(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161792
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】処理システム、および教示方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20241113BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076821
(22)【出願日】2023-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】豊巻 俊明
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA01
5F131BA17
5F131BA19
5F131BA37
5F131BB04
5F131BB23
5F131CA45
5F131DB02
5F131DB22
5F131DB52
5F131DB54
5F131DB58
5F131DB72
5F131DB76
5F131DB82
5F131GA14
5F131GA33
5F131KA12
5F131KA22
5F131KA52
5F131KA54
5F131KA72
5F131KB32
5F131KB58
(57)【要約】
【課題】被搬送物の搬送精度を高めることができる技術を提供する。
【解決手段】処理システムは、搬送モジュールと、複数のロードロックモジュールと、検出部と、制御装置と、を備える。制御装置は、(A)搬送装置を移動させながら検出部により検出した物体の検出結果から複数のロードロックモジュールにおける支持部の位置に関わる情報を取得する工程と、(B)(A)の工程の後、検出した複数の支持部の位置に関わる情報に基づき、搬送モジュールに対する複数のロードロックモジュールの傾きを算出し、算出した傾きを用いて複数の支持部の位置を設定する工程と、を制御する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被搬送物を搬送する搬送装置を内部に有する搬送モジュールと、
前記搬送モジュールに接続され、前記被搬送物を支持可能な支持部を内部に有する複数のロードロックモジュールと、
前記搬送装置および前記複数のロードロックモジュールに設けられ、前記搬送装置の移動時に物体を検出する検出部と、
前記検出部による検出結果を処理すると共に、前記搬送装置の動作を制御する制御装置と、を備える処理システムであって、
前記制御装置は、
(A)前記搬送装置を移動させながら前記検出部により検出した物体の検出結果から前記複数のロードロックモジュールにおける前記支持部の位置に関わる情報を取得する工程と、
(B)前記(A)の工程の後、検出した複数の前記支持部の位置に関わる情報に基づき、前記搬送モジュールに対する前記複数のロードロックモジュールの傾きを算出し、算出した前記傾きを用いて複数の前記支持部の位置を設定する工程と、を制御する、
処理システム。
【請求項2】
前記検出部は、
前記搬送装置に設けられ、前記搬送装置の移動に伴い前記搬送モジュールの内部の座標を前記制御装置に認識させながら当該搬送モジュールの内部の物体を検出可能な第1検出センサと、
前記複数のロードロックモジュールの各々において前記被搬送物または前記搬送装置を検出する第2検出センサと、を含む、
請求項1に記載の処理システム。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記(A)の工程において、前記支持部の位置に関わる情報として、前記搬送装置を移動しながら前記第1検出センサにより前記第2検出センサの位置を検出する、または前記第2検出センサにより移動している前記搬送装置を検出する、
請求項2に記載の処理システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記(A)の工程おいて、
(A-1)前記支持部の位置に関わる情報として、前記第2検出センサの鉛直方向のZ座標と、前記複数のロードロックモジュールに前記搬送装置が近接する方向のY座標とを取得するステップを制御する、
請求項3に記載の処理システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記(A-1)のステップにおいて、
第1高さ位置で所定の水平方向ピッチだけ前記搬送装置をスライドさせる動作、前記第1高さ位置から所定の鉛直方向ピッチだけ前記搬送装置を下降させて第2高さ位置に配置する動作、前記第2高さ位置で所定の水平方向ピッチだけ前記搬送装置をスライドさせる動作、前記第2高さ位置から所定の鉛直方向ピッチだけ前記搬送装置を上昇させて前記第1高さ位置に配置する動作を繰り返し、前記第1検出センサにより前記第2検出センサを検出する、
請求項4に記載の処理システム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記(A)の工程おいて、
(A-2)前記複数のロードロックモジュールが並ぶ方向のX座標を取得するステップを制御する、
請求項3に記載の処理システム。
【請求項7】
前記制御装置は、前記(A-2)のステップにおいて、
前記複数のロードロックモジュールが並ぶ方向に前記搬送装置をスライドさせながら、前記第2検出センサにより前記搬送装置を検出する、
請求項6に記載の処理システム。
【請求項8】
前記制御装置は、前記搬送モジュールにおいて相互の直交する軸線の座標であるX座標、Y座標およびZ座標を前記支持部の位置として認識するように構成され、
前記(B)の工程において、複数の前記支持部の前記X座標の間隔と複数の前記支持部の前記Y座標の間隔との比の余接に基づき、前記傾きを算出する、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の処理システム。
【請求項9】
前記制御装置は、
前記(B)の工程において、複数の前記支持部のZ座標のずれに基づき、前記複数のロードロックモジュール同士のZ軸方向の傾きを算出する、
請求項8に記載の処理システム。
【請求項10】
前記制御装置は、
(C)前記(B)の工程の後、前記搬送モジュールの内部において前記被搬送物を搬送して、前記複数のロードロックモジュールに設けられたセンサおよび/または前記搬送モジュールに接続されたアライナにより前記被搬送物の位置を検出し、検出結果に基づき複数の前記支持部の位置を補正する工程を有する、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の処理システム。
【請求項11】
前記制御装置は、
前記(A)の工程において検出した前記支持部の位置に関わる情報が所定の閾値以上ずれているか否かを判定し、前記支持部の位置に関わる情報が前記所定の閾値未満の場合に前記搬送装置の教示動作を継続し、前記支持部の位置に関わる情報が前記所定の閾値以上ずれている場合にエラーを報知する、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の処理システム。
【請求項12】
被搬送物を搬送する搬送装置を内部に有する搬送モジュールと、
前記搬送モジュールに接続され、前記被搬送物を支持可能な支持部を内部に有する複数のロードロックモジュールと、
前記搬送装置および前記複数のロードロックモジュールに設けられ、前記搬送装置の移動時に物体を検出する検出部と、を備える処理システムにおいて前記搬送装置に複数の前記支持部の位置を教示する教示方法であって、
