。これにより、画像形成装置11にデータが設定され、また、既に設定されたデータが更新されて、画像形成装置11のデータが変更される。
【0020】
設定・保守を行う機能としては、アドレス帳データ移行、ネットワーク設定移行、ファームウェアバージョンアップ等がある。なお、これらは一例であるので、これに限定されるものではない。アドレス帳データ移行は、顧客が指定するアドレス帳データを画像形成装置11に設定する機能である。ネットワーク設定移行は、顧客が指定する各種ネットワーク設定(IPアドレス、ホスト名等)の値を画像形成装置11に設定する機能である。ファームウェアバージョンアップは、画像形成装置11のファームウェアのバージョンを更新する機能である。
【0021】
例えば、機能1、機能2、機能3の選択を受け付け、画像形成装置11が提供する機能の仕様により、機能が正しく動作するには実行順に制約があるとして、機能1、機能3、機能2の順に実行しなければならない場合、携帯端末10は、機能1、機能3、機能2の順に実行するようにフローを生成する。
【0022】
携帯端末10は、生成したフローに従って、機能1のスクリプト、機能3のスクリプト、機能2のスクリプトを順に画像形成装置11へ送信する。画像形成装置11は、各スクリプトを順に受信し、各スクリプトを順に実行する。
【0023】
具体的には、携帯端末10は、最初に、機能1のスクリプトを送信する。画像形成装置11は、機能1のスクリプトを受信し、機能1のスクリプトを実行する。画像形成装置11は、機能1のスクリプトの実行が終了したことを携帯端末10に通知する。
【0024】
携帯端末10は、画像形成装置11からの通知を受けて、次の機能3のスクリプトを送信する。画像形成装置11は、機能1の場合と同様に、機能3のスクリプトを実行し、その実行が終了すると、その旨を携帯端末10に通知する。
【0025】
携帯端末10は、画像形成装置11からの通知を受けて、最後に、機能2のスクリプトを送信する。画像形成装置11は、機能1、機能3の場合と同様に、機能2のスクリプトを実行し、その実行が終了すると、その旨を携帯端末10に通知する。
【0026】
図2は、図1に示した情報処理システムを構成する携帯端末10のハードウェア構成の一例を示した図である。携帯端末10の一例として、スマートフォンを取り上げ、スマートフォンのハードウェア構成について説明する。スマートフォンは、CPU(Central Processing Unit)20、ROM(Read Only Memory)21、RAM(Random Access Memory)22、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)23を備える。スマートフォンは、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ24、撮像素子I/F25、加速度・方位センサ26、メディアI/F27、GPS(Global Positioning System)受信部28を備える。
【0027】
CPU20は、スマートフォン全体の動作を制御する。ROM21は、CPU20やIPL(Initial Program Loader)等のCPU20の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM22は、CPU20に対して作業領域を提供する。EEPROM23は、CPU20の制御の下に、スマートフォン用のプログラム等の各種データを記憶する。
【0028】
CMOSセンサ24は、CPU20の制御の下で、被写体を撮像し、画像データを出力する内蔵型の撮像手段である。なお、CMOSセンサ24ではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。撮像素子I/F25は、CMOSセンサ24の駆動を制御する回路である。
【0029】
加速度・方位センサ26は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F27は、フラッシュメモリ等の記録メディア29に対するデータの読み出し、または書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部28は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0030】
スマートフォンは、遠距離通信回路30、CMOSセンサ31、撮像素子I/F32、マイク33、スピーカ34、音入出力I/F35、ディスプレイ36、外部機器接続I/F37、近距離通信回路38、近距離通信回路38のアンテナ38a、タッチパネル39を備える。
【0031】
