(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158814
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】ラミネート処理装置、及び、画像形成システム
(51)【国際特許分類】
B29C 63/02 20060101AFI20241031BHJP
B32B 37/10 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B29C63/02
B32B37/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074365
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】赤石 良介
(72)【発明者】
【氏名】木戸浦 康宣
(72)【発明者】
【氏名】堀田 浩史
(72)【発明者】
【氏名】久野 悟志
(72)【発明者】
【氏名】吉田 直広
【テーマコード(参考)】
4F100
4F211
【Fターム(参考)】
4F100AT00A
4F100AT00B
4F100AT00C
4F100BA03
4F100BA06
4F100BA10A
4F100BA10C
4F100EJ19
4F211AD06
4F211AG01
4F211AG03
4F211AH33
4F211AP05
4F211AP06
4F211AR06
4F211AR07
4F211SA08
4F211SC07
4F211SD01
4F211SJ11
4F211SP05
(57)【要約】
【課題】熱加圧ローラ対に過昇温が生じてしまっても、ラミネート処理の異常を生じにくくする。
【解決手段】第1ヒータ51c1と第2ヒータ51c2とのうち少なくとも一方への通電を遮断可能なサーモスタット51gが設けられている。また、重合シートPJの幅方向の搬送領域Pwに対応するニップが解除されるように第1ローラ51a1に対して第2ローラ51a2を移動させる移動機構51eが設けられている。また、サーモスタット51gと移動機構51eとが接続された電源ライン51xが設けられている。そして、サーモスタット51gによって第1ヒータ51c1と第2ヒータ51c2とのうち少なくとも一方への通電が遮断されたときに、電源ライン51xを介しての移動機構51eへの通電も遮断されて移動機構51eによる第2ローラ51a2の移動がおこなわれる。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚のシートの間に中シートを挿入した状態の重合シートに対してラミネート処理を施すラミネート処理装置であって、
第1加熱手段によって加熱される第1ローラと、第2加熱手段によって加熱される第2ローラと、が圧接して前記重合シートが搬送されるニップが形成される熱加圧ローラ対と、
前記第1ローラと前記第2ローラとのうち少なくとも一方の温度変化を感知可能に構成されて、前記第1加熱手段と前記第2加熱手段とのうち少なくとも一方への通電を遮断可能な通電遮断手段と、
前記重合シートの幅方向の搬送領域に対応する前記ニップが解除されるように前記第1ローラに対して前記第2ローラを相対的に移動させる移動機構と、
前記通電遮断手段と前記移動機構とが接続された電源ラインと、
を備え、
前記通電遮断手段によって前記第1加熱手段と前記第2加熱手段とのうち少なくとも一方への通電が遮断されたときに、前記電源ラインを介しての前記移動機構への通電も遮断されて前記移動機構による前記第2ローラの相対的な移動がおこなわれることを特徴とするラミネート処理装置。
【請求項2】
前記移動機構は、前記第1ローラを移動させることなく、前記第2ローラを前記幅方向の一端側端部を中心に他端側端部を前記第1ローラから離れる方向に移動させるものであることを特徴とする請求項1に記載のラミネート処理装置。
【請求項3】
前記通電遮断手段は、前記第1ローラのローラ表面の温度変化を感知可能なサーモスタットであって、前記ローラ表面が所定温度に達したときに前記第1加熱手段と前記第2加熱手段と前記移動機構とへの通電を遮断することを特徴とする請求項2に記載のラミネート処理装置。
【請求項4】
前記移動機構は、
前記第1ローラを移動させることなく、前記第2ローラを前記幅方向の一端側端部を中心に他端側端部を前記第1ローラから離れる方向に移動させる第1移動機構と、
前記第1ローラを移動させることなく、前記第2ローラを前記他端側端部を中心に前記一端側端部を前記第1ローラから離れる方向に移動させる第2移動機構と、
であることを特徴とする請求項1に記載のラミネート処理装置。
【請求項5】
前記通電遮断手段は、前記第1ローラのローラ表面の温度変化を感知可能な第1サーモスタットと、前記第2ローラのローラ表面の温度変化を感知可能な第2サーモスタットと、であって、
前記電源ラインは、前記第1サーモスタットと前記第1移動機構とが接続された第1電源ラインと、前記第2サーモスタットと前記第2移動機構とが接続された第2電源ラインと、であって、
前記第1ローラのローラ表面が第1所定温度に達したときに前記第1加熱手段と前記第1移動機構とへの通電を遮断して、前記第2ローラのローラ表面が第2所定温度に達したときに前記第2加熱手段と前記第2移動機構とへの通電を遮断することを特徴とする請求項4に記載のラミネート処理装置。
【請求項6】
前記移動機構による前記第2ローラの相対的な移動の有無を検知可能な移動検知手段と、
前記通電遮断手段による通電の遮断を検知可能な通電検知手段と、
を備え、
前記通電遮断手段による通電の遮断と、前記移動機構による前記第2ローラの相対的な移動と、がおこなわれるべきときであって、そのうちの少なくとも1つがおこなわれなかったことが前記移動検知手段及び前記通電検知手段によって検知されたときに、その旨が報知されることを特徴とする請求項1に記載のラミネート処理装置。
【請求項7】
前記移動機構は、通電時に前記第1ローラに当接するように前記第2ローラを移動させて、非通電時に前記第1ローラから離れるように前記第2ローラを移動させるソレノイドを具備したことを特徴とする請求項1に記載のラミネート処理装置。
【請求項8】
前記2枚のシートが重ね合されて接合部で接合された前記重合シートの非接合部を剥離するシート剥離部と、
前記熱加圧ローラ対を具備したラミネート処理部と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のラミネート処理装置。
【請求項9】
請求項1に記載のラミネート処理装置と、
前記中シートに画像を形成する画像形成装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、2枚のシートの間に中シートが挿入された重合シートに対してラミネート処理を施すラミネート処理装置と、ラミネート処理装置と画像形成装置とを備えた画像形成システムと、に関するものである。
【0002】
従来から、2枚のシートの間に中シートが挿入された状態のものに対してラミネート処理を施すラミネート処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
詳しくは、ラミネート処理装置は、一端側の1辺が接合されたラミネートシート(重合シート)における2枚のシートを分離(剥離)して、その間に画像形成装置で印刷した中紙(中シート)を挿入している。そして、中紙が挿入されたラミネートシートを、ヒータ(加熱手段)がそれぞれ設置された一対のローラからなる熱加圧ローラ対(ラミネート処理部)のニップに搬送して、加熱・加圧してラミネート処理を施している。
【0003】
一方、特許文献2には、画像形成装置(プリンタ)に設置された定着装置であって、定着ローラの温度と、定着ローラに圧接して定着ニップを形成する加圧ローラの温度と、定着ローラを補助的に加熱する外部加熱ローラの温度と、がそれぞれ狙いの温度範囲から外れたときに、定着ローラと外部加熱ローラとにそれぞれ内設されたヒータへの通電を遮断するとともに、定着ローラに対して外部加熱ローラを離間させる技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のラミネート処理装置は、熱加圧ローラ対を構成する2つのローラが、それぞれに設置された加熱手段によって高温に加熱されるため、熱加圧ローラ対に適正な温度範囲を超える過昇温が生じたときに、熱加圧ローラ対を構成する2つのローラにおけるニップの部分が同じように熱劣化してしまって、その後におこなわれるラミネート処理に異常が生じてしまっていた。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、熱加圧ローラ対に過昇温が生じてしまっても、ラミネート処理の異常が生じにくい、ラミネート処理装置、及び、画像形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明におけるシート処理装置は、2枚のシートの間に中シートを挿入した状態の重合シートに対してラミネート処理を施すラミネート処理装置であって、第1加熱手段によって加熱される第1ローラと、第2加熱手段によって加熱される第2ローラと、が圧接して前記重合シートが搬送されるニップが形成される熱加圧ローラ対と、前記第1ローラと前記第2ローラとのうち少なくとも一方の温度変化を感知可能に構成されて、前記第1加熱手段と前記第2加熱手段とのうち少なくとも一方への通電を遮断可能な通電遮断手段と、前記重合シートの幅方向の搬送領域に対応する前記ニップが解除されるように前記第1ローラに対して前記第2ローラを相対的に移動させる移動機構と、前記通電遮断手段と前記移動機構とが接続された電源ラインと、を備え、前記通電遮断手段によって前記第1加熱手段と前記第2加熱手段とのうち少なくとも一方への通電が遮断されたときに、前記電源ラインを介しての前記移動機構への通電も遮断されて前記移動機構による前記第2ローラの相対的な移動がおこなわれるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、熱加圧ローラ対に過昇温が生じてしまっても、ラミネート処理の異常が生じにくい、ラミネート処理装置、及び、画像形成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】この発明の実施の形態におけるラミネート処理装置を示す全体構成図である。
【
図2】ラミネート処理装置の動作を制御する制御ブロックのハードウェア構成図である。
【
図3】(A)把持部材が把持位置に移動した状態を示す側面図と、(B)把持部材が退避位置に移動した状態を示す側面図と、である。
【
図4】(A)把持部材が把持位置に移動した状態を示す斜視図と、(B)把持部材が退避位置に移動した状態を示す斜視図と、である。
【
図6】
図5に続くラミネート処理装置の動作を示す図である。
【
図7】
図6に続くラミネート処理装置の動作を示す図である。
【
図8】
図7に続くラミネート処理装置の動作を示す図である。
【
図9】
図8に続くラミネート処理装置の動作を示す図である。
【
図10】剥離爪が重合シートに挿入された状態を幅方向に示す図である。
【
図12】ラミネート処理装置でおこなわれる制御を示すフローチャートである。
【
図14】ラミネート処理部における熱加圧ローラ対の接離動作を示す断面図である。
【
図15】ラミネート処理部における熱加圧ローラ対の接離動作を幅方向に示す図である。
【
図16】通電遮断回路の構成を示すブロック図である。
【
図17】ラミネート処理部における熱加圧ローラ対の接離制御を示すフローチャートである。
【
図18】通電遮断の制御と熱加圧ローラ対の接離制御とをおこなうときに、装置の状態の態様を示す表図である。
【
図19】変形例1としての、ラミネート処理部を幅方向に示す図である。
【
図20】
図19のラミネート処理部における熱加圧ローラ対の離間動作を幅方向に示す図である。
【
図21】
図19のラミネート処理部における通電遮断回路の構成を示すブロック図である。
【
図22】
図19のラミネート処理部における熱加圧ローラ対の接離制御を示すフローチャートである。
【
図23】変形例2としての、画像形成システムを示す図である。
【
図24】変形例3としての、画像形成システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