(A)前記搬送装置を移動させながら前記検出部により検出した物体の検出結果から前記複数のロードロックモジュールにおける前記支持部の位置に関わる情報を取得する工程と、
(B)前記(A)の工程の後、検出した複数の前記支持部の位置に関わる情報に基づき、前記搬送モジュールに対する前記複数のロードロックモジュールの傾きを算出し、算出した前記傾きを用いて複数の前記支持部の位置を設定する工程と、を制御する、
教示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、処理システム、および教示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、大気搬送モジュール(ローダモジュール)、複数のロードロックモジュール、真空搬送モジュール、および複数の基板処理モジュールを有し、基板を処理する処理システム(基板処理装置)が開示されている。大気搬送モジュールの搬送装置(ウエハ搬送機構)は、大気搬送モジュールに設けられるロードポートから基板を取り出して、大気搬送モジュールの内部を通して適宜のロードロックモジュールに基板を搬送する。
【0003】
この種の処理システムは、被搬送物である基板の搬送精度を高めるために、システムの設置時またはメンテナンス時等において、基板を搬送する位置を搬送装置に教示(ティーチング)する作業を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、被搬送物の搬送精度を高めることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、被搬送物を搬送する搬送装置を内部に有する搬送モジュールと、前記搬送モジュールに接続され、前記被搬送物を支持可能な支持部を内部に有する複数のロードロックモジュールと、前記搬送装置および前記複数のロードロックモジュールに設けられ、前記搬送装置の移動時に物体を検出する検出部と、前記検出部による検出結果を処理すると共に、前記搬送装置の動作を制御する制御装置と、を備える処理システムであって、前記制御装置は、(A)前記搬送装置を移動させながら前記検出部により検出した物体の検出結果から前記複数のロードロックモジュールにおける前記支持部の位置に関わる情報を取得する工程と、(B)前記(A)の工程の後、検出した複数の前記支持部の位置に関わる情報に基づき、前記搬送モジュールに対する前記複数のロードロックモジュールの傾きを算出し、算出した前記傾きを用いて複数の前記支持部の位置を設定する工程と、を制御する、処理システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
一態様によれば、被搬送物の搬送精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態の処理システムを概略的に示す平面図である。
【
図2】ロードロックモジュールと大気搬送モジュールの一部を示す側面断面図である。
【
図3】制御装置のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
【
図5】
図5(A)は、一実施形態に係る大気搬送装置の教示方法を示すフローチャートである。
図5(B)は、第1の教示工程の一例を示すフローチャートである。
図5(C)は、第2の教示工程の一例を示すフローチャートである。
【
図6】第1検出工程における動作を示す説明図である。
【
図7】第2検出工程における大気搬送装置の動作を示す説明図である。
【
図8】大気搬送モジュールに対して各ロードロックモジュールが傾いた設置状態を例示する平面図である。
【
図9】設置工程における真空搬送装置の動作を示す説明図である。
【
図10】水平方向設定工程の一例を説明するための図である。
【
図11】鉛直方向の搬送位置を決定する鉛直方向設定工程を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本開示を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0010】
〔処理システム〕
一実施形態に係る処理システム1について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、実施形態の処理システム1を概略的に示す平面図である。処理システム1は、半導体用の基板を製造する一過程に用いられ、被搬送物である基板を搬送して、当該基板に基板処理を施す装置である。基板処理が施される基板としては、シリコン半導体ウエハ、化合物半導体ウエハまたは酸化物半導体ウエハ等があげられる。以下では、基板をウエハWともいう。ウエハWは、トレンチ、ビア等の窪みパターンを有するものでもよい。
【0011】
具体的には、処理システム1は、真空搬送モジュール10、複数の処理モジュール20、大気搬送モジュール30、複数のロードロックモジュール40、および制御装置100を含む。
【0012】
真空搬送モジュール10は、平面視で略六角形状の真空搬送容器11を有する。真空搬送容器11の内部は、図示しない内圧調整機構によって真空雰囲気に減圧可能となっている。処理システム1は、真空搬送容器11の複数の辺毎に、複数の処理モジュール20および複数のロードロックモジュール40を接続している。
【0013】
真空搬送モジュール10は、真空搬送容器11の内部に真空搬送装置12を備える。真空搬送装置12は、屈伸、昇降および旋回可能な多関節アームにより形成され、各処理モジュール20および各ロードロックモジュール40にアクセス可能に構成される。真空搬送装置12は、互いに独立して動作可能な2つのピック13を有し、2枚のウエハWを同時に保持して搬送することが可能である。なお、真空搬送装置12は、各処理モジュール20および各ロードロックモジュール40の間でウエハWを搬送可能であればよく、例えば、1つのピック13を備える等、種々の構成を採用し得る。
【0014】
複数の処理モジュール20は、真空搬送モジュール10の周囲に放射状に配置されている。なお、
図1では、処理システム1が4つの処理モジュール20を備えるが、処理モジュール20の数はこれに限定されないことは勿論である。各処理モジュール20は、真空雰囲気に減圧可能な処理容器21を有する。処理容器21の内部にはウエハWを載置する円盤状の載置台22が設けられている。真空搬送モジュール10と処理モジュール20とは、開閉可能なゲートバルブ23で仕切られている。
【0015】
各処理モジュール20は、載置台22に載置されたウエハWに対して各種の基板処理を行う。各処理モジュール20が行う基板処理としては、成膜処理、エッチング処理、熱処理、アッシング処理、クリーニング処理等があげられる。各処理モジュール20のうち一部または全部がプラズマ処理を施すプラズマ処理モジュールであってもよい。また、各処理モジュール20は、相互に異なる基板処理を行ってもよく、あるいは相互に同じ基板処理を行ってもよい。
【0016】
大気搬送モジュール30は、各ロードロックモジュール40を介して真空搬送モジュール10に接続される。大気搬送モジュール30は、大気圧雰囲気に保持された略直方体状の大気搬送容器31を有する。
【0017】
大気搬送モジュール30は、大気搬送モジュール30の内部に大気搬送装置32を備える。例えば、大気搬送装置32は、大気搬送容器31内で長辺に沿って延びるガイドレール33上にスライド移動可能に支持されている。大気搬送装置32は、エンコーダを有するリニアモータ(不図示)を内蔵しており、リニアモータの駆動下にガイドレール33上を移動する。大気搬送装置32は、各ロードロックモジュール40、後述する基板収納容器51およびアライナ60の間でウエハWを搬送する。
