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特開2024-161904ハードマスク組成物、ハードマスク層およびパターン形成方法
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  • 特開-ハードマスク組成物、ハードマスク層およびパターン形成方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161904
(43)【公開日】2024-11-20
(54)【発明の名称】ハードマスク組成物、ハードマスク層およびパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/11 20060101AFI20241113BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20241113BHJP
   C08G 61/12 20060101ALI20241113BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20241113BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20241113BHJP
【FI】
G03F7/11 502
G03F7/11 503
G03F7/004 501
C08G61/12
G03F7/20 502
G03F7/20 503
G03F7/20 521
H01L21/30 573
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024075131
(22)【出願日】2024-05-07
(31)【優先権主張番号】10-2023-0059309
(32)【優先日】2023-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】崔 世 一
【テーマコード(参考)】
2H197
2H225
4J032
5F146
【Fターム(参考)】
2H197CA08
2H197CA10
2H197HA03
2H225AM61N
2H225AM93N
2H225AN11P
2H225CA12
4J032CA12
4J032CA14
4J032CA16
4J032CB04
4J032CB12
4J032CC01
4J032CG06
5F146NA01
5F146NA14
5F146NA18
(57)【要約】
【課題】ハードマスク層に効果的に適用することができるハードマスク組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、下記化学式1で表される構造単位を含む重合体、および溶媒を含むハードマスク組成物、該ハードマスク組成物の硬化物を含むハードマスク層、ならびに該ハードマスク組成物を用いたパターン形成方法に関する。

上記化学式1の定義は、明細書に記載した通りである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される構造単位を含む重合体、および溶媒を含む、ハードマスク組成物:
【化1】

前記化学式1中、
Arは、
(i)置換もしくは非置換の炭素数6~30の芳香族炭化水素基、
(ii)置換もしくは非置換の炭素数3~30の芳香族複素環基、あるいは
(iii)2以上の前記置換もしくは非置換の炭素数6~30の芳香族炭化水素基、2以上の前記置換もしくは非置換の炭素数3~30の芳香族複素環、またはこれらの組み合わせが単結合または置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキレン基によって連結された基、
であり、
~Rは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素数3~20の飽和もしくは不飽和の脂環式炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素数6~30の芳香族炭化水素基、またはこれらの組み合わせであり、この際、RおよびRは同時に水素原子ではなく、RおよびRは同時に水素原子ではなく、
Xは、下記化学式2で表される基であり、
*は、連結地点である:
【化2】

前記化学式2中、
ArおよびArは、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数6~30の芳香族炭化水素基であり、
およびMは、それぞれ独立して、-O-、-S-、-S(=O)-、-SO-、-NR-(ここで、Rは、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基である)、またはこれらの組み合わせであり、
Zは、下記グループ1に列記されるモイエティからなる群より選択される少なくとも1種であり、
n1は、1~30の整数のうちの1つであり、
n2は、0または1であり、
*は、連結地点である:
【化3】

前記グループ1中、*は、連結地点である。
【請求項2】
前記化学式1中のArは、下記グループ2に列記される置換または非置換のモイエティからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のハードマスク組成物:
【化4】

前記グループ2中、
Yは、それぞれ独立して、-O-、-S-、または-NR-(ここで、Rは、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基である)であり、
RxおよびRyは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルキニル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基である。
【請求項3】
前記化学式1中のArは、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のヘテロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種で置換された基である、請求項1に記載のハードマスク組成物。
【請求項4】
前記化学式1中のR~Rは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、この際、RおよびRは同時に水素原子ではなく、RおよびRは同時に水素原子ではない、請求項1に記載のハードマスク組成物。
【請求項5】
前記化学式1中のRおよびRが同一の基であり、RおよびRが同一の基である、請求項1に記載のハードマスク組成物。
【請求項6】
前記化学式1中のArは、下記グループ2-1に列記される置換または非置換のモイエティのうちの少なくとも1種であり、R~Rは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~16のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、この際、RおよびRは同時に水素原子ではなく、RおよびRは同時に水素原子ではない、請求項1に記載のハードマスク組成物:
【化5】

前記グループ2-1中、
Yは、それぞれ独立して、-O-、-S-、または-NR-(ここで、Rは水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基である)であり、
RxおよびRyは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基である。
【請求項7】
前記化学式2中のArおよびArは、それぞれ独立して、下記グループ3に列記される置換または非置換のモイエティのうちの少なくとも1種である、請求項1に記載のハードマスク組成物。
【化6】
【請求項8】
前記化学式2中のArおよびArは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のフェニレン基、置換もしくは非置換のナフタレニレン基、置換または非置換のフェナントレニレン基、置換もしくは非置換のアントラセニレン基、または置換もしくは非置換のピレニレン基である、請求項1に記載のハードマスク組成物。
【請求項9】
前記化学式2中のArおよびArは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のフェニレン基、置換もしくは非置換のナフタレニレン基、または置換もしくは非置換のピレニレン基であり、MおよびMは-O-であり、Zは、下記グループ1-1に列記されるモイエティのうちの少なくとも1種であり、n1は、1~5の整数のうちの1つである、請求項1に記載のハードマスク組成物:
【化7】

前記グループ1-1中、*は、連結地点である。
【請求項10】
前記化学式2中のn1およびn2は1である、請求項1に記載のハードマスク組成物。
【請求項11】
