(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161029
(43)【公開日】2024-11-15
(54)【発明の名称】改善された性能及び信頼性を有する高電子移動度トランジスタ及びそのトランジスタを含む電力増幅器
(51)【国際特許分類】
H03F 3/21 20060101AFI20241108BHJP
H03F 1/32 20060101ALI20241108BHJP
H03F 3/68 20060101ALI20241108BHJP
H01L 21/338 20060101ALI20241108BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20241108BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
H03F3/21
H03F1/32
H03F3/68
H01L29/80 H
H01L29/80 U
H01L29/80 F
H01L21/88 J
H01L29/44 Y
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024137527
(22)【出願日】2024-08-19
(62)【分割の表示】P 2021573429の分割
【原出願日】2020-06-12
(31)【優先権主張番号】16/440,427
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/555,036
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボーテ、カイル
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ、エヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ナミシア、ダン
(72)【発明者】
【氏名】ハーディマン、クリス
(72)【発明者】
【氏名】ラデュレスク、ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】アルコーン、テリー
(72)【発明者】
【氏名】シェパード、スコット
(72)【発明者】
【氏名】シュマクラー、ブルース
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー、ジェレミー
(57)【要約】
【課題】改善されたGaNベースの高電子移動度トランジスタ(HEMT)デバイス、及びそのようなHEMTデバイスを含む改善された電力増幅器を提供する。
【解決手段】電力増幅器は、GaNベースのHEMTデバイスを含み、電力増幅器の電力付加効率(PAE)は、26.5GHzから30.5GHzの間の電力増幅器の動作中、1dB圧縮での出力電力(P1dB)において32%を超える。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
GaNベースの高電子移動度トランジスタ(HEMT)デバイスを含む、電力増幅器であって、前記電力増幅器の電力付加効率(PAE)が、26.5GHzから30.5GHzの間の前記電力増幅器の動作中、1dB圧縮での出力電力(P1dB)において32%を超える、電力増幅器。
【請求項2】
30GHzで動作している間、3.5W/mmを超える電力密度を生成するように構成されている、請求項1に記載の電力増幅器。
【請求項3】
前記電力増幅器の前記P1dB値は、26GHzから30.5GHzの間の前記電力増幅器の動作中、最大測定電力の1dB以内である、請求項1又は2に記載の電力増幅器。
【請求項4】
電力出力に対する静止ドレイン電流の比が、約12.5mA/W以下である、請求項1から3までのいずれか一項に記載の電力増幅器。
【請求項5】
前記GaNベースのHEMTデバイスは、
基板上に順次積層された、チャネル層及びバリア層と、
前記バリア層上の第1のオーミック部分を含むソース・コンタクトと、
前記チャネル層、前記バリア層、及び前記基板内で前記ソース・コンタクトの前記第1のオーミック部分まで延びるビアと
をさらに含む、請求項1に記載の電力増幅器。
【請求項6】
前記基板、前記チャネル層、及び前記バリア層を組み合わせた厚さは、40μmから80μmの間である、請求項5に記載の電力増幅器。
【請求項7】
利得圧縮を行うように構成された第1の段と、利得拡張を行うように構成された第2の段とをさらに含む、請求項1から6までのいずれか一項に記載の電力増幅器。
【請求項8】
前記第1の段は、A級モードでバイアスされ、前記第2の段は、AB級モードでバイアスされる、請求項7に記載の電力増幅器。
【請求項9】
前記第1の段と前記第2の段との間の駆動比は約1:2である、請求項7又は8に記載の電力増幅器。
【請求項10】
84Vドレイン・バイアスでの高温逆バイアス(HTRB)動作において1000時間を超えて動作するように構成されたGaNベースの高電子移動度トランジスタ(HEMT)デバイスを含む、電力増幅器。
【請求項11】
前記電力増幅器の電力付加効率(PAE)は、26.5GHzから30.5GHzの間の前記電力増幅器の動作中、1dB圧縮での出力電力(P1dB)において32%を超える、請求項10に記載の電力増幅器。
【請求項12】
前記電力増幅器の前記P1dB値は、26GHzから30.5GHzの間の前記電力増幅器の動作中、最大測定電力の1dB以内である、請求項10又は11に記載の電力増幅器。
【請求項13】
前記HTRB動作は、150℃の温度で動作する、請求項10から12までのいずれか一項に記載の電力増幅器。
【請求項14】
前記HTRB動作を1000時間動作させた後、前記HEMTデバイスのゲート・リークは、1×10-4から1×10-3Aの間である、請求項10から12までのいずれか一項に記載の電力増幅器。
【請求項15】
電力出力に対する静止ドレイン電流の比が、約12.5mA/W以下である、請求項10から12までのいずれか一項に記載の電力増幅器。
【請求項16】
前記GaNベースのHEMTデバイスは、
基板上に順次積層された、チャネル層及びバリア層と、
前記バリア層上の第1のオーミック部分を含むソース・コンタクトと、
前記チャネル層、前記バリア層、及び前記基板内で前記ソース・コンタクトの前記第1のオーミック部分まで延びるビアと
を含む、請求項10に記載の電力増幅器。
【請求項17】
前記基板、前記チャネル層、及び前記バリア層を組み合わせた厚さは、40μmから80μmの間である、請求項16に記載の電力増幅器。
【請求項18】
前記バリア層上にゲート・コンタクトをさらに含む電力増幅器であって、
前記ゲート・コンタクトは、第1の部分と、前記第1の部分上の第2の部分とを備え、
前記第2の部分は、前記第1の部分の1つ又は複数の側壁を越えて延びる、請求項15又は16に記載の電力増幅器。
【請求項19】
前記ゲート・コンタクトの前記第2の部分は、前記ゲート・コンタクトの前記第1の部分の側壁を越えて前記ソース・コンタクトに向かって、0.5μmから0.15μmの間の距離だけ延びる、請求項18に記載の電力増幅器。
【請求項20】
前記バリア層上にドレイン・コンタクトをさらに含む電力増幅器であって、
前記ゲート・コンタクトの前記第2の部分は、前記ゲート・コンタクトの前記第1の部分の側壁を越えて前記ドレイン・コンタクトに向かって、0.5μmから0.15μmの間の距離だけ延びる、請求項18に記載の電力増幅器。
【請求項21】
前記ゲート・コンタクトの前記第1の部分は、前記バリア層に隣接する下面を含み、
前記ゲート・コンタクトの前記第1の部分の前記下面の長さは、120nmから180nmの間である、請求項18から20までのいずれか一項に記載の電力増幅器。
【請求項22】
前記バリア層上に第1の絶縁層をさらに含む電力増幅器であって、
前記ゲート・コンタクトの前記第2の部分は、前記第1の絶縁層上にある、請求項18から21までのいずれか一項に記載の電力増幅器。
【請求項23】
前記バリア層上及び前記第1の絶縁層内のドレイン・コンタクトと、
前記第1の絶縁層及び前記ドレイン・コンタクト上の第2の絶縁層と、
前記第2の絶縁層上のフィールド・プレートと
をさらに含み、
前記フィールド・プレートは、前記ゲート・コンタクトの前記第2の部分の側壁を越えて前記ドレイン・コンタクトに向かって、0.3μmから0.5μmの間の距離だけ延びる、請求項22に記載の電力増幅器。
【請求項24】
Kaバンドで動作するように構成されている、請求項10から23までのいずれか一項に記載の電力増幅器。
【請求項25】
84Vドレイン・バイアスでの高温逆バイアス(HTRB)動作において1000時間を超えて動作するように構成されたGaNベースの高電子移動度トランジスタ(HEMT)デバイス。
【請求項26】
前記HTRB動作は、150℃の温度で動作する、請求項25に記載のGaNベースのHEMTデバイス。
【請求項27】
前記HTRB動作を1000時間動作させた後、前記HEMTデバイスのゲート・リークは、1×10-4から1×10-3Aの間である、請求項25又は26に記載のGaNベースのHEMTデバイス。
【請求項28】
基板上に順次積層されている、チャネル層及びバリア層と、
前記バリア層上の第1のオーミック部分を含むソース・コンタクトと、
前記チャネル層、前記バリア層、及び前記基板内で前記ソース・コンタクトの前記第1のオーミック部分まで延びるビアと
をさらに含む、請求項25から27までのいずれか一項に記載のGaNベースのHEMTデバイス。
【請求項29】
前記基板、前記チャネル層、及び前記バリア層を組み合わせた厚さは、40μmから80μmの間である、請求項28に記載のGaNベースのHEMTデバイス。
【請求項30】
前記バリア層上にゲート・コンタクトをさらに含むGaNベースのHEMTデバイスであって、
前記ゲート・コンタクトは、第1の部分と、前記第1の部分上の第2の部分とを備え、
前記第2の部分は、前記第1の部分の1つ又は複数の側壁を越えて延びる、請求項28に記載のGaNベースのHEMTデバイス。
【請求項31】
前記ゲート・コンタクトの前記第2の部分は、前記ゲート・コンタクトの前記第1の部分の側壁を越えて前記ソース・コンタクトに向かって、0.5μmから0.15μmの間の距離だけ延びる、請求項30に記載のGaNベースのHEMTデバイス。
【請求項32】
前記バリア層上にドレイン・コンタクトをさらに含むGaNベースのHEMTデバイスであって、
前記ゲート・コンタクトの前記第2の部分は、前記ゲート・コンタクトの前記第1の部分の側壁を越えて前記ドレイン・コンタクトに向かって、0.5μmから0.15μmの間の距離だけ延びる、請求項30又は31に記載のGaNベースのHEMTデバイス。
【請求項33】
前記ゲート・コンタクトの前記第1の部分は、前記バリア層に隣接する下面を含み、
前記ゲート・コンタクトの前記第1の部分の前記下面の長さは、120nmから180nmの間である、請求項30から32までのいずれか一項に記載のGaNベースのHEMTデバイス。
【請求項34】
前記バリア層上に第1の絶縁層をさらに含むGaNベースのHEMTデバイスであって、
前記ゲート・コンタクトの前記第2の部分は、前記第1の絶縁層上にある、請求項30から33までのいずれか一項に記載のGaNベースのHEMTデバイス。
【請求項35】
前記バリア層上及び前記第1の絶縁層内のドレイン・コンタクトと、
前記第1の絶縁層及び前記ドレイン・コンタクト上の第2の絶縁層と、
前記第2の絶縁層上のフィールド・プレートと
をさらに含み、
前記フィールド・プレートは、前記ゲート・コンタクトの前記第2の部分の側壁を越えて前記ドレイン・コンタクトに向かって、0.3μmから0.5μmの間の距離だけ延びる、請求項34に記載のGaNベースのHEMTデバイス。
【請求項36】
Kaバンドで動作するように構成されている、請求項25から35までのいずれか一項に記載のGaNベースのHEMTデバイス。
【請求項37】
両側に第1の表面及び第2の表面を含む基板と、
前記基板と反対側の前記基板の前記第1の表面上のチャネル層と、
前記チャネル層上のバリア層と、
前記バリア層の上面に第1のオーミック・コンタクトを備えるソース・コンタクトと、
前記基板の前記第2の表面から前記第1のオーミック・コンタクトまで延びるビアと
を含む、高電子移動度トランジスタ(HEMT)。
【請求項38】
前記ビア内にバックメタル層をさらに含む、請求項37に記載のHEMT。
【請求項39】
前記バックメタル層は、前記第1のオーミック・コンタクトに直接接触する、請求項38に記載のHEMT。
【請求項40】
前記バックメタル層は、前記第1のオーミック・コンタクトの底面に直接接触し、
前記バックメタル層と前記第1のオーミック・コンタクトの前記底面との間の接触面積は、前記底面の面積の50パーセント以上である、請求項38又は39に記載のHEMT。
【請求項41】
前記バックメタル層は、前記基板の前記第2の表面上に延びる、請求項38から40までのいずれか一項に記載のHEMT。
【請求項42】
前記ビアは、前記チャネル層及び前記バリア層を通って延びる、請求項37から41までのいずれか一項に記載のHEMT。
【請求項43】
前記基板の厚さは、75μm以下である、請求項37から42までのいずれか一項に記載のHEMT。
【請求項44】
前記基板の前記第1の表面に平行な方向における前記ビアの最大断面は、16μm×40μm未満である、請求項37から43までのいずれか一項に記載のHEMT。
【請求項45】
前記基板の前記第1の表面に平行な方向における前記ビアの最大断面の面積は、1000μm2未満である、請求項37から44までのいずれか一項に記載のHEMT。
【請求項46】
前記第1のオーミック・コンタクトは、前記バリア層の前記上面の凹部内にある、請求項37から45までのいずれか一項に記載のHEMT。
【請求項47】
前記バリア層の前記上面に第2のオーミック・コンタクトを備えるドレイン・コンタクトをさらに含む、請求項37から46までのいずれか一項に記載のHEMT。
【請求項48】
前記バリア層の前記上面のゲート・コンタクトと、
前記バリア層の前記上面の第1の絶縁層と
をさらに含み、
前記ゲート・コンタクトの第1の部分は、前記第1の絶縁層上にある、請求項47に記載のHEMT。
【請求項49】
前記第1の絶縁層及び前記ゲート・コンタクト上に第2の絶縁層をさらに含む、請求項48に記載のHEMT。
【請求項50】
前記第2の絶縁層上にフィールド・プレートをさらに含み、前記フィールド・プレートの少なくとも一部分は、前記ゲート・コンタクトと前記ドレイン・コンタクトとの間にある前記第2の絶縁層の一部分上にある、請求項49に記載のHEMT。
【請求項51】
前記基板は、炭化ケイ素を含む、請求項37から50までのいずれか一項に記載のHEMT。
【請求項52】
前記バリア層は、第1のIII族窒化物を含み、前記チャネル層は、第2のIII族窒化物を含み、
前記チャネル層の伝導帯端部の第1のエネルギーは、前記チャネル層と前記バリア層との間の境界面における前記バリア層の伝導帯端部の第2のエネルギーよりも小さい、請求項37から51までのいずれか一項に記載のHEMT。
【請求項53】
前記第1のオーミック・コンタクトに隣接する前記バリア層内にドープされたウェルをさらに含む、請求項37から53までのいずれか一項に記載のHEMT。
【請求項54】
基板と、
前記基板上の半導体構造体と、
各々が前記基板及び前記半導体構造体内に延びる、第1のビア及び第2のビアと、
前記第1のビア上の第1のオーミック・ソース・コンタクト及び前記第2のビア上の第2のオーミック・ソース・コンタクトと、
前記第1のオーミック・ソース・コンタクトと前記第2のオーミック・ソース・コンタクトとの間の前記半導体構造体上のドレイン・コンタクトと、
前記第1のソース・オーミック・コンタクトと前記ドレイン・コンタクトとの間のゲート・コンタクトと
を含む、高電子移動度トランジスタ(HEMT)。
【請求項55】
前記第1のビアは、前記第1のオーミック・ソース・コンタクトと前記基板との間にある、請求項54に記載のHEMT。
【請求項56】
前記第1のオーミック・ソース・コンタクトと前記第2のオーミック・ソース・コンタクトとの間の距離は、60μm以下である、請求項54又は55に記載のHEMT。
【請求項57】
前記第1のビア内にバックメタル層をさらに含む、請求項54に記載のHEMT。
【請求項58】
前記バックメタル層は、前記第1のオーミック・ソース・コンタクトに直接接触する、請求項57に記載のHEMT。
【請求項59】
前記バックメタル層は、前記第1のオーミック・ソース・コンタクトの底面に直接接触し、
前記バックメタル層と前記第1のオーミック・ソース・コンタクトの前記底面との間の接触面積は、前記底面の面積の50パーセント以上である、請求項57又は58に記載のHEMT。
【請求項60】
前記バックメタル層は、前記半導体構造体から前記基板の反対側にある前記基板の表面上に延びる、請求項57に記載のHEMT。
【請求項61】
前記半導体構造体は、チャネル層と、前記チャネル層上のバリア層とを含む、請求項57に記載のHEMT。
【請求項62】
前記第1のビアは、前記チャネル層及び前記バリア層を通って延びる、請求項61に記載のHEMT。
【請求項63】
前記基板の厚さは、75μm以下である、請求項54から62までのいずれか一項に記載のHEMT。
【請求項64】
前記基板の上面に平行な方向における前記第1のビアの最大断面は、16μm×40μm未満である、請求項54から63までのいずれか一項に記載のHEMT。
【請求項65】
前記基板の上面に平行な方向における前記第1のビアの最大断面の面積は、1000μm2未満である、請求項54から64までのいずれか一項に記載のHEMT。
【請求項66】
前記第1のオーミック・ソース・コンタクトは、前記半導体構造体の上面の凹部内にある、請求項54から65までのいずれか一項に記載のHEMT。
【請求項67】
前記半導体構造体上に第1の絶縁層をさらに含み、前記ゲート・コンタクトの第1の部分が、前記第1の絶縁層上にある、請求項54から66までのいずれか一項に記載のHEMT。
