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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158432
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】面状光源
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/50 20100101AFI20241031BHJP
   H01L 33/54 20100101ALI20241031BHJP
   H01L 33/60 20100101ALI20241031BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20241031BHJP
   F21V 9/38 20180101ALI20241031BHJP
   F21V 3/12 20180101ALI20241031BHJP
   F21V 3/08 20180101ALI20241031BHJP
【FI】
H01L33/50
H01L33/54
H01L33/60
F21S2/00 481
F21V9/38
F21V3/12
F21V3/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073625
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】柏木 直哉
(72)【発明者】
【氏名】笹岡 慎平
(72)【発明者】
【氏名】田村 剛
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 智則
(72)【発明者】
【氏名】橋本 俊幸
【テーマコード(参考)】
3K244
5F142
【Fターム(参考)】
3K244AA01
3K244BA03
3K244BA48
3K244CA02
3K244DA01
3K244DA27
3K244GA04
3K244GB21
3K244GB27
5F142AA26
5F142BA32
5F142CB23
5F142CB24
5F142CD02
5F142CD13
5F142CD17
5F142CD18
5F142CE03
5F142CE06
5F142CE16
5F142CG22
5F142CG23
5F142DA12
5F142DA15
5F142DA73
5F142DB14
5F142GA12
(57)【要約】
【課題】色むらを低減できる面状光源を提供する。
【解決手段】面状光源1は、二次元状に配置され、第1光を発する発光素子21を含む複数の光源20と、複数の光源20の上方に位置し、第1光により励起され光を発する波長変換シート32と、を備える。複数の光源20は、上面視において、外周領域51に配置される複数の外周光源20aと、外周領域51の内側に位置する中央領域52に配置される複数の中央光源20bと、を有する。外周光源20aは、発光素子21を覆い、第1光により励起され光を発する第1波長変換材料41を含む外周透光性部材22aを有する。中央光源20bは、第1波長変換材料41を含まず、第1光のみを出射する。外周光源20a及び中央光源20bは、バットウィング形状の配光特性を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元状に配置され、第1光を発する発光素子を含む複数の光源と、
前記複数の光源の上方に位置し、前記第1光により励起され光を発する波長変換シートと、
を備え、
前記複数の光源は、上面視において、外周領域に配置される複数の外周光源と、前記外周領域よりも内側に位置する中央領域に配置される複数の中央光源と、を有し、
前記外周光源は、前記発光素子を覆い、前記第1光により励起され光を発する第1波長変換材料を含む外周透光性部材を有し、
前記中央光源は、前記第1波長変換材料を含まず、前記第1光のみを出射し、
前記外周光源及び前記中央光源は、バットウィング形状の配光特性を有する、面状光源。
【請求項2】
二次元状に配置され、第1光を発する発光素子を含む複数の光源を備え、
前記複数の光源は、上面視において、外周領域に配置される複数の外周光源と、前記外周領域よりも内側に位置する中央領域に配置される複数の中央光源と、を有し、
前記外周光源は、前記発光素子を覆い、前記第1光により励起され光を発する第1波長変換材料を含む外周透光性部材を有し、
前記中央光源は、前記発光素子を覆い、前記第1波長変換材料を含む中央透光性部材を有し、
前記外周透光性部材における前記第1波長変換材料の濃度は、前記中央透光性部材における前記第1波長変換材料の濃度よりも高い、面状光源。
【請求項3】
二次元状に配置され、第1光を発する発光素子を含む複数の光源を備え、
前記複数の光源は、上面視において、外周領域に配置される複数の外周光源と、前記外周領域よりも内側に位置する中央領域に配置される複数の中央光源と、を有し、
前記外周光源は、前記発光素子を覆い、前記第1光により励起され光を発する第1波長変換材料を含む外周透光性部材を有し、
前記中央光源は、前記発光素子を覆い、前記第1光により励起され光を発する第2波長変換材料を含む中央透光性部材を有し、
前記第2波長変換材料は、前記第1波長変換材料とは異なる材料であり、
前記外周光源から出射される光のうち波長555nmにおける発光強度が、前記中央光源から出射される光のうち波長555nmにおける発光強度よりも高い、面状光源。
【請求項4】
前記外周光源及び前記中央光源は、バットウィング形状の配光特性を有する、請求項2または3に記載の面状光源。
【請求項5】
前記複数の光源は、上面視において、前記外周領域と前記中央領域との間に位置する中間領域に配置される複数の中間光源をさらに有し、
前記中間光源は、前記発光素子を覆い、前記第1波長変換材料を含む中間透光性部材を有し、
前記外周透光性部材における前記第1波長変換材料の濃度は、前記中間透光性部材における前記第1波長変換材料の濃度よりも高い、請求項1~3のいずれか1つに記載の面状光源。
【請求項6】
前記複数の光源は、上面視において、矩形状に配置されており、
前記外周領域は、角を含む第1部分と、前記第1部分に隣接する第2部分と、を有し、
前記第1部分に配置される前記外周光源における前記第1波長変換材料の濃度は、前記第2部分に配置される前記外周光源における前記第1波長変換材料の濃度よりも高い、請求項1~3のいずれか1つに記載の面状光源。
【請求項7】
前記複数の光源の少なくとも1つを囲み、光反射性を有する区分部材をさらに備えた、請求項1~3のいずれか1つに記載の面状光源。
【請求項8】
前記複数の中央光源の発光素子上に光反射層が配置され、
前記複数の外周光源の発光素子上に前記光反射層が配置されていない、請求項1~3のいずれか1つに記載の面状光源。
【請求項9】
前記第1光は、青色の光であり、
前記第1波長変換材料は、前記青色の光により励起され黄色の光を発する、請求項3に記載の面状光源。
【請求項10】
前記第2波長変換材料は、前記青色の光により励起され緑色の光を発する波長変換材料と、前記青色の光により励起され赤色の光を発する波長変換材料と、を含む、請求項9に記載の面状光源。
【請求項11】
