(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160366
(43)【公開日】2024-11-13
(54)【発明の名称】粘性組成物の製造方法
(51)【国際特許分類】
C08L 33/02 20060101AFI20241106BHJP
C08F 20/06 20060101ALI20241106BHJP
C08K 5/00 20060101ALI20241106BHJP
C09K 23/52 20220101ALI20241106BHJP
B01J 13/00 20060101ALI20241106BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20241106BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20241106BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
C08L33/02
C08F20/06
C08K5/00
C09K23/52
B01J13/00 A
A61K8/02
A61K8/46
A61K8/81
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024138942
(22)【出願日】2024-08-20
(71)【出願人】
【識別番号】000195661
【氏名又は名称】住友精化株式会社
(72)【発明者】
【氏名】田中 聡美
(57)【要約】 (修正有)
【課題】(メタ)アクリル酸を構成単位とする共重合体の水への溶解性を改善できる、前記共重合体を含む粘性組成物の製造方法の提供。
【解決手段】(メタ)アクリル酸由来の構成単位を含む共重合体、界面活性剤及び水を含む粘性組成物を製造する方法であって、共重合体が以下の条件下で測定した周波数分散1rad/sでの貯蔵弾性率(G’)が10Pa以下である共重合体であり、界面活性剤の水溶液に前記共重合体を添加する工程を含む、製造方法。[測定条件:pH6.5~7.5の0.5質量%共重合体中和水溶液につき、液温25℃、レオメーターの周波数を1Hzに設定したひずみ分散での貯蔵弾性率の測定により、後の周波数分散でのひずみを0.1%または1%に決定し、当該ひずみの条件下で、角周波数0.1rad/sから300rad/sに変化させて得られた周波数分散での貯蔵弾性率の測定を行い、角周波数1rad/sでの貯蔵弾性率を求める。]
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)(メタ)アクリル酸由来の構成単位を含む共重合体
(b)界面活性剤
(c)水
を含む粘性組成物を製造する方法であって、
前記(a)共重合体が以下の条件下で測定した周波数分散1rad/sでの貯蔵弾性率(G’)が10Pa以下である、共重合体であり、
前記(b)と前記(c)の混合溶液に前記(a)共重合体を添加する工程を含むことを特徴とする、
製造方法。
[測定条件:上記(a)共重合体を中和水溶液の全量に基づいて0.5質量%含有するpH6.5~7.5の中和水溶液につき、液温25℃、レオメーターの周波数を1Hzに設定したひずみ分散での貯蔵弾性率の測定により、後の周波数分散でのひずみを0.1%または1%に決定し、当該ひずみの条件下で、角周波数0.1rad/sから300rad/sに変化させて得られた周波数分散での貯蔵弾性率の測定を行い、角周波数1rad/sでの貯蔵弾性率(G’)を求める。]
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は(メタ)アクリル酸を構成単位とする共重合体、界面活性剤、および水を含有する粘性組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(メタ)アクリル酸を構成単位とする共重合体を含有する粘性組成物は化粧品や外用組成物等、様々な分野の製品として幅広く使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特定の(メタ)アクリル酸を構成単位とする共重合体は水への溶解性が悪く、当該共重合体を含む粘性組成物を調整する工程において、当該共重合体の溶解に長時間を要するという問題があった為、更なる改良が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
(a)(メタ)アクリル酸由来の構成単位を含む共重合体
(b)界面活性剤
(c)水
を含む粘性組成物を製造する方法であって、
前記(a)共重合体が以下の条件下で測定した周波数分散1rad/sでの貯蔵弾性率(G’)が10Pa以下である、共重合体であり、
前記(b)と前記(c)の混合溶液に前記(a)共重合体を添加する工程を含むことを特徴とする、
製造方法。
