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2024-163134レーダー処理装置、プログラム、レーダー処理方法及びレーダーシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163134
(43)【公開日】2024-11-21
(54)【発明の名称】レーダー処理装置、プログラム、レーダー処理方法及びレーダーシステム
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/40 20060101AFI20241114BHJP
   G01S 13/931 20200101ALI20241114BHJP
   G01S 7/36 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
G01S7/40 104
G01S13/931
G01S7/36
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024147137
(22)【出願日】2024-08-29
(62)【分割の表示】P 2021023485の分割
【原出願日】2021-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】竹嶋 大貴
(72)【発明者】
【氏名】堤 寛
(57)【要約】
【課題】電波の干渉源と通信をせずに、電波による干渉を受けていることを検知することができるレーダー処理装置、プログラム、レーダー処理方法及びレーダーシステムを提供すること。
【解決手段】実施形態のレーダー処理装置は、特定部、位置記憶部及び判定部を備える。特定部は、レーダーに異常が発生した場合に、前記異常が発生している位置を特定する。位置記憶部は、電波の干渉が起こる位置を記憶する。判定部は、前記特定部によって特定された前記位置が前記位置記憶部によって電波の干渉が起こる位置として記憶されている場合、前記異常の原因が電波の干渉であると判定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダーに異常が発生した場合に、前記異常が発生している位置を特定する特定部と、
電波の干渉が起こる位置を記憶する位置記憶部と、
前記特定部によって特定された前記位置が前記位置記憶部によって電波の干渉が起こる位置として記憶されている場合、前記異常の原因が電波の干渉であると判定する判定部と、を備える、レーダー処理装置。
【請求項2】
前記特定部によって特定された前記位置を、電波の干渉が起こる位置として前記位置記憶部に記憶する位置学習部をさらに備える、請求項1に記載のレーダー処理装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記特定部によって特定された前記位置が前記位置記憶部によって電波の干渉が起こる位置として記憶されていない場合、前記異常の原因が装置の故障であると判定する、請求項1又は請求項2に記載のレーダー処理装置。
【請求項4】
前記判定部によって前記異常の原因が電波の干渉であると判定された場合、レーダーの動作を変更する動作変更部をさらに備える、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のレーダー処理装置。
【請求項5】
前記判定部によって前記異常の原因が装置の故障であると判定された場合、装置の故障が発生したことを報知する報知部をさらに備える、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のレーダー処理装置。
【請求項6】
レーダー処理装置が備えるプロセッサーを、
レーダーに異常が発生した場合に、前記異常が発生している位置を特定する特定部と、
電波の干渉が起こる位置を記憶する位置記憶部と、
前記特定部によって特定された前記位置が前記位置記憶部によって電波の干渉が起こる位置として記憶されている場合、前記異常の原因が電波の干渉であると判定する判定部と、して機能させるためのプログラム。
【請求項7】
レーダーに異常が発生した場合に、前記異常が発生している位置を特定し、
電波の干渉が起こる位置を記憶し、
特定された前記位置が電波の干渉が起こる位置として記憶されている場合、前記異常の原因が電波の干渉であると判定するレーダー処理方法。
【請求項8】
レーダー装置、及びレーダー処理装置を含み、
前記レーダー装置は、レーダーによって対象物の物理量を計測し、
前記レーダー処理装置は、
前記レーダーに異常が発生した場合に、前記異常が発生している位置を特定する特定部と、
電波の干渉が起こる位置を記憶する位置記憶部と、
前記特定部によって特定された前記位置が前記位置記憶部によって電波の干渉が起こる位置として記憶されている場合、前記異常の原因が電波の干渉であると判定する判定部と、を備える、レーダーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーダー処理装置、プログラム、レーダー処理方法及びレーダーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両などに搭載されたレーダー装置は、他の車両に搭載されたレーダー装置及び路上に設置された自動販売機などの物体が発する電波による干渉を受ける場合がある。しかしながら、レーダー装置は、車両間通信などによって、他の車両に搭載されたレーダー装置の情報を受信しないと、干渉を受けていることを検知することができない。