前記複数の光源が載置される基板をさらに備えた、請求項1~3のいずれか1つに記載の面状光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、面状光源に関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子を用いた面状光源は、画像表示装置のバックライト等の光源として広く利用されている。このような面状光源としては、例えば、二次元に配置された複数の発光素子と、複数の発光素子の上方に位置する蛍光体フィルムとを備える(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-18991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、色むらを低減できる面状光源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態に係る面状光源は、二次元状に配置され、第1光を発する発光素子を含む複数の光源と、前記複数の光源の上方に位置し、前記第1光により励起され光を発する波長変換シートと、を備える。前記複数の光源は、上面視において、外周領域に配置される複数の外周光源と、前記外周領域よりも内側に位置する中央領域に配置される複数の中央光源と、を有する。前記外周光源は、前記発光素子を覆い、前記第1光により励起され光を発する第1波長変換材料を含む外周透光性部材を有する。前記中央光源は、前記第1波長変換材料を含まず、前記第1光のみを出射する。前記外周光源及び前記中央光源は、バットウィング形状の配光特性を有する。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一実施形態によれば、色むらを低減できる面状光源を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る面状光源を模式的に示す平面図である。
図2】第1実施形態に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図3A】第1実施形態の第1変形例に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図3B】第1実施形態の第2変形例に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図3C】第1実施形態の第3変形例に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図3D】第1実施形態の第4変形例に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図3E】第1実施形態の第5変形例に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図3F】第1実施形態の第6変形例に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図4】第1実施形態の第7変形例に係る面状光源を模式的に示す平面図である。
図5】第1実施形態の第7変形例に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図6】第1実施形態の第8変形例に係る面状光源を模式的に示す平面図である。
図7】第1実施形態の第8変形例に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図8】第1実施形態の第9変形例に係る面状光源を模式的に示す平面図である。
図9】第1実施形態の第9変形例に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図10】第1実施形態の第10変形例に係る面状光源を模式的に示す平面図である。
図11】第1実施形態の第11変形例に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図12】第2実施形態に係る面状光源を模式的に示す平面図である。
図13】第2実施形態に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図14】第3実施形態の変形例に係る面状光源を模式的に示す平面図である。
図15】第3実施形態の変形例に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図16】第3実施形態に係る面状光源を模式的に示す平面図である。
図17】第3実施形態に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図18】第3実施形態の変形例に係る面状光源を模式的に示す平面図である。
図19】第3実施形態の変形例に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る面状光源を模式的に示す平面図である。
図2は、第1実施形態に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図2は、図1に示したII-II線による断面図である。
図1及び図2に示すように、第1実施形態に係る面状光源1は、複数の光源20と、波長変換シート32と、を備えている。
【0009】
本明細書では、光源20から波長変換シート32に向かう方向を「上」といい、その逆方向を「下」という。ただし、この表現は便宜的なものであり、重力の方向とは無関係である。また、本明細書では、上方から見ることを「上面視」という。また、本明細書では、上下方向を「垂直方向」、垂直方向に垂直な方向を「水平方向」という場合がある。
【0010】
複数の光源20は、二次元状(平面状)に配置される。複数の光源20は、図2の例では、水平方向に沿って配置される。複数の光源20は、それぞれ、第1光を発する発光素子21を含む。
【0011】
波長変換シート32は、複数の光源20の上方に位置し、第1光により励起され光を発する。例えば、第1光が青色の光の場合、波長変換シート32は、青色の光の一部により励起され、緑色の光を発する波長変換材料及び赤色の光を発する波長変換材料を含む。
【0012】
図1に示す例では、複数の光源20は、行列状に規則的に配列されている。複数の光源20は、上面視において、外周領域51に配置される複数の外周光源20aと、外周領域51よりも内側に位置する中央領域52に配置される複数の中央光源20bと、を有する。
【0013】
外周領域51は、外周縁50aを含む最も外側に位置する領域である。外周領域51は、角50bを含む。中央領域52は、上面視において、外周領域51よりも内側に位置する。図1では、外周領域51を網掛けあり、中央領域52を網掛けなしで示している。また、図1では、外周縁50a、及び外周領域51と中央領域52との境界を二点鎖線で示している。
【0014】
図2に示す例では、外周光源20aは、外周発光素子21aと、外周発光素子21aを覆う外周透光性部材22aと、を有する。外周発光素子21aは、第1光を発する。外周透光性部材22aは、第1波長変換材料41を含む。第1波長変換材料41は、第1光により励起され光を発する。例えば、第1光が青色の光の場合、第1波長変換材料41は、青色の光の一部により励起され、黄色の光を発する。これにより、外周光源20aは、第1光(青色の光)と第1波長変換材料41によって波長変換された光(黄色の光)とを出射する。
