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特開2024-160403遠隔プラズマ膜蒸着を可能にするためにラジカルおよび前駆体ガスを下流チャンバに供給するための改良された孔パターンを備える統合シャワーヘッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024160403
(43)【公開日】2024-11-13
(54)【発明の名称】遠隔プラズマ膜蒸着を可能にするためにラジカルおよび前駆体ガスを下流チャンバに供給するための改良された孔パターンを備える統合シャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/455 20060101AFI20241106BHJP
   C23C 16/50 20060101ALI20241106BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
C23C16/455
C23C16/50
H01L21/31 C
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024145047
(22)【出願日】2024-08-27
(62)【分割の表示】P 2020531032の分割
【原出願日】2018-12-07
(31)【優先権主張番号】62/596,409
(32)【優先日】2017-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/213,386
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バッツァー・レイチェル
(72)【発明者】
【氏名】グイ・ズェ
(72)【発明者】
【氏名】サビサラ・ガルボッカ・ヘージ・ラヤン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】基板処理システムにおいて、より均一な蒸着性能を提供するためのシャワーヘッドを提供する。
【解決手段】基板処理システムのためのシャワーヘッド40は、下面と、プラズマに対向する上面と、下面と上面との間に画定されているガスプレナムと、下面に分布されている複数のインジェクタと、を含み、複数のインジェクタは、ガスプレナムと流体連通している。複数の貫通孔204は、上面から下面に延伸する。複数の貫通孔のうちの選択された貫通孔は、複数の貫通孔のうちの残りの貫通孔の直径とは異なる直径を有する。複数の貫通孔のうちの選択された貫通孔の直径は、複数の貫通孔のうちの選択された貫通孔と複数の貫通孔のうちの残りの貫通孔とを介して提供されるそれぞれのガスの所望の割合に従って予め決定されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムのためのシャワーヘッドであって、
下面と、
プラズマに対向する上面と、
前記下面と前記上面との間に画定されているガスプレナムと、
前記下面に分布されている複数のインジェクタであって、前記ガスプレナムと流体連通している複数のインジェクタと、
前記上面から前記下面に延伸する複数の貫通孔と、前記複数の貫通孔のうちの選択された貫通孔は前記複数の貫通孔のうちの残りの貫通孔の直径とは異なる直径を有し、前記複数の貫通孔のうちの前記選択された貫通孔の前記直径は、前記複数の貫通孔のうちの前記選択された貫通孔と前記複数の貫通孔のうちの前記残りの貫通孔とを介して提供されるそれぞれのガスの所望の割合に従って予め決定されていること、を備える、シャワーヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、前記複数の貫通孔のうちの前記選択された貫通孔は、前記複数の貫通孔のうちの前記残りの貫通孔の平均直径との所定の比率関係を満たす平均直径を有する第1のタイプの貫通孔を備える、シャワーヘッド。
【請求項3】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、前記複数の貫通孔のうちの前記選択された貫通孔は、前記複数の貫通孔のうちの前記残りの貫通孔の平均直径との第1の所定の比率関係を満たす第1のタイプの貫通孔と、前記複数の貫通孔のうちの前記残りの貫通孔の平均直径との第2の所定の比率関係を満たす第2のタイプの貫通孔と、を少なくとも備える、シャワーヘッド。
【請求項4】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、前記複数の貫通孔のうちの前記選択された貫通孔の前記直径は、シャワーヘッドに関連付けられている蒸着不均一性に従って予め決定されている、シャワーヘッド。
【請求項5】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、前記貫通孔は、前記シャワーヘッドの前記下面に、前記複数のインジェクタのそれぞれのインジェクタの周りに分布されている前記貫通孔のうちの2個以上を各々備える複数の群をなして配置されている、シャワーヘッド。
【請求項6】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、前記貫通孔は、前記シャワーヘッドの前記下面に、前記複数のインジェクタのそれぞれのインジェクタの周りに分布されている前記貫通孔のうちの3個を各々備える複数の群をなして配置されている、シャワーヘッド。
【請求項7】
請求項6に記載のシャワーヘッドであって、前記複数の群の各々における前記貫通孔のうちの3個は、前記複数のインジェクタの前記それぞれのインジェクタの周りに三角形の形状で分布されている、シャワーヘッド。
【請求項8】
請求項6に記載のシャワーヘッドであって、前記複数の群の各々における前記貫通孔のうちの3個は、前記複数のインジェクタの前記それぞれのインジェクタの周りに半径方向に分布されている、シャワーヘッド。
【請求項9】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、前記複数の貫通孔は、貫通孔の少なくとも1個の中心の群と、前記少なくとも1個の中心の群の周りに第1の六角形のパターンで配置されている前記貫通孔の第1の複数の群と、を備える、シャワーヘッド。
