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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165449
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】超音波発生装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/34 20060101AFI20241121BHJP
   A61B 17/32 20060101ALI20241121BHJP
   A61B 17/00 20060101ALI20241121BHJP
   A61B 17/225 20060101ALI20241121BHJP
   B08B 7/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H04R1/34 330B
A61B17/32 510
A61B17/00 700
A61B17/225
B08B7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081663
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 伸介
(72)【発明者】
【氏名】横山 広大
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 諭
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 遼
(72)【発明者】
【氏名】笠島 崇
(72)【発明者】
【氏名】森田 剛
【テーマコード(参考)】
3B116
4C160
5D019
【Fターム(参考)】
3B116AA46
3B116BB83
4C160EE17
4C160JJ11
4C160JJ32
5D019AA02
5D019BB02
5D019BB12
5D019BB17
5D019FF04
5D019FF06
5D019GG04
(57)【要約】
【課題】幅広い範囲において超音波を集束させて伝送する。
【解決手段】超音波発生装置10は、超音波発生源11と、超音波集束部12と、導波路13と、を備える。超音波集束部12は、第1反射面21と、第2反射面22と、を有する。第1反射面21は、超音波発生源11で発生した超音波を反射させる。第2反射面22は、第1反射面21で反射された超音波を反射させる。第1反射面21と第2反射面22は、第2反射面22で反射した超音波が平面波として反射されて導波路13に導入されるように配置される。超音波集束部12、及び導波路13は、第2反射面22で生じる平面波の進行方向と直交する方向のうち特定の方向である第1方向に延びる形状をなす。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を発生する超音波発生源と、
前記超音波発生源から発生した前記超音波を集束する超音波集束部と、
前記超音波集束部によって集束された前記超音波を伝送する導波路と、を備え、
前記超音波集束部は、
前記超音波発生源で発生した前記超音波を反射させる第1反射面と、
前記第1反射面で反射された前記超音波を反射させる第2反射面と、を有し、
前記第2反射面で反射した前記超音波が平面波として反射されて前記導波路に導入されるように前記第1反射面と前記第2反射面とが配置されてなる超音波発生装置であって、
前記超音波集束部、及び前記導波路は、前記第2反射面で生じる平面波の進行方向と直交する方向のうち特定の方向である第1方向に延びる形状をなす
超音波発生装置。
【請求項2】
前記第1反射面は、前記進行方向及び前記第1方向と直交する第2方向において、前記導波路よりも一方側に設けられる一方側反射面と、前記導波路よりも他方側に設けられる他方側反射面と、を有し、
前記超音波発生源は、前記第2方向において、前記第2反射面よりも一方側に設けられる一方側発生源と、前記第2反射面よりも他方側に設けられる他方側発生源と、を有し、
前記一方側発生源と、前記他方側発生源は互いに別部材によって構成され、
前記一方側反射面は、前記一方側発生源で発生した前記超音波を反射させ、
前記他方側反射面は、前記他方側発生源で発生した前記超音波を反射させる
請求項1に記載の超音波発生装置。
【請求項3】
前記導波路内には、流路が形成されている
請求項1又は請求項2に記載の超音波発生装置。
【請求項4】
前記導波路には、空洞が形成されており、
前記空洞内に液体が充填されている
