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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024162657
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】配線基板及び配線基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20241114BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20241114BHJP
   H05K 1/11 20060101ALI20241114BHJP
   H05K 3/40 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
H05K3/46 N
H05K3/46 B
H05K1/02 N
H05K1/02 P
H05K1/11 H
H05K3/40 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078390
(22)【出願日】2023-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】千野 由香里
【テーマコード(参考)】
5E316
5E317
5E338
【Fターム(参考)】
5E316AA12
5E316AA15
5E316AA32
5E316AA35
5E316AA43
5E316BB02
5E316BB03
5E316BB04
5E316CC04
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC32
5E316DD22
5E316DD32
5E316DD33
5E316EE31
5E316FF03
5E316FF04
5E316FF07
5E316GG15
5E316GG17
5E316HH07
5E317AA24
5E317BB02
5E317BB12
5E317CC25
5E317CC31
5E317CD15
5E317CD25
5E317CD27
5E317CD32
5E317GG20
5E338AA03
5E338AA16
5E338BB14
5E338BB25
5E338CC02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】信号の信頼性の低下を抑制することができる配線基板及び配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】配線基板1において、配線層210は、複数の信号線211と、複数のビアランド212と、1又は2以上のプレーン層213と、を有する。ビアランド212の各々は信号線211の1つに繋がる。信号線211と、ビアランド212とが一体に形成されていてもよい。配線層310は、複数の信号線311と、複数のビアランド312と、1又は2以上のプレーン層313と、を有する。ビアランド312の各々は信号線311の1つに繋がる。信号線311と、ビアランド312とが一体に形成されていてもよい。信号線211と、ビアランド212と、導電層113と、ビアランド312と、信号線311とが一体に形成されていてもよい。プレーン層213と、導電層113と、プレーン層313とが一体に形成されていてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の配線層と、
それぞれが厚さ方向で隣り合う前記配線層の間に設けられた複数の絶縁層と、
を有し、
前記複数の配線層のうちの1つの第1配線層は、
第1信号線と、
前記第1信号線に繋がる第1ビアランドと、
を有し、
前記複数の配線層のうちの前記第1配線層とは異なる1つの第2配線層は、
第2信号線と、
平面視で前記第1ビアランドに重なり、前記第2信号線に繋がる第2ビアランドと、
を有し、
前記第1ビアランドと前記第2ビアランドとの間には、前記複数の絶縁層のうちの2以上の第1絶縁層があり、
前記2以上の第1絶縁層には、当該2以上の第1絶縁層を貫通し、前記第1ビアランドと前記第2ビアランドとを繋ぐ第1ビアホールが形成され、
前記第1ビアホール内に前記第1ビアランド及び前記第2ビアランドに直接接する第1導電性ビアが設けられており、
前記複数の配線層のうちの2以上の第3配線層は、それぞれプレーン層を有し、
隣り合う前記2以上の第3配線層の間には、前記複数の絶縁層のうちの第2絶縁層が1つずつあり、
前記第2絶縁層には、当該第2絶縁層を貫通し、当該第2絶縁層の一方の面に接するプレーン層と、当該第2絶縁層の他方の面に接するプレーン層とを繋ぐ複数の第2ビアホールが形成され、
前記複数の第2ビアホールの各々内に前記プレーン層の両方に直接接する第2導電性ビアが設けられている配線基板。
【請求項2】
前記複数の絶縁層のうちの2以上の絶縁層を貫通して、前記プレーン層のうちの2つのプレーン層を繋ぐビアホールが形成されていない請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記第1配線層又は前記第2配線層の少なくとも一方と、前記2以上の第3配線層のうちの1つ又は2つとが同一の配線層である請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項4】
前記第1ビアランドと前記第2ビアランドとの間に他のビアランドがない請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項5】
前記第1信号線及び前記第2信号線を通じて伝送される信号の周波数は1GHz以上である請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項6】
前記第1信号線及び前記第2信号線の特性インピーダンスは50Ωである請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項7】
前記第1配線層は、
前記第1信号線に平行な第3信号線と、
前記第3信号線の端部に繋がる第3ビアランドと、
を有し、
前記第2配線層は、
前記第2信号線に平行な第4信号線と、
平面視で前記第3ビアランドに重なり、前記第4信号線の端部に繋がる第4ビアランドと、
を有し、
前記第1信号線及び前記第3信号線に差動信号が伝送され、
前記第2信号線及び前記第4信号線に前記差動信号が伝送される請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項8】
