(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016088
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】固体原料昇華器
(51)【国際特許分類】
C23C 16/448 20060101AFI20240130BHJP
B01J 7/00 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
C23C16/448
B01J7/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023183693
(22)【出願日】2023-10-26
(62)【分割の表示】P 2019148508の分割
【原出願日】2019-08-13
(31)【優先権主張番号】62/719,027
(32)【優先日】2018-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100118256
【弁理士】
【氏名又は名称】小野寺 隆
(72)【発明者】
【氏名】シェロ エリック ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト カール ルイス
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルギーズ モヒース イー.
(72)【発明者】
【氏名】フォンドゥルリア カイル
(72)【発明者】
【氏名】スリヴァン ティモシー ジェームズ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】固体原料化学物質昇華器を提供する。
【解決手段】固体原料化学物質昇華器300は、中に固体化学反応物質を保持するように構成されるハウジング310を備えることができる。ハウジング310の近位部上に蓋306を配置してもよい。蓋306は、流体入口384および流体出口388を備えることができ、蓋306の遠位部内に蛇行流路374を画定することができる。蛇行流路374内にガスが流れるように蓋306を構成することができる。固体原料化学物質昇華器300は、蛇行流路374とハウジング310の遠位部との間に配置されるフィルター396を備えることができる。フィルター396は、固体化学反応物質の通過を制限するように構成される空隙を有することができる。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体原料化学物質昇華器であって、
近位部と遠位部とを備えるハウジングであって、前記ハウジングは、前記ハウジングの長さに沿って延在するハウジング軸を有し、前記遠位部は、その中に固体化学反応物質を保持するように構成される、ハウジングと、
前記ハウジングの前記近位部に配置される蓋であって、前記蓋は流体入口と流体出口とを備え、前記蓋は前記蓋の遠位部内に蛇行流路を画定し、前記蓋は前記流路内にガスが流れるように構成され、前記ハウジング軸は前記蓋の平面に垂直である、蓋と、
前記蛇行流路と前記ハウジングの前記遠位部との間に配置されるフィルターであって、前記フィルターは、固体化学反応物質の通過を制限するように構成される空隙を有する、フィルターと、を備える、固体原料化学物質昇華器。
【請求項2】
前記遠位部は、
前記ハウジング軸に沿う熱伝導性導管と、
二つ以上の熱伝導性突出部と、を備え、前記伝導性突出部は、前記伝導性導管と熱的に連通し、前記伝導性導管の周りに放射状に配置され、これにより、前記ハウジングの前記遠位部は、固体化学反応物質を保持し、前記伝導性突出部がその間に配置されるように構成され、
前記伝導性導管は、熱源と伝導性熱的に連通して配置されるように構成される、請求項1に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項3】
前記二つ以上の伝導性突出部は、少なくとも六つの伝導性突出部を備える、請求項2に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項4】
前記ハウジングは円筒形状であり、前記フィルターは円形である、請求項1に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項5】
前記フィルターは、前記蓋の流体入口と流体連通する入口を備え、前記フィルターの前記入口は、固体化学反応物質がそこを通って前記ハウジング内に入ることができるように構成される、請求項1に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項6】
前記蓋の遠位の対向部は、前記フィルターの近位面に接触し、前記ハウジングの前記近位部は、前記フィルターの遠位表面に接触する、請求項1に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項7】
前記フィルターはセラミックまたは金属のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項8】
前記フィルターは厚さの直径に対するアスペクト比が約25~1000であるディスクを備える、請求項1に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項9】
前記流体入口および流体出口はそれぞれ前記流路と流体連通している、請求項1に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項10】
前記二つ以上の伝導性突出部は、前記ハウジングの前記遠位部と熱的に連通している、請求項2に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項11】
一つまたは複数の発熱体は、前記ハウジングと熱接触して配置される加熱プレートを備える、請求項10に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項12】
前記入口、前記出口、またはその両方は、流体が通過できるように構成される対応する弁を備える、請求項1に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項13】
前記入口、前記出口、またはその両方は、微粒子が通る流れを制限するように構成される対応するフィルターを備える、請求項1に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項14】
前記蓋の面は前記流路を備え、前記面は円形である、請求項1に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項15】
前記二つ以上の伝導性突出部は、前記ハウジングの前記遠位部から延在する、請求項2に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項16】
前記二つ以上の伝導性突出部は、前記ハウジング軸から放射状に間隔を空けている、請求項15に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項17】
前記二つ以上の伝導性突出部は、前記ハウジングの前記遠位部から軸方向に延在する、請求項15に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項18】
前記ハウジングの前記遠位部に配置されるレゾネーターを更に備え、前記レゾネーターは前記ハウジング軸の周りに放射状に配置される延長部を備え、前記レゾネーターは前記ハウジング内の固体化学反応物質を撹拌するように構成される、請求項1に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項19】
前記流路は、平面内に複数の逆平行セグメントを備える、請求項1に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項20】
前記フィルターは、前記流体出口と前記ハウジングの前記遠位部との間に配置される、請求項1に記載の固体原料化学物質昇華器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「SOLID SOURCE SUBLIMATOR(固体原料昇華器)」と題する2018年8月16日に出願された米国仮出願第62/719,027号に基づく優先権の利益を主張するもので、当該出願の全内容は引用することにより本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
典型的な固体または液体原料反応物質供給システムは、固体または液体原料容器および加熱手段を含む。容器は、気化される化学反応物質を含むことができる。キャリアガスは、容器の出口を通って、最終的に基材反応チャンバーへ反応物質の蒸気を一緒に押し流す。通常、一つの隔離弁が容器の入口の上流に設けられ、別の隔離弁が容器の出口の下流に設けられる。
【0003】
本出願は、概ね、半導体処理装置を含むシステムおよび方法に関し、具体的には、化学蒸気供給用の蒸発システムに関する。
【発明の概要】
【0004】
固体原料化学物質昇華器のいくつかの実施形態は、その中に固体化学反応物質を保持するように構成されるハウジングを備えることができる。ハウジングは、近位部および遠位部を備えることができ、ハウジングの長さに沿って延在するハウジング軸を有することができる。ハウジングの近位部上に蓋を配置してもよい。蓋は、流体入口および流体出口を備えることができ、蓋の遠位部内に蛇行流路を画定することができる。流路内にガスが流れるように蓋を構成することができる。固体原料化学物質昇華器は、蛇行流路とハウジングの遠位部との間に配置されるフィルターを備えることができる。フィルターは、固体化学反応物質の通過を制限するように構成される空隙を有することができる。
【0005】
本明細書で説明される主題の一つまたは複数の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。他の特徴、態様、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。この発明の概要も以下の詳細な説明も、本発明の主題の範囲を定義または制限することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示のこれらの態様および他の態様は、以下の説明、添付の特許請求の範囲を考慮すれば、および本発明を例示するものであり限定するものではない図面から、当業者には容易に明らかになるであろう。
【0007】
【
図1】
図1は、いくつかの実施形態において化学物質気化器として使用できる固体原料化学物質昇華器である。
【
図2】
図2は、いくつかの実施形態の固体原料化学物質昇華器の別の例である。
【
図3】
図3Aは、いくつかの実施形態の例示的なハウジングの上面斜視図である。
図3Bは、ハウジングの内部の拡大図であり、いくつかの実施形態の流路および横断凹部を示している。
【
図4】
図4は、いくつかの実施形態の固体原料化学物質昇華器の外観の例である。
【
図5】
図5は、いくつかの実施形態の例示的なフィルターフレームである。
【
図6】
図6は、
図5のフィルターフレームの底面斜視図である。
【
図7】
図7は、昇華器軸を有するフィルターフレームの側面図である。
【
図9】
図9は、フィルターインサートの上面図である。
【
図12】
図12は、いくつかの実施形態による、ハウジング、蓋、導管、一つまたは複数の伝導性突出部、および基部を備える例示的な固体原料化学物質昇華器の断面図である。
【
図13】
図13Aは、いくつかの実施形態による固体原料化学物質昇華器に備えることができる例示的な蓋である。
図13Bは、いくつかの実施形態による例示的な固体原料化学物質昇華器の断面詳細図である。
【
図14】
図14は、複数の伝導性突出部を示す例示的な固体原料化学物質昇華器である。
【
図15】
図15は、いくつかの実施形態による、導管、伝導性突出部、および基部がどのように組み立てられているかを示す。
【
図16】
図16は、いくつかの実施形態による複数のレゾネーターを有する例示的な固体原料化学物質昇華器の一態様である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で提供される見出しがある場合、便宜上のものであり、請求項に係わる発明の範囲または意味に必ずしも影響を与えない。本明細書では、高容量堆積モジュール内に気化または昇華した反応物質を供給するためのシステムおよび関連する方法について説明する。
【0009】
以下の詳細な説明は、特許請求の範囲の理解を助けるために特定の実施形態を詳述している。しかし、特許請求の範囲によって定義され、適用を受けるように、多数の異なる実施形態および方法で本発明を実施することができる。
【0010】
化学反応物質または固体原料供給システムは、固体または液体原料容器および加熱手段(例えば、ヒーター、例えば、放射加熱ランプ、抵抗ヒーター等)を備えることができる。容器は、(例えば、粉末形態の)固体または液体原料前駆体を含む。ヒーターは容器を加熱し、容器内の反応物質を蒸発させる。容器は、容器を通るキャリアガス(例えば、N2)の流れのための入口および出口を有することができる。キャリアガスは不活性であってもよい。一般的に、キャリアガスは容器の出口を通って、最終的に基材反応チャンバーへ反応物質の蒸気(例えば、昇華した化学反応物質)を一緒に押し流す。典型的に、容器は容器の内容物を容器の外部から流体的に隔離するための隔離弁を備える。一つの隔離弁を容器の入口の上流に設け、別の隔離弁を容器の出口の下流に設けることができる。いくつかの実施形態の原料容器は、昇華器を備える、それ自体から本質的になる、またはそれ自体からなる。つまり、本明細書で「原料容器」が言及される場合は常に、昇華器(例えば、「固体原料化学物質昇華器」)も明確に意図される。
【0011】
化学気相堆積(CVD)は、基材、例えばシリコンウェーハ上に材料の薄膜を形成するための半導体産業における既知のプロセスである。CVDでは、異なる反応物質の化学物質の(「前駆体ガス」を含む)反応物質の蒸気が反応チャンバー内の一つまたは複数の基材に供給される。多くの場合、反応チャンバーは、基材ホルダー(例えば、サセプター)上に支持される単一の基材のみを備え、基材および基材ホルダーは所望のプロセス温度に維持される。典型的なCVDプロセスでは、相互反応性の反応物質の蒸気が互いに反応して基材上に薄膜を形成し、成長速度は温度と反応物質ガスの量に関係する。いくつかの変形例では、堆積反応物質を駆動するエネルギーは、全体または一部がプラズマによって供給される。