【請求項68】
前記第1の絶縁層及び前記ゲート・コンタクト上に第2の絶縁層をさらに含む、請求項67に記載のHEMT。
【請求項69】
前記第2の絶縁層上にフィールド・プレートをさらに含み、前記フィールド・プレートの少なくとも一部分は、前記ゲート・コンタクトと前記ドレイン・コンタクトとの間にある前記第2の絶縁層の一部分上にある、請求項68に記載のHEMT。
【請求項70】
高電子移動度トランジスタ(HEMT)を形成する方法であって、
基板上に半導体構造体を形成するステップであって、前記基板が、前記基板の両側に上面及び下面を含む、ステップと、
前記半導体構造体の上面に第1のオーミック・コンタクトを備えるソース・コンタクトを形成するステップと、
前記基板の前記下面から前記第1のオーミック・コンタクトまで延びるビアを形成するステップと
を含む、方法。
【請求項71】
前記基板を薄くするステップをさらに含む、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記基板を薄くした後、前記基板の厚さは、75μm以下である、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記基板を薄くするステップは、前記第1のオーミック・コンタクトを形成した後、前記ビアを形成する前に実行される、請求項71又は72に記載の方法。
【請求項74】
前記ビア内にバックメタル層を堆積させるステップをさらに含む、請求項70に記載の方法。
【請求項75】
前記バックメタル層は、前記第1のオーミック・コンタクトに直接接触する、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記バックメタル層は、前記第1のオーミック・コンタクトの下面に直接接触し、
前記バックメタル層と前記第1のオーミック・コンタクトの前記下面との間の接触面積は、前記第1のオーミック・コンタクトの前記下面の面積の50パーセント以上である、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
前記バックメタル層は、前記基板の前記下面上に延びる、請求項74から76までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記ビアの少なくとも一部分は、前記第1のオーミック・コンタクトと前記基板の前記下面との間にある、請求項70から77までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記基板上に前記半導体構造体を形成するステップは、
前記基板上にチャネル層を形成するステップと、
前記チャネル層上にバリア層を形成するステップと
を含む、請求項70から78までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記基板の前記下面に平行な方向における前記ビアの最大断面は、1000μm2未満である、請求項70から79までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記半導体構造体上に第1の絶縁層を形成するステップをさらに含み、前記ソース・コンタクトを形成するステップは、前記第1の絶縁層内に前記第1のオーミック・コンタクトを形成するステップを含む、請求項70から80までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記第1の絶縁層内にドレイン・コンタクトを形成するステップと、
前記ドレイン・コンタクトと前記ソース・コンタクトとの間の前記第1の絶縁層内にゲート・コンタクトを形成するステップと
をさらに含む、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記ドレイン・コンタクトは、第2のオーミック・コンタクトを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記第1の絶縁層及び前記ゲート・コンタクト上に第2の絶縁層を形成するステップをさらに含む、請求項82に記載の方法。
【請求項85】
前記第2の絶縁層上にフィールド・プレートを形成するステップをさらに含み、前記フィールド・プレートの少なくとも一部分は、前記ゲート・コンタクトと前記ドレイン・コンタクトとの間にある前記第2の絶縁層の一部分上にある、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記ゲート・コンタクト、前記ドレイン・コンタクト、及び前記ソース・コンタクトのうちの少なくとも1つの上の前記第2の絶縁層内に金属コンタクトを形成するステップをさらに含む、請求項84又は85に記載の方法。
【請求項87】
基板と、
前記基板上の半導体構造体と、
前記半導体構造体上の第1のオーミック・ソース・コンタクト及び第2のオーミック・ソース・コンタクトと、
前記第1のオーミック・ソース・コンタクトと前記第2のオーミック・ソース・コンタクトとの間の前記半導体構造体上のドレイン・コンタクトと
を含む、高電子移動度トランジスタ(HEMT)であって、
前記第1のオーミック・ソース・コンタクトと前記第2のオーミック・ソース・コンタクトとの間の距離は、60μm以下である、高電子移動度トランジスタ(HEMT)。
【請求項88】
前記基板の底面から前記第1のオーミック・ソース・コンタクトまで延びるビアをさらに含む、請求項87に記載のHEMT。
【請求項89】
前記ビア内にバックメタル層をさらに含む、請求項88に記載のHEMT。
【請求項90】
前記バックメタル層は、前記第1のオーミック・ソース・コンタクトに直接接触する、請求項89に記載のHEMT。
【請求項91】
前記バックメタル層は、前記第1のオーミック・ソース・コンタクトの底面に直接接触し、
前記バックメタル層と前記第1のオーミック・ソース・コンタクトの前記底面との間の接触面積は、前記底面の面積の50パーセント以上である、請求項89又は90に記載のHEMT。
【請求項92】
前記基板の前記底面に平行な方向における前記ビアの最大断面は、16μm×40μm未満である、請求項88から91までのいずれか一項に記載のHEMT。
【請求項93】
前記基板の前記底面に平行な方向における前記ビアの最大断面の面積は、1000μm2未満である、請求項88から92までのいずれか一項に記載のHEMT。
【請求項94】
前記基板の厚さは、75μm以下である、請求項87から93までのいずれか一項に記載のHEMT。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年8月29日に出願された米国特許出願第16/555,036号、及び2019年6月13日に出願された米国特許出願第16/440,427号の優先権を主張するものであり、それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本明細書で説明される発明概念は、半導体デバイスに関し、より詳細には、高電子移動度トランジスタに関する。
【背景技術】
【0003】
シリコン及びガリウムヒ素などの、より低いバンドギャップの半導体材料で形成された電子デバイスは、より低い電力及び(シリコンの場合には)より低い周波数の用途において広い用途が見出された。しかし、これらの半導体材料は、それらの比較的小さいバンドギャップ(例えば、室温で、シリコンの場合は1.12eV、ガリウムヒ素の場合は1.42eV)、及び/又は比較的小さい降伏電圧のために、より高い電力、及び/又は高周波数の用途にあまり適していない場合がある。
【0004】
高電力、高温、及び/又は高周波数の用途では、炭化ケイ素(室温でアルファ炭化ケイ素の場合は2.996eVのバンドギャップ)及びIII族窒化物(例えば、室温で窒化ガリウムの場合は3.36eVのバンドギャップ)などの、広いバンドギャップ半導体材料で形成されたデバイスがしばしば使用される。これらの材料は、典型的には、ガリウムヒ素及びシリコンと比較して、より高い電界破壊強度、及びより高い電子飽和速度を有する。
【0005】
高電力及び/又は高周波数の用途で特に興味深いデバイスは、高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)である。HEMTデバイスは、いくつかの用途において動作上の利点を提供することができる。動作中、2次元電子ガス(2DEG:two-dimensional electron gas)が、異なるバンドギャップエネルギーを有する2つの半導体材料のヘテロ接合においてHEMTデバイス内に形成され、より小さいバンドギャップ材料は、より高い電子親和力を有する。2DEGは、より小さいバンドギャップ材料内の蓄積層であり、極めて高いシート電子濃度を含むことができる。さらに、より広いバンドギャップの半導体材料に由来する電子は、2DEG層に移動し、イオン化不純物散乱が減少するため、高い電子移動度を可能にする。高いキャリア濃度と高いキャリア移動度とのこの組合せは、HEMTに極めて大きい相互コンダクタンスを与えることができ、高周波数の用途のための金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET:metal oxide semiconductor field effect transistor)よりも強い性能利点を提供し得る。
【0006】
III族窒化物ベースの材料系で製造された高電子移動度トランジスタは、前述の高破壊電界、広いバンドギャップ、大きい伝導帯オフセット、及び/又は高い飽和電子ドリフト速度を含む材料特性の組合せにより、大量の無線周波数(RF:radio frequency)電力を生成する可能性を有する。
【0007】
したがって、HEMTデバイスは、電力増幅器(PA:power amplifier)において有利に利用することができる。HEMTデバイスを利用する電力増幅器を含む、電力増幅器は、出力電力と帯域幅との間のトレードオフをしばしば受ける。寄生容量などの内部の非効率性は、デバイスのスイッチング速度に影響を与え得る。より微細化されたトランジスタ形状は、より高い動作周波数を達成することができるが、より小さい寸法は、低減された電流(及び電力)容量をもたらし得る。
【0008】
増幅器の動作特性を改善することは、利用可能な帯域幅を効率的に使用することを助け得る。例えば、電力増幅器の線形性は、高いデータレートを達成するために使用されることがある複雑な変調フォーマットの完全性を維持するのに有用であり得る。例えば、いくつかの変調方式は、受信機が信号の振幅の変動を区別することができることに依存する場合があり、電力増幅器における線形性は、信号の振幅変動を保持するのに役立つ。送信された信号が、例えば、特定の出力電力における電力増幅器の利得圧縮によって歪められる場合、受信機は、変調の振幅部分に基づく情報を復号することが困難になる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国再発行特許第34,861号明細書
【特許文献2】米国特許第4,946,547号明細書
【特許文献3】米国特許第5,200,022号明細書
【特許文献4】米国特許第6,218,680号明細書
【特許文献5】米国特許第5,210,051号明細書
【特許文献6】米国特許第5,393,993号明細書
【特許文献7】米国特許第5,523,589号明細書
【特許文献8】米国特許第5,192,987号明細書
【特許文献9】米国特許第5,296,395号明細書
【特許文献10】米国特許第6,316,793号明細書
【特許文献11】米国特許第6,548,333号明細書
【特許文献12】米国特許第7,544,963号明細書
【特許文献13】米国特許第7,548,112号明細書
【特許文献14】米国特許第7,592,211号明細書
【特許文献15】米国特許第7,615,774号明細書
【特許文献16】米国特許第7,709,269号明細書
【特許文献17】米国特許第7,030,428号明細書
【特許文献18】米国特許第8,563,372号明細書
【特許文献19】米国特許第9,214,352号明細書
【特許文献20】米国特許第8,049,252号明細書
【特許文献21】米国特許第7,045,404号明細書
【特許文献22】米国特許第8,120,064号明細書
【特許文献23】米国特許第7,291,529号明細書
【特許文献24】米国特許第7,932,111号明細書
【特許文献25】米国特許第7,259,402号明細書
【特許文献26】米国特許第8,513,686号明細書
【特許文献27】米国特許出願第11/080,905号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】“An Optical 0.25 μm GaN HEMT Technology on 100 mm SiC for RF Discrete and Foundry MMIC Products” by S. Wood et al. (2013 CS MANTECH Technical Digest, pp. 127-130, May 2013)
【非特許文献2】C. Campbell et al., “High Efficiency Ka-Band Gallium Nitride Power Amplifier MMICs,” 2013 IEEE International Conference on Microwaves, Communications, Antennas and Electronic Systems (COMCAS), Oct. 2013
【非特許文献3】S. Din et al., “High Power and High Efficiency Ka Band Power Amplifier,” 2015 IEEE Internal Microwave Symposium (IMS), May 2015
【非特許文献4】J. Cheron et al., “High-gain Over 30% PAE Power Amplifier MMICs in 100 nm GaN Technology at Ka-Band Frequencies,” Proceedings of the 10th European Microwave Integrated Circuits Conference, Sept. 2015
【非特許文献5】P. Blount et al., “A High Efficiency, Ka-Band Pulsed Gallium Nitride Power Amplifier for Radar Applications,” 2016 IEEE Compound Semiconductor Integrated Circuit Symposium (CSICS), Oct. 2016
【非特許文献6】M. Roberg et al., “40W Ka-Band Single and Dual Output GaN MMIC Power Amplifiers on SiC,” 2018 IEEE BiCMOS and Compound Semiconductor Integrated Circuits and Technology Symposium (BCICTS), Oct. 2018
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書で説明される実施例は、改善されたGaNベースのHEMTデバイス、及びそのようなHEMTデバイスを含む改善された電力増幅器を提供する。
【0012】
本発明のいくつかの実施例によれば、電力増幅器は、GaNベースの高電子移動度トランジスタ(HEMT)デバイスを含み、電力増幅器の電力付加効率(PAE:power added efficiency)は、26.5GHzから30.5GHzの間の電力増幅器の動作中、1dB圧縮での出力電力(P1dB)において32%を超える。
【0013】
いくつかの実施例では、電力増幅器は、30GHzで動作している間、3.5W/mmを超える電力密度を生成するように構成される。
【0014】
いくつかの実施例では、電力増幅器のP1dB値は、26GHzから30.5GHzの間の電力増幅器の動作中、最大測定電力の1dB以内である。
【0015】
いくつかの実施例では、電力出力に対する静止ドレイン電流の比は、約12.5mA/W以下である。
【0016】
いくつかの実施例では、GaNベースのHEMTデバイスは、基板上に順次積層されたチャネル層及びバリア層と、バリア層上の第1のオーミック部分を含むソース・コンタクトと、チャネル層、バリア層、及び基板内でソース・コンタクトの第1のオーミック部分まで延びるビアとをさらに含む。
【0017】
いくつかの実施例では、基板、チャネル層、及びバリア層を組み合わせた厚さは、40μmから80μmの間である。
【0018】
いくつかの実施例では、電力増幅器は、利得圧縮を行うように構成された第1の段と、利得拡張を行うように構成された第2の段とをさらに含む。
【0019】
いくつかの実施例では、第1の段は、A級モードでバイアスされ、第2の段は、AB級モードでバイアスされる。
【0020】
いくつかの実施例では、第1の段と第2の段との間の駆動比(drive ratio)は、約1:2である。
【0021】
本発明のいくつかの実施例によれば、電力増幅器は、84Vドレイン・バイアスでの高温逆バイアス(HTRB:high-temperature-reverse-bias)動作において1000時間を超えて動作するように構成されたGaNベースの高電子移動度トランジスタ(HEMT)デバイスを含む。
【0022】
いくつかの実施例では、電力増幅器の電力付加効率(PAE)は、26.5GHzから30.5GHzの間の電力増幅器の動作中、1dB圧縮での出力電力(P1dB)において32%を超える。
【0023】
いくつかの実施例では、電力増幅器のP1dB値は、26GHzから30.5GHzの間の電力増幅器の動作中、最大測定電力の1dB以内である。
【0024】
いくつかの実施例では、HTRB動作は、150℃の温度で動作する。
【0025】