前記第1信号線、前記第2信号線、前記第3信号線及び前記第4信号線の特性インピーダンスは100Ωである請求項7に記載の配線基板。
【請求項9】
前記第1導電性ビアは、単一の金属層から構成されている請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項10】
前記第1ビアホールの直径は、前記第2ビアホールの直径よりも大きい請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項11】
複数の配線層を形成する工程と、
それぞれが厚さ方向で隣り合う前記配線層の間に設けられる複数の絶縁層を形成する工程と、
を有し、
前記複数の配線層のうちの1つの第1配線層は、
第1信号線と、
前記第1信号線に繋がる第1ビアランドと、
を有し、
前記複数の配線層のうちの前記第1配線層とは異なる1つの第2配線層は、
第2信号線と、
平面視で前記第1ビアランドに重なり、前記第2信号線に繋がる第2ビアランドと、
を有し、
前記第1ビアランドと前記第2ビアランドとの間には、前記複数の絶縁層のうちの2以上の第1絶縁層があり、
前記2以上の第1絶縁層には、当該2以上の第1絶縁層を貫通し、前記第1ビアランドと前記第2ビアランドとを繋ぐ第1ビアホールが形成され、
前記第1ビアホール内に前記第1ビアランド及び前記第2ビアランドに直接接する第1導電性ビアが設けられ、
前記複数の配線層のうちの2以上の第3配線層は、それぞれプレーン層を有し、
隣り合う前記2以上の第3配線層の間には、前記複数の絶縁層のうちの第2絶縁層が1つずつあり、
前記第2絶縁層には、当該第2絶縁層を貫通し、当該第2絶縁層の一方の面に接するプレーン層と、当該第2絶縁層の他方の面に接するプレーン層とを繋ぐ複数の第2ビアホールが形成され、
前記複数の第2ビアホールの各々内に前記プレーン層の両方に直接接する第2導電性ビアが設けられる配線基板の製造方法。
【請求項12】
前記第1導電性ビアは、導電性ペーストを用いて形成される請求項11に記載の配線基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線基板及び配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
配線基板においては、異なる配線層に形成された信号線は、1又は2以上の導電ビアを介して電気的に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-233041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の配線基板では、信号線を通じて伝送される信号の周波数が高くなった場合に、信号の信頼性が低下するおそれがある。
【0005】
本開示は、信号の信頼性の低下を抑制することができる配線基板及び配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態によれば、複数の配線層と、それぞれが厚さ方向で隣り合う前記配線層の間に設けられた複数の絶縁層と、を有し、前記複数の配線層のうちの1つの第1配線層は、第1信号線と、前記第1信号線に繋がる第1ビアランドと、を有し、前記複数の配線層のうちの前記第1配線層とは異なる1つの第2配線層は、第2信号線と、平面視で前記第1ビアランドに重なり、前記第2信号線に繋がる第2ビアランドと、を有し、前記第1ビアランドと前記第2ビアランドとの間には、前記複数の絶縁層のうちの2以上の第1絶縁層があり、前記2以上の第1絶縁層には、当該2以上の第1絶縁層を貫通し、前記第1ビアランドと前記第2ビアランドとを繋ぐ第1ビアホールが形成され、前記第1ビアホール内に前記第1ビアランド及び前記第2ビアランドに直接接する第1導電性ビアが設けられており、前記複数の配線層のうちの2以上の第3配線層は、それぞれプレーン層を有し、隣り合う前記2以上の第3配線層の間には、前記複数の絶縁層のうちの第2絶縁層が1つずつあり、前記第2絶縁層には、当該第2絶縁層を貫通し、当該第2絶縁層の一方の面に接するプレーン層と、当該第2絶縁層の他方の面に接するプレーン層とを繋ぐ複数の第2ビアホールが形成され、前記複数の第2ビアホールの各々内に前記プレーン層の両方に直接接する第2導電性ビアが設けられている配線基板が提供される。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、信号の信頼性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る配線基板を例示する断面図である。
図2】配線層の平面形状の概要を例示する平面図である。
図3】実施形態に係る配線基板の製造方法を例示する断面図(その1)である。
図4】実施形態に係る配線基板の製造方法を例示する断面図(その2)である。
図5】実施形態に係る配線基板の製造方法を例示する断面図(その3)である。
図6】実施形態に係る配線基板の製造方法を例示する断面図(その4)である。
図7】実施形態に係る配線基板の製造方法を例示する断面図(その5)である。
図8】実施形態に係る配線基板の製造方法を例示する断面図(その6)である。
図9】実施形態に係る配線基板の製造方法を例示する断面図(その7)である。
図10】実施形態に係る配線基板の製造方法を例示する断面図(その8)である。
図11】実施形態に係る配線基板の製造方法を例示する断面図(その9)である。
図12】実施形態に係る配線基板の製造方法を例示する断面図(その10)である。
図13】実施形態に係る配線基板の製造方法を例示する断面図(その11)である。
図14】実施形態に係る配線基板の製造方法を例示する断面図(その12)である。
図15】実施形態に係る配線基板の製造方法を例示する断面図(その13)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。
【0010】
[実施形態に係る配線基板の構造]
まず、実施形態に係る配線基板の構造について説明する。図1は、実施形態に係る配線基板を例示する断面図である。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る配線基板1は、例えば、コア層100と、コア層100の一方の面に設けられたビルドアップ層200と、コア層100の他方の面に設けられたビルドアップ層300とを有する。配線基板1が、コア層を含まないコアレス基板であってもよい。
【0012】
