(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165496
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/10 20130101AFI20241121BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241121BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
G06F21/10 350
H04N1/00 E
H04N1/00 912
B41J29/38 202
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081747
(22)【出願日】2023-05-17
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLU―RAY DISC
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 理恵
(72)【発明者】
【氏名】石井 達也
(72)【発明者】
【氏名】中田 光貴
(72)【発明者】
【氏名】紺野 吉男
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR03
2C061AS02
2C061HK05
2C061HK11
2C061HK15
2C061HK19
2C061HN04
2C061HN05
2C061HN15
5C062AA05
5C062AA31
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC38
5C062AC66
5C062AE03
5C062AE15
5C062AF07
5C062AF10
5C062AF12
5C062AF14
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ライセンス情報により与えられた所定の機能に係る処理を実行する際に、条件に応じて情報処理装置の性能を向上させる情報処理装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システムにおいて、情報処理装置2は、操作受付部が、利用者による初期設定入力を受け付け(ステップS11)、検出取得部が、外部機器接続I/Fに情報記憶装置3の一例であるドングルが接続されたことを検出して機能ID及びライセンス情報を取得し(ステップS12)、実行制御部が、アクティベート処理を実行し(ステップS13)、所定の日数を過ぎていない場合又は所定の枚数を過ぎていない場合、実行制御部を含む各種機能部が、情報処理装置2の性能(生産性)を向上させる処理を実行する(ステップS14)。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライセンスが与えられた所定の機能に係る処理を実行する情報処理装置であって、
前記ライセンスを示すライセンス情報を取得する第1の取得手段と、
前記ライセンス情報により与えられた前記所定の機能に係る処理の実行時に所定の条件を満たす場合、当該情報処理装置の性能を向上させる制御手段と、
を有する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記所定の条件は、予め設定された所定の日数であり、
前記制御手段は、前記所定の機能に係る処理の実行時に前記所定の日数を過ぎていない場合に、当該情報処理装置の性能を向上させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定の日数は、当該情報処理装置の実使用日数に係る累計日数であり、
前記制御手段は、前記実使用日数に係る前記累計日数を過ぎていない場合に、当該情報処理装置の性能を向上させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定の条件は、前記処理に含まれる印刷の実行に伴い当該情報処理装置で使用される用紙のサイズ又は前記用紙の片面若しくは両面に対する印刷条件であり、
前記制御手段は、前記用紙のサイズ又は前記印刷条件に応じて算出された前記用紙の枚数を過ぎていない場合に、当該情報処理装置の性能を向上させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定の日数を過ぎた場合、又は、前記用紙のサイズ又は前記用紙の片面若しくは両面に応じて算出された枚数を過ぎた場合に前記所定の機能が実行されていた場合、
前記制御手段は、前記所定の機能の実行が終了した後に、当該情報処理装置の性能の向上を停止させる、
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1の取得手段は、前記ライセンス情報が記憶された情報記憶装置が当該情報処理装置に接続された場合に、前記情報記憶装置から前記ライセンス情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理装置であって、更に、
前記情報記憶装置が接続された状態で、表示手段に対する操作又はネットワーク経由により、前記性能の向上の有効又は無効の切替えを受け付ける受付手段、
を有する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
ライセンスが与えられた所定の機能に係る処理を実行する情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な通信端末と、を有する情報処理システムであって、
前記通信端末は、
前記ライセンスを示すライセンス情報を取得する第2の取得手段と、
前記ライセンス情報により与えられた所定の機能に係る処理の実行時に所定の条件を満たす場合、当該情報処理装置の性能を向上させるための設定を行う設定手段と、
前記設定手段により設定された前記所定の機能を向上させるための設定情報を前記情報処理装置に対して送信する送信手段と、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記通信端末が送信した前記設定情報を受信する受信手段と、
受信した前記設定情報に基づく所定の機能に係る処理を実行する実行手段と、
を有する、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項9】
ライセンスが与えられた所定の機能に係る処理を実行する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記ライセンスを示すライセンス情報を取得する取得ステップと、
前記ライセンス情報により与えられた前記所定の機能に係る処理の実行時に所定の条件を満たす場合、当該情報処理装置の性能を向上させる制御ステップと、
を含む処理を実行する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
ライセンスが与えられた所定の機能に係る処理を実行する情報処理装置に、
前記ライセンスを示すライセンス情報を取得する取得ステップと、
前記ライセンス情報により与えられた前記所定の機能に係る処理の実行時に所定の条件を満たす場合、当該情報処理装置の性能を向上させる制御ステップと、
を含む処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種機能を備える複合機などに対して、それらの機能ごとに使用可若しくは使用不可とする設定を可能としているものがある。このような機能の使用可否設定を行うため、ドングルと呼ばれる専用のライセンス認証器具を使用する技術が知られている。
【0003】
例えば、外部コントローラ装置103は、接続された画像処理装置104に、一時的に、画像処理装置104の設定情報と固有情報を読み取ることのできるドングル装置109を接続可能な外部装置108を接続し、外部装置108は、ドングルメモリに上記固有情報が書き込まれているかどうかを調べ、書き込まれていない場合には、上記固有情報を書き込むと共に、書き込まれている場合には上記固有情報と比較し、一致するときにのみ外部コントローラ装置103の設定情報の書き換えを行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、ライセンス情報により与えられた所定の機能に係る処理を情報処理装置が実行する際に、条件に応じて情報処理装置の性能を向上させることについては考慮されていない、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明は、ライセンスが与えられた所定の機能に係る処理を実行する情報処理装置であって、前記ライセンスを示すライセンス情報を取得する取得手段と、前記ライセンス情報により与えられた前記所定の機能に係る処理の実行時に所定の条件を満たす場合、当該情報処理装置の性能を向上させる制御手段と、を有する、ことを特徴とする情報処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
以上説明したように本発明によれば、ライセンス情報により与えられた所定の機能に係る処理を情報処理装置が実行する際に、条件に応じて情報処理装置の性能を向上させることが可能になる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態に係る情報処理装置及び情報記憶装置の一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る情報処理装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る情報記憶装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図4】第1の実施形態に係る情報処理装置及び情報記憶装置の各機能構成の一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る利用機能管理テーブルの一例を示す概念図である。
【
図6】実施形態に係るサイズ別重み管理テーブルの一例を示す概念図である。
【
図7】実施形態に係る利用枚数管理テーブルの一例を示す概念図である。
【
図8】第1の実施形態に係る情報処理装置と情報記憶装置との間の各種情報処理を含むシーケンス図の一例である。
【
図9】第1の実施形態に係る情報処理装置におけるアクティベート画面の一例を示す図である。
【
図10】第1の実施形態に係る規定日数判断を含む処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】第1の実施形態に係る情報処理装置における生産性設定画面の一例を示す図である。
【
図12】第1の実施形態の変形例に係る規定枚数判断を含む処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】第1の実施形態の変形例に係る規定枚数判断を含む処理のうち、機能向上設定の有無に応じた処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】第2の実施形態に係る情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図15】第2の実施形態に係る通信端末のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図16】第2の実施形態に係る情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
【
図17】第2の実施形態に係る情報記憶装置と通信端末と情報処理装置との間の生産性設定処理を含むシーケンス図の一例である。
【
図18】第2の実施形態に係る規定日数判断を含む処理の一例を示すフローチャートである。
【
図19】第2の実施形態の変形例に係る規定枚数判断を含む処理の一例を示すフローチャートである。
【
図20】第2の実施形態の変形例に係る規定枚数判断を含む処理のうち、機能向上設定の有無に応じた処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて、発明を実施するための形態について説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する部分があればその説明を省略する。