いくつかの実施例では、HTRB動作を1000時間動作させた後、HEMTデバイスのゲート・リークは、1×10-4から1×10-3Aの間である。
【0026】
いくつかの実施例では、電力出力に対する静止ドレイン電流の比は、約12.5mA/W以下である。
【0027】
いくつかの実施例では、GaNベースのHEMTデバイスは、基板上に順次積層されたチャネル層及びバリア層と、バリア層上の第1のオーミック部分を含むソース・コンタクトと、チャネル層、バリア層、及び基板内でソース・コンタクトの第1のオーミック部分まで延びるビアとを含む。
【0028】
いくつかの実施例では、基板、チャネル層、及びバリア層を組み合わせた厚さは、40μmから80μmの間である。
【0029】
いくつかの実施例では、電力増幅器は、バリア層上にゲート・コンタクトをさらに含み、ゲート・コンタクトは、第1の部分と、第1の部分上の第2の部分とを備え、第2の部分は、第1の部分の1つ又は複数の側壁を越えて延びる。
【0030】
いくつかの実施例では、ゲート・コンタクトの第2の部分は、ゲート・コンタクトの第1の部分の側壁を越えてソース・コンタクトに向かって、0.5μmから0.15μmの間の距離だけ延びる。
【0031】
いくつかの実施例では、電力増幅器は、バリア層上にドレイン・コンタクトをさらに含み、ゲート・コンタクトの第2の部分は、ゲート・コンタクトの第1の部分の側壁を越えてドレイン・コンタクトに向かって、0.5μmから0.15μmの間の距離だけ延びる。
【0032】
いくつかの実施例では、ゲート・コンタクトの第1の部分は、バリア層に隣接する下面を含み、ゲート・コンタクトの第1の部分の下面の長さは、120nmから180nmの間である。
【0033】
いくつかの実施例では、電力増幅器は、バリア層上に第1の絶縁層をさらに含み、ゲート・コンタクトの第2の部分は、第1の絶縁層上にある。
【0034】
いくつかの実施例では、電力増幅器は、バリア層上及び第1の絶縁層内のドレイン・コンタクトと、第1の絶縁層及びドレイン・コンタクト上の第2の絶縁層と、第2の絶縁層上のフィールド・プレートとをさらに含み、フィールド・プレートは、ゲート・コンタクトの第2の部分の側壁を越えてドレイン・コンタクトに向かって、0.3μmから0.5μmの間の距離だけ延びる。
【0035】
いくつかの実施例では、電力増幅器は、Kaバンドで動作するように構成される。
【0036】
本発明のいくつかの実施例によれば、GaNベースの高電子移動度トランジスタ(HEMT)デバイスは、84Vドレイン・バイアスでの高温逆バイアス(HTRB)動作において1000時間を超えて動作するように構成される。
【0037】
いくつかの実施例では、HTRB動作は、150℃の温度で動作する。
【0038】
いくつかの実施例では、HTRB動作を1000時間動作させた後、HEMTデバイスのゲート・リークは、1×10-4から1×10-3Aの間である。
【0039】
いくつかの実施例では、GaNベースのHEMTは、基板上に順次積層されたチャネル層及びバリア層と、バリア層上の第1のオーミック部分を含むソース・コンタクトと、チャネル層、バリア層、及び基板内でソース・コンタクトの第1のオーミック部分まで延びるビアとをさらに含む。
【0040】
いくつかの実施例では、基板、チャネル層、及びバリア層を組み合わせた厚さは、40μmから80μmの間である。
【0041】
いくつかの実施例では、GaNベースのHEMTは、バリア層上にゲート・コンタクトをさらに含み、ゲート・コンタクトは、第1の部分と、第1の部分上の第2の部分とを備え、第2の部分は、第1の部分の1つ又は複数の側壁を越えて延びる。
【0042】
いくつかの実施例では、ゲート・コンタクトの第2の部分は、ゲート・コンタクトの第1の部分の側壁を越えてソース・コンタクトに向かって、0.5μmから0.15μmの間の距離だけ延びる。
【0043】
いくつかの実施例では、GaNベースのHEMTは、バリア層上にドレイン・コンタクトをさらに含み、ゲート・コンタクトの第2の部分は、ゲート・コンタクトの第1の部分の側壁を越えてドレイン・コンタクトに向かって、0.5μmから0.15μmの間の距離だけ延びる。
【0044】
いくつかの実施例では、ゲート・コンタクトの第1の部分は、バリア層に隣接する下面を含み、ゲート・コンタクトの第1の部分の下面の長さは、120nmから180nmの間である。
【0045】
いくつかの実施例では、GaNベースのHEMTは、バリア層上に第1の絶縁層をさらに含み、ゲート・コンタクトの第2の部分は、第1の絶縁層上にある。
【0046】
いくつかの実施例では、GaNベースのHEMTは、バリア層上及び第1の絶縁層内のドレイン・コンタクトと、第1の絶縁層及びドレイン・コンタクト上の第2の絶縁層と、第2の絶縁層上のフィールド・プレートとをさらに含み、フィールド・プレートは、ゲート・コンタクトの第2の部分の側壁を越えてドレイン・コンタクトに向かって、0.3μmから0.5μmの間の距離だけ延びる。
【0047】
いくつかの実施例では、HEMTデバイスは、Kaバンドで動作するように構成される。
【0048】
本発明のいくつかの実施例によれば、高電子移動度トランジスタ(HEMT)は、両側に第1の表面及び第2の表面を含む基板と、基板と反対側の基板の第1の表面上のチャネル層と、チャネル層上のバリア層と、バリア層の上面に第1のオーミック・コンタクトを備えるソース・コンタクトと、基板の第2の表面から第1のオーミック・コンタクトまで延びるビアとを含む。
【0049】
いくつかの実施例では、HEMTは、ビア内にバックメタル層をさらに含む。
【0050】
いくつかの実施例では、バックメタル層は、第1のオーミック・コンタクトに直接接触する。
【0051】
いくつかの実施例では、バックメタル層は、第1のオーミック・コンタクトの底面に直接接触し、バックメタル層と第1のオーミック・コンタクトの底面との間の接触面積は、底面の面積の50パーセント以上である。
【0052】
いくつかの実施例では、バックメタル層は、基板の第2の表面上に延びる。
【0053】
いくつかの実施例では、ビアは、チャネル層及びバリア層を通って延びる。
【0054】
いくつかの実施例では、基板の厚さは、75μm以下である。
【0055】
いくつかの実施例では、基板の第1の表面に平行な方向におけるビアの最大断面は、16μm×40μm未満である。
【0056】
いくつかの実施例では、基板の第1の表面に平行な方向におけるビアの最大断面の面積は、1000μm2未満である。
【0057】
いくつかの実施例では、第1のオーミック・コンタクトは、バリア層の上面の凹部内にある。
【0058】
いくつかの実施例では、HEMTは、バリア層の上面に第2のオーミック・コンタクトを備えるドレイン・コンタクトをさらに含む。
【0059】
いくつかの実施例では、HEMTは、バリア層の上面のゲート・コンタクトと、バリア層の上面の第1の絶縁層とをさらに含み、ゲート・コンタクトの第1の部分は、第1の絶縁層上にある。
【0060】
いくつかの実施例では、HEMTは、第1の絶縁層及びゲート・コンタクト上に第2の絶縁層をさらに含む。
【0061】
いくつかの実施例では、HEMTは、第2の絶縁層上にフィールド・プレートをさらに含み、フィールド・プレートの少なくとも一部分は、ゲート・コンタクトとドレイン・コンタクトとの間にある第2の絶縁層の一部分上にある。
【0062】
いくつかの実施例では、基板は、炭化ケイ素を含む。
【0063】
いくつかの実施例では、バリア層は、第1のIII族窒化物を含み、チャネル層は、第2のIII族窒化物を含み、チャネル層の伝導帯端部の第1のエネルギーは、チャネル層とバリア層との間の境界面におけるバリア層の伝導帯端部の第2のエネルギーよりも小さい。
【0064】
いくつかの実施例では、HEMTは、第1のオーミック・コンタクトに隣接するバリア層内にドープされたウェルをさらに含む。
【0065】
本発明のさらなる実施例によれば、高電子移動度トランジスタ(HEMT)は、基板と、基板上の半導体構造体と、各々が基板及び半導体構造体内に延びる、第1のビア及び第2のビアと、第1のビア上の第1のオーミック・ソース・コンタクト及び第2のビア上の第2のオーミック・ソース・コンタクトと、第1のオーミック・ソース・コンタクトと第2のオーミック・ソース・コンタクトとの間の半導体構造体上のドレイン・コンタクトと、第1のソース・オーミック・コンタクトとドレイン・コンタクトとの間のゲート・コンタクトとを含む。
【0066】
いくつかの実施例では、第1のビアは、第1のオーミック・ソース・コンタクトと基板との間にある。
【0067】
いくつかの実施例では、第1のオーミック・ソース・コンタクトと第2のオーミック・ソース・コンタクトとの間の距離は、60μm以下である。
【0068】
いくつかの実施例では、HEMTは、第1のビア内にバックメタル層をさらに含む。
【0069】
いくつかの実施例では、バックメタル層は、第1のオーミック・ソース・コンタクトに直接接触する。
【0070】
いくつかの実施例では、バックメタル層は、第1のオーミック・ソース・コンタクトの底面に直接接触し、バックメタル層と第1のオーミック・ソース・コンタクトの底面との間の接触面積は、底面の面積の50パーセント以上である。
【0071】
いくつかの実施例では、バックメタル層は、半導体構造体から基板の反対側にある基板の表面上に延びる。
【0072】
いくつかの実施例では、半導体構造体は、チャネル層と、チャネル層上のバリア層とを含む。
【0073】
いくつかの実施例では、第1のビアは、チャネル層及びバリア層を通って延びる。
【0074】
いくつかの実施例では、基板の厚さは、75μm以下である。
【0075】
いくつかの実施例では、基板の上面に平行な方向における第1のビアの最大断面は、16μm×40μm未満である。
【0076】
いくつかの実施例では、基板の上面に平行な方向における第1のビアの最大断面の面積は、1000μm2未満である。
【0077】
いくつかの実施例では、第1のオーミック・ソース・コンタクトは、半導体構造体の上面の凹部内にある。
【0078】
いくつかの実施例では、HEMTは、半導体構造体上に第1の絶縁層をさらに含み、ゲート・コンタクトの第1の部分は、第1の絶縁層上にある。
【0079】
いくつかの実施例では、HEMTは、第1の絶縁層及びゲート・コンタクト上に第2の絶縁層をさらに含む。
【0080】
いくつかの実施例では、HEMTは、第2の絶縁層上にフィールド・プレートをさらに含み、フィールド・プレートの少なくとも一部分は、ゲート・コンタクトとドレイン・コンタクトとの間にある第2の絶縁層の一部分上にある。
【0081】
本発明のさらなる実施例によれば、高電子移動度トランジスタ(HEMT)を形成する方法は、基板上に半導体構造体を形成するステップであって、基板が、両側に上面及び下面を含む、ステップと、半導体構造体の上面に第1のオーミック・コンタクトを備えるソース・コンタクトを形成するステップと、基板の下面から第1のオーミック・コンタクトまで延びるビアを形成するステップとを含む。
【0082】
いくつかの実施例では、本方法は、基板を薄くするステップをさらに含む。
【0083】
いくつかの実施例では、基板を薄くした後、基板の厚さは、75μm以下である。
【0084】
いくつかの実施例では、基板を薄くするステップは、第1のオーミック・コンタクトを形成した後、ビアを形成する前に実行される。
【0085】
いくつかの実施例では、本方法は、ビア内にバックメタル層を堆積させるステップをさらに含む。
【0086】
いくつかの実施例では、バックメタル層は、第1のオーミック・コンタクトに直接接触する。
【0087】
いくつかの実施例では、バックメタル層は、第1のオーミック・コンタクトの下面に直接接触し、バックメタル層と第1のオーミック・コンタクトの下面との間の接触面積は、第1のオーミック・コンタクトの下面の面積の50パーセント以上である。
【0088】
いくつかの実施例では、バックメタル層は、基板の下面上に延びる。
【0089】
いくつかの実施例では、ビアの少なくとも一部分は、第1のオーミック・コンタクトと基板の下面との間にある。
【0090】
いくつかの実施例では、基板上に半導体構造体を形成するステップは、基板上にチャネル層を形成するステップと、チャネル層上にバリア層を形成するステップとを含む。
【0091】
いくつかの実施例では、基板の下面に平行な方向におけるビアの最大断面は、1000μm2未満である。
【0092】
いくつかの実施例では、本方法は、半導体構造体上に第1の絶縁層を形成するステップをさらに含み、ソース・コンタクトを形成するステップは、第1の絶縁層内に第1のオーミック・コンタクトを形成するステップを含む。
【0093】
いくつかの実施例では、本方法は、第1の絶縁層内にドレイン・コンタクトを形成するステップと、ドレイン・コンタクトとソース・コンタクトとの間の第1の絶縁層内にゲート・コンタクトを形成するステップとをさらに含む。
【0094】
いくつかの実施例では、ドレイン・コンタクトは、第2のオーミック・コンタクトを含む。
【0095】
いくつかの実施例では、本方法は、第1の絶縁層及びゲート・コンタクト上に第2の絶縁層を形成するステップをさらに含む。
【0096】
いくつかの実施例では、本方法は、第2の絶縁層上にフィールド・プレートを形成するステップをさらに含み、フィールド・プレートの少なくとも一部分は、ゲート・コンタクトとドレイン・コンタクトとの間にある第2の絶縁層の一部分上にある。
【0097】
いくつかの実施例では、本方法は、ゲート・コンタクト、ドレイン・コンタクト、及びソース・コンタクトのうちの少なくとも1つの上の第2の絶縁層内に金属コンタクトを形成するステップをさらに含む。
【0098】
本発明のさらなる実施例によれば、高電子移動度トランジスタ(HEMT)は、基板と、基板上の半導体構造体と、半導体構造体上の第1のオーミック・ソース・コンタクト及び第2のオーミック・ソース・コンタクトと、第1のオーミック・ソース・コンタクトと第2のオーミック・ソース・コンタクトとの間の半導体構造体上のドレイン・コンタクトとを含み、第1のオーミック・ソース・コンタクトと第2のオーミック・ソース・コンタクトとの間の距離は、60μm以下である。
【0099】
いくつかの実施例では、HEMTは、基板の底面から第1のオーミック・ソース・コンタクトまで延びるビアをさらに含む。
【0100】
いくつかの実施例では、HEMTは、ビア内にバックメタル層をさらに含む。
【0101】
いくつかの実施例では、バックメタル層は、第1のオーミック・ソース・コンタクトに直接接触する。
【0102】
いくつかの実施例では、バックメタル層は、第1のオーミック・ソース・コンタクトの底面に直接接触し、バックメタル層と第1のオーミック・ソース・コンタクトの底面との間の接触面積は、底面の面積の50パーセント以上である。
【0103】
いくつかの実施例では、基板の底面に平行な方向におけるビアの最大断面は、16μm×40μm未満である。
【0104】
いくつかの実施例では、基板の底面に平行な方向におけるビアの最大断面の面積は、1000μm2未満である。
【0105】
いくつかの実施例では、基板の厚さは、75μm以下である。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【
図1A】従来の高電子移動度トランジスタの概略平面図である。
【
図1B】
図1Aの線A-A’に沿って切り取られた概略断面図である。
【
図1C】
図1Aの線B-B’に沿って切り取られた概略断面図である。
【
図2A】本発明の実施例によるHEMTデバイスの概略平面図である。
【
図2B】
図2Aの線C-C’に沿って切り取られたHEMTデバイスの概略断面図である。
【
図2C】
図2Aの線D-D’に沿って切り取られたHEMTデバイスの概略断面図である。
【
図3】本発明の実施例による、
図2Aの線D-D’に沿って切り取られたHEMTデバイスの追加の実施例の概略断面図である。
【
図4A】本発明の実施例による、HEMTデバイスを製造する方法を示す図である。
【
図4B】本発明の実施例による、HEMTデバイスを製造する方法を示す図である。
【
図4C】本発明の実施例による、HEMTデバイスを製造する方法を示す図である。
【
図4D】本発明の実施例による、HEMTデバイスを製造する方法を示す図である。
【
図4E】本発明の実施例による、HEMTデバイスを製造する方法を示す図である。
【
図4F】本発明の実施例による、HEMTデバイスを製造する方法を示す図である。
【
図4G】本発明の実施例による、HEMTデバイスを製造する方法を示す図である。
【
図4H】本発明の実施例による、HEMTデバイスを製造する方法を示す図である。
【
図4I】本発明の実施例による、HEMTデバイスを製造する方法を示す図である。
【
図5】本発明の実施例による、
図2Aの線D-D’に沿って切り取られたHEMTデバイスの追加の実施例の概略断面図である。
【
図6A】本明細書で説明される実施例による、例示的なHEMTデバイスの特性を示す図である。
【
図6B】本明細書で説明される実施例による、例示的なHEMTデバイスの特性を示す図である。
【
図6C】本明細書で説明される実施例による、例示的なHEMTデバイスの特性を示す図である。
【
図7】本明細書で説明される実施例による、例示的なHEMTデバイスの増幅特性曲線のグラフである。
【
図8】本明細書で説明される実施例による、例示的なHEMTデバイスのウエハ上の小信号利得の変動のグラフである。
【
図9A】本明細書で説明される実施例による、例示的なHEMTデバイスの10GHzの電力掃引のグラフである。
【
図9B】本明細書で説明される実施例による、例示的なHEMTデバイスの30GHzの電力掃引のグラフである。
【
図10A】本明細書で説明される実施例による、例示的なHEMTデバイスの高温逆バイアス(HTRB)試験の結果を示す図である。
【
図10B】本明細書で説明される実施例による、例示的なHEMTデバイスの高温逆バイアス(HTRB)試験の結果を示す図である。
【
図11A】本明細書で説明される実施例による、例示的なHEMTデバイスの加速寿命試験の結果を示す図である。