まず、
図1にて、シート処理装置としてのラミネート処理装置50における全体の構成・動作について説明する。
ラミネート処理装置50には、シート処理部としてのシート剥離部1やラミネート処理部51、シート給送部としての第1給送トレイ11、第2給送トレイ12、排出部としての排出トレイ13(第1排出トレイ)、パージ部としてのパージトレイ55(第2排出トレイ)、などが設けられている。本実施の形態におけるラミネート処理装置50は、シート(重合シートPJや中シートPM)を上方から下方に搬送するように構成されている。
なお、ラミネート処理装置50の外装部には、ラミネート処理装置50における種々の情報を表示したり種々の指令を入力したりするための操作表示パネル49(操作表示部)が設置されている。
【0011】
シート処理部としてのラミネート処理部51は、2枚のシートP1、P2が重ね合されて一部が接合部Aとして接合された重合シートPJ(2枚のシートP1、P2の間に中シートPMが挿入されたものである。)を、所定の搬送方向に搬送しながら、熱と圧力とを加えてラミネート処理を施すものである。
また、シート処理部としてのシート剥離部1には、第1、第2給送トレイ11、12、第1、第2給送ローラ2、3、重送検知部としての重送検知センサ61、第1~第3搬送ローラ対4~6、第1~第8センサ41~48、巻付けローラ20、移動機構30、剥離部材としての剥離爪16(
図7、
図11等参照)、などが設けられている。
【0012】
図1等に示すように、ラミネート処理装置50には、シート剥離部1、第1、第2給送トレイ11、12、第1、第2給送ローラ2、3、重送検知部としての重送検知センサ61、第1~第3搬送ローラ対4~6、排出トレイ13、第1~第8センサ41~48、パージ検知手段としてのパージセンサ62、内側制限部材としての第1ガイド部材25、外側制限部材としての第2ガイド部材26などが設けられている。また、シート剥離部1には、巻付けローラ20、移動機構30、切替爪17、剥離爪16(
図6、
図10等参照)などが設けられている。また、ラミネート処理装置50には、後述するように第1搬送経路K1(湾曲搬送経路)、第2搬送経路K2、第3搬送経路K3、第1分岐搬送経路K4、第2分岐搬送経路K5などの複数の搬送経路が形成されている。
【0013】
シート剥離部1は、2枚のシートP1、P2が重ね合されて一端側が接合部Aとして接合された重合シートPJ(
図11等参照)の非接合部を剥離する剥離処理をおこなって、剥離した状態の2枚のシートP1、P2の間に中シートPMを挿入する挿入処理をおこなうシート処理部である。
特に、本実施の形態において、重合シートPJとして、2枚のシートP1、P2を重ね合わせて、4辺のうち1辺を接合部Aとして接合したものを用いている。すなわち、重合シートPJ(2枚のシートP1、P2)は、1辺(接合部A)のみが熱溶着や糊付けなどによって繋がっていて、その他の部分は接合されていない。また、重合シートPJを構成する2枚のシートP1、P2としては、透明なフィルムシート(ラミネートシート)を用いることができる。
そして、重合シートPJを構成する2枚のシートP1、P2を剥離して(接合部Aの接合を維持した状態で2枚のシートP1、P2の接合部Aの反対側の他端側を分離して)、剥離した2枚のシートP1、P2の間に中シートPM(少なくとも1枚の普通紙、写真などのシートである。)を挿入する動作が、シート剥離部1でおこなわれることになる。
【0014】
ラミネート処理部51は、シート剥離部1によって剥離処理及び挿入処理がおこなわれた後の重合シートPJにラミネート処理を施すシート処理部である。
詳しくは、ラミネート処理部51は、シート剥離部1によって剥離された2枚のシートP1、P2(重合シートPJを構成する2枚のシートである。)の間に中シートPMが挿入された状態の重合シートPJにラミネート処理(熱と圧力とを加えて非接合部を接合する処理である。)を施す機構であって、シート剥離部1の下流側(順方向下流側であって、
図1の左方である。)に設置されている。ラミネート処理部51は、中シートPMが挿入された状態の重合シートPJを順方向に搬送しながら、その重合シートPJに熱と圧力とを与える熱加圧ローラ対51aが設置されている。また、第3搬送ローラ対6とラミネート処理部51との間には搬送経路としての第4搬送経路K6が設けられている。ラミネート処理部51は、熱加圧ローラ対51aを備えており、熱加圧ローラ対51aを加熱する加熱手段としてのヒータ51c(第1ヒータ51c1と第2ヒータ51c2とであって、
図14、
図15参照)が各ローラの回転軸51bの内部に設けられている。これら熱加圧ローラ対51a、ヒータ51cなどの構成・動作については、後で
図14~
図18等を用いて詳述する。
なお、本実施の形態では、ラミネート処理部51を1つの熱加圧ローラ対51aで構成したが、熱加圧ローラ対の数は2つ以上であっても良い。
【0015】
排出トレイ13は、ラミネート処理装置50から排出されたラミネート処理後の重合シートPJ´(重合シートPJ、及び、中シートPM)が載置されるためのものである。すなわち、排出トレイ13は、シート処理部(シート剥離部1、ラミネート処理部51)で所定の処理(剥離処理、挿入処理、ラミネート処理)がおこなわれたシートが排出される排出部として機能する。
パージトレイ55は、シート処理部(シート剥離部1、ラミネート処理部51)で所定の処理(剥離処理、挿入処理、ラミネート処理)がおこなわれなかったシートが載置(排出)されるパージ部として機能する。
【0016】
また、ラミネート処理装置50には、第1搬送経路K1、第2搬送経路K2、第3搬送経路K3、第1分岐搬送経路K4、第2分岐搬送経路K5、第4搬送経路K6、退避搬送経路K7、などの複数の搬送経路が形成されている。これらの搬送経路K1~K7は、それぞれ、シート(重合シートPJや中シートPMである。)の搬送を案内するためのものであって、対向する2つの搬送ガイド部材(ガイド板)によって形成されている。
特に、本実施の形態において、第1分岐搬送経路K4と第2分岐搬送経路K5とは、巻付けローラ20と第3搬送経路K3との間で第3搬送経路K3を挟んで別々の方向に分岐している。
また、第4搬送経路K6は、シート剥離部1(第3搬送ローラ対6)からラミネート処理部51に至る搬送経路である。また、退避搬送経路K7は、シート剥離部1からラミネート処理部51とは異なるパージトレイ55(パージ部)に至る搬送経路である。具体的に、第4搬送経路K6と退避搬送経路K7とは、第3搬送ローラ対6の下流側(
図1の下方である。)で、別々の方向に分岐している。
【0017】
図1等に示すように、第1給送トレイ11には、重合シートPJが積載されている。そして、第1給送トレイ11上の最上方の重合シートPJが第1給送ローラ2によって給送されて、第1搬送ローラ対4によって第1搬送経路K1に沿って搬送されることになる。
このように、第1給送トレイ11や第1給送ローラ2などが、重合シートPJを搬送経路に向けて給送するシート給送部(第1シート給送部)として機能することになる。そして、シート給送部は、制御部90(
図1参照)による制御によって、第1給送ローラ2を回転駆動して、第1給送トレイ11から重合シートPJを給送することになる。
なお、本実施の形態におけるラミネート処理装置50には、第1給送ローラ2の近傍(第1搬送ローラ対4の位置である。)に、重合シートPJの重送(複数の重合シートPJが重ねて搬送される現象である。)を検知可能な重送検知センサ61(重走検知部)が設置されている。
【0018】
また、第2給送トレイ12には、中シートPMが積載されている。そして、第2給送トレイ12上の最上方の中シートPMが第2給送ローラ3によって給送されることになる。
このように、第2給送トレイ12や第2給送ローラ3などが、中シートPM(非接合部が剥離された重合シートPJの2枚のシートP1、P2の間に挿入されるシートである。)を給送するシート給送部(第2シート給送部)として機能することになる。そして、このシート給送部は、制御部90(制御手段)による制御によって、第2給送ローラ3を回転駆動して、第2給送トレイ12から中シートPMを給送することになる。
【0019】
そして、本実施の形態におけるラミネート処理装置50は、第1シート給送部2、11によって重合シートPJが給送された後であって、重合シートPJの非接合部を剥離する動作が終了する前に、第2シート給送部3、12によって中シートPMの給送が開始されるように制御している。
すなわち、本実施の形態では、重合シートPJの給送と中シートPMの給送とをそれぞれ別々の操作(ユーザーによる操作表示パネル49の操作である。)でおこなうのではなくて、それらを1回の操作でおこなうことができる。具体的に、ユーザーが、操作表示パネル49のボタンを1回押して処理動作を開始することで、その1回の指令(要求)に基づいて、重合シートPJが給送されておこなわれる剥離処理と、剥離された重合シートPJの間に中シートPMが挿入される挿入処理と、ラミネート処理と、が自動で一括しておこなわれることになる。
そして、中シートPMが第2給送トレイ12から給送開始される動作は、重合シートPJの剥離動作が終了した後におこなわれるのではなくて、重合シートPJの剥離動作が終了する前におこなわれる。そのため、重合シートPJを第1給送トレイ11から給送してから中シートPMの挿入が終了するまでの一連の工程に要する時間が効率的に短縮されて、装置の生産性が向上する。すなわち、シート挿入装置1で処理が開始されてから終了するまでの時間が短縮されることになる。
【0020】
ここで、第1~第3搬送ローラ対4~6や排出ローラ対7や第2排出ローラ対8は、いずれも、駆動ローラと従動ローラとからなり、そのニップに挟持されたシートを搬送するものである。第3搬送経路K3には、上流側から、第2搬送ローラ対5、巻付けローラ20、第3搬送ローラ対6が設置されている。特に、巻付けローラ20と第3搬送ローラ対6と第2排出ローラ対8とは、正転・逆転可能であって、第3搬送ローラ対6と第2排出ローラ対8とは、シートを順方向(
図1の左方向である。)にも逆方向(
図1の右方向である。)にも搬送可能に構成されている。また、第3搬送ローラ対6は、シートをラミネート処理部51又はパージトレイ55に向けて搬送する搬送ローラ対としても機能する。また、排出ローラ対7は、ラミネート処理後の重合シートPJ´(重合シートPJ、中シートPM)を排出トレイ13に向けて排出するための搬送ローラ対である。
【0021】
なお、第3搬送ローラ対6の順方向下流側(
図1の下方である。)には、シート(PJ、PM)を、ラミネート処理部51に向けて搬送したり、パージトレイ55に向けて搬送したり、切り替えるための切替爪17(切替手段)が設置されている。切替爪17は、後述するように切替爪モータ171(
図2参照)により駆動される。
すなわち、切替爪17は、第4搬送経路K6を開放して退避搬送経路K7を閉鎖する第1状態(
図1の状態である。)と、第4搬送経路K6を閉鎖して退避搬送経路K7を開放する第2状態と、を切替える切替手段として機能する。
ユーザーによって選択されたモード(特に、複数の重合シートPJに対して連続してラミネート処理を施す場合である。)によって、切替爪17が制御されて、シートPの搬送先(排出先)が適宜に切替えられることになる。
さらに、重送した重合シートPJや、剥離不良が生じた重合シートPJなど、おこなうべきシート処理がおこなわれなかった重合シートPJは、排出トレイ13に排出されずに、パージトレイ55に排出される。
なお、パージトレイ55には、パージトレイ55にシートが載置された状態を検知するパージ検知手段としてのパージセンサ62が設置されている。
【0022】
図1を参照して、シート検知センサ(シート検知手段)としての第1~第5センサ41~45や第7、第8センサ47、48やパージセンサ62(パージ検知手段)は、いずれも、その位置にシートが存在するか否かを光学的に検知する反射型フォトセンサである。第1センサ41は第1搬送ローラ対4の下流側近傍に配置され、第2センサ42は第2給送ローラ3の下流側近傍に配置され、第3センサ43は第2搬送ローラ対5の下流側近傍に配置され、第4センサ44は巻付けローラ20の下流側(
図1において巻付けローラ20の下方である。)近傍であって第3搬送ローラ対6の上流側(
図1において第3搬送ローラ対6の上方である。)に配置され、第5センサ45はシート剥離部1からラミネート処理部51に至る第4搬送経路K6(
