(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164808
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物、およびこれを用いたエッジビーズを除去する工程を含むパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20241120BHJP
G03F 7/16 20060101ALI20241120BHJP
G03F 7/004 20060101ALI20241120BHJP
C11D 7/08 20060101ALI20241120BHJP
C11D 7/26 20060101ALI20241120BHJP
C11D 7/50 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
H01L21/304 647Z
G03F7/16
G03F7/004
C11D7/08
C11D7/26
C11D7/50
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024059397
(22)【出願日】2024-04-02
(31)【優先権主張番号】10-2023-0062597
(32)【優先日】2023-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】郭 澤 秀
(72)【発明者】
【氏名】朴 時 均
(72)【発明者】
【氏名】文 炯 朗
(72)【発明者】
【氏名】▲ほ▼ 鍾 必
(72)【発明者】
【氏名】朴 慶 熏
(72)【発明者】
【氏名】宋 明 洙
(72)【発明者】
【氏名】▲はい▼ 鎭 希
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲みん▼ 秀
(72)【発明者】
【氏名】韓 承
(72)【発明者】
【氏名】金 兌 鎬
(72)【発明者】
【氏名】朴 景 鈴
【テーマコード(参考)】
2H225
4H003
5F157
【Fターム(参考)】
2H225AB03
2H225AM61P
2H225AN11P
2H225CA12
2H225EA24P
4H003DA09
4H003EA04
4H003EB04
4H003EB06
4H003EB07
4H003EB24
4H003FA04
5F157AA12
5F157AA14
5F157AA46
5F157AA91
5F157BC03
5F157BC13
5F157BD55
5F157BE48
5F157BF48
5F157BF58
5F157BF59
5F157BF60
5F157BF72
5F157BF73
5F157BF93
5F157BF96
5F157DB03
5F157DB18
(57)【要約】
【課題】金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物、詳細にはレジスト残留物を最少化する金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物を提供する。
【解決手段】リン酸、亜リン酸系化合物、および次亜リン酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1種、ならびにカルボン酸系化合物を含む添加剤と、有機溶媒と、を含み、前記リン酸、亜リン酸系化合物、および次亜リン酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1種と前記カルボン酸系化合物との混合質量比は、9:1~1.2:1である、金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン酸、亜リン酸系化合物、および次亜リン酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1種、ならびにカルボン酸系化合物を含む添加剤と、
有機溶媒と、
を含み、
前記リン酸、亜リン酸系化合物、および次亜リン酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1種と前記カルボン酸系化合物との混合質量比は、9:1~1.2:1である、金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物。
【請求項2】
前記リン酸、亜リン酸系化合物、および次亜リン酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1種と前記カルボン酸系化合物との混合質量比は、9:1~6:4である、請求項1に記載の金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物。
【請求項3】
前記金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物の総質量100質量%に対して、
前記添加剤の含有量は0.01~50質量%であり、
前記有機溶媒の含有量は50~99.99質量%である、請求項1に記載の金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物。
【請求項4】
前記金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物の総質量100質量%に対して、前記リン酸、亜リン酸系化合物、および次亜リン酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1種の含有量は0.005~10質量%である、請求項1に記載の金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物。
【請求項5】
前記金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物の総質量100質量%に対して、前記カルボン酸系化合物の含有量は0.001~5質量%である、請求項1に記載の金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物。
【請求項6】
前記亜リン酸系化合物は、ホスホン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、n-オクチルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ビニルホスホン酸、アミノメチルホスホン酸、メチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、1-アミノ-1-ホスホノオクチルホスホン酸、エチドロン酸、2-アミノエチルホスホン酸、3-アミノプロピルホスホン酸、6-ヒドロキシヘキシルホスホン酸、デシルホスホン酸、メチレンジホスホン酸、ニトリロトリメチレントリホスホン酸、および1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクタンホスホン酸からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物。