【0018】
大気搬送装置32は、上下に2段に配置された2つの多関節アーム34を有する。各多関節アーム34の先端には、ウエハWを保持するピック35が取り付けられている。大気搬送装置32は、各多関節アーム34の屈伸および昇降について、独立して動作させることが可能である。また、各多関節アーム34は、基台36に対して同軸状に連結され、例えば、基台36の旋回方向へ一体に回転する。なお、大気搬送装置32は、ロードロックモジュール40、基板収納容器51およびアライナ60の間でウエハWを搬送可能であればよく、例えば、1つのピック35を備える等、種々の構成を採用し得る。
【0019】
処理システム1は、大気搬送容器31の長辺(X軸方向)に沿った一方の側面に、2つのロードロックモジュール40を並べて接続している。また、処理システム1は、大気搬送容器31の長辺に沿った他の側面に、ウエハWを導入および導出するための1以上の搬送口37と、搬送口37を開閉可能な開閉ドア38と、を有する。
図1では、3つの搬送口37および3つの開閉ドア38を備えた構成を例示している。
【0020】
大気搬送モジュール30は、各搬送口37に対応する位置にロードポート50を備える。ロードポート50には、ウエハWの収容状態で搬送可能な基板収納容器51が載置される。基板収納容器51は、複数(例えば25枚)のウエハWを所定の間隔をあけて収容するFOUP(Front-Opening Unified Pod)を適用し得る。また、各ロードポート50は、開閉ドア38の駆動機構(不図示)を備える。
【0021】
大気搬送モジュール30は、大気搬送容器31の2つ短辺の一方にアライナ60を設置している。アライナ60および大気搬送装置32は、大気搬送モジュール30においてウエハWの位置合わせを行う。アライナ60は、筐体61と、この筐体61内に設けられ図示しない駆動モータにより回転する回転ステージ62と、筐体61の内に設けられ、ウエハWの外縁を光学的に検出する光学センサ63と、を有する。
【0022】
筐体61は、大気搬送容器31に向かって開口しており、大気搬送装置32が内部にアクセスすることができる。回転ステージ62は、ウエハWの直径よりも小さな直径を有し、ウエハWの中心部が上面に載置される。そして、アライナ60は、回転ステージ62により回転するウエハWの外周縁の偏りやノッチ等を光学センサ63により検出し、ウエハWの位置ずれや向き等を算出する。制御装置100は、大気搬送装置32によりアライナ60から基板を受け取る際に、ウエハWの位置ずれや向き等を修正してウエハWを受け取る。
【0023】
2つのロードロックモジュール40は、真空搬送モジュール10と大気搬送モジュール30との間に設置され、真空搬送モジュール10と大気搬送モジュール30との間でウエハWを搬送可能とする。なお、処理システム1においてロードロックモジュール40の数は、2つに限定されず、3つ以上設けられてもよい。
【0024】
図2は、ロードロックモジュール40と大気搬送モジュール30の一部を示す側面断面図である。
図2に示すように、各ロードロックモジュール40は、真空雰囲気と大気圧雰囲気とに切り換え可能な内圧可変容器41と、内圧可変容器41内でウエハWを載置可能なステージ(支持部)42と、を有する。各ロードロックモジュール40と真空搬送モジュール10とは、開閉可能なゲートバルブ43により仕切られている(
図1参照)。また、各ロードロックモジュール40と大気搬送モジュール30とは、開閉可能なゲートバルブ44により仕切られている。ゲートバルブ44は、大気搬送モジュール30の大気搬送容器31内に収容されている。なお、処理システム1は、大気搬送モジュール30と各ロードロックモジュール40との間に、ゲートバルブ44を収容した専用の開閉用モジュール(不図示)を備えてもよい。
【0025】
内圧可変容器41は、真空搬送モジュール10側の搬送口411に、位置検出センサ45を備える。例えば、位置検出センサ45は、搬送口411の横方向(X軸方向)に沿って2つ設けられ、ロードロックモジュール40の搬送口411を通過するウエハWの外縁の2箇所を検出する。制御装置100は、ウエハWの外縁の2箇所の検出位置に基づきウエハWの位置を算出し、真空搬送装置12に対するウエハWのずれを認識できる。
【0026】
各ロードロックモジュール40のステージ42は、ウエハWの直径よりも小さな直径の基板支持面42sを有する。真空搬送装置12および大気搬送装置32は、内圧可変容器41において基板支持面42sの上方に進入した後、鉛直方向下側に下降して基板支持面42sを通過することで、基板支持面42sにウエハWを載置する。なお、ステージ42は、ピック13、35の形状に対応する溝を備え、ピック13、35を溝に進入させる構成でもよい。また、ステージ42は、上下に昇降可能な複数の支持ピンを備え、真空搬送装置12または大気搬送装置32の進入時に各支持ピンを上昇させることで、ウエハWを授受する構成でもよい。
【0027】
各ロードロックモジュール40は、大気搬送モジュール30から真空搬送モジュール10へウエハWを搬入する際、内圧可変容器41内を大気圧雰囲気にして大気搬送モジュール30のウエハWを受け取る。その後、各ロードロックモジュール40は、内圧可変容器41内を減圧して真空雰囲気とし、真空搬送モジュール10からウエハWを取り出し可能にする。また、各ロードロックモジュール40は、真空搬送モジュール10から大気搬送モジュール30へウエハWを搬出する際、内圧可変容器41内を真空雰囲気にして真空搬送モジュール10のウエハWを受け取る。その後、各ロードロックモジュール40は、内圧可変容器41内を昇圧して大気圧雰囲気とし、大気搬送モジュール30からウエハWを取り出し可能にする。
【0028】
処理システム1は、大気搬送モジュール30の大気搬送容器31内において、各ロードロックモジュール40との接続箇所に物体検出センサ(検出部:第2検出センサ)80をそれぞれ備える。すなわち、ロードロックモジュール40の各々は、大気搬送容器31内にそれぞれ物体検出センサ80を備えている。例えば、物体検出センサ80は、ロードロックモジュール40内のステージ42に載置されたウエハWの飛び出しの有無を検出して、その検出結果を制御装置100に送信する。
【0029】
各物体検出センサ80は、大気搬送容器31の内部において、鉛直方向の離れた位置に突出部81を備える。各突出部81は、ロードロックモジュール40のステージ42の中心から径方向外側に延びる方向と一致するように突出している。例えば、各突出部81は、内圧可変容器41の壁部に連結され、内圧可変容器41と一体に取り付けられる。各物体検出センサ80は、一方の突出部81に投光素子82を有し、他方の突出部81に受光素子83を有する。各突出部81は、大気搬送容器31内においてゲートバルブ44よりも内側に突出していることで、投光素子82および受光素子83を相互に対向させている。
【0030】
例えば、投光素子82は、ゲートバルブ44よりも下方に設けられ、受光素子83に向けて検知光を照射する。受光素子83は、ゲートバルブ44よりも上方に設けられ、投光素子82が照射した検知光を受光する。なお、投光素子82と受光素子83の位置関係は逆であってもよい。
【0031】
ロードロックモジュール40のステージ42にウエハWを載置した状態で、投光素子82と受光素子83との間にウエハWが存在する場合、受光素子83は、検知光が受光されない情報を制御装置100に送信する。これにより、制御装置100は、ロードロックモジュール40からのウエハWの飛び出しを判定できる。
【0032】
制御装置100は、処理システム1の各構成要素の動作を制御する。