【
図11B】本明細書で説明される実施例による、例示的なHEMTデバイスの加速寿命試験の結果を示す図である。
【
図11C】本明細書で説明される実施例による、例示的なHEMTデバイスの加速寿命試験の結果を示す図である。
【
図12】本明細書で説明される実施例による、例示的なHEMTデバイスの加速寿命試験中の出力電力を示す図である。
【
図13】従来のデバイスを超える性能改善をもたらすことができるHEMTデバイスの一実施例を示す図である。
【
図14】従来のGaN増幅器の出力電力の関数としての利得圧縮のグラフである。
【
図15】本明細書で説明される実施例による、多段モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC:monolithic microwave integrated circuit)デバイスの概略図である。
【
図16】本明細書で説明される実施例による、例示的なMMICの写真である。
【
図17A】本明細書で説明される実施例による、デバイスのSパラメータのグラフである。
【
図17B】本明細書で説明される実施例による、デバイスのSパラメータのグラフである。
【
図17C】本明細書で説明される実施例による、デバイスのSパラメータのグラフである。
【
図18A】本明細書で説明される実施例による、デバイスの電力測定値のグラフである。
【
図18B】本明細書で説明される実施例による、デバイスの電力測定値のグラフである。
【
図18C】本明細書で説明される実施例による、デバイスの電力測定値のグラフである。
【
図19A】本明細書で説明される実施例による、デバイスの利得圧縮測定値のグラフである。
【
図19B】本明細書で説明される実施例による、デバイスの利得圧縮測定値のグラフである。
【
図19C】本明細書で説明される実施例による、デバイスの利得圧縮測定値のグラフである。
【
図20】本明細書で説明される実施例による、デバイスの最大測定電力及びP1dB特性のグラフである。
【
図21】本明細書で説明される実施例による、デバイスの電力付加効率(PAE)特性のグラフである。
【
図22】本明細書で説明される実施例による、デバイスの3次相互変調歪み(IM3:third-order intermodulation distortion)特性のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0107】
本発明の概念の実施例は、本発明の実施例が示される添付の図面を参照して、以下により十分に説明される。しかし、本発明の概念は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施例に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は、本開示が周到且つ完全であり、本発明の概念の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。全体を通して、同様の番号は、同様の要素を指す。
【0108】
本発明の実施例は、改善されたデバイス密度及びスイッチング性能を示し得る高電子移動度トランジスタを対象とする。
【0109】
図1Aは、従来の高電子移動度トランジスタ100の概略平面図であり、
図1Bは、
図1Aの線A-A’に沿って切り取られた高電子移動度トランジスタ100の概略断面図であり、
図1Cは、
図1Aの線B-B’に沿って切り取られた高電子移動度トランジスタ100の概略断面図である。
図1A~
図1Cに示すように、高電子移動度トランジスタ100は、例えば、炭化ケイ素基板などの基板122上に形成することができる。チャネル層124は、基板122上に形成される。バリア層126は、基板122の反対側のチャネル層124上に形成される。チャネル層124は、例えば、窒化ガリウム(GaN)を含むことができ、バリア層126は、例えば、窒化アルミニウム・ガリウム(AlGaN)を含むことができる。
【0110】
チャネル層124及びバリア層126は、ともに、基板122上に半導体構造体190を形成することができる。ソース・コンタクト215及びドレイン・コンタクト205は、バリア層126の上面に形成され、互いに横方向に離間している。ソース・コンタクト215及びドレイン・コンタクト205は、バリア層126に対するオーミック・コンタクトを形成することができる。
【0111】
ゲート・コンタクト210は、ソース・コンタクト215とドレイン・コンタクト205との間のバリア層126の上面に形成される。2次元電子ガス(2DEG)層は、HEMTデバイス100がその導通状態すなわち「オン」状態になるようにバイアスされると、チャネル層124とバリア層126との間の接合部に形成される。2DEG層は、ソース・コンタクト215及びドレイン・コンタクト205のそれぞれの下にある、デバイスのソース領域とドレイン領域との間に電流が流れることを可能にする高導電層として機能する。
【0112】
ソース・コンタクト215は、例えば、接地電圧などの基準信号に結合することができる。基準信号への結合は、基板122の下面122Aから基板122を通ってバリア層の上面126Aまで延びるビア225によって実現され得る。メタライズ層217は、ビア225上及び2つの隣接するソース・コンタクト215上に堆積され、2つの隣接するソース・コンタクト215を電気的に接続し得る。メタライズ層は、導電性金属から形成することができる。
【0113】
ビア225は、メタライズ層217の表面を露出させることができる。バックメタル層235が、基板122の下面122A上及びビア225の側壁上に形成され得る。バックメタル層235は、メタライズ層217に直接接触し得る。したがって、バックメタル層235及びそれに結合された信号は、2つの隣接するソース・コンタクト215に電気的に接続され得る。
【0114】
HEMTデバイス100は、複数のトランジスタ・ユニット・セルから構成することができ、その実例は、
図1Aにおいて100_A及び100_Bとして示されている。トランジスタ・ユニット・セル100_A、100_Bのそれぞれは、ソース・コンタクト215、ドレイン・コンタクト205、及びゲート・コンタクト210を含み得る。トランジスタ・ユニット・セルの第1のもの100_Aの第1のオーミック・ソース・コンタクト(例えば、215_A)は、トランジスタ・ユニット・セルの第2のもの100_Bの第2のオーミック・ソース・コンタクト(例えば、215_B)から分離され得る。ソース・コンタクト215、ドレイン・コンタクト205、及びゲート・コンタクト210は、HEMTデバイス100のソース・コンタクト215、ドレイン・コンタクト205、及びゲート・コンタクト210の総数のサブセットのみを表し得る。
【0115】
図1Aを参照すると、得られるHEMTデバイス100のサイズは、ソース・コンタクト215及び/又はビア225のうちの隣接するものの間のソース間距離D1によって影響され得る。
図1A及び
図1Cに示すように、距離D1は、ビア225の隣接するものの間、及び/又はメタライズ層217によって相互接続された2つの隣接するソース・コンタクト215の組合せの隣接するものの間で(例えば、
図1AのX方向に)測定され得る。距離D1は、いくつかの実施例では、中心間距離であってもよい。例えば、いくつかの実施例では、D1は、第1のビア225の中心からX方向に隣接する第2のビア225の中心までの測定値であり得る。従来のデバイスでは、距離D1は、120μm以上であり得る。
【0116】
本発明は、
図1B及び
図1Cに示される相互接続メタライズ層217などの、相互接続メタライズ層を必要とすることなく、ビアをソース・コンタクトに直接接続することによって、半導体デバイスの寸法を縮小することができるという理解から得られる。基板はまた、ビアの水平断面積の低減を可能にするために薄くされ、デバイスの面積をさらに低減することができる。デバイスの面積を低減することから生じ得る密度の改善に加えて、全体的な寄生容量も減少し得る。低減された寄生容量は、得られた回路のスイッチング周波数のさらなる改善につながり得る。
【0117】
図2Aは、本発明の実施例による、HEMTデバイス300の概略平面図であり、
図2Bは、
図2Aの線C-C’に沿って切り取られたHEMTデバイス300の概略断面図であり、
図2Cは、
図2Aの線D-D’に沿って切り取られたHEMTデバイス300の概略断面図である。
図2A、
図2B、及び
図2Cは、識別及び説明のための構造を表すことを意図しており、構造を物理的なスケールで表すことを意図していない。さらに、
図2A、
図2B、及び
図2Cは、
図1A、
図1B、及び
図1Cの構造との全体的な比較を可能にするように示されているが、
図2A~
図2Cのスケールは、
図1A~
図1Cのスケールと同一であることを意図していないことが理解されよう。
【0118】
図2A~
図2Cに示すように、III族窒化物半導体HEMTの半導体構造体などの、半導体構造体390は、炭化ケイ素SiC基板又はサファイア基板などの基板322上に形成することができる。基板322は、例えば、炭化ケイ素の4Hポリタイプであり得る、半絶縁性炭化ケイ素(SiC)基板とすることができる。他の炭化ケイ素のポリタイプ候補には、3C、6H、及び15Rのポリタイプが含まれ得る。基板は、Cree,Inc.から入手可能な高純度半絶縁性(HPSI:High Purity Semi-Insulating)基板であってもよい。「半絶縁性」という用語は、絶対的な意味ではなく、本明細書において記述的に使用される。
【0119】
本明細書で使用されるとき、「III族窒化物」という用語は、窒素(N)と、周期表のIII族の元素、通常はアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、及び/又はインジウム(In)との間で形成される、それらの半導体化合物を指す。この用語はまた、例えば、AlGaN及びAlInGaNなどの三元及び四元(又はそれ以上)の化合物を指す。当業者によって十分理解されるように、III族元素は窒素と結合して、二元(例えば、GaN)、三元(例えば、AlGaN、AlInN)、及び四元(例えば、AlInGaN)の化合物を形成することができる。これらの化合物は全て、1モルの窒素が、合計で1モルのIII族元素と結合される組成式を有する。
【0120】
本発明のいくつかの実施例では、基板322の炭化ケイ素バルク結晶は、室温で約1×105オーム・cm以上の抵抗率を有し得る。本発明のいくつかの実施例で使用することができる例示的なSiC基板は、例えば、本発明の譲受人である、ノースカロライナ州ダラムのCree,Inc.によって製造され、そのような基板を製造する方法は、例えば、特許文献1~4に記載されており、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。炭化ケイ素は、基板材料として使用することができるが、本出願の実施例は、サファイア(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化アルミニウム・ガリウム(AlGaN)、窒化ガリウム(GaN)、シリコン(Si)、GaAs、LGO、酸化亜鉛(ZnO)、LAO、リン化インジウム(InP)などの任意の適切な基板を利用することができる。基板322は、炭化ケイ素ウエハであってもよく、HEMTデバイス300は、少なくとも部分的に、ウエハ・レベル処理を介して形成されてもよく、次いで、ウエハは、複数の個々の高電子移動度トランジスタ300を提供するためにダイシングされてもよい。
【0121】
基板322は、下面322A及び上面322Bを有し得る。いくつかの実施例では、HEMTデバイス300の基板322は、薄型基板322であり得る。いくつかの実施例では、基板322の厚さ(例えば、
図2Bの垂直Z方向における)は、100μm以下であり得る。いくつかの実施例では、基板322の厚さは、75μm以下であり得る。いくつかの実施例では、基板322の厚さは、50μm以下であり得る。
【0122】
チャネル層324は、基板322の上面322Bに(又は本明細書でさらに説明される任意選択の層の上に)形成され、バリア層326は、チャネル層324の上面に形成される。チャネル層324及びバリア層326は各々、いくつかの実施例では、エピタキシャル成長によって形成され得る。III族窒化物のエピタキシャル成長のための技法は、例えば、特許文献第5~7に記載されており、これらの開示も、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。チャネル層324は、バリア層326のバンドギャップよりも小さいバンドギャップを有し得、チャネル層324は、バリア層326よりも大きい電子親和力も有し得る。チャネル層324及びバリア層326は、III族窒化物ベースの材料を含み得る。
【0123】
いくつかの実施例では、チャネル層324は、チャネル層324の伝導帯端部のエネルギーが、チャネル層324とバリア層326との間の境界面におけるバリア層326の伝導帯端部のエネルギーよりも小さいという条件で、AlxGa1-xN(0≦x<1)などのIII族窒化物とすることができる。本発明のいくつかの実施例では、x=0であり、チャネル層324がGaNであることを示す。チャネル層324はまた、InGaN、AlInGaNなどの他のIII族窒化物であってもよい。チャネル層324は、ドープされなくて(「意図せずにドープされて」)もよく、約0.002μmを超える厚さまで成長させてもよい。チャネル層324はまた、超格子又はGaN、AlGaNなどの組合せなどの、多層構造であってもよい。チャネル層324は、いくつかの実施例では、圧縮歪みの下にあってもよい。
【0124】
いくつかの実施例では、バリア層326は、AlN、AlInN、AlGaN、若しくはAlInGaN又はそれらの層の組合せである。バリア層326は、単一の層を含んでもよいし、多層構造であってもよい。本発明の特定の実施例では、バリア層326は、バリア層326がオーミック・コンタクト金属の下に埋め込まれるとき、分極効果によってチャネル層324とバリア層326との間の境界面に著しいキャリア濃度を誘導するのに、十分に厚さで、十分に高いアルミニウム(Al)組成及びドーピングを有してもよい。バリア層326は、例えば、約0.1nmから約30nmまでの厚さであってもよいが、その中に亀裂又は大きい欠陥の形成を引き起こすほどは厚くない。15~30nmの範囲のバリア層の厚さが一般的である。いくつかの実施例では、バリア層326は、ドープされていないか、又はn型ドーパントで約1019cm-3未満の濃度までドープされている。本発明のいくつかの実施例では、バリア層326は、AlxGa1-xN(0<x<1)である。特定の実施例では、アルミニウム濃度は約25%である。しかし、本発明の他の実施例では、バリア層326は、約5%から約100%未満の間のアルミニウム濃度を有するAlGaNを含む。本発明の特定の実施例では、アルミニウム濃度は約10%超である。チャネル層324及び/又はバリア層326は、例えば、有機金属化学気相成長法(MOCVD:metal-organic chemical vapor deposition)、分子線エピタキシ法(MBE:molecular beam epitaxy)、又は水素化物気相エピタキシ法(HVPE:hydride vapor phase epitaxy)によって堆積され得る。従来のHEMTデバイス100に関して上述したように、2DEG層は、チャネル層324とバリア層326との間の接合部においてチャネル層324内に誘導される。2DEG層は、ソース・コンタクト315及びドレイン・コンタクト305のそれぞれの下にある、デバイスのソース領域とドレイン領域との間の導電を可能にする高導電層として機能する。チャネル層324及びバリア層326は、半導体構造体390を形成する。
【0125】
半導体構造体390は、説明のためにチャネル層324及びバリア層326とともに示されているが、半導体構造体390は、チャネル層324と基板322との間のバッファ層及び/若しくは核形成層、並びに/又はバリア層326上のキャップ層などの、追加の層/構造/要素を含んでもよい。基板、チャネル層、バリア層、及び他の層を含むHEMT構造体は、実例として、特許文献8~16に記載されており、これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。例えば、AlNバッファ層が、基板322の上面322Bに形成され、炭化ケイ素基板322と、HEMTデバイス300の残りの部分との間に適切な結晶構造相転移をもたらすことができる。さらに、歪み平衡相転移層(strain balancing transition layer)が、さらに及び/又は代替として、例えば、本発明の譲受人に譲渡された特許文献17に記載されるように提供されてもよく、その開示は、本明細書に完全に記載されているかのように、参照により本明細書に組み込まれている。任意選択のバッファ層/核形成層/転移層は、MOCVD、MBE、及び/又はHVPEによって堆積され得る。
【0126】
ソース・コンタクト315及びドレイン・コンタクト305は、バリア層326の上面326Aに形成されてもよく、互いに横方向に離間してもよい。ゲート・コンタクト310は、ソース・コンタクト315とドレイン・コンタクト305との間のバリア層326の上面326Aに形成され得る。ゲート・コンタクト310の材料は、バリア層326の組成に基づいて選択されてもよく、いくつかの実施例では、ショットキー・コンタクトであってもよい。例えば、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、ニッケル・シリサイド(NiSix)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、タングステン(W)、及び/又はタングステン・シリコン窒化物(WSiN)などの、窒化ガリウムベースの半導体材料にショットキー・コンタクトを形成することができる従来の材料が使用され得る。
