(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159157
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】吸収性物品、吸収性物品の収容体、及び、吸収性物品と香り見本のセット
(51)【国際特許分類】
A61F 13/15 20060101AFI20241031BHJP
A61F 13/514 20060101ALI20241031BHJP
A61F 13/84 20060101ALI20241031BHJP
B65D 85/07 20170101ALI20241031BHJP
B65D 77/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A61F13/15 143
A61F13/514 400
A61F13/514 120
A61F13/84
B65D85/07
B65D77/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074973
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】姉崎 真人
(72)【発明者】
【氏名】渡部 芳久
(72)【発明者】
【氏名】戸田 航平
【テーマコード(参考)】
3B200
3E067
3E068
【Fターム(参考)】
3B200BA07
3B200BB09
3B200BB25
3B200BB30
3B200DA11
3B200DA25
3B200DD02
3B200DD09
3B200DF07
3B200DF20
3E067AB83
3E067AC14
3E067BA12A
3E067BB15A
3E067CA24
3E067EA06
3E067EE02
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3E067FC01
3E067GD02
3E068AA40
3E068AB02
3E068AC07
3E068BB09
3E068CC22
3E068CE03
3E068DD30
3E068DD34
3E068DE13
3E068DE19
3E068EE17
3E068EE25
(57)【要約】
【課題】消費者が、購入前に、吸収性物品が備える虫の忌避機能を実感できる吸収性物品を提供すること。
【解決手段】香料を含む吸収性物品(1)であって、香料は、虫の忌避機能を発揮する成分を有しており、前記成分は、販売店に設置された香り見本SPに含まれる香料が有する成分と同じであることを特徴とする吸収性物品(1)である。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
香料を含む吸収性物品であって、
前記香料は、虫の忌避機能を発揮する成分を有しており、
前記成分は、販売店に設置された香り見本に含まれる香料が有する成分と同じである
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
請求項1に記載の吸収性物品であって、
前記吸収性物品には、前記吸収性物品の非肌側から視認可能な、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられており、
前記香り見本には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられている
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の吸収性物品であって、
前記香料は、最も非肌側に位置するシート部材の少なくとも一部に配置されている
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の吸収性物品であって、
前記成分は、少なくともアザジラクチン及びシトロネラールのうちいずれか一方を含む
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の吸収性物品であって、
前記成分は、メントール、α-テルピオネール、リナリルアセテート、ラバンジュロール、イソプレゴール、ベンジルアセテート、エチルリナロール、メンタン、カンフェン、テトラヒドロリナロール、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、オシメノール、テルピニルアセテート、イソボルニルアセテート、ギ酸ゲラニル、p-メンタン-3,8-ジオール、2-(tert-ブチル)シクロヘキシルアセテート、ジヒドロテルピニルアセテート、ムゴール、ミルセノール、ネロール、フェニルエチルアセテート、4-tert-ブチルシクロヘキシル アセテート、シトロネリルアセテート、ネリルアセテート、アニシルアセテート、ゲラニルアセテート、エチルリナリルアセテート、トリシクロデセニルアセテート、シンナミルアセテートのうち、少なくとも1つを含む
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項6】
液吸収性の吸収性コアと、
前記吸収性コアよりも非肌側に設けられた香料と
を有する吸収性物品であって、
前記吸収性物品の外部から視認可能な香料可視領域を有し、
前記香料が塗布された香料塗布領域と、前記香料可視領域とが、前記吸収性物品の厚さ方向に見て重なる部分を有する
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項7】
請求項6に記載の吸収性物品であって、
前記吸収性コアよりも非肌側に配置されたフィルムを有し、
前記香料は、前記フィルムよりも非肌側に配置され、
前記フィルムは、第1図柄部と第2図柄部とを有し、
前記第1図柄部は、前記香料を塗布することによって前記第2図柄部よりも滲んだ部位であり、
前記第1図柄部が、前記香料可視領域である
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項8】
収容部材を備え、請求項1又は2に記載の前記吸収性物品を前記収容部材内に複数収容した吸収性物品の収容体であって、
前記収容部材は、虫の忌避機能を有することを示す図柄を備え、
販売店に設置された香り見本には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられている
ことを特徴とする吸収性物品の収容体。
【請求項9】
請求項8に記載の吸収性物品の収容体であって、
前記収容部材の前記図柄は、前記香り見本の前記図柄と同一又は相似である
ことを特徴とする吸収性物品の収容体。
【請求項10】
請求項8に記載の吸収性物品の収容体であって、
前記収容部材の酸素透過度は、10cc/m2/day/atm以下である
ことを特徴とする吸収性物品の収容体。
【請求項11】
請求項8に記載の吸収性物品の収容体であって、
前記収容部材は、開封口を形成するための、列状に配置された複数の開孔を有していない
ことを特徴とする吸収性物品の収容体。
【請求項12】
香料を備え、前記香料が虫の忌避機能を発揮する成分を有する吸収性物品を、販売店に供給する工程と、
前記成分を有する香り見本を前記販売店に設置することを、当該販売店に対して示す工程と
を有する、吸収性物品の供給方法。
【請求項13】
請求項12に記載の吸収性物品の供給方法であって、
前記香り見本を供給する工程を含む
ことを特徴とする吸収性物品の供給方法。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の吸収性物品の供給方法であって、
前記香り見本に貼り付けるための、前記吸収性物品に関連したラベルを供給する工程を含む
ことを特徴とする吸収性物品の供給方法。
【請求項15】
請求項12又は13に記載の吸収性物品の供給方法であって、
前記香り見本は、液体に含まれる前記成分を空気中に拡散させて使用する見本である
ことを特徴とする吸収性物品の供給方法。
【請求項16】
請求項12又は13に記載の吸収性物品の供給方法であって、
前記香り見本は、吸収機能を有する保持体に前記成分を吸収させたものである
ことを特徴とする吸収性物品の供給方法。
【請求項17】
請求項12又は13に記載の吸収性物品の供給方法であって、
前記香り見本は、前記成分を内包するマイクロカプセル、或いは、前記成分を含有するゲル状組成物である
ことを特徴とする吸収性物品の供給方法。
【請求項18】
請求項12又は13に記載の吸収性物品の供給方法であって、
前記香り見本は、蓋付き容器に前記成分が収容されているものである
ことを特徴とする吸収性物品の供給方法。
【請求項19】
請求項12又は13に記載の吸収性物品の供給方法であって、
前記販売店は、通りに面して開放されている店舗である
ことを特徴とする吸収性物品の供給方法。
【請求項20】
請求項12又は13に記載の吸収性物品の供給方法であって、
匂いの強度は、前記吸収性物品よりも前記香り見本の方が強い
ことを特徴とする吸収性物品の供給方法。
【請求項21】
請求項12又は13に記載の吸収性物品の供給方法であって、
匂いの強度は、前記吸収性物品よりも前記香り見本の方が弱い
ことを特徴とする吸収性物品の供給方法。
【請求項22】
請求項12又は13に記載の吸収性物品の供給方法であって、
前記香料を備えず、且つ、前記吸収性物品と同一ブランド名が付された吸収性物品を、販売店に供給する工程を有し、
前記香料を備える前記吸収性物品を複数収容した収容部材には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられ、
前記香料を備えない前記吸収性物品を複数収容した収容部材には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられていない
ことを特徴とする吸収性物品の供給方法。
【請求項23】
香料を備え、前記香料が虫の忌避機能を発揮する成分を有する吸収性物品を、販売店にて陳列する工程と、
前記成分を有する香り見本を、前記販売店にて陳列する工程と
を有する、吸収性物品及び香り見本の陳列方法。
【請求項24】
請求項23に記載の吸収性物品及び香り見本の陳列方法であって、
視認可能でない前記成分を可視化した映像を前記販売店にて再生する工程を有する
ことを特徴とする吸収性物品及び香り見本の陳列方法。
【請求項25】
請求項23又は24に記載の吸収性物品及び香り見本の陳列方法であって、
他社の吸収性物品と同じ棚、或いは、上下に隣接する棚に前記吸収性物品を陳列する工程を有し、
前記香り見本を陳列する工程は、前記香り見本を、前記他社の前記吸収性物品よりも自社の前記吸収性物品の近くに配置することを含む