図3は、制御装置100のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
図3に示すように、制御装置100は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置101、補助記憶装置102、主記憶装置103、プロセッサ104、インタフェース装置105等を有するコンピュータである。制御装置100での処理を実現するプログラムは、CD-ROM等の記録媒体106によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体106がドライブ装置101にセットされると、プログラムが記録媒体106からドライブ装置101を介して補助記憶装置102にインストールされる。ただし、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体106より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータからダウンロードしてもよい。補助記憶装置102は、インストールされたプログラム、レシピ等の必要なデータを格納する。主記憶装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。プロセッサ104は、主記憶装置103に格納されたプログラムに従って処理システム1に係る機能を実行する。インタフェース装置105は、ユーザの入出力装置(タッチパネル、キーボード、マウス等)またはネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
【0033】
〔ピック〕
次に、大気搬送装置32のピック35の一例について
図4を参照しながら説明する。
図4は、ピック35の概略構成の一例を示す図である。
【0034】
ピック35は、基部35a、一対の先端延出部35b、爪部35cおよび吸引路35dを有する。基部35aは、多関節アーム34(
図1参照)に取り付けられている。一対の先端延出部35bは、ピック35の前進方向に向かって基部35aから略円弧状に延びており、基部35aの幅方向中心を挟んで相互に対称形状をなしている。爪部35cは、基部35aおよび先端延出部35bに囲まれる領域(以下「ウエハ保持領域」という。)の中心部へ向けて突出している。4つの爪部35cは、ウエハ保持領域の周方向に沿って互いに間隔をあけて配置されている。爪部35cは、吸引孔35eを上部に備え、吸引孔35eは、ウエハWの下面の外縁部を爪部35c上に吸着する。吸引路35dは、基部35aおよび先端延出部35b内に設けられる。吸引路35dの末端は、各爪部35cの吸引孔35eに接続され、吸引路35dの上流端は、ピック35に接続される吸引管35f内に連通している。
【0035】
吸引管35fには、圧力検出部である圧力センサ35gおよびバルブ35hが設けられている。圧力センサ35gは、吸引管35f内の圧力を検出し、検出した圧力情報を制御装置100に送信する。吸引管35fのバルブ35hの下流側には、排気装置35iが接続されている。排気装置35iは、レギュレータ、真空ポンプ等を含み、圧力を調整しながら吸引路35dおよび吸引管35f内を吸引する。バルブ35hは、大気搬送装置32が一のモジュールからウエハWを受け取る直前から別のモジュールにウエハWを載置する直後までの期間に開かれ、それ以外の期間では閉じられる。これにより、大気搬送装置32がウエハWを保持する直前からウエハWを離す直後まで、吸引孔35eからウエハWへの吸引が行われる。
【0036】
また、大気搬送装置32はピック35の先端延出部35bの先端に、マッピングセンサ(検出部:第1検出センサ)85を備える。マッピングセンサ85は、大気搬送装置32の移動に伴い大気搬送モジュール30の内部の座標を制御装置100に認識させながら、当該大気搬送モジュール30の内部の物体を検出する。例えば、マッピングセンサ85は、ロードポート50に載置される基板収納容器51内のウエハWの有無を検出し、検出結果を制御装置100に送信する。また、マッピングセンサ85は、ロードロックモジュール40のステージ42に載置されたウエハWを検出し、検出結果を制御装置100に送信する。さらに、マッピングセンサ85は、アライナ60の回転ステージ62に載置されたウエハWの有無を検出し、検出結果を制御装置100に送信する。
【0037】
本実施形態において、マッピングセンサ85は、水平方向において対向して配置される投光部86および受光部87を含む。投光部86は、ピック35において一方の先端延出部35bの先端に設けられ、受光部87に向けて検知光を照射する。受光部87は、ピック35の他方の先端延出部35bの先端に設けられ、投光部86が照射する検知光を受光する。マッピングセンサ85の受光部87は、投光部86と受光部87との間にウエハWが存在する場合に、投光部86が照射した検知光が受光されない情報を制御装置100に送信する。これにより、制御装置100は、ウエハWの水平方向の位置および高さ位置を算出する。
【0038】
〔搬送装置の教示方法〕
一実施形態に係る処理システム1は、基本的には以上のように構成される。次に、処理システム1の設置後やメンテナンス後(大気搬送装置32の部品の交換、修理等)において、ウエハWの搬送位置を大気搬送装置32に教示する教示方法について説明する。大気搬送装置32の教示方法では、制御装置100が大気搬送装置32の動作を実際に制御して、大気搬送装置32の搬送位置を設定する。以下では、ロードロックモジュール40のステージ42の搬送位置を設定する場合について説明する。なお、制御装置100は、ロードポート50の基板収納容器51やアライナ60に対して、大気搬送装置32の搬送位置を教示する場合も同様の方法を採用できる。
【0039】
図5(A)は、一実施形態に係る大気搬送装置32の教示方法を示すフローチャートである。
図5(B)は、第1の教示工程S1の一例を示すフローチャートである。
図5(C)は、第2の教示工程S2の一例を示すフローチャートである。
図5(A)に示すように、大気搬送装置32の教示方法は、第1の教示工程S1および第2の教示工程S2を有する。第1の教示工程S1は、大気搬送装置32の搬送位置を設定する工程である。第2の教示工程S2は、第1の教示工程S1の後に実行され、第1の教示工程S1において設定された大気搬送装置32の搬送位置を補正して精度を高める工程である。
【0040】
図5(B)に示すように、第1の教示工程S1では、第1検出工程S11、第1算出工程S12、第2検出工程S13、第2算出工程S14および補正処理工程S15を、この順に実施する。第1検出工程S11および第1算出工程S12は、水平方向のうち一方の方向(Y軸方向)および鉛直方向(Z軸方向)の搬送位置を仮決めする工程である。第2検出工程S13および第2算出工程S14は、水平方向のうち他方の方向(X軸方向)の搬送位置を仮決めする工程である。第1検出工程S11および第2検出工程S13は、本開示の(A)の工程に相当し、詳細には第1検出工程S11は本開示の(A-1)のステップに相当し、第2検出工程S13は本開示の(A-2)のステップに相当する。一方、第1算出工程S12および第2算出工程S14は、本開示の(B)の工程に相当する。
【0041】
図6は、第1検出工程S11における動作を示す説明図である。