図1において第3搬送ローラ対6の下方(下流側)である。)に配置されている。また、第7センサ47は第1分岐搬送経路K4に配置され、第8センサ48は第2分岐搬送経路K5に配置されている。また、パージセンサ62は、パージトレイ55に載置されたシートに対向可能に、パージトレイ55に設置されている。
なお、第6センサ46は、剥離動作時における異常状態を検知する異常検知部として機能するものであるが、これについては後で詳しく説明する。
【0023】
ここで、
図2に示すように、ラミネート処理装置50は、CPU901(Central Processing Unit)や、RAM902(Random Access Memory)や、ROM903(Read Only Memory)などが、I/F904が接続されている。
CPU901は演算手段であり、ラミネート処理装置50の全体の動作を制御する。RAM902は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU901が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM903は、読み出し専用の不揮発性の記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。
ラミネート処理装置50は、ROM903に格納された制御プログラムからRAM902にロードされた情報処理プログラム(アプリケーションプログラム)などをCPU901が備える演算機能によって処理する。その処理によって、ラミネート処理装置50の種々の機能モジュールを含むソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ラミネート処理装置50に搭載されるハードウェア資源との組み合わせによって、ラミネート処理装置50の機能を実現する機能ブロックが構成される。すなわち、CPU901、RAM902、ROM903は、ラミネート処理装置50の動作を制御するコントローラ90(制御部)を構成する。
I/F904は、第1、第2給送ローラ2、3、重送検知センサ61、第1~第3搬送ローラ対4~6、第1~第8センサ41~48、巻付けローラモータ201、カムモータ341、切替爪モータ171、剥離爪モータ77、パージセンサ62、ヒータ51cをコントローラ90に接続するインターフェースである。コントローラ90は、I/F904を通じて、第1、第2給送ローラ2、3、第1~第3搬送ローラ対4~6、巻付けローラモータ201、カムモータ341、切替爪モータ171、剥離爪モータ77、ヒータ51cの動作を制御する。また、コントローラ90は、第1~第8センサ41~48、パージセンサ62からの検知結果を取得する。
なお、巻付けローラモータ201は、巻付けローラ20を駆動させる駆動手段である。カムモータ341は、カム34を駆動させる駆動手段である。切替爪モータ171は、切替爪17を駆動させる駆動手段である。
【0024】
図3、
図4、
図6(B)~(D)、
図7(A)等を参照して、巻付けローラ20は、巻付け開始位置W(
図6(B)参照)で、重合シートPJの他端側(接合部Aが形成された側の反対側である。)を被把持部Bとして、把持部材32(把持部)によって被把持部Bを把持した状態で所定の回転方向(
図6において反時計回り方向である。)に回転して重合シートPJを巻き付けるローラ部材である。巻付けローラ20は、制御部90によって制御される巻付けローラモータ201の駆動によって、回転軸20aを中心に正逆方向に回転可能に構成されている。
具体的に、重合シートPJは、第1給送トレイから第1搬送経路K1を経由して、第2搬送ローラ対5によって第3搬送経路K3を順方向に搬送されて、一旦、巻付けローラ20の巻付け開始位置Wを通過して第3搬送ローラ対6の位置(重合シートPJの後端が、第4センサ44を通過して、第3搬送ローラ対6を通過する手前の位置である。)まで搬送される。その後、重合シートPJは、逆転された第3搬送ローラ対6によって巻き付けローラ20の位置(巻付け開始位置W)まで逆方向に搬送されて、把持部材32に把持される。そして、重合シートPJは、その把持された状態でさらに搬送されて、
図1の反時計回り方向に回転する巻付けローラ20によって巻き付けられることになる。
なお、
図3~
図11は、
図1に示すように縦方向に搬送されるシート(重合シートPJや中シートPM)の搬送方向を横方向に変換して図示している。
【0025】
そして、
図6(C´)等を参照して、巻付けローラ20によって重合シートPJが巻き付けられていくとき、巻付き長さがローラ径に比例するため、ローラ内周面側の第1のシートP1の巻付き長さがローラ外周面側の第2のシートP2の巻付き長さよりも短くなる。そのため、接合部A及び被把持部B以外の第1のシートP1と第2のシートP2とが密着している部分(張り付いている部分)にずれが生じて、そのずれによって第2のシートP2に対して第1のシートP1が撓み(弛み)、
図6(D)、
図7(A)等に示すように、重合シートPJの接合部Aの側(一端側)で2枚のシートP1、P2の間に隙間C(上方の第1のシートP1が上方に撓んでできる隙間Cである。)が形成されることになる。このようにして、2枚のシートP1、P2が、隙間なく密着した状態から、剥離(分離)した状態になる。
特に、本実施の形態では、上述したような隙間Cを顕著に形成する(シートP1、P2の巻付き長さの差を大きくする)ために、重合シートPJを巻付けローラ20に少なくとも1周以上巻き付けている。
このように、本実施の形態では、重合シートPJを巻き付ける巻付けローラ20を設置することで、ラミネート処理装置50がそれほど大型化・高コスト化することなく、重合シートPJの剥離を可能にしている。
【0026】
ここで、本実施の形態において、把持部材32は、
図6(B´)に示すように、重合シートPJの他端側(被把持部Bの側である。)の端面に接触することなく、被把持部Bを把持するように構成されている。
詳しくは、把持部材32は、重合シートPJの他端側の端面をいかなる部材に接触させることなく、巻付けローラ20の受部20bとの間で被把持部Bを挟み込んで把持するように構成されている。受部20bは、巻付けローラ20の外周部において、外側に露呈して把持部材32に対向可能に形成されている。
具体的に、重合シートPJは、その他端側端面(先端面)が特定の部材(例えば、把持部材32自体である。)に突き当たった状態で把持部材32と受部20bとに挟まれ把持されるのではなくて、その他端側端面(先端面)がいかなる部材にも突き当たることなく、外側の把持部材32と内側の受部20bとによって挟まれて把持されることになる。
そのため、先端面を突き当てる場合に比べて、重合シートPJ(特に、先端の部分である。)が傷ついてしまう不具合を軽減することができる。特に、重合シートPJの先端面が傷ついてしまうと、その部分をラミネート処理しようとしても、しにくくなってしまうため、本発明の構成が有用になる。
なお、本実施の形態において、巻付けローラ20に巻き付けられる重合シートPJは、被把持部Bとなる他端側の反対側の一端側に接合部Aが形成されたものである。
【0027】
ここで、本実施の形態では、把持部材32(把持部)と受部20bとのうち少なくとも一方が、ゴムなどの弾性材料で形成されている。
これにより、把持部材32と受部20bとの双方を金属材料や樹脂材料などの剛体で形成する場合に比べて、重合シートPJに対する把持力を高めることができるとともに、重合シートPJの表面に傷をつけにくくなる。特に、把持部材32と受部20bとの双方を弾性材料で形成した場合には、そのような効果が顕著に得られる。
【0028】
図3、
図4に示すように、移動機構30は、把持部材32を、重合シートPJを把持可能な把持位置(
図3(A)、
図4(A)に示す位置である。)と、把持位置から退避した退避位置(
図3(B)、
図4(B)に示す位置である。)と、の間を移動させるものである。
詳しくは、移動機構30は、アーム部材31、付勢部材としての圧縮スプリング33、カム34、カム34を正逆方向に回転駆動するカムモータ341(
図2参照)、などで構成されている。
アーム部材31は、把持部材32を保持するとともに、支軸31aを中心に把持部材32とともに回動可能に巻付けローラ20に保持されている。本実施の形態では、把持部材32がアーム部材31の先端部に一体的に形成(保持)されている。これに対して、把持部材32をアーム部材31とは別部材にして、アーム部材31に把持部材32を設置(保持)するように構成することもできる。いずれにしても、把持部材32を保持したアーム部材31は、巻付けローラ20とともに回転軸20aを中心に回転することになる。
圧縮スプリング33は、把持部材32が
図3(B)に示す退避位置から
図3(A)に示す把持位置に移動するようにアーム部材31を付勢する付勢部材として機能している。具体的に、圧縮スプリング33は、その一端が回転軸20aの近傍の固定位置に接続され、その他端がアーム部材31の一端側(支軸31aを挟んで把持部材32が設けられた側の反対側である。)に接続されている。
カム34は、把持部材32が
図3(A)に示す把持位置から
図3(B)に示す退避位置に移動するように、圧縮スプリング33(付勢部材)の付勢に抗してアーム部材31を押動するものである。カム34は、制御部90に制御されるカムモータ341によって所望の回転角度で正逆方向に回転駆動されることになる。カム34は、巻付けローラ20とは独立して、カム軸34aを中心に回転可能に装置筐体に保持されている。
【0029】
このように構成された移動機構30は、
図3(A)、
図4(A)に示すように、カム34がアーム部材31に接触していない状態では、アーム部材31が圧縮スプリング33に付勢されて、把持部材32が受部20bに圧接する状態(閉状態)になる。この閉状態は、重合シートPJを把持可能な状態である。
これに対して、
図3(B)、
図4(B)に示すように、カム34がアーム部材31を押圧した状態では、アーム部材31が圧縮スプリング33の付勢に抗するように、支軸31aを中心に
図3(B)の反時計回り方向に回転して、把持部材32が受部20bから離間した状態(開状態)になる。この開状態は、重合シートPJを把持できない状態(把持解除状態)である。
【0030】
なお、本実施の形態では、
図4に示すように、巻付けローラ20のローラ部を軸方向に複数(7つである。)に分割するとともに、その分割位置に合わせるように、カム34も軸方向に複数に分割している。
このように重合シートPJを把持する位置を、軸方向の全域とするのではなくて、軸方向に分割することで、重合シートPJを把持するために必要な負荷を分散することができる。このような構成は、必要な把持力が大きくなってしまう場合に有用である。
【0031】
ここで、
図1、
図5(D)、
図6(A)等に示すように、本実施の形態におけるラミネート処理装置50には、巻付けローラ20と第3搬送ローラ対6との間に搬送される重合シートPJを検知する第4センサ44(シート検知センサ)が設置されている。そして、第3搬送ローラ対6により巻付けローラ20に向けて搬送される重合シートPJの先端を検知する第4センサ44の検知結果に基づいて移動機構30が制御されている。
詳しくは、第4センサ44は、巻付けローラ20と第3搬送ローラ対6との間の搬送経路に配置されている。そして、
図5(D)、
図6(A)等に示すように、重合シートPJが、被把持部Bの側を先頭にして、第3搬送ローラ対6によって巻付けローラ20の位置に向けて逆方向に搬送されるときに、その先端(逆方向搬送時の先端である。)を第4センサ44によって検知する。そして、その検知タイミングをトリガにして、重合シートPJを把持位置に停止させるタイミングと、把持部材32によって被把持部Bを把持するタイミングと、を調整制御している。具体的に、重合シートPJの先端を第4センサ44によって検知してから、所定時間が経過した後に、第3搬送ローラ対6による重合シートPJの逆方向の搬送を停止して、把持部材32が
図3(B)に示す退避位置から
図3(A)に示す把持位置に移動するように、カム34を回動してアーム部材31(移動機構30)を回転させる。
このような制御をおこなうことで、重合シートPJの端面をいかなる部材に突き当てることなく把持部材32と受部20bとによって挟み込む動作が、精度良くおこなわれることになる。
