IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 独立行政法人産業技術総合研究所の特許一覧

<>
  • 特開-情報処理装置及び学習システム 図1
  • 特開-情報処理装置及び学習システム 図2
  • 特開-情報処理装置及び学習システム 図3
  • 特開-情報処理装置及び学習システム 図4
  • 特開-情報処理装置及び学習システム 図5
  • 特開-情報処理装置及び学習システム 図6
  • 特開-情報処理装置及び学習システム 図7
  • 特開-情報処理装置及び学習システム 図8
  • 特開-情報処理装置及び学習システム 図9
  • 特開-情報処理装置及び学習システム 図10
  • 特開-情報処理装置及び学習システム 図11
  • 特開-情報処理装置及び学習システム 図12
  • 特開-情報処理装置及び学習システム 図13
  • 特開-情報処理装置及び学習システム 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159610
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】情報処理装置及び学習システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20241031BHJP
   G09B 5/08 20060101ALI20241031BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20241031BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241031BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
G16H20/00
G09B5/08
G09B19/00 Z
G06Q50/10
A61B5/00 102A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024069082
(22)【出願日】2024-04-22
(31)【優先権主張番号】P 2023075127
(32)【優先日】2023-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・研究集会名 The 25th International Workshop on Mobile Computing Systems and Applications(HOTMOBILE ’24) 開催場所 アメリカ合衆国カリフォルニア州サンディエゴ 開催日 令和6年2月28日 ・ウェブサイトのアドレス https://dl.acm.org/doi/10.1145/3638550.3643047 掲載日 令和6年2月28日 ・研究集会名 JST戦略的創造研究推進事業CREST「人間と情報環境の共生インタラクション基盤技術の創出と展開(共生インタラクション)」研究領域2023年度終了課題成果発表シンポジウム 開催場所 富士ソフトアキバプラザ(東京都千代田区神田練塀町3) 開催日 令和6年3月19日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和3年度、国立研究開発法人科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)「音環境理解による教育現場活性化支援に関する研究」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】幸島 明男
(72)【発明者】
【氏名】河本 満
(72)【発明者】
【氏名】開 一夫
(72)【発明者】
【氏名】谷沢 智史
【テーマコード(参考)】
2C028
4C117
5L050
5L099
【Fターム(参考)】
2C028BA05
2C028BB04
2C028BC05
2C028BD01
4C117XA05
4C117XB01
4C117XC11
4C117XD16
4C117XE06
4C117XE13
4C117XE15
4C117XE23
4C117XE24
4C117XH18
4C117XJ03
5L050CC11
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】学習に適した行動の提案を行う。
【解決手段】本発明の一態様に係る情報処理装置(4)は、ユーザの周辺における学習環境とユーザの身体状態とのうち少なくとも何れかを示す第1情報を取得する取得部(410)と、ユーザが学習を行うことに対する学習環境及び身体状態の少なくとも何れかの適合度を算出する算出部(411)と、適合度が第1閾値に満たないと判定された場合に、適合度を向上させるための行動を示す情報を出力する出力部(412)とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの周辺における学習環境と前記ユーザの身体状態とのうち少なくとも何れかを示す第1情報を取得する取得部と、
前記第1情報を参照して、前記ユーザが学習を行うことに対する前記学習環境及び前記身体状態の少なくとも何れかの適合度を算出する算出部と、
前記適合度が第1閾値に満たないと判定された場合に、前記適合度を向上させるための行動を示す情報を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記算出部は、機械学習により構築された学習済モデルを用いて、前記適合度を算出し、
前記学習済モデルの入力は、前記第1情報であり、
前記学習済モデルの出力は、前記適合度である、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記出力部は、
機械学習により構築された自然言語生成モデルに入力するプロンプトを複数のプロンプト候補から選択し、
前記自然言語生成モデルを用いて、前記適合度を向上させるための行動を示す情報を出力し、
前記自然言語生成モデルの入力は、前記プロンプトおよび前記第1情報であり、
前記自然言語生成モデルの出力は、前記適合度を向上させる行動について記述した自然言語である、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記ユーザが学習する学習コンテンツを特定する第2情報を取得し、
前記算出部は、前記第1情報及び前記第2情報を参照して、前記適合度を算出し、
前記出力部は、前記第1情報及び前記第2情報を参照して算出された前記適合度が第1閾値に満たないと判定された場合に、前記適合度を向上させるための行動を示す情報を出力する、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記算出部は、機械学習により構築された学習済モデルを用いて、前記適合度を算出し、
前記学習済モデルの入力は、前記第1情報及び前記第2情報であり、
前記学習済モデルの出力は、前記適合度である、
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
各ユーザが過去に学習した学習コンテンツの履歴であって、(1)ユーザを特定する第3情報と、(2)各学習コンテンツを特定する前記第2情報と、(3)当該第2情報で特定される学習コンテンツを当該ユーザが学習した時に取得された前記第1情報と、(4)当該第2情報で特定される学習コンテンツを当該ユーザが学習した時の学習成績の高さを表す第4情報と、が対応付けられている履歴を記憶した記憶部を更に備え、
前記適合度が第1閾値に満たないと判定された場合に、前記出力部は、前記履歴を参照し、前記第3情報により特定される前記ユーザが学習を行う前に、前記適合度を向上させつつ前記学習成績を向上させるための行動を示す情報を出力する、
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1情報は、前記学習環境を示す学習環境情報と、前記身体状態を示す身体状態情報と、を含み、
前記第1閾値は、前記学習環境情報の適合度を表す座標軸と前記身体状態情報の適合度を表す座標軸とにより規定される2次元平面における曲線で表され、
前記出力部は、前記2次元平面において、前記第1情報を参照して算出された前記学習環境情報の適合度および身体状態情報の適合度が前記第1閾値に満たないと判定された場合に、前記適合度を向上させるための行動を示す情報を出力する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記取得部は、前記ユーザの現在地を示す情報を取得し、
前記出力部は、前記適合度を向上させるための行動を示す情報として、前記現在地からの移動先を含む情報を出力する
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記出力部は、前記適合度を向上させるための行動について、行動前の状態から行動後の状態に遷移するための遷移コストの最小値が第2閾値に満たないと判定された場合に限り、前記適合度を向上させるための行動を示す情報を出力する、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記算出部は、前記第1情報と、複数の学習コンテンツのそれぞれに関する情報とを参照して、学習コンテンツ毎の前記適合度を算出し、
前記出力部は、前記学習コンテンツ毎の適合度の全てが第1閾値に満たないと判定された場合、前記複数の学習コンテンツの何れかをユーザが学習を行うことの前記適合度を向上させるための行動を示す情報を出力する
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記出力部は、前記ユーザに学習を提案する学習コンテンツを含めた前記情報を出力する
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
請求項1から3の何れか1項に記載の情報処理装置と、ウェアラブルデバイスと、端末装置とを備える学習システムであって、
前記ウェアラブルデバイスは、前記第1情報を生成する1又は複数のセンサを備え、且つ、当該第1情報を出力し、
前記情報処理装置は、前記適合度が第1閾値に満たないと判定された場合に、前記適合度を向上させるための行動を示す情報を出力し、
前記端末装置は、前記適合度を向上させるための行動を示す情報を出力する、
ことを特徴とする学習システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び当該情報処理装置を備える学習システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの学習履歴に応じて学習効果が高くなるように学習コンテンツを提供するシステム、及び学習環境が学習に適しているか否かを判別するシステムが知られている。
【0003】
特許文献1では、ユーザにeラーニング等のコンテンツを提示するに際し、ユーザが、コンテンツ提示に適した状態に関する情報を自動的に得ることができるコンテンツ提示システムが開示されている。当該コンテンツ提示システムは、ユーザが、コンテンツ提示に適した状態であるときにコンテンツを提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-179212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の従来技術は、学習環境又はユーザの身体状態が学習に適していない場合に、学習環境又はユーザの身体状態を学習に適した状態に改善することを想定していない。すなわち、上述の従来技術は、学習環境又はユーザの身体状態が学習に適していない場合に、学習環境又はユーザの身体状態を学習に適した状態に改善するという点において不十分である。
