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特開2024-1646生育予測モデル生成方法及び生育予測モデル生成プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001646
(43)【公開日】2024-01-10
(54)【発明の名称】生育予測モデル生成方法及び生育予測モデル生成プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20231227BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20231227BHJP
   A01G 7/00 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
G06Q50/02
G06Q10/04
A01G7/00 603
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100431
(22)【出願日】2022-06-22
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和3年度、農林水産省、農林水産研究推進事業委託プロジェクト研究(AIを活用した食品における効率的な生産流通に向けた研究開発)、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】501203344
【氏名又は名称】国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】王 蕊
(72)【発明者】
【氏名】東出 忠桐
(72)【発明者】
【氏名】礒▲崎▼ 真英
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
5L049CC01
(57)【要約】
【課題】新たな品種の生育予測モデルを簡易に生成する。
【解決手段】複数の品種それぞれを栽培したときの環境データと生育調査データとから前記複数の品種それぞれの成長特徴量を抽出する工程と、前記抽出する工程で抽出された前記成長特徴量を用いて、環境データに基づいて成長特徴量を予測する生育予測モデルを生成し、前記生育予測モデルの生成に用いた前記成長特徴量と対応付けて、前記生育予測モデルを記憶部に記憶する工程と、前記複数の品種以外の第1の品種を栽培したときの環境データと生育調査データとから前記第1の品種の成長特徴量を特定する工程と、前記記憶部を参照して、前記第1の品種の成長特徴量と類似する成長特徴量を選定し、選定した成長特徴量に対応する生育予測モデルを前記第1の品種の生育予測モデルとして決定する工程と、を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の品種それぞれを栽培したときの環境データと生育調査データとから前記複数の品種それぞれの成長特徴量を抽出する工程と、
前記抽出する工程で抽出された前記成長特徴量を用いて、環境データに基づいて成長特徴量を予測する生育予測モデルを生成し、前記生育予測モデルの生成に用いた前記成長特徴量と対応付けて、前記生育予測モデルを記憶部に記憶する工程と、
前記複数の品種以外の第1の品種を栽培したときの環境データと生育調査データとから前記第1の品種の成長特徴量を特定する工程と、
前記記憶部を参照して、前記第1の品種の成長特徴量と類似する成長特徴量を選定し、選定した成長特徴量に対応する生育予測モデルを前記第1の品種の生育予測モデルとして決定する工程と、
をコンピュータが実行することを特徴とする生育予測モデル生成方法。
【請求項2】
前記抽出する工程では、抽出した前記複数の品種それぞれの成長特徴量の類似度に基づいて前記複数の品種を複数のグループに分け、前記グループごとの成長特徴量を抽出し、
前記記憶する工程では、前記グループごとの前記成長特徴量を用いて前記生育予測モデルを生成して、前記生育予測モデルの生成に用いた前記成長特徴量に対応付けて、前記生育予測モデルを前記記憶部に記憶する、ことを特徴とする請求項1に記載の生育予測モデル生成方法。
【請求項3】
前記複数の品種は、葉菜類又は果菜類であることを特徴とする請求項1又は2に記載の生育予測モデル生成方法。
【請求項4】
複数の品種それぞれを栽培したときの環境データと生育調査データとから前記複数の品種それぞれの成長特徴量を抽出する工程と、
前記抽出する工程で抽出された前記成長特徴量を用いて、環境データに基づいて成長特徴量を予測する生育予測モデルを生成し、前記生育予測モデルの生成に用いた前記成長特徴量と対応付けて、前記生育予測モデルを記憶部に記憶する工程と、
前記複数の品種以外の第1の品種を栽培したときの環境データと生育調査データとから前記第1の品種の成長特徴量を特定する工程と、
