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特開2024-159166無線通信システム、中継装置、プログラム、及び無線通信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159166
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】無線通信システム、中継装置、プログラム、及び無線通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/04 20090101AFI20241031BHJP
   H04W 40/18 20090101ALI20241031BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20241031BHJP
   H04W 4/38 20180101ALI20241031BHJP
【FI】
H04W24/04
H04W40/18
H04W52/02 111
H04W4/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074992
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】久保田 修司
(72)【発明者】
【氏名】上野 真由子
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067AA44
5K067BB27
5K067DD24
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
5K067HH22
5K067HH23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】通信装置にデータを送信できなくなった端末装置の設定を変更せずに、当該端末装置から中継装置を介して通信装置にデータを送信するシステム、装置及び方法を提供する。
【解決手段】無線通信システム1は、通信ネットワークを介して通信装置にデータを送信する端末装置と、通信ネットワークで通信装置及び端末装置と通信可能な1つ以上の中継装置とを含み、端末装置は、通信装置を識別する第1の識別情報、端末装置を識別する第2の識別情報及び中継装置を識別する第3の識別情報を取得し、第1の識別情報と第2の識別情報とを含むデータを通信装置に送信し、通信装置が受信したことを示す応答データを受信できない場合、第3の識別情報と第2の識別情報を含むデータを中継装置に送信し、中継装置は、第3の識別情報と第2の識別情報とを含むデータを受信した場合、第3の識別情報を、第1の識別情報に書き換えて通信装置に送信する中継処理を実行する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して通信装置にデータを送信する端末装置と、前記通信ネットワークで前記通信装置及び前記端末装置と通信可能な1つ以上の中継装置とを含む無線通信システムであって、
前記端末装置は、
前記通信装置を識別する第1の識別情報、前記端末装置を識別する第2の識別情報、及び前記通信ネットワーク上の1つ以上の中継装置を識別する第3の識別情報を取得する第1の識別情報取得部と、
前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを含む前記データを前記通信装置に送信するデータ送信部と、
を有し、
前記データ送信部は、
前記データを前記通信装置が受信したことを示す応答データを前記通信装置から受信できない場合、前記第3の識別情報と前記第2の識別情報を含む前記データを前記中継装置に送信し、
前記中継装置は、
前記通信装置を識別する第1の識別情報を取得する第2の識別情報取得部と、
前記第3の識別情報と前記第2の識別情報とを含む前記データを前記端末装置から受信した場合、前記データに含まれている前記第3の識別情報を、前記第2の識別情報取得部で取得した前記第1の識別情報に書き換えて前記データを前記通信装置に送信する中継処理を実行する中継部と、
を有する、
無線通信システム。
【請求項2】
前記第2の識別情報取得部は、前記中継処理の対象となる前記端末装置の前記第2の識別情報を登録したリストを取得し、
前記中継部は、前記受信したデータに、前記リストに登録されている前記第2の識別情報が含まれている場合、前記中継処理を実行する、
請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記中継部は、前記受信したデータに、前記リストに登録されている前記第2の識別情報が含まれていない場合、前記中継処理を中止又は無視する、
請求項2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記無線通信システムは、
前記無線通信システムに前記中継装置が複数含まれている場合、複数の前記中継装置の前記第2の識別情報取得部は、互いに異なる前記リストを取得する、
請求項2又は3に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記中継部は、前記第3の識別情報と前記第2の識別情報とを含む前記データを受信したときに、前記第2の識別情報に対応する前記端末装置に応答データを送信する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記端末装置は、前記中継部から前記応答データを受信した場合、前記端末装置を省電力状態に移行させる状態制御部を有する、
請求項5に記載の無線通信システム。
【請求項7】
通信ネットワークを介して通信装置にデータを送信する端末装置、及び前記通信装置と前記通信ネットワークで通信可能な中継装置であって、
前記通信装置を識別する第1の識別情報、前記端末装置を識別する第2の識別情報、及び前記通信ネットワーク上の1つ以上の中継装置を識別する第3の識別情報を取得し、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを含む前記データを前記通信装置に送信する前記端末装置が、前記データを前記通信装置が受信したことを示す応答データを前記通信装置から受信できない場合に送信する前記第3の識別情報と前記第2の識別情報とを含む前記データを受信する受信部と、
前記通信装置を識別する第1の識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記受信部が、前記第3の識別情報と前記第2の識別情報とを含む前記データを前記端末装置から受信した場合、前記データに含まれている前記第3の識別情報を、前記識別情報取得部で取得した前記第1の識別情報に書き換えて前記データを前記通信装置に送信する中継処理を実行する中継部と、
を有する、中継装置。
【請求項8】
通信ネットワークを介して通信装置にデータを送信する端末装置、及び前記通信装置と前記通信ネットワークで通信可能な中継装置を、
前記通信装置を識別する第1の識別情報、前記端末装置を識別する第2の識別情報、及び前記通信ネットワーク上の1つ以上の中継装置を識別する第3の識別情報を取得し、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを含む前記データを前記通信装置に送信する前記端末装置が、前記データを前記通信装置が受信したことを示す応答データを前記通信装置から受信できない場合に送信する前記第3の識別情報と前記第2の識別情報とを含む前記データを受信する受信部と、
前記通信装置を識別する第1の識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記受信部が、前記第3の識別情報と前記第2の識別情報とを含む前記データを前記端末装置から受信した場合、前記データに含まれている前記第3の識別情報を、前記識別情報取得部で取得した前記第1の識別情報に書き換えて前記データを前記通信装置に送信する中継処理を実行する中継部と、
として機能させる、プログラム。
【請求項9】
通信ネットワークを介して通信装置にデータを送信する端末装置と、前記通信ネットワークで前記通信装置及び前記端末装置と通信可能な1つ以上の中継装置とを含む無線通信システムにおいて、
前記端末装置が、