前記化学式2中のn1は、1~5の整数のうちの1つであり、n2は0である、請求項1に記載のハードマスク組成物。
【請求項12】
前記化学式1で表される構造単位は、下記化学式1-1~化学式1-4で表される構造単位のうちの少なくとも1種である、請求項1に記載のハードマスク組成物:
【化8】

前記化学式1-1~化学式1-4中、
~Rは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、この際、RおよびRは同時に水素原子ではなく、RおよびRは同時に水素原子ではなく、
は、下記グループ1に列記されるモイエティからなる群より選択される少なくとも1種であり、
およびRは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のヘテロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
ncおよびndは、それぞれ独立して、0~6の整数のうちの1つであり、
*は、連結地点である:
【化9】

前記グループ1中、*は、連結地点である。
【請求項13】
前記化学式1で表される構造単位は、下記化学式1-5~化学式1-13で表される構造単位からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のハードマスク組成物:
【化10】

【化11】

前記化学式1-5~1-13中、*は、連結地点である。
【請求項14】
前記重合体の重量平均分子量は、1,000g/mol~200,000g/molである、請求項1に記載のハードマスク組成物。
【請求項15】
前記重合体は、前記ハードマスク組成物の総質量を基準として0.1質量%~30質量%の含有量で含まれる、請求項1に記載のハードマスク組成物。
【請求項16】
前記溶媒は、プロピレングリコール、プロピレングリコールジアセテート、メトキシプロパンジオール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールブチルエーテル、トリ(エチレングリコール)モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、エチルラクテート、γ-ブチロラクトン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリジノン、アセチルアセトン、およびエチル3-エトキシプロピオネートからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のハードマスク組成物。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載のハードマスク組成物の硬化物を含む、ハードマスク層。
【請求項18】
基板上に材料層を提供する段階と、
前記材料層の上に請求項1~16のいずれか1項に記載のハードマスク組成物を塗布する段階と、
前記ハードマスク組成物を熱処理してハードマスク層を形成する段階と、
前記ハードマスク層の上にフォトレジスト層を形成する段階と、
前記フォトレジスト層を露光および現像してフォトレジストパターンを形成する段階と、
前記フォトレジストパターンを利用して前記ハードマスク層を選択的に除去して前記材料層の一部を露出する段階と、
前記材料層の露出した部分をエッチングする段階と、
を含む、パターン形成方法。
【請求項19】
前記ハードマスク層を形成する段階は、100℃~1,000℃で熱処理する段階を含む、請求項18に記載のパターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードマスク組成物、該ハードマスク組成物の硬化物を含むハードマスク層、および該ハードマスク組成物を用いたパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、半導体産業は、数百ナノメートルサイズのパターンから数~数十ナノメートルサイズのパターンを有する超微細技術に発展している。このような超微細技術を実現するためには、効果的なリソグラフィック技法が必須である。
【0003】
典型的なリソグラフィック技法は、半導体基板上に材料層を形成し、その上にフォトレジスト層をコーティングし、露光および現像してフォトレジストパターンを形成した後、フォトレジストパターンをマスクとして材料層をエッチングする工程を含む。
【0004】
近年、形成しようとするパターンのサイズが減少することによって、上述した典型的なリソグラフィック技法だけでは良好なプロファイルを有する微細パターンを形成することは困難である。これを解決するための手段として、エッチングしようとする材料層とフォトレジスト層との間にいわゆるハードマスク層(hardmask layer)と呼ばれる補助層を形成して、微細パターンを形成する技術が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2022-0092160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ハードマスク層に効果的に適用することができるハードマスク組成物を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、上記ハードマスク組成物の硬化物を含むハードマスク層を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、上記ハードマスク組成物を用いたパターン形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態によるハードマスク組成物は、下記化学式1で表される構造単位を含む重合体、および溶媒を含む:
【0010】
【化1】
【0011】
上記化学式1中、
Arは、
(i)置換もしくは非置換の炭素数6~30の芳香族炭化水素基、
(ii)置換もしくは非置換の炭素数3~30の芳香族複素環基、あるいは
(iii)2以上の上記置換もしくは非置換の炭素数6~30の芳香族炭化水素基、2以上の上記置換もしくは非置換の炭素数3~30の芳香族複素環基、またはこれらの組み合わせが単結合または置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキレン基によって連結された基、
であり、
~Rは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素数3~20の飽和もしくは不飽和の脂環式炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素数6~30の芳香族炭化水素基、またはこれらの組み合わせであり、この際、RおよびRは同時に水素原子ではなく、RおよびRは同時に水素原子ではなく、
Xは、下記化学式2で表される基であり、
*は、連結地点である:
【0012】
【化2】
【0013】
上記化学式2中、
ArおよびArは、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数6~30の芳香族炭化水素基であり、
およびMは、それぞれ独立して、-O-、-S-、-S(=O)-、-SO-、-NR-(ここで、Rは水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基である)、またはこれらの組み合わせであり、
Zは、下記グループ1に列記されるモイエティからなる群より選択される少なくとも1種であり、
n1は、1~30の整数のうちの1つであり、
n2は、0または1であり、
*は、連結地点である。
【0014】
【化3】
【0015】
上記グループ1中、*は、連結地点である。
【0016】
上記化学式1中のArは、下記グループ2に列記される置換または非置換のモイエティからなる群より選択される少なくとも1種であり得る:
【0017】
【化4】
【0018】
上記グループ2中、
Yは、それぞれ独立して、-O-、-S-、または-NR-(ここで、Rは水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基である)であり、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルキニル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基である。
【0019】
上記化学式1中のArは、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のヘテロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種で置換され得る。
【0020】
上記化学式1中のR~Rは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、この際、RおよびRは同時に水素原子ではなく、RおよびRは同時に水素原子ではないことが好ましい。
【0021】