【0012】
いくつかの用途では、反応物質ガスは反応物質原料容器に気体の形態で保存される。このような用途では、反応物質は多くの場合、約1気圧および室温の標準圧力および温度で気体である。このようなガスの例としては、窒素、酸素、水素、およびアンモニアが挙げられる。ただし、場合によっては、標準圧力および温度で液体または固体(例えば、塩化ハフニウム、酸化ハフニウム、二酸化ジルコニウム等)である原料化学物質(「前駆体」)の蒸気が使用される。(本明細書で「固体原料前駆体」、「固体化学反応物質」、または「固体反応物質」と呼ばれる)一部の固体物質の場合、室温での蒸気圧は非常に低いため、通常は非常に低い圧力で加熱および/または保持され反応プロセスに十分な量の反応物質の蒸気を生成する。気化(例えば昇華)した後、弁、フィルター、導管、および気相反応物質の反応チャンバーへの供給に関連するその他の構成要素において望ましくない凝縮を防ぐために、気相反応物質を処理システム全体にわたって気化温度以上に保持することが重要である。このような天然の固体または液体物質からの気相反応物質は、様々な他の産業における化学反応に有用である。
【0013】
原子層堆積(ALD)は、基材上に薄膜を形成する別の既知のプロセスである。多くの用途では、ALDは上記のように固体および/または液体原料化学物質を使用する。ALDは、サイクルで実行される自己飽和反応によって膜を堆積させる蒸着の一種である。膜の厚さは、実行されるサイクルの数によって決定される。ALDプロセスでは、ガス状反応物質が順番におよび/または繰り返して基材またはウェーハに供給され、ウェーハ上に材料の薄膜が形成する。一つの反応物質は、ウェーハ上で自己制御的プロセスにより吸着する。続いて異なるパルス状の反応物質が吸着された材料と反応して、所望の材料の単一分子層を形成する。分解は、吸着種間での、および配位子交換またはゲッタリング反応などで適切に選択された試薬との、相互反応によって発生する場合がある。一部のALD反応では、サイクルごとに僅か1分子の単分子層が形成される。より厚い膜は、目標の厚さが達成されるまで繰り返し成長サイクルを経て生成される。
【0014】
いくつかのALD反応では、互いに反応性の反応物質は、異なる反応物質へ基材を暴露する間に除去プロセスを介在させることにより、気相で別々に保持される。例えば、時分割ALDプロセスでは、反応物質がパルスで固定基材に供給され、通常はパージまたは排気フェーズにより分離される。空間分割ALDプロセスでは、基材は異なる反応物質の区域を移動する。一部のプロセスでは、空間分割ALDと時分割ALDの両方の態様を組み合わせることができる。当業者は、いくつかの変形またはハイブリッドプロセスが、通常のALDパラメータウィンドウ外の堆積条件の選択すること、および/または基材への暴露中に互いに反応性の反応物質間である程度の重なり合いを可能にすること、のいずれかにより、程度のCVDのような反応を可能にすることを理解するであろう。
【0015】
反応物質原料容器には、通常、入口および出口から延在するガスライン、ライン上の隔離弁、およびバルブ上のフィッティングが付属し、フィッティングは残りの基材処理装置のガスフローラインに連結するように構成されている。多くの場合、反応物質原料容器と反応チャンバーとの間の様々なバルブおよびガスフローラインを加熱するためにいくつかの追加ヒーターを設けて、反応物質の蒸気がこのような構成要素上に凝縮して堆積するのを防ぐことが望ましい。したがって、原料容器と反応チャンバーとの間のガス輸送構成要素は、温度が反応物質の気化/凝縮/昇華温度より高く保持される「ホットゾーン」と呼ばれることもある。
【0016】
図1は、いくつかの実施形態で化学物質気化器として使用できる固体原料化学物質昇華器100を示す。昇華器は、化学反応物質、例えば固体または液体原料前駆体を含むことができる。「固体原料前駆体」は、本開示を考慮して、当技術分野における慣習的かつ通常の意味を有する。これは、標準的な条件(即ち、室温および大気圧)下で固体である原料化学物質を指す。いくつかの実施形態では、固体原料化学物質昇華器100は、基部140、フィルターフレーム120、フィルター130、およびハウジング110を備えることができる。固体原料化学物質昇華器100は、昇華器軸104を画定することができる。フィルター130は、フィルターを通る化学反応物質の通過(または移動)を制限するように構成される空隙を有することができる。本明細書に記載のように、
図1は、固体原料化学物質昇華器100が含むことができる要素の数を制限するものとみなされるべきではない。いくつかの実施形態では、ハウジング110は、基部140に機械的に取り付けられるように構成される。これは、取付け手段(例えば、ボルト、ネジ等)のうちの一つまたは複数を使用して実行されることができる。特定の実施形態では、ハウジング110および基部140は、気密式で機械的に取り付けられる。いくつかの実施形態では、固体原料化学物質昇華器100は、フィルターフレーム120およびフィルター130を備えるが、基部140を備えない(例えば、フィルターフレーム120は、フィルター130を支持し、フィルターによって取り囲まれていない内部114の表面上に格納容器を設けることができる)。いくつかの実施形態では、基部140は、フィルターフレーム120に一体化されている。いくつかの実施形態では、基部140は、フィルターフレーム120上に着脱可能に固定されている。
【0017】
特定の構成では、基部140は、固体原料化学物質を保持するように構成されている。基部140は、化学反応物質を保持するための実質的に平坦面を備えてもよいが、他の形状および変形が可能である。本明細書でより詳細に説明するように、フィルターフレーム120は、キャリアガスがそれを通って通過できるように構成されることができる。いくつかの実施形態では、示すように、フィルターフレーム120はフィルター130に隣接して配置される。特定の構成では、隣接は物理的に接触していることを含む。固体原料化学物質昇華器100は、内部114、例えばフィルター130の壁の内側間の空間、およびハウジング110の天井と基部140の床との間の空間を画定することができる。いくつかの実施形態では、内部115は、化学反応物質、例えば固体原料化学物質を含むように構成される。固体原料化学物質昇華器100またはその一部、例えばフィルターフレーム120およびフィルター130を、様々な方法で形成することができる。例えば、固体原料化学物質昇華器100は、互いに積み重ねられおよび/または取り付けられた二つ以上の側部を備えることができる。別の構成では、フィルター130は、フィルターフレーム120の内側に収まることができる(例えば、スナップフィット、スライドフィット、フリクションフィット等)。いくつかの実施形態では、フィルターフレーム120は、フィルター130の外面の少なくとも一部に隣接して配置されることができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、固体原料化学物質昇華器100のアセンブリの高さは、約25cm~120cmの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、高さは約50cm~100cmの範囲とすることができ、いくつかの実施形態では約60cm(約24インチ)である。いくつかの実施形態では、固体原料化学物質昇華器100の幅(例えば、直径)は、約20cm~50cmの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、固体原料化学物質昇華器100の幅は約30cm~40cmの範囲とすることができ、特定の実施形態では約38cm(約15インチ)である。いくつかの実施形態では、容器104は、約1~4の範囲の高さ:直径のアスペクト比を有することができる。いくつかの実施形態では、容器は円柱に近い形状であるが、別の形状も可能である。つまり、いくつかの実施形態では、ハウジング110は、円筒形状を備える、それ自体から本質的になる、またはそれ自体からなる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の様々な実施形態における(未充填の)固体原料化学物質昇華器100の質量は、約10kg~50kgの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、充填された固体原料化学物質昇華器100の質量は、約35kg~85kgの範囲とすることができる。容器の質量が小さいほどより容易に輸送することができるが、質量が大きいほど反応物質の体積が増え、補充がより少なくて済む。
【0019】
図2は、いくつかの実施形態の別の例示的な固体原料化学物質昇華器100を示す。示すように、固体原料化学物質昇華器100は、ハウジング110に補充開口部154を備えることができ、それを通して化学反応物質(例えば、固体前駆体)を固体原料化学物質昇華器100の中に配置することができる。ハウジング110は、(示すような)別個の蓋および側壁を備える、または単一の構造体から形成されることができる。蓋は、円筒形状を備えてもよい。いくつかの実施形態では、ハウジングの蓋および基部140は、本明細書に記載の場合を除き、ガスが容器104に実質的に流入および/または流出できないように流体密封される。化学反応物質を固体原料化学物質昇華器100の内部114に収容することができる。示すように、いくつかの実施形態では、固体原料化学物質昇華器100は、対応する加熱ロッド162を受け入れるように構成されることができる受け部158を備えることができる。他の発熱体、例えば本明細書に記載されているものを備えることができる。加熱ロッド162を備える発熱体は、内部114が本明細書でより詳細に説明される作動温度に到達できるように構成されることができる。いくつかの実施形態では、本明細書でより詳細に説明するように、一つまたは複数のコントローラ(図示せず)を備え、ALDを実行するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、一つまたは複数のコントローラはALDを実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリーを備える。一つまたは複数のコントローラは、堆積モジュール内の全てのヒーター、ポンプ、圧力制御用のポンプへの弁、基材処理用のロボット制御装置、ならびに/または固体原料化学物質昇華器100へのキャリア流およびそれ自体からの蒸気流を含む蒸気の流れを制御する弁を制御するように構成されることができる。
【0020】
例示される固体原料化学物質昇華器100および全ての取り付けられる堆積モジュールは、一つまたは複数の気相反応チャンバー内で使用される気相反応物質を供給するのに特に適している。気相反応物質を、化学堆積(CVD)または原子層堆積(ALD)に使用することができる。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読媒体に格納される制御プロセッサおよびプログラミングが含まれ、本明細書で開示される実施形態がALDを実行するように構成される。特定の実施形態では、コンピュータ可読媒体に格納される制御プロセッサおよびプログラミングが含まれ、本明細書で開示される実施形態がCVDを実行するように構成される。
【0021】
キャリアガスの流入は、固体原料化学物質昇華器100の一端、例えば例示された実施形態の底部近傍で生じることができる。固体原料化学物質昇華器100内へのキャリアガスの流れは、フィルターフレーム120の(図示されない)一つまたは複数の入口に存在することができる。フィルターフレーム120は、キャリアガスの流れを誘導するためのチャネル(例えば、凹部、突出部)またはその一部を備えることができる。キャリアガスの流量は、(図示されていない)関連する一つまたは複数の入口バルブを開閉することによって制御されることができる。入口は、固体原料化学物質昇華器100の底部もしくはその近傍、または固体原料化学物質昇華器100の上部もしくはその近傍にあってもよい。出口は、固体原料化学物質昇華器100の反対側に配置されてもよい。例えば、出口は、固体原料化学物質昇華器100の上部に配置されてもよい。しかし、別の構成も可能である。例えば、出口は固体原料化学物質昇華器100の底部もしくはその近傍に配置されてもよく、および/または出口は入口と同じ端部またはその近傍に配置されてもよい。入口および出口を、本明細書に記載の流路が入口と出口の間に配置されるように配置することができる。
【0022】
フィルターフレーム120は、フィルターフレーム120内に機械加工された(例えば、圧延され、形成された)流路を備えることができる。流路150は、(図示のように)凹部または突出部を備えることができる。追加的または代替的に、ハウジング110は、(図示のように)ハウジング凹部またはハウジング隆起部112を備えることができる。このようなハウジング隆起部112により、ハウジング110とフィルターフレーム120との間でより良好に構造的に嵌合するが、ハウジング隆起部112は、追加的または代替的に、流路150に構造的境界をもたらすことができる。流路150は、(図示のように)流路150内におよび/またはハウジング110内に形成されてもよい。
【0023】
例えば、流体(例えば、キャリアガス)は、固体原料化学物質昇華器100の端部(例えば底部)に挿入され、フィルターフレーム120内の流路150を通過することができる。流路150は、フィルターフレーム120の外部に沿って延在してもよい。追加的または代替的に、フィルターフレーム120は、ハウジング110の内面に沿って配置されてもよい。いくつかの実施形態では、流路150は、フィルターフレーム120の周りを周方向に延在する。フィルターフレーム120は、図示のように、垂直に積み重ねられた一つまたは複数のリング経路を備えてもよい。このような実施形態では、(
図2には示されていない)一つまたは複数の横断凹部または経路により、各リング経路間で流体の流れが可能になる。各リング経路は地表面および/または基部140に平行であるため、各リング経路のピッチはゼロであると言うことができる。したがって、例えば、流体の流れは、フィルターフレーム120の外部に沿って生じることができるが、流体は一般的に昇華器軸104の方向に上向きに流れることができる。したがって、流体の流れは、横断経路に到達する前に、フィルターフレーム120のほぼ周囲長(例えば、各レベルの経路(例えば、リング経路)で周囲長の約半分)になることができる。経路の層の数は、約12~45の範囲とすることができ、いくつかの実施形態では、数は約23である。
【0024】