【請求項7】
前記次亜リン酸系化合物は、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(ヒドロキシメチル)ホスフィン酸、およびp-(3-アミノプロピル)-p-ブチルホスフィン酸からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物。
【請求項8】
前記カルボン酸系化合物は、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、および安息香酸からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物。
【請求項9】
前記エッジビーズ除去用組成物中の水分含有量は、1,000質量ppm以下である、請求項1に記載の金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物。
【請求項10】
前記金属含有レジストに含まれる有機金属化合物は、有機オキシ基含有スズ化合物および有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物の少なくとも一方である、請求項1に記載の金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物。
【請求項11】
前記金属含有レジストに含まれる有機金属化合物は、下記化学式1で表される化合物またはその縮合物である、請求項1に記載の金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物:
【化1】
前記化学式1中、
R
1は、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基、またはL
a-O-R
a(ここで、L
aは、置換または非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Raは、置換または非置換の炭素数1~20のアルキル基である)であり、
R
2~R
4は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基、-OR
bまたは-OC(=O)R
cであり、
この際、R
2~R
4の少なくとも1つは、-OR
bまたは-OC(=O)R
cであり、
R
bは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
R
cは、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
【請求項12】
基板上に金属含有レジストを塗布する工程;
前記基板のエッジに沿って請求項1~11のいずれか1項に記載の金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物を塗布する工程;
乾燥および加熱して前記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理工程;
前記金属含有レジスト膜を露光する工程;ならびに
現像工程を含む、パターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物、およびこれを用いたエッジビーズを除去する工程を含むパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体産業では、臨界サイズの継続的な縮小に伴い、ますます小さいフィーチャ(feature)の加工およびパターニングの要求を満たすための、新たなタイプの高性能フォトレジスト材料およびパターニング方法が求められている。
【0003】
また、近年の半導体産業の飛躍的な発展に伴い、半導体デバイスの動作速度の向上および大容量の記憶能力が要求されており、このような要求に合わせ、半導体デバイスの集積度、信頼度、および応答速度を向上させる工程技術が発展している。特に、シリコン基板の作用領域に不純物を正確に調節/注入し、これらの領域が相互接続されて素子および超高密度直接回路を形成することが重要であり、これはフォトリソグラフィ工程によって可能である。すなわち、基板上にフォトレジストを塗布し、紫外線(極端紫外線を含む)、電子線またはX線などを照射して選択的に露光させた後、現像することを含むフォトリソグラフィ工程の統合を考慮することが重要になっている。
【0004】
特に、フォトレジスト層を形成する工程では、主にシリコン基板を回転させながらレジストを基板上に塗布することになるが、この過程で基板エッジおよび基板裏面にレジストが塗布され、これはエッチングやイオン注入工程などの半導体の後続工程で押込みを誘発したり、パターン不良を引き起こしたりする原因となる可能性がある。したがって、シンナー組成物を使用してシリコン基板のエッジと裏面とに塗布されているフォトレジストをストリッピングして除去するプロセス、即ち、エッジビーズを除去する工程(EBR、EDGE BEAD REMOVAL)を実施する。EBR工程では、フォトレジストに対して優れた溶解性を示し、基板に残留するビーズおよびフォトレジストを効果的に除去してレジスト残留物がほとんど発生しないか発生しない組成物が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第2016-0078701号公報
【特許文献2】韓国公開特許第2022-0115510号公報
【特許文献3】国際公開第2019/073931号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物、詳細にはレジスト残留物を最少化する金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、パターン形成方法、詳細にはエッジビーズ除去工程を含むパターン形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物は、リン酸、亜リン酸系化合物、および次亜リン酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1種、ならびにカルボン酸系化合物を含む添加剤、ならびに有機溶媒を含み、
上記リン酸、亜リン酸系化合物、および次亜リン酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1種と上記カルボン酸系化合物との混合質量比は、9:1~1.2:1である。