なお、本実施形態では、便宜上、コア層100を基準にして、ビルドアップ層200側を上側又は一方の側、ビルドアップ層300側を下側又は他方の側とする。また、各部位の上側の面を一方の面又は上面、下側の面を他方の面又は下面とする。但し、配線基板1は天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置することができる。また、平面視とは対象物をコア層100の一方の面の法線方向から視ることを指し、平面形状とは対象物をコア層100の一方の面の法線方向から視た形状を指すものとする。
【0013】
コア層100は、複数の貫通孔112が形成された絶縁性の基材111と、貫通孔112の内壁面に形成された導電層113を有する。例えば、基材の材料はガラスエポキシ等であり、導電層113の材料は銅(Cu)等である。コア層100が導電層113の内側に充填された充填材を有してもよい。
【0014】
ビルドアップ層200は、配線層210、230、250及び270と、絶縁層220、240及び260と、ソルダレジスト層280とを有する。ビルドアップ層300は、配線層310、330、350及び370と、絶縁層320、340及び360と、ソルダレジスト層380とを有する。絶縁層220は、厚さ方向で隣り合う配線層210と配線層230との間に設けられ、絶縁層240は、厚さ方向で隣り合う配線層230と配線層250との間に設けられ、絶縁層260は、厚さ方向で隣り合う配線層250と配線層270との間に設けられている。絶縁層320は、厚さ方向で隣り合う配線層310と配線層330との間に設けられ、絶縁層340は、厚さ方向で隣り合う配線層330と配線層350との間に設けられ、絶縁層360は、厚さ方向で隣り合う配線層350と配線層370との間に設けられている。
【0015】
配線層210は、コア層100の一方の面に形成されている。配線層310は、コア層100の他方の面に形成されている。配線層210及び310は、導電層113により互いに電気的に接続されている。配線層210及び310、並びに導電層113の材料は、例えば、銅(Cu)等である。配線層210及び310の厚さは、例えば、10μm~30μm程度である。
【0016】
配線層210は、複数の信号線211と、複数のビアランド212と、1又は2以上のプレーン層213とを有する。ビアランド212の各々は信号線211の1つに繋がる。信号線211と、ビアランド212とが一体に形成されていてもよい。配線層310は、複数の信号線311と、複数のビアランド312と、1又は2以上のプレーン層313とを有する。ビアランド312の各々は信号線311の1つに繋がる。信号線311と、ビアランド312とが一体に形成されていてもよい。信号線211と、ビアランド212と、導電層113と、ビアランド312と、信号線311とが一体に形成されていてもよい。プレーン層213と、導電層113と、プレーン層313とが一体に形成されていてもよい。プレーン層213は電源層又はグランド層(GND層)であり、プレーン層313は電源層又はグランド層である。プレーン層213の一部が電源層であり、他の一部がグランド層であってもよい。プレーン層313の一部が電源層であり、他の一部がグランド層であってもよい。
【0017】
絶縁層220は、コア層100の一方の面に配線層210を覆うように形成されている。絶縁層220の材料は、例えば、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂を主成分とする絶縁性樹脂等である。絶縁層220の厚さは、例えば30μm~40μm程度である。絶縁層220は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有してもよい。絶縁層220におけるフィラーの含有量は、要求される熱膨張係数(CTE)に応じて適宜設定できる。
【0018】
絶縁層220にビアホール221及び222が形成されている。ビアホール221及び222は絶縁層220を貫通する。ビアホール221は、平面視でビアランド212と重なり、ビアランド212に達する。ビアホール222は、平面視でプレーン層213と重なり、プレーン層213に達する。ビアホール222は複数形成されている。ビアホール221及び222は、逆円錐台状の凹部であってもよい。すなわち、ビアホール221及び222において、上端における開口径が下端における開口径より大きくてもよい。ビアホール221内に導電性ビア226が設けられている。導電性ビア226はビアランド212に直接接する。ビアホール222内に導電性ビア227が設けられている。導電性ビア227はプレーン層213に直接接する。導電性ビア226及び227の材料は、例えば、銅(Cu)等である。ビアホール222は第2ビアホールの一例である。導電性ビア227は第2導電性ビアの一例である。
【0019】
配線層230は、絶縁層220の一方の面に形成されている。配線層230は、複数の信号線231と、複数のビアランド232と、1又は2以上のプレーン層233とを有する。ビアランド232の各々は信号線231の1つに繋がる。ビアホール221がビアランド232により塞がれている。信号線231と、ビアランド232とが一体に形成されていてもよい。信号線231と、ビアランド232と、導電性ビア226とが一体に形成されていてもよい。ビアホール222がプレーン層233により塞がれている。プレーン層233と、導電性ビア227とが一体に形成されていてもよい。配線層230の材料及び厚さは、例えば、配線層210と同様であってもよい。プレーン層233は電源層又はグランド層である。プレーン層233の一部が電源層であり、他の一部がグランド層であってもよい。
【0020】
絶縁層240は、絶縁層220の一方の面に配線層230を覆うように形成されている。絶縁層240の材料及び厚さは、例えば、絶縁層220と同様であってもよい。絶縁層240は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有してもよい。絶縁層240におけるフィラーの含有量は、例えば、絶縁層220と同様であってもよい。
【0021】
絶縁層240にビアホール241及び242が形成されている。ビアホール241及び242は絶縁層240を貫通する。ビアホール241は、平面視でビアランド232と重なり、ビアランド232に達する。ビアホール242は、平面視でプレーン層233と重なり、プレーン層233に達する。ビアホール242は複数形成されている。ビアホール241及び242は、逆円錐台状の凹部であってもよい。すなわち、ビアホール241及び242において、上端における開口径が下端における開口径より大きくてもよい。ビアホール241内に導電性ビア246が設けられている。導電性ビア246はビアランド232に直接接する。ビアホール242内に導電性ビア247が設けられている。導電性ビア247はプレーン層233に直接接する。導電性ビア246及び247の材料は、例えば、銅(Cu)等である。ビアホール242は第2ビアホールの一例である。導電性ビア247は第2導電性ビアの一例である。