また、レーダー装置は、同様に、電波を発するその他の物体と通信しなければ、当該物体が発する電波の干渉を受けていることを検知することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5146674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、電波の干渉源と通信をせずに、電波による干渉を受けていることを検知することができるレーダー処理装置、プログラム、レーダー処理方法及びレーダーシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のレーダー処理装置は、特定部、位置記憶部及び判定部を備える。特定部は、レーダーに異常が発生した場合に、前記異常が発生している位置を特定する。位置記憶部は、電波の干渉が起こる位置を記憶する。判定部は、前記特定部によって特定された前記位置が前記位置記憶部によって電波の干渉が起こる位置として記憶されている場合、前記異常の原因が電波の干渉であると判定する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、電波の干渉源と通信をせずに、電波による干渉を受けていることを検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係るレーダーシステム1及びレーダーシステム1に含まれる構成要素の要部構成の一例を示すブロック図。
図2図1中の補助記憶装置に記憶される車種テーブルの一例を示す図。
図3図1中の処理装置のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
図4図1中の処理装置のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態に係るレーダーシステムについて図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、各部の縮尺を適宜変更している場合がある。また、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、説明のため、構成を省略して示している場合がある。また、各図面及び本明細書中において、同一の符号は同様の要素を示す。
図1は、実施形態に係るレーダーシステム1及びレーダーシステム1に含まれる構成要素の要部構成の一例を示すブロック図である。レーダーシステム1は、例えば車両などに搭載され、レーダーによって、他の車両、道路設備、建造物、障害物、動物及びその他の対象物について、位置情報、距離及び相対速度などの物理量を計測する。また、レーダーシステム1は、レーダーの検知距離の減少などの、レーダーに異常が発生した場合に、当該異常の原因が電波の干渉であるのかレーダー装置100の故障であるのかを判定する。レーダーシステム1は、一例として、レーダー装置100及びカメラ200を含む。
【0009】
レーダー装置100は、レーダーによって物理量を計測する。レーダー装置100は、一例として、アンテナ部110、信号送受信部120及び処理装置130を含む。レーダー装置100は、レーダー処理装置の一例である。
【0010】
アンテナ部110は、例えば、送信アンテナ及び受信アンテナを含む。送信アンテナは、信号送受信部120から入力される送信信号を電磁波(電波)として空間に放射する。受信アンテナは、受信信号を受信し、信号送受信部120に入力する。受信信号は、送信信号が対象物で反射した信号である。なお、送信アンテナと受信アンテナは共通のアンテナであっても良い。
【0011】
信号送受信部120は、送信信号を生成し、アンテナ部110に入力する。また、信号送受信部120は、受信信号を、処理装置130に適した形式に変換して処理装置130に入力する。例えば、信号送受信部120は、受信信号をデジタル信号に変換する。
【0012】
処理装置130は、例えば、レーダー装置100の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターである。処理装置130は、一例として、プロセッサー131、ROM(read-only memory)132、RAM(random-access memory)133、補助記憶装置134、制御インターフェース135、表示装置136及びスピーカー137を含む。そして、バス138などが、これら各部を接続する。処理装置130は、レーダー処理装置の一例である。
【0013】
プロセッサー131は、処理装置130の中枢部分に相当する。プロセッサー131は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)、DSP(digital signal processor)、GPU(graphics processing unit)、ASIC(application specific integrated circuit)、PLD(programmable logic device)又はFPGA(field-programmable gate array)などである。あるいは、プロセッサー131は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。プロセッサー131は、ROM132又は補助記憶装置134などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、レーダー装置100の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー131は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー131の回路内に組み込まれていても良い。
