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特開2024-164429情報収集システム、検査用基板、及び情報収集方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164429
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】情報収集システム、検査用基板、及び情報収集方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20241120BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20241120BHJP
   G01B 11/14 20060101ALI20241120BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
H01L21/66 P
H01L21/30 564C
H01L21/30 569C
G01B11/14 H
B05C11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079893
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【弁理士】
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100212026
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真生
(72)【発明者】
【氏名】牧 準之輔
(72)【発明者】
【氏名】林 聖人
(72)【発明者】
【氏名】左田 信幸
(72)【発明者】
【氏名】小西 凌
【テーマコード(参考)】
2F065
4F042
4M106
5F146
【Fターム(参考)】
2F065AA01
2F065AA12
2F065AA21
2F065BB01
2F065FF04
2F065HH05
2F065HH12
2F065JJ19
2F065PP11
2F065RR08
4F042AA06
4F042AA07
4F042DF03
4F042DF09
4F042DH09
4F042EB05
4F042EB09
4F042EB13
4M106AA01
4M106BA04
4M106BA05
4M106CA50
4M106DH39
4M106DJ12
4M106DJ19
4M106DJ20
5F146JA27
5F146LA19
(57)【要約】
【課題】機能部材と基板との距離情報を取得可能な技術を提供する。
【解決手段】本開示の一側面に係る情報収集システムは、基板を保持する保持部と、基板が保持部に保持される際に基板の裏面側に位置する機能部材と、を有する基板処理装置に関する情報を取得するシステムである。この情報収集システムは、保持部によって保持可能な底面を有する本体部と、本体部に対して固定されて、機能部材に対して斜め上方から測定波を照射する照射部と、本体部に対して固定されて、照射部からの測定波の照射に起因した応答を検出する検出部と、検出部において検出された応答に基づいて、本体部と機能部材との間の間隔の情報を取得する演算部と、を備える。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持する保持部と、前記基板が前記保持部に保持される際に前記基板の裏面側に位置する機能部材と、を有する基板処理装置に関する情報を取得する情報収集システムであって、
前記保持部によって保持可能な底面を有する本体部と、
前記本体部に対して固定されて、前記機能部材に対して斜め上方から測定波を照射する照射部と、
前記本体部に対して固定されて、前記照射部からの前記測定波の照射に起因した応答を検出する検出部と、
前記検出部において検出された前記応答に基づいて、前記本体部と前記機能部材との間の間隔の情報を取得する演算部と、を備える、情報収集システム。
【請求項2】
前記照射部は、前記測定波として光を照射し、
前記検出部は、前記光が照射された前記機能部材を撮像するカメラである、請求項1に記載の情報収集システム。
【請求項3】
前記照射部から照射される前記光は、帯状の光であって、
前記帯状の光は、前記底面に沿い、前記照射部からの前記光が進む方向に対して交差する方向に延びており、
前記演算部は、
前記カメラで撮像された画像から、前記機能部材における前記帯状の光の照射位置を特定し、
特定された前記照射位置を示す情報に基づいて、前記本体部と前記機能部材との間の間隔の情報を取得する、請求項2に記載の情報収集システム。
【請求項4】
前記演算部は、前記機能部材における前記帯状の光の照射位置と、前記本体部と前記機能部材との間の間隔との関係を示すモデルに基づいて、前記本体部と前記機能部材との間の間隔の情報を取得する、請求項3に記載の情報収集システム。
【請求項5】
前記演算部は、前記画像のうちの予め設定された一部の範囲内で、前記機能部材における前記帯状の光の照射位置を特定する、請求項3又は4に記載の情報収集システム。
【請求項6】
前記演算部は、
前記画像から、前記底面に沿い、前記照射部からの前記光が進む第1方向に直交する第2方向において、前記光が照射された部分と前記光が照射されていない部分との境界の位置を特定し、
前記画像のうちの、前記第2方向において特定された前記境界の位置から所定量だけ離れた一部の範囲内で、前記機能部材における前記帯状の光の照射位置を特定する、請求項3又は4に記載の情報収集システム。
【請求項7】
前記演算部は、
前記画像から、平面視において前記照射部からの前記光が進む第1方向と、前記底面に沿い、前記照射部からの前記光が進む方向に直交する第2方向とのそれぞれにおいて、前記機能部材における前記帯状の光の照射位置を特定し、
前記第1方向及び前記第2方向それぞれにおいて特定された前記照射位置を示す情報に基づいて、前記本体部と前記機能部材との間の間隔の情報を取得する、請求項3又は4に記載の情報収集システム。
【請求項8】
前記機能部材は、環状に形成されており、
前記機能部材には、前記基板に対して供給される処理液が裏面に回り込むことを抑制する凸部が設けられており、
前記本体部と前記機能部材との間の間隔は、前記本体部と前記凸部との間隔である、請求項1~4のいずれか一項に記載の情報収集システム。
【請求項9】
前記機能部材は、環状に形成されており、
前記演算部は、周方向における位置が互いに異なる複数の計測点での前記応答に基づいて、前記本体部と前記機能部材との間の間隔の情報を取得する、請求項1~4のいずれか一項に記載の情報収集システム。
【請求項10】
前記本体部には、貫通孔が形成されており、
前記照射部は前記貫通孔を介して前記機能部材に対して前記測定波を照射し、前記検出部は前記貫通孔を介して前記応答を検出し、
前記情報収集システムは、少なくとも前記貫通孔を覆うカバー部材を更に備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の情報収集システム。
【請求項11】
基板を保持する保持部と、前記基板が前記保持部に保持される際に前記基板の裏面側に位置する機能部材と、を有する基板処理装置に関する情報を取得する検査用基板であって、
前記保持部によって保持可能な底面を有する本体部と、
前記本体部に対して固定されて、前記機能部材に対して斜め上方から測定波を照射する照射部と、
前記本体部に対して固定されて、前記照射部からの前記測定波の照射に起因した応答を検出する検出部と、を備える検査用基板。
【請求項12】
前記検出部において検出された前記応答に基づいて、前記本体部と前記機能部材との間の間隔の情報を取得する演算部を更に備える、請求項11に記載の検査用基板。
【請求項13】
基板を保持する保持部と、前記基板が前記保持部に保持される際に前記基板の裏面側に位置する機能部材と、を有する基板処理装置に関する情報を取得する情報収集方法であって、
本体部の底面を前記保持部によって保持することと、
前記本体部に対して固定された照射部から、前記機能部材に対して斜め上方から測定波を照射することと、
前記本体部に対して固定された検出部において、前記照射部からの前記測定波の照射に起因した応答を検出することと、
前記検出部において検出された前記応答に基づいて、前記本体部と前記機能部材との間の間隔の情報を取得することと、を含む、情報収集方法。
【請求項14】
前記照射することにおいて、前記照射部は、前記測定波として光を照射し、
前記検出部は、前記光が照射された前記機能部材を撮像するカメラである、請求項13に記載の情報収集方法。
【請求項15】
前記照射することにおいて、前記照射部から照射される前記光は、帯状の光であって、
前記帯状の光は、前記底面に沿い、前記照射部からの前記光が進む方向に対して交差する方向に延びており、
前記取得することにおいて、
前記カメラで撮像された画像から、前記機能部材における前記帯状の光の照射位置が特定され、
特定された前記照射位置を示す情報に基づいて、前記本体部と前記機能部材との間の間隔の情報が取得される、請求項14に記載の情報収集方法。
【請求項16】
前記機能部材は、環状に形成されており、
前記機能部材には、前記基板に対して供給される処理液が裏面に回り込むことを抑制する凸部が設けられており、
