(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164876
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】中栓及び蓋体
(51)【国際特許分類】
B65D 47/12 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
B65D47/12 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080554
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000001421
【氏名又は名称】キユーピー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100213388
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 康司
(72)【発明者】
【氏名】木川 敦史
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA12
3E084AB01
3E084BA03
3E084CA01
3E084CB01
3E084CC03
3E084CC04
3E084CC05
3E084DA01
3E084DB01
3E084DB12
3E084DC03
3E084EA02
3E084EB02
3E084EC03
3E084EC04
3E084EC05
3E084FA07
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084HA03
3E084HB02
3E084HC03
3E084HD04
3E084KB01
3E084LB02
3E084LC01
3E084LD01
(57)【要約】
【課題】本実施態様は、摘み部36を改良し、中栓20から周壁30を引きはがしやすい中栓20及び蓋体1を提供する。
【解決手段】中栓20は、注出部24を備える主部22と、主部22の下方にあって容器50の口部52を取り囲む環状の周壁30と、主部22と周壁30とを周方向で接続する環状の環状接続部23と、環状接続部23から周壁30を破断可能に接続する第2薄肉部23bと、を備える。中栓20は、周壁30の内周面に形成されて口部52の外周面に係合する係止部と、周壁30の外周面から外方へ突出する接続部38と、接続部38の外方端部に設けられる摘み部36と、を備える。摘み部36は、接続部38の外方端部から周方向の両側に延びて接続部38より幅広である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注出部を備える主部と、前記主部の下方にあって容器の口部を取り囲む環状の周壁と、前記主部と前記周壁とを周方向で接続する環状の環状接続部と、前記環状接続部から前記周壁を破断可能に接続する薄肉部と、を備える中栓であって、
前記周壁の内周面に形成されて前記口部の外周面に係合する係止部と、
前記周壁の外周面から外方へ突出する接続部と、
前記接続部の外方端部に設けられる摘み部と、
を備え、
前記摘み部は、前記接続部の外方端部から周方向の両側に延びて前記接続部より幅広であることを特徴とする、中栓。
【請求項2】
請求項1に記載の中栓において、
前記周壁は、外側の第1周壁と、内側の第2周壁と、前記第1周壁と前記第2周壁とを間隔を空けて周方向に沿って接続する連接部と、を備え、
前記連接部は、前記第1周壁と前記第2周壁とを破断可能に接続する第1薄肉部と、厚肉部と、前記第1薄肉部から徐々に肉厚になって前記厚肉部に移行する移行部と、を備え、
前記薄肉部は、前記移行部に対応する前記主部と前記第2周壁との間から前記接続部とは反対側に向かって周方向に延在することを特徴とする、中栓。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の中栓と、前記中栓に装着する外蓋と、を備える蓋体であって、
前記外蓋は、前記注出部を覆う天壁と、前記天壁から垂下される円筒状の裾部と、前記裾部の下端から上方に向かって延びるスリットと、を備え、
前記スリットは、前記接続部の周方向の幅よりも広くかつ前記摘み部の周方向の幅よりも狭い幅であることを特徴とする、蓋体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の口部に装着する中栓及び蓋体に関する。
【背景技術】
【0002】