【0032】
ここで、第3搬送ローラ対6は、先に説明したように、巻付けローラ20との間に形成された第3搬送経路K3(搬送経路)において巻付けローラ20(巻付け開始位置W)に向けて他端側(被把持部Bの側である。)を先頭にして重合シートPJを搬送する搬送ローラ対である。
【0033】
また、
図7(A)~(C)、
図10、
図11(A)~(E)、
図13等を参照して、剥離部材としての剥離爪16は、重合シートPJに対して所定位置で2枚のシートP1、P2の間に形成される隙間Cに、
図11(A)に示す待機位置から移動して挿入される爪状の部材である。
さらに具体的に、剥離爪16は、巻付けローラ20によって他端側(被把持部Bの側)から巻き付けられて、第3搬送ローラ対6(搬送ローラ対)によって一端側(接合部Aの側)が挟持された状態の重合シートPJに対して、巻付けローラ20と第3搬送ローラ対6との間で2枚のシートP1、P2の間に形成される隙間Cに、幅方向端部の待機位置から挿入されるものである。
【0034】
さらに詳しくは、本実施の形態において、剥離爪16は、幅方向(
図7の紙面垂直方向であって、
図10、
図13の左右方向である。)の両端にそれぞれ配置された一対の剥離爪である。また、剥離爪16は、
図11に示すように、幅方向中央側の先端から幅方向外側の後端にかけて、その上下方向(重合シートPJの厚さ方向である。)の長さが徐々に増加するように形成されている。さらに、剥離爪16は、制御部90より制御される移動機構76(
図13参照)によって、幅方向に移動可能に構成されている。
このように構成された剥離爪16は、通常時に、第3搬送経路K3において重合シートPJなどのシートの搬送を妨げない待機位置(
図11(A)に示すように、シートPの幅方向外側の位置である。)に待機している。そして、剥離爪16は、重合シートPJ(2枚のシートP1、P2)を分離するときに、
図10、
図11(B)等に示すように、重合シートPJの隙間Cに入り込んで、その隙間Cを確保することになる。
【0035】
図13に示すように、一対の剥離爪16をそれぞれ幅方向に移動する移動機構76は、剥離爪モータ77、ギア・プーリ78、プーリ79、タイミングベルト80等で構成されている。ギア・プーリ78は、剥離爪モータ77のモータ軸に設置されたモータギア77aに噛合するギア部78aと、プーリ79とともにタイミングベルト80を張架・支持するプーリ部78bと、が段状に形成されている。一対の剥離爪16のうち、一方の剥離爪16の固定部16aはタイミングベルト80の一方のベルト面(
図13の上方のベルト面である。)の一部に固定されていて、他方の剥離爪16の固定部16aはタイミングベルト80の他方のベルト面(
図13の下方のベルト面である。)の一部に固定されている。
このように構成された移動機構76によって、剥離爪モータ77のモータ軸が
図13の矢印方向(時計回り方向)に回転駆動されると、ギア・プーリ78が反時計回り方向に回転され、タイミングベルト80が反時計回り方向に回転され、一対の剥離爪16が幅方向外側から幅方向中央部に向けて移動することになる(一対の剥離爪16が互いに近づく方向への移動である。)。これに対して、剥離爪モータ77のモータ軸が
図13の矢印方向に対して逆方向に回転駆動されると、一対の剥離爪16が幅方向中央側から幅方向外側に向けて移動することになる(一対の剥離爪16が互いに遠ざかる方向への移動である。)。
【0036】
この剥離爪16は、重合シートPJに対して隙間Cに挿入された状態で一端側(接合部Aの側である。)から他端側(被把持部Bの側である。)に向けて相対的に移動した後に、重合シートPJの他端側の端部において2枚のシートP1、P2の間で幅方向に移動する。
詳しくは、制御部90による移動機構76(
図13参照)の制御によって、一対の剥離爪16は、
図11(B)、(C)に示すように、重合シートPJに対して隙間Cの幅方向両端部にそれぞれ挿入された状態で他端側に向けて相対的に他端側の端部が16aを過ぎた位置まで移動した後に、
図11(D)に示すように、重合シートPJの他端側端部において2枚のシートP1、P2の間で幅方向両端部から幅方向中央部にそれぞれ移動する。このような一対の剥離爪16の動作を可能にするため、移動機構76は、一対の剥離爪16が待機位置から互いに近接する位置まで移動できるように構成されている。
【0037】
このような巻付けローラ20による巻付けと、剥離爪16の挿入と、によって重合シートPJを剥離する機構は、バキュームなどの大掛かりな装置を用いて剥離する機構に比べて、装置を小型化することができる。すなわち、ラミネート処理装置50が大型化することなく、重合シートPJを構成する2枚のシートP1、P2を良好に剥離することができる。
特に、本実施の形態では、重合シートPJの幅方向他端側(後端)において剥離爪16が幅方向のほぼ全域にわたって移動することになるため、重合シートPJを構成する2枚のシートP1、P2に対して、接合部Aの反対側の他端側の端部を充分に剥離(分離)することができる。そのため、接合部Aの反対側の他端側端部が充分に剥離されずに、重合シートPJの他端側から中シートPM(
図11(E)参照)を挿入しようとしても挿入できない不具合なども生じにくくなる。さらに、次に説明する剥離爪16の切替部材としての機能(2枚のシートP1、P2を2つの分岐搬送経路K4、K5に別々に導く機能である。)が発揮されやすくなる。
【0038】
ここで、本実施の形態において、剥離部材としての剥離爪16は、剥離爪16によって剥離された2枚のシートP1、P2を、別々の方向に分岐する2つの分岐搬送経路K4、K5にそれぞれ別々に導く切替部材としても機能する。
詳しくは、
図8(C)等に示すように、2つの分岐搬送経路K4、K5は、剥離爪16(剥離部材)と巻付けローラ20との間で第3搬送経路K3を挟んで別々の方向に分岐している。具体的に、第1分岐搬送経路K4は第3搬送経路K3から上方に向けて分岐するように形成され、第2分岐搬送経路K5は第3搬送経路K3から下方に向けて分岐するように形成されている。
そして、
図8(A)~(C)に示すように、隙間Cに剥離爪16が挿入された後に、重合シートPJの他端側の巻付けローラ20への巻付けが解除されるように第3搬送ローラ対6によって重合シートPJを一端側(
図8の左側である。)に搬送する(
図11(A)~(C)参照)。その後、
図11(D)に示すように、剥離爪16を幅方向中央部に移動した後に、その状態を維持して、第3搬送ローラ対6によって重合シートPJを再び他端側(
図8の右側である。)に搬送して、剥離爪16によって剥離された2枚のシートP1、P2を剥離爪16によって2つの分岐搬送経路K4、K5にそれぞれ別々に導く。すなわち、第1のシートP1は第1分岐搬送経路K4に導かれ、第2のシートP2は第2分岐搬送経路K5に導かれる。そして、その後に、
図9(A)~(C)、
図11(E)に示すように、剥離爪16を待機位置に移動させて、剥離された状態の2枚のシートP1、P2の間に中シートPMが挿入されるように中シートPMを第3搬送経路K3の一端側に向けて搬送する。
【0039】
このように、本実施の形態における剥離爪16は、重合シートPJを構成する2枚のシートP1、P2の非接合部を剥離(分離)する剥離部材として機能するとともに、その剥離した2枚のシートP1、P2を2つの分岐搬送経路K4、K5にそれぞれ別々に導く切替部材として機能する。そのため、剥離部材と切替部材とを別々に設ける場合に比べて、ラミネート処理装置50を小型化・低コスト化することができる。すなわち、重合シートPJを構成する2枚のシートP1、P2を効率的に良好に剥離することができる。
第7センサ47は、剥離された第1のシートP1が第1分岐搬送経路K4に正常に搬送された状態を光学的に検知するものである。また、第8センサ48は、剥離された第2のシートP2が第2分岐搬送経路K5に正常に搬送された状態を光学的に検知するものである。
なお、本実施の形態では、剥離爪16が剥離部材として機能するとともに切替部材としても機能するように構成したが、剥離部材として機能する剥離爪16とは別に切替部材として機能する部材を設置することもできる。
【0040】
ここで、
図7(A)、(C)等を参照して、第1ガイド部材25は、第3搬送経路K3において剥離爪16と巻付けローラ20との間で、重合シートPJの2つのシートP1、P2のうち巻付けローラ20において内側に巻きつけられる第1のシートP1の弛み量(撓み量)を制限する制限部材として機能している。
詳しくは、制限部材としての第1ガイド部材25は、第3搬送経路において仮想面S1(巻付けローラ20の巻付け開始位置Wと第3搬送ローラ対6のニップとを通る仮想平面であって、
図7(A)参照)に対して巻付けローラ20が配置された側(仮想面S1の上方である。)に配置された搬送ガイド部材である。また、第1ガイド部材25は、巻付けローラ20の外周に沿って所定の間隔をあけて、その外周の一部を覆うように略三角柱状に形成されていて、第3搬送経路K3と第1分岐搬送経路K4との搬送ガイド部材としても機能している。すなわち、第1ガイド部材25によって、第3搬送経路K3を搬送されるシートや、第1分岐搬送経路K4を搬送されるシートや、巻付けローラ20に巻き付けられるシートが、案内されることになる。
特に、第3搬送経路K3においては、巻付けローラ20と第3搬送ローラ対6との間で、重合シートPJの上方への撓み(特に、第1のシートP1の上方への撓みである。)が第1ガイド部材25によって制限されるため、第1ガイド部材25と第3搬送ローラ対6との間で、重合シートPJの隙間C(特に、第1のシートP1の上方への撓みである。)が集中的に形成されることになる。そのため、重合シートPJの巻付けローラ20への巻付け量を大きくしなくても隙間Cの間隔を大きくできて、隙間Cに剥離爪16を挿入して重合シートPJを剥離する動作を不具合なくおこなうことができる。
【0041】
また、
図7(A)、(C)等を参照して、第2ガイド部材26は、第3搬送経路K3において剥離爪16と巻付けローラ20との間で、重合シートPJの2つのシートP1、P2のうち巻付けローラ20において外側に巻きつけられる第2のシートP2を案内する案内部材として機能している。
詳しくは、案内部材としての第2ガイド部材26は、第3搬送経路において仮想面S1(
図7(A)参照)に対して巻付けローラ20が配置されていない側(仮想面S1の下方である。)に配置された搬送ガイド部材である。また、第2ガイド部材26は、第2搬送ローラ対5の上流側近傍から第3搬送ローラ対6の下流側近傍にかけて、シートの下面に対向するように配置されている。すなわち、第2ガイド部材26によって、第3搬送経路K3を搬送されるシートが案内されることになる。
特に、第3搬送経路K3においては、巻付けローラ20と第3搬送ローラ対6との間で、第1ガイド部材25と第2ガイド部材26との間隔が、最大のシート厚さのシートが搬送可能な値に設定されていて、第1ガイド部材25と第2ガイド部材26との間で重合シートPJのシートP1とシートP2との間隔が大きくならないように制限されるため、重合シートPJの隙間C(特に、第1のシートP1の上方への撓みである。)が集中的に形成されることになる。そのため、隙間Cに剥離爪16を挿入して重合シートPJを剥離する動作を不具合なくおこなうことができる。
【0042】
ここで、
図7等を参照して、第6センサ46(異常検知センサ)は、剥離爪16の待機位置からの移動(
図13に示す待機位置から
図10、
図11(A)に示す剥離位置への移動である。)がおこなわれる前に、所定位置(第3搬送ローラ対6と巻付けローラ20との間である。)で2枚のシートP1、P2の間に所定の間隔を超える隙間Cが形成されていない異常状態を検知する異常検知部として機能するものである。すなわち、異常検知部としての第6センサ46は、剥離爪16が隙間Cに挿入される前に、所定位置で2枚のシートP1、P2の間に所定の間隔を超える隙間Cが形成されていない異常状態を検知する。
さらに換言すると、異常検知部としての第6センサ46は、
図6(D)、
図7(A)に示すように2枚のシートP1、P2の間に隙間Cが形成されるべきタイミングで、まったく隙間Cが形成されていない状態や、充分な間隔の隙間Cが形成されていない状態を、異常状態として検知するものである。
そして、本実施の形態では、第6センサ46(異常検知部)によって異常状態が検知されたときに、異常状態が生じた旨を通知するようにしている。詳しくは、
