(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024161942
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】画像検査装置、画像検査システム、画像検査方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241114BHJP
B41J 29/393 20060101ALI20241114BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
H04N1/00 002A
B41J29/393 105
G03G21/00 510
G03G21/00 386
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077018
(22)【出願日】2023-05-09
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLU―RAY DISC
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 健太
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AR03
2C061AS02
2C061KK26
2C061KK28
2C061KK35
2H270LA19
2H270LA22
2H270LD03
2H270LD14
2H270MB25
2H270MB27
2H270MF16
2H270PA71
2H270QA21
2H270QB01
2H270RA01
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC08
5C062AA05
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC34
5C062AC55
5C062AE01
(57)【要約】
【課題】従来の技術では、印刷媒体の第1の面及び第2の面にそれぞれ形成された画像に対して、第1のタイミングで一の機構により第1の面が読み取られた後に、印刷媒体の搬送方向に沿って反転された印刷媒体の第2の面が第2のタイミングで一の機構により読み取られることにより各々の画像の検査が行われる構成の場合、印刷媒体に施された加工処理の位置に応じた第1の面及び第2の面に係る検査除外領域を一度に設定することが困難である。
【解決手段】画像検査装置4は、印刷媒体の第1の面に形成された第1の画像を検査するための第1の検査領域に対し、印刷媒体に施された所定の加工処理を含む第1の検査除外領域に係る検査除外領域情報を受信し(S13)、受信した検査除外領域情報に基づいて、印刷媒体の第2の面における検査除外領域を算出し設定する(S14)。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体の第1の面及び第2の面にそれぞれ形成された画像に対して、第1のタイミングで一の機構により前記第1の面が読み取られた後に、前記印刷媒体の搬送方向に沿って反転された前記印刷媒体の前記第2の面が第2のタイミングで前記一の機構により読み取られることにより各々の画像を検査する画像検査装置であって、
前記第1の面に形成された第1の画像を検査するための第1の検査領域に対し、前記印刷媒体に施された所定の加工処理を含む第1の検査除外領域に係る入力情報を受信する第1の受信手段と、
受信した前記入力情報に基づいて、前記第2の面に形成された第2の画像を検査するための第2の検査領域に含まれない第2の検査除外領域を設定する設定手段と、
を有する、
ことを特徴とする画像検査装置。
【請求項2】
前記受信手段は、
前記入力情報として、前記所定の加工処理の周辺の幅及び前記幅を示す複数の座標で与えられた領域に係る情報を受信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像検査装置。
【請求項3】
前記設定手段は、
前記入力情報と前記搬送方向に沿った長さ情報とに基づいて、前記第2の検査除外領域を設定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像検査装置。
【請求項4】
前記設定手段は、
前記第2の検査除外領域を一括設定する操作に応じて、前記印刷媒体若しくは前記印刷媒体を形成する所定のジョブ全体に対する前記第2の検査除外領域を設定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像検査装置。
【請求項5】
前記所定の加工処理は、
前記印刷媒体に対するミシン目、孔開け、角丸、エンボスを含む加工処理である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像検査装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の画像検査装置であって、更に、
前記印刷媒体上に形成された前記第1の画像及び前記第2の画像の検査を行う検査手段を有する、
ことを特徴とする画像検査装置。
【請求項7】
入力画像データに基づいて印刷媒体上に画像を形成し、前記印刷媒体上に所定の加工を施す画像形成装置と、前記印刷媒体の第1の面及び第2の面にそれぞれ形成された画像に対して、第1のタイミングで一の機構により前記第1の面が読み取られた後に、前記印刷媒体の搬送方向に沿って反転された前記印刷媒体の前記第2の面が第2のタイミングで前記一の機構により読み取られることにより各々の画像を検査する画像検査装置と、を有する画像検査システムであって、
前記画像形成装置は、
前記第1の面に形成された第1の画像を検査するための第1の検査領域に対し、前記印刷媒体に施された所定の加工処理を含む第1の検査除外領域に係る入力情報の入力を受け付ける受付手段と、
受け付けた前記入力情報を前記画像検査装置に対して送信する第1の送信手段と、
を有し、
前記画像検査装置は、
前記入力情報を受信する第1の受信手段と、
受信した前記入力情報に基づいて、前記第2の面に形成された第2の画像を検査するための第2の検査領域に含まれない第2の検査除外領域を設定する設定手段と、
を有する、
ことを特徴とする画像検査システム。
【請求項8】
前記画像形成装置は、更に、
前記画像検査装置によって検査された前記第1の画像及び前記第2の画像の少なくとも一方に係る検査結果を表す検査画面データを受信する第2の受信手段と、
受信した前記検査画面データを表示手段に表示させる表示制御手段と、
を有する、
ことを特徴とする請求項7に記載の画像検査システム。
【請求項9】
印刷媒体の第1の面及び第2の面にそれぞれ形成された画像に対して、第1のタイミングで一の機構により前記第1の面が読み取られた後に、前記印刷媒体の搬送方向に沿って反転された前記印刷媒体の前記第2の面が第2のタイミングで前記一の機構により読み取られることにより各々の画像を検査する画像検査装置が実行する画像検査方法であって、
前記第1の面に形成された第1の画像を検査するための第1の検査領域に対し、前記印刷媒体に施された所定の加工処理を含む第1の検査除外領域に係る入力情報を受信する受信ステップと、
受信した前記入力情報に基づいて、前記第2の面に形成された第2の画像を検査するための第2の検査領域に含まれない第2の検査除外領域を設定する設定ステップと、
を含む処理を実行する、
ことを特徴とする画像検査方法。
【請求項10】
印刷媒体の第1の面及び第2の面にそれぞれ形成された画像に対して、第1のタイミングで一の機構により前記第1の面が読み取られた後に、前記印刷媒体の搬送方向に沿って反転された前記印刷媒体の前記第2の面が第2のタイミングで前記一の機構により読み取られることにより各々の画像を検査する画像検査装置に、
前記第1の面に形成された第1の画像を検査するための第1の検査領域に対し、前記印刷媒体に施された所定の加工処理を含む第1の検査除外領域に係る入力情報を受信する受信ステップと、
受信した前記入力情報に基づいて、前記第2の面に形成された第2の画像を検査するための第2の検査領域に含まれない第2の検査除外領域を設定する設定ステップと、
を含む処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像検査装置、画像検査システム、画像検査方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷物の欠陥を検出して印刷物の良否を判定する際に、複数の閾値を調整してユーザの意図する判定基準に調整する技術が以前から知られている。
【0003】
そのひとつとして、画像形成装置20は、「裏面へ適用」ボタン392が選択された場合、プロファイルの第1頁目に設定された検査除外領域DA1の位置およびサイズを、検品ジョブの各裏面すなわち第2頁目および第4頁に適用する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、印刷媒体の第1の面及び第2の面にそれぞれ形成された画像に対して、第1のタイミングで一の機構により第1の面が読み取られた後に、印刷媒体の搬送方向に沿って反転された印刷媒体の第2の面が第2のタイミングで一の機構により読み取られることにより各々の画像の検査が行われる構成の場合、印刷媒体に施された加工処理の位置に応じた第1の面及び第2の面に係る検査除外領域を一度に設定することが困難である、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明は、印刷媒体の第1の面及び第2の面にそれぞれ形成された画像に対して、第1のタイミングで一の機構により前記第1の面が読み取られた後に、前記印刷媒体の搬送方向に沿って反転された前記印刷媒体の前記第2の面が第2のタイミングで前記一の機構により読み取られることにより各々の画像を検査する画像検査装置であって、前記第1の面に形成された第1の画像を検査するための第1の検査領域に対し、前記印刷媒体に施された所定の加工処理を含む第1の検査除外領域に係る入力情報を受信する第1の受信手段と、受信した前記入力情報に基づいて、前記第2の面に形成された第2の画像を検査するための第2の検査領域に含まれない第2の検査除外領域を設定する設定手段と、を有する、ことを特徴とする画像検査装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
以上説明したように本発明によれば、印刷媒体の第1の面及び第2の面にそれぞれ形成された画像に対して、第1のタイミングで一の機構により第1の面が読み取られた後に、印刷媒体の搬送方向に沿って反転された印刷媒体の第2の面が第2のタイミングで一の機構により読み取られることにより各々の画像の検査が行われる構成であっても、印刷媒体に施された加工処理の位置に応じた第1の面及び第2の面に係る検査除外領域を一度に設定することが可能になる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】画像管理システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】印刷媒体に施された加工に対する表面及び裏面の位置の一例を示す図であり、(a)は印刷媒体の表面における加工の位置を示し、(b)は印刷媒体の裏面における加工の位置を示すものである。
