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  • 特開-半導体ウェーハの評価方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015901
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】半導体ウェーハの評価方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20240130BHJP
【FI】
H01L21/66 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118279
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】302006854
【氏名又は名称】株式会社SUMCO
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100165696
【弁理士】
【氏名又は名称】川原 敬祐
(74)【代理人】
【識別番号】100164448
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 雄輔
(72)【発明者】
【氏名】中林 賢太郎
【テーマコード(参考)】
4M106
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106BA08
4M106CA22
4M106CA48
4M106DJ20
4M106DJ27
(57)【要約】
【課題】本発明は、半導体ウェーハのうねりの形状の種類を客観的に評価することのできる、半導体ウェーハの評価方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の半導体ウェーハの評価方法は、前記半導体ウェーハの厚さ方向の形状を測定して形状データを得る、第1の工程と、前記形状データに基づいて、前記半導体ウェーハの半径方向における前記半導体ウェーハの厚さ方向の形状の変化を表す形状プロファイルを抽出することを一定の角度毎に繰り返し、複数の形状プロファイルを得る、第2の工程と、各前記形状プロファイルに基づいて各前記形状プロファイルの形状特徴パラメータを求める、第3の工程と、前記形状特徴パラメータの前記角度による変化に基づいて、前記半導体ウェーハの形状を評価する、第4の工程と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェーハの評価方法であって、
前記半導体ウェーハの厚さ方向の形状を測定して形状データを得る、第1の工程と、
前記形状データに基づいて、前記半導体ウェーハの半径方向における前記半導体ウェーハの厚さ方向の形状の変化を表す形状プロファイルを抽出することを一定の角度毎に繰り返し、複数の形状プロファイルを得る、第2の工程と、
各前記形状プロファイルに基づいて各前記形状プロファイルの形状特徴パラメータを求める、第3の工程と、
前記形状特徴パラメータの前記角度による変化に基づいて、前記半導体ウェーハの形状を評価する、第4の工程と、を含むことを特徴とする、半導体ウェーハの評価方法。
【請求項2】
前記形状特徴パラメータは、前記形状プロファイルを一次近似して得られる直線の傾きである、請求項1に記載の半導体ウェーハの評価方法。
【請求項3】
前記第4の工程において、前記半導体ウェーハの厚さ方向の形状の回転対称性が高くなるにつれて、前記形状特徴パラメータの前記角度によるばらつきが小さくなる関係に基づいて、前記半導体ウェーハの形状を評価する、請求項1又は2に記載の半導体ウェーハの評価方法。
【請求項4】
前記形状特徴パラメータの前記角度によるばらつきの指標として、前記形状特徴パラメータの全角度範囲における最大値と最小値との差を用いる、請求項3に記載の半導体ウェーハの評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハの評価方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハにはうねりが生じる場合がある。従来、このようなうねりが生じた場合には、うねり形状に合わせて研磨条件の調整などの対応を取っていた。
【0003】
従来、半導体ウェーハのうねりの大きさを評価する手法として、例えばWarp値を、バンドパスフィルタを通して用いること(例えば特許文献1)等が提案されている。ここで、半導体ウェーハの表面に発生するうねりの形状はいくつかの種類に分類することができ、うねりが発生した際の対応を検討する際にはうねりの大きさだけでなくうねりの種類も考慮する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開2014-010166号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、うねりの種類については、形状マップを人間が観察して判断していたが、このような手法では、うねりの発生に対して適切な対応をできるかどうかは作業者の熟練度に依存してしまう。