上記化学式1中のRおよびRは同一の基であることが好ましく、RおよびRは同一の基であることが好ましい。
【0022】
上記化学式1中のArは、下記グループ2-1に列記される置換または非置換のモイエティからなる群より選択される少なくとも1種であり、R~Rは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~16のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、この際、RおよびRは同時に水素原子ではなく、RおよびRは同時に水素原子ではないことが好ましい:
【0023】
【化5】
【0024】
上記グループ2-1中、
Yは、それぞれ独立して、-O-、-S-、または-NR-(ここで、Rは水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基である)であり、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基である。
【0025】
上記化学式2中のArおよびArは、それぞれ独立して、下記グループ3に列記される置換または非置換のモイエティからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0026】
【化6】
【0027】
上記化学式2中のArおよびArは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のフェニレン基、置換もしくは非置換のナフタレニレン基、置換もしくは非置換のフェナントレニレン基、置換もしくは非置換のアントラセニレン基、または置換もしくは非置換のピレニレン基であることが好ましい。
【0028】
上記化学式2中のArおよびArは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のフェニレン基、置換もしくは非置換のナフタレニレン基、または置換もしくは非置換のピレニレン基であり、MおよびMは、-O-であり、Zは、下記グループ1-1に列記されるモイエティからなる群より選択される少なくとも1種であり、n1は、1~5の整数のうちの1つであることが好ましい。
【0029】
【化7】
【0030】
上記グループ1-1中、*は、連結地点である。
【0031】
上記化学式2中のn1およびn2は、1であることが好ましい。
【0032】
上記化学式2中のn1は1~5の整数のうちの1つであり、n2は0であることが好ましい。
【0033】
上記化学式1で表される構造単位は、下記化学式1-1~化学式1-4で表される構造単位からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい:
【0034】
【化8】
【0035】
上記化学式1-1~化学式1-4中、
~Rは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、この際、RおよびRは同時に水素原子ではなく、RおよびRは同時に水素原子ではなく、
は、下記グループ1に列記されるモイエティからなる群より選択される少なくとも1種であり、
およびRは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のヘテロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
ncおよびndは、それぞれ独立して、0~6の整数のうちの1つであり、
*は、連結地点である:
【0036】
【化9】
【0037】
上記グループ1中、*は、連結地点である。
【0038】
上記化学式1で表される構造単位は、下記化学式1-5~化学式1-13で表される構造単位からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0039】
【化10】
【0040】
【化11】
【0041】
上記化学式1-5~1-13中、*は、連結地点である。
【0042】
上記重合体の重量平均分子量は、1,000g/mol~200,000g/molであり得る。
【0043】
上記重合体は、上記ハードマスク組成物の総質量を基準にして、0.1質量%~30質量%含まれ得る。
【0044】
上記溶媒としては、プロピレングリコール、プロピレングリコールジアセテート、メトキシプロパンジオール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールブチルエーテル、トリ(エチレングリコール)モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、エチルラクテート、γ-ブチロラクトン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリジノン、アセチルアセトン、およびエチル3-エトキシプロピオネートからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
【0045】
本発明の他の実施形態によれば、上述したハードマスク組成物の硬化物を含むハードマスク層を提供する。
【0046】
本発明のさらに他の実施形態によれば、基板上に材料層を提供する段階と、上記材料層の上に上述したハードマスク組成物を塗布する段階と、上記ハードマスク組成物を熱処理してハードマスク層を形成する段階と、上記ハードマスク層の上にフォトレジスト層を形成する段階と、上記フォトレジスト層を露光および現像してフォトレジストパターンを形成する段階と、上記フォトレジストパターンを利用して上記ハードマスク層を選択的に除去して上記材料層の一部を露出する段階と、上記材料層の露出した部分をエッチングする段階と、を含む、パターン形成方法を提供する。
【0047】
上記ハードマスク層を形成する段階は、100℃~1,000℃で熱処理する段階を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、ハードマスク層に効果的に適用することができるハードマスク組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】平坦化特性を評価するための計算式である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明の実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。しかし、本発明は、多様な異なる形態に具現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0051】
本明細書で別途の定義がない限り、「置換された」とは、化合物中の水素原子がハロゲン原子(F、Br、Cl、またはI)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アジド基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボニル基、カルバモイル基、チオール基、エステル基、カルボキシ基もしくはその塩の基、スルホン酸基もしくはその塩の基、リン酸基もしくはその塩の基、ビニル基、炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルケニル基、炭素数2~20のアルキニル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数7~30のアリールアルキル基、炭素数9~30のアリルアリール基、炭素数1~30のアルコキシ基、炭素数1~20のヘテロアルキル基、炭素数3~20のヘテロアリールアルキル基、炭素数3~30のシクロアルキル基、炭素数3~15のシクロアルケニル基、炭素数6~15のシクロアルキニル基、炭素数3~30のヘテロシクロアルキル基、およびこれらの組み合わせから選択される置換基で置換されたことを意味する。
【0052】
また、置換されたハロゲン原子(F、Br、Cl、またはI)、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アジド基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボニル基、カルバモイル基、チオール基、エステル基、カルボキシ基もしくはその塩の基、スルホン酸基もしくはその塩の基、リン酸基もしくはその塩の基、炭素数1~30のアルキル基、炭素数2~30のアルケニル基、炭素数2~30のアルキニル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数7~30のアリールアルキル基、炭素数1~30のアルコキシ基、炭素数1~20のヘテロアルキル基、炭素数3~20のヘテロアリールアルキル基、炭素数3~30のシクロアルキル基、炭素数3~15のシクロアルケニル基、炭素数6~15のシクロアルキニル基、または炭素数2~30のヘテロ環基は、隣接した2つの置換基が縮合して環を形成することもできる。