遠距離通信回路30は、ネットワークを介して、他の機器と通信する回路である。CMOSセンサ31は、CPU20の制御に従って被写体を撮像して画像データを出力する内蔵型の撮像手段である。この場合も、CMOSセンサ31に代えてCCDセンサ等を使用してもよい。撮像素子I/F32は、CMOSセンサ31の駆動を制御する回路である。マイク33は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ34は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声等の音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F35は、CPU20の制御の下で、マイク33およびスピーカ34との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ36は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)等の表示手段である。
【0032】
外部機器接続I/F37は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。近距離通信回路38は、NFC(Near Field Communication)やBletooth(登録商標)等の通信回路である。アンテナ38aは、近距離通信回路38のアンテナである。タッチパネル39は、ユーザがディスプレイ36を押下することで、スマートフォンを操作する入力手段の一種である。
【0033】
スマートフォンは、さらに、バスラインを備える。バスラインは、CPU20等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0034】
図3は、図1に示した情報処理システムを構成する画像形成装置11のハードウェア構成の一例を示した図である。画像形成装置11の一例として、MFPを取り上げ、MFPのハードウェア構成について説明する。MFPは、スキャン、コピー、印刷、ファックス送受信等を実行可能な機器である。MFPは、コントローラ40、近距離通信回路41、エンジン制御部42、操作パネル43、ネットワークI/F44を備える。
【0035】
コントローラ40は、コンピュータの主要部であるCPU50、システムメモリ(MEM-P)51、ノースブリッジ(NB)52、サウスブリッジ(SB)53、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)54、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)55、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ56、HD(Hard Disk)57を備える。NB52とASIC54とは、AGP(Accelerated Graphics Port)バス58により接続される。
【0036】
CPU50は、MFP全体の制御を行う。NB52は、CPU50とMEM-P51、SB53、AGPバス58とを接続するためのブリッジで、MEM-P51に対する読み書き等を制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0037】
MEM-P51は、コントローラ40の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM51aと、プログラムやデータの展開およびメモリ印刷時の描画用メモリ等として用いるRAM51bとから構成される。なお、RAM51bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶して提供するように構成してもよい。
【0038】
SB53は、NB52とPCIバス59、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC54は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス58、PCIバス59、HDDコントローラ56およびMEM-C55をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。ASIC54は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC54の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C55を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジック等により画像データの回転等を行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部60およびプリンタ部61との間でPCIバス59を介したデータ転送を行うPCIユニットとから構成される。