【0014】
ROM132及びRAM133は、処理装置130の主記憶装置に相当する。
ROM132は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM132は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM132は、プロセッサー131が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM133は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM133は、プロセッサー131が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM133は、典型的には揮発性メモリである。
【0015】
補助記憶装置134は、処理装置130の補助記憶装置に相当する。補助記憶装置134は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置134は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置134は、プロセッサー131が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー131での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0016】
また、補助記憶装置134は、記憶部1341として機能する。
記憶部1341は、干渉データベースを記憶する。干渉データベースは、干渉の原因となる物体(干渉源)に関する情報及び干渉が起こる位置(干渉位置)についての情報などを記憶及び管理する。また、干渉データベースは、干渉の原因とはならない物体及び干渉が起こらない位置についての情報を記録及び管理しても良い。干渉データベースは、例えば、図2に示すような車種テーブルT1及び学習データベースなどを記憶する。
【0017】
図2は、補助記憶装置134に記憶される車種テーブルT1の一例を示す図である。車種テーブルT1は、干渉源のうち、様々な車種についての情報を記憶するテーブルである。車種テーブルT1は、各車種について、例えば、メーカー情報、車種情報、特徴データ、周波数、方式及び干渉源フラグを関連付けて記憶する。
メーカー情報は、車種を製造しているメーカーに関する情報である。メーカー情報は、当該メーカーの名称などを含む。
車種情報は、車種に関する情報である。車種情報は、当該車種の名称及び各種データなどを含む。
特徴データは、画像認識によって車種を特定するための、車種の外見の特徴を示す情報である。
レーダー周波数は、車種が搭載するレーダーの周波数を示す。
レーダー方式は、車種が搭載するレーダーの方式を示す。当該レーダーの方式は、例えば、FMCW(frequency-modulated continuous-wave)又はFCM(fast chirp modulation)などである。あるいは、当該レーダーの方式は、パルス方式などのその他のレーダー方式であっても良い。
干渉源フラグは、例えば、車種が干渉源となるか否かを示すフラグである。干渉源フラグの値が「Yes」である場合、干渉源となることを示す。干渉源フラグの値が「No」である場合、干渉源とならないことを示す。干渉源フラグの値は、例えば、レーダー周波数などによって決まる。例えば、図2に示す車種テーブルT1を記憶しているレーダー装置100とレーダー周波数が同じである場合に干渉源フラグの値が「Yes」となる。
【0018】
学習データベースは、処理装置130が機械学習などによって学習した、干渉源及び干渉位置に関する情報などを記憶する。学習データベースは、例えば、各物体について学習特徴データ及び学習干渉源フラグを記憶する。学習特徴データは、画像認識によって物体を特定するための、物体の外見の特徴を示す情報である。学習干渉源フラグは、物体が干渉源であるか否かを示すフラグである。学習干渉源フラグの値が「Yes」である場合、干渉源となることを示す。学習干渉源フラグの値が「No」である場合、干渉源とならないことを示す。プロセッサー131は、例えば、機械学習などによって学習干渉源フラグの値を決定する。
なお、干渉源となり得る物体は、例えば、車両及び自動販売機などの、電波を発している物体である。
【0019】
以上より、干渉データベースを記憶する記憶部1341は、電波の干渉源である物体を記憶する記憶部の一例である。また、干渉データベースを記憶する記憶部1341は、電波の干渉が起こる位置を記憶する位置記憶部の一例である。
【0020】
また、プロセッサー131は、ROM132又は補助記憶装置134などに記憶されたプログラムに基づいて、一例として、信号処理部1311、処理部1312、学習部1313及び認識部1314として機能する。
【0021】
信号処理部1311は、受信信号に対して各種処理を行う。これにより、信号処理部1311は、受信信号の反射源である各物体の物理量を計測する。
【0022】
処理部1312は、レーダーの故障及び干渉の判定を行う。また、処理部1312は、故障処理及び干渉処理を行う。故障処理は、レーダーが故障している場合に行う処理である。干渉処理は、レーダーが干渉している場合に行う処理である。
【0023】
学習部1313は、機械学習などによって、干渉データベースを更新する。