【
図3】画像形成装置及び画像検査装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図4】DFE(管理サーバ)のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図5】画像管理システムの機能構成の一例を示す図である。
【
図6】ジョブ情報管理テーブルの一例を示す概念図である。
【
図7】検査除外領域管理テーブルの一例を示す概念図である。
【
図8】画像管理システムにおける検査除外領域設定処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図9】画像形成装置における検査領域設定画面の一例を示す図である。
【
図10】画像形成装置における検査領域設定画面のうち、裏面へ適用する場合の一例を示す図である。
【
図11】画像形成装置における検査領域設定画面のうち、裏面、印刷媒体、ジョブ全体へ適用する場合の一例を示す図である。
【
図12】画像形成装置における検査領域設定画面のうち、印刷媒体へ適用する一例を示す図である。
【
図13】画像形成装置における検査領域設定画面のうち、ジョブ全体へ適用する一例を示す図である。
【
図14】画像管理システムにおける画像検査処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図15】画像形成装置における画像検査結果通知画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて、発明を実施するための形態について説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する部分があればその説明を省略する。
【0009】
〔実施形態〕
〔画像管理システムの全体構成〕
図1は、画像管理システムの全体構成の一例を示す図である。
図1に示されているように、画像管理システム1は、画像形成装置3、画像検査装置4及び管理サーバの一例であるDFE(Digital Front End)5を有している。また、画像管理システム1には、画像形成装置3と画像検査装置4とを含む画像検査システム2が構築されている。更に、画像管理システム1では、画像形成装置3とDFE5との間は、有線ケーブルで互いに接続されている。但し、画像形成装置3とDFE5とは、無線通信により通信が可能な通信ネットワークで互いに接続されていてもよい。ここで通信ネットワークは、不特定多数の通信が行われる通信用のネットワークであり、インターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)等によって構築されている。なお、通信ネットワークには、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)等の無線通信による通信ネットワークが含まれてもよい。
【0010】
<画像形成装置>
画像形成装置3は、入力画像データに基づいて印刷媒体上に画像を形成する装置である。また画像形成装置3は、印刷媒体上に所定の加工を施す装置でもある。画像形成装置3は更に、印刷媒体上に形成された画像を読み取る読取ユニットを備える。画像形成装置3は、例えば、一般的に使用されてるMFP(Multifunction Peripheral/Product/Printer)であり、ユーザによってさまざまな設定を受け付ける操作パネル、読み取った原稿又は入力した入力画像データに基づいて印刷媒体上に画像を形成する。
【0011】
<画像検査装置>
画像検査装置4は、印刷媒体の第1の面及び第2の面にそれぞれ形成された画像に対して、第1のタイミングで一の機構により第1の面が読み取られた後に、印刷媒体の搬送方向に沿って反転された印刷媒体の第2の面が第2のタイミングで一の機構により読み取られることにより各々の画像を検査する装置である。なお、「一の機構」とは、画像形成装置3を構成する後述の読取ユニット360を示している。また、画像検査装置4は、印刷媒体上で発生している異常画像を検出(検査)し、画像形成装置3及びDFE5の少なくとも一方に対して所定の通知を送信する。なお、
図1において画像検査装置4は、画像形成装置3の内部に組み込まれた状態で記載されているが、便宜上の記載であってこれに限らない。つまり、画像検査装置4は、画像形成装置3と所定の接続I/Fを介して、それぞれが単独の装置として構築されるものであってもよい。
【0012】
<DFE(管理サーバ)>
DFE5(管理サーバ。以下、単に「DFE5」と記す)は、画像を形成するための入力画像を生成可能なサーバである。また、DFE5は、一般的なOSなどが搭載された通信を行うための情報処理装置(コンピュータシステム)によって実現され、画像検査システムを構築する一つの構成要素である。
【0013】
なお、DFE5は、一般的に使用されるPC(Personal Computer)、携帯型ノートPC、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等の単一のコンピュータによって構築されてもよいし、ストレージ等の各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されてもよい。また、DFE5の機能の全てまたは一部は、クラウド環境に存在するサーバコンピュータであってもよいし、オンプレミス環境に存在するサーバコンピュータであってもよい。DFE5は更に、ブラウザソフトウエア、各種アプリ等のソフトウエアを動作させることが可能な通信装置又は通信端末が用いられてもよい。
【0014】
上述したシステム構成に基づき、本実施形態では、印刷媒体に形成された画像の検査時に印刷媒体の第1の面及び第2の面に対する検査除外領域の設定を行う場合、印刷媒体に施された加工処理の位置に応じた第1の面及び第2の面に係る検査除外領域を一度に設定することを可能にする画像検査システム2(画像検査装置4)を提供する。
【0015】
●用語について●
本実施形態における「印刷媒体」とは、紙、プラスチック、布等のシート状の表面、裏面を有する媒体をいう。また、印刷媒体における第1の面は印刷媒体の表面を表し、第2の面は印刷媒体の裏面を表す。これにより、第1の面、第2の面は、印刷媒体の数(枚数)に関わらず一意に与えられるものとする(1枚でも複数枚でも、「表面」に対して第1の面、「裏面」に対して第2の面とする)。但し、印刷媒体における第1の面を印刷媒体の裏面、第2の面を印刷媒体の表面を表すようにしてもよい。
【0016】
また本実施形態における「表面」、「裏面」とは、印刷を行う際に付与されるページ番号の奇数ページ(例えば、1,3,5,・・・)で与えられる面を「表面」、偶数ページ(例えば、2,4,6,・・・)で与えられる面を「裏面」として扱うものとする。但し、偶数ページで与えられる面を「表面」、奇数ページで与えられる面を「裏面」として扱うようにしてもよい。
【0017】
<画像検査システムの内部構成>
次に、画像検査システム2の内部構成について説明する。
図1に示したように、画像管理システム1を構築する画像検査システム2は、画像形成装置3と、画像形成装置3で印刷媒体上に形成した画像の異常(欠陥)を検出する画像検査装置4と、スタッカと、を備える。なお、スタッカは、画像形成装置3の一部として機能する。
【0018】
画像形成装置3は、操作パネル340、タンデム式の電子写真方式の作像部3113K、3114C、3115M、3116Y、転写ベルト3111T、二次転写ローラ3112T、給紙部3105S、搬送ローラ対3116C、定着ローラ3117F、読取ユニット360及び反転パス3118Rを備える。
【0019】
操作パネル340は、画像形成装置3に対して、各種操作入力、各種画面の表示等を行う操作表示部である。
【0020】
作像部3113K、3114C、3115M、3116Yは、それぞれ、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、及びクリーニング工程)によりトナー像を形成し、形成したトナー像を転写ベルト3105に転写する。本実施形態では、作像部3113K上にブラックトナー像が形成され、作像部3114C上にシアントナー像が形成され、作像部3115M上にマゼンタトナー像が形成され、作像部3116Y上にイエロートナー像が形成される。但し、これに限定されるものではなく、作像部3113K、3114C、3115M、3116Yの配置の順番は適宜変更されてもよい。また、画像形成装置3は、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエロー以外の色のトナー像を形成する作像部を備えてもよい。ブラック、シアン、マゼンタ及びイエロー以外の色は、例えば白色等である。
【0021】
転写ベルト3111Tは、作像部3113K、3114C、3115M、3116Yにより重ね合わせて転写されたフルカラーのトナー像を、二次転写ローラ3112の二次転写位置に搬送する。本実施形態では、転写ベルト3111Tには、まず、イエロートナー像が転写(一次写)され、続いて、マゼンダトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像が順次重ね合わされて転写される。但し、これに限定されるものではなく、各色のトナー像が転写ベルト3111Tに転写される順番は適宜変更されてもよい。また、以下では、色を特に区別しない場合は、作像部3113K、3114C、3115M、3116Yを、作像部3103と称する。
【0022】
給紙部3105Sは、複数の印刷媒体が重ね合わせて収容されており、印刷媒体を給紙する。印刷媒体としては、記録紙(転写紙)等が挙げられるが、これに限定されるものではなく、画像を形成(印刷)可能な媒体であれば、コート紙、厚紙、OHP(Overhead Projector)シート、プラスチックフィルム、プリプレグ、及び銅箔等であってもよい。
【0023】
搬送ローラ対3116Cは、給紙部3105Sから給紙された印刷媒体を搬送路a上で矢印s方向に搬送する。
【0024】
二次転写ローラ3112Tは、転写ベルト3111Tにより搬送されたフルカラーのトナー像を、搬送ローラ対3116Cにより搬送された印刷媒体上に二次転写位置で一括転写(二次転写)する。
【0025】
定着ローラ3117Fは、フルカラーのトナー像が転写された印刷媒体を加熱及び加圧することにより、フルカラーのトナー像を印刷媒体に定着させる。
【0026】
画像形成装置3は、片面印刷の場合、フルカラーのトナー像が定着された印刷媒体を画像検査装置4へ送る。一方、画像形成装置3は、両面印刷の場合、フルカラーのトナー像が定着された印刷媒体を反転パス3118Rへ送る。