図6に示すように、第1検出工程S11において、制御装置100は、大気搬送装置32をロードロックモジュール40に向けて水平方向および鉛直方向に移動させながら、マッピングセンサ85により物体検出センサ80(例えば、鉛直方向下側の突出部81)の位置を検出する。制御装置100は、物体検出センサ80を検出した際のマッピングセンサ85のY軸方向の位置(Y座標)およびZ軸方向の位置(Z座標)に基づいて、ステージ42に対するピック35の搬送位置(大気搬送モジュール30のY座標、Z座標)を仮決めする。そして、制御装置100は、仮決めした搬送位置を、例えば補助記憶装置102に記憶する。すなわち、第1検出工程S11においてマッピングセンサ85が検出する情報は、ステージ42の位置に関わる情報である。
【0042】
具体的には、制御装置100は、大気搬送装置32を制御して以下の(a)~(d)の動作を繰り返して実行する。
(a)第1高さ位置で水平方向(大気搬送モジュール30のY軸方向)に沿って所定の水平方向ピッチだけピック35をスライドさせて突出部81に接近させる動作
(b)第1高さ位置から鉛直方向下側(大気搬送モジュール30のZ軸負方向)に沿って所定の鉛直方向ピッチだけピック35を下降させて第2高さ位置に配置する動作
(c)第2高さ位置で水平方向(大気搬送モジュール30のY軸方向)に沿って所定の水平方向ピッチだけピック35をスライドさせて突出部81に接近させる動作
(d)第2高さ位置から鉛直方向上側(大気搬送モジュール30のZ軸正方向)に沿って所定の鉛直方向ピッチだけピック35を上昇させて第1高さ位置に配置する動作
【0043】
上記の動作において、第1高さ位置および第2高さ位置(鉛直方向ピッチ)は、主記憶装置103に記憶された設計データ上の物体検出センサ80の高さ位置に基づき、突出部81が間に含まれるように自動的に設定される。また、水平方向ピッチは、マッピングセンサ85の水平方向の検出精度等に応じて設定されるとよく、例えば、5mm単位とすることがあげられる。
【0044】
上記の(a)~(d)の動作を繰り返し実行している際に、マッピングセンサ85の投光部86から受光部87に向けて照射された検知光は、突出部81に当たって遮られることになる。制御装置100は、このマッピングセンサ85が遮られたピック35の近接方向の位置(大気搬送モジュール30のY座標)と、高さ位置(大気搬送モジュール30のZ座標)とを補助記憶装置102に記憶する。なお、第1検出工程S11においてマッピングセンサ85が検出する物体は、各ロードロックモジュール40の物体検出センサ80(第2検出センサ)に限定されず、各ロードロックモジュール40の他の構成を検出してもよい。したがって、物体検出センサ80は、大気搬送モジュール30に突出した構成でなくてもよく、例えば、ロードロックモジュール40の開口部に設けられてもよい。
【0045】
記憶されたピック35のY座標は、投光素子82を有する突出部81のY座標であり、この突出部81のY座標とロードロックモジュール40の基板支持面42sの中心のY座標との距離は、ハードウェアの設計によって予め定められている。よって第1算出工程S12において、制御装置100は、検出された突出部81のY座標に基づき、基板支持面42sの中心のY座標(大気搬送装置32が搬送する際の搬送位置のY座標)を算出できる。ただし、ロードロックモジュール40の基板支持面42sの中心は、実際のロードロックモジュール40の設置状態によってずれが生じる可能性がある。このため、制御装置100は、教示方法においてロードロックモジュール40の基板支持面42sのずれを解消するためのずれ補正処理(補正処理工程S15)を行う。このずれ補正処理については、後に詳述する。
【0046】
また、記憶されたピック35のZ座標は、投光素子82を有する突出部81のZ座標である。この突出部81のZ座標とロードロックモジュール40の基板支持面42sのZ座標との距離は、やはりハードウェアの設計によって予め定められている。したがって、制御装置100は、検出された突出部81のZ座標に基づき、基板支持面42sの中心のZ座標(大気搬送装置32が搬送する際の搬送位置のZ座標)を算出できる。
【0047】
以上の第1算出工程S12の後に、制御装置100は、第2検出工程S13を実行する。ただし、第2検出工程S13および第2算出工程S14は、第1検出工程S11の前に実行してもよい。第2検出工程S13において、制御装置100は、ピック35を水平方向に移動させながらロードロックモジュール40の物体検出センサ80によりピック35を検出する。制御装置100は、ピック35を検出したタイミングにおけるピック35のX軸方向の位置(X座標)に基づいて、基板支持面42sの中心に対するピック35の搬送位置(X座標)を仮決めする。そして、制御装置100は、仮決めした搬送位置を、例えば補助記憶装置102に記憶する。すなわち、第2検出工程S13において物体検出センサ80が検出する情報は、ステージ42の位置に関わる情報である。
【0048】
図7は、第2検出工程S13における大気搬送装置32の動作を示す説明図である。
図7に示すように、第2検出工程S13において、制御装置100は、大気搬送装置32を制御して、物体検出センサ80の投光素子82から受光素子83に向けて照射された検知光の遮光位置、および非遮光位置を含むようにピック35を水平方向に移動させる。遮光位置は、例えば、ピック35の基部35aや先端延出部35bが物体検出センサ80に対して鉛直方向に重なる位置である。非遮光位置は、例えば、基部35aを貫通して設けられる孔(不図示)や一対の先端延出部35bの間にあるウエハ保持領域が物体検出センサ80に対して鉛直方向に重なる位置である。
【0049】
第2検出工程S13において、制御装置100は、大気搬送装置32がピック35をX軸方向にスライドさせた際に、受光素子83が受光する検知光の光量が所定の変化を示したときのピック35の水平位置(大気搬送モジュール30のX座標)を取得する。一例として、制御装置100は、第1検出工程S11で検出した物体検出センサ80のY座標に基づき、ピック35のX軸方向のスライド時に一対の先端延出部35bが物体検出センサ80に重なることが可能な位置に、ピック35を移動させる。その後、制御装置100は、ピック35をX軸方向に移動させて、一対の先端延出部35bが物体検出センサ80に重なる遮光位置のX座標をそれぞれ検出する。
【0050】
2つのX座標の中間位置と、ロードロックモジュール40の基板支持面42sの中心のX座標とは、ハードウェアの設計によって予め一致するように設定されている。よって第2算出工程S14において、制御装置100は、検出された一対の先端延出部35bの各X座標に基づき、ロードロックモジュール40の基板支持面42sのX座標(大気搬送装置32が搬送する際の搬送位置のX座標)を算出できる。
【0051】
制御装置100は、以上の第1検出工程S11、第1算出工程S12、第2検出工程S13および第2算出工程S14を行うことで、大気搬送装置32がウエハWを搬送する際の搬送位置(X座標、Y座標、Z座標の3次元位置)を仮決めする。ただし、処理システム1の大気搬送モジュール30と各ロードロックモジュール40とは、通常、別の装置として製造され、工場等の設置位置において連結されて、一体的なシステムに構築されるものである。大気搬送モジュール30および各ロードロックモジュール40の設置時には、大気搬送モジュール30に対して各ロードロックモジュール40が傾いて連結される可能性がある。なお、各ロードロックモジュール40は、真空搬送モジュール10に予め連結される(または設置位置において先に連結される)ことで、真空搬送モジュール10に対するずれは殆ど生じることがない。
【0052】
図8は、大気搬送モジュール30に対して各ロードロックモジュール40が傾いた設置状態を例示する平面図である。
