(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015892
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】クリーニング装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20240130BHJP
【FI】
G03G21/00 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118266
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100127111
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 修一
(72)【発明者】
【氏名】桑原 延雄
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 直人
(72)【発明者】
【氏名】本城 賢二
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 道治
(72)【発明者】
【氏名】畔柳 雄太
(72)【発明者】
【氏名】永田 春樹
(72)【発明者】
【氏名】山本 祥太
【テーマコード(参考)】
2H134
【Fターム(参考)】
2H134GA06
2H134GB01
2H134HA07
2H134HA12
2H134KF01
2H134KH03
2H134KH09
2H134KH10
(57)【要約】
【課題】複数のクリーニングユニットを積層して有し、下層のユニットの一部を挿入ガイドとして用い、段階的にユニットを重ねて装着することで装置を小型化し、またガイド部材を除去してコスト低減を図ることが可能なクリーニング装置を提供する。
【解決手段】複数のクリーニングユニット27,28,29と、各クリーニングユニットを上下方向に積層して収容する筐体30と、を有し、各クリーニングユニットは筐体に対して一方側から他方側に向けて収容可能であり、各クリーニングユニットのうち、筐体の下方に収容される下クリーニングユニット27,28は、下クリーニングユニットの直上方に収容される上クリーニングユニット28,29の筐体への収容を案内する第一ガイド部材27Ab,28Abを有し、上クリーニングユニットは第一ガイド部材に係合する第二ガイド部材28Aa,29Aaを有するクリーニング装置18。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持する無端状の像担持体の表面に付着した残留トナーを除去するクリーニング装置であって、
前記像担持体をクリーニングする複数のクリーニングユニットと、
前記各クリーニングユニットを上下方向に積層して収容する筐体と、を有し、
前記各クリーニングユニットは前記筐体に対して一方側から他方側に向けて収容可能であり、
前記各クリーニングユニットのうち、前記筐体の下方に収容される下クリーニングユニットは、該下クリーニングユニットの直上方に収容される上クリーニングユニットの前記筐体への収容を案内する第一ガイド部材を有し、前記上クリーニングユニットは前記第一ガイド部材に係合する第二ガイド部材を有するクリーニング装置。
【請求項2】
請求項1記載のクリーニング装置において、
前記下クリーニングユニットのうち前記筐体の最下部に収容される最下部クリーニングユニットが前記筐体と一体であることを特徴とするクリーニング装置。
【請求項3】
請求項1記載のクリーニング装置において、
前記各クリーニングユニットは前記筐体に対してそれぞれ着脱自在であり、前記筐体は前記下クリーニングユニットのうち該筐体の最下部に収容される最下部クリーニングユニットの該筐体への収容を案内するガイド部を有することを特徴とするクリーニング装置。
【請求項4】
請求項1記載のクリーニング装置において、
前記各クリーニングユニットは前記筐体に対する位置決めを行う位置決め部を前記一方側及び前記他方側にそれぞれ有し、前記各クリーニングユニットは前記筐体に対して位置決めされた状態で互いに接触しないことを特徴とするクリーニング装置。
【請求項5】
請求項1記載のクリーニング装置において、
前記上クリーニングユニット及び前記下クリーニングユニットが前記筐体にそれぞれ収容された状態で、前記筐体からの前記下クリーニングユニットのみの取り外しを禁止する禁止部材を有することを特徴とするクリーニング装置。
【請求項6】
請求項1記載のクリーニング装置において、
前記第一ガイド部材及び前記第二ガイド部材は、前記下クリーニングユニット及び前記上クリーニングユニットが前記筐体に対して所定の状態で収容される場合に、互いに係合することを特徴とするクリーニング装置。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか一つに記載のクリーニング装置を有することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーニング装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置に採用されるクリーニング装置として、被清掃部材の表面に接触するブラシローラと、ブラシローラの周面に接触する回収ローラと、回収ローラの周面に接触するブレードとを備えたものが知られている。このクリーニング装置では、ブラシローラ及び回収ローラに電圧を印加して被清掃部材表面に付着したトナーを回収ローラ表面まで静電的に移動させ、移動したトナーをブレードによって掻き落として回収する構成である。
しかし、このような静電的な力を用いた静電クリーニング方式のクリーニング装置では、被清掃部材の表面にトナーが大量に付着している場合に被清掃部材表面から良好にトナー除去を行うことができず、クリーニング不良が発生してしまうという問題点があった。