【0027】
反転パス3118Rは、送られた印刷媒体をスイッチバックすることにより印刷媒体の表面・裏面を反転して矢印t方向に搬送する。反転パス3118Rにより搬送された印刷媒体は、搬送ローラ対3116Cにより再搬送され、二次転写ローラ3112Tにより前回と逆側の面にフルカラーのトナー像が転写され、定着ローラ3117Fにより定着される。その後、印刷媒体は、画像検査装置4及び画像形成装置3のスタッカへ送られる。
【0028】
画像形成装置3の下流に配置された画像検査装置4は、制御回路420、画像検査ユニット420等を備え、画像形成装置3から送られた印刷媒体のエッジ位置、又は印刷媒体に形成された画像のエッジ位置の少なくとも一つを検出する。そして、検出が完了した印刷媒体を画像形成装置3のスタッカへ排紙する。なお、この画像検査装置4の構成の詳細については、
図3を用いて説明する。
【0029】
スタッカは、トレイ3121Sを備える。スタッカは、画像検査装置4から排紙された印刷媒体をトレイ3121Sにスタックする。
【0030】
読取ユニット360は、印刷媒体の一方の面側に設けられ、CIS(Contact Image Sensor;密着型イメージセンサ)等により実現される。より具体的には、読取ユニット360は、ミラー、レンズ及び画素アレイを備える。また、本実施形態において読取ユニット360は、上述したように印刷媒体の一方の面側、すなわち単数(一の機構)で動作する。
【0031】
また読取ユニット360は、読取対象である印刷媒体からの反射光を受光して、画像信号を出力する。具体的には、読取ユニット360は、画像形成装置3から送られた印刷媒体のエッジ(端部)、及び印刷媒体Mに形成された画像を含む画像信号を出力することができる。また、読取ユニット360は、印刷媒体の第1の面(表面)及び第2の面(裏面)にそれぞれ形成された画像に対して、第1の面(表面)を読み取る第1のタイミングよりも後の第2のタイミングで第2の面(裏面)を読み取る。この第1のタイミング及び第2のタイミングの時間差は、第1の面(表面)を読み取った後、上述した反転パス3118Rによって送られた印刷媒体をスイッチバックして第2の面(裏面)を読み取るまでに生じる時間差である。これにより、画像検査装置4は、印刷媒体の第1の面及び第2の面にそれぞれ形成された画像に対して、第1の面が読み取られる第1のタイミングよりも後の第2のタイミングで第2の面が読み取られることにより、各々の画像を検査することが可能になる。なお、本実施形態において読取ユニット360は画像形成装置3に含まれる構成を示したが、画像検査装置4に含まれる構成であってもよい。
【0032】
以上、画像形成装置3の内部構成について概略を説明したが、画像形成装置3は上述した内部構成に限らない。
【0033】
<加工に対する印刷媒体の表面及び裏面の位置関係>
次に、加工に対する印刷媒体の表面及び裏面の位置関係について説明する。
図2は、印刷媒体に施された加工に対する表面及び裏面の位置の一例を示す図である。
図2(a)は印刷媒体の表面における加工の位置を示すものである。
図2(a)では、印刷媒体Mの横方向を主走査方向、縦方向を主走査方向に直交する副走査方向(印刷媒体の搬送方向)としている。また、印刷媒体Mに施された加工処理は、
図2(a)の場合、印刷媒体Mの表面の長辺側に施された2箇所の孔開けである。この2箇所の孔開けでは、それぞれの孔の位置は、印刷媒体Mの搬送方向に対する二等分線に対して非対称の位置で孔開け処理が施された状態が示されている。
【0034】
他方、
図2(b)は印刷媒体の裏面における加工の位置を示すものである。
図2(b)は、
図2(a)に示した印刷媒体Mの表面の長辺側に施された2箇所の孔を、印刷媒体Mの二等分線を回転軸として180度回転させた状態で、印刷媒体Mの裏面から見た状態を示したものである。
図2(b)に示したように、2箇所の孔のそれぞれが印刷媒体Mの二等分線に対して対称でない場合、印刷媒体Mの表面における各孔の縦位置(搬送方向位置)は、例えば、印刷媒体Mの搬送方向のサイズと印刷媒体Mの表面に施された各孔の縦位置座標とに基づいて算出される。この算出の詳細については、後述する。
【0035】
〔ハードウエア構成〕
続いて、
図3及び
図4を用いて、実施形態に係る画像検査システムを構成する通信端末又は装置のハードウエア構成について説明する。なお、
図3及び
図4に示されている装置又は通信端末のハードウエア構成は、必要に応じて構成要素が追加又は削除されてもよい。
【0036】
<画像形成装置及び画像検査装置のハードウエア構成>
図3は、画像形成装置及び画像検査装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
図3に示されているように、画像形成装置3は、例えばMFP(Multi-Function Peripheral)であり、コントローラ310、近距離通信回路320、エンジン制御部330、操作パネル340、ネットワークI/F350、読取ユニット360、反転ユニット370及びDFE I/F390を含むハードウエア資源を備えている。
【0037】
これらのうち、コントローラ310は、コンピュータの主要部であるCPU301、システムメモリ(MEM-P)302、ノースブリッジ(NB)303、サウスブリッジ(SB)304、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)305、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)306、HDDコントローラ307及び記憶部であるHD308を有し、NB303とASIC305との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス321で接続した構成となっている。
【0038】
これらのうち、CPU301は、画像形成装置3の全体制御を行う制御部である。NB303は、CPU301と、MEM-P302、SB304及びAGPバス321とを接続するためのブリッジであり、MEM-P302に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0039】
MEM-P302は、コントローラ310の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM302a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM302bとからなる。なお、RAM302bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読取り可能な記録媒体に記録して提供されるようにしてもよい。
【0040】
SB304は、NB303とPCIデバイス及び周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC305は、画像処理用のハードウエア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス321、PCIバス322、HD308及びMEM-C306をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC305は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC305において所定の優先順位に従って各信号の駆動タイミングの調停を行うアービタ(Arbiter)、MEM-C306を制御するメモリコントローラ、ハードウエアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部331及びプリンタ部332との間でPCIバス322を介したデータ転送を行うPCIユニットを含む。なお、ASIC305には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェイスや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェイスが接続されるようにしてもよい。
【0041】
MEM-C306は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD308は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD308は、CPU301の制御にしたがってHD308に対するデータの読出し又は書込みを制御する。AGPバス321は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインターフェイスであり、MEM-P302に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0042】
また、近距離通信回路320には、近距離通信回路用アンテナ320aが備わっている。近距離通信回路320は、NFC、Bluetooth(登録商標。以下省略)等の通信回路である。
【0043】
更に、エンジン制御部330は、スキャナ部331、プリンタ部332及び通信部333によって構成されている。また、操作パネル340は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部340a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に係る条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等を含む操作ボタン部340bを備えている。本実施形態においてパネル表示部340aは、表示手段の一例として機能する。コントローラ310は、画像形成装置3全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル340からの入力等を制御する。スキャナ部331又はプリンタ部332には、誤差拡散やガンマ(γ)変換などの画像処理部分が含まれている。また、通信部333には、外部のファクシミリ通信機能を備えた装置との間をつなぐアナログ回線(公衆回線)を利用してファクシミリ通信を行なうためのアナログI/F、モデム(MODEM)、スピーカ等が含まれる。
【0044】
なお、画像形成装置3は、操作パネル340のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能及びファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0045】
ネットワークI/F350は、有線ケーブル又は通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェイスである。近距離通信回路320及びネットワークI/F350は、PCIバス322を介して、ASIC305に電気的に接続されている。
【0046】
読取ユニット360は、