【0015】
図2に示す例では、中央光源20bは、中央発光素子21bと、中央発光素子21bを覆う中央透光性部材22bと、を有する。中央発光素子21bは、外周発光素子21aと同様に、第1光を発する。中央透光性部材22bは、第1波長変換材料41を含まない。つまり、中央光源20bは、第1波長変換材料41を含まない。図2に示す例では、中央光源20bは、第1波長変換材料41以外の波長変換材料も含まない。これにより、中央光源20bは、第1光のみを出射する。例えば、第1光が青色の光の場合、中央光源20bは、青色の光のみを出射する。
【0016】
外周光源20a及び中央光源20bは、それぞれ、バットウィング形状の配光特性を有する。バットウィング形状の配光特性とは、光源20の光軸を0°として、0°よりも配光角の絶対値が大きい角度において0°よりも発光強度が強い発光強度分布を有するものと定義される。
【0017】
図2に示す例では、外周透光性部材22aは、断面視において、外周発光素子21aの直上にある部分に窪みを有する形状である。外周透光性部材22aをこのような形状にすることで、外周光源20aにバットウィング形状の配光特性を付与することができる。なお、中央透光性部材22bについても同様である。
【0018】
同じピーク波長を有する第1光を発する複数の発光素子21が、外周領域51及び中央領域52に配置されている場合、面状光源として色むらが生じることがある。面状光源1は、複数の光源20(発光素子21)のそれぞれに対応する複数の発光領域を含む。1つの発光領域における出射光は、その中心に位置する発光素子21から出射される光と、その発光領域の周囲に位置する発光領域に配置される発光素子21から出射された光のうち斜め上方向に出射される光と、を含む。つまり、各発光領域における出射光は、その発光領域の直下の発光素子21からの光だけでなく、周囲に位置する発光素子21からの光を含む光として視認される。中央領域52では、発光素子21(中央発光素子21b)から上方に向かって出射された光に、周囲の全方位に位置する発光素子21から斜め上方に出射された光が加わった光が、波長変換シート32の中央領域52に入射する。
一方、最外周である外周領域51では、1つの発光領域は、その周囲のうち、発光素子21(外周発光素子21a)の外側に発光素子21が設けられていない。つまり、1つの発光領域において、周囲に配置される発光素子21が中央領域52よりも少ない。このため、光源20から波長変換シート32の外周領域51に対応する領域に入射する光は、光源20から波長変換シート32の中央領域52に対応する領域に入射する光よりも少なくなる。この結果、波長変換シート32の外周領域51に対応する領域で波長変換される光は、波長変換シート32の中央領域52に対応する領域で波長変換される光よりも少なくなる。
例えば、発光素子からの第1光が青色の光であり、波長変換シートが青色の光の一部により励起され、緑色の光及び赤色の光を発する場合、面状光源を上方から見たときに、外周領域51は、中央領域52に比べて、青白く見えることがある。したがって、外周領域51と中央領域52との間に色度差が生じ、色むらが生じることがある。
【0019】
これに対し、第1実施形態にかかる面状光源1では、外周領域51に配置される外周光源20a(外周透光性部材22a)が第1波長変換材料41を含み、中央領域52に配置される中央光源20b(中央透光性部材22b)が第1波長変換材料41を含まず第1光のみを出射する。これにより、外周領域51において波長変換された光を中央領域52よりも増やすことができる。
例えば、発光素子からの光が青色の光であり、第1波長変換材料41が青色の光の一部により励起され、黄色の光を発し、波長変換シート32が青色の光の一部により励起され、緑色の光及び赤色の光を発する場合、面状光源を上方から見たときに、外周領域51が中央領域52に比べて、青白く見えることを低減できる。したがって、外周領域51と中央領域52との間の色度差を小さくすることができ、色むらを低減できる。
【0020】
外周光源20a及び中央光源20bが、それぞれ、バットウィング形状の配光特性を有することで、直上方向の輝度を下げ、斜め方向の輝度を上げることができ、輝度むらを低減できる。
【0021】
以下、面状光源を構成する各部材について説明する。
【0022】
(発光素子)
発光素子21は、電圧を印加することで自ら発光する半導体素子であり、窒化物系半導体などから構成される公知の半導体素子を適用できる。発光素子21としては、例えばLEDチップが挙げられる。発光素子21は、半導体積層体を有する。半導体積層体は、n型半導体層及びp型半導体層と、これらに挟まれた発光層とを含む。発光層は、ダブルヘテロ接合または単一量子井戸(SQW)などの構造を有していてもよいし、多重量子井戸(MQW)のようにひとかたまりの活性層群をもつ構造を有していてもよい。半導体積層体は、複数の発光層を含んでいてもよい。例えば、半導体積層体は、n型半導体層とp型半導体層との間に2以上の発光層を含む構造を有していてもよいし、n型半導体層と発光層とp型半導体層とを順に含む構造が複数回繰り返された構造を有していてもよい。半導体積層体が複数の発光層を含む場合、複数の発光層の間で発光ピーク波長が異っていてもよいし、発光ピーク波長が同じ発光層が半導体積層体に含まれていてもよい。
【0023】
発光素子21の材料としては、例えば、GaN、InGaN、AlGaN、AlInGaN等の窒化物系半導体を用いることができる。第1光が青色の光の場合、第1光のピーク波長は、例えば、430nm以上460nm以下、好ましくは440nm以上460nm以下である。
【0024】
(透光性部材)
透光性部材22は、発光素子21を外部環境から保護し、光源20からの光(第1光)を光学的に制御するための部材である。透光性部材22の材料としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂またはそれらを混合した樹脂等の透光性樹脂、ガラス等を用いることができる。これらのうち、耐光性及び成形のしやすさを考慮して、シリコーン樹脂を用いることが好ましい。透光性部材22の少なくとも一部は、発光素子21からの光(第1光)により励起され光を発する第1波長変換材料41を含む。
【0025】
(第1波長変換材料)
第1波長変換材料41は、発光素子21からの光(第1光)により励起され、発光素子21の発光ピーク波長と異なる発光ピーク波長の光を発する。第1波長変換材料41は、図2に示す例では、透光性部材22の内部に分散して配置されている。但し、これに限らず、第1波長変換材料41は、発光素子21側に偏って配置されてもよい。
【0026】
第1光が青色の光の場合、第1波長変換材料41は、青色の光により励起され黄色の光を発する黄色蛍光体を含む。黄色蛍光体が発する光のピーク波長は、例えば、540nm以上620nm以下である。黄色蛍光体は、例えば、YAG(Y(Al,Ga)12:Ce)及びSBSiON((Sr,Ba,Ca)Si:Eu)からなる群より選択される少なくとも1つを含む。
【0027】
なお、第1光が青色の光の場合、第1波長変換材料41は、黄色蛍光体の代わりに、青色の光により励起され緑色の光を発する波長変換材料(緑色蛍光体)と、青色の光により励起され赤色の光を発する波長変換材料(赤色蛍光体)と、を含むことができる。
