(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159083
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】画像形成装置及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/393 20060101AFI20241031BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241031BHJP
B41J 29/46 20060101ALI20241031BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20241031BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241031BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B41J29/393 105
B41J29/38 301
B41J29/46 Z
B41J29/38 206
B41J29/00 H
G03G21/00 370
H04N1/00 127B
H04N1/00 567M
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074844
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 昭宏
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR03
2C061AS02
2C061CL04
2C061HJ04
2C061HK11
2C061HK19
2C061HN08
2C061HN18
2H270KA57
2H270KA59
2H270LA19
2H270LA70
2H270LB01
2H270LC17
2H270LC20
2H270LD03
2H270LD08
2H270LD14
2H270LD15
2H270MC61
2H270MC67
2H270MD01
2H270MD02
2H270MD17
2H270MH18
2H270PA34
2H270QB14
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA05
5C062AA35
5C062AB08
5C062AB32
5C062AB33
5C062AB35
5C062AB38
5C062AB42
5C062AB46
5C062AB53
5C062AC22
5C062AC38
5C062AC58
5C062AC65
(57)【要約】
【課題】媒体に形成された画像情報に応じて、条件に合致する媒体の破棄処理を自動的に実行する画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像が形成された画像形成後媒体の搬送先である複数の媒体搬送先のうち、一の媒体搬送先に当該画像形成後媒体を搬送する搬送手段と、画像形成後媒体に形成された画像情報を検出する画像検出手段と、画像形成後媒体を破棄する媒体破棄手段と、画像情報が破棄指定画像情報であるか否かを判定する破棄判定手段と、を備え、画像形成後媒体に対する媒体破棄指示に応じて、搬送手段が、一の媒体搬送先から当該画像形成後媒体を画像検出手段に搬送し、破棄判定手段において、画像情報が破棄指定画像情報に一致すると判定されたとき、前記搬送手段が、当該画像形成後媒体を他の媒体搬送先の一つとしての媒体破棄手段に搬送する、画像形成装置による。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が形成された画像形成後媒体の搬送先である複数の媒体搬送先のうち、一の媒体搬送先に当該画像形成後媒体を搬送する搬送手段と、
前記画像形成後媒体に形成された画像情報を検出する画像検出手段と、
前記画像形成後媒体を破棄する媒体破棄手段と、
前記画像情報が破棄指定画像情報であるか否かを判定する破棄判定手段と、
を備え、
前記画像形成後媒体に対する媒体破棄指示に応じて、前記搬送手段が、前記一の媒体搬送先から当該画像形成後媒体を前記画像検出手段に搬送し、前記破棄判定手段において、前記画像情報が前記破棄指定画像情報に一致すると判定されたとき、前記搬送手段が、当該画像形成後媒体を他の媒体搬送先の一つとしての前記媒体破棄手段に搬送する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
外部から通知された前記媒体破棄指示に応じて、前記搬送手段が前記一の媒体搬送先から当該画像形成後媒体を前記画像検出手段に搬送する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成後媒体が前記一の媒体搬送先に搬送された後の経過時間を計測する経過時間計測手段を更に備え、
前記経過時間が閾値時間を経過したことを前記媒体破棄指示として、前記搬送手段が前記一の媒体搬送先から当該画像形成後媒体を前記画像検出手段に搬送する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記一の媒体搬送先に搬送された前記画像形成後媒体の有無を検知する媒体検知手段を更に備え、
前記一の媒体搬送先において前記画像形成後媒体が検知されないとき前記経過時間を初期値に戻す、