【0003】
上述した問題点を解決すべく、被清掃部材表面上の未転写トナーを大まかに除去するプレクリーニング部と、被清掃部材上の正規帯電極性とは反対極性に帯電したトナーを除去する逆帯電トナークリーニング部と、被清掃部材上の正規帯電極性に帯電したトナーを除去する正規帯電トナークリーニング部とを備えるクリーニング装置が提案されている(例えば「特許文献1」参照)。
また、被清掃部材上のトナーを非静電的にずらすトナーずらし手段と、被清掃部材上の正規帯電極性とは反対極性に帯電したトナーを除去する第一クリーニングユニットと、被清掃部材上の正規帯電極性に帯電したトナーを除去する第二クリーニングユニットとを備えるクリーニング装置が提案されている(例えば「特許文献2」参照)。
【0004】
また、他の技術として、被清掃部材上の正規帯電極性とは反対極性に帯電したトナーを除去する第一クリーニングユニットと、被清掃部材上の正規帯電極性に帯電したトナーを除去する第二クリーニングユニットと、被清掃部材上に再付着した再付着トナーを除去するポストクリーニングユニットとを備えるクリーニング装置が提案されている(例えば「特許文献3」参照)。
また、被清掃部材上の正規帯電極性とは反対極性に帯電したトナーを除去する第一クリーニングサブユニットと、被清掃部材上の正規帯電極性に帯電したトナーを除去する第二クリーニングサブユニットと、被清掃部材上の正規帯電極性に帯電したトナーを除去する第三クリーニングサブユニットとを備えるクリーニング装置が提案されている(例えば「特許文献4」参照)。この装置では、装置の小型化を図りつつクリーニング部材の回転軸と支持部材との間でリーク放電が発生することを抑制すべく、回転軸を支持する支持部材は、回転軸を支持する非導電性を有する軸受部と、この軸受部を支持する金属製の軸受支持部とで構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した各技術では、複数のクリーニングユニットを組み合わせて極性が異なる転写残トナーを効率よく除去する構成であると共に、複数のクリーニングユニットを有することでメンテナンス性の向上も図ることができる。しかし従来の構成では、各ユニットのフレームを共通化することによりブラシ対向ローラの並びに合わせて各ユニットの配置角度を変更する必要がある。このため、各ユニットの配置に合わせてユニット挿入用のガイドレールがユニット毎にそれぞれ必要となり、結果としてクリーニング装置が大型化するという問題点がある。
本発明は、上述した問題点を解決し、複数のクリーニングユニットを積層して有し、下層のユニットの一部を挿入ガイドとして用い、段階的にユニットを重ねて装着することで装置を小型化し、またガイド部材を除去してコスト低減を図ることが可能なクリーニング装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、トナー像を担持する無端状の像担持体の表面に付着した残留トナーを除去するクリーニング装置であって、前記像担持体をクリーニングする複数のクリーニングユニットと、前記各クリーニングユニットを上下方向に積層して収容する筐体と、を有し、前記各クリーニングユニットは前記筐体に対して一方側から他方側に向けて収容可能であり、前記各クリーニングユニットのうち、前記筐体の下方に収容される下クリーニングユニットは、該下クリーニングユニットの直上方に収容される上クリーニングユニットの前記筐体への収容を案内する第一ガイド部材を有し、前記上クリーニングユニットは前記第一ガイド部材に係合する第二ガイド部材を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数のクリーニングユニットを積層して有し、下層のユニットの一部を挿入ガイドとして用い、段階的にユニットを重ねて装着することで装置を小型化し、またガイド部材を除去してコスト低減を図ることが可能なクリーニング装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略正面図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係るベルトクリーニング装置の概略正面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る転写ユニット要部の概略斜視図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係るベルトクリーニング装置の(a)概略構成図、(b)(a)から蓋体を外した状態図、(c)(b)から第二クリーニングユニットを外した状態図、(d)(c)から第一クリーニングユニットを外した状態図、(e)(d)からプレクリーニングユニットを外した状態図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係るベルトクリーニング装置を装置奥側から見た概略斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る第二クリーニングユニットを装置奥側から見た概略斜視図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態に係るベルトクリーニング装置のクリーニングユニットとクリーニング装置本体との位置決め機構を説明する(a)装置奥側から見た概略斜視図、(b)(a)の装置手前側における部分拡大図、(c)(a)の装置奥側における部分拡大図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態における下クリーニングユニットの第1ガイド部材と上クリーニングユニットの第2ガイド部材との(a)(b)(c)各位置決め部が嵌合するまでの状態(d)各位置決め部が嵌合した状態におけるそれぞれの相対関係を説明する概略図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態に係るベルトクリーニング装置の概略正面図である。