前記記憶部を参照して、前記第1の品種の成長特徴量と類似する成長特徴量を選定し、選定した成長特徴量に対応する生育予測モデルを前記第1の品種の生育予測モデルとして決定する工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする生育予測モデル生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生育予測モデル生成方法及び生育予測モデル生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
作物の品種改良技術の発展に伴い、毎年新しい品種の農産物が生み出されている。新しい品種が生み出された場合、当該品種がどのように生育していくかを予測するための生育予測モデルを構築することが望ましい。
【0003】
通常、研究者は、各品目の代表的な品種を選択し、当該品種の生育調査結果と気象データとを用いて、生育予測モデルの計算係数やパラメータを決定する。また、新しい品種が生み出された場合、研究者は、新しい品種の生育調査結果と気象データとを用いて、過去に生成した同一の品目の他の品種の生育予測モデルをベースに、計算係数やパラメータを再調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-030253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような新たな品種の生育予測モデルの生成方法では、作物栽培知識や計算経験が浅い人にとっては、計算係数やパラメータをどのように再調整すればよいかが分からず、生育予測モデルを生成することが困難である。また、生育予測モデルの計算方法や仕組みが複雑な場合、複数の計算係数やパラメータを再調整しなければならず、知識や経験が豊富であっても時間と手間がかかる。
【0006】
本発明は、新たな品種の生育予測モデルを簡易に生成することができる生育予測モデル生成方法及び生育予測モデル生成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の生育予測モデル生成方法は、複数の品種それぞれを栽培したときの環境データと生育調査データとから前記複数の品種それぞれの成長特徴量を抽出する工程と、前記抽出する工程で抽出された前記成長特徴量を用いて、環境データに基づいて成長特徴量を予測する生育予測モデルを生成し、前記生育予測モデルの生成に用いた前記成長特徴量と対応付けて、前記生育予測モデルを記憶部に記憶する工程と、前記複数の品種以外の第1の品種を栽培したときの環境データと生育調査データとから前記第1の品種の成長特徴量を特定する工程と、前記記憶部を参照して、前記第1の品種の成長特徴量と類似する成長特徴量を選定し、選定した成長特徴量に対応する生育予測モデルを前記第1の品種の生育予測モデルとして決定する工程と、をコンピュータが実行する生育予測モデル生成方法である。
【0008】
また、本発明の生育予測モデル生成プログラムは、複数の品種それぞれを栽培したときの環境データと生育調査データとから前記複数の品種それぞれの成長特徴量を抽出する工程と、前記抽出する工程で抽出された前記成長特徴量を用いて、環境データに基づいて成長特徴量を予測する生育予測モデルを生成し、前記生育予測モデルの生成に用いた前記成長特徴量と対応付けて、前記生育予測モデルを記憶部に記憶する工程と、前記複数の品種以外の第1の品種を栽培したときの環境データと生育調査データとから前記第1の品種の成長特徴量を特定する工程と、前記記憶部を参照して、前記第1の品種の成長特徴量と類似する成長特徴量を選定し、選定した成長特徴量に対応する生育予測モデルを前記第1の品種の生育予測モデルとして決定する工程と、をコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の生育予測モデル生成方法及び生育予測モデル生成プログラムは、新たな品種の生育予測モデルを簡易に生成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る農業システムの構成を示す図である。
図2図2(a)は、環境データの一例を示す図であり、図2(b)は、生育調査データの一例を示す図である。
図3図1の情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
図4】情報処理装置の機能ブロック図である。
図5図5(a)は、生育調査データの一例を示す図であり、図5(b)は、環境データの積算値(定植日からの積算温度など)に対する成長量(葉面積など)の変化を示す曲線(成長曲線)を示す図である。
図6図6(a)は、データ補間について説明するための図であり、図6(b)は、成長量変化曲線を示す図である。
図7図7(a)は、モデル格納部のデータ構造の一例を示す図であり、図7(b)は、特定品種モデル格納部のデータ構造の一例を示す図である。
図8】基本モデル生成部の処理の一例を示すフローチャートである。
図9】特定品種モデル決定部の処理の一例を示すフローチャートである。
図10】予測部の処理の一例を示すフローチャートである。
図11図11(a)~図11(d)は、実施例における生育調査データ(全長)と、積算温度のデータと、の関係を品種ごとに示す図(その1)である。
図12図12(a)~図12(c)は、実施例における生育調査データ(全長)と、積算温度のデータと、の関係を品種ごとに示す図(その2)である。