【0009】
上記リン酸、亜リン酸系化合物および次亜リン酸系化合物のうち少なくとも1種とカルボン酸系化合物の混合質量比は、9:1~6:4であってもよい。
【0010】
上記金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物の総質量100質量%に対して、上記添加剤の含有量は0.01~50質量%であり、上記有機溶媒の含有量は50~99.99質量%であり得る。
【0011】
金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物の総質量100質量%に対して、上記リン酸、亜リン酸系化合物、および次亜リン酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1種の含有量は0.005~10質量%であり得る。
【0012】
金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物の総質量100質量%に対して、上記カルボン酸系化合物の含有量は0.001~5質量%であり得る。
【0013】
上記亜リン酸系化合物は、ホスホン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、n-オクチルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ビニルホスホン酸、アミノメチルホスホン酸、メチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、1-アミノ-1-ホスホノオクチルホスホン酸、エチドロン酸、2-アミノエチルホスホン酸、3-アミノプロピルホスホン酸、6-ヒドロキシヘキシルホスホン酸、デシルホスホン酸、メチレンジホスホン酸、ニトリロトリメチレントリホスホン酸、および1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクタンホスホン酸からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
【0014】
上記次亜リン酸系化合物は、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(ヒドロキシメチル)ホスフィン酸、およびp-(3-アミノプロピル)-p-ブチルホスフィン酸からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
【0015】
上記カルボン酸系化合物は、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、および安息香酸からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
【0016】
上記エッジビーズ除去用組成物中の水分含有量は、1,000質量ppm以下であってもよい。
【0017】
上記金属含有レジストに含まれる有機金属化合物は、有機オキシ基含有スズ化合物および有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物の少なくとも一方を含むことができる。
【0018】
上記金属含有レジストに含まれる有機金属化合物は、下記化学式1で表される化合物またはその縮合物であることが好ましい。
【0019】
【0020】
上記化学式1中、
R1は、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基、またはLa-O-Ra(ここで、Laは、置換または非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Raは、置換または非置換の炭素数1~20のアルキル基である)であり、
R2~R4は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基、-ORbまたは-OC(=O)Rcであり、
この際、R2~R4の少なくとも1つは、-ORbまたは-OC(=O)Rcであり、
Rbは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
Rcは、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
【0021】
本発明の他の実施形態に係るパターン形成方法は、基板上に金属含有レジストを塗布する工程、上記基板のエッジに沿って上述した金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物を塗布する工程、乾燥および加熱して上記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理工程、上記金属含有レジスト膜を露光する工程、ならびに現像工程を含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物、詳細にはレジスト残留物を最少化する金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】フォトレジスト塗布装置の一例を示す模式図である。
【
図2】プロファイラ(profiler)装置において、シリコンウェーハ上のフォトレジスト膜にエッジビーズ除去組成物を噴射した後のフォトレジスト薄膜を撮影した写真である。
【
図3】
図2で示されたハンプ(hump)の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、本発明を説明するにあたり、既に公知の機能あるいは構成についての説明は、本発明の要旨を明確にするために省略することにする。
【0025】
本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略し、明細書全体を通じて同一または類似の構成要素については、同一の参照符号を付けるようにする。また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したものであり、本発明は必ずしも図示されたものに限定されない。
【0026】
図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。また、図面から説明の便宜上、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。層、膜、領域、板などの部分が、他の部分「の上」にまたは「上」にある場合、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。
【0027】