[測定条件:上記(a)共重合体を中和水溶液の全量に基づいて0.5質量%含有するpH6.5~7.5の中和水溶液につき、液温25℃、レオメーターの周波数を1Hzに設定したひずみ分散での貯蔵弾性率の測定により、後の周波数分散でのひずみを0.1%または1%に決定し、当該ひずみの条件下で、角周波数0.1rad/sから300rad/sに変化させて得られた周波数分散での貯蔵弾性率の測定を行い、角周波数1rad/sでの貯蔵弾性率(G’)を求める。]
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、特定の(メタ)アクリル酸を構成単位とする共重合体を含む粘性組成物の製造方法であって、当該共重合体の水への溶解性を改善できる製造方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】共重合体((a)成分)を中和水溶液の全量に基づいて0.5質量%含有するpH6.5~7.5の中和水溶液につき、液温25℃、レオメーターの周波数を1Hzに設定したひずみ分散を示す。横軸はひずみの割合、縦軸は貯蔵弾性率(G’)である。なお、当該図は、共重合体((a)成分)の周波数分散1rad/sのG’値(貯蔵弾性率)を測定する際の条件として、ひずみ値として0.1%または1%のいずれを用いるかを決定するための概要を示す図である(実施例とは関係が無い概念図である。)。1Hzにおけるひずみ分散測定において得られた線形領域の範囲にひずみ1%を含んでいれば1%、ひずみ0.1%を含んでおり1%は含んでいなければ0.1%、を選択することを示す。
【
図2】共重合体((a)成分)を中和水溶液の全量に基づいて0.5質量%含有するpH6.5~7.5の中和水溶液につき、液温25℃、レオメーターの周波数を1Hzに設定したひずみ分散におけるひずみが0.1%、または1%の条件下で、角周波数0.1rad/sから300rad/sに変化させて得られた周波数分散を示す。横軸は角周波数、縦軸は貯蔵弾性率(G’)である。なお、当該図は、実施例とは関係が無い概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は(メタ)アクリル酸由来の構成単位を含む特定の共重合体、界面活性剤、および水を含む粘性組成物の製造方法であって、界面活性剤と水の混合溶液に前記共重合体を添加する工程を含むことを特徴とする方法である。
【0009】
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル、および/またはメタクリルを意味する。(メタ)アクリル酸として、アクリル酸、およびメタクリル酸のいずれか一方を単独で、またはこれらの双方を組み合わせて用いることができる。
【0010】
(a)共重合体は、(I)(メタ)アクリル酸由来の構成単位、(II)エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物由来の構成単位、および(III)アルキル基の炭素数が10~30である(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位、を含む共重合体である。
【0011】
(a)共重合体は、(I)(メタ)アクリル酸由来の構成単位100質量部に対して、(II)エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物由来の構成単位を0.001~0.05質量部含むことが好ましく、0.005~0.05質量部含むことがより好ましく、0.005~0.03質量部含むことがさらに好ましい。
【0012】
(a)共重合体は、(I)(メタ)アクリル酸由来の構成単位100質量部に対して、(III)アルキル基の炭素数が10~30である(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位を0.1~10質量部含むことが好ましく、0.2~9質量部含むことがより好ましく、0.5~7質量部含むことがさらに好ましく、1.0~5.0質量部含むことが特に好ましい。
【0013】
(a)共重合体は、少なくとも、(i)(メタ)アクリル酸、(ii)エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物、および(iii)アルキル基の炭素数が10~30である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを共重合することにより、調製することができる。これら(i)~(iii)を共重合する際に用いる各(i)~(iii)量を調整することで、上記(I)100質量部に対する(II)の質量部または(III)の質量部を調整することができる。
【0014】