【0006】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、学習に適した行動の提案を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、ユーザの周辺における学習環境と前記ユーザの身体状態とのうち少なくとも何れかを示す第1情報を取得する取得部と、前記第1情報を参照して、前記ユーザが学習を行うことに対する前記学習環境及び前記身体状態の少なくとも何れかの適合度を算出する算出部と、前記適合度が第1閾値に満たないと判定された場合に、前記適合度を向上させるための行動を示す情報を出力する出力部と、を備えている。
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る学習システムは、上述した本発明の一態様に係る情報処理装置と、ウェアラブルデバイスと、端末装置とを備える学習システムである。本学習システムにおいては、前記ウェアラブルデバイスは、前記第1情報を生成する1又は複数のセンサを備え、且つ、当該第1情報を出力し、前記情報処理装置は、前記適合度が第1閾値に満たないと判定された場合に、前記適合度を向上させるための行動を示す情報を出力し、前記端末装置は、前記適合度を向上させるための行動を示す情報を出力する、構成が採用されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、学習に適した行動の提案を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態1に係る学習システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態1に係る学習システムの構成を示す概要図である。
図3】本発明の実施形態1に係る出力部が実行する処理の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態1に係る学習システムにおいて実行される処理の流れを示すシーケンス図である。
図5】本発明の実施形態1に係る出力部が出力する情報を生成する処理を示すフローチャートである。
図6】変形例1に係る出力部が出力する情報を生成する処理を示すフローチャートである。
図7】変形例2に係る学習システムにおいて実行される処理の流れを示すシーケンス図である。
図8】変形例2に係る出力部が出力する情報を生成する処理を示すフローチャートである。
図9】変形例3に係る学習システムにおいて実行される処理の流れを示すシーケンス図である。
図10】変形例3に係る出力部が出力する情報を生成する処理を示すフローチャートである。
図11】変形例4に係る学習システムにおいて実行される処理の流れを示すシーケンス図である。
図12】変形例4に係る出力部が出力する情報を生成する処理を示すフローチャートである。
図13】変形例6に係る学習システムにおいて実行される処理の流れを示すシーケンス図である。
図14】変形例6に係る出力部が出力する情報を生成する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0012】
〔学習システムの概要及び構成〕
本発明の一実施形態(実施形態1)に係る学習システム100の概要及び構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る学習システム100の構成を示すブロック図である。図2は、本実施形態に係る学習システム100の構成を示す概要図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、学習システム100は、ウェアラブルデバイス1、スマートフォン2(端末装置)、学習用サーバ3、および情報処理装置4を備えている。図1に示すように、ウェアラブルデバイス1、スマートフォン2、学習用サーバ3、及び情報処理装置4は、ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。なお、ウェアラブルデバイス1とスマートフォン2とは、ネットワークNを介さずに直接通信する構成であってもよいし(図2参照)、ネットワークNを介して通信する構成であってもよい。ウェアラブルデバイス1とスマートフォン2とが直接通信する方法の一例として、bluetooth(登録商標)といった近接通信が挙げられる。
【0014】
学習システム100は、ユーザの学習に用いられるシステムである。学習システム100における学習の一例として、eラーニングを用いた学習が挙げられる。また、学習システム100は、ユーザの学習環境が学習に適した環境となるようなユーザの行動、及びユーザの身体状態が学習に適した状態となるようなユーザの行動の少なくとも何れかを提案するシステムである。
【0015】
ウェアラブルデバイス1は、ユーザが身に付けているデバイスである。ウェアラブルデバイス1の例として、腕時計型のスマートウォッチ、眼鏡型のスマートグラス、及び指輪型のスマートリングが挙げられる。また。ウェアラブルデバイス1は、髪、帽子、衣服又は靴等に取り付け可能なデバイスであってもよい。また、ウェアラブルデバイス1における、上述の「ユーザが身につけている」とは、当該ユーザに物理的に接触していることに限定されない。「ユーザが身に付けているデバイス」には、ユーザが所持する物の内部に配置されたデバイスも含まれる。「ユーザが身に付けている」とは、例えば、鞄にデバイスを入れ、その鞄をユーザが所持しているといった形態も含む概念である。
【0016】
スマートフォン2は、ユーザが所持している端末装置である。学習システム100ではスマートフォン2を備える場合を例に挙げて説明するが、スマートフォン2に替えて、タブレット、又はノート型パソコンを備えてもよい。
【0017】
学習用サーバ3及び情報処理装置4は、ネットワーク上に配置されたサーバである。学習用サーバ3及び情報処理装置4の例として、据え置き型パソコンが挙げられる。また、例えば、1つのパソコン(据え置き型パソコン等)が、学習用サーバ3の機能と、情報処理装置4の機能とを兼ね備えるような構成としてもよい。
【0018】
<ウェアラブルデバイスの構成>
ウェアラブルデバイス1は、図1に示すように、制御部11、通信部12、記憶部13、及び1又は複数のセンサ部14(センサ)を備えている。
【0019】
通信部12は、ネットワークNを介して情報を送受信するインターフェースである。一例として、通信部12は、制御部11から出力された第1情報(後述)をスマートフォン2に送信したり、スマートフォン2から送信された第1情報を要求する旨を示す情報を制御部11に供給したりする。通信部12の例として、イーサネット(登録商標)やWi-Fi(登録商標)といった各種通信規格における通信チップ、およびUSB準拠のコネクタが挙げられる。これらの例は、他の装置が備える通信部(通信部22、通信部32、及び通信部42)においても同様である。
【0020】
記憶部13には、制御部11が参照する情報が格納されている。記憶部13に格納されている情報の例として、第1情報が挙げられる。記憶部13の例として、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はこれらの組み合わせが挙げられる。これらの例は、他の装置が備える記憶部(記憶部23、記憶部33、及び記憶部43)においても同様である。
【0021】
センサ部14は、ウェアラブルデバイス1を装着するユーザの周辺における学習環境とユーザの身体状態とのうち少なくとも何れかをセンシングし、センシングした学習環境とユーザの身体状態とのうち少なくとも何れかを示す情報を出力する。以下では、センサ部14が出力する情報を、第1情報とも称する。センサ部14の例として、3軸加速度センサ、3軸角速度センサ、3軸ジャイロセンサ、照度センサ、及びマイクロフォンが挙げられる。また、センサ部14の例として時計もあげられる。本実施形態において、時計は、学習環境の一例である時刻をセンシングするセンサ部である。センサ部14は、ウェアラブルデバイス1の外部の装置が備える構成であってもよい。センサ部14を外部の装置が備える場合、ウェアラブルデバイス1は、通信部12を介した通信または近接通信等の直接通信を用いて、当該外部の装置と通信を行い、第1情報を取得する。
【0022】
また、ユーザの周辺における学習環境を示す情報の例として、周辺の音、温度、湿度、照度、臭気、二酸化炭素(CO)の濃度、及び振動等を示す情報が挙げられる。例えば、COの濃度は、ウェアラブルデバイス1が検出する構成であってもよいし、COの濃度を測定する測定器から、ウェアラブルデバイス1が取得する構成であってもよい。また、ユーザの身体状態を示す情報の例として、心拍、体温、血圧、血糖値、呼吸数、及び発汗度合等を示す情報が挙げられる。
【0023】
制御部11は、ウェアラブルデバイス1が備える各構成要素を制御する。制御部11の例として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、TPU(Tensor Processing Unit)、量子プロセッサ、マイクロコントローラ、又はこれらの組み合わせが挙げられる。これらの例は、他の装置が備える制御部(制御部21、制御部41、及び制御部41)においても同様である。また、制御部11は、図1に示すように、取得部110及び出力部111を備えている。
【0024】
取得部110は、通信部12又はセンサ部14から出力された情報を取得する。取得部110が取得する情報の例として、第1情報を要求する旨を示す情報、及び第1情報が挙げられる。取得部110は、取得した情報を記憶部13に格納する。また、取得部110は、取得した情報に、取得した日時を関連付けて、ログとして記憶部13に格納してもよい。
【0025】
出力部111は、通信部12を介して、情報を出力する。出力部111が出力する情報の例として、記憶部13に格納されている第1情報が挙げられる。
【0026】
<スマートフォンの構成>
端末装置の一例であるスマートフォン2は、図1に示すように、制御部21、通信部22、記憶部23、操作入力部24、表示部25、及び位置情報受信部26を備えている。
【0027】
通信部22は、ネットワークNを介して情報を送受信するインターフェースである。一例として、通信部22は、制御部21から出力された第1情報を情報処理装置4に送信したり、学習用サーバ3から送信された学習コンテンツを制御部21に供給したりする。
【0028】
記憶部23には、制御部21が参照する情報が格納されている。記憶部23に格納されている情報の例として、第1情報、スマートフォン2のユーザを特定する情報(以後、「第3情報」とも称する)が挙げられる。
【0029】
操作入力部24は、ユーザからの操作を受け付けるインターフェースである。一例として、操作入力部24は、学習コンテンツを表示するよう要求する旨の操作を受け付ける。操作入力部24は、受け付けた操作を示す情報を制御部21に供給する。操作入力部24の例として、表示部25に重畳して設置されたタッチパッドが挙げられる。
【0030】
表示部25は、テキストや画像等を表示する装置である。一例として、表示部25は、制御部21から供給された情報を含む画像を表示する。表示部25の例として、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等が挙げられる。
【0031】
位置情報受信部26は、スマートフォン2の位置を示す位置情報(スマートフォン2を所持するユーザの現在地を示す情報)を受信する。位置情報受信部26は、受信した位置情報を制御部21に供給する。位置情報受信部26の一例として、衛星測位システムに基づくGPS(Global Positioning System)信号を受信する装置が挙げられる。