請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記媒体破棄指示に応じて、前記搬送手段は前記一の媒体搬送先から複数の前記画像形成後媒体を前記画像検出手段に搬送し、
前記破棄判定手段において、前記画像情報が前記破棄指定画像情報に一致しないと判定された前記画像形成後媒体を、他の媒体搬送先の一つとしての媒体保管位置に搬送する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記媒体破棄指示に応じて前記画像形成後媒体の破棄をしたとき、破棄完了情報を外部に報知する報知手段を更に備える、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記媒体破棄指示に応じて、前記一の媒体搬送先から前記画像検出手段に搬送された当該画像形成後媒体において、前記画像情報が前記破棄指定画像情報に一致するものがないと判定されたとき、前記報知手段を介して破棄該当媒体が無いことを知らせるための前記破棄完了情報を報知する、
請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記媒体破棄手段において破棄された画像形成後媒体に形成されていた画像を記憶する画像記憶手段を更に備え、
前記媒体破棄指示の指示元からの再画像形成指示に応じて、前記画像記憶手段に記憶された画像を再度、媒体に形成する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
通信ネットワークを介して接続された情報処理装置と、画像形成装置と、から構成される画像形成システムであって、
前記情報処理装置から前記媒体破棄指示が通知されたとき、当該媒体破棄指示に応じて画像形成後媒体の破棄処理を実行する、請求項1に記載された画像形成装置を備える、
ことを特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成指示に基づいて、シート状の媒体に画像を形成する画像形成装置が知られている。また、画像形成装置と、利用者の操作により画像形成指示を生成する情報処理装置を通信可能に接続し、情報処理装置から送信された画像形成指示に基づいて画像形成装置が画像形成処理を実行する画像形成システムも知られている。
【0003】
画像形成システムを利用する利用者が操作する情報処理装置と、画像形成装置とは遠隔に設置されていることがある。この場合、情報処理装置において画像形成指示を実行した後に、利用者(画像形成指示者)が画像形成装置に出向いて画像形成後の媒体(印刷物)を回収するまで、当該印刷物は排出先に放置される状態になる。
【0004】
印刷物の放置状態が継続すると、印刷物に表されている情報が意図しない他人に感得されて情報漏洩の要因となる可能性もあり、情報セキュリティ上のリスク回避の観点から好ましくない状況となる。
【0005】
このような状況を回避する技術として、印刷物の所定箇所に貼り付けた非接触タグに時間情報を記録し、非接触タグの日時情報を読み取ることで、排出(印刷完了)から所定時間が経過している印刷物を自動で破棄する技術が知られている(特許文献1を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されている技術は、印刷物が排出されてからの時間情報のみを指標として破棄対象を判別するので、印刷物に表されている情報(印刷内容)によらず一律での自動破棄のみに対応する。したがって従来技術では、印刷内容など、印刷物特有の事情に考慮して破棄処理の実行時期を調整できないので、回収までの時間の猶予を短くするべき印刷物と、多少の猶予を許容可能な印刷物を区別して、自動廃棄の実行タイミングを制御することができない。すなわち、従来技術では、情報セキュリティ上のリスク回避をしつつ利用者の利便性の向上を図るには課題がある。
【0007】
本発明は、媒体に形成された画像情報に応じて、条件に合致する媒体の破棄処理を自動的に実行する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、画像形成装置に関し、画像が形成された画像形成後媒体の搬送先である複数の媒体搬送先のうち、一の媒体搬送先に当該画像形成後媒体を搬送する搬送手段と、前記画像形成後媒体に形成された画像情報を検出する画像検出手段と、前記画像形成後媒体を破棄する媒体破棄手段と、前記画像情報が破棄指定画像情報であるか否かを判定する破棄判定手段と、を備え、前記画像形成後媒体に対する媒体破棄指示に応じて、前記搬送手段が、前記一の媒体搬送先から当該画像形成後媒体を前記画像検出手段に搬送し、前記破棄判定手段において、前記画像情報が前記破棄指定画像情報に一致すると判定されたとき、前記搬送手段が、当該画像形成後媒体を他の媒体搬送先の一つとしての前記媒体破棄手段に搬送する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、媒体に形成された画像情報に応じて、条件に合致する媒体の破棄処理を自動的に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る画像形成装置の実施形態としてのMFPの全体構成の例を示す図。
【
図2】本発明に係る画像形成システムの実施形態を例示する構成図。
【
図4】上記MFPにて実行可能な媒体破棄処理での画像照合処理の例を説明する図。
【