【0039】
なお、ASIC54には、USB(Universal Serial Bus)のインタフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインタフェースを接続するようにしてもよい。
【0040】
MEM-C55は、コピー用画像バッファおよび符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD57は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HDDコントローラ56は、CPU50に対するデータの読み出し、または書き込みを制御する。なお、ストレージとしては、HD57に限られるものではなく、SSD(Solid State Drive)等を用いてもよい。
【0041】
AGPバス58は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P51に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0042】
近距離通信回路41は、NFC、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。エンジン制御部42は、スキャナ部60およびプリンタ部61によって構成されている。操作パネル43は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、ユーザからの入力を受け付けるタッチパネル等を備えるパネル表示部43aと、濃度の設定条件等の画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキーや、コピー開始指示を受け付けるスタートキー等から構成されるキー入力部43bとから構成される。
【0043】
コントローラ40は、MFP全体の制御を行い、例えば描画、通信、操作パネル43からの入力等を制御する。スキャナ部60およびプリンタ部61には、誤差拡散やガンマ変換等の画像処理部が含まれている。
【0044】
画像形成装置11は、操作パネル43のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、印刷機能、ファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時には、ドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時には、コピーモードとなり、印刷機能の選択時には、プリンタモードとなり、ファクシミリ機能の選択時には、ファクシミリモードとなる。
【0045】
ネットワークI/F44は、ネットワークを介してデータ通信を行うためのインタフェースである。近距離通信回路41およびネットワークI/F44は、PCIバス59を介してASIC54に電気的に接続されている。
【0046】
図4は、図1に示した携帯端末10および画像形成装置11の機能構成の一例を示したブロック図である。携帯端末10は、画像形成装置11に接続して機能を実行し、スクリプトを送信する機能を実現するための1以上の機能部を有する。画像形成装置11は、携帯端末10からスクリプトを受信し、スクリプトを実行する機能を実現するための1以上の機能部を有する。
【0047】
これらの各機能部は、携帯端末10および画像形成装置11のそれぞれが備える1または複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、処理回路とは、上記のCPU20、50のような、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようにプログラミングされたプロセッサのほか、各機能を実行するように設計されたASIC、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や、従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0048】
携帯端末10は、入力受付部70と、生成部71と、フロー保存部72と、テーブル保存部73と、実行部74と、送信部75とを備える。
【0049】
入力受付部70は、入力受付手段として機能し、ユーザへ画面を表示し、ユーザからの操作を受け付ける。入力受付部70は、ユーザに設定・保守を行う機能の選択、設定・保守を行う対象の機器の機器情報として機器の種類(機種)の選択を入力する画面を表示し、ユーザによる複数の機能の選択、機種の選択を受け付ける。ここでは、機器情報を機種情報として説明するが、機器情報は機種情報に限定されるものではない。機種情報は、機種名、製造番号等である。機器情報を、機器を個別に識別する識別情報ではなく、機種情報としているのは、同じ機種であれば、機能の実行順序に制約があったとしても、同じ順序で実行すればよく、実行順序を判断するにあたって、機器ごとではなく、機種ごとに判断すればよいからである。