【0022】
配線層250は、絶縁層240の一方の面に形成されている。配線層250は、複数の信号線251と、複数のビアランド252と、1又は2以上のプレーン層253とを有する。ビアランド252の各々は信号線251の1つに繋がる。ビアホール241がビアランド252により塞がれている。信号線251と、ビアランド252とが一体に形成されていてもよい。信号線251と、ビアランド252と、導電性ビア246とが一体に形成されていてもよい。ビアホール242がプレーン層253により塞がれている。プレーン層253と、導電性ビア247とが一体に形成されていてもよい。配線層250の材料及び厚さは、例えば、配線層210と同様であってもよい。プレーン層253は電源層又はグランド層である。プレーン層253の一部が電源層であり、他の一部がグランド層であってもよい。
【0023】
絶縁層260は、絶縁層240の一方の面に配線層250を覆うように形成されている。絶縁層260の材料及び厚さは、例えば、絶縁層220と同様であってもよい。絶縁層260は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有してもよい。絶縁層260におけるフィラーの含有量は、例えば、絶縁層220と同様であってもよい。
【0024】
絶縁層260にビアホール261及び262が形成されている。ビアホール261及び262は絶縁層260を貫通する。ビアホール261は、平面視でビアランド252と重なり、ビアランド252に達する。ビアホール262は、平面視でプレーン層253と重なり、プレーン層253に達する。ビアホール262は複数形成されている。ビアホール261及び262は、逆円錐台状の凹部であってもよい。すなわち、ビアホール261及び262において、上端における開口径が下端における開口径より大きくてもよい。ビアホール261内に導電性ビア266が設けられている。導電性ビア266はビアランド252に直接接する。ビアホール262内に導電性ビア267が設けられている。導電性ビア267はプレーン層253に直接接する。導電性ビア266及び267の材料は、例えば、銅(Cu)等である。ビアホール262は第2ビアホールの一例である。導電性ビア267は第2導電性ビアの一例である。
【0025】
配線層270は、絶縁層260の一方の面に形成されている。配線層270は、複数の信号線271と、複数のビアランド272と、1又は2以上のプレーン層273と、複数の電極パッド274とを有する。ビアランド272の各々は信号線271の1つに繋がる。ビアホール261がビアランド272により塞がれている。ビアランド272が電極パッド274として機能してもよい。信号線271と、ビアランド272と、電極パッド274とが一体に形成されていてもよい。信号線271と、ビアランド272と、電極パッド274と、導電性ビア266とが一体に形成されていてもよい。ビアホール262がプレーン層273により塞がれている。プレーン層273と、導電性ビア267とが一体に形成されていてもよい。配線層270の材料及び厚さは、例えば、配線層210と同様であってもよい。プレーン層273は電源層又はグランド層である。プレーン層273の一部が電源層であり、他の一部がグランド層であってもよい。
【0026】
ソルダレジスト層280は、絶縁層260の一方の面に配線層270を覆うように形成されている。ソルダレジスト層280に開口部281及び282が形成されている。開口部281及び282はソルダレジスト層280を貫通する。開口部281は、平面視で電極パッド274と重なり、電極パッド274に達する。開口部282は、平面視でプレーン層273と重なり、プレーン層273に達する。開口部282は複数形成されている。開口部281内に外部端子286が設けられている。外部端子286は電極パッド274に直接接する。開口部282内に外部端子287が設けられている。外部端子287はプレーン層273に直接接する。外部端子286及び287は、例えば、はんだバンプを有する。はんだバンプの材料としては、錫銀(SnAg)系合金、錫亜鉛(SnZn)系合金及び錫銅(SnCu)系合金等の無鉛はんだ、並びに鉛錫(PbSn)系合金の有鉛はんだが例示される。外部端子286及び287が導電性ポストを有していてもよい。
【0027】
絶縁層220及び240に、ビアランド212の1つとビアランド252の1つとを繋ぐビアホール291が形成されている。これら1組のビアランド212及び252は、平面視で互いに重なり合っている。ビアホール291は、平面視で1組のビアランド212及び252と重なる。ビアホール291は、絶縁層220及び240を貫通する。ビアホール291は、逆円錐台状の凹部であってもよい。すなわち、ビアホール291において、上端における開口径が下端における開口径より大きくてもよい。ビアホール291内に導電性ビア296が設けられている。導電性ビア296は1組のビアランド212及び252に直接接する。導電性ビア296は全てのビアランド232から離れており、ビアランド232には繋がらない。導電性ビア296の材料は、例えば、銅(Cu)等である。ビアホール291は第1ビアホールの一例である。導電性ビア296は第1導電性ビアの一例である。
【0028】
絶縁層240及び260に、ビアランド232の1つとビアランド272の1つとを繋ぐビアホール292が形成されている。これら1組のビアランド232及び272は、平面視で互いに重なり合っている。ビアホール292は、平面視で1組のビアランド232及び272と重なる。ビアホール292は、絶縁層240及び260を貫通する。ビアホール292は、逆円錐台状の凹部であってもよい。すなわち、ビアホール292において、上端における開口径が下端における開口径より大きくてもよい。ビアホール292内に導電性ビア297が設けられている。導電性ビア297は1組のビアランド232及び272に直接接する。導電性ビア297は全てのビアランド252から離れており、ビアランド252には繋がらない。導電性ビア297の材料は、例えば、銅(Cu)等である。ビアホール292は第1ビアホールの一例である。導電性ビア297は第1導電性ビアの一例である。
【0029】