【0127】
ソース・コンタクト315及びドレイン・コンタクト305は、窒化ガリウムベースの半導体材料に対するオーミック・コンタクトを形成することができる金属を含み得る。適切な金属には、Ti、W、チタン・タングステン(TiW)、シリコン(Si)、窒化チタン・タングステン(TiWN)、ケイ化タングステン(WSi)、レニウム(Re)、ニオブ(Nb)、Ni、金(Au)、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、NiSix、ケイ化チタン(TiSi)、窒化チタン(TiN)、WSiN、Ptなどの耐熱金属が含まれ得る。いくつかの実施例では、ソース・コンタクト315は、オーミック・ソース・コンタクト315であってもよい。したがって、ソース・コンタクト315及びドレイン・コンタクト305は、バリア層326と直接接触するオーミック・コンタクト部分を含み得る。いくつかの実施例では、ソース・コンタクト315及び/又はドレイン・コンタクト305は、例えば、本発明の譲受人に譲渡された特許文献18及び19に記載されるように提供され得るオーミック・コンタクトを形成するために複数の層から形成されてもよく、これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0128】
ソース・コンタクト315は、例えば、接地電圧などの基準信号に結合することができる。基準信号への結合は、基板322の下面322Aから基板322を通ってバリア層の上面326Aまで延びるビア325によって実現され得る。ビア325は、ソース・コンタクト315のオーミック部分315Aの底面を露出させ得る。バックメタル層335が、基板322の下面322A上及びビア325の側壁上に形成され得る。バックメタル層335は、ソース・コンタクト315のオーミック部分315Aに直接接触してもよい。いくつかの実施例では、バックメタル層335と、ソース・コンタクト315のオーミック部分315Aの底面との間の接触面積は、ソース・コンタクト315のオーミック部分315Aの底面の面積の50パーセント以上であってもよい。したがって、バックメタル層335及びそれに結合された信号は、ソース・コンタクト315に電気的に接続され得る。
【0129】
いくつかの実施例では、
図2Aに示すように、ビア325は、平面図で見たとき、楕円形又は円形の断面を有することができる。しかし、本発明は、これに限定されない。いくつかの実施例では、ビア325の断面は、当業者によって理解されるように、多角形又は他の形状であってもよい。いくつかの実施例では、ビアの寸法(例えば、長さ及び/又は幅)は、ビア325の最大断面積A2が1000μm
2以下であるようなものであり得る。断面積A2は、基板322の下面322A(例えば、
図2BのX-Y平面)に平行な方向に取られてもよい。いくつかの実施例では、ビア325の最大断面積A2は、基板322の下面322Aに隣接するビア325の部分(例えば、ビア325の開口部)であり得る。例えば、いくつかの実施例では、最大幅(例えば、
図2AのX方向における)は、16μmであってもよく、最大長さ(例えば、
図2AのY方向における)は、40μmであってもよいが、本発明はこれに限定されない。本発明の実施例によるビア325の最大断面積A2は、ビアの最大断面積が35μm×75μm以上であり得る、従来のデバイス(
図1A~
図1Cに示すものなど)の最大断面積から低減され得る。いくつかの実施例では、ビア325の断面積A2の低減は、基板322の低減された厚さに少なくとも部分的に基づいて達成され得る。いくつかの実施例では、ビア325の側壁は、基板322の下面322Aに対して傾いていてもよく、及び/又は傾斜していてもよい。
【0130】
いくつかの実施例では、ソース・コンタクト315、ドレイン・コンタクト305、及びゲート・コンタクト310は、基板322上の複数のソース・コンタクト315、ドレイン・コンタクト305、及びゲート・コンタクト310として形成され得る。
図2Aを参照すると、複数のドレイン・コンタクト305及びソース・コンタクト315は、基板322上に交互に配置され得る。ゲート・コンタクト310は、複数のトランジスタ・ユニット・セルを形成するために、隣接するドレイン・コンタクト305とソース・コンタクト315との間に配置されてもよく、その実例は、
図2Aにおいて300_A及び300_Bとして示される。トランジスタ・ユニット・セル300_A、300_Bのそれぞれは、ソース・コンタクト315、ドレイン・コンタクト305、及びゲート・コンタクト310を含み得る。トランジスタ・ユニット・セルの第1のもの300_Aのオーミック・ソース・コンタクト(例えば、315_AB)は、トランジスタ・ユニット・セルの第2のもの300_Bのオーミック・ソース・コンタクトと共有され得る。
図2Aは、説明を容易にするために、ソース・コンタクト315、ドレイン・コンタクト305、及びゲート・コンタクト310のサブセットを示しているが、HEMTデバイス300は、
図2Aには示されていない追加のソース・コンタクト315、ドレイン・コンタクト305、及びゲート・コンタクト310を含む追加の構造体を有してもよいことが理解されよう。
【0131】
いくつかの実施例では、基板322上の複数のソース・コンタクト315、ドレイン・コンタクト305、及びゲート・コンタクト310の各々は、第1の方向(例えば、
図2AのY方向)に延び得る。間に少なくとも1つのドレイン・コンタクト305を有する隣接するソース・コンタクト315間で(例えば、
図2A及び
図2CのX方向に)測定される距離D2は、
図1A及び
図1Bに示されるHEMTデバイス100などの従来のHEMTデバイスから低減され得る。いくつかの実施例では、間にドレイン・コンタクト305を有する隣接するソース・コンタクト315間の距離D2は、90μm以下であってもよい。いくつかの実施例では、間にドレイン・コンタクト305を有する隣接するソース・コンタクト315間の距離D2は、75μm以下であってもよい。いくつかの実施例では、隣接するソース・コンタクト315間の距離D2は、60μm以下であってもよい。いくつかの実施例では、隣接するソース・コンタクト315間の距離D2は、50μm以下であってもよい。いくつかの実施例では、複数のビア325が、ソース・コンタクト315のそれぞれに接続されてもよい。距離D2は、いくつかの実施例では、ソース・コンタクト315間、及び/又はビア325間の中心間距離であってもよい。例えば、いくつかの実施例では、距離D2は、第1のソース・コンタクト315の(例えば、X方向における)中心から、X方向において隣接する第2のソース・コンタクト315の中心まで測定され得る。距離D2は、第1のソース・コンタクト315の中心から、ドレイン・コンタクト305を横切って、第2のソース・コンタクト315の中心まで延び得る。いくつかの実施例では、距離D2は、第1のソース・コンタクト315のオーミック部分の中心から、X方向に隣接する第2のソース・コンタクト315のオーミック部分の中心まで延び得る。いくつかの実施例では、D2は、第1のソース・コンタクト315に接続された第1のビア325の中心から、X方向に隣接する第2のソース・コンタクト315に接続された第2のビア325の中心まで測定され得る。
【0132】
当業者によって理解されるように、HEMTトランジスタは、ソース・コンタクト315とドレイン・コンタクト305との間のゲート・コンタクト310の制御の下で、ソース・コンタクト315とドレイン・コンタクト305との間の活性領域によって形成され得る。
図2Aに示すように、HEMTデバイス300は、ソース・コンタクト315を共有する隣接するHEMTユニット・トランジスタ300_A、300_Bを含み得る。隣接するHEMTトランジスタ間でソース・コンタクト315を共有し、ビア325のサイズを低減することによって、少なくとも1つのドレイン・コンタクト305を間に有する隣接するソース・コンタクト315間で測定される距離D2は、従来のHEMTデバイス100のソース間距離(
図1A及び
図1CのD1参照)から低減され得る。
【0133】
いくつかの実施例では、ソース・コンタクト315及び/又はソース領域の幅も、従来のHEMTデバイス100から低減され得る。いくつかの実施例では、例えば、ソース・コンタクト315の幅(例えば、
図2A~
図2CのX方向における)は、ドレイン・コンタクト305の幅の75%から125%内であってもよい。言い換えれば、ビア325のサイズを低減することによって、ソース・コンタクト315の幅は、2つの隣接するゲート・コンタクト310間で低減され得る。
【0134】
図2B及び
図2Cを再び参照すると、HEMTデバイス300は、第1の絶縁層350及び第2の絶縁層355を含み得る。第1の絶縁層350は、半導体構造体390の上面に直接接触する(例えば、バリア層326の上面326Aに接触する)ことができる。第2の絶縁層355は、第1の絶縁層350上に形成され得る。いくつかの実施例では、3つ以上の絶縁層が含まれてもよいことも諒解されよう。第1の絶縁層350及び第2の絶縁層355は、HEMTデバイス300のパッシベーション層として機能し得る。
【0135】
ソース・コンタクト315、ドレイン・コンタクト305、及びゲート・コンタクト310は、第1の絶縁層350内に形成され得る。いくつかの実施例では、ゲート・コンタクト310の少なくとも一部分は、第1の絶縁層上にあり得る。いくつかの実施例では、ゲート・コンタクト310は、T字形ゲート及び/又はガンマ・ゲートとして形成されてもよく、その形成は、実例として、特許文献20~22に記載されており、それらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。第2の絶縁層355は、第1の絶縁層350の上、並びにドレイン・コンタクト305、ゲート・コンタクト310、及びソース・コンタクト315の一部分の上に形成され得る。
【0136】
フィールド・プレート360が、第2の絶縁層355上に形成され得る。フィールド・プレート360の少なくとも一部分は、ゲート・コンタクト310上にあってもよい。フィールド・プレート360の少なくとも一部分は、ゲート・コンタクト310とドレイン・コンタクト305との間にある第2の絶縁層355の一部分の上にあってもよい。フィールド・プレート360は、HEMTデバイス300のピーク電界を低減することができ、それが、降伏電圧の増大及び電荷トラップの低減をもたらし得る。電界の低減は、漏れ電流の低減及び信頼性の向上などの他の利点をもたらすこともできる。フィールド・プレート及びフィールド・プレートを形成するための技法は、実例として、特許文献22に記載されており、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0137】
金属コンタクト365が、第2の絶縁層355内に配置され得る。金属コンタクト365は、ドレイン・コンタクト305、ゲート・コンタクト310、及びソース・コンタクト315と、HEMTデバイス300の他の部分との間の相互接続を提供し得る。金属コンタクト365のそれぞれは、ドレイン・コンタクト305及び/又はソース・コンタクト315のそれぞれと直接接触し得る。金属コンタクト365は、例えば、銅、コバルト、金、及び/又は複合金属を含む、金属又は他の高導電性材料を含み得る。説明を容易にするために、第2の絶縁層355、フィールド・プレート360、及び金属コンタクト365は、
図2Aには示されていない。
【0138】
図2A、
図2B、及び
図2CのHEMTデバイス300は、低減された間隔を有するHEMTトランジスタのグループ化をもたらす。HEMTトランジスタの隣接するものの間でソース・コンタクト315を共有し、ソース・コンタクト315をバックメタル層335に接続するビア325のサイズを低減することによって、HEMTトランジスタの隣接するソース・コンタクト315間の間隔が低減され得る。間隔の低減は、HEMTデバイス300の全体的な寄生容量の低減をもたらし得る。低減された寄生容量は、HEMTデバイス300のスイッチング周波数のさらなる改善につながり得る。
【0139】
図2Cでは、説明を容易にするために、バックメタル層335が省略され、ビア325及び半導体構造体390の構造が破線で示されている。隣接するソース・コンタクト間の低減された間隔D2は、
図2A~
図2Cに示されるものとは別のビア325及び/又は半導体構造体390の構成を使用して達成され得ることを当業者は認識するであろう。
【0140】
図3は、本発明の実施例による、
図2Aの線D-D’に沿って切り取られたHEMTデバイス300’の追加の実施例の概略断面図である。
図3の部分は、
図2B及び
図2Cに示されたものと実質的に同じか又は類似しており、簡潔にするために、その重複する説明は省略される。HEMTデバイス300’は、
図2AのHEMTデバイス300と実質的に同様の平面図を共有することができ、したがって、その重複する図示は省略される。
【0141】
図3を参照すると、HEMTデバイス300’は、バリア層326の表面に対して窪んだソース・コンタクト315’を有することができる。ソース・コンタクト315’のオーミック部分の底面315A’は、バリア層326の最上面よりも低く(例えば、基板322により近く)なり得る。ソース・コンタクト315’の側壁及び/又は側面は、バリア層326の一部分と接触していてもよい。いくつかの実施例では、
図3に示すように、ビア325は、バリア層326を通って延び、ソース・コンタクト315’のオーミック部分の底面315A’に直接接触し得る。ビア325’内のバックメタル層335の最上部分(例えば、基板322から最も遠いバックメタル層335の一部分)は、バリア層326の上面326Aよりも低くなり得る。バックメタル層335の最上部分は、ソース・コンタクト315’のオーミック部分の底面315A’に直接接触し得る。
【0142】
図3では、ソース・コンタクト315のみが窪んでいるように示されているが、本発明はこれに限定されない。いくつかの実施例では、ゲート・コンタクト310及び/又はドレイン・コンタクト305も、バリア層326の上面に対して窪んでいてもよい。
【0143】
【0144】
ここで
図4Aを参照すると、上に半導体構造体が形成され得る、基板122が提供される。チャネル層324が基板122上に形成され、バリア層326がチャネル層324上に形成される。基板122は、例えば、炭化ケイ素の4Hポリタイプであり得る、半絶縁性炭化ケイ素(SiC)基板とすることができる。他の炭化ケイ素のポリタイプ候補には、3C、6H、及び15Rのポリタイプが含まれ得る。基板122の厚さは、100μm以上であり得る。
【0145】
炭化ケイ素は、III族窒化物デバイスのための一般的な基板材料であり得るサファイア(Al2O3)よりも、III族窒化物(チャネル層324及び/又はバリア層326において使用され得る)にはるかに近い結晶格子整合を有する。より近い格子整合は、サファイア上で一般に利用可能なものよりも高い品質のIII族窒化物膜をもたらすことができる。炭化ケイ素は、比較的高い熱伝導率も有し、したがって、炭化ケイ素上に形成されたIII族窒化物デバイスの総出力電力は、サファイア及び/又はシリコン上に形成された同様のデバイスほど、基板の熱放散によって制限されない場合がある。また、半絶縁性炭化ケイ素基板は、デバイス絶縁及び寄生容量の低減を提供し得る。
【0146】
炭化ケイ素は、基板として使用することができるが、本発明の実施例は、サファイア(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化アルミニウム・ガリウム(AlGaN)、窒化ガリウム(GaN)、シリコン(Si)、GaAs、LGO、酸化亜鉛(ZnO)、LAO、リン化インジウム(InP)などの、基板122のための任意の適切な基板を利用することができることを理解されたい。
【0147】
任意選択のバッファ層、核形成層、及び/又は転移層(図示せず)を基板122上に設けることもできる。例えば、AlNバッファ層を設け、炭化ケイ素基板と、デバイスの残りの部分との間に適切な結晶構造相転移を提供することができる。さらに、歪み平衡相転移層も提供され得る。
【0148】
さらに
図4Aを参照すると、チャネル層324が、基板122上に設けられる。チャネル層324は、上述のようにバッファ層、転移層、及び/又は核形成層を使用して基板122上に堆積され得る。チャネル層324は、圧縮歪みの下にあってもよい。さらに、チャネル層324、並びに/又はバッファ層、核形成層、及び/若しくは転移層は、MOCVD、MBE、及び/又はHVPEによって堆積され得る。本発明のいくつかの実施例では、チャネル層324は、III族窒化物層であり得る。
【0149】
バリア層326は、III族窒化物層であってもよい。本発明のいくつかの実施例では、バリア層326は、高ドープn型層であってもよい。例えば、バリア層326は、約1019cm-3未満の濃度にドープされてもよい。
【0150】
本発明のいくつかの実施例では、バリア層326は、バリア層326がオーミック・コンタクト金属の下に埋め込まれるとき、分極効果によってチャネル層324とバリア層326との間の境界面に著しいキャリア濃度を誘導するのに十分な厚さ、Al組成、及び/又はドーピングを有してもよい。また、バリア層326は、バリア層326と、その後に形成される第1の保護層との間の境界面に堆積したイオン化不純物による、チャネル内の電子の散乱を低減又は最小化するのに十分な厚さであり得る。
【0151】
いくつかの実施例では、チャネル層324及びバリア層326は、異なる格子定数を有し得る。例えば、バリア層326は、チャネル層324よりも小さい格子定数を有する比較的薄い層とすることができ、その結果、バリア層326は、2つの層の間の境界面に「広がる」。したがって、仮晶構造HEMT(pHEMT)デバイスが提供され得る。
【0152】
図4Bを参照すると、第1の保護層410が、バリア層326上に形成される。第1の保護層410は、窒化ケイ素(Si
xN
