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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024159796
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】撮像装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/20 20210101AFI20241031BHJP
   H04N 23/53 20230101ALI20241031BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20241031BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20241031BHJP
【FI】
G03B17/20
H04N23/53
H04N23/63 300
G03B17/18
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024135701
(22)【出願日】2024-08-15
(62)【分割の表示】P 2022538580の分割
【原出願日】2021-03-01
(31)【優先権主張番号】P 2020125376
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100168985
【弁理士】
【氏名又は名称】蜂谷 浩久
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】近藤 茂
(72)【発明者】
【氏名】長 倫生
(72)【発明者】
【氏名】笠原 奨騎
(57)【要約】
【課題】 観察部の表示器において、ユーザが確認すべき情報を見やすい位置に表示させることが可能な撮像装置を提供する。
【解決手段】 本発明の一時し形態に係る撮像装置は、撮像素子と、表示器と観察光学系とを含む観察部と、撮像素子から読み出した撮像信号に基づく撮像画像、及び撮像画像の生成に関する関連情報を表示器に表示させるプロセッサと、を備える。プロセッサは、撮像素子による撮像中に、関連情報を、表示器における第1表示位置及び第2表示位置に表示させ、第2表示位置は、第1表示位置よりも表示器の内側にあり、第2表示位置に表示させる関連情報の種類は、撮像前に予め設定されており、プロセッサは、撮像中のユーザの特定操作に基づき、第2表示位置における関連情報の表示及び非表示を切り替える。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子と、
表示器と観察光学系とを含む観察部と、
ユーザから前記観察部までの距離に応じた信号を出力するセンサと、を備え、
前記撮像素子から読み出した撮像信号に基づく撮像画像、及び前記撮像画像の生成に関する関連情報を前記表示器に表示させるプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記撮像素子による撮像中に、前記関連情報を、前記表示器における第1表示位置及び第2表示位置に表示させ、
前記第1表示位置は、前記撮像画像と重ならない位置であり、
前記第2表示位置は、前記第1表示位置よりも前記表示器の内側にあり、且つ、前記撮像画像と重なる位置であり、
前記第2表示位置に表示させる前記関連情報の種類は、撮像前に予め設定されており、
前記プロセッサは、撮像中のユーザの特定操作に基づき、前記第2表示位置における前記関連情報の表示及び非表示を切り替え、
前記プロセッサは、前記センサから出力された信号に基づき、前記第2表示位置及び前記第2表示位置に表示させる前記関連情報の表示態様のうちの少なくとも一方を変更する、撮像装置。
【請求項2】
前記撮像素子の長手方向における前記表示器の水平視野角が33度以上である、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第2表示位置に表示される前記関連情報は、ユーザによって選択可能であり、
前記第2表示位置に表示される前記関連情報が複数選択された場合、前記プロセッサは、選択された複数の前記関連情報を一緒に前記表示器に表示させる、請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第2表示位置に表示される前記関連情報は、前記撮像素子の撮像条件に関する情報、及び、前記撮像信号の補正条件に関する情報のうちの少なくとも一方を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第2表示位置に表示される前記関連情報は、シャッタスピード、前記撮像素子の感度、及び、撮像レンズの撮影時の絞り値のうちの少なくとも一つを含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、ユーザの設定に応じて、前記第2表示位置、及び前記第2表示位置に表示させる前記関連情報の表示態様のうちの少なくとも一方を変更する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記撮像画像の各領域の色又は模様に応じて、前記第2表示位置、及び前記第2表示位置に表示させる前記関連情報の表示態様のうちの少なくとも一方を変更する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記特定操作が行われた場合、又は、撮像中において前記特定操作が行われていない場合に、前記プロセッサは、前記関連情報を前記第2表示位置に表示させる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項9】
撮像中において前記特定操作が行われた場合に、前記プロセッサは、前記特定操作が行われてからの経過時間が設定時間に達した後に、前記第2表示位置に表示している前記関連情報を非表示にする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項10】
ユーザが押圧するレリーズボタンをさらに備え、
前記レリーズボタンは、ユーザによって2段階の押圧が可能であり、
前記特定操作は、前記レリーズボタンを1段目の位置まで押圧する操作である、請求項8又は9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記第2表示位置に前記関連情報を表示させるモードには、
撮像中に前記特定操作が行われた場合に、前記関連情報を前記第2表示位置に表示させる第1モードと、
撮像中において前記特定操作が行われていない場合に、前記関連情報を前記第2表示位置に表示させる第2モードと、が含まれており、
前記プロセッサは、ユーザの指示入力によって、前記第1モード及び前記第2モードのうちの一方を選択する、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記表示器は、画像が表示される表示領域を有し、
前記撮像素子の長手方向において、前記表示領域の中央から前記表示領域の端までの距離を1とした場合に、前記第2表示位置は、前記表示領域の端からの距離が0.15以上、且つ1.0以下となる位置である、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記第2表示位置は、前記表示器の視野角が25度以内となる位置である、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記特定操作に基づき、前記関連情報の表示位置を前記第1表示位置及び前記第2表示位置の一方から他方へ切り替える、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、ユーザによる前記撮像画像の記録指示に基づき、前記関連情報のデータを付加させた前記撮像画像のデータを記録媒体に記録する、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項16】
撮像素子と、表示器と観察光学系とを含む観察部と、ユーザから前記観察部までの距離に応じた信号を出力するセンサと、を備えた撮像装置に用いられ、且つ、前記撮像装置のプロセッサにより実行されるプログラムであって、
前記プロセッサに、
前記撮像素子から読み出した撮像信号に基づく撮像画像、及び前記撮像画像の生成に関する関連情報を前記表示器に表示させる処理と、
前記撮像素子による撮像中に、前記関連情報を、前記表示器における第1表示位置及び第2表示位置に表示させる処理と、
撮像中のユーザの特定操作に基づき、前記第2表示位置における前記関連情報の表示又は非表示を切り替える処理と、を実行させ、
前記第1表示位置は、前記撮像画像と重ならない位置であり、
前記第2表示位置は、前記第1表示位置よりも前記表示器の内側にあり、且つ、前記撮像画像と重なる位置であり、
前記第2表示位置に表示させる前記関連情報の種類は、撮像前に予め設定されており、
