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特開2024-159484イメージセンサ、それを含むイメージ処理システム、及びイメージ処理システムの動作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159484
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】イメージセンサ、それを含むイメージ処理システム、及びイメージ処理システムの動作方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20241031BHJP
   H04N 23/70 20230101ALI20241031BHJP
   H04N 23/65 20230101ALI20241031BHJP
   H04N 23/611 20230101ALI20241031BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20241031BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20241031BHJP
   G03B 7/091 20210101ALI20241031BHJP
   G03B 13/36 20210101ALI20241031BHJP
   G02B 7/28 20210101ALI20241031BHJP
【FI】
H04N23/60 500
H04N23/70
H04N23/65 100
H04N23/611
G06T7/00 660A
G03B15/00 Q
G03B7/091
G03B13/36
G02B7/28 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024014351
(22)【出願日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】10-2023-0055340
(32)【優先日】2023-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0144714
(32)【優先日】2023-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャ ス ラム
(72)【発明者】
【氏名】ユ ヨン ホ
【テーマコード(参考)】
2H002
2H011
2H151
5C122
5L096
【Fターム(参考)】
2H002CC00
2H002GA63
2H011BA00
2H151CB22
5C122EA12
5C122FD01
5C122FF01
5C122FG14
5C122FH09
5C122FH11
5C122FH14
5C122FH22
5C122FK16
5C122GF05
5C122HB01
5L096AA02
5L096AA06
5L096CA02
5L096DA02
5L096FA67
5L096FA69
5L096GA30
(57)【要約】
【課題】前面カメラに対応する第2のイメージセンサから生成される情報イメージに基づき、後面カメラに対応する第1のイメージセンサの機能(例:自動ホワイト補正(auto white balance)、自動露出(auto exposure)、及び自動焦点(auto focus))に必要な設定情報を自動に調整できるイメージ処理システム及びその動作方法を提供すること。
【解決手段】本発明の一実施形態は、ユーザを撮影した情報イメージから前記ユーザの目領域を検出するための第1の検出回路と、前記目領域に基づき、前記ユーザの目が凝視する方向に対応する第1の確率マップを生成するための第1の確率マップ生成回路と、前記第1の確率マップを格納するための格納回路とを備えるイメージセンサ、それを含むイメージ処理システム、及びイメージ処理システムの動作方法を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを撮影した情報イメージから前記ユーザの目領域を検出するための第1の検出回路と、
前記目領域に基づき、前記ユーザの目が凝視する方向に対応する第1の確率マップを生成するための第1の確率マップ生成回路と、
前記第1の確率マップを格納するための格納回路と、
を備えるイメージセンサ。
【請求項2】
前記第1の確率マップは、前記ユーザの瞳の位置に対応する座標を確率的に表した表を含む請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記情報イメージから前記ユーザの顔領域を検出するための第2の検出回路と、