前記通信装置を識別する第1の識別情報、前記端末装置を識別する第2の識別情報、及び前記通信ネットワーク上の1つ以上の中継装置を識別する第3の識別情報を取得する取得処理と、
前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを含む前記データを前記通信装置に送信する処理と、
前記データを前記通信装置が受信したことを示す応答データを前記通信装置から受信できない場合、前記第3の識別情報と前記第2の識別情報を含む前記データを前記中継装置に送信する処理と、
を実行し、
前記中継装置が、
前記通信装置を識別する第1の識別情報を取得する処理と、
前記第3の識別情報と前記第2の識別情報とを含む前記データを前記端末装置から受信した場合、前記データに含まれている前記第3の識別情報を、前記取得処理で取得した前記第1の識別情報に書き換えて前記データを前記通信装置に送信する中継処理と、
を実行する、無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム、中継装置、プログラム、及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、スマートメータ、HEMS(Home Energy Management System)、又はBEMS(Building Energy Management System)等向けの通信技術である、無線センサネットワークが知られている。
【0003】
また、基地局ノードは子機ノードに対してデータの送信を要求せず、子機ノードが送信するデータを基地局ノードが受信し、基地局ノードがサーバからの要求に応じて、データをサーバに送信する無線ネットワークシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
端末装置(子機ノード)が、無線通信で通信装置(基地局ノード)にデータを送信する無線通信システムにおいて、例えば、端末装置と通信装置とを設置した後に、電波環境の変化等により、端末装置が通信装置と通信できなくなる場合がある。このような場合、通信装置、及び端末装置と通信可能な中継装置を設置して、端末装置と通信装置との間の無線通信を中継したいという要求がある。
【0005】
しかし、従来の技術では、通信装置と通信ができなくなった端末装置を、中継装置を介して、通信装置と通信できるようにするためには、通信装置と通信できなくなった端末装置の設定を変更して中継装置と通信できるようにしなければならないという問題がある。
【0006】
本発明の一実施形態は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、通信装置にデータを送信できなくなった端末装置の設定を変更せずに、当該端末装置から、中継装置を介して通信装置にデータを送信できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る無線通信システムは、通信ネットワークを介して通信装置にデータを送信する端末装置と、前記通信ネットワークで前記通信装置及び前記端末装置と通信可能な1つ以上の中継装置とを含む無線通信システムであって、前記端末装置は、前記通信装置を識別する第1の識別情報、前記端末装置を識別する第2の識別情報、及び前記通信ネットワーク上の1つ以上の中継装置を識別する第3の識別情報を取得する第1の識別情報取得部と、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを含む前記データを前記通信装置に送信するデータ送信部と、を有し、前記データ送信部は、前記データを前記通信装置が受信したことを示す応答データを前記通信装置から受信できない場合、前記第3の識別情報と前記第2の識別情報を含む前記データを前記中継装置に送信し、前記中継装置は、前記通信装置を識別する第1の識別情報を取得する第2の識別情報取得部と、前記第3の識別情報と前記第2の識別情報とを含む前記データを前記端末装置から受信した場合、前記データに含まれている前記第3の識別情報を、前記第2の識別情報取得部で取得した前記第1の識別情報に書き換えて前記データを前記通信装置に送信する中継処理を実行する中継部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、通信装置にデータを送信できなくなった端末装置の設定を変更せずに、当該端末装置から、中継装置を介して通信装置にデータを送信できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る無線通信システムのシステム構成の例を示す図(1)である。
図2】一実施形態に係る無線通信システムのシステム構成の例を示す図(2)である。
図3】一実施形態に係る通信装置のハードウェア構成の例を示す図である。
図4】一実施形態に係る端末装置、及び中継装置のハードウェア構成の例を示す図である。
図5】一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。
図6】一実施形態に係る無線通信システムの機能構成の例を示す図である。
図7】第1の実施形態に係るデータ送信処理の例を示すシーケンス図である。
図8】第1の実施形態に係る送信データの構成例を示す図である。
図9】第2の実施形態に係る送信データの構成例を示す図である。
図10】第3の実施形態に係る中継装置の配置の例を示す図である。
図11】一実施形態に係る中継対象リストのイメージを示す図である。
図12】第3の実施形態に係るデータ送信処理の例を示すシーケンス図(1)である。
図13】第3の実施形態に係るデータ送信処理の例を示すシーケンス図(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態(本実施形態)について、添付の図面を参照して説明する。
【0011】
<システム構成>
図1、2は、一実施形態に係る無線通信システムのシステム構成の例を示す図である。図1の例では、無線通信システム1は、通信装置10a、10b、・・・、端末装置20a、20b、20c、20d、・・・、及び管理サーバ100等を含む。なお、以下の説明において、通信装置10a、10b、・・・のうち、任意の通信装置を示す場合、「通信装置10」を用いる。また、端末装置20a、20b、20c、20d、・・・のうち、任意の端末装置を示す場合、「端末装置20」を用いる。
【0012】
図1の例では、通信装置10a、10b、・・・は、例えば、インターネット、及びLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNを介して、管理サーバ100と通信可能に接続されている。なお、本実施形態では、管理サーバ100は、無線通信システム1の外部のサーバ、又はクラウドシステム等であってもよい。
【0013】
端末装置20は、無線通信で通信装置10にデータを送信する無線端末である。具体的な一例として、端末装置20は、例えば、LPWA(Low Power Wide Area)等の無線通信2で通信装置10に接続し、端末装置20に接続された(又は内蔵された)センサから取得したセンサデータを、通信装置10に送信するセンサ端末である。ただし、これに限られず、端末装置20は、センサデータ以外のデータを通信装置10に送信する無線端末であってもよい。なお、無線通信2は、通信ネットワークの一例である。
【0014】
通信装置10は、通信装置10の無線通信エリア内にある端末装置20と無線通信で通信可能に接続され、端末装置20から受信したデータを、管理サーバ100に送信する無線通信装置である。具体的な一例として、通信装置10は、例えば、LPWA等の無線通信2と、通信ネットワークNとの間の通信を中継するGW(Gateway)である。
【0015】
管理サーバ100は、例えば、コンピュータの構成を有する情報処理装置、又は複数のコンピュータを含むシステムである。管理サーバ100は、例えば、端末装置20が送信したデータを、通信装置10を介して取得し、記憶部等に記憶して管理する。好ましくは、管理サーバ100は、通信装置10を介して、端末装置20の設定情報を設定、又は変更することができる。
【0016】
一般的に、通信装置10と、端末装置20とで無線通信ネットワークを構築するときには、通信装置10と端末装置20とに、無線通信に必要な設定情報を設定する必要がある。ここで、通信に必要な設定情報には、例えば、無線チャネル(周波数)、ネットワークを識別する識別情報(以下、ネットワークIDと呼ぶ)、伝送レート、暗号キー、又は各装置を識別する識別情報等が含まれる。