図5】上記MFPにて実行可能な媒体破棄処理での画像照合処理の別例を説明する図。
【
図6】上記MFPにて実行可能な媒体破棄開始判定処理の流れを説明するフローチャート。
【
図7】上記MFPにて実行可能な媒体破棄処理の流れを説明するフローチャート。
【
図8】本発明に係る画像形成装置の実施形態としてのMFPの全体構成の別例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る画像形成装置及び画像形成システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、画像形成装置の構成に関し説明する。
【0012】
[画像形成装置のハードウェア構成]
図1は、画像形成装置の実施形態の一例としてのMFP100のハードウェア構成図である。MFP100は、例えば電子写真方式の画像形成装置であって、感光体1の周囲に、帯電装置101、現像装置103、転写装置104、クリーニング装置105を備えている。また、感光体1の上方には書き込みユニット106を備える。
【0013】
なお、本実施形態に係るMFP100の画像形成方式は、電子写真方式に限定するものではなく、媒体に液体を吐出して画像形成をする、いわゆるインクジェット方式を適用することも可能である。
【0014】
MFP100が備える書き込みユニット106の上部には複写機能を実行するときに用いられる構成として、原稿109に表されている情報を光学的に読み取る原稿スキャン用の光学スキャナユニット107、及び自動原稿給送装置108が設置されている。複数の原稿109を連続的に読み取って複写動作を実行するときには、原稿109は矢印E方向に搬送されて排出される。
【0015】
シート状の媒体としての用紙に画像を形成する印刷機能を実行するときには、給紙ユニット110から用紙を送り出して、複数の搬送ローラ対によって感光体1の下側へと搬送する。感光体1は帯電装置101によって表面を一様に帯電され、その表面に書き込みユニット106から露光を行い、静電潜像が感光体1上に形成される。
【0016】
現像装置103は、感光体1の表面に形成された静電潜像をトナーによって可視像化する。この可視像は、感光体1の下側に配置された転写装置104との間に搬送した用紙に対し転写される。
【0017】
転写装置104は、本実施形態ではバイアスローラ転写方式を採用したものを例示しているので、電圧をかけてその静電力によって、感光体1と転写装置104の間に搬送された用紙に可視像化されたトナー像の転写を行う。可視像を転写後の用紙は定着装置102へ搬送され、トナー像を定着してから印刷物として排出トレイ111へと排出される。他方、画像転写後に感光体1上に残留する未転写トナーは、クリーニング装置105内で掻き落とされ、次の帯電に備える。
【0018】
MFP100は、後述する通信ネットワーク500に接続するための通信I/F120を備え、オフィス等で用いられるローカルネットワークに接続されるネットワークプリンタとして適用可能である。例えば、
図2に例示するように、ローカルネットワークと含む通信ネットワーク500に、複数のMFP100を接続して設置し、遠隔地にある操作用端末200も通信ネットワーク500に接続させて、画像形成システム1000を構成することもできる。
【0019】
情報処理装置としての操作用端末200には、通信部201と指示部202と、を少なくとも備えており、利用者が操作用端末200を利用者が操作することで、画像形成指示情報や媒体破棄指示情報を生成して、通信部201を介してMFP100に送信することができる。
【0020】
画像形成指示情報や媒体破棄指示情報を受信したMFP100は、後述する所定の処理を実行する。
【0021】
なお、画像形成システム1000において、画像形成指示情報や媒体破棄指示情報は、通信ネットワーク500に接続されるサーバ300を介してMFP100に送信されてもよい。以下の説明では、サーバ300を介することなく、操作用端末200とMFP100との間の相互通信による動作を例示する。
【0022】
[第一実施形態]
図1に戻る。MFP100において、画像形成後媒体としての印刷物は、図中の矢印F方向に搬送される。すなわち、複数の媒体搬送先における一の媒体搬送先としての排出トレイ111へと搬送されて、排出トレイ111上に排出される。印刷物の作製指示者(利用者)は、排出トレイ111から印刷物を取り出すことで、必要な印刷物を得ることができる。
【0023】
利用者の所在とMFP100の設置位置が遠隔の場合、印刷指示を行った後に即時的にMFP100の設置位置に利用者が移動して排出トレイ111から印刷物の回収しなければ、その間、印刷物が放置される状況になる。そこで、MFP100は、当該状況に至った場合に利用者からの任意の媒体破棄指示情報を受けたとき、又はMFP100において所定条件に基づき、自発的な媒体破棄指示情報を生成したとき、これらに応じて該当する印刷物を自動で破棄する処理(媒体破棄処理)を実行する機能を備える。
【0024】
媒体破棄指示情報を受けたMFP100は、排出トレイ111上に排紙されている印刷物を、上下動可能な再給紙コロ115で挟持し、再給紙コロ115を回転させることで、MFP100の内部へと搬送する。このときの搬送方向は、
図1中の矢印G方向であって、通常の排出時の搬送方向の逆方向となる。この逆方向の搬送を、以下「再給紙」と表記する。MFP100は、再給紙コロ115、排出トレイ111上にある複数の印刷物を一枚ずつ再給紙するために、媒体の供給において一般的に用いられているフリクションパッド方式等を採用する。