【請求項10】
請求項9に記載のシャワーヘッドであって、前記第1の複数の群の周りに、第2の六角形のパターンで配置されている前記貫通孔の第2の複数の群をさらに備える、シャワーヘッド。
【請求項11】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、前記複数の貫通孔は、少なくとも1個の中心の群と、前記少なくとも1個の中心の群の周りに第1の円形パターンで配置された前記貫通孔の第1の複数の群と、を備える、シャワーヘッド。
【請求項12】
請求項11に記載のシャワーヘッドであって、前記第1の複数の群の周りに、第2の円形パターンで配置されている前記貫通孔の少なくとも1個の第2の複数の群をさらに備える、シャワーヘッド。
【請求項13】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、前記複数の貫通孔は、前記貫通孔の複数の群を備え、前記貫通孔の前記複数の群は、少なくとも1個の中心の群を備え、前記複数の群のうちの残りの群は、少なくとも1個の中心の群の周りに増大された6パターンで配置されている、シャワーヘッド。
【請求項14】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、前記複数の貫通孔は、前記貫通孔の複数の群を備え、前記貫通孔の複数の群は、少なくとも1個の中心の群を備え、前記複数の群のうちの残りの群は、前記少なくとも1個の中心の群の周りに増大された8パターンで配置されている、シャワーヘッド。
【請求項15】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、前記インジェクタのそれぞれのインジェクタから下方に延在している複数のガスインジェクタノズルをさらに備える、シャワーヘッド。
【請求項16】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、前記複数の貫通孔は、85個の群の前記貫通孔を備える、シャワーヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年12月7日に出願された米国特許出願第16/213,386号に基づく優先権を主張し、また2017年12月8日に出願された米国仮特許出願第62/596,409号に基づく優先権の利益も主張する。本開示は、2016年12月14日に出願された、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第15/378,854号に関連する。上記出願の全体の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、基板処理システムに関し、より詳細には、ラジカルおよび前駆体ガスを下流チャンバに供給するシャワーヘッドを備える基板処理システムに関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書で提供されている背景技術の記載は、本開示の背景を概略的に提示することを目的とする。ここに名を挙げられている発明者の業績は、この背景技術に記載された範囲において、出願時に従来技術として通常見なされ得ない記載の態様と共に、明示的にも黙示的にも本開示に対する従来技術として認められない。
【0004】
半導体ウエハなどの基板上に膜を蒸着するために、基板処理システムが利用されてもよい。基板処理システムは、通常、処理チャンバおよび基板支持体を備える。膜蒸着中、ラジカルおよび前駆体ガスが、処理チャンバに供給されてもよい。
【0005】
例えば、処理チャンバは、上側チャンバ、下側チャンバ、および、基板支持体を備えてもよい。シャワーヘッドは、上側チャンバと下側チャンバとの間に配置されてもよい。基板は、下側チャンバ内の基板支持体上に配置される。プラズマ混合ガスが上側チャンバに供給され、プラズマが上側チャンバ内で点火される。プラズマによって生成されたラジカルの一部は、シャワーヘッドを通して下側チャンバに流れる。シャワーヘッドは、イオンをフィルタリングし、下側チャンバに到達しないようにUV光を遮断する。前駆体混合ガスは、シャワーヘッドを通して下側チャンバに供給され、ラジカルと反応することで基板上に膜を蒸着する。
【発明の概要】
【0006】
基板処理システムのためのシャワーヘッドは、下面と、プラズマに対向する上面と、下面と上面との間に画定されているガスプレナムと、下面に分布されている複数のインジェクタと、を含み、複数のインジェクタは、ガスプレナムと流体連通している。複数の貫通孔は、上面から下面に延伸している。複数の貫通孔のうちの選択された貫通孔は、複数の貫通孔のうちの残りの貫通孔の直径とは異なる直径を有する。複数の貫通孔のうちの選択された貫通孔の直径は、複数の貫通孔のうちの選択された貫通孔と複数の貫通孔のうちの残りの貫通孔とを介して提供されるそれぞれのガスの所望の割合に従って予め決定されている。
【0007】
他の特徴において、複数の貫通孔のうちの選択された貫通孔は、複数の貫通孔のうちの残りの貫通孔の平均直径との所定の比率関係を満たす平均直径を有する第1のタイプの貫通孔を含む。複数の貫通孔のうちの選択された貫通孔は、複数の貫通孔のうちの残りの貫通孔の平均直径との第1の所定の比率関係を満たす第1のタイプの貫通孔と、複数の貫通孔のうちの残りの貫通孔の平均直径との第2の所定の比率関係を満たす第2のタイプの貫通孔と、を少なくとも含む。複数の貫通孔のうちの選択された貫通孔の直径は、シャワーヘッドに関連付けられている蒸着不均一性に従って予め決定されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
他の特徴において、シャワーヘッドの下面には、貫通孔が、複数のインジェクタのそれぞれのインジェクタの周りに分布する貫通孔のうちの2個以上を各々含む複数の群をなして配置されている。シャワーヘッドの下面には、貫通孔が、複数のインジェクタのそれぞれのインジェクタの周りに分布する貫通孔のうちの3個を各々含む複数の群をなして配置されている。複数の群の各々における貫通孔のうちの3個は、複数のインジェクタのそれぞれのインジェクタの周りに三角形の形状で分布されている。複数の群の各々における貫通孔のうちの3個は、複数のインジェクタのそれぞれのインジェクタの周りに半径方向に分布されている。