【0024】
認識部1314は、カメラ200が出力する画像に対して画像認識を行う。これにより、認識部1314は、当該画像に映っている車両の車種の特定及び物体の特定などを行う。
【0025】
制御インターフェース135は、処理装置130がカメラ200などと通信するためのインターフェースである。処理装置130は、制御インターフェース135を介してカメラ200などを制御する。
【0026】
表示装置136は、レーダー装置100の操作者に各種情報を通知するための画面を表示する。表示装置136は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(electro-luminescence)ディスプレイなどのディスプレイである。
スピーカー137は、入力される音声信号を音波として出力する。
【0027】
バス138は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、処理装置130の各部で授受される信号を伝送する。
【0028】
カメラ200は、車両に搭載され、静止画又は動画像などの画像を撮影する。カメラ200は、レーダーシステム1を搭載している当該車両の周囲を撮影する。なお、カメラ200は、車両の周囲のうち、車両の前方側などの特定の方向のみを撮影しても良いし、全ての方向を撮影しても良い。カメラ200は、撮影した画像を出力する。出力した画像は、制御インターフェース135を介して処理装置130に入力する。カメラ200は、撮影装置の一例である。
【0029】
以下、実施形態に係るレーダーシステム1の動作を図3及び図4などに基づいて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。図3及び図4は、処理装置130のプロセッサー131による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー131は、例えば、ROM132又は補助記憶装置134などに記憶されたプログラムに基づいて図3及び図4の処理を実行する。
プロセッサー131は、例えば、レーダー装置100の起動にともない図3及び図4に示す処理を開始する。
【0030】
図3のステップS11においてプロセッサー131は、レーダーによる物理量の計測を開始するよう各部を制御する。
【0031】
ステップS12においてプロセッサー131は、カメラ200を制御して、画像の撮影を開始させる。なお、プロセッサー131は、カメラ200が出力した画像を、撮影時刻が分かるようにして補助記憶装置134などに記憶する。プロセッサー131は、当該画像を取得することで画像取得部の一例として機能する。
【0032】
ステップS13においてプロセッサー131は、レーダー装置100を搭載する車両の位置情報の取得を開始する。そして、プロセッサー131は、位置情報を、当該位置情報が示す位置に車両がいた時刻とともに補助記憶装置134などに記憶する。これにより、補助記憶装置134には、時刻ごとの車両の位置が記憶される。なお、プロセッサー131は、位置情報を、例えば、GPS(Global Positioning System)などのGNSS(global navigation satellite system)を用いて取得する。あるいは、プロセッサー131は、車載装置などのレーダー装置100以外の装置から位置情報を取得しても良い。
【0033】
ステップS14においてプロセッサー131は、レーダーの検知距離が変化したか否かを判定する。レーダーの検知距離の変化とは、例えば、レーダーの検知距離が短くなること(以下「第1変化」という。)、及び短くなった検知距離が元に戻ること(以下「第2変化」という。)などである。プロセッサー131は、レーダーの検知距離が変化していないならば、ステップS14においてNoと判定してステップS14の処理を繰り返す。そして、プロセッサー131は、レーダーの検知距離が変化したならば、ステップS14においてYesと判定してステップS15へと進む。
【0034】
ステップS15においてプロセッサー131は、レーダーの検知距離が変化した前後の画像を補助記憶装置134などから取得する。そして、プロセッサー131は、画像認識などにより、当該画像に映っている、レーダーの干渉源の候補を特定する。なお、ここで特定される候補を以下「初期候補」という。プロセッサー131は、初期候補をRAM133などに記憶する。プロセッサー131は、例えば、変化が第1変化である場合には、検知距離の変化前の画像に映っておらず、検知距離の変化後の画像に映っている物体を初期候補とする。また、プロセッサー131は、例えば、変化が第2変化である場合には、検知距離の変化前の画像に映っており、検知距離の変化後の画像に映っていない物体を初期候補とする。
したがって、プロセッサー131は、ステップS15の処理を行うことで、異常が発生している時点の画像に映っており、前記異常が発生していない時点の画像に映っていない物体を認識する画像認識部の一例として機能する。なお、第1変化においては、検知距離の変化後が、異常が発生している時点である。そして、第1変化においては、検知距離の変化前が、異常が発生していない時点である。また、第2変化においては、検知距離の変化前が、異常が発生している時点である。そして、第2変化においては、検知距離の変化後が、異常が発生していない時点である。
【0035】