前記プロセッサに、前記センサから出力された信号に基づき、前記第2表示位置及び前記第2表示位置に表示させる前記関連情報の表示態様のうちの少なくとも一方を変更する処理をさらに実行させる、プログラム。
【請求項17】
撮像素子と、
表示器と観察光学系とを含む観察部と、
前記撮像素子から読み出した撮像信号に基づく撮像画像、及び前記撮像画像の生成に関する関連情報を前記表示器に表示させるプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記撮像素子による撮像中に、前記関連情報を、前記表示器における第1表示位置及び第2表示位置に表示させ、
前記第1表示位置は、前記撮像画像と重ならない位置であり、
前記第2表示位置は、前記第1表示位置よりも前記表示器の内側にあり、且つ、前記撮像画像と重なる位置であり、
前記第2表示位置に表示させる前記関連情報の種類は、撮像前に予め設定されており、
前記プロセッサは、撮像中のユーザの特定操作に基づき、前記第2表示位置における前記関連情報の表示及び非表示を切り替え、
前記プロセッサは、前記特定操作に基づき、前記関連情報の表示位置を前記第1表示位置及び前記第2表示位置の一方から他方へ切り替える、撮像装置。
【請求項18】
撮像素子と、表示器と観察光学系とを含む観察部と、を備えた撮像装置に用いられ、且つ、前記撮像装置のプロセッサにより実行されるプログラムであって、
前記プロセッサに、
前記撮像素子から読み出した撮像信号に基づく撮像画像、及び前記撮像画像の生成に関する関連情報を前記表示器に表示させる処理と、
前記撮像素子による撮像中に、前記関連情報を、前記表示器における第1表示位置及び第2表示位置に表示させる処理と、
撮像中のユーザの特定操作に基づき、前記第2表示位置における前記関連情報の表示又は非表示を切り替える処理と、を実行させ、
前記第1表示位置は、前記撮像画像と重ならない位置であり、
前記第2表示位置は、前記第1表示位置よりも前記表示器の内側にあり、且つ、前記撮像画像と重なる位置であり、
前記第2表示位置における前記関連情報の表示又は非表示を切り替える処理では、前記特定操作に基づき、前記関連情報の表示位置を前記第1表示位置及び前記第2表示位置の一方から他方へ切り替え、
前記第2表示位置に表示させる前記関連情報の種類は、撮像前に予め設定されている、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一つの実施形態は、撮像装置及びプログラムに係り、特に、表示器と観察光学系とを有する観察部を備える撮像装置、及び、撮像装置に用いられるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮像装置では、シャッタスピード、絞り値及び撮像感度等を含む各種の情報をディスプレイに表示させることができる。各種の情報は、撮像中に撮像画像(具体的にはスルー画像等)とともに表示され、ユーザは、撮像中、撮像条件等を撮像画像と共に確認することができる。
【0003】
また、EVF(Electronic View Finder)のような観察部を備える撮像装置では、撮像画像及び各種の情報を観察部の表示器に表示する場合がある。従来は、観察部の表示器において、撮像条件等に関する情報が、撮像画像よりも外側に表示されるか、あるいは、撮像画像の外縁部分と重ねて表示されていた(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2010/029767号
【特許文献2】特開2018-125801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一つの実施形態は、前述した従来技術の問題点を解決し、観察部の表示器において、ユーザが確認すべき情報を見やすい位置に表示させることが可能な撮像装置を提供することを目的とする。
また、本発明の一つの実施形態は、上記の撮像装置に用いられるプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の一つの実施形態に係る撮像装置は、撮像素子と、表示器と観察光学系とを含む観察部と、撮像素子から読み出した撮像信号に基づく撮像画像、及び撮像画像の生成に関する関連情報を表示器に表示させるプロセッサと、を備え、プロセッサは、撮像素子による撮像中に、関連情報を、表示器における第1表示位置及び第2表示位置に表示させ、第2表示位置は、第1表示位置よりも表示器の内側にあり、第2表示位置に表示させる関連情報の種類は、撮像前に予め設定されており、プロセッサは、撮像中のユーザの特定操作に基づき、第2表示位置における関連情報の表示及び非表示を切り替えることを特徴とする。
【0007】
また、第2表示位置は、撮像画像と重なる位置であってもよい。
また、撮像素子の長手方向における表示器の水平視野角が33度以上であってもよい。
また、第2表示位置に表示される関連情報は、ユーザによって選択可能であり、第2表示位置に表示される関連情報が複数選択された場合、プロセッサは、選択された複数の関連情報を一緒に表示器に表示させてもよい。
【0008】
また、第2表示位置に表示される関連情報は、撮像素子の撮像条件に関する情報、及び、撮像信号の補正条件に関する情報のうちの少なくとも一方を含んでもよい。
また、第2表示位置に表示される関連情報は、シャッタスピード、撮像素子の感度、及び、撮像レンズの撮影時の絞り値のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0009】
また、プロセッサは、ユーザの設定に応じて、第2表示位置、及び第2表示位置に表示させる関連情報の表示態様のうちの少なくとも一方を変更してもよい。
また、プロセッサは、撮像画像の各領域の色又は模様に応じて、第2表示位置、及び第2表示位置に表示させる関連情報の表示態様のうちの少なくとも一方を変更してもよい。
【0010】
また、特定操作が行われた場合、又は、撮像中において特定操作が行われていない場合に、プロセッサは、関連情報を第2表示位置に表示させてもよい。
また、撮像中において特定操作が行われた場合に、プロセッサは、特定操作が行われてからの経過時間が設定時間に達した後に、第2表示位置に表示している関連情報を非表示にしてもよい。
【0011】
また、本発明の一つの実施形態に係る撮像装置は、ユーザが押圧するレリーズボタンをさらに備え、レリーズボタンは、ユーザによって2段階の押圧が可能であり、上記の特定操作は、レリーズボタンを1段目の位置まで押圧する操作であってもよい。
【0012】
また、第2表示位置に関連情報を表示させるモードには、撮像中に特定操作が行われた場合に、関連情報を第2表示位置に表示させる第1モードと、撮像中において特定操作が行われていない場合に、関連情報を第2表示位置に表示させる第2モードと、が含まれており、プロセッサは、ユーザの指示入力によって、第1モード及び第2モードのうちの一方を選択してもよい。
【0013】
また、ユーザから観察部までの距離に応じた信号を出力するセンサを備え、プロセッサは、センサから出力された信号に基づき、第2表示位置及び第2表示位置に表示させる関連情報の表示態様のうちの少なくとも一方を変更してもよい。
【0014】
また、表示器は、画像が表示される表示領域を有し、撮像素子の長手方向において、表示領域の中央から表示領域の端までの距離を1とした場合に、第2表示位置は、表示領域の端からの距離が0.15以上、且つ1.0以下となる位置であってもよい。
【0015】
また、第2表示位置は、表示器の視野角が25度以内となる位置であってもよい。
【0016】
また、プロセッサは、特定操作に基づき、関連情報の表示位置を第1表示位置及び第2表示位置の一方から他方へ切り替えてもよい。
【0017】
また、プロセッサは、ユーザによる撮像画像の記録指示に基づき、関連情報のデータを付加させた撮像画像のデータを記録媒体に記録してもよい。
【0018】
また、前述の目的を達成するため、本発明の一つの実施形態に係るプログラムは、撮像素子と、表示器と観察光学系とを含む観察部と、を備えた撮像装置に用いられるプログラムであって、撮像素子から読み出した撮像信号に基づく撮像画像、及び撮像画像の生成に関する関連情報を表示器に表示させ、撮像素子による撮像中に、関連情報を、表示器における第1表示位置及び第2表示位置に表示させ、第2表示位置は、第1表示位置よりも表示器の内側にあり、第2表示位置に表示させる関連情報の種類を、撮像前に予め設定し、撮像中のユーザの特定操作に基づき、第2表示位置における関連情報の表示又は非表示を切り替えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る撮像装置の外観を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る撮像装置の構成を示す図である。
図3A】第1表示位置及び第2表示位置の説明図であり、ノーマル表示モードの場合を示す。
図3B】第1表示位置及び第2表示位置の説明図であり、フルサイズ表示モードの場合を示す。
図4】表示器の視野角を測定する方法についての説明図である。