【0032】
制御部21は、スマートフォン2が備える各構成要素を制御する。制御部21は、一例として、学習用のアプリケーションをインストールすることにより、当該学習用のアプリケーションを用いて学習コンテンツの再生および後述する提案を含む情報を出力する。また、制御部21は、図1に示すように、取得部210及び出力部211を備えている。
【0033】
取得部210は、通信部22、操作入力部24、及び位置情報受信部26から供給された情報を取得する。取得部210が取得する情報の例として、第1情報、操作を示す情報、及び位置情報が挙げられる。取得部210は、取得した情報を記憶部23に格納する。また、取得部210は、取得した情報に、取得した日時を関連付けて、ログとして記憶部23に格納してもよい。
【0034】
出力部211は、通信部22を介して、情報を外部機器に出力する。出力部211が出力する情報の例として、記憶部13に格納されている第1情報や、学習コンテンツを要求する旨を示す情報や、後述する適合度を向上させるための行動を示す情報等が挙げられる。また、出力部211は、表示部25にテキストや画像等を表示させることによって、学習コンテンツを含む様々な情報をユーザに対して提供する。
【0035】
<学習用サーバの構成>
学習用サーバ3は、図1に示すように、制御部31、通信部32、及び記憶部33を備えている。
【0036】
通信部32は、ネットワークNを介して情報を送受信するインターフェースである。一例として、通信部32は、制御部31から出力された学習コンテンツをスマートフォン2に送信したり、スマートフォン2から送信された学習コンテンツを要求する旨を示す情報を制御部31に供給したりする。
【0037】
記憶部33は、制御部31が参照する情報が格納されている。記憶部33に格納されている情報の例として、学習コンテンツが挙げられる。
【0038】
制御部31は、学習用サーバ3が備える各構成要素を制御する。また、制御部31は、図1に示すように、取得部310及び出力部311を備えている。
【0039】
取得部310は、通信部32から供給された情報を取得する。取得部310が取得する情報の例として、学習コンテンツを要求する旨を示す情報が挙げられる。取得部310が取得する情報の他の例として、学習コンテンツを用いた学習の結果としての学習成績が挙げられる。この場合、取得部310は、当該学習コンテンツに、取得した学習成績を関連付けて記憶部33に格納する。さらに、取得部310は、当該学習を行ったユーザを特定する第3情報を取得してもよい。この場合、取得部310は、学習コンテンツ、学習成績、及び第3情報を関連付けて、記憶部33に格納する。また、取得部310は、取得した情報に、取得した日時を関連付けて、ログとして記憶部33に格納してもよい。
【0040】
出力部311は、通信部32を介して、情報を出力する。出力部311が出力する情報の例として、学習コンテンツが挙げられる。
【0041】
<情報処理装置の構成>
情報処理装置4は、図1に示すように、制御部41、通信部42、及び記憶部43を備えている。
【0042】
通信部42は、ネットワークNを介して情報を送受信するインターフェースである。一例として、通信部42は、制御部41から出力された情報をスマートフォン2に送信したり、スマートフォン2から送信された第1情報を制御部41に供給したりする。
【0043】
記憶部43には、制御部41が参照する情報が格納されている。記憶部43に格納されている情報の例として、第1情報、後述する算出部411が算出した適合度、及び後述する出力部412が生成した情報が挙げられる。
【0044】
制御部41は、情報処理装置4が備える各構成要素を制御する。また、制御部41は、図1に示すように、取得部410、算出部411、出力部412、及び学習部413を備えている。
【0045】
取得部410は、通信部42から供給された情報を取得する。一例として、取得部410は、ユーザの周辺における学習環境とユーザの身体状態とのうち少なくとも何れかを示す第1情報を取得する。取得部410は、取得した第1情報を記憶部43に格納する。
【0046】
算出部411は、ユーザが学習を行うことに対する学習環境及び身体状態の少なくとも何れかの適合度を算出する。一例として、算出部411は、記憶部43に格納されている第1情報を参照して、ユーザが学習を行うことに対する学習環境及び身体状態の少なくとも何れかの適合度を算出する。算出部411は、算出した適合度を記憶部43に格納する。
【0047】
算出部411が適合度を算出する方法の一例として、機械学習により構築された学習済モデルを用いる方法が挙げられる。算出部411が用いる学習済モデルは、第1情報を入力とし、適合度又は適合度に対応する情報を出力とする学習済モデルである。学習済モデルの例として、サポートベクターマシン、ディープニューラルネットワーク、およびベイズ統計等による学習済モデルが挙げられる。
【0048】
算出部411は、第1情報に基づいて学習済モデルが出力した適合度をそのまま出力(算出)してもよいし、第1情報を統合処理や変換処理した結果として推定された特定の学習環境や身体状態の指標を推定した後に、推定後の情報を用いて適合度を算出してもよい。例えば、算出部411が学習環境を示す情報である音や振動等の情報から機械学習により「電車内」と推定した結果を用いて適合度を推定したり、心拍数や発汗から推定されたストレスの度合いを身体状態として用いて適合度を推定したりする方法が挙げられる。この場合、算出部411は、学習済モデルが推定した情報に対して所定の演算をすることにより、適合度を算出してもよい。
【0049】
出力部412は、適合度を向上させるための行動を示す情報を生成する。一例として、出力部412は、算出部411が算出した適合度の高さが第1閾値に満たないと判定された場合に、適合度を向上させるための行動を示す情報を生成する。換言すると、ユーザの周辺における学習環境とユーザの身体状態とのうち少なくとも何れかが、ユーザが学習を行うことに対して適していないと判定された場合、出力部412は、適した学習環境となるようなユーザの行動又は適した身体状態となるようなユーザの行動を示す情報を生成する。
【0050】
また、出力部412は、通信部42を介して、情報を出力する。出力部412が出力する情報の例として、上述した適合度を向上させるための行動を示す情報が挙げられる。
【0051】
出力部412が適合度を向上させるための行動を決定する処理の一例について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る出力部412が実行する処理の一例を示す図である。出力部412は、一例として、状態遷移モデルを用いて、適合度を向上させるための行動を決定してもよい。
【0052】
出力部412はまず、記憶部43に格納されている第1情報を参照し、現在の状態を特定する。次に、出力部412は、ターゲットとなる状態(換言すると、適合度が高くなる状態)へ遷移するためのコストを算出する。そして、出力部412は、コストが最も小さくなる行動を示す情報を生成する。出力部412が最も小さいコストを算出する方法の一例として、ダイクストラ法が挙げられる。
【0053】
例えば、図3では、現在の状態は状態bであり、ターゲットとなる状態は状態eであることが示されている。この場合、出力部412は、状態bから状態eへ遷移する遷移コストを算出する。例えば、状態bから行動Cによって状態cに遷移し、状態cから行動Dによって状態dに遷移し、状態dから行動Eによって状態eに遷移する場合、遷移コストは「3」である。一方、状態bから行動Fによって状態eに遷移する場合、遷移コストは「2」である。そのため、出力部412は、遷移コストが最も小さい行動Fを示す情報を生成する。
【0054】
出力部412がターゲットとなる状態を決定する方法は限定されず、例えば、ユーザの周辺の学習環境とユーザの身体状態とのうち少なくとも何れか、並びに学習用サーバ3が管理する学習の履歴及び学習成績を参照して、決定してもよい。この場合、出力部412は、学習成績が良くなる状態を、ターゲットとなる状態として決定する。
【0055】
一例として、ユーザの周辺の学習環境が自分の部屋であり、19:00~21:00まで英語を学習した場合に、学習成績が良くなるという履歴がある場合、出力部412は、自分の部屋で19:00~21:00まで英語を学習している状態を、ターゲットとなる状態として決定する。
【0056】
他の例として、ユーザの心拍数が低い状態で学習した場合に学習成績が良くなるという履歴がある場合、出力部412は、ユーザの心拍数が低い状態を、ターゲットとなる状態として決定する。
【0057】
出力部412は、第1情報がユーザの周辺における学習環境を示す場合、学習環境の状態遷移モデルを用い、第1情報がユーザの身体状態を示す場合、身体状態の状態遷移モデルを用いて、適合度を向上させるための行動を決定してもよい。また、第1情報がユーザの周辺における学習環境及びユーザの身体状態を示す場合、学習環境及び身体状態の状態遷移モデルを用いて、適合度を向上させるための行動を決定してもよい。
【0058】
また、第1情報がユーザの周辺における学習環境を示す学習環境情報と、ユーザの身体状態を示す身体状態情報と、を含む場合(換言すると、取得部410が学習環境情報と身体状態情報とを含む第1情報を取得した場合)、学習環境情報に対する適合度を表す座標軸と身体状態情報に対する適合度を表す座標軸とにより規定される2次元平面における曲線を用いて第1閾値を表すことができる。このような場合、第1情報を参照して算出された学習環境情報に対する適合度と身体状態情報に対する適合度は、前記2次元平面上の点で表される。出力部412は、この点の位置と第1閾値を示す曲線の位置を比較して適合度の高さを判定し、第1閾値に満たない場合は適合度を向上させるための行動を示す情報を生成し、生成した情報を出力する。換言すると、出力部412は、2次元平面において、第1情報を参照して算出された学習環境情報に対する適合度および身体状態情報に対する適合度が第1閾値に満たないと判定された場合に、適合度を上昇させるための行動を示す情報を出力する。
【0059】
出力部412が適合度を向上させるための行動を決定する方法は、特に限定されない。出力部412は、所定のプログラムに基づいて適合度を向上させるための行動を決定するように構成されていてもよいし、機械学習により構築された学習済モデルを用いて、適合度を向上させるための行動を決定するように構成されていてもよい。本実施形態においては、後者の構成を用いるものとして説明する。後者の構成において出力部412が用いる学習済モデルは、適合度を入力とし、適合度を向上させるための行動を出力する学習済モデルである。また、出力部412は、適合度を向上させるための行動を決定するときに、適合度と併せて第1情報を用いてもよい。この場合、上述した学習済モデルは、適合度及び第1情報を入力とし、適合度を向上させるための行動を出力するように構成されていればよい。
【0060】
出力部412が用いる学習済モデルの例として、機械学習により構築された自然言語生成モデル(以下、「自然言語生成モデル」を「言語モデル」、「言語生成モデル」とも称する)が挙げられる。当該言語モデルの例として、適合度を向上させるための行動を出力するよう指示するプロンプト(自然言語によって記載された、学習済モデルに対する指示が記載された文)と、第1情報とを入力として、適合度を向上させる行動について記述した自然言語を生成し出力するように構成された言語モデルが挙げられる。一例として、言語モデルは、第1情報及び当該第1情報の解釈の記述と、学習内容の適合度及び行動による状態遷移とコストに関する自然言語データから学習し、プロンプトに応じた自然言語を生成するよう学習させたモデルである。言語モデルに学習させる学習データの例として、学習内容とユーザの状態の適合度に関して学習塾の先生が発話したデータが挙げられるが、これに限定されない。