【0017】
ここでは、端末装置20a、20bに、通信装置10aと無線通信を行うための設定情報が予め設定されており、端末装置20c、20dに、通信装置10bと無線通信を行うための設定情報が予め設定されているものとする。
【0018】
また、端末装置20は、端末装置20を識別する識別情報(以下、端末装置IDと呼ぶ)と、宛先の通信装置10を識別する識別情報(以下、通信装置IDと呼ぶ)とを使って、データを通信装置10に送信するものとする。
【0019】
例えば、図1において、端末装置20cは、通信装置10aの通信エリア11a、及び通信装置10bの通信エリア11bのエリア内にある。このような場合でも、端末装置20cは、端末装置20cの端末装置IDと、通信装置10bの通信装置IDとを含むデータを送信することにより、通信装置10bと選択的に無線通信を行うことができる。
【0020】
好ましくは、端末装置20は、バッテリから供給される電力によって動作し、消費電力を削減するために間欠動作を行う。例えば、端末装置20は、予め設定された時間間隔、又は予め設定された時刻等にセンサデータを取得し、取得したデータを無線通信で通信装置10に送信する。また、端末装置20は、データを送信した通信装置10から、データを受信したことを示す応答データ(例えばACKフレーム等)を受信すると、通信装置10を省電力状態(例えばスリープ状態)に移行させる。
【0021】
なお、通信装置10は、省電力状態に移行すると、センサデータの取得するタイミングを計測するための内部タイマを動作させ、無線通信機能等を停止する。従って、通信装置10は、省電力状態に移行すると、通信装置10宛のパケットを受信することはできない。
【0022】
図1に示すような、無線通信システム1において、例えば、電波環境の変化等により、端末装置20が、通信装置10と通信できなくなる場合がある。例えば、図2に示すように、端末装置20bの近くに電波遮断物201が設置された場合、端末装置20bは、電波遮断物201によって電波が妨げられ、端末装置20bと通信装置10aとが無線通信できなくなる場合がある。或いは、端末装置20dの設置位置が、通信装置10bの通信エリア11bの範囲内に変更された場合、電波が届かなくなり、端末装置20dと通信装置10bとが無線通信できなくなる場合がある。
【0023】
このような場合、例えば、通信装置10a、及び端末装置20bと通信可能な中継装置30aを設置して、端末装置20bと通信装置10aとの間の無線通信を中継したいという要求がある。
【0024】
しかし、従来の技術では、通信装置10aと通信ができなくなった端末装置20bを、中継装置30aを介して、通信装置10aと通信できるようにするためには、端末装置20bの設定を変更しなければならなかった。しかし、端末装置20bは、通信装置10aと無線通信を行うことができないので、例えば、管理サーバ100から、通信装置10aを介して、端末装置20bの設定を変更することはできない。
【0025】
従って、従来の技術では、例えば、管理者等が、端末装置20bが設置されている場所へ行って、例えば、端末装置20bと中継装置30aとをペアリングする、或いは、端末装置20bにルーティング情報を設定する等の作業を行っていた。
【0026】
そこで、本実施形態では、各端末装置20に、1つ以上の中継装置30に共通の識別情報(以下、共通IDと呼ぶ)を予め設定しておく。また、中継装置30は、宛先に共通IDが設定されたデータを受信すると、例えば、受信したデータの宛先を通信装置10の通信装置IDに書き換えて、通信装置10に送信する。
【0027】
これにより、本実施形態によれば、通信装置10にデータを送信できなくなった端末装置20の設定を変更せずに、当該端末装置20から、中継装置30を介して通信装置10にデータを送信できるようになる。
【0028】
<ハードウェア構成>
続いて、無線通信システム1に含まれる各装置のハードウェア構成の例について説明する。
【0029】
(通信装置のハードウェア構成)
図3は、一実施形態に係る通信装置のハードウェア構成の例を示す図である。図3に示すように、通信装置10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)301、メモリ302、ストレージデバイス303、無線通信回路304、ネットワークI/F(Interface)305、バス、及び電源回路307等を有する。
【0030】
CPU301は、例えば、ストレージデバイス303等の記憶媒体に記憶した所定のプログラムを実行することにより、通信装置10の各機能を実現する演算装置(プロセッサ)である。メモリ302は、例えば、CPU301のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)、及びCPU301の起動用のプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)等を含む。ストレージデバイス303は、例えば、プログラム、及び各種のデータ等を記憶する不揮発性の大容量の記憶装置である。
【0031】
無線通信回路304は、端末装置20と無線通信を行うための無線回路、アンテナ、及び通信制御回路等を含む。具体的な一例として、無線通信回路304は、IEEE802.15.4の無線通信規格に準拠した無線通信モジュール等である。ただし、無線通信回路304は、他の無線通信方式で端末装置20と無線通信を行うものであってもよい。ネットワークI/F305は、通信装置10を通信ネットワークNに接続し、管理サーバ100等と通信を行うための通信インタフェースである。バス306は、上記の各構成要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号、及び各種の制御信号等を伝送する。
【0032】
電源回路307は、外部電源に接続され、上記の各構成要素に電力を供給する電源回路である。
【0033】
(端末装置のハードウェア構成)
図4(A)は、一実施形態に係る端末装置のハードウェア構成の例を示す図である。端末装置20は、例えば、CPU401、メモリ402、ストレージデバイス403、無線通信回路404、センサI/F405、バス406、及びバッテリ407等を有する。
【0034】
CPU401は、例えば、ストレージデバイス403等の記憶媒体に記憶したプログラムを実行することにより、端末装置20の各機能を実現する演算装置(プロセッサ)である。メモリ402は、例えば、CPU401のワークエリア等として用いられるRAM、及びCPU401の起動用のプログラム等を記憶するROM等を含む。ストレージデバイス403は、例えば、プログラム、アプリ、及び各種のデータ等を記憶する不揮発性の大容量の記憶装置である。
【0035】
無線通信回路404は、通信装置10と同じ無線通信方式で、通信装置10と無線通信を行うための無線回路、アンテナ、及び通信制御回路等を含む。センサI/F405は、各種のセンサを接続するインタフェースである。なお、センサI/F405に接続されるセンサは、端末装置20が外部に設けられていてもよいし、端末装置20に内蔵されていてもよい。バス406は、上記の各構成要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号、及び各種の制御信号等を伝送する。
【0036】
バッテリ407は、上記の各構成要素に電力を供給するバッテリ、バッテリパック、又はバッテリモジュール等である。
【0037】
(中継装置のハードウェア構成)
図4(B)は、一実施形態に係る中継装置のハードウェア構成の例を示す図である。中継装置30は、図4(A)で説明した端末装置20のハードウェア構成のうち、センサI/F405、及びバッテリ407に代えて、電源回路408を有している。
【0038】
電源回路408は、外部電源に接続され、中継装置30が備える、CPU401、メモリ402、ストレージデバイス403、無線通信回路404、及びバス406等に電力を供給する電源回路である。
【0039】
(管理サーバのハードウェア構成)
管理サーバ100は、例えば、図5に示すようなコンピュータ500のハードウェア構成を有している。或いは、管理サーバ100は、複数のコンピュータ500によって構成される。