図5】撮像中における表示器の表示内容の一例を示す図である。
図6】撮像中における表示器の表示内容の遷移に関する一例を示す図である。
図7】第1モードにおいて特定操作が行われる前の表示器の表示内容を示す図である。
図8】第2モードにおいて特定操作が行われた直後の表示器の表示内容を示す図である。
図9】位置設定画面の一例を示す図である。
図10】撮像画像の色等に応じて第2表示位置を変更した画面例を示す図である。
図11】表示態様設定画面の一例を示す図である。
図12】撮像画像の模様に応じて関連情報の表示態様を変更した箇所の拡大図である。
図13】撮像中の表示器での表示に関する処理におけるステップS001~S011を示す図である。
図14】撮像中の表示器での表示に関する処理におけるステップS021~S030を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な一つの実施形態(以下、本実施形態という。)について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下に説明する実施形態から変更又は改良され得る。また、本発明には、その等価物が含まれる。
【0021】
また、本実施形態に係る撮像装置(以下、撮像装置10という。)の各部分の位置、向き及び状態等を説明する際には、特に断る場合を除き、撮像装置10を通常の姿勢で使用することを想定して説明する。「通常の姿勢」とは、撮像装置10の上下方向が鉛直方向に沿い、撮像装置10の横方向(すなわち、後述する撮像素子20の長手方向)が水平方向に沿うときの撮像装置10の姿勢を意味する。なお、撮像素子20が正方形の形状である場合、撮像装置10の横方向及び縦方向のどちらか一方が撮像素子20の長手方向となる。
【0022】
[撮像装置の基本構成]
撮像装置10は、例えばデジタルカメラであり、図1及び2に示すように、撮像レンズ12、絞り16、シャッタ18、撮像素子20、背面ディスプレイ22、操作部24、観察部30、プロセッサ40及び内部メモリ50等を備える。なお、撮像装置10は、レンズ一体式の機種でもよく、レンズ交換式の機種でもよい。
【0023】
撮像レンズ12は、ズームレンズ12a及びフォーカスレンズ12bを含み、それぞれのレンズは、レンズ駆動部46a、46bによって光軸方向に移動可能である。ズームレンズ12aの移動によりズーミングが行われ、フォーカスレンズ12bの移動によりオートフォーカス(AF:Auto Focus)動作が行われる。
【0024】
絞り16は、プロセッサ40によって駆動制御され、撮像素子20に入射される光(撮像光)を調整する。シャッタ18は、絞り16と撮像素子20との間に配置され、プロセッサ40によって開閉制御される。本実施形態では、シャッタ18による機械式シャッタと、撮像素子20による電子式シャッタとが併用され、シャッタの方式がユーザ操作によって切り替え可能である。
【0025】
撮像素子20は、RGB(Red Green Blue)3色のカラーフィルタを有するカラー撮像方式のイメージセンサであり、CCD(Charged Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)等によって構成される。
なお、以下の説明において、撮像は、撮像素子20による撮像を意味する。
【0026】
背面ディスプレイ22は、撮像装置10の背面に設けられ、撮像素子20の撮像画像及び各種の情報を表示する。例えば、撮像中には、撮像画像としてのスルー画像が背面ディスプレイ22に表示される。スルー画像は、撮像中のリアルタイム画像(ライブビュー映像)である。
【0027】
操作部24は、撮像装置10の筐体の外表面に設けられた複数のボタンを含み、撮像装置10のユーザ(撮影者)の操作を受け付ける。ユーザは、撮像に関する各種の項目を設定したり変更したりする際に、操作部24を通じて、対応する操作を行う。また、操作部24の一つとして、背面ディスプレイ22にタッチパネル26が設けられてもよい。
【0028】
操作部24は、図1及び2に示すレリーズボタン24aを含む。レリーズボタン24aは、例えば2段ストローク式の押しボタンによって構成され、ユーザによる2段階の押圧が可能である。レリーズボタン24aを2段階で押圧する操作が、撮像画像の記録指示に該当する。つまり、ユーザは、撮像画像の記録を指示する際に、先ずレリーズボタン24aを1段目の位置(半押し位置)まで押圧する。これにより、自動露出(AE:Automatic Exposure)とオートフォーカス(AF)とがロックされる。その後、レリーズボタン24aがユーザによって2段目の位置(全押し位置)まで押圧されると、撮像画像の記録が実施される。
【0029】
観察部30は、撮像中にユーザが画角及びフォーカス状態等を確認するために覗き見るファインダであり、詳しくは電子ビューファインダ(EVF)である。観察部30は、光学ビューファインダ(OVF:Optical View Finder)のモードとEVFのモードとを切り替え可能なハイブリッド型のファインダでもよい。また、観察部30は、撮像装置10に内蔵されたファインダでもよく、あるいは、撮像装置10の上部に設けられた接続部14(すなわち、ホットシュー)に着脱可能に接続される外付け式のファインダでもよい。
【0030】
観察部30は、図2に示すように表示器31と観察光学系32とを有する。表示器31は、撮像装置10内に配置され、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、有機EL(Organic Electroluminescence)ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ又は電子ペーパー等によって構成される。表示器31は、図3A及び3Bに示す表示領域31aを有し、表示領域31aに画像を表示する。表示領域31aのサイズは、表示モードに応じて切り替わり、通常時のノーマル表示モードでは図3Aのサイズとなり、画像を最大サイズで表示するフルサイズ表示モードでは図3Bのサイズとなる。
【0031】
観察光学系32は、レンズ及びプリズム等からなり、表示器31に表示される画像等を拡大するために表示器31とユーザの目との間に配置される。表示器31とユーザの目との間に配置されるとは、表示器31からユーザの目に向かう光の光路の途中位置に配置されることを意味する。なお、図2では、観察光学系32として一つのレンズが図示されているが、観察光学系32が複数のレンズ等によって構成されてもよい。
【0032】
ユーザは、撮像中、撮像装置10の背面に設けられた接眼窓33から観察部30内を覗き込むことで、表示器31に表示された画像等を、観察光学系32を通じて見ることができる。
【0033】
また、接眼窓33における所定箇所又は接眼窓33の近傍には、図1及び2に示す測距用のセンサ34が設置されている。センサ34は、ユーザから観察部30(厳密には、接眼窓33)までの距離に応じた信号を出力する。センサ34としては、赤外線センサ又はTOF(Time Of Flight)カメラ等が利用可能である。
【0034】
本実施形態の観察部30では、ユーザが表示器31にてスルー画像及び再生画像を見る際に感じる没入感(画角内に入り込んだ印象をもつこと)を高める目的から、幅が広い大画面の表示器31が用いられている。具体的には、撮像素子20の長手方向における表示器31の虚像の視野角、つまり水平方向における水平視野角は、33度以上に設定されている。表示器31の水平視野角は、35度以上であるのが好ましく、38度以上であるのがより好ましく、上限は45度以下であるのが好ましい。
【0035】
表示器31の水平視野角は、ユーザが観察部30を覗き込んで表示器31(厳密には、観察光学系32によって拡大された表示器31の虚像)を見たときの円錐上に広がる視野角(視円錐)である。ここで、水平視野角は、ユーザの視線を基準(0度)とする水平方向の角度である。表示器31の水平視野角は、例えば図4に示す方法で測定することができる。
【0036】
先ず、プロセッサ40は、表示器31にサンプル画像(例えば、白色画像)を表示させ、接眼窓33の手前位置に測定用カメラ80を配置する。測定用カメラ80は、撮像レンズ及び撮像素子82を有するデジタルカメラであり、撮像素子82の撮像サイズと撮像レンズの焦点距離の設定は、表示器31の虚像全体が十分撮影できる設定になっている。観察部30のアイポイントとして設定される位置に、測定用カメラ80の撮像レンズの入射瞳が配置されるように、測定用カメラ80を位置決めする。その後、表示器31に表示されたサンプル画像を測定用カメラ80の撮像素子82によって撮像し、その撮像画角においてサンプル画像が写る範囲を求める。具体的には、撮像素子82において表示器31の横幅方向の両端から発せられた光が入射される画素の位置を特定し、特定した画素位置から、サンプル画像が写る範囲(図4中、記号θで表される範囲)を求める。そして、求めたサンプル画像の範囲から、表示器31の水平視野角が導出される。