【0061】
出力部412が用いる言語生成モデルの具体例として、BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)、及びGPT(Generative Pre-trained Transformer)といった大規模言語モデルが挙げられる。出力部412が用いる言語モデルの他の例として、事前学習された大規模言語モデルを会話データによりファインチューニングすることにより作成された言語モデル(例えば、ChatGPT(Chat Generative Pre-trained Transformer))等も挙げられる。
【0062】
また、出力部412が言語生成モデルを用いる場合、出力部412は、言語モデルに入力するプロンプトを複数のプロンプト候補から選択する。必要に応じてユーザが、言語モデルに入力するプロンプトを複数のプロンプト候補から直接選択してもよい。複数のプロンプト候補は、システム設計者によってあらかじめ設定される。ユーザが作成した複数のプロンプト候補が、予め記憶部43に格納される構成であってもよい。ユーザによるプロンプトの作成や選択は生成モデルからの自然言語による問いかけに応じて対話的に行ってもよい。
【0063】
一例として、複数のプロンプト候補のそれぞれは、学習環境又は身体情報の種別が関連付けられていてもよい。例えば、プロンプトP1は周辺の音と関連付けられており、プロンプトP2は周辺の温度と関連付けられており、プロンプトP3は心拍数に関連付けられており、プロンプトP4は体温に関連付けられていてもよい。
【0064】
この場合、出力部412は、言語モデルに入力する第1情報に基づき、複数のプロンプト候補から、言語モデルに入力するプロンプトを選択する。例えば、第1情報が周辺の音の大きさを示す情報であった場合、出力部412は、周辺の音と関連付けられたプロンプトP1を選択する。また、第1情報が心拍数を示す情報であった場合、出力部412は、心拍数に関連付けられたプロンプトP3を選択する。出力部412は、利用者の事前設定によって、特定の時刻および場所の少なくとも何れかに応じたプロンプト候補を選択してもよい。
【0065】
また、言語モデルに入力する第1情報のデータの大きさは特に限定されない。例えば、第1情報がユーザの歩数を示すデータであった場合、言語モデルに入力する第1情報は、現時点から遡って1時間の間にユーザが歩いた歩数であってもよいし、当日ユーザが歩いた歩数であってもよいし、現時点から遡って1週間の間にユーザが歩いた歩数であってもよい。
【0066】
学習部413は、教師データを用いて、算出部411が用いる学習済モデルを構築する。ここで、学習部413が用いる教師データは、第1情報と、適合度に対応する情報とを組とする教師データである。
【0067】
また、学習部413は、教師データを用いて、出力部412が用いる学習済モデルを構築するように構成されていてもよい。ここで、教師データは、適合度と、適合度を向上させるための行動とを組とする教師データである。また、出力部412が用いる学習済モデルが適合度及び第1情報を入力とし、適合度を向上させるための行動を出力とする場合、教師データは、適合度と、第1情報と、適合度を向上させるための行動と、を組とする教師データである。
【0068】
〔学習システムにおいて実行される処理〕
学習システム100において実行される処理について、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係る学習システム100において実行される処理S100の流れを示すシーケンス図である。
【0069】
<ステップS11>
ステップS11において、スマートフォン2の出力部211は、学習用サーバ3に対して学習コンテンツを要求する。
【0070】
例えば、取得部210は、操作入力部24から、学習コンテンツを表示する旨の操作を示す情報を取得すると、当該情報を出力部211に供給する。出力部211は、取得部210から供給された情報を参照し、当該情報が学習コンテンツを表示する旨の操作を示す場合、当該学習コンテンツを要求する旨を示す情報を学習用サーバ3に出力することにより、学習用サーバ3に対して学習コンテンツを要求する。
【0071】
<ステップS12>
ステップS12において、学習用サーバ3の出力部311は、要求された学習コンテンツをスマートフォン2に出力する。
【0072】
例えば、取得部310は、スマートフォン2から出力された、学習コンテンツを要求する旨を示す情報を取得すると、取得した情報を出力部311に供給する。出力部311は、取得部310から供給された情報を参照し、当該情報が学習コンテンツを要求する旨を示す場合、当該学習コンテンツを記憶部33から取得する。出力部311は、取得した学習コンテンツを、スマートフォン2に出力する。
【0073】
<ステップS13>
ステップS13において、スマートフォン2の取得部210は、学習用サーバ3から出力された学習コンテンツを取得する。取得部210は、取得した学習コンテンツを記憶部23に格納する。なお、記憶部23に格納された学習コンテンツは、特に限定がない限り、いつ出力されてもよい。一例として、スマートフォン2の出力部211は、後述するステップS22を実行した後に学習コンテンツを表示してもよいし、再度、学習コンテンツを表示する旨の操作を示す情報を取得部210が取得した後に、学習コンテンツを表示してもよい。
【0074】
<ステップS14>
ステップS14において、スマートフォン2の出力部211は、ウェアラブルデバイス1に対して第1情報を要求する。
【0075】
例えば、出力部211は、ステップS13において取得部210が学習コンテンツを取得したことを契機として、第1情報を要求する旨を示す情報を、ウェアラブルデバイス1に出力する。なお、出力部211がウェアラブルデバイス1に対して第1情報を要求するタイミングは当該構成に限定されず、所定の時間間隔(例えば、10秒)毎に、ウェアラブルデバイス1に対して第1情報を要求してもよい。他の構成として、ウェアラブルデバイス1が、所定の時間間隔(例えば、10秒)毎に、第1情報をスマートフォン2にプッシュ送信してもよい。
【0076】
<ステップS15>
ステップS15において、ウェアラブルデバイス1の出力部111は、スマートフォン2に対して第1情報を出力する。
【0077】
例えば、取得部110は、スマートフォン2から出力された、第1情報を要求する旨を示す情報を取得すると、取得した情報を出力部111に供給する。出力部111は、取得部110から供給された情報を参照し、当該情報が第1情報を要求する旨を示す場合、第1情報を記憶部13から取得する。又は、出力部111は、センサ部14から出力された第1情報を取得する。出力部111は、取得した第1情報を、スマートフォン2に出力する。
【0078】
<ステップS16>
ステップS16において、スマートフォン2の取得部210は、ウェアラブルデバイス1から出力された第1情報を取得する。スマートフォン2の取得部210は、取得した第1情報を、記憶部23に格納する。
【0079】
<ステップS17>
ステップS17において、スマートフォン2の出力部211は、記憶部23に格納されている第1情報を、情報処理装置4に対して出力する。
【0080】
<ステップS18>
ステップS18において、情報処理装置4の取得部410は、スマートフォン2から出力された第1情報を取得する。取得部410は、取得した第1情報を、記憶部43に格納する。
【0081】
<ステップS19>
ステップS19において、情報処理装置4の出力部412は、出力する情報を生成する。ステップS19の処理について、参照する図面を替えて後述する。
【0082】
<ステップS20>
ステップS20において、情報処理装置4の出力部412は、ステップS19において生成した情報を、スマートフォン2に対して出力する。
【0083】
<ステップS21>
ステップS21において、スマートフォン2の取得部210は、情報処理装置4から出力された情報を取得する。取得部210は、取得した情報を記憶部23に格納する。
【0084】
<ステップS22>
ステップS22において、スマートフォン2の出力部211は、ステップS21において記憶部23に格納された情報を、表示部25に表示する。なお、ステップS22において、出力部211は、表示部25に表示する構成に替えて、又は表示部25に表示する構成に加えて、図1には図示しない音声出力部(例えば、スピーカ)から、ステップS21において記憶部23に格納された情報を出力する構成であってもよい。
【0085】
<ステップS19の処理>
ステップS19の処理について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係る出力部412が出力する情報を生成する処理を示すフローチャートである。
【0086】
(ステップS191)
ステップS191において、算出部411は、記憶部43に格納されている第1情報を参照して、適合度を算出する。算出部411が適合度を算出する処理については、上述した通りである。
【0087】
(ステップS192)
ステップS192において、出力部412は、ステップS191において算出された適合度が第1閾値以上であるか否かを判定する。
【0088】
(ステップS193)
ステップS192において、適合度の高さが第1閾値に満たないと判定された場合(ステップS192:NO)、ステップS193において出力部412は、ターゲットとなる状態への遷移コストが最小となる行動を決定する。
【0089】
(ステップS194)
ステップS194において、出力部412は、ステップS193において算出した最小となる遷移コストに対応する行動を、適合度を向上させるための行動として、当該行動を示す情報を生成する。
【0090】
(ステップS195)
一方、ステップS192において、適合度の高さが第1閾値以上であると判定された場合(ステップS192:YES)、ステップS195において出力部412は、適合度が高いことを示す情報を生成する。なお、ステップS195が実行された場合、上述したステップS22は実行されなくてもよい。換言すると、学習システム100では、ユーザの周辺における学習環境及びユーザの身体状態が学習に適している場合、ユーザにその旨を通知しないで学習させてもよい。
【0091】
(ステップS19において実行される処理の例1)
上述したステップS18において、情報処理装置4の取得部410が、ユーザの周辺における学習環境であるCO濃度を第1情報として取得した場合に、ステップS19において実行される処理の例について説明する。
【0092】
この場合、ステップS192において、ステップS191において算出された適合度の高さが第1閾値に満たないと判定された場合(例えば、CO濃度が所定の値よりも高い場合)、ステップS193において出力部412は、ユーザの周辺におけるCO濃度が低くなるような状態を、ターゲットとなる状態として決定する。そして、出力部412は、ターゲットとなる状態へ遷移する行動のうち、遷移コストが最小となる行動を決定する。
【0093】
他の例として、ステップS193において出力部412は、CO濃度を示す第1情報と、プロンプトとを言語モデルに入力する。一例として、出力部412は、複数のプロンプト候補から、「これはCO濃度のデータです。ストレス等の既存研究を考慮して、学習に適した環境か分析し、適さない場合は適した環境となるような行動を提案してください。」というプロンプトを選択し、選択したプロンプトを言語モデルに入力する。そして、出力部412は、言語モデルから出力された適合度を向上させるための行動を、ターゲットとなる状態への遷移コストが最小となる行動に決定する。