【0028】
緑色蛍光体が発する光のピーク波長は、例えば、490nm以上570nm以下、好ましくは525nm以上549nm以下である。緑色蛍光体は、例えば、β-サイアロン(β-SiAlON((Si,Al)(O,N):Eu)、クロロシリケート(CaMgSi16Cl:Eu)、シリケート、BSON(BaSi12:Eu)、ペロブスカイト(CsPb(F,Cl,Br,I))、及びチオガレートからなる群より選択される少なくとも1つを含む。
【0029】
赤色蛍光体が発する光のピーク波長は、例えば、600nm以上680nm以下である。赤色蛍光体は、例えば、KSF(KSiF:Mn)、KSAF(KSi0.99Al0.015.99:Mn)、MGF(3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn)、SCASN((Sr,Ca)AlSiN:Eu)、CASN(CaAlSiN:Eu)、及びα-サイアロン(Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)からなる群より選択される少なくとも1つを含む。
【0030】
透光性部材22は、第1光を拡散させるための拡散剤、発光素子21の発光色に対応した着色剤等を含むことができる。拡散剤及び着色剤等は、当該分野で公知のものを使用できる。
【0031】
図2に示す例では、1つの透光性部材22が1つの発光素子21を覆っている。但し、これに限らず、1つの透光性部材22が2つ以上の発光素子21を覆っていてもよい。また、透光性部材22の一部は、発光素子21と基板10との間に配置されてもよいし、配置されなくてもよい。
【0032】
(波長変換シート)
波長変換シート32は、外周光源20aと中央光源20bのそれぞれから出射した第1光により励起され光を発する波長変換材料を含む。波長変換シート32に含まれる波長変換材料としては、第1波長変換材料41の説明で記載したものと同様のものを用いることができる。波長変換シート32に含まれる波長変換材料は、第1波長変換材料41と同じであってもよいし、異なっていてもよい。図2の例では、波長変換シート32は、複数の光源20を覆う一枚の部材である。
【0033】
以下、面状光源を構成するその他の部材について説明する。
【0034】
(基板)
図2に示す例では、面状光源1は、複数の光源20が載置される基板10を備える。基板10は、複数の光源20が搭載される回路基板である。基板10は、水平方向に広がる板状である。図2に示す例では、基板10の外形は、上面視において、矩形である。図2の例で示す基板10は、基体11と、配線層12と、被覆部材13と、を含む。
【0035】
基体11の材料としては、例えば、セラミックス、樹脂、及び複合材料が挙げられる。樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。複合材料としては、例えば、上述した樹脂に、ガラス繊維、SiO、TiO、Alの無機フィラーを混合したもの、金属部材に絶縁層を被覆した金属基板が挙げられる。
【0036】
基体11の厚さは適宜選択できる。基体11は、ロール・ツー・ロール方式で製造可能
なフレキシブル基板またはリジット基板の何れであってもよい。
【0037】
配線層12は、基体11の上面に配置される。配線層12の材料としては、例えば、金属などの導体が挙げられる。
【0038】
被覆部材13は、配線層12のうち発光素子と電気的な接続を行わない領域の一部を被覆している。被覆部材13は、絶縁性である。被覆部材13の材料は、基体11の材料として例示したものと同様のものが挙げられる。被覆部材13として、上述した樹脂に白色系の光反射性フィラー又は多数の気泡を含有させたものを用いることができる。これにより、光源20から放出された光が基体11に吸収されることを低減することができる。被覆部材13は、透光性部材22と接してもよいし、離隔してもよい。
【0039】
(光学部材)
面状光源1は、複数の光源20の上方に配置される光学部材を有することができる。光学部材は、例えば、拡散シートを含む。拡散シートを含む光学部材を設けることで、面状光源1から外部に取り出される光の均一性を向上できる。光学部材は、拡散シートの上に、第1プリズムシート、第2プリズムシート、及び偏光シートからなる群より選択される少なくとも1種をさらに含むことができる。これらのシートの少なくとも1種を含む光学部材を設けることで、光の均一性をさらに向上できる。
【0040】
なお、波長変換シート32は、光学部材の光源側に配置されてもよいし、光学部材中に配置されてもよい。波長変換シート32が光学部材中に配置される場合、例えば、波長変換シート32を拡散シート上に配置することができる。
【0041】
<第1変形例>
図3Aは、第1実施形態の第1変形例に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図3Aに示すように、第1変形例に係る面状光源1Aでは、外周透光性部材22a及び中央透光性部材22bは、断面視において、凸形状であり、垂直方向の最大長さが水平方向の最大長さよりも長い。図3Aに示す例でも、外周光源20a及び中央光源20bにバットウィング形状の配光特性を付与することができる。
【0042】
<第2変形例>
図3Bは、第1実施形態の第2変形例に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図3Bに示すように、第2変形例に係る面状光源1Bでは、中央発光素子21b上に光反射層23が配置されている。図3Bに示す例でも、外周光源20a及び中央光源20bにバットウィング形状の配光特性を付与することができる。
【0043】
光反射層23は、光を反射する材料であればよく、例えば、金属、白色フィラー含有樹脂、誘電体多層膜等によって形成することができる。誘電体多層膜を用いる場合には、吸収の少ない反射膜を得ることができ、誘電体多層膜を構成する薄膜の材料及び/又は膜厚の設計で反射率を任意に調整することが容易となる。また、光の入射角度により反射率を精度よく制御することができる。特に、光軸方向の反射率を上げ、光軸に対して角度が大きくなるところで反射率を下げる、すなわち透過率を上げることにより、上述したバットウィング形状の配光特性を制御よく得ることができる。
【0044】
図3Bに示す例では、複数の中央光源20bの発光素子(中央発光素子)21b上に光反射層23が配置され、複数の外周光源20aの発光素子(外周発光素子)21a上に光反射層23が配置されていない。これにより、外周発光素子21aの直上方向の輝度を高くすることができ、中央領域と外周領域との間の輝度むらを低減することができる。
【0045】
なお、発光素子21上に光反射層23を配置させることに限らず、透光性部材22の窪み内に光反射層23を配置させることができる。
【0046】
<第3変形例>
図3Cは、第1実施形態の第3変形例に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図3Cに示すように、第3変形例に係る面状光源1Cでは、外周透光性部材22a及び中央透光性部材22bは、断面視において、半円形状であり、外周発光素子21a及び中央発光素子21b上に光反射層23が配置されている。図3Cに示す例でも、外周光源20a及び中央光源20bにバットウィング形状の配光特性を付与することができる。