以上の方法は、表示器31の視野角を測定する方法の一例であり、上記の測定法を応用させた測定法、あるいは上記の測定法と同じ原理若しくは異なる原理に基づく他の測定法を用いて表示器31の視野角を測定してもよい。また、視野角は、公知の視野角測定装置を用いて測定されてもよい。
【0037】
プロセッサ40は、撮像装置10の各部を制御し、撮像、撮像画像の記録、及び撮像画像等の表示を含む各種の処理を実行する。プロセッサ40は、1つ又は複数のハードウェア機器、例えば、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又はその他のIC(Integrated Circuit)によって構成されてもよい。あるいは、これらを組み合わせてプロセッサ40が構成されてもよい。また、プロセッサ40は、SoC(System on Chip)等に代表されるように、プロセッサ40全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで構成してもよい。なお、上述したプロセッサ40のハードウェア構成は、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(Circuitry)によって実現してもよい。
【0038】
内部メモリ50は、記録媒体の一例であり、内部メモリ50には、プロセッサにより実行されるプログラム及び各種のデータが格納されている。内部メモリ50に格納されたプログラムがプロセッサ40によって実行されることで、プロセッサ40は、図2に示すように制御処理部42及び画像生成部44として機能する。
なお、プログラムは、必ずしも内部メモリ50に格納される場合に限られず、記録媒体の一例であるメモリカード52に格納されてもよい。メモリカード52は、撮像装置10に設けられた不図示のカードスロットルに挿し込まれて利用される。また、観察部30が外付け型のファインダである場合、表示器31での画像等の表示を含む観察部30の制御に関するプログラムは、ファインダ側に設けられたメモリ(不図示)に記録されてもよい。
【0039】
制御処理部42は、操作部24を通じて行われたユーザの操作に応じて、あるいは所定の制御プログラムに従って撮像装置10の各部を制御する。例えば、制御処理部42は、ユーザによって選択された撮像モードに従って絞り16、シャッタ18及び撮像素子20を制御する。
【0040】
また、制御処理部42は、撮像中、背面ディスプレイ22を制御して撮像画像(詳しくは、スルー画像)を背面ディスプレイ22に表示させる。また、撮像中、制御処理部42は、上述のセンサ34から出力された信号に基づき、ユーザから観察部30までの距離が所定距離(詳しくは後述の第1距離)未満であるか、つまり、ユーザの目が接眼窓33に接近しているかを判定する。上記の距離が所定距離未満である場合、制御処理部42は、撮像画像を観察部30の表示器31に自動的に表示させる。ただし、これに限定されず、操作部24に含まれる表示スイッチをユーザが操作したタイミングで、制御処理部42が撮像画像を表示器31に表示させてもよい。
【0041】
画像生成部44は、撮像中、撮像素子20から読み出した撮像信号に基づいて撮像画像を生成する。詳しくは、画像生成部44は、撮像信号をA/D(Analog/Digital)変換し、変換後のデジタル信号に対してガンマ補正及びホワイトバランス補正等の画像補正処理を実行して画像信号を生成する。画像信号は、所定の規格で圧縮されることで圧縮デジタル画像データ(以下、単に画像データという。)となる。
【0042】
また、画像生成部44は、ユーザが指定した色再現パターンで色が再現された画像の画像データを生成することができる。色再現パターンには、見た目に近い色再現パターン、彩度の高い色再現パターン、及び、モノクロ色調の色再現パターン等が含まれる。また、例えば、電子手振れ補正の機能がオンになっている場合、画像生成部44は、フルサイズの撮像画像からフルサイズよりも若干画角が小さい画像を抽出し、撮像装置10の振れ量(変位量)に応じて抽出範囲を変更する。
【0043】
撮像中、画像生成部44によって生成された画像データが示す画像、すなわち撮像画像は、制御処理部42の制御の下、背面ディスプレイ22及び観察部30の表示器31にスルー画像として表示される。
【0044】
また、撮像中、レリーズボタン24aが2段目の位置まで押圧されると、その時点での撮像条件及び補正条件の下で撮像画像が記録される。撮像条件は、撮像に関する制御条件であり、例えば絞り値、シャッタスピード及びISO感度等の露出条件、並びにダイナミックレンジ等を含む。補正条件は、撮像素子20から読み出される撮像信号に対するゲイン、階調又は色調の補正についての条件であり、例えば露出条件、ホワイトバランス及び色再現パターン等を含む。
【0045】
記録対象である撮像画像のデータ(画像データ)は、撮像装置10の内部メモリ50又はメモリカード52等の記録媒体に記録される。この際、プロセッサ40は、記録対象である撮像画像のデータに関連情報のデータを付加し、関連情報のデータが付加された画像データを記録媒体に記録する。関連情報は、撮像条件及び補正条件を含む撮像画像の生成に関する情報であり、詳細については後述する。
【0046】
なお、以降では、特に断る場合を除き、制御処理部42及び画像生成部44のそれぞれの動作及び処理を、プロセッサ40の動作及び処理として説明することとする。
【0047】
[表示器における撮像中の表示内容について]
次に、プロセッサ40が撮像中に観察部30の表示器31に表示させる表示内容について説明する。なお、以下では、表示モードがフルサイズ表示モードである場合を想定して説明するが、以下の内容は、表示モードがノーマル表示モードである場合にも同様に適用される。
プロセッサ40は、撮像中、撮像画像を観察部30の表示器31に表示するとともに、図5に示すように各種の関連情報を表示する。関連情報は、撮像中に適用される撮像素子20の撮像条件に関する情報、及び、撮像信号の補正条件に関する情報のうちの少なくとも一方を含み、本実施形態では両方を含む。
【0048】
撮像条件に関する情報には、撮像用の設定モード、撮像方式、撮像中の露出条件に関する情報、及び、AF及びAE等を含む各オート設定機能のロック状況等が含まれる。撮像用の設定モードには、例えば、フラッシュに関するモード、撮像モード(撮影モード)、連写モード、動画モード、測光モード及びフォーカスモード等が含まれる。撮像方式には、例えばシャッタ方式等が含まれる。露出条件に関する情報には、例えば、絞り値、シャッタスピード、及びISO感度の各々の設定値、露出量の設定値、並びに、撮像画角内の明るさの分布を示すヒストグラム等が含まれる。オート設定機能のロックには、例えば、AEのロック、ARのロック、及びTTL(Through The Lens)自動調光のロック等が含まれる。
【0049】
補正条件に関する情報には、例えば、調光補正の設定値、露出補正の設定値、画像サイズ、画質モード、手振れ補正機能等のオンオフ、ホワイトバランス、ダイナミックレンジ、色再現パターン、及びAWB(Auto White Balance)のロック等が含まれる。
【0050】
なお、上記の情報は、関連情報の一例であり、上記の情報以外の関連情報が加わってもよいし、上記の関連情報の一部が含まれていなくてもよい。
また、関連情報は、図5に示すように、数値、アイコン等のマーク、グラフ、及び、可変範囲を表すスケールにおいて現在値を示すインジケータ等によって表示される。
【0051】
プロセッサ40は、撮像中、関連情報以外の情報をさらに表示器31に表示することができる。関連情報以外に表示される情報には、例えば、日付及び時刻、セルフタイマーのオンオフ、バッテリ残量、撮影可能枚数、並びに、図5に示す電子水準器d1及びAFフレームd2を含む撮像支援用マーク等が含まれる。
【0052】
プロセッサ40は、図5に示すように、撮像中、上記の関連情報を表示器31における第1表示位置及び第2表示位置に表示することができる。第1表示位置は、表示器31において表示領域31aよりも外側にある位置である。例えば、ノーマル表示モードの場合には、表示器31において表示領域31aを取り囲む四角枠状の外縁領域31bにある位置が第1表示位置に該当する(図3A参照)。また、フルサイズ表示モードの場合には、表示器31の上下端部に配置された帯状の外縁領域31bにある位置、及び、表示領域31aの端付近にある位置が第1表示位置に該当する(図3B参照)。
【0053】
第2表示位置は、表示器31において第1表示位置より内側にあり、本実施形態では撮像画像(厳密には、スルー画像)と重なる位置である。つまり、撮像中、第2表示位置に表示させる関連情報は、表示領域31a内で撮像画像に重ねて表示される(図5参照)。ここで、「関連情報を撮像画像と重ねて表示する」とは、表示領域31a内において撮像画像の一部分を関連情報に置き換えることで撮像画像と重なって見えるように関連情報を表示することである。
【0054】