図1に示した読取ユニット3131と同等のハードウエア資源を有し、画像が形成された印刷媒体上の画像を読み取る回路及び機構を有する。読取ユニット360は、PCIバス322を介して、ASIC305に電気的に接続されている。
【0047】
反転ユニット370は、
図1に示した反転機構4118と同等のハードウエア資源を有し、画像が形成された印刷媒体の第1の面(表面)と第2の面(裏面)とを反転させる回路及び機構を有する。反転ユニット370は、PCIバス322を介して、ASIC305に電気的に接続されている。
【0048】
DFE I/F390は、DFE5と接続するためのインターフェイスである。
【0049】
上述した近距離通信回路320、ネットワークI/F350、読取ユニット360、反転ユニット370、DFE I/F390は、ASIC205に接続されるPCIバス322を介して、画像検査装置4が有する後述の装置接続I/F410及び画像検査ユニット430とそれぞれ接続される。
【0050】
図3に示されているように、画像検査装置4は、例えばコンピュータであり、装置接続I/F410、制御回路420、画像検査ユニット430、ディスプレイ440、メモリ450を含むハードウエア資源を備えている。これらのうち、装置接続I/F410は、主に、画像形成装置3を接続するためのインターフェイスである。本実施形態では、装置接続I/F410は、例えば、PCI I/Fである。
【0051】
制御回路420は、画像検査装置4全体を制御する回路である。制御回路420には、CPU、ASIC、HDDコントローラを含む各ハードウエア資源が含まれる。また制御回路420は、上述したASIC等の集積回路で1チップ化された構成であってもよい。
【0052】
画像検査ユニット430は、制御回路420と協働して、印刷媒体上に形成された画像を検査するユニットである。画像検査ユニット430は、印刷媒体に形成された画像に対し、メモリ450に記憶された所定の基本画像等との比較を行い、例えば、所定の閾値に基づいて正常又は異常を判定するユニットである。
【0053】
ディスプレイ440は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字又は画像などの各種情報を表示する。本実施形態において、ディスプレイ440は、表示手段の一例として機能する。
【0054】
メモリ450は、ROM、RAM、EEPROM、HDを含む記憶媒体の総称である。本実施形態においてメモリ450は、上述した記憶媒体のうち少なくとも一つを有していればよい。
【0055】
本実施形態では、画像検査装置4は、画像形成装置3が有する記憶部3000を共有し、各種処理情報(データ)、画像検査装置4におけるハードウエア構成を制御する制御情報(データ)、画像データ等は、PCIバス322を介してやり取りされる。
【0056】
他方、画像検査装置4は、上述した画像形成装置3が有する各種ハードウエア資源を独立して有してもよい。すなわち、画像検査装置4が画像形成装置3と独立してCPU等の各種ハードウエア資源を有する場合は、画像検査装置4は、例えば、PCIバス322を介した全てのデータの授受を行わず、画像形成装置3と連携する処理に係る情報(データ)のみの授受を行うようにしてもよい。
【0057】
<DFEのハードウエア構成>
図4は、DFE(管理サーバ)のハードウエア構成の一例を示す図である。
図4に示されているように、DFE5は、例えばコンピュータによって構築されており、CPU501、ROM502、RAM503、EEPROM504、HD505、HDDコントローラ506、ディスプレイ507、近距離通信I/F508、CMOSセンサ509、撮像素子I/F510を備えている。DFE5は更に、ネットワークI/F511、キーボード512、ポインティングデバイス513、メディアI/F515、外部機器接続I/F516、音入出力I/F517、マイク518、スピーカ519及びバスライン520を備えている。
【0058】
これらのうち、CPU501は、DFE5全体の動作を制御する。ROM502は、CPU501の駆動に用いられるプログラム等を記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。EEPROM504は、CPU501の制御にしたがって、アプリ等の各種データの読出し又は書込みを行う。ディスプレイ507は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字又は画像などの各種情報を表示する。本実施形態において、ディスプレイ507は、表示手段の一例として機能する。近距離通信I/F508は、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth、Wi-Fi(登録商標。以下省略)等の無線通信インターフェイスを備える通信装置又は通信端末等とデータ通信を行うための通信回路である。CMOSセンサ509は、CPU501の制御にしたがって被写体を撮像して画像データ又は動画データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、撮像手段は、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等で構成される撮像手段であってもよい。撮像素子I/F510は、CMOSセンサ509の駆動を制御する回路である。
【0059】
ネットワークI/F511は、有線ケーブル又は無線通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェイスである。キーボード512は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。なお、DFE5は、キーボード512に代えて又は加えて、タッチパネル等の入力手段を有するものであってもよい。ポインティングデバイス513は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。メディアI/F515は、フラッシュメモリ等の記録メディア514に対するデータの読出し又は書込み(記憶)を制御する。外部機器接続I/F516は、各種の外部機器を接続するためのインターフェイスである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ等である。音入出力I/F517は、CPU501の制御にしたがってマイク518及びスピーカ519との間で音信号の入出力を処理する回路である。マイク518は、音を電気信号に変える内蔵型の回路であり、外部のスピーカ等から発する音声や音波を取得し電気信号を用いた情報を取得する。スピーカ519は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。バスライン520は、CPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0060】
なお、上記プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読取り可能な印刷媒体に記録、又はネットワークを介してダウンロードを行い流通させるようにしてもよい。印刷媒体の例として、CD-R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、Blu-ray Disc(Blu-rayは登録商標。以下省略)、SDカード、USBメモリ等が挙げられる。また、印刷媒体は、プログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ提供されることができる。例えば、画像検査装置4は、本発明に係るプログラムが実行されることで、本発明に係る画像検査方法を実現する。
【0061】
〔画像管理システムの機能構成〕
次に、
図5乃至
図7を用いて、本実施形態の機能構成について説明する。
図5は、画像管理システムの機能構成の一例を示す図である。なお、
図5は、
図1に示されている各種装置のうち、後述する処理又は動作に関連するものを示す。
【0062】
<画像形成装置の機能構成>
まず、
図5を用いて、画像形成装置の機能構成について説明する。
図5に示されているように、画像形成装置3は、送受信部31、操作受付部32、読取取得部33、表示制御部34、設定登録部36、生成・形成部37、実行処理部38及び記憶読出部39を有する。これら各機能部は、
図3に示された各ハードウエア資源のいずれかが、ROM302a、HD308のうち少なくとも一つからRAM302bに展開された画像形成装置3用のプログラムに従ったCPU301からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。また、画像形成装置3は、
図3に示されているROM302a、HD308のうち少なくとも一つにより構築される記憶部3000を有している。更に、記憶部3000には、DFE5及び画像検査装置4と有線ケーブル又は通信ネットワークを介して通信を行うための通信プログラム(通信アプリ)、ブラウザアプリ等が記憶されている。なお、画像検査装置4との接続においては、上述したように内部バスを介して互いに接続されてもよいため、その場合は、画像検査装置4との間において上述した通信プログラムは使用されない。
【0063】
<<画像形成装置の各機能構成>>
次に、画像形成装置の各機能構成について詳細に説明する。
図5に示されている画像形成装置3の送受信部31は、主に、ネットワークI/F350に対するCPU301の処理によって実現され、有線ケーブル又は通信ネットワークを介してDFE5の間で各種データ(又は情報)の送受信を行う。また、送受信部31は、PCIバス322を介して画像検査装置4との間で各種データ(又は情報)、画像データの送受信を行う。送受信部31は更に、操作受付部32により受け付けた入力情報を画像検査装置4に対して送信する。本実施形態において送受信部31は、第2の送信手段及び第1の受信手段のうち少なくとも一方の手段の一例として機能する。なお、本実施形態において入力情報は、画像形成装置3において入力された検査除外領域情報を含む情報を表す。
【0064】
操作受付部32は、主に、操作パネル340のパネル表示部340aが受け付けた各種操作により生成された信号をCPU301が処理することによって実現される。具体的には、操作受付部32は、操作パネル340のパネル表示部340a又は操作ボタン部340bに対するユーザによる各種条件設定入力を受け付ける。また操作受付部32は、印刷媒体の第1の面に形成された第1の画像を検査するための第1の検査領域に対し、印刷媒体に施された所定の加工処理を含む第1の検査除外領域に係る入力情報の入力を受け付ける。本実施形態において操作受付部32は、受付手段の一例として機能する。
【0065】