ことを特徴とする吸収性物品及び香り見本の陳列方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品、吸収性物品の収容体、吸収性物品及び香り見本の供給方法、及び、吸収性物品及び香り見本の陳列方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、香料を有する吸収性物品が知られている。例えば、特許文献1には、着用者の腹側及び背側の腰周りに対応するウエスト域の外表面又は内表面に香料を含むパンツ型着用物品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のパンツ型着用物品は、当該物品の交換時にウエスト域を上げ下げした際に、ウエスト域に予め含まれていた香料の香気成分が揮発して、交換作業を行う者に香りを感じさせることで、排泄物由来の不快な臭気を低減させるものである。しかしながら、そのような効果を有する着用物品であっても、購入者は、実際に着用物品を手に取って装着或いは交換作業等を行うまで、どのような香りが作用するのか等、含有されている香料の機能を実感することは困難であった。
【0005】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、消費者が、購入前に、吸収性物品が備える虫の忌避機能を実感できる吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、香料を含む吸収性物品であって、前記香料は、虫の忌避機能を発揮する成分を有しており、前記成分は、販売店に設置された香り見本に含まれる香料が有する成分と同じであることを特徴とする吸収性物品である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、消費者が、購入前に、吸収性物品が備える虫の忌避機能を実感できる吸収性物品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】パンツ型使い捨ておむつ1を腹側から見た概略斜視図である。
【
図3】展開状態かつ伸張状態のおむつ1を肌側から見た概略平面図である。
【
図5】おむつ1を背側から見た一部拡大平面図である。
【
図7】おむつ収容体100におけるおむつ1の収容状態を説明する図である。
【
図8】販売店に設置された香り見本と、陳列されたおむつ収容体100の一例を示す図である。
【
図9】おむつ1(吸収性物品)の供給方法を説明する図である。
【
図12】おむつ1及び香り見本SPの陳列方法を説明する図である。
【
図13】映像を販売店にて再生する工程の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
態様1は、香料を含む吸収性物品であって、前記香料は、虫の忌避機能を発揮する成分を有しており、前記成分は、販売店に設置された香り見本に含まれる香料が有する成分と同じであることを特徴とする吸収性物品である。
【0010】
態様1のような吸収性物品によれば、消費者は、販売店において、吸収性物品に塗布されている虫の忌避機能を有する成分の香りを感じることができ、購入前に、吸収性物品の機能を実感することができる。
【0011】
態様2は、前記吸収性物品には、前記吸収性物品の非肌側から視認可能な、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられており、前記香り見本には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられている態様1に記載の吸収性物品である。
【0012】
態様2のような吸収性物品によれば、吸収性物品及び香り見本のそれぞれに虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられていることで、顧客は、香り見本と吸収性物品との関連を認識し易くなる。
【0013】
態様3は、前記香料は、最も非肌側に位置するシート部材の少なくとも一部に配置されている態様1又は2に記載の吸収性物品である。
【0014】
態様3のような吸収性物品によれば、使用時に、使用者が香料の香りを実感し易くなり、店頭で香り見本によって実感した期待を損なわせないようにすることができる。
【0015】
態様4は、前記成分は、少なくともアザジラクチン及びシトロネラールのうちいずれか一方を含む態様1から3のいずれかに記載の吸収性物品である。
【0016】
態様4のような吸収性物品によれば、虫の忌避機能を発揮することができる。
【0017】
態様5は、前記成分は、メントール、α-テルピオネール、リナリルアセテート、ラバンジュロール、イソプレゴール、ベンジルアセテート、エチルリナロール、メンタン、カンフェン、テトラヒドロリナロール、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、オシメノール、テルピニルアセテート、イソボルニルアセテート、ギ酸ゲラニル、p-メンタン-3,8-ジオール、2-(tert-ブチル)シクロヘキシルアセテート、ジヒドロテルピニルアセテート、ムゴール、ミルセノール、ネロール、フェニルエチルアセテート、4-tert-ブチルシクロヘキシル アセテート、シトロネリルアセテート、ネリルアセテート、アニシルアセテート、ゲラニルアセテート、エチルリナリルアセテート、トリシクロデセニルアセテート、シンナミルアセテートのうち、少なくとも1つを含む態様1から3のいずれかに記載の吸収性物品である。
【0018】
態様5のような吸収性物品によれば、虫の忌避機能を発揮することができる。
【0019】
態様6は、液吸収性の吸収性コアと、前記吸収性コアよりも非肌側に設けられた香料とを有する吸収性物品であって、前記吸収性物品の外部から視認可能な香料可視領域を有し、前記香料が塗布された香料塗布領域と、前記香料可視領域とが、前記吸収性物品の厚さ方向に見て重なる部分を有することを特徴とする吸収性物品である。
【0020】
態様6のような吸収性物品によれば、香料可視領域を見ることにより、使用者は、香料が存在している箇所を認識することができ、当該香料可視領域の位置を嗅ぐことで、装着前に香料の機能を実感し易くなる。
【0021】
態様7は、前記吸収性コアよりも非肌側に配置されたフィルムを有し、前記香料は、前記フィルムよりも非肌側に配置され、前記フィルムは、第1図柄部と第2図柄部とを有し、前記第1図柄部は、前記香料を塗布することによって前記第2図柄部よりも滲んだ部位であり、前記第1図柄部が、前記香料可視領域である態様6に記載の吸収性物品である。
【0022】
態様7のような吸収性物品によれば、第1図柄部が第2図柄部よりも滲んでいることで、図柄の見た目の違いに気づきやすくなり、そのような部位が香料可視領域であることで、香料が存在している領域を認識し易くなる。使用者が第1図柄部を嗅ぐことで、香料の存在をより実感し易くなる。
【0023】
態様8は、収容部材を備え、態様1から7の何れかに記載の前記吸収性物品を前記収容部材内に複数収容した吸収性物品の収容体であって、前記収容部材は、虫の忌避機能を有することを示す図柄を備え、販売店に設置された香り見本には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられていることを特徴とする吸収性物品の収容体である。
【0024】
態様8のような吸収性物品の収容体によれば、収容部材及び香り見本にもそれぞれ虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられていることで、香り見本を見た際に、顧客が吸収性物品の収容体との関連を認識し易くなり、収容体を販売店内で探し易くなる。
【0025】
態様9は、前記収容部材の前記図柄は、前記香り見本の前記図柄と同一又は相似である態様8に記載の吸収性物品の収容体である。
【0026】
態様9のような吸収性物品の収容体によれば、香り見本を見た時に、吸収性物品の収容体との関連をより認識しやすくなる。それにより、顧客は、販売店内で当該収容体を探し易くなる。
【0027】
態様10は、前記収容部材の酸素透過度は、10cc/m2/day/atm以下である態様8又は9に記載の吸収性物品の収容体である。
【0028】
態様10のような吸収性物品の収容体によれば、酸素等過度が低いことで、吸収性物品に含まれる香料の香りを収容部材内に保持できる。それにより、物品の使用時まで香りを守ることができる。また、収容部材の外側では香りを確認できなくとも、香り見本によって顧客は事前に香りを認識できる。
【0029】
態様11は、前記収容部材は、開封口を形成するための、列状に配置された複数の開孔を有していない態様8から10のいずれかに記載の吸収性物品の収容体である。
【0030】
態様11のような吸収性物品の収容体によれば、開封口のために複数の開孔を形成すると、吸収性物品の香料が当該開孔から漏れ出ていってしまうおそれがあり、そのような開孔を形成しないことで、使用時まで香りを保持する。
【0031】
態様12は、香料を備え、前記香料が虫の忌避機能を発揮する成分を有する吸収性物品を、販売店に供給する工程と、前記成分を有する香り見本を前記販売店に設置することを、当該販売店に対して示す工程とを有する、吸収性物品の供給方法である。
【0032】
態様12のような吸収性物品の供給方法によれば、販売店に供給した吸収性物品が有する成分と同じ成分を有する香り見本を当該販売店に設置するよう示すことで、消費者は、当該販売店において、購入前に、吸収性物品が有する成分の香りを感じることができ、商品機能実感及び購入促進を図ることができる。
【0033】
態様13は、前記香り見本を供給する工程を含む態様12に記載の吸収性物品の供給方法である。
【0034】
態様13のような吸収性物品の供給方法によれば、吸収性物品と共に香り見本も供給することで、販売店は、当該香り見本を使用して吸収性物品の販売促進を図ることができる。
【0035】
態様14は、前記香り見本に貼り付けるための、前記吸収性物品に関連したラベルを供給する工程を含む態様12又は13に記載の吸収性物品の供給方法である。
【0036】
態様14のような吸収性物品の供給方法によれば、香り見本と共にラベルも供給することで、香り見本がどの商品の見本であるかが明確になり、顧客が認識し易くなる。また、販売店もラベルを香り見本に貼り付けることで、吸収性物品との関連性を容易に示すことができ、当該吸収性物品を販売し易くなる。
【0037】
態様15は、前記香り見本は、液体に含まれる前記成分を空気中に拡散させて使用する見本である態様12から14のいずれかに記載の吸収性物品の供給方法である。
【0038】
態様15のような吸収性物品の供給方法によれば、そのような香り見本を供給することにより、より広範囲に香りを拡散することができ、店舗内にいる多くの来店者に香りを認知させることができる。
【0039】
態様16は、前記香り見本は、吸収機能を有する保持体に前記成分を吸収させたものである態様12から14のいずれかに記載の吸収性物品の供給方法である。
