(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015928
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】共有サーバ装置、管理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0633 20230101AFI20240130BHJP
H04L 51/234 20220101ALI20240130BHJP
【FI】
G06Q10/06 324
H04L51/234
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118318
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】中村 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】橋本 歩
(72)【発明者】
【氏名】横山 卓平
(72)【発明者】
【氏名】吉村 彰人
(72)【発明者】
【氏名】吉野 正樹
(72)【発明者】
【氏名】国見 敬二
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】製品に問題が生じた場合でも、どの情報処理装置が原因で問題が生じたのか直ちに解析する共有サーバ装置、管理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】複数の情報処理装置と、共有サーバ装置とが、ネットワークに接続されている管理システムにおいて、共有サーバ装置は、コード情報と、第1の情報と、第1の情報を送信した第1の情報処理装置と、を紐付けて情報保持部に保存する新規登録処理部と、第2の情報処理装置から対象物に付されたコードと第2の情報処理装置で保有する第2の情報とともに追加登録要求を受信し、コード情報と第1の情報及び第2の情報と加え、受信した第2の情報と、追加登録要求を送信した第2の情報処理装置と、を紐付けて、情報保持部に保存する追加登録処理部と、新規なコード情報を生成するコード情報生成部と、対象物に付すためのコードを生成するコード情報符号部と、コード情報を復元するコード復号部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を管理する複数の情報処理装置にネットワークで接続される共有サーバ装置であって、
情報保持部と、
前記複数の情報処理装置のうち、第1の情報処理装置から、前記第1の情報処理装置で保有する情報である第1の情報とともに新規登録要求を受信する新規登録処理部と、
前記新規登録処理部が、前記新規登録要求を受信した場合に、新規なコード情報を生成するコード情報生成部と、
前記生成されたコード情報を符号化して、前記対象物に付すためのコードを生成するコード情報符号部と、を備え、
前記新規登録処理部は、前記コード情報生成部で生成されたコード情報と、受信した第1の情報と、前記第1の情報を送信した前記第1の情報処理装置と、を紐付けて前記情報保持部に保存し、前記コード情報符号部で生成されたコードを、前記第1の情報処理装置に送信し、
前記共有サーバ装置は、
前記複数の情報処理装置のうち、一または複数の第2の情報処理装置から、前記対象物に付された前記コードと前記第2の情報処理装置で保有する情報である第2の情報とともに追加登録要求を受信する追加登録処理部と、
前記追加登録処理部が前記追加登録要求を受信した場合、受信した前記コードを復号化して前記コード情報を復元するコード復号部と、を備え、
前記追加登録処理部は、前記コード情報と前記第1の情報及び先に登録された前記第2の情報と加え、さらに、受信した前記第2の情報と、前記追加登録要求を送信した前記第2の情報処理装置とを紐付けて、前記情報保持部に保存し、登録完了の旨を、前記追加登録要求を送信した前記第2の情報処理装置に送信し、
前記共有サーバ装置は、
前記情報処理装置から前記情報とともに問い合わせを受信し、受信した前記情報を、前記情報保持部から検索し、前記情報が前記情報保持部に存在した場合に、前記情報に紐付いた情報処理装置に、検索された前記情報を送信する問い合わせ処理部、
を備える共有サーバ装置。
【請求項2】
前記問い合わせ処理部は、さらに、前記情報処理装置から前記コードとともに問い合わせを受信し、受信した前記コードを前記コード復号部で復元されたコード情報を、前記情報保持部から検索し、前記コード情報が前記情報保持部に存在した場合に、前記コード情報に紐付いた前記情報処理装置に、前記コード情報に紐付いた前記情報を送信する、
請求項1に記載の共有サーバ装置。
【請求項3】
前記新規登録処理部が、前記新規登録要求を受信した場合に、前記第1の情報処理装置のための識別情報である第1の識別情報を生成し、前記追加登録処理部が前記追加登録要求を受信した場合に、前記第2の情報処理装置のための識別情報である第2の識別情報を生成する識別情報生成部、をさらに備え、
前記新規登録処理部は、前記コード情報生成部で生成されたコード情報と、受信した第1の情報と、生成された前記第1の識別情報と、前記第1の情報を送信した前記第1の情報処理装置と、を紐付けて、前記情報保持部に保存し、前記生成されたコードと前記第1の識別情報とを、前記第1の情報処理装置に送信し、
前記追加登録処理部は、前記コード情報と前記第1の情報と先に登録された前記第2の情報と前記第2の識別情報と、に加え、さらに、受信した前記第2の情報と、生成された前記第2の識別情報と、前記第2の情報を送信した前記第2の情報処理装置とを紐付けて、前記情報保持部に保存し、前記第2の識別情報を、前記追加登録要求を送信した前記第2の情報処理装置に送信する、
請求項1に記載の共有サーバ装置。
【請求項4】
前記問い合わせ処理部は、さらに、前記情報処理装置から前記識別情報とともに問い合わせを受信し、受信した前記識別情報を、前記情報保持部から検索し、前記識別情報が前記情報保持部に存在した場合に、前記識別情報に紐付いた情報処理装置に、前記識別情報に紐付いた前記情報を送信する、
請求項3に記載の共有サーバ装置。
【請求項5】
前記問い合わせ処理部は、さらに、前記情報処理装置から前記識別情報とともに問い合わせを受信し、受信した前記識別情報を、前記情報保持部から検索し、前記識別情報が前記情報保持部に存在した場合に、前記識別情報に紐付いた情報処理装置に、前記識別情報を送信する、
請求項4に記載の共有サーバ装置。
【請求項6】
参照元と、前記参照元が参照可能な前記情報保持部に保存された情報と、を対応づけたアクセス権設定情報を、記憶するアクセス権保持部、をさらに備え、
前記問い合わせ処理部は、前記アクセス権設定情報において、前記参照元が参照可能な情報を、前記参照元に送信する、
請求項1、2、4のいずれか一つに記載の共有サーバ装置。
【請求項7】
前記複数の情報処理装置のそれぞれは、前記コードを不可視状態の不可視コードとして対象物に付し、
前記情報保持部は、前記コード情報と、前記情報と、前記情報処理装置と、前記識別情報と、前記対象物に関する可視情報と、前記対象物が偽造されている可能性の有無を示す偽造情報と、を対応づけて保存する、
請求項3に記載の共有サーバ装置。
【請求項8】
前記問い合わせ処理部は、さらに、前記情報処理装置から前記可視情報とともに問い合わせを受信し、受信した前記可視情報を、前記情報保持部から検索し、前記可視情報が前記情報保持部に存在した場合に、前記可視情報に紐付いた情報処理装置に、前記可視情報に紐付いた前記情報を送信する、
請求項7に記載の共有サーバ装置。
【請求項9】
前記問い合わせ処理部は、さらに、前記情報処理装置から前記可視情報とともに問い合わせを受信し、受信した前記可視情報を、前記情報保持部から検索し、前記可視情報が前記情報保持部に存在した場合に、前記可視情報に紐付いた情報処理装置に、前記可視情報に紐付いた前記識別情報と、前記可視情報に紐付いた前記偽造情報と、を送信する、
請求項8に記載の共有サーバ装置。
【請求項10】
対象物を管理する複数の情報処理装置にネットワークで接続される共有サーバ装置で実行される管理方法であって、
前記共有サーバ装置は、情報保持部、を備え、
前記複数の情報処理装置のうち、第1の情報処理装置から、前記第1の情報処理装置で保有する情報である第1の情報とともに新規登録要求を受信する新規登録処理ステップと、
前記新規登録処理ステップで、前記新規登録要求を受信した場合に、新規なコード情報を生成するコード情報生成ステップと、
前記生成されたコード情報を符号化して、前記対象物に付すためのコードを生成するコード情報符号ステップと、を含み、
前記新規登録処理ステップは、前記コード情報生成ステップで生成されたコード情報と、受信した第1の情報と、前記第1の情報を送信した前記第1の情報処理装置と、を紐付けて前記情報保持部に保存し、前記コード情報符号ステップで生成されたコードを、前記第1の情報処理装置に送信し、
前記管理方法は、
前記複数の情報処理装置のうち、一または複数の第2の情報処理装置から、前記対象物に付された前記コードと前記第2の情報処理装置で保有する情報である第2の情報とともに追加登録要求を受信する追加登録処理ステップと、
前記追加登録処理ステップでが前記追加登録要求を受信した場合、受信した前記コードをして前記コード情報を復元するコード復号ステップと、を含み、
前記追加登録処理ステップは、前記コード情報と前記第1の情報及び先に登録された前記第2の情報と加え、さらに、受信した前記第2の情報と、前記追加登録要求を送信した前記第2の情報処理装置とを紐付けて、前記情報保持部に保存し、登録完了の旨を、前記追加登録要求を送信した前記第2の情報処理装置に送信し、