前記顔領域に基づき、前記ユーザの顔の少なくとも1つの回転(rotation)値を計算するための計算回路と、
前記少なくとも1つの回転値に基づき、前記ユーザの前記顔の角度に対応する第2の確率マップを生成するための第2の確率マップ生成回路と、
をさらに備え、
前記格納回路は、前記第2の確率マップをさらに格納する請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの回転値は、前記顔のロール(roll)値、前記顔のピッチ(pitch)値、及び前記顔のヨー(yaw)値のうち、少なくとも1つを含む請求項3に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記第2の確率マップは、前記ユーザの前記顔の角度に対応する座標を確率的に表した表を含む請求項3に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
設定情報に基づき、ユーザが凝視する関心領域(region of interest)に対して少なくとも1つの機能を行い、前記関心領域が含まれた撮影イメージを取得するための第1のイメージセンサと、
前記ユーザを撮影して取得された情報イメージに基づき、前記ユーザの目が凝視する方向に対応する第1の確率マップを生成するための第2のイメージセンサと、
前記撮影イメージと前記第1の確率マップとに基づいて前記関心領域を検出し、前記関心領域を基準に前記設定情報を調整するためのイメージプロセッサと、
を備えるイメージ処理システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの機能は、自動ホワイト補正(auto white balance)、自動露出(auto exposure)、及び自動焦点(auto focus)のうち、少なくとも1つを含み、
前記設定情報は、前記自動ホワイト補正と関連した設定値、前記自動露出と関連した設定値、及び前記自動焦点と関連した設定値のうち、少なくとも1つを含む請求項6に記載のイメージ処理システム。
【請求項8】
前記第1の確率マップは、前記ユーザの瞳の位置に対応する座標を確率的に表した表を含む請求項6に記載のイメージセンサ。
【請求項9】
前記第1のイメージセンサは、
前記イメージ処理システムの後面を介して入った入射光に基づいて第1のイメージ信号を生成するための第1のアナログブロックと、
前記第1のイメージ信号に基づいて前記撮影イメージを生成するための第1のデジタルブロックと、
前記設定情報に基づいて前記少なくとも1つの機能を制御するための制御ブロックと、
を備える請求項6に記載のイメージ処理システム。
【請求項10】
前記制御ブロックは、
前記設定情報を格納及び更新するための第1の格納回路と、
前記設定情報に基づいて前記少なくとも1つの機能を制御するためのタイミング制御回路と、
を備える請求項9に記載のイメージ処理システム。
【請求項11】
前記第2のイメージセンサは、ローパワーモード(low power mode)で前記情報イメージを取得し、前記第1の確率マップを生成する請求項6に記載のイメージ処理システム。
【請求項12】
前記第2のイメージセンサは、前記ユーザを撮影した前記情報イメージに基づいて前記ユーザの顔の角度に対応する第2の確率マップをさらに生成し、
前記イメージプロセッサは、前記関心領域を検出するとき、前記第2の確率マップをさらに用いる請求項6に記載のイメージ処理システム。
【請求項13】
前記第2のイメージセンサは、
前記イメージ処理システムの前面を介して入った入射光に基づいて第2のイメージ信号を生成するための第2のアナログブロックと、
前記第2のイメージ信号に基づいて前記情報イメージと前記第1の確率マップとを生成するための第2のデジタルブロックと、
を備える請求項6に記載のイメージ処理システム。
【請求項14】
前記第2のデジタルブロックは、
前記情報イメージから前記ユーザの目領域を検出するための第1の検出回路と、
前記目領域に基づいて前記第1の確率マップを生成するための第1の確率マップ生成回路と、
前記第1の確率マップを格納するための第2の格納回路と、
を備える請求項13に記載のイメージ処理システム。
【請求項15】
前記第2のデジタルブロックは、
前記ユーザを撮影した前記情報イメージから前記ユーザの顔領域を検出するための第2の検出回路と、
前記顔領域に基づき、前記ユーザの顔の少なくとも1つの回転(rotation)値を計算するための計算回路と、
前記少なくとも1つの回転値に基づき、前記ユーザの前記顔の角度に対応する第2の確率マップを生成するための第2の確率マップ生成回路と、