【0009】
他の特徴において、複数の貫通孔は、貫通孔の少なくとも1個の中心の群と、少なくとも1個の中心の群の周りに第1の六角形のパターンで配置されている貫通孔の第1の複数の群と、を含む。貫通孔の第2の複数の群は、第1の複数の群の周りに第2の六角形のパターンで配置されている。複数の貫通孔は、少なくとも1個の中心の群と、少なくとも1個の中心の群の周りに第1の円形パターンで配置されている貫通孔の第1の複数の群と、を含む。貫通孔の少なくとも1個の第2の複数の群は、第1の複数の群の周りに第2の円形パターンで配置されている。
【0010】
他の特徴において、複数の貫通孔は、貫通孔の複数の群を含み、貫通孔の複数の群は、少なくとも1個の中心の群を含み、複数の群のうちの残りの群は、少なくとも1個の中心の群の周りに増大された6パターンで配置されている。 複数の貫通孔は、貫通孔の複数の群を含み、貫通孔の複数の群は、少なくとも1個の中心の群を含み、複数の群のうちの残りの群は、少なくとも1個の中心の群の周りに増大された8パターンで配置されている。複数のガスインジェクタノズルは、インジェクタのそれぞれのインジェクタから下方に延在している。複数の貫通孔は、85個の群の貫通孔を含む。
【0011】
本開示のさらなる適用可能な領域は、詳細な説明、特許請求の範囲、および図面から明らかになる。詳細な説明および具体的な例は、単に例示を目的としており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0012】
本開示は、詳細な説明および以下に説明する添付図面から、より十分に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示による、シャワーヘッドを備える基板処理チャンバの一例を示す機能ブロック図である。
【0014】
図2】本開示による、シャワーヘッドの一例を示す上面斜視図である。
【0015】
図3】本開示による、シャワーヘッドの一例を示す底面斜視図である。
【0016】
図4】本開示による、シャワーヘッドの一例を示す平面図である。
【0017】
図5】本開示による、シャワーヘッドの別の例の底面図を示す。
【0018】
図6A】本開示による、例示的な他の孔パターンを示す。
図6B】本開示による、例示的な他の孔パターンを示す。
図6C】本開示による、例示的な他の孔パターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面において、参照番号は、同様および/または同一の要素を特定するために再利用されてもよい。
【0020】
一般的に、基板処理システムにおけるシャワーヘッドは、熱制御システムを備えていない。しかしながら、一部の処理システムでは、アクセス可能であり、真空下にはないシャワーヘッドの外縁の温度を制御するために、基本的な熱制御システムが用いられる。この基本的な熱制御システムは、プラズマからの熱により、シャワーヘッド全体の温度が均一に制御されない。換言すれば、シャワーヘッドの中心の温度が上昇する。温度変化は、プラズマのオン/オフ、圧力、流量、および/またはペデスタル温度などのプロセスの変化に伴っても生じる。シャワーヘッドの温度の変動は、蒸着プロセスの均一性および欠陥性能に悪影響を及ぼす。シャワーヘッド内の貫通孔およびガスインジェクタの位置、配置、およびサイズもまた、蒸着の均一性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0021】
本開示によるシャワーヘッドは、前駆体インジェクタの所定のパターンおよびラジカル用の貫通孔を含む。貫通孔のパターンおよび大きさは、ウエハ上の蒸着速度および分布に影響を与える。シャワーヘッドは、典型的には、処理される基板の形状に一致するように円形である。シャワーヘッドの所望の位置すべてに前駆体インジェクタおよび貫通孔を均一に配置することは困難であることが多い。前駆体インジェクタおよびラジカル用の貫通孔の標準的なパターンは、方位方向および/または半径方向のいずれかで不均一な蒸着パターンを作成する傾向がある。
【0022】
本開示は、より均一な蒸着性能を提供するために、前駆体インジェクタおよびラジカル用の貫通孔の所定のパターンならびに大きさを備えるシャワーヘッドを含む基板処理システムに関する。いくつかの例において、本明細書に開示される配置および大きさの変動は、シャワーヘッドに起因する蒸着の変動を約50%まで減少させる。
【0023】
シャワーヘッドは、均一で制御された温度を維持するために、シャワーヘッドの中心部分を通して流路に熱伝導流体を供給することによって、均一な温度制御を提供する。また、シャワーヘッドは、基板を含むチャンバへの均一な前駆体ガス流供給を提供する。いくつかの例において、基板処理システムは、共形炭化物膜を蒸着するために使用することができるが、その他のタイプの膜を蒸着することもできる。
【0024】
ここで図1を参照すると、基板処理システム10は、上側チャンバ20および下側チャンバ30を備える。特定のタイプの基板処理システムが本明細書に図示および記載されているが、その他のタイプおよび/または配置が用いられてもよい。誘導結合プラズマが図示されているが、容量結合プラズマ、遠隔プラズマ源、または、その他の適切なプラズマ生成器など、他のタイプのプラズマ生成が用いられてもよい。
【0025】
いくつかの例において、上側チャンバ20は、ドーム形チャンバを含んでもよいが、その他のチャンバ形状を用いることもできる。基板支持体34は、下側チャンバ30内に配置されている。基板36は、基板処理中、基板支持体34上に配置される。シャワーヘッド40は、上側チャンバ20と下側チャンバ30との間に配置される。誘導コイル42は、上側チャンバ20の周りに配置されてもよい。シャワーヘッド40は、シャワーヘッドを冷却するための熱熱伝導プレナム(熱伝導プレナムの一例が図6に示されている)、および前駆体ガスを下側チャンバ30に供給するためのガスプレナム(ガスプレナムの一例が図7に示されている)を画定する。