【0006】
そこで、本発明は、半導体ウェーハのうねりの形状の種類を客観的に評価することのできる、半導体ウェーハの評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の要旨構成は、以下の通りである。
(1)半導体ウェーハの評価方法であって、
前記半導体ウェーハの厚さ方向の形状を測定して形状データを得る、第1の工程と、
前記形状データに基づいて、前記半導体ウェーハの半径方向における前記半導体ウェーハの厚さ方向の形状の変化を表す形状プロファイルを抽出することを一定の角度毎に繰り返し、複数の形状プロファイルを得る、第2の工程と、
各前記形状プロファイルに基づいて各前記形状プロファイルの形状特徴パラメータを求める、第3の工程と、
前記形状特徴パラメータの前記角度による変化に基づいて、前記半導体ウェーハの形状を評価する、第4の工程と、を含むことを特徴とする、半導体ウェーハの評価方法。
【0008】
(2)前記形状特徴パラメータは、前記形状プロファイルを一次近似して得られる直線の傾きである、上記(1)に記載の半導体ウェーハの評価方法。
【0009】
(3)前記第4の工程において、前記半導体ウェーハの厚さ方向の形状の回転対称性が高くなるにつれて、前記形状特徴パラメータの前記角度によるばらつきが小さくなる関係に基づいて、前記半導体ウェーハの形状を評価する、上記(1)又は(2)に記載の半導体ウェーハの評価方法。
ここで、「回転対称性」とは、半導体ウェーハの中心を中心とし、半導体ウェーハの周方向を回転方向とするとき、回転角によって、上記半導体ウェーハの厚さ方向の形状が変わらない性質をいい、回転対称性が高いほど、回転角によって、上記半導体ウェーハの厚さ方向の形状の変化が小さいことを意味する。
【0010】
(4)前記形状特徴パラメータの前記角度によるばらつきの指標として、前記形状特徴パラメータの全角度範囲における最大値と最小値との差を用いる、上記(3)に記載の半導体ウェーハの評価方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、半導体ウェーハのうねりの形状の種類を客観的に評価することのできる、半導体ウェーハの評価方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態にかかる半導体ウェーハの評価方法を示すフローチャートである。
図2】一の角度における半導体ウェーハの形状プロファイルを示す図である。
図3A】形状特徴パラメータの例を示す図である。
図3B】形状特徴パラメータの例を示す図である。
図3C】形状特徴パラメータの例を示す図である。
図3D】形状特徴パラメータの例を示す図である。
図3E】形状特徴パラメータの例を示す図である。
図3F】形状特徴パラメータの例を示す図である。
図3G】形状特徴パラメータの例を示す図である。
図3H】形状特徴パラメータの例を示す図である。
図4】4点の角度における形状プロファイル及び傾きとレンジとの関係を説明するための図である。
図5】実施例の評価結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に例示説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態にかかる半導体ウェーハの評価方法を示すフローチャートである。図1に示すように、本実施形態では、まず、半導体ウェーハの厚さ方向の形状を測定して形状データを得る(第1の工程:ステップS101)。
【0015】
ここで、半導体ウェーハの厚さ方向の形状データは、例えば半導体ウェーハの厚さを、半導体ウェーハの全面にわたって均一に分布した測定点で測定することで得られる、半導体ウェーハの形状を表すデータである。より具体的には、形状データは、半導体ウェーハの半径方向に所定の間隔且つ周方向に所定の間隔で設定した各点における厚さを測定して得ることができる。一例としては、半導体ウェーハの半径方向に1mm毎の等間隔且つ半導体ウェーハの周方向に1°毎の等間隔に設定した各点における厚さを測定することができる。例えば、径300mmのウェーハの例では、(ウェーハ中心と外周縁を除く)1mm~149mmの1mm毎の149点に、0°~359°までの1°毎の360点を乗じて、ウェーハの中心の厚さの1点を足すと、149×360+1=53641点の半導体ウェーハの厚さのデータからなる形状データを得る。なお、各点の測定の順序は、特に限定されない。
【0016】
半導体ウェーハの厚さは、任意の既知の測定器を用いて測定することができる。一例としては、赤外線式の測定器や分光干渉式の測定器を用いることができる。
【0017】
次いで、本実施形態では、形状データに基づいて、半導体ウェーハの半径方向における半導体ウェーハの厚さ方向の形状の変化を表す形状プロファイルを抽出することを一定の角度毎に繰り返し、複数の形状プロファイルを得る(第2の工程:ステップS102)。
【0018】