前記管理方法は、
前記情報処理装置から前記情報とともに問い合わせを受信し、受信した前記情報を、前記情報保持部から検索し、前記情報が前記情報保持部に存在した場合に、前記情報に紐付いた情報処理装置に、検索された前記情報を送信する問い合わせ処理ステップ、
を含む管理方法。
【請求項11】
対象物を管理する複数の情報処理装置にネットワークで接続される共有サーバ装置のコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記共有サーバ装置は、情報保持部、を備え、
前記複数の情報処理装置のうち、第1の情報処理装置から、前記第1の情報処理装置で保有する情報である第1の情報とともに新規登録要求を受信する新規登録処理ステップと、
前記新規登録処理ステップで、前記新規登録要求を受信した場合に、新規なコード情報を生成するコード情報生成ステップと、
前記生成されたコード情報を符号化して、前記対象物に付すためのコードを生成するコード情報符号ステップと、を前記コンピュータに実行させ、
前記新規登録処理ステップは、前記コード情報生成ステップで生成されたコード情報と、受信した第1の情報と、前記第1の情報を送信した前記第1の情報処理装置と、を紐付けて前記情報保持部に保存し、前記コード情報符号ステップで生成されたコードを、前記第1の情報処理装置に送信し、
前記プログラムは、
前記複数の情報処理装置のうち、一または複数の第2の情報処理装置から、前記対象物に付された前記コードと前記第2の情報処理装置で保有する情報である第2の情報とともに追加登録要求を受信する追加登録処理ステップと、
前記追加登録処理ステップでが前記追加登録要求を受信した場合、受信した前記コードをして前記コード情報を復元するコード復号ステップと、を前記コンピュータに実行させ、
前記追加登録処理ステップは、前記コード情報と前記第1の情報及び先に登録された前記第2の情報と加え、さらに、受信した前記第2の情報と、前記追加登録要求を送信した前記第2の情報処理装置とを紐付けて、前記情報保持部に保存し、登録完了の旨を、前記追加登録要求を送信した前記第2の情報処理装置に送信し、
前記プログラムは、
前記情報処理装置から前記情報とともに問い合わせを受信し、受信した前記情報を、前記情報保持部から検索し、前記情報が前記情報保持部に存在した場合に、前記情報に紐付いた情報処理装置に、検索された前記情報を送信する問い合わせ処理ステップ、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共有サーバ装置、管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、PCまたはサーバ間の情報を一括管理する共有クラウドサーバが知られている。
【0003】
例えば、連携サーバにおいて、ユーザに共通IDを発行するとともに、連携サーバと各病院公開サーバ間で個別に通信を行うための仮名を発行し、この共通ユーザIDと仮名を関連づけて、ID連携用データ記憶部に記録する技術がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来技術では、通信ネットワークを介して通信可能な連携サーバにより、複数のサーバ間の従業員や患者のIDを紐づけて一括管理しているが、ある製品に問題が生じたときに、その問題がどの会社のサーバが原因で生じたのかを、すぐに解決することが困難であるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、製品に問題が生じた場合でも、どの情報処理装置が原因で問題が生じたのかを、直ちに解析することができる共有サーバ装置、管理方法およびプログラムを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、対象物を管理する複数の情報処理装置にネットワークで接続される共有サーバ装置であって、情報保持部と、前記複数の情報処理装置のうち、第1の情報処理装置から、前記第1の情報処理装置で保有する情報である第1の情報とともに新規登録要求を受信する新規登録処理部と、前記新規登録処理部が、前記新規登録要求を受信した場合に、新規なコード情報を生成するコード情報生成部と、前記生成されたコード情報を符号化して、前記対象物に付すためのコードを生成するコード情報符号部と、を備え、前記新規登録処理部は、前記コード情報生成部で生成されたコード情報と、受信した第1の情報と、前記第1の情報を送信した前記第1の情報処理装置と、を紐付けて前記情報保持部に保存し、前記コード情報符号部で生成されたコードを、前記第1の情報処理装置に送信し、前記共有サーバ装置は、前記複数の情報処理装置のうち、一または複数の第2の情報処理装置から、前記対象物に付された前記コードと前記第2の情報処理装置で保有する情報である第2の情報とともに追加登録要求を受信する追加登録処理部と、前記追加登録処理部が前記追加登録要求を受信した場合、受信した前記コードを復号化して前記コード情報を復元するコード復号部と、を備え、前記追加登録処理部は、前記コード情報と前記第1の情報及び先に登録された前記第2の情報と加え、さらに、受信した前記第2の情報と、前記追加登録要求を送信した前記第2の情報処理装置とを紐付けて、前記情報保持部に保存し、登録完了の旨を、前記追加登録要求を送信した前記第2の情報処理装置に送信し、前記共有サーバ装置は、前記情報処理装置から前記情報とともに問い合わせを受信し、受信した前記情報を、前記情報保持部から検索し、前記情報が前記情報保持部に存在した場合に、前記情報に紐付いた情報処理装置に、検索された前記情報を送信する問い合わせ処理部、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、製品に問題が生じた場合でも、その問題がどの情報処理装置が原因で生じたのかを、直ちに解析することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態にかかる管理システムのネットワーク構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態にかかる共有クラウドサーバの機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態にかかる管理DBのデータ構造の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態にかかる管理システムによる管理処理の流れを示す図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態の共有クラウドサーバによる新規登録処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、第1の実施形態にかかる共有クラウドサーバによる追加登録処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、第1の実施形態にかかる共有クラウドサーバによる情報問い合わせ処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第1の実施形態にかかる共有クラウドサーバによるコード問い合わせ処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、第2の実施形態にかかる共有クラウドサーバの機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、第2の実施形態にかかる管理DBのデータ構造の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、第2の実施形態にかかる管理システムによる管理処理の流れを示す図である。
【
図12】
図12は、第2の実施形態の共有クラウドサーバによる新規登録処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、第2の実施形態にかかる共有クラウドサーバによる追加登録処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、第2の実施形態にかかる共有クラウドサーバによるID問い合わせ処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、第2の実施形態にかかる共有クラウドサーバによるID問い合わせ処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、第3の実施形態にかかる共有クラウドサーバの機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図17】
図17は、第3の実施形態にかかるアクセス権設定DBのデータ構造の一例を示す説明図である。
【
図18】
図18は、第4の実施形態にかかる管理システムによる管理処理の流れを示す図である。
【
図19】
図19は、第4の実施形態においてステルスコードを目視で見た場合と、特殊なスキャナでスキャンした場合の相違を示す図である。
【
図20】
図20は、第4の実施形態にかかる共有クラウドサーバの機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図21】
図21は、第4の実施形態にかかる管理DBのデータ構造の一例を示す図である。
【
図22】
図22は、第4の実施形態にかかる共有クラウドサーバによる問い合わせ処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図23】