【0026】
ガス供給システム50-1は、プラズマガスを含む処理ガス混合物を上側チャンバ20に供給するために用いられてもよい。ガス供給システム50-1は、1つ以上のガス源52-1、52-2、...、および52-Nと、バルブ54-1、...、および54-Nと、マスフローコントローラ(MFC)56-1、...、および56-Nと、マニホルド58と、を備えるが、その他のタイプのガス供給システムを用いることもできる(ここで、Nは整数)。ガス供給システム50-2は、前駆体ガスを含む処理ガス混合物をシャワーヘッド40に供給する。
【0027】
RFプラズマ生成器66は、RF源70および整合ネットワーク72を備える。RFプラズマ生成器66は、(プラズマガスが供給されている間に)誘導コイル42にRF電力を選択的に供給して、上側チャンバ20内にプラズマ62を生成する。
【0028】
熱制御システム86は、シャワーヘッド40の温度を制御するために、ガスまたは冷却液のような熱伝導流体をシャワーヘッド40に供給するために使用されてもよい。バルブ88およびポンプ90は、反応物質を排出するために使用されてもよい。
【0029】
コントローラ94は、必要に応じて上側チャンバ20およびシャワーヘッド40へ処理ガスを選択的に供給するために、ガス供給システム50-1および50-2と通信する。コントローラ94は、上側チャンバ20内でプラズマを生成および消火するために、RFプラズマ生成器66と通信する。
【0030】
コントローラ94は、熱伝導流体の流量および温度を制御するために、熱制御システム86と通信する。熱伝導流体は、シャワーヘッド40の温度を制御するために使用される。いくつかの例において、熱伝導流体は、水、エチレングリコールと混合した水、フッ化ペルフルオロポリエーテル流体またはその他の流体、ならびに/もしくは、1つ以上のガスを含んでもよい。いくつかの例において、熱制御システム86は、閉ループ制御システムを用いて、熱伝導流体の流量または温度を制御する。他の例において、熱制御システム86は、比例積分微分(PID)制御を用いて、流量および温度を制御する。熱伝導流体は、水循環システムから開ループシステムで提供されてもよい。いくつかの例において、熱伝導流体は、真空チャンバから密閉される。
【0031】
いくつかの例において、コントローラ94は、シャワーヘッド40の1つ以上の温度を検知するために、シャワーヘッド40に配置された1つ以上の温度センサ(図示せず)に接続されてもよい。いくつかの例において、コントローラ94は、処理チャンバ内の1つ以上の圧力を検知するために、シャワーヘッド40に配置された1つ以上の圧力センサ(図示せず)に接続されてもよい。コントローラ94は、上側および下側チャンバ20、30内の圧力を制御するため、および、そこから反応物質を選択的に排出するために、バルブ88およびポンプ90と通信する。
【0032】
ここで、図2および図3を参照すると、シャワーヘッド40の上面190および下面194の斜視図がそれぞれ示されている。シャワーヘッド40は、複数の貫通孔204を含むプラズマ対向面202を含む。いくつかの例において、プラズマ対向面202は円形であるが、他の形状を用いることもできる。いくつかの例において、プラズマ対向面202は約400mmの直径を有するが、他の直径が用いられてもよい。
【0033】
いくつかの例において、貫通孔204は、シャワーヘッド40の上面190からシャワーヘッドの下面194まで延在している。いくつかの例において、貫通孔204は、群208-1、208-2、...、および208-T(総称して貫通孔208の群)に配置されており、ここで、各群は、Rの貫通孔を含み、ここで、RおよびTは1より大きい整数である。他の例において、Rは1である。この例において、貫通孔208の各郡は、三角形の構成で配置された3個の貫通孔204を含むが、その他の形状および数の貫通孔を用いることができる。いくつかの例において、貫通孔208の群は、図4に最もよく見られる六角形のパターンで配置されている。三角形ベースのパターンでは、貫通孔は、半間隔の三角形のパターンで配置されてもよいし、または各インジェクタの周りに半径方向に配置されてもよい。別の例示的なパターンにおいて、貫通孔は、各インジェクタの周りに半径方向に配置されている(例えば、円形ベースのパターン)。
【0034】
前駆体ガスは、シャワーヘッド40の内部に配置されているガスプレナム(図示せず)に供給される。前駆体ガスは、複数のインジェクタ244を介してガスプレナムを出る。いくつかの例において、複数のインジェクタ244の各々は、制限オリフィスを備えている。いくつかの例において、貫通孔208の群の各々は、複数のインジェクタ244のうちの少なくとも1つを備える。群208のうちの所与の1個の各貫通孔204は、複数のインジェクタ244のうちの任意の他のものよりも、インジェクタ244のうちの関連する1個(すなわち、群208が周りに集まったインジェクタ)に近い。図3に示すように、ガスインジェクタノズル248は、インジェクタ244のそれぞれのインジェクタ上に配置されてもよい。ノズル248は、インジェクタ244から下方に延在している。ノズル248のうちのいくつかのみが例示目的のために示されているが、インジェクタ244の各々は、ノズル248のそれぞれのノズルを有していてもよい。
【0035】
シャワーヘッド40は、互いに接続されている複数の層で形成され得る。より多くの層が、さらなるプレナムを作成するために追加されてもよい。いくつかの例において、シャワーヘッド40は、複雑かつ独特な形状を合理的なコストで可能にするために、真空ろう付け、タングステン不活性ガス(TIG)溶接、または電子ビーム溶接を用いて製造され得る。真空ろう付け接合は、プレートに溝を切って各プレート間にろう付け層を設けた平坦なプレートとして、シャワーヘッドを機械加工することを可能にする。溶接技術は、密閉を必要とするすべての領域に溶接がアクセスするために、より複雑なサブ構成要素を必要とする。溶接がアクセス可能である部分の表面まで密閉領域を持ち上げるために、ポストおよび対応する孔が機械加工されてもよい。