【0053】
本明細書で別途の定義がない限り、「芳香族炭化水素」は、芳香族炭化水素モイエティを1つ以上有する基を意味し、非縮合芳香族炭化水素、縮合芳香族炭化水素だけでなく、芳香族炭化水素モイエティが単結合で連結された形態、芳香族炭化水素モイエティが直接または間接的に縮合された非芳香族縮合環の形態、またはこれらの組み合わせを含む。
【0054】
より具体的には、置換または非置換の芳香族炭化水素基は、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のナフチル基、置換もしくは非置換のアントラセニル基、置換もしくは非置換のフェナントリル基、置換もしくは非置換のナフタセニル基、置換もしくは非置換のピレニル基、置換もしくは非置換のビフェニル基、置換もしくは非置換のテルフェニル基、置換もしくは非置換のクォーターフェニル基、置換もしくは非置換のクリセニル基、置換もしくは非置換のトリフェニレニル基、置換もしくは非置換のペリレニル基、置換もしくは非置換のインデニル基、これらの組み合わせ、またはこれらの組み合わせが縮合された形態であり得るが、これらに限定されない。
【0055】
本明細書で別途の定義がない限り、「ヘテロ」とは、N(窒素原子)、O(酸素原子)、S(硫黄原子)、Se(セレン原子)、およびP(リン原子)からなる群より選択される少なくとも1種のヘテロ原子を1個以上含有するものを意味する。
【0056】
本明細書で別途の定義がない限り、「芳香族複素環」とは、芳香族炭化水素環内にN、O、S、Se、およびPからなる群より選択される少なくとも1種のヘテロ原子を少なくとも1個含有するものを意味する。
【0057】
本明細書で、重合体は、オリゴマー(oligomer)と重合体(polymer)とを全て含むことができる。また、本明細書で、「構造単位」とは、オリゴマーまたは重合体に含まれる繰り返し単位を指す。さらに、本明細書で、化学式中の*は、他の原子との連結地点を意味する。
【0058】
本明細書で特に言及しない限り、「重量平均分子量」は、粉体試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶かした後、Agilent Technologies社製の1200series、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)を利用して測定(カラムは株式会社レゾナック製のLF-804、標準試料は株式会社レゾナック製のポリスチレンを使用)された値である。
【0059】
半導体産業でチップのサイズを減少させる要求が絶えずに持続しており、これに対応するために、リソグラフィ技術でパターニングされるレジストの線幅が、数十ナノメートルのサイズを有しなければならない。したがって、レジストパターンの線幅に耐えることができる高さが制限され、レジストがエッチング段階で十分な耐性を有することができない場合が発生する。これを補完するために、エッチングしようとする材料層とフォトレジスト層との間に、いわゆるハードマスク層(hardmask layer)と呼ばれる補助層を使用する場合がある。このようなハードマスク層は、選択的エッチングを通じて、フォトレジストの微細パターンを材料層に転写する中間膜としての役割を果たす。したがって、ハードマスク層は、パターン転写時に必要なエッチング工程に耐えることができるように耐エッチング性が要求される。
【0060】
既存のハードマスク層は、化学的または物理的蒸着法で形成されていたが、これは設備の規模が大きく、工程単価が高くて経済性が低下するという問題がある。そこで、最近、スピンコーティング法でハードマスク層を形成する技術が開発されている。スピンコーティング法は、従来の方法に比べて工程が容易であり、これから製造されるハードマスク層は、ギャップフィル特性および平坦化特性がさらに優れている。しかし、スピンコーティング法で形成されたハードマスク層に要求される耐エッチング性は、多少低下する問題がある。したがって、スピンコーティング法を適用することができるハードマスク組成物であり、これから形成されたハードマスク層が化学的または物理的蒸着法で形成されたハードマスク層と同等な耐エッチング性を有することが要求されている。
【0061】
そこで、ハードマスク層の耐エッチング性を改善するために、ハードマスク組成物が含有する重合体の炭素含有量を増大させる研究が活発に行われている。しかし、ハードマスク組成物に含まれる重合体の炭素含有量が増大するほど、重合体の溶媒に対する溶解度が低下する傾向がある。したがって、ハードマスク組成物に含まれる重合体の炭素含有量を増大させて、それから形成されるハードマスク層の耐エッチング性を改善し、かつ、上記重合体の溶媒に対する溶解度が低下しないことが要求される。
【0062】
本発明の一実施形態によるハードマスク組成物は、サイズの大きな芳香族炭化水素基を含む化合物を含むことで組成物内の炭素含有量を高めることができる。したがって、上記組成物から形成されたハードマスク層は、優れた耐エッチング性を確保することができる。また、上記化合物は、第三級炭素または第四級炭素を含むことで、組成物内の炭素含有量を高め、かつ、溶媒に対する溶解性がほとんど低下しないという利点が得られる。
【0063】
具体的には、本発明の一実施形態によるハードマスク組成物は、下記化学式1で表される構造単位を含む重合体、および溶媒を含む:
【0064】
【化12】
【0065】
上記化学式1中、
Arは、
(i)置換もしくは非置換の炭素数6~30の芳香族炭化水素基、
(ii)置換もしくは非置換の炭素数3~30の芳香族複素環基、あるいは
(iii)2以上の上記置換もしくは非置換の炭素数6~30の芳香族炭化水素基、2以上の上記置換もしくは非置換の炭素数3~30の芳香族複素環基、またはこれらの組み合わせが単結合または置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキレン基によって連結された基、
であり、
~Rは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素数3~20の飽和もしくは不飽和の脂環式炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素数6~30の芳香族炭化水素基、またはこれらの組み合わせであり、この際、RおよびRは同時に水素原子ではなく、RおよびRは同時に水素原子ではなく、
Xは、下記化学式2で表される基であり、
*は、連結地点である:
【0066】
【化13】
【0067】
上記化学式2中、
ArおよびArは、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数6~30の芳香族炭化水素基であり、
およびMは、それぞれ独立して、-O-、-S-、-S(=O)-、-SO-、-NR-(ここで、Rは、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基である)、またはこれらの組み合わせであり、
Zは、下記グループ1に列記されるモイエティからなる群より選択される少なくとも1種であり、
n1は、1~30の整数のうちの1つであり、
n2は、0または1であり、
*は、連結地点である。
【0068】
【化14】
【0069】
上記グループ1中、*は、連結地点である。
【0070】
上記のように、上記化学式1で表される構造単位は、サイズの大きな芳香族炭化水素基を含み、重合体内の炭素含有量を高めることができる。したがって、上記組成物から形成されたハードマスク層は、優れた耐エッチング性を確保することができる。
【0071】
また、上記化学式1中のRおよびRの少なくとも一方が水素原子ではなく上記置換基であり、RおよびRの少なくとも一方が水素原子ではなく上記置換基であり、さらに上記化学式1で表される構造単位が、第三級炭素または第四級炭素を含むことで、上記重合体の溶媒に対する溶解性を改善し、かつ、上記重合体を含む組成物の硬化時の酸化反応を抑制することができ、これから形成されるハードマスク層のギャップフィル特性および平坦化特性を改善することができる。
【0072】
また、構造単位が上記化学式2で表されるXを有することで、上記重合体の構造単位内に柔軟な構造が存在することになる。これにより、上記重合体の溶媒に対する溶解性を改善すると同時に、上記重合体を含む組成物から形成されるハードマスク層のギャップフィル特性および平坦化特性を改善することができる。
【0073】
本発明の一実施形態において、上記化学式1中のArは、下記グループ2に列記される置換または非置換のモイエティからなる群より選択される少なくとも1種であり得、例えば、下記グループ2-1に列記される置換または非置換のモイエティからなる群より選択される少なくとも1種であり得るが、これらに限定されない。
【0074】
【化15】
【0075】
【化16】
【0076】
上記グループ2および上記グループ2-1中、