【0050】
生成部71は、生成手段として機能し、ユーザが任意に選択した複数の機能について、機器に最適な機能の実行順序を、機器ごとに各機能に対して重み値を設定した重み付け情報の一例として機種ごとの機能重み付けテーブルを用いて判断し、機能の実行順序を規定するフローとして生成する。
【0051】
フロー保存部72は、フロー保存手段として機能し、生成部71により生成されたフローをメモリ上に保存する。テーブル保存部73は、生成部71が使用する機種ごとの機能重み付けテーブルをメモリ上に保存する。
【0052】
実行部74は、実行手段として機能し、生成部71により生成されたフローに従って、フローに含まれる複数の機能を、規定された順序で実行する。実行部74は、機能の実行において、画像形成装置11に実行させるスクリプトを出力する。スクリプトは、機能がアドレス帳データ移行であれば、移行先の画像形成装置11ではアドレス帳データを受信し、設定する処理を実行することになるので、アドレス帳データを受信し、設定する処理を記述したプログラムとなる。送信部75は、送信手段として機能し、実行部74が出力したスクリプトを画像形成装置11へ送信する。このとき、送信部75は、機能の実行に必要なデータ、例えばアドレス帳データも送信する。
【0053】
画像形成装置11は、受信部80と、実行部81とを備える。受信部80は、携帯端末10からスクリプトを受信する。実行部81は、受信したスクリプトを実行し、画像形成装置11のデータを変更する。スクリプトが、アドレス帳データを受信し、設定する処理を記述したプログラムである場合、実行部81は、受信したアドレス帳データを画像形成装置11に設定する処理を実行する。
【0054】
図5は、画像形成装置11に対する複数の機能を実行する順序を規定するフローを生成し、保存する処理の一例を示したフローチャートである。ステップ100から処理を開始し、ステップ101で、入力受付部70が、ユーザが選択した機能一覧を取得する。ステップ102で、入力受付部70が、ユーザが画像形成装置11の機器情報として機種情報を取得する。
【0055】
ステップ103で、生成部71が、テーブル保存部73に保存された機種ごとの機能重み付けテーブルを参照する。ステップ104で、生成部71が、参照した機能重み付けテーブルを用いて、選択した機能の実行順序を規定したフローを生成する。ステップ105で、生成部71が、生成したフローを、フロー保存部72に保存し、ステップ106で、処理を終了する。
【0056】
画像形成装置11は、実装されるコントローラごとに仕様が異なる。あるコントローラの機種では、ある画像形成装置のある項目の設定を変えると、アドレス帳データが初期化されてしまう。このようなコントローラの機種では、アドレス帳データの移行は、その項目の設定を先に変え、そのあとで実施する必要がある。一方、他のコントローラの機種では、アドレス帳データが初期化されることはないため、その項目の設定を先に変える必要はなく、アドレス帳データを先に移行し、その項目を後に実施しても構わない。このように機種によって仕様が異なるため、ステップ102で機種情報を取得し、機種ごとの機能重み付けテーブルを参照し、機能の実行順序を規定したフローを生成することとしている。
【0057】
図6は、ユーザが複数の機能を選択する画面の一例を示した図である。図6に示した例は、設定・保守を行う機能として、アドレス帳データ移行、ネットワーク設定移行、ファームウェアバージョンアップの3つを挙げ、これら3つの中から選択できるようになっている。機能は、入力手段の1つであるマウス等を使用し、機能の隣りに配置されるチェックボックス90のチェックを入れることにより選択することができる。ユーザは、機能を選択し、フロー作成ボタン91を押下することにより、フローの作成を指示することができる。
【0058】
ユーザは、事前に受け取っている作業指示書を参照し、作業指示書に記載されている機能を選択する。作業指示書には、画像形成装置11に対して移行すべきデータ、実施すべき作業が何かが記載されたものである。
【0059】
図7は、機能重み付けテーブルの一例を示した図である。機能が、機能1(アドレス帳データ移行)、機能2(ネットワーク設定移行)、機能3(ファームウェアバージョンアップ)の3つである場合、画像形成装置11の機種ごとに数値により重み付けされる。重み付けは、数値が大きいほど、機能の実行順序が後になり、順不同の場合、同じ数値とされる。
【0060】