【0040】
態様16のような吸収性物品の供給方法によれば、香り見本中の成分を常温で揮発させることで持続性を長くすることができる。それにより、販売店の店員等が当該成分を継ぎ足す必要等が低減するため、手間を省くことができる。また、電源を必要とせずに見本を設置できる。
【0041】
態様17は、前記香り見本は、前記成分を内包するマイクロカプセル、或いは、前記成分を含有するゲル状組成物である態様12から14のいずれかに記載の吸収性物品の供給方法である。
【0042】
態様17のような吸収性物品の供給方法によれば、成分が常温で徐放し、成分の揮発を抑制することで持続性を高める。販売店の店員等が当該成分を継ぎ足す必要等がないため、手間を省くことができる。また、電源を必要とせずに見本を設置できる。
【0043】
態様18は、前記香り見本は、蓋付き容器に前記成分が収容されているものである態様12から14のいずれかに記載の吸収性物品の供給方法である。
【0044】
態様18のような吸収性物品の供給方法によれば、成分が蓋付きの容器によって保護されていることで、成分が外に直接露出せず、周囲を汚染したり、香りが移ることを防ぐことができる。
【0045】
態様19は、前記販売店は、通りに面して開放されている店舗である態様12から態様18のいずれに記載の吸収性物品の供給方法である。
【0046】
態様19のような吸収性物品の供給方法によれば、そのような販売店に香り見本を供給することで、店内及び店舗に面する空間にも香りの成分を拡散させることができる。それにより、当該吸収性物品とは異なる商品を購入するために来店した顧客や、当該吸収性物品を知らなかった顧客が、当該吸収性物品及びその虫の忌避機能を認識する機会又は興味を持つ機会となり得る。
【0047】
態様20は、匂いの強度は、前記吸収性物品よりも前記香り見本の方が強い態様12から19のいずれかに記載の吸収性物品の供給方法である。
【0048】
態様20のような吸収性物品の供給方法によれば、匂い強度が強い香り見本は、販売店において香りをより強く拡散させることができ、顧客が香りを確認し易くなる。
【0049】
態様21は、匂いの強度は、前記吸収性物品よりも前記香り見本の方が弱い態様12から19のいずれかに記載の吸収性物品の供給方法である。
【0050】
態様21のような吸収性物品の供給方法によれば、匂いの強度が香り見本の方が弱いことで、消費者が使用時に吸収性物品を実際に手に取った際、虫の忌避機能をより実感することができる。また、香り見本においても、成分がより少ない量で済むため、コスト削減に繋がる。
【0051】
態様22は、前記香料を備えず、且つ、前記吸収性物品と同一ブランド名が付された吸収性物品を、販売店に供給する工程を有し、前記香料を備える前記吸収性物品を複数収容した収容部材には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられ、前記香料を備えない前記吸収性物品を複数収容した収容部材には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられていない態様12から態様21の何れかに記載の吸収性物品の供給方法である。
【0052】
態様22のような吸収性物品の供給方法によれば、同一ブランド名であっても、収容部材に虫の忌避機能を有することを示す図柄を設けることで、香料が含まれる(虫の忌避機能がある)吸収性物品であることを明確に認識し易くなる。
【0053】
態様23は、香料を備え、前記香料が虫の忌避機能を発揮する成分を有する吸収性物品を、販売店にて陳列する工程と、前記成分を有する香り見本を、前記販売店にて陳列する工程とを有する、吸収性物品及び香り見本の陳列方法である。
【0054】
態様23のような吸収性物品及び香り見本の陳列方法によれば、香料を有する吸収性物品と、当該香料が有する成分と同じ成分を有する香り見本との両方を陳列することで、顧客は、当該販売店において、購入前に、吸収性物品が有する成分の香りを感じることができ、商品機能実感及び購入促進を図ることができる。
【0055】
態様24は、視認可能でない前記成分を可視化した映像を前記販売店にて再生する工程を有する態様23に記載の吸収性物品及び香り見本の陳列方法である。
【0056】
態様24のような吸収性物品及び香り見本の陳列方法によれば、通常、視認できない、吸収性物品に含まれる香料の成分が外側に向かって揮発する態様を可視化させた映像を販売店で流すことで、顧客は店頭で成分が気化する様子を確認でき、製品の機能性を連想し易くなる。吸収性物品の虫の忌避機能を認知しやすくなることで、購入意欲を高める。
【0057】
態様25は、他社の吸収性物品と同じ棚、或いは、上下に隣接する棚に前記吸収性物品を陳列する工程を有し、前記香り見本を陳列する工程は、前記香り見本を、前記他社の前記吸収性物品よりも自社の前記吸収性物品の近くに配置することを含む態様23又は24に記載の吸収性物品及び香り見本の陳列方法である。
【0058】
態様25のような吸収性物品及び香り見本の陳列方法によれば、香り見本を、それに該当する自社の吸収性物品の近くに配置することで、顧客は自社の吸収性物品を探し易くなる。
【0059】
===実施形態===
本実施形態にかかる吸収性物品の一例として、乳幼児用のパンツ型使い捨ておむつを例に挙げて説明する。ただし、本実施形態にかかる吸収性物品は、上記に限定されず、例えば、大人用のパンツ型使い捨ておむつ、ショーツ型のナプキン、テープ型の使い捨ておむつ、尿取りパッド、生理用ナプキン、ペット用吸収性シート、ペット用おむつ等としても適用可能である。
【0060】
===パンツ型使い捨ておむつ1の基本構成===
図1は、パンツ型使い捨ておむつ1(以下「おむつ1」とも称す)を腹側から見た概略斜視図である。
図2は、おむつ1を背側から見た概略斜視図である。
図3は、展開状態かつ伸張状態のおむつ1を肌側から見た概略平面図である。
図4は、
図3中の線AAでの概略断面図である。
【0061】
おむつ1の展開状態とは、おむつ1の両側部に設けられている一対の接合部2をそれぞれ分離し、おむつ1を開いて平面的に展開した状態である。おむつ1の伸張状態とは、おむつ1の皺が視認できなくなる程度まで、おむつ1が備える弾性部材を伸張させた状態を示す。具体的には、おむつ1を構成する各部材の寸法が、その部材単体の寸法(すなわち弾性部材の伸縮性が発現しない状態での寸法)と一致又はそれに近い寸法になるまで伸張させた状態を示す。
【0062】
図1に示すように、おむつ1は、上下方向、左右方向、及び、前後方向を備え、おむつ1には胴回り開口BH及び一対の脚周り開口LHが形成されている。前後方向において、着用者の腹側となる側を前側とし、着用者の背側となる側を後側とする。また、おむつ1は、
図4に示すように厚さ方向を有し、厚さ方向において着用者に接触する側を肌側とし、その逆側を非肌側とする。
【0063】
おむつ1は、吸収性本体10と、吸収性本体10よりも非肌側に配された胴回り部20,30を有する。本実施形態のおむつ1は、所謂3ピースタイプであり、胴回り部は腹側胴回り部20と背側胴回り部30を有し、腹側胴回り部20と背側胴回り部30よりも下側の吸収性本体10の部位では、その非肌側面が外部に露出している。
【0064】
図3及び
図4に示すように、吸収性本体10の長手方向前側の端部の非肌側面が、腹側胴回り部20の肌側面に接着剤等により接合されており、吸収性本体10の長手方向後側の端部の非肌側面が、背側胴回り部30の肌側面に接着剤等により接合されている。
図3の展開状態のおむつ1から、腹側胴回り部20と背側胴回り部30が対向するように吸収性本体10を二つ折りして、腹側胴回り部20の左右方向の両側部と背側胴回り部30の左右方向の両側部とを溶着(例えば熱溶着や超音波溶着)等により接合して一対の接合部2を形成することにより、おむつ1はパンツ型となる。
【0065】
本実施形態では、おむつ1において、接合部2が位置する上下方向の範囲の領域(すなわち接合部2の上端2aの位置から下端2bの位置までの領域)を「腹側胴回り部1F」、「背側胴回り部1B」と称し、腹側胴回り部1Fと背側胴回り部1Bよりも下側の領域を「股下部1C」と称す。なお、「股下部」とは、着用状態において、着用者の股下に配される領域である。具体的には、おむつ1のようなパンツ型の使い捨ておむつの場合には、パンツ型の状態において、幅方向の両端部の接合部2より下側の領域を股下部1Cとする。また、テープ型の使い捨ておむつの場合には、使い捨ておむつを長手方向の中央部の折り部で2つ折りした状態で、使い捨ておむつを長手方向に2等分したときの最も下側の領域を股下部とする。
【0066】
吸収性本体10は、液透過性のトップシート11と、排泄物を吸収する吸収性コア12と、液不透過性のバックシート13と、外装シート14を備え、それぞれ接着剤等によって接着されている。吸収性コア12としては、パルプ繊維等の液体吸収性繊維に高吸収性ポリマーを含有させたものを所定の形状に成形したものを例示できる。吸収性コア12は、液透過性のティッシュペーパーや不織布等のコアラップシート17で被覆されていてもよい。その他、吸収性コア12として、親水性のシートにSAP層を付着させたSAPシートや、液体吸収性繊維をエアレイド法によってシート状に成形したエアレイドシート等を例示できる。
【0067】
また、吸収性本体10は、左右方向の両側部において、長手方向(上下方向)に伸縮する脚周り弾性部材15(例えば糸ゴム)を有する。これにより、おむつ1は着用者の脚周りにフィットする。
【0068】
また、吸収性本体10は、左右方向の両側部において、肌側に起立可能な防漏壁部16を有する。例えば、外装シート14の左右方向の両側部がトップシート11の肌側面上に位置するように左右方向の内側に折り返されて、その折り返された部位に長手方向に伸縮する防漏壁弾性部材161(例えば糸ゴム)が設けられることにより、防漏壁部16が形成される。
【0069】
腹側胴回り部20及び背側胴回り部30は、
図4に示すように、それぞれ柔軟な不織布等からなる肌側シート21、31と非肌側シート22、32と、左右方向に伸縮する複数の胴回り弾性部材23、33(例えば糸ゴム)を有する。複数の胴回り弾性部材23、33は、胴回り部20(1F),30(1B)において、上下方向に間隔を空けて並んで配されるとともに、左右方向に伸張した状態でシートに固定されている。したがって、腹側胴回り部20及び背側胴回り部30は左右方向に伸縮可能であり、着用者の胴回りにフィットする。
【0070】
また、吸収性本体10の上端部を肌側から覆うように、カバーシート24,34が設けられていてもよい(
図3及び
図4参照)。カバーシート24,34によって、吸収性本体10の上端エッジが着用者の肌に食い込んでしまうことを抑制したり、吸収性本体10の口開きを抑制したりできる。
【0071】