読取取得部33は、主に、スキャナ部331及び読取ユニット360に対するCPU301の処理によって実現され、画像形成装置3にセットされた原稿の画像を読み取り取得する。また読取取得部33は、画像が形成され、所定の加工が施された印刷媒体の第1の面(表面)及び第2の面(裏面)の画像を読み取り取得する。本実施形態において読取取得部33は、読取手段の一例、取得手段の一例として機能する。
【0066】
表示制御部34は、主に、操作パネル340に対するCPU301の処理によって実現され、画像形成装置3における各種画面及び情報(データ)の表示制御を行う。また表示制御部34は、例えば、ブラウザを用いて、HTML等により生成された表示画面を、操作パネル340に表示させる。本実施形態において表示制御部34は、表示制御手段の一例として機能する。
【0067】
設定登録部36は、主に、CPU301の処理によって実現され、印刷媒体種類等に係る各種設定を行う。本実施形態において設定登録部36は、設定手段の一例、登録手段の一例として機能する。
【0068】
生成・形成部37は、主に、プリンタ部332に対するCPU301の処理によって実現され、入力した入力画像データ、読み取った原稿に基づいて印刷用の画像データを生成し、印刷媒体上に画像を形成する。本実施形態において生成・形成部37は、生成手段、形成手段の一例として機能する。
【0069】
実行処理部38は、主に、CPU301の処理によって実現され、生成・形成部37が行う生成処理、形成処理の実行及び各種処理を行う。本実施形態において実行処理部38は、実行手段の一例として機能する。
【0070】
記憶読出部39は、主に、ROM302a、HD308に対するCPU301の処理によって実現され、記憶部3000に各種データ(又は情報)を記憶したり、記憶部3000から各種データ(又は情報)を読み出したりする。本実施形態において記憶読出部39は、記憶読出手段の一例として機能する。
【0071】
<画像検査装置の機能構成>
次に、画像検査装置の機能構成について説明する。
図5に示されているように、画像検査装置4は、送受信部41、表示制御部42、検出部43、判断部45、算出設定部46、生成部47、検査処理部48及び記憶読出部49を有する。また、画像検査装置4は、検出部43、判断部45、算出設定部46を含む画像比較検査部400を有する。これら各機能部は、
図3に示された各ハードウエア資源のいずれかが、画像形成装置3のROM302a、HD308のうち少なくとも一つからRAM302bに展開された画像検査装置4用のプログラムに従ったCPU301からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。また、画像検査装置4は、メモリ450により構築される記憶部4000を有している。また、記憶部4000には、画像形成装置3とPCIバス322を介して通信を行うための通信プログラム(通信アプリ)、ブラウザアプリ等が記憶されていてもよいし、PCIバス322を用いた通信プロトコルを実行可能な実行エリアが設けられていてもよい。
【0072】
本実施形態では、画像検査装置4は更に、画像形成装置3が有する記憶部3000を共有してもよい。つまり、画像検査装置4は、画像形成装置3が有する記憶部3000に記憶されている通信プログラム(通信アプリ)、ブラウザアプリ等を共有してもよい。但し、ハードウエア構成で説明したように、画像検査装置4が独立して制御回路420に含まれるCPU、ASIC等を有する構成の場合はこの限りではなく、上述したように記憶部4000を独立して有してもよい。
【0073】
<<画像検査装置の各機能構成>>
次に、画像検査装置の各機能構成について詳細に説明する。
図5に示されている画像検査装置4の送受信部41は、主に、装置接続I/F410に対する制御回路420の処理によって実現され、PCIバス322と接続可能な装置接続I/F410を介して画像形成装置3との間で各種データ(又は情報)の送受信を行う。また送受信部41は、印刷媒体の第1の面に形成された第1の画像を検査するための第1の検査領域に対し、印刷媒体に施された所定の加工処理を含む第1の検査除外領域に係る入力情報を受信する。また送受信部41は、入力情報として、所定の加工処理の周辺の幅及び幅を示す複数の座標で与えられた領域に係る情報を受信する。本実施形態において送受信部41は、第2の送信手段及び第1の受信手段のうち少なくとも一方の手段の一例として機能する。
【0074】
表示制御部42は、主に、ディスプレイ440に対する制御回路420の処理によって実現され、画像検査装置4における各種情報を含む画面をディスプレイ440に表示させる。本実施形態において表示制御部42は、表示制御手段の一例として機能する。
【0075】
検出部43は、主に、画像検査ユニット430に対する制御回路420の処理によって実現され、印刷媒体に形成された画像の検査を行い、異常等を検出する。本実施形態において検出部43は、検出手段の一例として機能する。
【0076】
判断部45は、主に、制御回路420の処理によって実現され、画像検査装置4における各種判断を行う。本実施形態において判断部45は、判断手段の一例として機能する。
【0077】
算出設定部46は、主に、制御回路420の処理によって実現され、画像形成装置3が送信した入力情報に基づいて、印刷媒体の第2の面に形成された第2の画像を検査するための第2の検査領域に含まれない第2の検査除外領域を設定する。また算出設定部46は、入力情報と印刷媒体の搬送方向に沿った長さ情報とに基づいて、第2の検査除外領域を設定する。また算出設定部46は、第2の検査除外領域を一括設定する操作に応じて、印刷媒体若しくは印刷媒体を形成する所定のジョブ全体へ対する第2の検査除外領域を設定する。また、算出設定部46は、画像検査装置4にて管理されている各種データテーブルに対する設定を行う。本実施形態において算出設定部46は、算出手段の一例、設定手段の一例として機能する。
【0078】
本実施形態において検出部43、判断部45、算出設定部46を含む画像比較検査部400は、画像の検査及び比較を総括的に行う画像比較検査手段として機能する。
【0079】
生成部47は、主に、制御回路420の処理によって実現され、画像形成装置3が送信したCMYKのRIP画像に基づくマスタ画像を生成する。また生成部47は、異常画像が検出された場合に、画像形成装置3に対して通知する通知データを生成する。本実施形態において生成部47は、生成手段の一例として機能する。
【0080】
検査処理部48は、主に、画像検査ユニット430に対する制御回路420の処理によって実現され、印刷媒体上に形成された第1の画像及び第2の画像の検査を行う。本実施形態において検査処理部48は、検査手段の一例、処理手段の一例として機能する。
【0081】
記憶読出部49は、主に、メモリ450に対する制御回路420の処理によって実現され、記憶部4000に各種データ(又は情報)を記憶したり、記憶部4000から各種データ(又は情報)を読み出したりする。本実施形態において記憶読出部49は、記憶読出手段の一例として機能する。
【0082】
●ジョブ情報管理テーブル●
図6は、ジョブ情報管理テーブルの一例を示す概念図である。なお、以下に説明するデータテーブルは一例であり、これに限るものではない。記憶部4000には、
図6に示されているようなジョブ情報管理テーブルによって構成されたジョブ情報管理DB4001が構築されている。ジョブ情報管理テーブルでは、パラメータごとに、説明、初期値の各項目が関連付けられて記憶、管理され、画像形成装置3で実行される各種ジョブに係る各種情報が一元管理される。
【0083】
これらのうち、パラメータは、画像形成装置3で実行される各種ジョブに係るパラメータを表す。パラメータは、例えば、ジョブ生成元、生成時刻、ページID、印刷面、印刷媒体ID、部数ID、ジョブID、印刷媒体種類、印刷媒体サイズ、ジョブ種類、検査除外領域等である。説明は、上述したパラメータの具体的な例を示す説明である。初期値は、各パラメータに与えられる初期値を表し、予め与えられた値若しくは生成元により設定される。
【0084】
本実施形態においてジョブ情報管理テーブル(ジョブ情報管理DB4001)は、ジョブ情報管理手段の一例として機能する。
【0085】
●検査除外領域管理テーブル●
図7は、検査除外領域管理テーブルの一例を示す概念図である。なお、以下に説明するデータテーブルは一例であり、これに限るものではない。記憶部4000には、
図7に示されているような検査除外領域管理テーブルによって構成された検査除外領域管理DB4002が構築されている。検査除外領域管理テーブルでは、印刷媒体IDごとに、印刷媒体サイズ、加工種類、非検知横幅1、非検知縦幅1、非検知横位置1、非検知縦位置1、非検知横幅n、非検知縦幅n、非検知横位置n、非検知縦位置nの各項目が関連付けられて記憶、管理されている。なお、検査除外領域管理DB4002で管理される項目における「非検知」とは、「検査除外」と同様の意味を有する。
【0086】
これらのうち、加工種類は、印刷媒体に施された加工処理の種類を表し、例えば、ミシン目、孔開け、角丸、エンボスが含まれる。非検知横幅1は、所定の加工処理を含む検査除外領域の主走査方向の幅の1個目の値を表す。非検知縦幅1は、所定の加工処理を含む検査除外領域の副主走査方向の幅の1個目の値を表す。非検知横位置1は、所定の加工処理を含む検査除外領域の印刷媒体Mにおける主走査方向の座標値の1個目の値を表す。非検知縦位置1は、所定の加工処理を含む検査除外領域の印刷媒体Mにおける副走査方向の座標値の1個目の値を表す。非検知横幅nは、所定の加工処理を含む検査除外領域の主走査方向の幅のn個目の値を表す。非検知縦幅nは、所定の加工処理を含む検査除外領域の副主走査方向の幅のn個目の値を表す。非検知横位置nは、所定の加工処理を含む検査除外領域の印刷媒体Mにおける主走査方向の座標値のn個目の値を表す。非検知縦位置nは、所定の加工処理を含む検査除外領域の印刷媒体Mにおける副走査方向の座標値のn個目の値を表す。
【0087】
なお、
図7に示した例では便宜上、加工種類が2箇所の孔開けの場合、二つ目の孔を幅及び位置のサフィックスnで示される各項目に記載しているが、この限りではなく、幅及び位置のサフィックス2(n=2)で示される各項目に記載して管理してもよい。同様に、加工種類が矩形の印刷媒体の角4箇所に対して施される角丸の場合、四つ目の角丸加工処理を示す各設定値は、幅及び位置のサフィックス2(n=4)で示される各項目に記載して管理してもよい。
【0088】
本実施形態において検査除外領域管理テーブル(検査除外領域管理DB4002)は、検査除外領域管理手段の一例として機能する。
【0089】
<DFE(管理サーバ)の機能構成>
図5に戻り、DFEの機能構成について説明する。
図5に示されているように、DFE5は、送受信部51、操作受付部52、取得処理部53、表示制御部54、生成部57及び記憶読出部59を有する。これら各機能部は、
図4に示された各ハードウエア資源のいずれかが、ROM502、EEPROM504、HD505及び記録メディア514のうち少なくとも一つからRAM503に展開されたDFE5用のプログラムに従ったCPU501からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。また、DFE5は、