本明細書において、「置換」とは、水素原子が、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30の有機アミノ基、ニトロ基、置換もしくは非置換の炭素数1~40の有機シリル基、炭素数1~30のアルキル基、炭素数1~10のハロアルキル基、炭素数1~10のアルキルシリル基、炭素数3~30のシクロアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数1~20のアルコキシ基、またはシアノ基で置換されたことを意味する。「非置換」とは、水素原子が他の置換基で置換されず、水素原子のままであることを意味する。
【0028】
本明細書において、「アルキル基」とは、別途の定義がない限り、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基は、いかなる二重結合や三重結合を含まない「飽和アルキル基」であってもよい。
【0029】
アルキル基は、炭素数1~20のアルキル基であってもよい。より具体的には、アルキル基は、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~6のアルキル基、または炭素数1~5のアルキル基であってもよい。例えば、炭素数1~5のアルキル基は、アルキル鎖に1~5個の炭素原子が含まれることを意味し、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、およびn-ペンチル基からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
【0030】
アルキル基は、具体例な例として、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基などが挙げられる。
【0031】
本明細書において、「シクロアルキル基」とは、別途の定義がない限り、1価の脂環式炭化水素基を意味する。
【0032】
シクロアルキル基の例としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
【0033】
本明細書において、「アルケニル基」とは、別途の定義がない限り、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基であって、1つ以上の二重結合を含む脂肪族不飽和アルケニル基を意味する。
【0034】
本明細書において、「アルキニル基」とは、別途の定義がない限り、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基であって、1つ以上の三重結合を含む脂肪族不飽和アルキニル基を意味する。
【0035】
本明細書において、「アリール基」とは、環状の置換基の全ての元素がp-軌道を有し、これらのp-軌道が共役を形成している置換基を意味し、単環式または縮合多環式(すなわち、炭素原子の隣接する対を共有する環)官能基を含む。
【0036】
より具体的に、置換または非置換の炭素数6~30のアリール基は、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のナフチル基、置換もしくは非置換のアントラセニル基、置換もしくは非置換のフェナントレニル基、置換もしくは非置換のナフタセニル基、置換もしくは非置換のピレニル基、置換もしくは非置換のビフェニル基、置換もしくは非置換のp-ターフェニル基、置換もしくは非置換のm-ターフェニル基、置換もしくは非置換のo-ターフェニル基、置換もしくは非置換のクリセニル基、置換もしくは非置換のベンゾフェナントレニル基、置換もしくは非置換のトリフェニレン基、置換もしくは非置換のペリレニル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、置換もしくは非置換のインデニル基、またはこれらの組み合わせであってもよいが、これらに制限されない。
【0037】
図1は、フォトレジスト塗布装置の一例を示す模式図である。
【0038】
図1を参照すると、フォトレジスト塗布装置には、基板(W)が置かれる基板支持部1が備えられ、基板支持部1は、スピンチャックまたはスピンコーターなどを含む。
【0039】
基板支持部1は、所定の回転速度で第1方向に回転し、基板(W)に遠心力を提供する。基板支持部1上には噴射ノズル2が位置し、噴射ノズル2は、基板(W)の上部から離れた待機領域に位置し、溶液の供給段階で基板上部に移動してフォトレジスト溶液(金属含有レジスト)10を噴射することができる。これにより、フォトレジスト溶液(金属含有レジスト)10は、遠心力によって基板表面に塗布される。この際、基板(W)の中央に供給されるフォトレジスト溶液(金属含有レジスト)10は、遠心力によって基板(W)の端部に広がりながら塗布され、その一部は、基板の側面と基板の端部の下面とに移動するようになる。
【0040】
すなわち、塗布工程で、フォトレジスト溶液(金属含有レジスト)10は、主にスピンコーティング法で塗布されるが、基板(W)の中央部に、粘性のある所定量のフォトレジスト溶液(金属含有レジスト)10を供給して、遠心力によってフォトレジスト溶液(金属含有レジスト)は基板の端部方向に徐々に広がっていく。
【0041】
したがって、レジストは、基板支持部の回転速度によって平坦な膜に形成され得る。
【0042】
ところが、溶媒が蒸発して粘性がますます増加し、表面張力の作用により基板の端部に相対的に多量のレジストが蓄積されるようになり、さらに深刻なのは、基板の端部の下面までレジストが蓄積されるようになる。このようなレジストの蓄積は、エッジビーズ(edgebead、
図1中の12)と呼ばれている。
【0043】
以下、本発明の一実施形態に係る金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物を説明する。
【0044】
本発明の一実施形態に係る金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物は、リン酸、亜リン酸系化合物、および次亜リン酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1種、ならびにカルボン酸系化合物を含む添加剤と、有機溶媒と、を含み、上記リン酸、亜リン酸系化合物、および次亜リン酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1種と上記カルボン酸系化合物との混合質量比は、9:1~1.2:1である。
【0045】
リン酸、亜リン酸系化合物、および次亜リン酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1種に対してカルボン酸系化合物をさらに添加することにより、金属を含むレジスト、より具体的には、好ましくない金属残留物、例えばスズベースの金属残留物をより効果的に除去することができる。
【0046】
また、レジストの亀裂や剥離の原因となるハンプ(hump)を最小化して、膜の変質を最小化することができる。ハンプ(b)とは、