y)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化ケイ素(SiO
2)、及び/又は他の適切な保護材料などの誘電体材料であってもよい。他の材料も、第1の保護層410に利用され得る。例えば、第1の保護層410はまた、酸化マグネシウム、酸化スカンジウム、酸化アルミニウム、及び/又は酸窒化アルミニウムを含み得る。さらに、第1の保護層410は、単一の層であってもよく、又は、均一及び/若しくは不均一な組成の複数の層を含んでもよい。
【0153】
第1の保護層410は、バリア層326上に形成されたブランケットであってもよい。例えば、第1の保護層410は、高品質スパッタリング及び/又はプラズマ励起化学気相成膜(PECVD:plasma-enhanced chemical vapor deposition)によって形成された窒化ケイ素(SiN)層であってもよい。第1の保護層410は、オーミック・コンタクトの後続のアニール処理中に、下にあるバリア層326を保護するように十分に厚くてもよい。
【0154】
図4Cを参照すると、第1の保護層410(
図4B参照)は、ソース・コンタクト315、ゲート・コンタクト310、及びドレイン・コンタクト305を形成するためにパターン化され得る。例えば、第1の保護層410は、ソース・コンタクト315及びドレイン・コンタクト305を配置するためにバリア層326を露出させる窓を形成するようにパターン化され得る。窓は、パターン化されたマスクと、バリア層326に対する低損傷エッチングとを利用してエッチングされてもよい。オーミック金属は、バリア層326の露出部分上に形成され得る。オーミック金属は、ソース・コンタクト315及びドレイン・コンタクト305を提供するためにアニール処理され得る。
【0155】
第1の保護層410はまた、ゲート・コンタクト310を提供するようにパターン化され得る。第1の保護層410は、ゲート・コンタクト310を配置するためにバリア層326を露出させる窓を形成するようにエッチングされ得る。ゲート・コンタクト310は、エッチングされた窓内に形成されてもよく、バリア層326の露出部分に接触するように第1の保護層410を通って延びてもよい。適切なゲート材料は、バリア層326の組成に依存し得る。しかし、いくつかの実施例では、Ni、Pt、NiSi
x、Cu、Pd、Cr、TaN、W、及び/又はWSiNなどの、窒化物ベースの半導体材料にショットキー・コンタクトを形成することができる従来の材料が使用され得る。ゲート・コンタクト310の一部分は、第1の保護層410の表面上に延びることができる。ソース・コンタクト315、ゲート・コンタクト310、及びドレイン・コンタクト305の形成は、第1の絶縁層350を形成するために、
図4Bの第1の保護層410のパターン化をもたらし得る。
【0156】
ソース・コンタクト315は、
図4Cにおいてバリア層326の上面にあるものとして示されているが、ソース・コンタクト315、ゲート・コンタクト310、及び/又はドレイン・コンタクト305は、バリア層326の上面の凹部内に形成され得ることが理解されよう。そのような構成は、
図3に示されるものと同様の実施例をもたらすことができる。
【0157】
図4Dを参照すると、第2の保護層420が、第1の絶縁層350、ソース・コンタクト315、ゲート・コンタクト310、及びドレイン・コンタクト305上に形成され得る。第2の保護層420は、誘電体層であってもよい。いくつかの実施例では、第2の保護層420は、第1の絶縁層350とは異なる誘電指標を有し得る。
【0158】
図4Eを参照すると、フィールド・プレート360が、第2の保護層420上に形成され得る。フィールド・プレート360は、(例えば、
図4EのZ方向において)ゲート・コンタクト310と重なってもよく、ゲートとドレインとの間の領域(すなわち、ゲート-ドレイン領域)上の距離を拡張してもよい。ゲート・コンタクト310上のフィールド・プレート360の重なり、及びフィールド・プレート360がゲート-ドレイン領域上で拡張する距離は、最適な結果のために変更することができる。いくつかの実施例では、フィールド・プレート360は、ゲート・コンタクト310に電気的に接続することができ、本発明から逸脱することなく、図に示されるもの以外のフィールド・プレート構造を使用してもよいことが理解される。
【0159】
図4Fを参照すると、第2の保護層420が、金属コンタクト365を形成するためにパターン化され得る。例えば、第2の保護層420は、金属コンタクト365を配置するためにソース・コンタクト315及び/又はドレイン・コンタクト305を露出させる窓を形成するようにパターン化され得る。窓は、パターン化されたマスクと、ソース・コンタクト315及び/又はドレイン・コンタクト305に対する低損傷エッチングとを利用してエッチングされてもよい。導電性金属が、ソース・コンタクト315及び/又はドレイン・コンタクト305の露出部分上に形成され、金属コンタクト365を形成し得る。金属コンタクト365の形成は、
図4Eの第2の保護層420のパターン化をもたらし、第2の絶縁層355を形成し得る。
【0160】
図4Gを参照すると、基板122(
図4F参照)は、薄型基板322を形成するために薄くされ得る。いくつかの実施例では、基板322の厚さは、インフィード式又はクリープ・フィード式のグラインダーなどの、グラインダーを使用して低減される。他の実施例では、基板322の厚さは、研削の有無にかかわらず、ラッピング、化学的エッチング若しくは反応性イオンエッチング、又はこれらの方法の組合せを使用して低減される。さらに他の実施例では、基板322の裏面を処理し、薄くする操作から生じ得る基板322に対する損傷を低減するために、エッチングが使用され得る。ウエハを薄くする方法は、例えば、本発明の譲受人に譲渡された特許文献23~26に記載されており、これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0161】
本発明によるいくつかの実施例では、基板322は、約40μmから約100μmの間の厚さまで薄くされる。他の実施例では、基板322は、約40μmから約75μmの間の厚さまで薄くされる。
【0162】
図4Hを参照すると、ビア325が、基板322、チャネル層324、及びバリア層326内に形成され得る。ビア325は、湿式エッチング又は乾式エッチングによって形成され得る。いくつかの実施例では、ビア325は、ビア325の側壁が基板322の上面に対して傾斜するように異方性エッチングされ得る。ビア325は、ソース・コンタクト315のオーミック部分315Aの底面を露出させ得る。いくつかの実施例では、ソース・コンタクト315は、ビア325の形成中にエッチング停止材料として機能することができる。
【0163】
異方性エッチングにより、ビア325の最大断面積A2は、基板322の下面322Aに隣接するビア325の部分(例えば、ビア325の開口部)にあり得る。いくつかの実施例では、より厚い基板322は、ビア325のより広い開口部をもたらし得るので、異方性エッチングは、基板322の厚さに関係する、ビアの最大断面積A2をもたらし得る。したがって、
図4Gに関して説明されるように、基板322を薄くすることは、ビア325の断面積A2の低減による追加の利益をもたらし得る。
【0164】
図4Iを参照すると、ビアの形成後、バックメタル層335が、基板322の下面322A、ビア325の側壁、及びソース・コンタクト315のオーミック部分315Aの底面の上に堆積され得る。したがって、バックメタル層335は、ソース・コンタクト315のオーミック部分に直接接触し得る。バックメタル層335は、例えば、チタン、白金、及び/又は金などの導電性金属を含み得る。
【0165】
図5は、本発明の実施例による、
図2Aの線D-D’に沿って切り取られたHEMTデバイス300”の追加の実施例の概略断面図である。
図5の部分は、
図2B及び
図2Cに示されたものと実質的に同じか又は類似しており、簡潔にするために、その重複する説明は省略される。HEMTデバイス300”は、
図2AのHEMTデバイス300と実質的に同様の平面図を共有することができ、したがって、その重複する図示は省略される。
【0166】
図5を参照すると、HEMTデバイス300”は、ソース・コンタクト315及び/又はドレイン・コンタクト305のうちの1つ又は複数の下のバリア層326内にウェル領域510を有し得る。ソース・コンタクト315のオーミック部分の底面315A及び/又はドレイン・コンタクト305のオーミック部分の底面305Aは、ウェル領域510のそれぞれと接触していてもよい。ウェル領域510は、バリア層326上にドーピング注入を行うことによって形成され得る。いくつかの実施例では、ウェル領域510は、バリア層326よりも高いドーピング濃度を有するようにドープされてもよい。例えば、バリア層326がn型層であるとき、ウェル領域510は、バリア層326よりも高い濃度のn型ドーパント(例えば、N
+又はN
++)を有するようにドープされてもよい。いくつかの実施例では、ウェル領域510を形成するためのドーパントの注入は、バリア層326の形成後であって、ソース・コンタクト315及び/又はドレイン・コンタクト305の形成前に実行されてもよい。
【0167】
いくつかの実施例では、ビア325は、ソース・コンタクト315の下のウェル領域510を貫通するように形成され得る。したがって、ビア325の側壁上のバックメタル層335の一部分は、ウェル領域510のうちの1つの一部分に直接接触し得る。ウェル領域510は、ビア325の両側にあるものとして
図5に示されているが、本発明はそれに限定されない。いくつかの実施例では、ウェル領域510は、ビア325の片側のみにあってもよい。いくつかの実施例では、ビア325は、ソース・コンタクト315のオーミック部分の底面315Aから分離され、ウェル領域510の部分は、ビア325とソース・コンタクト315のオーミック部分の底面315Aとの間に配置され得る。
【0168】
さらに、
図5は、ビア325をウェル領域510と直接接触するものとして示しているが、本発明はこれに限定されない。いくつかの実施例では、ウェル領域510と、ビア325及び/又はバックメタル層335との間に分離部が設けられてもよい。
【0169】
本明細書で説明される実施例によるHEMTデバイスは、従来のデバイスを超える顕著な改善を示し得る。例えば、本明細書で説明される実施例によるHEMTデバイスは、30GHzにおいて、3W/mmよりも大きい出力電力密度と、35%を超えるピーク電力付加効率(PAE)とを示し得る。本明細書で説明される実施例によるデバイスの28Vにおける小信号測定値は、30GHzを超えるカットオフ周波数と、20dBよりも大きい10GHz小信号利得とを示し得る。さらに、本明細書で説明される実施例によるHEMTデバイスは、84V/150℃の高温逆バイアス(HTRB)の下で高い電圧ロバスト性を示すことができ、1000時間後、故障は0であり、性能変化は無視できる。
【0170】
本明細書で説明される実施例によるHEMTデバイスは、ロバスト性及び高い信頼性を維持しながら、30GHzのRF性能のために設計され得る、基板及びエピタキシ法を含むことができる。例えば、本明細書で説明される実施例による例示的なHEMTデバイスの半導体構造体は、AlN核形成層、Feドープ絶縁GaN層、AlNバリア層、及びアンドープAl0.24Ga0.76Nの15nmキャップ層を含み得る。
【0171】
図6A、
図6B、及び
図6Cは、本明細書で説明される実施例による、例示的なHEMTデバイスの特性を示す。
図6Aに示すように、例示的なデバイスのソース/ドレイン・オーミック・コンタクトは、極めて滑らかな形状を提供するように設計され、一貫した細線リソグラフィと、接触抵抗値に関して0.2Ω-mmを中心とする良く制御された分布とを可能にし得る。これは、0.25μmプロセスと比較して0.2Ω-mmの低減であり、例示的なデバイスのピーク電流密度、オン状態抵抗値、及びニー電圧の改善をもたらし得る。
図6Bは、例示的なデバイスのそれぞれのゲート長さを示す。
図6Bに示される150nmのゲート長さ寸法(原子間力顕微鏡によって測定される)は、非特許文献1に記載されたものなどの、i線リソグラフィ・スペーサ法を用いて製造された。ゲート低減技法は、ウエハ間の再現性を維持しながら、光リソグラフィ限界未満のゲート長さをもたらした。i線リソグラフィを用いたゲート長さの制御能力は、このプロセスを、直径100mmのGaNonSiC基板を超えて経済的に拡張できるようにする。
図6Cは、例示的なデバイスの150nmゲートの断面を示す。
【0172】
【0173】
表1は、本明細書で説明される実施例によって構築されたデバイスから得られた測定値を含む。表1に示される標準の電気的なDC及びRFの特性が、ウエハ上で得られた。小信号カットオフ周波数及び小信号利得は、2GHzにおけるsパラメータから抽出された。3.6mmのゲート全周を有するデバイス上で測定された増幅特性曲線が
図7に示される。増幅特性曲線は、1.2A/mmを超える最大電流密度と、470mS/mmのピーク相互コンダクタンスとを示す。HEMTオフ状態特性は、ドレイン上で10V及び1mA/mmにおいて測定された-2Vのピンチオフ電圧によって特徴付けられる。最小降伏電圧定格は、-8Vのゲート電圧及び1mA/mmの最大ドレイン電流において、84Vである。
【0174】
150nm技術の性能を特徴付けるために、本明細書で説明される実施例によるマルチフィンガー・デバイス(6×75μm)が使用された。これらのデバイスは、Id=100mA/mm及びVd=28Vのそれぞれ、静止電流及びドレイン電圧を用いて室温でバイアスされた。
図8は、本明細書で説明される実施例による、サンプル・デバイスの最大有能利得(MAG:MaximumAvailableGain)の変動のグラフである。
図8は、6×75μmデバイス上で測定された小信号MAGのウエハ上の変動が、20のテストサイトにおいて最小であることを示す。
図8に示すように、ウエハ上の小信号利得の変動は、一貫したゲート長さを維持する能力の直接的な結果であった。
図9A及び
図9Bは、28V及び100mA/mmでバイアスされた6×75μmのFETに関する10GHz(
図9A)及び30GHz(
図9B)の電力掃引のグラフである。
図9A及び
図9Bに示すように、最大出力電力(Pout)910、利得920、及びピーク電力付加効率(PAE)930を決定するために、連続波(CW:continuous wave)電力掃引が、10GHz及び30GHzにおいて実行された。この技術は、PAE=45%及び39%の場合、それぞれ、10GHzで>5W/mm、及び30GHzで>3.5W/mmの電力密度を示した。さらに、10Vでバイアスされたとき、デバイスは、40GHzのカットオフ周波数を示す。
【0175】
本明細書で説明される実施例に関連付けられた技術の信頼性及び寿命は、技術の成熟度を実証するために、3.6mm外周のデバイスを用いて評価された。HTRBシステムは、部品が耐える定格である最高温度を満たすか又はそれを超える周囲温度の増加にさらされながら、逆バイアスに耐えるデバイスの能力をチェックする。HTRB動作は、例えば、2005年3月15日に出願された「GROUP III NITRIDE FIELD EFFECT TRANSISTORS(FETs)CAPABLE OF WITHSTANDING HIGH TEMPERATURE REVERSE BIAS TEST CONDITIONS」と題する特許文献27に記載されており、その開示は、本明細書に完全に記載されているかのように、参照により本明細書に組み込まれている。20個のデバイスが、150℃のプレート温度を有するHTRBシステム上で1000時間動作された。標準的なオフ状態バイアス条件は、Vg=-8V及びVd=84Vであった。
図10A及び
図10Bは、84V、1000時間のHTRBの現場のゲート・リーク(
図10A)及びピンチオフ電圧のパラメータ変化(
図10B)を含む試験の結果を示す。現場のゲート・リークが、試験全体にわたって監視された。これらのデバイスは、
図10A及び
図10Bに示すように、無視できる性能劣化及びデバイス故障0を実証した。例えば、
図10Aに示すように、HTRB試験の完了時には、現場のゲート・リークは、1×10
-4から1×10
-3Aの間に留まった。これらの実例は、標準的な1000時間の試験に関して84VのHTRBに耐えることができる150nmのKaバンドGaN HEMTの検証を提供する。
【0176】
DC加速寿命試験(DC-ALT:DC accelerated life test)を含む、予備信頼性試験が、大きい周辺デバイス(3.6mm)において380℃の接合部温度に関して行われた。
図11A及び
図11Bは、380℃のALT中のピンチオフ電圧(
図11A)及びオン抵抗値(
図11B)のパラメータ変化を示す。
図11Cは、400時間のALT試験後の本明細書で説明される実施例による3.6mmデバイスを示す。DC-ALTバイアス条件は、Vd=28V及び6W/mmの損失であった。
図11A及び
図11Bは、380℃のDC ALT信頼性試験と、接触抵抗及びピンチオフ電圧のシフト分析とを示す。全てのデバイスは、試験全体にわたってデバイス安定性を示した。RF加速寿命試験(3.5GHz)が、大きい周辺デバイス(3.6mm)において325℃で行われた。
図12は、本明細書で説明される実施例による、例示的なデバイスに関する、325℃での3.5GHz RF ALTにおける出力電力の現場監視を示す。
図12に示される監視された出力電力は、400時間後に最小の劣化及び故障0を示した。
【0177】
本明細書で説明される実施例は、MMICのファウンドリ設計用の150nm GaN HEMT技術を含み、30GHzまでの競争力のある性能を提供することができる。いくつかの実施例では、HEMTデバイスは、28Vでバイアスされ得るが、本明細書で説明される実施例は、それに限定されない。いくつかの実施例では、HEMTデバイスは、15V超、例えば20Vでバイアスされ得る。光学的に画定されたi線150nmのゲートは、多くのKaバンド及びKuバンドの用途に関して優れた電力及びPAEを提供することができる。本明細書で説明される高電圧オフ状態HTRB信頼性試験は、性能劣化が無視できる技術のロバスト性を確認する。複数の温度加速寿命試験が、技術の潜在的な寿命を評価するために使用された。