以上、おむつ1の基本構成を説明したが、おむつ1の構成は上記に限定されるものではない。例えば、おむつ1が2ピースタイプのおむつであってもよく、腹側胴回り部20と背側胴回り部30が連続した1つの部材で形成されていたり、腹側胴回り部20(1F)と背側胴回り部30(1B)を繋ぐ股下部1Cの外装部材が設けられていたりしてもよい。また、胴回り弾性部材23,33や脚周り弾性部材15は、糸ゴムではなく、シート状の弾性部材(伸縮性フィルムや伸縮性不織布)であってもよい。
【0072】
<<香料AM>>
また、本実施形態のおむつ1は、香料AMを有している。本実施形態においては、香料AMは、単離香料を含む、或いは、複数種類の香料からなる香料組成物であり、香料の他に溶剤(例えば、ミリスチン酸イソプロピル)が含まれている。香料としては、例えば、シトロネラールに近い香調の合成香料とレモングラスオイルとを混合したものを採用できる。また、シトロネラールに近い香調の合成香料とシトロネラールとを混合したものであってもよい。
【0073】
そして、本実施形態の香料AMは、虫の忌避機能を発揮する成分を有している。虫の忌避機能を発揮する成分とは、蚊、蚋、ユスリカ、ハエ類等の害虫に対する忌避剤(虫よけ剤)として機能する成分であり、当該成分として、少なくともシトロネラール及びアザジラクチンのうちいずれか一方を含むことが望ましい。また、当該成分として、上記成分の他に、メントール、α-テルピオネール、リナリルアセテート、ラバンジュロール、イソプレゴール、ベンジルアセテート、エチルリナロール、メンタン、カンフェン、テトラヒドロリナロール、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、オシメノール、テルピニルアセテート、イソボルニルアセテート、ギ酸ゲラニル、p-メンタン-3,8-ジオール、2-(tert-ブチル)シクロヘキシルアセテート、ジヒドロテルピニルアセテート、ムゴール、ミルセノール、ネロール、フェニルエチルアセテート、4-tert-ブチルシクロヘキシル アセテート、シトロネリルアセテート、ネリルアセテート、アニシルアセテート、ゲラニルアセテート、エチルリナリルアセテート、トリシクロデセニルアセテート、シンナミルアセテート等が挙げられ、上記成分のうち、少なくとも1つを含むことが望ましい。このような忌避機能を発揮する成分を有するおむつ1により、着用中に虫に対する忌避機能を発揮することができる。
【0074】
図2等における香料AMは、香料AMを塗布した領域を示す香料塗布領域AMでもある。本実施形態の香料AMは、揮発性の物質であり、液体状で塗布されている。香料AMの塗工方法は、噴霧法や、コーターを用いた塗工等の各種公知の方法が挙げられる。
【0075】
図2等に示すように、本実施形態では、おむつ1の背側に香料AMが設けられており、具体的には、おむつ1の背側において、背側胴回り部30より下側(股下部1C)であり、左右方向における略中央部に香料AMが設けられている。これによって、着用者の脚回りに対する忌避機能を発揮させやすくして、着用者の脚が蚊に刺される恐れを軽減させることができる。なお、本実施形態では、おむつ1の背側の吸収性本体10に香料AMを設けたが、これに限られない。おむつ1において、着用者に対する忌避機能を発揮させる身体の部位に応じた部分に、適宜、香料AMを設けることができる。
【0076】
また、
図1及び
図2に示すように、おむつ1には、おむつ1の非肌側から視認可能な、虫の忌避機能を有することを示す図柄40Aが設けられている。具体的には、図柄40Aは、おむつ1が虫の忌避機能を発揮する成分を有することを示すレモングラスのイラストと、虫の忌避機能を発揮する成分を有することを示す文字「ANTIMOS」とを有する。よって、図柄40Aを視認した使用者は、おむつ1の着用時や着用中に虫の忌避機能が発揮されることを認識することができる。
【0077】
図5は、おむつ1を背側から見た一部拡大平面図である。本実施形態のおむつ1では、バックシート13(フィルム)よりも非肌側に香料AMが配置されており(
図4)、具体的には、外装シート14よりも外側(非肌側)から噴霧する方法で配置されている。そして、おむつ1は、おむつ1の外部から視認可能な香料可視領域VRを有している。香料可視領域VRとは、おむつ1を外部から見た際に、香料AMの存在を視認できる領域のことである。具体的には、まず、
図5に示すように、バックシート13は、第1図柄部GH1と第2図柄部GH2とを有している。第1図柄部GH1及び第2図柄部GH2では、所定の図柄(ここでは、星型図柄)が印刷されている。図柄は、例えば、模様、絵、記号、文字などであり、特に限定されず、又、それらの組み合わせ等でもよい。印刷は、グラビア印刷、インクジェット印刷、フレキソ印刷等、種々の印刷方法が適用可能である。そして、当該第1図柄部GH1は、香料を塗布することによって第2図柄部GH2よりも滲んだ部位である。ここで、「滲んでいる」とは、図柄の少なくとも一部が欠けている、或いは、図柄の外縁の少なくとも一部が滲んでいることを意味する。第1図柄部GH1が第2図柄部GH2よりも滲んでいることで、使用者は、図柄の見た目の違いに気づき易くなる。つまり、そのような第1図柄部GH1が、外部から香料の存在を認識できる香料可視領域VRである。使用者は、滲んだ部位(第1図柄部GH1)を視認することで、香料が存在している領域を認識し易くなり、その第1図柄部を嗅ぐことで、香料の存在をより実感し易くなる。
【0078】
なお、本実施形態のおむつ1では、香料AMが、バックシート13(フィルム)よりも非肌側に配置されているが、これに限定されるものではない。香料AMは、吸収性コア12よりも非肌側に設けられていればよく、例えば、バックシート13(フィルム)の肌面側に塗工されていてもよい。
【0079】
また、上述の通り、本実施形態では、図柄が滲んだ部位が香料可視領域VRとして認識されるが、香料が塗布された領域を認識するために、図柄は必ずしも設けられなくてもよい。つまり、香料が塗布された香料塗布領域AMと、香料可視領域VRとが、おむつ1の厚さ方向に見て重なる部分を有しており、例えば、バックシート13(フィルム)が透湿性を有するフィルムであった場合、バックシート13が透けて濡れたような感じに視認することができる領域を香料可視領域VRとして形成することができる。使用者が当該香料可視領域VRを見ることにより、香料が存在している箇所を認識することができ、当該香料可視領域VRの位置を集中して嗅ぐことで、装着前に香料の機能を実感し易くなる。
【0080】
<<吸収性物品(おむつ1)の収容体100>>
図6は、おむつ収容体100の斜視図である。
図7は、おむつ収容体100におけるおむつ1の収容状態を説明する図である。おむつ収容体100(吸収性物品の収容体)は、複数のおむつ1と、複数のおむつ1を収容する収容部材120とを有する。おむつ1は、収容部材120に収容された状態で流通、保管される。
図6及び
図7に示すように、本実施形態では、収容部材120におむつ1が収容された状態(以下、「収容状態」ともいう。)のおむつ収容体100は、複数の面200(前面200A、側面200B、後面(不図示)、上面200D、底面(不図示))を有する略六面体であるが、これに限られず、他の多面体であってもよい。また、おむつ収容体100は、多面体の収容体に限られず、所謂袋状のおむつ収容体100でもよく、或いは、複数のおむつ1ではなく個別におむつ1を収容したものでもよい。
【0081】
収容部材120は、樹脂(プラスチック)フィルムで形成されており、具体的には、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)からなる樹脂フィルムで形成されている。なお、収容部材120を構成する材料としては、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)に限らず、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる合成樹脂フィルム等のフィルム状の素材、合成紙や天然紙等の紙素材などから形成されていてもよい。
【0082】
この収容部材120の酸素透過度が、20℃において、10cc/m2/day/atm以下であることが好ましい。酸素透過度は、例えば、クーロメトリック法に従い、20℃、0%RHの条件下で測定される。
【0083】
おむつ1に設けられた香料AMは揮発性であり、収容部材120の酸素透過度を10cc/m2/day/atm以下とすることで、おむつ収容体100の気密性が高まり、収容部材120の酸素透過度が10cc/m2/day/atmより大きい場合よりも、おむつ1に設けられた香料AMが収容部材120の外部に漏出する恐れを軽減させることができる。よって、おむつ1に含まれる香料の香りを収容部材120内に保持でき、おむつ1の使用時まで香りを守ることができる。
【0084】
収容部材120は、上面200Dの上部に取っ手121を有している。取っ手121は、収容部材120と同じ材質でもよく、収容部材120と異なる材質のものでもよい。また、取っ手121は、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0085】
図6及び
図7に示すように、収容状態のおむつ収容体100は、上下方向、左右方向、及び前後方向を有している。おむつ収容体100の上下方向について、おむつ収容体100(収容部材120)が取っ手121を有する場合には、取っ手121が設けられている側を上側とし、その反対側を下側として、上下方向を判断する。又は、取っ手121が設けられていない場合には、おむつ収容体100(収容部材120)のうち、最も大きく商品名(後述するブランド名表記部42等)が記載された面200を前面とし、商品名の文字の方向で上下方向を判断する。
【0086】
おむつ収容体100において、複数のおむつ1が互いに隣接するように配置されたおむつ列Rが収容部材120に収容されている。本実施形態のおむつ収容体100は、
図6及び
図7に示すように、上下方向に複数(2列)のおむつ列Rを有しており、収容部材120の内側の収容空間S(
図7)において最も上側に位置する上側おむつ列(おむつ列)R1と、上側おむつ列R1より下側で、収容空間Sにおいて最も下側に位置する下側おむつ列R2を有している。本実施形態のおむつ列Rは、上側おむつ列R1と下側おむつ列R2を備えたが、これに限られない。例えば、おむつ列Rが、1列のおむつ列のみで構成されるものであってもよく、上側おむつ列R1と下側おむつ列R2との間に1又は2以上のおむつ列を備えていてもよい。
【0087】
おむつ列R1、R2は、おむつ1が吸収性コア12の厚さ方向に隣接するように配置されている。収容状態では、収容されたおむつ1は、互いを密着させた状態で収容部材120中に入っている。なお、おむつ列Rにおけるおむつ1の配置は、吸収性コア12の厚さ方向を左右方向に沿わせていたが、これに限らず、例えば、全てのおむつ1を、吸収性コア12の厚さ方向が前後方向に沿うように配置してもよい。