図3で模式化されているように、エッジビーズを除去した後、除去された部分との境界で膜の厚さの高まり(ΔThickness)が発生することを意味する。
【0047】
例えば、リン酸、亜リン酸系化合物、および次亜リン酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1種とカルボン酸系化合物との混合質量比は、最も具体的には9:1~6:4であってもよい。
【0048】
一実施形態において、金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物は、上述した添加剤を0.01~50質量%の含有量で含み、有機溶媒を50~99.99質量%の含有量で含むことができる。
【0049】
より具体的には、一実施形態において、金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物の総質量100質量%に対して、上記添加剤は0.05~50質量%、0.1~50質量%、0.1~40質量%、0.1~30質量%、0.1~20質量%、または0.1~10質量%の含有量で含むことができる。
【0050】
また、一実施形態において、金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物の総質量100質量%に対して、有機溶媒は50~99.95質量%、50~99.9質量%、60~99.9質量%、70~99.9質量%、80~99.9質量%、または90~99.9質量%の含有量で含むことができる。
【0051】
一実施形態では、金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物の総質量100質量%に対して、上記リン酸、亜リン酸系化合物、および次亜リン酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1種を、0.005~10質量%の含有量で含むことができる。
【0052】
より具体的には、金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物の総質量100質量%に対して、上記リン酸、亜リン酸系化合物、および次亜リン酸系化合物からなる群より選択される少なくとも1種を、例えば0.01~5質量%、例えば0.1~5質量%、例えば0.5~3質量%の含有量で含むことができる。
【0053】
一実施形態では、金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物の総質量100質量%に対して、上記カルボン酸系化合物を0.001~5質量%の含有量で含むことができる。
【0054】
より具体的には、金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物の総質量100質量%に対して、上記カルボン酸系化合物を、例えば0.01~5質量%、例えば0.1~5質量%、例えば0.1~2質量%の含有量で含むことができる。
【0055】
上記亜リン酸系化合物は、ホスホン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、n-オクチルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ビニルホスホン酸、アミノメチルホスホン酸、メチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、1-アミノ-1-ホスホノオクチルホスホン酸、エチドロン酸、2-アミノエチルホスホン酸、3-アミノプロピルホスホン酸、6-ヒドロキシヘキシルホスホン酸、デシルホスホン酸、メチレンジホスホン酸、ニトリロトリメチレントリホスホン酸、および1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクタンホスホン酸からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
【0056】
上記次亜リン酸系化合物は、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(ヒドロキシメチル)ホスフィン酸、およびp-(3-アミノプロピル)-p-ブチルホスフィン酸からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
【0057】
上記カルボン酸系化合物は、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、および安息香酸からなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
【0058】
一方、上記金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物の水分含有量は、1,000質量ppm以下であってもよい。
【0059】
組成物中の水分含有量が、1,000質量ppmを超える場合、フォトレジストと接触する部分で水和が起こり、膜の変質が発生する場合がある。
【0060】
本発明の一実施形態に係る金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物に含まれる有機溶媒の例としては、例えば、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールブチルエーテル(PGBE)、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エタノール、2-ブトキシエタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブチルアルコール、n-ヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、n-ヘプタノン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、酢酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、ジイソペンチルエーテル、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジアセトンアルコール、3,3-ジメチル-2-ブタノン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノンメチル-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパネート、γ-ブチロラクトン(GBL)、1-ブタノール、乳酸エチル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、アセチルアセトン、乳酸ブチル、4-メチル-2-ペンタノール(methyl isobutyl carbinol(MIBC))、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、メチル2-ヒドロキシイソブチレート、メトキシベンゼン、n-ブチルアセテート、1-メトキシ-2-プロピルアセテート、メトキシエトキシプロピオン酸塩、エトキシエトキシプロピオン酸塩、またはこれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0061】