請求項1又は請求項2に記載の超音波発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、超音波発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、超音波発生装置が開示されている。この超音波発生装置は、超音波発生源と、集束部と、を有する。集束部は、超音波発生源で発生した超音波を第1反射面で反射させる第1反射部と、第1反射面で反射した超音波を第2反射面で反射させる第2反射部と、超音波の伝送経路となる導波路と、を有する。導波路は、第2反射面で反射した超音波が導入部を介して自身の内部に導入されるように配置される。第2反射面で反射した超音波が平面波として反射させるように、第2反射面の焦点と第1反射面の焦点とが配置されてなる。この超音波発生装置は、超音波発生源が発生した超音波を集束部によって軸の中心に集束させて伝送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-90181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、幅広い範囲において超音波を集束させて伝送することが難しい。
【0005】
本開示は、幅広い範囲において超音波を集束させて伝送することが可能な技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の超音波発生装置は、
超音波を発生する超音波発生源と、
前記超音波発生源から発生した前記超音波を集束する超音波集束部と、
前記超音波集束部によって集束された前記超音波を伝送する導波路と、を備え、
前記超音波集束部は、
前記超音波発生源で発生した前記超音波を反射させる第1反射面と、
前記第1反射面で反射された前記超音波を反射させる第2反射面と、を有し、
前記第2反射面で反射した前記超音波が平面波として反射されて前記導波路に導入されるように前記第1反射面と前記第2反射面とが配置されてなる超音波発生装置であって、
前記超音波集束部、及び前記導波路は、前記第2反射面で生じる平面波の進行方向と直交する方向のうち特定の方向である第1方向に延びる形状をなす。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、幅広い範囲において超音波を集束させて伝送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態の超音波発生装置の斜視図である。
図2図2は、図1のA-A線断面図である。
図3図3は、第2実施形態の超音波発生装置の図2相当図である。
図4図4は、第3実施形態の超音波発生装置の図2相当図である。
図5図5は、導波路の他の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
以下では、本開示の実施形態が列記されて例示される。
【0010】
〔1〕超音波を発生する超音波発生源と、
前記超音波発生源から発生した前記超音波を集束する超音波集束部と、
前記超音波集束部によって集束された前記超音波を伝送する導波路と、を備え、
前記超音波集束部は、
前記超音波発生源で発生した前記超音波を反射させる第1反射面と、
前記第1反射面で反射された前記超音波を反射させる第2反射面と、を有し、
前記第2反射面で反射した前記超音波が平面波として反射されて前記導波路に導入されるように前記第1反射面と前記第2反射面とが配置されてなる超音波発生装置であって、
前記超音波集束部、及び前記導波路は、前記第2反射面で生じる平面波の進行方向と直交する方向のうち特定の方向である第1方向に延びる形状をなす
超音波発生装置。
【0011】
上記超音波発生装置は、超音波集束部及び導波路が第1方向に延びる形状をなす。このため、上記超音波発生装置は、第1方向に幅広い範囲において超音波を集束させて伝送することができる。
【0012】
〔2〕前記第1反射面は、前記進行方向及び前記第1方向と直交する第2方向において、前記導波路よりも一方側に設けられる一方側反射面と、前記導波路よりも他方側に設けられる他方側反射面と、を有し、
前記超音波発生源は、前記第2方向において、前記第2反射面よりも一方側に設けられる一方側発生源と、前記第2反射面よりも他方側に設けられる他方側発生源と、を有し、
前記一方側発生源と、前記他方側発生源は互いに別部材によって構成され、
前記一方側反射面は、前記一方側発生源で発生した前記超音波を反射させ、
前記他方側反射面は、前記他方側発生源で発生した前記超音波を反射させる
〔1〕に記載の超音波発生装置。
【0013】
上記超音波発生装置では、一方側反射面に対応する一方側発生源と、他方側反射面に対応する他方側発生源とが、別部材によって構成されている。このため、上記超音波発生装置は、一方側反射面及び他方側反射面の各々に対して適切な位置関係で超音波発生源を配置しやすい。