(ii)エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、サッカロース、ソルビトール等のポリオールの2置換以上のアクリル酸エステル類;前記ポリオールの2置換以上のアリルエーテル類;フタル酸ジアリル、リン酸トリアリル、メタクリル酸アリル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、アジピン酸ジビニル、クロトン酸ビニル、1,5-ヘキサジエン、ジビニルベンゼン、ポリアリルサッカロース等が挙げられる。これらのエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物の中でも、好ましくは、ショ糖アリルエーテル、ペンタエリスリトールアリルエーテル(中でもペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテルが好ましい)、テトラアリルオキシエタン、リン酸トリアリル、およびポリアリルサッカロースが挙げられ、中でもショ糖アリルエーテル、ペンタエリスリトールアリルエーテルがより好ましい。これらのエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物は、それぞれ単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】
(iii)アルキル基の炭素数が10~30(10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30)である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、(メタ)アクリル酸と、アルキル基の炭素数が10~30である高級アルコールとのエステルである。当該アルキル基の炭素数は、例えば12~30が好ましく、14~28がより好ましく、16~26がさらに好ましく、18~24が特に好ましい。このような(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸とステアリルアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸とエイコサノールとのエステル、(メタ)アクリル酸とベヘニルアルコールとのエステル、および(メタ)アクリル酸とテトラコサノールとのエステル等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルの中でも、好ましくは、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸エイコサニル、メタクリル酸ベヘニル、およびメタクリル酸テトラコサニルが挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、それぞれ単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、このような(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、日本油脂株式会社製の商品名ブレンマーVMA-70、ブレンマーSMA等の市販品を用いてもよい。
【0016】
なお、本発明において、共重合体とは、(メタ)アクリル酸と架橋剤(特にエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物)とが重合している化合物(言い換えれば、(メタ)アクリル酸が架橋剤で架橋されている化合物)を包含する概念である。よって、(a)共重合体は、(メタ)アクリル酸に加え、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物をも重合している化合物(言い換えれば、(メタ)アクリル酸重合体が当該化合物で架橋されている化合物)を包含する。この場合、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物は、架橋剤として働くということもできる。
【0017】
(a)共重合体の当該貯蔵弾性率(G’)は、以下の手順で決定される。
1)<測定用の中和水溶液の調整>
共重合体濃度が中和水溶液の全量に基づいて0.5質量%となるように(a)共重合体を水に分散させ、攪拌した状態でアルカリ水溶液を加え、pH6.5~7.5となるように調整しながら、(a)共重合体を溶解し、中和水溶液を得る。
2)<ひずみ分散によるひずみの決定>
上記1)で調整した中和水溶液の液温を25℃に、またレオメーター〔例えばTA Instruments社製(型番:AR-2000ex)〕の周波数を1Hzに設定した後、ひずみを加えながら、貯蔵弾性率(G’)を測定し、貯蔵弾性率(G’)が低下してきたことが認められた時点で測定を終了する(
図1に示すようなグラフが得られる)。
得られたひずみ分散グラフから、貯蔵弾性率(G’)がひずみ1%まで一定値を保っており、10%まで一定値を保てない場合、ひずみを1%とし、貯蔵弾性率(G’)がひずみ0.1%まで一定値を保っており、1%まで一定値を保てない場合、ひずみを0.1%とする。
3)<周波数分散による貯蔵弾性率の決定>
上記1)で調整した中和水溶液の液温25℃、上記の基準で決定したひずみ(0.1、または1%)の条件下で、角周波数を0.1rad/sから300rad/sに変化させる(
図2に示すようなグラフが得られる)。
その測定値から、角周波数:1rad/sの貯蔵弾性率(G’)を採用する。
【0018】