図23は、第4の実施形態にかかる共有クラウドサーバによる偽造情報による情報発信の処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図24】
図24は、第1~4の実施形態にかかる共有クラウドサーバのハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、共有サーバ装置、管理方法およびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施形態にかかる管理システム1のネットワーク構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態にかかる管理システム1は、共有クラウドサーバ100と、複数のサーバ200aや複数のPC200dとが、インターネット等のネットワークに接続されている。ここで、共有クラウドサーバ100は、共有サーバ装置に相当する。複数のサーバ200a、複数のPC200dは、複数の情報処理装置に相当する。ここで、サーバ200a,PC200dを区別しない場合には、サーバ/PC200と称する。
【0011】
複数のサーバ/PC200は、対象物である製品を管理する。複数のサーバ/PC200のそれぞれは、例えば、製品を扱う異なる企業に設けられ、各企業において製品を監視して、流通させる。
【0012】
共有クラウドサーバ100は、複数のサーバ/PC200のそれぞれから新規登録、追加登録を受信して、製品に関する各種情報を、一元管理する。また、共有クラウドサーバ100は、複数のサーバ/PC200からの問い合わせを受信して、一元管理されている製品に関する各種情報を、サーバ/PC200に送信する。
【0013】
図2は、第1の実施形態にかかる共有クラウドサーバ100の機能的構成を示すブロック図である。本実施形態にかかる共有クラウドサーバ100は、
図2に示すように、要求処理部10と、コード処理部20と、情報保持部30と、を備えている。
【0014】
要求処理部10は、サーバ/PC200それぞれからの各種要求を受信して、各種要求に応じた処理を実行し、その結果をサーバ/PC200それぞれに送信する。ここで、各種要求には、新規登録要求、追加登録要求、問い合わせがある。要求処理部10は、
図2に示すように、新規登録処理部101と、追加登録処理部102と、問い合わせ処理部103と、を備えている。
【0015】
新規登録処理部101は、複数のサーバ/PC200のいずれかから、当該サーバ/PC200で保有する情報とともに新規登録要求を受信する。ここで、新規登録要求を送信したサーバ/PC200は第1の情報処理装置に相当する。新規登録要求とともに送信されてくるサーバ/PC200で保有する情報は、第1の情報に相当する。
【0016】
また、新規登録処理部101は、後述するコード情報生成部201で生成されたコード情報と、サーバ/PC200から受信した情報と、当該情報を送信したサーバ/PC200と、を紐付けて情報保持部30に保存する。具体的には、新規登録処理部101は、コード情報と、サーバ/PC200から受信した情報と、当該情報を送信したサーバ/PC200のアドレスと、を紐付けて、情報保持部30の管理データベース(以下、管理DBという)310に登録する。さらに、新規登録処理部101は、後述するコード情報符号部202で生成されたコードを、新規登録要求を送信したサーバ/PC200に送信する。
【0017】
追加登録処理部102は、サーバ/PC200から、対象物である製品に付されたコードと、当該サーバ/PC200で保有する情報とともに追加登録要求を受信する。ここで、追加登録要求を送信したサーバ/PC200は第2の情報処理装置に相当する。追加登録要求とともに送信されてくるサーバ/PC200で保有する情報は、第2の情報に相当する。
【0018】
また、追加登録処理部102は、新規登録処理で生成されたコード情報と、新規登録要求により受信したサーバ/PC200で保有する情報(第1の情報)と、に加え、さらに、追加登録要求で受信したサーバ/PC200で保有する情報(第2の情報)と、追加登録要求を送信したサーバ/PC200とを紐付けて、情報保持部30に保存する。具体的には、追加登録処理部102は、情報保持部30の管理DB310に登録されているコード情報と、新規登録要求により受信したサーバ/PC200で保有する情報と、にさらに、追加登録要求で受信したサーバ/PC200で保有する情報と、追加登録要求を送信したサーバ/PC200のアドレスとを紐付けて登録する。
【0019】
ここで、管理DB310に、既に、先に登録された追加登録要求で受信したサーバ/PC200で保有する情報(第2の情報)、当該サーバ/PC200のアドレスが登録されている場合には、追加登録処理部102は、当該情報、アドレスにも紐付ける。
【0020】
さらに、追加登録処理部102は、登録完了の旨を、追加登録要求を送信したサーバ/PC200に送信する。
【0021】
問い合わせ処理部103は、サーバ/PC200から情報とともに問い合わせを受信し、受信した情報を、情報保持部30の管理DB310から検索する。そして、問い合わせ処理部103は、当該情報が情報保持部30に存在した場合、すなわち、管理DB310に登録されていた場合に、管理DB310において検索された情報に紐付いたサーバ/PC200に、検索された情報を送信する。
【0022】
また、問い合わせ処理部103は、さらに、サーバ/PC200からコードとともに問い合わせを受信し、受信したコードを後述するコード復号部203で復号化したコード情報を、情報保持部30の管理DB310から検索する。そして、問い合わせ処理部103は、コード情報が情報保持部30に存在した場合、すなわち、コード情報が管理DB310に登録されていた場合に、管理DB310においてコード情報に紐付いたサーバ/PC200に、コード情報に紐付いた情報を送信する。
【0023】
コード処理部20は、コードに関する処理を行う。コード処理部20は、
図2に示すように、コード情報生成部201と、コード情報符号部202と、コード復号部203と、を備えている。
【0024】
コード情報生成部201は、新規登録処理部101が、新規登録要求を受信した場合に、新規なコード情報を生成する。ここで、コード情報は、意味のある情報をもつ必要がなく、各情報の紐づけができればよい。これにより、本実施形態によれば、秘匿性を担保しつつ、当該製品情報のトレーサビリティを確保することができる。
【0025】
コード情報符号部202は、コード情報生成部201で生成されたコード情報を符号化して、コードを生成する。ここで、コードとは、対象物に付されるものであり、例えば、バーコードやQRコード(登録商標)等の二次元コード等が該当するが、これに限定されるものではない。
【0026】
コード復号部203は、追加登録処理部102が追加登録要求を受信した場合、受信したコードを復号化してコード情報を得る。
【0027】
情報保持部30は、HDD(Hard Disc Drive)、SDD(Solid State Drive)等の記憶媒体である。情報保持部30には、管理DB310が保存されている。
【0028】
管理DB310は、複数のサーバ/PC200で管理され、かつ流通する製品に関する各種情報を一元管理するためのデータベースである。管理DB310は、コード情報と、各サーバ/PC200で保有する情報および各サーバ/PC200のアドレスとが、対応づけられて登録されている。
【0029】
図3は、第1の実施形態にかかる管理DB310のデータ構造の一例を示す図である。管理DB310は、
図3に示すように、コード情報301と、各PC・サーバの情報302とが対応づけられる。各PC・サーバの情報302は、情報とサーバ/PC200のアドレスとから構成される。
【0030】
次に、以上のように構成された本実施形態の共有クラウドサーバ100による管理処理について説明する。
【0031】
図4は、第1の実施形態にかかる管理システムによる管理処理の流れを示す図である。
図4の例では、対象物として錠剤にコードを印刷して、例えば、製薬会社である会社Aから、物流会社である会社B,薬局である会社Cを経由して、錠剤が患者まで流通していく場合を考える。
【0032】
会社AにはサーバA、会社BにサーバB、会社CにはサーバCが設置されており、サーバは、共有クラウドサーバ100にネットワーク経由でアクセス可能となっている。
【0033】
まず、サーバAは、サーバAで保有している情報を、共有クラウドサーバ100上にアップロードして新規登録要求を行う。ただし、サーバAは、秘匿したい情報はアップロードする必要はない。新規登録要求を受信した共有クラウドサーバ100は、新規なコード情報を生成し、コード情報と、アップロードされたサーバAの情報とを紐付けて情報保持部30に保存する。共有クラウドサーバ100は、このコード情報から2次元コードであるコードを生成して、サーバAに対して発行する。会社Aでは、発行されたコードを製品である錠剤に印字し、会社Aから会社Bに送付する。
【0034】
会社BのサーバBでは、錠剤に印字されたコードを読み込み、サーバBで保有している情報とともに共有クラウドサーバ100にアップロードし、追加登録要求を行う。共有クラウドサーバ100では、受信したコードを基に、情報保持部30に既に存在しているサーバAの情報と、アップロードされたサーバBの情報を紐づける。そして、会社Bから会社Cにコードが印字された錠剤を送付する。
【0035】
会社CのサーバCでも、サーバBと同様に、会社Cで保有している情報の共有クラウドサーバ100へのアップロードとともに追加登録要求を行う。これにより、共有クラウドサーバ100では、サーバA/Bの情報とサーバCの情報を紐づけて情報保持部30に保存する。