したがって、図7に示す例では、機種Aの場合、機能2、機能1、機能3の実行順序となり、機種Bの場合、機能1、機能2、機能3、もしくは機能2、機能1、機能3の実行順序となるように、実行順が決定される。
【0061】
ここでは、機能の実行順序を重み付けにより判断するものとしているが、これに限られるものではなく、どの機能を優先するかを示す優先度等により判断することも可能である。
【0062】
図8は、ユーザの操作および複数の機能を実行する処理の第1の例を示したシーケンス図である。ユーザが、携帯端末10上で、上記の機能の選択およびフローを自動で生成するプログラムを起動させる(S1)。ユーザ92は、起動させたプログラムを操作し、作業指示書に従って実行する機能を選択する(S2)。ユーザ92は、起動させたプログラムを操作し、作業指示書に従って画像形成装置11を選択する(S3)。そして、ユーザ92は、図6に示したフロー作成ボタン91を押下する。
【0063】
携帯端末10は、選択された機能および選択された機器の機種に応じて、機能重み付けテーブルを参照し、フローを生成し、保存する(S4)。ユーザ92は、画像形成装置11の設置場所へ移動し、携帯端末10を画像形成装置11と接続し、携帯端末10で画像形成装置11に対してフローを開始する(S5)。
【0064】
携帯端末10は、生成したフローに従って機能を実行し、スクリプトを画像形成装置11に送信する(S6)。画像形成装置11は、受信したスクリプトを実行し、画像形成装置11内のデータを変更する(S7)。S6およびS7の処理は、フローにある機能の全てを実行するまで繰り返される。
【0065】
具体例として、ユーザ92が、フィールドエンジニアとして、顧客に対し、新しい画像形成装置を納品し、設置するものとして説明する。携帯端末10上には、アドレス帳データ移行、ネットワーク設定移行、ファームウェアバージョンアップの3つの機能を保持しているものとする。このとき、顧客の要望で、ネットワーク設定移行とファームウェアバージョンアップのみを行うことになったと仮定する。
【0066】
作業指示書には、顧客の要望が記載されており、ユーザ92は、これを参照し、ネットワーク設定移行、ファームウェアバージョンアップを機能として選択する。携帯端末10は、これらの機能の実行順序を規定したフローを生成し、フローに従って機能を順に実行する。フローが、ファームウェアバージョンアップ、ネットワーク設定移行の順であれば、携帯端末10は、ファームウェアバージョンアップのためのスクリプトを画像形成装置11に送信し、画像形成装置11がスクリプトを実行し、ファームウェアのバージョンアップを行う。携帯端末10は、ファームウェアバージョンアップを行った後、ネットワーク設定移行のためのスクリプトを画像形成装置11に送信し、画像形成装置11がスクリプトを実行し、ネットワーク設定を行う。
【0067】
図9は、本実施形態に係る情報処理システムの第2の構成例を示した図である。図1に示した例では、情報処理システムが、携帯端末10と、画像形成装置11とから構成されているが、図9に示す例では、携帯端末10、画像形成装置11に加えて、ユーザ端末12と、サーバ13とを備えている。この場合も、情報処理システムは、設定・保守を行う対象の機器である画像形成装置11を除き、携帯端末10と、ユーザ端末12と、サーバ13とから構成されていてもよい。また、ユーザ端末12の機能を、携帯端末10に実装し、情報処理システムは、携帯端末10と、サーバ13とから構成されていてもよい。
【0068】
図9に示す例では、ユーザ端末12が、ユーザから機能の選択や機種の選択を受け付ける。サーバ13は、機能重み付けテーブルを保持し、ユーザ端末12から受信した機能や機種の情報を基に、機能重み付けテーブルを参照して、フローを生成する。
【0069】
したがって、携帯端末10は、サーバ13が生成したフローを取得して保存し、フローに従って機能を実行し、画像形成装置11にスクリプトを送信する。画像形成装置11は、携帯端末10から受信したスクリプトを実行し、データを変更する。
【0070】
図10は、図9に示した携帯端末10、画像形成装置11、ユーザ端末12、サーバ13の機能構成の一例を示したブロック図である。画像形成装置11は、図4に示した機能構成と同様であり、携帯端末10も、図4に示した機能構成の一部と同様である。携帯端末10は、図4に示した例とは異なり、フロー生成部とテーブル保存部が、サーバ13に設けられている。
【0071】
ユーザ端末12は、入力受付部100と、送信部101とを備える。入力受付部100は、携帯端末10が備える入力受付部70と同様、ユーザへ画面を表示し、ユーザからの操作を受け付ける。入力受付部100は、ユーザから画像形成装置11に対して実施する設定・保守を行う機能の選択と機種の選択とを受け付ける。送信部101は、サーバ13へ受け付けた機能、機種の情報を送信する。図10に示す実施形態では、図1に示した実施形態とは異なり、第1の装置が、入力受付手段のみを含み、ユーザ端末12が第1の装置に該当する。