【0088】
また、本実施形態において、収容部材120は、開封口を形成するための、列状に配置された複数の開孔を有していないことが好ましい。開封口のために複数の開孔を形成すると、開孔から空気が押し出される際に、おむつ1の香料が当該開孔から漏れ出ていってしまうおそれがある。そのような開孔を形成しないことで、おむつ1の使用時まで香りを保持することができる。
【0089】
また、おむつ収容体100は、開封後に、収容部材120のを開閉可能な封止部を有している収容体であってもよい。そのような収容体である場合、一度開封しても、使用の度に封止部によって収容部材120を再封止でき、おむつ収容体100内のおむつ1の香料の香りを外に逃がさずに保持することができる。それにより、使用者は、使用する度に香りを認識することができる。
【0090】
また、
図6に示すように、本実施形態の収容部材120は、虫の忌避機能を有することを示す図柄40B,40Cを備えている。これにより、図柄40B及び40Cを視認した使用者は、収容部材120に収容されているおむつ1が虫の忌避機能を有していることを認識できる。
【0091】
上述のように、おむつ1は、虫の忌避機能を発揮する成分を有する香料AMが塗布された吸収性物品であり、また、非肌側から視認可能な、虫の忌避機能を有することを示す図柄(40A)が設けられている吸収性物品でもあるが、そのような虫の忌避機能を発揮する成分を有する吸収性物品であっても、当該吸収性物品の消費者(以下、顧客ともいう)は、購入後に実際に製品を手に取って使用するまで、当該香料の機能を実感することは難しかった。視覚的に得られる情報から香料の機能を想像することは可能であるが、香りは嗅覚によって感知されるものであり、実際に嗅いだ香りによって、虫の忌避機能を体感し、製品に対する期待感を高めることができると考える。そこで、本実施形態では、購入前におむつ1(吸収性物品)の香料の機能を実感できるように、次のように香り見本を用意する。
【0092】
図8は、販売店に設置された香り見本と、陳列されたおむつ収容体100の一例を示す図である。
図8では、おむつ1を販売する販売店(以下、店舗ともいう)において、所定の商品棚60に複数のおむつ収容体100が陳列され、香り見本SPが設置されている様子を表している。ここで示す香り見本SPは、販売店を訪れた顧客が実際に手に取って香りを確認できるものである。なお、香り見本SPの形態や陳列方法はこれに限定されるものではなく、香り見本SPの詳細、及び、おむつ収容体100の陳列方法等については、後述する。
【0093】
本実施形態では、おむつ1に含まれる香料が有する虫の忌避機能を発揮する成分と、販売店に設置された香り見本SPに含まれる香料が有する成分とが同じである。すなわち、おむつ1に含まれる香料と同一の香料を香り見本SPとして用意してもよいが、香り見本SPの香料は、おむつ1に含まれる香料と全く同一の香料でなくてもよく、少なくとも、香り見本SPに含まれる香料が有する成分がおむつ1の虫の忌避機能を発揮する成分と同じであればよい。このような香り見本SPを設置し、消費者が販売店において当該香り見本SPの香りを嗅ぐことで、おむつ1に塗布されている虫の忌避機能を有する成分の香りを感じることができ、商品の購入前に、おむつ1の機能を実感することができる。
【0094】
また、おむつ1には、虫の忌避機能を有することを示す図柄40Aが設けられているが、香り見本SPにも虫の忌避機能を有することを示す図柄(
図8では図柄40B)が設けられていることが好ましい。おむつ1及び香り見本SPのそれぞれに虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられていることで、顧客は、香り見本SPとおむつ1との関連を認識し易くなる
【0095】
おむつ1の香料AMは、おむつ1の背側の少なくとも一部に、外装シート14よりも外側から塗布することで設けられているが、これに限定されず、香料AMは、おむつ1の最も非肌側に位置するシート部材の少なくとも一部に配置されていればよい。例えば、おむつ1の最も非肌側に位置するシート部材の肌面側に配置されたフィルム部材等に香料を塗布してもよい。おむつ1の最も非肌側に位置するシート部材の少なくとも一部に香料を配置することで、使用時に、使用者が香料AMの香りを実感し易くなり、販売店において香り見本SPによって実感した期待を損なわせないようにすることができる。
【0096】
また、商品棚60に陳列されているおむつ収容体100は、
図7に示すように、当該収容体100内に、複数のおむつ1が互いに隣接するように配置されたおむつ列Rを有している。そして、おむつ収容体100内で並んで状態において、おむつ1に設けられた香料AMは、各おむつ列Rを左右方向に見たときに重なった領域に設けられていることが好ましい。これにより、収容部材120内で揮発した香料AMが収容部材120内で同じ領域に充満し易くなり、収容部材120内で不用意に香りが広がり過ぎずに、開封するまで香りを包装部材120内に維持し易くなる。そうすることで、使用者は、おむつ1を手に取る前に、収容部材120を開封した時に香り実感し易くなり、店頭で香り見本SPによって実感した期待を損なわずにおむつ1を提供できる。
【0097】
また、おむつ収容体100の収容部材120は、上述の通り、酸素透過度が低く、そのような収容部材120により、おむつ1に含まれる香料AMの香りを収容部材120内に保持し易くなり、おむつ1の使用時まで香りを守ることができる。また、香りが漏出せずに収容部材120内に充満することにより、収容部材120の開封時にも、使用者は香りを容易に実感することができる。一方で、販売店において、顧客は、収容部材120の外側からでは香料AMの香りを確認しにくいが、収容部材120を通して香りを確認できなくとも、香り見本SPによって事前に香りを認識することができる。
【0098】
また、おむつ収容体100の収容部材120は、虫の忌避機能を有することを示す図柄40Bを備えており、販売店に設置された香り見本SPも同様に、虫の忌避機能を有することを示す図柄40Bが設けられている(
図8)。収容部材120及び香り見本SPにもそれぞれ虫の忌避機能を有することを示す図柄40Bが設けられていることで、顧客は、香り見本SPを見た際に、おむつ収容体100との関連を認識し易くなる。それにより、顧客は、おむつ収容体100を販売店内で探し易くなる。
【0099】
そして、より好ましくは、収容部材120の図柄40Bと、香り見本SPの図柄40Bとが同一又は相似であることである。本実施形態では、収容部材120の図柄40Bは、香り見本SPの図柄40Bと相似であり、顧客は、香り見本SPを見た時に、おむつ収容体100との関連をより認識しやすくなる。それにより、顧客は、販売店内で当該おむつ収容体100を探し易くなる。
【0100】
<<おむつ1(吸収性物品)の供給方法>>
次に、おむつ1と香り見本SPとをより効果的に消費者に提供するために、おむつ1(吸収性物品)の供給方法について説明する。
図9は、おむつ1(吸収性物品)の供給方法を説明する図である。本実施形態において、おむつ1の供給方法は、香料AMが虫の忌避機能を発揮する成分を有するおむつ1を、販売店に供給する工程S101と、上記成分を有する香り見本SPを販売店に設置することを、当該販売店に対して示す工程S102(図示せず)とを有する。
【0101】
まず、工程S101では、本実施形態のおむつ1がおむつ収容体100の形態で、各販売店に供給される。そして、工程S102では、同販売店において、おむつ1(おむつ収容体100)だけでなく、おむつ1と同じ虫の忌避機能を発揮する成分を有する香り見本SPを設置するように、当該販売店に具体的な指示を行う。「当該販売店に対して示す」具体的な指示とは、例えば、どのような種類の香り見本を設置するかの情報、提供される香り見本を利用するのか、或いは指示に基づいて販売店が香り見本を用意するのか、複数回使用できる香り見本である場合の維持方法や保管方法、適切な設置場所や設置方法等が挙げられる。また、香り見本SPをおむつ1と共に設置することで、おむつ1の販売促進に繋がることが販売店に伝わる指示内容であることがより好ましい。販売店に供給したおむつ1が有する成分と同じ成分を有する香り見本を当該販売店に設置するよう示すことで、消費者は、当該販売店において、購入前に、おむつ1が有する上記成分の香りを感じることができ、商品機能の実感及び購入促進を図ることができる。
【0102】
また、おむつ1の供給方法は、香り見本SPを供給する工程S103を含むんでいてもよい。香り見本SPは、上述の通り、香り見本SPとなるものの情報を販売店に示して、販売店自体が用意することも考えられるが、おむつ1(おむつ収容体100)と共に香り見本SPも販売店に供給することで、販売店は、当該香り見本SPを使用しておむつ1の販売促進を図ることができる。香り見本SP自体を販売店に供給することで、販売店の手間も省け、また、顧客に認識させたい香りにぶれが生じることを低減できる。
【0103】
さらに、おむつ1の供給方法は、香り見本SPに貼り付けるための、おむつ1に関連したラベルLAを供給する工程S104(
図9)を含んでいてもよい。おむつ1に関連したラベルLAとは、おむつ1、或いはおむつ収容体100と、香り見本SPとが関連する(おむつ1と香り見本SPに繋がりがある)ことを消費者が認識できるラベルを意味し、一例として、
図8又は
図9に示した香り見本SPに貼り付けられているラベルLAが挙げられる。本工程S104は、ラベルLAのみを提供することだけでなく、所定の容器に貼り付けたラベルや、ラベルLA用のラベルのデータを供給することも含む。
【0104】
本実施形態のおむつ1は、おむつ1のブランド名を示し、且つ、おむつ1の非肌側から視認可能であるブランド名表記部42(
図1)が設けられている。また、おむつ収容体100の収容部材120にも、ブランド名表記部42が設けられている(
図6)。そして、ラベルLAは、例えば、そのようなおむつ1のブランド名が分かるブランド名表記部42と同じ表記を有することが好ましい。また、ラベルLAは、おむつ1又はおむつ収容体100に設けられている、虫の忌避機能を有することを示す図柄40A、40B、40Cのうち少なくともいずれかを備えることが好ましい。おむつ1に関連したラベルLAを供給することにより、例えば、販売店が用意した容器に当該ラベルLAを貼り付けることで、販売店は、香り見本SP用の香料を入れる容器を容易に準備することができる。また、香り見本SPと共にラベルLAも供給した場合、香り見本SPがどの商品の見本であるかが明確になり、顧客が認識し易くなる。また、販売店もラベルLAを香り見本SPに貼り付けることで、おむつ1との関連性を容易に示すことができ、おむつ1を販売し易くなる。
【0105】