【0036】
次に、このような共有クラウドサーバ100による詳細な処理について説明する。まず、新規登録処理について説明する。
【0037】
図5は、第1の実施形態の共有クラウドサーバ100による新規登録処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0038】
サーバ/PC200(
図5ではサーバX)から、サーバ/PC200で保有している情報とともに新規登録要求が共有クラウドサーバ100に送信された場合には、共有クラウドサーバ100の新規登録処理部101は、サーバ/PC200から新規登録要求を受信する(S11)。
【0039】
次に、コード情報生成部201は、新規なコード情報を生成する(S12)。そして、新規登録処理部101は、新規なコード情報と、S11で受信したサーバ/PC200の情報およびサーバ/PC200のアドレスと、を紐付けて情報保持部30に保存する(S13)。これにより新規登録がなされることになる。
【0040】
次に、コード情報符号部202は、S12で生成された新規なコード情報を符号化してコードとする(S14)。そして、新規登録処理部101は、このコードを、新規登録要求を行ったサーバ/PC200に送信する(S15)。
【0041】
次に、追加登録処理について説明する。
図6は、第1の実施形態にかかる共有クラウドサーバ100による追加登録処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0042】
サーバ/PC200(
図6ではサーバX)から、サーバ/PC200で保有している情報とコードとともに追加登録要求が共有クラウドサーバ100に送信された場合には、共有クラウドサーバ100の追加登録処理部102は、サーバ/PC200から追加登録要求を受信する(S21)。
【0043】
次に、コード復号部203は、S21で受信したコードを復号化してコード情報を復元する(S22)。そして、追加登録処理部102は、復元されたコード情報を情報保持部30から検索する(S23)。具体的には、追加登録処理部102は、管理DB310を検索して、S22で復元されたコード情報が登録されているか否かを調べる。
【0044】
そして、追加登録処理部102は、コード情報が情報保持部30に存在するか否かを判断する(S24)。コード情報が情報保持部30に存在しない場合には(S24:No)、追加登録処理部102は、追加登録要求を送信したサーバ/PC200に登録不可の旨のメッセージを送信する(S27)。
【0045】
一方、S24で、コード情報が情報保持部30に存在する場合には(S24:Yes)、追加登録処理部102は、情報保持部30の管理DB310において、当該コード情報に対して、S21で受信したサーバ/PC200で保有する情報と当該サーバ/PC200のアドレスとを、紐付けて追加登録する(S25)。
図3の管理DB310の例では、サーバXの情報がコード情報「2」に紐付いて追加登録されている。そして、追加登録処理部102は、追加登録要求を送信したサーバ/PC200に登録完了の旨のメッセージを送信する(S26)。
【0046】
次に、情報による問い合わせ処理について説明する。
図7は、第1の実施形態にかかる共有クラウドサーバ100による情報問い合わせ処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0047】
サーバ/PC200(
図7ではサーバX)から、サーバ/PC200で保有している情報とともに情報の問い合わせ要求が共有クラウドサーバ100に送信されたとする。ここで、情報は、サーバ/PC200が問い合わせたい情報または当該情報の一部である。
【0048】
このような情報の問い合わせ要求が送信された場合、共有クラウドサーバ100の問い合わせ処理部103は、サーバ/PC200から情報問い合わせ要求を受信する(S31)。
【0049】
次に、問い合わせ処理部103は、S31で受信した情報を情報保持部30から検索する(S32)。具体的には、問い合わせ処理部103は、管理DB310を検索して、S31で受信した情報が登録されているか否かを調べる。
【0050】
そして、問い合わせ処理部103は、情報が情報保持部30に存在するか否かを判断する(S33)。情報が情報保持部30に存在しない場合には(S33:No)、問い合わせ処理部103は、情報問い合わせ要求を送信したサーバ/PC200(サーバX)に問い合わせ失敗の旨のメッセージを送信する(S36)。
【0051】
一方、S33で、情報が情報保持部30に存在する場合には(S33:Yes)、問い合わせ処理部103は、情報保持部30の管理DB310において、当該情報に紐付いている全てのサーバ/PC200に対して、各サーバ/PC200の情報を送信する(S34)。次いで、問い合わせ処理部103は、情報問い合わせ要求を送信したサーバ/PC200(サーバX)に処理完了の旨のメッセージを送信する(S35)。
【0052】
図3の例では、問い合わせ要求を行ったサーバXの情報に、PC:Bの情報が紐付いているため、PC:Bに対してBの情報が送信されることになる。ここで、
図3の管理DB310において、サーバXの情報に、さらに他のサーバ/PC200が紐付いていれば、問い合わせ処理部103は、当該サーバ/PC200にも、当該サーバ/PC200の情報を送信することになる。
【0053】
次に、コードによる問い合わせ処理について説明する。
図8は、第1の実施形態にかかる共有クラウドサーバ100によるコード問い合わせ処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0054】
サーバ/PC200(
図8ではサーバX)から、コードとともにコードの問い合わせ要求が共有クラウドサーバ100に送信された場合、共有クラウドサーバ100の問い合わせ処理部103は、サーバ/PC200からコード問い合わせ要求を受信する(S41)。
【0055】
次に、コード復号部203は、受信したコードを復号化してコード情報を復元する(S42)。次いで、問い合わせ処理部103は、S42で復元したコード情報を情報保持部30から検索する(S43)。具体的には、問い合わせ処理部103は、管理DB310を検索して、S42で復元したコード情報が登録されているか否かを調べる。
【0056】
そして、問い合わせ処理部103は、コード情報が情報保持部30に存在するか否かを判断する(S44)。コード情報が情報保持部30に存在しない場合には(S44:No)、問い合わせ処理部103は、コード問い合わせ要求を送信したサーバ/PC200(サーバX)に問い合わせ失敗の旨のメッセージを送信する(S47)。
【0057】
一方、S44で、コード情報が情報保持部30に存在する場合には(S44:Yes)、問い合わせ処理部103は、情報保持部30の管理DB310において、当該コード情報に紐付いている全てのサーバ/PC200に対して、各サーバ/PC200の情報を送信する(S45)。次いで、問い合わせ処理部103は、コード問い合わせ要求を送信したサーバ/PC200(サーバX)に処理完了の旨のメッセージを送信する(S46)。
【0058】
図3の例において、例えば、コード情報「2」による問い合わせ要求があった場合には、
図3の管理DB310において、コード情報「2」には、PC:Bの情報、サーバ:Xの情報が紐付いている。このため、問い合わせ処理部103は、PC:Bに対してBの情報を送信し、サーバXに対してXの情報を送信することになる。ここで、
図3の管理DB310において、コード情報「2」に、さらに他のサーバ/PC200があれば、問い合わせ処理部103は、当該サーバ/PC200にも、当該サーバ/PC200の情報を送信することになる。
【0059】
なお、コードの場合には、第三者も認識することができるため、第三者からの問い合わせ要求に対して、
図8に示す問い合わせ処理を実行するように、問い合わせ処理部103を構成してもよい。
【0060】
このように本実施形態では、共有クラウドサーバ100において、新規登録処理部101が複数のサーバ/PC200のいずれかから、当該サーバ/PC200で保有する情報とともに新規登録要求を受信すると、コード情報生成部201が新たなたコード情報生成し、新規登録処理部101が、コード情報と、サーバ/PC200から受信した情報と、当該情報を送信したサーバ/PC200と、を紐付けて情報保持部30に保存して、コード情報をコード情報符号部202で符号化したコードを、新規登録要求を送信したサーバ/PC200に送信する。また、追加登録処理部102は、サーバ/PC200から、対象物である製品に付されたコードと、当該サーバ/PC200で保有する情報とともに追加登録要求を受信し、新規登録処理で生成されたコード情報と、新規登録要求により受信したサーバ/PC200で保有する情報と、に加え、さらに、追加登録要求で受信したサーバ/PC200で保有する情報と、追加登録要求を送信したサーバ/PC200とを紐付けて、情報保持部30に保存する。また、問い合わせ処理部103は、サーバ/PC200から情報とともに問い合わせを受信した場合に、受信した情報を、情報保持部30の管理DB310から検索し、情報が情報保持部に存在した場合に、管理DB310において検索された情報に紐付いたサーバ/PC200に、検索された情報を送信する。
【0061】
このため、本実施形態によれば、サーバ/PC200から共有クラウドサーバ100に情報の問い合わせ要求があった際に、送信された情報に紐づいているサーバ/PC200に対して情報を送信することができるので、製品に問題が生じた場合でも、問題がどのサーバ/PC200が原因で生じたのかを、直ちに解析することができる。