図1に示すように、ラミネート処理装置50の外装部には、ラミネート処理装置50における種々の情報を表示したり種々の指令を入力したりするための操作表示パネル49(操作表示部)が設置されている。そして、第6センサ46によって重合シートPJに充分な間隔の隙間Cが形成されていない状態が検知されると、操作表示パネル49に異常が検知された旨が表示される。そのような表示は、例えば、「異常が生じたため、中シートを挿入する処理を中止します。ユニット給送トレイにおける重合シートのセット方向を確認してください。また、セット方向が正しくて、同じような異常が繰り返される場合にはサービスマンに連絡してください」などである。
このような第6センサ46(異常検知部)としては、所定の間隔を超えた隙間Cが形成された重合シートPJ(上方の第1のシートP1である。)に接触するレバー式センサなどを用いることができる。
【0043】
以下、
図5~
図9を参照して、ラミネート処理装置50において、重合シートPJに対して、剥離処理や挿入処理を施すときの正常時の動作について説明する。
また、その動作説明において、適宜に、
図10、
図11を用いて剥離爪16の動作を説明するとともに、
図12のフローチャートを用いて制御フローを説明する。
まず、重合シートPJ(先行の重合シートPJ1である。)が第1給送トレイから第1給送ローラ2と第1搬送ローラ対4とによって給送されると(
図12:ステップS1)、
図5(A)に示すように、第3搬送経路K3において、接合部Aを先頭にして第2搬送ローラ対5によって順方向(
図5の右方から左方に向かう方向であって、
図5(A)の矢印が示す方向である。)に搬送される。
このとき、把持部材32が把持位置に位置するように移動機構30が制御されている。すなわち、カム34は、アーム部材31を押圧しない回転位置に移動している。このように把持部材32が把持位置に位置しているとき、把持部材32によって第3搬送経路K3におけるシートの搬送が妨げられることはない。また、剥離爪16は、第3搬送経路K3におけるシートの搬送を妨げない待機位置(
図11(A)の位置である。)に待機している。
そして、
図5(B)に示すように、重合シートPJの接合部A(順方向先端、一端側)が第3センサ43によって検知されるタイミングをトリガにして、重合シートPJの被把持部B(順方向後端、他端側)が巻付けローラ20の位置を通過するまで第3搬送ローラ対6で重合シートPJを所定量X1搬送させる(
図12:ステップS2、S3)。
そして、
図5(C)に示すように、その状態で一時的に第3搬送ローラ対6による重合シートPJの搬送を停止させるとともに、把持部材32を把持位置から退避位置へ移動する(
図12:ステップS4)。すなわち、カム34を、アーム部材31を押圧する回転位置に移動させる。この状態は、把持部材32と受部20bとの間に重合シートPJの被把持部Bを受入可能な状態である。
そして、
図5(D)に示すように、第3搬送ローラ対6を逆回転して、重合シートPJの逆方向の搬送を開始する(
図12:ステップS5)。このとき、第4センサ44によって、重合シートPJの被把持部B(逆方向先端、他端側)が検知される。
【0044】
そして、
図6(A)に示すように、重合シートPJの被把持部Bが第4センサ44によって検知されるタイミングをトリガにして、重合シートPJの被把持部Bが巻付けローラ20の位置(巻付け開始位置W)に達するまで第3搬送ローラ対6で重合シートPJを所定量X2搬送して停止する(
図12:ステップS6、S7)。
そして、
図6(B)に示すように、その状態で把持部材32を退避位置から把持位置へ移動させる(
図12:ステップS8)。すなわち、カム34を、アーム部材31を押圧しない回転位置に移動する。この状態は、
図6(B´)に示すように、重合シートPJの他端側端面がいかなる部材にも突き当たることなく、把持部材32と受部20bとの間で被把持部Bが把持された状態である。
そして、
図6(C)に示すように、把持部材32によって重合シートPJを把持した状態で巻付けローラ20を逆方向(反時計回り方向)に回転するとともに、第3搬送ローラ対6を再び逆転する。このとき、巻付けローラ20の回転が進められると、
図6(D)に示すように、巻付けローラ20と第3搬送ローラ対6との間で、重合シートPJの2枚のシートP1、P2の間に隙間Cが形成されていく。このとき、重合シートPJは、巻付けローラ20の近傍で第1、第2ガイド部材25、26によって、撓みが制限された状態になる。そのため、重合シートPJの隙間Cは、第3搬送ローラ対6に近い位置に集中的に形成されることになる。
【0045】
このように、第3搬送ローラ対6に対して逆方向下流側に配置された第4センサ44によって重合シートPJの逆方向先端を検知して、そのタイミングをトリガにして把持部材32によって重合シートPJを把持するタイミングを定めているため、必要なシート搬送量X2に対するシート長のばらつき(同じサイズのシートであっても存在する誤差である。)に関わらず、重合シートPJの被把持部Bを所望の把持位置に精度良く搬送することができる。
また、第4センサ44によって重合シートPJの逆方向先端を検知から必要なシート搬送量X2をシート長によらず短くすることができるので、搬送量X2のばらつきを抑えて、重合シートPJの被把持部Bを所望の把持位置に精度良く搬送することができる。
このようなことから、第4センサ44は、巻付けローラ20に近い位置に配置されることが好ましい。
【0046】
また、先に
図6(C´)を用いて、巻付けローラ20に重合シートPJを巻き付けることで、巻付けローラ20と第3搬送ローラ対6との間で重合シートPJに隙間Cが生じるメカニズムについて説明した。
以下、そのメカニズムについて、さらに重ねて補足説明する。
巻付けローラ20に巻き付けられる重合シートPJは、把持部材32に把持されてシートずれが規制された状態になるため、巻付けローラ20で周長差分のスリップが生じて、内側のシートP1の搬送量が外側のシートP2の搬送量に比べて少なくなる。その結果、第3搬送ローラ対6と巻付けローラ20のニップ間で、内側シートP1に撓み(弛み)が生じることになる。このとき、巻付けローラ20に重合シートPJを1周以上巻き付けることで、それ以降はシートの厚み分で内周と外周で周長差が生じて、同じように撓み(弛み)が発生することになる。
詳しくは、内側のシートP1の厚さをΔRとして、巻付けローラ20の回転軸20a(軸中心)から内側のシートP1までの距離をRとすると、巻付けローラ20の回転軸20a(軸中心)から外側のシートP2までの距離はR+ΔRとなる。内側のシートP1の厚みΔRだけ半径が異なるため、重合シートPJを巻付けローラ20に1周巻き付けると、内側シートP1と外側シートP2とに2×ΔR×πの周長差が生じる。したがって、巻付けローラ20に重合シートPJを巻き付ける回数をM回とすると、2×ΔR×π×Mだけ内側シートP1に弛みが生じることになる。
そして、最終的に、第3搬送ローラ対6と巻付けローラ20との間に撓み(弛み)が集まって、2枚のシートP1、P2の間に、2×ΔR×π×Mに相当する隙間Cが形成されることになる。
【0047】
その後、
図7(A)に示すように、巻付けローラ20による重合シートPJの巻付けが開始されてから、第3搬送ローラ対6による搬送量が所定量X3に達した時点で、第3搬送ローラ対6による搬送が停止されるとともに、巻付けローラ20による重合シートPJの巻付けが停止される(
図12:ステップS9)。この状態は、重合シートPJが巻付けローラ20に1周以上巻き付けられた状態であって、正常であれば、重合シートPJの隙間C(シートP1とシートP2との間の距離)が充分に広がった状態になる。
このとき、重合シートPJに所定の間隔F以上の間隔の隙間Cが形成されているものと第6センサ46によって検知されたかが判別される(
図12:ステップS29)。
その結果、所定の間隔F以上の充分な間隔の隙間Cが形成されているものと判別された場合には、その後に剥離爪16による剥離動作をおこなっても問題が生じないものとして、
図7(B)に示すように、充分に広げられた重合シートPJの隙間Cに剥離爪16が挿入される(
図12:ステップS10)。すなわち、
図10、
図11(A)に示すように、一対の剥離爪16が、それぞれ、待機位置から剥離位置に移動される。
そして、
図7(C)に示すように、剥離爪16が隙間Cに挿入された状態で、第3搬送ローラ対6の正転が開始されるとともに、巻付けローラ20の正方向(時計回り方向)の回転が開始される(
図12:ステップS11)。すなわち、
図11(A)~(C)に示すように、重合シートPJに対して隙間Cに挿入された剥離爪16が一端側Aから他端側Bに向けて相対的に移動することになる。なお、本実施の形態において、このような相対的な移動は、剥離爪16の搬送方向の位置は変化せずに、重合シートPJ自体が
図11(A)~(C)に示す矢印方向に移動することで達成されている。
【0048】
なお、
図12のステップS29で、第6センサ46によって異常が検知されたものと判別された場合、すなわち、重合シートPJに所定の間隔F以上の充分な間隔の隙間Cが形成されていない場合には、その後に剥離爪16による剥離動作をおこなうと種々の問題が生じるものとして、剥離爪16の待機位置から剥離位置への移動はおこなわない。このとき、操作表示パネル49(
図1参照)に、異常が生じたことにより剥離動作や中シートPMの挿入動作を中止した旨を通知する(
図12:ステップS30)。
【0049】
その後、
図8(A)に示すように、第3搬送ローラ対6に正転による重合シートPJの搬送が所定量X4おこなわれた後に、第3搬送ローラ対6の正転と巻付けローラ20の正転とがそれぞれ停止される(
図12:ステップS12)。このとき、重合シートPJの被把持部Bは、第3搬送経路K3(
図6(B)に示す巻付け開始位置W)上に位置した状態である(把持解除可能な状態である。)。また、
図11(C)に示すように、剥離爪16は、重合シートPJに対して隙間Cに挿入されて他端側Bに向けて相対的に移動した後に他端側端部で停止することになる。
そして、その状態で把持部材32を把持位置から退避位置へ移動させる(
図12:ステップS13)。すなわち、カム34を、アーム部材31を押圧しない回転位置に移動させる。この状態は、把持部材32による重合シートPJの把持が解除された状態である。なお、本実施の形態では、カム34(移動機構30)を移動させて把持部材32による把持を解除したが、把持部材32による把持力よりも第3搬送ローラ対6の搬送による引抜き力が大きい場合には、カム34(移動機構30)の移動をせずに、第3搬送ローラ対6の搬送による引抜きによって、把持部材32による把持を解除することもできる。
その後、
図8(B)に示すように、第3搬送ローラ対6を再び正転させて、重合シートPJの順方向の搬送を開始する(
図12:ステップS14)。また、重合シートPJの被把持部B(順方向後端、他端側)が、第3搬送経路K3と分岐搬送経路K4、K5との分岐部を通過した後に、把持部材32を退避位置から把持位置へ移動させる。さらに、このとき、第4センサ44によって、重合シートPJの被把持部B(順方向後端、他端側)が検知される。そして、重合シートPJの順方向後端が第4センサ44によって検知されるタイミングをトリガにして、第3搬送ローラ対6で重合シートPJを所定量X5搬送して停止した後に、
図11(D)に示すように剥離爪16の幅方向の移動をおこなう(
図12:ステップS15、S28)。これにより、
図8(B)に示すように、重合シートPJにおける2枚のシートP1、P2の順方向後端が大きく分離して開かれた状態になる(
図11(D)参照)。このとき、重合シートPJの剥離(分離)が開始されることになる。
そして、
図8(C)に示すように、第3搬送ローラ対6を逆転して重合シートPJの逆方向の搬送を開始する(
図12:ステップS16)。このとき、剥離爪16は、第3搬送経路K3への重合シートPJの進入を遮断する切替位置(
図11(D)に示す位置である。)に位置しているため、剥離された状態の2枚のシートP1、P2は、
図8(C)に示すように、2つの分岐搬送経路K4、K5にそれぞれ導かれていくことになる。このとき、第5センサ45(
図1参照)によって、重合シートPJの接合部A(逆方向後端、一端側)が検知される。そして、重合シートPJの逆方向後端がシート検知手段としての第5センサ45(