図4に示されているROM502、EEPROM504、HD505及び記録メディア514のうち少なくとも一つにより構築される記憶部5000を有している。更に、記憶部5000には、画像形成装置3と通信を行うための通信プログラム(通信アプリ)、ブラウザアプリ等が記憶されている。
【0090】
<<DFE(管理サーバ)各機能構成>>
次に、DFE5の各機能構成について詳細に説明する。
図5に示されているDFE5の送受信部51は、主に、ネットワークI/F511及び近距離通信I/F508に対するCPU501の処理によって実現され、有線ケーブル等を介して画像形成装置3との間で各種データ(又は情報)の送受信を行う。本実施形態において送受信部51は、送信手段及び受信手段のうち少なくとも一方の手段の一例として機能する。なお、DFE5と画像形成装置3との間の通信は、所定の無線通信ネットワークを介した無線通信が行われてもよい。
【0091】
操作受付部52は、主に、キーボード512及びポインティングデバイス513のうち少なくとも一方が受け付けた各種操作により生成された信号をCPU501が処理することによって実現される。具体的には、操作受付部52は、キーボード512及びポインティングデバイス513のうち少なくとも一方に対するユーザによる各種条件設定入力を受け付ける。なお、操作受付部52は、キーボード512及びポインティングデバイス513に代えて又は加えて、タッチパネル等の入力手段が受け付けた各種操作により生成された信号が用いられてもよい。本実施形態において操作受付部52は、受付手段の一例として機能する。
【0092】
取得処理部53は、主に、CPU501の処理によって実現され、画像形成装置3が送信した設定要求等を取得する。本実施形態において取得処理部53は、取得処理手段の一例として機能する。
【0093】
表示制御部54は、主に、ディスプレイ507に対するCPU501の処理によって実現され、DFE5における各種画面及び情報(データ)の表示制御を行う。また、表示制御部54は、例えば、ブラウザを用いて、HTML等により生成された表示画面を、ディスプレイ407に表示させてもよい。本実施形態において表示制御部54は、表示制御手段の一例として機能する。
【0094】
生成部57は、主に、CPU501の処理によって実現され、画像形成装置3で実行されるジョブデータを生成する。本実施形態において生成部57は、生成手段の一例として機能する。
【0095】
記憶読出部59は、主に、ROM502、EEPROM504、HD505及び記録メディア514のうち少なくとも一つに対するCPU501の処理によって実現され、記憶部5000に各種データ(又は情報)を記憶したり、記憶部5000から各種データ(又は情報)を読み出したりする。本実施形態において記憶読出部59は、記憶読出手段の一例として機能する。
【0096】
〔実施形態の処理又は動作〕
次に、
図8乃至
図15を用いて、実施形態に係る画像検査システムにおける各処理又は動作を説明する。なお、以降に示すシーケンス図は、本実施形態を説明するための一例であり、これらに限らない。
【0097】
<検査除外領域設定処理>
まず、検査除外領域設定処理について説明する。
図8は、画像管理システムにおける検査除外領域設定処理の一例を示すシーケンス図である。
図8に示されているように、画像形成装置3の表示制御部34は、検査領域設定画面を表示させる(ステップS11)。具体的には、表示制御部34は、後述する検査領域設定画面を操作パネル340のパネル表示部340aに表示させる。
【0098】
●画面表示例●
図9は、画像形成装置における検査領域設定画面の一例を示す図である。画像形成装置3の操作パネル340のパネル表示部340aには、表示制御部34によって検査領域設定画面3011が表示される。検査領域設定画面3011では、検査対象となる印刷媒体に形成された画像(この場合は表面のサムネイル画像)、印刷媒体サイズ入力欄3141、加工種類入力欄3142、領域種別選択領域3151、領域設定に係る横幅設定領域3152、縦幅設定領域3153、横位置設定領域3154、縦位置設定領域3155、「確定」ボタン3251、「一括設定」ボタン3252、「設定完了」ボタン3253、「設定取消」ボタン3254がそれぞれ表示される。
【0099】
これらのうち、領域種別選択領域3151では、プルダウンキーの操作により、「検査除外領域」を含む領域の選択が可能である。領域設定に係る横幅設定領域3152、縦幅設定領域3153、横位置設定領域3154、縦位置設定領域3155では、ユーザ(利用者)による所望の値の入力が受け付けられる。ユーザ(利用者)は、サムネイル画像の原点Oを基準にした横位置又は縦位置の所望の値を求め、横位置設定領域3154、縦位置設定領域3155に入力することができる。「確定」ボタン3251は、上述した各入力を確定させるためのボタンである。「一括設定」ボタン3252は、検査除外領域に係る設定値を印刷媒体へ適用させるため、又は、実行対象のジョブ全体へ適用させるために操作されるボタンである。「一括設定」ボタン3252への操作に対する詳細説明は後述する。「設定完了」ボタン3253は、検査領域設定画面3011における入力を完了するためのボタンであり、「設定取消」ボタン3254は、検査領域設定画面3011における入力をキャンセルするためのボタンである。
【0100】
なお、横位置設定及び縦位置設定の設定箇所が複数存在する場合、「確定」ボタン3251を操作した後に再度、横位置設定領域3154及び縦位置設定領域3155に所望の値を入力し「確定」ボタン3251を操作するようにして入力を繰り返すようにしてもよい。その場合、画像形成装置3は、記憶部3000の所定の領域に入力した設定値を一時的に記憶させておくようにする。
【0101】
●画面表示例●
図10は、画像形成装置における検査領域設定画面のうち、裏面へ適用する場合の一例を示す図である。
図9に示した検査領域設定画面3011の領域種別選択領域3151において、プルダウンキーへの操作により「検査除外領域」が選択され「一括設定」ボタン3252が操作されると、
図10に示した検査領域設定画面3021が表示制御部34によって表示される(切り替えられる)。なお、
図10に示した検査領域設定画面3021は、裏面へ適用させる場合のみの設定画面の一例である。
【0102】
検査領域設定画面3021では、ページ1(表面)のサムネイル画像とページ2(裏面)のサムネイル画像とが、それぞれ原点Oを基準に並べて表示される。それぞれのサムネイル画像には、所定の加工処理の一例であるミシン目3100(点線部分)が施された状態が示されており、その周辺の表面の矩形3101及び裏面の矩形3102がユーザ(利用者)によって入力され印刷媒体のサイズに合わせて算出、設定された検査除外領域として示されている。
【0103】
この状態で検査除外領域設定の「裏面へ適用」を示すチェックボックス3161にチェックが入れられると、それぞれのサムネイル画像で示された検査除外領域が設定される。更にこの状態で「次へ」ボタン3255が操作された場合、表示制御部34によって後述する検査領域設定画面3031が表示される。また、ユーザ(利用者)は、「戻る」ボタン3256を操作することで、検査領域設定画面3011に戻ることができる。
【0104】
●画面表示例●
図11は、画像形成装置における検査領域設定画面のうち、裏面、印刷媒体、ジョブ全体へ適用する場合の一例を示す図である。
図11では、表示制御部34によって検査領域設定画面3031が表示される。検査領域設定画面3031は、
図10に示した検査領域設定画面3021に対し、チェックボックスとして「印刷媒体へ適用」を示すチェックボックス3162、及び「ジョブ全体へ適用」を示すチェックボックス3163が追加表示されている。なお、検査領域設定画面3021、検査領域設定画面3031の表示切替えについては、例えば、ユーザ(利用者)が「一括設定」ボタン3252を繰り返し操作(トグル操作)することにより、表示制御部34が、上述の画面を都度切り替えるようにしてもよい。
【0105】
●画面表示例●
図12は、画像形成装置における検査領域設定画面のうち、印刷媒体へ適用する一例を示す図である。
図12では、表示制御部34によって検査除外領域を含む検査領域のサムネイル画像と印刷媒体への適用メッセージとを含む検査領域設定画面3041が表示される。検査領域設定画面3041は、
図11に示した検査領域設定画面3031に表示された「印刷媒体へ適用」を示すチェックボックス3162にチェックが入れられた状態で、「次へ」ボタン3255が操作された場合に表示される検査領域設定画面である。検査領域設定画面3041で、ユーザ(利用者)は「印刷媒体へ適用」を示すチェックボックス3172にチェックが入っていることを確認し、「確定」ボタン3257を操作することで、
図9に示した検査領域設定画面3011に入力した検査除外領域を含む設定値が、印刷媒体へ適用される。なお、印刷媒体への適用処理は、後述する画像検査装置4において実行される。
【0106】
●画面表示例●
図13は、画像形成装置における検査領域設定画面のうち、ジョブ全体へ適用する一例を示す図である。
図13では、表示制御部34によって検査除外領域を含む検査領域のサムネイル画像とジョブ全体への適用メッセージとを含む検査領域設定画面3051が表示される。検査領域設定画面3051は、
図11に示した検査領域設定画面3031に表示された「ジョブ全体へ適用」を示すチェックボックス3163にチェックが入れられた状態で、「次へ」ボタン3255が操作された場合に表示される検査領域設定画面である。検査領域設定画面3051で、ユーザ(利用者)は「ジョブ全体へ適用」を示すチェックボックス3173にチェックが入っていることを確認し、「確定」ボタン3257を操作することで、
図9に示した検査領域設定画面3011に入力した検査除外領域を含む設定値が、実行対象のジョブ全体へ適用される。なお、ジョブ全体への適用処理は、後述する画像検査装置4において実行される。
【0107】
図8に戻り、操作受付部32は、各種情報入力を受け付ける(ステップS12)。この処理は、上述した
図9乃至
図13で示した各検査領域設定画面に対するユーザ(利用者)による所望の情報の入力を受け付ける処理である。
【0108】
次に、送受信部31は、画像検査装置4に対して各種情報設定要求を送信する(ステップS13)。これにより、画像検査装置4の送受信部41は、画像形成装置3が送信した各種情報設定要求を受信する。このとき、各種情報設定要求には、検査除外領域管理DB4002(
図7参照)で記憶、管理される検査除外領域情報(印刷媒体サイズ情報、加工種類情報、各種設定値情報)が含まれる。
【0109】
次に、画像検査装置4の画像比較検査部400(詳細には算出設定部46)は、検査除外領域の設定を行う(ステップS14)。具体的には、算出設定部46は記憶読出部49を介して、ステップS13で受信した検査除外領域情報を、検査除外領域管理DB4002(