絶縁層220、240及び260に、ビアランド212の1つとビアランド272の1つとを繋ぐビアホール293が形成されている。これら1組のビアランド212及び272は、平面視で互いに重なり合っている。ビアホール293は、平面視で1組のビアランド212及び272と重なる。ビアホール293は、絶縁層220、240及び260を貫通する。ビアホール293は、逆円錐台状の凹部であってもよい。すなわち、ビアホール293において、上端における開口径が下端における開口径より大きくてもよい。ビアホール293内に導電性ビア298が設けられている。導電性ビア298は1組のビアランド212及び272に直接接する。導電性ビア298は全てのビアランド232及び252から離れており、ビアランド232及び252には繋がらない。導電性ビア298の材料は、例えば、銅(Cu)等である。ビアホール293は第1ビアホールの一例である。導電性ビア298は第1導電性ビアの一例である。
【0030】
なお、プレーン層213、233、253及び273については、複数の絶縁層を貫通して2つのプレーン層に直接接する導電性ビアは設けられていない。すなわち、プレーン層213、233、253及び273については、隣り合うプレーン層の両方に接する導電性ビアのみが設けられている。
【0031】
絶縁層320は、コア層100の他方の面に配線層310を覆うように形成されている。絶縁層320の材料及び厚さは、例えば、絶縁層220と同様であってもよい。絶縁層320は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有してもよい。絶縁層320におけるフィラーの含有量は、例えば、絶縁層220と同様であってもよい。
【0032】
絶縁層320にビアホール321及び322が形成されている。ビアホール321及び322は絶縁層320を貫通する。ビアホール321は、平面視でビアランド312と重なり、ビアランド312に達する。ビアホール322は、平面視でプレーン層313と重なり、プレーン層313に達する。ビアホール322は複数形成されている。ビアホール321及び322は、円錐台状の凹部であってもよい。すなわち、ビアホール321及び322において、下端における開口径が上端における開口径より大きくてもよい。ビアホール321内に導電性ビア326が設けられている。導電性ビア326はビアランド312に直接接する。ビアホール322内に導電性ビア327が設けられている。導電性ビア327はプレーン層313に直接接する。導電性ビア326及び327の材料は、例えば、銅(Cu)等である。ビアホール322は第2ビアホールの一例である。導電性ビア327は第2導電性ビアの一例である。
【0033】
配線層330は、絶縁層320の他方の面に形成されている。配線層330は、複数の信号線331と、複数のビアランド332と、1又は2以上のプレーン層333とを有する。ビアランド332の各々は信号線331の1つに繋がる。ビアホール321がビアランド332により塞がれている。信号線331と、ビアランド332とが一体に形成されていてもよい。信号線331と、ビアランド332と、導電性ビア326とが一体に形成されていてもよい。ビアホール322がプレーン層333により塞がれている。プレーン層333と、導電性ビア327とが一体に形成されていてもよい。配線層330の材料及び厚さは、例えば、配線層210と同様であってもよい。プレーン層333は電源層又はグランド層である。プレーン層333の一部が電源層であり、他の一部がグランド層であってもよい。
【0034】
絶縁層340は、絶縁層320の他方の面に配線層330を覆うように形成されている。絶縁層340の材料及び厚さは、例えば、絶縁層220と同様であってもよい。絶縁層340は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有してもよい。絶縁層340におけるフィラーの含有量は、例えば、絶縁層220と同様であってもよい。
【0035】
絶縁層340にビアホール341及び342が形成されている。ビアホール341及び342は絶縁層340を貫通する。ビアホール341は、平面視でビアランド332と重なり、ビアランド332に達する。ビアホール342は、平面視でプレーン層333と重なり、プレーン層333に達する。ビアホール342は複数形成されている。ビアホール341及び342は、円錐台状の凹部であってもよい。すなわち、ビアホール341及び342において、下端における開口径が上端における開口径より大きくてもよい。ビアホール341内に導電性ビア346が設けられている。導電性ビア346はビアランド332に直接接する。ビアホール342内に導電性ビア347が設けられている。導電性ビア347はプレーン層333に直接接する。導電性ビア346及び347の材料は、例えば、銅(Cu)等である。ビアホール342は第2ビアホールの一例である。導電性ビア347は第2導電性ビアの一例である。
【0036】
配線層350は、絶縁層340の他方の面に形成されている。配線層350は、複数の信号線351と、複数のビアランド352と、1又は2以上のプレーン層353とを有する。ビアランド352の各々は信号線351の1つに繋がる。ビアホール341がビアランド352により塞がれている。信号線351と、ビアランド352とが一体に形成されていてもよい。信号線351と、ビアランド352と、導電性ビア346とが一体に形成されていてもよい。ビアホール342がプレーン層353により塞がれている。プレーン層353と、導電性ビア347とが一体に形成されていてもよい。配線層350の材料及び厚さは、例えば、配線層210と同様であってもよい。プレーン層353は電源層又はグランド層である。プレーン層353の一部が電源層であり、他の一部がグランド層であってもよい。
【0037】
絶縁層360は、絶縁層340の一方の面に配線層350を覆うように形成されている。絶縁層360の材料及び厚さは、例えば、絶縁層220と同様であってもよい。絶縁層360は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有してもよい。絶縁層360におけるフィラーの含有量は、例えば、絶縁層220と同様であってもよい。
【0038】
絶縁層360にビアホール361及び362が形成されている。ビアホール361及び362は絶縁層360を貫通する。ビアホール361は、平面視でビアランド352と重なり、ビアランド352に達する。ビアホール362は、平面視でプレーン層353と重なり、プレーン層353に達する。ビアホール362は複数形成されている。ビアホール361及び362は、円錐台状の凹部であってもよい。すなわち、ビアホール361及び362において、下端における開口径が上端における開口径より大きくてもよい。ビアホール361内に導電性ビア366が設けられている。導電性ビア366はビアランド352に直接接する。ビアホール362内に導電性ビア367が設けられている。導電性ビア367はプレーン層353に直接接する。導電性ビア366及び367の材料は、例えば、銅(Cu)等である。ビアホール362は第2ビアホールの一例である。導電性ビア367は第2導電性ビアの一例である。