【
図10】本発明の第3の実施形態に係るベルトクリーニング装置の(a)概略正面図(b)概略側面図である。
【
図11】本発明の第4の実施形態に係るベルトクリーニング装置の(a)クリーニング装置本体内の所定位置に各クリーニングユニットが装着された状態を示す概略正面図(b)クリーニング装置本体内の所定位置に各クリーニングユニットが装着されていない状態を示す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタ1を示している。タンデム型中間転写方式のプリンタ1は、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像を形成する4個のプロセスユニット2Y,2M,2C,2Kを装置本体19の内部に有している。各プロセスユニット2は、潜像担持体であるドラム状の感光体3Y,3M,3C,3Kをそれぞれ有しており、各感光体3の周囲にはそれぞれ帯電装置4Y,4M,4C,4K、現像装置5Y,5M,5C,5K、感光体クリーニング装置6Y,6M,6C,6K、図示しない除電装置等が配置されている。
各プロセスユニット2は、それぞれ異なる色のイエロトナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーを用いる点においてのみ相違しており、他の構成は同一である。各プロセスユニット2の上方には、レーザ光Lを照射して各感光体3の表面に静電潜像を形成する光書き込みユニット7が配置されている。
【0010】
各プロセスユニット2の下方には、ループ状に形成された無端状の像担持体である中間転写ベルト9を備えた転写ユニット8が配置されている。中間転写ベルト9の内側には、各感光体3に対応して設けられた4個の一次転写ローラ10Y,10M,10C,10K、従動ローラ11、駆動ローラ12、二次転写対向ローラ13、及びクリーニング対向ローラ14,15,16が配置されている。各ローラ10,11,12,13,14,15,16はそれぞれの周面を中間転写ベルト9の内周面に接触させた状態で、図示しない軸受やアーム部材等を介してそれぞれの支軸を図示しない中間転写ベルトユニット側板に回転自在に支持されている。各ローラ10,11,13,14,15,16は、駆動ローラ12の回転により
図1において時計回り方向に走行駆動される中間転写ベルト9の移動に伴いそれぞれ従動回転される。
【0011】
各一次転写ローラ10は、各感光体3と中間転写ベルト9との接触部にそれぞれ配置されており、各一次転写ローラ10にはそれぞれ所定の転写バイアスが印加される。各一次転写ローラ10のうち、カラー用の一次転写ローラ10Y,10M,10Cはそれぞれ図示しない一次転写接離機構に支持されており、図示しない一次転写接離機構の作動によってそれぞれ中間転写ベルト9に対して接離自在に構成されている。また、ブラック用の一次転写ローラ10Kは、中間転写ベルト9に対して常時接触するように構成されている。
この構成より、ブラックトナーのみで画像形成を行うモノクロモード時には、一次転写ローラ10Kのみを中間転写ベルト9に接触させて他の一次転写ローラ10Y,10M,10Cは中間転写ベルト9から離間させて画像形成を行う。またフルカラーモード時には、各一次転写ローラ10を全て中間転写ベルト9に接触させて画像形成を行う。
【0012】
中間転写ベルト9の中央下部には、中間転写ベルト9を介して二次転写対向ローラ13と対向する二次転写ローラ17が配置されている。二次転写ローラ17は、中間転写ベルト9を介して二次転写対向ローラ13に対して圧接離間自在に構成されており、図示しないローラ駆動手段によって回転駆動される。
中間転写ベルト9を介して各ローラ13,17が互いに対向する二次転写部Nでは、二次転写ローラ17が電気的に接地され、図示しない二次転写バイアス電源から二次転写対向ローラ13に二次転写バイアスが印加される。この構成により、中間転写ベルト9上のトナーを二次転写対向ローラ13側から二次転写ローラ17側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。
【0013】
中間転写ベルト9の外周面近傍には、中間転写ベルト9の外周面に付着した残留トナーを除去してクリーニングするクリーニング装置としての中間転写ベルトクリーニング装置18が配置されている。中間転写ベルトクリーニング装置18は、上述した各クリーニング対向ローラ14,15,16に対して対向配置されており、その詳細については後述する。上述した中間転写ベルト9、各一次転写ローラ10、各ローラ11,12,13,14,15,16、二次転写ローラ17、クリーニング装置18によって転写ユニット8が構成されている。
二次転写部Nのシート搬送方向下流側には、加熱ローラ及び加圧ローラを備え熱と圧力とにより転写シートSにトナー像を定着させる周知の定着装置25が配置されている。また、定着装置25の下方には、プリンタ1の動作を制御する周知のマイクロコンピュータからなる制御手段26が配置されている。
【0014】
二次転写ローラ17の下方に位置する装置本体19の下部には、転写シートSを収容する給紙トレイ20が設けられている。給紙トレイ20は、本実施形態では1個のみ設けられているが、2個以上の複数個設けられていてもよい。給紙トレイ20の上方には、給紙トレイ20内に収容されている転写シートSの最上位の1枚を給紙搬送路21に給送する給紙ローラ22が配置されている。