図7参照)の対応する印刷媒体サイズ、加工種類、各種設定値の対応する項目に記憶させる。また、記憶読出部49は、ジョブ情報管理DB4001の対応する項目に対して、実行されるジョブで使用される印刷媒体の印刷媒体IDを取得し、この印刷媒体IDに関連付けられたジョブ等のパラメータに対応する処理機を画像形成装置3から受信して記憶させるようにしてもよい。
【0110】
ここで、検査除外領域の詳細設定について一例を説明する。例えば、A4縦(210mm×297mm)の印刷媒体に対してミシン目を加工処理した印刷媒体上に形成された画像を検査する場合を考える。画像検査装置4の画像比較検査部400(詳細には算出設定部46)は、記憶読出部49を介して、印刷媒体ID若しくは印刷媒体サイズ及び加工処理を検索キーとして検査除外領域管理DB4002を検索し、対応する非検知幅(横、縦の各値)、非検知位置(横、縦の各値)を読み出す。続いて、算出設定部46は、読み出した各値から、印刷媒体の第2の面(裏面)における検査除外領域を算出する。このときの印刷媒体の第2の面(裏面)における検査除外領域の算出方法は、例えば、以下のとおりである。
【0111】
算出設定部46は、例えば、
図2に示した第1の面と第2の面における所定の加工処理の相対位置、及び
図7に示した非検知領域の設定値を参照し、入力情報(検査除外領域情報、すなわち非検知領域の設定値情報)と印刷媒体の搬送方向に沿った長さ情報(印刷媒体サイズ)とに基づいて、第2の検査除外領域を算出し設定する。つまり、算出設定部46は、印刷媒体における第2の面(裏面)における検査除外領域を、印刷媒体における第1の面(表面)に対して入力された入力情報に基づいて設定する。そして、算出設定部46は、算出した各値を、記憶部4000の所定の領域に記憶させる。なお、算出設定部46は、
図7に示した検査除外領域管理DB4002に、算出した各値を新たな項目として記憶、管理するようにしてもよい。
【0112】
なお、所定の加工処理が上述したミシン目の場合、印刷媒体の第1の面と第2の面の副走査方向の検査除外位置(非検知位置)に係る設定値は変わらない。しかし、所定の加工処理が印刷媒体の搬送方向に沿って施された2箇所の孔開けで、それぞれの孔の副走査方向に対する距離が印刷媒体の二等分線に対して異なる場合(二等分線に対して非対称である場合)は、印刷媒体の第2の面(裏面)における検査除外位置(非検知位置)に係る設定値を変更する必要がある。その場合の変更する方法は、上述したとおりである。
【0113】
次に、送受信部41は、ステップS13で受信した各種情報設定要求に対する応答として、画像形成装置3に対して、各種情報設定応答を送信する(ステップS15)。これにより、画像形成装置3の送受信部31は、画像検査装置4が送信した各種情報設定応答を受信する。
【0114】
次に、画像形成装置3の送受信部31は、DFE5に対して設定要求を送信する(ステップS16)。これにより、DFE5の送受信部51は、画像形成装置3が送信した設定要求を受信する。このとき、設定要求には、画像形成のための画像データが含まれる。
【0115】
次に、DFE5の取得処理部53は、画像データを取得する(ステップS17)。具体的には、取得処理部53は、送受信部51を介して受信した画像データを取得する。
【0116】
次に、取得処理部53は、RIP処理を行う(ステップS18)。具体的には、取得処理部53は、取得した画像データを用いて、印刷に適した形に変換されたRIP画像を生成する。なお、RIP処理によるRIP画像データの生成及び取得については、既存の方法によるものでかまわない。
【0117】
次に、生成部57は、ジョブデータを生成する(ステップS19)。具体的には、生成部57は、ステップS18で処理されたRIP画像をもとに、ジョブデータを生成する。このときのジョブデータには、RIP画像データ、印刷媒体情報(印刷媒体の種類情報)が含まれる。
【0118】
次に、操作受付部52は、画像形成指示を受け付ける(ステップS20)。ここでの画像指示の受付の詳細は、既存の方法を利用することが可能であるため、詳細の説明を省略する。
【0119】
続いて、送受信部51は、ステップS16で受信した設定要求に対する応答として、画像形成装置3に対して、設定応答を送信する(ステップS21)。これにより、画像形成装置3の送受信部31は、DFE5が送信した設定応答を受信する。このとき、設定応答には、設定要求に対する応答を示すメッセージ、フラグ情報等が含まれてよい。
【0120】
なお、
図8に示したシーケンス図は一例であり、上述した各種処理はこれに限らない。
【0121】
本実施形態に係る画像検査システムでは、例えば、上述したステップS13及びS15の処理が実行される場合、画像形成装置3と画像検査装置4との間に他の装置等が存在してもよい。つまり、画像形成装置3と画像検査装置4との間で送受信される各情報(データ)は、一度他の装置等を介して送受信されるような構成であってもよい。上述した構成は、画像形成装置3と画像検査装置4との間に他の処理ステップが存在した場合でも適用することが可能である。
【0122】
また本実施形態に係る画像検査システムでは、例えば、上述したステップS16及びS21の処理が実行される場合、DFE5と画像形成装置3との間に他の装置等が存在してもよい。つまり、DFE5と画像形成装置3との間で送受信される各情報(データ)は、一度他の装置等を介して送受信されるような構成であってもよい。上述した構成は、DFE5と画像形成装置3との間に他の処理ステップが存在した場合でも適用することが可能である。
【0123】
<画像検査処理>
次に、画像検査処理について説明する。
図14は、画像管理システムにおける画像検査処理の一例を示すシーケンス図である。
図14に示されているように、まず、DFE5の送受信部51は、画像形成装置3に対して。画像形成指示要求を送信する(ステップS31)。これにより、画像形成装置3の送受信部31は、DFE5が送信した画像形成指示要求を受信する。このとき、画像形成指示要求には、ジョブコマンドを示すコマンドデータ、RIP画像データが含まれる。なお、ステップS31の処理は、上述したステップS21の設定応答の処理において実行されてもよい。
【0124】
次に、画像形成装置3の実行処理部38は、生成・形成部37とともに画像形成処理を実行する(ステップS32)。
【0125】
次に、送受信部31は、画像検査装置4に対して画像検査要求を送信する(ステップS33)。これにより、画像検査装置4の送受信部41は、画像形成装置3が送信した画像検査要求を受信する。このとき、画像検査要求には、入力画像に基づいて処理されたRIP画像データ、印刷媒体の種類を示す印刷媒体情報が含まれる。
【0126】
次に、画像検査装置4の検査処理部48は、画像検査処理を実行する(ステップS34)。具体的には、検査処理部48は、ステップS33で受信したRIP画像データ及び印刷媒体情報で示される画像データと、画像形成装置で読み込まれた印刷媒体(印刷物)上に形成された画像データと、RIP画像に基づいて生成したマスタ画像と、記憶部4000の所定領域に記憶された印刷媒体に対応する検査除外領域情報と、を用いて検査領域中の画像を比較する。その後、検査処理部48は、検査領域中の画像(所定の領域、画像等)に対して行った比較において、所定の閾値以上又は所定の閾値を超えた場合にその比較対象に異常が発生したかを判断部45と協働して判断する。
【0127】
次に、生成部47は、通知画面データを生成する(ステップS35)。具体的には、生成部47は、記憶読出部49を介して検査結果を表す通知画面データを生成する。このとき、生成部47は記憶読出部49を介して、記憶部4000の他の所定領域に、生成した通知画面データを記憶させてもよい。
【0128】
次に、送受信部41は、ステップS33で受信した画像検査要求に対する応答として、画像形成装置3に対して画像検査応答を送信する(ステップS36)。これにより、画像形成装置3の送受信部31は、画像検査装置4が送信した画像検査応答を受信する。このとき、画像検査応答には、ステップS35で生成された通知画面データが含まれる。
【0129】
次に、画像形成装置3の表示制御部34は、通知画面を表示させる(ステップS37)。具体的には、表示制御部34は、パネル表示部340aにステップS36で受信した通知画面データに係る通知画面を表示させる。
【0130】
●画面表示例●
図15は、画像形成装置における画像検査結果通知画面の一例を示す図である。
図15に示すように、画像形成装置3の操作パネル340を構成するパネル表示部340aには、表示制御部34によって画像検査結果通知画面3211が表示される。画像検査結果通知画面3211には、検査結果として異常が発見されたことを示すメッセージと、検査が行われた印刷媒体上に形成された画像のサムネイル画像、及び確認ボタン3258が表示される。このとき、サムネイル画像には、異常が発見された印刷媒体の第1の面及び第2の面のうちの少なくとも一方の面の画像中に、異常を示すオブジェクト(例えば、円形状の点)と、そのオブジェクトを囲む矩形が表示される。これにより、ユーザ(利用者)は、検査対象の印刷媒体における検査結果と異常が発生した箇所及び異常を示すオブジェクトとを同時に確認することができる。ユーザ(利用者)はまた、「確認」ボタン3258を操作することで、検査結果に関する他の画面に遷移させることもできる。
【0131】
図14に戻り、送受信部41は、DFE5に対して、画像検査応答を送信してもよい。これにより、DFE5の送受信部51は、画像形成装置3が送信した画像検査応答を受信する。このとき、画像検査応答には、画像形成装置3がステップS36で受信した通知画面データが含まれてよい。
【0132】
次に、DFE5の表示制御部54は、ディスプレイ507に通知画面を表示させてもよい。具体的には、、DFE5の表示制御部54は、画像形成装置3が送信した通知画面データに係る通知画面をディスプレイ507に表示させることができる。
【0133】
なお、
図14に示したシーケンス図は一例であり、上述した画像検査処理はこれに限らない。
【0134】
〔実施形態の主な効果〕
以上説明したように本実施形態によれば、画像検査装置4は、印刷媒体の第1の面に形成された第1の画像を検査するための第1の検査領域に対し、印刷媒体に施された所定の加工処理を含む第1の検査除外領域に係る検査除外領域情報を受信し(ステップS13)、受信した検査除外領域情報、すなわち非検知領域の設定値情報と印刷媒体の搬送方向に沿った長さ情報(印刷媒体サイズ)とに基づいて、印刷媒体の第2の面における検査除外領域を算出し設定する(ステップS14)。これにより、印刷媒体の第1の面及び第2の面にそれぞれ形成された画像に対して、第1のタイミングで一の機構により第1の面が読み取られた後に、印刷媒体の搬送方向に沿って反転された印刷媒体の第2の面が第2のタイミングで一の機構により読み取られることにより各々の画像の検査が行われる構成であっても、印刷媒体に施された加工処理の位置に応じた第1の面及び第2の面に係る検査除外領域を一度に設定することが可能になる、という効果を奏する。