本発明に係る金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物は、特に金属含有レジスト、より具体的には好ましくない金属残余物、例えばスズベースの金属残余物の除去に効果的である。
【0062】
後述する他の添加剤を含む場合、上記有機溶媒は、含まれる構成を除く残部量で含むことができる。
【0063】
本発明に係る金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物は、界面活性剤、分散剤、吸湿剤、およびカップリング剤からなる群より選択される少なくとも1種の他の添加剤をさらに含むことができる。
【0064】
金属含有レジストに含まれる有機金属化合物は、有機オキシ基含有スズ化合物および有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物の少なくとも一方を含むことができる。
【0065】
例えば、金属含有レジストに含まれる有機金属化合物は、下記の化学式1で表される化合物またはその縮合物であり得る。
【0066】
【0067】
上記化学式1中、
R1は、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基、またはLa-O-Ra(ここで、Laは置換または非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Raは置換または非置換の炭素数1~20のアルキル基である)であり、
R2~R4は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数7~31のアリールアルキル基、-ORbまたは-OC(=O)Rcであり、
この際、R2~R4の少なくとも1つは、-ORbまたは-OC(=O)Rcであり、
Rbは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
Rcは、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
【0068】
例えば、上記金属含有レジストに含まれる有機金属化合物は、アルキルオキシ基含有スズ化合物、およびアルキルカルボニルオキシ基含有スズ化合物の少なくとも一方であってもよい。
【0069】
本発明の他の一実施形態によると、上述した金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物を利用してエッジビーズを除去する工程を含むパターン形成方法を提供することができる。例えば、製造されたパターンは、フォトレジストパターンであってもよい。より具体的に、ネガ型フォトレジストパターンであってもよい。
【0070】
一実施形態に係るパターン形成方法は、基板上に金属含有レジストを塗布する工程、上記基板のエッジに沿って上述した金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物を塗布する工程、乾燥および加熱して上記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理工程、上記金属含有レジスト膜を露光する工程、ならびに現像してレジストパターンを形成する工程を含む。
【0071】
金属含有レジストを使用してパターンを形成する工程は、まず、基板上に金属含有レジストを塗布する。より具体的に、金属含有レジストを薄膜が形成された基板上にスピンコーティング、スリットコーティング、インクジェット印刷などで塗布する工程、および塗布された金属含有レジストを乾燥してフォトレジスト膜を形成する工程を含むことができる。上記金属含有レジストは、スズを含む化合物を含むことができ、例えばスズベース化合物は、有機オキシ基含有スズ化合物および有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物の少なくとも一方を含むことができる。
【0072】
例えば、上記金属含有レジストに含まれる有機金属化合物は、上記化学式1で表される化合物であり得る。
【0073】
続いて、金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物を塗布する。より具体的には、スピンコーティング法等により適正速度(例えば、500rpm以上)で基板を回転させながら、基板のエッジに沿って上述した金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物を適正量で塗布する工程を含むことができる。この工程を行うことにより、エッジビーズが除去される。
【0074】
続いて、上記フォトレジスト膜が形成されている基板を加熱する第1熱処理工程を行う。上記第1熱処理工程は、80℃~120℃の温度で行うことができ、この工程で溶媒は蒸発し、上記フォトレジスト膜を基板に、より強固に接着させることができる。
【0075】
次に、フォトレジスト膜を選択的に露光する。
【0076】
例えば、露光工程で用いることができる光の例としては、i線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)等の短波長を有する光だけでなく、EUV(Extreme Ultra Violet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー波長を有する光などが挙げられる。
【0077】
より具体的に、一実施形態に係る露光用光は、5nm~150nmの波長範囲を有する短波長光であってもよく、EUV(Extreme Ultra Violet、極端紫外線、波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー波長を有する光であってもよい。
【0078】
フォトレジストパターンを形成する工程において、ネガ型パターンを形成することができる。
【0079】
フォトレジスト膜のうち露光された領域は、有機金属化合物間の縮合などの架橋反応によってポリマーを形成することによって、フォトレジスト膜の未露光領域と互いに異なる溶解度を有するようになる。
【0080】