図13図13(a)は、品種5のデータから得られた、生育調査データ(全長)と、積算温度のデータとの関係を示す表であり、図13(b)は、Logistic成長曲線関数の計算係数の一例を示す表である。
図14】Logistic成長曲線関数を用いてデータを補間した結果得られた、生育調査データ(全長)と、積算温度のデータとの関係、及び毎日伸長量を示す図である。
図15】品種5の積算温度に対する毎日伸長量の変化を示すグラフである。
図16図16(a)~図16(c)は、3つの品種(品種1、品種2、品種3)の積算温度に対する毎日伸長量の変化を示すグラフである。
図17図17(a)~図17(c)は、3つの品種(品種4、品種6、品種7)の積算温度に対する毎日伸長量の変化を示すグラフである。
図18】実施例における7つの品種のユークリッド距離を模式的に示す図である。
図19図18のユークリッド距離に基づいてクラスタ分類した結果を示す図である。
図20図19のクラスタ1のデータをまとめた結果を示すグラフである。
図21】各クラスタの生育予測モデルの係数を示す表である。
図22】特定品種(品種X)の生育調査データを示す表である。
図23】特定品種(品種X)の毎日伸長量を示す表である。
図24】全長の実測値、実施例の予測結果、比較例の予測結果を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、一実施形態について、図1図24に基づいて詳細に説明する。図1には、一実施形態に係る農業システム100の構成が概略的に示されている。本実施形態の農業システム100は、ホウレンソウなどの葉菜類やイチゴやトマトなどの果菜類を栽培する施設(例えば温室や圃場)において、作物の生育を予測し、出力するシステムである。
【0012】
農業システム100は、図1に示すように、情報処理装置10と、センサ14と、入出力装置16と、を備える。情報処理装置10と入出力装置16は、インターネットなどのネットワークを介して接続されており、装置間において情報のやり取りが可能となっている。また、センサ14と入出力装置16についてもネットワーク等を介して接続されており、センサ14の検出結果は入出力装置16に送信される。
【0013】
情報処理装置10は、入出力装置16において入力された情報を取得し、取得した情報に基づいて生育予測モデルの生成に関する情報処理を実行するサーバである。なお、情報処理装置10の構成や処理の詳細については後述する。
【0014】
センサ14は、一例として温度センサや日射量センサであるものとする。センサ14は、例えば所定時間間隔で作物の栽培環境の温度(気温)や日射量を計測し、入出力装置16に送信する。なお、センサ14は、温度センサや日射量センサ以外のセンサを含んでいてもよい。
【0015】
入出力装置16は、作物の栽培を行う作業者が利用可能な端末である。作業者は、入出力装置16を用いて、センサ14の検出結果をまとめ、作物の栽培期間における環境データを生成する。例えば、作業者は、図2(a)において簡略的に示すような、栽培期間中の1日ごとの平均温度の変化を示す環境データを生成する。入出力装置16は、作業者が生成した環境データを情報処理装置10に送信する。また、作業者は、入出力装置16を用いて、栽培期間中における作物の生育情報(成長量)をまとめた生育調査データを生成する。図2(b)には、品種aの生育調査データが簡略的に示されている。図2(b)の成長量は、作物の成長を代表的に示すことが可能な器官の成長量や作物全体の成長量である。具体的には、成長量は、葉面積、イチゴの第3葉展開草高、葉菜類野菜(ほうれん草や小松菜など)の茎伸長量、トマトの成長点、新鮮重、全株の新鮮重量、乾物重、全株の乾物重量などであるものとする。成長量は、毎日計測してもよいが、数日おきに計測してもよい。入出力装置16は、作業者が生成した生育調査データを情報処理装置10に送信する。
【0016】
(情報処理装置10の構成及び処理について)
以下、情報処理装置10の構成や処理について詳細に説明する。図3には、情報処理装置10のハードウェア構成が概略的に示されている。図2に示すように、情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)90、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)94、ストレージ(ここではSSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive))96、ネットワークインタフェース97、及び可搬型記憶媒体用ドライブ99等を備えている。これら情報処理装置10の構成各部は、バス98に接続されている。情報処理装置10では、ROM92あるいはストレージ96に格納されているプログラム(生育予測モデル生成プログラムを含む)、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ99が可搬型記憶媒体91から読み取ったプログラムをCPU90が実行することにより、図4に示す各部の機能が実現される。なお、図4の各部の機能は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0017】