【0036】
ここで、図4を参照すると、貫通孔204のうちの選択された貫通孔は、ラジカルの供給を変更/調整するために異なる大きさの直径を有する。A、BまたはCのいずれかのラベルが付されていない貫通孔204の各々は、公称タイプであり、以下にさらに説明する公称直径寸法を有する。タイプA、BまたはCとラベル付けされている貫通孔204は、以下にさらに説明するように、公称直径寸法とは異なる直径寸法を有する。
【0037】
いくつかの例において、タイプA、BおよびCについて、平均的大きさは、所定の比率(Davg_typeX)4/(Davg_nom)4=比率+/-0.01”(0.254mm)に従い、式中、Davg_typeXは、タイプX(本実施例ではAまたはBまたはCのいずれかであり得る)の平均直径であり、Davg_nomは、タイプ公称の平均直径である。いくつかの例において、タイプAの比率は、1.3~1.6の範囲にある。いくつかの例において、タイプBの比率は、0.8~1.0の範囲にある。いくつかの例において、タイプCの比率は、1.0~1.2の範囲にある。理解されるように、孔の大きさのその他の組み合わせは、全体的に見て同じシャワーヘッドの流量分布を達成することができる。前述の例では、円形のチャンバ内の三角形のパターンの方位角的な不均一性を補正している。また、孔の大きさの比率は、基板上の蒸着の半径方向の均一性を変化させるために、半径方向に変調され得る。例えば、シャワーヘッド40を介して2種以上の異なるガスを提供するように構成された基板処理システムの場合、前述のように異なるガスに対応する孔の大きさの比率を変調することにより、シャワーヘッドから流出するガスの量と処理チャンバに流入するガスの量との間の比率が変化する。このようにして、孔の大きさの比率は、特定の領域における反応物質の比率を変調し、ウエハ上の不均一性を修正するために調整され得る。いくつかの例において、インジェクタ244(および/またはそれぞれのノズル248)の直径は、同様の方法でガス流量比率を変調するように変更してもよい。しかしながら、インジェクタ244よりも貫通孔204の数がかなり多いので、貫通孔204の直径を変更することは、ガス流量比率のより細かい調節を容易にする。
【0038】
図4の例において、合計85個のインジェクタ244と、対応する数の貫通孔204の群が存在する。プラズマ対向面202の半径方向内側部分252に位置付けられた貫通孔204のいくつかは、タイプCである。プラズマ対向面202の半径方向外側部分254に位置付けられた貫通孔204のいくつかは、タイプAおよびタイプBである。いくつかの例において、貫通孔204のうちの9個は、タイプCであるように選択される。いくつかの例において、貫通孔204のうちの36個は、タイプBであるように選択される。いくつかの例において、貫通孔204のうちの6個は、タイプAであるように選択される。いくつかの例において、タイプBの貫通孔204の6個とタイプAの貫通孔1個とは、60度の扇形スライス250の各々に配置されている。
【0039】
ガスインジェクタは、中心のインジェクタ、およびその周りに繰り返されるパターンを有する円形のボアに配置されている。図4において、単一の中心の群256は、合計85個の群のために、それぞれの同心六角形領域内の6個の群、12個の群、18個の群、24個の群、および24個の群によって囲まれている。例えば、図4に示すように、群256は、第1の六角形領域258において、6個の三角形の群によって囲まれている。第2の六角形領域260は、12個の三角形の群を含む。第3の六角形領域262は、18個の三角形の群を含む。第4の六角形領域264および第5の六角形領域266は、24個の三角形の群を各々含む。ガスインジェクタの周りの貫通孔のパターンは、貫通孔の85個の群を含むが、パターンは、6個の増分で変更することができる(すなわち、各連続する周囲の領域が、隣接する内側の領域よりも6個多い群を有する6個の増加パターン)。代替パターンは、6個または8個の増加パターンを有する半径方向のパターンを含む。6個の増加パターンを有する半径方向のパターンは、61個、91個、127個、または169個のインジェクタを備える。8個の増加パターンを有する半径方向のパターンは、81個、121個、または169個のインジェクタを備える。いくつかの例において、公称タイプは、0.06”~0.40”(1.524mm~10.160mm)の寸法を有する。公称孔直径は、その他のチャンバ形状に支配されることなく貫通孔204で流量分布を制御することを可能にするために、流れ、ガス、および圧力状態に必要な圧力降下に依存してもよい。孔直径はまた、上側チャンバ20への前駆体ガスの逆拡散を防止するために、所望の流量、圧力、およびガス種に依存してもよい。
【0040】
図5は、本開示によるシャワーヘッド500の例示的な底面図である。この例において、貫通孔504は、それぞれのインジェクタ512の周りに集まった群508において三角形ベースのパターンで配置されている。中心の群516は、群508のうちの6個、群508のうちの12個、群508のうちの18個、群508のうちの24個、および群508のうちの24個の、連続した六角形のリングによってそれぞれ囲まれている。この例において、群508の最も外側の六角形リングはまた、インジェクタ512のそれぞれのインジェクタの周りに集まった群508のうちの特定の1つに関連付けられていないさらなる貫通孔540も含む。その代わりに、貫通孔540は、最も外側の六角形のリングの群508のパターン内の隙間に配置されている。群508は「リング」と呼ばれているが、図4に示されている方法と同様の連続した六角形のパターンで配置されている。
【0041】
図4に記載された例と同様に、貫通孔504および540のうちの選択された貫通孔は、図5に示すように、ラジカルの供給を変更/調整するために異なる大きさの直径を有する。この例において、A、B、C、D、E、F(図5のそれぞれの貫通孔を接続する外形A~Fのそれぞれの1つによって示されているように)、またはGのいずれかのラベルが付されていない貫通孔504および540の各々は公称タイプであり、以下にさらに説明される公称直径寸法を有する。タイプA、BまたはCとラベルが付されている貫通孔504または540は、以下にさらに説明するように、公称直径寸法とは異なる直径寸法を有する。