【0040】
図5は、一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。コンピュータ500は、例えば、CPU501、ROM502、RAM503、HD(Hard Disk)504、HDDコントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F507、ネットワークI/F508、キーボード509、ポインティングデバイス510、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ512、メディアI/F514、及びバスライン515等を備えている。
【0041】
これらのうち、CPU501は、コンピュータ500の全体の動作を制御する。ROM502は、例えば、CPU501の起動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリア等として使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御に従ってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0042】
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種の情報を表示する。外部機器接続I/F507は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。ネットワークI/F508は、通信ネットワーク101を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。
【0043】
キーボード509は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス510は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ512は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW511に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RW511は、DVD-RWに限らず、他の記録媒体であっても良い。メディアI/F514は、フラッシュメモリ等のメディア513に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。バスライン515は、上記の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス及び各種の制御信号等を含む。
【0044】
<機能構成>
図6は、一実施形態に係る無線通信システムの機能構成の例を示す図である。
【0045】
(端末装置の機能構成)
端末装置20は、ストレージデバイス403等の記憶媒体に記憶したプログラムをCPU401が実行することにより、例えば、無線通信部601、データ送信部602、状態制御部603、及び第1の識別情報取得部605等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであってもよい。
【0046】
また、端末装置20は、例えば、ストレージデバイス403、及びメモリ402等により、第1の記憶部604を実現している。
【0047】
無線通信部601は、例えば、無線通信回路404を用いて、通信装置10、又は中継装置30と無線通信を行う無線通信処理を実行する。
【0048】
データ送信部602は、通信装置10を識別する第1の識別情報と、端末装置20を識別する第2の識別情報とを含むデータを通信装置10に送信するデータ送信処理を実行する。ここで、第1の識別情報は、通信装置10を識別する通信装置IDである。また、第2の識別情報は、端末装置20を識別する端末装置IDである。
【0049】
また、データ送信部602は、データを通信装置10に送信できない場合、通信ネットワーク上の1つ以上の中継装置30を識別する第3の識別情報と、上述した第2の識別情報とを含むデータを送信する。ここで、第3の識別情報は、無線通信システム1で用いられる全ての中継装置30に予め設定された共通の識別情報(以下、共通IDと呼ぶ)である。
【0050】
状態制御部603は、端末装置20を、無線通信等の通常動作が可能な通常状態、又は内部タイマを動作させて無線通信機能を停止する省電力状態(スリープ状態)に制御する状態制御処理を実行する。
【0051】
例えば、状態制御部603は、所定の時間間隔、又は所定の時刻等に、端末装置20を通常状態に移行させる。通常状態に移行すると、データ送信部602は、例えば、センサI/F405を用いてセンサデータ(データの一例)を取得し、取得したセンサデータを通信装置10、又は中継装置30に送信する。データの送信が完了すると、状態制御部603は、端末装置20を再び省電力状態に移行させる。
【0052】
第1の記憶部604は、例えば、上述した第1の識別情報(ネットワークID、又は通信装置ID)、端末装置20を識別する第2の識別情報(端末装置ID)、及び第3の識別情報(共通ID)を含む様々なデータ、情報、及びプログラム等を記憶する。
【0053】
第1の識別情報取得部605は、通信装置10を識別する第1の識別情報、端末装置20を識別する第2の識別情報、及び通信ネットワーク上の1つ以上の中継装置を識別する第3の識別情報を、第1の記憶部604等から取得する処理を実行する。
【0054】
(中継装置の機能構成)
中継装置30は、ストレージデバイス403等の記憶媒体に記憶したプログラムをCPU401が実行することにより、例えば、無線通信部611、中継部612、及び第2の識別情報取得部614等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであってもよい。
【0055】
また、中継装置30は、例えば、ストレージデバイス403、及びメモリ402等により、第2の記憶部613を実現している。
【0056】
無線通信部611は、例えば、無線通信回路404を用いて、端末装置20、及び通信装置10と無線通信を行う無線通信処理を実行する。
【0057】
中継部612は、端末装置20が送信する、第3の識別情報(共通ID)と第2の識別情報(端末装置ID)とを含むデータを受信した場合、受信したデータに含まれている第3の識別情報(共通ID)を、後述の第2の識別情報取得部614から取得した第1の識別情報(通信装置ID)に書き換えて当該データを通信装置に送信する中継処理を実行する。
【0058】
第2の記憶部613は、例えば、第1の識別情報(通信装置ID)、第3の識別情報(共通ID)、及び中継装置30を識別する識別情報(以下、中継装置IDと呼ぶ)を含む様々なデータ、情報、及びプログラム等を記憶する。好ましくは、中継装置30は、無線通信システム1に含まれる端末装置20のうち、中継装置30が実行する中継処理の対象となる端末装置20の第2の識別情報(端末装置ID)のリストである中継対象リストを記憶する。
【0059】
第2の識別情報取得部614は、通信装置10を識別する第1の識別情報を、第2の記憶部613等から取得する処理を実行する。好ましくは、第2の識別情報取得部614は、中継処理の対象となる端末装置20の第2の識別情報を登録したリストを取得する。
【0060】
中継部612は、端末装置20からの受信したデータに、リストに登録されている第2の識別情報が含まれている場合、中継処理を実行するとしてもよい。
【0061】
(通信装置の機能構成)
通信装置10は、ストレージデバイス303等の記憶媒体に記憶したプログラムをCPU301が実行することにより、例えば、無線通信部621、データ管理部622、装置管理部623、及び通信部625等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであってもよい。
【0062】
また、通信装置10は、例えば、ストレージデバイス303、及びメモリ302等により、第3の記憶部624を実現している。
【0063】
無線通信部621は、例えば、無線通信回路304を用いて、端末装置20、及び中継装置30と無線通信を行う無線通信処理を実行する。例えば、無線通信部621は、端末装置20が送信するデータを、端末装置20から、又は中継装置30を介して受信する。