当該貯蔵弾性率(G’)は、10Pa以下が好ましい。より好ましくは5Pa以下が好ましく、1Pa以下であることがさらに好ましい。下限値は、0.01Pa以上であることが好ましい。
【0019】
このような共重合体としては、例えば、住友精化株式会社製の商品名AQUPEC SER W-300Cを使用することができる。なお、当該貯蔵弾性率(G’)は、架橋剤の添加量を変化させることで調整することができ、特に、架橋剤の添加量を一定量以下とすることで低いG’を達成し得る。
【0020】
(a)共重合体の製造において、(i)と(ii)と(iii)を重合する方法としては、特に限定されず、例えば、これらをラジカル重合開始剤の存在下に重合溶媒中で重合させる方法等が挙げられる。
【0021】
前記ラジカル重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、α,α’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、2,2’-アゾビスメチルイソブチレート、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、第三級ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、それぞれ単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】
前記ラジカル重合開始剤の使用量としては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸100質量部に対して、0.01~0.45質量部が好ましく、0.01~0.35質量部がより好ましい。
【0023】
また、前記重合溶媒としては、特に限定されないが、(i)、(ii)、および(iii)を溶解し、かつ得られる共重合体を溶解しない溶媒であることが好ましい。このような重合溶媒としては脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エステル、およびケトンが好ましく、その具体例としては、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタン、イソオクタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、エチレンジクロライド、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、エチルメチルケトン、イソブチルメチルケトン等が挙げられる。これらの重合溶媒の中でも、品質が安定しており入手が容易であるという観点から、好ましくは、エチレンジクロライド、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、または酢酸エチルが用いられる。これらの重合溶媒は、それぞれ単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
前記重合溶媒の使用量としては、特に制限されないが、例えば、(I)(メタ)アクリル酸100質量部に対して、200~10000質量部が好ましく、300~2000質量部がより好ましい。重合溶媒を上記範囲内で使用することにより、重合反応が進行しても、共重合体が凝集するのを好ましく抑制して均一に撹拌させ、且つ重合反応をより効率的に進行させることが可能になる。
【0025】
また、上記重合反応を行う際の雰囲気については、重合反応が可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気が挙げられる。
【0026】
上記重合反応を行う際の反応温度は、重合反応が可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、50~90℃が好ましく、55~75℃がより好ましい。このような反応温度で重合反応を行うことにより、反応溶液の粘度上昇を好ましく抑制し、反応制御をより容易にすることができ、更に得られる共重合体の嵩密度を好ましく制御することができる。
【0027】
上記重合反応を行う際の反応時間は、反応温度によって異なるので一概には決定することはできないが、通常、2~10時間である。
【0028】
反応終了後は、例えば、反応溶液を80~130℃に加熱し、重合溶媒を除去することにより、共重合体を単離することができる。このようにして得られる共重合体は通常、白色微粉末である。
【0029】
(b)界面活性剤としてはノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。(b)界面活性剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0030】