【0014】
〔3〕前記導波路内には、流路が形成されている
〔1〕又は〔2〕に記載の超音波発生装置。
【0015】
上記超音波発生装置は、流路に液体が流れ、この液体内で超音波を伝送させることで、超音波の伝送効率を向上させることができる。
【0016】
〔4〕前記導波路には、空洞が形成されており、
前記空洞内に液体が充填されている
〔1〕から〔3〕のいずれか一つに記載の超音波発生装置。
【0017】
上記超音波発生装置は、空洞内に充填された液体内で超音波を伝送させることで、超音波の伝送効率を向上させることができる。
【0018】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の超音波発生装置は、例えば超音波診断装置、超音波治療装置、キャビテーション発生装置、歯科用スケーラ、血液凝固切開装置(例えば超音波メス)、超音波加工機、超音波洗浄機(例えば超音波クリーナ)などに用いられる。
【0019】
1.第1実施形態
1-1.超音波発生装置10の構成
超音波発生装置10は、図1及び図2に示すように、超音波発生源11と、超音波集束部12と、導波路13と、を備えている。超音波発生源11は、超音波を発生する。超音波集束部12は、超音波発生源11から発生した超音波を集束する。導波路13は、超音波集束部12によって集束された超音波を伝送する。
【0020】
超音波発生源11は、例えば圧電素子によって構成される。圧電素子は、圧電セラミックスからなる圧電体と、圧電体の両側に配置される電極と、を有する。超音波発生源11は、前後方向に厚さを有する板状をなしている。超音波発生源11は、超音波集束部12の後面に接合されている。
【0021】
超音波発生源11は、図示しない信号送受信回路から電気信号を与えられると超音波を発生する。超音波発生源11は、超音波を放射する放射面15を有している。放射面15は、超音波発生源11の前面に形成されており、前方を向いた状態で配置されている。放射面15は、平坦な面であり、超音波発生装置10の前後方向に対して直交する方向に広がっている。放射面15は、超音波を前方に放射する。超音波発生源11で発生した超音波は、前方に向けて直進する平面波である。超音波発生源11は、例えば、30kHz以上で且つ10MHz以下の周波数で超音波を発生させる。
【0022】
超音波集束部12は、金属(例えばジュラルミン)によって形成されている。超音波集束部12は、超音波発生源11(より具体的には、放射面15)に接合される接合面20を有している。接合面20は、超音波集束部12の後面に形成され、後方を向いた状態で配置されている。
【0023】
超音波集束部12は、第1反射面21及び第2反射面22を有している。第1反射面21は、接合面20よりも前方の位置に配置されている。第1反射面21は、超音波発生源11の放射面15と対向して配置されている。第1反射面21と超音波発生源11の放射面15との対向方向は、前後方向と平行である。第1反射面21は、超音波集束部12の外部から見ると、前方側(超音波発生源11とは反対側)に凸な湾曲面(例えば放物面)である。第1反射面21は、超音波集束部12の内部から見ると凹型である。
【0024】
第2反射面22は、第1反射面21と対向して配置されている。第2反射面22は、第1反射面21の前端よりも後方の位置に配置されている。第2反射面22は、超音波集束部12の外部から見ると、後方側(第1反射面21とは反対側)に凸な湾曲面(例えば放物面)である。第2反射面22は、超音波集束部12の内部から見ると凹型である。第2反射面22は、後方に突出している。
【0025】
第1反射面21は、超音波発生源11で発生した超音波を、第2反射面22に向けて反射させる。第2反射面22は、第1反射面21で反射された超音波を、導波路13の後端部に向けて反射させる。第1反射面21及び第2反射面22は、第2反射面22で反射された超音波が平面波として反射されて導波路13に導入されるように配置されている。
【0026】
超音波発生源11は、図示しない信号送受信回路から電気信号を与えられると、図2に示すように、放射面15から前方に向けて超音波を発生する。放射面15から放射された超音波は、第1反射面21で反射され、第1反射面21の焦点Fに向かって集束する。第1反射面21の焦点Fは、第2反射面22の焦点Fと同じとなっている。このため、第1反射面21の焦点Fを通過した超音波は、第2反射面22で反射され、平面波として導波路13の内部に導入される。
【0027】