【0025】
再給紙された印刷物は、搬送路の上下に構成された画像検出手段としての画像読取センサ117によって、印刷物の両面の画像情報としての印刷画像(トナー像)が読み取られる。なお、画像読取センサ117は、一度の通紙で印刷物の両面の画像情報を読み取り可能なものであって、表面用と裏面用の複数個が配置されたものである。画像読取センサ117としては、一般的に用いられるCIS(密着光学方式センサ)等を適用可能であって、通過する原稿(印刷物)に当てた光源(発光ダイオード)の光が反射した結果を読み取り、画像データへ変換する。
【0026】
また、排出トレイ111上には、媒体の有無を検知する媒体検知手段としての用紙検知センサ119が設置されている。用紙検知センサ119としては、一般的に用紙の有無検知に使用される反射型の光電センサを採用することができる。なお、用紙検知センサ119には、反射型の光電センサを限定することはなく、透過型の光電センサを採用することもできる。又は、排出トレイ111上に設けたフィラーの倒れ状態をセンサで読み取って用紙の有無を検知する構成を採用してもよい。
【0027】
MFP100は、印刷物に形成されている画像を読み取った結果としての画像情報と、媒体破棄指示の対象として指定された破棄指定画像情報の照合を行い、画像情報が破棄指定画像情報に一致するか否かを判定する機能を備える。そして、照合した画像情報が破棄指定画像情報に一致しない場合は、その画像情報に係る印刷物を、第二分岐爪112bによって、他の媒体搬送先の一つであって媒体保管位置としての一時保管用トレイ118へと排紙コロ116を介して搬送し、排出することができる。
【0028】
また、照合した画像情報が破棄指定画像情報に一致した場合は、その画像情報に係る印刷物を、第一分岐爪112aによって、他の媒体搬送先の一つであって、媒体破棄手段としての用紙破棄装置114へと搬送することで、裁断破棄をすることができる。
【0029】
用紙破棄装置114は、ケース114aと、用紙を破棄するための回転刃で構成された用紙破棄ローラ113によって構成されている。用紙破棄ローラ113はクロスカット方式の裁断方式のものが一般的であるが、その他の裁断方法を採用してもよい。なお、裁断された用紙は用紙破棄装置114のケース114a内に収容保管される。
【0030】
[画像形成装置の機能構成]
次に、上記機能を備えるMFP100の機能構成について
図3を用いて説明する。
図3は、MFP100が備える制御部10の機能構成を例示している。
図3に示すように、MFP100の制御部10は、通信部11、画像情報蓄積部12、画像情報照合部13、経過時間計測部14、用紙有無判定部15、用紙搬送制御部16、用紙破棄処理部17、を有する。これら各機能部は、演算処理機能を備える制御部10のハードウェア資源において所定の制御プログラムが実行されることで実現されるものの一例である。
【0031】
通信部11は、通信I/F120を介して、画像形成指示情報(印刷信号)や媒体破棄指示情報を操作用端末200又はサーバ300から受信する通信処理を実行する。通信部11が、画像形成指示情報を受信したときは、当該画像形成指示情報に含まれる画像情報を画像情報蓄積部12に記録する。
【0032】
通信部11が画像形成指示情報を受信したときは、周知の画像形成処理(印刷処理)を実行する。MFP100において実行される画像形成処理は、すでに説明したとおり、周知の電子写真方式に相当するものであるから、詳細な説明を省略する。なお、通信部11において画像形成指示を受信したときは、当該画像形成指示に対応する印刷物が排出トレイ111に排出されてからの経過時間の計測を開始するように、経過時間計測部14に通知する。また、通信部11が媒体破棄指示情報を受信したときは、画像情報照合部13にその旨を通知する。
【0033】
画像記憶手段としての画像情報蓄積部12は、用紙に印刷された画像情報や、画像読取センサ117が読み取った画像情報を、MFP100が備える記憶領域に記録する。破棄判定手段としての画像情報照合部13は、通信部11から通知された媒体破棄指示情報に応じて、画像情報蓄積部12に蓄積された画像情報の照合処理を実行する。また、画像情報照合部13は、経過時間計測部14から通知された媒体破棄指示情報によっても、画像情報蓄積部12に蓄積された画像情報の照合処理を実行する。
【0034】
経過時間計測部14は、経過時間計測手段であって、印刷物の印刷終了後の経過時間を、排出トレイ111上に当該印刷物が放置されている時間に見立てて計測をする。なお、「印刷物の印刷終了後の経過時間」とは、一の印刷物に対応する画像形成指示を通信部11が受信した時を始期とする経過時間や、当該印刷物が排出トレイ111に排出された時を用紙検知センサ119の検知に基づいて判定をして始期とした経過時間に相当するものである。MFP100では、他にも、「印刷物の印刷終了後の経過時間」として、画像読取センサ117から排出トレイ111側に通過した時を始期として採用してもよい。
【0035】
また、経過時間計測部14は、排出トレイ111に排出された印刷物のうち、経過時間が所定の閾値時間を経過した印刷物が生じたときには、画像情報照合部13に対して、媒体破棄指示情報として通知する。ここで媒体破棄指示情報には、経過時間が過ぎた印刷物を特定する情報も含むものに相当する。
【0036】