【0042】
いくつかの例において、タイプA、B、C、D、E、F、およびGについて、平均的大きさは、所定の比率(Davg_typeX)4/(Davg_nom)4=比率+/-0.01”に従い、式中、Davg_typeXは、タイプX(本実施例ではA、B、C、D、E、F、またはGのいずれかであり得る)の平均直径であり、Davg_nomは、タイプ公称の平均直径である。いくつかの例において、タイプAの比率は、1.3~1.6の範囲にある。いくつかの例において、タイプBの比率は、1.1~1.4の範囲にある。いくつかの例において、タイプCの比率は、1.1~1.4の範囲にある。いくつかの例において、タイプDの比率は、1.1~1.4の範囲にある。いくつかの例において、タイプEの比率は、1.2~1.5の範囲にある。いくつかの例において、タイプFの比率は、0.7~1.0の範囲にある。いくつかの例において、タイプGの比率は、0.7~1.0の範囲にある。
【0043】
理解されるように、孔の大きさのその他の組み合わせは、全体的に見て同じシャワーヘッドの流量分布を達成することができる。また、孔の大きさの比率は、基板上の蒸着の半径方向の均一性を変化させるために、半径方向に変調され得る。このようにして、孔の大きさの比率は、特定の領域における反応物の比率を変調し、ウエハ上の不均一性を修正するために調整され得る。
【0044】
図6A図6B、および図6Cは、本開示によるその他の例示的な孔パターンを示す。図6Aにおいて、貫通孔600は、それぞれのインジェクタ608の周りに集まる群604において三角形ベースのパターンで配置されている。中心の群612は、群604のうちの6個、12個、18個、24個、および30個を含む、連続した5個の円形領域によってそれぞれ囲まれている(すなわち、6個の増加パターン)。図6Bおよび図6Cの各々において、中心の群616は、群604のうちの6個、12個、18個、24個、および24個を含む、連続した5個の六角形領域によってそれぞれ囲まれている。
【0045】
図6A図6B、および図6Cに示す例において、貫通孔600のうちの選択された貫通孔の直径は、図4および図5Dに記載されたものと同様の方法でラジカルの供給を変更/調整するために、異なる大きさであってもよい。換言すれば、タイプXの貫通孔600のうちの選択された貫通孔は、貫通孔600の公称直径寸法とは異なる直径寸法を有する。例えば、貫通孔600のうちの選択された貫通孔は、所定の比率(Davg_typeX)4/(Davg_nom)4=比率+/-0.01”に従う平均的大きさを有し、式中、Davg_typeXは、タイプXの平均直径であり、Davg_nomは、タイプ公称の平均直径である。このようにして、孔の大きさの比率は、より詳細に前述したように特定の領域における反応物の比率を変調し、ウエハ上の不均一性を修正するために調整され得る。
【0046】
前述の説明は、本質的に例示的なものに過ぎず、本開示、その応用、または用途を限定することを意図するものではない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施され得る。したがって、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書、および以下の特許請求の範囲を研究すれば他の変更形態が明らかになるため、本開示の真の範囲は、それらの例には限定されるべきではない。方法内の1つ以上のステップは、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(または同時に)実行されてもよいことを理解されたい。さらに、実施形態の各々は、特定の特徴を有するものとして上述されているが、本開示の任意の実施形態に関して記載された特徴のうちの任意の1つ以上は、他の実施形態のいずれかの特徴に実装することができる、および/または組み合わせが明示的に記載されていなくても、他の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせることができる。換言すれば、記載されている実施形態は互いに排他的ではなく、1つ以上の実施形態を互いに置き換えることは本開示の範囲内にある。
【0047】
要素の間(例えば、モジュールの間、回路要素の間、半導体層の間など)の空間的関係および機能的関係性は、「接続される」、「係合される」、「結合される」、「隣接する」、「近接する」、「の上部に」、「上方に」、「下方に」、および「配置される」など、様々な用語を用いて記載されている。第1および第2の要素の間の関係性を本開示で記載するときに、「直接」であると明確に記載されていない限り、その関係性は、他に介在する要素が第1および第2の要素の間に存在しない直接的な関係性であり得るが、1つ以上の介在する要素が第1および第2の要素の間に(空間的または機能的に)存在する間接的な関係性でもあり得る。本明細書で用いられているように、A、B、およびCのうちの少なくとも1つという表現は、排他的ではない論理和ORを用いて、論理(AまたはBまたはC)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、およびCのうちの少なくとも1つ」という意味であると解釈されるべきではない。
【0048】
いくつかの実装形態において、コントローラは、システムの一部であり、システムは、上述の例の一部であってもよい。かかるシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、処理のための1つまたは複数のプラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハペデスタル、ガスフローシステムなど)を含む、半導体処理装置を備えることができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後に、システムの動作を制御するための電子機器と一体化されてもよい。電子機器は、「コントローラ」と呼ばれてもよく、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素または副部品を制御してもよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波(RF)生成器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置および動作設定、ならびに、ツールおよび他の移動ツールおよび/または特定のシステムと接続または結合されたロードロックの内外へのウエハ移動など、本明細書に開示されたプロセスのいずれかを制御するようプログラムされてもよい。