ステップS16においてプロセッサー131は、ステップS15で特定した初期候補のうち、未選択の初期候補があるか否かを判定する。なお、未選択の初期候補とは、次のステップS17で選択されていないものである。また、プロセッサー131は、ステップS15で特定した初期候補が1つもない場合にも未選択の初期候補がないと判定する。プロセッサー131は、初期候補のうち未選択のものがあるならば、ステップS16においてYesと判定してステップS17へと進む。
【0036】
ステップS17においてプロセッサー131は、未選択の初期候補から1つを選択する。ここで選択された初期候補のうち、直近に選択された初期候補を以下「選択候補」という。
【0037】
ステップS18においてプロセッサー131は、選択候補が干渉データベースに登録された干渉源のいずれであるかを画像認識により特定する。あるいは、プロセッサー131は、選択候補が干渉データベースに登録された干渉源のいずれでもないことを画像認識により特定する。なお、プロセッサー131は、干渉源として車種を特定する場合、例えば、車両のフロント又はリアなどの外見の特徴量を用いて特定する。あるいは、プロセッサー131は、干渉源として車種を特定する場合、車両に付されたエンブレム若しくはロゴなどを認識することで車種を特定する。
【0038】
ステップS19においてプロセッサー131は、ステップS18で干渉源を特定できたか否かを判定する。プロセッサー131は、干渉源を特定できたならば、ステップS19においてYesと判定してステップS20へと進む。
【0039】
ステップS20においてプロセッサー131は、ステップS18で特定した干渉源についての情報を干渉データベースから取得する。
【0040】
ステップS21においてプロセッサー131は、ステップS20で取得した情報に基づき、選択候補が干渉源であるか否かを判定する。例えば、プロセッサー131は、干渉源フラグ又は学習干渉源フラグの値が「Yes」である場合に干渉源であると判定する。プロセッサー131は、選択候補が干渉源であると判定するならば、ステップS21においてYesと判定してステップS22へと進む。
【0041】
ステップS22においてプロセッサー131は、選択候補を、初期候補のうちの干渉源である可能性が高い候補であると特定する。なお、ここで特定される候補を以下「最終候補」という。プロセッサー131は、最終候補をRAM133などに記憶する。なお、プロセッサー131は、最終候補が干渉源である可能性を示す信頼度を最終候補に関連付けてRAM133などに記憶しても良い。プロセッサー131は、例えば、ステップS20で取得した情報を用いて信頼度を求める。プロセッサー131は、例えば、選択候補に対する画像認識の認識確率などの、画像認識の結果を用いる。プロセッサー131は、ステップS22の処理の後、ステップS16へと戻る。
【0042】
一方、プロセッサー131は、干渉源を特定できていないならば、ステップS19においてNoと判定してステップS23へと進む。
ステップS23においてプロセッサー131は、選択候補を最終候補とするか否かを判定する。プロセッサー131は、例えば、画像認識の認識確率などの、画像認識の結果を用いて選択候補を最終候補とするか否かを判定する。また、プロセッサー131は、選択候補が、第1変化において初期候補となり、第2変化においても初期候補となっている候補である場合に、選択候補を最終候補としても良い。プロセッサー131は、選択候補を最終候補とすると判定するならば、ステップS23においてYesと判定してステップS22へと進む。
【0043】
プロセッサー131は、ステップS22の処理の後、ステップS24へと進む。また、プロセッサー131は、選択候補を最終候補としないと判定するならば、ステップS23においてNoと判定してステップS24へと進む。また、プロセッサー131は、選択候補が干渉源であると判定しないならば、ステップS21においてNoと判定してステップS24へと進む。
ステップS24においてプロセッサー131は、選択候補についての情報を、干渉源を機械学習するための学習用データとして補助記憶装置134などに記憶する。選択候補についての情報は、例えば、選択候補についての画像認識の結果などを含む。プロセッサー131は、補助記憶装置134に記憶した当該学習用データを用いて適宜機械学習を行うことで、学習データベースを更新する。当該機械学習により、プロセッサー131は、選択候補についての情報を学習データベースに登録(記憶)する場合がある。プロセッサー131は、当該機械学習を行うことで、学習部の一例として機能する。プロセッサー131は、ステップS24の処理の後、ステップS16へと戻る。
【0044】
プロセッサー131は、各初期候補に対してステップS16~ステップS24の処理を行う。そして、プロセッサー131は、初期候補のうち未選択のものがないならば、ステップS16においてNoと判定して図4のステップS25へと進む。
ステップS25においてプロセッサー131は、レーダーの検知距離が変化した位置を、ステップS13で記憶した位置情報に基づき特定する。当該位置を、以下「変化位置」という。なお、プロセッサー131は、例えば、レーダーの検知距離の変化が第1変化である場合には、検知距離が変化した直後の位置を変化位置とする。また、プロセッサー131は、例えば、レーダーの検知距離の変化が第2変化である場合には、検知距離が変化する直前の位置を変化位置とする。したがって、プロセッサー131は、レーダーの異常が発生している発生位置を特定する位置特定部の一例として機能する。
【0045】
ステップS26においてプロセッサー131は、干渉データベースを参照して、変化位置又は変化位置周辺の干渉位置についての情報がある場合、当該情報を取得する。
【0046】