【0064】
データ管理部622は、無線通信部621が受信したデータ(例えばセンサデータ)を、第3の記憶部624等に記憶して管理するデータ管理処理を実行する。また、データ管理部622は、例えば、管理サーバ100からの要求に応じて、又は所定のタイミングで、第3の記憶部624に記憶したデータ(例えばセンサデータ)を管理サーバ100に送信する。
【0065】
装置管理部623は、通信装置10が提供する無線通信ネットワークに含まれる端末装置20、及び中継装置30等を管理する装置管理処理を実行する。例えば、装置管理部623は、管理サーバ100等からの要求に応じて、通信装置10と無線通信が可能な中継装置30、又は端末装置20の設定情報を設定、又は変更する。
【0066】
通信部625は、例えば、ネットワークI/F305を用いて、通信装置10を通信ネットワークNに接続して、管理サーバ100等の外部の情報処理装置と通信する通信処理を実行する。
【0067】
第3の記憶部624は、例えば、通信装置10が提供する無線通信ネットワークを識別するネットワークID、通信装置10を識別する通信装置ID、データ管理部622と装置管理部623が管理するデータ、情報、及びプログラム等を記憶する。
【0068】
(管理サーバ)
管理サーバ100は、通信装置10、端末装置20、及び中継装置30を含む無線通信システム1を利用、又は管理する様々なサーバ、クラウドサービス、又は情報処理装置であってよい。例えば、管理サーバ100は、無線通信システム1を利用して収集したセンサデータを管理してもよい。また、管理サーバ100は、無線通信システム1に含まれる通信装置10、端末装置20、及び中継装置30等の設定情報を管理してもよい。さらに、管理サーバ100は、通信ネットワークNを介して通信可能な情報処理装置に、管理サーバ100が管理するセンサデータを利用したサービス、又は無線通信システム1を管理するサービス等を提供してもよい。
【0069】
なお、図6に示した無線通信システム1の機能構成は一例である。例えば、通信装置10は、端末装置20、または中継装置30から受信したデータを管理せず、そのまま管理サーバ100に転送するものであってもよい。また、通信装置10は、端末装置20、及び中継装置30の管理を行わず、管理サーバ100と、中継装置30又は端末装置20との間の通信の中継のみを行うもの等であってもよい。
【0070】
<処理の流れ>
[第1の実施形態]
図7は、第1の実施形態に係るデータ送信処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、例えば、図6で説明した機能構成を有する無線通信システム1において、端末装置20が、取得したセンサデータ等のデータを、通信装置10に送信するデータ送信処理の一例を示している。
【0071】
ステップS701において、端末装置20はセンサデータを取得する。例えば、端末装置20の状態制御部603は、端末装置20が省電力状態に移行してから所定の時間を経過すると、端末装置20を通常状態に復帰させる。また、端末装置20が通常状態に復帰すると、端末装置20のデータ送信部602は、センサI/F405を用いてセンサデータを取得する。
【0072】
ステップS702において、端末装置20のデータ送信部602は、取得したデータを、通信装置10に送信する。このとき、データ送信部602は、例えば、図8に示すようなデータフレーム800を、通信装置10に送信する。
【0073】
図8は、第1の実施形態に係る送信データの構成例を示す図である。図8の例では、データフレーム800は、Preamble801、PHY Header802、MAC Header803、MAC Payload804、及びFCS805等を含む。
【0074】
Preamble801は、データフレーム800の開始を示すとともに、受信側で同期をとるための同期信号である。PHY Header802は、物理層のヘッダである。MAC Header803は、MAC(Medium Access Control)層のヘッダであり、フレーム制御情報806、ネットワークID、宛先ID、及び送信元ID等を含む。MAC Payload804は、MAC層のペイロードであり、例えば、センサデータ等のデータ810が格納される。FCS(Frame Check Sequence)805は、データフレーム800のエラーを検出するために付加される誤り検出符号である。
【0075】
フレーム制御情報806は、例えば、MAC Header803、及びMAC Payload804の構成に関する情報を定義する情報である。ネットワークID807は、例えば、通信装置10が提供する無線通信ネットワークを識別する識別情報である。宛先ID808は、データフレーム800の宛先を示す情報である。送信元ID809は、データフレーム800の送信元を示す情報である。
【0076】
例えば、端末装置20のデータ送信部602は、ステップS702において、データフレーム800の宛先ID808に、第1の識別情報(ID1)を設定し、送信元ID809に第2の識別情報(ID2)を設定し、MAC Payload804にセンサデータを設定して、データフレーム800を送信する。ここで、第1の識別情報(ID1)は、通信装置10の通信装置IDである。また、第2の識別情報(ID2)は、端末装置20の端末装置IDである。なお、データフレーム800は、データ送信部602が送信するデータの一例である。
【0077】
ステップS703において、通信装置10の無線通信部621は、端末装置20からデータを受信すると、データを受信したことを示すACK(Acknowledgment)を、端末装置20に返信する。例えば、無線通信部621は、データフレーム800を送信した端末装置20に対して、ACKフレームを送信する。なお、ACK、及びACKフレームは、応答データの一例である。
【0078】
ステップS704において、端末装置20の状態制御部603は、無線通信部601が、通信装置10からACKを受信すると、端末装置20を省電力状態に移行させる。
【0079】
端末装置20が、通信装置10と無線通信が可能である場合、無線通信システム1は、ステップS701~S704の処理を繰り返し実行する。
【0080】
一方、端末装置20が、通信装置10と無線通信ができなくなると、無線通信システム1は、ステップS711以降の処理710を実行する。
【0081】
ステップS711において、端末装置20は、ステップS701と同様にして、センサデータを取得する。
【0082】
ステップS712において、端末装置20のデータ送信部602は、ステップS702と同様にして、取得したデータを、無線通信部601を用いて通信装置10に送信する。ただし、ここでは、端末装置20は、通信装置10と無線通信ができないので、送信したデータは、通信装置10に届かない。
【0083】
ステップS713、S714において、端末装置20のデータ送信部602は、データを通信装置10に送信する処理を、所定の回数、リトライしてもよい。ステップS712~S714の処理に対して、端末装置20の無線通信部601が、通信装置10からACKを受信できない場合、データ送信部602は、例えば、データを通信装置10に送信できないと判断して、ステップS715の処理を実行する。
【0084】
ステップS715において、端末装置20のデータ送信部602は、第3の識別情報(ID3)と第2の識別情報(ID2)とを含むデータを1つ以上の中継装置30に送信する。例えば、データ送信部602は、データフレーム800の宛先ID808に、第3の識別情報(ID3)を設定し、送信元ID809に第2の識別情報(ID2)を設定し、MAC Payload804にセンサデータを設定して、データフレーム800を送信する。ここで、第3の識別情報(ID3)は、通信ネットワーク上の1つ以上の中継装置30を識別する識別情報であり、無線通信システム1で用いられる全ての中継装置30に予め設定された共通の共通IDである。また、第2の識別情報(ID2)は、端末装置20の端末装置IDである。
【0085】
ステップS716において、中継装置30の無線通信部611は、第3の識別情報(ID3)と第2の識別情報(ID2)とを含むデータを端末装置20から受信すると、データを受信したことを示すACKを、端末装置20に返信する。なお、無線通信部611は、第3の識別情報(ID3)を含むデータを受信するように、予め設定されているものとする。