【0047】
<第4変形例>
図3Dは、第1実施形態の第4変形例に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図3Dに示すように、第4変形例に係る面状光源1Dでは、外周透光性部材22a及び中央透光性部材22bは、断面視において、水平方向の最大長さが垂直方向の最大長さよりも長く、外周発光素子21a及び中央発光素子21b上に光反射層23が配置されている。図3Dに示す例でも、外周光源20a及び中央光源20bにバットウィング形状の配光特性を付与することができる。
【0048】
<第5変形例>
図3Eは、第1実施形態の第5変形例に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図3Eに示すように、第5変形例に係る面状光源1Eでは、外周光源20a及び中央光源20bは、それぞれ、リードと光反射性樹脂部材とを含む樹脂成型体24の凹部内に配置された発光素子21(外周発光素子21a及び中央発光素子21b)を透光性部材22(外周透光性部材22a及び中央透光性部材22b)で覆い、さらに透光性部材22の上面を透光性部材25で覆ったものである。また、透光性部材25の上に光反射層23が配置されている。図3Eに示す例でも、外周光源20a及び中央光源20bにバットウィング形状の配光特性を付与することができる。
【0049】
図3Eに示す例では、第1波長変換材料41は、透光性部材22に含まれる。但し、これに限らず、第1波長変換材料41は、透光性部材25に含まれてもよいし、透光性部材22及び透光性部材25の両方に含まれてもよい。
【0050】
<第6変形例>
図3Fは、第1実施形態の第6変形例に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図3Fに示すように、第6変形例に係る面状光源1Fでは、外周透光性部材22a及び中央透光性部材22bは、断面視において、垂直方向の最大長さが水平方向の最大長さよりも長い矩形状である。外周光源20aは、外周透光性部材22aの上に配置された光反射層23を含む。また、中央光源20bは、中央透光性部材22bの上に配置された光反射層23を含む。図3Fに示す例でも、外周光源20a及び中央光源20bにバットウィング形状の配光特性を付与することができる。
【0051】
<第7変形例>
図4は、第1実施形態の第7変形例に係る面状光源を模式的に示す平面図である。
図5は、第1実施形態の第7変形例に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図5は、図4に示したV-V線による断面図である。
【0052】
図4及び図5に示すように、第7変形例に係る面状光源1Gでは、複数の光源20は、複数の外周光源20a及び複数の中央光源20bに加えて、複数の中間光源20cをさらに有する。複数の中間光源20cは、上面視において、外周領域51と中央領域52との間に位置する中間領域53に配置されている。中間領域53は、上面視において、外周領域51よりも内側に位置し、中央領域52よりも外側に位置する。中間領域53は、外周領域51及び中央領域52と隣接している。図4では、外周領域51を網掛けあり、中央領域52を網掛けなしで示すとともに、中間領域53を外周領域51よりも薄い網掛けで示している。また、図4では、外周縁50a、外周領域51と中間領域53との境界、及び中央領域52と中間領域53との境界を二点鎖線で示している。中間光源20cは、中間発光素子21cと、中間発光素子21cを覆う中間透光性部材22cと、を有する。中間発光素子21cは、外周発光素子21a及び中央発光素子21bと同様に、第1光を発する。
【0053】
図5に示す例では、中間透光性部材22cは、第1波長変換材料41を含む。そして、外周透光性部材22aにおける第1波長変換材料41の濃度は、中間透光性部材22cにおける第1波長変換材料41の濃度よりも高い。このようにすることで、外周領域51で波長変換される光を中間領域53で波長変換される光よりも増やすことができる。この結果、外周領域51と中央領域52との間における色度差を小さくすることができ、色むらを低減することができる。
【0054】
本明細書において、第1波長変換材料41の濃度は、透光性部材22の質量と第1波長変換材料41の質量との和に対する第1波長変換材料41の質量の割合(すなわち、質量%)で表される。
【0055】
<第8変形例>
図6は、第1実施形態の第8変形例に係る面状光源を模式的に示す平面図である。
図7は、第1実施形態の第8変形例に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図7は、図6に示したVII-VII線による断面図である。
図6に示すように、第8変形例に係る面状光源1Hでは、複数の光源20は、上面視において、矩形状に配置されている。本明細書において、「複数の光源20は、上面視において、矩形状に配置」とは、複数の光源20の全体の外形が矩形状であることを指す。外周領域51は、第1部分51aと、第2部分51bと、を有する。第1部分51aは、角50bを含む部分である。第2部分51bは、第1部分51aに隣接する部分である。なお、図6に示す例では、外周領域51のうち、角50bを含む部分以外が第2部分51bである。図6では、外周領域51を網掛けあり、中央領域52を網掛けなしで示すとともに、第1部分51aを第2部分51bよりも濃い網掛けで示している。また、図6では、外周縁50a、外周領域51と中央領域52との境界、及び第1部分51aと第2部分51bとの境界を二点鎖線で示している。
【0056】
図7に示す例では、外周光源20aは、第1部分51aに配置される第1外周光源20pと、第2部分51bに配置される第2外周光源20qと、を有する。第1外周光源20pは、第1外周発光素子21pと、第1外周透光性部材22pと、を有する。第2外周光源20qは、第2外周発光素子21qと、第2外周透光性部材22qと、を有する。第1外周光源20p及び第2外周発光素子21qは、それぞれ、第1光を発する。
【0057】
図7に示す例では、第1外周透光性部材22p及び第2外周透光性部材22qは、それぞれ、第1波長変換材料41を含む。第1外周透光性部材22pにおける第1波長変換材料41の濃度は、第2外周透光性部材22qにおける第1波長変換材料41の濃度よりも高い。つまり、第1部分51aに配置される外周光源20aにおける第1波長変換材料41の濃度は、第2部分51bに配置される外周光源20aにおける第1波長変換材料41の濃度よりも高い。
【0058】
角50b周辺の領域は、波長変換シート32に入射する光が最も少ない領域であり、外周領域51のうち中央領域との色度差が最も大きい領域である。そこで、第1部分51aに配置される第1外周光源20p(第1外周透光性部材22p)における第1波長変換材料41の濃度を、第2部分51bに配置される第2外周光源20q(第2外周透光性部材22q)における第1波長変換材料41の濃度よりも高くする。これにより、第1部分51aで波長変換される光を中央領域52よりも増やすことができる。この結果、外周領域51の第1部分51aと中央領域52との色度差を小さくすることができ、外周領域51における色むらを低減することができる。