用紙有無判定部15は、用紙検知センサ119からの信号に基づいて排出トレイ111上の用紙有無を判定する。排出トレイ111において用紙が無いと判定されたときは、その旨を経過時間計測部14に通知する。この通知を受けた経過時間計測部14は、経過時間の計測を停止し、計測していた経過時間を初期値に戻す。
【0037】
用紙搬送制御部16は、画像形成指示に基づく印刷処理を実行するとき、又は媒体破棄指示に応じて再給紙を行うときに、搬送手段としての排紙コロ116,再給紙コロ115、第一分岐爪112a、第二分岐爪112bの動作を制御して、用紙を所定の方向へと搬送する。
【0038】
用紙破棄処理部17は、媒体破棄指示情報に応じて照合された印刷物が破棄指定画像情報を含むものであるとき、用紙破棄ローラ113を動作させて、該当する印刷物に対する媒体破棄処理を実行する。
【0039】
上記の機能を備えるMFP100によれば、排出トレイ111に排出された画像形成後媒体としての印刷物に対して、通信部11を介して媒体破棄指示情報が画像情報照合部13に通知されたとき、用紙搬送制御部16によって、排出トレイ111にある印刷物をMFP100の内部へと搬送(再給紙)する。又は経過時間計測部14が媒体破棄指示情報を画像情報照合部13に発出したとき、用紙搬送制御部16によって、排出トレイ111にある印刷物をMFP100の内部へと搬送(再給紙)する。
【0040】
再給紙された印刷物に形成されている画像情報は、画像読取センサ117によって読み取られて画像情報蓄積部12に記録される。そして、媒体破棄指示にて指定されている破棄指定画像情報と、画像情報蓄積部に記録された画像情報との照合を、画像情報照合部13において実行する。そして照合結果として、印刷物から読み取った画像情報が破棄指定画像情報と一致した場合に、用紙破棄処理部17によって用紙破棄ローラ113を動作させて、用紙破棄装置114へ該当する印刷物を搬送し破棄処理を実行する。
【0041】
以上のMFP100によれば、印刷物に表された画像情報に応じて、破棄対象であるか否かを判定するので、排出後の経過時間のみで破棄処理を実行するものと比較すると、より柔軟な破棄処理を実行可能となる。その結果、情報セキュリティの観点から、適切な印刷物の管理を行うことができる。
【0042】
すなわち、操作者が遠隔の場所からMFP100へ印刷した印刷物を、すぐには取りに行けなくなった場合に情報セキュリティ上のリスク回避の観点から破棄するために、次の動作を用いて印刷物の自動破棄を実行する。これによって、情報セキュリティの確保をしつつ利用者の利便性を向上できる。
【0043】
まず操作者は、画像形成指示(印刷信号)を送った操作用端末200から、MFP100の通信部11へ媒体破棄指示情報としての印刷物破棄信号を送付する。通信部11で印刷物破棄信号を受信したMFP100は印刷した用紙上の画像情報を直接読み取り、その画像情報と画像情報蓄積部12の画像情報との照合を画像情報照合部13で行う。印刷破棄信号を受信した印刷物と合致した場合には自動で媒体破棄処理としての裁断処理を実行する。
【0044】
経過時間計測部14は、印刷物排出後の経過時間をカウントするタイマーであって、予め設定した所定の時間が経過した印刷物を、破棄対象として判定することができる。排出トレイ111上に複数の印刷物があるときは、これらをすべて再給紙して画像情報を読取り、所定の時間を経過している印刷物に形成されている画像を破棄指定画像情報として照合することで、排出トレイ111上に長時間放置されていた印刷物に対し、自動で媒体破棄処理を実行することができる。この場合、破棄指定画像情報に一致しなかった印刷物は、一時保管用トレイ118へと排出される。このように、MFP100は、所定の時間が経過した印刷物に対し、自動で媒体破棄処理を実行することができるように構成されている。
【0045】
用紙有無判定部15は、印刷物の排出先である排出トレイ111上の印刷物の有無を判定するものである。用紙有無判定部15によって、排出トレイ111上に印刷物がない場合は、媒体破棄処理の実行をしないように制御することができる。
【0046】
以上の例示したような主要構成部を有する事により、MFP100は、操作者が破棄したい印刷物を判別して自動で破棄処理を実行可能であり、確実に操作者が破棄したい印刷物のみを破棄することが可能となる。
【0047】
次に上記にて説明をした、本実施形態に係るMFP100の主要な動作である、印刷物に対する画像情報照合処理の概要について
図4を用いて説明する。
【0048】
図4(a)は、画像形成指示において用紙表面に形成された画像情報701の例である。この画像情報701は、画像情報蓄積部12に逐一保存される。この印刷出力時の画像情報701は通常の印刷動作で画像書き込み時に用いられる印刷画像の白部及び黒部の位置情報として保存される。なお、
図7中に示す矢印は、用紙の搬送方向を示している。
【0049】
印刷物を出力するための、MFP100内の書き込み処理は、例えば400dpiの解像度設定により実行されるものとする。しかし、画像情報蓄積部12に蓄積される画像情報701は、必ずしも、書き込み処理時の解像度と同様の精度を維持する必要はなく、例えば200dpi等に簡略化して白部、黒部の情報を画像情報701として保存してもよい。
【0050】
利用者が操作端末としての操作用端末200を用いて媒体破棄指示情報を通知したことにより、印刷物が再給紙されて、画像読取センサ117において読み取られて、画像情報蓄積部12に一時的に記録された画像情報が、