いくつかの実施形態では、経路は、ゼロより大きい実質的に一定のピッチを有する連続経路を備える。したがって、このような実施形態では、流路150は、流れの方向に対して連続的に(例えば上向きに)傾斜する入口と出口との間の単一の経路を備えることができる。流れの方向に対する傾斜は上向きでも下向きでもよい。
【0025】
より長い経路長により、昇華した固体原料化学物質のガス曝露の時間の長さを増加できることが理解されよう。流路150は、合わせて、約500cm~2500cmの範囲の全長を有することができる。いくつかの実施形態では、全長は約750cm~1800cmの範囲であり、例示的実施形態では約1400cm(3556インチ)である。
【0026】
化学反応物質(例えば、昇華しない反応物質)の通過がフィルター130を通過するのを制限、減速、低減、抑制、または更に防止するために、内部114とフィルターフレーム120の間にフィルター130を備えることができる。このようにして、固体反応物質が(例えば、輸送中に)誤って流路150に入るのを防ぐことができる。フィルター130は、セラミック材料(例えば、セラミックフィルター媒体)もしくは金属メッシュ、またはこれらの組み合わせを備える、本質的にそれらからなる、もしくはそれらからなることができる。金属メッシュは、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、または別の耐久性のある金属を含んでもよい。同様に、いくつかの実施形態では、(例えば、蓋を含む)ハウジング110および/または基部140のうちの一つまたは複数は、金属を含む、本質的にそれ自体からなる、またはそれ自体からなることができる。いくつかの実施形態では、ハウジング110、ハウジング蓋113、および/または基部140はそれぞれ一体構造の金属部品であることができる。フィルター130の空隙は、内部114から流路150への化学反応物質の通過を、キャリアガスによる流路内の化学反応物質の昇華速度よりも実質的に大きくない移動速度に制限するように構成されることができる。したがって、フィルター130は、昇華した前駆体でキャリアガスの飽和速度を改善することができる昇華した反応物質の流れを促進することができる。フィルター材料は、特定のサイズ、例えば約0.003μmよりも大きい粒子の通過を制限するように構成されることができる。材料は、ガスまたは液体フィルターに通常組み込まれる様々な異なる材料、例えばニッケル繊維媒体、ステンレス鋼、セラミック(例えばアルミナ)、石英、または列挙された材料の二つ以上、のいずれかを含むことができる。本明細書でより詳細に説明するように、固体原料化学物質昇華器100は、キャリアガスと大量の固体反応物質との接触を可能にする細長い経路を備えることができる。いくつかの実施形態では、内部114から流路150への化学反応物質の移動速度は化学反応物質が流路150内のキャリアガスによって昇華される速度を実質的に超えないように、フィルター130の空隙は、内部114から流路150への化学反応物質の移動を制限する。内部114から流路150への化学反応物質の移動速度は、化学反応物質の量の時間に対する比(例えば、モル/秒、g/分等)として表すことができること、および化学反応物質が流路内で昇華する速度はまた、化学反応物質の量の時間に対する比(例:モル/秒、g/分等)として表すことができることが理解されよう。したがって、内部114から流路150への化学反応物質の移動速度と、流路150内の化学反応物質の昇華速度との比較は、効率的に比較することができるように(それらがまだ同じ単位でないなら)同じ単位に容易に変換できることが理解されるであろう、いくつかの実施形態では、内部114から流路150への化学反応物質の移動速度は、例えば、流路上の化学反応物質の昇華速度と実質的に同じである。この文脈における「実質的に」は、本開示を考慮して当業者によって理解されるように、通常の慣習的な意味を有する。例えば、(フィルターを通過する移動速度が昇華速度よりも十分に大きい場合に生じる場合がある)反応物質による流路150の詰まりを避けるために、そして反応物質を保持するように構成される流路の表面領域の大部分で連続的に昇華するように、あまり変わらない二つの速度に言及することができる。「実質的に」のより高い数値精度が望まれる場合、いくつかの実施形態では、移動速度は、例えば昇華速度の±30%、±25%、±20%、±15%、±10%、または±5%以内とすることができる。
【0027】
流路150を通過する流体(例えば、キャリアガスおよび/または反応物質ガス)は、別の流量制御装置(例えば、弁)および/または一つまたは複数の堆積チャンバーにつながることができる(図示しない)一つまたは複数の出口点または出口で固体原料化学物質昇華器100から出ることができる。そして、固体原料化学物質昇華器100からの流出物は、キャリアガスと、固体原料化学物質昇華器100の内部から気化した反応物質ガスとを含む。いくつかの実施形態では、内部114は、化学反応物質で満たされた後、ヘッドスペースを含むように構成される。ヘッドスペースは、流路150、ならびに/または(図示されない)入口および出口と流体連通することができ、ヘッドスペース内の流体(例えば、キャリアガス)による化学反応物質の昇華のために構成されることができる。したがって、ヘッドスペースはフェールセーフを提供できるため、フィルター130が詰まった場合、あるいは化学反応物質を流路150に運ぶことができない場合、化学反応物が昇華し続けることができる。例えば、ヘッドスペースは、流路150と流体連通することができ、流体連通はフィルター130を横断しないため、フィルターが詰まった場合、あるいは化学反応物質を流路150に運ぶことができない場合でも、流路への化学反応物質の昇華が可能となる。
【0028】
気化した前駆体のキャリアガスとして、非活性または不活性ガスを用いることが好ましい。不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等)は、(図示されていない)一つまたは複数の昇華器入口を通って固体原料化学物質昇華器100に供給されてもよい。いくつかの実施形態では、様々なプロセスおよび本明細書に記載の様々なシステムに異なる不活性ガスを用いることができる。図示されていない別の弁および/または他の流体制御要素を備えることができることが理解されよう。例えば、入口弁に加えて、個別の出口弁も設けることができる。
【0029】
図示されていない別の弁および/または他の流体要素を備えることができることが理解されよう。特定の構成では図示されていない別の弁および他の流体要素を備えることができる。システムの流体に関する別の情報は、2007年10月10日に出願され、「PRECURSOR DELIVERY SYSTEM」と題する米国特許第8,137,462号に記載され、当該出願の全内容は、あらゆる目的のために引用することにより本明細書に組み込まれている。
【0030】
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態は、基材表面に適用される前処理プロセスを含んでもよい。前処理は一つまたは複数のプロセスを含んでもよい。前処理において、(例えば、金属を含む)第一の反応物質を堆積させる基材表面は、一つまたは複数の前処理反応物質および/または特定の条件、例えば温度もしくは圧力に曝されてもよい。前処理は、基材表面の洗浄すること、不純物を除去すること、自然酸化物を除去すること、および/または後続の堆積反応または吸着を促進する望ましい表面終端をもたらすことを含む様々な理由で使用されてもよい。いくつかの実施形態では、前処理は、基材表面を一つまたは複数の前処理反応物質、例えば酸化原料および/または洗浄反応物質、例えばH2O、O3、HCl、HBr、Cl2、HF、プラズマ生成物等に曝すことを含む。いくつかの実施形態では、前処理プロセスは、好適な化学物質を基材へ一回または複数回の曝露することを含み、曝露は約0.05秒~約600秒、好ましくは約0.1秒~約60秒の範囲である。いくつかの実施形態では、前処理プロセス中の圧力は、約0.01Torr~約100Torr、好ましくは約0.1Torr~約10Torrに維持される。いくつかの実施形態では、複数の前処理反応物質が連続的にまたは同時に用いられる。いくつかの実施形態では、前処理は、一つまたは複数の前処理反応物質を複数回適用することを含むことができる。
【0031】
前処理プロセスは、蒸気形態および/または液体形態の前処理反応物質を利用してもよい。前処理プロセスを、後続のALDプロセスと同じ温度および/または圧力で実行してもよい。しかし、異なる温度および/または圧力で実行することもできる。例えば、その場外の前処理が基材の水溶液への浸漬を伴う場合、前処理反応物質を不必要に蒸発させる可能性がある比較的低い圧力で実行される可能性があるALDプロセスよりも高い圧力で前処理を進めることが望ましい場合がある。
【0032】
また、反応物質は、反応物質が堆積される膜中に元素を残す前駆体と呼ばれる場合がある。固定基材を用いるいくつかの実施形態(時分割ALD)では、第一の反応物質は気相パルスの形態で反応チャンバー内に導かれ、基材の表面と接触する。第一の反応物質が吸着される前駆体である場合、自己制御的に前駆体の僅か約一層の単分子層が基材表面上に吸着されるように条件を選択することができる。第一の前駆体パルスは気体状態で供給される。第一の前駆体ガスは、その種がプロセス条件下で十分な蒸気圧を示し、その種を十分な濃度でワークピースに輸送して露出面を飽和させる場合、本明細書では「揮発性」とみなされる。
【0033】
いくつかの実施形態では、第一の前駆体は、基材に約0.01秒~約60秒間、約0.02秒~約30秒間、約0.025秒~約20秒間、約0.05秒~約5.0秒間、約0.05秒~約2.0秒間、または約0.1秒~約1.0秒間接触する。当業者が理解するように、表面を確実に飽和させるための曝露時間は、反応器の容積、基材のサイズ、キャリアガス中の前駆体濃度、およびプロセス条件に依存する。
【0034】
ALDタイプのプロセスで使用される第一の前駆体は、標準条件(室温および大気圧)下で固体、液体、または気体の材料であってもよいが、ただし、第一の前駆体は、反応チャンバー内に導かれ、基材表面と接触する前に気相である。いくつかの実施形態では、第一の前駆体は金属を含むことができ、標準条件下で固体原料、例えば本明細書に記載の固体原料化学物質昇華器100内で粉末の形態とすることができる。
【0035】
過剰な第一の反応物質および反応副生成物がある場合には、例えば不活性ガス、例えば窒素またはアルゴンの供給により、基材表面から除去することができる。気相前駆体および/または気相副生成物は、例えば、真空ポンプでチャンバーを排気することにより、および/または反応器内のガスを不活性ガス、例えばアルゴンもしくは窒素で置き換えることにより、基材表面から除去される。典型的な除去時間は、約0.05~20秒、より好ましくは約1~10秒、更により好ましくは約1~2秒である。しかし、非常に高いアスペクト比の構造または複雑な表面形態を有する他の構造上に層を堆積することが必要とされる場合など、必要に応じて他の除去時間を利用することができる。当業者は、特定の状況に基づいて好適な除去時間を容易に決定し得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、過剰な第一の反応物質および反応副生成物が存在する場合、それらを除去することは、第一の反応物質が基材と接触しなくなるように基材を移動させることを含むことができる。いくつかの実施形態では、チャンバーの様々な部分から反応物質を除去しなくてもよい。いくつかの実施形態では、基材を、第一の前駆体を含むチャンバーの一部から、第二の反応物質を含むかまたは反応物質を全く含まないチャンバーの別の部分に移動させる。いくつかの実施形態では、基材を第一の反応チャンバーから第二の異なる反応チャンバーに移動させる。このような実施形態では、基材を、例えば、不活性ガスの区域またはカーテンを通って移動させ、固定基材用のチャンバーのパージと同様に、除去を促進してもよい。
【0037】
基材を第二の反応物質(例えば、前駆体)と接触させてもよい。いくつかの実施形態では、第二の反応物質は酸素(例えば、水蒸気、オゾン等)を含む。いくつかの実施形態では、第二の前駆体は、基材に約0.01秒~約60秒間、約0.02秒~約30秒間、約0.025秒~約20秒間、約0.05秒~約5.0秒間、約0.05秒~約2.0秒間、または約0.1秒~約1.0秒間接触する。しかし、反応器の種類、基材の種類、およびその表面積に応じて、第二の前駆体の接触時間は10秒よりも更に長くなる場合がある。いくつかの実施形態では、特に大容量のバッチ反応器では、接触時間は数分程度であってもよい。当業者は、特定の状況に基づいて最適な接触時間を容易に決定し得る。
【0038】
反応チャンバー内の第二の前駆体の濃度は、約0.01体積%~約99.0体積%であることができる。そして、第二の前駆体は、典型的な単一基材反応器について約1標準cm3/分~約4000標準cm3/分の速度で反応チャンバーを通って流れることができる。当業者は、上記の範囲外の反応条件が特定のタイプの反応器に適している場合があることを理解するであろう。
【0039】
過剰な第二の反応物質および表面反応のガス状副生成物がある場合には、それらを基材表面から除去することができる。いくつかの実施形態では、不活性ガスを用いて過剰の反応物質および反応副生成物を除去することが好ましい。接触および除去の工程は、所望の厚さの薄膜が基材上に形成されるまで必要に応じて繰り返されてもよく、各サイクルは純粋なALDプロセスで僅か1分子の単分子層を残す。しかし、当業者は、いくつかの実施形態において、理論上のALD条件外の条件を修正することにより、単分子層を超える層を達成できることを理解するであろう。例えば、互いに反応性の反応物質間のある程度の重なり合いは、部分的またはハイブリッドCVDタイプの反応をもたらす場合がある。場合によっては、他の手段(例えば、プラズマ生成物)によるエネルギーの注入により通常のALDウィンドウを超える温度を選択して、様々な前駆体のうちの少なくとも一つの少なくとも部分的な分解を実現することが望ましい場合があり、または第一の反応物質の複数の単分子層の凝縮を、それらの反応物質の通常のALDウィンドウ以下の温度を選択することで実現することができる。
【0040】