続いて、基板に対して第2熱処理工程を行う。第2熱処理工程は、90℃~200℃の温度で行うことができる。第2熱処理工程を行うことによって、フォトレジスト膜の露光された領域は、現像液に溶解し難い状態となる。
【0081】
現像工程は、具体的に、2-ヘプタノン等の有機溶媒を使用して、未露光領域に相当するフォトレジスト膜を溶解した後、除去することによって行うことができ、ネガティブトーンイメージに相当するフォトレジストパターンが完成される。
【0082】
一実施形態に係るパターン形成方法で使用される現像液は、有機溶媒であってもよく、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノンなどのケトン類、4-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、イソプロパノール、1-プロパノール、メタノールなどのアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、乳酸エチル、酢酸n-ブチル、γ-ブチロラクトンなどのエステル類、ベンゼン、キシレン、トルエンなどの芳香族化合物、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0083】
上述したように、i線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)等の波長を有する光だけでなく、EUV(Extreme Ultra Violet、極端紫外線;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギーを有する光などによって露光されて形成されたフォトレジストパターンは、5nm~100nmの幅を有することができる。例えば、フォトレジストパターンは、5nm~90nm、5nm~80nm、5nm~70nm、5nm~60nm、5nm~50nm、5nm~40nm、5nm~30nm、5nm~20nmの幅で形成することができる。
【0084】
一方、フォトレジストパターンは、50nm以下、例えば40nm以下、例えば30nm以下、例えば20nm以下、例えば15nm以下のハーフピッチ(half-pitch)、および10nm以下、5nm以下、3nm以下、2nm以下の線幅粗さを有するピッチを有することができる。
【実施例0085】
以下、上述した金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物の製造に関する実施例を通じて、本発明をより詳細に説明する。しかし、下記の実施例によって本発明の技術的特徴が限定されるものではない。
【0086】
(実施例1~3および比較例1~4:エッジビーズ除去用組成物の製造)
添加剤と溶媒とをそれぞれ下記表1に示す組成で混合した後、常温(25℃)で振盪して完全に溶解させた。その後、1μmのポアサイズを有するPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製のフィルターを用いてろ過を行い、最終的にエッジビーズ除去用組成物を得た。
【0087】
製造例:金属含有レジストの製造
下記化学式Cで表される構造単位を含む有機金属化合物を、4-メチル-2-ペンタノールに1質量%の濃度で溶解した後、0.1μmのPTFEシリンジフィルターでろ過して金属含有レジストを製造した。
【0088】
【0089】
評価1:Sn残留量の評価
6インチシリコンウェーハ上に、上記製造例で得られた金属含有レジストを2.0mL投入して、20秒間静置した後、1500rpmの速度で30秒間スピンコーティングした。その後、200℃で60秒間熱処理して得られたコーティング膜に対して、分光エリプソメトリーにより厚さを測定した。コーティング膜が形成されたウェーハ上に実施例1~実施例3および比較例1~比較例4から得られた金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物を、エッジに沿ってそれぞれ10mL投入して5秒間スピンコーティングした後、1,500rpmの速度で回転させて乾燥させた。その後、150℃で60秒間熱処理して得られた膜に対して、気相分解法-誘導結合プラズマ質量分析(VPD-ICPMS)によりSn残留量を確認し、その結果を表1に示した。
【0090】
評価2:ハンプ(hump)特性評価
6インチシリコンウェーハ上に、上記製造例で得られた金属含有レジストを2.0mL投入して、20秒間静置した後、1500rpmの速度で30秒間スピンコーティングした。その後、ウェーハ外周部から1mm地点の上部で、下記表1に記載のように製造した実施例1~3および比較例1~4に係るエッジビーズ除去用組成物を流量10ml/minで5秒間噴射した。
【0091】
図2は、プロファイラ装置において、シリコンウェーハ上のフォトレジスト薄膜に、金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物を噴射した後の、フォトレジスト薄膜を撮影した写真である。
図3は、
図2に示されたハンプ(hump)の模式図である。
【0092】
図2および
図3を参照すると、ハンプ(hump)は、金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物を噴射した後に金属含有レジストの薄膜の端部が凸状に生成されるΔThickness(Hump)を意味する。ΔThickness(Hump)を、Tencor社のプロファイラのP17OF装置で測定した値を下記表1に記載した。
【0093】
【0094】
表1を参照すると、実施例1~3に係る金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物は、比較例1~4に係る金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物に比べて、金属除去効果に優れており、残留金属の減少をさらに促進できることを確認することができる。
【0095】
また、実施例1~3に係る金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物は、比較例1~4に係る金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物に比べて、金属除去効果に優れており、humpが低くなったことが確認できる。
【0096】
以上、本発明の特定の実施例を説明し図示したが、本発明は記載された実施例に限定されるものではなく、本発明の思想および範囲を逸脱することなく、種々の修正および変形が可能であることは、この技術分野において通常の知識を有する者にとって自明なことである。したがって、そのような修正例または変形例は、本発明の技術的思想または観点から個別に理解されるべきではなく、変形された実施例は、本発明の特許請求の範囲に属するというべきである。