調味料等の容器に広く使用される合成樹脂製容器蓋にあっては、ゴミ廃棄処理や省資源の見地から、内容物を消費し尽くした後に容器から分別して廃棄することが要求されている。しかしながら、容器蓋は容器の口頸部に嵌合固定されているため容易に分別することができず、容器蓋の分別廃棄性に関する様々な改善が提案されている。
【0003】
特許文献1には、容器の口頸部の頂面を覆う主部と、該主部から垂下する円筒形状の側壁と、該側壁を囲繞する円筒形状の囲繞壁とを含み、該側壁の内周面には周方向に延在する係止手段が形成されており、容器の口頸部に被嵌して該係止手段を容器の口頸部の外周面に形成されている係止あご部に係合させることによって容器の口頸部に装着される蓋本体を備えた合成樹脂製容器蓋が開示される。そして、当該蓋は、上方から見て反時計方向に順次に囲繞壁分離領域、移行領域及び側壁分離領域が配置され、該囲繞壁分離領域においては、該囲繞壁の上端と該側壁とを接続する破断可能薄肉接続壁が存在し、該破断可能薄肉接続壁は、該反時計方向に見て肉厚が漸次増大せしめられる漸増部を含んでいる。
【0004】
このような合成樹脂製容器蓋においては、破断可能薄肉接続壁が漸増部を含んでいることにより、囲繞壁分離領域においてその上流端から反時計方向に向けて破断可能薄肉接続壁を破断して囲繞壁を側壁から分離した後に、囲繞壁に加える必要破断力の急激な変化が可及的に回避され、分別における一連の破断工程の際に使用者の所謂官能が改良されることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、蓋から囲繞壁を分離するためには摘み部を摘まみながら側壁から引きはがさなければならないが、摘み部は小さく摘まみにくいと感じる使用者も存在する。
【0007】
そこで、本発明は、摘み部を改良し、中栓から周壁をさらに引きはがしやすい中栓及び蓋体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
【0009】
[1]本発明に係る中栓の一態様は、
注出部を備える主部と、前記主部の下方にあって容器の口部を取り囲む環状の周壁と、前記主部と前記周壁とを周方向で接続する環状の環状接続部と、前記環状接続部から前記周壁を破断可能に接続する薄肉部と、を備える中栓であって、
前記周壁の内周面に形成されて前記口部の外周面に係合する係止部と、
前記周壁の外周面から外方へ突出する接続部と、
前記接続部の外方端部に設けられる摘み部と、
を備え、
前記摘み部は、前記接続部の外方端部から周方向の両側に延びて前記接続部より幅広であることを特徴とする。
【0010】
[2]前記中栓の一態様において、
前記周壁は、外側の第1周壁と、内側の第2周壁と、前記第1周壁と前記第2周壁とを間隔を空けて周方向に沿って接続する連接部と、を備え、
前記連接部は、前記第1周壁と前記第2周壁とを破断可能に接続する第1薄肉部と、厚肉部と、前記第1薄肉部から徐々に肉厚になって前記厚肉部に移行する移行部と、を備え、
前記薄肉部は、前記移行部に対応する前記主部と前記第2周壁との間から前記接続部とは反対側に向かって周方向に延在することができる。
【0011】
[3]本発明に係る蓋体の一態様は、
前記中栓の一態様と、前記中栓に装着する外蓋と、を備える蓋体であって、
前記外蓋は、前記注出部を覆う天壁と、前記天壁から垂下される円筒状の裾部と、前記裾部の下端から上方に向かって延びるスリットと、を備え、
前記スリットは、前記接続部の周方向の幅よりも広くかつ前記摘み部の周方向の幅よりも狭い幅であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る中栓及び蓋体は、摘み部が摘まみやすく、中栓から周壁を引裂きやすい。そのため、使用者が容器から中栓を容易に分離することができ、廃棄時の分別作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図4】中蓋から周壁部を引裂く状態を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0015】
1.蓋体
図1~
図4を用いて、本実施形態に係る蓋体1について説明する。
図1は、本実施形態に係る蓋体1の正面図であり、
図2は、本実施形態に係る中栓20のA-A断面図であり、
図3は、本実施形態に係る中栓20から周壁部を引裂く状態を説明する断面図であり、
図4は、本実施形態に係る中栓20の平面図である。なお、
図1は、外蓋10の右側だけを縦断面図で示し、左側に中栓20を破線で示す。
【0016】
図1に示すように、蓋体1は、中栓20と、中栓20に装着する外蓋10と、を備える。蓋体1は、合成樹脂製であり、例えば各部材が射出成形によって製造される。外蓋10は、容器50の口部52(
図2)に装着された中栓20の外側に装着される。
【0017】
1.1.外蓋