【0072】
サーバ13は、送受信部110と、生成部111と、テーブル保存部112とを備える。送受信部110は、外部と通信を行う。送受信部110は、ユーザ端末12から機能、機種の情報を受信する。
【0073】
生成部111は、受信した機能、機種の情報に応じて、機能重み付けテーブルを参照し、フローを生成する。テーブル保存部112は、生成部111が参照する機能重み付けテーブルを保存する。図10に示す実施形態では、生成手段を含む第2の装置を含み、サーバ13が第2の装置に該当する。
【0074】
携帯端末10は、入力受付部70、フロー保存部72、実行部74、送受信部76を備える。入力受付部70は、ユーザへ画面を表示し、ユーザから操作を受け付ける。フロー保存部72は、サーバ13の生成部111により生成されたフローをメモリ上に保存する。
【0075】
実行部74は、サーバ13の生成部111により生成されたフローに従って、フローに含まれる複数の機能を、規定された順序で実行する。実行部74は、機能の実行において、画像形成装置11に送信して実行させるスクリプトを出力する。送受信部76は、実行部74が出力したスクリプトを画像形成装置11へ送信する。図10に示す実施形態では、実行手段を含む第3の装置に含み、携帯端末10が第3の装置に該当する。
【0076】
画像形成装置11は、受信部80と、実行部81とを備える。受信部80は、携帯端末10からスクリプトを受信する。実行部81は、受信したスクリプトを実行し、画像形成装置11のデータを変更する。
【0077】
なお、ユーザ端末12の機能が携帯端末10に実装されている場合、図1図10に示す実施形態とは異なり、第1の装置が、入力受付手段と実行手段とを含み、携帯端末10が第1の装置に該当することになる。この場合、第2の装置が、生成手段を含み、サーバ13が第2の装置に該当することになる。
【0078】
図11は、ユーザの操作および複数の機能を実行する処理の第2の例を示したシーケンス図である。ユーザ92が、ユーザ端末12上で、設定・保守を行う対象の機器である画像形成装置11の機種を選択し、携帯端末10上の設定・保守を行う機能のうち、その機器に実施する機能を任意に複数選択する(S1)。そして、ユーザ92は、図6に示したフロー作成ボタン91を押下する。ユーザ端末12は、ユーザ92が入力した情報をサーバ13に送信する(S2)。サーバ13は、受信した情報を基に、機能重み付けテーブルを参照し、フローを生成する(S3)。サーバ13は、生成したフローを携帯端末10に送信する(S4)。携帯端末10は、受信したフローを保存する(S5)。
【0079】
ユーザ92は、携帯端末10を画像形成装置11と接続して、画像形成装置11に対してフローを開始する(S6)。携帯端末10は、生成したフローに従って機能を実行し、スクリプトを画像形成装置11に送信する(S7)。画像形成装置11は、受信したスクリプトを実行し、画像形成装置11内の設定、データを変更する(S8)。S7およびS8の処理は、フローにある機能の全てを実行するまで繰り返される。
【0080】
図12を参照して、図9に示した情報処理システムを利用した具体的な処理の流れを説明する。携帯端末10は、保守対象の機器である画像形成装置11の設定・保守を行う機能を複数搭載している。
【0081】
顧客は、画像形成装置11の発注を営業・フィールドエンジニアへ依頼する(S1)。営業・フィールドエンジニアは、画像形成装置11の発注書を作成する(S2)。発注書は、設置指示等が記載され、作業指示書としての役割も果たす。営業・フィールドエンジニアは、ユーザ端末12に対し、発注書を基に、設定・保守を行う機能を選択し、設置する画像形成装置11の機種を選択する。ユーザ端末12は、古い画像形成装置14から機器情報を取得する(S3)。機器情報は、機器の機種情報と、機能の実行に必要とされるアドレス帳データ等とを含む。
【0082】
ユーザ端末12は、古い画像形成装置14から取得した機器情報と、営業・フィールドエンジニアにより入力された情報とをサーバ13へ送り、サーバ13に保存する(S4)。サーバ13は、営業・フィールドエンジニアにより入力された情報を基に、機能重み付けテーブルを参照し、フローを生成する(S5)。フローは、機器情報と紐付けられる。サーバ13は、携帯端末10に対し、納品設置指示を送信する(S6)。携帯端末10は、作業を委託された外部委託業者が所持する。外部委託業者は、納品設置指示を受け取ると、携帯端末10を使用し、古い画像形成装置14と通信し、古い画像形成装置14から機器情報を取得する(S7)。外部委託業者は、古い画像形成装置14から機器情報として機種情報を取得する。