上記のプロセスに対する様々な他の修正または追加が可能である。例えば、より複雑なサイクルは、別の前駆体または他の種類の反応物質(還元剤、酸化剤、ゲッタリング剤、プラズマまたは熱処理等)のフェーズを含む場合がある。所望の膜の組成を調整するために、選択された相対頻度で異なるサイクルを用いてもよい。例えば、酸窒化ケイ素は、窒化ケイ素の1サイクルごとに酸化ケイ素の5サイクル、または所望の窒素含有量に応じて、任意の他の望ましいサイクル比を含むことができ、層組成の傾斜が望まれる場合、比を堆積中に変えることができる。更に、プロセスは周期的であるため、プロセスを実質的に変更することなく、「第一の」反応物質を二番目に供給することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、一つまたは複数の堆積チャンバーを制御する際に用いる電子機器および/またはコンピュータ要素は、システム内の他の場所にあってもよい。例えば、中央コントローラは、一つまたは複数のチャンバーを備える両方の装置を制御し、ならびに固体原料化学物質昇華器100および全ての関連するヒーターに連結する弁を制御することができる。一つまたは複数の弁を用いて、マルチチャンバー堆積モジュール300全体のガスの流れを制御することができる。
【0042】
場合によっては、容器の移動中の妨害を最小限にするために、前駆体粉末を充填または再充填する場合、前駆体原料容器、例えば固体原料化学物質昇華器100には、容器内の不活性ガス(例えば、ヘリウム)のヘッド圧力が供給される。操作前に、この過圧を排出することが望ましい場合がある。したがって、特定の実施形態では、別個の通気弁を使用して、動作前に固体原料化学物質昇華器100の内部114内の圧力を解放することができる。
【0043】
当業者によって理解されるように、固体原料化学物質昇華器100が必要とするであろう体積または設置面積を低減することは有利であることができる。コンパクトな容器アセンブリは、このような設置面積を削減できる。特定の実施形態では、各固体原料化学物質昇華器100は、約75cm2~150cm2の(例えば、固体原料化学物質昇華器100が配置される)面積を有することができる。
【0044】
固体原料化学物質昇華器100内に大きな質量および/または体積の固体原料化学物質を保持する能力は、再充填処理と再充填処理との間に必要な時間を長くすることができる。更に、これにより、同じ時間でより多くの質量の固体原料化学物質の昇華が可能になる。したがって、いくつかの実施形態では、固体原料化学物質昇華器100は、気相堆積用の典型的な固体原料化学物質、特に無機固体原料金属、または半導体前駆体、例えばHfCl4、ZrCl4、AlCl3、またはSiI4を約7.5kg~20kgの範囲で保持するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、固体原料化学物質昇華器100は、固体原料化学物質を約5kg~12kgの範囲で保持するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、固体原料化学物質昇華器100は、典型的な固体原料化学物質を少なくとも15kg保持するように構成されることができる。固体原料化学物質の高さは、固体原料化学物質昇華器100の高さの約50%~90%とすることができる。いくつかの実施形態では、固体原料化学物質の高さは、約65%~80%とすることができる。その充填高さより上のヘッドルームは、固体前駆体上の反応物質蒸気を容易に捕集し、キャリアガスの流れがこのような蒸気を捕捉することができるヘッドスペースとして保有されることができる。
【0045】
昇華器が保持できる固体原料化学物質のより長い経路長および/またはより大きな質量は、同じ時間で堆積チャンバーへより多くの前駆体をもたらすことができる。場合によっては、より長い経路長および/または固体原料化学物質のより大きな質量により、同じ時間で実現できる飽和量を増やすことができる。いくつかの実施形態では、二つの連続する蒸気プロセス間の経過時間(例えば、パルス/パージの長さ)は、約100ミリ秒~3秒間とすることができる。いくつかの実施形態では、経過時間は約30ミリ秒~1.5秒間とすることができる。
【0046】
容器のサイズを、固体原料化学物質の量に関連させることができる。例えば、容器で囲まれた体積(cm3)の容器が保持できる固体原料化学物質の質量(kg)に対する比は、約20~45の範囲とすることができる。特定の構成では、比率は約1~10の範囲とすることができる。これらの範囲は、容器固有の制限、使用される材料、および空間の制限によってある程度決定されることができる。
【0047】
流路150は、高さと幅(例えば、凹部の高さと幅)を有することができる。いくつかの実施形態では、高さは約2cm~10cmとすることができる。いくつかの実施形態では、高さは約1cm~6cmとすることができる。いくつかの実施形態では、幅は約1cm~6cmとすることができる。いくつかの実施形態では、幅は約0.2cm~4cmとすることができる。いくつかの実施形態では、高さおよび幅は、高さ:幅のアスペクト比3~7に規定することができる。いくつかの実施形態では、高さおよび幅は、高さ:幅のアスペクト比4~5.5に規定することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、堆積モジュールおよび/または固体原料化学物質昇華器100は、一つまたは複数の発熱体を備えることができる。いくつかの実施形態では、発熱体のうちの一つまたは複数は、固体原料化学物質昇華器100に垂直に隣接するかまたは垂直に近接して配置されることができる。いくつかの実施形態では、一つまたは複数の発熱体は、伝導により昇華器100を加熱するように構成される。特定の実施形態では、基部140の下に配置されるヒータープレートを備えてもよい。特定の実施形態では、ハウジング110の上にヒーターを配置することができる。いくつかの実施形態では、一つまたは複数の弁は、伝導的におよび/または放射的に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、固体原料化学物質昇華器100の(例えば、内部114の)壁および/または中心に一つまたは複数の高温供給トラフを備えて、より直接的に固体化学反応物質に熱を供給することができる。固体原料化学物質昇華器100は、低圧、例えば0.1Torr~20Torr、例えば約5Torrに排気できるように気密であるように構成されるキャビネットに配置されてもよい。したがって、キャビネット内の大気への伝導損失または対流損失を最小限に抑える効率的な放射加熱を促進する。
【0049】
固体原料化学物質昇華器100は、作動温度で作動するように構成されることができる。例えば、作動温度は、本明細書に記載されるように、フィルター130を通る昇華した反応物質の所望の流量に基づいて決定されることができる。追加的または代替的に、作動温度は化学反応物質の所望の昇華速度に基づいて決定されてもよい。いくつかの実施形態では、作動温度は約20℃~250℃の範囲である。もちろん、選択される作動温度は、気化される化学物質に依存する。例えば、作動温度は約160℃~240℃、特にHfCl4では約170℃~190℃、約170℃~250℃、特にZrCl4では180℃~200℃、Al2Cl3では約90℃~110℃、SiI4では約90℃~120℃であってもよい。当業者は、他の原料化学物質に対して他の温度を選択できることを容易に理解するであろう。
【0050】
いくつかの実施形態では、(本明細書で開示される)固体原料アセンブリは、目標真空圧力で作動することができる。いくつかの実施形態では、目標真空圧は、約0.5Torr~20Torrの範囲、例えば5Torrとすることができる。特定の実施形態では、固体原料アセンブリ内の真空圧は、一つまたは複数の圧力コントローラを用いて調整されることができる。
【0051】
図3A~3Bは、複数の流路150を備える例示的なハウジング110を示す。本明細書で説明されるように、流路150を、ハウジング110の内部に、フィルターフレーム120の外部に、またはその両方に少なくとも部分的に形成することができる。
図3Aは、例示的なハウジング110の上面斜視図を示す。
図3Bは、ハウジング110の内部の拡大図を示し、流路150および横断凹部170を示す。横断凹部170は、追加的または代替的に、フィルターフレーム120に形成されてもよい。
図4は、固体原料化学物質昇華器100の外観の例である。
【0052】
図5は、フィルターフレーム120の例を示す。いくつかの実施形態では、フィルターフレーム120は基部140備えることができる。いくつかの実施形態では、フィルターフレーム120は(図示されない)蓋を備える。フィルターフレーム120は、例えばフィルターフレーム120における一つまたは複数のフレーム支持要素124を備えることができる。フレーム支持要素124は、フィルターフレーム120の連続する突出部150aの間に取り付けられることができる。フィルターフレーム120の対応する突起間に交互の凹部を形成することができる。このように、キャリアガスが通過できるように流路150を形成することができる。昇華軸104に平行に(例えば、垂直に)(例えば、連続する凹部150b間で)ガスを流すことができるように、一つまたは複数の横断凹部170を(例えば、フィルターフレーム120に)形成することができる。他で説明したように、横断凹部170は、追加的または代替的に、ハウジング110に形成されてもよい。フィルターフレーム120の特定の側で、横断凹部170は、(例えば、一つおきに隣接する突出部を飛ばして)交互の突出部に形成されてもよい。交互の横断凹部170は、フィルターフレーム120(および/またはハウジング110)の反対側に形成されてもよい。このようにして、キャリアガスが垂直に移動するために、代わりに、ガスは、次の横断凹部170に達する前に、フィルターフレーム120の周りの少なくとも一部(例えば、180°)に水平に向けられることができる。このようにキャリアガスの流路の長さを増加させ、昇華した化学反応物質によるキャリアガスのより大きな飽和状態を可能にすることができる。
図6は、
図5のフィルターフレーム120の底面斜視図を示す。
【0053】
図7は、昇華軸104を備えるフィルターフレーム120の側面図を示す。昇華器軸104は、フィルターフレーム120の入口と出口との間でキャリアガスの一般的な流れに平行に延在することができる。
図8Aおよび8Bは、
図5~7のフィルターフレーム120の上面図および底面図を示す。
【0054】
図9は、いくつかの実施形態のフィルターインサート200の上面図を示す。フィルターインサート200は、フィルターフレーム120およびフィルター130を備えることができる。いくつかの実施形態では、フィルターインサート200は基部140備えることができる。いくつかの実施形態では、フィルターインサート200は(図示されない)蓋を備えることができる。本明細書で説明するように、フィルターインサート200は、対応するハウジング110内に適合するように構成(例えば、成形、サイズ設定)されることができる。フィルターインサート200は、フィルターフレーム幅182または直径を有することができる。フィルターフレーム幅182は、約20cmから50cmの間であることができる。フィルターフレーム120は、最も厚い部分で約1~10cmの間の壁厚を有することができる。いくつかの実施形態では、フィルターフレーム120の壁厚は約2cm~4cmである。フィルター130は、最も厚い部分で約1~10cmの間の壁厚を有することができる。いくつかの実施形態では、フィルター130の壁厚は約2cm~4cmである。フィルターフレーム120の壁厚のフィルターフレーム120の壁厚に対するの比は、約0.3~2とすることができる。いくつかの実施形態では、比は約1である。いくつかの実施形態では、フィルターインサート200は、ハウジング110に挿入され、そして化学反応物質で充填されるように構成されることができる。いくつかの実施形態では、フィルターインサート200は、化学反応物質を収容し、そして(既に化学反応物質を収容しながら)ハウジング110内に挿入されるように構成されることができる。いくつかの実施形態では、フィルターインサート200は、既に化学反応物質を収容しているハウジング110内に挿入されるように構成されることができる。
【0055】
図10は、
図9のフィルターインサート200の垂直断面図を示す。
図11は、
図9~
図10に示されるフィルターインサート200の斜視図を示す。
【0056】
図12は、ハウジング310、蓋306、伝熱導管360、一つまたは複数の伝導性突出部364、および基部340を備える例示的な固体原料化学物質昇華器300の断面を示す。ハウジング310は、上に開示された昇華器軸104に類似し得る(符号のない)ハウジング軸を有することができる。ハウジング軸は、蓋306および/または基部340の平面に垂直であり、ハウジング310の長さに沿って延在してもよい。ハウジング310は、中に固体化学反応物質を保持するように構成される遠位部を有することができる。遠位部は、ハウジング軸に沿って基部340からハウジング310のある点まで延在し(および/またはそれによって囲まれる空間を備え)てもよい。
【0057】
引き続き
図12を参照すると、蓋306は、ハウジング310の近位部に配置されることができる。例えば、蓋306は、ハウジング310と一体であってもよく、単にハウジング310上に置かれていてもよい。蓋306は、いくつかの設計において、ハウジング310に取り外し可能にまたは永久的に取り付けられてもよい。例えば、蓋は、摩擦(例えば、ねじ切り)、圧縮力(例えば、クランプ)、および/またはねじによって取り付けられてもよい。蓋306は、流体入口384および流体出口388を備えることができる。示されるように、蓋306は、蓋306の遠位部内に蛇行経路374を画定する。流路内にガスが流れるように蓋306を構成することができる。
【0058】
示される固体原料化学物質昇華器300は、蛇行経路374と基部340の遠位部との間に配置されるフィルター396を備える。いくつかの構成では、フィルター396は、流体出口388と基部340および/またはハウジング310の遠位部分との間に配置される。フィルター396は、固体化学反応物質の通過を制限するように構成される空隙を有することができる。例えば、フィルター396は、約0.0001ミクロン~約85ミクロンの空隙を有することができる。いくつかの設計では、空隙は約0.1ミクロン~約40ミクロンであり、いくつかの設計では約20ミクロンである。いくつかの構成では、フィルター396は、蛇行経路374の一部を覆うが、全てではない(蛇行経路を「覆う」または「被覆」提供するために、フィルターは必ずしも蛇行経路の上部に配置される必要がない、および例えば、蛇行経路374の下にあることにより、蛇行経路374の一部または全部を覆うことができることに留意されたい)。いくつかの構成では、フィルター396は蛇行経路374の大部分を覆う。いくつかの構成では、フィルター396は蛇行経路374を覆う。いくつかの構成では、フィルター396は蛇行経路374の遠位表面に接触する。
【0059】