図4(b)に例示する照合画像情報702とする。
【0051】
画像情報照合部13は、当該媒体破棄指示に含まれている破棄指定画像情報としての画像情報701と照合画像情報702に基づいて、用紙搬送方向に対する画像ドットの位置情報について照合する。
【0052】
図4(a)及び
図4(b)では、印刷出力時の画像情報701と照合画像情報702の用紙搬送方向に対する画像ドットの位置情報について画像情報照合部13で照合を行った場合、図中の文字「A」、文字「B」、文字「C」の全ての画像ドットの位置情報が一致する。したがって、同一画像と判定する。
【0053】
これらが一致しているときは、当該印刷物は、破棄対象であるから、用紙搬送制御部16を介して第一分岐爪112aを回動させて、該当する印刷物を用紙破棄ローラ113へと搬送する。
【0054】
一方、
図5(a)に例示する画像情報701と、
図5(b)に例示する照合画像情報702を用いて画像情報照合部13が照合処理を実行した場合を説明する。この場合では、印刷出力時の画像情報701と照合画像情報702の用紙搬送方向に対する画像ドットの位置情報について、図中の文字「A」、文字「B」の画像ドットの位置情報が一致する。しかし、文字「C」の画像ドットの位置情報と文字「D」の画像ドットの位置情報は一致しない。したがって、画像ドットの位置情報の全ては一致しないので、画像が一致しないと判定する。
【0055】
この場合は、当該印刷物は、破棄対象ではないから、用紙搬送制御部16を介して第二分岐爪112bを回動させて、該当する印刷物を一時保管用トレイ118へと搬送して排出する。
【0056】
実際の印刷物の読み取り画像には異物やトナーによる汚れが発生する場合があるため、白部と黒部の画像位置の情報の一致精度は例えば90%一致した場合は、画像一致ととして判定する等、一致率を設定して判定基準とすればよい。
【0057】
[第二実施形態]
次に、MFP100における媒体破棄処理の第二実施形態について説明する。MFP100において、排出トレイ111に排出されている印刷物の中から、特定の印刷物に対する媒体破棄指示を受け取った場合、複数の印刷物を再給紙して、画像読取センサ117によって画像読取処理を実行する。この場合、破棄指定画像情報に合致しない画像情報に係る印刷物については、第二分岐爪112bを回動させて、一時保管用トレイ118へと搬送して排出する。
【0058】
ここで、一時保管用トレイ118は、
図1に例示したように、MFP100の外部に設けるだけでなく、
図8に例示するように、MFP100の内部に設けてもよい。
【0059】
これによって、排出トレイ111上に多枚数の印刷物が放置されている場合においても、破棄対象の印刷物以外の印刷物を一時保管用トレイ118に退避できる。したがって、多数枚の印刷物が放置されている場合でも破棄対象の印刷物をMFP100が効率よく探索、破棄することが可能となる。
【0060】
また、一時保管用トレイ118にも、上下動可能な再給紙コロ115が配置されている。これを用いることで、媒体破棄指示情報を受け取り、媒体破棄処理を実行した後のMFP100において、一時保管用トレイ118から排出トレイ111へと印刷物を移動させることができる。
【0061】
このように破棄しない印刷物を排出する事ができる排紙トレイを構成した事によって破棄しない印刷物のMFP100内の動作を容易に行うことができる。
【0062】
なお、一時保管用トレイ118から排出トレイ111に印刷物を戻すときに、画像読取センサ117を通過する。したがって、新たな媒体破棄情報の通知を受けたときに、まずは、先の媒体破棄処理において一時保管用トレイ118に搬送された印刷物を排出トレイ111に戻しつつ、照合処理を実行し、破棄対象画像情報を含む印刷物があれば、それに対して媒体破棄処理を実行してもよい。
【0063】
また、排出トレイ111及び一時保管用トレイ118は、印刷物を再給紙する際に給紙位置の高さを調整するために、図に示した黒塗り矢印方向に上下動可能な構成としている。この高さは図示しない印刷物高さを検出する手段により、随時高さ調整される。
【0064】
このような構成、動作によって、利用者は、すぐに印刷物を取りに行くつもりで印刷してしまったが、印刷物を取りに行けなくなってしまった場合や、誤って離れた場所のMFP100に印刷してしまった場合でも、遠隔操作において破棄信号を受信した画像のみ確実に自動で破棄する事が可能となる。
【0065】
[第三実施形態]
すでに説明したとおり、MFP100は、遠隔地に設置されている操作用端末200からの媒体破棄指示情報を、通信ネットワーク500を介して受け取るように構成されている。この場合、操作用端末200の利用者は、媒体破棄処理の結果を直接視認することが困難である。
【0066】
そこで、MFP100は、媒体破棄指示情報を通知した操作用端末200に対して、当該媒体破棄指示情報に基づく媒体破棄処理結果を、通信ネットワーク500を介して返信する機能を備える。すなわち、用紙破棄処理部17において実行された媒体破棄処理が正常に終了したことを、報知手段としての通信部11を介して、対応する操作用端末200に送信する。
【0067】