前記ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン鎖を有するノニオン性界面活性剤や、脂肪酸とエタノールアミンの縮合から得られる脂肪酸アルキロールアミド、およびアルキルグルコシドがより好ましい。当該ポリオキシエチレン鎖を有するノニオン性界面活性剤としては、例えば(b1)ポリオキシエチレンヒマシ油、(b2)ポリオキシエチレンヒマシ油と脂肪酸のエステル化合物、(b3)ヒドロキシ脂肪酸とエチレンオキサイドとのブロック共重合体、および(b4)ポリソルベート類が好ましく挙げられ、それら(b1)~(b4)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0031】
ポリオキシエチレンヒマシ油としては、酸化エチレンの付加モル数が2~10程度のものが好ましく、2~5程度のものがさらに好ましい。
また、ポリオキシエチレンヒマシ油としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がよりに好ましい。
【0032】
(b2)ポリオキシエチレンヒマシ油と脂肪酸のエステル化合物において、脂肪酸としては、炭素数14~24(14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24)の飽和もしくは不飽和の脂肪酸が好ましく、より具体的には、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、イソオレイン酸等が好ましく挙げられる。ポリオキシエチレンヒマシ油と脂肪酸のエステル化合物として特に好ましいものとしてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とイソステアリン酸のエステル化合物が挙げられる。
【0033】
(b3)ヒドロキシ脂肪酸とエチレンオキサイドとのブロック共重合体とは、言い換えれば、ポリヒドロキシ脂肪酸のブロックとポリオキシエチレンのブロックとからなる共重合体とも言える。ヒドロキシ脂肪酸としては、炭素数14~22程度のヒドロキシ脂肪酸が好ましく、ヒドロキシミリスチン酸、ヒドロキシパルミチン酸、ヒドロキシステアリン酸等が好ましく挙げられ、特にヒドロキシステアリン酸が好ましい。ヒドロキシステアリン酸としては、12-ヒドロキシステアリン酸が特に好ましい。ポリヒドロキシ脂肪酸としては、ポリヒドロキシステアリン酸が特に好ましい。ヒドロキシ脂肪酸とエチレンオキサイドとのブロック共重合体としては、12-ヒドロキシステアリン酸とエチレンオキサイドとのブロック共重合体が特に好ましい。
(b4)ポリソルベート類は、ソルビタン脂肪酸エステルのポリオキシエチレンエーテルである。より具体的には、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、およびポリソルベート85が挙げられ、特にポリソルベート85が好ましい。
【0034】
脂肪酸アルキロールアミドにおいて、脂肪酸としては炭素数14~24(14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24)の飽和もしくは不飽和の脂肪酸が好ましく、より具体的にはラウリン酸、ヤシ脂肪酸等が好ましく挙げられる。エタノールアミンとしてはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン等が好ましく挙げられる。また、アミノ基はアルキル化されていてもよい。脂肪酸アルキロールアミドとしては、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド等が好ましい。
【0035】
アルキルグルコシドにおいて、アルキル基の炭素数は8~16が好ましい。具体的には、(カプリリル/カプリル)グルコシド、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、セテアリルグルコシド、ヤシ油アルキルグルコシド等が挙げられ、特にラウリルグルコシドが好ましい。
【0036】
前記アニオン性界面活性剤としては例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等の高級アルキル硫酸塩;ポリオキシエチレン-ラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレン-ラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレン-アルキルエーテル硫酸塩;ココイルグルタミン酸トリエタノールアミン、ココイルグリシンカリウム等のアミノ酸系アニオン性界面活性剤;ラウロイルサルコシンナトリウム等のN-アシルサルコシン酸、N-ミリストイル-N-メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリン酸ナトリウム、ラウリルメチルタウリン酸ナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸等のリン酸エステル塩;ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩;リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸モノナトリウム等のN-アシルグルタミン酸塩;硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレン-アルキルエーテルカルボン酸;ポリオキシエチレン-アルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α-オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N-パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;およびカゼインナトリウム等が挙げられる。