給紙ローラ22によって給紙搬送路21に給送された転写シートSは、給紙搬送路21に配置された搬送ローラ対23によって二次転写部Nに向けて搬送される。搬送ローラ対23によって搬送された転写シートSは、搬送ローラ対23のシート搬送方向下流側に配置されたレジストローラ対24によって一時停止される。レジストローラ対24は、中間転写ベルト9上に形成されたトナー像が二次転写部Nに到達するタイミングで、一時停止させた転写シートSを二次転写部Nに向けて給送する。レジストローラ対24によって給送された転写シートSは、二次転写部Nにおいて中間転写ベルト9上からトナー像を転写された後、図示しない搬送手段によって定着装置25に向けて搬送される。定着装置25においてトナー像が定着された転写シートSは、図示しない搬送手段によってさらに下流側へと搬送され、図示しない排紙トレイ上に排出積載される。
【0015】
ここで、プリンタ1の動作について説明する。図示しないパソコン等の外部装置から画像情報が送信されると、制御手段26が駆動ローラ12を
図1において時計回り方向に回転駆動させ、中間転写ベルト9が
図1に示す矢印A方向に走行駆動される。駆動ローラ12を除き中間転写ベルト9を支持する各ローラ10,11,13,14,15,16は、中間転写ベルト9の走行駆動に伴い従動回転する。
中間転写ベルト9の走行開始と同時に、図示しない駆動手段が作動して各感光体3が
図1において反時計回り方向に回転駆動され、各帯電装置4の作動により各感光体3の表面がそれぞれ一様に帯電される。帯電された各感光体3の表面に対して、光書き込みユニット7から各色の画像情報に対応したレーザ光Lがそれぞれ照射され、各感光体3の表面に各色画像に対応した静電潜像がそれぞれ形成される。
各感光体3上に形成された静電潜像は各現像装置5によって顕像化され、各感光体3上にはイエロ、マゼンタ、シアン、ブラックの各色トナー像が形成される。形成された各色トナー像は、各一次転写ローラ10と対応する一次転写ニップにおいて、中間転写ベルト9の外周面に順次重ね合わせて一次転写され、これにより中間転写ベルト9の表面にフルカラートナー像が形成される。
【0016】
一方、給紙ローラ22の駆動により給紙トレイ20から転写シートSが一枚ずつ給送され、給送された転写シートSはレジストローラ対24に先端を挟持されて一次停止される。そして、中間転写ベルト9上のフルカラートナー像に同期するタイミングでレジストローラ対24が回転駆動され、これにより転写シートSが二次転写部Nに給送される。二次転写部Nに給送された転写シートSは、印加された二次転写バイアスにより形成された二次転写電界により、中間転写ベルト9上のフルカラートナー像を一括転写される。
フルカラートナー像が転写された転写シートSは、図示しない搬送手段を介して定着装置25に送られ、熱と圧力とにより定着処理がなされた転写シートSは、図示しない搬送手段に搬送されて図示しない排紙トレイ上に排出される。
【0017】
次に、本発明の特徴部である、本発明の第1の実施形態に用いられるベルトクリーニング装置18について説明する。
図2は、ベルトクリーニング装置18の概略構成図である。同図においてベルトクリーニング装置18は、それぞれクリーニングユニットであるプレクリーニングユニット27、第一クリーニングユニット28、第二クリーニングユニット29を備えている。プレクリーニングユニット27と第一クリーニングユニット28とが中間転写ベルト9の移動方向において互いに隣り合うように、また第一クリーニングユニット28と第二クリーニングユニット29とが中間転写ベルト9の移動方向において互いに隣り合うようにそれぞれ配置されている。
【0018】
プレクリーニングユニット27は、中間転写ベルト9上の転写残トナーを大まかに除去するプレクリーニングブラシローラ27a、プレクリーニングブラシローラ27aに付着したトナーを回収するプレ回収ローラ27b、プレ回収ローラ27bからトナーを掻き取るプレ掻き取りブレード27cを有している。またプレクリーニングユニット27は、回収したトナーを装置本体19に設けられた図示しない廃トナータンクに搬送する搬送スクリュ27dを備えている。これ等各部材27a,27b,27c,27dはケーシング27A内に配置されており、ケーシング27Aには内部のトナーが外部に飛散することを防止する入口シール27e及び出口シール27fが設けられている。
転写残トナーのほとんどは正規帯電極性である負極性に帯電しているため、正規帯電極性とは逆極性である正極性の電圧をプレクリーニングブラシローラ27aに印加して、プレクリーニングユニット27で負極正トナーを除去するように構成されている。プレ回収ローラ27bには、プレクリーニングブラシローラ27aよりも大きな正極性の電圧が印加されている。
【0019】
第一クリーニングユニット28はプレクリーニングユニット27よりも中間転写ベルト9の移動方向下流側に配置されており、正規帯電極性(負極性)とは逆極性(正極性)に帯電したトナーを静電的に除去する逆帯電トナークリーニングブラシローラ28aを備えている。また、逆帯電トナークリーニングブラシローラ28aに付着した逆帯電トナーを回収する逆帯電トナー回収ローラ28b、逆帯電トナー回収ローラ28bからトナーを掻き取る逆帯電トナー掻き取りブレード28cを有している。また第一クリーニングユニット28は、回収したトナーを装置本体19に設けられた図示しない廃トナータンクに搬送する搬送スクリュ28dを備えている。これ等各部材28a,28b,28c,28dはケーシング28A内に配置されており、ケーシング28Aには内部のトナーが外部に飛散することを防止する入口シール28e及び出口シール28fが設けられている。
逆帯電トナークリーニングブラシローラ28aには負極性の電圧が印加されており、逆帯電トナー回収ローラ28bには逆帯電トナークリーニングブラシローラ28aよりも大きな負極性の電圧が印加されている。第一クリーニングユニット28は、中間転写ベルト9上のトナーに負極性の電荷を付与して、中間転写ベルト9上のトナーの帯電極性を正規帯電極性である負極性に揃える極性制御手段としても機能している。
【0020】