【0009】
〔第1の実施形態〕
〔情報処理装置及び情報記憶装置〕
図1は、第1の実施形態に係る情報処理装置及び情報記憶装置の一例を示す図である。
【0010】
<情報処理装置>
図1に示されているように、情報処理装置2は、例えば複数の機能を搭載したMFP(Multifunction Peripheral)である。情報処理装置2は、ドングル(dongle)若しくはプロテクトドングルと呼ばれるコンピュータに接続可能な小さな装置を接続するためのインターフェイス(I/F:Inter Face)を備えている。また上述したインターフェイスは、例えば、USB(Universal Serial Bus)インターフェイスである。このUSBインターフェイスに情報記憶装置3を接続することにより、情報処理装置2は、情報記憶装置3に記憶されているライセンス情報を取得することができる。
【0011】
なお、情報処理装置2は、情報記憶装置3の各種データ(情報)の一括管理を行うことも可能である。つまり、情報処理装置2は、情報記憶装置3で管理されるデータテーブル及び各種画像データを一括管理するような装置として機能してもよい。
【0012】
上述したように、本実施形態では、情報処理装置2としてMFPを例に説明する。但し、情報処理装置2は、ソフトウエアが正規のライセンスの下に使用されているかをチェックするための情報記憶装置3(ドングル)が接続されることにより得られたライセンスに基づいて所定の機能に係る処理の実行を行う装置であればこれに限らない。つまり、情報処理装置2は、MFPに加えて又は代えて、一般的に使用される電子ホワイトボード、プロジェクタ、タブレット端末、ゲーム機、カーナビゲーションシステム、医療機器等であってもよい。
【0013】
<情報記憶装置>
図1に示されているように、情報記憶装置3は、例えば、情報処理装置2に設けられたUSBインターフェイス等のコネクタ部に接続される小型の装置(USBデバイス)である。情報記憶装置3(ドングル)は、正規のライセンスの下に使用されているかをチェック(一種のコピーガードの目的)するために使用されるライセンス認証器具で、本実施形態では情報記憶装置3を「ドングル」と呼ぶ場合がある。但し、ドングルは、物理媒体であればSDメモリカードなどの別形式の媒体でもよい。
【0014】
上述したように、本実施形態では、従来のように所定の機能に係る処理の実行中に、その処理の実行を可能にするライセンス情報の取得状態に変化があった場合でも、その変化に応じた処理を可能にする情報処理装置又は情報処理システムを提供する。
【0015】
〔ハードウエア構成〕
続いて、
図2及び
図3を用いて、実施形態に係る情報処理システムを構成する通信端末又は装置のハードウエア構成について説明する。なお、
図2及び
図3に示されている各装置のハードウエア構成は、必要に応じて構成要素が追加又は削除されてもよい。
【0016】
<情報処理装置のハードウエア構成>
図2は、実施形態に係る情報処理装置のハードウエア構成の一例を示す図である。情報処理装置2は、コンピュータによって構築されており、例えばMFPである。
図2に示されているように、情報処理装置2は、コントローラ210、外部機器接続I/F225、エンジン制御部230、操作パネル240、ネットワークI/F250を含むハードウエア資源を備えている。
【0017】
これらのうち、コントローラ210は、コンピュータの主要部であるCPU201、システムメモリ(MEM-P)202、ノースブリッジ(NB)203、サウスブリッジ(SB)204、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)205、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)206、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ207及び記憶部であるHD(Hard Disk)208を有し、NB203とASIC205との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス221で接続した構成となっている。
【0018】
これらのうち、CPU201は、情報処理装置2の全体制御を行う制御部である。NB203は、CPU201と、MEM-P202、SB204及びAGPバス221とを接続するためのブリッジであり、MEM-P202に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0019】
MEM-P202は、コントローラ210の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM202a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM202bとからなる。なお、RAM202bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読取り可能な記録媒体に記録して提供されるようにしてもよい。
【0020】
SB204は、NB203とPCIデバイス及び周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC205は、画像処理用のハードウエア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス221、PCIバス222、HD208及びMEM-C206をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC205は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC205において所定の優先順位に従って各信号の駆動タイミングの調停を行うアービタ(Arbiter)、MEM-C206を制御するメモリコントローラ、ハードウエアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、後述するスキャナ部231及びプリンタ部232との間でPCIバス222を介したデータ転送を行うPCIユニットを含む。なお、ASIC205には、USBインターフェイスや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェイスが接続されるようにしてもよい。
【0021】
MEM-C206は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD208は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD208は、CPU201の制御にしたがってHD208に対するデータの読出し又は書込みを制御する。AGPバス221は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインターフェイスであり、MEM-P202に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0022】
外部機器接続I/F225は、情報記憶装置3と接続するためのインターフェイスであり、例えば、USBインターフェイスである。
【0023】
情報処理装置2は近距離通信回路用アンテナを有する近距離通信回路を備えていてもよい。近距離通信回路は、例えば、NFC、Bluetooth(登録商標。以下省略)、Wi-Fi(登録商標。以下省略)等の通信回路である。
【0024】
更に、エンジン制御部230は、スキャナ部231、プリンタ部232及びFAX部233によって構成されている。また、操作パネル240は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部240a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に係る条件の設定値を受け付けるテンキー、及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等を含む操作キー240bを備えている。本実施形態において、パネル表示部240aは表示手段の一例として機能する。コントローラ210は、情報処理装置2全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル240からの入力等を制御する。スキャナ部231又はプリンタ部232には、誤差拡散やガンマ(γ)変換などの画像処理部分が含まれている。また、FAX部233には、外部装置との間をつなぐアナログ回線(公衆回線)を利用してファクシミリ通信を行なうためのアナログI/F、モデム(MODEM)、スピーカ等が含まれる。
【0025】
なお、情報処理装置2は、操作パネル240のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能及びファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0026】
また、ネットワークI/F250は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェイスである。外部機器接続I/F225及びネットワークI/F250は、PCIバス222を介して、ASIC205に電気的に接続されている。なお、情報処理装置2は、自装置のライセンス情報を後述する情報記憶装置3から取得して所定のソフトウエアを動作させることが可能な装置、通信端末であれば、上述したMFPに限らない。
【0027】
<情報記憶装置のハードウエア構成>
図3は、実施形態に係る情報記憶装置のハードウエア構成の一例を示す図である。上述したように、情報記憶装置3は、コンピュータに接続可能な小さな装置である。また、
図3に示されているように、情報記憶装置3は、CPU301、ROM302、RAM303、フラッシュメモリ304、外部機器接続I/F316及びバスライン320を備えている。
【0028】
これらのうち、CPU301は、情報記憶装置3全体の動作を制御する。ROM302は、CPU301の駆動に用いられるプログラム等を記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。フラッシュメモリ304は、CPU301の制御にしたがって、ライセンス情報等の各種データの読出しを行う。外部機器接続I/F316は、情報処理装置2と接続するためのインターフェイスであり、例えば、USBインターフェイスである。バスライン320は、CPU301等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0029】
なお、上記プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録、又はネットワークを介してダウンロードを行い流通させるようにしてもよい。記録媒体の例として、CD-R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、Blu-ray Disc(Blu-rayは登録商標。以下省略)、SDカード、USBメモリ等が挙げられる。また、記録媒体は、プログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ提供されることができる。例えば、情報処理装置2は、本発明に係るプログラムが実行されることで、本発明に係る情報処理方法を実現する。
【0030】
〔情報処理装置及び情報記憶装置の各機能構成〕
次に、
図4乃至
図8を用いて、本実施形態の機能構成について説明する。
図4は、第1の実施形態に係る情報処理装置及び情報記憶装置の各機能構成の一例を示す図である。なお、
図4は、
図2及び
図3に示されている情報処理装置2又は情報記憶装置3のうち、後述する処理又は動作に関連するものを示す。
【0031】
<情報処理装置の機能構成>
まず、情報処理装置の機能構成について説明する。
図4に示されているように、情報処理装置2は、送受信部21、操作受付部22、検出取得部23、表示制御部24、算出判断部25、認証設定部26、生成部27、実行制御部28及び記憶読出部29を有する。これら各機能部は、