図4には、情報処理装置10の機能ブロック図が示されている。情報処理装置10においては、CPU90がプログラムを実行することにより、図3に示すように、基本モデル生成部30、特定品種モデル決定部40、予測部50、としての機能が実現されている。
【0018】
(基本モデル生成部30)
基本モデル生成部30は、既存の複数の品種を栽培したときの環境データや生育調査データに基づいて、複数の品種をクラスタに分類し、クラスタごとに生育予測モデルを生成する。基本モデル生成部30は、品種情報取得部31、環境データ取得部32、生育調査データ取得部33、成長特徴量抽出部34、クラスタ分類部35、モデル生成部36を有する。
【0019】
品種情報取得部31は、入出力装置16に入力された生育調査データが、どの品種のものであるかの情報(品種の識別情報)を取得する。環境データ取得部32は、入出力装置16に入力された作物の栽培期間における環境データ(図2(a)参照)を取得する。生育調査データ取得部33は、入出力装置16に入力された作物の生育調査データ(図2(b)参照)を取得する。なお、品種情報取得部31、環境データ取得部32、生育調査データ取得部33は、複数の品種(品種a、b、c…)に関する情報を取得する。
【0020】
成長特徴量抽出部34は、環境データ取得部32が取得した環境データと、生育調査データ取得部33が取得した生育調査データを用いて、各品種(品種a、b、c…)の成長特徴量を抽出する。例えば、品種aについて、図5(a)に示すような生育調査データが得られたとする。この場合、成長特徴量抽出部34は、環境データ(例えば栽培期間における温度のデータ)を用いることで、図5(b)に示すような環境データの積算値(定植日からの積算温度など)に対する成長量(葉面積など)の変化を示す曲線(成長曲線)を作成する。このとき、成長特徴量抽出部34は、測定で得られた成長量の数値と、予め定められている成長曲線関数またはその他の関数と、を用いて、成長曲線のパラメータを推定することで、成長曲線を作成する。また、成長特徴量抽出部34は、栽培期間内に成長量が測定されなかったタイミングにおける成長量を、図6(a)において黒丸で示すように補間する。この補間により、例えば毎日の成長量を得ることとする。更に、成長特徴量抽出部34は、図6(a)において白丸及び黒丸で示す成長量それぞれについて、前後の成長量の差分(ΔM:成長量変化)を求め、図6(b)に示すように、成長量変化曲線を作成する。成長特徴量抽出部34は、図6(b)に示すような成長量変化曲線を複数の品種それぞれについて作成し、各品種の成長特徴量として保存する。
【0021】
クラスタ分類部35は、各品種の成長特徴量に基づいて、各品種をクラスタ(グループ)に分類する。データが似ている度合いを、類似度の大きさや距離の近さといった数値にして表すことで、クラスタ分析や、k-近傍法、多次元尺度構成法(MDS:Multi-Dimensional Scaling)をはじめとする様々な分析を行うことが可能となる。例えば、クラスタ分類部35は、各品種の成長特徴量の類似度合いを次式(1)のようなユークリッド距離di,jで表し、その値の大小に基づいて、各品種をクラスタに分類する。
【0022】
【数1】
【0023】
なお、上式(1)のmは変数の数、xk (i)は、i番目のサンプルにおけるk番目の変数を意味する。例えば、品種a,bのユークリッド距離da,bを求める場合、品種aの成長特徴量(図6(b)の成長量変化曲線上の各点)と、品種bの成長特徴量と、を上式(1)のxk (i)に代入する。そして、クラスタ分類部35は、ユークリッド距離が近ければ、その2つの品種を同一のクラスタに分類する。
【0024】
また、例えば、クラスタ分類部35は、各品種の成長特徴量の類似度合いを次式(2)のようなコサイン類似度cos(x,y)で表し、その値が1に近いほど類似し、0に近いほど類似しないと判断することで、各品種をクラスタに分類してもよい。なお、nは変数の数、xk、ykは、品種x、yの成長特徴量(図6(b)の成長量変化曲線上の各点)の値であるものとする。
【0025】
【数2】
【0026】
図4に戻り、モデル生成部36は、各クラスタの成長特徴量を用いて、環境データから各クラスタに属する品種の成長特徴量の変化を予測するための生育予測モデルを生成し、モデル格納部39に格納する。例えば、モデル生成部36は、各クラスタに属する全品種の成長特徴量(図6(b)の各点)を用いて、環境データ(例えば積算温度)に対する成長特徴量の変化を予測するための生育予測モデルを生成する。モデル生成部36は、図7(a)に示すようなモデル格納部39に対し、クラスタの識別情報、クラスタに含まれる品種の情報、クラスタに含まれる品種の成長特徴量(図6(b)に示すような成長量変化曲線)の情報、生育予測モデルの係数を対応付けて格納する。
【0027】
(特定品種モデル決定部40)
特定品種モデル決定部40は、特定品種(例えば新たに生み出された品種)の生育予測モデルを決定する。具体的には、特定品種を栽培したときに得られた環境データや生育調査データに基づいて、特定品種と類似するクラスタを選定し、選定されたクラスタの生育予測モデルを特定品種の生育予測モデルとして決定する。