【0062】
また、本実施形態によれば、新規登録の際に、共有クラウドサーバ100のコード情報生成部201が新規なコード情報を生成しているので、サーバ/PC200側でコード情報を生成する必要が無く、セキュリティを向上させることができる。
【0063】
また、本実施形態によれば、共有クラウドサーバ100のコード復号部203でコードを復号してコード情報を復元しているので、共有クラウドサーバ100のみでコードの解釈を行うことができる。また、本実施形態によれば、コード情報自体には意味がないため、セキュリティを向上させることができる。
【0064】
また、本実施形態では、新規登録および追加登録の際に、管理DB310において、サーバ/PC200とサーバ/PC200が保有する情報を紐づけているので、情報のトレースが可能となる。また、このため、本実施形態によれば、情報の確認を一括して効率よく行うことができる。
【0065】
また、問い合わせ処理部103は、さらに、サーバ/PC200からコードとともに問い合わせを受信した場合に、受信したコードを後述するコード復号部203で復号化したコード情報を、情報保持部30の管理DB310から検索し、コード情報が情報保持部30に存在した場合、管理DB310においてコード情報に紐付いたサーバ/PC200に、コード情報に紐付いた情報を送信する。
【0066】
このため、本実施形態によれば、サーバ/PC200から共有クラウドサーバ100にコードの問い合わせ要求があった際に、送信されたコードから復元したコード情報に紐づいているサーバ/PC200に対して情報を送信することができるので、製品に問題が生じた場合でも、問題がどのサーバ/PC200が原因で生じたのかを、直ちに解析することができる。
【0067】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、共有クラウドサーバ100は、新規登録処理において新規なコード情報を生成しているが、この第2の実施形態では、共有クラウドサーバは、新規登録処理、追加登録処理において、サーバ/PC200に固有のIDを生成する。
【0068】
図9は、第2の実施形態にかかる共有クラウドサーバ1100の機能的構成の一例を示すブロック図である。なお、第3の実施形態にかかる管理システムのネットワーク構成は第1の実施形態と同様である。
【0069】
本実施形態にかかる共有クラウドサーバ1100は、
図9に示すように、要求処理部1010と、コード処理部20と、情報保持部1030と、ID生成部40と、を主に備えている。ここで、コード処理部20の構成および機能は、第1の実施形態と同様である。
【0070】
ID生成部40は、新規登録処理部1101が新規登録要求を受信した場合に、新規登録要求を送信したサーバ/PC200のためのIDを生成する。また、ID生成部40は、追加登録処理部1102が追加登録要求を受信した場合に、追加登録要求を送信したサーバ/PC200のためのIDを生成する。
【0071】
ここで、ID生成部40は、識別情報生成部に相当する。また、新規登録要求を送信したサーバ/PC200のためのIDは、第1の識別情報に相当し、追加登録要求を送信したサーバ/PC200のためのIDは、第2の識別情報に相当する。
【0072】
情報保持部1030は、HDD、SDD等の記憶媒体である。情報保持部1030には、管理DB1310が保存されている。
【0073】
管理DB1310は、複数のサーバ/PC200で管理され、かつ流通する製品に関する各種情報を一元管理するためのデータベースである。管理DB1310は、コード情報と、各サーバ/PC200で保有する情報および各サーバ/PC200のアドレスと、各サーバ/PC200用のIDが、対応づけられて登録されている。
【0074】
図10は、第2の実施形態にかかる管理DB1310のデータ構造の一例を示す図である。管理DB1310は、
図10に示すように、コード情報301と、各PC・サーバの情報302と、ID303とが対応づけられる。各PC・サーバの情報302は、情報とサーバ/PC200のアドレスとから構成される。
【0075】
図9に戻り、要求処理部1010は、新規登録処理部1101と、追加登録処理部1102と、問い合わせ処理部1103と、を主に備えている。
【0076】
新規登録処理部1101は、第1の実施形態と同様に、サーバ/PC200から情報とともに新規登録要求を受信する。そして、新規登録処理部1101は、コード情報生成部201で生成されたコード情報と、新規登録要求とともに受信したサーバ/PC200で保有する情報および当該サーバ/PC200と、ID生成部40で生成されたIDと、を紐付けて、情報保持部1030に保存する。具体的には、新規登録処理部1101は、コード情報と、新規登録要求とともに受信したサーバ/PC200で保有する情報と、当該サーバ/PC200のアドレスと、当該サーバ/PC200用のIDと、を紐付けて、情報保持部1030の管理DB1130に登録する。
【0077】
また、新規登録処理部1101は、コード情報符号部202でコード情報を符号化したコードと、新規登録要求を行ったサーバ/PC200用のIDとを、新規登録要求を行ったサーバ/PC200に送信する。
【0078】
追加登録処理部1102は、第1の実施形態と同様に、サーバ/PC200からコードと情報とともに追加登録要求を受信する。そして、追加登録処理部1102は、コード情報と新規登録要求を行ったサーバ/PCで保有する情報とに、さらに、追加登録要求とともに受信した、追加登録要求を行ったサーバ/PC200で保有する情報および追加登録要求を行ったサーバ/PC200と、ID生成部40で生成された追加登録要求を行ったサーバ/PC用のIDと、を紐付けて、情報保持部1030に保存する。具体的には、追加登録処理部1102は、コード情報と、新規登録要求とともに受信したサーバ/PC200で保有する情報と、当該サーバ/PC200のアドレスと、当該サーバ/PC200用のIDと、に更に、追加登録要求を行ったサーバ/PC200で保有する情報と、当該サーバ/PC200のアドレスと、追加登録要求を行ったサーバ/PC用のIDとを紐付けて、情報保持部1030の管理DB1130に登録する。
【0079】
ここで、管理DB1310に、既に、先に登録された追加登録要求で受信したサーバ/PC200で保有する情報(第2の情報)、当該サーバ/PC200のアドレス、先に登録された追加登録要求で受信したサーバ/PC200用のIDが登録されている場合には、追加登録処理部1102は、当該情報、アドレス、IDにも紐付ける。
【0080】
さらに、追加登録処理部1102は、追加登録要求で受信したサーバ/PC200用のIDを、追加登録要求を送信したサーバ/PC200に送信する。
【0081】
問い合わせ処理部1103は、第1の実施形態と同様の機能を有する他、サーバ/PC200からIDとともにIDの問い合わせを受信し、受信したIDを、情報保持部1030から検索する。具体的には、問い合わせ処理部1103は、受信したIDを、情報保持部1030の管理DB1310から検索する。問い合わせ処理部1103は、IDが情報保持部1030に存在した場合、すなわち管理DB1130に登録されていた場合には、管理DB1130において当該IDに紐付いたサーバ/PC200に、当該IDに紐付いた情報を送信する。
【0082】
また、問い合わせ処理部1103は、サーバ/PC200からIDとともにID情報発信の問い合わせを受信し、受信したIDを、情報保持部1030から検索する。問い合わせ処理部1103は、IDが情報保持部1030に存在した場合、すなわち、管理DB1310に登録されていた場合には、管理DB1130において当該IDに紐付いたサーバ/PC200に、IDを送信する。
【0083】
次に、以上のように構成された本実施形態の共有クラウドサーバ1100による管理処理について説明する。
【0084】
図11は、第2の実施形態にかかる管理システムによる管理処理の流れを示す図である。
図11の例では、
図4と同様に、対象物として錠剤にコードを印刷して、例えば、製薬会社である会社Aから、物流会社である会社B,薬局である会社Cを経由して、錠剤が患者まで流通していく場合を考える。
図11の例では、共有クラウドサーバ1100は、サーバA/B/Cの情報を紐づける例を示している。
【0085】
サーバAは、サーバAで保有している情報を共有クラウドサーバ1100にアップロードして新規登録要求を行うと、共有クラウドサーバ1100は、必要に応じてサーバA用のIDを発行する。同様に、サーバB、サーバCでも、各サーバで保有している情報をアップロードして追加登録要求を行うと、共有クラウドサーバ1100は、それぞれサーバB用のID、サーバB用のIDを発行する。
【0086】
IDは、例えば各会社である製品に対して、製品を特定する際にその会社特有のナンバリング管理をするのに用いることができる。IDは同じサーバであっても、受注管理のためのID、生産管理のためのIDのように複数の用途のために複数のIDを発行してもよい。この場合には、各サーバ/PC200が新規登録要求や追加登録要求の際に、IDをいくつ発行するかを共有クラウドサーバ1100に通知するように構成すればよい。このように、共有クラウドサーバ1100がIDを発行することで、各会社でIDを発行したり管理する必要がなくなる。
【0087】
次に、このような共有クラウドサーバ100による詳細な処理について説明する。まず、新規登録処理について説明する。
【0088】
図12は、第2の実施形態の共有クラウドサーバ1100による新規登録処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0089】