図2に示された各ハードウエア資源のいずれかが、ROM202a及びHD208のうち少なくとも一つからRAM202bに展開された情報処理装置2用のプログラムに従ったCPU201からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。また、情報処理装置2は、
図2に示されているROM202a及びHD208のうち少なくとも一つにより構築される記憶部2000を有している。更に、記憶部2000には、情報記憶装置3とUSBインターフェイスを介して通信を行うための通信プログラム、データテーブル等が記憶されている。
【0032】
<<情報処理装置の各機能構成>>
次に、情報処理装置2の各機能構成について詳細に説明する。
図4に示されている情報処理装置2の送受信部21は、主に、外部機器接続I/F225及びネットワークI/F250に対するCPU201の処理によって実現され、特に外部機器接続I/F225としてのUSBインターフェイスを介して、情報記憶装置3との間で各種データ(又は情報)の送受信を行う。また送受信部21は、通信端末4が送信した設定情報を受信する。本実施形態において送受信部21は、送信手段及び受信手段のうち少なくとも一方の手段の一例として機能する。
【0033】
操作受付部22は、主に、パネル表示部240a及び操作キー240bのうち少なくとも一方が受け付けた各種操作により生成された信号をCPU201が処理することによって実現される。また操作受付部22は、情報記憶装置3が接続された状態で、パネル表示部240a(操作パネル240)に対する操作又はネットワーク経由により、性能の向上の有効又は無効の切替えを受け付ける。本実施形態において操作受付部22は、受付手段の一例として機能する。
【0034】
検出取得部23は、主に、外部機器接続I/F225に対するCPU201の処理によって実現される。検出取得部23は、外部機器接続I/F225を介して接続された情報記憶装置3に記憶されているライセンス情報を取得する。また、検出取得部23は、ライセンス情報が記憶された情報記憶装置3が情報処理装置2に接続された場合に、情報記憶装置3からライセンス情報を取得する。このとき、情報処理装置2は、USBのプラグ&プレイ機能を利用して、ドングルの脱着(接続/非接続)の検出を行うことができる。なお、ライセンス情報には、利用機能、機能に対するポイント情報等の各種情報が含まれてよい。本実施形態において検出取得部23は、第1の取得手段の一例として機能する。
【0035】
表示制御部24は、主に、パネル表示部240aに対するCPU201の処理によって実現され、情報処理装置2におけるアクティベート画面(メンテナンスモード設定画面)、生産性設定画面、利用者への各種通知画面及び情報(データ)の表示制御を行う。また、表示制御部24は、例えば、ブラウザを用いて、HTML等により生成された表示画面を、パネル表示部240aに表示させることも可能である。本実施形態において表示制御部24は、表示制御手段の一例として機能する。
【0036】
算出判断部25は、主に、CPU201の処理によって実現され、情報処理装置2内部の各種判断を行う。本実施形態において算出判断部25は、算出手段の一例、判断手段の一例として機能する。
【0037】
認証設定部26は、主に、CPU201の処理によって実現され、情報処理装置2を利用する利用者の認証処理、及びドングルと情報処理装置2との間のライセンス認証処理を含めた処理を行う。本実施形態において認証設定部26は、認証設定手段の一例として機能する。
【0038】
生成部27は、主に、CPU201の処理によって実現され、パネル表示部240aに表示させる各種画面情報(データ)等を生成する。また生成部27は、情報処理装置2における生産性向上設定に係る情報(高速モデル設定、低速モデル設定等)を生成する。本実施形態において生成部27は、生成手段の一例として機能する。
【0039】
実行制御部28は、主に、CPU201の処理によって実現され、情報処理装置2における各種処理を実行する。また実行制御部28は、情報処理装置2におけるアクティベート処理を実行する。本実施形態において実行制御部28は、実行手段の一例、制御手段の一例として機能する。
【0040】
記憶読出部29は、主に、ROM202a及びHD208のうち少なくとも一つに対するCPU201の処理によって実現され、記憶部2000に各種データ(又は情報)を記憶したり、記憶部2000から各種データ(又は情報)を読み出したりする。本実施形態において記憶読出部29は、記憶読出手段の一例として機能する。
【0041】
以下に、第1の実施形態及び第1の実施形態の変形例のうち少なくとも一方で使用される各データテーブルについて説明する。
【0042】
●利用機能管理テーブル●
図5は、利用機能管理テーブルの一例を示す概念図である。なお、以下に説明するデータテーブルは一例であり、これに限るものではない。記憶部2000には、
図5に示されているような利用機能管理テーブルによって構成された利用機能管理DB2001が構築されている。利用機能情報管理テーブルでは、情報処理装置2で実行可能な機能を識別する識別情報を表す機能IDごとに、利用機能、機能に対応するポイント(対応ポイント)が関連付けられて記憶、管理されている。
【0043】
これらのうち、機能IDは、利用機能を識別するための識別情報である。利用機能は、例えば、モノクロ/カラー切替、特色の有効/無効切替、自動位置合わせ機能の有効/無効切替、周辺機構成を含む。モノクロ/カラー切替は、情報処理装置2の一例としての印刷装置として、モノクロ単独のみか、モノクロ/カラー印刷かを切り替える。モノクロ印刷であれば、色合わせなどカラーのみに使用する色を示すCMYに関わる調整動作などが不要となる。そのため、調整時間を短縮し、立ち上げ時間の短縮が可能になる。モノクロ/カラー切替については、情報記憶装置3が情報処理装置2に対して接続状態の場合に「カラー」、未接続状態又は接続状態から非接続状態に変化した場合に「モノクロ」としてもよいが、その逆でもよい。
【0044】
特色は、CMYK以外の特色印刷が可能かどうかを切り替える。特色印刷を機能的に許可しない場合には、トナー残量検知や特色に関わる異常検知、調整動作等を行わなくてよいため、特色動作がない場合に比べて調整時間の短縮が可能となる。また、特色トナーが入っていないなど、不要な表示を削除することも可能になる。特色については、情報記憶装置3が情報処理装置2に対して接続状態の場合に「有効」、未接続状態又は接続状態から非接続状態に変化した場合に「無効」としてもよいが、その逆でもよい。
【0045】
自動位置合わせ機能は、情報処理装置2の内部にラインセンサを設け、自動位置合わせ機能を有効にするかを切り替える。ラインセンサはコンタクトイメージセンサ(CIS)やCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサなどを想定している。このような機能を用いる場合には、画素ごとの読取レベルを均一にするためのシェーディング補正などの調整動作が必要となるが、機能が不要な場合には調整動作が不要なため、調整動作をスキップし立ち上げ時間を短縮することが可能になる。自動位置合わせ機能については、情報記憶装置3が情報処理装置2に対して接続状態の場合に「有効」、未接続状態又は接続状態から非接続状態に変化した場合に「無効」としてもよいが、その逆でもよい。
【0046】
周辺機構成は、周辺機の構成を制限するかどうかを切り替える。情報処理装置2では、給紙トレイ、手差しトレイ、長尺用紙対応などの給紙周辺機に加えて、折り、断裁、のりづけ、スタッカーなどの後処理を実行するための周辺機が接続可能である。糊付けなどは温めるための時間が長く、立ち上げに時間がかかる。この機能を許可しない場合には、立ち上げのための時間を待たなくてよいため、立ち上げ時間を短縮することが可能になる。周辺機構成については、情報記憶装置3が情報処理装置2に対して接続状態のときに各機能を「有効」とし、未接続状態又は接続状態から非接続状態に変化した場合に各機能を「無効」とするように設定してもよいが、その逆の設定でもよい。
【0047】
機能に対応するポイント(対応ポイント)は、各利用機能が実行される場合に付与されるポイント情報である。例えば、利用機能がモノクロ/カラー切替であれば、モノクロで印刷が実行される場合は1ポイント、カラーで印刷が実行される場合は2ポイントが付与される。また、特色が有効の場合は2ポイント、無効の場合は1ポイントが付与される。このように、利用機能に応じてその機能に対応するポイントを付与し、それぞれの利用機能に対応付けて得られた総ポイント数(総ポイント情報)に応じて、後述する算出判断部25による枚数の算出が行われる。
【0048】
上述したとおり、利用機能管理DB2001には、情報処理装置2において利用可能な各種機能を機能IDに関連付けて管理することが可能であるが、情報処理装置2では、この利用機能管理DB2001、又は記憶部2000の所定領域に、情報記憶装置3から取得した前回起動時の機械のタイプなどを記憶させておいてもよい。この記憶処理による情報に基づいて、情報処理装置2に接続されたドングルとのそれぞれの情報を比較して処理が行われる。
【0049】
本実施形態において利用機能管理テーブル(利用機能管理DB2001)は、利用機能管理手段の一例として機能する。
【0050】
●サイズ別重み管理テーブル●
図6は、サイズ別重み管理テーブルの一例を示す概念図である。なお、以下に説明するデータテーブルは一例であり、これに限るものではない。記憶部2000には、
図6に示されているようなサイズ別重み管理テーブルによって構成されたサイズ別重み管理DB2002が構築されている。サイズ別重み管理テーブルでは、用紙サイズIDごとに、用紙サイズ、片面/両面、重みを含む項目が関連付けられて記憶、管理されている。
【0051】
これらのうち、用紙サイズIDは、用紙サイズを識別するための識別情報である。重みは、用紙の枚数を換算するための係数である。この重みは、用紙サイズ及び片面/両面の印刷方式に応じてその値が一意的に決定される。例えば、用紙サイズ:A4、片面/両面:片面の場合の重みを1.0(基準)にする。これにより、用紙サイズ:A4、片面/両面:片面の場合は、片面2枚分となるため、重みは、1.0×2=2.0となる。また、用紙サイズ:A5、片面/両面:片面の場合は、A4の半分の面積となるため、重みは、1.0×1/2=0.5となる。このようにして、重みは、用紙サイズと片面/両面の印刷方式とに応じて一意的に決定される。ここで、重みにおける小数点以下の数値(特に小数第一位)に関しては、切り捨て、又は四捨五入のいずれを採用してもかまわない。なお、本実施形態において用紙は、印刷媒体の一例である。
【0052】
本実施形態においてサイズ別重み管理テーブル(サイズ別重み管理DB2002)は、サイズ別重み管理手段の一例として機能する。
【0053】
●利用枚数管理テーブル●
図7は、利用枚数管理テーブルの一例を示す概念図である。なお、以下に説明するデータテーブルは一例であり、これに限るものではない。記憶部2000には、
図7に示されているような利用枚数管理テーブルによって構成された利用枚数管理DB2003が構築されている。利用枚数管理テーブルでは、印刷処理等を表すジョブのジョブIDごとに、用紙サイズID、片面/両面、印刷枚数、利用機能、対応ポイント、換算利用枚数(A4基準)を含む項目が関連付けられて記憶、管理されている。上述したように、ジョブとは、情報処理装置2における印刷処理、データ表示処理、データ格納処理、データ管理処理、データ共有処理等を含んでよい。
【0054】
これらのうち、ジョブIDは、印刷等が実行されるジョブを識別するための識別情報である。
【0055】
換算利用枚数は、重み、印刷枚数、対応ポイントに基づいて換算される用紙(印刷媒体)の相対的な利用枚数である。これにより、ジョブID:J0001に関連付けられた用紙サイズ:A4、片面/両面:片面、利用機能:モノクロの場合の換算利用枚数は、
1.0(重み)×30(印刷枚数)×1(対応ポイント)=30(枚)
となる。また、ジョブID:J0003に関連付けられた用紙サイズ:A5、片面/両面:片面、利用機能:特色有効の場合の換算利用枚数は、
0.5(重み)×8(印刷枚数)×2(対応ポイント)=8(枚)
となる。
【0056】