前記取得することにおいて、前記本体部と前記機能部材との間の間隔の情報として前記本体部と前記凸部との間隔の情報が取得される、請求項13~15のいずれか一項に記載の情報収集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報収集システム、検査用基板、及び情報収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基板を処理する基板処理装置が開示されている。この基板処理装置は、基板保持部に保持された基板の裏面に対向する位置に環状に設けられ、基板より小さい径を有するリング部材を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-13932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、基板処理装置における機能部材と基板との距離情報を取得可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る情報収集システムは、基板を保持する保持部と、基板が保持部に保持される際に基板の裏面側に位置する機能部材と、を有する基板処理装置に関する情報を取得するシステムである。この情報収集システムは、保持部によって保持可能な底面を有する本体部と、本体部に対して固定されて、機能部材に対して斜め上方から測定波を照射する照射部と、本体部に対して固定されて、照射部からの測定波の照射に起因した応答を検出する検出部と、検出部において検出された応答に基づいて、本体部と機能部材との間の間隔の情報を取得する演算部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、基板処理装置における機能部材と基板との距離情報を取得可能な技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、基板処理システムの一例を示す模式図である。
図2図2は、基板処理システムの一例を示す模式図である。
図3図3は、液処理ユニットの一例を示す模式図である。
図4図4は、検査用ウェハ、情報収集装置、及び制御装置の関係の一例を示す図である。
図5図5は、検査用ウェハにおける計測部の構成の一例を示す図である。
図6図6(a)及び図6(b)は、計測部の構成の一例を示す図である。
図7図7は、検査用ウェハ、情報収集装置、及び制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図8図8は、間隔の計測方法の一例を説明するための図である。
図9図9は、間隔を計測するためのモデルの一例を示すグラフである。
図10図10(a)は、計測方法の一例を示すフローチャートである。図10(b)は、撮像画像の一例である。
図11図11(a)は、計測方法の一例を示すフローチャートである。図11(b)は、撮像画像の一例である。
図12図12(a)は、計測方法の一例を示すフローチャートである。図12(b)は、撮像画像の一例である。
図13図13は、計測箇所及び複数の計測点の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して一実施形態について説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。一部の図面にはX軸、Y軸、及びZ軸により規定される直交座標系が示される。以下の実施形態では、Z軸方向が上下方向に対応し、X軸及びY軸方向が水平方向に対応する。
【0009】
[基板処理システム]
図1には、本開示の一実施形態に係る基板処理システムが模式的に示されている。図1に示される基板処理システム1は、ワークWに対し、感光性被膜の形成、当該感光性被膜の露光、及び当該感光性被膜の現像を施すシステムである。処理対象のワークWは、例えば、シリコンウェハである。ワークW(基板)は、円形であってもよい。ワークWは、ガラス基板、マスク基板、又はFPD(Flat Panel Display)などであってもよい。感光性被膜は、例えばレジスト膜である。
【0010】
基板処理システム1(情報収集システム)は、感光性被膜の形成等を含む基板処理を行うことに加えて、基板処理装置に関する情報を収集する機能を有する。基板処理システム1は、基板処理装置2と、情報収集システム7と、を備える。
【0011】
基板処理装置2は、塗布現像装置2Aと、露光装置2Bと、制御装置100と、を備える。露光装置2Bは、ワークWに形成されたレジスト膜(感光性被膜)を露光する装置である。具体的には、露光装置2Bは、液浸露光等の方法によりレジスト膜の露光対象部分にエネルギー線を照射する。塗布現像装置2A(基板処理装置)は、露光装置2Bによる露光処理前に、ワークWの表面にレジスト(薬液)を塗布してレジスト膜を形成する処理を行い、露光装置2Bによる露光処理後にレジスト膜の現像処理を行う。
【0012】
(基板処理装置)
図1及び図2を参照しながら、基板処理装置の一例である塗布現像装置2Aの構成を説明する。図1及び図2に示されるように、塗布現像装置2Aは、キャリアブロック4と、処理ブロック5と、インタフェースブロック6と、を備える。
【0013】
キャリアブロック4は、塗布現像装置2A内へのワークWの導入及び塗布現像装置2A内からのワークWの導出を行う。例えばキャリアブロック4は、ワークW用の複数のキャリアCを支持可能であり、受け渡しアームを含む搬送装置A1を内蔵している。キャリアCは、例えば円形の複数枚のワークWを収容する。搬送装置A1は、キャリアCからワークWを取り出して処理ブロック5に渡し、処理ブロック5からワークWを受け取ってキャリアC内に戻す。処理ブロック5は、複数の処理モジュール11,12,13,14を有する。
【0014】
処理モジュール11は、液処理ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにワークWを搬送する搬送装置A3とを内蔵している。処理モジュール11は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりワークWの表面上に下層膜を形成する。液処理ユニットU1は、下層膜形成用の処理液をワークW上に塗布する。熱処理ユニットU2は、下層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
【0015】
処理モジュール12は、液処理ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにワークWを搬送する搬送装置A3とを内蔵している。処理モジュール12は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2により下層膜上にレジスト膜を形成する。液処理ユニットU1は、レジスト膜形成用の処理液(レジスト)を下層膜の上に塗布する。熱処理ユニットU2は、レジスト膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
【0016】
処理モジュール13は、液処理ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにワークWを搬送する搬送装置A3とを内蔵している。処理モジュール13は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりレジスト膜上に上層膜を形成する。液処理ユニットU1は、上層膜形成用の処理液をレジスト膜の上に塗布する。熱処理ユニットU2は、上層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
【0017】
処理モジュール14は、液処理ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにワークWを搬送する搬送装置A3とを内蔵している。処理モジュール14は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2により、露光処理が施されたレジスト膜の現像処理及び現像処理に伴う熱処理を行う。液処理ユニットU1は、露光済みのワークWの表面上に現像液を塗布した後、これをリンス液により洗い流すことで、レジスト膜の現像処理を行う。熱処理ユニットU2は、現像処理に伴う各種熱処理を行う。熱処理の具体例としては、現像処理前の加熱処理(PEB:Post Exposure Bake)、現像処理後の加熱処理(PB:Post Bake)等が挙げられる。
【0018】
処理ブロック5内におけるキャリアブロック4側には棚ユニットU10が設けられている。棚ユニットU10は、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。棚ユニットU10の近傍には昇降アームを含む搬送装置A7が設けられている。搬送装置A7は、棚ユニットU10のセル同士の間でワークWを昇降させる。
【0019】
処理ブロック5内におけるインタフェースブロック6側には棚ユニットU11が設けられている。棚ユニットU11は、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。
【0020】
インタフェースブロック6は、露光装置2Bとの間でワークWの受け渡しを行う。例えばインタフェースブロック6は、受け渡しアームを含む搬送装置A8を内蔵しており、露光装置2Bに接続される。搬送装置A8は、棚ユニットU11に配置されたワークWを露光装置2Bに渡す。搬送装置A8は、露光装置2BからワークWを受け取って棚ユニットU11に戻す。
【0021】
上述の塗布現像装置2Aに対する制御は、制御装置100によって行われる。制御装置100は、塗布現像装置2AにおけるワークWに係る処理を実行するための処理手順に関する情報を保持し、ワークWを塗布現像装置2A内に搬入して所定の基板処理を実行するように各部を制御する。なお、制御装置100は、情報収集システム7との間で情報の送受信を行う機能を有する。
【0022】
塗布現像装置2Aにおいて実行されるワークWの処理について説明する。制御装置100は、例えば以下の手順でワークWに対する処理を実行するように塗布現像装置2Aを制御する。まず制御装置100は、キャリアC内のワークWを棚ユニットU10に搬送するように搬送装置A1を制御し、このワークWを処理モジュール11用のセルに配置するように搬送装置A7を制御する。
【0023】