【0039】
配線層370は、絶縁層360の他方の面に形成されている。配線層370は、複数の信号線371と、複数のビアランド372と、1又は2以上のプレーン層373と、複数の電極パッド374とを有する。ビアランド372の各々は信号線371の1つに繋がる。ビアホール361がビアランド372により塞がれている。ビアランド372が電極パッド374として機能してもよい。信号線371と、ビアランド372と、電極パッド374とが一体に形成されていてもよい。信号線371と、ビアランド372と、電極パッド374と、導電性ビア366とが一体に形成されていてもよい。ビアホール362がプレーン層373により塞がれている。プレーン層373と、導電性ビア367とが一体に形成されていてもよい。配線層370の材料及び厚さは、例えば、配線層210と同様であってもよい。プレーン層373は電源層又はグランド層である。プレーン層373の一部が電源層であり、他の一部がグランド層であってもよい。
【0040】
ソルダレジスト層380は、絶縁層360の他方の面に配線層370を覆うように形成されている。ソルダレジスト層380に開口部381及び382が形成されている。開口部381及び382はソルダレジスト層380を貫通する。開口部381は、平面視で電極パッド374と重なり、電極パッド374に達する。開口部382は、平面視でプレーン層373と重なり、プレーン層373に達する。開口部382は複数形成されている。
【0041】
絶縁層320及び340に、ビアランド312の1つとビアランド352の1つとを繋ぐビアホール391が形成されている。これら1組のビアランド312及び352は、平面視で互いに重なり合っている。ビアホール391は、平面視で1組のビアランド312及び352と重なる。ビアホール391は、絶縁層320及び340を貫通する。ビアホール391は、円錐台状の凹部であってもよい。すなわち、ビアホール391において、下端における開口径が上端における開口径より大きくてもよい。ビアホール391内に導電性ビア396が設けられている。導電性ビア396は1組のビアランド312及び352に直接接する。導電性ビア396は全てのビアランド332から離れており、ビアランド332には繋がらない。導電性ビア396の材料は、例えば、銅(Cu)等である。ビアホール391は第1ビアホールの一例である。導電性ビア396は第1導電性ビアの一例である。
【0042】
絶縁層340及び360に、ビアランド332の1つとビアランド372の1つとを繋ぐビアホール392が形成されている。これら1組のビアランド332及び372は、平面視で互いに重なり合っている。ビアホール392は、平面視で1組のビアランド332及び372と重なる。ビアホール392は、絶縁層340及び360を貫通する。ビアホール392は、円錐台状の凹部であってもよい。すなわち、ビアホール392において、下端における開口径が上端における開口径より大きくてもよい。ビアホール392内に導電性ビア397が設けられている。導電性ビア397は1組のビアランド332及び372に直接接する。導電性ビア397は全てのビアランド352から離れており、ビアランド352には繋がらない。導電性ビア397の材料は、例えば、銅(Cu)等である。ビアホール392は第1ビアホールの一例である。導電性ビア397は第1導電性ビアの一例である。
【0043】
絶縁層320、340及び360に、ビアランド312の1つとビアランド372の1つとを繋ぐビアホール393が形成されている。これら1組のビアランド312及び372は、平面視で互いに重なり合っている。ビアホール393は、平面視で1組のビアランド312及び372と重なる。ビアホール393は、絶縁層320、340及び360を貫通する。ビアホール393は、円錐台状の凹部であってもよい。すなわち、ビアホール393において、下端における開口径が上端における開口径より大きくてもよい。ビアホール393内に導電性ビア398が設けられている。導電性ビア398は1組のビアランド312及び372に直接接する。導電性ビア398は全てのビアランド332及び352から離れており、ビアランド332及び352には繋がらない。導電性ビア398の材料は、例えば、銅(Cu)等である。ビアホール393は第1ビアホールの一例である。導電性ビア398は第1導電性ビアの一例である。
【0044】
なお、プレーン層313、333、353及び373については、複数の絶縁層を貫通して2つのプレーン層に直接接する導電性ビアは設けられていない。すなわち、プレーン層313、333、353及び373については、隣り合うプレーン層の両方に接する導電性ビアのみが設けられている。
【0045】
ここで、配線層の平面形状の概要について説明する。図2は、配線層の平面形状の概要を例示する平面図である。配線層10は、信号線21、31及び41と、ビアランド22A、22B、32A、32B、42A及び42Bと、プレーン層13とを有する。ビアランド22Aは信号線21の一方の端部に繋がり、ビアランド22Bは信号線21の他方の端部に繋がる。ビアランド32Aは信号線31の一方の端部に繋がり、ビアランド32Bは信号線31の他方の端部に繋がる。ビアランド42Aは信号線41の一方の端部に繋がり、ビアランド42Bは信号線41の他方の端部に繋がる。
【0046】
信号線31及び41は、互いに平行に近接して配置されており、差動ペア配線を構成する。信号線21は信号線31及び41から十分に離れて配置されている。信号線21は、例えばシングルエンド配線である。プレーン層13は、信号線21、31及び41の周囲にべた状に配置されている。プレーン層13は信号線31及び41の間には設けられていない。ビアランド22A、22B、32A、32B、42A及び42Bに、下方又は上方に設けられた導電性ビアが接続される。プレーン層13は電源層又はグランド層であり、プレーン層13には、例えば、電源電位又は接地電位(GND電位)が供給される。
【0047】
図1では信号線とビアランドとの間の境界を示していないが、配線層210、230、250、310、330及び350は、配線層10に準じた構成を備えている。また、配線層270及び370は、配線層10に準じた構成に電極パッドを加えた構成を備えている。
【0048】
例えば、シングルエンド配線の特性インピーダンスは50Ω程度であり、差動ペア配線の特性インピーダンスは100Ω程度である。
【0049】