【0059】
<第9変形例>
図8は、第1実施形態の第9変形例に係る面状光源を模式的に示す平面図である。
図9は、第1実施形態の第9変形例に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図9は、図8に示したIX-IX線による断面図である。
図8及び図9に示すように、第9変形例に係る面状光源1Jでは、基板10の上に区分部材15が設けられている。区分部材15は、複数の光源20の少なくとも1つを囲む。
【0060】
区分部材15は、外周光源20aを囲む外周区分部材15xと、中央光源20bを囲む中央区分部材15yと、を有する。図8及び図9に示す例では、外周区分部材15xと中央区分部材15yは、それぞれ、底部15aと、壁部15bと、を有する。底部15aは、基板上に配置され、光源20を囲む開口部を有する。壁部15bは、底部15aの端部から斜め上方に向かって延びる。なお、外周区分部材15xと中央区分部材15yは、底部15aを有さずに、壁部15bのみで構成することができる。
【0061】
区分部材15は、光反射性を有することが好ましい。光反射性を有する区分部材15は、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の金属酸化物粒子からなる反射材を含有する樹脂等を用いて成形される。光反射性を有する区分部材15は、反射材を含有しない樹脂を用いて成形した後、表面に反射材を設けることで形成されてもよい。光反射性を有する区分部材15を設けることで、光源20から発された光を区分部材15によって効率よく上方に反射させることができる。
【0062】
<第10変形例>
図10は、第1実施形態の第10変形例に係る面状光源を模式的に示す平面図である。
図10に示すように、第10変形例に係る面状光源1Kでは、基板10の外形は、上面視において矩形ではない。また、複数の光源20も同様に、上面視において、矩形状に配置されていない。
【0063】
複数の光源20が図1の例で示すように矩形状に配置されている場合、外周領域51は、上面視において、四角枠状となる。これに対して、複数の光源20が図10に示すように矩形状に配置されていない場合、外周領域51は、上面視において、四角枠状ではない形状となる。中央領域52は、外周領域51よりも内側に設けられる。
【0064】
第1実施形態の第10変形例に係る面状光源1Kについても、外周領域51の第1部分51aと中央領域との色度差を小さくすることができ、外周領域51における色むらを低減することができる。
【0065】
図10に示す例では、面状光源1Kは、区分部材15を有する。区分部材15の上面視外形は、矩形ではない。区分部材15の上面視外形は、図10に示すように基板10の上面視外形と一致していなくてもよいし、一致してもよい。区分部材15の上面視外形が基板10の上面視外形と一致する場合、区分部材15の上面視の外形の大きさが基板10の上面視外形の大きさと同じでもよいし、小さくてもよい。なお、区分部材15は、必要に応じて設けられ省略可能である。
【0066】
<第11変形例>
図11は、第1実施形態の第11変形例に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図11に示すように、第11変形例に係る面状光源1Lでは、区分部材15に加えて、区分部材15の表面に被覆層18が設けられている。区分部材15は、外周光源20aを囲む外周区分部材15xと、中央光源20bを囲む中央区分部材15yと、を有する。被覆層18は、外周区分部材15xの表面に設けられた外周被覆層18aと、中央区分部材15yの表面に設けられた中央被覆層18bと、を有する。
【0067】
外周被覆層18a及び中央被覆層18bは、例えば、それぞれ、第1光により励起され光を発する第3波長変換材料を含む。外周被覆層18aにおける第3波長変換材料の濃度は、中央被覆層18bにおける第3波長変換材料の濃度より高くすることができる。これにより、外周領域51において波長変換される光を中央領域52よりも増やすことができる。この結果、中央領域との色度差を小さくすることができ、色むらを低減することができる。
【0068】
第3波長変換材料の濃度は、被覆層18の質量と第3波長変換材料の質量との和に対する第3波長変換材料の質量の割合(すなわち、質量%)で表される。
【0069】
第3波長変換材料としては、例えば、第1波長変換材料41として挙げたものと同様のものを用いることができる。
【0070】
被覆層18は、外周被覆層18a及び中央被覆層18bで構成されていることに限らず、外周被覆層18aのみで構成されても色むらを低減することができる。
【0071】
<第2実施形態>
図12は、第2実施形態に係る面状光源を模式的に示す平面図である。
図13は、第2実施形態に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図13は、図12に示したXIII-XIII線による断面図である。
図12及び図13に示すように、第2実施形態に係る面状光源2では、外周透光性部材22a及び中央透光性部材22bは、それぞれ、第1波長変換材料41を含む。外周透光性部材22aにおける第1波長変換材料41の濃度は、中央透光性部材22bにおける第1波長変換材料41の濃度よりも高い。前述した構成以外は、第1実施形態と実質的に同じであるため、説明を省略する。
【0072】
第2実施形態に係る面状光源2であれば、第1実施形態に係る面状光源1と同様に、外周領域51と中央領域52との間の色度差を小さくすることができ、色むらを低減できる。
【0073】
図13に示す例では、外周光源20a及び中央光源20bは、それぞれ、バットウィング形状の配光特性を有する。但し、第2実施形態において、外周光源20a及び中央光源20bの一方がバットウィング形状の配光特性を有してもよいし、外周光源20a及び中央光源20bの両方がバットウィング形状の配光特性を有さなくてもよい。
【0074】
図13に示す例では、面状光源2は、波長変換シート32を有する。但し、第2実施形態において、波長変換シート32は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0075】
<変形例>
図14は、第3実施形態の変形例に係る面状光源を模式的に示す平面図である。
図15は、第3実施形態の変形例に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図15は、図14に示したXV-XV線による断面図である。
図14及び図15に示すように、第2実施形態の変形例に係る面状光源2Aでは、複数の光源20は、外周光源20a及び中央光源20bに加えて、中間光源20cをさらに有する。中間光源20cは、中間領域53に配置されている。図14では、外周領域51を網掛けあり、中央領域52を網掛けなしで示すとともに、中間領域53を外周領域51よりも薄い網掛けで示している。
【0076】