図2は、一の角度における半導体ウェーハの形状プロファイルを示す図である。図2は、径300mmの例であり、半導体ウェーハの半径方向に1mm毎の等間隔で厚さ方向の形状を測定した例を示している。このような形状プロファイルを、一定の角度毎(例えば1°毎の等間隔)に繰り返し得て、複数(例えば360個)の形状プロファイルを得る。
【0019】
次いで、本実施形態では、各形状プロファイルに基づいて各形状プロファイルの形状特徴パラメータを求める(第3の工程:ステップS103)。ここでいう、「形状特徴パラメータ」とは、後述の第4の工程で詳細に説明するように、当該形状特徴パラメータの上記角度による変化に基づいて半導体ウェーハの形状を評価することが可能であるようなパラメータをいう。図2に示す例では、形状特徴パラメータは、形状プロファイルを一次近似して得られる直線の傾きである。さらに具体的には、このような傾きは、例えば、形状プロファイル(全体)を最小二乗法により直線近似した際の傾き(図3A)、あるいは、半導体ウェーハ中心における厚さの値と半導体ウェーハ外周縁における厚さの値とを結んだ直線の傾き(図3B)とすることができる。あるいは、最大傾きと最小傾きとの中間の傾きとすることもできる(図3C)。
【0020】
形状特徴パラメータは、上記のような傾きには限定されず、他にも例えば、形状プロファイルを円弧で近似した際(例えば誤差の指標として決定係数Rが所定値以下となる範囲で近似した際)の曲率半径(図3D)、弧の高さ(半導体ウェーハ中心における厚さの値と半導体ウェーハ外周縁における厚さの値とを結んだ直線から形状プロファイルにおろした垂線の足の長さが最大となる箇所の当該足の長さ)(図3E)、半導体ウェーハ中心における厚さの値と半導体ウェーハ外周縁における厚さの値とを結んだ直線と形状プロファイルとで囲まれる面積(図3F)、形状プロファイルのペリフェリ長さ(図3G)、弧の高さ(高さが最大となる箇所の高さ)の位置までの(中心からの)半径方向距離(図3H)等、様々なものが候補となり得る。
【0021】
次いで、本実施形態では、形状特徴パラメータの角度による変化に基づいて、半導体ウェーハの形状を評価する(第4の工程:ステップS104)。より具体的には、この第4の工程では、半導体ウェーハの厚さ方向の形状の回転対称性が高くなるにつれて、形状特徴パラメータの上記角度によるばらつきが小さくなる関係に基づいて、半導体ウェーハの形状を評価する。
【0022】
一例としては、形状特徴パラメータの角度によるばらつきの指標として、形状特徴パラメータ(本実施形態では傾き)の全角度範囲における最大値と最小値との差(以下、レンジと称する)を用いることができる。図4に4点の角度での例示すように、各角度での傾きからレンジを求めることができる(図4の場合は、角度0°で最大値0.42、角度270°で最小値-0.33であるため、レンジ=0.42-(-0.33)=0.75である)。なお、このとき、ノイズを除去するために各角度において移動平均化を行うことが好ましい。ばらつきの指標は、様々なものとすることができ、最大値の90%と、最小値の110%との差としても良いし、標準偏差としても良く、あるいは、全角度範囲における上に凸の形状と下に凸の形状との変化回数とすることもできる。
【0023】
これにより、上記レンジが大きいほど、半導体ウェーハの厚さ方向の形状の回転対称性が低いものとして、半導体ウェーハのうねりの種類を分類し、半導体ウェーハの形状を評価することができる。このような評価は、上記レンジの値を連続的な指数に換算して、連続的な値として評価することもできるし、あるいは、複数の閾値を設けて多段階にクラス分けすることもできるし、1つの閾値を設けて合否のように判定を行うこともできる。第2~第4の工程は、例えばコンピュータのプロセッサにより実行することができる。
【0024】
本実施形態の半導体ウェーハの評価方法によれば、第1の工程で行われるのは測定であり、第2の工程で得られる複数の形状プロファイルは第1の工程で得られた形状データから一意に求めることができるものであり、第3の工程で得られる各角度における形状特徴パラメータ(本実施形態では傾き)も第2の工程で得られる複数の形状プロファイルから一意に求めることができるものであり、第4の工程で行われる評価も所定の指標を用いて一意に算出することができる(本実施形態ではレンジであり、レンジは一意に求めることができる)。
従って、本実施形態の半導体ウェーハの評価方法によれば、作業者の熟練度等の主観的な要素が入り込むことなく、半導体ウェーハのうねりの形状の種類を客観的に評価することができる。
【0025】
半導体ウェーハの研磨装置は、保持孔が形成されたキャリアプレートと、研磨パッドが貼付された定盤とを備える。半導体ウェーハは、保持孔内に収容された状態で研磨パッドを押し付けられ、キャリアプレートと定盤とが相対回転することによって、研磨される。このとき、キャリアプレートと定盤とが相対回転するのに伴って、保持孔内に収容された半導体ウェーハ自体も保持孔内において回転する。これを半導体ウェーハの自転とする。半導体ウェーハが保持孔内において滑らかに自転するとき、すなわち半導体ウェーハの自転性がよい時、半導体ウェーハは全体がより均一に研磨されるため、うねりが発生しづらい。一方、半導体ウェーハの保持孔内における自転が滑らかでないとき、すなわち半導体ウェーハの自転性が悪い時、半導体ウェーハの研磨には偏りが発生し、結果としてうねりが発生しやすい。