導波路13は、超音波集束部12の前端から前方に向かって延びる形状をなしている。導波路13は、第2反射面22で生じる平面波の進行方向に沿って延びている。第2反射面22で生じる平面波の進行方向とは、第2反射面22で生じる平面波が超音波集束部12内で進行する方向のことである。第2反射面22で生じる平面波の進行方向は、本実施形態では前方である。つまり、本実施形態では、前方は、第2反射面22で生じる平面波の進行方向前方のことであり、後方は、第2反射面22で生じる平面波の進行方向後方のことである。導波路13が延びる方向は、第2反射面22で生じる平面波の進行方向と平行であってもよいし、第2反射面22で生じる平面波の進行方向に対して多少傾いていてもよいし、屈曲していてもよい。
【0028】
導波路13は、本実施形態では超音波集束部12と別部材として説明するが、超音波集束部12と同一部材であってもよい。導波路13は、超音波伝搬性の高い材料によって形成されることが好ましく、例えば、アルミ合金、金属ガラスなどで形成されることが好ましい。また、導波路13は、例えばチタンとニッケルの合金からなる形状記憶合金で形成される構成であってもよい。導波路13は、弾性変形し得る。
【0029】
超音波発生源11、超音波集束部12、及び導波路13は、第2反射面22で生じる平面波の進行方向と直交する方向のうち特定の第1方向に延びる形状をなす。
【0030】
第1反射面21は、第1方向に沿って連続的に配置されている。第1反射面21は、第2方向において、導波路13よりも一方側に設けられる一方側反射面21Aと、導波路13よりも他方側に設けられる他方側反射面21Bと、を有している。第2方向は、第2反射面22で生じる平面波の進行方向及び第1方向と直交する方向である。一方側反射面21A及び他方側反射面21Bは、導波路13から離れるにつれて後方に向かうように湾曲した湾曲面(例えば放物面)である。
【0031】
超音波発生源11は、第2方向において、第2反射面22よりも一方側に設けられる一方側発生源11Aと、第2反射面22よりも他方側に設けられる他方側発生源11Bと、を有している。一方側発生源11Aと他方側発生源11Bは、それぞれ圧電素子によって構成される。一方側発生源11Aと他方側発生源11Bは、互いに別部材によって構成されている。なお、一方側発生源11A及び他方側発生源11Bは、それぞれ一部材で構成されていてもよいし、複数の部材で構成されていてもよい。
【0032】
一方側発生源11Aは、一方側反射面21Aに対向して配置される。一方側発生源11Aは、第1方向に沿って連続的に配置されている。一方側発生源11Aは、第1方向に幅広い範囲において超音波を発生させる。一方側反射面21Aは、一方側発生源11Aで発生した超音波を反射させる。一方側反射面21Aは、第1方向に幅広い範囲において、一方側発生源11Aで発生した超音波を反射させる。
【0033】
他方側発生源11Bは、他方側反射面21Bに対向して配置される。他方側発生源11Bは、第1方向に沿って連続的に配置されている。他方側発生源11Bは、第1方向に幅広い範囲において超音波を発生させる。他方側反射面21Bは、他方側発生源11Bで発生した超音波を反射させる。他方側反射面21Bは、第1方向に幅広い範囲において、他方側発生源11Bで発生した超音波を反射させる。
【0034】
第2反射面22は、第1方向に沿って連続的に配置されている。第2反射面22は、第1方向に幅広い範囲において、第1反射面21で反射された超音波を反射させる。第2反射面22で反射した超音波は、第1方向に延びる導波路13に対し、第1方向の幅広い範囲に導入される。導波路13は、第1方向の幅広い範囲に導入された超音波を前方に伝送する。
【0035】
1-2.超音波発生装置10の効果の例
超音波発生装置10は、超音波集束部12及び導波路13が第1方向に延びる形状をなす。このため、超音波発生装置10は、第1方向に幅広い範囲において超音波を集束させて伝送することができる。
【0036】
超音波発生装置10では、一方側反射面21Aに対応する一方側発生源11Aと、他方側反射面21Bに対応する他方側発生源11Bとが、別部材によって構成されている。このため、超音波発生装置10は、一方側反射面21A及び他方側反射面21Bの各々に対して適切な位置関係で超音波発生源11を配置しやすい。
【0037】
2.第2実施形態
第2実施形態では、導波路内に流路が形成された構成について説明する。なお、第2実施形態では、第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付して、詳しい説明を省略する。
【0038】
第2実施形態の超音波発生装置210は、図3に示すように、超音波発生源11と、超音波集束部12と、導波路213と、を備える。導波路213には、流路30が形成されている。導波路213は、流路30が形成されている点で第1実施形態の導波路13とは異なり、その他の点で共通する。