【0083】
携帯端末10は、取得した機器情報を基に、フローを問い合わせる(S8)。サーバ13は、複数のフローを保存することができ、携帯端末10は、サーバ13に保存された複数のフローの中から同じ機器情報が紐付けられたフローの問い合わせを行う。携帯端末10は、問い合わせたフローを自機に一旦保存し、保存したフローに従って機能を実行し、アドレス帳データの移行等を実施する(S9)。携帯端末10は、サーバ13に対し、実施結果およびログを送信する(S10)。実施結果は、機能の実行が成功したか否かを示す結果であり、ログは、機能の実行中に発生したイベントを時系列に記録したデータである。
【0084】
イベントは、アドレス帳データ移行であれば、アドレス帳データの出力(エキスポート)、アドレス帳データの取り込み(インポート)等である。イベントは、ネットワーク設定移行であれば、IPアドレスの設定、ホスト名の設定等である。イベントは、ファームウェアバージョンアップであれば、更新プログラムの確認、インストール等である。
【0085】
サーバ13は、携帯端末10から実施結果およびログを受信し、サーバ13が備える結果保存手段に実施結果およびログを保存する。
【0086】
外部委託業者が納品設置作業を失敗した場合、外部委託業者には失敗の原因の不具合対応は不可能である。そのため、サーバ13が、実施結果とログとから、納品設置作業の失敗を検出し、適切なフィールドエンジニアを手配する(S11)。サーバ13は、フィールドエンジニアが所持する携帯端末15に対し、復旧指示を、ログとフローとともに送信する(S12)。フローは機器情報が紐付けられ、ログにも機器情報が紐付けられる。このため、サーバ13は、ログと同じ機器情報が紐付けられたフローを取得し、携帯端末15へ送信する。
【0087】
フィールドエンジニアは、これらの情報を基に、顧客の元へ赴き、失敗原因を特定し、解決する。解決後、フィールドエンジニアは、携帯端末15を使用し、受信したフローに従って機能を実行する(S13)。
【0088】
以上に説明してきたように、ユーザが選択した機能から、機器ごとに適切な機能の実行順序を判断し、フローを作成し、機能を実行することができる。これにより、機能の実行順に関しての設定ミスのリスクを低減し、現場での作業時間を短縮することができる。また、ユーザが機能を選択できるので、ユーザが顧客ごとに異なるフローを柔軟に作成することができ、顧客に最適なフローで複数の機能を実行することが可能となる。
【0089】
これまで本発明の一実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の構成要素を変更若しくは削除し、または本実施形態の構成要素を他の構成要素を追加するなど、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0090】
したがって、図1に示す実施形態のように、情報処理システムが携帯端末10のみから構成される場合、上記の結果保存手段は、携帯端末10が備えることができるものである。
【符号の説明】
【0091】
10…携帯端末
11…画像形成装置
12…ユーザ端末
13…サーバ
14…画像形成装置
15…携帯端末
20…CPU
21…ROM
22…RAM
23…EEPROM
24…CMOSセンサ
25…撮像素子I/F
26…加速度・方位センサ
27…メディアI/F
28…GPS受信部
29…記録メディア
30…遠距離通信回路
31…CMOSセンサ
32…撮像素子I/F
33…マイク
34…スピーカ
35…音入出力I/F
36…ディスプレイ
37…外部機器接続I/F
38…近距離通信回路
38a…アンテナ
39…タッチパネル
40…コントローラ
41…近距離通信回路
42…エンジン制御部
43…操作パネル
43a…パネル表示部
43b…キー入力部
44…ネットワークI/F
50…CPU
51…MEM-P
51a…ROM
51b…RAM
52…NB
53…SB
54…ASIC
55…MEM-C
56…HDDコントローラ
57…HD
58…AGPバス
59…PCIバス
60…スキャナ部
61…プリンタ部
70…入力受付部
71…生成部
72…フロー保存部
73…テーブル保存部
74…実行部
75…送信部
76…送受信部
80…受信部
81…実行部
90…チェックボックス
91…フロー作成ボタン
92…ユーザ
100…入力受付部
101…送信部
110…送受信部
111…生成部
112…テーブル保存部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0092】
【特許文献1】特開2017-220107号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12