【0086】
ステップS717において、端末装置20の状態制御部603は、中継装置30からACKを受信すると、端末装置20を省電力状態に移行させる。
【0087】
ステップS718において、中継装置30の中継部612は、第3の識別情報(ID3)と第2の識別情報(ID2)とを含むデータを受信すると、第1の識別情報(ID1)と第2の識別情報(ID2)とを含むデータを、通信装置10に送信する。
【0088】
例えば、端末装置20が送信したデータフレーム800には、宛先ID808に共通ID(第3の識別情報)が設定され、送信元ID809に端末装置20の端末装置ID(第2の識別情報)が設定されている。中継部612は、端末装置20から受信したデータフレームの宛先ID808を、第2の記憶部613に予め記憶した通信装置10の通信装置ID(第1の識別情報)に書き換えて、書き換えたデータフレーム800を通信装置10に転送する。
【0089】
ステップS719において、通信装置10の無線通信部621は、中継装置30からデータを受信すると、データを受信したことを示すACKを、中継装置30に返信する。なお、端末装置20は、このACKを受信できなくてよい。
【0090】
図7の処理により、本実施形態に係る無線通信システム1は、通信装置10にデータを送信できなくなった端末装置20の設定を変更しなくても、端末装置20から、中継装置30を介して通信装置10にデータを送信できるようになる。
【0091】
また、第1の実施形態では、例えば、ステップS702で端末装置20が通信装置10に送信するデータと、ステップS718で中継装置30が通信装置10に送信するデータとは、同じデータなので、通信装置10の設定、又は処理の変更等も不要である。
【0092】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、通信装置10は、受信したデータが、端末装置20によって送信されたデータであるか、中継装置30によって送信されたデータであるのかを判断することができない。そこで、中継装置30は、端末装置20から第3の識別情報(共通ID)を含むデータを受信したときに、例えば、図9に示すようなデータフレーム900を、通信装置10に送信してもよい。
【0093】
図9は、第2の実施形態に係る送信データの構成例を示す図である。第2の実施形態に係るデータフレーム900は、図8で説明した第1の実施形態に係るデータフレーム800に対して、発信元ID901が追加されている。
【0094】
第2の実施形態に係る中継部612は、端末装置20から図8に示すようなデータフレーム800を受信した場合、データフレーム900の送信元ID809に、中継装置の中継装置IDを設定し、発信元ID901、端末装置20の端末装置IDを設定したデータフレーム900を、通信装置10に送信する。
【0095】
なお、データフレーム900の発信元ID901に設定する端末装置IDは、受信したデータフレーム800の送信元ID809に設定されていた端末装置IDを用いる。また、データフレーム900のMAC Payload804に設定するデータ810は、受信したデータフレーム800のMAC Payload804に設定されていたデータを用いる。
【0096】
このデータフレーム900により、通信装置10は、受信したデータが、端末装置20によって送信されたデータであるか、中継装置30によって送信されたデータであるかを判断できるようになる。また、通信装置10は、受信したデータが、中継装置30によって送信されたデータである場合、中継装置IDにより、データを中継した中継装置30を特定することができる。なお、上述したデータフレーム900は、中継部612が通信装置10に送信する、第1の識別情報と第2の識別情報とを含むデータの一例である。例えば、中継部612は、受信したデータフレーム800をMAC Payload804に格納し、宛先ID808に第1の識別情報を設定し、送信元ID809に中継装置IDを設定した別のデータフレーム800を、通信装置10に送信してもよい。
【0097】
[第3の実施形態]
第3の実施形態では、端末装置20、及び中継装置30が複数ある場合の処理の例について説明する。図10は、第3の実施形態に係る中継装置の配置の例を示す図である。図10において、端末装置20bの近くに電波遮断物201が設置され、端末装置20bが、通信装置10にデータを送信できなくなったものとする。この場合、例えば、第1の実施形態と同様の処理により、端末装置20bは、中継装置30aを介して、データを通信装置10に送信することができる。
【0098】
しかし、例えば、端末装置20aの近くに新たな電波遮断物1001が設置され、中継装置30bをさらに設置した場合、端末装置20aが送信したデータを、中継装置30aが中継するのか、中継装置30bが中継するのかを設定する必要がある。そこで、第2の実施形態に係る中継装置30a、30bには、例えば、図11に示すような、中継対象リストが設定されている。
【0099】
例えば、中継装置30aは、図11に示すような、中継対象リスト1101aを第2の記憶部613に記憶している。中継対象リスト1101aには、中継装置30aを識別する「中継装置ID(例えば「31」)」、「共通ID(例えば「30」)」、及び「中継対象の端末装置ID(例えば「22」)」が登録されている。なお、中継対象リスト1101aの「中継対象の端末装置ID」には、中継装置30aが中継すべき端末装置(例えば端末装置20b)の端末ID(例えば「22」)を登録しておく。
【0100】
同様に、中継装置30bは、図11に示すような、中継対象リスト1101bを第2の記憶部613に記憶している。中継対象リスト1101bには、中継装置30bを識別する「中継装置ID(例えば「32」)」、「共通ID(例えば「30」)」、及び「中継対象の端末装置ID(例えば「21」)」が登録されている。なお、中継対象リスト1101bの「中継対象の端末装置ID」には、中継装置30bが中継すべき端末装置(例えば端末装置20a)の端末ID(例えば「21」)を登録しておく。
【0101】
なお、中継装置30a、30bは、例えば、外部電源で動作し、通信装置10と無線通信が可能な場所に設置する。従って、無線通信システム1を管理する管理者等は、例えば、管理サーバ100等を利用して、遠隔操作で中継対象リスト1101a、1101bを設定することができる。
【0102】
なお、第1の実施形態においても、中継装置30は、中継対象リストを有し、端末装置20から受信したデータに含まれる第2の識別情報が、中継対象リストに含まれていない場合、当該データを無視(又は中継処理を中止)してもよい。
【0103】
図12、13は、第3の実施形態に係るデータ送信処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、例えば、図10に示した端末装置20a、20bが、中継装置30a、30bを利用して、通信装置10にデータを送信する処理の例を示している。なお、基本的な処理内容は、図7で説明した第1の実施形態に係るデータ送信処理と同様なので、ここでは、第1の実施形態と同様の処理内容に対する詳細な説明は省略する。
【0104】
ステップS1201において、端末装置20bは、図7のステップS701の処理と同様にして、センサデータを取得する。また、ステップS1202において、端末装置20bのデータ送信部602は、第1の識別情報(ID)、第2の識別情報(ID2b)、及び取得したセンサデータを含むデータを、通信装置10に送信する。
【0105】
例えば、端末装置20bのデータ送信部602は、データフレーム800の宛先ID808に、第1の識別情報(ID1)を設定し、送信元ID809に第2の識別情報(ID2b)を設定し、MAC Payload804にセンサデータを設定して、データフレーム800を送信する。ここで、第1の識別情報(ID1)は、通信装置10の通信装置IDである。また、第2の識別情報(ID2b)は、端末装置20bの端末装置IDである。
【0106】
ステップS1203において、通信装置10の無線通信部621は、端末装置20bからデータを受信すると、データを受信したことを示すACKを、端末装置20bに返信する。
【0107】
ステップS1204において、端末装置20bの状態制御部603は、無線通信部601が、通信装置10からACKを受信すると、端末装置20bを省電力状態に移行させる。