【0039】
導波路213は、第1実施形態で説明した導波路13と同様に、直方体状をなしている。流路30の一端31は、導波路213の外面に開口している。流路30の他端32は、一端31よりも前方の位置に配置され、導波路213の先端に開口している。流路30内には、液体Lが流れる。液体Lは、一端31から流路30内に入り込み、流路30内を前方へ流れ、他端32から排出される。液体Lは、流路30内に充填されるように供給される。流路30は、第1方向に幅広い構成であってもよいし、第1方向に間隔を空けて複数設けられていてもよい。
【0040】
第2実施形態の超音波発生装置210は、流路30に液体Lが流れ、この液体L内で超音波を伝送させることで、超音波の伝送効率を向上させることができる。
【0041】
3.第3実施形態
第3実施形態では、導波路内の空洞に液体が充填された構成について説明する。なお、第3実施形態では、第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付して、詳しい説明を省略する。
【0042】
第3実施形態の超音波発生装置310は、図4に示すように、超音波発生源11と、超音波集束部312と、導波路313と、を備える。
【0043】
超音波集束部312は、第1反射面21及び第2反射面322を有している。超音波集束部312は、第2反射面22に代えて第2反射面322を有する点で第1実施形態の超音波集束部12とは異なり、その他の点で超音波集束部12と共通する。
【0044】
第2反射面322は、第1反射面21と対向して配置されている。第2反射面322は、超音波集束部312の内側に凸な湾曲面(例えば放物面)である。第2反射面322は、超音波集束部12の外部から見ると、前方側に凸な湾曲面(例えば放物面)である。第2反射面322は、超音波集束部12の内部から見ると凹型である。
【0045】
第2反射面322は、第1方向に沿って連続的に配置されている。第2反射面322は、第1方向に幅広い範囲において、第1反射面21で反射された超音波を反射させる。第2反射面322で反射した超音波は、第1方向に延びる導波路13に対し、第1方向の幅広い範囲に導入される。
【0046】
導波路313は、第1実施形態で説明した導波路13と同様に、直方体状をなしている。導波路313には、空洞40が形成されている。導波路313は、空洞40が形成されている点で第1実施形態の導波路13とは異なり、その他の点で共通する。
【0047】
空洞40内は、密閉されている。空洞40内には、液体Lが充填されている。液体Lは、ジェルであってもよい。液体Lを空洞40内に充填する方法は、特に限定されない。例えば、導波路313に、空洞40を露出させる孔が形成され、その孔から液体Lが充填されてもよい。孔は、充填後に塞がれる。あるいは、導波路313に、空洞40を露出させる蓋が設けられ、蓋が開けられた状態で液体Lが充填されてもよい。空洞40は、第1方向に幅広い構成であってもよいし、第1方向に間隔を空けて複数設けられていてもよい。
【0048】
第3実施形態の超音波発生装置310は、空洞40内に充填された液体L内で超音波を伝送させることで、超音波の伝送効率を向上させることができる。
【0049】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上述した実施形態や後述する実施形態の様々な特徴は、矛盾しない組み合わせであればどのように組み合わされてもよい。
【0050】
(1)第2実施形態では、流路が導波路のみに形成されていたが、流路が超音波集束部まで延びていてもよい。例えば、流路は、超音波集束部を前後方向に貫通する構成であってもよい。
【0051】
(2)第2実施形態では、流路の他端が導波路の先端に形成されていたが、導波路の途中の側面に形成されていてもよい。
【0052】
(3)上記各実施形態において、導波路の先端部の形状は、導波路の前後方向中央部の形状と異なっていてもよい。例えば、図5に示す導波路413のように、先端部が先細りの形状であってもよい。
【0053】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0054】
10…超音波発生装置
11…超音波発生源
11A…一方側発生源
11B…他方側発生源
12…超音波集束部
13…導波路
15…放射面
20…接合面
21…第1反射面
21A…一方側反射面
21B…他方側反射面
22…第2反射面
30…流路
31…一端
32…他端
40…空洞
210…超音波発生装置
213…導波路
310…超音波発生装置
312…超音波集束部
313…導波路
322…第2反射面
413…導波路
F…焦点
L…液体
図1
図2
図3
図4
図5