図8に示すように、長方形状の大気搬送モジュール30は、長辺がX軸方向に沿っており、短辺がY軸方向に沿っている。一対のロードロックモジュール40も、その内部の基板支持面42sの中心を基点にX軸線およびY軸線が設定されており、内圧可変容器41は、このX軸線およびY軸線が大気搬送モジュール30のX軸線およびY軸線に平行となるように製造される。処理システム1の設置において、基本的には、各ロードロックモジュール40は、大気搬送モジュール30のX軸線に平行に並び、Y軸線に向かって延在するように連結される。
【0053】
しかしながら、設置位置の平坦性や形状、モジュール同士の連結の仕方、大気搬送モジュール30や各ロードロックモジュール40の機械的な誤差等の要因によって、各ロードロックモジュール40が大気搬送モジュール30に斜めに傾いて連結される場合がある。この場合、各ロードロックモジュール40に設定されるX軸線およびY軸線は、大気搬送モジュール30のX軸線およびY軸線に対して傾いて設置されることになる。なお、
図8では、各ロードロックモジュール40の傾きを誇張して図示しているが、実際の各ロードロックモジュール40の傾きは、1°未満等のようにごく僅かである。各ロードロックモジュール40は、小さな傾きであっても、基板支持面42sの中心は、大気搬送モジュール30が認識する搬送位置に対してずれることになる。基板支持面42sの中心のずれは、例えば、大気搬送モジュール30から処理モジュール20にウエハWを搬送する際のずれの要因となる。すなわち、真空搬送モジュール10の真空搬送装置12は、ロードロックモジュール40から位置ずれしたウエハWを保持して処理モジュール20に搬送することで、処理モジュール20の載置台22にウエハWをずれて載置する可能性がある。
【0054】
そこで、処理システム1は、各ロードロックモジュール40が大気搬送モジュール30に傾いて連結された場合でも、各ロードロックモジュール40の基板支持面42sの中心(大気搬送装置32の搬送位置のX座標、Y座標)を補正するずれ補正処理を行う。以下、このずれ補正処理について、具体的に説明していく。
【0055】
複数のロードロックモジュール40は、真空搬送モジュール10にそれぞれ連結されている(または相互に一体化している)ことで、大気搬送モジュール30に対して一体に傾いて設置される。また、各物体検出センサ80は、各ロードロックモジュール40の大気搬送モジュール30側の壁に固定されており、大気搬送モジュール30に対してやはり一体に傾いている。したがって、上記の教示方法により、制御装置100が認識した各ロードロックモジュール40の基板支持面42sの搬送位置(大気搬送モジュール30の座標空間のX座標、Y座標)に対して、実際の各基板支持面42sの中心がそれぞれ同方向かつ同量だけ傾くことになる。なお、各基板支持面42sの搬送位置は、マッピングセンサ85が物体検出センサ80を検出したY座標からY軸方向に所定の距離だけ離れた位置として算出される。
【0056】
言い換えれば、左側のロードロックモジュール40にて認識された搬送位置に対する実際の基板支持面42sの中心のずれ方向およびずれ量と、右側のロードロックモジュール40にて認識された搬送位置に対する実際の基板支持面42sの中心のずれ方向およびずれ量とは一致している。このため、制御装置100は、ずれ補正処理において、先に認識した複数(2つ)の物体検出センサ80のX座標およびY座標を用いることで、各ロードロックモジュール40の傾きを算出できる。
【0057】
詳細には、2つの物体検出センサ80のX座標(以下、左側のロードロックモジュール40の搬送位置のX座標をX1、右側のロードロックモジュール40の搬送位置のX座標をX2という。)は、各ロードロックモジュール40の設置間隔だけ相互に離れている。また、各ロードロックモジュール40が傾いている場合、2つの物体検出センサ80のY座標(以下、左側のロードロックモジュール40の搬送位置のY座標をY1、右側のロードロックモジュール40の搬送位置のY座標をY2という。)が相互にずれている。そして、2つの物体検出センサ80のX軸方向のX1およびX2の間隔と、Y軸方向のY1およびY2の間隔とは、各ロードロックモジュール40の傾きに応じた直角三角形を形成できる。
【0058】
したがって、大気搬送モジュール30に対する各ロードロックモジュール40の傾きθは、X座標の間隔とY座標の間隔との比の余接に基づいて算出できる。詳細には、制御装置100は、以下の式(1)により傾きθ求める。
θ=tan-1(Y2-Y1)/(X2-X1) …(1)
【0059】
制御装置100は、各物体検出センサ80の水平方向の検出位置(X座標、Y座標)をそれぞれ検出した後、ずれ補正処理において上記の式(1)および各物体検出センサ80のX座標、Y座標を用いて傾きθを算出する。そして、制御装置100は、ロードロックモジュール40の搬送位置に傾きθ分を加えることで、認識した搬送位置の水平成分(X座標、Y座標)を補正する。これにより、制御装置100は、各ロードロックモジュール40のステージ42の搬送位置を、実際のロードロックモジュール40の基板支持面42sの中心に精度よく修正することができる。
【0060】
なお、制御装置100は、各物体検出センサ80の水平方向の検出位置の検出時(または傾きθの算出時)において、検出したX座標やY座標(または傾きθ)が所定の閾値以上ずれているか否かを判定してもよい。この場合、制御装置100は、物体検出センサ80のうちいずれかのX座標やY座標が所定の閾値未満の場合に大気搬送装置32の教示動作を継続する。一方、制御装置100は、物体検出センサ80のうちいずれかのX座標やY座標が所定の閾値以上ずれている場合に、インタフェース装置105等を介してエラーを報知し、上記の教示方法の処理フローを停止する。これにより、処理システム1は、ロードロックモジュール40に大きなずれが生じている場合には、早期にユーザに知らせて教示方法を控えることができる。
【0061】
また、制御装置100は、複数のロードロックモジュール40の基板支持面42sの搬送位置のZ座標をそれぞれ抽出して、各Z座標のずれに基づき、各ロードロックモジュール40同士のZ軸方向の傾きを算出してもよい。算出した各ロードロックモジュール40のZ軸方向の傾きを用いることで、各ロードロックモジュール40同士の3次元座標全体の傾きを算出することができ、この傾きを用いることで基板支持面42sの搬送位置の補正精度を一層高めることができる。
【0062】
図5(A)に戻り、制御装置100は、以上の第1の教示工程S1によって各ロードロックモジュール40に対する搬送位置を設定すると、次に第2の教示工程S2に移行する。第2の教示工程S2は、ウエハWを実際に用いて搬送を行い、第1の教示工程(S1)で設定した各ロードロックモジュール40の搬送位置を補正するものであり、本開示の(C)の工程に相当する。この第2の教示工程において、制御装置100は、
図5(C)に示すように、ウエハWの設置工程S21、水平方向設定工程S22、鉛直方向設定工程S23を順次行う。
【0063】
設置工程S21において、制御装置100は、大気搬送装置32の動作を制御して、第1の教示工程S1において認識した各ロードロックモジュール40の搬送位置(X座標、Y座標、Z座標)にウエハを搬送させる。これにより、各ロードロックモジュール40の基板支持面42sにウエハWが載置される。その後、制御装置100は、真空搬送モジュール10の真空搬送装置12を動作させて、各ロードロックモジュール40のウエハWを真空搬送装置12に受け取る。
【0064】
図9は、設置工程S21における真空搬送装置12の動作を示す説明図である。