図10は、香り見本SPの変形例を示す図である。香り見本SPは、液体に含まれる上述の虫の忌避機能を発揮する成分を空気中に拡散させて使用する見本SP’であってもよい。ここでの香り見本SP’は、例えば、ディフューザー(アロマディフューザー)などが挙げられる。ディフューザーとしては、設置した香料等を、自然に気化させるもの、又は加熱、超音波、送風、噴霧、若しくはそれらの組み合わせによって気化或いは拡散させるものを用いることができる。すなわち、本発明の香料そのもの、又は上述のような溶媒若しくは液体媒体と組み合わせた(必要に応じて界面活性剤を含む)、上記成分を含む香料を、ディフューザーを用いて拡散させることで、販売店に来店していた顧客が香り見本を手に取らなくとも、香りを認識させることができる。そのような香り見本SP’を供給することにより、より広範囲に香りを拡散することができ、販売店舗内にいる多くの来店者に香りを認知させることができる。
【0106】
また、香り見本SPは、吸収機能を有する保持体に上述の虫の忌避機能を発揮する成分を吸収させたものであってもよい。吸収機能を有する保持体としては、例えば、多孔質素材(石、ウッドスティック、ビーズ、セラミック、紙など)や、コットンパフ、カット綿、ティッシュペーパー、ガーゼ等が挙げられるが、これに限定されるものではなく、上記虫の忌避機能を発揮する成分を含む液体を吸収及び保持できるものであればよい。このような香り見本SPの場合、香り見本SP中の成分を常温で揮発させることで持続性を長くすることができる。それにより、販売店の店員等が当該成分を継ぎ足す必要性がない、或いは、継ぎ足す回数を減らすことができ、手間を省くことができる。また、ディフューザー等を使用する場合に電源を必要とすることがあるが、吸収機能を有する保持体に吸収させて香り見本SPとして使用する場合は、電源を必要とせずに香り見本SPを設置できる。
【0107】
また、香り見本SPは、上述の虫の忌避機能を発揮する成分を内包するマイクロカプセル、或いは、当該成分を含有するゲル状組成物であってもよい。そのような香り見本SPの場合、当該成分が常温で徐放し、成分の揮発を抑制することで持続性を高めることができる。また、販売店の店員等が当該成分を継ぎ足す必要等がないため、香り見本SPの管理において手間を省くことができる。また、電源を必要とせずに香り見本SPを設置できるという利点もある。
【0108】
また、香り見本SPは、蓋付き容器に上述の虫の忌避機能を発揮する成分が収容されているものであってもよい。
図8等に示す香り見本SPの容器が蓋付き容器の一例である。虫の忌避機能を発揮する成分が蓋付きの容器によって保護されていることで、当該成分が外に直接露出せず、周囲を汚染したり、香りが移ることを防ぐことができる。
【0109】
また、
図9に示すように、おむつ1を販売し、且つ、香り見本SPを設置する販売店は、通りに面して開放されている店舗であることが好ましい。そのような販売店に香り見本SPを供給することで、店内及び店舗に面する空間にも香りの成分を拡散させることができ、本製品(おむつ1)とは異なる製品を購入するために来店した顧客や、本製品(おむつ1)を知らなかった顧客が、当該製品(おむつ1)及びおむつ1が有する虫の忌避機能を認識する機会又は興味を持つ機会となり得る。
【0110】
また、香り見本SPにおいては、匂いの強度が、おむつ1よりも香り見本SPの方が強いことが好ましい。ここでの匂いの強度は、両者(おむつ1と香り見本SP)の匂いを嗅ぐことで匂いの強弱を判断でき、より厳密には臭気測定器を使用した臭気測定法や臭気判定士による官能試験等を用いた測定により判断することができる強度のことである。
【0111】
匂いの強度を判断する一例である官能試験は、次のような方法によって行うことができる。先ず、おむつ1と、吸収機能を有する保持体に忌避機能を発揮する成分を吸収させた香り見本と、ポリエステル製の袋とを用意し、臭気判定士が別々のポリエステル製の袋におむつ1(試料A)と、香り見本(試料B)とをそれぞれ入れて封をする。1時間室温に置いた後、臭気判定士が選定した被験者5名に対し、試料Aが入った袋と、試料Bが入った袋とをセットにして渡し、被験者に匂いを強く感じる袋を選んでもらう。5名の被験者のうち、より多くの被験者が匂いが強いと感じた方を匂いの強度が強い方とする。また、臭気測定器を使用する場合は、例えば、新コスモス電機製のポータブル型ニオイセンサ(XP-329 IIIR)等を用いて測定できる。上述のような測定により、匂いの強度が強いと判断される香り見本SPは、販売店において香りをより強く拡散させることができる。それにより、販売店において顧客が香りをより確認し易くなる。
【0112】
また、香り見本SPにおいて、匂いの強度は、おむつ1よりも香り見本SPの方が弱くてもよい。香り見本SPの方が匂いの強度が弱いことで、消費者が使用時におむつ1を実際に手に取った際、虫の忌避機能をより実感することができる。また、香り見本SPにおいても、虫の忌避機能を発揮する成分がより少ない量で済むため、コスト削減に繋がる。
【0113】
図11は、別の工程S105を説明する図である。
図11に示すように、おむつ1の供給方法は、前記香料AMを備えず、且つ、前記吸収性物品1と同一ブランド名(ブランド名表記部42)が付された吸収性物品1’を、販売店に供給する工程S105を有している。なお、吸収性物品1’は、複数の吸収性物品1’が収容部材120’に収容されたおむつ収容体100’の形態で販売店に供給される。そして、本実施形態のおむつ1を複数収容した収容部材120には、虫の忌避機能を有することを示す図柄40Bが設けられている(
図6)が、本発明の香料を備えていない吸収性物品1’を複数収容した収容部材120’には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられていない。おむつ1(吸収性物品1)と吸収性物品1’とは同一ブランド名(ブランド名表記部42)を有しているが、収容部材120に虫の忌避機能を有することを示す図柄40Bを設けることで、虫の忌避機能があるおむつ1であることを明確に認識し易くなる。
【0114】
<<おむつ1(吸収性物品)及び香り見本SPの陳列方法>>
次に、おむつ1及び香り見本SPの陳列方法について説明する。
図12は、おむつ1及び香り見本SPの陳列方法を説明する図である。本実施形態において、おむつ1及び香り見本SPの陳列方法は、虫の忌避機能を発揮する成分を有するおむつ1を、販売店にて陳列する工程S201と、上記成分を有する香り見本を、販売店にて陳列する工程S202とを有している。香料を有するおむつ1と、当該香料が有する成分と同じ成分を有する香り見本SPとの両方を陳列することで、顧客は、当該販売店において、購入前に、おむつ1が有する成分の香りを感じることができ、商品機能の実感及び購入促進を図ることができる。
【0115】
また、おむつ1及び香り見本SPの陳列方法は、他社(
図12のABC社、XYZ社)の吸収性物品(200a、200b)と同じ棚、或いは、上下に隣接する棚におむつ1を陳列する工程S203を有していてもよい。そして、香り見本SPを陳列する工程S202は、香り見本SPを、他社の吸収性物品(200a、200b)よりも自社の吸収性物品(おむつ1)の近くに配置することを含んでいてもよい(
図12)。そうすることで、顧客は自社の吸収性物品(おむつ1)を探し易くなる。なお、陳列する工程S230における陳列方法は、上述のように、商品棚に各吸収性物品の収容体を並べて設置する方法だけでなく、フックハンガー等のフック部材に収容体を掛けて陳列する方法であってもよい。
【0116】
図13は、映像を販売店にて再生する工程の一例を示す図である。おむつ1及び香り見本SPの陳列方法は、視認可能でない上記虫の忌避機能を発揮する成分を可視化した映像を販売店にて再生する工程S204を有していてもよい。通常、おむつ1に設けられている香料が、加熱等をせずに、自然状態において気化していく様子を肉眼で確認することは困難である。よって、おむつ1から、虫の忌避機能を発揮する成分がどのように空気中に揮発するのか、忌避機能を認識することは難しい。「視認可能でない上記虫の忌避機能を発揮する成分の揮発を可視化した映像」は、例えば、次のような方法で撮影が可能である。1)室温20℃の状況下において、シャーレに香料を直接入れて直にホットプレートで50℃になるまで加熱する。2)背景に黒紙を用紙し、周囲も暗幕で覆う。3)赤外線サーモカメラ(例えば、FLIR製のGF320)で香料が気化する様子を撮影する。
【0117】
通常、おむつ1に含まれる香料が外側に向かって揮発する様子は視認できないものであり、当該様子を可視化させた映像を販売店で流すことで、顧客は、店頭で上記成分が気化する様子を確認でき、おむつ1の機能性を連想し易くなる。おむつ1の虫の忌避機能を認知しやすくなることで、購入意欲を高める。
【0118】
===その他===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
【0119】
上述の実施形態では、販売店に設置された香り見本SPによって、購入前に、顧客が虫の忌避機能を有する成分の香りを実感でき、商品の購入促進に繋がることを説明したが、実際の商品購入は、香り見本SPによって香りを実感できた販売店に限られない。例えば、店頭で香りを嗅いで当該商品の機能を実感した上で、オンラインショップ等のEC(電子商取引)サイトで当該おむつ1を購入してもよい。
【0120】
また、香り見本SPも、販売店に設置された香り見本SPに限られず、顧客が購入前に、おむつ1が備える虫の忌避機能を香り見本SPによって実感できればよい。例えば、香り見本を郵送で顧客の自宅等に配布し、顧客が当該自宅等で香り見本によって忌避機能を購入前に実感した上で、おむつ1を実際に購入することに繋がってもよい。
【0121】
また、上述の実施形態では、商品棚60に香り見本SPを設置していたが、香り見本SPだけでなく、商品棚60付近には、さらに、POP表示(例えば、カード、ポスター、タペストリー、卓上スタンド、展示パネル、のぼり)等の販促ツールを配置してもよい。その場合、当該販促ツールには、おむつ収容体100又は香り見本SPに設けられた、虫の忌避機能を有することを示す図柄40Bと共通の図柄が設けられていることが好ましい。よって、販売店において、上記販促ツールを香り見本SPの近くに設置した場合、おむつ1(おむつ収容体100)と紐付き易くなり、共通の図柄(40B)を有するおむつ収容体100を店頭で探し易くなる。
【0122】
また、上述のPOP表示等のような販促ツール自体が、上述のディフューザー等の香りを拡散する機器である香り見本SP’であることが好ましい。そのような香り見本SP’を商品棚60に設置することで、商品(おむつ1)の販売促進を行うことができるだけでなく、顧客に、購入前に虫の忌避機能を実感させることができる。
【0123】