本実施形態では、表示領域31a内の内側領域31c(図3A及び3Bにハッチング付きで表された領域)に第2表示位置が設定される。内側領域31cは、撮像装置10の横方向(水平方向)において、表示領域31aの中央から端までの距離を1とした場合に、表示領域31aの端からの距離が0.15以上且つ1.0以下となる領域である。すなわち、第2表示位置は、撮像装置10の横方向において、表示領域31aからの距離が上記範囲内となる位置である。第2表示位置は、表示領域31aの中央及び中央付近を避けた位置であるのが好ましく、換言すると、表示領域31aの中央からの距離が0.15~0.95となる範囲を内側領域31cとするのがよい。
また、人間の視野は円錐形状をしているため、表示器31の視野角が25度以内となる位置に第2表示位置が設定されていると、目の視線の移動量が少ない範囲に種々の関連情報を表示することが可能である。
【0055】
第2表示位置は、第1表示位置より内側にあるので、観察部30を覗き込んだユーザにとって、第1表示位置より見やすい位置である。また、本実施形態では、第2表示位置に表示される関連情報をより確認し易くする目的から、第2表示位置が前述の内側領域31cに設定されている。
【0056】
撮像中に第2表示位置に表示させる関連情報の種類は、撮像前に予め設定されている。撮像前に予め設定される種類の関連情報(以下、「事前設定の関連情報」という)は、例えば、ユーザが撮像中に確認すべき情報のうち、特に重視する情報が該当する。
【0057】
本実施形態では、事前設定の関連情報に、撮像前にユーザによって選択される関連情報が含まれる。つまり、第2表示位置に表示される関連情報は、ユーザによって選択可能である。具体的に説明すると、ユーザが撮像装置10の電源をオンにした時点、あるいは撮像装置10の初回起動時に、不図示の情報選択画面が背面ディスプレイ22に表示される。情報選択画面には、表示可能な複数種類の関連情報が表示候補として提示される。ユーザは、その中から一種類又は複数種類の関連情報を選択して操作部24を操作し、例えば、第2表示位置での表示を希望する関連情報をタッチパネル26上でタッチする。
【0058】
プロセッサ40は、撮像中、事前設定の関連情報(分かり易くは、撮像前にユーザによって選択される関連情報)を第2表示位置に表示させる。より詳しく説明すると、プロセッサ40は、撮像中(つまり、撮像画像としてのスルー画像が表示器31に表示されている間)にユーザが特定操作を行うと、第2表示位置における関連情報の表示及び非表示を切り替える。
【0059】
また、第2表示位置に表示させる関連情報が複数選択された場合、プロセッサ40は、図5に示すように、選択された複数の関連情報を一緒に表示器31に表示させる。これにより、ユーザは、選択された複数の関連情報をまとめて確認することができ、ユーザにとっての利便性が向上する。
【0060】
なお、事前設定の関連情報は、ユーザの選択に基づいて設定される場合に限定されず、例えば、プロセッサ40が所定の選定基準に従って自動的に設定してもよい。また、所定の種類の関連情報(例えば、撮像装置10のメーカによって指定された関連情報)が、第2表示位置に表示させるデフォルトの関連情報として設定されてもよい。この場合に、ユーザが、不図示の変更画面を通じて、第2表示位置に表示させる関連情報を適宜変更できるようにしてもよい。
【0061】
事前設定の関連情報には、撮像条件に関する情報、及び、補正条件に関する情報のうちの少なくとも一方が含まれているのがよく、好ましくは両方の情報が含まれているのがよい。特に、撮像条件に関する情報のうち、露出条件に関する情報(具体的には、絞り値、シャッタスピード及びISO感度等)が、事前設定の関連情報に含まれているのが好ましい。これは、撮像条件のうち、露出条件に関する情報が、撮像画像の質に対して特に影響を及ぼし得るため、ユーザが最も重視する情報の一つに該当するからである。
【0062】
図5に示す例では、撮像条件に関する関連情報として、下記の情報i1~i10が、補正条件に関する関連情報として、下記のi11~i15が第2表示位置に表示されることになっている。ただし、図5に示すケースは、あくまでも一例であり、当然ながら下記i1~i15の情報以外の情報を第2表示位置に表示させてもよい。
i1:フラッシュに関するモードを表すアイコン
i2:連写モードを表すアイコン、i3:シャッタ方式を表すアイコン
i4:撮像画角内の明るさの分布を示すヒストグラム
i5:ISO感度の設定値、i6:絞り値の設定値
i7:シャッタスピードの設定値、i8:測光モードを表すアイコン
i9:撮像モードを表すアイコン
i10:露出量の設定値を示すインジケータ
i11:手振れ補正機能のオン/オフを表すアイコン
i12:ホワイトバランスを表すアイコン
i13:色再現パターンを表すアイコン
i14:ダイナミックレンジを表すアイコン、i15:露出補正の設定値
【0063】
また、撮像中、プロセッサ40は、第2表示位置に表示させる関連情報(すなわち、事前設定の関連情報)と同じ関連情報を、第1表示位置にも表示させてもよい。つまり、事前設定の関連情報は、撮像中、表示器31において第1表示位置及び第2表示位置の両方に表示させてもよい。
【0064】
反対に、事前設定の関連情報を第2表示位置に表示させる間、それと同じ関連情報は、図6に示すように第1表示位置に表示させなくてもよい。また、第2表示位置に表示している事前設定の関連情報を第2表示位置から消して非表示とした場合に、その関連情報を第1表示位置に表示させてもよい。すなわち、プロセッサ40は、撮像中、ユーザの特定操作に基づき、事前設定の関連情報の表示位置を第1表示位置から第2表示位置へ、あるいは第2表示位置から第1表示位置へ切り替えてもよい。
【0065】
また、本実施形態では、撮像中において事前設定の関連情報を第2表示位置に表示させるモードとして、第1モード及び第2モードを含む複数のモードが用意されている。ユーザは、操作部24を通じて何れかのモードを指示する。プロセッサ40は、ユーザの指示入力によって、上記二つのモードのうちの一方を選択する。
【0066】
第1モードは、撮像中にユーザによる特定操作が行われた場合に、それを契機として、事前設定の関連情報を第2表示位置に表示させるモードである。つまり、第1モードが選択された場合、プロセッサ40は、撮像中、ユーザが特定操作を行う前には、図7に示すように関連情報を第1表示位置にのみ表示させる。そして、撮像中に特定操作が行われた場合、プロセッサ40は、図5に示すように事前設定の関連情報を第2表示位置に表示させる。このとき、第2表示位置に表示させた事前設定の関連情報は、図6に示すように第1表示位置から消えてもよい。すなわち、プロセッサ40は、ユーザによる特定操作に基づいて、事前設定の関連情報の表示位置を第1表示位置から第2表示位置へ切り替えてもよい。
【0067】
第1モードでは、特定操作が行われてからの経過時間が設定時間(例えば、1~数秒程度)に達した後に、プロセッサ40が、第2表示位置に表示している関連情報を非表示にする。つまり、第1モードでは、特定操作が行われてから一定時間が経過すると、第2表示位置に表示させた関連情報が第2表示位置から消え、図7に図示の状態に戻る。これにより、ユーザは、第2表示位置に表示された関連情報を確認し、その数秒後には、関連情報が消えた状態の撮像画像(スルー画像)を見ることができる。この結果、表示器31に表示される被写体に対する良好な撮影チャンスを捉えやすくなる。
なお、電子水準器d1及びAFフレームd2を含む前述の撮像支援用マークについては、第2表示位置から関連情報が消えた後にも表示領域31a内で撮像画像と重ねて表示させるのが好ましい。
【0068】
第2モードは、撮像中においてユーザによる特定操作が行われていない場合に、事前設定の関連情報を第2表示位置に表示させるモードである。つまり、第2モードが選択された場合、プロセッサ40は、撮像中、特定操作が行われていない期間において、事前設定の関連情報を第2表示位置に表示させる。この場合、事前設定の関連情報の種類が複数あれば、プロセッサ40は、当該複数種類の関連情報を第2表示位置に表示させる。また、特定操作が行われていない間、事前設定の関連情報は、図6に示すように、第2表示位置にのみ表示され、第1表示位置には表示されていなくてもよい。
【0069】
また、第2モードでは、撮像中にユーザが特定操作を行うと、プロセッサ40が、事前設定の関連情報である複数種類の関連情報のうち、特定種類の関連情報を第2表示位置に表示させる。つまり、第2モードの下で撮像中に特定操作が行われると、図8に示すように、特定種類の関連情報だけが第2表示位置に残り、それ以外の関連情報は第2表示位置から消える(非表示になる)。このとき、第2表示位置から消えた関連情報は、第1表示位置に表示されてもよい。つまり、プロセッサ40は、ユーザによる特定操作に基づいて、事前設定の関連情報の表示位置を第2表示位置から第1表示位置へ切り替えてもよい。
【0070】
第2表示位置に残る特定種類の関連情報は、特に限定されないが、撮像条件に関する情報及び補正条件に関する情報を含むのが好ましく、露出条件に関する情報を含むのが、より好適である。これは、前述したように、露出条件が撮像中においてユーザが最も重視する事項に該当するからである。
【0071】