図1に示すように、外蓋10は、中栓20の注出部24を覆う天壁12と、天壁12から垂下される円筒状の裾部16と、裾部16の下端から上方に向かって延びるスリット18と、を備える。外蓋10の外観は末広がりの帽子状であり、下端で開口する。外蓋10は、天壁12の内側から下方に突出する円筒状の第2円筒壁14を備える。第2円筒壁14は、その内周面に雌ねじ部が形成され、中栓20の雄ねじ部と螺合することで中栓20と外蓋10が固定される。外蓋10は、第2円筒壁14の他に、天壁12の内側から下方に突出する円筒状の部分を複数さらに備えてもよい。
【0018】
裾部16は、上端が外蓋10に接続し、下端が開口する略円筒状の部分である。裾部16は、外蓋10が中栓20に装着された状態で、中栓20の下端まで覆う高さに形成される。裾部16は、後述するように中栓20から摘み部36が突出しているため、裾部16の内周面が摘み部36に接触しない程度に大きな内径を有する。裾部16は、下端から少なくともスリット18が形成される高さまで設置面に対してほぼ垂直に延在する。スリット18を接続部38に真っ直ぐに差し込みやすくするためである。ここで「ほぼ垂直」とは、容器を置いた設置面に対して垂直を0度として+10度までを含む。裾部16の肉厚は、材質に応じて設定することが好ましく、後述する周壁30を引裂く際に容易に変形しない剛性を得られる程度の厚さが望ましい。
【0019】
スリット18は、後述する中栓20の摘み部36に引っ掛けて周壁30を引裂くために用いられる。そのため、スリット18は、後述する中栓20の接続部38の周方向の幅D2よりも広くかつ摘み部36の周方向の幅D3よりも狭い幅D1である。上述のように裾部16が設置面に対してほぼ垂直に形成されるので、スリット18はスリット18を側面から見るとほぼ垂直に縦に延びることになる。スリット18の高さ(上下の長さ)は、接続部38の高さと同じかそれより僅かに長いことが好ましい。これは、スリット18に接続部38を確実に差し込むためである。スリット18が形成される裾部16の厚さは、スリット18に隣接する部分例えば接続部38をスリット18に差し込んだ状態で摘み部36に接する部分の肉厚を他の裾部16の部分より厚くしてもよい。これは、外蓋10で周壁30を引っ張る際の剛性を得るためである。
【0020】
外蓋10は、剛性の高い合成樹脂製であり、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等で成形される。
【0021】
1.2.中栓
図1~
図4を用いて、中栓20の詳細について説明する。
【0022】
図1及び
図2に示すように、中栓20は、容器50の口部52に強固に装着される。中栓20は、注出部24を備える主部22と、主部22の下方にあって容器50の口部52を取り囲む環状の周壁30と、主部22と周壁30とを周方向で接続する環状の環状接続部23と、環状接続部23から周壁30を破断可能に接続する第2薄肉部23bと、を備える。中栓20は、周壁30の内側に主部22から垂下する円筒状のシール壁28を備えてもよい。本実施形態では、周壁30が第1周壁31と第2周壁32の二重構造の例について説明するが、これに限らず、1枚の周壁30であってもよい。なお、周方向は中栓20の中心軸周りの周方向であり、上下方向は容器50に中栓20を装着する状態を考慮して鉛直方向であり、半径方向は中栓20の中心軸から放射状に延びる方向である。
【0023】
中栓20は、密封性を考慮して外蓋10に比べて柔軟性に優れる合成樹脂製が好ましく、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等で成形される。
【0024】
中栓20は、周壁30の内周面に形成されて口部52の外周面に係合する係止部と、周
壁30の外周面から外方へ突出する接続部38と、接続部38の外方端部に設けられる摘み部36と、を備える。本実施形態の中栓20は係止部として口部52の周溝部54に係合する突条部29を備える。突条部29は、内周面に沿って連続して形成されてもよいし、複数の非連続の突条部29が内周面に沿って間隔を空けて形成されてもよい。突条部29は、周壁30が口部52から抜けるのを防止する抜け止めの機能を有していれば口部52の被係止部の形状に対応して公知の他の形状を採用することができる。
【0025】
主部22は、口部52の頂面を覆う部分であり、環状の略板状である。主部22の上面には、いずれも円筒状の注出部24及び第1円筒壁26が設けられる。また、主部22の下面には、いずれも円筒状の環状接続部23、周壁30及びシール壁28が設けられる。なお、本実施形態では注出部24の内側に外蓋10の開封時に開口を形成するための環状部材が主部22と一体に設けられている。
【0026】