ステップS27においてプロセッサー131は、変化位置が干渉位置であるか否かを判定する。プロセッサー131は、例えば、変化位置が干渉位置であることを示す情報を、ステップS26で取得した場合に、変化位置が干渉位置であると判定する。プロセッサー131は、変化位置が干渉位置であると判定するならば、ステップS27においてYesと判定してステップS29へと進む。
【0047】
ステップS28においてプロセッサー131は、変化位置を干渉位置の候補としてRAM133などに記憶する。なお、ここで記憶される候補を以下「位置候補」という。なお、プロセッサー131は、変化位置が干渉位置である可能性を示す位置信頼度を位置候補に関連付けてRAM133などに記憶しても良い。
【0048】
また、プロセッサー131は、変化位置が干渉位置であると判定しないならば、ステップS27においてNoと判定してステップS29と進む。
ステップS29おいてプロセッサー131は、変化位置を、干渉位置を機械学習するための学習用データとして補助記憶装置134などに記憶する。プロセッサー131は、補助記憶装置134に記憶した当該学習用データを用いて適宜機械学習を行うことで、学習データベースを更新する。プロセッサー131は、例えば、当該位置が所定の条件を満たした場合に当該位置を干渉位置として学習データベースに登録する。所定の条件は、例えば、所定の回数以上同じ位置で検知距離の変化があることである。所定の条件は、所定の回数以上同じ位置で検知距離の変化があり、且つ当該位置を車両が通過した回数に対する検知距離の変化が起こった回数の割合が所定の割合以上であることである。プロセッサー131は、当該機械学習を行うことで、位置学習部の一例として機能する。
【0049】
プロセッサー131は、ステップS28又はステップS29の処理の後、ステップS30へと進む。
ステップS30においてプロセッサー131は、RAM133に記憶した最終候補及び位置候補を参照して、ステップS14で判定したレーダーの検知距離の変化の原因が干渉、故障又は不明のいずれであるかを判定する。プロセッサー131は、例えば、最終候補及び位置候補のいずれかが1つでもある場合に、当該原因が干渉であると判定する。プロセッサー131は、例えば、最終候補及び位置候補のいずれかの信頼度又は位置信頼度が第1の閾値以上である場合に、当該原因が干渉であると判定する。あるいは、プロセッサー131は、複数の最終候補及び位置候補とその信頼度及び位置信頼度を用いて当該原因が干渉であることを判定しても良い。また、プロセッサー131は、例えば、最終候補及び位置候補が1つも無い場合に当該原因が故障であると判定する。プロセッサー131は、例えば、最終候補及び位置候補の信頼度及び位置信頼度がいずれも第2の閾値以下である場合に当該原因が故障であると判定する。あるいは、プロセッサー131は、複数の最終候補及び位置候補とその信頼度及び位置信頼度を用いて当該原因が故障であることを判定しても良い。また、プロセッサー131は、例えば、故障及び干渉のいずれでもないと判定した場合に当該原因が不明であると判定する。
【0050】
ステップS31においてプロセッサー131は、レーダーの検知距離の変化の原因が干渉であるか否かを判定する。プロセッサー131は、レーダーの検知距離の変化の原因が干渉であるならば、ステップS31においてYesと判定してステップS32へと進む。
以上より、プロセッサー131は、ステップS16~ステップS23、ステップS30及びステップS31の処理を行うことで、画像認識によって物体が認識された場合、認識結果に基づきレーダーの異常の原因が電波の干渉であることを判定する判定部の一例として機能する。また、プロセッサー131は、テップS25~ステップS31の処理を行うことで、干渉データベースによって変化位置が干渉位置であるとして記憶されている場合、レーダーの異常の原因が電波の干渉であると判定する判定部の一例として機能する。
【0051】
ステップS32においてプロセッサー131は、必要に応じてレーダーの干渉に対応する干渉処理を行う。例えば、プロセッサー131は、干渉処理として、レーダーの検知距離の変化が第1変化である場合、信号送受信部120を制御して送信信号の出力を上げる、送信信号の周波数を変える又はレーダーの方式を変えるなどする。あるいは、プロセッサー131は、干渉処理として、信号送受信部120を制御してレーダーを停止しても良い。なお、プロセッサー131は、第2変化を検出した場合に、干渉処理を終了する。プロセッサー131は、ステップS32の処理の後、図3のステップS14へと戻る。
以上のように、プロセッサー131は、送信信号の出力を上げる、送信信号の周波数を変える、レーダーの方式を変える、又はレーダーを停止するなどのレーダーの動作の変更を行うことで、動作変更部の一例として機能する。
【0052】
対して、プロセッサー131は、レーダーの検知距離の変化の原因が干渉でないならば、ステップS31においてNoと判定してステップS33へと進む。
ステップS33においてプロセッサー131は、レーダーの検知距離の変化の原因が故障であるか否かを判定する。プロセッサー131は、レーダーの検知距離の変化の原因が故障であるならば、ステップS33においてYesと判定してステップS34へと進む。
【0053】