第二クリーニングユニット29は第一クリーニングユニット28よりも中間転写ベルト9の移動方向下流側に配置されており、正規帯電極性(負極性)に帯電したトナーを静電的に除去する正規帯電トナークリーニングブラシローラ29aを備えている。また、正規帯電トナークリーニングブラシローラ29aに付着した正規帯電トナーを回収する正規帯電トナー回収ローラ29b、正規帯電トナー回収ローラ29bからトナーを掻き取る正規帯電トナー掻き取りブレード29cを有している。また第二クリーニングユニット29は、回収したトナーを装置本体19に設けられた図示しない廃トナータンクに搬送する搬送スクリュ29dを備えている。これ等各部材29a,29b,29c,29dはケーシング29A内に配置されており、ケーシング29Aには内部のトナーが外部に飛散することを防止する入口シール29e及び出口シール29fが設けられている。
正規帯電トナークリーニングブラシローラ29aには正極性の電圧が印加されており、正規帯電トナー回収ローラ29bには正規帯電トナークリーニングブラシローラ29aよりも大きな正極性の電圧が印加されている。
【0021】
ベルトクリーニング装置18は、各ケーシング27A,28A,29Aを一体的に収容する筐体としてのクリーニング装置本体30を有している。クリーニング装置本体30は装置本体19に取り付けられており、その内部には各クリーニングユニット27,28,29の各ケーシング27A,28A,29Aが、
図2に示すように上下方向に積載して収容される。本実施形態において、各ケーシング27A,28A,29Aは、一方側である装置手前側から他方側である装置奥側に向けてそれぞれ収容される。なお、一方側及び他方側としては装置の側方側であってもよい。
図2において、クリーニング装置本体30内の最下部にはプレクリーニングユニット27が、その上方には第一クリーニングユニット28が、さらにその上方には第二クリーニングユニット29がそれぞれ収容されている。この状態において、プレクリーニングユニット27及び第一クリーニングユニット28が下クリーニングユニットを構成し、第一クリーニングユニット28及び第二クリーニングユニット29が各下クリーニングユニットに対応した上クリーニングユニットをそれぞれ構成する。また、プレクリーニングユニット27は最下部クリーニングユニットを構成する。
【0022】
クリーニング装置本体30の最下部には、プレクリーニングユニット27のケーシング27Aを内部に収容する際に案内するガイド部30aが一体形成されている。ガイド部30aは、クリーニング装置本体30の装置手前側端部近傍と装置奥側端部近傍との間に溝状に形成されており、ケーシング27Aの奥行き方向長さ(
図2における紙面方向長さ)とほぼ同じ長さとなるように形成されている。
最下部クリーニングユニットであるプレクリーニングユニット27のケーシング27Aの下部には、ガイド部30aに嵌合可能な突部であるガイド部材27Aaが一体形成されている。ガイド部材27Aaは、ガイド部30aに嵌合した際に、ケーシング27Aが奥行き方向に向けて確実にガイドされつつクリーニング装置本体30内に収容されるように、その長さ及び個数が決められている。
【0023】
第一クリーニングユニット28に対して下クリーニングユニットであるプレクリーニングユニット27のケーシング27Aの上部には、ケーシング28Aをクリーニング装置本体30の内部に収容する際に案内する第一ガイド部材としてのガイド部材27Abが一体形成されている。ガイド部材27Abは、ケーシング27Aの装置手前側端部近傍と装置奥側端部近傍との間に溝状に形成されている。
プレクリーニングユニット27に対して上クリーニングユニットである第一クリーニングユニット28のケーシング28Aの下部には、ガイド部材27Abに嵌合可能な第二ガイド部材としてのガイド部材28Aaが一体形成されている。ガイド部材28Aaは、ガイド部材27Abに嵌合した際に、ケーシング28Aが奥行き方向に向けて確実にガイドされつつクリーニング装置本体30内に収容されるように、その長さ及び個数が決められている。
【0024】
同様に、第二クリーニングユニット29に対して下クリーニングユニットである第一クリーニングユニット28のケーシング28Aの上部には、ケーシング29Aをクリーニング装置本体30の内部に収容する際に案内する第一ガイド部材としてのガイド部材28Abが一体形成されている。ガイド部材28Abは、ケーシング28Aの装置手前側端部近傍と装置奥側端部近傍との間に溝状に形成されている。
第一クリーニングユニット28に対して上クリーニングユニットである第二クリーニングユニット29のケーシング29Aの下部には、ガイド部材28Abに嵌合可能な第二ガイド部材としてのガイド部材29Aaが一体形成されている。ガイド部材29Aaは、ガイド部材28Abに嵌合した際に、ケーシング29Aが奥行き方向に向けて確実にガイドされつつクリーニング装置本体30内に収容されるように、その長さ及び個数が決められている。また、ケーシング29Aの上部には、第二クリーニングユニット29を下クリーニングユニットとする上クリーニングユニットのケーシングをクリーニング装置本体30の内部に収容する際に案内する、第一ガイド部材として機能するガイド部材29Abが一体形成されている。ガイド部材29Abは、ケーシング29Aの装置手前側端部近傍と装置奥側端部近傍との間に溝状に形成されている。
【0025】
上述の構成によれば、クリーニング装置本体30に対して複数のクリーニングユニット27,28,29を収容する際に、下クリーニングユニット27,28に設けられた第一ガイド部材であるガイド部材27Ab,28Abが上クリーニングユニット28,29に設けられた第二ガイド部材であるガイド部材28Aa,29Aaに係合する。これにより、各ガイド部材27Ab,28Ab,28Aa,29Aaを収容ガイドとしてクリーニング装置本体30内に各クリーニングユニット27,28,29を装着することによりベルトクリーニング装置18を小型化できる。また、クリーニング装置本体30に余分なガイドレールを設けることがないので、コストを低減することができる。