[実施形態に係る配線基板の製造方法]
次に、実施形態に係る配線基板1の製造方法について説明する。図3図15は、実施形態に係る配線基板の製造方法を例示する断面図である。
【0050】
まず、図3(a)に示すように、絶縁性の基材111と、導電層102と、導電層103とを備えた積層板101を準備する。導電層102は基材111の上面に設けられ、導電層103基材111の下面に設けられている。例えば、導電層102及び103は銅箔である。
【0051】
次いで、図3(b)に示すように、積層板101に複数の貫通孔112を形成する。貫通孔112は、導電層102、基材111及び導電層103を厚さ方向に貫通する。例えば、貫通孔112はドリルやレーザを用いた加工等により形成することができる。その後、貫通孔112の壁面のデスミア処理を行う。デスミア処理とは、樹脂残渣(スミア)を除去する処理である。デスミア処理は、例えば、過マンガン酸カリウム溶液により行うことができる。
【0052】
その後、同じく図3(b)に示すように、例えばセミアディティブ法又はサブトラクティブ法により、導電層113、配線層210及び配線層310を形成する。配線層210は導電層102を含み、配線層310は導電層103を含む。この結果、コア層100が形成される。
【0053】
続いて、図4(a)に示すように、コア層100の一方の面に配線層210を覆うように未硬化の樹脂フィルムを貼付し、コア層100の他方の面に配線層310を覆うように未硬化の樹脂フィルムを貼付する。次いで、これら樹脂フィルムを加熱処理して硬化させることにより、絶縁層220及び320を形成する。絶縁層220及び320は、エポキシ樹脂又はポリイミド樹脂等の絶縁樹脂から形成される。液状樹脂を塗布することにより、絶縁層220及び320を形成してもよい。
【0054】
その後、図4(b)に示すように、絶縁層220をレーザで加工することにより、ビアランド212に達するビアホール221と、プレーン層213に達するビアホール222とを絶縁層220に形成する。また、絶縁層320をレーザで加工することにより、ビアランド312に達するビアホール321と、プレーン層313に達するビアホール322とを絶縁層320に形成する。ドリルを用いて絶縁層220を加工してもよく、ドリルを用いて絶縁層320を加工してもよい。ビアホール221、222、321及び322の形成後、好ましくは、デスミア処理を行う。
【0055】
続いて、図5(a)に示すように、導電性ビア226、導電性ビア227及び配線層230を同時に形成する。また、導電性ビア326、導電性ビア327及び配線層330を同時に形成する。導電性ビア226、導電性ビア227、導電性ビア326、導電性ビア327、配線層230及び配線層330は、例えばセミアディティブ法によって形成することができる。導電性ビア226、導電性ビア227、導電性ビア326、導電性ビア327、配線層230及び配線層330は、例えば、シード層及びめっき層を含む多層構造を有する。
【0056】
次いで、図5(b)に示すように、絶縁層220の上に配線層230を覆うように絶縁層240を形成する。また、絶縁層320の下に配線層330を覆うように絶縁層340を形成する。絶縁層240及び340は、絶縁層220及び絶縁層320と同様の方法で形成することができる。
【0057】
その後、図6に示すように、絶縁層240及び220をドリルで加工することにより、ビアランド212に達するビアホール291を絶縁層240及び220に形成する。また、絶縁層340及び320をドリルで加工することにより、ビアランド312に達するビアホール391を絶縁層340及び320に形成する。レーザを用いて絶縁層240及び220を加工してもよく、レーザを用いて絶縁層340及び320を加工してもよい。ビアホール291及び391の形成後、好ましくは、デスミア処理を行う。
【0058】
続いて、図7に示すように、ビアホール291内に導電性ビア296を形成し、ビアホール391内に導電性ビア396を形成する。導電性ビア296及び396の形成では、例えば、スクリーン印刷法による導電性ペーストの塗布、導電性ペーストを硬化させるための熱処理及び化学機械的研磨(chemical mechanical polishing:CMP)等による平坦化処理を行う。導電性ビア296及び導電性ビア396は、例えば、単一の金属層から構成される。
【0059】
次いで、図8に示すように、絶縁層240をレーザで加工することにより、ビアランド232に達するビアホール241と、プレーン層233に達するビアホール242とを絶縁層240に形成する。また、絶縁層340をレーザで加工することにより、ビアランド332に達するビアホール341と、プレーン層333に達するビアホール342とを絶縁層340に形成する。ドリルを用いて絶縁層240を加工してもよく、ドリルを用いて絶縁層340を加工してもよい。ビアホール241、242、341及び342の形成後、好ましくは、デスミア処理を行う。
【0060】
その後、図9に示すように、導電性ビア246、導電性ビア247及び配線層250を同時に形成する。また、導電性ビア346、導電性ビア347及び配線層350を同時に形成する。導電性ビア246、導電性ビア247、導電性ビア346、導電性ビア347、配線層250及び配線層350は、例えばセミアディティブ法によって形成することができる。導電性ビア246、導電性ビア247、導電性ビア346、導電性ビア347、配線層250及び配線層350は、例えば、シード層及びめっき層を含む多層構造を有する。
【0061】
続いて、図10に示すように、絶縁層240の上に配線層250を覆うように絶縁層260を形成する。また、絶縁層340の下に配線層350を覆うように絶縁層360を形成する。絶縁層260及び360は、絶縁層220及び絶縁層320と同様の方法で形成することができる。
【0062】
次いで、図11に示すように、絶縁層260及び240をドリルで加工することにより、ビアランド232に達するビアホール292を絶縁層260及び240に形成する。更に、絶縁層260、240及び220をドリルで加工することにより、ビアランド212に達するビアホール293を絶縁層260、240及び220に形成する。また、絶縁層360及び340をドリルで加工することにより、ビアランド332に達するビアホール392を絶縁層360及び340に形成する。更に、絶縁層360、340及び320をドリルで加工することにより、ビアランド312に達するビアホール393を絶縁層360、340及び320に形成する。レーザを用いて絶縁層260、240及び220を加工してもよく、レーザを用いて絶縁層360、340及び320を加工してもよい。ビアホール292、293、392及び393の形成後、好ましくは、デスミア処理を行う。