【0178】
図13は、本明細書で説明される実施例による、改善されたHEMTデバイス600の例示的な実施例を示す。
図13を参照すると、本明細書で説明されるものと同一及び/又は実質的に同様の性能を提供する、デバイス600の例示的な寸法が示されている。デバイス600は、特に、例えば、
図2B、
図2C、及び
図3に関して、本明細書で説明される要素を含み得る。したがって、その重複する説明は省略される。
図13において、前の図の参照番号と同じ参照番号を共有する要素は、同じ又は同様の要素を指すことが意図される。
【0179】
図13を参照すると、チャネル層324が基板322上に形成されてもよく、バリア層326がチャネル層324上に形成されてもよい。第1の絶縁層350が、バリア層326上に形成されてもよく、第2の絶縁層355が、第1の絶縁層350上に形成されてもよい。第1の絶縁層350の厚さID1は、100nmから150nmの間であってもよい。いくつかの実施例では、第1の絶縁層350の厚さID1は、約130nmであってもよい。いくつかの実施例では、第1の絶縁層350は、SiNを含んでもよい。第2の絶縁層355の厚さID2は、180nmから220nmの間であってもよい。いくつかの実施例では、第2の絶縁層355の厚さID2は、約200nmであってもよい。いくつかの実施例では、第1の絶縁層350及び第2の絶縁層355は、約330nmの組み合わされた厚さを有してもよい。第1の絶縁層350の厚さは、ゲート-ソース間容量及びゲート-ドレイン間容量に影響を及ぼす場合があり、これらは、デバイス600のスイッチング速度に影響を及ぼす可能性がある。同様に、第2の絶縁層355の厚さは、ゲート-ドレイン間容量に影響を及ぼす場合があり、これは、デバイス600のスイッチング速度及び利得に影響を及ぼす可能性がある。
【0180】
ソース・コンタクト315及びドレイン・コンタクト305は、バリア層326上の第1の絶縁層350内に形成され得る。ソース・コンタクト315は、バリア層326上に底面315Aを有するオーミック部分を含み得る。いくつかの実施例では、ソース・コンタクト315のオーミック部分の底面315Aは、
図3に示すように、バリア層326の上面よりも下に延び得る。ビア325は、ソース・コンタクト315のオーミック部分の底面315Aに接触するように、基板322、チャネル層324、及びバリア層326内に形成され得る。ビア325は、バックメタル層335を含み得る。いくつかの実施例では、ウエハの厚さT
W(例えば、基板322、チャネル層324、及びバリア層326の厚さ)は、40μmから約100μmの間であってもよい。いくつかの実施例では、ウエハの厚さT
Wは、40μmから約80μmの間であってもよい。いくつかの実施例では、ウエハの厚さT
Wは、約75μmであってもよい。ウエハの厚さT
Wの低減は、より小さい断面A2を有するビア325の形成を可能にすることができ、これは、デバイス600の全体的なサイズを低減し、インダクタンスを低減し得る。いくつかの実施例では、ビア325の最大断面積A2は、1000μm
2以下である。
【0181】
ゲート・コンタクト310は、第1の絶縁層350内に形成することができ、ゲート・コンタクト310の一部分は、第2の絶縁層355の下にあってもよい。
図13では、ゲート・コンタクト310は、例えば、特に、
図2B、
図2C、及び
図3のゲート・コンタクト310のものとは異なる形状を使用して示されている。本発明が、ゲート・コンタクト310の特定の形状には限定されず、ゲート・コンタクト310の他の形状、及びデバイス600の他の要素が、本明細書で説明される実施例から逸脱することなく可能であることが理解されよう。
【0182】
ゲート・コンタクト310は、第1の絶縁層350内の第1の部分310_1と、第1の部分310_1上の、第2の絶縁層355内にある第2の部分310_2とを含み得る。ゲート・コンタクト310の第2の部分310_2の幅は、第1の部分310_1の幅を超え得る。いくつかの実施例では、ゲート・コンタクト310の第2の部分310_2は、ゲート・コンタクト310がT字形ゲート及び/又はガンマ・ゲートを形成するように、ゲート・コンタクト310の第1の部分310_1の1つ又は複数の側壁を越えて延び得る。ゲート・コンタクト310のドレイン側では、ゲート・コンタクト310の第2の部分310_2は、ゲート・コンタクト310の第1の部分310_1の側壁を越えてドレイン・コンタクト305に向かって第1の距離ΓDだけ延び得る。距離ΓDは、0.05μmから0.15μmの間であってもよい。いくつかの実施例では、ΓDは、約0.1μmであってもよい。ゲート・コンタクト310のソース側では、ゲート・コンタクト310の第2の部分310_2は、ゲート・コンタクト310の第1の部分310_1の側壁を越えてソース・コンタクト315に向かって第2の距離ΓSだけ延び得る。距離ΓSは、0.05μmから0.15μmの間であってもよい。いくつかの実施例では、ΓSは、約0.1μmであってもよい。第1の距離ΓDは、デバイス600のゲート-ドレイン間容量に影響を及ぼす場合があり、これは、デバイス600のスイッチング速度及び利得に影響を及ぼす可能性がある。第2の距離ΓSは、デバイス600のゲート-ソース間容量に影響を及ぼす場合があり、これは、デバイス600のスイッチング速度に影響を及ぼす可能性がある。
【0183】
ゲート・コンタクト310の第1の部分310_1は、バリア層326に隣接する下面310Aを含み得る。
図13にL
Gとして示されている、ゲート・コンタクト310の下面310Aの長さは、120nmから180nmの間であってもよい。いくつかの実施例では、L
Gは、約150nmであってもよい。長さL
Gは、ゲート・コンタクト310とバリア層326との間の境界面の長さを表し得る。長さL
Gは、デバイス600のスイッチング及び効率に影響を及ぼし得る、相互コンダクタンス及びゲート寄生容量に影響を及ぼす場合がある。ドレイン・コンタクト305に最も近いゲート・コンタクト310の下面310Aの側部及び/又は端部は、
図13に示すように、ドレイン・コンタクト305の端部(例えば、最も近い端部)から距離L
GDだけ分離され得る。ゲート・コンタクト310の下面310Aとドレイン・コンタクト305との間の距離L
GDは、1.75μmから2.25μmの間であってもよい。いくつかの実施例では、L
GDは、約1.98μmであってもよい。ソース・コンタクト315に最も近いゲート・コンタクト310の下面310Aの側部及び/又は端部は、
図13に示すように、ソース・コンタクト315の端部(例えば、最も近い端部)から距離L
GSだけ分離され得る。ゲート・コンタクト310の下面310Aとソース・コンタクト315との間の距離L
GSは、0.5μmから0.7μmの間であってもよい。いくつかの実施例では、L
GSは、約0.6μmであってもよい。距離L
GD及びL
GSは、デバイス600のオン抵抗値に寄与する場合があり、これは、デバイス効率に影響を及ぼし得る。いくつかの実施例では、ゲート・コンタクト310は、ドレイン・コンタクト305よりもソース・コンタクト315に近くてもよい。
【0184】
フィールド・プレート360が、第2の絶縁層355及びゲート・コンタクト310上に形成され得る。ソース・コンタクト315及びドレイン・コンタクト305にそれぞれ電気的に接続するために、金属コンタクト365が、第2の絶縁層355内に形成され得る。ゲート・コンタクト310のドレイン側では、フィールド・プレート360は、
図13に示すように、ゲート・コンタクト310の第2の部分310_2の側壁を越えてドレイン・コンタクト305に向かって距離L
F2だけ延び得る。いくつかの実施例では、距離L
F2は、フィールド・プレート360が、ドレイン・コンタクト305に最も近いゲート・コンタクト310の第2の部分310_2の最も外側の部分を越えて延びる距離を指し得る。距離L
F2は、0.4μmから0.5μmの間であってもよい。いくつかの実施例では、L
F2は、約0.4μmであってもよい。ゲート・コンタクト310を越えるフィールド・プレート360の延長距離L
F2は、デバイス600のゲート-ソース間容量及び降伏電圧に影響を及ぼす場合があり、これは、デバイス600の電圧定格及びスイッチング速度に影響を及ぼし得る。
【0185】
図13に関して説明される寸法のうちの1つ又は複数は、デバイス600の改善に寄与し得る。いくつかの実施例では、デバイス600の構成は、デバイスが、本明細書で説明される従来のデバイスを超える性能及び改善を達成することを可能にし得る。例えば、本明細書で説明される実施例は、改善されたRF及び信頼性性能を有する、光学的に画定された200nm以下(例えば、120nmから200nm)のGaN HEMT技術を提供する。例えば、本明細書で提供される実施例は、30GHzの動作周波数において3.5W/mm以上の出力電力密度を有し得る。いくつかの実施例では、30GHzにおける出力電力密度は、3.5W/mmから4.0W/mmの間である。本明細書で提供される実施例は、30GHzの動作周波数において30%よりも大きいピーク電力付加効率(PAE)を有し得る。本明細書で提供される実施例は、30GHzよりも大きいトランジスタ・カットオフ周波数を有してもよく、且つ/又は、84Vのドレイン・バイアスで150℃の1000時間のHTRBを実行することができ得る。
【0186】
28V Kaバンド MMICは、本明細書で説明される実施例によるHEMTデバイスを利用して設計及び製造された。GaN MMICは、誘電体に支持されたブリッジ金属、180pF/mm2のMIMキャパシタ、12Ω/sq.の薄膜抵抗器、及び小型のウエハ貫通ソース・スロット・ビアなどの受動構成要素を有する、75μm(例えば、3ミル)の炭化ケイ素(SiC)上のマイクロストリップ・ラインを利用する。このMMIC設計は、5G通信ミリ波及び航空宇宙防衛の用途の要件を満たす、本明細書で説明される技術の能力を実証するために使用された。より広い帯域幅に対する需要は、Kaバンドに関するより多くの商業的用途を生み出している。衛星通信、ポイント・ツー・ポイント通信、5G、及び軍用レーダは全て、Kaバンドを使用するか又はKaバンドを使用することを計画する用途である。GaN-on-SiCの高い電力密度及び高い降伏電圧は、電力増幅器に関して特に興味を引く。ほとんどのGaN電力増幅器は、飽和電力に達するかなり前に圧縮を開始する。本明細書で説明する実施例に基づくMMIC電力増幅器は、高効率、低静止バイアス、及び低利得圧縮を示すことができ、最新技術の改善を表す。
【0187】
従来のGaN増幅器は、典型的には、飽和電力に達するかなり前に開始する緩やかな利得圧縮を有する。典型的なGaN増幅器の利得圧縮対出力電力(Pout)のプロットが
図14に示される。
図14に示すように、P1dBとしても知られる1dB圧縮点は、増幅器の飽和電力よりも約10dB低い。1dB圧縮における出力電力であるP1dBは、デバイスのゲートがその一定の(例えば、線形の)値から1dB減少する出力電力レベルを指す。
【0188】
本明細書で説明される実施例によるMMICデバイスは、利得圧縮ドライバ段を、1つ又は複数の利得拡張出力段と組み合わせることができる。MMICデバイス段の概略図が
図15に示される。
図15は、1つの利得圧縮段と、2つの利得拡張段とを有する3段増幅器を示すが、本明細書で説明される実施例はそれに限定されない。いくつかの実施例では、MMICデバイスは、3つよりも多い又は少ない段を有し得る。いくつかの実施例では、MMICデバイスの利得圧縮部分は、2つ以上の段を含み得る。いくつかの実施例では、MMICデバイスの利得拡張部分は、2つよりも多い又は少ない段を含み得る。
【0189】
いくつかの実施例では、利得圧縮ドライバ段は、A級モードでバイアスされてもよく、且つ/又は、利得拡張段は、AB級モードでバイアスされてもよい。利得圧縮段は、出力段の利得拡張を相殺する傾向があり得る。ピンチオフに近いデバイスの利得段のバイアスを低減することによって、この段は、利得拡張及び高効率を有し得る。利得段のバイアスを増加させることによって、この段は、利得圧縮を有し、増加した電流のために、より低い効率を有し得る。したがって、出力段は、効率と低圧縮との改善された組合せを提供することに寄与するために、低バイアスの利得拡張段となるように選択され得る。これらの技術は、本明細書で説明されるものなどの、基本となるデバイスの構成のプロセス改善と併せて、著しく低減された利得圧縮、高い効率、及び低い静止電流を有する増幅器をもたらす。改善された性能及びこの性能を達成することができる関連のHEMTデバイスの実例が、本明細書で説明される。
【0190】
いくつかの実施例では、本明細書で説明される実施例によるMMICデバイスは、改善されたRF性能を提供することができる。例えば、いくつかの実施例では、MMICデバイスは、3.5W/mmよりも大きい30GHzにおける出力電力、30GHzにおける30%よりも大きいピーク電力付加効率(PAE)、30GHzよりも大きいトランジスタ・カットオフ周波数、低い利得圧縮、及び/又は30%よりも大きいP1dBにおける電力付加効率を提供し得る。いくつかの実施例では、本明細書で説明される実施例によるMMICデバイスは、改善された信頼性性能を提供し得る。例えば、いくつかの実施例では、MMICデバイスは、84Vのドレイン・バイアスで150℃の1000時間のHTRBを実行することが可能であり得る。
【0191】
本明細書で説明される実施例によるMMICデバイスは、GaN-on-SiCデバイスに基づくことができる。GaN-on-SiC基板及びエピタキシ法は、30GHzのRF性能及び28Vの動作の対象とされ得る。150nmのゲートは、i線リソグラフィ・スペーサ法を使用して光学的に画定され得る。150nmのゲートは、デバイス上のゲート長さ(例えば、
図13に示されるL
G)を指す場合があるが、本明細書で説明される実施例は、このゲート長さに限定されない。いくつかの実施例では、ゲート長さは、200nm未満(例えば、120nmから180nm)であってもよい。高温逆バイアス(HTRB)ストレス試験は、本明細書で説明されるプロセス技術のロバスト性及び信頼性を確認するために実行された。HEMTデバイスは、84VのHTRBを1000時間受け、性能劣化は無視でき、デバイス故障は0であった。ウエハの厚さ(例えば、
図13に示されるT
W)は、75μmである。本明細書で説明されるビア325などの基板貫通ビアが、利用可能であり、互いに50μm以内に配置され得る。MMICプロセスはまた、180pF/mm
2のMIMキャパシタと、12Ω/sqの薄膜抵抗器と、HEMTソース・パッド内のビアとを含む。このプロセスのI
DSS0は、約700mA/mmである。
【0192】
MMICは、26.5~40ギガヘルツ(GHz)の電磁スペクトル内の周波数を含む、Kaバンドの周波数で動作するように構成され得る。例えば、MMIC PAの目標周波数範囲は26.5~30.5GHzとすることができ、これは、いくつかの潜在的な5Gミリメートル波帯域をカバーすることができるが、本実施例は、これに限定されない。いくつかの実施例では、本明細書で説明される実施例によるMMICデバイスは、Kuバンド(12~18GHz)で動作し得る。MMICの他の設計目標は、4Wよりも大きい飽和電力、少なくとも25dBの小信号利得、及び帯域にわたる30%よりも大きいPAEを含み得る。さらに、典型的な3段GaN増幅器よりも良いP1dBを求めて、低利得圧縮が所望された。
【0193】
図15に示すように、MMIC PAは、3つの段を有してもよい。いくつかの実施例では、第1の段は6×50μmデバイスであってもよく、第2の段は2つの6×50μmデバイスを有してもよく、第3の段は4つの6×50μmデバイスを有してもよい。これは、各段について1:2の駆動比を構成する。
【0194】
典型的なGaN増幅器は、大きい利得圧縮を有し、飽和電力(Psat)に達するかなり前に圧縮を開始することができる。Psat値は、提供される利得に関して収穫逓減が開始する、増幅器の動作点の測定値を提供し得る。例えば、Psatを超えると、所与の入力に対して提供される利得は、減少し始める(すなわち、利得圧縮を示す)場合がある。Psatは、本明細書で使用されるとき、利得圧縮が3dBを超える、増幅器上の動作点を指す。本明細書で説明される実施例によるいくつかのMMICデバイスの設計目標は、典型的な3段高効率GaN増幅器と比較して、1dB圧縮電力(P1dB)を改善することであった。これを達成するために、第1の段は、最後の2つの段とは別にバイアスされる場合があり、利得を増加させることを助け得るA級モードでバイアスされる場合がある。最後の2つの段は、効率のためにAB級モードでバイアスされる場合がある。いくつかの実施例では、第1の段は、120mA/mmに対応する36mAでバイアスされる。いくつかの実施例では、最後の2つの段は、組み合わされた36mAに対して20mA/mmでバイアスされる。いくつかの実施例では、増幅器の全体的な静止電流は72mAである。最初の段(例えば、
図15の第1の段)のA級動作は、利得圧縮をもたらす傾向があり得るが、後の段(例えば、
図15の最後の2つの段)のAB級動作は、利得拡張をもたらす傾向があり得る。これらの2つの異なる効果は、GaN増幅器において典型的に見出される緩やかな利得圧縮を低減するために使用され得る。設計及び動作のためのドレイン電圧は、28Vであり得るが、本明細書で説明される実施例はそれに限定されない。
【0195】
出力負荷インピーダンスは、負荷プル・データ及び回路シミュレーションによって決定され得る。整合回路網は、広帯域の動作を提供するために、高域通過素子及び低域通過素子を有し得る。EMシミュレーション及びチューニングは、最高の総合的な回路性能を求めて整合回路を改善するために使用され得る。