をさらに備える請求項14に記載のイメージ処理システム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの回転値は、前記顔のロール(roll)値、前記顔のピッチ(pitch)値及び前記顔のヨー(yaw)値のうち、少なくとも1つを含む請求項15に記載のイメージ処理システム。
【請求項17】
前記第2の確率マップは、前記ユーザの前記顔の角度に対応する座標を確率的に表した表を含む請求項15に記載のイメージ処理システム。
【請求項18】
前記イメージプロセッサは、前記撮影イメージが生成されるとき、前記関心領域以外の周辺領域をブラー(blur)処理する請求項6に記載のイメージ処理システム。
【請求項19】
前記イメージプロセッサは、
前記撮影イメージと前記第1の確率マップとに基づいて前記関心領域に含まれた被写体を検出するための被写体検出回路と、
前記撮影イメージと前記被写体とに基づき、前記被写体を対象として前記設定情報を調整するための設定制御回路と、
を備える請求項6に記載のイメージ処理システム。
【請求項20】
後面カメラがイネーブルされ、ノルマルモード(normal)に進入すれば、前面カメラがイネーブルされ、ローパワーモード(low power mode)に進入するステップと、
前記前面カメラがユーザを撮影し、前記ユーザの目が凝視する方向を表した第1の確率マップを生成するステップと、
イメージプロセッサが前記第1の確率マップに基づいて前記ユーザの目が凝視する関心領域(region of interest)を検出し、前記関心領域に対応する設定情報を調整するステップと、
前記後面カメラが設定情報に基づき、前記関心領域に対して少なくとも1つの機能を行い、前記関心領域が含まれた撮影イメージを取得するステップと、
を含むイメージ処理システムの動作方法。
【請求項21】
前記前面カメラが前記ユーザを撮影した情報イメージに基づき、前記ユーザの顔の角度に対応する第2の確率マップを生成するステップをさらに含み、
前記イメージプロセッサが前記設定情報を調整するステップは、前記関心領域を検出するとき、前記第2の確率マップをさらに用いる請求項20に記載のイメージ処理システムの動作方法。
【請求項22】
前記イメージプロセッサは、前記撮影イメージが生成されるとき、前記関心領域以外の周辺領域をブラー(blur)処理する請求項20に記載のイメージ処理システムの動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体設計技術に関し、より詳細には、イメージセンサ、それを含むイメージ処理システム、及びイメージ処理システムの動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサは、光に反応する半導体の性質を利用してイメージをキャプチャ(capture)する素子である。前記イメージセンサは、大別して、CCD(Charge Coupled Device)を利用したイメージセンサと、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を利用したイメージセンサとに区分されることができる。近年、アナログ及びデジタル制御回路を1つの集積回路IC上に直接実現できる長所により、CMOSを利用したイメージセンサが多用されている。
【0003】
最近、スマートフォンのようなイメージ処理システムは、複数のイメージセンサを備える。前記スマートフォンは、例えば、後面カメラに対応する第1のイメージセンサと前面カメラに対応する第2のイメージセンサとを備える。前記第1及び第2のイメージセンサは、機能によって個別的に動作するか、または互いに依存的に動作する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、前面カメラに対応する第2のイメージセンサから生成される情報イメージに基づき、後面カメラに対応する第1のイメージセンサの機能(例:自動ホワイト補正(auto white balance)、自動露出(auto exposure)、及び自動焦点(auto focus))に必要な設定情報を自動に調整できるイメージ処理システム及びその動作方法を提供する。
【0005】
また、本発明の実施形態は、撮影イメージからユーザが望む関心領域(region of interest)を自動に検出できるイメージセンサを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面によれば、イメージセンサは、ユーザを撮影した情報イメージから前記ユーザの目領域を検出するための第1の検出回路と、前記目領域に基づき、前記ユーザの目が凝視する方向に対応する第1の確率マップを生成するための第1の確率マップ生成回路と、前記第1の確率マップを格納するための格納回路とを備えることができる。