フィルター396は、蓋306の流体入口384と流体連通する入口を備えることができる。フィルターの入口は、固体化学反応物質がそこを通過してハウジングに入るように構成されることができる。フィルター入口は、例えばフィルター396および/または蓋306を取り外すことなく充填を可能にすることにより、固体原料化学物質昇華器300を固体原料反応物質で容易に充填することができる。
【0060】
フィルター396は、セラミックまたは金属(例えば、ステンレス鋼、アルミニウム等)のうちの少なくとも一つを含むことができる。フィルター396は、厚さの直径に対するアスペクト比が約25~1000であるディスクを形成することができる。フィルター396は、約20cm~50cmの直径を有することができる。流体入口384および/または流体出口388の一方または両方は、蛇行経路374と流体連通していてもよい。
【0061】
いくつかの構成では、蓋306の遠位の対向部は、フィルター396の隣接面に接触する。追加的または代替的に、ハウジング310の近位部は、フィルター396の遠位表面に接触してもよい。
【0062】
蛇行経路374は、蓋306に一つまたは複数の逆平行セグメントおよび/または経路を備えることができる。逆平行セグメントおよび/または経路は、共通の平面に配置されてもよい。蛇行経路374は、蓋306にフライス加工するか、蓋306の一部ではない別個の材料片によって画定されることができる。いくつかの設計では、蛇行経路374は、蛇行経路374の複数の流路のうちの少なくとも二つの連続する流体経路を連結する横断経路を備える。横断経路は、二つの連続する流路のうちの少なくとも一つに実質的に直交する方向に向けられることができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、ハウジングの近位部は蛇行経路374と流体連通するヘッドスペースを備えることができ、キャリアガスはヘッドスペースおよび蛇行経路374の化学反応物質によって飽和されることができる。ヘッドスペースは、フィルターまたは蛇行経路が詰まっている間、流路と流体連通したままである場合がある。流体入口384および/または流体出口388の一方または両方は、流体がそこを流れることができるように構成される対応するバルブを備えることができる(例えば、
図13Bを参照)。加えて、または代替として、流体入口384および/または流体出口388の一方または両方は対応するフィルター390、392を備えることができ、それを通る微粒子の流れを制限するように構成される。蓋306の面は、蛇行経路374を備えることができ、面は円形とすることができる。ハウジング310は円筒形であってもよく、および/またはフィルターは円形であってもよい。本明細書で使用する場合、「円筒形」、「円形」、および形状の他の説明は、真のユークリッド形状とのわずかな違いを包含することができ、したがって「略円形」および「略円筒形」も含むことができる。
【0064】
伝熱導管360は、伝導性であることができ、熱源と伝導性熱的に連通して配置されることができる。熱源は、一つまたは複数の発熱体、例えば加熱ロッド362を備えることができる。加熱ロッド362は、おおよそハウジング軸に沿って配置されることができる。例えば、加熱ロッド362は、
図12に示すように、伝熱導管360内に配置されてもよい。したがって、ハウジング310の一部を、加熱ロッド362と任意の固体原料反応物質との間に配置したままであり、固体原料反応物質が加熱ロッドに接触しない。これにより、固体原料反応物質との接触および/または加熱ロッド上への固体原料反応物質の堆積によって加熱ロッドが損傷を受けるのを防ぐことができる。別の構成も可能である。例えば、加熱プレートは、基部340の遠位に配置されてもよい。加熱プレートは、基部340と(例えば、伝導性熱的に連通して)隣接して、または基部340の近傍に配置されてもよい。いくつかの構成では、一つまたは複数の発熱体を、ハウジング310に隣接して、および/または側壁近傍に配置することができる。
【0065】
図13Aは、固体原料化学物質昇華器300に備えることができる例示的な蓋306を示す。蛇行経路374は、そこを通るガスの流れを可能にするように構成されることができる。いくつかの構成では、蛇行経路374をフライス加工および/または機械加工して蓋306にすることができ、または蓋306を蛇行経路374を有するように成形することができる。いくつかの実施形態では、蛇行経路374は、固体(例えば、鋳造)金属ブロックからフライス加工されることができる。
【0066】
図13Bに示すように、いくつかの実施形態では、蛇行経路374は、流体入口384および/または流体出口388と流体連通することができる。蛇行経路374は、(図示されない)入口弁398および/または出口弁と流体連通することができる。いくつかの実施形態では、流体入口384は、蛇行経路374によって流体出口388に流体連通される。
【0067】
より長い経路長により、固体原料化学物質のガス曝露の表面積を増加させることができることが理解されよう。蓋306の蛇行経路374は、約2000mm~8000mmの範囲の長さを有することができる。いくつかの実施形態では、蛇行経路374は、約3000mm~5000mmの範囲の長さを有することができる。当業者によって理解されるように、固体原料化学物質昇華器300が占めるであろう体積または設置面積を低減することは有利であることができる。コンパクトな昇華器は、このような設置面積を低減または最小化できる。特定の実施形態では、蓋306は、約25mm~50mmの高さを有することができる。特定の構成では、蓋306は、約15mm~30mmの高さを有することができる。特定の構成では、蓋306は、約40mm~80mmの高さを有することができる。
【0068】
固体原料化学物質昇華器300内のおよび/またはそれによって処理される固体原料化学物質のより大きな質量および/または体積は、昇華した反応物質のより大きくスループットをもたらすことができる。更に、これにより、同じ時間でより多くの質量の固体原料化学物質の昇華が可能になる。いくつかの実施形態では、蛇行経路374は、約750g~2000gの範囲の昇華された固体原料化学物質を含有するように構成されることができる。化学反応物質は、無機固体原料金属、または半導体前駆体、例えばHfCl4、ZrCl4、AlCl3、またはSiI4を含むことができる。蓋306が処理を助けることができるより長い経路長および/または固体原料化学物質のより大きな質量は、同じ時間で(図示されない)堆積チャンバーへより多くの前駆体をもたらすことができる。場合によっては、より長い経路長および/または固体原料化学物質のより大きな質量により、同じ時間で実現できる昇華される前駆体の濃度を増加させることができる。いくつかの実施形態では、蛇行経路は、昇華の温度および圧力で昇華される前駆体の飽和を実現するのに有効な長さを有する。いくつかの実施形態では、二つの連続する蒸気プロセス間の経過時間(例えば、パルス/パージの長さ)は、約100ミリ秒~3秒間とすることができる。いくつかの実施形態では、経過時間は、約30ミリ秒~1.5秒間とすることができる。いくつかの実施形態では、蛇行経路374の体積または容量(mm3)の、蓋306の全経路長(mm)に対する比は、約400~1200の範囲であることができる。これらの範囲は、容器固有の制限、使用される材料、および空間の制限によってある程度決定されることができる。
【0069】
図13Bは、例示的な固体原料化学物質昇華器300の断面詳細図を例示する。特定の構成では、蓋306の蛇行経路374は、凹部の高さ370および凹部の幅372を有することができる。いくつかの実施形態では、凹部の高さ370は約10mm~50mmとすることができる。いくつかの実施形態では、凹部の高さ370は約20mm~40mmとすることができる。いくつかの実施形態では、凹部の幅372は約3.0mm~20mmとすることができる。いくつかの実施形態では、凹部の幅372は約5mm~8mmとすることができる。いくつかの実施形態では、凹部の高さ370および凹部の幅372は、高さ:幅のアスペクト比を3~7に規定することができる。いくつかの実施形態では、凹部の高さ370および凹部幅372は、高さ:幅のアスペクト比を4.0~5.5に規定することができる。
【0070】
図14は、複数の熱伝導性突出部364を示す例示的な固体原料化学物質昇華器300を示す。固体原料化学物質昇華器300は、ハウジング軸に沿って配置される熱伝導性伝熱導管360を備えることができる。複数の熱伝導性突出部364は、示すように伝導性伝熱導管360の周りに放射状に配置されることができる。別の構成も可能である。伝導性突出部364は、概ね平坦であることができ、表面積(mm2)の体積(mm3)に対する高い(例えば、10より大きい、20より大きい、25より大きい)比を有することができる。ハウジング310の遠位部は、固体化学反応物質を保持し、伝導性伝熱導管360がその間に配置されるように構成されてもよい。上記のように、伝導性伝熱導管360は、熱源と伝導性熱的に連通して配置されることができる。固体原料化学物質昇華器300は、少なくとも三つ、五つ、六つ、七つ、八つ、九つ、またはそれより多い伝導性突出部364を備えることができる。伝導性突出部364は、ハウジングの遠位部(例えば、側壁、基部340)から延在してもよい。伝導性突出部364は、ハウジング軸から放射状に間隔を空けて配置されることができる。追加的または代替的に、伝導性突出部364は、ハウジングの遠位部から軸方向に延在することができる。軸方向に延在する伝導性突出部364の数は、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、九つ、またはそれより多くてもよく、各々は、互いに放射状に間隔を空けて配置されることができる。例えば、八つの伝導性突出部364がある場合、八つの伝導性突出部は、任意の二つの隣接する伝導性突出部の間に約45度の角度で配置されることができる。例えば、六つの伝導性突出部364がある場合、六つの伝導性突出部は、任意の二つの隣接する伝導性突出部の間に約60度の角度で配置されることができる。
【0071】
伝導性突出部364は、固体原料化学反応物質への分散されたおよび/または制御された熱流を支援することができる。この制御された熱流により、反応物質全体に流れる未詳の温度の流れを抑制または防止することができる。熱モデリングにより、(
図15に示すような)放射状に分布した八つの伝導性突出部364を備える構成により、固体原料化学反応物質において効率的かつ均一な熱流を実現できるため、ハウジング310内の固体原料化学反応物質全体で効率的な昇華が得られることが示される。いくつかの構成では、伝導性突出部364はアクティブなヒーターではないが、基部340の下にあるアクティブな発熱体(例えば、加熱ロッド362、および/またはベースプレートヒーター)からの熱の伝導体として機能する。
【0072】
伝導性突出部364は、ハウジング310および/または基部340の遠位部と熱的に連通していてもよい。ハウジングは、発熱体(例えば、加熱ロッド362)がその中に挿入されるように構成される受け部を備えることができる。受け部は、ほぼ長手方向であってもよく、ハウジング310の軸方向長さの大部分が軸方向に延在するように構成されてもよい。受け部は、挿入時に発熱体がハウジングの外部にあるように配置されてもよい(したがって、挿入時に発熱体が固体原料化学物質に接触しない)。
【0073】
固体原料化学物質昇華器は、様々な寸法を有することができる。例えば、いくつかの構成では、軸方向の長さの直径に対するアスペクト比が約20~0.5である。別の構成も可能である。
【0074】
図15は、一構成に従って、伝熱導管360、伝導性突出部364、および基部340が組み立てられる方法を示す。示すように、八つの伝導性突出部364を備え、各伝導性突出部364は、伝熱導管360と熱的に連通し、それぞれはそこから放射状に延びる。更に、示すように、伝導性突出部364のそれぞれは、基部340と熱的に連通していてもよい。
【0075】
図16は、一つまたは複数のレゾネーター380を備える例示的な固体原料化学物質昇華器300の態様を示す。レゾネーター380は、反応物質をキャリアガスと有利に混合することができ、したがって、レゾネーター380がない原料容器よりも高い濃度の昇華された前駆体を実現することができる。追加的または代替的に、レゾネーター380は固体原料反応物質の固化を抑制または防止するのに役立つことができる。いくつかの構成では、固化の抑制または防止は、固体原料反応物質を混合または撹拌することにより実現される。例えば、いくつかの構成は、流れるキャリアガスと、ハウジング310内の固体反応物質の気化から形成される反応物蒸気との混合を促進する構造的形体(例えば、レゾネーター380)をハウジング310内に備える。レゾネーター380は、例えば基部340から延在する垂直(例えば、軸方向)延長部であってもよい。(図示されない)特定の構成では、レゾネーター380は、特にハウジング310の高さの下側約1/3で、ハウジング310の側壁から水平に延在する延長部であることができる。レゾネーター380は、ハウジング310の遠位部に配置されてもよい。レゾネーター380のうちの一つまたは複数は、ハウジング軸の周りに放射状に配置される延長部を備えることができる。レゾネーター380は、例えば振動および/または回転により、ハウジング内の固体化学反応物質を撹拌するように構成されることができる。
【0076】
別の実施形態
説明のために、いくつかの非限定的な構成例を以下に示す。
【0077】
第1のオプションでは、固体原料化学物質昇華器は、内部空間および内部空間に面する内面を有するハウジングと、第一の端部および第二の端部を有するフィルターであって、フィルターは固体化学反応物質の通過を制限するように構成される空隙を有し、フィルターはフィルターと内面との間の空間でフィルターを囲む流路を画定するように成形され配置される、フィルターと、フィルターとハウジングの内面との間に画定される一つまたは複数の流路であって、一つまたは複数の流路はフィルターの第一の端部から第二の端部への流体の流れを可能にするように構成される一つまたは複数の流路と、を備える。
【0078】
第2のオプションでは、フィルターを支持するように構成されるフィルターフレームを更に備えるオプション1の固体原料化学物質昇華器。
【0079】
第3のオプションでは、上に化学反応物質を受け入れるように構成される基部を更に備え、フィルターフレームは基部上に固定され、フィルターフレームはハウジング内に配置されるように構成される、オプション2の固体原料化学物質昇華器。
【0080】