図16は、本明細書で説明されるいくつかの実施例による、完成したMMICの写真を示すが、この写真は、例示的なデバイスのものにすぎず、実施例を限定することを意図されていない。
【0196】
ウエハ製造後、Sパラメータが、ウエハ上で測定され得る。
図17A、
図17B、及び
図17Cは、本明細書で説明される実施例によるデバイスのSパラメータのグラフである。ここで示されるSパラメータは、ウエハ全体にわたる120個のデバイス上で測定される。
図17A~
図17Cのグラフの線は、データの平均を表す。
図17Aは、ウエハにわたるS21を示し、
図17Bは、ウエハにわたるS11を示し、
図17Cは、ウエハにわたるS22を示す。Sパラメータは、極めて良好な広帯域性能を示す。
【0197】
図18A、
図18B、及び
図18Cは、本明細書で説明される実施例によるデバイスの電力測定値のグラフである。電力掃引試験は、26GHzから30.5GHzまでウエハ全体にわたる5つのデバイス上で行われた。提示される電力及びPAEの結果は、これら5つのデバイスの平均である。電力測定は、電力パルスを使用してウエハ上で行われた。パルスのデューティ・サイクルは1%であり、持続時間は10μsであった。これらは、試験中のウエハの過熱を避けるための標準的なウエハ上パルス出力パラメータである。
図18Aは、帯域の中央の28.5GHzにおける出力電力(Pout)対入力電力(Pin)を示す。関連する利得対入力電力も
図18Aにプロットされている。利得は、掃引される入力電力にわたって比較的平坦であり、これは線形性にとって望ましい。
【0198】
図18Bは、動作周波数の例示的な帯域にわたる最大PAEにおける出力電力(Pout)を示し、対応する最大PAEは、
図18Cに示されている。
図18Bに示される実例では、4Wの出力電力及び30%のPAEの目標が超えられている。さらに、
図18Cに示される実例は、PAEが帯域全体にわたって優れており、30GHzで40%に近づくことを示す。PAE測定値は、以前に公表された結果と比較されることが極めて好ましい。本明細書で説明されるいくつかの実施例による電力及びPAEと、以前に公表された動作との比較が、表2に示されている。
【0199】
【表2】
表2では、参照Aは、非特許文献2を参照しており、参照Bは、非特許文献3を参照しており、参照Cは、非特許文献4を参照しており、参照Dは、非特許文献5を参照しており、参照Eは、非特許文献6を参照している。表2に示すように、本開示の実例は、5.75Wの最大出力電力に対して72mAの静止ドレイン電流Idqを提供することができ、これは、約12.5mA/Wに変換することができる。いくつかの実施例では、電力出力に対する静止ドレイン電流の比は、12.5mA/W未満である。
【0200】
図19A、
図19B、及び
図19Cは、本明細書で説明される実施例によるデバイスの利得圧縮測定値のグラフである。5つのデバイスにわたって平均された利得圧縮測定値が、
図19A、
図19B、及び
図19Cにそれぞれ26.5GHz、28.5GHz、及び30.5GHzにおいて示されている。全ての図は、利得圧縮が後に続く、何らかの利得拡張を示す。典型的なGaN増幅器は、Psatのかなり前に開始する、緩やかな利得圧縮を有する。これらのプロットは、P1dBからPsatへの急速な遷移を示す。利得圧縮が線形性に影響を及ぼし得るのと同様に、利得拡張は、線形性に影響を及ぼし得る。影響の量は、変調のタイプに依存する。3次相互変調歪み(IM3)などのパラメータは、入力電力に対する利得の勾配に対する感度が高い。
図19A~
図19Cに示される例示的なデバイスでは、観測される利得拡張は、適度であり、緩やかな勾配を有する。その結果、利得圧縮の急な勾配が、依然として支配的である。
【0201】
図20は、本明細書で説明される実施例による、デバイスの最大測定電力(Pmax)及びP1dB特性のグラフである。最大測定電力(Pmax)は、本明細書で使用されるとき、デバイスに関して測定された最大電力を指す。
図20は、周波数にわたってP1dBとPmaxとを比較する。
図20に示すように、P1dBは、本発明の実施例によるGaN MMIC PAの周波数帯域全体にわたってPmaxの1dB以内である。
図21は、本明細書で説明される実施例による、デバイスのPAE特性のグラフである。Pmax及びP1dBに関するPAEが、
図21に示される。
図21に示される例示的なデバイスでは、P1dBにおけるPAEは、帯域全体にわたって32%よりも大きく、P1dBにおけるPAEは、30GHzにおいて37.8%である。26.5GHzから30.5GHzの動作帯域にわたって、P1dBにおけるPAEは、33%から約40%の範囲であり得る。これは、従来のデバイスと比較して、本発明の実施例による多段MMIC、例えば、Kaバンドで動作する3段GaN電力増幅器MMICなどの、GaNベースの電力増幅器のP1dBにおける改善されたPAEを表す。本発明のP1dBにおける改善された効率は、有利にも、デジタル変調を利用する通信信号用の伝送システムに組み込むことができる。線形性は、変調信号とともに利用される増幅器において重要であり、出力電力に関するより高いP1dB、及びP1dBにおけるより高い効率(例えば、PAE)は、デバイス全体のより高い出力電力における改善された線形性と相関し得る。
【0202】
図22は、本明細書で説明される実施例による、デバイスのIM3特性のグラフである。本明細書で説明される実施例による例示的なデバイスのIM3は、連続波形(CW)条件の下で測定され、それらの結果は、
図22に示される。GaN増幅器では、-25dBc未満のIM3が有利である。
図22に示すように、これは、本明細書で説明される実施例による例示的なデバイスの最大電力(Pmax)の4dB以内の電力レベルで達成され、これは良好な結果であると考えられる。
【0203】
光学的に画定されたi線150nmのゲートを使用した、例示的な28V、3段、Kaバンド、及びGaN-on-SiCのMMIC電力増幅器に関する結果について、本明細書で説明してきた。本明細書で説明される実施例によるMMICは、30GHzにおいて39.8%の関連するPAEとともに37.6dBmの最大測定電力(Pmax)を提供することができる。MMICは、低い利得圧縮、優れたP1dB、及び低い静止バイアスを示すことができる。P1dBは、26.5~30.5GHz帯域にわたってPmaxの1dB以内であり得る。30GHzにおいて、37.8%の関連するPAE及び72mAの静止バイアスとともに、P1dBは、37.1dBmであり得る。P1dBにおけるこの効率は、Kaバンド多段MMIC用の従来のデバイスを超える改善を表す。
【0204】
第1、第2などの用語は、様々な要素について説明するために本明細書で使用され得るが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきでないことが理解されよう。これらの用語は、ある要素を別の要素から区別するために使用されるにすぎない。例えば、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。「及び/又は」という用語は、本明細書で使用されるとき、関連する列挙された項目のうちの1つ又は複数の任意の組合せ及び全ての組合せを含む。
【0205】
本明細書で使用される用語は、特定の実施例について説明することのみを目的とし、本発明を限定することを意図していない。単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、本明細書で使用されるとき、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も同様に含むことが意図される。「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」、及び/又は「含んでいる(including)」という用語は、本明細書で使用されるとき、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除しないことがさらに理解されよう。
【0206】
別段に定義されていない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、本明細書及び関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそのように定義されない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されないことがさらに理解されよう。
【0207】
層、領域、又は基板などの要素が、別の要素の「上に(on)」ある、又は「上に(onto)」延びると言われるとき、それは、他の要素の直接上にある、若しくは直接上に延びることができるか、又は介在する要素も存在してよいことが理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素の「直接上に(directlyon)」ある、又は「直接上に(directlyonto)」延びると言われるとき、介在する要素は存在しない。ある要素が別の要素に「接続される」又は「結合される」と言われるとき、それは、他の要素に直接接続若しくは結合され得るか、又は介在する要素が存在し得ることも理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素に「直接接続される」又は「直接結合される」と言われるとき、介在する要素は存在しない。
【0208】
「下方」又は「上方」又は「上部」又は「下部」又は「水平」又は「横方向」又は「垂直方向」などの相対的な用語は、図に示される、1つの要素、層、又は領域と、別の要素、層、又は領域との関係について説明するために本明細書で使用され得る。これらの用語は、図に示される向きに加えて、デバイスの様々な向きを含むことが意図されることが理解されよう。
【0209】
本発明の実施例は、本発明の理想化された実施例(及び中間構造)の概略図である断面図を参照して本明細書で説明される。図面における層及び領域の厚さは、わかりやすくするために誇張されている場合がある。さらに、例えば、製造技法及び/又は公差の結果として、図の形状からの変形が予想されるべきである。したがって、本発明の実施例は、本明細書に示される領域の特定の形状に限定されるものと解釈されるべきではなく、例えば、製造に起因する形状のばらつきを含むべきである。同様に、寸法の変動は、製造手順における標準偏差に基づいて予想されることが理解されよう。「約」は、本明細書で使用されるとき、公称値の10%以内の値を含む。
【0210】
全体を通して、同様の番号は、同様の要素を指す。したがって、同じ又は類似の番号は、それらが対応する図面において言及も説明もされていなくても、他の図面を参照して説明され得る。また、参照番号によって示されていない要素は、他の図面を参照して説明され得る。
【0211】
本発明のいくつかの実施例は、層及び/又は領域内の大多数のキャリア濃度を指す、n型又はp型などの伝導型を有することを特徴とする半導体層及び/又は領域を参照して説明される。したがって、N型材料は、負に帯電した電子の大多数の平衡濃度を有するが、P型材料は、正に帯電した孔の大多数の平衡濃度を有する。一部の材料は、別の層又は領域と比較して相対的に大きい(「+」)又は小さい(「-」)、多数キャリアの濃度を示すために、(N+、N-、P+、P-、N++、N--、P++、P--などのように)「+」又は「-」で指定され得る。しかし、そのような表記は、層又は領域内に特定の濃度の多数キャリア又は少数キャリアが存在することを意味しない。
【0212】
図面及び本明細書では、本発明の典型的な実施例が開示されており、特定の用語が使用されているが、それらは、一般的且つ説明的な意味でのみ使用されており、限定を目的とするものではなく、本発明の範囲は、次の特許請求の範囲に記載されている。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電子移動度トランジスタ(HEMT)であって、
基板であって、前記基板の両側に第1の表面及び第2の表面を含む基板と、
前記基板の前記第1の表面上のチャネル層と、
前記チャネル層上のバリア層と、
前記バリア層の上面に第1のオーミック・ソース・コンタクトを備えるソース・コンタクトと、
前記バリア層上の複数のドレイン・コンタクト及び複数のゲート・コンタクトと、
前記基板の前記第2の表面から前記第1のオーミック・ソース・コンタクトまで延びる第1のビアであって、平面図において、前記複数のドレイン・コンタクトのうちの1つと前記複数のゲート・コンタクトのうちの1つとの間にある第1のビアと
を含む、HEMT。
【請求項2】
高電子移動度トランジスタ(HEMT)であって、
基板と、
前記基板上の半導体構造体と、
各々が前記基板及び前記半導体構造体内で延びる、第1のビア及び第2のビアと、
前記第1のビア上の第1のオーミック・ソース・コンタクト及び前記第2のビア上の第2のオーミック・ソース・コンタクトと、
前記半導体構造体上のドレイン・コンタクトであって、前記第1のオーミック・ソース・コンタクトと前記第2のオーミック・ソース・コンタクトとの間のドレイン・コンタクトと、
前記第1のオーミック・ソース・コンタクトと前記ドレイン・コンタクトとの間のゲート・コンタクトと
を含み、
前記第1のビアは、前記第1のオーミック・ソース・コンタクトまで延び、前記第1のオーミック・ソース・コンタクトは、前記半導体構造体の上面の凹部内にある、HEMT。
【請求項3】
前記第1のオーミック・ソース・コンタクトは、前記バリア層の上面の凹部内にある、請求項1に記載のHEMT。
【請求項4】
高電子移動度トランジスタ(HEMT)であって、
基板と、
前記基板上の半導体構造体と、
前記半導体構造体上の第1のオーミック・ソース・コンタクト及び第2のオーミック・ソース・コンタクトと、
前記第1のオーミック・ソース・コンタクトと前記第2のオーミック・ソース・コンタクトとの間にある、前記半導体構造体上のドレイン・コンタクトと、
前記基板の底面と前記第1のオーミック・ソース・コンタクトとの間で延びる第1のビアと
を含み、
前記第1のオーミック・ソース・コンタクトと前記第2のオーミック・ソース・コンタクトとの間の距離は、60μm以下である、HEMT。
【請求項5】
前記第1のビア内のバックメタル層は、前記第1のオーミック・ソース・コンタクトの底面に直接接触し、
前記バックメタル層と前記第1のオーミック・ソース・コンタクトの前記底面との間の接触面積は、前記第1のオーミック・ソース・コンタクトの前記底面の面積の50パーセント以上である、請求項1、2、又は4に記載のHEMT。
【請求項6】
前記基板の底面に平行な方向における前記第1のビアの最大断面の面積は、1000μm2未満である、請求項1から5までのいずれか一項に記載のHEMT。
【請求項7】
前記基板の厚さは、75μm以下である、請求項1から6までのいずれか一項に記載のHEMT。
【請求項8】
前記第1のオーミック・ソース・コンタクトに隣接する前記半導体構造体又は前記バリア層内にドープされたウェルをさらに含む、請求項1、2、又は4に記載のHEMT。
【請求項9】
前記複数のドレイン・コンタクトのうちの前記1つ及び前記複数のゲート・コンタクトのうちの前記1つは、それぞれ第1の方向に延び、
前記第1のビアは、前記第1の方向に垂直な第2の方向における前記複数のドレイン・コンタクトのうちの前記1つと前記複数のゲート・コンタクトのうちの前記1つとの間にある前記ソース・コンタクトの部分の下にある、請求項1に記載のHEMT。
【請求項10】
前記基板に平行な平面における前記第1のビアの断面積は、前記基板に平行な平面における前記第1のオーミック・ソース・コンタクトの断面積より小さい、請求項1、2、又は4に記載のHEMT。
【請求項11】
84Vドレイン・バイアスでの高温逆バイアス(HTRB)動作において1000時間を超えて動作するように構成されたGaNベースの高電子移動度トランジスタ(HEMT)デバイスであって、
基板上に順次積層されている、チャネル層及びバリア層と、
前記バリア層上の第1のオーミック部分を含むソース・コンタクトであって、第1のユニット・セル・トランジスタ及び第2のユニット・セル・トランジスタで共有されているソース・コンタクトと、
前記基板から前記チャネル層及び前記バリア層を通って前記ソース・コンタクトの前記第1のオーミック部分まで延びるビアであって、前記第1のユニット・セル・トランジスタと前記第2のユニット・セル・トランジスタとの間にあるビアと
を含む、GaNベースのHEMTデバイス。
【請求項12】
前記HTRB動作は、150℃の温度で動作する、請求項11に記載のGaNベースのHEMTデバイス。
【請求項13】
前記HTRB動作を1000時間動作させた後、前記HEMTデバイスのゲート・リークは、1×10-4から1×10-3Aの間である、請求項11又は12に記載のGaNベースのHEMTデバイス。
【請求項14】
前記バリア層上にゲート・コンタクトをさらに含み、
前記ゲート・コンタクトは、第1の部分と、前記第1の部分上の第2の部分とを備え、
前記第2の部分は、前記第1の部分の1つ又は複数の側壁を越えて延びる、請求項11から13までのいずれか一項に記載のGaNベースのHEMTデバイス。
【請求項15】
前記ゲート・コンタクトの前記第2の部分は、前記ゲート・コンタクトの前記第1の部分の側壁を越えて前記ソース・コンタクトに向かって、0.5μmから0.15μmの間の距離だけ延びる、請求項14に記載のGaNベースのHEMTデバイス。
【請求項16】
前記バリア層上にドレイン・コンタクトをさらに含み、
前記ゲート・コンタクトの前記第2の部分は、前記ゲート・コンタクトの前記第1の部分の側壁を越えて前記ドレイン・コンタクトに向かって、0.5μmから0.15μmの間の距離だけ延びる、請求項14又は15に記載のGaNベースのHEMTデバイス。
【請求項17】
前記基板に平行な平面における前記ビアの断面積は、前記基板に平行な平面における前記ソース・コンタクトの断面積より小さい、請求項11に記載のGaNベースのHEMTデバイス。
【外国語明細書】