サーバ/PC200(
図12ではサーバX)から、サーバ/PC200で保有している情報とともに新規登録要求が共有クラウドサーバ1100に送信された場合には、第1の実施形態と同様に、共有クラウドサーバ1100の新規登録処理部1101は、サーバ/PC200から新規登録要求を受信する(S11)。そして、コード情報生成部201は、新規なコード情報を生成する(S12)。
【0090】
次に、ID生成部40は、新規登録要求を行ったサーバ/PC200用のIDを生成する(S51)。
【0091】
そして、新規登録処理部1101は、新規なコード情報と、S11で受信したサーバ/PC200の情報および新規登録要求を行ったサーバ/PC200のアドレスと、S51で生成されたID、新規登録要求を行ったサーバ/PC200用のIDとを紐付けて情報保持部30に保存する(S52)。これにより新規登録がなされることになる。
【0092】
次に、コード情報符号部202は、S12で生成された新規なコード情報を符号化してコードとする(S14)。そして、新規登録処理部101は、このコードと新規登録要求を行ったサーバ/PC200用のIDとを、新規登録要求を行ったサーバ/PC200に送信する(S53)。
【0093】
次に、追加登録処理について説明する。
図13は、第2の実施形態にかかる共有クラウドサーバ1100による追加登録処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0094】
サーバ/PC200(
図13ではサーバX)から、サーバ/PC200で保有している情報とコードとともに追加登録要求が共有クラウドサーバ100に送信された場合、共有クラウドサーバ100における追加登録要求からコード情報の情報保持部1030での存否の確認までの処理(S21~S24)は、第1の実施形態と同様に行われる。
【0095】
そして、S24で、コード情報が情報保持部1030に存在しない場合には(S24:No)、追加登録処理部1102は、追加登録要求を送信したサーバ/PC200に登録不可の旨のメッセージを送信する(S27)。
【0096】
一方、S24で、コード情報が情報保持部1030に存在する場合には(S24:Yes)、ID生成部40は、追加登録要求を行ったサーバ/PC200(サーバX)用のIDを生成する(S61)。
【0097】
次いで、追加登録処理部1102は、情報保持部1030の管理DB1310において、当該コード情報に対して、S21で受信したサーバ/PC200で保有する情報と、当該サーバ/PC200のアドレスと、S61で生成されたIDとを、紐付けて追加登録する(S62)。
図10の管理DB1310の例では、サーバXの情報とサーバX用のIDがコード情報「2」に紐付いて追加登録されている。そして、追加登録処理部102は、追加登録要求を送信したサーバ/PC200(サーバX)に登録完了の旨のメッセージを送信する(S63)。
【0098】
次に、IDによる問い合わせ処理について説明する。
図14は、第2の実施形態にかかる共有クラウドサーバ1100によるID問い合わせ処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0099】
サーバ/PC200(
図14ではサーバX)から、サーバ/PC200のIDとともに問い合わせ要求が共有クラウドサーバ1100に送信された場合、共有クラウドサーバ1100の問い合わせ処理部1103は、サーバ/PC200からID問い合わせ要求を受信する(S71)。
【0100】
次に、問い合わせ処理部1103は、S71で受信したIDを情報保持部1030から検索する(S72)。具体的には、問い合わせ処理部1103は、管理DB1310を検索して、S71で受信したIDが登録されているか否かを調べる。
【0101】
そして、問い合わせ処理部1103は、IDが情報保持部1030に存在するか否かを判断する(S73)。IDが情報保持部1030に存在しない場合には(S73:No)、問い合わせ処理部1103は、ID問い合わせ要求を送信したサーバ/PC200(サーバX)に問い合わせ失敗の旨のメッセージを送信する(S76)。
【0102】
一方、S73で、IDが情報保持部1030に存在する場合には(S73:Yes)、問い合わせ処理部1103は、情報保持部1030の管理DB1310において、当該IDに紐付いている全てのサーバ/PC200に対して、各サーバ/PC200の情報を送信する(S74)。次いで、問い合わせ処理部1103は、ID問い合わせ要求を送信したサーバ/PC200(サーバX)に処理完了の旨のメッセージを送信する(S75)。
【0103】
図10の例では、ID問い合わせ要求を行ったサーバXのIDに、PC:Bの情報が紐付いているため、PC:Bに対してBの情報が送信されることになる。ここで、
図10の管理DB310において、サーバXの情報に、さらに他のサーバ/PC200が紐付いていれば、問い合わせ処理部1103は、当該サーバ/PC200にも、当該サーバ/PC200の情報を送信することになる。
【0104】
次に、IDによる情報発信処理について説明する。
図15は、第2の実施形態にかかる共有クラウドサーバ1100によるID問い合わせ処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0105】
サーバ/PC200(
図15ではサーバX)から、サーバ/PC200のIDとともに情報発信の問い合わせ要求が共有クラウドサーバ1100に送信された場合、問い合わせ要求の受信から情報保持部1030におけるIDの存否確認までの処理(S71~S73)は、
図14の処理と同様に行われる。
【0106】
S73において、IDが情報保持部1030に存在しない場合には(S73:No)、問い合わせ処理部1103は、問い合わせ要求を送信したサーバ/PC200(サーバX)に問い合わせ失敗の旨のメッセージを送信する(S76)。
【0107】
一方、S73で、IDが情報保持部1030に存在する場合には(S73:Yes)、問い合わせ処理部1103は、情報保持部1030の管理DB1310において、当該IDに紐付いている全てのサーバ/PC200に対して、各サーバ/PC200用のIDをそれぞれ送信する(S81)。次いで、問い合わせ処理部1103は、ID情報発信の問い合わせ要求を送信したサーバ/PC200(サーバX)に処理完了の旨のメッセージを送信する(S82)。
【0108】
図10の例では、ID情報発信の問い合わせ要求を行ったサーバXのIDに、PC:Bの情報が紐付いているため、PC:Bに対してPC:BのIDが送信されることになる。ここで、
図10の管理DB310において、サーバXの情報に、さらに他のサーバ/PC200が紐付いていれば、問い合わせ処理部1103は、当該サーバ/PC200にも、当該サーバ/PC200のIDを送信することになる。
【0109】
このように本実施形態では、共有クラウドサーバ1100において、新規登録処理部1101は、新規登録要求を受信した場合に、コード情報生成部201で生成されたコード情報と、新規登録要求とともに受信したサーバ/PC200で保有する情報および当該サーバ/PC200と、ID生成部40で生成されたIDと、を紐付けて、情報保持部1030に保存する。そして、新規登録処理部1101は、コード情報符号部202でコード情報を符号化したコードと、新規登録要求を行ったサーバ/PC200用のIDとを、新規登録要求を行ったサーバ/PC200に送信する。また、追加登録処理部1102は、追加登録要求を受信した場合に、コード情報と新規登録要求を行ったサーバ/PCで保有する情報とに、さらに、追加登録要求とともに受信した、追加登録要求を行ったサーバ/PC200で保有する情報および追加登録要求を行ったサーバ/PC200と、ID生成部40で生成された追加登録要求を行ったサーバ/PC用のIDと、を紐付けて、情報保持部1030に保存する。また、問い合わせ処理部1103は、サーバ/PC200からIDとともにIDの問い合わせを受信した場合に、受信したIDを、情報保持部1030から検索し、IDが情報保持部1030に存在した場合、管理DB1130において当該IDに紐付いたサーバ/PC200に、当該IDに紐付いた情報を送信する。
【0110】
また、問い合わせ処理部1103は、サーバ/PC200からIDとともにID情報発信の問い合わせを受信した場合に、受信したIDを、情報保持部1030から検索し、IDが情報保持部1030に存在した場合、管理DB1130において当該IDに紐付いたサーバ/PC200に、IDを送信する。
【0111】
このため、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏する他、共有クラウドサーバ1100でサーバ/PC200に固有のIDを生成するので、サーバ/PC200側でIDを生成する必要が無く、セキュリティを向上させることができる。
【0112】
[第3の実施形態]
第3の実施形態にかかる共有クラウドサーバは、第2の実施形態の共有クラウドサーバ1100の構成に加え、さらに、アクセス権設定に基づいて情報の送信を行う。
【0113】
図16は、第3の実施形態にかかる共有クラウドサーバ2100の機能的構成の一例を示すブロック図である。なお、第3の実施形態にかかる管理システムのネットワーク構成は第1の実施形態と同様である。
【0114】
本実施形態にかかる共有クラウドサーバ2100は、
図16に示すように、要求処理部2010と、コード処理部20と、情報保持部1030と、ID生成部40と、アクセス権保持部50と、を主に備えている。ここで、コード処理部20、情報保持部1030、ID生成部40の構成および機能は、第2の実施形態と同様である。