【0026】
図3は転写ユニット8における中間転写ベルト9及びベルトクリーニング装置18の概略斜視図を、
図4はベルトクリーニング装置18から各クリーニングユニット27,28,29を取り外した状態を説明する概略斜視図をそれぞれ示している。
図3において、ベルトクリーニング装置18はクリーニング装置本体30及び蓋体31を備えている。上述と同様にクリーニング装置本体30内に各クリーニングユニット27,28,29を収容した後、クリーニング装置本体30に蓋体31を取り付けることにより各クリーニングユニット27,28,29がクリーニング装置本体30によって保持される。
図4(a)はクリーニング装置本体30内に各クリーニングユニット27,28,29を保持した状態を、
図4(b)は
図4(a)の状態から蓋体31を取り外した状態を、
図4(c)は
図4(b)の状態から第二クリーニングユニット29を取り外した状態をそれぞれ示している。また、
図4(d)は
図4(c)の状態から第一クリーニングユニット28を取り外した状態を、
図4(e)は
図4(d)の状態からプレクリーニングユニット27を取り外した状態をそれぞれ示している。クリーニング装置本体30に対する各クリーニングユニット27,28,29の収容は、
図4とは逆の手順で行われる。なお、
図4においては各第一ガイド部材及び各第二ガイド部材の図示を省略している。
【0027】
図4及び
図5によく示すように、クリーニング装置本体30の装置手前側端部及び装置奥側端部にはそれぞれ側板30A,30Bが設けられている。また
図6に示すように、各クリーニングユニット27,28,29(
図6では第二クリーニングユニット29を示す)は、装置奥側の側面部に、先端部に面取りがなされた位置決め部である2本の突出ピン32,33を、装置手前側の側面部に側板30Aに対して面接触する側板34をそれぞれ有している。側板34には、位置決め部である2個の位置決め穴35,36が形成されている。各突出ピン32,33は他のクリーニングユニット27,28にも同様に設けられており、側板34及び各位置決め穴35,36も他のクリーニングユニット27,28において同様に設けられている。
【0028】
図7(a)及び
図7(a)の部分拡大図である
図7(b)及び
図7(c)に示すように側板30Aには、クリーニング装置本体30内の所定位置にクリーニングユニット29が装着された際に、位置決め穴35に嵌合する位置決め部である位置決めピン37及び位置決め穴36に嵌合する位置決め部である位置決めピン38が設けられている。また側板30Bには、同様に突出ピン32が嵌合する位置決め部である嵌合穴39及び突出ピン33が嵌合する位置決め部である嵌合穴40が設けられている。各側板30A,30Bの、他のクリーニングユニット27,28が装着される位置にも、同様に位置決めピン37,38及び嵌合穴39,40が設けられている。位置決めピン37,38は、それぞれ先端部に面取りが施されており、位置決め穴35,36への嵌合が容易に行われる。また、突出ピン32,33に施された面取りにより、突出ピン32,33の嵌合穴39,40への嵌合も容易に行われる。
【0029】
上述の構成により、
図4(e)に示す状態から、ガイド部材27Aaをガイド部30aに係合させた状態でプレクリーニングユニット27をクリーニング装置本体30内に収容する。プレクリーニングユニット27が所定位置に収容されると、突出ピン32,33が嵌合穴39,40にそれぞれ嵌合すると共に、位置決め穴35,36に位置決めピン37,38が嵌合する。このとき、各ピン32,33,37,38に面取りが施されていることから嵌合が容易化されると共に、嵌合時にプレクリーニングユニット27が僅かに上方へと移動し、ガイド部材27Aaとガイド部30aとの接触状態が解除される。
各位置決め部の嵌合前には、下クリーニングユニットである第一クリーニングユニット28の第一ガイド部材であるガイド部材28Abと、上クリーニングユニットである第二クリーニングユニット29の第二ガイド部材であるガイド部材29Aaとは、
図8(a)(b)(c)に示すように互いに接触している。そして各位置決め部の嵌合後には、ガイド部材28bとガイド部材29Aaとは
図8(d)に示すように互いに離間する。なお、下クリーニングユニットがプレクリーニングユニット27であり、上クリーニングユニットが第一クリーニングユニット28である場合も同様である。
【0030】
その後、同様にガイド部材28Aaをガイド部材27Abに係合させた状態で第一クリーニングユニット28をクリーニング装置本体30内に収容する。第一クリーニングユニット28が所定位置に収容されると、突出ピン32,33が嵌合穴39,40に、位置決め穴35,36に位置決めピン37,38がそれぞれ嵌合する。この嵌合時に第一クリーニングユニット28が僅かに上方へと移動し、ガイド部材27Abとガイド部材28Aaとの接触状態が解除される。
さらにその後、同様にガイド部材29Aaをガイド部材28Abに係合させた状態で第二クリーニングユニット29をクリーニング装置本体30内に収容する。第二クリーニングユニット29が所定位置に収容されると、突出ピン32,33が嵌合穴39,40に、位置決め穴35,36に位置決めピン37,38がそれぞれ嵌合する。この嵌合時に第二クリーニングユニット29が僅かに上方へと移動し、ガイド部材28Abとガイド部材29Aaとの接触状態が解除される。
各クリーニングユニット27,28,29が順にクリーニング装置本体30内に収容された後、側板30Aに蓋体31が複数のねじによって固定されることにより、クリーニング装置本体30内に全てのクリーニングユニット27,28,29が収容され、ベルトクリーニング装置18が構成される。
【0031】