ステップS34においてプロセッサー131は、必要に応じてレーダーの故障に対応する故障処理を行う。プロセッサー131は、例えば、故障処理として、車両に乗っている人又はレーダー装置100の操作者などに対してレーダーが故障していることを報知する。プロセッサー131は、例えば、故障が発生していることを示す画像を表示装置136に表示する、又は故障が発生していることを示す音声をスピーカー137から出力することで当該報知を行う。あるいは、プロセッサー131は、その他の方法により報知しても良い。また、プロセッサー131は、例えば、故障処理として、信号送受信部120を制御してレーダーを停止しても良い。プロセッサー131は、ステップS34の処理の後、ステップS14へと戻る。したがって、プロセッサー131は、表示装置136又はスピーカー137などと協働してステップS34の処理を行うことで報知部の一例として機能する。
【0054】
対して、プロセッサー131は、レーダーの検知距離の変化の原因が故障でないならば、すなわち不明であるならば、ステップS33においてNoと判定して図3のステップS14へと戻る。
【0055】
また、プロセッサー131は、図3及び図4に示す処理とは別に、以下に示すような機械学習のための処理を行っても良い。なお、この処理は、例えば、レーダーシステム1の製造時など、レーダーシステム1の出荷前に、テスト用車両などを用いて行っておく。そして、例えば、レーダーシステム1は、当該機械学習によって作成された学習データベースが記憶された状態で出荷される。あるいは、各車両に搭載された、出荷後のレーダーシステム1が、以下に示すような機械学習のための処理を行っても良い。
【0056】
例えば、プロセッサー131は、車両の走行中にカメラ200が撮影した画像に対して画像認識を行う。この画像認識は、レーダーの検知距離の変化に拘らずに行う。プロセッサー131は、この画像認識により、学習データベースに記憶された物体を認識する。そして、プロセッサー131は、画像認識の結果及びレーダーの信号の変化などをもとに機械学習を行う。例えば、プロセッサー131は、当該物体を認識したならば、レーダーの検知距離が減少しているか否かを判定する。そして、プロセッサー131は、例えば、レーダーの検知距離が減少しているならば、当該物体が干渉源である可能性が高まったと学習する。対して、プロセッサー131は、例えば、レーダーの検知距離が正常であるならば、当該物体が干渉源である可能性が小さくなったと学習する。そして、プロセッサー131は、例えば、当該可能性が所定の可能性以上である場合に干渉フラグの値を「Yes」にし、当該所定の可能性未満である場合に干渉フラグの値を「No」とする。
【0057】
また、例えば、プロセッサー131は、車両の位置の変化及びレーダーの信号の変化などをもとに機械学習を行う。例えば、プロセッサー131は、車両の走行中に、干渉データベースに記憶されている位置を通過する場合に、レーダーの検知距離が減少しているか否かを判定する。そして、プロセッサー131は、例えば、レーダーの検知距離が減少しているならば、当該位置が干渉位置である可能性が高まったと学習する。対して、プロセッサー131は、例えば、レーダーの検知距離が正常であるならば、当該位置が干渉位置である可能性が小さくなったと学習する。そして、プロセッサー131は、例えば、当該可能性が所定の可能性以上である場合に干渉フラグの値を「Yes」にし、当該所定の可能性未満である場合に干渉フラグの値を「No」とする。
【0058】
実施形態のレーダーシステム1によれば、処理装置130は、画像認識により、レーダーの検知距離が短くなっている時点の画像に映っており、検知距離が正常である時点の画像に映っていない物体を認識する。そして、処理装置130は、そのような物体がある場合に、レーダーの検知距離の原因が電波の干渉であることの判定を行う。このように、実施形態の処理装置130は、カメラ200によって撮影した画像を用いることで、レーダーの検知距離の減少の原因が電波の干渉であることの判定を行うことができる。また、実施形態の処理装置130は、電波の干渉源と通信をせずに、電波による干渉を受けていることを検知することができる。
【0059】
また、実施形態のレーダーシステム1によれば、処理装置130は、画像認識により、レーダーの検知距離が短くなっている時点の画像に映っており、検知距離が正常である時点の画像に映っていない物体を認識できなかった場合、レーダーの検知距離の原因が装置の故障であると判定する。このように、実施形態の処理装置130は、カメラ200によって撮影した画像を用いることで、レーダーの検知距離の減少の原因が装置の故障であると判定することができる。
【0060】
また、実施形態のレーダーシステム1によれば、処理装置130は、画像認識により認識した物体が、干渉データベースにおいて干渉源であると記憶されている場合に、レーダーの検知距離の原因が電波の干渉であると判定する。このように、実施形態の処理装置130は、干渉データベースを用いることで、レーダーの検知距離の減少の原因の判定の精度を向上することができる。
【0061】
また、実施形態のレーダーシステム1によれば、処理装置130は、画像認識により認識した車種が、干渉データベースにおいて干渉源であると記憶されている場合に、レーダーの検知距離の減少の原因が電波の干渉であると判定する。このように、実施形態の処理装置130は、車種について記憶した干渉データベースを用いることで、他車の車載レーダーが干渉源である場合のレーダーの検知距離の減少の原因の判定の精度を向上することができる。
【0062】
また、実施形態のレーダーシステム1によれば、処理装置130は、機械学習などにより干渉源についての情報を学習データベースに登録する。これにより、実施形態の処理装置130は、レーダーの検知距離の減少の原因の判定の精度を向上することができる。
【0063】
また、実施形態のレーダーシステム1によれば、干渉データベースは、干渉源でない物体についての情報も記憶する。これにより、実施形態の処理装置130は、レーダーの検知距離の減少の原因の判定の精度を向上することができる。