次に制御装置100は、棚ユニットU10のワークWを処理モジュール11内の液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2に搬送するように搬送装置A3を制御する。また、制御装置100は、このワークWの表面上に下層膜を形成するように液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後制御装置100は、下層膜が形成されたワークWを棚ユニットU10に戻すように搬送装置A3を制御し、このワークWを処理モジュール12に配置するように搬送装置A7を制御する。
【0024】
次に制御装置100は、棚ユニットU10のワークWを処理モジュール12内の液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2に搬送するように搬送装置A3を制御する。制御装置100は、ワークWの下層膜上にレジスト膜を形成するように液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後制御装置100は、ワークWを棚ユニットU10に戻すように搬送装置A3を制御し、このワークWを処理モジュール13用のセルに配置するように搬送装置A7を制御する。
【0025】
次に制御装置100は、棚ユニットU10のワークWを処理モジュール13内の液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2に搬送するように搬送装置A3を制御する。また、制御装置100は、このワークWのレジスト膜上に上層膜を形成するように液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後制御装置100は、ワークWを棚ユニットU11に搬送するように搬送装置A3を制御する。
【0026】
次に制御装置100は、棚ユニットU11に収容されたワークWを露光装置2Bに送り出すように搬送装置A8を制御する。そして、露光装置2Bにおいて、ワークWに形成されたレジスト膜に対して露光処理が施される。その後制御装置100は、露光処理が施されたワークWを露光装置2Bから受け入れて、当該ワークWを棚ユニットU11における処理モジュール14用のセルに配置するように搬送装置A8を制御する。
【0027】
次に制御装置100は、棚ユニットU11のワークWを処理モジュール14の熱処理ユニットU2に搬送するように搬送装置A3を制御する。そして、制御装置100は、現像処理に伴う熱処理、及び現像処理を実行するように液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。以上により、制御装置100は、1枚のワークWに対する基板処理を終了する。
【0028】
<液処理ユニット>
続いて、液処理ユニットU1の一例について詳細に説明する。図3に示すように、液処理ユニットU1は、例えば、保持部21と、回転駆動部22と、支持ピン24と、ガイドリング25と、カップ27と、排気管28と、排液口29と、を有する。また、液処理ユニットU1は、処理液供給部31を有する。液処理ユニットU1には、複数種類の処理液供給部31が設けられる場合もあるが、以下では、1種類の処理液供給部31が設けられる場合を例示する。
【0029】
保持部21は、ワークWを水平に保持するスピンチャックである。保持部21は、吸着によってワークWの裏面を保持してもよい。保持部21は、上下方向(鉛直方向)に延びるシャフト21aを介して回転駆動部22に接続される。回転駆動部22は、制御装置100から出力される制御信号に基づいて、所定の回転速度で保持部21を回転させる。
【0030】
シャフト21aの周囲には囲い板23が設けられており、当該囲い板23を貫通するように上下方向に伸びる支持ピン24が設けられる。支持ピン24は、ワークWの裏面を支持可能なピンであり、一例として、シャフト21aの周囲に3つの支持ピン24が設けられる。支持ピン24は昇降機構(図示せず)によって昇降可能である。支持ピン24によってワークWの搬送機構(図示せず)と保持部21との間でワークWが受け渡される。
【0031】
ガイドリング25は、保持部21によって保持されたワークWの下方に設けられて、ワークWの表面に対して供給される処理液を排液口へ向けてガイドする機能を有する。ガイドリング25の少なくとも一部は、ワークWが保持部21に保持された際にワークWの裏面側(鉛直下方)に位置する。平面視(上方から視ること)において、ガイドリング25の少なくとも一部は、ワークWに覆われている。ガイドリング25の外周の周囲を囲むように、処理液の飛散を抑制するためのカップ27が設けられる。保持部21へのワークWの受け渡しが可能なように、カップ27の上方は開口している。カップ27の内周面とガイドリング25の外周縁との間には液体の排出路となる空間が形成される。また、カップ27の下方には、排気口が設けられると共に、上述の空間を移動する液体を排出する排液口29とが設けられる。
【0032】
ガイドリング25は、囲い板23の周縁部上からカップ27へ向けて広がるように形成され、平面視で円環をなす部材(環状部材)であり、保持部21に保持されるワークWの下方に位置する。ガイドリング25の下方において、カップ27の内壁部と接続されていて、処理液がカップ27外に漏れないように構成されている。
【0033】
ガイドリング25の上面は傾斜面25a、25bによって構成されている。傾斜面25aは傾斜面25bよりもカップ27の中心側に位置している。傾斜面25aはカップ27の外方に向かうにつれて上り、且つ傾斜面25bはカップ27の外方に向かうにつれて下るように傾斜している。この結果、ガイドリング25の縦断面は山型に形成されている。
【0034】
ガイドリング25の傾斜面25aと傾斜面25bとの境界部分には、これらの勾配が急になることで形成されたリング上端部26(環状の凸部)が設けられる。リング上端部26は上方に突出するように形成されていて、上述の保持部21に載置されるワークWの周方向に沿うと共に当該ワークWの周縁部に近接する。このリング上端部26はワークWの表面に供給される処理液が、ワークWの裏面に回り込んでワークWの中心寄りの位置に付着すること、または、処理液のミストがワークWの裏面の中心寄りの位置に付着することを防止する。ガイドリング25のカップ27に対する相対位置が変更される場合がある。したがって、ワークW及びワークWを支持する保持部21に対して、リング上端部26の相対的な高さは変更され得る。
【0035】
処理液供給部31は、保持部21で保持された状態のワークWの上方からワークWの表面に向けて処理液を吐出する。処理液供給部31は、ワークWの表面における周縁領域(周縁及びその近傍を含む領域)へ向けて処理液を吐出してもよい。
【0036】
処理液供給部31は、ノズル31aと、処理液供給源31bと、配管31cとを含む。配管31c上には、制御装置100によって制御される開閉バルブが設けられていてもよい。制御装置100からの制御信号に基づいて開閉バルブの開状態と閉状態とが切り替えられることで、処理液の供給及び停止が切り替えられてもよい。
【0037】
ノズル31aは、例えば、水平方向に伸びるアーム等に取り付けられ、水平方向に移動可能である。ノズル31aは、上下方向にも移動可能である。液処理ユニットU1には、ノズル31aを水平方向及び上下方向に移動させるための移動機構が設けられていて、移動機構の動作によって、ノズル31aは、カップ27外の待機位置とワークW上との間を移動することができる。
【0038】
処理液供給部31から供給される処理液としては、例えば、ワークWの周縁において塗布膜を形成する際に使用される処理液(例えば、レジスト液)、及び溶剤が挙げられる。処理液供給部31から供給される処理液は、現像液であってもよい。複数の処理液をワークWに対して供給する必要がある場合、液処理ユニットU1内には、複数の処理液供給部31が設けられていてもよい。
【0039】
制御装置100が上述の液処理ユニットU1を制御する際には、所定の条件に従って、液処理ユニットU1によりワークWに対して液処理を施すことを実行する。制御装置100は、例えば、所定の条件に基づいて処理液供給部31によりワークWに処理液を供給すると共に、その際にワークWの回転等を制御する。制御装置100は、上記の液処理を実行するための複数の機能モジュールによって構成されていてもよい。各機能モジュールは、プログラムの実行により実現されるものに限られず、専用の電気回路(例えば論理回路)、又は、これを集積した集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)により実現されるものであってもよい。
【0040】
(情報収集システム)
図1に示される情報収集システム7は、基板処理装置2に関する情報を取得するシステムである。情報収集システム7は、検査用ウェハ8(検査用基板)と、情報収集装置9と、を備える。
【0041】
検査用ウェハ8は、基板処理装置2(塗布現像装置2A)内において、塗布現像装置2Aに含まれる各種の搬送装置によって、ワークWの搬送と同様にして搬送されてもよい。検査用ウェハ8は、保持部21がワークWを保持した際にワークWの裏面側に位置する部材を撮像して、画像データを取得してもよい。そして、検査用ウェハ8は、その画像データから、保持部21にワークWが載置されるときに当該ワークWの裏面側に位置する部材の高さ位置を示す情報を取得する。
【0042】
本開示では、保持部21がワークWを保持した際にワークWの裏面側に位置し、検査用ウェハ8によって高さ位置を示す情報が取得される対象の部材を「機能部材」と称する。機能部材は、基板処理装置において所定の機能を有する部材である。液処理ユニットU1の上記ガイドリング25は、機能部材の一例であり、処理液がワークWの裏面に回り込むのを抑制する機能を有する。以下、機能部材がガイドリング25である場合を例に用いて、情報収集システム7について説明する。
【0043】
図4の一部には、検査用ウェハ8が模式的に示されている。検査用ウェハ8は、例えば、塗布現像装置2A内で搬送されて、液処理ユニットU1において、液処理ユニットU1に係る検査を行う。検査用ウェハ8が、液処理ユニットU1に係る検査を行う際には、その液処理ユニットU1では、ワークWが搬入されず、ワークWに対する液処理が行われない。検査用ウェハ8は、上下方向において、ガイドリング25のリング上端部26の高さ位置を計測する。リング上端部26の高さ位置は、保持部21でワークWを支持した際のワークWの下面とリング上端部26との間の間隔でもある。