上述の実施形態では、使用者は、おむつ1に設けられた第2図柄部GH2よりも滲んだ部位である第1図柄部GH1を視認することで、香料が存在している領域を認識できるが、第1図柄部GH1は、
図5に示すような装飾用の図柄に限られない。
図14A及び
図14Bは、第1図柄部GH1の変形例を説明する図である。
図14Aは、おむつ1の後側を示しており、
図14Bはおむつ1の前側の一部を示している。おむつ1には、
図14A及び
図14Bに示すように、おむつ1のサイズを示し、且つ、おむつ1の非肌側から視認可能であるサイズ表記部52と、おむつ1の前後方向を示し、且つ、おむつ1の非肌側から視認可能である前後方向表記部53と、おむつ1のブランド名を示し、且つ、おむつ1の非肌側から視認可能であるブランド名表記部42が設けられている。ここで、ブランド名とは、種々の吸収性物品を生産又は販売する者が、特定の吸収性物品群を、他の吸収性物品群と識別するために用いる名称である。また、おむつ1における前後方向表記部53は、
図14Bに示すように、おむつ1の前側では、前を示す文字の「FRONT」が前側の前後方向表記部53a(53)として設けられており、また、
図14Aに示すように、おむつ1の後側では、後ろを示す文字の「BACK」が後側の前後方向表記部53b(53)として設けられている。
【0124】
さらに、おむつ1には、おむつ1の非肌側から視認可能な、虫の忌避機能を有することを示す図柄40Aが設けられている。そして、本変形例では、
図14Aに示すサイズ表記部52及び前後方向表記部53(53b)は、香料AMが塗布されることによって、少なくとも一部が滲んでいる。すなわち、サイズ表記部52及び前後方向表記部53(53b)の少なくとも一部は、第1図柄部GH1である。なお、本変形例では、サイズ表記部52及び前後方向表記部53(53b)の両方とも、少なくとも一部が滲んでいるが、サイズ表記部52及び前後方向表記部53(53b)のうちの一方のみが、滲んだ第1図柄部GH1であってもよい。一方で、ブランド名表記部42及び図柄40Aは、香料塗布領域AMの領域内には含まれず、図柄が滲んでいない。すなわち、ブランド名表記部42及び図柄40Aは、第2図柄部GH2である。ブランド名表記部42に示されるブランド名は、商品(おむつ1)にとって非常に重要な情報であるため、香料の塗布による影響を受けずに、つまり、滲まさずに、明瞭に表示することが好ましい。また、忌避機能を表す図柄40Aも、滲んだ場合、忌避機能が分かりにくくなるため、滲まないことが好ましい。一方で、おむつ1のサイズや、おむつ1の前後方向は、通常、使用時におむつ1の交換者が確認するため、サイズ表記部52や前後方向表記部53の少なくとも一部が滲んでいると、より印象付けることができる。そして、このような滲んだサイズ表記部52又は前後方向表記部(或いは、その両方)を集中して嗅ぐことで、虫の忌避機能を実感し易くなる。
【0125】
なお、
図14A及び
図14Bに示す変形例では、サイズ表記部52及び前後方向表記部53を滲ませたが、これに限定されるものではない。例えば、少なくとも一部が滲んだ第1図柄部GH1となる図柄は、文字を含む図柄でなくてもよい。文字が滲み過ぎると、当該文字によって伝えたい情報が伝わりにくくなるおそれもあるため、文字を含む図柄を滲まさせずに、滲んでも影響の少ない図柄が第1図柄部GH1となるように所定の図柄を設けてもよい。
【0126】
上述の実施形態では、虫の忌避機能を発揮する成分を有する香料を含むおむつ1と、おむつ1と同じ上記成分を有する香り見本SPとについて説明したが、当該おむつ1と香り見本SPとの組み合わせのみに限定されるものではない。例えば、おむつ1と同じ虫の忌避機能を発揮する成分を含む薬液を含浸させたウェットシートであって、虫の忌避機能を有することを示す図柄を備えた収容部材に収容された当該ウェットシートを、販売店において、おむつ1(おむつ収容体100)及び香り見本SPと共に陳列することを含んでもよい。この場合、おむつ収容体100と、香り見本SPと、ウェットシートの収容部材とに設けられる虫の忌避機能を有することを示す図柄は、共通であることがより好ましい。それにより、ウェットシートがそれにより、販売店にて香り見本SPの香りを嗅ぐことで、おむつ収容体100と、香り見本SPと、ウェットシートとの関連性が明確になり、香り見本SPの香りを嗅ぐことで、ウェットシートの香りを実感できることを使用者は認識できる。また、実際に、香り見本SPを嗅ぐことにより、使用者は、使用前に当該ウェットシートの忌避機能を実感することができる。
【符号の説明】
【0127】
1 パンツ型使い捨ておむつ(吸収性物品)
1’ 吸収性物品
1B 背側胴回り部
1C 股下部
1F 腹側胴回り部
2 接合部
2a 上端
2b 下端
10 吸収性本体
11 トップシート
12 吸収性コア
13 バックシート(フィルム)
14 外装シート
15 脚周り弾性部材
16 防漏壁部
17 コアラップシート
20 腹側胴回り部
21 肌側シート
22 非肌側シート
23 胴回り弾性部材
24 カバーシート
30 背側胴回り部
31 肌側シート
32 非肌側シート
33 胴回り弾性部材
34 カバーシート
40A 図柄
40B 図柄
40C 図柄
42 ブランド名表記部
52 サイズ表記部
53
60 商品棚
100 おむつ収容体(吸収性物品の収容体)
100’ おむつ収容体
120 収容部材
120’ 収容部材
121 取っ手
161 防漏壁弾性部材
200 面
200a 他社の吸収性物品
200A 前面
200b 他社の吸収性物品
200B 側面
200D 上面
【手続補正書】
【提出日】2023-10-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
香料を含む吸収性物品であって、
前記香料は、虫の忌避機能を発揮する成分を有しており、
前記成分は、販売店に設置された香り見本に含まれる香料が有する成分と同じであり、
前記香り見本は、液体に含まれる前記成分を空気中に拡散させて使用するディフューザーであり、
前記吸収性物品には、前記吸収性物品の非肌側から視認可能な、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられており、
前記香り見本には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられている
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
香料を含む吸収性物品であって、
前記香料は、虫の忌避機能を発揮する成分を有しており、
前記成分は、販売店に設置された香り見本に含まれる香料が有する成分と同じであり、
前記香り見本は、蓋付き容器に前記成分が収容されているものであり、
前記吸収性物品には、前記吸収性物品の非肌側から視認可能な、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられており、
前記香り見本には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられている
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の吸収性物品であって、
匂いの強度は、前記吸収性物品よりも前記香り見本の方が強い
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の吸収性物品であって、
前記香料は、最も非肌側に位置するシート部材の少なくとも一部に配置されている
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の吸収性物品であって、
前記成分は、少なくともアザジラクチン及びシトロネラールのうちいずれか一方を含む
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の吸収性物品であって、
前記成分は、メントール、α-テルピオネール、リナリルアセテート、ラバンジュロール、イソプレゴール、ベンジルアセテート、エチルリナロール、メンタン、カンフェン、テトラヒドロリナロール、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、オシメノール、テルピニルアセテート、イソボルニルアセテート、ギ酸ゲラニル、p-メンタン-3,8-ジオール、2-(tert-ブチル)シクロヘキシルアセテート、ジヒドロテルピニルアセテート、ムゴール、ミルセノール、ネロール、フェニルエチルアセテート、4-tert-ブチルシクロヘキシル アセテート、シトロネリルアセテート、ネリルアセテート、アニシルアセテート、ゲラニルアセテート、エチルリナリルアセテート、トリシクロデセニルアセテート、シンナミルアセテートのうち、少なくとも1つを含む
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項7】
収容部材を備え、請求項1又は2に記載の前記吸収性物品を前記収容部材内に複数収容した吸収性物品の収容体であって、
前記収容部材は、虫の忌避機能を有することを示す図柄を備え、
販売店に設置された香り見本には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられている
ことを特徴とする吸収性物品の収容体。
【請求項8】
請求項7に記載の吸収性物品の収容体であって、
前記収容部材の前記図柄は、前記香り見本の前記図柄と同一又は相似である
ことを特徴とする吸収性物品の収容体。
【請求項9】
請求項7に記載の吸収性物品の収容体であって、
前記収容部材の酸素透過度は、10cc/m2/day/atm以下である
ことを特徴とする吸収性物品の収容体。
【請求項10】
請求項7に記載の吸収性物品の収容体であって、
前記収容部材は、開封口を形成するための、列状に配置された複数の開孔を有していない
ことを特徴とする吸収性物品の収容体。
【請求項11】
香料を備え、前記香料が虫の忌避機能を発揮する成分を有し、販売店に陳列された吸収性物品と、
前記成分を有し、前記販売店に設置された香り見本と、
を備え、
前記香り見本は、液体に含まれる前記成分を空気中に拡散させて使用するディフューザーであり、
前記吸収性物品には、前記吸収性物品の非肌側から視認可能な、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられており、
前記香り見本には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられている
ことを特徴とする、吸収性物品と香り見本のセット。
【請求項12】
香料を備え、前記香料が虫の忌避機能を発揮する成分を有し、販売店に陳列された吸収性物品と、
前記成分を有し、前記販売店に設置された香り見本と、
を備え、
前記香り見本は、蓋付き容器に前記成分が収容されているものであり、