半導体ウェーハの研磨加工中における半導体ウェーハの自転性について、例えば、研磨パッドの表面粗さが欠如して研磨パッドが半導体ウェーハを保持する力が弱い場合に、十分な自転ができなくなるものと考えられる。また、研磨パッドの形状自体が半導体ウェーハの自転を妨げている場合には、ウェーハはさらに自転しづらくなる。このようなことから、上記の評価結果として、レンジが第1の所定値以上且つ第2の所定値以下である場合(第2の所定値は、第1の所定値より大きい)、例えば、研磨パッドの表面粗さが欠如しているものとみなして長時間のドレッシングにより研磨パッドの表面の初期化を行う等の対策を採ることができる。また、レンジが第2の所定値超である場合には、例えば、自転が妨げられないような形状に形成可能なドレッシングを行い、研磨パッドの表面及び形状の初期化を行う等の対策を採ることができる。
【0026】
ここで、形状特徴パラメータは、形状プロファイルを一次近似して得られる直線の傾きであることが好ましい。傾きは簡易に算出することができ、また、うねりの種類を評価するのに適しているからである。
【0027】
また、第4の工程において、半導体ウェーハの厚さ方向の形状の回転対称性が高くなるにつれて、形状特徴パラメータの前記角度によるばらつきが小さくなる関係に基づいて、半導体ウェーハの形状を評価することが好ましい。このような関係を用いることで、半導体ウェーハのうねりの種類を適切に評価し得るからである。
【0028】
また、形状特徴パラメータの角度によるばらつきの指標として、形状特徴パラメータの全角度範囲における最大値と最小値との差を用いることが好ましい。簡易に求めることができ、且つ、精度の高い指標であるからである。
【0029】
以上、本実施形態について説明したが、本実施形態は上記の実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、以下のように機械学習を用いて半導体ウェーハの形状を評価してもよい。まず、コンピュータの機械学習部(第1のプロセッサ)による機械学習によって、予め、各角度での形状プロファイルの形状特徴パラメータを説明変数(入力)とし、半導体ウェーハのうねりの種類を目的変数(出力)とする人工知能モデルを作成する(機械学習に必要な十分な学習データを予め用意する)。そして、第4の工程では、機械学習部が、作成した人工知能モデルにおいて、第3の工程で得られた各角度での形状特徴パラメータが入力されると、半導体ウェーハのうねりの種類を出力し、半導体ウェーハの形状を評価する。なお、機械学習のアルゴリズムは、ニューラルネットワーク等の任意の既知のものを用いることができる。
【0030】
上記の場合において、形状特徴パラメータは、予め決めておいても良い(例えば、図3A図3Hに示したもの)し、あるいは、コンピュータが特徴量抽出部(第2のプロセッサ)を有し、例えば、図3A図3Hに示したような形状特徴パラメータを特徴量として抽出しても良い。すなわち、特徴量抽出部が形状プロファイルから特徴量を抽出し、第3の工程において、抽出した特徴量である形状特徴パラメータを求めても良い。特徴量の抽出は、ディープラーニング等の既知の技術を用いることができる。
【0031】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【実施例0032】
まず、既知の手法により、ウェーハのうねりの種類を形状プロファイルの回転対称性を基準として3段階のレベルに分け、各レベルで3枚ずつ、合計9枚の径300mmの半導体ウェーハを準備した。そして、これらの半導体ウェーハに対し、上記第1の工程から第4の工程を行った。第1の工程においては、半導体ウェーハの半径方向に1mm毎に等間隔且つ周方向に1°毎に等間隔の測定点を設定し、平坦度測定器を用いて、半導体ウェーハの厚さのデータを測定し、形状データを得た。形状特徴パラメータとしては、図3Aに示したように、形状プロファイル(全体)を最小二乗法により直線近似した際の傾きを用いた。形状特徴パラメータの角度によるばらつきの指標としては、形状特徴パラメータの全角度範囲における最大値と最小値との差(レンジ)を用いた。
図5は、評価結果を示す図である。
【0033】
図5に示すように、本手法によりレンジが0.3未満と算出された3枚の半導体ウェーハは、いずれも既知の手法により回転対称性が高いとされた半導体ウェーハであった。また、本手法によりレンジが0.3以上0.6以下と算出された3枚の半導体ウェーハは、いずれも既知の手法により回転対称性が中程度とされた半導体ウェーハであった。また、本手法によりレンジが0.6超と算出された3枚の半導体ウェーハは、いずれも既知の手法により回転対称性が低い(不均一)とされた半導体ウェーハであった。このように、本実施例における評価結果は、既知の手法と同様の結果を得ることができており、また、この評価に主観的要素が入り込まないことは既に説明したとおりである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図4
図5