【0044】
液処理ユニットU1の組立て時、又はメンテナンスでの調整時に、リング上端部26の高さ位置が適正範囲から外れた状態となる場合がある。このような状態で、ワークWに対する液処理が行われると、リング上端部26がワークWに接触すること、又は、リング上端部26がワークWから離れ過ぎることが起こり得る。このような事象の発生を防ぐために、ワークWの代わりに検査用ウェハ8が液処理ユニットU1まで搬送され、ワークWと同様に保持部21に支持された状態で、検査用ウェハ8がリング上端部26を撮像することで、その画像データが取得される。そして、リング上端部26の撮像により得られる画像データから、リング上端部26の高さ位置が算出される。
【0045】
検査用ウェハ8は、例えば、本体部50と、第1計測部60Aと、第2計測部60Bと、機器搭載基板71と、バッテリ72と、を備える。
【0046】
本体部50は、保持部21によって保持可能な底面50bを有する。本体部50は、平面視においてワークWと同じ大きさの基板であってもよく、円形であってもよい。本体部50の底面50bは、本体部50の裏面又は下面でもある。第1計測部60A、第2計測部60B、機器搭載基板71、及びバッテリ72は、本体部50の上面50aに設けられている。本体部50は、ワークWと同様に、塗布現像装置2A内の搬送装置、及び液処理ユニットU1の支持ピン24等によって、保持部21まで搬送される。本体部50の底面50bの中央部分が、保持部21によって吸着されてもよく、本体部50の底面50bは、ワークWの裏面と同様に平坦であってもよい。なお、図4では、保持部21に保持された状態の検査用ウェハ8が示されている。
【0047】
第1計測部60Aは、本体部50が保持部21に保持されている状態で、本体部50とリング上端部26(ガイドリング25)との間の間隔を計測する。第2計測部60Bは、本体部50が保持部21に保持されている状態で、本体部50とリング上端部26(ガイドリング25)との間の間隔を計測する。第1計測部60Aは、例えば、処理モジュール11,12,13の液処理ユニットU1(膜形成のための液処理を行うユニット)の検査に用いられる。第2計測部60Bは、例えば、処理モジュール14の液処理ユニットU1(現像処理を行うユニット)の検査に用いられる。
【0048】
第1計測部60A及び第2計測部60Bは、本体部50の中心まわりの周方向において、互いに異なる位置に配置されている。第1計測部60A及び第2計測部60Bは、互いに同様に構成されている。図4及び図5に示されるように、第1計測部60Aは、例えば、光源61Aと、ミラー部材62Aと、カメラ63Aと、プリズム64Aと、演算部65Aと、を含む。
【0049】
光源61A及びミラー部材62Aは、本体部50に固定されて、ガイドリング25に対して斜め上方から測定波を照射する照射部として機能する。光源61A及びミラー部材62Aは、本体部50の上面50aに固定されており、本体部50の底面50bに対して傾斜した方向に測定波を照射する。光源61A及びミラー部材62Aは、測定波として、光を照射する照射部である。図5等において、ミラー部材62Aを固定するための部材は省略されている。
【0050】
本体部50には、その周縁領域において、本体部50を板厚方向に貫通する貫通孔67Aが形成されている。保持部21の回転中心に本体部50の中心が略一致するように本体部50が保持部21に保持された状態において、鉛直上方から見ると、貫通孔67Aの開口の少なくとも一部は、リング上端部26に重なっている。これにより、本体部50よりも上方に位置する光源61A及びミラー部材62Aから、貫通孔67Aを介して、リング上端部26に対して光を照射することが可能である。
【0051】
貫通孔67Aは、本体部50の中心まわりの円の接線方向に沿って延びるように形成されてもよい。本開示では、貫通孔67Aが延びる方向(貫通孔67Aの開口の長手方向)をX軸とする。光源61A及びミラー部材62Aからなる照射部は、平面視において、X軸方向に沿って光が進むように、ガイドリング25のリング上端部26に対して光を照射する。
【0052】
光源61Aは、帯状の光を出射してもよい。帯状の光は、ライン状の光ということもできる。光源61Aは、本体部50の底面50bに沿って延びるライン光L1を出射する。ライン光L1は、レーザ光であってもよい。光源61Aから出射されたライン光L1は、ミラー部材62Aによって反射され、下方(斜め下方)に向けて出射される。ミラー部材62Aから出射されたライン光L1は、貫通孔67A内を通り、本体部50の下方に位置するリング上端部26の上面に到達する(図6(a)を参照)。
【0053】
ライン光L1は、本体部50の底面50bに沿い、且つ、光源61A及びミラー部材62Aからなる照射部からの光が進む方向に対して交差する方向に延びている。照射部からの光が進む方向は、例えば、ミラー部材62Aから出射された後の光が進む方向で定義される。ある瞬間において、ライン光L1を観察すると、ライン光L1は、例えばY軸方向に延びている。ある瞬間で観察されるライン光L1は、本体部50の底面50bに沿って延びており、上記照射部からの光が進む方向に対して直交していてもよい。
【0054】
図6(b)に示されるように、ライン光L1の長手方向の長さは、リング上端部26の幅よりも大きい値に設定されている。リング上端部26の幅は、本体部50の中心まわりの円の径方向における幅である。ライン光L1の長手方向の長さをリング上端部26の幅よりも大きくすることで、リング上端部26と検査用ウェハ8との相対位置が多少変化しても、ライン光L1をリング上端部26に照射する(到達させる)ことができる。
【0055】
カメラ63Aは、本体部50に対して固定されて、上記照射部からの測定波の照射に起因した応答を検出する検出部として機能する。カメラ63Aは、光が照射されたガイドリング25を撮像する。プリズム64Aは、カメラ63Aの光軸上に配置されている。プリズム64Aは、貫通孔67Aを介して本体部50の下方に位置するリング上端部26及びその周辺を写す。そのため、カメラ63Aは、貫通孔67A及びプリズム64Aを介して、本体部50の下方を撮像可能である。
【0056】
検査用ウェハ8が保持部21に保持された際に、プリズム64Aはリング上端部26の鉛直上方に位置し、プリズム64Aにより、カメラ63Aは、リング上端部26の周方向における一部の上面を撮像することができる。以上のように、第1計測部60Aでは、ミラー部材62A及びプリズム64Aからなる光学系が設けられている。上記光学系を設けなくても、光源61Aからリング上端部26に対して光を直接照射可能であり、カメラ63Aによってリング上端部26の上面を直接撮像可能である。一方、上記光学系を設けて、光軸の一部を水平とすることで、光学系を設けない場合に比べて、検査用ウェハ8の板厚方向における大きさを小さくすることができる。
【0057】
図6(a)に示されるように、ライン光L1は、ミラー部材62Aを経てリング上端部26の上面に到達する。このとき、図6(b)に示されるように、リング上端部26の上面では、ライン光L1の到達位置において、ライン光L1の照射強度が大きくなる輝線Lpが形成され得る。カメラ63Aの撮像により得られる撮像画像において、輝線Lpの位置を特定することによって、リング上端部26におけるライン光L1の照射位置(到達位置)を特定することができる。
【0058】
演算部65Aは、上記検出部において検出された上記応答に基づいて、本体部50とガイドリング25との間の間隔の情報を取得する。本体部50とガイドリング25との間の間隔は、本体部50の底面50bとガイドリング25のリング上端部26の上面との間の上下方向における距離で定義される。演算部65Aは、例えば、カメラ63Aで撮像された画像から、リング上端部26におけるライン光L1の照射位置を特定する。そして、演算部65Aは、特定された上記照射位置を示す情報に基づいて、本体部50とリング上端部26との間の間隔の情報を取得する。
【0059】
演算部65Aは、リング上端部26におけるライン光L1の照射位置と、本体部50とリング上端部26との間の間隔との関係を示すモデルに基づいて、本体部50とリング上端部26との間の間隔の情報を取得してもよい。本体部50とリング上端部26との間の間隔の情報を取得する方法の具体例については、後述する。
【0060】
第1計測部60Aは、カバー部材68Aを含んでもよい。カバー部材68Aは、少なくとも貫通孔67Aを覆う部材である。平面視において、カバー部材68Aの外縁は、貫通孔67Aの開口縁を囲っている。カバー部材68Aは、ライン光L1以外の外乱光が、貫通孔67Aを介してリング上端部26の上面に到達することを防ぐ機能を有する。カバー部材68Aは、平面視において、光源61A、ミラー部材62A、プリズム64A、及び貫通孔67Aを覆っていてもよい。カバー部材68Aは、プリズム64Aからカメラ63Aまでの光軸が位置する部分を除いて、光源61A、ミラー部材62A、プリズム64A、及び貫通孔67Aを含む全体の周囲(側方)を囲っている。なお、図5では、カバー部材68Aの図示が省略されている。
【0061】
図4に戻り、第2計測部60Bは、例えば、光源61Bと、ミラー部材と、カメラ63Bと、プリズムと、演算部65Bと、を含む。第2計測部60Bのミラー部材及びプリズムの図示は省略されている。第2計測部60Bに含まれる各部材は、第1計測部60Aに含まれる対応する部材と同様の機能を有する。第2計測部60Bに含まれる各部材は、本体部50に形成された貫通孔67Bの近傍に配置されている。第2計測部60Bは、少なくとも貫通孔67Bを覆うカバー部材を含んでもよい。
【0062】