【0115】
アクセス権保持部50は、HDD、SSD等の記憶媒体である。アクセス権保持部50には、アクセス権設定データベース510(以下、アクセス権設定DB510と称する)が保存されている(
図17参照)。アクセス権設定DB510は、アクセス権設定情報に相当する。
【0116】
アクセス権設定DB510は、サーバ/PC200やその他第三者等の参照元が、情報保持部1030で参照可能な情報を定めたデータベースであり、参照元と、参照元のアクセス権とが対応づけられている。参照元は、サーバ/PC200の他、第三者も該当しうる。参照元のアクセス権は、参照元が閲覧可能な情報である。
【0117】
図17は、第3の実施形態にかかる管理DB1310およびアクセス権設定DB510のデータ構造の一例を示す説明図である。アクセス権設定DB510には、
図17に示すように、参照元として、サーバ/PC200、第三者のそれぞれに対して、閲覧可能な情報がアクセス権として対応付けられている。なお、管理DB1310のデータ構造は、第2の実施形態と同様である。
【0118】
図16に戻り、要求処理部2010は、新規登録処理部1101と、追加登録処理部1102と、問い合わせ処理部2103と、を主に備える。ここで、新規登録処理部1101、追加登録処理部1102の構成および機能は、第2の実施形態と同様である。
【0119】
問い合わせ処理部2103は、第1の実施形態および第2の実施形態と同様の機能を有する他、問い合わせ要求があった場合に、アクセス権設定DB510において、参照元が参照可能な情報を、サーバ/PC200や第三者を含む参照元に送信する。
【0120】
図17の例では、参照元としてPC:Aに対して、PC:Aの情報の他、サーバ:Cの情報とIDの一部がアクセス権として設定されている。また、参照元として第三者含む全員に対して、PC:Bの情報2がアクセス権として設定されている。
【0121】
このため、問い合わせ処理部2103は、第三者からPC:Bの情報2の問い合わせを受信して、
図7で説明した情報による問い合わせ処理を実行することになる。
【0122】
なお、アクセス権設定DB510への設定は、予め設定しておく他、新規登録処理部1101か追加登録処理部1102が行うように構成してもよい。
【0123】
このように本実施形態では、共有クラウドサーバ2100は、サーバ/PC200やその他第三者等の参照元が、情報保持部1030で参照可能な情報を定めたデータベースであるアクセス権設定DB510を備える。そして、問い合わせ処理部2103は、問い合わせ要求があった場合に、アクセス権設定DB510において、参照元が参照可能な情報を、サーバ/PC200や第三者を含む参照元に送信する。
【0124】
このため、本実施形態によれば、第1の実施形態および第2の実施形態と同様の効果を奏する他、アクセス権に応じた情報共有を実現することができる。
【0125】
[第4の実施形態]
第4の実施形態は、不可視なコードを製品に付した場合において管理するものである。
図18は、第4の実施形態にかかる管理システムによる管理処理の流れを示す図である。
図18の例では、製品として錠剤に不可視状態のステルスコードを印字して、例えば、製薬会社である会社Aから、物流会社である会社B,薬局である会社Cを経由して、錠剤が患者まで流通していく場合を考える。
図20の例では、共有クラウドサーバ1100は、サーバA/B/Cの情報を紐づける例を示している。
新規登録、追加登録は、第1~3の実施形態と同様に行われる。
【0126】
図19は、第3の実施形態においてステルスコードを目視で見た場合と、特殊なスキャナでスキャンした場合の相違を示す図である。
図19の(a)がステルスコードを目視で見た場合を示し、
図19の(b)がステルスコードを特殊なスキャナでスキャンした場合を示す。
【0127】
ステルスコードは基本的に赤外線あるいは紫外線等の不可視光で反応するようなインクで構成され、それらを読み取れるスキャナで確認することができる。ステルスコードで管理することで、製品の見た目や印字位置を気にする必要が減り、また秘匿性をより確保することができる。ここで、ステルスコードは、不可視コードに相当する。
【0128】
可視状態のコードの場合は、印字されているのが明らかなため、偽造者もそのまま印字する。ステルスコードの場合、印字されていることが見た目では分からず、偽造者はステルスコードを印字せずに製造する可能性がある。このため、もし製品のステルスコードを読み取ろうとしたときに、印字されていなかった場合、偽造品である可能性がある。その際、偽造情報を共有クラウドサーバ3100にアップロードして情報蓄積しておきたいケースがある。しかし、ステルスコードがなければどの情報に紐づければよいか直ちにわからない可能性がある。
【0129】
このため、本実施形態では、可視情報を共有クラウドサーバ3100の情報保持部1030に加えておく。可視情報としては、製品番号や製造日時などが挙げられる。
【0130】
図20は、第4の実施形態にかかる共有クラウドサーバ3100の機能的構成の一例を示すブロック図である。なお、第4の実施形態にかかる管理システムのネットワーク構成は第1の実施形態と同様である。
【0131】
本実施形態にかかる共有クラウドサーバ3100は、
図20に示すように、要求処理部3010と、コード処理部20と、情報保持部3030と、ID生成部40と、アクセス権保持部50と、を主に備えている。ここで、コード処理部20、ID生成部40、アクセス権保持部50の構成および機能は、第3の実施形態と同様である。
【0132】
情報保持部3030は、HDD、SSD等の記憶媒体であり、管理DB3310が保存されている。管理DB3310は、コード情報301と、各サーバ/PC200の情報302と、ID303と、可視情報304と、偽造情報305と、が対応づけられて登録されているデータベースである。コード情報301、各サーバ/PC200の情報302、ID303については、第2,3の実施形態と同様である。
【0133】
可視情報304は、製品に関する可視状態の情報である。
偽造情報305は、製品が偽造されている可能性の有無を示す情報である。例えば、製品が偽造されている可能性がある場合には偽造情報として「偽造」の旨が設定される。偽造されている可能性がない場合には「偽造」の旨は設定されない。偽造情報としては、例えば、偽造の可能性が有る場合には「偽造」として「1」等の2値の値とすることができる。偽造情報としては、これに限定されるものではない。
【0134】
図21は、第4の実施形態にかかる管理DB3310のデータ構造の一例を示す図である。
図21に示すように、コード情報301、各サーバ/PCの情報302および各サーバ/PCのアドレス、ID303に、可視情報304と、偽造情報305とが対応づけられている。
図21の例では、コード情報「2」の製品が偽造されていることを示している。
【0135】
図20に戻り、要求処理部3010は、新規登録処理部1101と、追加登録処理部1102と、問い合わせ処理部3103と、を主に備える。ここで、新規登録処理部1101、追加登録処理部1102の構成および機能は、第2の実施形態と同様である。
【0136】
問い合わせ処理部3103は、第1~3の実施形態の機能の他、さらに、サーバ/PC200から可視情報とともに問い合わせを受信し、受信した可視情報を、情報保持部3030から検索する。具体的には、問い合わせ処理部3103は、受信した可視情報が管理DB3310に登録されているか否かを調べる。そして、問い合わせ処理部3103は、可視情報が管理DB3310に登録されていた場合に、管理DB3310において可視情報に紐付いたサーバ/PC200に、可視情報に紐付いた情報を送信する。
【0137】
また、問い合わせ処理部3103は、さらに、サーバ/PC200から可視情報とともに問い合わせを受信し、受信した可視情報を情報保持部3030から検索し、すなわちの管理DB3310に登録されているかを調べ、可視情報が管理DB3310に登録されていた場合に、可視情報に紐付いたサーバ/PC200に、可視情報に紐付いたIDと、可視情報に紐付いた偽造情報と、を送信する。
【0138】
次に、以上のように構成された本実施形態の共有クラウドサーバ1100による問い合わせ処理について説明する。
図22は、第4の実施形態にかかる共有クラウドサーバ3100による問い合わせ処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0139】
サーバ/PC200(
図22ではサーバX)から、可視情報とともに問い合わせ要求が共有クラウドサーバ3100に送信された場合、共有クラウドサーバ3100の問い合わせ処理部3103は、サーバ/PC200から情報問い合わせ要求を受信する(S91)。
【0140】
次に、問い合わせ処理部3103は、S91で受信した可視情報を情報保持部3030から検索する(S92)。具体的には、問い合わせ処理部3103は、管理DB3310を検索して、S91で受信した可視情報が登録されているか否かを調べる。
【0141】
そして、問い合わせ処理部3103は、可視情報が情報保持部3030に存在するか否かを判断する(S93)。可視情報が情報保持部3030に存在しない場合には(S93:No)、問い合わせ処理部3103は、問い合わせ要求を送信したサーバ/PC200(サーバX)に問い合わせ失敗の旨のメッセージを送信する(S96)。
【0142】
一方、S93で、可視情報が情報保持部3030に存在する場合には(S93:Yes)、問い合わせ処理部3103は、情報保持部3030の管理DB3310において、当該可視情報に紐付いている全てのサーバ/PC200に対して、各サーバ/PC200の情報を送信する(S94)。次いで、問い合わせ処理部3103は、問い合わせ要求を送信したサーバ/PC200(サーバX)に処理完了の旨のメッセージを送信する(S95)。