これらの中でも、より具体的には、ラウリル硫酸塩、ラウレス硫酸塩、ラウリルモノグリセリド硫酸塩、ラウリルサルコシンもしくはその塩、ラウロイルサルコシンもしくはその塩、ココイルもしくはその塩、(より具体的にはココイル硫酸塩、ココイルグルタミン酸塩、ココイルグリシン塩、ココイルメチルアラニン塩、ココイルアスパラギン酸塩、ココイルサルコシン塩)、トリデシルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸もしくはその塩、ココイルイセチオン酸もしくはその塩等が挙げられる。また、これらの塩としては、例えばアルカリ金属塩(特にナトリウム塩、カリウム塩)、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、モノ、ジ、もしくはトリエタノールアミン塩等が挙げられる。
【0037】
前記両性界面活性剤としては、例えばアルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルグリシン塩、アルキルカルボキシグリシン塩、アルキルアンホプロピオン酸塩、アルキルアンホグリシン塩、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン等が挙げられる。ここで、アルキル基は5~22個(5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22個)、好ましくは7~19個の炭素原子を有する。
より具体的には、例えば次式:
【0038】
【0039】
で示されるアルキルアミドベタインが挙げられる。当該式中、R1は炭素数5~22(5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22)の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基を示す。なお、当該ベタインは、R1が異なるものの混合物であってもよく、例えばR1CO-がココイル基であるものなども好ましく包含する。また、nは1~6(1、2、3、4、5、または6)を示し、特に3を示すことが好ましい。
【0040】
当該ベタインとしては、より具体的には例えばヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(すなわち、コカミドプロピルベタイン:CAPB)、ラウリン酸アミドプロピルベタイン等が挙げられる。
【0041】
また、例えば次式:
【0042】
【0043】
で示されるアルキルベタインが挙げられる。当該式中、R2は炭素数1~22(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22)の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基を示す。
【0044】
当該アルキルベタインとしては、より具体的には例えばトリメチルアミノ酢酸ベタイン(トリメチルグリシン)、ラウリルジメチル酢酸ベタイン、テトラデセルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
【0045】
(b)界面活性剤の含有量は、粘性組成物の全量に基づいて0.1~10.0質量%であることが好ましく、0.5~8.0質量%であることがより好ましく、1.0~7.0質量%であることが特に好ましい。
【0046】
本発明にかかる粘性組成物は、必要に応じ、ミネラル、他の増粘剤、アルコール類、pH調整剤、保湿剤、塩類、キレート剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素および香料等を配合することができる。
【0047】
本発明の粘性組成物の粘度は、粘性組成物を均一に攪拌できる範囲であれば特に制限はないが、25℃において、10~80000mPa・sであることが好ましい。
【0048】
本発明の粘性組成物は、例えば化粧料、医薬(特に皮膚外用剤)、トイレタリー製品、ハウスホールド製品、水溶性塗料等の分野で使用される。
【0049】