【0028】
特定品種モデル決定部40は、品種情報取得部41、環境データ取得部42、生育調査データ取得部43、成長特徴量特定部44、類似クラスタ選定部45、使用モデル決定部46を有する。
【0029】
品種情報取得部41、環境データ取得部42、生育調査データ取得部43は、品種情報取得部31、環境データ取得部32、生育調査データ取得部33と同様の機能を有する。品種情報取得部41は、入出力装置16に入力された特定品種の情報を取得し、環境データ取得部42は、入出力装置16に入力された特定品種の作物を栽培したときの環境データを取得する。また、生育調査データ取得部43は、特定品種の作物を栽培したときに得られた生育調査データを取得する。
【0030】
成長特徴量特定部44は、成長特徴量抽出部34と同様の方法により、特定品種の成長特徴量(図6(b)に示すような成長量変化曲線)を特定する。
【0031】
類似クラスタ選定部45は、モデル格納部39を参照して、特定品種の成長特徴量と最も類似する成長特徴量であるクラスタを選定する。具体的には、類似クラスタ選定部45は、モデル格納部39(図7(a))に格納されている各クラスタの成長特徴量(成長量変化曲線の各点)と、特定品種の成長特徴量とを上式(1)や(2)に投入することで、成長特徴量が特定品種と最も類似するクラスタを選定する。
【0032】
使用モデル決定部46は、特定品種に類似するクラスタの生育予測モデルを特定品種の生育予測モデルと決定し、特定品種モデル格納部49に格納する。具体的には、モデル生成部36は、図7(b)に示すような特定品種モデル格納部49に対し、特定品種の情報、特定品種の成長特徴量(図6(b)に示すような成長量変化曲線)の情報、特定品種の生育予測モデルの係数を対応付けて格納する。
【0033】
(予測部50)
予測部50は、作業者が入出力装置16に入力した予測対象の品種の情報と、将来の環境データ(予測値)と、に基づいて、予測対象の品種の生育を予測し、出力する。具体的には、予測部50は、品種情報取得部51、環境データ取得部52、生育予測部53、出力部54、を有する。
【0034】
品種情報取得部51は、作業者が入出力装置16に入力した品種の情報(予測対象の品種の情報)を取得する。環境データ取得部52は、作業者が入出力装置16に入力した将来の栽培期間の情報を取得し、当該栽培期間に対応する環境データの予測値を外部サーバ等から取得する。外部サーバは、栽培期間に対応する環境データとして、過去の同一時期のデータ(平年値等)や、予測データ(気象予測メッシュ等)を環境データ取得部52に送信する。
【0035】
生育予測部53は、品種情報取得部51が取得した予測対象の品種の情報に対応する生育予測モデルを、モデル格納部39又は特定品種モデル格納部49から取得し、取得した生育予測モデルに対して、栽培期間に対応する環境データを投入することで、生育予測を行う。例えば、予測対象の品種が品種aであれば、生育予測部53は、図7(a)のモデル格納部39からクラスタ1の生育予測モデルの係数を取得し、取得した係数から得られる生育予測モデルを用いて生育予測を行う。また、作業者が入力した品種が品種xであれば、生育予測部53は、図7(b)のモデル格納部39から品種xの生育予測モデルの係数を取得し、取得した係数から得られる生育予測モデルを用いて生育予測を行う。
【0036】
出力部54は、生育予測部53による生育予測結果を取得し、入出力装置16に対して出力する。
【0037】
(情報処理装置10の処理について)
次に、情報処理装置10の処理の流れについて、図8図10のフローチャートに沿って説明する。
【0038】
(基本モデル生成部30の処理について)
図8は、基本モデル生成部30の処理を示すフローチャートである。図8の処理が開始されるのは、入出力装置16において作業者が「基本モデル生成指示」を入力したという情報を情報処理装置10が受信したときである。作業者は、入出力装置16に「基本モデル生成指示」を入力するとともに、複数の品種それぞれを栽培したときの環境データ(図2(a))や複数の品種それぞれの生育調査データ(図2(b))を入力する。
【0039】
図8の処理が開始されると、まず、ステップS12において、生育調査データ取得部33は、複数品種の生育調査データを取得する。また、環境データ取得部32は、栽培期間の環境データを取得する。また、品種情報取得部31は、複数品種それぞれの情報(識別情報)を取得する。
【0040】
次いで、ステップS14において、成長特徴量抽出部34は、複数の品種それぞれの成長特徴量(図6(b))を抽出する。
【0041】
次いで、ステップS16において、クラスタ分類部35は、各品種の成長特徴量に基づいて、各品種を複数のクラスタに分類する。クラスタ分類部35は、この処理において、前述のようにユークリッド距離やコサイン類似度などを用いることで、複数の品種を複数のクラスタに分類する。
【0042】
次いで、ステップS18において、モデル生成部36は、各クラスタの成長特徴量に基づいて生育予測モデルを生成する。