【0094】
例えば、ステップS193において決定された行動が「窓を開ける」であった場合、ステップS194において出力部412は、「窓を開けましょう」という提案を含む情報を生成する。この場合、上述したステップS22においてスマートフォン2は、「窓を開けましょう」というテキストを含む画像を表示する。
【0095】
このように、出力部412は、ユーザの周辺における学習環境が学習に適した環境となるような提案を行うことができる。
【0096】
(ステップS19において実行される処理の例2)
上述したステップS18において、情報処理装置4の取得部410が、ユーザの身体状態である今日の歩数を第1情報として取得した場合に、ステップS19において実行される処理の例について説明する。
【0097】
この場合、ステップS192において、ステップS191において算出された適合度の高さが第1閾値に満たないと判定された場合(例えば、現時点までの今日の歩数が所定の値よりも少ない場合)、ステップS193において出力部412は、今日の歩数が所定の値となる状態を、ターゲットとなる状態として決定する。そして、出力部412は、ターゲットとなる状態へ遷移する行動のうち、遷移コストが最小となる行動を決定する。
【0098】
例えば、ステップS193において決定された行動が「散歩する」であった場合、ステップS194において出力部412は、例えば、「運動不足でストレスがたまっているようです。少し散歩しましょう」という提案を含む情報を生成する。この場合、上述したステップS22においてスマートフォン2は、「運動不足でストレスがたまっているようです。少し散歩しましょう」というテキストを含む画像を表示する。
【0099】
このように、出力部412は、ユーザの身体状態が学習に適した状態となるような提案を行うことができる。
【0100】
(ステップS19において実行される処理の例3)
上述したステップS18において、情報処理装置4の取得部410が、ユーザの周辺における学習環境である現在時刻、及びユーザの身体状態である心拍数を第1情報として取得した場合に、ステップS19において実行される処理の例について説明する。
【0101】
この場合、ステップS191において、算出部411は、ユーザの周辺における学習環境を第1情報として算出した第1の適合度と、ユーザの身体状態を第1情報として算出した第2の適合度とを算出する。
【0102】
次に、ステップS192において出力部412は、ステップS191において算出された第1の適合度の高さ及び第2の適合度の高さの各々が、第1閾値以上であるか否かを判定する。
【0103】
例えば、第2の適合度の高さは第1閾値以上であるが、第1の適合度の高さが第1閾値に満たないと判定された場合(例えば、学習に適した時刻よりも早い時刻である場合)、ステップS193において出力部412は、学習に適した時刻に学習する状態を、ターゲットとなる状態として決定する。そして、出力部412は、ターゲットとなる状態へ遷移する行動のうち、遷移コストが最小となる行動を決定する。
【0104】
例えば、ステップS193において決定された行動が「19時から学習する」であった場合、ステップS194において出力部412は、「まだ時間が早いので19時から学習をしましょう」という提案を含む情報を生成する。この場合、上述したステップS22においてスマートフォン2は、「まだ時間が早いので19時から学習をしましょう」というテキストを含む画像を表示する。
【0105】
一方、第1の適合度の高さは第1閾値以上であるが、第2の適合度の高さが第1閾値に満たないと判定された場合(例えば、心拍数が所定の値よりも高い場合)、ステップS193において出力部412は、心拍数が所定の値となる状態を、ターゲットとなる状態として決定する。そして、出力部412は、ターゲットとなる状態へ遷移する行動のうち、遷移コストが最小となる行動を決定する。
【0106】
例えば、ステップS193において決定された行動が「1時間休憩する」であった場合、ステップS194において出力部412は、「1時間休憩しましょう」という提案を含む情報を生成する。この場合、上述したステップS22においてスマートフォン2は、「1時間休憩しましょう」というテキストを含む画像を表示する。
【0107】
また、第1の適合度の高さが第1閾値に満たない、かつ、第2の適合度の高さが第1閾値に満たない場合(例えば、学習に適した時刻よりも早い時刻であり、心拍数も所定の値より高い場合)、ステップS193において出力部412は、学習に適した時刻であり、心拍数も低い状態を、ターゲットとなる状態として決定する。そして、出力部412は、ターゲットとなる状態へ遷移する行動のうち、遷移コストが最小となる行動を決定する。
【0108】
例えば、ステップS193において決定された行動が「ベッドに入る前に30分前に学習する」であった場合、ステップS194において出力部412は、「まだ時間が早いのでベッドに入る30分前に学習しましょう」という提案を含む情報を生成する。この場合、上述したステップS22においてスマートフォン2は、「まだ時間が早いのでベッドに入る30分前に学習しましょう」というテキストを含む画像を表示する。
【0109】
このように、出力部412は、(1)ユーザの周辺における学習環境、(2)ユーザの身体状態、及び(3)ユーザの周辺における学習環境及びユーザの身体状態、の何れかが、学習に適した状態となるような提案を行うことができる。
【0110】
(ステップS19において実行される処理の例4)
上述したステップS18において、情報処理装置4の取得部410が、ユーザの周辺における学習環境であるユーザの周辺の音及び振動、並びにユーザの身体状態である歩数を第1情報として取得した場合に、ステップS19において実行される処理の例について説明する。
【0111】
この場合、第1情報が、ユーザの周辺の音が所定の大きさより大きく、振動が電車内の振動と一致し、歩数が現在ユーザは歩いていないことを示す場合、ステップS191において算出部411は、ユーザは電車にいると特定する。そして、算出部411は、適合度を算出する。
【0112】
ステップS192において、ステップS191において算出された適合度の高さが第1閾値に満たないと判定された場合(例えば、電車内は学習に不適切な場合)、ステップS193において出力部412は、ユーザが家にいる状態を、ターゲットとなる状態として決定する。そして、出力部412は、ターゲットとなる状態へ遷移する行動のうち、遷移コストが最小となる行動を決定する。
【0113】
例えば、ステップS193において決定された行動が「家に帰る」であった場合、ステップS194において出力部412は、「電車内は不適切です。帰って家でやりましょう」という提案を含む情報を生成する。この場合、上述したステップS22においてスマートフォン2は、「電車内は不適切です。帰って家でやりましょう」というテキストを含む画像を表示する。
【0114】
このように、出力部412は、第1情報が複数の情報を含む場合であっても、学習に適した状態となるような提案を行うことができる。
【0115】
〔変形例1〕
本実施形態の一変形例について説明する。本変形例では、ステップS193において決定された、適合度を向上させるための行動について、行動前の状態から行動後の状態に遷移するための遷移コストの最小値が第2閾値に満たないと判定された場合に限り、出力部412は適合度を向上させるための行動を示す情報を出力する。
【0116】
上述したステップS19に対応するステップであって、本変形例におけるステップS19Aについて、図6を参照して説明する。図6は、本変形例に係る出力部412が出力する情報を生成する処理を示すフローチャートである。
【0117】
(ステップS191~ステップS193、ステップS195)
ステップS191~ステップS193、及びステップS195は、上述した通りである。
【0118】
(ステップS196)
ステップS196において、出力部412は、ステップS193において決定した行動(すなわち、遷移コストが最小となる行動)への遷移コストが第2閾値以上か否かを判定する。
【0119】
(ステップS194)
ステップS196において、遷移コストは第2閾値に満たないと判定された場合(ステップS196:NO)、ステップS194において出力部412は、ステップS193において算出した最小となる遷移コストに対応する行動を、適合度を向上させるための行動として、当該行動を示す情報を生成する。
【0120】
(ステップS197)
一方、ステップS196において、遷移コストは第2閾値以上であると判定された場合(ステップS196:YES)、ステップS197において出力部412は、適切な行動が無い旨を示す情報を生成する。なお、ステップS197が実行された場合、上述したステップS22は実行されなくてもよい。換言すると、学習システム100では、学習に適した状態となるための行動として適切な行動がない場合、ユーザにその旨を通知しないで学習させてもよい。
【0121】
〔変形例2〕
本実施形態の他の変形例について説明する。本変形例では、取得部410は、ユーザが学習する学習コンテンツを特定する第2情報を取得する。また、算出部411は、第1情報及び第2情報を参照して、適合度を算出する。また、出力部412は、第1情報及び第2情報を参照して算出された適合度の高さが第1閾値に満たないと判定された場合に、適合度を向上させるための行動を示す情報を出力する。
【0122】
また、第2情報は、学習コンテンツを特定する情報に加えて、科目を特定する情報、難易度を特定する情報、及び、当該学習コンテンツにおけるユーザの学習履歴を示す情報が挙げられる。第2情報は、スマートフォン2の記憶部23に格納されていてもよいし、学習用サーバ3の記憶部33に格納されていてもよい。本変形例では、第2情報が学習用サーバ3の記憶部33に格納されている場合について説明する。
【0123】
上述したように、算出部411が適合度を算出する方法の一例として、機械学習により構築された学習済モデルを用いる方法が挙げられる。本変形例において算出部411が用いる学習済モデルは、第1情報及び第2情報を入力とし、適合度又は適合度に対応する情報を出力とする学習済モデルである。
【0124】
また、本変形例において、学習部413が用いる教師データは、第1情報と、第2情報と、適合度に対応する情報とを組とする教師データである。
【0125】
<変形例2において実行される処理>
上述した学習システム100において実行される処理S100に対応する処理であって、本変形例に係る学習システム100において実行される処理S101の流れについて、図7および図8を参照して説明する。図7は、本変形例に係る学習システム100において実行される処理S101の流れを示すシーケンス図である。なお、図8については後述する。
【0126】
なお、スマートフォン2が学習コンテンツを学習用サーバ3に要求するステップS11から、スマートフォン2が出力した第1情報を情報処理装置4が取得するステップS18までの処理は、上述した通りである。
【0127】
(ステップS31)
ステップS31において、情報処理装置4の出力部412は、学習用サーバ3に対して、ステップS12において学習用サーバ3が出力した学習コンテンツに関する情報である第2情報を要求する。
【0128】
例えば、ステップS18において取得部410は、第1情報を取得すると、当該第1情報を出力部412に供給する。出力部412は、取得部410から第1情報を取得したことを契機として、学習用サーバ3に対して、第2情報を要求する旨を示す情報を学習用サーバ3に出力することにより、学習用サーバ3に対して第2情報を要求する。
【0129】
(ステップS32)
ステップS32において、学習用サーバ3の出力部311は、情報処理装置4に対して、第2情報を出力する。