【0007】
本発明の他側面によれば、イメージ処理システムは、設定情報に基づき、ユーザが凝視する関心領域(region of interest)に対して少なくとも1つの機能を行い、前記関心領域が含まれた撮影イメージを取得するための第1のイメージセンサと、前記ユーザを撮影して取得された情報イメージに基づき、前記ユーザの目が凝視する方向に対応する第1の確率マップを生成するための第2のイメージセンサと、前記撮影イメージと前記第1の確率マップとに基づいて前記関心領域を検出し、前記関心領域を基準に前記設定情報を調整するためのイメージプロセッサとを備えることができる。
【0008】
本発明のさらに他の側面によれば、イメージ処理システムの動作方法は、後面カメラがイネーブルされ、ノルマルモード(normal)に進入すれば、前面カメラがイネーブルされ、ローパワーモード(low power mode)に進入するステップと、前記前面カメラがユーザを撮影し、ユーザの目が凝視する方向の第1の確率マップを生成するステップと、イメージプロセッサが前記第1の確率マップに基づいて前記ユーザの目が凝視する関心領域(region of interest)を検出し、前記関心領域に対応する設定情報を調整するステップと、前記後面カメラが設定情報に基づき、前記関心領域に対して少なくとも1つの機能を行い、前記関心領域が含まれた撮影イメージを取得するステップとを含むことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態は、ユーザが望む関心領域(region of interest)を自動に検出し、前記関心領域を対象として予定された動作(例:ホワイトバランシング(white balancing)動作、露出(exposure)動作、焦点(focusing)動作等)を自動に行うことにより、前記ユーザが手動的な操作なしに望みの画像を容易に取得できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係るイメージ処理システムのブロック構成図である。
図2図1に示された第1のイメージセンサのブロック構成図である。
図3図1に示された第2のイメージセンサのブロック構成図である。
図4図3に示された第2のデジタルブロックのブロック構成図である。
図5図1に示されたイメージプロセッサのブロック構成図である。
図6】本発明の実施形態に係るイメージ処理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
図7図6の補足説明のための図面等である。
図8図6の補足説明のための図面等である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施できる程度に詳細に説明するために、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
【0012】
そして、明細書全体において、ある部分が他の部分と「接続」されているとするとき、これは、「直接的に接続」されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで「電気的に接続」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」または「備える」とするとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外することではなく、他の構成要素をさらに含むか、備えることができるということを意味する。また、明細書全体の記載において一部構成要素を単数形に記載したとして、本発明がそれに局限されるものではなく、当該構成要素が複数個からなり得ることが分かるであろう。
【0013】
図1には、本発明の実施形態に係るイメージ処理システム10が被写体20とともにブロック構成図で示されている。
【0014】
図1に示すように、イメージ処理システム10は、スマートフォンのような電子装置であることができる。例えば、イメージ処理システム10は、第1のイメージセンサ100、第2のイメージセンサ200、及びイメージプロセッサ300を備えることができる。
【0015】
第1のイメージセンサ100は、イメージ処理システム10の後面に備えられることができる。例えば、第1のイメージセンサ100は、イメージ処理システム10の後面を撮影するための後面カメラであることができる。通常、イメージ処理システム10のディスプレイ(図示せず)は、イメージ処理システム10の前面に構成され、ユーザは、前記ディスプレイを介して望みの関心領域(region of interest)を確認するので、本発明の実施形態では、第1のイメージセンサ100を前記後面カメラとして例を挙げて説明するが、イメージ処理システム10の設計によって第1のイメージセンサ100は、イメージ処理システム10の一面に備えられ、前記関心領域を撮影するカメラであることができる。