【0108】
端末装置20bが、通信装置10と無線通信が可能である場合、無線通信システム1は、ステップS1201~S1204の処理を繰り返し実行する。
【0109】
ステップS1211において、端末装置20aは、図7のステップS701の処理と同様にして、センサデータを取得する。また、ステップS1212において、端末装置20aのデータ送信部602は、第1の識別情報(ID)、第2の識別情報(ID2a)、及び取得したセンサデータを含むデータを、通信装置10に送信する。
【0110】
例えば、端末装置20aのデータ送信部602は、データフレーム800の宛先ID808に、第1の識別情報(ID1)を設定し、送信元ID809に第2の識別情報(ID2a)を設定し、MAC Payload804にセンサデータを設定して、データフレーム800を送信する。ここで、第2の識別情報(ID2a)は、端末装置20aの端末装置IDである。
【0111】
ステップS1213において、通信装置10の無線通信部621は、端末装置20aからデータを受信すると、データを受信したことを示すACKを、端末装置20aに返信する。
【0112】
ステップS1214において、端末装置20aの状態制御部603は、無線通信部601が、通信装置10からACKを受信すると、端末装置20aを省電力状態に移行させる。
【0113】
端末装置20aが、通信装置10と無線通信が可能である場合、無線通信システム1は、ステップS1211~S1214の処理を繰り返し実行する。
【0114】
ここで、例えば、端末装置20bが、通信装置10と無線通信ができなくなると、無線通信システム1は、ステップS1221~S1229の処理1220を実行する。
【0115】
ステップS1221において、端末装置20bは、ステップS1201と同様にして、センサデータを取得する。
【0116】
ステップS1222において、端末装置20bのデータ送信部602は、ステップS1202と同様にして、取得したデータを、通信装置10に送信する。ただし、ここでは、端末装置20bは、通信装置10と無線通信ができないので、送信したデータは、通信装置10に届かない。
【0117】
ステップS1223、S1224において、端末装置20bのデータ送信部602は、データを通信装置10に送信する処理を、所定の回数、リトライしてもよい。ステップS1222~S1224の処理に対して、端末装置20bの無線通信部601が、通信装置10からACKを受信できない場合、データ送信部602は、データを通信装置10に送信できないと判断して、ステップS1225の処理を実行する。
【0118】
ステップS1225において、端末装置20bのデータ送信部602は、第3の識別情報(ID3)と第2の識別情報(ID2b)とを含むデータを送信する。例えば、データ送信部602は、データフレーム800の宛先ID808に、第3の識別情報(ID=30)を設定し、送信元ID809に第2の識別情報(ID2b=22)を設定したデータフレーム800を送信する。
【0119】
端末装置20bのデータ送信部602が送信したデータは、例えば、中継装置30a、30bに届く。しかし、中継装置30bは、受信したデータに含まれる第2の識別情報(ID2b=22)が、図11で説明した中継対象リスト1101bに登録されていないので、受信したデータを無視する(又は中継処理を中止する)。一方、中継装置30aは、受信したデータに含まれる第2の識別情報(ID2b=22)が、図11で説明した中継対象リスト1101aに登録されているので、ステップS1226、S1228の処理を実行する。
【0120】
ステップS1226において、中継装置30aの無線通信部611は、第3の識別情報(ID3)と第2の識別情報(ID2b)とを含むデータを受信すると、データを受信したことを示すACKを、端末装置20bに返信する。
【0121】
ステップS1227において、端末装置20bの状態制御部603は、無線通信部601が、中継装置30aからACKを受信すると、端末装置20bを省電力状態に移行させる。
【0122】
ステップS1228において、中継装置30aの中継部612は、第3の識別情報(ID3)と第2の識別情報(ID2b)とを含むデータを受信すると、第1の識別情報(ID1)と第2の識別情報(ID2b)とを含むデータを、通信装置10に送信する。
【0123】
別の一例として、中継装置30aの中継部612は、第2の実施形態を適用して、第1の識別情報(ID1)と、第2の識別情報ID2bと、中継装置30aの中継装置IDとを含むデータを、通信装置10に送信してもよい。
【0124】
ステップS1229において、通信装置10の無線通信部621は、中継装置30aからデータを受信すると、データを受信したことを示すACKを、中継装置30aに返信する。
【0125】
また、例えば、端末装置20aが、通信装置10と無線通信ができなくなると、無線通信システム1は、図13のステップS1301以降の処理を実行する。
【0126】
ステップS13011において、端末装置20aは、ステップS1211と同様にして、センサデータを取得する。
【0127】
ステップS1302において、端末装置20aのデータ送信部602は、ステップS1212と同様にして、取得したデータを、通信装置10に送信する。ただし、ここでは、端末装置20aは、通信装置10と無線通信ができないので、送信したデータは、通信装置10に届かない。
【0128】
ステップS1303、S1304において、端末装置20aのデータ送信部602は、データを通信装置10に送信する処理を、所定の回数、リトライしてもよい。ステップS1302~S1304の処理に対して、端末装置20aの無線通信部601が、通信装置10からACKを受信できない場合、データ送信部602は、データを通信装置10に送信できないと判断して、ステップS1305の処理を実行する。
【0129】
ステップS1305において、端末装置20aのデータ送信部602は、第3の識別情報(ID3)と第2の識別情報(ID2a)とを含むデータを送信する。例えば、データ送信部602は、データフレーム800の宛先ID808に、第3の識別情報(ID=30)を設定し、送信元ID809に第2の識別情報(ID2a=21)を設定したデータフレーム800を送信する。
【0130】
端末装置20aのデータ送信部602が送信したデータは、例えば、中継装置30a、30bに届く。しかし、中継装置30aは、受信したデータに含まれる第2の識別情報(ID2b=21)が、図11で説明した中継対象リスト1101aに登録されていないので、受信したデータを無視する(又は中継処理を中止する)。一方、中継装置30bは、受信したデータに含まれる第2の識別情報(ID2b=21)が、図11で説明した中継対象リスト1101bに登録されているので、ステップS1306、S1308の処理を実行する。
【0131】
ステップS1306において、中継装置30bの無線通信部611は、第3の識別情報(ID3)と第2の識別情報(ID2a)とを含むデータを受信すると、データを受信したことを示すACKを、端末装置20bに返信する。
【0132】
ステップS1307において、端末装置20aの状態制御部603は、無線通信部601が、中継装置30bからACKを受信すると、端末装置20aを省電力状態に移行させる。
【0133】
ステップS1308において、中継装置30ab中継部612は、第3の識別情報(ID3)と第2の識別情報(ID2a)とを含むデータを受信すると、第1の識別情報(ID1)と第2の識別情報(ID2a)とを含むデータを、通信装置10に送信する。
【0134】
別の一例として、中継装置30bの中継部612は、第2の実施形態を適用して、第1の識別情報(ID1)と、第2の識別情報ID2aと、中継装置30bの中継装置IDとを含むデータを、通信装置10に送信してもよい。
【0135】
ステップS1309において、通信装置10の無線通信部621は、中継装置30bからデータを受信すると、データを受信したことを示すACKを、中継装置30bに返信する。
【0136】
図12、13の処理により、本実施形態によれば、通信装置10にデータを送信できなくなった端末装置20a、20bの設定を変更しなくても、端末装置20a、20bから、複数の中継装置30a、30bを介して通信装置10にデータを送信できるようになる。
【0137】