上述した構成において、クリーニング装置本体30の内部に収容されるプレクリーニングユニット27の収容を案内するガイド部30aをクリーニング装置本体30が有するので、装置の小型化及びコスト低減を図ることができると共に、クリーニング装置本体30に対して所定の位置に各クリーニングユニット27,28,29を配置できる。
また、クリーニング装置本体30内の所定位置に位置決めされた状態において、各クリーニングユニット27,28,29は互いに接触しない状態を保っている。これにより、上下のクリーニングユニットがそれぞれ対応するガイド部材において接触することにより、捻れや撓みが生じて機能が損なわれることを回避できる。
【0032】
図9は、本発明の第2の実施形態に用いられるクリーニング装置としてのベルトクリーニング装置を示している。同図においてベルトクリーニング装置41は、上述したベルトクリーニング装置18と比較すると、筐体であるクリーニング装置本体30を用いない点、プレクリーニングユニット27がクリーニング装置本体30と同様に筐体として機能する壁部27Bを一体的に有する点においてのみ相違しており、他の構成は同一である。
図示しない支持部材により装置本体19に着脱自在に支持されたプレクリーニングユニット27は、クリーニング対向ローラ14が設けられた側と対向する側に壁部27Bを一体的に有している。壁部27Bの装置手前側端部及び装置奥側端部にはそれぞれ側板30A,30Bが設けられており、壁部27Bで囲まれた空間内には第1の実施形態と同様に、第一クリーニングユニット28及び第二クリーニングユニット29が所定の位置に対して着脱自在に設けられている。
この構成によれば、第1の実施形態に比して部品点数を低減でき、装置のさらなる小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0033】
図10は、本発明の第3の実施形態に用いられるクリーニング装置としてのベルトクリーニング装置を示している。同図においてベルトクリーニング装置42は、上述したベルトクリーニング装置18と比較すると、禁止部材43を有する点においてのみ相違しており、他の構成は同一である。
禁止部材43は、各クリーニングユニット27,28,29の側板34にそれぞれ取り付けられており、下部に設けられ下方に向けて突出した凸部43aと、上部に設けられ一段低くなるように形成された凹部43bとを有している。各クリーニングユニット27,28,29がクリーニング装置本体30内の所定位置に収容されたとき、各クリーニングユニット27,28,29及び各禁止部材43は
図10(b)に示す状態となる。
図10(b)に示すように、上クリーニングユニットである第一クリーニングユニット28及び第二クリーニングユニット29に設けられた禁止部材43の凸部43aは、下クリーニングユニットであるプレクリーニングユニット27及び第一クリーニングユニット28に設けられた禁止部材43の凹部43bに対して覆い被さる態様となる。
【0034】
この構成より、クリーニング装置本体30内に各クリーニングユニット27,28,29が収容されている状態において、最上位に位置する第二クリーニングユニット29を引き出す場合には、
図10(b)に○印で示すように、引き出しが容易に行われる。しかし中段に位置する第一クリーニングユニット28を引き出そうとした場合には、
図10(b)に×印で示すように、第二クリーニングユニット29に設けられた禁止部材43の凸部43aが第一クリーニングユニット28に設けられた禁止部材43の凹部43bを覆っているため、第一クリーニングユニット28の引き出しが禁止される。
この構成により、上クリーニングユニットが収容された状態で下クリーニングユニットを引き出すことにより、上クリーニングユニットの支持部が喪失して上クリーニングユニットが落下することを確実に防止できる。また、禁止部材43として各クリーニングユニット27,28,29共通のものを使用でき、コストダウンを図ることができる。なお、禁止部材43には、ガイド部30a、ガイド部材27Aa,27Ab,28Aa,28Ab,29Aaを露出させるための切欠部43cが設けられている。
【0035】
図11は、本発明の第4の実施形態に用いられるクリーニング装置としてのベルトクリーニング装置を示している。同図においてベルトクリーニング装置44は、上述したベルトクリーニング装置18と比較すると、各クリーニングユニット27,28,29に代えて各クリーニングユニット27X,28X,29Xを用いる点、クリーニング装置本体30に代えて筐体としてのクリーニング装置本体30Xを用いるにおいてのみ相違しており、他の構成は同一である。
各クリーニングユニット27X,28X,29Xは、各クリーニングユニット27,28,29と比較すると、ガイド部材27Xa、第一ガイド部材であるガイド部材27Xb,28Xb,29Xb、第二ガイド部材である28Xa,29Xa、ガイド部30Xaの位置及び形状が異なる点を除いて同一である。ガイド部30Xa及びガイド部材27Xaは、
図11(a)に示すように、クリーニング装置本体30内の所定の位置にプレクリーニングユニット27Xが収容された際に、互いに嵌合可能に構成されている。ガイド部材27Xb及びガイド部材28Xaは、同様にクリーニング装置本体30内の所定の位置にプレクリーニングユニット27X及び第一クリーニングユニット28Xが収容された際に、互いに嵌合可能に構成されている。ガイド部材28Xb及びガイド部材29Xaは、同様にクリーニング装置本体30内の所定の位置に第一クリーニングユニット28X及び第二クリーニングユニット29Xが収容された際に、互いに嵌合可能に構成されている。
【0036】
この構成より、