図9に示すように、真空搬送装置12は、各ロードロックモジュール40から後退することで、ロードロックモジュール40の位置検出センサ45を通過するように、ウエハWを移動させる。位置検出センサ45によりウエハWの外縁の位置を検出することで、制御装置100は、ウエハWの中心を認識することができる。そのため、制御装置100は、認識したウエハWの中心に基づき、真空搬送装置12が保持しているウエハWをロードロックモジュール40の基板支持面42sに再び受け渡す。この際、制御装置100は、認識しているウエハWの中心と基板支持面42sの中心が一致するようにウエハWを載置させる。このように、各ロードロックモジュール40の基板支持面42sにウエハWを載置することで、基板支持面42sに対してウエハWの位置ずれがない状態とすることができる。
【0065】
制御装置100は、以上の設置工程S21の後に、水平方向設定工程S22を実施する。
図10は、水平方向設定工程S22の一例を説明するための図である。
【0066】
まず、制御装置100は、大気搬送装置32によりロードロックモジュール40から設置工程S21の後のウエハWを搬出する(
図10(A)参照)。続いて、制御装置100は、搬出したウエハWをアライナ60に進入させ、ウエハWをアライナ60の回転ステージ62上に載置する(
図10(B)参照)。その後、制御装置100は、回転ステージ62上に載置されたウエハWを回転させ、ウエハWを回転させたときに光学センサ63が検出する値に基づいて、ウエハWの偏心量Δr及び偏心方向を算出する(
図10(C)参照)。最後に、制御装置100は、算出した偏心量Δr及び偏心方向に基づいて、搬送位置を補正する(
図10(D)参照)。例えば、制御装置100は、算出した偏心量Δrの分だけ偏心方向と逆の方向に、搬送位置の水平成分を補正して新たな搬送位置に設定する。なお、
図10(D)においては、補正する前の搬送位置を破線で示し、補正した後の搬送位置を実線で示す。
【0067】
以上の水平方向設定工程S22により、大気搬送装置32の水平方向における搬送位置の精度が向上する。
【0068】
制御装置100は、以上の水平方向設定工程S22の後に、ピック35の鉛直方向の搬送位置を決定する鉛直方向設定工程S23を実施する。
図11は、鉛直方向の搬送位置を決定する鉛直方向設定工程S23を説明するためのフローチャートである。鉛直方向設定工程S23は、ステップS231~S236を含む。
【0069】
ステップS231において、ユーザは、ロードロックモジュール40の基板支持面42sにウエハWを載置する。
【0070】
ステップS232において、制御装置100は、第1の教示工程S1において仮決めした鉛直方向の搬送位置と、上記の水平方向設定工程S22で決定した水平方向の搬送位置を基準として、大気搬送装置32のピック35をウエハWの下方位置に移動させる。
【0071】
ステップS233において、制御装置100は、吸引管35fに介設されたバルブ35hを開くことにより、吸引路35dおよび吸引管35f内の吸引を開始する。ただし、吸引路35dおよび吸引管35f内の吸引を開始するタイミングはこれに限定されるものではなく、例えば、ピック35をウエハWの下方位置に移動させる前であってもよく、ピック35をウエハWの下方位置に移動させている途中であってもよい。
【0072】
ステップS234では、制御装置100は、吸引路35dおよび吸引管35f内を吸引した状態で、ピック35を上方に所定距離(例えば、0.1mm)移動させて停止させる。これにより、ピック35の上面とウエハWの下面との距離が短くなる。
【0073】
ステップS235では、制御装置100は、ピック35にウエハWが吸着したか否かを判定する。例えば、制御装置100は、圧力センサ35gにより検出される吸着圧力が所定時間内に所定の閾値以下に到達したか否かに基づき、ピック35にウエハWが吸着したか否かを判定する。具体的には、当該吸着圧力が所定時間内に所定の閾値以下に到達した場合、制御装置100はピック35にウエハWが吸着したと判定する。一方、当該吸着圧力が所定時間内に所定の閾値以下に到達しない場合、制御装置100はピック35にウエハWが吸着していないと判定する。所定時間は、例えば圧力センサ35gにより検出される吸着圧力が略一定となるまでに要する時間であってよい。また、例えば制御装置100は、ピック35がウエハWの下方位置にあるときの吸着圧力に対するピック35を上方に所定距離移動させたときの吸着圧力の変化量が所定の閾値以上であるか否かに基づき、ピック35にウエハWが吸着したか否かを判定してもよい。具体的には、当該吸着圧力の変化量が所定の閾値以上である場合、制御装置100はピック35にウエハWが吸着したと判定する。一方、当該吸着圧力の変化量が所定の閾値未満である場合、制御装置100はピック35にウエハWが吸着していないと判定する。また、例えば大気搬送装置32が吸着圧力に基づいてピック35にウエハWが吸着したか否かを判定可能なコントローラを有する場合、制御装置100は当該コントローラの判定結果に基づき、ピック35にウエハWが吸着したか否かを判定してもよい。具体的には、当該コントローラがピック35にウエハWが吸着したと判定した場合、制御装置100は当該コントローラの判定結果を受けてピック35にウエハWが吸着したと判定する。一方、当該コントローラがピック35にウエハWが吸着していないと判定した場合、制御装置100は当該コントローラの判定結果を受けてピック35にウエハWが吸着していないと判定する。
【0074】
ステップS235においてピック35にウエハWが吸着していないと判定した場合、制御装置100はウエハWの下面がピック35の上面に接触していないと判定し、処理をステップS234へ戻す。即ち、制御装置100は、ピック35にウエハWが吸着するまで間欠的にピック35を上方に移動させる。一方、ステップS235においてピック35にウエハWが吸着したと判定した場合、制御装置100はウエハWの下面がピック35の上面に接触したと判定し、処理をステップS236へ進める。
【0075】
ステップS236では、ステップS235においてウエハWの下面がピック35の上面に接触したと判定されたときのピック35の位置をピック35の鉛直方向における搬送位置として補助記憶装置102に記憶し、処理を終了する。
【0076】
以上のステップS231~S236により、大気搬送装置32は、搬送位置の鉛直成分を設定できる。この鉛直方向設定工程S23では、ウエハWを吸引して吸着保持するピック35をウエハWの下方から上方に向けて移動させたときの吸着圧力に基づいて大気搬送装置32の鉛直方向の搬送位置を決定する。その結果、作業者が目視による位置検出を行う必要がなくなり、作業者の熟練度による大気搬送装置32の鉛直方向の教示精度のばらつきを抑制できる。
【0077】
以上のように、処理システム1は、第1の教示工程S1および第2の教示工程S2を実施することで、大気搬送装置32の各ロードロックモジュール40の搬送位置の精度を高めることができる。特に、制御装置100は、第1の教示工程S1では、複数のステージ42の位置に関わる情報に基づき、大気搬送モジュール30に対する各ロードロックモジュール40の傾きθを算出し、複数のステージ42の搬送位置を設定している。これにより、処理システム1は、第2の教示工程S2の実施前に、ロードロックモジュール40の傾きθに対する補正が完了しており、各ロードロックモジュール40のステージ42のずれを解消した搬送位置に基づき、第2の教示工程S2を実施できる。これにより、処理システム1は、大気搬送装置32によるウエハWの搬送精度をより一層高めることができる。
【0078】