【0130】
例えば、取得部310は、情報処理装置4から出力された、第2情報を要求する旨を示す情報を取得すると、取得した情報を出力部311に供給する。出力部311は、取得部310から供給された情報を参照し、ステップS12において出力した学習コンテンツに関する情報を第2情報として、情報処理装置4に出力する。
【0131】
(ステップS33)
ステップS33において、情報処理装置4の取得部410は、学習用サーバ3から出力された第2情報を取得する。取得部410は、取得した第2情報を記憶部43に格納する。
【0132】
(ステップS34)
ステップS34において、情報処理装置4の出力部412は、出力する情報を生成する。ステップS34の処理について、図8を参照して説明する。図8は、本変形例に係る出力部412が出力する情報を生成する処理を示すフローチャートである。
【0133】
ステップS341において、算出部411は、記憶部43に格納されている第1情報及び第2情報を参照して、適合度を算出する。
【0134】
本変形例において、算出部411が適合度を算出する方法の一例として、上述した方法と同様、学習済モデルを用いる方法が挙げられる。算出部411が用いる学習済モデルは、第1情報及び第2情報を入力とし、適合度に対応する情報を出力する学習済モデルである。
【0135】
なお、ステップS192~ステップS195は、上述した通りである。
【0136】
(ステップS20~ステップS22)
情報処理装置4の出力部412が、生成した情報を出力するステップS20から、スマートフォン2が当該情報を表示するステップS22までの処理は、上述した通りである。
【0137】
(ステップS34において実行される処理の例1)
上述したステップS18において、情報処理装置4の取得部410が、ユーザの周辺における学習環境であるユーザの周辺の音を第1情報として取得し、上述したステップS33において、取得部410が、学習コンテンツの科目を特定する第2情報であって、数学を示す第2情報として取得した場合に、ステップS34において実行される処理例について説明する。
【0138】
この場合、ステップS192において、ステップS341において算出された適合度の高さが第1閾値に満たないと判定された場合(例えば、ユーザの周辺の音の大きさが所定の値よりも大きく、ユーザの周辺の音が大きい環境では数学の学習は不適切な場合)、ステップS193において出力部412は、ユーザの周辺の音が小さくなるような状態を、ターゲットとなる状態として決定する。そして、出力部412は、ターゲットとなる状態へ遷移する行動のうち、遷移コストが最小となる行動を決定する。
例えば、ステップS193において決定された行動が「英単語の暗記をする」であった場合、ステップS194において出力部412は、例えば、「電車内では英単語の暗記が適しています」という提案を含む情報を生成する。この場合、上述したステップS22においてスマートフォン2は、「電車内では英単語の暗記が適しています」というテキストを含む画像を表示する。
【0139】
例えば、ステップS193において決定された行動が「静かな場所に移動する」であった場合、ステップS194において出力部412は、例えば、「数学は静かな場所がおすすめです」という提案を含む情報を生成する。この場合、上述したステップS22においてスマートフォン2は、「数学は静かな場所がおすすめです」というテキストを含む画像を表示する。
【0140】
(ステップS34において実行される処理の例2)
上述したステップS18において、情報処理装置4の取得部410が、ユーザの周辺における学習環境であるユーザの周辺の音及び振動を第1情報として取得し、上述したステップS33において、取得部410が、学習コンテンツの科目を特定する第2情報であって、数学を示す第2情報として取得した場合に、ステップS34において実行される処理例について説明する。
【0141】
この場合、ステップS192において、ステップS341において算出された適合度の高さが第1閾値に満たないと判定された場合(例えば、電車内では数学の学習は不適切な場合)、ステップS193において出力部412は、電車内に適した科目の学習をする状態を、ターゲットとなる状態として決定する。そして、出力部412は、ターゲットとなる状態へ遷移する行動のうち、遷移コストが最小となる行動を決定する。
【0142】
(ステップS34において実行される処理の例3)
上述したステップS18において、情報処理装置4の取得部410が、ユーザの周辺における学習環境であるユーザの周辺の音を第1情報として取得し、上述したステップS33において、取得部410が数学を示す第2情報として取得した場合であって、ステップS34において言語モデルを用いた場合に実行される処理例について説明する。
【0143】
この場合、ステップS193において出力部412は、第1情報と、第2情報と、プロンプトとを入力として、適合度を向上させるための行動を出力するように構成された言語モデルを用いる。
【0144】
この場合に言語モデルに入力されるプロンプトの候補である複数のプロンプト候補のそれぞれは、学習環境又は身体情報の種別に加えて、科目がさらに関連付けられていてもよい。一例として、出力部412は、ユーザの周辺の音及び振動を示す第1情報と、数学を示す第2情報とを言語モデルに入力する場合、プロンプトとして、学習環境又は身体情報の種別がユーザの周辺の音及び振動に関連付けられており、さらに科目が数学に関連付けられた「これはユーザの周辺の音及び振動を示すデータです。数学に適した環境に移行する提案、又は環境に適した科目を提案してください。」というプロンプトを選択する。そして、出力部412は、第1情報と、第2情報と、選択したプロンプトを言語モデルに入力し、出力された適合度を向上させるための行動を、ターゲットとなる状態への遷移コストが最小となる行動に決定する。
【0145】
上述の例以外の学習コンテンツに関する提案として、例えば、「現在の環境(又は現在の身体状態)ではこの難易度の問題は難しいので、もっと簡単な問題を解きましょう」、「現在の環境と同じ環境(又は現在の身体状態と同じ状態)で前回行ったテストが悪かったので、違う環境(又は違う身体状態)でテストしましょう」が挙げられる。
【0146】
〔変形例3〕
本実施形態のさらに他の変形例について説明する。本変形例に係る学習システム100では、複数のウェアラブルデバイス1と複数のスマートフォン2とが含まれる構成について説明する。換言すると、本変形例に係る学習システム100では、ウェアラブルデバイス1を身に付け、スマートフォン2を所持するユーザが複数いる場合について説明する。
【0147】
本変形例では、取得部410は、ユーザの個人を特定する第3情報を取得する。情報処理装置4の記憶部43には、各ユーザが過去に学習した学習コンテンツの履歴であって、(1)ユーザを特定する第3情報と、(2)各学習コンテンツを特定する前記第2情報と、(3)当該第2情報で特定される学習コンテンツを当該ユーザが学習した時に取得された前記第1情報と、(4)当該第2情報で特定される学習コンテンツを当該ユーザが学習した時の学習成績の高さを表す第4情報と、が対応付けられている履歴が記憶されている。適合度が第1閾値に満たないと判定された場合に、出力部412は、履歴を参照し、第3情報により特定されるユーザが学習を行う前に、適合度を向上させつつ学習成績を向上させるための行動を示す情報を出力する。
【0148】
出力部412は、履歴を参照することによって、当該ユーザにとって高い学習成績を得られたときの第1情報及び第2情報を取得することができるので、適合度だけでなく学習成績を向上させるための行動を示す情報を出力することができる。
【0149】
<変形例3に係る学習システムにおいて実行される処理>
上述した学習システム100において実行される処理S100に対応する処理であって、本変形例に係る学習システム100において実行される処理S102の流れについて、図9を参照して説明する。図9は、本変形例に係る学習システム100において実行される処理S102の流れを示すシーケンス図である。
【0150】
なお、スマートフォン2が学習コンテンツを学習用サーバ3に要求するステップS11から、スマートフォン2が第1情報をウェアラブルデバイス1から取得するステップS16までの処理は、上述した通りである。
【0151】
(ステップS41)
ステップS41において、スマートフォン2の出力部211は、記憶部23に格納されている第1情報及び第3情報を、情報処理装置4に対して出力する。
【0152】
(ステップS42)
ステップS42において、情報処理装置4の取得部410は、スマートフォン2から出力された第1情報及び第3情報を取得する。取得部410は、取得した第1情報及び第3情報を、記憶部43に格納する。
【0153】
(ステップS43)
ステップS43において、情報処理装置4の出力部412は、出力する情報を生成する。ステップS43の処理について、図10を参照して説明する。図10は、本変形例に係る出力部412が出力する情報を生成する処理を示すフローチャートである。
【0154】
ステップS191、ステップS192、及びステップS195は、上述した通りである。
【0155】
ステップS192において、適合度の高さが第1閾値に満たないと判定された場合(ステップS192:NO)、ステップS431において出力部412は、第3情報を参照して、適合度を向上させるための行動を決定する。例えば、ステップS431において出力部412は、ユーザの学習成績が良かった場合にユーザが行った行動を、適合度を向上させるための行動として決定する。
【0156】
ステップS432において、出力部412は、ステップS431において決定した行動を、適合度を向上させるための行動として、当該行動を示す情報を生成する。
【0157】
(ステップS20~ステップS22)
情報処理装置4の出力部412が、生成した情報を出力するステップS20から、スマートフォン2が当該情報を表示するステップS22までの処理は、上述した通りである。
【0158】
(ステップS43において実行される処理の例1)
上述したステップS42において、情報処理装置4の取得部410がユーザの身体状態である心拍数を第1情報として取得し、第3情報によって特定されるユーザが深呼吸をした場合に学習成績が良かった場合に、ステップS43において実行される処理の例について説明する。
【0159】
この場合、ステップS192において、ステップS191において算出された適合度の高さが第1閾値に満たないと判定された場合(例えば、心拍数が所定の値よりも高い場合)、ステップS431において出力部412は、ユーザが深呼吸することを、適合度を向上させるための行動として決定する。そして、ステップS432において、出力部412は、例えば、「深呼吸しましょう」という提案を含む情報を生成する。この場合、上述したステップS22においてスマートフォン2は、「深呼吸しましょう」というテキストを含む画像を表示する。
【0160】
(ステップS43において実行される処理の例2)
上述したステップS42において、情報処理装置4の取得部410がユーザの周辺における学習環境である現在時刻を第1情報として取得し、第3情報によって特定されるユーザが、朝学習をした場合に学習成績が良かった場合に、ステップS43において実行される処理の例について説明する。
【0161】
この場合、ステップS192において、ステップS191において算出された適合度の高さが第1閾値に満たないと判定された場合(例えば、現在時刻が20時の場合)、ステップS431において出力部412は、朝、学習することを、適合度を向上させるための行動として決定する。そして、ステップS432において、出力部412は、例えば、「学習は朝にしましょう」という提案を含む情報を生成する。この場合、上述したステップS22においてスマートフォン2は、「学習は朝にしましょう」というテキストを含む画像を表示する。