Yは、それぞれ独立して、-O-、-S-、または-NR-(ここで、Rは水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基である)であり、
RxおよびRyは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルキニル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基であり、例えば、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基であり得るが、これらに限定されない。
【0077】
本発明の一実施形態において、上記化学式1中のArは、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のヘテロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種で置換され得る。また、例えば、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のヘテロアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基で置換され得る。また、例えば、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数1~10のヘテロアルキル基で置換され得る。また、例えば、ヒドロキシ基または置換もしくは非置換の炭素数1~3のアルコキシ基で置換され得るが、これらに限定されない。
【0078】
本発明の一実施形態において、上記化学式1中のR~Rは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせであり得る。また、例えば、上記化学式1中のR~Rは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~16のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、この際、RおよびRは、同時に水素原子ではなく、RおよびRは、同時に水素原子ではない。
【0079】
上記化学式1中のRおよびRは、互いに同一の基であるかまたは異なる基であり、RおよびRは、互いに同一の基であるかまたは異なる基である。
【0080】
本発明の一実施形態において、上記化学式2中のArおよびArは、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数6~20の芳香族炭化水素基であり、例えば、下記グループ3に列記される置換または非置換のモイエティからなる群より選択される少なくとも1種であり得る。上記化学式2中のArおよびArは、それぞれ独立して、例えば、置換もしくは非置換のフェニレン基、置換もしくは非置換のナフタレニレン基、置換もしくは非置換のアントラセニレン基、置換もしくは非置換のフェナントレニレン基、または置換もしくは非置換のピレニレン基であり得る。また、例えば、置換もしくは非置換のフェニレン基、置換もしくは非置換のナフタレニレン基、または置換もしくは非置換のピレニレン基であり、これらに限定されない。
【0081】
【化17】
【0082】
本発明の一実施形態において、上記化学式2中のMおよびMは、それぞれ独立して、-O-、-S-、-S(=O)-、-SO-、またはこれらの組み合わせであり、例えば-O-であり、これらに限定されない。
【0083】
本発明の一実施形態において、上記化学式2中のZは、下記グループ1-1に列記されるモイエティからなる群より選択される少なくとも1種であり、例えば、下記グループ1-2に列記されるモイエティからなる群より選択される少なくとも1種であり得るが、これらに限定されない。
【0084】
【化18】
【0085】
本発明の一実施形態において、上記化学式2中のn1は、1~20の整数のうちの1つであり、例えば、1~10の整数のうちの1つであり、例えば、1~5の整数のうちの1つであり、例えば、1~3の整数のうちの1つであり、これらに限定されない。
【0086】
本発明の一実施形態において、上記化学式2中のn1は、1~10の整数、または1~5の整数のうちの1つであってかつn2は0であり得、上記化学式2中のn1が1であってかつn2は1であり得、これらに限定されない。
【0087】
本発明の一実施形態において、上記化学式1で表される構造単位は、下記化学式1-1~化学式1-4で表される構造単位からなる群より選択される少なくとも1種であり得る。
【0088】
【化19】
【0089】
上記化学式1-1~化学式1-4中、R~Rは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、この際、RおよびRは同時に水素原子ではなく、RおよびRは同時に水素原子ではなく、
は、上記グループ1に列記されるモイエティからなる群より選択される少なくとも1種であり、
およびRは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のヘテロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
ncおよびndは、それぞれ独立して、0~6の整数のうちの1つである。
【0090】
本発明の一実施形態において、上記化学式1で表される構造単位は、下記化学式1-5~化学式1-13で表される構造単位からなる群より選択される少なくとも1種であり得る。
【0091】
【化20】
【0092】
【化21】
【0093】
なお、上記の重合体は、従来公知の合成方法を適宜参照して合成することができる。より具体的には、実施例に記載の合成方法を参照しながら、当業者であれば容易に合成することができる。
【0094】
上記重合体は、1,000g/mol~200,000g/molの重量平均分子量を有し得る。上記重合体は、例えば、1,000g/mol~150,000g/mol、例えば、1,000g/mol~100,000g/mol、例えば、1,200g/mol~50,000g/mol、例えば、1,200g/mol~10,000g/molの重量平均分子量を有することができ、これらに限定されない。上記範囲の重量平均分子量を有することによって、上記重合体を含むハードマスク組成物の炭素含有量および溶媒に対する溶解度を調節して最適化することができる。
【0095】
上記重合体は、上記ハードマスク組成物の総質量を基準として、0.1質量%~30質量%の含有量で含まれ得る。当該含有量は、例えば、0.2質量%~30質量%、例えば、0.5質量%~30質量%、例えば、1質量%~30質量%、例えば、1.5質量%~25質量%、例えば、2質量%~20質量%であり得るが、これらに限定されない。上記の含有量の範囲で重合体が含まれることによって、ハードマスクの厚さ、表面粗さ、および平坦化特性等を容易に調節することができる。
【0096】
本発明の一実施形態によるハードマスク組成物は、溶媒を含む。当該溶媒の例としては、例えば、プロピレングリコール、プロピレングリコールジアセテート、メトキシプロパンジオール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールブチルエーテル、トリ(エチレングリコール)モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、エチルラクテート、γ-ブチロラクトン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリジノン、アセチルアセトン、およびエチル3-エトキシプロピオネートからなる群より選択される少なくとも1種を含むことができ、これらに限定されない。上記溶媒は、上記重合体に対する十分な溶解性および/または分散性を有するものであれば、特に限定されない。
【0097】
上記ハードマスク組成物は、界面活性剤、架橋剤、熱酸発生剤、可塑剤などの添加剤をさらに含むことができる。
【0098】
界面活性剤としては、例えば、フルオロアルキル系化合物、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルピリジニウム塩、ポリエチレングリコール、第4級アンモニウム塩などを使用することができるが、これらに限定されない。
【0099】
架橋剤の種類としては、例えば、メラミン系、置換尿素系、またはこれらのポリマー系などが挙げられる。好ましくは、少なくとも2個の架橋形成置換基を有する架橋剤であり、例えば、メトキシメチル化グリコールウリル、ブトキシメチル化グリコールウリル、メトキシメチル化メラミン、ブトキシメチル化メラミン、メトキシメチル化ベンゾグアナミン、ブトキシメチル化ベンゾグアナミン、メトキシメチル化尿素、ブトキシメチル化尿素、メトキシメチル化チオ尿素、またはブトキシメチル化チオ尿素などの化合物を使用することができる。
【0100】