本実施形態において利用枚数管理テーブル(利用枚数管理DB2003)は、利用枚数管理手段の一例として機能する。
【0057】
<情報記憶装置の機能構成>
続いて、情報記憶装置の機能構成について説明する。
図4に示されているように、情報記憶装置3は、送受信部31、取得部33、演算部36及び記憶読出部39を有する。これら各機能部は、
図3に示された各ハードウエア資源のいずれかが、ROM302及びフラッシュメモリ304のうち少なくとも一つからRAM303に展開された情報記憶装置3用のプログラムに従ったCPU301からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。また、情報記憶装置3は、
図3に示されているROM302及びフラッシュメモリ304のうち少なくとも一つにより構築される記憶部3000を有している。更に、記憶部3000には、情報処理装置2とUSBインターフェイスを介して通信を行うための通信プログラム(通信アプリ)等が記憶されている。
【0058】
<<情報処理装置の各機能構成>>
次に、情報記憶装置3の各機能構成について詳細に説明する。
図4に示されている情報記憶装置3の送受信部31は、主に、外部機器接続I/F316に対するCPU301の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して情報処理装置2との間で各種データ(又は情報)の送受信を行う。また送受信部31は、情報処理装置2が送信した、第1の所定のマーク及び第2の所定のマークを付与するためのマーク付与要求を受信する。本実施形態において送受信部31は、第2の送信手段及び第2の受信手段のうち少なくとも一方の手段の一例として機能する。
【0059】
取得部33は、主に、CPU301の処理によって実現され、情報記憶装置3に記憶されているライセンス情報を取得する。また、取得部33は、情報記憶装置3が情報処理装置2に接続された場合に、自装置のライセンス情報を記憶部3000から読み出して取得する。本実施形態において取得部33は、第2の取得手段の一例として機能する。
【0060】
演算部36は、主に、CPU301の処理によって実現され、情報記憶装置3における各種演算を行う。本実施形態において演算部36は、演算手段の一例として機能する。
【0061】
記憶読出部39は、主に、ROM302及びフラッシュメモリ304のうち少なくとも一つに対するCPU301の処理によって実現され、記憶部3000からライセンス情報等の各種データ(又は情報)を読み出したりする。本実施形態において記憶読出部39は、記憶読出手段の一例として機能する。
【0062】
〔実施形態の処理又は動作〕
次に、
図8乃至
図11を用いて、第1の実施形態に係る情報処理装置における各処理又は動作を説明する。
【0063】
<情報記憶装置と情報処理装置との間で実行されるシーケンス処理>
図8は、第1の実施形態に係る情報処理装置と情報記憶装置との間の各種情報処理を含むシーケンス図の一例である。
【0064】
まず、情報処理装置2の操作受付部22は、利用者による初期設定入力を受け付ける(ステップS11)。具体的には、操作受付部22は、初期設定入力として、情報処理装置2における各種機能における所定の処理を実行するための設定値入力の入力を受け付ける。この設定値入力及び各項目への入力は、例えば、操作パネル240に対する利用者の入力により行われる。なお、
図8では、ステップS11の処理においてサイズ別重み管理DB2002(
図6参照)に対する処理が記載されているが、これは、後述する第1の実施形態の変形例において利用されるDBである。そのため、第1の実施形態では、情報処理装置2はステップS11の処理において、サイズ別重み管理DB2002(
図6参照)に対する処理は不要である。
【0065】
次に、検出取得部23は、ドングルの情報を取得する(ステップS12)。具体的には、検出取得部23は、情報処理装置2の外部機器接続I/F225(例えば、USBインターフェイス)に情報記憶装置3の一例であるドングルが接続されたことを検出して各種情報(機能ID、ライセンス情報)を取得する。その後、記憶読出部29は、ドングルから取得した各種情報を利用機能管理DB2001(
図5参照)の機能IDに関連付けられた利用機能で管理されている項目に記憶させる。
【0066】
<ドングル接続におけるアクティベート処理>
次に、情報処理装置2は、アクティベート処理を実行する(ステップS13)。具体的には、情報処理装置2の実行制御部28は、情報処理装置2の電源投入時においてアクティベート処理が未実行で且つアクティベート要求がある場合に、実行制御部28は、アクティベート処理を実行する。このとき、実行制御部28は、ドングル接続の確認は、例えば、ドングル接続の確認として、
1.検出取得部23によるドングル接続の検出
2.認証設定部26によるドングルと情報処理装置2との間のライセンス認証処理
を実行してもよい。アクティベート処理として例えば、実行制御部28は、販売者側のサービスパーソン等によるメンテナンスモード設定画面(SPモード設定画面)の起動及び所望の設定値の入力を受け付けて、情報処理装置2に与えられたライセンスに応じた機能を設定する。
【0067】
なお、本実施形態において上述したアクティベート処理の実行要否、実行方法、実行手順等は、この例に限らない。
【0068】
●画面表示例●
図9は、第1の実施形態に係る情報処理装置におけるアクティベート画面の一例を示す図である。
図9に示されているように、ステップS13の処理により、情報処理装置2のパネル表示部240aには、表示制御部24によってアクティベートのためのメンテナンスモード設定画面2111が表示される。メンテナンスモード設定画面2111では、販売者側のサービスパーソン等は、このメンテナンスモード設定画面2111を用いて所望の設定のための入力を行うことで、情報処理装置2に対するアクティベートを実行することが可能になる。これにより、ドングル接続により与えられたライセンスの下で所定の機能の実行が許される情報処理装置2において、更に機能の不正使用等を未然に防止することが可能になる。
【0069】
図8に戻り、実行制御部28を含む各種機能部は、生産性設定処理を実行する(ステップS14)。具体的には、実行制御部28を含む各種機能部はステップS14の生産性設定処理において、所定の日数を過ぎていない場合又は所定の枚数を過ぎていない場合に、情報処理装置2の性能(生産性)を向上させる(「生産性向上設定」)。特に、第1の実施形態では、実行制御部28を含む各種機能部は、ステップS14の生産性設定処理において、所定の日数を過ぎていない場合に、情報処理装置2の性能(生産性)を向上させる。なお、生産性設定処理の他の例としては、後述する内容として「機能向上設定」も含まれる。このとき、情報処理装置2は、利用機能管理DB2001(
図5参照)に記憶した各種情報を読み出して生産性設定処理を行う。このように、第1の実施形態では、情報処理装置2はステップS14の処理において、サイズ別重み管理DB2002(
図6参照)及び利用枚数管理DB2003(
図7参照)に対する処理は不要である。
【0070】
<<生産性設定処理の詳細>>
続いて、上述したステップS14で示した生産性設定処理に係る詳細処理について説明する。
図10は、第1の実施形態に係る規定日数判断を含む処理の一例を示すフローチャートである。但し、
図10に示したフローチャートは一例であり、これに限らない。
【0071】
まず、情報処理装置2の検出取得部23は、未実行のジョブIDを取得する(ステップS14-1-1)。具体的には、検出取得部23は、情報処理装置2で実行予定の一以上のジョブを取得する。
【0072】
次に、算出判断部25は、ドングルが接続されているかを判断する(ステップS14-1-2)。例えば、算出判断部25は、情報処理装置2におけるCPU201のクロック等を用いて検出取得部23からの信号をポーリングで取得し、その信号に基づいてドングルが接続されているか(ドングル接続の有無)を判断するようにしてもよい。
【0073】
ドングルが接続されていると判断した場合(ステップS14-1-2:YES)、算出判断部25は更に、生産性向上(アップ)設定が有効かを判断する(ステップS14-1-3)。例えば、算出判断部25は、後述する
図12で示す生産性設定画面2121に対して入力された生産性向上(アップ)の有効設定(高速モデルへの設定)の有無を確認する。
【0074】
生産性向上(アップ)設定が有効と判断した場合(ステップS14-1-3:YES)、算出判断部25は更に、所定の日数が過ぎていないかを判断する(ステップS14-1-4)。
このとき、算出判断部25は、所定の日数として、情報処理装置2の実使用日数(単純な日付ではなく機械の電源が入っている日数(時間))でカウントするようにしてもよい。
【0075】
所定の日数が過ぎていないと判断した場合(ステップS14-1-4:YES)、認証設定部26は、高速モデルに設定(又は設定を維持)してステップS14-1-1の処理に戻り、未実行の(他の)ジョブのジョブIDの取得処理に移行する(ステップS14-1-5)。
【0076】
上述したステップS14-1-2におけるドングル接続有無の判断でドングルが接続されていないと判断した場合、及びステップS14-1-2における生産性向上(アップ)設定の判断で生産性向上(アップ)の設定が有効でないと判断した場合、認証設定部26は、低速モデルに設定してステップS14-1-1の処理に戻り、未実行の(他の)ジョブのジョブIDの取得処理に移行する(ステップS14-1-6)。
【0077】
上述したステップS14-1-4における所定日数超過有無の判断で所定の日数を過ぎていると判断した場合、算出判断部25は更に、現在実行中のジョブ(印刷)が終了しているかを判断する(ステップS14-1-7)。
【0078】
現在実行中のジョブ(印刷)が終了していないと判断した場合(ステップS14-1-7:NO)、算出判断部25はステップS14-1-7の判断処理を繰り返す。他方、現在実行中のジョブ(印刷)が終了していると判断した場合(ステップS14-1-7:YES)、認証設定部26は、低速モデルに設定してステップS14-1-1の処理に戻り、未実行の(他の)ジョブのジョブIDの取得処理に移行する(ステップS14-1-8)。
【0079】
このようにして、情報処理装置2は、上述したようなステップS14で示した生産性設定処理に係る詳細処理を繰り返す。
【0080】
●画面表示例●
ここで、情報処理装置2における表示画面例について説明する。
図11は、第1の実施形態に係る情報処理装置における生産性設定画面の一例を示す図である。
図11に示されているように、情報処理装置2のパネル表示部240aには、表示制御部24によって生産性設定画面2121が表示される。生産性設定画面2121には、情報処理装置2における低速モデル(生産性向上:無効)ボタン2131、高速モデル(生産性向上:有効)ボタン2132、設定ボタン2251が含まれる。なお、生産性設定画面2121は、利用者によって任意のタイミングで情報処理装置2のパネル表示部240aに表示させるようにしてもよい。この状態で、利用者は、操作パネル240若しくは後述する通信ネットワーク100経由で生産性向上の有効/無効を切り替える。これにより、利用者は上述したステップS14における生産性設定処理とは別に、生産性に対する非連続での期間設定が可能となる。なお、上述した生産性設定画面2121は、ドングルが情報処理装置2に接続された状態における表示を前提とするが、ドングルが情報処理装置2に接続される前に操作パネル240に表示され、利用者によって予め、又は非連続に、生産性向上の有効/無効が切り替えられるようにしてもよい。
【0081】
再び
図8に戻り、情報処理装置2の実行制御部28は、各種機能処理を実行する(ステップS15)。このとき実行制御部28は、例えば、利用機能管理DB2001(
図5参照)に記憶、管理されたライセンス情報としての各利用機能に対し、ステップS14で設定された生産性に応じた処理を実行する。これにより、情報処理装置2は、ライセンス情報により与えられた所定の機能に係る処理を、条件に応じて当該情報処理装置2の性能を向上させることが可能になる。
【0082】
〔第1の実施形態の主な効果〕