第1計測部60A及び第2計測部60Bの間で、各部材は同様の機能を有するが、各部材の性能(仕様)が異なっていてもよい。現像処理を行う液処理ユニットU1では、膜形成を行う液処理ユニットU1に比べて、ワークWの表面に対して供給する処理液の量が多い傾向がある。そのため、現像処理を行う液処理ユニットU1に係る検査では、膜形成を行う液処理ユニットU1に比べて、リング上端部26の高さ位置を高精度に計測したい場合がある。一例では、第2計測部60Bのカメラ63Bの画素数は、第1計測部60Aのカメラ63Aの画素数よりも多い。第2計測部60Bの光源61Bからの光(レーザ光)の強度は、第1計測部60Aの光源61Aからの光(レーザ光)の強度よりも大きくてもよい。
【0063】
機器搭載基板71は、例えば、本体部50の中央部に設けられている。カメラ63A、演算部65A、カメラ63B、及び演算部65Bは、図示しないケーブルを介して機器搭載基板71に接続されていてもよい。カメラ63A及びカメラ63Bのそれぞれで取得される画像データ、及び演算部65A及び演算部65Bのそれぞれによる演算結果は、上記ケーブルを介して機器搭載基板71に送信されてもよい。
【0064】
機器搭載基板71は、例えばDSP(digital signal processor)基板を含む複数の基板により構成されるが、機器搭載基板71を便宜上、1つの基板として説明する。機器搭載基板71には、各種の機器が搭載されていてもよい。これらの各種の機器には、情報収集装置9からの信号を無線受信することで、光源61A及び光源61Bのそれぞれによる光照射のオン及びオフを切り替える機器が含まれる。また、上記各種の機器には、カメラ63A及びカメラ63Bのそれぞれによる撮像を行う機器、演算部65A及び演算部65Bのそれぞれによる演算結果を情報収集装置9に送信する機器(送信部)が含まれる。
【0065】
機器搭載基板71は、検査用ウェハ8において上記の処理を実行するための複数の機能モジュールによって構成されていてもよい。各機能モジュールは、プログラムの実行により実現されるものに限られず、専用の電気回路(例えば論理回路)、又は、これを集積した集積回路(ASIC)により実現されるものであってもよい。
【0066】
バッテリ72は、例えば、本体部50の中央部に設けられている。バッテリ72は、光源61A,61B、カメラ63A,63B、演算部65A,65B、及び機器搭載基板71に含まれる各機器に、電力をそれぞれ供給する。
【0067】
検査用ウェハ8は、情報収集装置9からの指示に基づいて検査に係る動作を実行し、その検査結果を示す情報を情報収集装置9に対して送信する。検査用ウェハ8は、例えば、情報収集装置9からの指示に基づいて、ワークWの下面(検査用ウェハ8の下面)とリング上端部26との間の間隔を推定するための画像データの撮像、及び、その画像データを用いた演算を行う。検査用ウェハ8は、画像データを用いた演算の結果を示す情報を、情報収集装置9に対して送信する。
【0068】
情報収集装置9は、制御装置100と連動して、適切なタイミングにおいて検査用ウェハ8を動作させる装置である。情報収集装置9には、塗布現像装置2A内における検査用ウェハ8の搬送状態を示す情報が制御装置100から送られる。例えば、情報収集装置9には、検査用ウェハ8が液処理ユニットU1に搬送され、保持部21に載せられたことを示す情報(通知)が、制御装置100から送られる。情報収集装置9は、制御装置100からの上記通知に基づいて、検査用ウェハ8を制御することで、検査用ウェハ8の下面とリング上端部26との間の間隔を推定するための撮像及び演算を検査用ウェハ8に実行させる。情報収集装置9は、検査用ウェハ8から推定結果を収集すると、その推定結果が所定の適正範囲であるか否かを判定し、その結果に基づいて以降の処理を継続するかを決定してもよい。
【0069】
情報収集装置9は、制御装置100、及び、検査用ウェハ8との間で情報を送受信すると共に、情報収集装置9において検査用ウェハ8による検査結果に基づいた判定等の処理を実行するための複数の機能モジュールによって構成されていてもよい。各機能モジュールは、プログラムの実行により実現されるものに限られず、専用の電気回路(例えば論理回路)、又は、これを集積した集積回路(ASIC)により実現されるものであってもよい。
【0070】
(制御装置・検査用ウェハ・情報収集装置のハードウェア構成)
制御装置100、検査用ウェハ8(演算部65A,65B、及び機器搭載基板71)、及び情報収集装置9それぞれのハードウェアは、1つ又は複数の制御用のコンピュータにより構成されていてもよい。制御装置100、検査用ウェハ8、及び情報収集装置9のそれぞれは、図7に示されるように、ハードウェア上の構成として回路201を含む。回路201は、電気回路要素(circuitry)で構成されていてもよい。回路201は、プロセッサ202と、メモリ203と、ストレージ204と、ドライバ205と、入出力ポート206とを含んでいてもよい。
【0071】
プロセッサ202は、メモリ203及びストレージ204の少なくとも一方と協働してプログラムを実行し、入出力ポート206を介した信号の入出力を実行することで、上述した各機能モジュールを構成する。メモリ203及びストレージ204は、制御装置100、検査用ウェハ8、及び情報収集装置9のそれぞれで使用される各種情報及びプログラムを記憶する。ドライバ205は、制御装置100、検査用ウェハ8、及び情報収集装置9のそれぞれと関連する機能部を駆動する回路である。入出力ポート206は、ドライバ205と関連する機能部との間で、信号の入出力を行う。
【0072】
基板処理システム1は、1つの制御装置100を備えていてもよいし、複数の制御装置100で構成されるコントローラ群(制御部)を備えていてもよい。基板処理システム1がコントローラ群を備えている場合には、例えば、複数の機能モジュールのそれぞれが1つの互いに異なる制御装置によって実現されていてもよいし、2個以上の制御装置100の組み合わせによって実現されていてもよい。制御装置100が複数のコンピュータ(回路201)で構成されている場合には、複数の機能モジュールがそれぞれ1つのコンピュータ(回路201)によって実現されていてもよい。
【0073】
制御装置100は、2つ以上のコンピュータ(回路201)の組み合わせによって実現されていてもよい。制御装置100は、複数のプロセッサ202を有していてもよい。この場合、複数の機能モジュールがそれぞれ1つのプロセッサ202によって実現されていてもよいし、2つ以上のプロセッサ202の組み合わせによって実現されていてもよい。基板処理システム1の制御装置100の機能の一部を基板処理システム1とは別の装置に設けるとともに、基板処理システム1とネットワークを介して接続し、本実施形態における各種動作を実現してもよい。例えば、複数の基板処理システム1のプロセッサ202、メモリ203、及びストレージ204の機能をまとめて1つまたは複数の別装置で実現すれば、複数の基板処理システム1の情報や動作を遠隔で一括的に管理及び制御することも可能となる。
【0074】
<計測部による高さの計測>
図8には、本体部50とリング上端部26との間隔と、カメラ63Aの撮像により得られる撮像画像との関係が示されている。リング上端部26の上面が高さH1に位置する場合に得られる撮像画像TP1と、リング上端部26の上面が高さH2に位置する場合に得られる撮像画像TP2とが示されている。高さH1は、高さH2に比べて、本体部50に近い高さ位置である。すなわち、リング上端部26の上面が高さH1に位置する場合には、本体部50とリング上端部26との間隔が小さく、リング上端部26の上面が高さH2に位置する場合には、本体部50とリング上端部26との間隔が大きい。
【0075】
撮像画像TP1及び撮像画像TP2を総称して「撮像画像TP」と称すると、撮像画像TPでは、画像上の横方向がX軸方向に対応し、画像上の縦方向がY軸方向に対応する。撮像画像TP内において、白く光っている領域が、リング上端部26の上面においてライン光L1が照射されている箇所である。演算部65Aは、例えば、撮像画像TP内において、白く光っている領域のうちのエッジ部分のX座標を、リング上端部26におけるライン光L1の照射位置として特定する。エッジ部分は、光が照射された部分と光が照射されていない部分との境界である。演算部65Aは、隣り合うピクセル同士の明暗差(画素値の差)に基づいて、上記エッジ部分のX座標を算出してもよい。
【0076】
図8内の左側の模式図からも分かるように、本体部50とリング上端部26との間の間隔によって、リング上端部26におけるライン光L1の照射位置が異なっている。すなわち、本体部50とリング上端部26との間の間隔によって、撮像画像TP内で特定されるライン光L1の照射位置が異なる。そのため、検査用ウェハ8を用いた検査での間隔の取得を行う前に、間隔を推定するためのモデルMを構築することで、モデルMと、撮像画像TP内で特定されたライン光L1の照射位置とに基づき、上記間隔を推定することができる。
【0077】
図9には、モデルMの一例を表すグラフが示されている。モデルMは、撮像画像TP内で特定されるライン光L1の照射位置と、本体部50とリング上端部26との間隔との関係を示すモデルである。図9に示されるグラフにおいて、横軸が、撮像画像TP内で特定されるライン光L1の照射位置を表し、縦軸が、本体部50とリング上端部26との間の間隔(リング上端部26の上面の高さ位置)を表す。
【0078】
モデルMを準備する際には、例えば、本体部50とリング上端部26との間の間隔が、測定ケージによって測定される。そして、撮像画像TP内でのライン光L1の照射位置と、その照射位置が得られた際の上記間隔の測定値とを1セットとする複数のデータセットから、モデルMが構築されてもよい。ライン光L1の照射位置をxとし、本体部50とリング上端部26との間の間隔をyとすると、モデルMは、y=f(x)の近似関数で表される。モデルMは、1次の近似関数であってもよく、2次以上の近似関数であってもよい。
【0079】
モデルMが構築された後、本体部50とリング上端部26との間の間隔が未知である液処理ユニットU1に係る検査を行う際に、演算部65Aは、撮像画像TPにおいてリング上端部26におけるライン光L1の照射位置を特定する。演算部65Aは、例えば、X軸方向において、画像上の明暗差が最も大きい座標を、ライン光L1の照射位置を表す代表点として特定(演算)する。