図1参照)によって検知されるタイミングをトリガにして、第2給送トレイ12からの第2給送ローラ3による中シートPMの給送が開始される(
図12:ステップS17、S18)。
なお、中シートPMの給送を開始するタイミングは、これに限定されることなく、剥離処理及び挿入処理に要する時間が短くなるように設定することが好ましい。
【0050】
そして、
図9(A)に示すように、重合シートPJの逆方向後端が第5センサ45(
図1参照)によって検知されるタイミングをトリガにして、第3搬送ローラ対6で重合シートPJを所定量X6搬送して停止する(
図12:ステップS19)。このとき、重合シートPJの接合部Aは、第3搬送ローラ対6のニップの位置か、ニップよりも僅かに左方の位置にある。すなわち、重合シートPJの一端側が第3搬送ローラ対6に挟持された状態である。そして、この状態が重合シートPJの剥離動作が終了した状態である。
また、中シートPMは、重合シートPJの剥離動作が終了する前に、既に第2給送トレイ12から給送開始されている。そのため、
図9(A)に示すように、重合シートPJの剥離動作が終了した時点では、中シートPMの先端(順方向先端、一端側)が、重合シートPJの間の挿入位置に近づいた状態になっている。
一方、第3センサ43によって、中シートPMの先端(順方向先端、一端側)が検知される。そして、その検知タイミングをトリガにして、
図9(B)に示すように、中シートPMに干渉しないタイミングで、剥離爪16を待機位置に移動させる。
さらに、
図9(C)、
図11(E)に示すように、中シートPMの順方向先端が第3センサ43によって検知されるタイミングをトリガにして、第2搬送ローラ対5で中シートPMを所定量X7搬送した後に、第3搬送ローラ対6による重合シートPJの順方向の搬送を再開する(
図12:ステップS20、S21)。このとき、中シートPMは、2枚のシートP1、P2の間の所望位置に、精度よく挟まれた状態になる。
こうして、重合シートPJにおける2枚のシートP1、P2の間に中シートPMを挿入する工程(挿入処理)が終了する(
図12:ステップS22)。
【0051】
その後、重合シートPJ(剥離処理後に中シートPMが挿入されたものである。)は、第3搬送ローラ対6によって、切替爪17によって開放された第4搬送経路K6を通過してラミネート処理部51に搬送される。
そして、ラミネート処理部51で、重合シートPJ(中シートPMが挿入されたものである。)に対するラミネート処理が開始されることになる(
図12:ステップS23)。
そして、ラミネート処理後の重合シートPJ´(中シートPMが挿入されたものである。)は、排出ローラ対7によって排出口Zから排出されて、排出トレイ13(
図1等参照)に載置されることになる。そして、本フローを終了する。
【0052】
以下、本実施の形態におけるラミネート処理装置50において、さらに特徴的な構成・動作について説明する。
先に
図1等を用いて説明したように、ラミネート処理装置50は、2枚のシートP1、P2の間に中シートPMを挿入した状態の重合シートPJに対してラミネート処理を施すシート処理装置であって、そのラミネート処理部51に熱加圧ローラ対51aが設置されている。
【0053】
ここで、
図14(A)、
図15(A)に示すように、熱加圧ローラ対51aは、第1ローラ51a1と第2ローラ51a2とからなり、第1ローラ51a1と第2ローラ51a2とが圧接して重合シートPJ(中シートPMが挿入されたものである。)が搬送されるニップ(定着ニップ)が形成されるものである。
第1ローラ51a1は、第1加熱手段としての第1ヒータ51c1が内設されていて、第1ヒータ51c1(第1加熱手段)によって加熱されるものである。具体的に、制御部90によって制御される電源によって、電源ライン51xを介して通電される第1ヒータ51c1による輻射熱によって第1ローラ51a1が加熱される。
同様に、第2ローラ51a2は、第2加熱手段としての第2ヒータ51c2が内設されていて、第2ヒータ51c2(第2加熱手段)によって加熱されるものである。具体的に、制御部90によって制御される電源によって、電源ライン51xを介して通電される第2ヒータ51c2による輻射熱によって第2ローラ51a2が加熱される。
【0054】
そして、図示は省略するが、駆動モータからギア列を介して第1ローラ51a1に駆動力が伝達されて第1ローラ51a1が
図14(A)の時計方向に回転駆動され、それにともない第2ローラ51a2が
図14(A)の反時計方向に従動回転することになる。
これにより、第1、第2ローラ51a1、51a2のニップで、重合シートPJが表裏双方から加熱(ラミネート処理)されながら、
図14(A)の破線矢印方向に搬送されることになる。
なお、本実施の形態において、第1、第2ローラ51a1、51a2は同等に構成されたもの(共通部品化されたもの)であって、第1、第2ヒータ51c1、51c2も同等に構成されたもの(共通部品化されたもの)であって、第1、第2ローラ51a1、51a2のニップで重合シートPJの表裏双方を均等に加熱するように構成されている。これにより、重合シートPJに対して良好なラミネート処理を施すことができる。
【0055】
ここで、
図14、
図15等に示すように、本実施の形態におけるラミネート処理装置50のラミネート処理部51には、第1ローラ51a1と第2ローラ51a2とのうち少なくとも一方の温度変化を感知可能に構成されて、第1ヒータ51c1(第1加熱手段)と第2ヒータ51c2(第2加熱手段)とのうち少なくとも一方への通電を遮断可能な通電遮断手段としてのサーモスタット51gが設けられている。
具体的に、本実施の形態では、通電遮断手段として、第1ローラ51a1のローラ表面の温度変化を感知可能なサーモスタット51gが用いられている。そして、このサーモスタット51g(通電遮断手段)は、第1ローラ51a1のローラ表面が所定温度(ローラの熱劣化が生じないように予め設定された温度である。)に達したときに、第1ヒータ51c1と第2ヒータ51c2と後述するソレノイド51e(移動機構)とへの通電を遮断するものである。
【0056】
さらに具体的に、
図15、
図16を参照して、サーモスタット51g(通電遮断手段)は、第1ローラ51a1のローラ表面(外周面)に接触して、電源ライン51x(活電)に電気的に接続されて通電遮断回路を形成している。
この電源ライン51x(通電遮断経路)には、サーモスタット51gの他、その下流側(電流が流れる方向の下流側である。)に第1ヒータ51c1、第2ヒータ51c2、さらには後述するソレノイド51e(移動機構)が順に直列接続されている。
そして、通常時(ラミネート処理時)には、制御部90を介して電源から電源ライン51x(通電遮断経路)に入力された電流が、
図15(A)の破線矢印方向に流れて第1、第2ヒータ51c1、15c2が熱源として機能する(加熱する)ことになる。
これに対して、第1ローラ51a1が予期せぬ温度まで過昇温してしまい、サーモスタット51gの感知温度が所定温度に達してしまったとき(異常時)には、サーモスタット51gによって電源ライン51xを流れる電流が遮断されて、第1、第2ヒータ51c1、15c2が熱源として機能しない(加熱しない)ことになる。
これにより、過昇温が生じて第1、第2ローラ51a1、15a2が熱劣化する不具合が軽減されることになる。
【0057】
ここで、
図14、
図15等に示すように、本実施の形態におけるラミネート処理装置50のラミネート処理部51には、重合シートPJの幅方向の搬送領域Pw(搬送可能な最大サイズの重合シートPJの搬送領域であって、
図15参照)に対応するニップが解除されるように第1ローラ51a1に対して第2ローラ51a2を相対的に移動させる移動機構51e、51f、51dが設けられている。
詳しくは、移動機構は、ソレノイド51e、第1引張スプリング51f、第2引張スプリング51dなどで構成されている。ソレノイド51eは、その本体がラミネート処理部51の筐体に固定設置され、そのプランジャーに第1引張スプリング51fの一端側が接続されている。第1引張スプリング51fの他端側は、第2ローラ51a2を回転可能に保持したホルダ(ラミネート処理部51の筐体に、
図14、
図15の白矢印方向に移動可能に保持されている。)から突出する引掛部51mに接続されている。また、第2引張スプリング51dは、その一端側が第2ローラ51a2を回転可能に保持したホルダに接続されていて、その他端側がラミネート処理部51の筐体に接続されている。
【0058】
このような構成により、通常時(ラミネート処理時)には、制御部90を介して電源から電源ライン51x(通電遮断経路)に入力された電流が、
図15(A)の破線矢印方向に流れてソレノイド51eが通電される。これにより、
図14(A)、
図15(A)に示すように、ソレノイド51eのプランジャーが第1、第2引張スプリング51f、51dのスプリング力に抗するようにソレノイド本体に吸引されて、第2ローラ51a2が第1ローラ51a1に近づく方向に移動して、第1、第2ローラ51a1、51a2が当接することになる。
これに対して、サーモスタット51gの感知温度が所定温度に達してしまったとき(過昇温時、異常時)には、サーモスタット51gによって電源ライン51xを流れる電流が遮断されて、ソレノイド51eへの通電も遮断される。これにより、
図14(B)、
図15(B)に示すように、ソレノイド51eのプランジャーのソレノイド本体への吸引が解除されて、第1、第2引張スプリング51f、51dのスプリング力によって、第2ローラ51a2が第1ローラ51a1から離れる側に移動して、第1、第2ローラ51a1、51a2が離間することになる。
【0059】
このように、ソレノイド51e(移動機構)は、通電時に第1ローラ51a1に当接するように第2ローラ51a2を移動させて、非通電時に第1ローラ51a1から離れるように第2ローラ51a2を移動させることになる。
すなわち、電源ライン51xにはサーモスタット51g(通電遮断手段)とソレノイド51e(移動機構)とが接続されている。そして、移動機構51e、51f、51dは、通電・非通電によって熱加圧ローラ対51aを接離するものとなっている。
なお、移動機構は、上述したような本実施の形態のものに限定されず、例えば、ピニオン・ラック機構などであっても、通電・非通電によって熱加圧ローラ対51aを接離するものであれば移動機構として用いることができる。
【0060】
このように、本実施の形態におけるラミネート処理装置50は、サーモスタット51g(通電遮断手段)によって第1ヒータ51c1(第1加熱手段)と第2ヒータ51c2(第2加熱手段)とのうち少なくとも一方(本実施の形態では、第1、第2ヒータ51c1、51c2の双方である。)への通電が遮断されたときに、電源ライン51xを介しての移動機構51e、51f、51への通電も遮断されて移動機構51e、51f、51dによる第2ローラ51a2の相対的な移動がおこなわれる。
そのため、熱加圧ローラ対51aに適正な温度範囲を超える過昇温が生じてしまっても、熱加圧ローラ対51のニップが解除されて、第1、第2ローラ51a1、51a2におけるニップに相当する部分が同じように熱劣化してしまう不具合が生じにくくなる。したがって、その後におこなわれるラミネート処理において、異常(ラミネート不良)が生じにくくなる。すなわち、熱加圧ローラ対51aに過昇温が生じてしまっても、ラミネート処理の異常が生じにくくなる。
また、サーモスタット51g(通電遮断手段)とソレノイド51e(移動手段)とは同じ電源ライン51xで接続されているため、過昇温時(異常時)にCPU(制御部90)が暴走するような不具合が生じてしまっても、サーモスタット51g(通電遮断手段)による通電遮断にともない、ヒータ・オフと、ソレノイド51e(移動手段)による熱加圧ローラ対51aの離間動作と、がおこなわれることになる。
【0061】
なお、本実施の形態において、サーモスタット51gは、上述したように第1ローラ51a1の過昇温が感知されたときに電源ライン51xにおける通電を遮断する機能とは別に、第1ローラ51a1(熱加圧ローラ対51a)のローラ表面温度が狙いの温度範囲(適正な温度範囲)に収まるように制御する機能も有している。すなわち、サーモスタット51gは、ラミネート処理が実行されるときに、熱加圧ローラ対51aのローラ表面温度を狙いの温度範囲に収めて良好なラミネート処理がおこなわれるように制御しつつ、ヒータ51c1、51c2の故障などによってのローラ表面温度が狙いの温度範囲に収まらずに過昇温が修復できない状態が把握されたときに通電を遮断することになる。そして、そのように過昇温による通電遮断がおこなわれたとき、熱加圧ローラ対51aの離間動作もおこなわれて、ラミネート処理が中断されることになる。