以上説明したように本実施形態によれば、情報処理装置2は、外部機器接続I/F225に情報記憶装置3の一例であるドングルが接続されたことを検出して機能ID及びライセンス情報を取得し(ステップS12)、所定の日数を過ぎていない場合、情報処理装置2の性能(生産性)を向上させる(ステップS14)。これにより、ライセンス情報により与えられた所定の機能に係る処理を情報処理装置2が実行する際に、条件に応じて情報処理装置2の性能を向上させることが可能になる、という効果を奏する。
【0083】
〔第1の実施形態の変形例〕
次に、第1の実施形態の変形例について説明する。第1の実施形態の変形例では、実行制御部28を含む各種機能部は、上述した
図8のステップS14の生産性設定処理において、所定の枚数を過ぎていない場合に、情報処理装置2の機能を向上させる。この処理として、
図12及び
図13を例示しながら説明する。なお、第1の実施形態の変形例では、情報処理装置2は
図8のシーケンス図に基づく処理を実行する。また、
図8におけるステップS14の処理では、情報処理装置2は、利用機能管理DB2001(
図5参照)、サイズ別重み管理DB2002(
図6参照)及び利用枚数管理DB2003(
図7参照)にそれぞれ記憶した各種情報を読み出して、又は、各種情報を利用枚数管理DB2003に書き込んで生産性設定処理を行う。
【0084】
<<生産性設定処理の他の詳細>>
図12は、第1の実施形態の変形例に係る規定枚数判断を含む処理の一例を示すフローチャートである。但し、
図12に示したフローチャートは一例であり、これに限らない。
【0085】
なお、
図12に示したステップS14-2-1乃至ステップS14-2-3の処理は、
図10に示したステップS14-1-1乃至ステップS14-1-3の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0086】
生産性向上(アップ)設定が有効と判断した場合(ステップS14-2-3:YES)、算出判断部25は、高速モデル設定時における枚数の算出(カウント)を開始する(ステップS14-2-4)。例えば、算出判断部25は、生産性として高速モデルが設定された印刷ジョブの実行の開始にあわせて印刷枚数の算出(カウント)を開始する。
【0087】
続いて、算出判断部25は、総ポイント情報、用紙サイズ、印刷条件(片面/両面)に基づく枚数を算出する(ステップS14-2-5)。具体的には、算出判断部25は記憶読出部29を介して、ステップS14-2-1で取得したジョブIDを検索キーとして利用枚数管理DB2003(
図7参照)を検索することにより、対応する用紙サイズID、片面/両面、印刷枚数、利用機能を読み出す。その後、算出判断部25は、読み出した利用機能を検索キーとして利用機能管理DB2001(
図5参照)を検索することにより、対応するポイントを読み出す。このとき、算出判断部25が読み出ポイントは、上述したステップS12の処理で取得したドングルの情報に含まれる総ポイント情報を構成する各機能に対応するポイント情報である。算出判断部25は更に、読み出した用紙サイズIDを検索キーとしてサイズ別重み管理DB2002(
図6参照)を検索することにより、対応する重みを読み出す。これにより、算出判断部25は、読み出した重み及び対応するポイントに基づいて、実行中のジョブにおける換算利用枚数を算出し、算出した結果を記憶読出部29を介して、利用枚数管理DB2003の換算利用枚数の項目に記憶させる。
【0088】
次に、算出判断部25は、所定の枚数を過ぎていないかを判断する(ステップS14-2-6)。具体的には、算出判断部25は、例えば、高速モデル設定された実行中のジョブにおける累積枚数ついて、所定の枚数(例えば、ドングル接続時に取得した総ポイント情報に対応する枚数)を過ぎていないかを判断する。
【0089】
所定の枚数を過ぎていないと判断した場合(ステップS14-2-6:YES)、認証設定部26は、生産性を高速モデルに設定(設定を維持)して(ステップS14-2-7)、ステップS14-2-1の処理に戻り、未実行の(他の)ジョブのジョブIDの取得処理に移行する。
【0090】
他方、所定の枚数を過ぎていると判断した場合(ステップS14-2-6:NO)、算出判断部25は更に、現在実行中のジョブ(印刷)が終了しているかを判断する(ステップS14-2-8)。
【0091】
現在実行中のジョブ(印刷)が終了していないと判断した場合(ステップS14-2-8:NO)、算出判断部25はステップS14-2-8の判断処理を繰り返す。他方、現在実行中のジョブ(印刷)が終了していると判断した場合(ステップS14-2-8:YES)、認証設定部26は、低速モデルに設定して(ステップS14-2-9)、ステップS14-2-1の処理に戻り、未実行の(他の)ジョブのジョブIDの取得処理に移行する。
【0092】
上述したステップS14-2-2におけるドングル接続有無の判断でドングルが接続されていないと判断した場合、及びステップS14-2-3における生産性向上(アップ)設定の判断で生産性向上(アップ)設定が有効でないと判断した場合、認証設定部26は、低速モデルに設定して(ステップS14-2-10)、ステップS14-2-1の処理に戻り、未実行の(他の)ジョブのジョブIDの取得処理に移行する。
【0093】
このようにして、情報処理装置2は、上述したようなステップS14で示した生産性設定処理に係る詳細処理を繰り返す。
【0094】
<<機能性向上設定の詳細>>
次に、生産性設定処理における機能向上設定に係る処理について説明する。
図13は、第1の実施形態の変形例に係る規定枚数判断を含む処理のうち、機能向上設定の有無に応じた処理の一例を示すフローチャートである。なお、
図13に示した処理のうち、ステップS14-2-2-1乃至ステップS14-2-2-3の処理は、
図12に示した処理のうちのステップS14-2-1乃至ステップS14-2-3の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0095】
ステップS14-2-2-3の処理において、機能向上設定が有効と判断した場合(ステップS14-2-2-3:YES)、算出判断部25は、総ポイント情報、用紙サイズ、印刷条件(片面/両面)に基づく枚数を算出する(ステップS14-2-2-5)。なお、ステップS14-2-2-5の処理は、上述したステップS14-2-5の処理と同様であるため、詳細の説明を省略する。ここで、本実施形態において「機能向上設定」とは、情報処理装置2における高機能に係る機能(ポイントの高い機能)を設定することをいう。高機能の一例としては、
図5に示した利用機能のうち、例えば、「カラー」、「特色:有効」、「自動位置合わせ機能:有効」等である。つまり、「機能向上設定を維持する」とは、高機能に係る機能を設定することであり、「機能向上設定を解除する」とは、高機能に係る機能を設定しない(低機能に係る機能を設定する)ことをいう。
図13に示したフローチャートでは、以下、高機能を設定する機能向上設定の有効・無効の判断結果と所定の枚数を比較する枚数比較判断結果とに基づいて、機能向上設定を維持するか解除するかを切り分ける処理について説明する。
【0096】
次に、算出判断部25は、所定の枚数を過ぎていないかを判断する(ステップS14-2-2-6)。具体的には、算出判断部25は、例えば、機能向上設定として「特色」切替設定された実行中のジョブにおける累積枚数ついて、所定の枚数(例えば、ドングル接続時に取得した総ポイント情報に対応する枚数)を過ぎていないかを判断する。
【0097】
所定の枚数を過ぎていないと判断した場合(ステップS14-2-2-6:YES)、認証設定部26は、機能向上設定を維持して(ステップS14-2-2-7)、ステップS14-2-2-1の処理に戻り、未実行の(他の)ジョブのジョブIDの取得処理に移行する。
【0098】
他方、所定の枚数を過ぎていると判断した場合(ステップS14-2-2-6:NO)、算出判断部25は更に、現在実行中のジョブ(印刷)が終了しているかを判断する(ステップS14-2-2-8)。
【0099】
現在実行中のジョブ(印刷)が終了していないと判断した場合(ステップS14-2-2-8:NO)、算出判断部25はステップS14-2-2-8の判断処理を繰り返す。他方、現在実行中のジョブ(印刷)が終了していると判断した場合(ステップS14-2-2-8:YES)、認証設定部26は、機能性向上設定を解除してステップS14-2-2-1の処理に戻り、未実行の(他の)ジョブのジョブIDの取得処理に移行する(ステップS14-2-2-9)。
【0100】
上述したステップS14-2-2-2におけるドングル接続有無の判断でドングルが接続されていないと判断した場合、及びステップS14-2-2-3における機能性向上(アップ)設定の判断で機能性向上(アップ)設定が有効でないと判断した場合、認証設定部26は、機能性向上設定を解除して(ステップS14-2-2-10)、ステップS14-2-2-1の処理に戻り、未実行の(他の)ジョブのジョブIDの取得処理に移行する。
【0101】
このようにして、情報処理装置2は、上述したようなステップS14で示した生産性設定処理に係る詳細処理を繰り返す。
【0102】
〔第1の実施形態の変形例の主な効果〕
以上説明したように本実施形態によれば、情報処理装置2は、外部機器接続I/F225に情報記憶装置3の一例であるドングルが接続されたことを検出して各種情報(機能ID、ライセンス情報、総ポイント情報)を取得し(ステップS12)、所定の枚数を過ぎていない場合、情報処理装置2の性能(生産性)を向上させる(ステップS14)。これにより、ライセンス情報により与えられた所定の機能に係る処理を情報処理装置2が実行する際に、条件に応じて情報処理装置2の性能及び機能性を向上させることが可能になる、という効果を奏する。
【0103】
〔第2の実施形態〕
続いて、
図14乃至
図18を用いて、第2の実施形態に係る情報処理システムにおける各処理又は動作を説明する。第2の実施形態では、情報処理装置2と通信可能な通信端末4を有する情報処理システム1において、ドングルを情報処理装置2に代えて通信端末4に接続した状態における情報処理システム1の処理について説明する。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態に係る情報処理システム1を構成する情報処理装置2及び情報記憶装置3の各ハードウエア構成、並びに機能構成を共通に実施することができるため、これらの説明を省略し、差異の部分に係る説明を記載する。
【0104】
〔情報処理システムの全体構成〕
図14は、第2の実施形態に係る情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
図14に示されているように、情報処理システム1は、情報処理装置2、通信端末4、及び情報記憶装置3を有している。そして、情報記憶装置3は、通信端末4に接続可能若しくは接続された状態となっている。更に、情報処理システム1では、情報処理装置2及び通信端末4は、通信ネットワーク100を介してそれぞれ互いに接続され通信可能な状態となっている。
【0105】
通信ネットワーク100は、不特定多数の通信が行われる通信ネットワークであり、インターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)等によって構築されている。なお、通信ネットワーク100には、有線通信だけでなく、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)等の無線通信による通信ネットワークが含まれてもよい。なお、情報処理装置2及び情報記憶装置3は、専用の有線ケーブルで直接接続されていてもよい。
【0106】
なお、通信端末4では、ストレージ等の各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されてもよい。また、通信端末4の機能の全てまたは一部は、クラウド環境に存在するサーバコンピュータであってもよいし、オンプレミス環境に存在するサーバコンピュータであってもよい。通信端末4は、更に、ブラウザソフトウエア等のソフトウエアを動作させることが可能な通信装置又は通信端末が用いられてもよい。
【0107】
また、通信端末4は、情報処理装置2に対してプッシュ通知(送信)によりデータ(情報)を通知(送信)してもよい。その場合、通信端末4は、例えば、プッシュ通知サーバの一例であるFCM(Firebase Cloud Messaging)を介してプッシュ通知が行われるようにしてよい。