また、架橋剤としては、耐熱性が高い架橋剤を使用することができる。耐熱性が高い架橋剤としては、分子内に芳香族環(例えばベンゼン環、ナフタレン環)を有する架橋形成置換基を含有する化合物を使用することができる。
【0101】
熱酸発生剤としては、例えば、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ピリジニウムp-トルエンスルホン酸、サリチル酸、スルホサリチル酸、クエン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ナフタレンカルボン酸などの酸性化合物および/または2,4,4,6-テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシレート、2-ニトロベンジルトシレート、その他、有機スルホン酸アルキルエステルなどを使用することができるが、これらに制限されない。
【0102】
本発明の他の実施形態によれば、上述したハードマスク組成物の硬化物を含むハードマスク層を提供する。
【0103】
以下、上述したハードマスク組成物を使用してパターンを形成する方法について説明する。
【0104】
本発明の一実施形態によるパターン形成方法は、基板上に材料層を提供する段階と、上記材料層の上に上述した重合体および溶媒を含むハードマスク組成物を塗布する段階と、上記ハードマスク組成物を熱処理してハードマスク層を形成する段階と、上記ハードマスク層の上にフォトレジスト層を形成する段階と、上記フォトレジスト層を露光および現像してフォトレジストパターンを形成する段階と、上記フォトレジストパターンを利用して上記ハードマスク層を選択的に除去して、上記材料層の一部を露出する段階と、上記材料層の露出した部分をエッチングする段階と、を含む。
【0105】
上記基板は、例えばシリコンウェーハ、ガラス基板、または高分子基板であり得る。上記材料層は、最終的にパターンしようとする材料であり、例えばアルミニウム、銅などの金属層、シリコンなどの半導体層、または酸化ケイ素、窒化ケイ素などの絶縁層であり得る。上記材料層は、例えば、化学気相蒸着法で形成され得る。
【0106】
上記ハードマスク組成物の詳細は、上述したとおりであり、溶液の形態で製造されてスピンコーティング法で塗布され得る。このとき、ハードマスク組成物の塗布厚さは特に限定されないが、例えば、50~200,000Åの厚さに塗布され得る。
【0107】
ハードマスク組成物を熱処理する段階は、例えば、100℃~1,000℃で10秒~1時間行うことができる。一例として、ハードマスク組成物を熱処理する段階は、複数の熱処理段階を含むことができ、例えば、1次熱処理段階、および2次熱処理段階を含むことができる。
【0108】
本発明の一実施形態において、ハードマスク組成物を熱処理する段階は、例えば、100℃~1000℃で10秒~1時間行われる1つの熱処理段階を含むことができる。一例として、熱処理段階は、空気または窒素雰囲気下で行うことができ、または酸素濃度1質量%以下の雰囲気下で行うことができる。
【0109】
本発明の一実施形態において、ハードマスク組成物を熱処理する段階は、例えば、100℃~1,000℃、例えば、100℃~800℃、例えば、100℃~500℃、例えば、150℃~400℃の温度で、例えば、30秒~1時間、例えば、30秒~30分間、例えば、30秒~10分間、例えば、30秒~5分間行われる1次熱処理段階を含む。
【0110】
また、例えば、100℃~1,000℃、例えば、300℃~1,000℃、例えば、500℃~1,000℃、例えば、500℃~600℃の温度で、例えば、30秒~1時間、例えば、30秒~30分間、例えば、30秒~10分間、例えば、30秒~5分間行われる2次熱処理段階を連続的に含むことができる。一例として、1次熱処理段階および2次熱処理段階は、空気雰囲気下または窒素雰囲気下で行うことができ、または酸素濃度1質量%以下の雰囲気下で行うことができる。
【0111】
ハードマスク組成物を熱処理する段階のうちの少なくとも1つの段階を200℃以上の高温で行うことによって、エッチング工程を含む後続の工程で曝露されるエッチングガスおよび化学液に耐えることができる高い耐エッチング性を示すことができる。
【0112】
本発明の一実施形態において、ハードマスク層を形成する段階は、UV/Vis(紫外/可視光)硬化段階および/またはnear IR(近赤外光)硬化段階を含むことができる。
【0113】
本発明の一実施形態において、ハードマスク層を形成する段階は、1次熱処理段階、2次熱処理段階、UV/Vis硬化段階、およびnear IR硬化段階のうちの少なくとも1つの段階を含むか、または2つ以上の段階を連続的に含むことができる。
【0114】
本発明の一実施形態において、ハードマスク層の上にシリコン含有薄膜層を形成する段階をさらに含むことができる。シリコン含有薄膜層は、例えばSiCN、SiOC、SiON、SiOCN、SiC、SiO、および/またはSiNなどの物質で形成することができる。
【0115】
本発明の一実施形態において、フォトレジスト層を形成する段階の前に、シリコン含有薄膜層上部またはハードマスク層上部に下層反射防止膜(bottom anti-reflective coating、BARC)をさらに形成することもできる。
【0116】
本発明の一実施形態において、フォトレジスト層を露光する段階は、例えば、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、またはEUV(極端紫外線)などを使用して行うことができる。また、露光後、100℃~700℃の温度で熱処理工程を行うことができる。
【0117】
本発明の一実施形態において、材料層の露出した部分をエッチングする段階は、エッチングガスを使用したドライエッチングで行うことができ、エッチングガスは、例えば、N/O、CHF、CF、Cl、BCl、およびこれらの混合ガスを使用することができる。
【0118】
エッチングされた材料層は、複数のパターンで形成され得、該複数のパターンは、金属パターン、半導体パターン、絶縁パターンなど、多様化することができ、例えば、半導体集積回路デバイス内の多様なパターンとして適用され得る。
【実施例0119】
以下、実施例を通じて上述した本発明の実施形態をより詳細に説明する。ただし、下記の実施例は、単に説明の目的のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
【0120】
[重合体の合成]
(合成例1)
(第1工程)
フラスコに、4,4’-オキシビス(ベンゾイルクロリド)70.08g、およびテトラヒドロフラン 350.00gを添加して溶液を準備した。この溶液に、メチルマグネシウムブロミド 79.92gを氷浴下で徐々に添加した後、4,4’-オキシビス(ベンゾイルクロリド)が全て反応するまで攪拌した。反応終了後、1質量%塩酸水溶液を用いてpHが約7になるまで中和した後、洗浄および減圧濃縮し、カラムで精製して中間生成物A-1を得た。
【0121】
(第2工程)
フラスコに、上記中間生成物A-1 37.54g、およびN,N-ジメチルホルムアミド 360.00gを添加して溶液を準備した。この溶液に水素化ナトリウム 9.44gを常温で徐々に添加した後、ヨウ化メチル 93.03gを添加して、中間生成物A-1が全て反応するまで攪拌した。反応終了後、1質量%塩酸水溶液を用いてpHが約7になるまで中和した後、洗浄および減圧濃縮し、カラムで精製して中間生成物A-2を得た。
【0122】
(第3工程)
フラスコに、上記中間生成物A-2 69.80g、1-ヒドロキシピレン 48.45g、硫酸 1.74g、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80.00gを添加して、攪拌しながら100℃で8時間反応を行った。反応終了後、洗浄および減圧濃縮し、n-ヘキサンを添加して、発生した固体をろ過、抽出および減圧乾燥して、下記化学式Aで表される構造単位を含む重合体を得た(Mw:3,082g/mol)。
【0123】
【化22】
【0124】
(合成例2)
フラスコに、上記合成例1で得られた中間生成物A-2 48.84g、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)フルオレン 48.82g、硫酸 1.22g、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80.00gを添加して、攪拌しながら100℃で7時間反応を行った。反応終了後、洗浄および減圧濃縮し、n-ヘキサンを添加して、発生した固体をろ過、抽出および減圧乾燥して、下記化学式Bで表される構造単位を含む重合体を得た(Mw:3,020g/mol)。
【0125】
【化23】
【0126】
(合成例3)
(第1工程)
フラスコに4,4’-オキシビス(ベンズアルデヒド)71.20g、およびテトラヒドロフラン 350.00gを添加して溶液を準備した。この溶液に、メチルマグネシウムブロミド 78.80gを、氷浴下で徐々に添加した後、4,4’-オキシビス(ベンズアルデヒド)が全て反応するまで攪拌した。反応終了後、1質量%塩酸水溶液を用いてpHが約7なるまで中和した後、洗浄および減圧濃縮し、カラムで精製して中間生成物C-1を得た。