また、通常のラミネート処理がおこなわれているときに(熱加圧ローラ対51aへの通電がおこなわれているときに)は、電源ライン51xへの電流供給がサーモスタット51gによって遮断されないため熱加圧ローラ対51aは当接状態になり、ラミネート処理がおこなわれていないときに(熱加圧ローラ対51aへの通電がおこなわれていないときに)は、電源ライン51xへの電流供給がおこなわれないため熱加圧ローラ対51aは離間状態になる。
【0062】
ここで、
図15等に示すように、本実施の形態において、移動機構51e、51f、51dは、第1ローラ51a1を移動させることなく、第2ローラ51a2を幅方向の一端側端部(
図15の左側端部である。)を中心に他端側端部(
図15の右側端部である。)を第1ローラ51a1から離れる方向(
図15の下方である。)に移動させるものである。
詳しくは、第2ローラ51a2を回転可能に保持するホルダは、幅方向一端側端部を中心に回動可能に、ラミネート処理部51の筐体に保持されている。そして、先に説明したソレノイド51e、第1引張スプリング51f、第2引張スプリング51d(移動機構)は、幅方向他端側端部に設置されている。
このように移動機構51e、51f、51dを構成することで、第2ローラ51a2を幅方向全域にわたって第1ローラ51a1から離間するように移動機構を構成する場合に比べて、移動機構を簡易化・省スペース化・低コスト化することができる。
ただし、このように構成された51e、51f、51dは、熱加圧ローラ対51aの過昇温時に、熱加圧ローラ対51aの幅方向他端側は離間されるものの(ニップが解除されるものの)、熱加圧ローラ対51aの幅方向一端側端部は当接した状態(ニップが解除されていない状態)になるため、そのニップの部分で熱劣化が生じやすくなる。しかし、そのニップの部分(幅方向一端側端部のニップ)は、搬送領域Pwから外れた部分であるため、熱劣化が生じたとしてもラミネート処理の品質に影響することはない。
【0063】
ここで、
図14を参照して、本実施の形態におけるラミネート処理装置50(ラミネート処理部51)には、移動機構51e、51f、51dによる第2ローラ51a2の相対的な移動の有無を検知可能な移動検知手段としてのフォトセンサ51hが設置されている。
詳しくは、第2ローラ51a2を保持するホルダには被検知板51nが設置され、ラミネート処理部51の筐体には透過型のフォトセンサ51h(移動検知手段)が設置されている。そして、
図14(A)に示すように第2ローラ51a2が当接状態であるときにはフォトセンサ51hによって被検知板51nが光学的に検知されず、
図14(B)に示すように第2ローラ51a2が離間状態であるときにはフォトセンサ51hによって被検知板51nが光学的に検知されることで、熱加圧ローラ対51aの接離状態が把握されることになる。
【0064】
また、本実施の形態におけるラミネート処理装置50(ラミネート処理部51)には、サーモスタット51g(通電遮断手段)による通電の遮断の有無を検知可能な通電検知手段が設置されている。このような通電検知手段としては、例えば、電源ライン51xの出力側の電流の有無を検知するセンサなどを用いることができる。
そして、サーモスタット51g(通電遮断手段)による通電の遮断と、移動機構51e、51f、51dによる第2ローラ51a2の相対的な移動と、がおこなわれるべきとき(熱加圧ローラ対51aの過昇温時である。)であって、そのうちの少なくとも1つがおこなわれなかったことがフォトセンサ51h(移動検知手段)及び通電検知手段によって検知(異常検知)されたときに、その旨が報知される。
具体的に、
図18を参照して、(1)通電検知手段によってヒータ51c1、51c2への通電が検知されて、フォトセンサ51hによって熱加圧ローラ対51aの当接状態が検知された場合と、(2)通電検知手段によってヒータ51c1、51c2への非通電が検知されて、フォトセンサ51hによって熱加圧ローラ対51aの離間状態が検知された場合と、には、ラミネート処理装置50が正常な状態であるものと判断する。
これに対して、(3)通電検知手段によってヒータ51c1、51c2への通電が検知されて、フォトセンサ51hによって熱加圧ローラ対51aの離間状態が検知された場合には、通電遮断回路が故障しているものと判断して、(4)通電検知手段によってヒータ51c1、51c2への非通電が検知されて、フォトセンサ51hによって熱加圧ローラ対51aの当接状態が検知された場合には、ソレノイド51e(移動機構)が故障しているものと判断する。そして、そのような判断がされた場合に、そのような故障が生じた旨を操作表示パネル49(
図1参照)に表示(報知)する。そして、そのような故障が解消されるように、上述した過昇温時の制御をリトライしたり、サービスマンコールをしたり、するとともに、故障が解消されるまでラミネート処理装置50の稼働を中断するように制御することになる。
【0065】
以下、
図17を用いて、上述したラミネート処理部51における熱加圧ローラ対51aの接離制御の一例について説明する。
まず、サーモスタット51gによって第1ローラ51a1のローラ表面温度が所定温度Tに達したことが感知されると、サーモスタット51gによって電源ライン51xにおける通電が遮断される(ステップS30、S31)。同時に、ソレノイド51e(移動機構)によって第2ローラ51a2が離間される(ステップS32)。
その後、通電検知手段によって通電遮断の不良が生じていないか、又は、フォトセンサ51hによって熱加圧ローラ対51aの離間不良(ニップ解除不良)が検知されていないか、が判別されて(ステップS33)、そのような判別がされた場合には操作表示パネル49に警告表示をおこない(ステップS34)、そのような判別がされない場合にはそのまま本フローを終了する。
【0066】
<変形例1>
図19~
図22に示すように、変形例1におけるラミネート処理装置50(ラミネート処理部51)は、移動機構として、第1移動機構としての第1ソレノイド51e1と、第2移動機構としての第2ソレノイド51e2と、が設けられている。
第1移動機構としての第1ソレノイド51e1は、
図20(A)に示すように、第1ローラ51a1を移動させることなく、第2ローラ51a2を幅方向の一端側端部を中心に他端側端部を第1ローラ51a1から離れる方向に移動させるものである。すなわち、第1ソレノイド51e1(第1移動機構)は、先に
図15を用いて説明したソレノイド51e(移動機構)と同等に構成されている。
他方、第2移動機構としての第2ソレノイド51e2は、
図20(B)に示すように、第1ローラ51a1を移動させることなく、第2ローラ51a2を幅方向の他端側端部を中心に一端側端部を第1ローラ51a1から離れる方向に移動させるものである。具体的に、第2移動機構は幅方向一端側(
図19の左側端部である。)に設置されていて、第1移動機構は幅方向他端側(
図19の右側端部である。)に設置されている。
また、本変形例1において、通電遮断手段として、第1ローラ51a1のローラ表面の温度変化を感知可能な第1サーモスタット51g1と、第2ローラ51a2のローラ表面の温度変化を感知可能な第2サーモスタット51g2と、が設けられている。
さらに
図19、
図21等に示すように、、電源ラインとして、第1サーモスタット51g1と第1ソレノイド51e1(第1移動機構)とが接続された第1電源ライン51x1と、第2サーモスタット51g2と第2ソレノイド51e2(第2移動機構)とが接続された第2電源ライン51x2と、が設けられている。
そして、
図22に示すように、第1ローラ51a1のローラ表面が第1所定温度T1に達したときに第1ヒータ51c1(第1加熱手段)と第1ソレノイド51e1(第1移動機構)とへの通電を遮断して、第2ローラ51a2のローラ表面が第2所定温度T2に達したときに第2ヒータ51c2(第2加熱手段)と第2ソレノイド51e2(第2移動機構)とへの通電を遮断している。
さらに具体的に、
図22に示すように、第1サーモスタット51g1によって第1ローラ51a1のローラ表面温度が第1所定温度T1に達したことが感知されると、第1サーモスタット51g1によって第1電源ライン51x1における通電が遮断される(ステップS40、S41)。同時に、第1ソレノイド51e1(第1移動機構)によって第2ローラ51a2の他端側が離間される(ステップS42)。
これに対して、ステップS40にて第1ローラ51a1のローラ表面温度が第1所定温度T1に達していない場合には、第2サーモスタット51g2によって第2ローラ51a2のローラ表面温度が第2所定温度T2に達したことが感知されると、第2サーモスタット51g2によって第2電源ライン51x2における通電が遮断される(ステップS43、S44)。同時に、第2ソレノイド51e2(第2移動機構)によって第2ローラ51a2の一端側が離間される(ステップS45)。
そして、ステップS42又はステップS45において第2ローラ51a2の離間制御がおこなわれた後に、ステップS33以降のフローがおこなわれる。
本変形例1のように構成して制御した場合にも、熱加圧ローラ対51aに過昇温が生じてしまっても、ラミネート処理の異常が生じにくくなる。特に、第1ローラ51a1が熱劣化する温度(第1所定温度T1)と、第2ローラ51a2が熱劣化する温度(第2所定温度T2)と、が異なる場合などには、本変形例1における構成や制御が有用となる。
【0067】
<変形例2>
図23に示すように、変形例2としての画像形成システム200は、シートPに画像を形成する画像形成装置100に、
図1に示すラミネート処理装置50が設置されている。ただし、この画像形成システム200では、画像形成装置100に設置された給送装置112から給送ローラ197によって給送され搬送されたシートPが中シートPMとしてラミネート処理装置50に搬送されることになる。
図23を参照して、画像形成装置100において、まず、原稿Dが、原稿搬送装置110の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送(給送)されて、原稿読込装置102上を通過する。このとき、原稿読込装置102では、上方を通過する原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
そして、原稿読込装置102で読み取られた光学的な画像情報は、電気信号に変換された後に、画像形成部101の書込み装置103に送信される。そして、書込み装置103から、その電気信号の画像情報に基づいたレーザ光が、色ごとに、それぞれの感光体ドラム105Y、105M、105C、105K上に向けて発せられ、露光工程がおこなわれる。
そして、それぞれの作像部104Y、104M、104C、104Kの感光体ドラム105Y、105M、105C、105K上で帯電工程、露光工程、現像工程がおこなわれて、感光体ドラム105Y、105M、105C、105K上に所望の画像がそれぞれ形成される。
その後、感光体ドラム105Y、105M、105C、105K上にそれぞれ形成された画像は、カラー画像として中間転写ベルト178上に重ねて転写される。さらに、中間転写ベルト178上に形成されたカラー画像は、2次転写ローラ189との対向位置で、給送装置112から給送ローラ197によって給送され搬送されたシートP(中シートPMとなるシートである。)に転写される。
その後、カラー画像が転写されたシートP(中シートPM)は、定着装置120の位置に搬送される。そして、表面に転写されたカラー画像がシートP上に定着される(定着処理、定着工程である。)。なお、定着装置120は、内部に定着加熱手段としての定着ヒータ123が設置された定着ローラ121や、定着ローラ121に圧接してシートPが搬送される定着ニップを形成する加圧ローラ122、などで構成されている。
その後、シートPは排出ローラ対131によって画像形成装置100から排出されて、中継装置150を介して、中シートPMとしてラミネート処理装置50に送入される。このとき、ラミネート処理装置50では、先に
図5~