図15に示す例では、中間透光性部材22cは、第1波長変換材料41を含む。そして、外周透光性部材22aにおける第1波長変換材料41の濃度は、中間透光性部材22cにおける第1波長変換材料41の濃度よりも高い。また、中央透光性部材22bにおける第1波長変換材料41の濃度は、中間透光性部材22cにおける第1波長変換材料41の濃度よりも低い。このようにすることで、外周領域51で波長変換される光を中間領域53で波長変換される光よりも増やすことができ、中間領域53で波長変換される光を中央領域52で波長変換される光よりも増やすことができる。この結果、外周領域51と中央領域52との間における色度差を小さくすることができ、色むらを低減することができる。
【0077】
図14及び図15に示す例では、基板10(被覆部材13)の上に区分部材15(外周区分部材15x、中央区分部材15y、及び中間区分部材15z)が設けられている。第2実施形態における区分部材15は、第1実施形態における区分部材15と実質的に同じであるため、説明を省略する。光反射性を有する区分部材15を設けることで、光源20から発された光を区分部材15によって効率よく上方に反射させることができる。
【0078】
図15に示す例では、区分部材15の表面に被覆層18(外周被覆層18a、中央被覆層18b、及び中間被覆層18c)が設けられている。第2実施形態における被覆層18は、第1実施形態における被覆層18と実質的に同じであるため、説明を省略する。区分部材15の表面に被覆層18を設けることで、色むらを低減できる。
【0079】
第1実施形態の第1~第11変形例の構成は、第2実施形態に適用可能である。例えば、第2実施形態において、図3A図3Fに示した光源20を用いることができる。例えば、第2実施形態において角50bを含む第1部分51aに配置される第1外周光源20p(第1外周透光性部材22p)における第1波長変換材料41の濃度を、第2部分51bに配置される第2外周光源20q(第2外周透光性部材22q)における第1波長変換材料41の濃度よりも高くすることができる。また、第2実施形態において、中央発光素子21b上に光反射層23が配置され、外周発光素子21a上に光反射層23が配置されない構成とすることができる。
【0080】
<第3実施形態>
図16は、第3実施形態に係る面状光源を模式的に示す平面図である。
図17は、第3実施形態に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図17は、図16に示したXVII-XVII線による断面図である。
図16及び図17に示すように、第3実施形態に係る面状光源3では、外周透光性部材22aは、第1波長変換材料41を含む。また、中央透光性部材22bは、第1光により励起され光を発する第2波長変換材料42を含む。第2波長変換材料42は、第1波長変換材料41とは異なる材料である。第2波長変換材料42としては、第1波長変換材料41として挙げたものと同様のものを用いることができる。第1波長変換材料41の波長変換効率は、第2波長変換材料42の波長変換効率よりも高い。前述した構成以外は、第1実施形態と実質的に同じであるため、説明を省略する。
【0081】
第3実施形態にかかる面状光源3では、外周領域51に配置される外周光源20a(外周透光性部材22a)が第1波長変換材料41を含み、中央領域52に配置される中央光源20b(中央透光性部材22b)が第1波長変換材料41とは異なる第2波長変換材料42を含み、外周光源20aから出射される光のうち波長555nmにおける発光強度は、中央光源20bから出射される光のうち波長555nmにおける発光強度よりも高い。これにより、外周領域51から出射される光における波長変換された色の光を増やすことができる。この結果、外周領域51と中央領域52との間の色度差を小さくすることができ、色むらを低減できる。
【0082】
例えば、発光素子からの光(第1光)は、青色の光である。また、第1波長変換材料41は、前記青色の光により励起され黄色の光を発する。第2波長変換材料42は、青色の光により励起され緑色の光を発する波長変換材料と、青色の光により励起され赤色の光を発する波長変換材料と、を含む。これらの一例として、外周領域51及び中央領域52の発光素子21からの光(第1光)の発光ピーク波長が約450nmである。また、第1波長変換材料は、発光ピーク波長が545nmであるYAG蛍光体(黄色蛍光体)である。また、第2波長変換材料は、発光ピーク波長が540nmであるβ-サイアロン蛍光体(緑色蛍光体)と、発光ピーク波長が630nmであるKSF蛍光体(赤色蛍光体)とを含む。
【0083】
図17に示す例では、外周光源20a及び中央光源20bは、それぞれ、バットウィング形状の配光特性を有する。但し、第3実施形態において、外周光源20a及び中央光源20bの一方がバットウィング形状の配光特性を有してもよいし、外周光源20a及び中央光源20bの両方がバットウィング配光特性を有さなくてもよい。
【0084】
図17に示す例では、面状光源2は、波長変換シート32を有する。但し、第3実施形態において、波長変換シート32は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0085】
<変形例>
図18は、第3実施形態の変形例に係る面状光源を模式的に示す平面図である。
図19は、第3実施形態の変形例に係る面状光源の一部を模式的に示す断面図である。
図19は、図18に示したXIX-XIX線による断面図である。
図18及び図19に示すように、第3実施形態の変形例に係る面状光源3Aでは、複数の光源20は、外周光源20a及び中央光源20bに加えて、中間光源20cをさらに有する。中間光源20cは、中間領域53に配置されている。図18では、外周領域51を網掛けあり、中央領域52を網掛けなしで示すとともに、中間領域53を外周領域51よりも薄い網掛けで示している。
【0086】
図19に示す例では、中間透光性部材22cは、第1波長変換材料41を含む。そして、外周透光性部材22aにおける第1波長変換材料41の濃度は、中間透光性部材22cにおける第1波長変換材料41の濃度よりも高い。このようにすることで、外周領域51で波長変換される光を中間領域53で波長変換される光よりも増やすことができ、中間領域53で波長変換される光を中央領域52で波長変換される光よりも増やすことができる。この結果、外周領域51と中央領域52との間における色度差を小さくすることができ、色むらを低減することができる。
【0087】
図19に示す例では、基板10(被覆部材13)の上に区分部材15(外周区分部材15x、中央区分部材15y、及び中間区分部材15z)が設けられている。第3実施形態における区分部材15は、第1実施形態における区分部材15と実質的に同じであるため、説明を省略する。光反射性を有する区分部材15を設けることで、光源20から発された光を区分部材15によって効率よく上方に反射させることができる。
【0088】
図19の示す例では、区分部材15の表面に被覆層18(外周被覆層18a、中央被覆層18b、及び中間被覆層18c)が設けられている。第3実施形態における被覆層18は、第1実施形態における被覆層18と実質的に同じであるため、説明を省略する。区分部材15の表面に被覆層18を設けることで、色むらを低減できる。
【0089】