【0016】
第1のイメージセンサ100は、設定情報3Aに基づき、前記ユーザが凝視する前記関心領域に対して少なくとも1つの機能を行うことができる。第1のイメージセンサ100は、前記関心領域が含まれた撮影イメージIMGを取得できる。
【0017】
第2のイメージセンサ200は、イメージ処理システム10の前面に備えられることができる。第2のイメージセンサ200は、イメージ処理システム10の前面を撮影するための前面カメラであることができる。通常、イメージ処理システム10の前記ディスプレイは、イメージ処理システム10の前記前面に構成され、前記ユーザは、前記ディスプレイを介して前記関心領域を確認するので、本発明の実施形態では、第2のイメージセンサ200を前記前面カメラとして例を挙げて説明するが、イメージ処理システム10の設計によって第2のイメージセンサ200は、イメージ処理システム10の他面に備えられ、前記ユーザを撮影するカメラであることができる。
【0018】
第2のイメージセンサ200は、前記ユーザを撮影して取得された情報イメージDIMG(図4参照)に基づき、前記ユーザの目が凝視する方向(すなわち、瞳の凝視方向)に対応する第1の確率マップPM1を生成できる。第1の確率マップPM1は、前記ユーザの瞳の位置に対応する座標を確率的に表した表であることができる。さらに、第2のイメージセンサ200は、前記ユーザを撮影した情報イメージDIMGに基づき、前記ユーザの顔の角度に対応する第2の確率マップPM2を生成できる。第2の確率マップPM2は、前記ユーザの前記顔の角度に対応する座標を確率的に表した表であることができる。第2のイメージセンサ200は、情報イメージDIMGと第1の確率マップPM1及び/又は第2の確率マップPM2を生成するとき、ローパワーモード(low power mode)に進入することができる。第2のイメージセンサ200は、前記ローパワーモードでノルマルモード(normal)に比べて低い解像度(resolution)と低いフレームレート(frame rate)とによって動作することで、第2のイメージセンサ200の消費電力が減少しうる。
【0019】
イメージプロセッサ300は、撮影イメージIMGと第1の確率マップPM1及び/又は第2の確率マップPM2に基づいて前記関心領域を検出し、前記関心領域を基準に設定情報3Aを調整することができる。イメージプロセッサ300は、撮影イメージIMGが生成されるとき、前記関心領域以外の周辺領域をブラー(blur)処理することができる。
【0020】
図2には、図1に示された第1のイメージセンサ100がブロック構成図で示されている。
【0021】
図2に示すように、第1のイメージセンサ100は、第1のアナログブロック110、第1のデジタルブロック120、及び制御ブロック130を備えることができる。
【0022】
第1のアナログブロック110は、イメージ処理システム10の後面を介して入った入射光に基づいて第1のイメージ信号VPX1を生成できる。第1のイメージ信号VPX1は、各々アナログ信号であることができる。
【0023】
第1のデジタルブロック120は、第1のイメージ信号VPX1に基づいて撮影イメージIMGを生成できる。撮影イメージIMGは、第1のイメージ信号VPX1から変換されたデジタル信号を含むことができる。
【0024】
制御ブロック130は、設定情報3Aに基づいて少なくとも1つの機能を制御できる。前記機能は、自動ホワイト補正(auto white balance)、自動露出(auto exposure)、及び自動焦点(auto focus)のうち、少なくとも1つを含むことができる。設定情報3Aは、前記自動ホワイト補正と関連した第1の設定値、前記自動露出と関連した第2の設定値、及び前記自動焦点と関連した第3の設定値を含むことができる。
【0025】
例えば、制御ブロック130は、第1の格納回路131及びタイミング制御回路133を備えることができる。
【0026】
第1の格納回路131は、設定情報3Aを格納及び更新することができる。
【0027】
タイミング制御回路133は、設定情報3Aに基づいて前記少なくとも1つの機能を制御できる。例えば、タイミング制御回路133は、前記第1の設定値に基づいて前記関心領域の色温度を補正でき、前記第2の設定値に基づいて前記関心領域の露出時間を補正でき、前記第3の設定値に基づいて前記関心領域の焦点を補正できる。
【0028】