また、処理システム1は、検出部として大気搬送装置32のマッピングセンサ85およびロードロックモジュール40の物体検出センサ80を利用することで、ステージ42の搬送位置(支持部の位置に関わる情報)を簡単に得ることができる。さらに、処理システム1は、大気搬送装置32を移動しながらマッピングセンサにより物体検出センサ80の位置を検出し、または物体検出センサ80により大気搬送装置32を検出する。これにより、制御装置100は、ステージ42の搬送位置を容易に導出することができる。
【0079】
また、処理システム1は、第1検出工程S11においてステージ42のY座標およびZ座標を検出すると共に、第2検出工程S13においてステージ42のX座標を検出することで、ステージ42の3次元方向の搬送位置を効率的に得ることができる。処理システム1は、第1検出工程S11において鉛直方向および水平方向の動作を繰り返すことで、マッピングセンサ85により物体検出センサ80の位置を円滑に検出できる。さらに、処理システム1は、第2検出工程S13において大気搬送装置32をX軸方向に沿ってスライドさせることで、物体検出センサ80により大気搬送装置32の位置を円滑に検出できる。
【0080】
なお、本実施形態に係る処理システム1は、上記の構成に限定されず、種々の変形例をとり得る。例えば、上記の実施形態では、処理システム1は、被搬送物として基板(ウエハW)を搬送する例を説明した。しかしながら、処理システム1が搬送する被搬送物は、基板に限らない。例えば、処理システム1は、処理モジュール20において使用するリング(エッジリング(フォーカスリングともいう。)、カバーリング等)を搬送する構成でも、上記と同様の構成により搬送位置を教示することができる。
【0081】
以上に開示された実施形態は、例えば、以下の態様を含む。
(付記1)
被搬送物を搬送する搬送装置を内部に有する搬送モジュールと、
前記搬送モジュールに接続され、前記被搬送物を支持可能な支持部を内部に有する複数のロードロックモジュールと、
前記搬送装置および前記複数のロードロックモジュールに設けられ、前記搬送装置の移動時に物体を検出する検出部と、
前記検出部による検出結果を処理すると共に、前記搬送装置の動作を制御する制御装置と、を備える処理システムであって、
前記制御装置は、
(A)前記搬送装置を移動させながら前記検出部により検出した物体の検出結果から前記複数のロードロックモジュールにおける前記支持部の位置に関わる情報を取得する工程と、
(B)前記(A)の工程の後、検出した複数の前記支持部の位置に関わる情報に基づき、前記搬送モジュールに対する前記複数のロードロックモジュールの傾きを算出し、算出した前記傾きを用いて複数の前記支持部の位置を設定する工程と、を制御する、
処理システム。
(付記2)
前記検出部は、
前記搬送装置に設けられ、前記搬送装置の移動に伴い前記搬送モジュールの内部の座標を前記制御装置に認識させながら当該搬送モジュールの内部の物体を検出可能な第1検出センサと、
前記複数のロードロックモジュールの各々において前記被搬送物または前記搬送装置を検出する第2検出センサと、を含む、
付記1に記載の処理システム。
(付記3)
前記制御装置は、
前記(A)の工程において、前記支持部の位置に関わる情報として、前記搬送装置を移動しながら前記第1検出センサにより前記第2検出センサの位置を検出する、または前記第2検出センサにより移動している前記搬送装置を検出する、
付記2に記載の処理システム。
(付記4)
前記制御装置は、前記(A)の工程おいて、
(A-1)前記支持部の位置に関わる情報として、前記第2検出センサの鉛直方向のZ座標と、前記複数のロードロックモジュールに前記搬送装置が近接する方向のY座標を取得するステップを制御する、
付記3に記載の処理システム。
(付記5)
前記制御装置は、前記(A-1)のステップにおいて、
第1高さ位置で所定の水平方向ピッチだけ前記搬送装置をスライドさせる動作、前記第1高さ位置から所定の鉛直方向ピッチだけ前記搬送装置を下降させて第2高さ位置に配置する動作、前記第2高さ位置で所定の水平方向ピッチだけ前記搬送装置をスライドさせる動作、前記第2高さ位置から所定の鉛直方向ピッチだけ前記搬送装置を上昇させて前記第1高さ位置に配置する動作を繰り返し、前記第1検出センサにより前記第2検出センサを検出する、
付記4に記載の処理システム。
(付記6)
前記制御装置は、前記(A)の工程おいて、
(A-2)前記複数のロードロックモジュールが並ぶ方向のX座標を取得するステップを制御する、
付記3乃至5のいずれか1項に記載の処理システム。
(付記7)
前記制御装置は、前記(A-2)のステップにおいて、
前記複数のロードロックモジュールが並ぶ方向に前記搬送装置をスライドさせながら、前記第2検出センサにより前記搬送装置を検出する、
付記6に記載の処理システム。
(付記8)
前記制御装置は、前記搬送モジュールにおいて相互の直交する軸線の座標であるX座標、Y座標およびZ座標を前記支持部の位置として認識するように構成され、
前記(B)の工程において、複数の前記支持部の前記X座標の間隔と複数の前記支持部の前記Y座標の間隔との比の余接に基づき、前記傾きを算出する、
付記1乃至7のいずれか1項に記載の処理システム。
(付記9)
前記制御装置は、
前記(B)の工程において、複数の前記支持部のZ座標のずれに基づき、前記複数のロードロックモジュール同士のZ軸方向の傾きを算出する、
付記8に記載の処理システム。
(付記10)
前記制御装置は、
(C)前記(B)の工程の後、前記搬送モジュールの内部において前記被搬送物を搬送して、前記複数のロードロックモジュールに設けられたセンサおよび/または前記搬送モジュールに接続されたアライナにより前記被搬送物の位置を検出し、検出結果に基づき複数の前記支持部の位置を補正する工程を有する、
付記1乃至9のいずれか1項に記載の処理システム。
(付記11)
前記制御装置は、
前記(A)の工程において検出した前記支持部の位置に関わる情報が所定の閾値以上ずれているか否かを判定し、前記支持部の位置に関わる情報が前記所定の閾値未満の場合に前記搬送装置の教示動作を継続し、前記支持部の位置に関わる情報が前記所定の閾値以上ずれている場合にエラーを報知する、
付記1乃至10のいずれか1項に記載の処理システム。
(付記12)
被搬送物を搬送する搬送装置を内部に有する搬送モジュールと、
前記搬送モジュールに接続され、前記被搬送物を支持可能な支持部を内部に有する複数のロードロックモジュールと、
前記搬送装置および前記複数のロードロックモジュールに設けられ、前記搬送装置の移動時に物体を検出する検出部と、を備える処理システムにおいて前記搬送装置に複数の前記支持部の位置を教示する教示方法であって、
(A)前記搬送装置を移動させながら前記検出部により検出した物体の検出結果から前記複数のロードロックモジュールにおける前記支持部の位置に関わる情報を取得する工程と、
(B)前記(A)の工程の後、検出した複数の前記支持部の位置に関わる情報に基づき、前記搬送モジュールに対する前記複数のロードロックモジュールの傾きを算出し、算出した前記傾きを用いて複数の前記支持部の位置を設定する工程と、を制御する、
教示方法。
【0082】
今回開示された実施形態に係る処理システム1および教示方法は、すべての点において例示であって制限的なものではない。実施形態は、添付の請求の範囲およびその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形および改良が可能である。上記複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0083】
1 処理システム
30 大気搬送モジュール
32 大気搬送装置
40 ロードロックモジュール
42 ステージ
80 物体検出センサ
85 マッピングセンサ
100 制御装置
W ウエハ