【0127】
(第2工程)
フラスコに上記中間生成物C-1 37.26g、およびN,N-ジメチルホルムアルデヒド 350.00gを添加して溶液を準備した。この溶液に水素化ナトリウム 10.38gを常温で徐々に添加した後、ヨウ化メチル 102.36gを添加して中間生成物C-1が全て反応するまで攪拌した。反応終了後、1質量%塩酸水溶液を用いてpHが約7になるまで中和した後、洗浄および減圧濃縮し、カラムで精製して中間生成物C-2を得た。
【0128】
(第3工程)
フラスコに上記中間生成物C-2 67.06g、1-ヒドロキシピレン 51.11g、硫酸 1.84g、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80.00gを添加して、攪拌しながら100℃で8時間反応を行った。反応終了後、洗浄および減圧濃縮し、n-ヘキサンを添加して、発生した固体をろ過、抽出および減圧乾燥して、下記化学式Cで表される構造単位を含む重合体を得た(Mw:2,920g/mol)。
【0129】
【化24】
【0130】
(合成例4)
フラスコに上記合成例3で得られた中間生成物C-2 46.14g、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)フルオレン 72.59g、硫酸 1.26g、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80.00gを添加し、攪拌しながら100℃で9時間反応を行った。反応終了後、洗浄および減圧濃縮し、n-ヘキサンを添加して、発生した固体をろ過、抽出および減圧乾燥して、下記化学式Dで表される構造単位を含む重合体を得た(Mw:3,020g/mol)。
【0131】
【化25】
【0132】
(合成例5)
(第1工程)
フラスコに4,4’-オキシビス(ベンズアルデヒド)73.29g、およびテトラヒドロフラン 350.00gを添加して溶液を準備した。この溶液にフェニルマグネシウムクロリド 96.71gを、氷浴下で徐々に添加した後、4,4’-オキシビス(ベンズアルデヒド)が全て反応するまで攪拌した。反応終了後、1質量%塩酸水溶液を用いてpHが約7になるまで中和した後、洗浄および減圧濃縮し、カラムで精製して中間生成物E-1を得た。
【0133】
(第2工程)
フラスコに上記中間生成物E-1 49.28g、およびN,N-ジメチルホルムアミド 350.00gを添加して溶液を準備した。この溶液に水素化ナトリウム 9.28gを常温で徐々に添加した後、ヨウ化メチル 91.44gを添加して、中間生成物E-1が全て反応するまで攪拌した。反応終了後、1質量%塩酸水溶液を用いてpHが約7になるまで中和した後、洗浄および減圧濃縮し、カラムで精製して中間生成物E-2を得た。
【0134】
(第3工程)
フラスコに上記中間生成物E-2 56.69g、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)フルオレン 62.22g、硫酸 1.08g、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80.00gを添加して、攪拌しながら100℃で8時間反応を行った。反応終了後、洗浄および減圧濃縮し、n-ヘキサンを添加して発生した固体をろ過、抽出および減圧乾燥して、下記化学式Eで表される構造単位を含む重合体を得た(Mw:3,120g/mol)。
【0135】
【化26】
【0136】
(合成例6)
(第1工程)
フラスコに4,4’-オキシビス(ベンズアルデヒド)36.87g、およびテトラヒドロフラン 350.00gを添加して溶液を準備した。この溶液に2-ナフチルマグネシウムブロミド 113.13gを氷浴下で徐々に添加した後、4,4’-オキシビス(ベンズアルデヒド)が全て反応するまで攪拌した。反応終了後、1質量%塩酸水溶液を用いてpHが約7になるまで中和した後、洗浄および減圧濃縮し、カラムで精製して中間生成物F-1を得た。
【0137】
(第2工程)
フラスコに上記中間生成物F-1 57.26g、およびN,N-ジメチルホルムアミド 350.00gを添加して溶液を準備した。この溶液に水素化ナトリウム 8.54gを常温で徐々に添加した後、ヨウ化メチル 84.20gを添加して、中間生成物F-1が全て反応するまで攪拌した。反応終了後、1質量%塩酸水溶液を用いてpHが約7になるまで中和した後、洗浄および減圧濃縮し、カラムで精製して中間生成物F-2を得た。
【0138】
(第3工程)
フラスコに上記中間生成物F-2 63.23g、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)フルオレン 55.79g、硫酸 0.97g、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80.00gを添加して、攪拌しながら100℃で12時間反応を行った。反応終了後、洗浄および減圧濃縮し、n-ヘキサンを添加して発生した固体をろ過、抽出および減圧乾燥して、下記化学式Fで表される構造単位を含む重合体を得た(Mw:2,890g/mol)。
【0139】
【化27】
【0140】
(合成例7)
(第1工程)
フラスコに9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン 70.33g、4-フルオロベンズアルデヒド 50.32g、炭酸カリウム 69.35g、およびN,N-ジメチルホルムアミド 310.00gを添加して溶液を準備した。140℃で9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンが全て反応するまで攪拌した。反応終了後、1質量%塩酸水溶液を用いてpHが約7になるまで中和した後、洗浄および減圧濃縮し、カラムで精製して中間生成物G-1を得た。
【0141】
(第2工程)
フラスコに上記中間生成物G-1 66.89g、およびテトラヒドロフラン 350.00gを添加して溶液を準備した。この溶液にフェニルマグネシウムクロリド 83.11gを氷浴下で徐々に添加して、上中間生成物G-1が全て反応するまで攪拌した。反応終了後、1質量%塩酸水溶液を用いてpHが約7になるまで中和した後、洗浄および減圧濃縮し、カラムで精製して中間生成物G-2を得た。
【0142】
(第3工程)
フラスコに上記中間生成物G-2 71.65g、およびN,N-ジメチルホルムアミド 350.00gを添加して溶液を準備した。この溶液に水素化ナトリウム 7.22gを常温で添加して60℃で2時間攪拌した。攪拌後、室温でヨウ化メチル 71.13gを添加して、中間生成物G-2が全て反応するまで攪拌した。反応終了後、1質量%塩酸水溶液を用いてpHが約7になるまで中和した後、洗浄および減圧濃縮し、カラムで精製して中間生成物G-3を得た。
【0143】
(第4工程)
フラスコに上記中間生成物G-3 74.21g、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)フルオレン 45.01g、硫酸 0.78g、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80.00gを添加して、攪拌しながら110℃で29時間反応を行った。反応終了後、洗浄および減圧濃縮し、n-ヘキサンを添加して、発生した固体をろ過、抽出および減圧乾燥して、下記化学式Gで表される構造単位を含む重合体を得た(Mw:2,996g/mol)。
【0144】
【化28】
【0145】
(合成例8)
(第1工程)
フラスコに4,4’-シクロヘキシリデンビスフェノール 58.98g、4-フルオロベンズアルデヒド 55.10g、炭酸カリウム 75.93g、およびN,N-ジメチルホルムアミド 310.00gを添加して溶液を準備した。140℃で4,4’-シクロへキシリデンビスフェノールが全て反応するまで攪拌した。反応終了後、1質量%塩酸水溶液でpHが約7になるまで中和した後、洗浄および減圧濃縮し、カラムで精製して中間生成物H-1を得た。
【0146】
(第2工程)
フラスコに上記中間生成物H-1 61.06g、およびテトラヒドロフラン 350.00gを添加して溶液を準備した。この溶液にフェニルマグネシウムクロリド 88.94gを氷浴下で徐々に添加して、中間生成物H-1が全て反応するまで攪拌した。反応終了後、1質量%塩酸水溶液を用いてpHが約7になるまで中和した後、洗浄および減圧濃縮し、カラムで精製して中間生成物H-2を得た。
【0147】
(第3工程)
フラスコに上記中間生成物H-2 67.10g、およびN,N-ジメチルホルムアミド 350.00gを添加して溶液を準備した。この溶液に水素化ナトリウム 7.64gを常温で徐々に添加した後、ヨウ化メチル 75.26gを添加して、中間生成物H-2が全て反応するまで攪拌した。反応終了後、1質量%塩酸水溶液を用いてpHが約7になるまで中和した後、洗浄および減圧濃縮し、カラムで精製して中間生成物H-3を得た。