特定種類の関連情報は、ユーザによって指定されてもよく、又は撮像装置10側で自動選択されてもよい。なお、図8に示すケースでは、ISO感度の設定値i5、絞り値の設定値i6、シャッタスピードの設定値i7、露出量の設定値を示すインジケータi10、及びダイナミックレンジのアイコンi15が特定種類の関連情報に該当する。ただし、図8に示すケースは、あくまでも一例であり、当然ながら上記以外の情報を特定種類の関連情報(すなわち、特定操作後に第2表示位置に残る関連情報)としてもよい。
【0072】
また、第2モードでは、第1モードと同様、特定操作が行われてからの経過時間が設定時間(例えば、1秒~数秒程度)に達した後に、プロセッサ40が第2表示位置に表示している関連情報を非表示にする。つまり、第2モードでは、撮像中においてユーザが特定操作を行ってから一定時間が経過すると、特定種類の関連情報を含め、第2表示位置に表示させた関連情報が第2表示位置から消え、図7に示す状態と同じ状態になる。これにより、ユーザは、第2表示位置に表示された関連情報を確認してから特定操作を行えば、関連情報が消えた状態の撮像画像(スルー画像)を見ることができる。この結果、表示器31に表示される被写体に対する良好な撮影チャンスを捉えやすくなる。
なお、電子水準器d1及びAFフレームd2を含む前述の撮像支援用マークについては、第2表示位置から関連情報が消えた後にも表示領域31a内で撮像画像と重ねて表示させるのが好ましい。
【0073】
本実施形態では、レリーズボタン24aを1段目の位置(半押し位置)まで押圧する操作が上記の特定操作に該当する。つまり、本実施形態では、撮像画像の記録指示に連動させて、第2表示位置における関連情報の表示又は非表示を切り替えることができる。ただし、特定操作は、レリーズボタン24a以外の操作部24(例えば、タッチパネル26)を通じて行われる操作でもよい。あるいは、特定操作は、操作部24を介さないユーザの操作、例えば、ユーザの目を接眼窓33から所定距離以内に接近させる操作、若しくはユーザの目を接眼窓33から所定距離以上離す操作でもよい。
【0074】
本実施形態では、上述したように、第2表示位置に関連情報を表示させるモードとして第1モード及び第2モードが用意されているため、ユーザは、その中から、自分が利用し易いモードを選択することができる。これにより、ユーザにとっての利便性が向上する。ただし、第2表示位置に関連情報を表示させるモードは、単一のモードでもよく、例えば第1モード又は第2モードのいずれか一方のみであってもよい(つまり、モード選択ができなくてもよい)。
【0075】
第2表示位置について更に説明すると、事前設定の関連情報が複数種類の関連情報である場合、プロセッサ40は、表示器31の内側領域31cに設定された複数の第2表示位置にて、当該複数種類の関連情報を一緒に表示させる。複数の第2表示位置は、表示させる関連情報の数(種類数)と同じ数だけ存在する。
【0076】
複数の第2表示位置は、複数種類の関連情報が図5に示すように円状に並ぶように、あるいは円弧状に並ぶように設定されるとよい。これにより、表示領域31a内に表示された複数種類の関連情報をまとめて確認することができ、関連情報の確認がより容易になる。ただし、これに限定されず、複数種類の関連情報が直線状、多角形状又は不規則に並ぶように複数の第2表示位置が決められてもよい。
【0077】
また、例えばユーザが操作部24にて所定の変更操作を行うことで、プロセッサ40がユーザの設定に応じて第2表示位置を変更してもよい。例えば、図9に示す位置設定画面P1を背面ディスプレイ22に表示させ、ユーザは、画面中に現れる可変フレームPfをタッチアンドドラッグ操作にて希望の位置に移動させる。そして、プロセッサ40は、第2表示位置を、ユーザにより設定された可変フレームPfの位置に変更する。
【0078】
以上のようにプロセッサ40がユーザの設定に応じて第2表示位置を変更することで、第2表示位置を、ユーザにとって関連情報がより見やすくなる位置に変えることができる。この効果により、本実施形態の観察部30は、様々な年齢のユーザに適応することができる。
【0079】
具体的に説明すると、ユーザの視野は年齢に応じて変化し、高齢であるほど視野が狭くなる傾向にある。そのため、高齢ユーザに対しては、表示領域31aの中央に近い位置に第2表示位置を設定し、その位置に関連情報を表示させることが適している。一方で、表示領域31aの中央付近に第2表示位置を設定すると、その位置に表示される関連情報により、撮像画像(スルー画像)が見え難くなる。そのため、視野が広い若いユーザに対しては、表示器31の中央から若干離れた位置に第2表示位置を設定し、その位置に関連情報を表示させることが適している。
【0080】
なお、第2表示位置を変更する際、表示領域31aの中央(すなわち、撮像画像の中央部分)を避けた位置を第2表示位置とするのが好ましい。また、第2表示位置は、表示領域31aの中央からの距離(近さ)に応じて段階的に変更できるようにしてもよい。例えば、ユーザは、表示領域31aの中央に近い範囲、表示領域31aの中央からやや離れた範囲、及び、これらの中間の範囲で、それぞれ第2表示位置を決めることができてもよい。
【0081】
ユーザが第2表示位置を決める方法は、上記の方法に限定されず、例えば、表示器31における第2表示位置を規定した表示位置パターンが複数用意されており、内部メモリ50等に記憶されてもよい。この場合、ユーザは、撮像前に複数の表示位置パターンの中から一つを指定し、プロセッサ40は、ユーザにより指定されたパターンに従って第2表示位置を決める。
【0082】
また、プロセッサ40がユーザを識別し、上述した複数の表示位置パターンの中から、識別されたユーザと対応する一つのパターンをプロセッサ40が選択してもよい。ユーザと表示位置パターンとの対応関係は、テーブルデータとして内部メモリ50等に記憶しておくのがよい。また、ユーザを識別する手段としては公知のユーザ認証手段が利用可能であり、例えば、公知の指紋認証手段、虹彩認証手段、顔認証手段、及び声紋認証手段等が挙げられる。あるいは、ユーザ認証用の入力操作をユーザが自ら行い、その入力操作に基づいてプロセッサ40がユーザを識別してもよい。
さらに、ユーザが第2表示位置を変更した場合、変更された第2表示位置をユーザと対応付けて内部メモリ50等に記憶しておくのが好ましい。そして、次回以降の撮像では、プロセッサ40が、識別されたユーザと対応する第2表示位置を内部メモリ50等から読み出し、読み出した第2表示位置に事前設定の関連情報を表示させるとよい。これにより、第2表示位置の設定を撮像毎に設定する必要がなくなり、その分、ユーザの手間を軽減させることができる。
【0083】
なお、第2表示位置が撮像装置10側で設定される一方で、設定された第2表示位置をユーザが任意に変更できない仕様であってもよい。
【0084】
また、第2表示位置については、撮像中、撮像画像の各領域の色又は模様に応じて適宜変更してもよい。言い換えると、プロセッサ40は、撮像画像の各領域の色又は模様に応じて第2表示位置を変更してもよい。撮像画像の各領域は、所定のルールに則って撮像画像を区画した場合のそれぞれの画像領域である。各領域の色は、当該各領域の色相、彩度及び明度(輝度)である。各領域の模様は、当該各領域における色及び形状パターンを幾何学的に(具体的には、規則的又は不規則な形状をなすように)表したものであり、例えばテクスチャ、柄、絵柄、及び配色パターン等を含む。
【0085】
撮像画像の各領域の色又は模様(以下、色等)に応じて第2表示位置を変更するにあたり、互いに見え難くなる関連情報の表示色と画像の色等との対応関係(以下、見え難くなる色等の対応関係)は、機械学習によって特定される。
【0086】
機械学習は、例えば、撮像装置10の出荷前に撮像装置10のメーカ側で実施されてもよい。機械学習では、色等が異なる複数のサンプル画像の各々に重ねて各色の文字情報を表示させたときの、各色の文字情報の見え難さに関するデータを教師データとして用いるとよい。また、撮像装置10の出荷後に、撮像装置10は機械学習を実施してもよい。この場合は、実際の撮像画像の上に関連情報を重ねて表示させたときの当該関連情報の見え難さに関するデータを教師データとして用いるとよい。機械学習の手法及びアルゴリズム等については、特に限定されず、公知のものを利用することができる。
【0087】
機械学習の成果、すなわち、見え難くなる色等の対応関係は、撮像装置10の内部メモリ50等に記憶される。プロセッサ40は、撮像中、第2表示位置に関連情報を表示させるにあたり、見え難くなる色等の対応関係を参照し、撮像画像のうち、第2表示位置を含む領域の色等が関連情報を見え難くする色等であるか否かを判断する。例えば、上記領域の色と関連情報の表示色とのコントラスト(差分)が基準値を下回る場合、上記領域の色は、関連情報を見え難くする色等に該当する。また、上記領域の模様の形状が関連情報と干渉する場合、例えば、模様の境界線等が関連情報の一部と誤認されるように見えてしまう場合、上記領域の模様は、関連情報を見え難くする色等に該当する(図12中の左図参照)。
【0088】