図3には、図1に示された第2のイメージセンサ200がブロック構成図で示されている。
【0029】
図3に示すように、第2のイメージセンサ200は、第2のアナログブロック210及び第2のデジタルブロック220を備えることができる。
【0030】
第2のアナログブロック210は、イメージ処理システム10の前面を介して入った入射光に基づいて第2のイメージ信号VPX2を生成できる。第2のイメージ信号VPX2は、各々アナログ信号であることができる。
【0031】
第2のデジタルブロック220は、第2のイメージ信号VPX2に基づき、情報イメージDIMGと第1の確率マップPM1及び/又は第2の確率マップPM2を生成できる。
【0032】
図4には、図3に示された第2のデジタルブロック220がブロック構成図で示されている。
【0033】
図4に示すように、第2のデジタルブロック220は、信号変換回路221、第1の検出回路222、第1の確率マップ生成回路223、第2の検出回路224、計算回路225、第2の確率マップ生成回路226、及び第2の格納回路227を備えることができる。
【0034】
信号変換回路221は、第2のイメージ信号VPX2に基づいて情報イメージDIMGを生成できる。情報イメージDIMGは、第2のイメージ信号VPX2から変換されたデジタル信号を含むことができる。
【0035】
第1の検出回路222は、情報イメージDIMGから前記ユーザの目領域ROEを検出できる。
【0036】
第1の確率マップ生成回路223は、目領域ROEに基づいて第1の確率マップPM1を生成できる。例えば、第1の確率マップ生成回路223は、目領域ROEで前記瞳の凝視方向に対応する座標を確率的に表した第1の確率マップPM1を生成できる(図7参照)。
【0037】
第2の検出回路224は、情報イメージDIMGから前記ユーザの顔領域ROFを検出できる。
【0038】
計算回路225は、顔領域ROFに基づいて前記ユーザの顔の少なくとも1つの回転(rotation)値VORを計算できる。回転値VORは、前記顔のロール(roll)値、前記顔のピッチ(pitch)値、及び前記顔のヨー(yaw)値のうち、少なくとも1つを含むことができる。
【0039】
第2の確率マップ生成回路226は、回転値VORに基づいて前記ユーザの前記顔の角度に対応する第2の確率マップPM2を生成できる。例えば、第2の確率マップ生成回路226は、前記ユーザの前記顔の角度に対応する座標を確率的に表した第2の確率マップPM2を生成できる。
【0040】
第2の格納回路227は、第1の確率マップPM1及び/又は第2の確率マップPM2を格納することができる。
【0041】
本発明の実施形態において、第1の検出回路222、第1の確率マップ生成回路223、第2の検出回路224、計算回路225、第2の確率マップ生成回路226、及び第2の格納回路227は、第2のイメージセンサ200に含まれることを例に挙げて説明しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、第1の検出回路222、第1の確率マップ生成回路223、第2の検出回路224、計算回路225、第2の確率マップ生成回路226、及び第2の格納回路227のうち一部または全部は、イメージプロセッサ300に含まれることもできる。
【0042】
図5には、図1に示されたイメージプロセッサ300がブロック構成図で示されている。
【0043】
図5に示すように、イメージプロセッサ300は、被写体検出回路310及び設定制御回路320を備えることができる。
【0044】
被写体検出回路310は、撮影イメージIMGと第1の確率マップPM1及び/又は第2の確率マップPM2に基づいて前記関心領域を検出し、前記関心領域に含まれた被写体ODを検出できる。すなわち、被写体検出回路310は、前記ユーザが凝視する被写体ODを検出できる。
【0045】
設定制御回路320は、撮影イメージIMGと被写体ODとに基づき、被写体ODを対象として設定情報3Aを調整できる。
【0046】
以下、上記のような構成を有する本発明の実施形態に係るイメージ処理システム10の動作を図6図8を参照して説明する。以下では、第1のイメージセンサ100を「後面カメラ」と称して説明し、第2のイメージセンサ200を「前面カメラ」と称して説明する。
【0047】
図6は、本発明の実施形態に係るイメージ処理システム10の動作を説明するためのフローチャートである。
【0048】