本開示の粘性組成物を化粧料とする場合、その製剤形態については、特に制限されないが、例えば、化粧水、乳液、美容液、クリーム、クリームパック、マッサージクリーム、ヘアーセッティングジェル、日焼け止め、スタイリングジェル、アイライナー、マスカラ、口紅、ファンデーション等が挙げられる。また、本開示の粘性組成物をトイレタリー製品とする場合、その製剤形態については、特に限定されないが、例えば、クレンジングクリーム、クレンジングジェル、洗顔フォーム、ヘアーウォッシュ、ボディーウォッシュ、リンス等が挙げられる。
【0050】
本発明には、本明細書に記載される組み合わせ可能な各特性のあらゆる組み合わせからなる主題が全て包含される。
【実施例0051】
以下、例を示して本発明の実施形態をより具体的に説明するが、本発明の実施形態は下記の例に限定されるものではない。
【0052】
実施例、比較例で使用した共重合体についての貯蔵弾性率(G’)は、次のようにして測定した。
[貯蔵弾性率(G’)の測定方法]
1)<測定用の中和水溶液の調整>
容量500mLのビーカーにイオン交換水288.8gを入れ、これをφ(直径)7cmの4枚パドルを有する撹拌機を用いて500rpmで攪拌しているところに共重合体1.5gを投入した。60分攪拌後、6%水酸化ナトリウム水溶液9.7gを加えてpH6.5~7.5に調整し、さらに300rpmで15分攪拌し、共重合体の0.5質量%中和水溶液を調製した。なお、pHは、25℃においてpHメーター(株式堀場製作所社製、型番:D-51)を用いて測定した。
2)<ひずみ分散によるひずみの決定>
上記1)で得られた中和水溶液の液温を25℃とし、レオメーター〔TA Instruments社製(型番:AR-2000ex)〕の周波数を1Hzに設定し、ひずみを増加させながら、貯蔵弾性率(G’)を測定し、貯蔵弾性率(G’)の低下が認められた時点で測定を終了した。得られたひずみ分散グラフから、貯蔵弾性率(G’)がひずみ1%まで一定値を保っており、10%まで一定値を保てない場合、下記3)における測定条件のひずみを1%と決定し、貯蔵弾性率(G’)がひずみ0.1%まで一定値を保っており、1%まで一定値を保っていない場合、下記3)における測定条件のひずみを0.1%と決定した。
3)<周波数分散による貯蔵弾性率(G’)の決定>
上記1)で得られた中和水溶液の液温を25℃とし、レオメーター(TA Instruments社製(型番:AR-2000ex))を用いて、ひずみを上記2)で決定した0.1%または1%の条件で、角周波数を0.1rad/sから300rad/sに変化させた。その測定値から、角周波数:1rad/sの貯蔵弾性率(G’)を採用した。
【0053】
共重合体の調製
攪拌機、温度計、窒素吹き込み管および冷却管を備えた500mL容の四つ口フラスコに、アクリル酸45g、ブレンマーVMA70(日本油脂株式会社製:メタクリル酸ステアリルが10~20質量部、メタクリル酸エイコサニルが10~20質量部、メタクリル酸ベヘニルが59~80質量部およびメタクリル酸テトラコサニルの含有量が1質量部以下の混合物)1.35g、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル0.005g、ノルマルヘキサン150gおよび2,2’-アゾビスメチルイソブチレート0.081gを仕込んだ。溶液を撹拌して均一に混合した後、反応容器(四つ口フラスコ)の上部空間、原料および溶媒中に存在している酸素を除去するために、溶液中に窒素ガスを吹き込んだ。次いで、窒素雰囲気下、55~65℃に保持して4時間反応させた。反応終了後、生成したスラリーを90℃に加熱して、ノルマルヘキサンを留去し、さらに、110℃、10mmHgにて8時間減圧乾燥することにより、白色微粉末状のアルキル変性カルボキシル基含有水溶性共重合体43gを得た。当該共重合体の貯蔵弾性率を上記測定方法で測定したところ、0.42Paだった。
【0054】
粘性組成物の調製、および評価
[実施例1]
(1)容量200mlのビーカーにイオン交換水79.00g、ポリオキシエチレン-ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 25%水溶液(花王株式会社製、製品名:エマール20C)20.00gを量り取り、これをφ5cmの4枚パドルを有する撹拌機を用いて300rpmで5分攪拌した。
(2)(1)の水溶液に前記共重合体1.00gを量り取り、これをφ5cmの4枚パドルを有する撹拌機を用いて共重合体が完全に溶解するまで300rpmで攪拌することで共重合体の1%水溶液を得た。
【0055】
[実施例2]
(1)容量200mlのビーカーにイオン交換水82.3g、ヤシ油脂肪酸メチルタウリン酸ナトリウム 30%水溶液(日光ケミカルズ株式会社製、製品名:NIKKOL CMT-30)16.7gを量り取り、これをφ5cmの4枚パドルを有する撹拌機を用いて300rpmで5分攪拌した。
(2)(1)の水溶液に前記共重合体1.0gを量り取り、これをφ5cmの4枚パドルを有する撹拌機を用いて共重合体が完全に溶解するまで300rpmで攪拌することで共重合体の1%水溶液を得た。
【0056】
[実施例3]
(1)容量200mlのビーカーにイオン交換水93.1g、ラウリル硫酸ナトリウム(純度85%)(関東化学株式会社製、製品名:ラウリル硫酸ナトリウム) 5.9gを量り取り、これをφ5cmの4枚パドルを有する撹拌機を用いて300rpmで5分攪拌した。