そして、撮像画像において第2表示位置を含む領域の色等が関連情報を見え難くする色等である場合、プロセッサ40は、当該領域から離れた位置に第2表示位置を変更する。具体的に説明すると、図10に示すように、プロセッサ40は、関連情報の表示色が見えやすくなる色等を有する領域を特定し、特定した領域に第2表示位置を設定する。図10に示すケースでは、白色で表示される関連情報を、撮影画像中の白色領域(具体的には、白雲が映る領域)から離れた表示位置に表示している。
【0089】
以上により、見え難くなる色等の対応関係に基づいて、第2表示位置を適切な位置に決めることができる。この結果、撮像中(すなわち、撮像画像の表示中)に第2表示位置に表示させる関連情報が、ユーザにとってより見え易くなる。
【0090】
また、第2表示位置は、撮像中、ユーザから観察部30までの距離に応じて適宜変更してもよい。言い換えると、プロセッサ40は、撮像中に測距用のセンサ34から出力される信号に基づいて、第2表示位置を変更してもよい。
【0091】
具体的に説明すると、ユーザが観察部30を覗き込む際のユーザから観察部30までの距離、より詳しくはユーザの目から接眼窓33までの距離は、例えばユーザの眼鏡着用の有無に応じて変化する。眼鏡を着用しないユーザの場合、そのユーザの目を観察部30のアイポイントに合わせることで、観察部30を覗き込んだ際の視野角(視界)が最も広くなる。反対に、眼鏡を着用するユーザの場合、そのユーザの目が観察部30のアイポイントに合わせることができないので、観察部30を覗き込んだ際の視野角が、眼鏡を着用しないユーザに比べて狭くなる。
【0092】
以上の点を踏まえて、第2表示位置を決定するパターンとして、ユーザが眼鏡を着用する場合のパターンと、ユーザが眼鏡を着用しない場合のパターンとを用意する。この場合、ユーザが眼鏡を着用する場合の第2表示位置は、ユーザが眼鏡を着用する場合の第2表示位置より表示器31の内側にあるとよい。
【0093】
そして、プロセッサ40は、センサ34からの出力信号に基づき、ユーザから観察部30までの距離を算出し、その距離からユーザの眼鏡着用の有無を判定する。その後、プロセッサ40は、眼鏡着用の有無についての判定結果に応じて上記2つのパターンの一方を選択し、選択したパターンに従って第2表示位置を設定する。以上により、ユーザの眼鏡着用の有無に応じて第2表示位置を適切な位置に決めることができる。この結果、眼鏡を着用するユーザ、及び着用しないユーザの各々にとって、撮像中に第2表示位置に表示させる関連情報がより見やすくなる。
【0094】
なお、眼鏡を着用する場合及び眼鏡を着用しない場合のそれぞれの第2表示位置については、ユーザが任意に設定及び変更(すなわち、カスタマイズ)できるようにするのが好ましい。
【0095】
また、ユーザの眼鏡着用の有無を判定する方法としては、センサ34からの出力信号に基づいて判定する方法、すなわち、ユーザから観察部30までの距離に基づいて判定する方法に限定されず、他の方法を利用してもよい。例えば、撮像前又は撮像中にユーザの顔画像を取得し、顔画像を解析することでユーザの眼鏡着用の有無を判定してもよい。あるいは、眼鏡着用の有無を選択する入力操作をユーザが自ら行い、その入力操作に基づいてプロセッサ40が眼鏡着用の有無を判定してもよい。
【0096】
以上までに説明したように、第2表示位置については、撮像中の状況に応じて適宜変更できるようにするとよい。また、第2表示位置に表示させる関連情報の表示態様(以下、単に「関連情報の表示態様」という。)は、第2表示位置の変更に代えて、あるいは第2表示位置とともに適宜変更できるようにしてもよい。関連情報の表示態様は、例えば、関連情報の表示色、書体等の表示形式及び表示サイズ等が該当する。
【0097】
関連情報の表示態様については、ユーザが操作部24を操作することで変更できてもよい。言い換えれば、プロセッサ40が、ユーザの設定に応じて関連情報の表示態様を変更してもよい。例えば、撮像前に、図11に示す表示態様設定画面P2を背面ディスプレイ22に表示させ、ユーザは、表示態様設定画面P2に表示される表示色及び表示サイズの各々の候補の中から、好みのものを選択し画面上でタッチする。そして、プロセッサ40は、ユーザにより選択された表示色及び表示サイズを関連情報の表示態様として設定する。
【0098】
以上のようにプロセッサ40がユーザの設定に応じて関連情報の表示態様を変更することで、ユーザにとっての利便性が向上する。例えば、高齢ユーザの場合には、関連情報の表示サイズを大きくすることにより、第2表示位置に表示させる関連情報をより一層見やすくすることができる。他方、若いユーザの場合には、比較的小さいサイズの情報でも認識することができるので、関連情報の表示サイズを小さくすることで、撮像画像と関連情報の両方を効率よく確認することができる。
【0099】
ユーザの設定に応じて変更された関連情報の表示態様は、内部メモリ50等に記憶しておくのが好ましい。そして、次回以降の撮像では、プロセッサ40が内部メモリ50等から読み出し、読み出した表示態様にて関連情報を第2表示位置に表示させるとよい。これにより、関連情報の表示態様を撮像毎に設定する必要がなくなり、その分、ユーザの手間を軽減させることができる。
【0100】
なお、関連情報の表示態様が撮像装置10側で設定される一方で、設定された表示態様をユーザが任意に変更できない仕様であってもよい。
【0101】
また、関連情報の表示態様は、撮像中、撮像画像の各領域の色等(色又は模様)に応じて適宜変更されてもよい。言い換えると、プロセッサ40は、撮像画像の各領域の色等に応じて関連情報の表示態様を変更してもよい。具体的にはプロセッサ40は、前述した機械学習を実施して、見え難くなる色等の対応関係を予め特定する。そして、プロセッサ40は、撮像中、撮像画像のうち、第2表示位置を含んだ領域の色等と、見え難くなる色等の対応関係とに基づき、当該領域の色等との関係で識別し易くなる表示態様を特定する。例えば、図12に示すように、模様の配色及びパターン等によって関連情報が見え難くなる場合、関連情報が見やすくなるように関連情報の表示色を変更するとよい。なお、図12の左図は、関連情報の表示色を変更する前の図であり、図12の右図は、関連情報の表示色を変更した後の図である。
【0102】
以上のように関連情報を適切な表示態様、つまり、周辺の色等との関係で識別し易くなる表示態様で第2表示位置に表示させるのが好ましい。これにより、第2表示位置に表示させる関連情報がユーザにとって一層見やすくなる。
【0103】
また、関連情報の表示態様は、撮像中、ユーザから観察部30までの距離に応じて適宜変更してもよい。言い換えると、プロセッサ40は、撮像中に測距用のセンサ34から出力された信号に基づき、関連情報の表示態様を変更してもよい。具体的には、関連情報の表示態様(具体的には、表示色及び表示サイズ等)を決定するパターンとして、ユーザが眼鏡を着用する場合のパターンと、ユーザが眼鏡を着用しない場合のパターンとを用意しておく。この場合、ユーザが眼鏡を着用する場合の表示サイズは、視野角(視界)が狭くなることを踏まえて、ユーザが眼鏡を着用しない場合の表示サイズよりも小さくするとよい。
【0104】
そして、プロセッサ40は、撮像中、センサ34からの出力信号に基づいて、ユーザの眼鏡着用の有無を判定し、その判定結果に応じて上記2つのパターンの一方を選択し、選択したパターンに従って関連情報の表示態様を決定する。以上により、ユーザの眼鏡着用の有無に応じて関連情報の表示態様を適切に切り替えることができる。この結果、眼鏡を着用するユーザ、及び、着用しないユーザの各々にとって、撮像中に第2表示位置に表示させる関連情報が一層見やすくなる。
【0105】
なお、眼鏡を着用する場合及び眼鏡を着用しない場合のそれぞれの関連情報の表示態様については、ユーザが任意に設定及び変更(すなわち、カスタマイズ)できるようにするのがよい。
【0106】
[本実施形態に係る撮像装置の動作例]
撮像装置10の動作例として、観察部30の表示器31に撮像画像及び関連情報を表示する処理(以下、表示処理)の流れについて説明する。
【0107】
表示処理は、図13及び14に示す流れに従って進行する。表示処理では、先ず、ユーザが第1モード及び第2モードのうちのいずれかを選択する(S001)。また、ユーザは、撮像前に、第2表示位置に表示させる関連情報の種類、つまり事前設定の関連情報を設定する(S002)。事前設定の関連情報は、デフォルト設定されてもよく、その場合にはS002のステップを省略してもよい。
【0108】
その後に撮像が開始され、ユーザが観察部30内を覗き込み、ユーザから観察部30までの距離が所定距離以下になると、プロセッサ40が撮像画像としてスルー画像を表示器31の表示領域31aに表示させる(S003)。このとき、表示領域31a内には、電子水準器d1及びAFフレームd2等の撮像支援用マークが撮像画像とともに表示される。
【0109】
また、撮像に際して、プロセッサ40は、ユーザの虹彩等を検出してユーザ認証を行ってもよく、また、ユーザから観察部30までの距離に基づいてユーザが眼鏡を装着しているか否かを判定してもよい(S004)。
【0110】
S001にてユーザが第1モードを選択した場合、ユーザが特定操作としてレリーズボタン24aを第1段階の位置(半押し位置)まで押圧する操作を行うまで、プロセッサ40は、関連情報を第1表示位置に表示する(S005、006)。