【0043】
そして、ステップS20において、モデル生成部36は、各クラスタの成長特徴量と対応付けて各クラスタの生育予測モデルをモデル格納部39(図7(a)参照)に格納する。
【0044】
以上により、基本モデル生成部30の処理は終了する。
【0045】
(特定品種モデル決定部40の処理について)
図9は、特定品種モデル決定部40の処理を示すフローチャートである。図9の処理が開始されるのは、入出力装置16において作業者が「特定品種モデル決定指示」を入力したという情報を情報処理装置10が受信したときである。作業者は、入出力装置16に「特定品種モデル決定指示」を入力するとともに、特定品種を栽培したときの環境データ(図2(a))や生育調査データ(図2(b))を入力する。
【0046】
図9の処理が開始されると、まずステップS112において、生育調査データ取得部43は、特定品種の生育調査データを取得する。また、環境データ取得部42は、栽培期間の環境データを取得する。また、品種情報取得部41は、特定品種の情報(識別情報)を取得する。
【0047】
次いで、ステップS114において、成長特徴量特定部44は、特定品種の成長特徴量(図6(b))を特定する。
【0048】
次いで、ステップS116において、類似クラスタ選定部45は、特定品種の成長特徴量と各クラスタの成長特徴量に基づいて、特定品種との類似度が最も高いクラスタを選定する。この処理においては、類似クラスタ選定部45は、前述のように、特定品種の成長特徴量と複数のクラスタの成長特徴量それぞれとの間のユークリッド距離やコサイン類似度を算出し、算出結果に基づいて特定品種と類似するクラスタを選定する。
【0049】
次いで、ステップS118において、使用モデル決定部46は、特定品種との類似度が最も高いクラスタの生育予測モデルを、特定品種の生育予測モデルとして決定する。
【0050】
次いで、ステップS120において、使用モデル決定部46は、決定した特定品種の生育予測モデルを、特定品種の成長特徴量と対応付けて特定品種モデル格納部49(図7(b))に格納する。
【0051】
以上により、特定品種モデル決定部40の処理は終了する。
【0052】
(予測部50の処理について)
図10は、予測部50の処理を示すフローチャートである。図10の処理が開始されるのは、入出力装置16において作業者が「予測指示」を入力したという情報を情報処理装置10が受信したときである。作業者は、入出力装置16に「予測指示」を入力するとともに、生育予測を行いたい品種(予測対象の品種)の情報(識別情報)や、将来の栽培期間の情報を入力する。
【0053】
図10の処理が開始されると、まずステップS212において、品種情報取得部51は、作業者が入力した予測対象の品種の情報を取得する。また、環境データ取得部52は、作業者が入力した栽培期間の情報を取得する。
【0054】
ステップS214において、環境データ取得部52は、栽培期間における環境データ(平年値や予測値)を外部サーバ等から取得する。
【0055】
次いで、ステップS216において、生育予測部53は、予測対象の品種に対応する生育予測モデルをモデル格納部39又は特定品種モデル格納部49から取得する。
【0056】
次いで、ステップS218において、生育予測部53は、取得した生育予測モデルと、栽培期間の環境データと、を用いて、栽培期間における予測対象の品種の生育を予測する。
【0057】
次いで、ステップS220において、出力部54は、生育予測部53の予測結果を入出力装置16に対して出力する。
【0058】
以上により、予測部50の処理が終了する。
【0059】
(実施例)
以下、実施例について説明する。
【0060】
(基本モデル生成部30の処理の実施例)
本実施例では、ホウレンソウについて、7つの品種(品種1、品種2、品種3、品種4、品種5、品種6、品種7)の生育調査データを取得した。
【0061】
各品種の定植日は2021年4月12日であり、毎週1回(4/12、4/15、4/20、4/27、5/20)、生育調査データとして株の全長のデータ(40cmまで)を取得した。なお、生育調査データは、3株分を取得した。また、生育調査データとともに、定植後毎日の平均温度を取得した。
【0062】
測定で得られた生育調査データ(全長)と、積算温度のデータと、の関係は、図11(a)~図11(d)、図12(a)~図12(c)のようになった。
【0063】
また、これら図11(a)~図11(d)、図12(a)~図12(c)のデータを用いて、成長曲線(図5(b)参照)を生成した。
【0064】
例えば、品種5のデータからは、図13(a)に示すような生育調査データ(全長)と、積算温度のデータとの関係が得られたので、この図13(a)のデータと、成長曲線関数(Logistic成長曲線関数)を用いて、成長量変化曲線を作成した。
【0065】
Logistic成長曲線関数は、次式(3)のような関数である。
y=A2+(A1-A2)/(1+(x/x0p) …(3)
【0066】
なお、上式(3)のA1、A2、x0、pは、計算係数である。最小二乗法等を用いて、曲線の計算値と実測値の合計値が最小になるように計算係数を決定した。その結果、図13(b)に示すような計算係数の値が得られた。