【0080】
Y座標(Y方向の位置)によって、画像上の明暗差が大きいX座標が変化し得る。そのため、演算部65Aは、Y座標ごとに明暗差が大きいX座標を演算した後に、平均値、最頻値、又は中央値等の統計値を演算することで、X軸方向における代表点を算出してもよい。この場合、モデルMの入力は、X軸方向における代表点となる。
【0081】
図8に示される撮像画像TP1において、X軸方向における代表点Xi1が算出されている。撮像画像TP2において、X軸方向における代表点Xi2が算出されている。代表点Xi1及び代表点Xi2は、ピクセル値(座標)で表される。演算部65Aは、代表点Xi1又は代表点Xi2をモデルMに入力することで、モデルMから出力される値を、代表点に応じた間隔として取得する。第2計測部60Bが用いられる場合も、第1計測部60Aが用いられる場合と同様にして、本体部50とリング上端部26との間の間隔が取得されてもよい。
【0082】
[情報収集方法]
続いて、図10(a)及び図10(b)を参照しながら、情報収集システム7において実行される情報収集方法の一例について説明する。情報収集方法の一例として、第1計測部60Aによって、画像データから本体部50とリング上端部26との間の間隔を演算する方法について説明する。図10(a)に示される処理フローS1は、検査用ウェハ8が、液処理ユニットU1の保持部21に保持されている状態で実行される。
【0083】
処理フローS1では、最初に、検査用ウェハ8が、ステップS11を実行する。ステップS11では、例えば、光源61Aからライン光L1を出射させた状態で、演算部65Aが、カメラ63Aに撮像を実行させることで撮像画像TPを取得する。図10(b)には、撮像画像TPの一例が示されている。
【0084】
次に、検査用ウェハ8は、ステップS12を実行する。ステップS12では、例えば、演算部65Aが、撮像画像TP内で、リング上端部26におけるライン光L1の照射位置を特定するための処理を行う有効範囲DAを示す情報を取得する。有効範囲DAを示す情報は、例えば、オペレータによって予め設定されている。種々のガイドリング25が液処理ユニットU1に用いられてもよく、有効範囲DAを示す情報は、ガイドリング25の種類に応じて設定されてもよい。
【0085】
有効範囲DAは、その範囲内でライン光L1の照射位置の特定が行われることを意味する。ライン光L1の照射位置の特定として、上述のようにX軸方向でのエッジ部分の位置を算出する場合、Y軸方向の位置によってはエッジ部分の位置の変動が大きい範囲がある。エッジ部分の位置の変動が大きい範囲が除かれるように、有効範囲DAは設定される。また、保持部21に対する検査用ウェハ8の相対位置が多少変化しても、有効範囲DA内に代表点の変動が大きい範囲が含まれないように、有効範囲DAが設定される。なお、検査用ウェハ8が、種々の機能部材に係る検査に用いられる場合、カメラ63Aの視野を有効範囲DAに制限することは困難である。
【0086】
次に、検査用ウェハ8は、ステップS13を実行する。ステップS13では、例えば、演算部65Aが、撮像画像TPのうちの有効範囲DA以外の領域の情報を考慮することなく、有効範囲DA内で、X軸方向における代表点Xiを算出する。一例では、演算部65Aは、有効範囲DA内において、Y座標ごとに画像上の右端から観察していき明暗差が大きいX座標を演算した後に、X座標の演算結果についての平均値等の統計値を代表点Xiとして算出してもよい。以上のように、演算部65Aは、撮像画像TPのうちの予め設定された一部の範囲である有効範囲DA内で、リング上端部26におけるライン光L1の照射位置を特定してもよい。
【0087】
次に、検査用ウェハ8は、ステップS14を実行する。ステップS14では、例えば、演算部65Aが、ステップS13で得られた代表点Xiと、モデルMとを基づいて、本体部50とリング上端部26との間の間隔(リング上端部26の上面の高さ)を算出する。演算部65Aは、上記間隔の算出結果を示す情報を機器搭載基板71に出力してもよく、さらに、機器搭載基板71は、上記間隔の算出結果を示す情報を情報収集装置9に出力してもよい。
【0088】
ステップS14の実行により、1つの液処理ユニットU1での上記間隔の算出が終了する。検査用ウェハ8は、他の1以上の液処理ユニットU1それぞれにおいても、処理フローS1を実行してもよい。第2計測部60Bが用いられる場合も、処理フローS1が実行されてもよい。
【0089】
[変形例]
処理フローS1に代えて、図11(a)に示される処理フローS2が実行されてもよい。処理フローS2では、代表点を検出する範囲の設定方法が、処理フローS1と異なっている。処理フローS2では、検査用ウェハ8が、最初に、処理フローS1のステップS11と同様に、ステップS21を実行する。
【0090】
次に、検査用ウェハ8は、ステップS22を実行する。ステップS22では、例えば、演算部65Aが、撮像画像TP内で、次のステップS23における処理を行う有効範囲DA1を示す情報を取得する。有効範囲DA1は、例えば、オペレータによって予め設定されている。
【0091】
ガイドリング25の種類によっては、リング上端部26の上面における幅方向の縁(エッジ)において、バリ等の影響により、ライン光L1が強く反射してしまう。この場合、図11(b)に示される撮像画像TPのように、リング上端部26の上記縁に対応する箇所が、他の領域に比べて明るくなってしまう。このように明るくなった箇所を検出範囲に含めてX軸方向における代表点を検出すると、代表点の検出結果の誤差が大きくなるおそれがある。有効範囲DA1は、リング上端部26の上記縁に対応する箇所が含まれるように設定されている。
【0092】
次に、検査用ウェハ8は、ステップS23を実行する。ステップS23では、例えば、演算部65Aは、有効範囲DA1内において、リング上端部26の上記縁に起因して明るくなった箇所のY座標を特定する。演算部65Aは、例えば、X座標ごとに、Y軸方向で隣り合うピクセル同士で明暗差が最も大きいY座標を算出する。そして、演算部65Aは、X座標ごとのY座標の算出結果についての平均値等の統計値を、光が照射された部分と光が照射されていない部分との境界の位置を表すエッジ位置Yeとして特定する。
【0093】
次に、検査用ウェハ8は、ステップS24を実行する。ステップS24では、例えば、演算部65Aが、撮像画像TPのうちの、ステップS23で特定されたエッジ位置Yeから所定量だけ離れた検出範囲SAを算出する。処理フローS2での検出範囲SAが、処理フローS1での有効範囲D1に対応する。画像上のY軸方向において、検出範囲SAと、エッジ位置Yeとの間には、所定のピクセル数の間隔が存在する。この場合、エッジ位置Yeとその近傍の領域とが、検出範囲SAに含まれない。
【0094】
以上のように、演算部65Aは、撮像画像TPから、本体部50の底面50bに沿い、上記照射部からの光が進む方向(第1方向)に直交するY軸方向(第2方向)において、光が照射された部分と光が照射されていない部分との境界の位置(エッジ位置Ye)を特定してもよい。そして、演算部65Aは、撮像画像TPのうちの、Y軸方向において特定されたエッジ位置Yeから所定量だけ離れた一部の範囲である検出範囲SA内で、リング上端部26におけるライン光L1の照射位置を特定してもよい。
【0095】
次に、検査用ウェハ8は、ステップS25,S26を実行する。ステップS25では、例えば、演算部65Aが、検出範囲SA内において、処理フローS1のステップS13と同様の処理を実行する。ステップS26では、例えば、演算部65Aが、ステップS25で得られた代表点Xiに基づいて、処理フローS1のステップS14と同様にして、本体部50とリング上端部26との間の間隔(リング上端部26の上面の高さ)を算出する。
【0096】
処理フローS1に代えて、図12(a)に示される処理フローS3が実行されてもよい。処理フローS3では、X軸方向及びY軸方向のそれぞれにおいて、リング上端部26におけるライン光L1の照射位置が特定されて、上記間隔が算出される点において、処理フローS1と相違する。処理フローS3では、検査用ウェハ8が、最初に、処理フローS1のステップS11,S12と同様に、ステップS31,S32を実行する。
【0097】
カメラ63Aに含まれるレンズの歪みに起因して、撮像画像TP内でのY軸方向の位置によって、X軸方向での照射位置の特定結果に多少のずれが生じ得る。言い換えると、仮に、リング上端部26の上面が同一の高さ位置にあったとしても、X軸方向における代表点Xiが特定される座標が、Y軸方向の位置によって異なってくる。そのため、本体部50とリング上端部26との間の間隔をより高精度に算出するには、画像内のY軸方向でのライン光L1の照射位置を加味して算出する必要がある。
【0098】
ステップS32の実行後、検査用ウェハ8は、ステップS33,S34を実行する。ステップS33では、例えば、演算部65Aが、撮像画像TP内でのY軸方向におけるライン光L1の照射位置を算出する。演算部65Aは、Y軸方向において、上方にあるエッジ部分と下方にあるエッジ部分との中間の位置を、Y軸方向での照射位置を表す代表点Yiとして算出してもよい。ステップS34では、例えば、演算部65Aが、処理フローS1のステップS13と同様の処理を実行して、代表点Xiを算出する。
【0099】
次に、検査用ウェハ8は、ステップS35を実行する。ステップS35では、例えば、演算部65Aが、ステップS33及びステップS34で得られた代表点Xi及び代表点Yiに基づいて、本体部50とリング上端部26との間の間隔(リング上端部26の上面の高さ)を算出する。一例では、演算部65Aは、代表点Xiと上記間隔との関係を示すモデルMから出力値を得た後に、その出力値を代表点Yiによって補正することで、上記間隔を算出してもよい。補正に代えて、演算部65Aは、代表点Xi及び代表点Yiと上記間隔との関係を示すモデルMを用いて、上記間隔を算出してもよい。
【0100】