前記吸収性物品には、前記吸収性物品の非肌側から視認可能な、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられており、
前記香り見本には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられている
ことを特徴とする、吸収性物品と香り見本のセット。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の吸収性物品と香り見本のセットであって、
匂いの強度は、前記吸収性物品よりも前記香り見本の方が強い
ことを特徴とする吸収性物品と香り見本のセット。
【請求項14】
請求項11又は12に記載の吸収性物品と香り見本のセットであって、
前記香り見本は、前記吸収性物品に関連したラベルを備える
ことを特徴とする吸収性物品と香り見本のセット。
【請求項15】
請求項11又は12に記載の吸収性物品と香り見本のセットであって、
前記販売店は、通りに面して開放されている店舗である
ことを特徴とする吸収性物品と香り見本のセット。
【請求項16】
請求項11又は12に記載の吸収性物品と香り見本のセットであって、
前記香料を備えず、且つ、前記吸収性物品と同一ブランド名が付された吸収性物品を、更に有し、
前記香料を備える前記吸収性物品を複数収容した収容部材には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられ、
前記香料を備えない前記吸収性物品を複数収容した収容部材には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられていない
ことを特徴とする吸収性物品と香り見本のセット。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、吸収性物品、吸収性物品の収容体、及び、吸収性物品と香り見本のセットに関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、香料を含む吸収性物品であって、前記香料は、虫の忌避機能を発揮する成分を有しており、前記成分は、販売店に設置された香り見本に含まれる香料が有する成分と同じであり、前記香り見本は、液体に含まれる前記成分を空気中に拡散させて使用するディフューザーであり、前記吸収性物品には、前記吸収性物品の非肌側から視認可能な、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられており、前記香り見本には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられていることを特徴とする吸収性物品である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
香料を含む吸収性物品であって、
前記香料は、虫の忌避機能を発揮する成分を有しており、
前記成分は、販売店に設置された香り見本に含まれる香料が有する成分と同じであり、
前記香り見本は、液体に含まれる前記成分を空気中に拡散させて使用するディフューザーであり、
前記吸収性物品には、前記吸収性物品の非肌側から視認可能な、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられており、
前記香り見本には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられている
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
香料を含む吸収性物品であって、
前記香料は、虫の忌避機能を発揮する成分を有しており、
前記成分は、販売店に設置された香り見本に含まれる香料が有する成分と同じであり、
前記香り見本は、蓋付き容器に前記成分が収容されているものであり、
前記吸収性物品には、前記吸収性物品の非肌側から視認可能な、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられており、
前記香り見本には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられている
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の吸収性物品であって、
匂いの強度は、前記吸収性物品よりも前記香り見本の方が強い
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の吸収性物品であって、
前記香料は、最も非肌側に位置するシート部材の少なくとも一部に配置されている
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の吸収性物品であって、
前記成分は、少なくともアザジラクチン及びシトロネラールのうちいずれか一方を含む
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の吸収性物品であって、
前記成分は、メントール、α-テルピオネール、リナリルアセテート、ラバンジュロール、イソプレゴール、ベンジルアセテート、エチルリナロール、メンタン、カンフェン、テトラヒドロリナロール、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、オシメノール、テルピニルアセテート、イソボルニルアセテート、ギ酸ゲラニル、p-メンタン-3,8-ジオール、2-(tert-ブチル)シクロヘキシルアセテート、ジヒドロテルピニルアセテート、ムゴール、ミルセノール、ネロール、フェニルエチルアセテート、4-tert-ブチルシクロヘキシル アセテート、シトロネリルアセテート、ネリルアセテート、アニシルアセテート、ゲラニルアセテート、エチルリナリルアセテート、トリシクロデセニルアセテート、シンナミルアセテートのうち、少なくとも1つを含む
ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項7】
収容部材を備え、請求項1又は2に記載の前記吸収性物品を前記収容部材内に複数収容した吸収性物品の収容体であって、
前記収容部材は、虫の忌避機能を有することを示す図柄を備え、
販売店に設置された香り見本には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられている
ことを特徴とする吸収性物品の収容体。
【請求項8】
請求項7に記載の吸収性物品の収容体であって、
前記収容部材の前記図柄は、前記香り見本の前記図柄と同一又は相似である
ことを特徴とする吸収性物品の収容体。
【請求項9】
請求項7に記載の吸収性物品の収容体であって、
前記収容部材の酸素透過度は、10cc/m2/day/atm以下である
ことを特徴とする吸収性物品の収容体。
【請求項10】
請求項7に記載の吸収性物品の収容体であって、
前記収容部材は、開封口を形成するための、列状に配置された複数の開孔を有していない
ことを特徴とする吸収性物品の収容体。
【請求項11】
香料を備え、前記香料が虫の忌避機能を発揮する成分を有し、販売店に陳列された吸収性物品と、
前記成分を有し、前記販売店に設置された香り見本と、
を備え、
前記香り見本は、液体に含まれる前記成分を空気中に拡散させて使用するディフューザーであり、
前記吸収性物品には、前記吸収性物品の非肌側から視認可能な、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられており、
前記香り見本には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられている
ことを特徴とする、吸収性物品と香り見本のセット。
【請求項12】
香料を備え、前記香料が虫の忌避機能を発揮する成分を有し、販売店に陳列された吸収性物品と、
前記成分を有し、前記販売店に設置された香り見本と、
を備え、
前記香り見本は、蓋付き容器に前記成分が収容されているものであり、
前記吸収性物品には、前記吸収性物品の非肌側から視認可能な、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられており、
前記香り見本には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられている
ことを特徴とする、吸収性物品と香り見本のセット。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の吸収性物品と香り見本のセットであって、
匂いの強度は、前記吸収性物品よりも前記香り見本の方が強い
ことを特徴とする吸収性物品と香り見本のセット。
【請求項14】
請求項11又は12に記載の吸収性物品と香り見本のセットであって、
前記香り見本は、前記吸収性物品に関連したラベルを備える
ことを特徴とする吸収性物品と香り見本のセット。
【請求項15】
請求項11又は12に記載の吸収性物品と香り見本のセットであって、
前記販売店は、通りに面して開放されている店舗である
ことを特徴とする吸収性物品と香り見本のセット。
【請求項16】
請求項11又は12に記載の吸収性物品と香り見本のセットであって、
前記香料を備えず、且つ、前記吸収性物品と同一ブランド名が付された吸収性物品を、更に有し、
前記香料を備える前記吸収性物品を複数収容した収容部材には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられ、
前記香料を備えない前記吸収性物品を複数収容した収容部材には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられていない
ことを特徴とする吸収性物品と香り見本のセット。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、吸収性物品、吸収性物品の収容体、及び、吸収性物品と香り見本のセットに関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、香料を含む吸収性物品であって、前記香料は、虫の忌避機能を発揮する成分を有しており、前記成分は、販売店に設置された香り見本に含まれる香料が有する成分と同じであり、前記香り見本は、液体に含まれる前記成分を空気中に拡散させて使用するディフューザーであり、前記吸収性物品には、前記吸収性物品の非肌側から視認可能な、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられており、前記香り見本には、虫の忌避機能を有することを示す図柄が設けられていることを特徴とする吸収性物品である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。