【0067】
次いで、図13(b)の計算係数と上式(3)を用いて表されるLogistic成長曲線関数を用いて、データを補間し、図14に示すような生育調査データ(全長)と、積算温度のデータとの関係を得た。そして、前後の全長データの差分をそれぞれ算出し、その値を「毎日伸長量」とした。この毎日伸長量を縦軸にとり、定植日からの積算温度を横軸にとったものが、図15に示されている。
【0068】
なお、品種5以外についても同様の処理を行った結果、図16(a)~図16(c)、図17(a)~図17(c)のようになった。図16(a)は、品種1、図16(b)は、品種2、図16(c)は、品種3のデータである。また、図17(a)は、品種4、図17(b)は、品種6、図17(c)は、品種7のデータである。
【0069】
次いで、図15図17(c)を用いて、各品種のユークリッド距離を上式(1)に基づいて計算した。この結果、図18に示すようになった。図18に示すように、品種7と品種2とのユークリッド距離はほぼ0であり、品種4と、品種7及び品種2とのユークリッド距離は、0.6程度であった。また、品種1と品種3とのユークリッド距離は、0.8程度であり、品種6と、品種1及び品種3とのユークリッド距離は、1.7程度であった。この結果に基づいて、クラスタを3つに分類した。すなわち、クラスタとして、クラスタ1(品種4、品種7、品種2)、クラスタ2(品種6、品種1、品種3)、クラスタ3(品種5)の3つに分類した(図19参照)。
【0070】
次いで、各クラスタに属する品種のデータをまとめ、まとめたデータを用いて、生育予測式を作成した。例えば、図19のクラスタ1のデータをまとめると、図20のようになるので、このデータを用いることで、次式(4)に示すような生育予測モデルを得た。なお、次式(4)の生育予測モデルは、毎日の環境データに基づいて、毎日の生育を予測するためのモデルである。
Length_cluster=exp(α・t+β・s+γ・D+k) …(4)
【0071】
なお、tは1日の平均温度、sは1日の平均日射量、Dは定植からの日数、であり、α、β、γ、kは係数である。
【0072】
クラスタ1の場合、α=-0.11、β=0.14、D=-0.04、k=-090となった。その他のクラスタの係数については、図21のとおりである。
【0073】
(特定品種モデル決定部40の処理の実施例)
ホウレンソウの品種Xを特定品種として、栽培期間2021年7月6日-8月4日に栽培を行った。定植時の株の平均全長は4cmであった。栽培期間内に3回(7月20日、7月24日、8月4日)、全長のデータを計測した。また、栽培期間の気象データとして栽培期間内の毎日の平均温度を取得した。その結果、図22に示すようなデータが得られた。
【0074】
また、この図22のデータと、成長曲線関数(Logistic成長曲線関数)を用いて、成長量変化曲線を作成し、図14と同様にデータを補間した結果、図23に示すような毎日伸長量のデータを得た。
【0075】
そして、この特定品種(品種X)の成長量変化曲線と、各クラスタ(図19参照)の成長量変化曲線とのコサイン類似度を上式(2)に基づいて計算した。その結果、クラスタ1とのコサイン類似度は、0.7297、クラスタ2とのコサイン類似度は0.7371、クラスタ3との類似度は0.9410となったため、特定品種(品種X)に最も類似するクラスタとして「クラスタ3」を選定した。したがって、上式(4)と図21より、次式(5)を特定品種(品種X)の生育予測モデルとして決定した。
Length_cluster=exp(-0.08t+0.14s-0.06D-1.20) …(5)
【0076】
(予測部50の処理の実施例)
特定品種(品種X)を定植日2021年7月6日に定植し、栽培期間内に3回(7月20日、7月24日、8月4日)、全長のデータを計測した結果を実測値とした。
【0077】
また、上式(5)に栽培期間の温度tや日射量s、定植からの日数Dを投入することで、栽培期間における全長の変化の予測結果を得た。なお、上式(5)から求まるのは毎日の伸長量であるため、定植日後の毎日の伸長量(予測値)の合計と、定植時の株の全長と、を合計することで、全長を求めた。
【0078】
更に、比較例として、前述した7つの品種の生育調査データ(全長)と、積算温度との関係を用いて、生育予測モデルを1つ作成し、この生育予測モデルに栽培期間の温度tや日射量s、定植からの日数Dを投入することで、特定品種(品種X)の全長の予測結果を得た。なお、この比較例における生育予測モデルの生成方法においては、7つの品種の生育調査データを図20のように同一のグラフ上にプロットして、1つの生育予測モデルを生成する。
【0079】
図24には、実測値、本実施例の予測結果、比較例の予測結果が示されている。図24に示すように、本実施例の予測結果と実測値との平均誤差率は、比較例の予測結果と実測値との平均誤差率よりも小さくなった。すなわち、本実施例によれば、特定品種(品種X)の生育を精度よく予測できた。より具体的には、本実施例の場合、比較例と比べて8%程度予測精度が向上した。
【0080】