第4のオプションでは、フィルターの空隙は、内部から流路への固体化学反応物質の通過をキャリアガスによる流路内の化学反応物質の昇華速度よりも実質的に速くない移動速度に制限するように構成される、オプション1~3のいずれかの固体原料化学物質昇華器。
【0081】
第5のオプションでは、ハウジング内にフィルターフレームを更に備え、フィルターフレームはフィルターの位置を制限する、オプション1~4のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。の固体原料化学物質昇華器。
【0082】
第6のオプションでは、流路が、フィルターの外面、ハウジングの内面、またはその両方の周りに周方向に配置される、オプション1~5のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0083】
第7のオプションでは、流路はハウジングの内面内に配置される凹部によって少なくとも部分的に形成される、オプション1~6のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0084】
第8のオプションでは、流路は、フィルター内に配置される凹部によって少なくとも部分的に形成される、オプション1~7のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0085】
第9のオプションでは、流路はハウジングの周囲を複数回横断する曲がりくねった経路を備える、オプション1~8のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0086】
第10のオプションでは、流路はハウジングの内面の周りにらせん経路を備える、オプション1~9のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0087】
第11のオプションでは、流路は複数の流路を備え、横断経路は複数の流路のうちの少なくとも二つの連続する流路と連結する、オプション1~10のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0088】
第12のオプションでは、横断経路は、二つの連続する流路のうちの少なくとも一つに実質的に直交する方向に向けられる、オプション11に記載の固体原料化学物質昇華器。
【0089】
第13のオプションでは、フィルターの空隙は、第一の温度で反応物質がそれを通過するのを防ぎ、第二の温度で反応物質がそれを通過することを可能にするように構成される、オプション1~12のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0090】
第14のオプションでは、第二の温度は第一の温度よりも高い、オプション13に記載の固体原料化学物質昇華器。
【0091】
第15のオプションでは、第二の温度は35℃~200℃である、オプション11~14のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0092】
第16のオプションでは、フィルターはセラミックまたは金属のうちの少なくとも一つを含む、オプション1~15のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0093】
第17のオプションでは、フィルターは高さの直径に対するアスペクト比が約1~4で規定される、オプション1~16のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0094】
第18のオプションでは、フィルターは約25cm~120cmの高さを有する、オプション1~17のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0095】
第19のオプションでは、フィルターは約20cm~50cmの直径を有する、オプション1~18のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0096】
第20のオプションでは、流路はリングである、オプション1~19のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0097】
第21のオプションでは、流路は、基部と流体連通するように構成される、オプション1~20のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0098】
第22のオプションでは、フィルターフレームは、フレーム壁と、その上に形成される複数の隆起部とを備え、隆起部は流路の少なくとも一部を画定する、オプション2~21のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0099】
第23のオプションでは、複数の隆起部がフィルターの外面に形成され、隆起部は流路の少なくとも一部を画定する、オプション1~21のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0100】
第24のオプションでは、ハウジングは、流体入口と流体出口とを備え、流体入口および流体出口はそれぞれ流路と流体連通する、オプション1~23のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0101】
第25のオプションでは、内部と熱的に連通する一つまたは複数の発熱体を更に備える、オプション1~24のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0102】
第26のオプションでは、一つまたは複数の発熱体は、基部と熱接触して配置される加熱プレートを備える、オプション25に記載の固体原料化学物質昇華器。
【0103】
第27のオプションでは、一つまたは複数の発熱体は、加熱ロッドおよび加熱プレート、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される、オプション23~26のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0104】
第28のオプションでは、基部は、加熱ロッドが中に挿入されるように構成される受け部を備える、オプション27に記載の固体原料化学物質昇華器。
【0105】
第29のオプションでは、内部は、流路と更に流体連通するヘッドスペースを備え、それにより、キャリアガスは、ヘッドスペースおよび流路内の化学反応物質によって飽和されることができる、オプション1~28のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0106】
第30のオプションでは、フィルターの目詰まりの間、ヘッドスペースは流路と流体連通したままである、オプション29に記載の固体原料化学物質昇華器。
【0107】
第31のオプションでは、ハウジングは円筒形状である、オプション1~30のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0108】
第32のオプションでは、固体原料化学物質昇華器は、内部空間と、内部空間に面する内面とを有するハウジングであって、内部空間は、その中に化学反応物質を受け入れるように構成される、ハウジングと、第一および第二の端部を有するフィルターフレームであって、フィルターフレームは固体化学反応物質を抑制するためのフィルターを支持するように構成され、フィルターフレームおよびフィルターは内部空間内に配置されるように構成される、フィルターフレームと、少なくともハウジング内のフィルターフレームの配置中に、フィルターフレームとハウジングの内面との間に画定される環内に画定される一つまたは複数の流路と、を備える。
【0109】
第33のオプションでは、フィルターを更に備え、フィルターは、それを通る化学反応物質の通過を制限するように構成される、オプション32に記載の固体原料化学物質昇華器。
【0110】
第34のオプションでは、上に化学反応物質を受け入れるように構成される基部を更に備え、フィルターフレームは基部上に固定される、オプション32~33のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0111】
第35のオプションでは、フィルターの空隙は、内部から流路への化学反応物質の通過を、キャリアガスによる流路内の化学反応物質の昇華速度よりも実質的に大きくない移動速度に制限するように構成される、オプション33~34のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0112】
第36のオプションでは、一つまたは複数の流路は、フィルターフレームの外側の周りに配置される、オプション32~35のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0113】
第37のオプションでは、一つまたは複数の流路は、フィルターフレーム、ハウジングの内面、またはその両方の周りに周方向に配置される、オプション32~36のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0114】
第38のオプションでは、一つまたは複数の流路は、ハウジング内に配置される凹部によって少なくとも部分的に形成される、オプション32~37のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0115】
第39のオプションでは、一つまたは複数の流路は、フィルターフレーム内に配置される凹部によって少なくとも部分的に形成される、オプション32~38のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0116】
第40のオプションでは、一つまたは複数の流路のうちの少なくとも一つのピッチは約ゼロである、オプション32~39のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0117】
第41のオプションでは、一つまたは複数の流路のうちの少なくとも一つのピッチはゼロより大きい、オプション32~40のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0118】
第42のオプションでは、一つまたは複数の流路のうちの少なくとも一つはらせんである、オプション32~41のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0119】
第43のオプションでは、一つまたは複数の流路は複数の流路を備え(the one or more fluid paths comprises a plurality of fluid paths)、横断経路は複数の流路のうちの少なくとも二つの連続する流路と連結する、オプション32~42のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0120】
第44のオプションでは、横断経路は、二つの連続する流路のうちの少なくとも一つに実質的に直交する方向に向けられる、オプション43に記載の固体原料化学物質昇華器。
【0121】
第45のオプションでは、フィルターの空隙は、第一の温度で反応物質がそれを通過するのを防ぎ、第二の温度で反応物質がそれを通過することを可能にするように構成される、オプション32~44のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0122】
第46のオプションでは、第二の温度は第一の温度よりも高い、オプション45に記載の固体原料化学物質昇華器。
【0123】
第47のオプションでは、第二の温度は35℃~200℃である、オプション32~46のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0124】
第48のオプションでは、フィルターはセラミックまたは金属のうちの少なくとも一つを含む、オプション32~47のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0125】
第49のオプションでは、フィルターフレームは高さの直径に対するアスペクト比が約1~4で規定される、オプション32~48のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0126】
第50のオプションでは、フィルターフレームは約25cm~120cmの高さを有する、オプション32~49のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0127】
第51のオプションでは、フィルターフレームは約20cm~50cmの直径を有する、オプション32~50のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0128】
第52のオプションでは、一つまたは複数の流路はリングである、オプション32~51のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0129】
第53のオプションでは、一つまたは複数の流路は、基部と流体連通するように構成される、オプション32~52のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0130】
第54のオプションでは、フィルターフレームは、フレーム壁と、その上に形成される複数の隆起部とを備え、隆起部は流路の少なくとも一部を画定する、オプション32~53のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0131】
第55のオプションでは、複数の隆起部がフィルターフレームの外面に形成され、隆起部は流路の少なくとも一部を画定する、オプション32~54のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0132】
第56のオプションでは、ハウジングは、流体入口と流体出口とを備え、流体入口および流体出口はそれぞれ一つまたは複数の流路と流体連通する、オプション32~55のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0133】
第57のオプションでは、内部に少なくとも部分的に配置される一つまたは複数の発熱体を更に備える、オプション32~56のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0134】
第58のオプションでは、一つまたは複数の発熱体は、基部と熱接触して配置される加熱プレートを備える、オプション57に記載の固体原料化学物質昇華器。
【0135】