【0162】
(ステップS43において実行される処理の例3)
上述したステップS42において、情報処理装置4の取得部410がユーザの周辺における学習環境である現在時刻を第1情報として取得し、第3情報によって特定されるユーザが、朝学習をした場合に学習成績が良かった場合であって、ステップS43において言語モデルを用いて実行される処理の例について説明する。
【0163】
この場合、ステップS431において出力部412は、プロンプトと第1情報とを入力として、適合度を向上させるための行動を出力するように構成された言語モデルを用いる。一例として、出力部412は、上述した構成と同様に、学習環境又は身体情報の種別が関連付けられた複数のプロンプト候補からプロンプトを選択し、さらに、第3情報を参照して、ユーザの学習成績が良かった場合にユーザが行った行動を、プロンプトに含める。
【0164】
例えば、出力部412はまず、現在時刻が関連付けられたプロンプト「これは現在の時刻です。学習に適した環境とそのための行動を提案してください。」を選択する。次に、出力部412は、朝学習をした場合に学習成績が良かったことを示す第3情報を参照し、プロンプトを「これは現在の時刻です。ユーザは朝型ということを考慮して、学習に適した環境とそのための行動を提案してください。」というプロンプトに変更する。続いて、出力部412は、変更したプロンプトと第1情報とを言語モデルに入力する。そして、出力部412は、言語モデルから出力された適合度を向上させるための行動を、ターゲットとなる状態への遷移コストが最小となる行動に決定する。
【0165】
〔変形例4〕
本実施形態の他の変形例について説明する。本変形例では、取得部410は、ユーザの現在地を示す情報を取得する。また、出力部412は、当該情報を参照して、適合度を向上させるための行動を示す情報を出力する。一例として、出力部412は、適合度を向上させるための行動を示す情報として、現在地からの移動先を含む情報を出力する。
【0166】
<変形例4に係る学習システムにおいて実行される処理>
上述した学習システム100において実行される処理S100に対応する処理であって、本変形例に係る学習システム100において実行される処理S103の流れについて、図11を参照して説明する。図11は、本変形例に係る学習システム100において実行される処理S103の流れを示すシーケンス図である。
【0167】
なお、スマートフォン2が学習コンテンツを学習用サーバ3に要求するステップS11から、スマートフォン2が第1情報をウェアラブルデバイス1から取得するステップS16までの処理は、上述した通りである。
【0168】
(ステップS51)
ステップS51において、スマートフォン2は、情報処理装置4に対して、第1情報及び現在地を示す情報を出力する。
【0169】
例えば、スマートフォン2の取得部210は、ステップS16において第1情報を取得したことを契機として、位置情報受信部26からスマートフォン2の位置を示す位置情報を取得する。スマートフォン2の取得部210は、取得した第1情報及び位置情報を出力部211に供給する。出力部211は、取得部210から供給された位置情報を、現在地を示す情報として、第1情報と共に出力する。
【0170】
(ステップS52)
ステップS52において、情報処理装置4の取得部410は、スマートフォン2から出力された第1情報及び現在地を示す情報を取得する。取得部410は、取得した第1情報及び現在地を示す情報を、記憶部43に格納する。
【0171】
(ステップS53)
ステップS53において、情報処理装置4の出力部412は、出力する情報を生成する。ステップS53の処理について、図12を参照して説明する。図12は、本変形例に係る出力部412が出力する情報を生成する処理を示すフローチャートである。
【0172】
(ステップS191~ステップS193、ステップS195)
ステップS191~ステップS193、及びステップS195は、上述した通りである。
【0173】
(ステップS531)
ステップS531において、出力部412は、ステップS193において決定された行動の移動先を決定する。例えば、ステップS193において決定された行動が、静かな場所に移動する、であった場合、ステップS531において出力部412は、静かな場所である図書館を移動先として決定する。
【0174】
(ステップS532)
ステップS532において、出力部412は、適合度を向上させるための行動として、ステップS193において決定した行動と、ステップS532において決定した移動先を含む情報を生成する。
【0175】
(ステップS20~ステップS22)
情報処理装置4の出力部412が、生成した情報を出力するステップS20から、スマートフォン2が当該情報を表示するステップS22までの処理は、上述した通りである。
【0176】
(ステップS53において実行される処理の例1)
上述したように、ステップS531において、図書館を移動先として決定した場合、ステップS532において出力部412は、例えば、「図書館に移動しましょう」という提案を含む情報を生成する。この場合、上述したステップS22においてスマートフォン2は、「図書館に移動しましょう」というテキストを含む画像を表示する。
【0177】
さらに、ステップS532において出力部412は、移動先の図書館までの経路を含む情報を生成してもよい。例えば、ステップS532において出力部412は、図書館への経路と、「一番近い図書館はこちらです」という提案とを含む情報を生成してもよい。
【0178】
(ステップS53において実行される処理の例2)
ステップS53において言語モデルを用いた場合に実行される処理例について説明する。
【0179】
この場合、ステップS531において出力部412は、第1情報と、現在地を示す情報と、プロンプトとを入力として、適合度を向上させるための行動を出力するように構成された言語モデルを用いる。また、言語モデルは、外部のサーバが提供する地図を参照可能な構成であってもよい。
【0180】
この場合、出力部412はまず、言語モデルに入力するプロンプトとして、上述した構成と同様、第1情報に関連付けられたプロンプト「これはユーザの周辺の音及び振動を示すデータです。学習に適した環境を提案してください。」を選択する。次に、出力部412は、現在地を示す情報を言語モデルに入力するため、プロンプトを「これはユーザの周辺の音及び振動及び現在の位置を示すデータです。学習に適した環境を提案してください。」というプロンプトに変更する。続いて、出力部412は、変更したプロンプトと第1情報を言語モデルに入力する。
【0181】
言語モデルは、外部のサーバが提供する地図を参照可能であるため、「図書館に移動しましょう」という提案をすることができる。また、上述した構成と同様に、言語モデルが移動先の図書館までの経路を含む情報を出力した場合、出力部412は、移動先の図書館までの経路を含む情報を生成してもよい。
【0182】
〔変形例5〕
本変形例に係る学習システム100では、各装置が備える1又は複数の構成要素を、他の装置が備える構成であってもよい。
【0183】
例えば、学習システム100では、ウェアラブルデバイス1が備えるセンサ部14を、スマートフォン2が備える構成であってもよい。この場合、学習システム100は、当該スマートフォン2と、学習用サーバ3と、情報処理装置4とを備える構成であってもよい。
【0184】
他の例として、学習システム100では、学習用サーバ3が備える構成要素を、情報処理装置4が備える構成であってもよい。この場合、学習システム100は、当該情報処理装置と、ウェアラブルデバイス1と、スマートフォン2とを備える構成であってもよい。
【0185】
さらに他の例として、学習システム100は、情報処理装置4によって構成されてもよい。換言すると、ウェアラブルデバイス1、スマートフォン2、及び学習用サーバ3の各々が備える構成要素を、情報処理装置4が備えていてもよい。
【0186】
[変形例6]
本実施形態の一変形例について説明する。本変形例では、学習コンテンツを取得しない場合について説明する。また、本変形例では、ユーザに提供可能な学習コンテンツに関する情報が、情報処理装置4の記憶部43に格納されている。本変形例における学習コンテンツに関する情報は、学習コンテンツそのものを示す情報であってもよいし、学習コンテンツの科目を示す情報であってもよい。
【0187】
<変形例6において実行される処理>
上述した学習システム100において実行される処理S100に対応する処理であって、本変形例に係る学習システム100において実行される処理S104の流れについて、図13および図14を参照して説明する。図13は、本変形例に係る学習システム100において実行される処理S101の流れを示すシーケンス図である。なお、図14については後述する。
【0188】
図13に示すように、本変形例では、スマートフォン2が学習コンテンツを学習用サーバ3に要求するステップS11から、スマートフォン2が学習コンテンツを取得する構成は実行されない。
【0189】
また、スマートフォン2が第1情報をウェアラブルデバイス1に要求するステップS14から、スマートフォン2が出力した第1情報を情報処理装置4が取得するステップS18までの処理は、上述した通りである。
【0190】
(ステップS61)
ステップS61において、情報処理装置4の出力部412は、出力する情報を生成する。ステップS61の処理について、図14を参照して説明する。図14は、本変形例に係る出力部412が出力する情報を生成する処理を示すフローチャートである。
【0191】
(ステップS611)
ステップS611において、算出部411は、記憶部43に格納されている第1情報と、記憶部43に格納されている複数の学習コンテンツのそれぞれに関する情報とを参照して、学習コンテンツ毎の適合度を算出する。算出部411が適合度を算出する処理については、上述した通りである。
【0192】
(ステップS612)
ステップS612において、出力部412は、ステップS611において算出された学習コンテンツ毎の適合度のうち、適合度が第1閾値以上の学習コンテンツがあるか否かを判定する。なお、ステップS612において出力部412が用いる第1閾値は、学習コンテンツ毎に値が異なる閾値であってもよい。
【0193】
(ステップS613)
ステップS612において、適合度が第1閾値以上の学習コンテンツがないと判定された場合(ステップS612:NO)、換言すると、学習コンテンツ毎の適合度の全てが第1閾値に満たないと判定された場合、ステップS613において出力部412は、複数の学習コンテンツの何れかをユーザが学習を行うことの適合度を向上させるための行動を示す情報を生成する。ステップS613において出力部412が適合度を向上させるための行動を示す情報を生成する処理として、上述した処理(例えば、上述したステップS193及びステップS194、又は言語モデルを用いる処理)が挙げられる。
【0194】
(ステップS614)
ステップS612において、適合度が第1閾値以上の学習コンテンツがあると判定された場合(ステップS612:YES)、ステップS614において、適合度が高い(適合度が第1閾値以上の)学習コンテンツを示す情報を生成する。
【0195】
(ステップS20)
ステップS20において、情報処理装置4の出力部412は、ステップS19において生成した情報を、スマートフォン2に対して出力する。
【0196】
(ステップS21~ステップS22)
情報処理装置4の出力部412が、生成した情報を出力するステップS20から、スマートフォン2が当該情報を表示するステップS22までの処理は、上述した通りである。
【0197】
(ステップS61において実行される処理の例)