【0143】
例えば、サーバ/PC200が、
図21の例において、可視情報「No.1234567」とともに問い合わせ要求を行った場合、共有クラウドサーバ3100はの問い合わせ処理部3103は、管理DB3310において、当該可視情報に紐づいているPC:AとPC:Dに対して、各サーバ/PCの情報を送信することになる。問い合わせ処理部3103は、当該可視情報に他に紐づいているサーバ/PC200があれば、同様に送信する。
【0144】
これによりステルスコードが製品から消えていた場合においても問い合わせを行うことができる。
【0145】
次に、偽造情報による情報発信の処理について説明する。
図23は、第4の実施形態にかかる共有クラウドサーバ3100による偽造情報による情報発信の処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0146】
サーバ/PC200(
図23ではサーバX)から、偽造情報による情報発信の要求として可視情報とともに問い合わせ要求が共有クラウドサーバ3100に送信された場合、当該問い合わせ要求の受信から可視情報の存否の確認までの処理(S91~S93)は、
図22の処理と同様に行われる。
【0147】
S93において、可視情報が情報保持部3030に存在しない場合には(S93:No)、問い合わせ処理部3103は、問い合わせ要求を送信したサーバ/PC200(サーバX)に問い合わせ失敗の旨のメッセージを送信する(S96)。
【0148】
一方、S93で、可視情報が情報保持部3030に存在する場合には(S93:Yes)、問い合わせ処理部3103は、情報保持部3030の管理DB3310において、当該可視情報に紐付いている全てのサーバ/PC200に対して、当該可視情報に紐付いているIDおよび偽造情報を送信する(S101)。次いで、問い合わせ処理部3103は、問い合わせ要求を送信したサーバ/PC200(サーバX)に処理完了の旨のメッセージを送信する(S102)。
【0149】
例えば、サーバ/PC200が、
図21の例において、可視情報「No.2345678」とともの問い合わせ要求を行った場合、共有クラウドサーバ3100はの問い合わせ処理部3103は、管理DB3310において、当該可視情報に紐づいているPC:Bに対して、PC:BのIDと偽造情報(すなわち、偽造されている可能性の旨)を送信することになる。問い合わせ処理部3103は、当該可視情報に他に紐づいているサーバ/PC200があれば、同様に送信する。
【0150】
このように本実施形態では、第1~3の実施形態と同様の効果を奏する他、製品に不可視状態のステルスコードを印字して管理するので、セキュリティを向上させることができる。
【0151】
また、本実施形態によれば、共有クラウドサーバ3100は、コード情報301と、各サーバ/PC200の情報302および各サーバ/PCのアドレスと、ID303と、可視情報304と、偽造情報305と、が対応づけられて登録されているデータベースである管理DB3310を備える。また、問い合わせ処理部3103は、サーバ/PC200から可視情報とともに問い合わせを受信した場合に、受信した可視情報を、情報保持部3030から検索し、可視情報が管理DB3310に登録されていた場合に、管理DB3310において可視情報に紐付いたサーバ/PC200に、可視情報に紐付いた情報を送信する。また、問い合わせ処理部3103は、サーバ/PC200から可視情報とともに問い合わせを受信した場合に、受信した可視情報を情報保持部3030から検索し、可視情報が管理DB3310に登録されていた場合に、可視情報に紐付いたサーバ/PC200に、可視情報に紐付いたIDと、可視情報に紐付いた偽造情報と、を送信する。
【0152】
このため、本実施形態によれば、ステルスコードでの管理の場合、偽造品にステルスコードが印字されていない可能性があるが、製品にステルスコードがないことが明らかになったとき、製品番号などの可視情報から当該製品を特定し、偽造品であることの情報を残すことができる。
【0153】
図24は、上述した第1~4の実施形態にかかる共有クラウドサーバ100,1100,2100,3100のハードウェア構成図である。ここでは、共有クラウドサーバ100,1100,2100,3100のハードウェア構成について説明する。
【0154】
図24に示されているように、共有クラウドサーバ100,1100,2100,3100は、コンピュータによって構築されており、
図24に示されているように、CPU2401、ROM2402、RAM2403、HD2404、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ2405、ディスプレイ2406、外部機器接続I/F(Interface)2408、ネットワークI/F2409、データバス2410、キーボード2411、ポインティングデバイス2412、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ2414、メディアI/F2416を備えている。
【0155】
これらのうち、CPU2401は、共有クラウドサーバ100,1100,2100,3100全体の動作を制御する。ROM2402は、IPL等のCPU2401の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM2403は、CPU2401のワークエリアとして使用される。HD2404は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ2405は、CPU2401の制御にしたがってHD2404に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ2406は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F2408は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F2409は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン2410は、
図24に示されているCPU2401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0156】
また、キーボード2411は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス2412は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ2414は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW2413に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F2416は、フラッシュメモリ等の記録メディア2415に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0157】
第1~4に実施形態の共有クラウドサーバ100,1100,2100,3100で実行される管理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0158】
また、第1~4に実施形態の共有クラウドサーバ100,1100,2100,3100で実行される管理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、第1~4に実施形態の共有クラウドサーバ100,1100,2100,3100で実行される管理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0159】
また、第1~4に実施形態の共有クラウドサーバ100,1100,2100,3100で実行される管理プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0160】
第1~4に実施形態の共有クラウドサーバ100,1100,2100,3100で実行される管理プログラムは、上述した各部(新規登録処理部101,1101、追加登録処理部102,1102、問い合わせ処理部103,1103,2103,3103、コード情報生成部201、コード情報符号部202、コード復号部203、ID生成部40)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から管理プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、新規登録処理部101,1101、追加登録処理部102,1102、問い合わせ処理部103,1103,2103,3103、コード情報生成部201、コード情報符号部202、コード復号部203、ID生成部40が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0161】
1 管理システム
100 共有クラウドサーバ
101,1101 新規登録処理部
102,1102 追加登録処理部
103,1103,2103,3103 問い合わせ処理部
200 サーバ/PC
201 コード情報生成部
202 コード情報符号部
203 コード復号部
40 ID生成部
50 アクセス権保持部
310,1310,3310 管理DB
510 アクセス権設定DB
【先行技術文献】
【特許文献】
【0162】