【0108】
<通信端末>
通信端末4は、情報処理システム1を利用する利用者(ユーザ)によって利用され、情報処理装置2と通信可能で、情報処理装置2に対して所定の機能の実行要求、所定の通知等を送信する通信端末である。また通信端末4は、一般的なOSなどが搭載された通信を行うための情報処理装置(コンピュータシステム)によって実現され、情報処理装置2と同様に、情報処理システム1を構築する一つの構成要素である。また、通信端末4は、情報処理装置2と通信を行うための通信アプリを記憶手段にインストールして記憶している。
【0109】
なお、通信端末4は、一般的に使用されるPC(Personal Computer)、携帯型ノートPC、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末(サングラス型、腕時計型等)の通信機能を有する通信端末であってもよい。通信端末4は更に、ブラウザソフトウエア、各種アプリのソフトウエアを動作させることが可能な通信装置又は通信端末が用いられてもよい。
【0110】
〔ハードウエア構成〕
続いて、実施形態に係る情報処理システムを構成する通信端末又は装置のハードウエア構成について説明する。なお、
図15に示されている通信端末のハードウエア構成は、必要に応じて構成要素が追加又は削除されてもよい。但し、第1の実施形態と同様のハードウエア構成を有する情報処理装置2及び情報記憶装置3については、それぞれのハードウエア構成の説明を省略する。
【0111】
<通信端末のハードウエア構成>
図15は、第2の実施形態に係る通信端末のハードウエア構成の一例を示す図である。
図15に示されているように、通信端末4は、CPU401、ROM402、RAM403、EEPROM404、HD(Hard Disk)405、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ406、ディスプレイ407、近距離通信I/F408、CMOSセンサ409、撮像素子I/F410を備えている。通信端末4は更に、ネットワークI/F411、キーボード412、ポインティングデバイス413、メディアI/F415、外部機器接続I/F416、音入出力I/F417、マイク418、スピーカ419及びバスライン420を備えている。
【0112】
これらのうち、CPU401は、通信端末4全体の動作を制御する。ROM402は、CPU401の駆動に用いられるプログラム等を記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。EEPROM404は、CPU401の制御にしたがって、アプリ等の各種データの読出し又は書込みを行う。HD405は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ406は、CPU401の制御にしたがってHD405に対する各種データの読出し又は書込みを制御する。ここで、通信端末4は、HD405及びHDDコントローラ406に代えて、SSD(Solid State Drive)を搭載したハードウエア構成であってもよい。ディスプレイ407は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字又は画像などの各種情報を表示する。本実施形態において、ディスプレイ407は、表示手段の一例として機能する。近距離通信I/F408は、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標。以下省略)、Wi-Fi(登録商標。以下省略)等の無線通信インターフェイスを備える通信装置又は通信端末等とデータ通信を行うための通信回路である。CMOSセンサ409は、CPU401の制御にしたがって被写体を撮像して画像データ又は動画データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、撮像手段は、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等で構成される撮像手段であってもよい。撮像素子I/F410は、CMOSセンサ409の駆動を制御する回路である。
【0113】
ネットワークI/F411は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェイスである。キーボード412は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。なお、キーボード412に代えて又は加えて、所定のボタン、アイコン等を操作するタッチパネル等の入力手段を用いてもよい。ポインティングデバイス413は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。メディアI/F415は、フラッシュメモリ等の記録メディア414に対するデータの読出し又は書込み(記憶)を制御する。外部機器接続I/F416は、各種の外部機器を接続するためのインターフェイスであり、情報記憶装置3とUSBインターフェイス又は専用の有線ケーブルを用いて接続される。そのため、外部機器はUSBメモリ等であってもよい。音入出力I/F417は、CPU401の制御にしたがってマイク418及びスピーカ419との間で音信号の入出力を処理する回路である。マイク418は、音を電気信号に変える内蔵型の回路であり、外部のスピーカ等から発する音声や音波を取得し電気信号を用いた情報を取得する。スピーカ419は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。バスライン420は、CPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0114】
〔情報処理システムの機能構成〕
次に、
図16を用いて、本実施形態の機能構成について説明する。
図16は、第2の実施形態に係る情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
図16は、
図2に示されている情報処理装置2、
図3に示されている情報記憶装置3、
図15に示されている通信端末4のうち、後述する処理又は動作に関連するものを示す。但し、情報処理装置2及び情報記憶装置3の機能構成、並びにデータテーブルは、第1の実施形態で説明した内容と同様のため、説明を省略する。
【0115】
<通信端末の機能構成>
続いて、通信端末の機能構成について説明する。
図16に示されているように、通信端末4は、送受信部41、操作受付部42、検出取得部43、表示制御部44、算出判断部45、認証設定部46、生成部47及び記憶読出部49を有する。これら各機能部は、
図15に示された各ハードウエア資源のいずれかが、ROM402、EEPROM404、HD405及び記録メディア414のうち少なくとも一つからRAM403に展開された通信端末4用のプログラムに従ったCPU401からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。また、通信端末4は、
図15に示されているROM402、EEPROM404、HD405及び記録メディア414のうち少なくとも一つにより構築される記憶部4000を有している。更に、記憶部4000には、情報処理装置2と通信ネットワーク100を介して通信を行うための通信プログラム(通信アプリ)、ブラウザアプリ等が記憶されている。
【0116】
<<通信端末の各機能構成>>
次に、通信端末の各機能構成について詳細に説明する。
図16に示されている通信端末4の送受信部41は、主に、近距離通信I/F408、ネットワークI/F411及び外部機器接続I/F416に対するCPU401の処理によって実現される。送受信部41は、特に外部機器接続I/F416としてのUSBインターフェイスを介して、情報記憶装置3との間で各種データ(又は情報)の送受信を行う。また送受信部41は、後述する認証設定部46により設定された所定の機能を向上させるための設定情報を、情報処理装置2に対して送信する。本実施形態において送受信部41は、送信手段及び受信手段のうち少なくとも一方の手段の一例として機能する。
【0117】
操作受付部42は、主に、ディスプレイ407、キーボード412及びポインティングデバイス413のうち少なくとも一方が受け付けた各種操作により生成された信号をCPU201が処理することによって実現される。本実施形態において操作受付部42は、受付手段の一例として機能する。
【0118】
検出取得部43は、主に、外部機器接続I/F416に対するCPU201の処理によって実現される。検出取得部43は、外部機器接続I/F416を介して接続された情報記憶装置3に記憶されているライセンスを示すライセンス情報、情報処理装置2のタイプ情報(例えば100ppm/110ppm)等の各種情報を取得する。本実施形態において検出取得部43は、第2の取得手段の一例として機能する。
【0119】
表示制御部44は、主に、ディスプレイ407に対するCPU401の処理によって実現され、通信端末4における各種画面及び情報(データ)の表示制御を行う。また、表示制御部44は、情報処理装置2との通信が可能な状態で、初期設定入力画面をディスプレイ407に表示させる。また、表示制御部44は、例えば、ブラウザを用いて、HTML等により生成された表示画面を、ディスプレイ407に表示させることも可能である。本実施形態において表示制御部44は、表示制御手段の一例として機能する。
【0120】
算出判断部45は、主に、CPU401の処理によって実現され、通信端末4内部の各種判断を行う。本実施形態において判断部45は、判断手段の一例として機能する。
【0121】
認証設定部46は、主に、CPU401の処理によって実現され、情報処理装置2を利用する利用者の認証処理、及びドングルと情報処理装置2との間のライセンス認証処理を含めた処理を行う。なお、本実施形態において認証設定部46は、情報処理装置2における認証設定部26によりその機能が実行されるようにしてもよい。本実施形態において認証設定部46は、認証設定手段の一例として機能する。
【0122】
生成部47は、主に、CPU401の処理によって実現される。また生成部47は、情報処理装置2において実行される生産性に係る情報(高速モデル設定情報、低速モデル設定情報等)を生成する。また生成部47は、情報処理装置2に対して送信される印刷実行要求に含まれる各種情報を生成する。また生成部47は、ディスプレイ407に表示させる各種画面情報等を生成する。本実施形態において生成部47は、生成手段の一例として機能する。
【0123】
記憶読出部49は、主に、ROM402、EEPROM404、HD405及び記録メディア414のうち少なくとも一つに対するCPU401の処理によって実現され、記憶部4000に各種データ(又は情報)を記憶したり、記憶部4000から各種データ(又は情報)を読み出したりする。本実施形態において記憶読出部49は、記憶読出手段の一例として機能する。
【0124】
以下に、第2の実施形態及び第2の実施形態の変形例のうち少なくとも一方で使用される各データテーブルについて説明する。
【0125】
●利用機能管理テーブル●
第2の実施形態では、第1の実施形態で用いた利用機能管理テーブル(利用機能管理DB2001)と同様のデータテーブル(利用機能管理DB4001)が通信端末4において管理される。つまり、データテーブルを管理する主体が情報処理装置2から通信端末4に変わった点が異なり、データテーブルの実態は同様であるため、詳細の説明を省略する。なお、利用機能管理DB4001は、第2の実施形態及び第2の実施形態の変形例において使用される。
【0126】
●サイズ別重み管理テーブル●
第2の実施形態では、第1の実施形態で用いたサイズ別重み管理テーブル(サイズ別重み管理DB2002)と同様のデータテーブル(サイズ別重み管理DB4002)が通信端末4において管理される。つまり、データテーブルを管理する主体が情報処理装置2から通信端末4に変わった点が異なり、データテーブルの実態は同様であるため、詳細の説明を省略する。なお、サイズ別重み管理DB4002は、第2の実施形態の変形例において使用される。
【0127】
●利用枚数管理テーブル●