媒体破棄処理結果の操作用端末200への送信は、予め操作用端末200への送信先として設定されている電子メールアドレスを用いて、電子メールを送信することで実現可能である。また、操作用端末200の指示部202に対して、所定の通知を送信することでも実現可能である。例えば、指示部202がプリンタドライバソフトに含まれる機能であれば、プリンタドライバソフトを介して発出された媒体破棄指示情報に対応する双方向通信として、プリンタドライバソフトに、処理結果を通知する。また、これとは異なる通信方式を採用してもよい。
【0068】
以上の動作により、利用者が指定した破棄対象印刷物が確実に破棄された事を、利用者が自ら操作をした操作用端末200上で知ることができる。
【0069】
[第四実施形態]
第三実施形態にて説明したとおり、MFP100は、遠隔地に設置されている操作用端末200からの媒体破棄指示情報を、通信ネットワーク500を介して受け取るように構成されている。この場合、排出トレイ111上の印刷物の中に、媒体破棄指示情報に該当する印刷物が存在しないことも想定される。
【0070】
その場合、操作用端末200の利用者は、媒体破棄処理の結果を直接視認することが困難である。そこで、媒体破棄処理の対象となる印刷物がなかったことを、MFP100は、媒体破棄指示情報を通知した操作用端末200に対して、通信ネットワーク500を介して返信する。すなわち、画像読取センサ117において読み取った画像情報の中に、破棄指定情報に該当する印刷物としての破棄該当媒体が無いことを、通信部11を介して、対応する操作用端末200に送信する。ここで送信される情報は破棄完了情報の一種に相当する。
【0071】
以上の動作により、操作用端末200の利用者は、破棄対象印刷物が見つからない事を操作用端末200上で知ることができる。
【0072】
[第五実施形態]
MFP100は、画像情報蓄積部12において、破棄指定画像情報を記録している。そこで、正常に媒体破棄処理が終了した後において、操作用端末200の利用者が破棄指定画像の再印刷を指定すれば、画像情報蓄積部12から該当画像情報を読み出して画像形成処理をすることができる。
【0073】
すなわち、本実施形態に係るMFP100によれば、媒体破棄指示情報を送出した指示元となる操作用端末200からの再画像形成指示に応じて、すでに一度、画像形成処理に付した画像に対する画像形成処理を再度行うことができる。
【0074】
この機能により、操作用端末200の利用者が、一度印刷物を出力してしまったが、すぐに取りに行けなくなってしまって、自動で媒体破棄処理が実行された後において、利用者が印刷物を回収しにいける状況になった際、簡易な方法で再度の印刷をすることができる。
【0075】
操作用端末200が備える指示部202は、再印刷信号を送信可能な構成とする。そして、再印刷信号を通信部11で受信したMFP100は、画像情報蓄積部12に一時保管していた画像情報を元に再度印刷する。印刷用ドライバーから直接再印刷指示が可能とすることによって、操作者が印刷物情報を再度立ち上げる必要がなく、簡易な方法で印刷可能とすることができる。
【0076】
[第六実施形態]
次に、MFP100において実行可能な媒体破棄開始判定処理及び媒体破棄処理の流れについて、
図6及び
図7のフローチャートを用いて説明する。本実施形態に係る媒体破棄開始判定処理は、経過時間計測部14において計測される経過時間が所定の時間に至ったときに、定期的に媒体破棄処理を実行することを判定する実施形態を構成する。
【0077】
まず、画像形成処理(印刷処理)が終了した時刻(印刷終了時刻)を記録する(S601)。経過時間計測部14は、画像形成処理ごとの印刷終了時刻を始期とする経過時間を計測することで、印刷物ごとの経過時間を計測する(S602)。
【0078】
続いて、閾値時間を超えた経過時間が存在するか否かを判定する(S603)。閾値時間を超えた経過時間が存在しなければ、すなわち、媒体破棄処理の対象となる印刷物が排出トレイ111上になければ(S603:N)、処理をS602に戻す。
【0079】
閾値時間を超えた経過時間が存在するとき(S603:Y)、再給紙コロ115を回転させて、排出トレイ111上の印刷物の再給紙を実行するにあたり、用紙検知センサ119の検知結果を判定する(S604)。ここで、排出トレイ111上に印刷物がなければ(S604:N)、経過時間の計測を全て初期値に戻す。そして、再度の画像形成処理が実行するまで媒体破棄開始判定処理は停止する。
【0080】
用紙検知センサ119の検知結果に基づいて、排出トレイ111上に印刷物があると判定されれば(S604:Y)、自動で媒体破棄処理が実行されている状態下であるか否かを確認する(S605)。媒体破棄処理が実行されているならば(S605:Y)、媒体破棄開始判定処理は終了する。
【0081】
媒体破棄処理の実行下でなければ(S605:N)、媒体破棄処理に移行する(S606)。媒体破棄処理に移行するとき、経過時間が閾値時間を超えた印刷物の画像形成指示を実行した操作用端末200に対して、自動で、媒体破棄処理を実行することを通知してもよい。
【0082】
また、時間経過による自動破棄前に、操作用端末200に対し、事前通知できる構成としても良い。
【0083】
図7は、媒体破棄処理の流れを例示するフローチャートである。まず、MFP100の動作モードを「用紙破棄動作モード」へ切り替える(S701)。用紙破棄動作モードにあるMFP100は、通常の画像形成処理の実行を一旦保留する。
【0084】
続いて、再給紙コロ115を回転させて、排出トレイ111上にある印刷物の再給紙を開始する(S702)。
【0085】