【0064】
また、実施形態のレーダーシステム1によれば、処理装置130は、レーダーの検知距離が変化した変化位置が、電波の干渉が起こる干渉位置であることを、干渉データベースを参照して判定する。このように、実施形態の処理装置130は、車両が干渉位置を通過した場合に、レーダーの検知距離の減少の原因が電波の干渉によるものであることを判定することができる。また、実施形態の処理装置130は、位置情報を用いて、レーダーの検知距離の減少の原因が電波の干渉によるものであることを判定することができる。また、実施形態の処理装置130は、電波の干渉源と通信をせずに、電波による干渉を受けていることを検知することができる。
【0065】
また、実施形態のレーダーシステム1によれば、処理装置130は、機械学習などにより干渉位置についての情報を学習データベースに登録する。これにより、実施形態の処理装置130は、レーダーの検知距離の減少の原因の判定の精度を向上することができる。
【0066】
また、実施形態のレーダーシステム1によれば、処理装置130は、レーダーの検知距離が変化した変化位置が、電波の干渉が起こる干渉位置でないことを、干渉データベースを参照して判定する。そして、実施形態の処理装置130は、変化位置が干渉位置でない場合、レーダーの検知距離の減少の原因が装置の故障によるものであると判定する。このように、実施形態の処理装置130は、位置情報を用いて、レーダーの検知距離の減少の原因が電波の干渉によるものでないことを判定することができる。
【0067】
また、実施形態のレーダーシステム1によれば、処理装置130は、レーダーの検知距離の減少の原因が電波の干渉によるものであると判定した場合、レーダーの動作を変更する。このように、実施形態の処理装置130は、電波の干渉を受けている場合でも検知距離の減少の影響を抑えたり、電波の干渉を受けないようにしたり、電波の干渉を受けている間だけレーダーを停止したりすることができる。
【0068】
また、実施形態のレーダーシステム1によれば、処理装置130は、レーダーの検知距離の減少の原因が装置の故障によるものであると判定した場合、故障の発生を報知する。これにより、レーダー装置100の使用者などは、故障が発生していることを知ることができる。
【0069】
上記の実施形態は、以下のような変形も可能である。
上記の実施形態では、レーダー装置100は、レーダーの異常として、検知距離が減少する場合に電波の干渉であるか装置の故障であるかの判定を行った。しかしながら、レーダー装置100は、物標の消失などのその他のレーダーの異常に対して、同様に電波の干渉であるか装置の故障であるかの判定を行っても良い。
【0070】
干渉データベースは、車種テーブルT1及び学習データベースの一方のみを含んでいても良い。干渉データベースが学習データベースを含まない場合などにおいて、プロセッサー131は、機械学習を行わなくても良い。また、干渉データベースは、車種以外の物体の種類についても、当該種類についての情報を、車種テーブルT1と同様にテーブルとして記憶していても良い。なお、当該情報は、当該種類が干渉源であるか否かを示す情報及び当該種類の外見の特徴を示すデータを、当該種類に関連付ける。また、干渉データベースは、干渉位置についても、当該干渉位置についての情報を、車種テーブルT1と同様にテーブルとして記憶していても良い。
また、上記の実施形態では、車種テーブルT1の内容は予め決まっており、変化しない。しかしながら、プロセッサー131は、機械学習によって車種テーブルT1の内容を変更しても良い。
【0071】
処理装置が行う処理の一部又は全部をレーダー装置の外部の装置が行っても良い。当該外部の装置は、例えば、ECU(electronic control unit)などの車載コンピューターである。当該外部の装置は、一例として、信号処理部1311が行う処理以外の処理を行う。当該外部の装置は、レーダー処理装置の一例である。
【0072】
プロセッサー131は、上記実施形態においてプログラムによって実現する処理の一部又は全部を、回路のハードウェア構成によって実現するものであっても良い。
【0073】
実施形態の処理を実現するプログラム及び干渉データベースは、例えば装置に記憶された状態で譲渡される。しかしながら、当該装置は、当該プログラム及び干渉データベースが記憶されない状態で譲渡されても良い。そして、当該プログラム及び干渉データベースが別途に譲渡され、当該装置へと書き込まれても良い。このときのプログラムの譲渡は、例えば、リムーバブルな記憶媒体に記録して、あるいはインターネット又はLAN(local area network)などのネットワークを介したダウンロードにより実現できる。
また、プロセッサー131は、干渉データベースを、リムーバブルな記憶媒体に記録されたデータ又はダウンロードされたデータに基づき内容を更新しても良い。
【0074】
以上、本発明の実施形態を説明したが、例として示したものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 レーダーシステム
100 レーダー装置
110 アンテナ部
120 信号送受信部
130 処理装置
131 プロセッサー
132 ROM
133 RAM
134 補助記憶装置
135 制御インターフェース
136 表示装置
137 スピーカー
138 バス
200 カメラ
1311 信号処理部
1312 処理部
1313 学習部
1314 認識部
1341 記憶部
図1
図2
図3
図4