【0111】
そして、上記の特定操作が行われた場合、プロセッサ40は、S002で設定された事前設定の関連情報を、表示器31の表示領域31a内にある第2表示位置に表示させる(S007、S008)。このとき、第2表示位置は、予め設定されたデフォルトの位置でもよいし、S004にて認証されたユーザと対応して決められた位置でもよい。また、プロセッサ40は、事前設定の関連情報の表示態様(具体的には、表示色及び表示サイズ)を、ユーザの設定に応じて変更してもよい。
【0112】
また、プロセッサ40は、ユーザの眼鏡の装着の有無に応じて第2表示位置、及び第2表示位置に表示させる関連情報の表示態様を変更してもよい。また、プロセッサ40は、撮像画像中の各領域の色等と、第2表示位置に表示させる関連情報の表示色との関係に基づいて、第2表示位置、及び第2表示位置に表示させる関連情報の表示態様を変更してもよい。
【0113】
また、第1表示位置に表示された関連情報のうち、事前設定の関連情報と同じ情報は、特定操作の実施によって第2表示位置に表示された後に第1表示位置から消去されてもよい。
【0114】
特定操作が行われてからの経過時間が所定時間に達すると、プロセッサ40は、第2表示位置に表示させた事前設定の関連情報を非表示に切り替える(S021、022)。なお、第2表示位置での表示に伴って第1表示位置から消去された関連情報については、S022の後で第1表示位置に再表示されてもよい。なお、S022後においても引き続き、表示領域31aには、電子水準器d1及びAFフレームd2等の撮像支援用マークが撮像画像とともに表示される。
【0115】
その後にユーザがレリーズボタン24aを第2段階の位置(全押し位置)まで押して画像記録を指示すると(S023)、プロセッサ40が、その時点の撮像画像のデータ(画像データ)を内部メモリ50又はメモリカード52等に記録する(S024)。このとき、プロセッサ40は、第2表示位置に表示させた関連情報、すなわち、事前設定の関連情報のデータを画像データに付加し、このデータが付加された画像データを記録する。
【0116】
その後、ユーザが撮像を終了させるための操作を行うと、プロセッサ40は、撮像及び撮像画像の表示を終了させる(S025)。かかる時点で表示処理が終了する。
【0117】
S005に戻って説明すると、ユーザが第2モードを選択した場合、プロセッサ40は、特定操作が行われていない間に、S002で設定された事前設定の関連情報を第2表示位置に表示させる(S009)。このとき、第2表示位置は、デフォルトの位置でもよいし、S004にて認証されたユーザと対応して決められる位置でもよい。また、プロセッサ40は、ユーザの設定、あるいはユーザの眼鏡の装着の有無に応じて第2表示位置及び関連情報の表示態様を変更してもよい。また、プロセッサ40は、撮像画像中の各領域の色等に応じて、第2表示位置及び関連情報の表示態様を変更してもよい。
【0118】
その後、ユーザがレリーズボタン24aを第1段階の位置まで押圧した場合、プロセッサ40は、第2表示位置に表示させた関連情報のうち、特定種類の関連情報を残し、それ以外を第2表示位置から消す(S011)。特定種類の関連情報は、撮像装置10側で決められてもよく、ユーザによって予め選択されてもよい。また、S011において第2表示位置から消去された関連情報は、S011の後で第1表示位置に表示されてもよい。
【0119】
特定操作が行われてからの経過時間が所定時間に達すると、プロセッサ40は、第2表示位置に残っている特定種類の関連情報を第2表示位置から消す(S026、027)。なお、第2表示位置から消去された特定種類の関連情報は、S027の後で第1表示位置に再表示されてもよい。また、S027後においても引き続き、表示領域31aには、電子水準器d1及びAFフレームd2等の撮像支援用マークが撮像画像とともに表示される。
以降のステップS028~S30は、第1モードの場合(すなわち、S023~S025)と同様である。
【0120】
[本実施形態の有効性について]
従来の一般的な観察部(具体的にはEVF)の表示器では、その外縁部分に関連情報を表示させることが多いため、関連情報が見え難くなる場合がある。一方、関連情報の表示位置を全体的に表示器31の内側に移動させてしまうと、撮像画像(スルー画像)のうち、関連情報と重なる領域が増えるため、撮像画像が見え辛くなる。
【0121】
これに対して、本実施形態の撮像装置10では、プロセッサ40が、撮像中、第1表示位置よりも表示器31の内側にある第2表示位置に関連情報を表示させる。また、第2表示位置に表示させる関連情報の種類は、撮像前に予め設定される。つまり、本実施形態では、ユーザにとって重要な関連情報の種類を撮像前に予め設定しておき、その関連情報を撮像中、表示器31において見やすい第2表示位置に表示させる。これにより、重要な関連情報を撮像中に撮像画像(スルー画像)とともに確認することが容易になる。
【0122】
上記の効果は、表示器31のサイズが大きくなる場合、例えば、撮像装置10の横方向における表示器31の視野角が33度以上になると、特に有意義である。表示器31のサイズが大きくなるほど、表示器31に表示される撮像画像(スルー画像)への没入感が向上する反面、表示器31の外縁部分に表示させる情報が一層見え難くなる。そのような状況に対し、本実施形態の撮像装置10であれば、より重要な関連情報を第2表示位置に表示させることができるので、その関連情報を容易に確認することが可能となる。
【0123】
また、本実施形態では、第2表示位置での関連情報の表示又は非表示を、ユーザの特定操作に応じて適切なタイミングで実施することができる。これにより、ユーザは、より重要な関連情報を、適切なタイミング(例えば、撮像画像の記録指示を行う直前等)で確認することができる。
【0124】
ところで、前述した特許文献1及び2に記載の撮像装置では、撮像中、撮像条件をファインダ内表示器の外縁部分に表示させるとともに、ユーザが条件変更操作を行うと、その操作に係る条件を表示器の内側に表示させる。しかし、特許文献1及び2に記載の撮像装置では、表示器の内側に表示させる情報(撮像条件)は、ユーザの変更操作に係る条件に限られてしまう。
一方、本実施形態の撮像装置10では、前述した通り、ユーザが撮像前に関連情報の種類を予め設定し、当該関連情報を表示器の内側に表示させ、さらに当該関連情報の表示及び非表示をユーザの操作に応じて切り替える。かかる点において、本実施形態の撮像装置10は、特許文献1及び2に記載の撮像装置よりも利便性が高いものである。
【0125】
[その他の実施形態]
以上までに説明してきた実施形態は、本発明の撮像装置の構成を分かり易く説明するために挙げた例であるが、あくまでも一例に過ぎず、その他の実施形態も考えられ得る。
上記の実施形態では、本発明の撮像装置の一例として、EVF付きのデジタルカメラを挙げたが、これに限定されるものではない。本発明は、EVF付きの他の撮像装置(例えば、ビデオカメラ及びスマートフォン等)にも適用可能である。
【0126】
また、上記の実施形態では、プロセッサ40が撮像装置10の本体に内蔵されていることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、撮像装置10と有線又は無線にて接続されたカメラコントローラが、本発明のプロセッサを構成してもよい。その場合、カメラコントローラは、撮像装置本体内のプロセッサ(具体的には、カメラ内の制御回路等)と協働することで、制御処理部42及び画像生成部44として機能する。
【0127】
また、観察部30は、撮像装置10に内蔵されたファインダ、あるいはホットシューのような接続部14に接続される外付け型のファインダであることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、観察部30は、撮像装置10の本体から分離され、ユーザが装着可能なHMD(Head Mounted Display)型のファインダ、あるいは、AR(Augmented Reality)グラスのような眼鏡型のファインダでもよい。この場合、プロセッサ40は、HMD型又は眼鏡型のファインダと通信し、そのファインダに設けられた表示器を遠隔制御する。
【符号の説明】
【0128】
10 撮像装置
12 撮像レンズ
12a ズームレンズ
12b フォーカスレンズ
14 接続部
16 絞り
18 シャッタ
20 撮像素子
22 背面ディスプレイ
24 操作部
24a レリーズボタン
26 タッチパネル
30 観察部
31 表示器
31a 表示領域
31b 外縁領域
31c 内側領域
32 観察光学系
33 接眼窓
34 センサ
40 プロセッサ
42 制御処理部
44 画像生成部
46a,46b レンズ駆動部
50 内部メモリ
52 メモリカード
80 測定用カメラ
82 撮像素子
P1 位置設定画面
Pf 可変フレーム
P2 表示態様設定画面
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14