上述したステップS18において、情報処理装置4の取得部410が、ユーザの周辺における学習環境であるCO濃度を第1情報として取得した場合に、ステップS61において実行される処理の例について説明する。
【0198】
この場合、ステップS611において、算出部411は、CO濃度を示す第1情報と、複数の学習コンテンツのそれぞれを示す情報とを参照して、学習コンテンツ毎の適合度を算出する。
【0199】
次に、ステップS612において、出力部412は、ステップS611において算出された学習コンテンツ毎の適合度のうち、適合度が第1閾値以上の学習コンテンツがあるか否かを判定する。換言すると、第1情報が示すCO濃度に適合した学習コンテンツがあるか否かを判定する。
【0200】
第1情報が示すCO濃度に適合した学習コンテンツがない場合、ステップS613において出力部412は、CO濃度が低くなるような状態をターゲットとなる状態として、適合度を向上させるための行動を示す情報を生成する。ここで、ステップS613において出力部412は、ステップS611において算出された適合度のうち、最も適合度が高かった学習コンテンツに適合する状態を、ターゲットとなる状態として決定してもよい。例えば、数学の学習コンテンツの適合度が70であり、英語の学習コンテンツの適合度が60の場合、出力部412は、数学の適合度を向上させるための行動を示す情報を生成してもよい。
【0201】
また、上述した実施形態および変形例と同様に、ステップS613において出力部412は、第1情報とプロンプトとを言語モデルに入力し、適合度を向上させるための行動を示す情報を生成してもよい。
【0202】
例えば、ステップS613において決定された適合度を向上させるための行動が「窓を開ける」であった場合、出力部412は、「窓を開けましょう」という提案を含む情報を生成する。また、出力部412は、ユーザに学習を提案する学習コンテンツを含めた情報を生成してもよい。一例として、出力部412は、提案する行動が、数学の学習コンテンツの適合度を向上させるための行動である場合、「窓を開けて、数学を学習しましょう」という提案を含む情報を生成してもよい。
【0203】
〔ソフトウェアによる実現例〕
ウェアラブルデバイス1、スマートフォン2、学習用サーバ3、及び情報処理装置4の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部11、21、31、41に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0204】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0205】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0206】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0207】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る情報処理装置4は、ユーザの周辺における学習環境と前記ユーザの身体状態とのうち少なくとも何れかを示す第1情報を取得する取得部410と、前記第1情報を参照して、前記ユーザが学習を行うことに対する前記学習環境及び前記身体状態の少なくとも何れかの適合度を算出する算出部411と、前記適合度が第1閾値に満たないと判定された場合に、前記適合度を向上させるための行動を示す情報を出力する出力部412と、を備える。
【0208】
情報処理装置4は、ユーザの周辺における学習環境とユーザの身体状態とのうち少なくとも何れかを示す第1情報に応じて、学習に適した行動をユーザに対して提案することができる。
【0209】
本発明の態様2に係る情報処理装置4は、態様1において、算出部411は、機械学習により構築された学習済モデルを用いて、前記適合度を算出することが好ましい。前記学習済モデルの入力は、前記第1情報であり、前記学習済モデルの出力は、前記適合度である。
【0210】
このように、算出部411が機械学習により構築された学習済モデルを用いて適合度を算出することによって、所定のプログラムに基づいて適合度を算出する場合と比較して、人手による記述が困難な複雑な特徴量やパターンの認識に基づいた適合度の算出を行うことで、その精度を高めることができる。
【0211】
本発明の態様3に係る情報処理装置4は、態様1又は2において、前記出力部412は、機械学習により構築された自然言語生成モデルに入力するプロンプトを複数のプロンプト候補から選択し、前記自然言語生成モデルを用いて、前記適合度を向上させるための行動を示す情報を出力し、前記自然言語生成モデルの入力は、前記プロンプトおよび前記第1情報であり、前記自然言語生成モデルの出力は、前記適合度を向上させる行動について記述した自然言語である。
【0212】
情報処理装置4は、言語モデルを用いて適合度を向上させるための行動を示す情報を出力するので、自然言語に基づく背景知識の理解が可能になり、所定のプログラムに基づいて適合度を向上させるための行動を示す情報を出力する場合と比較して、行動や学習内容の類似性や言語的意味等、人手によるプログラムではすべてを記述することが困難な背景情報を考慮して、適合度を向上させるための行動を決定することで、その精度を高めることができる。
【0213】
本発明の態様4に係る情報処理装置4は、態様1から3の何れかにおいて、取得部410は、前記ユーザが学習する学習コンテンツを特定する第2情報を取得し、算出部411は、前記第1情報及び前記第2情報を参照して、前記適合度を算出し、出力部412は、前記第1情報及び前記第2情報を参照して算出された前記適合度が第1閾値に満たないと判定された場合に、前記適合度を向上させるための行動を示す情報を出力する。
【0214】
情報処理装置4は、適合度を算出するときに、第1情報に加えて学習コンテンツを特定する第2情報も参照するので、学習コンテンツの内容も考慮して適合度を算出することができる。
【0215】
本発明の態様5に係る情報処理装置4は、態様4において、算出部411は、機械学習により構築された学習済モデルを用いて、前記適合度を算出し、前記学習済モデルの入力は、前記第1情報及び前記第2情報であり、前記学習済モデルの出力は、前記適合度である。
【0216】
態様5に係る情報処理装置4は、態様2に係る情報処理装置4において算出部411に機械学習を用いた場合と同様の効果を奏する。
【0217】
本発明の態様6に係る情報処理装置4は、態様4又は5において、各ユーザが過去に学習した学習コンテンツの履歴であって、(1)ユーザを特定する第3情報と、(2)各学習コンテンツを特定する前記第2情報と、(3)当該第2情報で特定される学習コンテンツを当該ユーザが学習した時に取得された前記第1情報と、(4)当該第2情報で特定される学習コンテンツを当該ユーザが学習した時の学習成績の高さを表す第4情報と、が対応付けられている履歴を記憶した記憶部43を更に備えている。前記適合度が第1閾値に満たないと判定された場合に、出力部412は、前記履歴を参照し、前記第3情報により特定される前記ユーザが学習を行う前に、前記適合度を向上させつつ前記学習成績を向上させるための行動を示す情報を出力する。
【0218】
情報処理装置4は、ユーザが学習を行う前に、前記適合度を向上させるだけでなく前記成績を向上させることができる行動を示す情報を出力することができる。したがって、学習により得られ得る成果をより高めることができる。
【0219】
本発明の態様7に係る情報処理装置4は、態様1、2、4から6の何れか一態様において、前記第1情報は、前記学習環境を示す学習環境情報と、前記身体状態を示す身体状態情報と、を含み、前記第1閾値は、前記学習環境情報の適合度を表す座標軸と前記身体状態情報の適合度を表す座標軸とにより規定される2次元平面における曲線で表され、前記出力部は、前記2次元平面において、前記第1情報を参照して算出された前記学習環境情報の適合度および身体状態情報の適合度が前記第1閾値に満たないと判定された場合に、前記適合度を向上させるための行動を示す情報を出力する。
【0220】
第1情報が学習環境情報及び身体状態情報を含んでいるため、情報処理装置4は、ユーザの周辺における学習環境及びユーザの身体状態を考慮して適合度を向上させるための行動を示す情報を出力することができる。
【0221】
本発明の態様8に係る情報処理装置4は、態様1~7の何れか一態様において、取得部410は、前記ユーザの現在地を示す情報を取得し、出力部412は、前記適合度を向上させるための行動を示す情報として、前記現在地からの移動先を含む情報を出力する。
【0222】
情報処理装置4は、ユーザに対して、学習により適した環境と推測される移動先への移動を促すことができる。
【0223】
本発明の態様9に係る情報処理装置4は、態様1~8の何れか一態様において、出力部412は、前記適合度を向上させるための行動について、行動前の状態から行動後の状態に遷移するための遷移コストの最小値が第2閾値に満たないと判定された場合に限り、前記適合度を向上させるための行動を示す情報を出力する。
【0224】
情報処理装置4は、ユーザの周辺における学習環境とユーザの身体状態とのうち少なくとも何れかが学習に適していない場合であっても、学習に適した状態となるための行動に遷移するコストが高い場合、当該行動を提案しない。そのため、情報処理装置4は、ユーザにとって負荷が大きいような行動を提案しないので、ユーザーフレンドリーな装置を実現することができる。
【0225】
本発明の態様10に係る情報処理装置4は、前記態様1から3の何れか一態様において、算出部411は、前記第1情報と、複数の学習コンテンツのそれぞれに関する情報とを参照して、学習コンテンツ毎の前記適合度を算出し、出力部412は、前記学習コンテンツ毎の適合度の全てが第1閾値に満たないと判定された場合、前記複数の学習コンテンツの何れかをユーザが学習を行うことの前記適合度を向上させるための行動を示す情報を出力する。
【0226】
情報処理装置4は、複数の学習コンテンツのうちの或る学習コンテンツについて、ユーザの周辺における学習環境とユーザの身体状態とのうち少なくとも何れかが学習に適した行動をユーザに対して提案することができる。
【0227】
本発明の態様11に係る情報処理装置4は、前記態様11において、出力部412は、前記ユーザに学習を提案する学習コンテンツを含めた前記情報を出力する。
【0228】
情報処理装置4は、複数の学習コンテンツのうち、行動と共に、当該行動をすることによって適合度が向上する学習コンテンツを、ユーザに対して提案することができる。
【0229】
本発明の態様12に係る学習システムは、態様1~11の何れか一態様に係る情報処理装置4と、ウェアラブルデバイス1と、端末装置(スマートフォン2)とを備える学習システム100であって、前記ウェアラブルデバイスは、前記第1情報を生成する1又は複数のセンサを備え、且つ、当該第1情報を出力し、前記情報処理装置は、前記適合度が第1閾値に満たないと判定された場合に、前記適合度を向上させるための行動を示す情報を出力し、前記端末装置は、前記適合度を向上させるための行動を示す情報を出力する。
【0230】
学習システム100は、情報処理装置4と同様の効果を奏する。
【0231】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0232】
100 学習システム
1 ウェアラブルデバイス
2 スマートフォン
3 学習用サーバ
4 情報処理装置
41 制御部
42 通信部
410 取得部
411 算出部
412 出力部
413 学習部
43 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14