注出部24は、中栓20の中で最も高い位置まで延びて、外蓋10の天壁12の一部と接触する。注出部24は、天壁12と接触することで内容物の漏れを防ぐ機能を有する。
【0027】
第1円筒壁26は、注出部24の外側にある。第1円筒壁26の外周面には外蓋10と係合するための突部、例えば雄ねじ部が形成される。第1円筒壁26の代わりに環状接続部23に外蓋10と係合する突部を設ける場合には第1円筒壁26を省略してもよい。
【0028】
摘み部36は、周壁30の外周面よりも外側にあり、摘み部36と周壁30とは接続部38で接続される。摘み部36は、上下及び周方向に延びる薄板状である。摘み部36は、接続部38の外方端部から周方向の両側に延びて接続部38(幅D2)より幅広(幅D3)である。幅D1~D3は、
図1に示す。接続部38は、上下及び半径方向に延びる薄板状であり、周方向の幅D2は、周壁30を主部22から引裂く際の力により破断しない程度の厚さに設定される。接続部38の周壁30からの突出長さは、スリット18が形成される裾部16の厚さよりも僅かに長いことが好ましい。摘み部36は、内容物が付着して周壁30が滑りやすい場合でも、中栓20から突出して指で摘まみ易いため、分別作業が容易になる。また、摘み部36は、例えば、周壁30側の面、外側の面、またはこれら両方の面に滑り止め形状を有することが好ましい。滑り止め形状は、表面の凹凸であり、例えば、鉛直方向に延びる溝条と突条が交互に形成された波形状を採用できる。
【0029】
環状接続部23は、主部22と周壁30とを周方向で接続する。環状接続部23は、主部22の外周縁から下方に向かって延びて第2周壁32の上端に接続する。環状接続部23は、略円筒状であるが、環状接続部23から周壁30を破断可能に接続する第2薄肉部23bが形成できる程度の高さがあればよい。環状接続部23の外周面に複数の突起を設けて外蓋10の周り止めとしてもよい。また、口部52の先端で外周に向けて突出する環状突起を受け入れる凹溝を環状接続部23の内周面の全周にわたって設けてもよい。また、環状接続部23の凹溝には口部52の外周に設けられた複数の突部を受け入れる複数の溝が形成されてもよく、これらが嵌合して口部52に対して中栓20が周方向に回転することを規制するようにしてもよい。
【0030】
周壁30は、外側の第1周壁31と、内側の第2周壁32と、第1周壁31と第2周壁32とを間隔を空けて周方向に沿って接続する連接部33と、を備えることができる。よって、本実施形態では第1周壁31の外周面に接続部38が設けられる。連接部33は、第1周壁31と第2周壁32とを分離しやすくするため、接続部38の付近で第1周壁31と第2周壁32とを接続しない部分(間隙)を設けてもよい。
【0031】
第1周壁31は、接続部38が設けられる位置からほぼ全周に渡って同じ壁厚で形成される。第1周壁31の始端31aは、接続部38に隣接した位置であり、終端31bは始
端31aと第3薄肉部34を隔てて配置される。第3薄肉部34は、高さが第1周壁31より低く、厚さが終端31bから徐々に薄肉になる。そして第3薄肉部34の最も薄くなった部分が始端31aに接続する。
【0032】
第2周壁32は、環状接続部23の下端からさらに下方に垂下する円筒状の壁部であり、第2周壁32の下端から外方へ延びる連接部33によって第1周壁31と接続する。第2周壁32は、移行部33bに対応する位置で他よりも薄肉の第4薄肉部32b(
図4に破線で示す)に形成される。本実施形態では連接部33は、周壁30の下端に形成されるが、これに限らず、周壁30の上端に設けられてもよい。突条部29は、第2周壁32の内周面から内側に突出して形成される。
【0033】
シール壁28は、口部52の内周面に密着する外周面を有する。したがって、口部52は、シール壁28と第2周壁32とに内外綿を挟まれて密封することができる。
【0034】
図3に異なる網掛け処理で示すように、第1周壁31と第2周壁32とを接続する連接部33は、第1周壁31と第2周壁32とを破断可能に接続する第1薄肉部33aと、第1厚肉部33cと、第1薄肉部33aから徐々に肉厚になって第1厚肉部33cに移行する移行部33bと、を備える。
【0035】
図3に主部22の外縁に沿って破線で示すように、環状接続部23の下端と第2周壁32の上端との接続部分は、肉厚の異なる第2厚肉部23aと第2薄肉部23bとを有する。第2薄肉部23bは、第2厚肉部23aよりも薄く、第1厚肉部33cよりも厚い。第2薄肉部23bは、移行部33bに対応する主部22と第2周壁32との間から接続部38とは反対側に向かって周方向(本実施形態では反時計回り)に延在する。本実施形態は第1薄肉部33a、第4薄肉部32b及び第2薄肉部23bを用いて、第2周壁32を環状接続部23から引裂きやすくしているが、他の構成を採用してもよい。例えば、摘み部36と接続部38が十分な剛性を有していれば、始端31a付近に第4薄肉部32bを設けて第1周壁31と第2周壁32を一体のまま環状接続部23から引裂くようにしてもよい。