【0049】
概して、コントローラは、命令を受信する、命令を発行する、動作を制御する、洗浄動作を可能にする、エンドポイント測定を可能にすることなどを行う様々な集積回路、論理、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形態でコントローラに伝えられて、半導体ウエハに対するまたは半導体ウエハのための特定のプロセスを実行するための動作パラメータ、もしくは、システムへの動作パラメータを定義する命令であってもよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、プロセスエンジニアによって定義されたレシピの一部であってもよく、ウエハの1つ以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/またはダイの製造中に1つ以上の処理ステップを達成するためのものであってもよい。
【0050】
コントローラは、いくつかの実装形態において、システムと一体化されるか、システムに結合されるか、その他の方法でシステムとネットワーク化されるか、もしくはそれらの組み合わせで結合されたコンピュータの一部であってもよいし、かかるコンピュータに結合されてもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にできるファブホストコンピュータシステムの全部または一部であってもよい。コンピュータは、現在の処理のパラメータを変更する、現在の処理に従って処理ステップを設定する、または新たなプロセスを開始するために、システムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の現在の進捗を監視する、過去の製造動作の履歴を調べる、もしくは複数の製造動作からの傾向または性能指標を調べてもよい。いくつかの例において、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでもよいネットワークを介してシステムにプロセスレシピを提供することができる。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを備えてよく、次に、パラメータおよび/または設定は、リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例において、コントローラは、データの形式で命令を受信し、命令は、1つ以上の動作中に行われる処理ステップの各々のためのパラメータを指定する。パラメータは、行われるプロセスのタイプならびにコントローラがインターフェース接続するまたは制御するよう構成されたツールのタイプに固有であってよいことを理解されたい。したがって、上述のように、コントローラは、ネットワーク化され、本明細書に記載のプロセスおよび制御などの共通の目的に向けて動作する1つ以上の別個のコントローラを備えることなどによって分散されてもよい。かかる目的のための分散コントローラの例は、チャンバでのプロセスを制御するために協働するリモートに位置付けられた(プラットフォームレベルにある、またはリモートコンピュータの一部としてなど)1つ以上の集積回路と通信するチャンバ上の1つ以上の集積回路である。
【0051】
限定はしないが、システムの例は、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、蒸着チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属メッキチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層蒸着(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、ならびに、半導体ウエハの加工および/または製造に関連するかまたは用いられ得る任意のその他の半導体処理システムを含んでもよい。
【0052】
上述のように、ツールによって行われる1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、他のツール回路またはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近くのツール、工場の至る所に位置付けられたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、もしくは半導体製造工場内のツール位置および/またはロードポートに向かってまたはそこからウエハのコンテナを運ぶ材料輸送に用いられるツール、のうちの1つ以上と通信してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
【手続補正書】
【提出日】2024-09-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムのためのシャワーヘッドであって、
下面と、
面と、
前記下面と前記上面との間に画定されているガスプレナムと、
前記下面に分布されている複数のインジェクタであって、前記ガスプレナムと流体連通している複数のインジェクタと、
前記上面から前記下面に延伸する複数の貫通孔と、を備え、前記複数の貫通孔は、第1の複数の貫通孔および複数の公称貫通孔を含み、前記第1の複数の貫通孔の直径は、前記複数の公称貫通孔の直径とは異なり、前記複数の貫通孔は、前記上面の上方の空間および前記下面の下方の空間と流体連通し、