第2の実施形態では、第1の実施形態で用いた利用枚数管理テーブル(利用枚数管理DB2003)と同様のデータテーブル(利用枚数管理DB4003)が通信端末4において管理される。つまり、データテーブルを管理する主体が情報処理装置2から通信端末4に変わった点が異なり、データテーブルの実態は同様であるため、詳細の説明を省略する。なお、利用枚数管理DB4003は、第2の実施形態の変形例において使用される。
【0128】
〔実施形態の処理又は動作〕
次に、
図17及び
図18を用いて、第2の実施形態に係る情報処理装置における各処理又は動作を説明する。
【0129】
<情報記憶装置と通信端末と情報処理装置との間で実行されるシーケンス処理>
図17は、第2の実施形態に係る情報記憶装置と通信端末と情報処理装置との間の生産性設定処理を含むシーケンス図の一例である。まず、通信端末4の送受信部41は、情報処理装置2に対して通信確立要求を送信する(ステップS21)。これにより、情報処理装置2の送受信部21は、通信端末4が送信した通信確立要求を受信する。このとき、通信確立要求には、通信端末の端末ID、IPアドレス、情報処理装置2との通信を行う際のセッションID等が含まれてよい。
【0130】
次に、情報処理装置2の送受信部21は、ステップS21に対する応答として、所定の通信確立処理を実行した後、通信端末4に対して通信確立応答を送信する(ステップS22)。これにより、通信端末4の送受信部41は、情報処理装置2が送信した通信確立応答を受信する。なお、ステップS21及びステップS22の処理は、公知の技術を用いて行われるものでよい。上述したステップS21及びS22の処理が実行されることにより、通信端末4と情報処理装置2との間において予め必要な通信セッション等が確立し、通信可能な状態となる。
【0131】
続いて、情報処理装置2の操作受付部22は、利用者による処理設定入力を受け付ける(ステップS23)。この処理は、第1の実施形態で説明したステップS11の処理と同様である。なお、
図17では、ステップS23の処理においてサイズ別重み管理DB4002に対する処理が記載されているが、これは、後述する第2の実施形態の変形例において利用されるDBである。そのため、第2の実施形態では、通信端末4はステップS23処理において、サイズ別重み管理DB4002に対する処理は不要である。
【0132】
次に、通信端末4の検出取得部43は、ドングルの情報を取得する(ステップS24)。
具体的には、検出取得部43は、通信端末4の外部機器接続I/F416(例えば、USBインターフェイス)に情報記憶装置3の一例であるドングルが接続されたことを検出して各種情報(機能ID、ライセンス情報、総ポイント情報)を取得する。その後、記憶読出部49は、ドングルから取得した各種情報を利用機能管理DB4001(利用機能管理DB2001と同様)の機能IDに関連付けられた利用機能で管理されている項目に記憶させる。
【0133】
次に、情報処理装置2は、アクティベート処理を実行する(ステップS25)。この処理は、第1の実施形態で説明したステップS11の処理と同様である。
【0134】
次に、実行制御部28を含む各種機能部は、生産性設定処理を実行する(ステップS26)。具体的には、通信端末4の各種機能部はステップS26の生産性設定処理において、所定の日数を過ぎていない場合又は所定の枚数を過ぎていない場合に、情報処理装置2の性能(生産性)を向上させる(「生産性向上設定」)。特に、第2の実施形態では、通信端末4の各種機能部は、ステップS26の生産性設定処理において、所定の日数を過ぎていない場合に、情報処理装置2の性能(生産性)を向上させる。なお、生産性設定処理の他の例としては、後述する内容として「機能向上設定」も含まれる。このとき、通信端末4は、利用機能管理DB4001(利用機能管理DB2001と同様)に記憶した各種情報を読み出して生産性設定処理を行う。このように、第2の実施形態では、通信端末4はステップS26の処理において、サイズ別重み管理DB2002(
図6参照)及び利用枚数管理DB2003(
図7参照)に対する処理は不要である。
【0135】
<<生産性設定処理の詳細>>
ここで、上述したステップS26に係る処理の詳細について説明する。
図18は、第2の実施形態に係る規定日数判断を含む処理の一例を示すフローチャートである。但し、
図18に示したフローチャートは一例であり、これに限らない。ここで、ステップS26-1-1乃至ステップS26-1-8の処理は、第1の実施形態に係る
図10に示したステップS14-1-1乃至ステップS14-1-8の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0136】
なお、ステップS26-1-5、S26-1-6、S26-1-8の処理の後、通信端末4は、それらの処理後、このフローを抜けて
図17のシーケンス図における処理に戻る。
【0137】
図17に戻り、情報処理装置2の送受信部21は、情報処理装置2に対して、所定の機能に係る処理の実行要求を送信する(ステップS27)。これにより、情報処理装置2の送受信部21は、通信端末4が送信した所定の機能に係る処理の実行要求を受信する。このとき、所定の機能に係る処理の実行要求には、ステップS26で設定した設定情報が含まれる。
【0138】
次に、情報処理装置2の実行制御部28は、各種機能処理を実行する(ステップS28)。具体的には、実行制御部28は、ステップS26で設定した設定情報に含まれる高速モデル又は低速モデルにて、利用機能管理DB2001(
図5参照)で管理され、実行予定のジョブに与えられたライセンス情報に関連付けられた各利用機能を実行する。
【0139】
続いて、送受信部21は、ステップS27の所定の機能に係る処理の実行要求に対する応答として、所定の機能に係る処理の実行応答を通信端末4に対して送信する(ステップS29)。これにより、通信端末4の送受信部41は、情報処理装置2が送信した所定の機能に係る処理の実行応答を受信する。なお、ステップS29の処理は省略されてもよい。
【0140】
本実施形態では、上述したステップS26乃至ステップS29までの処理を、情報処理装置2における一以上のジョブの実行が完了するまで繰り返し行う(ループ処理の実行)。
【0141】
本実施形態に係る情報処理システムでは、例えば、上述したステップS21及びS22、ステップS27及びS29の各処理が通信ネットワーク100を介して実行される場合、通信端末4と情報処理装置2との間に他の装置等が存在してもよい。つまり、通信端末4と情報処理装置2との間で送受信される各情報(データ)は、一度他の装置等を介して送受信されるような構成であってもよい。上述した構成は、通信端末4と情報処理装置2との間に他の処理ステップが存在した場合でも適用することが可能である。但し、
図17に示したシーケンス図は一例であり、これに限らない。
【0142】
〔第2の実施形態の主な効果〕
以上説明したように本実施形態によれば、通信端末4は、通信端末4の外部機器接続I/F416(例えば、USBインターフェイス)に情報記憶装置3の一例であるドングルが接続されたことを検出して機能ID及びライセンス情報を取得し(ステップS24)、所定の日数を過ぎていない場合、情報処理装置2の性能(生産性)を向上させるための設定情報を情報処理装置2に対して送信する(ステップS26)。これにより、第1の実施形態による効果と同様に、ライセンス情報により与えられた所定の機能に係る処理を情報処理装置2が実行する際に、条件に応じて情報処理装置2の性能を向上させることが可能になる、という効果を奏する。
【0143】
〔第2の実施形態の変形例〕
次に、第2の実施形態の変形例について説明する。第2の実施形態の変形例では、通信端末4の各種機能部は、上述した
図17のステップS26の生産性設定処理において、所定の枚数を過ぎていない場合に、情報処理装置2の機能を向上させるための設定を行う。この処理として、
図19及び
図20を例示しながら説明する。なお、第2の実施形態の変形例では、通信端末4は
図17のシーケンス図に基づく処理を実行する。また、
図17におけるステップS26の処理では、通信端末4は、利用機能管理DB4001、サイズ別重み管理DB4002及び利用枚数管理DB4003にそれぞれ記憶した各種情報を読み出して、又は、各種情報を利用枚数管理DB4003に書き込んで生産性設定処理を行う。
【0144】
<<生産性設定処理の他の詳細>>
図19は、第2の実施形態の変形例に係る規定枚数判断を含む処理の一例を示すフローチャートである。但し、
図19に示したフローチャートは一例であり、これに限らない。
【0145】
なお、
図19に示したステップS26-2-1乃至ステップS26-2-10の処理は、第1の実施形態に係る
図11に示したステップS14-2-1乃至ステップS14-2-10の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0146】
生産性向上(アップ)設定が有効と判断した場合(ステップS26-2-3:YES)、算出判断部45は、高速モデル設定時における枚数の算出(カウント)を開始する(ステップS26-2-4)。例えば、算出判断部45は、生産性として高速モデルが設定された印刷ジョブの実行の開始にあわせて印刷枚数の算出(カウント)を開始する。
【0147】
続いて、算出判断部45は、総ポイント情報、用紙サイズ、印刷条件(片面/両面)に基づく枚数を算出する(ステップS26-2-5)。具体的には、算出判断部45は記憶読出部49を介して、ステップS26-2-1で取得したジョブIDを検索キーとして利用枚数管理DB4003を検索することにより、対応する用紙サイズID、片面/両面、印刷枚数、利用機能を読み出す。その後、算出判断部45は、読み出した利用機能を検索キーとして利用機能管理DB4001を検索することにより、対応するポイントを読み出す。このとき、算出判断部45が読み出ポイントは、上述したステップS24の処理で取得したドングルの情報に含まれる総ポイント情報を構成する各機能に対応するポイント情報である。算出判断部45は更に、読み出した用紙サイズIDを検索キーとしてサイズ別重み管理DB2002を検索することにより、対応する重みを読み出す。これにより、算出判断部45は、読み出した重み及び対応するポイントに基づいて、実行中のジョブにおける換算利用枚数を算出し、算出した結果を記憶読出部49を介して、利用枚数管理DB4003の換算利用枚数の項目に記憶させる。
【0148】
次に、算出判断部45は、所定の枚数を過ぎていないかを判断する(ステップS26-2-6)。具体的には、算出判断部45は、例えば、高速モデル設定された実行中のジョブにおける累積枚数ついて、所定の枚数(例えば、ドングル接続時に取得した総ポイント情報に対応する枚数)を過ぎていないかを判断する。
【0149】
所定の枚数を過ぎていないと判断した場合(ステップS26-2-6:YES)、認証設定部46は、生産性を高速モデルに設定(設定を維持)して(ステップS26-2-7)、ステップS26-2-1の処理に戻り、未実行の(他の)ジョブのジョブIDの取得処理に移行する。
【0150】
他方、所定の枚数を過ぎていると判断した場合(ステップS26-2-6:NO)、算出判断部45は更に、現在実行中のジョブ(印刷)が終了しているかを判断する(ステップS26-2-8)。
【0151】
現在実行中のジョブ(印刷)が終了していないと判断した場合(ステップS26-2-8:NO)、算出判断部45はステップS26-2-8の判断処理を繰り返す。他方、現在実行中のジョブ(印刷)が終了していると判断した場合(ステップS26-2-8:YES)、認証設定部46は、低速モデルに設定して(ステップS26-2-9)、ステップS26-2-1の処理に戻り、未実行の(他の)ジョブのジョブIDの取得処理に移行する。
【0152】
上述したステップS26-2-2におけるドングル接続有無の判断でドングルが接続されていないと判断した場合、及びステップS26-2-3における生産性向上(アップ)設定の判断で生産性向上(アップ)設定が有効でないと判断した場合、認証設定部46は、低速モデルに設定して(ステップS26-2-10)、ステップS26-2-1の処理に戻り、未実行の(他の)ジョブのジョブIDの取得処理に移行する。
【0153】
このようにして、通信端末4は、上述したようなステップS26で示した生産性設定処理に係る詳細処理を繰り返す。
【0154】
<<機能性向上設定の詳細>>