第59のオプションでは、一つまたは複数の発熱体は加熱ロッドを備える、オプション23~58のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0136】
第60のオプションでは、基部は、加熱ロッドが中に挿入されるように構成される受け部を備える、オプション59に記載の固体原料化学物質昇華器。
【0137】
第61のオプションでは、内部は、流路と更に流体連通するヘッドスペースを備え、それにより、キャリアガスは、ヘッドスペースおよび流路内の化学反応物質によって飽和されることができる、オプション32~60のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0138】
第62のオプションでは、フィルターの目詰まりの間、ヘッドスペースは流路と流体連通したままである、オプション61に記載の固体原料化学物質昇華器。
【0139】
第63のオプションでは、ハウジングは円筒形状である、オプション32~62のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0140】
第64のオプションでは、フィルターインサートは、第一の端部と第二の端部とを有するフィルターフレームであって、フィルターフレームは少なくとも部分的に内部を画定する、フィルターフレームと、固体化学反応物質の通過を制限するように構成される空隙を有するフィルターであって、フィルターフレームおよびフィルターはハウジング内に収容されるように構成され、フィルターは、内部と、フィルターフレームとハウジングの内部表面との間に流路を画定する一つまたは複数のチャネルとの間に配置される、フィルターと、を備える。
【0141】
第65のオプションでは、フィルターフレームは、円筒形状である、オプション64に記載のフィルターインサート。
【0142】
第66のオプションでは、一つまたは複数のチャネルは、フィルターフレームの外側の周りに配置される、オプション64~65のいずれか一つに記載のフィルターインサート。
【0143】
第67のオプションでは、一つまたは複数のチャネルは、フィルターフレームの周りに周方向に配置される、オプション64~66のいずれか一つに記載のフィルターインサート。
【0144】
第68のオプションでは、一つまたは複数のチャネルのうちの少なくとも一つのピッチは約ゼロである、オプション64~67のいずれか一つに記載のフィルターインサート。
【0145】
第69のオプションでは、一つまたは複数のチャネルのうちの少なくとも一つのピッチはゼロより大きい、オプション64~68のいずれか一つに記載のフィルターインサート。
【0146】
第70のオプションでは、一つまたは複数のチャネルは複数のチャネルを備え、横断チャネルは複数のチャネルのうちの少なくとも二つの連続する凹部と連結する、オプション64~69のいずれか一つに記載のフィルターインサート。
【0147】
第71のオプションでは、横断凹部は、二つの連続するチャネルのうちの少なくとも一つに実質的に直交する方向に向けられる、オプション70に記載のフィルターインサート。
【0148】
第72のオプションでは、フィルターの空隙は、第一の温度で反応物質がそれを通過するのを防ぎ、第二の温度で反応物質がそれを通過することを可能にするように構成される、オプション64~71のいずれか一つに記載のフィルターインサート。
【0149】
第73のオプションでは、第二の温度は第一の温度よりも高い、オプション72に記載のフィルターインサート。
【0150】
第74のオプションでは、第二の温度は35℃~200℃である、オプション38~73のいずれか一つに記載のフィルターインサート。
【0151】
第75のオプションでは、フィルターはセラミックまたは金属のうちの少なくとも一つを含む、オプション64~74のいずれか一つに記載のフィルターインサート。
【0152】
第76のオプションでは、フィルターフレームは高さの直径に対するアスペクト比が約1~4で規定される、オプション64~75のいずれか一つに記載のフィルターインサート。
【0153】
第77のオプションでは、フィルターフレームは約25cm~120cmの高さを有する、オプション64~76のいずれか一つに記載のフィルターインサート。
【0154】
第78のオプションでは、フィルターフレームは約20cm~50cmの直径を有する、オプション64~77のいずれか一つに記載のフィルターインサート。
【0155】
第79のオプションでは、一つまたは複数のチャネルはリングである、オプション64~78のいずれか一つに記載のフィルターインサート。
【0156】
第80のオプションでは、一つまたは複数の流路は、基部と流体連通するように構成される、オプション64~79のいずれか一つに記載のフィルターインサート。
【0157】
第81のオプションでは、フィルターフレームは、フレーム壁とその上に形成される複数の隆起部とを備える、オプション64~80のいずれか一つに記載のフィルターインサート。
【0158】
第82のオプションでは、フィルターフレームは、一つまたは複数の凹部と流体連通する流体入口および流体出口のうちの少なくとも一つを備える、オプション64~81のいずれか一つに記載のフィルターインサート。
【0159】
第83のオプションでは、チャネルは凹部および/または隆起部を備える、オプション64~82のいずれか一つに記載のフィルターインサート。
【0160】
第84のオプションでは、フィルターの空隙は、内部から流路への化学反応物質の通過を、キャリアガスによる流路内の化学反応物質の昇華速度よりも実質的に大きくない移動速度に制限するように構成される、オプション64~83のいずれか一つに記載のフィルターインサート。
【0161】
第85のオプションでは、一つまたは複数のチャネルは、ハウジングの内表面に形成される、オプション64~84のいずれか一つに記載のフィルターインサート。
【0162】
第86のオプションでは、一つまたは複数のチャネルは、フィルターフレームに形成される、オプション64~85のいずれか一つに記載のフィルターインサート。
【0163】
第87のオプションでは、堆積モジュールは、オプション1~63のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器と、基材上に材料を堆積させるための気相反応チャンバーと、を備え、固体原料化学物質昇華器は気相反応チャンバーに供給するように構成される。
【0164】
第88のオプションでは、気相反応チャンバーを作動させて原子層堆積(ALD)を実行するように構成される制御プロセッサおよびソフトウェアを更に備える、オプション87に記載の堆積モジュール。
【0165】
第89のオプションでは、気相反応チャンバーを作動させて化学気相堆積(CVD)を実行するように構成される制御プロセッサおよびソフトウェアを更に備える、オプション87に記載の堆積モジュール。
【0166】
第90のオプションでは、堆積モジュール内に昇華された前駆体を供給する方法は:気相反応チャンバーに供給するために固体原料化学物質昇華器を連結することであって、固体原料化学物質昇華器はハウジングと、フィルターと、ハウジングとフィルターとの間に配置される流路であって、流路は固体原料化学物質昇華器の化学反応物質と流体連通する流路と、を備え、前記連結することは、気相反応チャンバーと流体連通する流路を配置する、連結することと、固体原料化学物質昇華器を作動温度に加熱することであって、化学反応物質は加熱され、フィルターを通過して流路に到達する、加熱することと、キャリアガスを流路に沿って流すことであって、昇華された化学反応物質が流路内でキャリアガスと混合する、キャリアガスを流すことと、を含む。
【0167】
第91のオプションでは、固体原料化学物質昇華器は、オプション1~63のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器を備える、オプション90に記載の方法。
【0168】
第92のオプションでは、化学反応物質の量を固体原料化学物質昇華器内に供給することを更に含む、オプション90~91のいずれか一つに記載の方法。
【0169】
第93のオプションでは、運転温度は50℃~250℃の範囲である、オプション90~92のいずれか一つに記載の方法。
【0170】
第94のオプションでは、気相反応チャンバー内の基材上に材料を堆積させることを更に含む、オプション90~93のいずれか一つに記載の方法。
【0171】
第95のオプションでは、材料を堆積させることは原子層堆積(ALD)を含む、オプション94に記載の方法。
【0172】
第96のオプションでは、流路内でのキャリアガスによる化学反応物質の昇華の速度は、内部から流路への化学反応物質の移動速度より実質的に小さくないように、キャリアガスの流量を設定することを更に含む、オプション90~95のいずれか一つに記載の方法。
【0173】
第97のオプションでは、材料を堆積させることは化学気相堆積(CVD)を含む、オプション96に記載の方法。
【0174】
第98のオプションでは、化学反応物質は、塩化ハフニウム、酸化ハフニウム、および二酸化ジルコニウムからなる群から選択される、固体原料化学物質昇華器、フィルターインサート、堆積モジュール、または上記オプションのいずれか一つに記載の方法。
【0175】
第99のオプションでは、固体原料化学物質昇華器は、近位部と遠位部とを備えるハウジングであって、ハウジングはハウジングの長さに沿って延在するハウジング軸を有し、遠位部はその中に固体化学反応物質を保持するように構成される、ハウジングと、ハウジングの近位部に配置される蓋であって、蓋は流体入口と流体出口とを備え、蓋は蓋の遠位部内に蛇行流路を画定し、蓋は、流路内にガスが流れるように構成され、ハウジング軸は蓋の平面に垂直である、蓋と、蛇行流路とハウジングの遠位部との間に配置されるフィルターであって、フィルターは、固体化学反応物質の通過を制限するように構成される空隙を有する、フィルターと、を備える。
【0176】
第100のオプションでは、遠位部は、ハウジング軸に沿って配置される熱伝導性導管と、二つ以上の熱伝導性突出部と、を備え、伝導性突出部は、伝導性導管と熱的に連通し、伝導性導管の周りに放射状に配置され、これにより、ハウジングの遠位部は、固体化学反応物質を保持し、伝導性突出部がその間に配置されるように構成され、伝導性導管は、熱源と伝導性熱的に連通して配置されるように構成される、オプション99の固体原料化学物質昇華器。
【0177】
第101のオプションでは、二つ以上の伝導性突出部は、少なくとも六つの伝導性突出部を備える、オプション100の固体原料化学物質昇華器。
【0178】
第102のオプションでは、ハウジングは円筒形状であり、フィルターは円形である、オプション99~101のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0179】
第103のオプションでは、フィルターは、蓋の流体入口と流体連通する入口を備え、フィルターの入口は、固体化学反応物質がそこを通ってハウジング内に入ることができるように構成される、オプション99~102のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0180】
第104のオプションでは、蓋の遠位の対向部はフィルターの近位面に接触し、ハウジングの近位部はフィルターの遠位表面に接触する、オプション99~103のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0181】
第105のオプションでは、流路は複数の流路を備え、横断経路は複数の流路のうちの少なくとも二つの連続する流路と連結する、オプション99~104のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0182】
第106のオプションでは、横断経路は、二つの連続する流路のうちの少なくとも一つに実質的に直交する方向に向けられる、オプション105に記載の固体原料化学物質昇華器。
【0183】
第107のオプションでは、フィルターはセラミックまたは金属のうちの少なくとも一つを含む、オプション99~106のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0184】
第108のオプションでは、フィルターは厚さの直径に対するアスペクト比が約25~1000であるディスクを備える、オプション99~107のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0185】
第109のオプションでは、フィルターは約20cm~50cmの直径を有する、オプション99~108のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0186】
第110のオプションでは、流体入口および流体出口はそれぞれ流路と流体連通している、オプション99~109のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0187】
第111のオプションでは、二つ以上の伝導性突出部は、ハウジングの遠位部と熱的に連通している、オプション100~110のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0188】
第112のオプションでは、一つまたは複数の発熱体は、ハウジングと熱接触して配置される加熱プレートを備える、オプション111に記載の固体原料化学物質昇華器。
【0189】
第113のオプションでは、一つまたは複数の発熱体は、加熱ロッドおよび加熱プレート、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される、オプション111~112のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0190】
第114のオプションでは、ハウジングは、加熱ロッドが中に挿入されるように構成される受け部を備える、オプション113に記載の固体原料化学物質昇華器。
【0191】
第115のオプションでは、受け部は概ね長手方向であり、ハウジング軸方向長さの大部分が軸方向に延在するように構成される、オプション114に記載の固体原料化学物質昇華器。
【0192】
第116のオプションでは、ハウジングの近位部は、流路と更に流体連通するヘッドスペースを備え、これによりキャリアガスは、ヘッドスペースおよび流路内の化学反応物質によって飽和されることができる、オプション99~115のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0193】