以上のように、演算部65Aは、撮像画像TPから、平面視において上記照射部からのライン光L1が進む方向(X軸方向:第1方向)と、本体部50の底面50bに沿い、上記照射部からのライン光L1が進む方向に直交するY軸方向(第2方向)とのそれぞれにおいて、リング上端部26におけるライン光L1の照射位置を特定してもよい。そして、演算部65Aは、X軸方向及びY軸方向それぞれにおいて特定されたライン光L1の照射位置を示す情報に基づいて、本体部50とリング上端部26との間の間隔の情報を取得してもよい。
【0101】
検査用ウェハ8は、処理フローS1、処理フローS2、及び処理フローS3のうちの2以上の処理フローを実行可能であってもよい。検査用ウェハ8は、情報収集装置9からの指示により指定された処理フローを実行してもよい。情報収集装置9は、計測対象のガイドリング25の種類に応じて、検査用ウェハ8にどの処理フローを実行させるかを指示してもよい。一例では、膜形成のための液処理を行う液処理ユニットU1の検査では、処理フローS1及び処理フローS2の少なくとも一方が実行され、現像処理を行う液処理ユニットU1の検査では、処理フローS3が実行される。このように、液処理ユニットU1の種類(液処理ユニットU1が行う液処理の内容)によって、検査時の処理フローを変更することで、制御装置100の処理負荷を減らすことができる。
【0102】
情報収集装置9は、どの処理フローを実行させるかの指示に合わせて、どの計測部を用いるか、及び、測定時に用いる計測用パラメータを検査用ウェハ8に対して指示してもよい。計測用パラメータには、例えば、光源からのライン光L1の照度(強度)、有効範囲DA,DA1、及び演算に使用するモデルMの種類が含まれる。
【0103】
処理フローS1、処理フローS2及び処理フローS3のそれぞれは、一例であり、適宜変更可能である。検査用ウェハ8は、処理フローS1、処理フローS2、及び処理フローS3のいずれかの処理フローにおいて、1つのステップと次のステップとを並列に実行してもよく、上述した例とは異なる順序で各ステップを実行してもよい。検査用ウェハ8は、処理フローS1、処理フローS2、及び処理フローS3のいずれかの処理フローにおいて、いずれかのステップを省略してもよく、いずれかのステップにおいて上述の例とは異なる処理を実行してもよい。
【0104】
リング上端部26における1箇所での高さ位置の検出(検査)において、複数の計測点からの情報が用いられてもよい。具体的には、演算部65Aは、周方向における位置が互いに異なる複数の計測点での上記応答(上記検出部において検出される上記応答)に基づいて、本体部50とリング上端部26との間の間隔の情報を取得してもよい。図13を用いて、複数の計測点での上記応答から、上記間隔を算出する場合の一例を説明する。
【0105】
一例では、リング上端部26には、周方向において互いに位置が異なる計測箇所P1~P6が設定されている。検査用ウェハ8は、計測箇所P1~P6それぞれにおいて、本体部50とリング上端部26との間の間隔を取得する。1つの計測箇所の位置は、リング上端部26の中心CPまわりの角度によって表すことができる。計測箇所P1~P6は、中心CPまわりの周方向において、互いに等間隔に設定されてもよい。
【0106】
第1計測部60Aを用いて計測箇所P1において上記間隔の計測を行う場合を考える。検査用ウェハ8は、計測箇所P1において、複数の計測点のそれぞれにおいてカメラ63Aによる撮像画像TPの取得を実行する。複数の計測点は、例えば、計測箇所P1の位置を表す角度p1と、角度p1を基準にして、その角度p1の両側に所定角度だけ異ならせた2以上の角度と、を含む。図13に示される例では、複数の計測点は、p1(°)、(p1+1°)、(p1+2°)、(p1-1°)、及び(p1-2°)の角度に設定されている。
【0107】
演算部65Aは、計測箇所P1の複数の計測点それぞれにおいて、撮像画像TPから代表点Xiを算出して、本体部50とリング上端部26との間の間隔を算出してもよい。そして、演算部65Aは、複数の計測点での上記間隔の算出結果の統計値を、計測箇所P1での間隔として算出してもよい。上記間隔の算出結果の統計値は、例えば、平均値又は中央値である。
【0108】
演算部65Aは、計測箇所P1の複数の計測点それぞれにおいて、撮像画像TPから代表点Xiを算出してもよい。そして、演算部65Aは、複数の計測点での代表点Xiの算出結果の統計値(例えば、平均値又は中央値)を、計測箇所P1での代表点Xiとして算出してもよい。その後、演算部65Aは、計測箇所P1での代表点Xiから、モデルMを利用して、本体部50とリング上端部26との間の間隔を算出してもよい。
【0109】
検査用ウェハ8は、計測箇所P2~P6のそれぞれにおいても、計測箇所P1での計測と同様にして上記間隔の計測を行ってもよい。リング上端部26のある1つの計測点において、仮に異物が付着していると、その異物の影響によって、上記間隔の算出結果が真値から大きく外れることになる。複数の計測点での複数の撮像画像TPに基づくことで、異物等の影響により上記間隔の算出結果が真値から大きく外れてしまう可能性を低減できる。
【0110】
上述の例では、検査用ウェハ8による計測対象の部材である機能部材が、リング上端部26を含むガイドリング25であるが、上記機能部材は、ガイドリング25以外の環状の部材であってもよい。上記機能部材は、環状の部材に限らず、ワークWが保持部21に保持される際にワークWの裏面側に位置し、所定の機能を有する部材であれば、どのような部材であってもよい。機能部材は、基板処理装置の構造物であればよく、液処理ユニットU1に配置される部材に限られない。機能部材の他の例として、ガス処理を行うユニット内のステージの縁部分、ワークWの表面の周縁領域を洗浄するユニット内の洗浄ノズル、及び、ワークWの裏面側に配置される裏面ノズルが挙げられる。
【0111】
上述の例では、第1計測部60Aの演算部65Aが、本体部50とリング上端部26との間の間隔の情報を取得するが、第1計測部60Aが、演算部65Aを有していなくてもよい。機器搭載基板71が、演算部65Aを有しており、カメラ63Aの撮像により得られる撮像画像TPから上記間隔を算出してもよい。検査用ウェハ8が、演算部65Aを有していなくてもよい。情報収集装置9が、演算部65Aを有しており、撮像画像TPから上記間隔を算出してもよい。
【0112】
検査用ウェハ8は、第1計測部60A及び第2計測部60Bのいずれか一方を有していなくてもよく、第1計測部60A及び第2計測部60Bに加えて、1以上の計測部を有してもよい。機能部材に照射される測定波は光に限定されず、超音波等を含む音波であってもよい。このように、測定波の種類は限定されない。なお、測定波の種類に応じて検出部として適切な装置が選択されてもよい。以上に説明した種々の例のうちのいずれか1つ例において、他の例で説明した事項の少なくとも一部が組み合わされてもよい。
【0113】
[本開示のまとめ]
本開示は、以下の[1]~[16]の構成及び方法を含む。
【0114】
[1]基板(W)を保持する保持部(21)と、基板(W)が保持部(21)に保持される際に基板(W)の裏面側に位置する機能部材(25)と、を有する基板処理装置(2,2A)に関する情報を取得する情報収集システム(1,7)であって、保持部(21)によって保持可能な底面(50b)を有する本体部(50)と、本体部(50)に対して固定されて、機能部材(25)に対して斜め上方から測定波(L1)を照射する照射部(61A,62A)と、本体部(50)に対して固定されて、照射部(61A,62A)からの測定波(L1)の照射に起因した応答(TP)を検出する検出部(63A)と、検出部(63A)において検出された応答(TP)に基づいて、本体部(50)と機能部材(25)との間の間隔の情報を取得する演算部(65A)と、を備える、情報収集システム(1,7)。
この情報収集システム(1,7)では、機能部材(25)に対して斜め上方から測定波(L1)が照射される。その測定波(L1)の照射に起因した応答(TP)には、本体部(50)と機能部材(25)との間の間隔(距離)に応じた情報が含まれる。また、本体部(50)は、底面(50b)を有するため、基板(W)が保持される保持部(21)に保持可能である。そのため、本体部(50)と機能部材(25)との間の間隔は、保持部(21)に保持された状態の基板(W)と機能部材(25)との間の間隔(距離)に略一致する。従って、上記構成によって、基板処理装置における機能部材と基板との距離情報を取得することが可能である。
【0115】
[2]照射部(61A,62A)は、測定波(L1)として光(L1)を照射し、検出部(63A)は、光(L1)が照射された機能部材(25)を撮像するカメラである、上記[1]に記載の情報収集システム(1,7)。
カメラの撮像による画像に含まれる種々の情報を利用して上記間隔の情報を取得することで、基板処理装置における機能部材と基板との距離に係る情報を、より精度良く取得することが可能である。
【0116】
[3]照射部(61A,62A)から照射される光(L1)は、帯状の光(L1)であって、帯状の光(L1)は、底面(50b)に沿い、照射部(61A,62A)からの光(L1)が進む方向に対して交差する方向(Y軸方向)に延びており、演算部(65A)は、カメラ(63A)で撮像された画像から、機能部材(25)における帯状の光(L1)の照射位置を特定し、特定された照射位置を示す情報に基づいて、本体部(50)と機能部材(25)との間の間隔の情報を取得する、上記[2]に記載の情報収集システム(1,7)。
帯状の光(L1)を用いることで、機能部材(25)と本体部(50)との相対位置が多少変化しても、機能部材(25)に対して光を照射することができる。また、帯状の光(L1)を用いることで、カメラ(63A)で撮像された画像上において、機能部材(25)における光の照射位置を特定しやすい。従って、基板処理装置における機能部材と基板との距離に係る情報を、より精度良く取得することが可能である。
【0117】
[4]演算部(65A)は、機能部材(25)における帯状の光(L1)の照射位置と、本体部(50)と機能部材(25)との間の間隔との関係を示すモデル(M)に基づいて、本体部(50)と機能部材(25)との間の間隔の情報を取得する、上記[3]情報収集システム(1,7)。