以上詳細に説明したように、本実施形態によると、基本モデル生成部30の成長特徴量抽出部34は、複数の品種それぞれを栽培したときの環境データ(例えば温度)と生育調査データ(例えば全長)とから複数の品種それぞれの成長特徴量(図6(b)の成長量変化曲線)を抽出する(S14)。また、クラスタ分類部35は、抽出した複数の品種それぞれの成長特徴量の類似度(例えばユークリッド距離の近さ)に基づいて複数の品種を複数のクラスタに分類し、クラスタごとの成長特徴量を抽出する(S18)。また、モデル生成部36は、クラスタごとの成長特徴量を用いて、環境データに基づいて成長特徴量を予測する生育予測モデルを生成し、クラスタの成長特徴量と対応付けて、モデル格納部39に格納する(S18、S20)。一方、特定品種モデル決定部40の成長特徴量特定部44は、特定品種を栽培したときの環境データと生育調査データとから特定品種の成長特徴量を特定し(S114)、類似クラスタ選定部45は、モデル格納部39を参照して、特定品種の成長特徴量と類似する成長特徴量を有するクラスタをコサイン類似度を用いて選定する(S116)。そして、使用モデル決定部46は、選定したクラスタに対応する生育予測モデルを特定品種の生育予測モデルとして決定する(S118)。これにより、本実施形態では、生育予測モデルを生成していない特定品種(例えば新たに生み出された品種)の生育予測モデルを、植物生理とモデル作成についての事前知識がなくても簡易に決定(生成)することができる。また、上記実施例で説明したように、特定品種の生育を精度よく予測することができる。
【0081】
また、本実施形態では、複数の品種をクラスタに分類し、特定品種のうち最も類似するクラスタを選定し、選定したクラスタの生育予測モデルを特定品種の生育予測に利用することとしている。これにより、例えば7品種を3つのクラスタに分類しておくことで、特定品種との類似度の算出を7品種全てに対して行わなくてもよく、類似度の算出回数を3回とすることができる。このため、情報処理装置10の処理負荷を軽減することができる。ただし、これに限られるものではなく、7品種それぞれについての生育予測モデルを生成し、各品種の成長特徴量と対応付けて管理しておき、特定品種の成長特徴量と最も類似する品種を選定して、選定した品種の生育予測モデルを特定品種の生育予測モデルと決定してもよい。この場合においても、植物生理とモデル作成についての事前知識がなくても、特定品種の生育予測モデルを簡易に決定(生成)することができる。
【0082】
なお、上記実施形態では、使用モデル決定部46が、特定品種の生育予測モデルを特定品種モデル格納部49に格納する場合について説明したが、これに限らず、モデル格納部39の特定品種と類似するクラスタの「品種」の欄に特定品種の識別情報を格納するようにしてもよい。
【0083】
なお、上記実施形態では、生育予測を行う作物がホウレンソウである場合について説明したが、これに限らず、ホウレンソウ以外の葉菜類であってもよいし、トマトやイチゴなどの果菜類であってもよい。
【0084】
なお、上記実施形態における類似度や生育予測モデルは、一例である。すなわち、その他の類似度や生育予測モデルを用いることとしてもよい。
【0085】
なお、上記実施形態では、図1に示すように入出力装置16にセンサ14が接続されている場合について説明したが、これに限らず、入出力装置16は、気象庁のサーバ等から作物の栽培場所近傍の気温の過去データを取得してもよい。
【0086】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、処理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体(ただし、搬送波は除く)に記録しておくことができる。
【0087】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記憶媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0088】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記憶媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記憶媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0089】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0090】
10 情報処理装置
14 センサ
16 入出力装置
30 基本モデル生成部
31、41、51 品種情報取得部
32、42、52 環境データ取得部
33,43 生育調査データ取得部
34 成長特徴量抽出部
35 クラスタ分類部
36 モデル生成部36
39 モデル格納部
44 成長特徴量特定部
45 類似クラスタ選定部
46 使用モデル決定部
49 特定品種モデル格納部
53 生育予測部
54 出力部
100 農業システム
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