また、本実施形態では、例えば、管理サーバ100等から、予め設置された中継装置30に、遠隔地等から中継対象リストを設定することができる。
【0138】
以上、本発明の各実施形態に係る無線通信システム1によれば、通信装置10にデータを送信できなくなった端末装置20の設定を変更せずに、端末装置20から、中継装置30を介して通信装置10にデータを送信できるようになる。
【0139】
<補足>
上記で説明した各実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0140】
また、本発明の各実施形態は、無線通信システム1として実現することができるだけでなく、無線通信システム1が備える特徴的な各処理部をステップとする無線通信方法として実現することができる。また、本発明の各実施形態は、無線通信システム1に含まれる各装置を、無線通信システム1が備える特徴的な各処理部として機能させるためのプログラムとして実現することもできる。そして、当該プログラムは、CD-ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して配信することができる。
【0141】
<付記>
本明細書には、下記の各項の無線通信システム、中継装置、プログラム、及び無線通信方法が開示されている。
(第1項)
通信ネットワークを介して通信装置にデータを送信する端末装置と、前記通信ネットワークで前記通信装置及び前記端末装置と通信可能な1つ以上の中継装置とを含む無線通信システムであって、
前記端末装置は、
前記通信装置を識別する第1の識別情報、前記端末装置を識別する第2の識別情報、及び前記通信ネットワーク上の1つ以上の中継装置を識別する第3の識別情報を取得する第1の識別情報取得部と、
前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを含む前記データを前記通信装置に送信するデータ送信部と、
を有し、
前記データ送信部は、
前記データを前記通信装置が受信したことを示す応答データを前記通信装置から受信できない場合、前記第3の識別情報と前記第2の識別情報を含む前記データを前記中継装置に送信し、
前記中継装置は、
前記通信装置を識別する第1の識別情報を取得する第2の識別情報取得部と、
前記第3の識別情報と前記第2の識別情報とを含む前記データを前記端末装置から受信した場合、前記データに含まれている前記第3の識別情報を、前記第2の識別情報取得部で取得した前記第1の識別情報に書き換えて前記データを前記通信装置に送信する中継処理を実行する中継部と、
を有する、
無線通信システム。
(第2項)
前記第2の識別情報取得部は、前記中継処理の対象となる前記端末装置の前記第2の識別情報を登録したリストを取得し、
前記中継部は、前記受信したデータに、前記リストに登録されている前記第2の識別情報が含まれている場合、前記中継処理を実行する、
第1項に記載の無線通信システム。
(第3項)
前記中継部は、前記受信したデータに、前記リストに登録されている前記第2の識別情報が含まれていない場合、前記中継処理を中止する、又は前記受信したデータを無視する、
第2項に記載の無線通信システム。
(第4項)
前記無線通信システムは、
前記無線通信システムに前記中継装置が複数含まれている場合、複数の前記中継装置の前記第2の識別情報取得部は、互いに異なる前記リストを取得する、
第2項又は第3項に記載の無線通信システム。
(第5項)
前記中継部は、前記第3の識別情報と前記第2の識別情報とを含む前記データを受信したときに、前記第2の識別情報に対応する前記端末装置に応答データを送信する、第1項~第4項のいずれかに記載の無線通信システム。
(第6項)
前記端末装置は、前記中継部から前記応答データを受信した場合、前記端末装置を省電力状態に移行させる状態制御部を有する、
第5項に記載の無線通信システム。
(第7項)
通信ネットワークを介して通信装置にデータを送信する端末装置、及び前記通信装置と前記通信ネットワークで通信可能な中継装置であって、
前記通信装置を識別する第1の識別情報、前記端末装置を識別する第2の識別情報、及び前記通信ネットワーク上の1つ以上の中継装置を識別する第3の識別情報を取得し、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを含む前記データを前記通信装置に送信する前記端末装置が、前記データを前記通信装置が受信したことを示す応答データを前記通信装置から受信できない場合に送信する前記第3の識別情報と前記第2の識別情報とを含む前記データを受信する受信部と、
前記通信装置を識別する第1の識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記受信部が、前記第3の識別情報と前記第2の識別情報とを含む前記データを前記端末装置から受信した場合、前記データに含まれている前記第3の識別情報を、前記識別情報取得部で取得した前記第1の識別情報に書き換えて前記データを前記通信装置に送信する中継処理を実行する中継部と、
を有する、中継装置。
(第8項)
通信ネットワークを介して通信装置にデータを送信する端末装置、及び前記通信装置と前記通信ネットワークで通信可能な中継装置を、
前記通信装置を識別する第1の識別情報、前記端末装置を識別する第2の識別情報、及び前記通信ネットワーク上の1つ以上の中継装置を識別する第3の識別情報を取得し、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを含む前記データを前記通信装置に送信する前記端末装置が、前記データを前記通信装置が受信したことを示す応答データを前記通信装置から受信できない場合に送信する前記第3の識別情報と前記第2の識別情報とを含む前記データを受信する受信部と、
前記通信装置を識別する第1の識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記受信部が、前記第3の識別情報と前記第2の識別情報とを含む前記データを前記端末装置から受信した場合、前記データに含まれている前記第3の識別情報を、前記識別情報取得部で取得した前記第1の識別情報に書き換えて前記データを前記通信装置に送信する中継処理を実行する中継部と、
として機能させる、プログラム。
(第9項)
通信ネットワークを介して通信装置にデータを送信する端末装置と、前記通信ネットワークで前記通信装置及び前記端末装置と通信可能な1つ以上の中継装置とを含む無線通信システムにおいて、
前記端末装置が、
前記通信装置を識別する第1の識別情報、前記端末装置を識別する第2の識別情報、及び前記通信ネットワーク上の1つ以上の中継装置を識別する第3の識別情報を取得する取得処理と、
前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを含む前記データを前記通信装置に送信する処理と、
前記データを前記通信装置が受信したことを示す応答データを前記通信装置から受信できない場合、前記第3の識別情報と前記第2の識別情報を含む前記データを前記中継装置に送信する処理と、
を実行し、
前記中継装置が、
前記通信装置を識別する第1の識別情報を取得する処理と、
前記第3の識別情報と前記第2の識別情報とを含む前記データを前記端末装置から受信した場合、前記データに含まれている前記第3の識別情報を、前記取得処理で取得した前記第1の識別情報に書き換えて前記データを前記通信装置に送信する中継処理と、
を実行する、無線通信方法。
【0142】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、及び応用が可能である。
【符号の説明】
【0143】
1 無線通信システム
10、10a、10b 通信装置
20、20a~20d 端末装置
30、30a、30b 中継装置
602 データ送信部
603 状態制御部
604 第1の記憶部
605 第1の識別情報取得部
612 中継部
613 第2の記憶部
614 第2の識別情報取得部(識別情報取得部)
1101a、1101b 中継対象リスト(リスト)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0144】
【特許文献1】特開2015-33112号公報
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
図13