第117のオプションでは、ヘッドスペースは、フィルターを通過することなく流路と流体連通したままであり、これによりフィルターの目詰まりの間、ヘッドスペースは流路と流体連通したままである、オプション116に記載の固体原料化学物質昇華器。
【0194】
第118のオプションでは、入口、出口、またはその両方は、流体が通過できるように構成される対応する弁を備える、オプション99~117のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0195】
第119のオプションでは、入口、出口、またはその両方は、微粒子が通る流れを制限するように構成される対応するフィルターを備える、オプション99~118のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0196】
第120のオプションでは、蓋の面は流路を備え、面は円形である、オプション99~119のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0197】
第121のオプションでは、昇華器は軸方向の長さの直径に対するアスペクト比が約20~0.5である、オプション99~120のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0198】
第122のオプションでは、二つ以上の伝導性突出部は、ハウジングの遠位部から延在する、オプション100~121のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0199】
第123のオプションでは、二つ以上の伝導性突出部は、ハウジング軸から放射状に間隔を空けている、オプション122の固体原料化学物質昇華器。
【0200】
第124のオプションでは、二つ以上の伝導性突出部は、ハウジングの遠位部から放射状に延在する、オプション122~123のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0201】
第125のオプションでは、二つ以上の伝導性突出部は、半径方向に互いに間隔を空けた少なくとも三つの突出部を備える、オプション122~124のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0202】
第126のオプションでは、ハウジングの遠位部に配置されるレゾネーターを更に備え、レゾネーターはハウジング軸の周りに放射状に配置される延長部を備え、レゾネーターはハウジング内の固体化学反応物質を撹拌するように構成される、オプション99~125のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0203】
第127のオプションでは、流路は、平面内に複数の逆平行セグメントを備える、オプション99~126のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0204】
第128のオプションでは、フィルターは、流体出口とハウジングの遠位部との間に配置される、オプション1~127のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0205】
第129のオプションでは、フィルターは流路の大部分を覆う、オプション1~128のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器。
【0206】
第130のオプションでは、オプション99~129のいずれか一つに記載の固体原料化学物質昇華器を用いて固体前駆体を昇華させる方法。
【0207】
他の考察
前述の明細書では、その特定の実施形態を参照して本発明を説明した。しかし、本発明の広い趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更がそれになされることができることは明らかであろう。したがって、明細書と図面は、制限的な意味ではなく、例示的な意味にみなされるべきである。
【0208】
実際、本開示のシステムおよび方法はそれぞれいくつかの革新的な態様を有し、そのうちの単一の態様が本明細書に開示された望ましい属性に対して単独で責任を負うまたは必要とされるものではないことが理解されよう。上記の様々な特徴およびプロセスは、互いに独立して使用されることができ、または様々な方法で組み合わされることができる。全ての可能な組み合わせおよび部分的組み合わせは、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【0209】
別々の実施形態に関連して本明細書に記載されている特定の特徴はまた、単一の実施形態に組み合わせて実施されてもよい。逆に、単一の実施形態に関連して説明される様々な特徴も、別々に、または任意の好適な部分的組合せで複数の実施形態で実施されてもよい。更に、特徴は特定の組み合わせで機能するものとして上記で説明され、最初はそのように特許請求される場合があるが、特許請求される組み合わせからの一つまたは複数の特徴は、場合により組み合わせから削除されることができ、特許請求される組み合わせは、部分的組合せまたは部分的組み合わせの変形を対象としてもよい。単一の特徴も特徴の群も、あらゆる実施形態に必要でも不可欠でもない。
【0210】
本明細書で使用される条件付き言語、例えば特に「できる(can)」、「できるであろう(could)」、「かもしれない(might)」、「してもよい(may)」、「例えば」等は、特に記載のない限り、または使用中の文脈内で理解されている場合を除き、特定の実施形態は特定の特徴、要素および/または工程を含むが、他の実施形態は含まないことを伝えることを一般的に意図していることが理解されよう。したがって、このような条件付き言語は、特徴、要素、および/もしくは工程が一つもしくは複数の実施形態になんらかの形で必要とされること、または
一つもしくは複数の実施形態は、著者の入力もしくは指示の有無にかかわらず、これらの特徴、要素および/もしくは工程が任意の特定の実施形態に含まれるか実行されるかを決定するためのロジックを必ず含むことを示唆することを一般的に意図していない。用語「備える」、「含む」、「有する」等は同義語であり、包括的に、オープンエンド様式で使用され、追加の要素、特徴、工程、操作等を除外しない。また、用語「または」は包括的な意味で使用され(および排他的な意味で使用されない)ため、例えば要素のリストを連結するために使用される場合、用語「または」はリスト内の要素の一つ、いくつか、または全てを意味する。更に、本出願および添付の特許請求の範囲で使用される冠詞「a」、「an」、および「the」は、特に明記しない限り、「一つまたは複数」または「少なくとも一つ」を意味すると解釈されるべきである。同様に、操作は特定の順序で図面に描かれてもよいが、このような操作は、示されている特定の順序または連続した順序で実行される必要がない、または望ましい結果を達成するために例示される全ての操作が実行されることを認識されるべきである。更に、図面は、フローチャートの形式でもう一つの例示的なプロセスを概略的に示すことができる。しかし、図示されていない他の操作は、概略的に例示されている例示的な方法およびプロセスに組み込まれてもよい。例えば、一つまたは複数の追加の操作が、例示される操作のいずれかの前、後、同時、または間に実行されてもよい。更に、別の実施形態では、操作を再編成または並べ替えることができる。特定の状況では、マルチタスクと並列処理が有利な場合がある。更に、上記の実施形態における様々なシステムの構成要素の分離は、全ての実施形態においてこのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、記載された構成要素およびシステムは、一般的に、単一の製品に一緒に統合されるか、または複数の製品にパッケージ化されてもよい(例えば、ハウジングおよび基部を備えるフィルターインサートならびに原料容器)ことは言うまでもない。更に、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内にある。場合によっては、特許請求の範囲に記載されている工程を異なる順序で実行してもよく、更に望ましい結果を得ることができる。
【0211】
したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図されるものではなく、本開示、本明細書に開示される原理および特徴と一致する最も広い範囲に一致する。例えば、本開示内の多くの例は、半導体製造のための堆積チャンバーに供給するための固体原料から蒸気を供給することに関して提供されているが、本明細書で説明される特定の実施形態は、多種多様な他の用途および/または多数の他の状況で実施されることができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体原料化学物質昇華器であって、
ハウジングの長さに沿って延在するハウジング軸を規定し、その中に固体化学反応物質を保持するように構成される、ハウジングと、
前記ハウジングの遠位部に配置される基部と、
前記ハウジングの近位部に配置される蓋であって、前記ハウジング軸は前記蓋の平面および前記基部の平面に垂直である、蓋と、
前記ハウジング軸に沿って前記基部から延在する熱伝導性導管と、
前記熱伝導性導管から延在する複数の熱伝導性突出部であって、複数の前記熱伝導性突出部の各々は前記固体化学反応物質を加熱するように構成されている、複数の熱伝導性突出部と、を備える、固体原料化学物質昇華器。
【請求項2】
複数の前記熱伝導性突出部の少なくとも1つが前記基部に隣接している、請求項1に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項3】
複数の前記熱伝導性突出部の少なくとも1つが前記基部から延在している、請求項1に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項4】
複数の前記熱伝導性突出部の少なくとも1つが前記基部から前記ハウジング軸方向に延在している、請求項3に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項5】
複数の前記熱伝導性突出部の少なくとも2つが、前記ハウジング軸から放射状に間隔を空けて配置されている、請求項1に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項6】
複数の前記熱伝導性突出部の少なくとも2つが、前記ハウジング軸に対して直交して延在している、請求項5に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項7】
複数の前記熱伝導性突出部の各々は、複数の前記熱伝導性突出部の隣接する前記熱伝導性突出部から、前記ハウジング軸の周りに間隔を空けて配置されている、請求項1に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項8】
熱源をさらに含み、前記熱伝導性導管が前記熱源と伝導性熱的に連通している、請求項1に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項9】
さらに、前記熱伝導性導管内におおよそ前記ハウジング軸に沿って配置される加熱ロッドを含む、請求項1に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項10】
前記ハウジングの一部を、前記加熱ロッドと固体原料化学物質昇華器の前記固体化学反応物質との間に配置したままとしている、請求項9に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項11】
前記蓋が前記ハウジングと取り外し可能に取り付けられている、請求項1に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項12】
固体原料化学物質昇華器であって、
ハウジングの長さに沿って延在するハウジング軸を有するハウジングであって、前記ハウジングは、その中に固体化学反応物質を保持するように構成される、ハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記ハウジング軸に沿って延在する熱伝導性導管と、
前記熱伝導性導管から延在する複数の熱伝導性突出部であって、複数の前記熱伝導性突出部の各々は、前記固体化学反応物質を加熱するように構成されている、複数の熱伝導性突起と、を備える、固体原料化学物質昇華器。
【請求項13】
複数の前記熱伝導性突出部の各々が、前記熱伝導性導管から放射状に外側に延在している、請求項12に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項14】
複数の前記熱伝導性突出部における各熱伝導性突出部は、複数の前記熱伝導性突出部の隣接する前記熱伝導性突出部から、前記ハウジング軸の周りに間隔を空けて配置されている、請求項13に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項15】
さらに、前記熱伝導性導管内におおよそ前記ハウジング軸に沿って配置される加熱ロッドを含む、請求項12に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項16】
前記ハウジングの一部を、前記加熱ロッドと固体原料化学物質昇華器の前記固体化学反応物質との間に配置したままとしている、請求項15に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項17】
固体原料化学物質昇華器であって、
ハウジングの長さに沿って延在するハウジング軸を有するハウジングであって、前記ハウジングは、その中に固体化学反応物質を保持するように構成される、ハウジングと、
熱伝導性導管から延在する複数の熱伝導性突出部と、
複数の前記熱伝導性突出部と熱的に連通しているアクティブな発熱体であって、複数の前記熱伝導性突出部の各々が固体化学反応物質を加熱するように構成されているアクティブな発熱体と、を備える、固体原料化学物質昇華器。
【請求項18】
前記熱伝導性突出部の各々が、前記アクティブな発熱体からの熱を伝導するように構成される、請求項17に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項19】
前記アクティブな発熱体が、前記ハウジング内に配置された加熱ロッドを有する、請求項17に記載の固体原料化学物質昇華器。
【請求項20】
前記加熱ロッドが、前記熱伝導性導管内におおよそ前記ハウジング軸に沿って配置される、請求項19に記載の固体原料化学物質昇華器。
【外国語明細書】