第1実施形態の第1~第11変形例の構成は、第3実施形態に適用可能である。例えば、第3実施形態において、図3A図3Fに示した光源20を用いることができる。例えば、第3実施形態において、角50bを含む第1部分51aに配置される第1外周光源20p(第1外周透光性部材22p)における第1波長変換材料41の濃度を、第2部分51bに配置される第2外周光源20q(第2外周透光性部材22q)における第1波長変換材料41の濃度よりも高くすることができる。また、例えば、第3実施形態において、中央発光素子21b上に光反射層23が配置され、外周発光素子21a上に光反射層23が配置されていない構成とすることができる。
【0090】
なお、第1~第3実施形態では、外周領域51が、最外周の1周分である場合で説明した。但し、これに限らず、外周領域51は、少なくとも最外周の1周分を含んでいればよく、最外周の2周分以上を含むことができる。また、第1~第3実施形態では、中間領域53は、外周領域51と中央領域52との間の1周分である場合で説明した。但し、これに限らず、面状光源が中間領域53を含む場合、中間領域53は、少なくとも1周分を含んでいればよく、2周分以上を含むことができる。
【0091】
また、第1~第3実施形態では、複数の光源20が一方向に配列する配列ピッチが、等間隔である場合で説明した。但し、これに限らず、配列ピッチは、不等間隔でもよい。なお、配列ピッチとは、隣接する2つの光源20の光軸間の距離を意味する。
【0092】
実施形態は、以下の構成を含むことができる。
【0093】
(構成1)
二次元状に配置され、第1光を発する発光素子を含む複数の光源と、
前記複数の光源の上方に位置し、前記第1光により励起され光を発する波長変換シートと、
を備え、
前記複数の光源は、上面視において、外周領域に配置される複数の外周光源と、前記外周領域よりも内側に位置する中央領域に配置される複数の中央光源と、を有し、
前記外周光源は、前記発光素子を覆い、前記第1光により励起され光を発する第1波長変換材料を含む外周透光性部材を有し、
前記中央光源は、前記第1波長変換材料を含まず、前記第1光のみを出射し、
前記外周光源及び前記中央光源は、バットウィング形状の配光特性を有する、面状光源。
【0094】
(構成2)
二次元状に配置され、第1光を発する発光素子を含む複数の光源を備え、
前記複数の光源は、上面視において、外周領域に配置される複数の外周光源と、前記外周領域よりも内側に位置する中央領域に配置される複数の中央光源と、を有し、
前記外周光源は、前記発光素子を覆い、前記第1光により励起され光を発する第1波長変換材料を含む外周透光性部材を有し、
前記中央光源は、前記発光素子を覆い、前記第1波長変換材料を含む中央透光性部材を有し、
前記外周透光性部材における前記第1波長変換材料の濃度は、前記中央透光性部材における前記第1波長変換材料の濃度よりも高い、面状光源。
【0095】
(構成3)
二次元状に配置され、第1光を発する発光素子を含む複数の光源を備え、
前記複数の光源は、上面視において、外周領域に配置される複数の外周光源と、前記外周領域よりも内側に位置する中央領域に配置される複数の中央光源と、を有し、
前記外周光源は、前記発光素子を覆い、前記第1光により励起され光を発する第1波長変換材料を含む外周透光性部材を有し、
前記中央光源は、前記発光素子を覆い、前記第1光により励起され光を発する第2波長変換材料を含む中央透光性部材を有し、
前記第2波長変換材料は、前記第1波長変換材料とは異なる材料であり、
前記外周光源から出射される光のうち波長555nmにおける発光強度が、前記中央光源から出射される光のうち波長555nmにおける発光強度よりも高い、面状光源。
【0096】
(構成4)
前記外周光源及び前記中央光源は、バットウィング形状の配光特性を有する、構成2または3に記載の面状光源。
【0097】
(構成5)
前記複数の光源は、上面視において、前記外周領域と前記中央領域との間に位置する中間領域に配置される複数の中間光源をさらに有し、
前記中間光源は、前記発光素子を覆い、前記第1波長変換材料を含む中間透光性部材を有し、
前記外周透光性部材における前記第1波長変換材料の濃度は、前記中間透光性部材における前記第1波長変換材料の濃度よりも高い、構成1~4のいずれか1つに記載の面状光源。
【0098】
(構成6)
前記複数の光源は、上面視において、矩形状に配置されており、
前記外周領域は、角を含む第1部分と、前記第1部分に隣接する第2部分と、を有し、
前記第1部分に配置される前記外周光源における前記第1波長変換材料の濃度は、前記第2部分に配置される前記外周光源における前記第1波長変換材料の濃度よりも高い、構成1~5のいずれか1つに記載の面状光源。
【0099】
(構成7)
前記複数の光源の少なくとも1つを囲み、光反射性を有する区分部材をさらに備えた、構成1~6のいずれか1つに記載の面状光源。
【0100】
(構成8)
前記複数の中央光源の発光素子上に光反射層が配置され、
前記複数の外周光源の発光素子上に前記光反射層が配置されていない、構成1~7のいずれか1つに記載の面状光源。
【0101】
(構成9)
前記第1光は、青色の光であり、
前記第1波長変換材料は、前記青色の光により励起され黄色の光を発する、構成3に記載の面状光源。
【0102】
(構成10)
前記第2波長変換材料は、前記青色の光により励起され緑色の光を発する波長変換材料と、前記青色の光により励起され赤色の光を発する波長変換材料と、を含む、構成9に記載の面状光源。
【0103】
(構成11)
前記複数の光源が載置される基板をさらに備えた、構成1~10のいずれか1つに記載の面状光源。
【0104】
以上のように、実施形態によれば、色むらを低減できる面状光源が提供される。
【0105】
前述の各実施形態及びその変形例は、本発明を具現化した例であり、本発明はこれらの実施形態及び変形例には限定されない。例えば、前述の各実施形態及び各変形例において、いくつかの構成要素または工程を追加、削除または変更したものも本発明に含まれる。また、前述の各実施形態及び各変形例は、相互に組み合わせて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、例えば、照明装置及び表示装置の光源等に利用することができる。
【符号の説明】
【0107】
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、1J、1K、1L、2、2A、3、3A:面状光源
10:基板
11:基体
12:配線層
13:被覆部材
15:区分部材
15a:底部
15b:壁部
15x:外周区分部材
15y:中央区分部材
15z:中間区分部材
18:被覆層
18a:外周被覆層
18b:中央被覆層
18c:中間被覆層
20:光源
20a:外周光源
20b:中央光源
20c:中間光源
20p:第1外周光源
20q:第2外周光源
21:発光素子
21a:外周発光素子
21b:中央発光素子
21c:中間発光素子
21p:第1外周発光素子
21q:第2外周発光素子
22:透光性部材
22a:外周透光性部材
22b:中央透光性部材
22c:中間透光性部材
22p:第1外周透光性部材
22q:第2外周透光性部材
23:光反射層
24:樹脂成型体
25:透光性部材
32:波長変換シート
41:第1波長変換材料
42:第2波長変換材料
50a:外周縁
50b:角
51:外周領域
51a:第1部分
51b:第2部分
52:中央領域
53:中間領域
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19