続いて、再給紙されてきた印刷物の画像情報を、画像読取センサ117によって読み取って、画像情報照合部13において照合処理を実行する(S703)。照合処理において、破棄指定画像情報に合致する画像情報であれば(S703:Y)、該当する印刷物を用紙破棄装置114へと搬送し(S704)、用紙破棄ローラ113を回転させて、印刷物の裁断破棄処理を実行する(S705)。その後、媒体破棄処理を終了する。
【0086】
照合処理において、破棄指定画像情報に合致する画像情報でなければ(S703:N)、該当する印刷物を一時保管用トレイ118へと搬送する(S706)。
【0087】
以上説明をした本実施形態に係るMFP100及び画像形成システム1000によれば、印刷後に排出された記録済用紙の記録面の画像情報を読み取り、読み取った画像情報と破棄対象とされた印刷物の印刷時の画像情報の照合をすることで記録済み用紙が破棄対象であるかどうかを判定できる。これによって、印刷内容に応じた破棄の判定が可能となり、印刷物に一律で破棄処理を実行することなく、内容に応じた柔軟な処理を実行できる。
【0088】
なお、本発明は、上記に例示する各実施形態に限定されるものではなく、その技術的要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【0089】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1>
画像が形成された画像形成後媒体の搬送先である複数の媒体搬送先のうち、一の媒体搬送先に当該画像形成後媒体を搬送する搬送手段と、
前記画像形成後媒体に形成された画像情報を検出する画像検出手段と、
前記画像形成後媒体を破棄する媒体破棄手段と、
前記画像情報が破棄指定画像情報であるか否かを判定する破棄判定手段と、
を備え、
前記画像形成後媒体に対する媒体破棄指示に応じて、前記搬送手段が、前記一の媒体搬送先から当該画像形成後媒体を前記画像検出手段に搬送し、前記破棄判定手段において、前記画像情報が前記破棄指定画像情報に一致すると判定されたとき、前記搬送手段が、当該画像形成後媒体を他の媒体搬送先の一つとしての前記媒体破棄手段に搬送する、
ことを特徴とする画像形成装置である。
<2>
外部から通知された前記媒体破棄指示に応じて、前記搬送手段が前記一の媒体搬送先から当該画像形成後媒体を前記画像検出手段に搬送する、
前記<1>に記載の画像形成装置である。
<3>
前記画像形成後媒体が前記一の媒体搬送先に搬送された後の経過時間を計測する経過時間計測手段を更に備え、
前記経過時間が閾値時間を経過したことを前記媒体破棄指示として、前記搬送手段が前記一の媒体搬送先から当該画像形成後媒体を前記画像検出手段に搬送する、
前記<1>に記載の画像形成装置である。
<4>
前記一の媒体搬送先に搬送された前記画像形成後媒体の有無を検知する媒体検知手段を更に備え、
前記一の媒体搬送先において前記画像形成後媒体が検知されないとき前記経過時間を初期値に戻す、
前記<3>に記載の画像形成装置である。
<5>
前記媒体破棄指示に応じて、前記一の媒体搬送先から複数の前記画像形成後媒体を前記画像検出手段に搬送し、
前記破棄判定手段において、前記画像情報が前記破棄指定画像情報に一致しないと判定された前記画像形成後媒体を、他の媒体搬送先の一つとしての媒体保管位置に搬送する、
前記<1>乃至前記<4>のいずれか一つに記載の画像形成装置である。
<6>
前記媒体破棄指示に応じて前記画像形成後媒体の破棄をしたとき、破棄完了情報を外部に報知する報知手段を更に備える、
前記<1>乃至前記<4>のいずれか一つに記載の画像形成装置である。
<7>
前記媒体破棄指示に応じて、前記一の媒体搬送先から前記画像検出手段に搬送された当該画像形成後媒体において、前記画像情報が前記破棄指定画像情報に一致するものがないと判定されたとき、前記報知手段を介して破棄該当媒体が無いことを知らせるための前記破棄完了情報を報知する、
前記<6>に記載の画像形成装置である。
<8>
前記媒体破棄手段において破棄された画像形成後媒体に形成されていた画像を記憶する画像記憶手段を更に備え、
前記媒体破棄指示の指示元からの再画像形成指示に応じて、前記画像記憶手段に記憶された画像を再度、媒体に形成する、
前記<1>乃至前記<7>のいずれか一つに記載の画像形成装置である。
<9>
通信ネットワークを介して接続された情報処理装置と、画像形成装置と、から構成される画像形成システムであって、
前記情報処理装置が生成した画像形成指示に基づいて、媒体に画像情報を形成し、当該情報処理装置から前記媒体破棄指示が通知されたとき、当該媒体破棄指示に応じて画像形成後媒体の破棄処理を実行する、前記<1>乃至前記<8>のいずれか一つに記載された画像形成装置を備える、
ことを特徴とする画像形成システムである。
【符号の説明】
【0090】
10 :制御部
11 :通信部
12 :画像情報蓄積部
13 :画像情報照合部
14 :経過時間計測部
15 :用紙有無判定部
16 :用紙搬送制御部
17 :用紙破棄処理部
100 :MFP
110 :給紙ユニット
111 :排出トレイ
112a :第一分岐爪
112b :第二分岐爪
113 :用紙破棄ローラ
114 :用紙破棄装置
115 :再給紙コロ
116 :排紙コロ
117 :画像読取センサ
118 :一時保管用トレイ
119 :用紙検知センサ
1000 :画像形成システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0091】