【0036】
次に、
図3及び
図4を用いて、容器50の口部52から中栓20を取り外す工程について説明する。
図3に一点鎖線で示すように、まず、接続部38を挟むように外蓋10のスリット18を第1周壁31と摘み部36との間に差し込む。そして、矢印で示すように外蓋10を回転させると、接続部38に隣接する第3薄肉部34が破断する。さらに、外蓋10を回転させると、第1薄肉部33aが第2周壁32に沿って引裂かれながら摘み部36は第2周壁32から離れる。移行部33bまで引裂かれると、連接部33の肉厚は徐々に厚くなって引裂かれにくくなり、逆に移行部33bの上方にある環状接続部23の第2薄肉部23bが連接部33よりも引裂かれやすくなる。そして、第2周壁32が移行部33bに対応する位置で薄肉に形成されている(第4薄肉部32b)ので、移行部33bから第2薄肉部23bへ向けて第4薄肉部32bで第2周壁32が引裂かれる。さらに外蓋10を移動させると第2薄肉部23bが引裂かれて第1周壁31と第2周壁32が破線で示すように主部22の外周縁から離れるように移動できる。
【0037】
そして、
図4に示すように、摘み部36を上方へ移動させれば、第2周壁32が口部52から離れるので、中栓20を口部52から取り外すことができる。外蓋10のスリット18の代わりに、例えば台所にあるフォーク等を代用してもよい。
【0038】
このように、中栓20及び蓋体1は、摘み部36が摘まみやすく、中栓20から周壁30を引裂きやすい。そのため、分別して廃棄する際に、使用者が容器50から中栓20を容易に分離することができ、廃棄時の分別作業が容易となる。
【0039】
2.変形例1
図5は、変形例1に係る中栓20aの正面図である。中栓20aは、接続部38a(破線で囲って網掛けで示す範囲)が上記実施形態に係る中栓20と異なる。接続部38a以外は、中栓20と同じであるため、詳細な説明は省略する。また、中栓20aには上記実施形態で説明した外蓋10を適用することができる。
【0040】
上記実施形態の接続部38は、第1周壁31の高さと同じ高さを有していたが、変形例1の接続部38aは、第1周壁31の高さよりも低い。そして、接続部38aは、第1周壁31の上端から少し下の位置に配置される。そのため、裾部16を第1周壁31に案内させて第1周壁31と摘み部36との間に導くことができ、そして外蓋10を左右に僅かに移動させるだけでスリット18を接続部38aに嵌めやすいという作用を有する。また、接続部38aは、その上端が摘み部36の上端よりも少し下の位置に配置されることが好ましい。裾部16を第1周壁31と摘み部36との間に案内させることができ、そして外蓋10を左右に僅かに移動させるだけでスリット18を接続部38aに嵌めやすいという作用を有する。
【0041】
3.変形例2
図6は、変形例2に係る中栓20bの平面図である。中栓20bは、第1周壁31における接続部38の位置が上記実施形態に係る中栓20の接続部38と異なる。接続部38以外は、中栓20と同じであるため、詳細な説明は省略する。また、中栓20aには上記実施形態で説明した外蓋10を適用することができる。
【0042】
上記実施形態の接続部38は、第1周壁31の始端31aの位置に設けられていたが、変形例2の接続部38は、始端31aから所定の間隔を空けて設けられている。そのため外蓋のスリット18を接続部38に嵌めやすいという作用を有する。
【0043】
また、変形例2の接続部38の高さ及び第1周壁31に対する高さ位置は、変形例1と同様にしてもよい。
【0044】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能であり、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(機能、方法、及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0045】
1…蓋体、10…外蓋、12…天壁、14…第2円筒壁、16…裾部、18…スリット、20,20a,20b…中栓、22…主部、23…環状接続部、23a…第2厚肉部、23b…第2薄肉部、24…注出部、26…第1円筒壁、28…シール壁、29…突条部、30…周壁、31…第1周壁、31a…始端、31b…終端、32…第2周壁、32b…第4薄肉部、33…連接部、33a…第1薄肉部、33b…移行部、33c…第1厚肉部、34…第3薄肉部、36…摘み部、38,38a…接続部、50…容器、52…口部、D1,D2,D3…幅