(2)(1)の水溶液に前記共重合体1.0gを量り取り、これをφ5cmの4枚パドルを有する撹拌機を用いて共重合体が完全に溶解するまで300rpmで攪拌することで共重合体の1%水溶液を得た。
【0057】
[実施例4]
(1)容量200mlのビーカーにイオン交換水94.0g、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(花王株式会社製、製品名:エマノーン CH-25)5.0gを量り取り、これをφ5cmの4枚パドルを有する撹拌機を用いて300rpmで5分攪拌した。
(2)(1)の水溶液に前記共重合体1.0gを量り取り、これをφ5cmの4枚パドルを有する撹拌機を用いて共重合体が完全に溶解するまで300rpmで攪拌することで共重合体の1%水溶液を得た。
【0058】
[実施例5]
(1)容量200mlのビーカーにイオン交換水94.0g、ポリソルベート85(花王株式会社製、製品名:レオドール TW-0320V) 5.0gを量り取り、これをφ5cmの4枚パドルを有する撹拌機を用いて300rpmで5分攪拌した。
(2)(1)の水溶液に前記共重合体1.0gを量り取り、これをφ5cmの4枚パドルを有する撹拌機を用いて共重合体が完全に溶解するまで300rpmで攪拌することで共重合体の1%水溶液を得た。
【0059】
[実施例6]
(1)容量200mlのビーカーにイオン交換水82.3g、コカミドプロピルベタイン30%水溶液(川研ファインケミカル株式会社製、製品名:ソフタゾリン CPB-R)16.7gを量り取り、これをφ5cmの4枚パドルを有する撹拌機を用いて300rpmで5分攪拌した。
(2)(1)の水溶液に前記共重合体1.0gを量り取り、これをφ5cmの4枚パドルを有する撹拌機を用いて共重合体が完全に溶解するまで300rpmで攪拌することで共重合体の1%水溶液を得た。
【0060】
[実施例7]
(1)容量200mlのビーカーにイオン交換水94.0g、コカミドジエタノールアミド(ミヨシ油脂株式会社製、製品名:アミコール CDE-1) 5.0gを量り取り、これをφ5cmの4枚パドルを有する撹拌機を用いて300rpmで5分攪拌した。
(2)(1)の水溶液に前記共重合体1.0gを量り取り、これをφ5cmの4枚パドルを有する撹拌機を用いて共重合体が完全に溶解するまで300rpmで攪拌することで共重合体の1%水溶液を得た。
【0061】
[実施例8]
(1)容量200mlのビーカーにイオン交換水94.0g、ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド(花王株式会社製、製品名:アミノーン C-11S) 5.0gを量り取り、これをφ5cmの4枚パドルを有する撹拌機を用いて300rpmで5分攪拌した。
(2)(1)の水溶液に前記共重合体1.0gを量り取り、これをφ5cmの4枚パドルを有する撹拌機を用いて共重合体が完全に溶解するまで300rpmで攪拌することで共重合体の1%水溶液を得た。
【0062】
[実施例9]
(1)容量200mlのビーカーにイオン交換水86.5g、ラウリルグルコシド40%水溶液(花王株式会社製、製品名:マイドール12) 12.5gを量り取り、これをφ5cmの4枚パドルを有する撹拌機を用いて300rpmで5分攪拌した。
(2)(1)の水溶液に前記共重合体1.0gを量り取り、これをφ5cmの4枚パドルを有する撹拌機を用いて共重合体が完全に溶解するまで300rpmで攪拌することで共重合体の1%水溶液を得た。
【0063】
[実施例10]
(1)容量200mlのビーカーにイオン交換水82.3g、ココイルグルタミン酸トリエタノールアミン 30%水溶液(味の素株式会社製、製品名:アミソフト CT-12S) 16.7gを量り取り、これをφ5cmの4枚パドルを有する撹拌機を用いて300rpmで5分攪拌した。
(2)(1)の水溶液に前記共重合体1.0gを量り取り、これをφ5cmの4枚パドルを有する撹拌機を用いて共重合体が完全に溶解するまで300rpmで攪拌することで共重合体の1%水溶液を得た。
【0064】
[比較例1]
(1)容量200mlのビーカーにイオン交換水99.0g、前記共重合体1.0gを量り取り、これをφ5cmの4枚パドルを有する撹拌機を用いて共重合体が完全に溶解するまで300rpmで攪拌することで共重合体の1%水溶液を得た。
【0065】
[溶解時間の測定]
1%水溶液中の共重合体が水溶液に完全に溶解するまでの時間を溶解時間として評価した。なお、共重合体が水溶液に完全に溶解するまでの時間とは、目視で共重合体の粉末およびゲルの塊がなくなった時点を意味する。実施例1~10は、比較例1と比べて溶解時間が短くなっている為、溶解性が改善したということができる。
得られた結果を表1に併せて示す。
【0066】
本発明によれば、特定の(メタ)アクリル酸を構成単位とする共重合体を含む粘性組成物の製造方法であって、当該共重合体の水への溶解性を改善できる製造方法が提供される為、製造効率を向上でき、環境負荷が低減されると考えられる。