【0063】
その後、図12に示すように、ビアホール292内に導電性ビア297を形成し、ビアホール293内に導電性ビア298を形成し、ビアホール392内に導電性ビア397を形成し、ビアホール393内に導電性ビア398を形成する。導電性ビア297、298、397及び398の形成では、例えば、スクリーン印刷法による導電性ペーストの塗布、導電性ペーストを硬化させるための熱処理及びCMP等による平坦化処理を行う。ビアホール292内への導電性ペーストの塗布と、ビアホール293内への導電性ペーストの塗布とを別々に行ってもよく、同時に行ってもよい。ビアホール392内への導電性ペーストの塗布と、ビアホール393内への導電性ペーストの塗布とを別々に行ってもよく、同時に行ってもよい。導電性ビア297、導電性ビア298、導電性ビア397及び導電性ビア398は、例えば、単一の金属層から構成される。
【0064】
続いて、図13に示すように、絶縁層260をレーザで加工することにより、ビアランド252に達するビアホール261と、プレーン層253に達するビアホール262とを絶縁層260に形成する。また、絶縁層360をレーザで加工することにより、ビアランド352に達するビアホール361と、プレーン層353に達するビアホール362とを絶縁層360に形成する。ドリルを用いて絶縁層260を加工してもよく、ドリルを用いて絶縁層360を加工してもよい。ビアホール261、262、361及び362の形成後、好ましくは、デスミア処理を行う。
【0065】
次いで、図14に示すように、導電性ビア266、導電性ビア267及び配線層270を同時に形成する。また、導電性ビア366、導電性ビア367及び配線層370を同時に形成する。導電性ビア266、導電性ビア267、導電性ビア366、導電性ビア367、配線層270及び配線層370は、例えばセミアディティブ法によって形成することができる。導電性ビア266、導電性ビア267、導電性ビア366、導電性ビア367、配線層270及び配線層370は、例えば、シード層及びめっき層を含む多層構造を有する。
【0066】
その後、図15に示すように、絶縁層260の上にソルダレジスト層280を形成し、絶縁層360の下にソルダレジスト層380を形成する。その後、ソルダレジスト層280に開口部281及び282を形成し、ソルダレジスト層380に開口部381及び382を形成する。
【0067】
続いて、同じく図15に示すように、開口部281内に電極パッド274に直接接する外部端子286を形成し、開口部282内にプレーン層273に直接接する外部端子287を形成する。
【0068】
このようにして、実施形態に係る配線基板1を製造することができる。
【0069】
配線基板1においては、信号が伝送される導電性ビアの一部が、複数の絶縁層を貫通するビアホール内に設けられている。このため、信号が伝送される導電性ビアの全てが、単層の絶縁層を貫通するビアホール内に設けられている場合と比較して、導電性ビアの数を低減することができる。導電性ビアには寄生容量及び寄生インダクタンスが存在するため、導電性ビアが多いほど大きな反射ノイズが発生しやすい。本実施形態によれば、導電性ビアの数を低減することができるため、信号線を通じて伝送される信号の周波数が高くなった場合でも、反射ノイズを低減し、信号の信頼性の低下を抑制することができる。
【0070】
また、導電性ビアでは信号線と比較して歩留まり及び信頼性が低くなりやすいが、導電性ビアの数が低減されることで、配線基板1全体の歩留まり及び信頼性を向上することもできる。
【0071】
また、導電性ビアの数の低減に伴って導電性ビアを繋ぐ信号線の数が少なくなった場合、このような信号線によって生じる共振及び電磁妨害(electromagnetic interference:EMI)ノイズを低減することもできる。
【0072】
なお、ビアホールの直径は、当該ビアホールが貫通する絶縁層の総厚さが大きいほど、大きいことが好ましい。例えば、ビアホール293の上端の直径は54μmであってもよく、ビアホール291及び292の上端の直径は52μmであってもよく、ビアホール221、222、241、242、261及び262の上端の直径は50μmであってもよい。また、ビアホール393の下端の直径は54μmであってもよく、ビアホール391及び392の下端の直径は52μmであってもよく、ビアホール321、322、341、342、361及び362の下端の直径は50μmであってもよい。
【0073】
更に、本実施形態では、プレーン層213、233、253及び273については、隣り合うプレーン層の両方に接する導電性ビアのみが設けられている。また、各プレーン層は複数の導電性ビアを介して電気的に接続されている。このため、安定した電位を確保することができる。
【0074】
なお、信号線に電気的に接続される導電性ビア及びプレーン層に電気的に接続される導電性ビアのいずれにおいても、スタックドビアが含まれてもよく、スタッガードビアが含まれてもよい。
【0075】
また、本開示において、全ての配線層が信号線、ビアランド及びプレーン層の両方を含む必要はない。複数の絶縁層を貫通する導電性ビアに直接接するビアランドを含む配線層(第1配線層、第2配線層)と、プレーン層を含む配線層(第3配線層)とが相違していてもよい。また、第1配線層又は第2配線層が1つの第3配線層と同一の配線層であってもよく、第1配線層及び第2配線層が2つの第3配線層と同一の配線層であってもよい。
【0076】
以上、好ましい実施形態等について詳説したが、本開示は上述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0077】
1 配線基板
10、210、230、250、270、310、330、350、370 配線層
13、213、233、253、273、313、333、353、373 プレーン層
21、31、41、211、231、251、271、311、331、351、371 信号線
22A、22B、32A、32B、42A、42B、212、232、252、272、312、332、352、372 ビアランド
221、222、241、242、261、262、291、292、293、321、322、341、342、361、362、391、392、393 ビアホール
226、227、246、247、266、267、296、297、298、326、327、346、347、366、367、396、397、398 導電性ビア
図1
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