前記第1の複数の貫通孔は、第1の直径を有する1次型の貫通孔と、第2の直径を有する2次型の貫通孔とを含み、前記1次型の貫通孔の平均直径は、前記複数の公称貫通孔の平均直径に対する第1の所定比率を満たし、前記2次型の貫通孔の平均直径は、前記複数の公称貫通孔の前記平均直径に対する第2の所定比率を満たす、シャワーヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の複数の貫通孔は、さらに、第3の直径を有する3次型の貫通孔を含み、前記3次型の貫通孔の平均直径は、前記複数の公称貫通孔の前記平均直径に対する第3の所定比率を満たす、シャワーヘッド。
【請求項3】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、さらに、
前記下面から下方に延伸する複数のガスインジェクタノズルであって、ガスが前記複数のガスインジェクタノズルから前記シャワーヘッドの下方の空間に出るように、前記複数のインジェクタのそれぞれのインジェクタと位置合わせされてそこから延伸している、複数のガスインジェクタノズルを備える、シャワーヘッド。
【請求項4】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の複数の貫通孔の少なくともいくつかは、前記シャワーヘッドの中心から互いに対して異なる半径方向距離に設置されている、シャワーヘッド。
【請求項5】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記複数の貫通孔は、前記シャワーヘッドの前記下面に、前記複数のインジェクタのそれぞれのインジェクタの周りに分布されている前記貫通孔のうちの2個以上を各々備える別々の複数の群をなして配置されている、シャワーヘッド。
【請求項6】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の所定比率は、1.3~1.6である、シャワーヘッド。
【請求項7】
請求項6に記載のシャワーヘッドであって、
前記第2の所定比率は、0.8~1.0である、シャワーヘッド。
【請求項8】
請求項7に記載のシャワーヘッドであって、
前記第3の所定比率は、1.0~1.2である、シャワーヘッド。
【請求項9】
請求項6に記載のシャワーヘッドであって、
前記第2の所定比率は、1.1~1.4である、シャワーヘッド。
【請求項10】
請求項9に記載のシャワーヘッドであって、
前記第3の所定比率は、1.1~1.4である、シャワーヘッド。
【請求項11】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記1次型の貫通孔は、前記シャワーヘッドの半径方向内側部分に配置され、前記2次型の貫通孔は、前記シャワーヘッドの半径方向外側部分に配置されている、シャワーヘッド。
【請求項12】
請求項11に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の複数の貫通孔は、さらに、第3の直径を有する3次型の貫通孔を含み、前記3次型の貫通孔は、前記シャワーヘッドの前記半径方向外側部分に配置されている、シャワーヘッド。
【請求項13】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記群の各々における前記複数の貫通孔は、前記複数のインジェクタの任意の他のものよりも、前記複数のインジェクタの前記それぞれのインジェクタに近く、前記別々の複数の群のいくつかにおける前記複数の貫通孔の各々は、同じ直径を有し、前記別々の複数の群の他のものにおける複数の貫通孔は、異なる直径を有する、シャワーヘッド。
【請求項14】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記複数の貫通孔は、貫通孔の少なくとも1個の中心の群と、前記少なくとも1個の中心の群の周りに第1の六角形のパターンで配置されている前記貫通孔の第1の複数の群とを含む、シャワーヘッド。
【請求項15】
請求項に記載のシャワーヘッドであって、さらに、
前記第1の複数の群の周りに、第2の六角形のパターンで配置されている前記貫通孔の第2の複数の群を含む、シャワーヘッド。
【請求項16】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記複数の貫通孔は、前記複数の貫通孔の少なくとも1個の中心の群と、前記少なくとも1個の中心の群の周りに第1の円形パターンで配置された前記貫通孔の第1の複数の群とを含む、シャワーヘッド。
【請求項17】
請求項16に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の複数の群の周りに、第2の円形パターンで配置されている前記貫通孔の少なくとも1個の第2の複数の群をさらに備える、シャワーヘッド。
【請求項18】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記複数の貫通孔は、前記貫通孔の複数の群を備え、前記貫通孔の前記複数の群は、少なくとも1個の中心の群を備え、前記複数の群のうちの残りの群は、少なくとも1個の中心の群の周りの連続する半径方向領域に配置され、前記連続する半径方向領域の各々は、前記連続する半径方向領域の内側に隣接する領域に対する6個の群の増加を含む、シャワーヘッド。
【請求項19】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、前記複数の貫通孔は、前記貫通孔の複数の群を備え、前記貫通孔の複数の群は、少なくとも1個の中心の群を備え、前記複数の群のうちの残りの群は、前記少なくとも1個の中心の群の周りの連続する半径方向領域に配置され、前記連続する半径方向領域の各々は、前記連続する半径方向領域の内側に隣接する領域に対する8個の群の増加を含む、シャワーヘッド。
【請求項20】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、前記複数の貫通孔は、85個の群の前記貫通孔を備える、シャワーヘッド。
【外国語明細書】