次に、生産性設定処理における機能向上設定に係る処理について説明する。
図20は、第2の実施形態の変形例に係る規定枚数判断を含む処理のうち、機能向上設定の有無に応じた処理の一例を示すフローチャートである。なお、
図20に示した処理のうち、ステップS26-2-2-1乃至ステップS26-2-2-3の処理は、
図13に示した処理のうちのステップS14-2-2-1乃至ステップS14-2-2-3の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0155】
ステップS26-2-2-3の処理において、機能向上設定が有効と判断した場合(ステップS26-2-2-3:YES)、算出判断部45は、総ポイント情報、用紙サイズ、印刷条件(片面/両面)に基づく枚数を算出する(ステップS26-2-2-5)。なお、ステップS26-2-2-5の処理は、上述したステップS26-2-5の処理と同様であるため、詳細の説明を省略する。なお、「機能向上設定」については、第1の実施形態の変形例で説明したとおりであるため、説明を省略する。
【0156】
次に、算出判断部45は、所定の枚数を過ぎていないかを判断する(ステップS14-2-2-6)。具体的には、算出判断部45は、例えば、機能向上設定として「特色」切替設定された実行中のジョブにおける累積枚数ついて、所定の枚数(例えば、ドングル接続時に取得した総ポイント情報に対応する枚数)を過ぎていないかを判断する。
【0157】
所定の枚数を過ぎていないと判断した場合(ステップS26-2-2-6:YES)、認証設定部46は、機能向上設定を維持して(ステップS26-2-2-7)、このフローを抜ける。
【0158】
他方、所定の枚数を過ぎていると判断した場合(ステップS26-2-2-6:NO)、算出判断部45は更に、現在実行中のジョブ(印刷)が終了しているかを判断する(ステップS26-2-2-8)。
【0159】
現在実行中のジョブ(印刷)が終了していないと判断した場合(ステップS26-2-2-8:NO)、算出判断部45はステップS26-2-2-8の判断処理を繰り返す。他方、現在実行中のジョブ(印刷)が終了していると判断した場合(ステップS26-2-2-8:YES)、認証設定部46は、機能性向上設定を解除して(ステップS26-2-2-9)、このフローを抜ける。
【0160】
上述したステップS26-2-2-2におけるドングル接続有無の判断でドングルが接続されていないと判断した場合、及びステップS26-2-2-3における機能性向上(アップ)設定の判断で機能性向上(アップ)設定が有効でないと判断した場合、認証設定部46は、機能性向上設定を解除して(ステップS26-2-2-10)、このフローを抜ける。
【0161】
以降、第2の実施形態で説明したステップS27以降の処理に戻り、通信端末4は、一以上のジョブの実行が完了するまでステップS26乃至ステップS29の処理を繰り返し行う(ループ処理の実行)。
【0162】
〔第2の実施形態の変形例の主な効果〕
以上説明したように本実施形態によれば、通信端末4は、通信端末4の外部機器接続I/F416(例えば、USBインターフェイス)に情報記憶装置3の一例であるドングルが接続されたことを検出して各種情報(機能ID、ライセンス情報、総ポイント情報)を取得し(ステップS24)、所定の枚数を過ぎていない場合、情報処理装置2の性能(生産性)又は機能性を向上させるための設定情報を情報処理装置2に対して送信する(ステップS26)。これにより、第1の実施形態による効果と同様に、ライセンス情報により与えられた所定の機能に係る処理を情報処理装置2が実行する際に、条件に応じて情報処理装置2の性能又は機能性を向上させることが可能になる、という効果を奏する。
【0163】
〔実施形態の補足〕
上述した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウエアによって各機能を実行するようプログラミングされたデバイスを含むものとする。このデバイスとは、例えば、プロセッサ、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)、SOC(System on a chip)、GPU(Graphics Processing Unit)、及び従来の回路モジュール等をいう。
【0164】
また、上述した実施形態において、情報処理装置2及び通信端末4は、各種判断を機械学習(人工知能:AIを利用した学習)により実行するようにシステムを構築してもよい。例えば、情報処理装置2及び通信端末4は、ドングル接続確認の結果に基づく情報処理装置2及び通信端末4の処理を、機械学習を利用した解析手法を用いて処理可能な機能を抽出し、実行するようにしてもよい。
【0165】
これまで本発明の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムについて説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態の追加、変更又は削除等、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0166】
■まとめ■
本発明に係る態様は、例えば、以下のとおりである。
【0167】
<第1態様>
ライセンスが与えられた所定の機能に係る処理を実行する情報処理装置2(情報処理装置の一例。以下省略)は、ライセンスを示すライセンス情報を取得する検出取得部23(第1の取得手段の一例。以下省略)と、ライセンス情報により与えられた所定の機能に係る処理の実行時に所定の条件を満たす場合、情報処理装置2の性能を向上させる実行制御部28(実行手段の一例、制御手段の一例。以下省略)と、を有する。
【0168】
第1態様によれば、ライセンス情報により与えられた所定の機能に係る処理を情報処理装置が実行する際に、条件に応じて情報処理装置の性能を向上させることが可能になる。
【0169】
<第2態様>
第2態様としての情報処理装置2は、第1態様において、所定の条件が予め設定された所定の日数であり、実行制御部28は、所定の機能に係る処理の実行時に所定の日数を過ぎていない場合に、情報処理装置2の性能を向上させる。
【0170】
第2態様によれば、第1態様と同様の効果を得ることが可能になる。
【0171】
<第3態様>
第3態様としての情報処理装置2は、第2態様において、所定の日数が情報処理装置2の実使用日数に係る累計日数であり、実行制御部28は、実使用日数に係る累計日数を過ぎていない場合に、情報処理装置2の性能を向上させる。
【0172】
第3態様によれば、情報処理装置2が使用されていない日数を除いて判断することで、第1態様と同様の効果に加えて、性能向上におけるより正確な日数管理を行うことが可能になる。
【0173】
<第4態様>
第4態様としての情報処理装置2は、第1態様において、所定の条件は、処理に含まれる印刷の実行に伴い情報処理装置2で使用される用紙のサイズ又は用紙の片面若しくは両面に対する印刷条件であり、実行制御部28は、用紙のサイズ又は印刷条件に応じて算出された用紙の枚数を過ぎていない場合に、情報処理装置2の性能を向上させる。
【0174】
第4態様によれば、第1態様と同様の効果に加えて、性能向上におけるより正確な枚数管理を行うことが可能になる。
【0175】
<第5態様>
第5態様としての情報処理装置2の実行制御部28は、第2態様乃至第4態様のいずれかにおいて、所定の日数を過ぎた場合、又は、用紙のサイズ又は用紙の片面若しくは両面に応じて算出された枚数を過ぎた場合に所定の機能が実行されていた場合、実行制御部28は、所定の機能の実行が終了した後に、情報処理装置2の性能の向上を停止させる。
【0176】
第5態様によれば、第1態様と同様の効果に加えて、実行中のジョブに対する性能を保障させることが可能になる。
【0177】
<第6態様>
第6態様としての情報処理装置2における検出取得部23は、第1態様乃至第5態様のいずれかにおいて、ライセンス情報が記憶された情報記憶装置3(情報記憶装置の一例。以下省略)が情報処理装置2に接続された場合に、情報記憶装置3からライセンス情報を取得する。
【0178】
第6態様によれば、第1態様と同様の効果に加えて、より正確なタイミングでライセンス情報を取得することが可能になる。
【0179】
<第7態様>
第7態様としての情報処理装置2は、第6態様において、情報記憶装置3が接続された状態で、パネル表示部240a(表示手段の一例。以下省略)に対する操作又はネットワーク経由により、性能の向上の有効又は無効の切替えを受け付ける操作受付部22(受付手段の一例。以下省略)を有する。
【0180】
第7態様によれば、第1態様と同様の効果に加えて、利用者の所望するタイミング(非連続)での期間設定が可能になる。
【0181】
<第8態様>
第8態様としての情報処理システム1(情報処理システムの一例。以下省略)は、ライセンスが与えられた所定の機能に係る処理を実行する情報処理装置2(情報処理装置の一例。以下省略)と、情報処理装置2と通信可能な通信端末4(通信端末の一例。以下省略)と、を有し、通信端末4は、ライセンスを示すライセンス情報を取得する検出取得部43(第2の取得手段の一例。以下省略)と、ライセンス情報により与えられた所定の機能に係る処理の実行時に所定の条件を満たす場合、情報処理装置2の性能を向上させるための設定を行う認証設定部46(認証手段の一例、設定手段の一例。以下省略)と、認証設定部46により設定された所定の機能を向上させるための設定情報を情報処理装置2に対して送信する送受信部41(送信手段の一例。以下省略)と、を有し、情報処理装置2は、
通信端末4が送信した設定情報を受信する送受信部21(受信手段の一例。以下省略)と、受信した設定情報に基づく所定の機能に係る処理を実行する実行制御部28(実行手段の一例。以下省略)と、を有する。
【0182】
第8態様によれば、第1態様と同様に、ライセンス情報により与えられた所定の機能に係る処理を情報処理装置が実行する際に、条件に応じて情報処理装置の性能を向上させることが可能になる。
【0183】
<第9態様>
第9態様としての情報処理装置2(情報処理装置の一例。以下省略)が実行する情報処理方法は、ライセンスを示すライセンス情報を取得する取得ステップと、ライセンス情報により与えられた所定の機能に係る処理の実行時に所定の条件を満たす場合、情報処理装置2の性能を向上させる制御ステップと、を含む処理を実行する。
【0184】
第9態様によれば、第1態様と同様に、ライセンス情報により与えられた所定の機能に係る処理を情報処理装置が実行する際に、条件に応じて情報処理装置の性能を向上させることが可能になる。
【0185】
<第10態様>
第10態様としての情報処理装置2(情報処理装置の一例。以下省略)に実行させるプログラムは、ライセンスを示すライセンス情報を取得する取得ステップと、ライセンス情報により与えられた所定の機能に係る処理の実行時に所定の条件を満たす場合、情報処理装置2の性能を向上させる制御ステップと、を実行させる。
【0186】
第10態様によれば、第1態様と同様に、ライセンス情報により与えられた所定の機能に係る処理を情報処理装置が実行する際に、条件に応じて情報処理装置の性能を向上させることが可能になる。
【符号の説明】
【0187】
1 情報処理システム(情報処理システムの一例)
2 情報処理装置(情報処理装置の一例)
3 情報記憶装置(情報記憶装置の一例)
4 通信端末(通信端末の一例)
21 送受信部(送信手段の一例、受信手段の一例)
22 操作受付部(受付手段の一例)
23 検出取得部(第1の取得手段の一例)
24 表示制御部(表示制御手段の一例)
25 算出判断部(算出手段の一例、判断手段の一例)
26 認証設定部(認証手段の一例、設定手段の一例)
27 生成部(生成手段の一例)
28 実行制御部(実行手段の一例、制御手段の一例)
240a パネル表示部(表示手段の一例)
41 送受信部(送信手段の一例、受信手段の一例)
42 操作受付部(受付手段の一例)
43 検出取得部(第2の取得手段の一例)
44 表示制御部(表示制御手段の一例)
45 算出判断部(算出手段の一例、判断手段の一例)
46 認証設定部(認証手段の一例、設定手段の一例)
47 生成部(生成手段の一例)
407 ディスプレイ(表示手段の一例)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0188】