【0148】
(第4工程)
フラスコに上記中間生成物H-3 70.85g、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)フルオレン 48.31g、硫酸 0.84g、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80.00gを添加して、攪拌しながら100℃で8時間反応を行った。反応終了後、洗浄および減圧濃縮し、n-ヘキサンを添加して、発生した固体をろ過、抽出および減圧乾燥して、下記化学式Hで表される構造単位を含む重合体を得た(Mw:3,102g/mol)。
【0149】
【化29】
【0150】
(合成例9)
(第1工程)
フラスコに1、4-ジヒドロキシベンゼン 29.62g、4-フルオロベンズアルデヒド 67.44g、炭酸カリウム 92.94g、およびN,N-ジメチルホルムアミド 310.00gを添加して溶液を準備した。140℃で1,4-ジヒドロキシベンズアルデヒドが全て反応するまで攪拌した。反応終了後、1質量%塩酸水溶液を用いてpHが約7になるまで中和した後、洗浄および減圧濃縮し、カラムで精製して中間生成物I-1を得た。
【0151】
(第2工程)
フラスコに上記中間生成物I-1 47.16g、およびテトラヒドロフラン 350.00gを添加して溶液を準備した。この溶液にフェニルマグネシウムクロリド 102.84gを氷浴下で徐々に添加して、中間生成物I-1が全て反応するまで攪拌した。反応終了後、1質量%塩酸水溶液を用いてpHが約7になるまで中和した後、洗浄および減圧濃縮し、カラムで精製して中間生成物I-2を得た。
【0152】
(第3工程)
フラスコに上記中間生成物I-2 56.66g、およびN,N-ジメチルホルムアミド 350.00gを添加して溶液を準備した。この溶液に水素化ナトリウム 8.60gを常温で徐々に添加した後、ヨウ化メチル 84.74gを添加して、中間生成物I-2が全て反応するまで攪拌した。反応終了後、1質量%塩酸水溶液を用いてpHが約7になるまで中和した後、洗浄および減圧濃縮し、カラムで精製して中間生成物I-3を得た。
【0153】
(第4工程)
フラスコに上記中間生成物I-3 62.76g、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)フルオレン 56.26g、硫酸 0.98g、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80.00gを添加して、攪拌しながら100℃で9時間反応を行った。反応終了後、洗浄および減圧濃縮し、n-ヘキサンを添加して、発生した固体をろ過、抽出および減圧乾燥して、下記化学式Iで表される構造単位を含む重合体を得た(Mw:3,084g/mol)。
【0154】
【化30】
【0155】
(比較合成例)
フラスコに9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)フルオレン 75.44g、4,4’-ビス(メトキシメチル)ベンゼン 46.25g、硫酸 1.31g、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80.00gを添加して、攪拌しながら100℃で10時間反応を行った。反応終了後、洗浄および減圧濃縮し、n-ヘキサンを添加して、発生した固体をろ過、抽出および減圧乾燥して、下記化学式Jで表される構造単位を含む比較重合体を得た(Mw:3,010g/mol)。
【0156】
【化31】
【0157】
[ハードマスク組成物の製造]
(実施例1~9および比較例1)
合成例1~9で得られた重合体、および比較合成例で得られた比較重合体を、それぞれシクロヘキサノンに溶かした後、直径0.1μmのメンブレンフィルターでろ過して化合物の含有量が10.0質量%であるハードマスク組成物を製造した。
【0158】
[評価1:ギャップフィル特性]
パターン化されたシリコンウェーハの上に、実施例1~9、および比較例1によるハードマスク組成物をそれぞれスピンコーティング法でコーティングし、400℃で60秒間熱処理してハードマスク層を形成した。電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)を用いてハードマスク層のパターン断面イメージを観察し、ボイド(Void)発生の有無を確認した。その結果は下記表1の通りである。
【0159】
【表1】
【0160】
上記表1を参照すると、実施例および比較例によるハードマスク組成物から形成されたハードマスク層には全てボイドが形成されないことによって、実施例および比較例によるハードマスク組成物のギャップフィル特性には差がないことが分かった。
【0161】
[評価2:平坦化特性]
パターン化されたシリコンウェーハの上に、実施例1~9、および比較例1によるハードマスク組成物をスピンコーティング法でコーティングし、400℃で60秒間熱処理しハードマスク層を形成した後、電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)を用いてパターン断面イメージを観察した。パターン断面イメージに現れたハードマスク層の厚さを測定し、図1の計算式により平坦化特性を数値化した。図1中のhは、パターンが形成されない任意の3つの地点で測定したハードマスク層の厚さの平均値を意味し、hは、パターンが形成された任意の3つの地点で測定したハードマスク層の厚さの平均値を意味する。平坦化特性の数値化の結果が5未満の場合「A(非常に良好)」、5以上10未満の場合「B(良好)」、10以上の場合「C(不良)」で表した。その結果は下記表2の通りである。
【0162】
【表2】
【0163】
上記表2を参照すると、実施例1~9によるハードマスク組成物から形成されたハードマスク層の平坦化特性は非常に良好である反面、比較例によるハードマスク層の平坦化特性はすべての実施例に比べて劣ることが分かった。
【0164】
[評価3:耐エッチング性]
シリコンウェーハの上に実施例1~9および比較例1によるハードマスク組成物をスピンコーティング法でコーティングした後、400℃で60秒間熱処理してハードマスク層を形成した。ハードマスク層をCF/Ar混合ガスを使用して30秒間乾式エッチングし、エッチング前およびエッチング後のハードマスク層の厚さをK-MAC社製の薄膜厚さ測定装置で測定して、下記計算式2によりエッチング率(bulk etch rate、BER)を計算した。比較例1による組成物から形成されたハードマスク層のエッチング率に対する実施例1~9による組成物から形成されたハードマスク層のエッチング率の比で、耐エッチング性を評価した。具体的には、エッチング率の比が0.95未満であれば「A(非常に良好)」、0.95以上1.00未満であれば「B(良好)」、1.00以上であれば「C(不良)」で表した。その結果は下記表3の通りである。
【0165】
【数1】
【0166】
【表3】
【0167】
上記表3を参照すると、実施例によるハードマスク層の耐エッチング性は、比較例によるハードマスク層の耐エッチング性より優れることを確認することができた。
【0168】
[評価4:収縮性の評価]
シリコンウェーハの上に実施例1~9および比較例1によるハードマスク組成物をスピンコーティング法でコーティングした後、ホットプレート上で、160℃の温度で1分間熱処理してハードマスク層を形成した。K-MAC社製の薄膜厚さ測定装置でハードマスク層の厚さを測定した。次に、ハードマスク層を400℃で1分間再熱処理した後、ハードマスク層の厚さを測定した。熱処理前後のハードマスク層の厚さの差を算出して、比較例1の値に対して90%未満の場合「A(非常に良好)」、90%以上95%未満の場合「B(良好)」、95%以上の場合「C(不良)」と評価した。その結果は下記表4の通りである。
【0169】
【表4】
【0170】
上記表4を参照すると、実施例1~9による組成物から形成されたハードマスク層は、比較例1による組成物から形成されたハードマスク層に比べて、収縮率がさらに少ないことを確認することができた。
【0171】
以上から、実施例1~9による組成物から形成されたハードマスク層は、ギャップフィル特性、平坦化特性、耐エッチング性、および収縮率が全て優れていることがわかった。一方、比較例による組成物から形成されたハードマスク層は、ギャップフィル特性は実施例のハードマスク層と差がないものの、平坦化特性、耐エッチング性、および収縮率は、本発明の実施例によるハードマスク層に比べて劣ることを確認することができた。
【0172】
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、次の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
図1