この場合、モデル(M)を利用することで、基板処理装置における機能部材と基板との距離に係る情報を、より精度良く取得することが可能である。
【0118】
[5]演算部(65A)は、画像(TP)のうちの予め設定された一部の範囲(DA)内で、機能部材(25)における帯状の光(L1)の照射位置を特定する、上記[3]又は[4]に記載の情報収集システム(1,7)。
上述したように、光(L1)の照射位置を特定するために、画像(TP)内において、帯状の光(L1)の照射に起因した領域の特定箇所(例えば、エッジ部分)の一方向での座標が算出される。画像(TP)内のある範囲では、上記特定箇所の一方向での座標が、当該一方向に直交する方向の位置によって、大きく変動し得る。そのため、そのような変動が大きい範囲を除くように上記一部の範囲(DA)を設定することで、光(L1)の照射位置をより精度良く特定することができる。
【0119】
[6]演算部(65A)は、画像(TP)から、底面(50b)に沿い、照射部(61A,62A)からの光(L1)が進む第1方向に直交する第2方向(Y軸方向)において、光(L1)が照射された部分と光(L1)が照射されていない部分との境界の位置(Ye)を特定し、画像(TP)のうちの、第2方向(Y軸方向)において特定された境界の位置(Ye)から所定量だけ離れた一部の範囲(SA)内で、機能部材(25)における帯状の光(L1)の照射位置を特定する、上記[3]又は[4]に記載の情報収集システム(1,7)。
上述したように、機能部材(25)の種類によって、機能部材の第2方向における縁部分で光が強く反射し、その影響により、光(L1)の照射位置を特定する際の精度が低下し得る。上記構成では、機能部材の第2方向における縁部分に対応する上記境界の位置(Ye)から離れた一部の範囲(SA)で、光(L1)の照射位置が特定されるので、光(L1)の照射位置をより精度良く特定することができる。
【0120】
[7]演算部(65A)は、画像(TP)から、平面視において照射部(61A,62A)からの光(L1)が進む第1方向(X軸方向)と、底面(50b)に沿い、照射部(61A,62A)からの光(L1)が進む方向に直交する第2方向(Y軸方向)とのそれぞれにおいて、機能部材(25)における帯状の光(L1)の照射位置を特定し、第1方向(X軸方向)及び第2方向(Y軸方向)それぞれにおいて特定された照射位置を示す情報(Xi,Yi)に基づいて、本体部(50)と機能部材(25)との間の間隔の情報を取得する、上記[3]又は[4]に記載の情報収集システム(1,7)。
本体部(50)に対する機能部材(25)の位置によって、上記第1方向(X軸方向)において、機能部材(25)における光(L1)の照射位置が変動する。上述したように、カメラ(63A)のレンズの影響により、上記第2方向(Y軸方向)の位置によって、X軸方向で特定される光の照射位置が変動し得る。上記構成では、上記第2方向(Y軸方向)での照射位置にも基づいて、上記間隔の情報が取得されるので、基板処理装置における機能部材と基板との距離に係る情報を、より精度良く取得することが可能である。
【0121】
[8]機能部材(25)は、環状に形成されており、機能部材(25)には、基板(W)に対して供給される処理液が裏面に回り込むことを抑制する凸部(26)が設けられており、本体部(50)と機能部材(25)との間の間隔は、本体部(50)と凸部(26)との間隔である、上記[1]~[7]のいずれか1つに記載の情報収集システム(1,7)。
機能部材(25)の凸部(26)は、処理液の裏面への回り込みを抑制する観点から、基板(W)に対して近接して配置されている。そのため、凸部(26)と基板(W)との間の距離を把握することが求められる。上記構成によって、凸部(26)と基板(W)との距離情報を取得することができるので、凸部(26)と基板(W)との間の距離の把握が可能である。
【0122】
[9]機能部材(25)は、環状に形成されており、演算部(65A)は、周方向における位置が互いに異なる複数の計測点での上記応答(TP)に基づいて、本体部(50)と機能部材(25)との間の間隔の情報を取得する、上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の情報収集システム(1,7)。
環状に形成された機能部材(25)のある1つの計測点において、仮に異物が付着していると、その異物の影響によって、上記間隔の取得結果が真値から大きく外れることになる。複数の計測点での複数の応答(TP)に基づくことで、異物等の影響により上記間隔の取得結果が真値から大きく外れてしまう可能性を低減できる。
【0123】
[10]本体部(50)には、貫通孔(67A)が形成されており、照射部(61A,62A)は貫通孔(67A)を介して機能部材(25)に対して測定波(L1)を照射し、検出部(63A)は貫通孔を介して上記応答(TP)を検出し、情報収集システム(1,7)は、少なくとも貫通孔(67A)を覆うカバー部材(68A)を更に備える、上記[1]~[9]のいずれか1つに記載の情報収集システム(1,7)。
この場合、貫通孔(67A)を通って機能部材(25)へ照射される外乱光を、カバー部材(68A)によって遮ることができる。従って、基板処理装置における機能部材と基板との距離に係る情報を、より精度良く取得することが可能である。
【0124】
[11]基板(W)を保持する保持部(21)と、基板(W)が保持部(21)に保持される際に基板(W)の裏面側に位置する機能部材(25)と、を有する基板処理装置(2,2A)に関する情報を取得する検査用基板(8)であって、保持部(21)によって保持可能な底面(50b)を有する本体部(50)と、本体部(50)に対して固定されて、機能部材(25)に対して斜め上方から測定波(L1)を照射する照射部(61A,62A)と、本体部(50)に対して固定されて、照射部(61A,62A)からの測定波(L1)の照射に起因した応答(TP)を検出する検出部(63A)と、を備える検査用基板(8)。
この検査用基板(8)を用いることで、検出部(63A)において検出された応答(TP)から、本体部(50)と機能部材(25)との間の間隔の情報を取得することができる。従って、基板処理装置における機能部材と基板との距離情報を取得することが可能である。
【0125】
[12]検出部(63A)において検出された上記応答(TP)に基づいて、本体部(50)と機能部材(25)との間の間隔の情報を取得する演算部(65A)を更に備える、上記[11]に記載の検査用基板(8)。
この場合、検査用基板(8)自体で距離情報の取得(算出)まで行われるので、検査用基板(8)から外部に出力される情報を減らすことができる。
【0126】
[13]基板(W)を保持する保持部(21)と、基板(W)が保持部(21)に保持される際に基板(W)の裏面側に位置する機能部材(25)と、を有する基板処理装置(2,2A)に関する情報を取得する情報収集方法であって、本体部(50)の底面(50b)を保持部(21)によって保持することと、本体部(50)に対して固定された照射部(61A,62A)から、機能部材(25)に対して斜め上方から測定波(L1)を照射することと、本体部(50)に対して固定された検出部(63A)において、照射部(61A,62A)からの測定波(L1)の照射に起因した応答(TP)を検出することと、検出部(63A)において検出された上記応答(TP)に基づいて、本体部(50)と機能部材(25)との間の間隔の情報を取得することと、を含む、情報収集方法。
この情報収集方法では、上記[1]に記載の情報収集システム(1,7)と同様に、基板処理装置における機能部材と基板との距離情報を取得することが可能である。
【0127】
[14]上記照射することにおいて、照射部(61A,62A)は、測定波(L1)として光を照射し、検出部(63A)は、光(L1)が照射された機能部材(25)を撮像するカメラである、上記[13]に記載の情報収集方法。
この方法では、上記[2]に記載の情報収集システム(1,7)と同様に、基板処理装置における機能部材と基板との距離に係る情報を、より精度良く取得することが可能である。
【0128】
[15]上記照射することにおいて、照射部(61A,62A)から照射される光(L1)は、帯状の光(L1)であって、帯状の光(L1)は、底面(50b)に沿い、照射部(61A,62A)からの光(L1)が進む方向に対して交差する方向(Y軸方向)に延びており、上記取得することにおいて、カメラ(63A)で撮像された画像(TP)から、機能部材(25)における帯状の光(L1)の照射位置が特定され、特定された照射位置を示す情報に基づいて、本体部(50)と機能部材(25)との間の間隔の情報が取得される、上記[14]に記載の情報収集方法。
この方法では、上記[3]に記載の情報収集システム(1,7)と同様に、基板処理装置における機能部材と基板との距離に係る情報を、より精度良く取得することが可能である。
【0129】
[16]機能部材(25)は、環状に形成されており、機能部材(25)には、基板(W)に対して供給される処理液が裏面に回り込むことを抑制する凸部(26)が設けられており、上記取得することにおいて、本体部(50)と機能部材(25)との間の間隔の情報として本体部(50)と凸部(26)との間隔の情報が取得される、上記[13]~[15]のいずれか1つに記載の情報収集方法。
この方法では、上記[8]に記載の情報収集システム(1,7)と同様に、凸部(26)と基板(W)との間の距離の把握が可能である。
【符号の説明】
【0130】
1…基板処理システム、2…基板処理装置、2A…塗布現像装置、21…保持部、25…ガイドリング、26…リング上端部、W…ワーク、7…情報収集システム、8…検査用ウェハ、9…情報収集装置、50…本体部、50b…底面、61A,61B…光源、62A…ミラー部材、L1…ライン光、63A…カメラ、65A…演算部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13