図11(a)に示すように、クリーニング装置本体30X内の所定の位置に各クリーニングユニット27X,28X,29Xが収容される場合には、ガイド部30Xaとガイド部材27Xa、各ガイド部材27Xb,28Xa、各ガイド部材28Xb,29Xaが互いに嵌合する。これにより、クリーニング装置本体30Xに対する各クリーニングユニット27X,28X,29Xの収容が各ガイド部材の案内によって容易に行われる。
これに対して、
図11(b)に示すように、クリーニング装置本体30X内の所定の位置に各クリーニングユニット27X,28X,29Xが収容されない場合には、各ガイド部材(本実施形態ではガイド部材27Xb及びガイド部材29Xa、ガイド部材29Xb及びガイド部材28Xa)が嵌合せず、クリーニング装置本体30X内への各クリーニングユニット27X,28X,29Xの収容が禁止される。
この構成により、例えば各クリーニングブラシローラや回収ローラ等の材質及び印加電圧の組み合わせが異なる場合等に、各クリーニングユニットの装着位置の誤装着を確実に防止でき、装置の誤作動や作動不良の発生を防止できる。
【0037】
上述した各実施形態では、筐体内に収容されるクリーニングユニットが三個の場合を説明したが、筐体内に収容されるクリーニングユニットは二個以上であれば何個でもよい。
また、上記各実施形態ではプレクリーニングユニット27,27Xを用いた例を示したが、プレクリーニングユニットに代えて中間転写ベルト9上のトナーを非静電的にずらすトナーずらし手段や第一または第二クリーニングユニットと同様のクリーニングユニットを用いる構成を採用してもよい。
また、上記各実施形態では像担持体として中間転写ベルトを示したが、本発明が適用可能な像担持体はこれに限られず、表面にトナーが付着する無端状の部材であれば他の部材であってもよい。
【0038】
本発明の態様は、例えば以下の通りである。
[1]トナー像を担持する無端状の像担持体の表面に付着した残留トナーを除去するクリーニング装置であって、前記像担持体をクリーニングする複数のクリーニングユニットと、前記各クリーニングユニットを上下方向に積層して収容する筐体と、を有し、前記各クリーニングユニットは前記筐体に対して一方側から他方側に向けて収容可能であり、前記各クリーニングユニットのうち、前記筐体の下方に収容される下クリーニングユニットは、該下クリーニングユニットの直上方に収容される上クリーニングユニットの前記筐体への収容を案内する第一ガイド部材を有し、前記上クリーニングユニットは前記第一ガイド部材に係合する第二ガイド部材を有するクリーニング装置である。
[2]前記下クリーニングユニットのうち前記筐体の最下部に収容される最下部クリーニングユニットが前記筐体と一体であることを特徴とする[1]に記載のクリーニング装置である。
[3]前記各クリーニングユニットは前記筐体に対してそれぞれ着脱自在であり、前記筐体は前記下クリーニングユニットのうち該筐体の最下部に収容される最下部クリーニングユニットの該筐体への収容を案内するガイド部を有することを特徴とする[1]に記載のクリーニング装置である。
[4]前記各クリーニングユニットは前記筐体に対する位置決めを行う位置決め部を前記一方側及び前記他方側にそれぞれ有し、前記各クリーニングユニットは前記筐体に対して位置決めされた状態で互いに接触しないことを特徴とする[1]ないし[3]の何れか一つに記載のクリーニング装置である。
[5]前記上クリーニングユニット及び前記下クリーニングユニットが前記筐体にそれぞれ収容された状態で、前記筐体からの前記下クリーニングユニットのみの取り外しを禁止する禁止部材を有することを特徴とする[1]ないし[4]の何れか一つに記載のクリーニング装置である。
[6]前記第一ガイド部材及び前記第二ガイド部材は、前記下クリーニングユニット及び前記上クリーニングユニットが前記筐体に対して所定の状態で収容される場合に、互いに係合することを特徴とする[1]ないし[5]の何れか一つに記載のクリーニング装置である。
[7][1]ないし[6]の何れか一つに記載のクリーニング装置を有することを特徴とする画像形成装置である。
【0039】
上記実施形態では、本発明が適用可能な画像形成装置としてプリンタ1を用いた例を示したが、本発明が適用可能な画像形成装置としてはこれに限られず、複写装置、ファクシミリ、複合機等にも本発明は適用可能である。また上記実施形態では、画像が形成される被記録媒体として転写シートSを用いる構成を示したが、この転写シートSとは記録紙には限定されず、厚紙、ハガキ、ロール紙、封筒、普通紙、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート、OHPフィルム、樹脂フィルム等も含まれ、シート状であり画像形成可能な物質であればどのようなものを用いてもよい。
【0040】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0041】
1 画像形成装置(プリンタ)
9 像担持体(中間転写ベルト)
18,41,42,44 クリーニング装置(ベルトクリーニング装置)
27,27X クリーニングユニット(プレクリーニングユニット)
28,28X クリーニングユニット(第一クリーニングユニット)
29,29X クリーニングユニット(第二クリーニングユニット)
27Ab,27Xb,28Ab,28Xb,29Ab,29Xb 第一ガイド部材(ガイド部材)
28Aa,28Xa,29Aa,29Xa 第二ガイド部材(ガイド部材)
30,30X 筐体(クリーニング装置本体)
30a,30Xa ガイド部
32,33 位置決め部(突出ピン)
35,36 位置決め部(位置決め穴)
37,38 位置決め部(位置決めピン)
39,40 位置決め部(嵌合穴)
43 禁止部材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0042】
【特許文献1】特許第5464487号公報
【特許文献2】特許第6465396号公報
【特許文献3】特許第6473967号公報
【特許文献4】特開2015-230432号公報