図6に示すように、後面カメラ100がイネーブルされれば、前面カメラ200がイネーブルされ得る(S101)。このとき、後面カメラ100は、ノルマルモード(normal)に進入し、予め設定された解像度(resolution)と予め設定されたフレームレート(frame rate)とによって撮影イメージIMGを生成でき、前面カメラ200は、ローパワーモード(low power mode)に進入し、前記ノルマルモードに比べて低い解像度と低いフレームレートによって補正イメージDIMGと第1の確率マップPM1及び/又は第2の確率マップPM2を生成できる。前面カメラ200は、前記ローパワーモードの間、前記低い解像度と低いフレームレートによって動作することで、前面カメラ200の消費電力が減少しうる。
【0049】
前面カメラ200は、ユーザを撮影し、前記ユーザの目が凝視する方向を確率的に表した第1の確率マップPM1を生成できる(S103)。前面カメラ200は、前記ユーザの顔の角度を確率的に表した第2の確率マップPM2を生成できる(S105)。前面カメラ200は、設計によって第1の確率マップPM1の信頼性が高い場合、第2の確率マップPM2を生成しないこともある。
【0050】
イメージプロセッサ300は、第1の確率マップPM1及び/又は第2の確率マップPM2に基づき、撮影イメージIMGから前記ユーザが凝視する関心領域(region of interest)を検出し、前記関心領域に対応する設定情報3Aを調整できる(S107)。設定情報3Aは、自動ホワイト補正(auto white balance)と関連した第1の設定値、自動露出(auto exposure)と関連した第2の設定値、及び自動焦点(auto focus)と関連した第3の設定値を含むことができる。
【0051】
後面カメラ100が設定情報3Aに基づき、前記関心領域に対して少なくとも1つの機能を行い、前記関心領域が含まれた撮影イメージIMGを取得できる(S109)。前記機能は、前記自動ホワイト補正、前記自動露出、及び前記自動焦点のうち、少なくとも1つを含むことができる。
【0052】
一方、イメージプロセッサ300は、撮影イメージIMGが生成されるとき、前記関心領域以外の周辺領域をブラー(blur)処理することができる。
【0053】
図7には、図6において説明された第1の確率マップPM1を説明するための図面が示されている。
【0054】
図7に示すように、第1の確率マップPM1は、目領域ROEで前記ユーザの瞳の凝視方向に対応する座標を確率的に表すことができる。仮に、前記瞳の凝視方向が9つに設定されたとすれば、第1の確率マップPM1も9個の座標LT、CT、RT、LC、CC、RC、LB、CB、RBを有することができる。前記9個の座標LT、CT、RT、LC、CC、RC、LB、CB、RBは、前記9つの凝視方向のうち、前記ユーザの凝視方向によって確率値として表されるか、またはデジタル値(0または1)として表されることができる。
【0055】
図8には、図6において説明された第2の確率マップPM2を説明するための図面が示されている。
【0056】
図8に示すように、第2の確率マップPM2は、顔領域ROFで前記ユーザの顔の角度に対応する座標を確率的に表すことができる。例えば、前記顔の角度は、前記ユーザの前記顔の回転(rotation)値VORに対応することができる。回転値VORは、前記顔のロール(roll)値、前記顔のピッチ(pitch)値、及び前記顔のヨー(yaw)値のうち、少なくとも1つを含むことができる。仮に、前記顔の角度が9つに設定されたとすれば、第2の確率マップPM2も9個の座標LT、CT、RT、LC、CC、RC、LB、CB、RBを有することができる。前記9個の座標LT、CT、RT、LC、CC、RC、LB、CB、RBは、前記9つの角度のうち、前記ユーザの凝視方向に対応する角度によって確率値として表されるか、デジタル値(0または1)として表されることができる。
【0057】
このような本発明の実施形態によれば、ユーザが望む関心領域(region of interest)を自動に検出し、前記関心領域を対象として予定された動作(例:ホワイトバランシング(white balancing)動作、露出(exposure)動作、焦点(focusing)動作等)を自動に行うことができるという利点がある。
【0058】
本発明の技術思想は、前記実施形態によって具体的に記述されたが、以上において説明した実施形態は、その説明のためのものであり、その制限のためのものでないことに注意すべきである。また、本発明の技術分野の通常の専門家であれば、本発明の技術思想の範囲内で種々の置換、変形、及び変更により、様々な実施形態が可能であることが理解できるであろう。
【符号の説明】
【0059】
10 イメージ処理システム
100 第1のイメージセンサ
200 第2のイメージセンサ
300 イメージプロセッサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8