図8を用いて説明した工程(重合シートPJを剥離する剥離処理である。)が終了していて、ラミネート処理装置50に中シートPMが挿入された後に
図9を用いて説明した工程(重合シートPJに中シートPMを挿入する工程である。)がおこなわれることになる。さらに、中シートPMが挿入された重合シートPMに対するラミネート処理がラミネート処理部51でおこなわれた後に、その重合シートPJが排出ローラ対7によって排出トレイ13に排出されることになる。
こうして、画像形成装置100における一連の画像形成プロセス(印刷動作)と、ラミネート処理装置50における、画像形成された中シートPMに対する一連のシート剥離処理及びラミネート処理と、が完了することになる。
なお、ラミネート処理を施さない場合には、画像形成装置100において、画像形成プロセスを経て画像が形成されたシートPは、画像形成装置100の第2の排出ローラ対132から装置外に排出されて、中継装置150の上面部(排出トレイ)に載置されることになる。
そして、このように構成された画像形成システム200においても、第1ヒータ51c1(第1加熱手段)と第2ヒータ51c2(第2加熱手段)とのうち少なくとも一方への通電が遮断されたときに、移動機構51e、51f、51dによる第2ローラ51a2の相対的な移動をおこなっている。そのため、熱加圧ローラ対51aに過昇温が生じてしまっても、ラミネート処理の異常が生じにくくなる。
なお、変形例2では、カラーの画像形成装置100に対して本発明を適用したが、モノクロの画像形成装置に対しても当然に本発明を適用することができる。また、変形例2では、電子写真方式の画像形成装置100に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、その他の方式の画像形成装置(例えば、インクジェット方式の画像形成装置や、孔版印刷機などである。)に対しても本発明を適用することができる。
【0068】
<変形例3>
図24に示すように、変形例3としての画像形成システム200は、画像形成装置100に対して、シート剥離部1やラミネート処理部51が設置されたラミネート処理装置50が着脱可能に設置されている。また、変形例3においても、画像形成装置100に設置された給送装置112から給送ローラ197によって給送され搬送されたシートPが中シートPMとしてラミネート処理装置50に搬送されることになる。
図24(A)を参照して、画像形成システム200において、先に
図23を用いて説明した画像形成プロセスを経て、画像形成装置100の排出ローラ対131から排出されたシートP(所望の画像が形成された中シートPMである。)は、中継装置300を経由して、ラミネート処理装置50に送入された後に、同じように重合シートPJに挿入されて、その後にラミネート処理が施され、排出ローラ対7によって排出トレイ13に排出されることになる。
そして、このように構成された画像形成システム200においても、第1ヒータ51c1(第1加熱手段)と第2ヒータ51c2(第2加熱手段)とのうち少なくとも一方への通電が遮断されたときに、移動機構51e、51f、51dによる第2ローラ51a2の相対的な移動をおこなっている。そのため、熱加圧ローラ対51aに過昇温が生じてしまっても、ラミネート処理の異常が生じにくくなる。
ここで、ラミネート処理装置50は、画像形成装置100に対して着脱可能に設置されていて、ラミネート処理装置50が不要であるときには、画像形成装置100から取り外すことができる。そして、そのようにラミネート処理装置50を取り外した場合には、ラミネート処理装置50が接続された部分に排出トレイが設置されて、排出ローラ対131から装置外に排出されたシートP(所望の画像が形成されたシートPである。)が排出トレイに載置されることになる。
なお、
図24(A)に示すように、ラミネート処理装置50に、画像形成装置100から排出された中シートPMをシート剥離部1(巻付けローラ20)に導くための搬送経路とは別に、画像形成装置100から排出されたシートPをラミネート処理を施すことなく排出するための搬送経路(搬送ローラ対58、59)を設けることもできる。
また、画像形成装置100から排出されたシートP(中シートPMとなるものも含む。)をラミネート処理装置50に導くための中継装置300を設置することもできる。その場合、その中継装置300から中シートPMを給送できるように構成することもできる。
また、
図24(B)に示す画像形成システム200のように、画像形成装置100からラミネート処理装置50を通過して排出されたシートP(ラミネート処理が施されていないものである。)に対して、パンチ処理やステイプル処理などの後処理を施すための後処理装置400を設置することもできる。その場合、後処理後のシートは、後処理装置400の排出トレイ401に排出されることになる。
【0069】
以上説明したように、本実施の形態におけるラミネート処理装置50は、2枚のシートP1、P2の間に中シートPMを挿入した状態の重合シートPJに対してラミネート処理を施すラミネート処理装置であって、第1ヒータ51c1(第1加熱手段)によって加熱される第1ローラ51a1と、第2ヒータ51c2(第2加熱手段)によって加熱される第2ローラ51a2と、が圧接して重合シートPJが搬送されるニップが形成される熱加圧ローラ対51aが設置されている。また、第1ローラ51a1と第2ローラ51a2とのうち少なくとも一方の温度変化を感知可能に構成されて、第1ヒータ51c1と第2ヒータ51c2とのうち少なくとも一方への通電を遮断可能なサーモスタット51g(通電遮断手段)が設けられている。また、重合シートPJの幅方向の搬送領域Pwに対応するニップが解除されるように第1ローラ51a1に対して第2ローラ51a2を相対的に移動させる移動機構51e、51f、51dが設けられている。また、サーモスタット51gと移動機構51e、51f、51dとが接続された電源ライン51xが設けられている。そして、サーモスタット51gによって第1ヒータ51c1と第2ヒータ51c2とのうち少なくとも一方への通電が遮断されたときに、電源ライン51xを介しての移動機構51e、51f、51dへの通電も遮断されて移動機構51e、51f、51dによる第2ローラ51a2の相対的な移動がおこなわれる。
これにより、熱加圧ローラ対51aに過昇温が生じてしまっても、ラミネート処理の異常が生じにくくなる。
【0070】
なお、本実施の形態では、第1ローラ51a1を固定して第2ローラ51a2を移動するように移動機構を構成したが、第2ローラ51a2を固定して第1ローラ51a1を移動するように移動機構を構成することもできる。
そして、そのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0071】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【0072】
なお、本願明細書等において、重合シートの「端面」とは、重合シートのオモテ面とウラ面とに繋がる厚さ方向のシート端(側面)であるものと定義する。したがって、矩形の重合シートの端面は、前後左右4つあることになる。
【符号の説明】
【0073】
1 シート剥離部(シート処理部)、
50 ラミネート処理装置(シート処理装置)、
51 ラミネート処理部(シート処理部)、
51a 熱加圧ローラ対、
51a1 第1ローラ、
51a2 第2ローラ、
51c1 第1ヒータ(第1加熱手段)、
51c2 第2ヒータ(第2加熱手段)、
51e ソレノイド(移動機構)、
51e1 第1ソレノイド(第1移動機構)、
51e2 第2ソレノイド(第2移動機構)、
51g サーモスタット(通電遮断手段)、
51g1 第1サーモスタット(通電遮断手段)、
51g2 第2サーモスタット(通電遮断手段)、
51x 電源ライン、
51x1 第1電源ライン、 51x2 第2電源ライン、
90 制御部、
100 画像形成装置、
200 画像形成システム、
400 後処理装置、
Pw 搬送領域、
P、P1、P2 シート、
PM 中シート、
PJ、PJ´ 重合シート(シート)、
A 接合部。
【0074】
なお、本発明における態様は、例えば、以下の通り付記1~8の組み合わせとすることもできる。
(付記1)
2枚のシートの間に中シートを挿入した状態の重合シートに対してラミネート処理を施すラミネート処理装置であって、
第1加熱手段によって加熱される第1ローラと、第2加熱手段によって加熱される第2ローラと、が圧接して前記重合シートが搬送されるニップが形成される熱加圧ローラ対と、
前記第1ローラと前記第2ローラとのうち少なくとも一方の温度変化を感知可能に構成されて、前記第1加熱手段と前記第2加熱手段とのうち少なくとも一方への通電を遮断可能な通電遮断手段と、
前記重合シートの幅方向の搬送領域に対応する前記ニップが解除されるように前記第1ローラに対して前記第2ローラを相対的に移動させる移動機構と、
前記通電遮断手段と前記移動機構とが接続された電源ラインと、
を備え、
前記通電遮断手段によって前記第1加熱手段と前記第2加熱手段とのうち少なくとも一方への通電が遮断されたときに、前記電源ラインを介しての前記移動機構への通電も遮断されて前記移動機構による前記第2ローラの相対的な移動がおこなわれることを特徴とするラミネート処理装置。
(付記2)
前記移動機構は、前記第1ローラを移動させることなく、前記第2ローラを前記幅方向の一端側端部を中心に他端側端部を前記第1ローラから離れる方向に移動させるものであることを特徴とする付記1に記載のラミネート処理装置。
(付記3)
前記通電遮断手段は、前記第1ローラのローラ表面の温度変化を感知可能なサーモスタットであって、前記ローラ表面が所定温度に達したときに前記第1加熱手段と前記第2加熱手段と前記移動機構とへの通電を遮断することを特徴とする付記2に記載のラミネート処理装置。
(付記4)
前記移動機構は、
前記第1ローラを移動させることなく、前記第2ローラを前記幅方向の一端側端部を中心に他端側端部を前記第1ローラから離れる方向に移動させる第1移動機構と、
前記第1ローラを移動させることなく、前記第2ローラを前記他端側端部を中心に前記一端側端部を前記第1ローラから離れる方向に移動させる第2移動機構と、
であることを特徴とする付記1に記載のラミネート処理装置。
(付記5)
前記通電遮断手段は、前記第1ローラのローラ表面の温度変化を感知可能な第1サーモスタットと、前記第2ローラのローラ表面の温度変化を感知可能な第2サーモスタットと、であって、
前記電源ラインは、前記第1サーモスタットと前記第1移動機構とが接続された第1電源ラインと、前記第2サーモスタットと前記第2移動機構とが接続された第2電源ラインと、であって、
前記第1ローラのローラ表面が第1所定温度に達したときに前記第1加熱手段と前記第1移動機構とへの通電を遮断して、前記第2ローラのローラ表面が第2所定温度に達したときに前記第2加熱手段と前記第2移動機構とへの通電を遮断することを特徴とする付記4に記載のラミネート処理装置。
(付記6)
前記移動機構による前記第2ローラの相対的な移動の有無を検知可能な移動検知手段と、
前記通電遮断手段による通電の遮断を検知可能な通電検知手段と、
を備え、
前記通電遮断手段による通電の遮断と、前記移動機構による前記第2ローラの相対的な移動と、がおこなわれるべきときであって、そのうちの少なくとも1つがおこなわれなかったことが前記移動検知手段及び前記通電検知手段によって検知されたときに、その旨が報知されることを特徴とする付記1~付記5のいずれかに記載のラミネート処理装置。
(付記7)
前記移動機構は、通電時に前記第1ローラに当接するように前記第2ローラを移動させて、非通電時に前記第1ローラから離れるように前記第2ローラを移動させるソレノイドを具備したことを特徴とする付記1~付記6のいずれかに記載のラミネート処理装置。
(付記8)
前記2枚のシートが重ね合されて接合部で接合された前記重合シートの非接合部を剥離するシート剥離部と、
前記熱加圧ローラ対を具備したラミネート処理部と、
を備えたことを特徴とする付記1~付記7のいずれかに記載のラミネート処理装置。
(付記9)
付記1~付記8のいずれかに記載のラミネート処理装置と、
前記中シートに画像を形成する画像形成装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0075】
【特許文献1】特開2021-143072号公報
【特許文献2】特開2003-280419号公報