【0135】
〔実施形態の補足〕
上述した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウエアによって各機能を実行するようプログラミングされたデバイスを含むものとする。このデバイスとは、例えば、プロセッサ、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)、SOC(System on a chip)、GPU(Graphics Processing Unit)、及び従来の回路モジュール等をいう。
【0136】
また、上述した実施形態において、検査除外領域の設定処理を機械学習(人工知能:AIを利用した学習)によって実行するような画像検査システムが構築されてもよい。この場合、例えば、画像検査装置4は、画像形成装置3に対して入力された所定の加工処理の種類に応じた検査除外領域の設定値と印刷媒体の種類とを関連付けて管理する。この状態で所定の加工処理が施された新たなジョブが実行される場合に、画像検査装置4は、画像が形成され所定の加工処理が施された印刷媒体を予め読み込んだ画像情報(領域設定情報)を画像形成装置3から取得する。その後、画像検査装置4は、取得した画像情報に対して機械学習を利用して検査除外領域を自動設定するようにしてもよい。このような処理を行うことにより、利用者により検査除外領域の入力を省略させることを可能にするシステムが構築されてもよい。
【0137】
これまで本発明の一実施形態に係る画像検査装置、画像検査システム、画像検査方法及びプログラムについて説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態の追加、変更又は削除等、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0138】
■まとめ■
本発明に係る態様は、例えば、以下のとおりである。
【0139】
<第1態様>
第1態様としての印刷媒体の第1の面及び第2の面にそれぞれ形成された画像に対して、第1のタイミングで一の機構により第1の面が読み取られた後に、印刷媒体の搬送方向に沿って反転された印刷媒体の第2の面が第2のタイミングで一の機構により読み取られることにより各々の画像を検査する画像検査装置4(画像検査装置の一例。以下省略)は、第1の面に形成された第1の画像を検査するための第1の検査領域に対し、印刷媒体に施された所定の加工処理を含む第1の検査除外領域に係る入力情報を受信する送受信部41(第1の受信手段の一例。以下省略)と、受信した入力情報に基づいて、第2の面に形成された第2の画像を検査するための第2の検査領域に含まれない第2の検査除外領域を設定する算出設定部46(算出手段の一例、設定手段の一例。以下省略)と、を有する。
【0140】
第1態様によれば、印刷媒体の第1の面及び第2の面にそれぞれ形成された画像に対して、第1のタイミングで一の機構により第1の面が読み取られた後に、印刷媒体の搬送方向に沿って反転された印刷媒体の第2の面が第2のタイミングで一の機構により読み取られることにより各々の画像の検査が行われる構成であっても、印刷媒体に施された加工処理の位置に応じた第1の面及び第2の面に係る検査除外領域を一度に設定することが可能になる。
【0141】
<第2態様>
第2態様としての画像検査装置4の送受信部41は、第1態様において、入力情報として、所定の加工処理の周辺の幅及び幅を示す複数の座標で与えられた領域に係る情報を受信する。
【0142】
第2態様によれば、第1態様による効果と同様に効果を得ることが可能になる。
【0143】
<第3態様>
第3態様としての画像検査装置4の算出設定部46は、第1態様又は第2態様において、入力情報と印刷媒体の搬送方向に沿った長さ情報とに基づいて、第2の検査除外領域を設定する。
【0144】
第3態様によれば、第1態様による効果と同様に効果を得ることが可能になる。
【0145】
<第4態様>
第4態様としての画像検査装置4の算出設定部46は、第1態様乃至第3態様のいずれかにおいて、第2の検査除外領域を一括設定する操作に応じて、印刷媒体若しくは印刷媒体を形成する所定のジョブ全体に対する第2の検査除外領域を設定する。
【0146】
第4態様によれば、第1態様による効果と同様に効果を得ることが可能になる。
【0147】
<第5態様>
第5態様としての画像検査装置4で対象となる所定の処理は、第1態様乃至第4態様のいずれかにおいて、印刷媒体に対するミシン目、孔開け、角丸、エンボスを含む加工処理である。
【0148】
第5態様によれば、第1態様による効果と同様に効果を得ることが可能になる。
【0149】
<第6態様>
第6態様としての画像検査装置4は、第1態様乃至第5態様のいずれかにおいて、印刷媒体上に形成された第1の画像及び第2の画像の検査を行う検査処理部48(検査手段の一例。以下省略)を有する。
【0150】
第6態様によれば、第1態様による効果に加えて、設定した検査除外領域を除く印刷媒体の検査領域に対して画像の検査を行うことが可能になる。
【0151】
<第7態様>
第7態様としての画像検査システム2(画像検査システムの一例。以下省略)は、入力画像データに基づいて印刷媒体上に画像を形成し、印刷媒体上に所定の加工を施す画像形成装置3(画像形成装置3の一例。以下省略)と、印刷媒体の第1の面及び第2の面にそれぞれ形成された画像に対して、第1のタイミングで一の機構により第1の面が読み取られた後に、印刷媒体の搬送方向に沿って反転された印刷媒体の第2の面が第2のタイミングで一の機構により読み取られることにより各々の画像を検査する画像検査装置4(画像検査装置の一例。以下省略)と、を有し、画像形成装置3は、第1の面に形成された第1の画像を検査するための第1の検査領域に対し、印刷媒体に施された所定の加工処理を含む第1の検査除外領域に係る入力情報の入力を受け付ける操作受付部32(受付手段の一例。以下省略)と、受け付けた入力情報を画像検査装置4に対して送信する送受信部31(第1の送信手段の一例。以下省略)と、を有し、画像検査装置4は、入力情報を受信する送受信部41(第1の受信手段の一例。以下省略)と、受信した入力情報に基づいて、第2の面に形成された第2の画像を検査するための第2の検査領域に含まれない第2の検査除外領域を設定する算出設定部46(算出手段の一例、設定手段の一例。以下省略)と、を有する。
【0152】
第7態様によれば、第1態様と同様に、印刷媒体の第1の面及び第2の面にそれぞれ形成された画像に対して、第1のタイミングで一の機構により第1の面が読み取られた後に、印刷媒体の搬送方向に沿って反転された印刷媒体の第2の面が第2のタイミングで一の機構により読み取られることにより各々の画像の検査が行われる構成であっても、印刷媒体に施された加工処理の位置に応じた第1の面及び第2の面に係る検査除外領域を一度に設定することが可能になる。
【0153】
<第8態様>
画像形成装置3は、第7態様において更に、画像検査装置4によって検査された第1の画像及び第2の画像の少なくとも一方に係る検査結果を表す検査画面データを受信する送受信部31(第2の受信手段の一例。以下省略)と、受信した検査画面データをパネル表示部340a(表示手段の一例。以下省略)に表示させる表示制御部34(表示制御手段の一例。以下省略)と、を有する。
【0154】
第8態様によれば、第1態様による効果と同様に効果を得ることが可能になる。
【0155】
<第9態様>
第9態様としての印刷媒体の第1の面及び第2の面にそれぞれ形成された画像に対して、第1のタイミングで一の機構により第1の面が読み取られた後に、印刷媒体の搬送方向に沿って反転された印刷媒体の第2の面が第2のタイミングで一の機構により読み取られることにより各々の画像を検査する画像検査装置4(画像検査装置の一例。以下省略)が実行する画像検査方法は、印刷媒体の第1の面に形成された第1の画像を検査するための第1の検査領域に対し、印刷媒体に施された所定の加工処理を含む第1の検査除外領域に係る入力情報を受信する受信ステップと、受信した入力情報に基づいて、印刷媒体の第2の面に形成された第2の画像を検査するための第2の検査領域に含まれない第2の検査除外領域を設定する設定ステップと、を含む処理を実行する。
【0156】
第9態様によれば、第1態様と同様に、印刷媒体の第1の面及び第2の面にそれぞれ形成された画像に対して、第1のタイミングで一の機構により第1の面が読み取られた後に、印刷媒体の搬送方向に沿って反転された印刷媒体の第2の面が第2のタイミングで一の機構により読み取られることにより各々の画像の検査が行われる構成であっても、印刷媒体に施された加工処理の位置に応じた第1の面及び第2の面に係る検査除外領域を一度に設定することが可能になる。
【0157】
<第10態様>
第10態様としてのプログラムは、印刷媒体の第1の面及び第2の面にそれぞれ形成された画像に対して、第1のタイミングで一の機構により第1の面が読み取られた後に、印刷媒体の搬送方向に沿って反転された印刷媒体の第2の面が第2のタイミングで一の機構により読み取られることにより各々の画像を検査する画像検査装置4(画像検査装置の一例。以下省略)に、印刷媒体の第1の面に形成された第1の画像を検査するための第1の検査領域に対し、印刷媒体に施された所定の加工処理を含む第1の検査除外領域に係る入力情報を受信する受信ステップと、受信した入力情報に基づいて、印刷媒体の第2の面に形成された第2の画像を検査するための第2の検査領域に含まれない第2の検査除外領域を設定する設定ステップと、を含む処理を実行させる。
【0158】
第10態様によれば、第1態様と同様に、印刷媒体の第1の面及び第2の面にそれぞれ形成された画像に対して、第1のタイミングで一の機構により第1の面が読み取られた後に、印刷媒体の搬送方向に沿って反転された印刷媒体の第2の面が第2のタイミングで一の機構により読み取られることにより各々の画像の検査が行われる構成であっても、印刷媒体に施された加工処理の位置に応じた第1の面及び第2の面に係る検査除外領域を一度に設定することが可能になる。
【符号の説明】
【0159】
1 画像管理システム
2 画像検査システム
3 画像形成装置
4 画像検査装置
5 DFE(管理サーバの一例)
31 送受信部(第2の受信手段の一例、第1の送信手段の一例)
32 操作受付(操作受付手段の一例)
33 読取取得部(読取手段の一例、取得手段の一例)
37 生成・形成部(生成手段の一例、形成手段の一例)
340a パネル表示部(表示手段の一例)
41 送受信部(第1の受信手段の一例、第2の送信手段の一例)
43 検出部(検出手段の一例)
45 判断部(判断手段の一例)
46 算出設定部(算出手段の一例、設定手段の一例)
400 画像比較検査部(画像比較検査手段の一例)
51 送受信部(送信手段の一例、受信手段の一例)
52 操作受付部(操作受付手段の一例)
54 表示制御部(表示制御手段の一例)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0160】