(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165518
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】液処理方法、液処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20241121BHJP
B05C 11/08 20060101ALI20241121BHJP
B05D 1/40 20060101ALI20241121BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20241121BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20241121BHJP
B05C 11/00 20060101ALN20241121BHJP
B05C 11/10 20060101ALN20241121BHJP
【FI】
H01L21/30 564D
B05C11/08
B05D1/40 A
B05D3/00 D
H01L21/304 643A
H01L21/304 648G
H01L21/304 651B
H01L21/30 564C
B05C11/00
B05C11/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081779
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002756
【氏名又は名称】弁理士法人弥生特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 隆大
【テーマコード(参考)】
4D075
4F042
5F146
5F157
【Fターム(参考)】
4D075AC64
4D075AC79
4D075AC88
4D075AC91
4D075AC94
4D075BB20Z
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4F042EB28
4F042EB29
5F146JA01
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5F157DB34
5F157DC01
(57)【要約】
【課題】基板に供給される処理液の乾燥具合についての調整の自由度を高くする。
【解決手段】本開示の液処理方法は、カップの開口面積を第1面積として前記カップ内に基板を収容する収容工程と、前記カップ内に設けられる基板保持部に保持された前記基板に処理液を供給し、続いて前記処理液を除去して前記基板を乾燥させるために前記基板保持部と共に前記基板を回転させる処理工程と、前記カップの開口面積について、前記第1面積よりも小さい第2面積となる期間が前記処理工程を行う間に形成されるように、当該開口面積を変更する変更工程と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カップの開口面積を第1面積として前記カップ内に基板を収容する収容工程と、
前記カップ内に設けられる基板保持部に保持された前記基板に処理液を供給し、続いて前記処理液を除去して前記基板を乾燥させるために前記基板保持部と共に前記基板を回転させる処理工程と、
前記カップの開口面積について、前記第1面積よりも小さい第2面積となる期間が前記処理工程を行う間に形成されるように、当該開口面積を変更する変更工程と、
を備える液処理方法。
【請求項2】
前記カップは、前記基板保持部を囲む側壁と、前記側壁から前記載置部の上方を当該中心へ向けて伸びる上壁と、を備えるカップ本体と、移動機構によって前記カップ本体に対して移動すると共に当該カップの開口部を形成する移動部材と、を備え、
前記移動部材には、前記上壁の内縁に囲まれる上壁開口部にて垂下され、前記上壁開口部の下端と同じ高さか、または前記上壁開口部の下端よりも低い下端を有する垂下部が設けられ、
前記変更工程は、平面視で前記基板の中心を挟んで対向して設けられる複数の前記移動部材を、前記第1面積を形成する第1位置から、平面視で当該第1位置よりも前記基板の中心寄りで前記第2面積を形成する第2位置へと各々移動させる工程を含む請求項1記載の液処理方法。
【請求項3】
前記変更工程は、前記基板への前記処理液の供給開始後に行われる請求項1または2記載の液処理方法。
【請求項4】
前記開口面積が前記第2面積とされた状態で前記基板への前記処理液の供給が行われる請求項1または2記載の液処理方法。
【請求項5】
前記第2面積は、一の面積と、前記一の面積よりも面積が小さい他の面積と、を含み
前記変更工程は、前記基板への前記処理液の吐出中に前記開口面積を他の面積とし、前記基板への前記処理液の吐出後に当該基板の乾燥を行うために前記開口面積を前記一の面積とする工程を含む請求項1または2記載の液処理方法。
【請求項6】
前記処理液は、前記基板の表面に膜を形成するための塗布液であり、
前記処理工程は、
前記基板への前記処理液の吐出中に前記基板の回転数を第1回転数とし、
次いで、前記処理液の吐出終了後に前記基板の回転数を前記第1回転数よりも低い第2回転数とし、
続いて、前記基板の回転数を第2回転数よりも高い第3回転数として前記処理液の乾燥を行う工程を含み、
前記変更工程は、
前記第1回転数で回転する期間及び第3回転数で回転する期間における途中の時点以降の期間においては前記開口面積を前記第2面積とし、
前記第2回転数で回転する期間から第3回転数で回転する期間の前記途中の時点に至るまでの期間においては前記開口面積を前記第2面積よりも大きくする工程を含む請求項1または2記載の液処理方法。
【請求項7】
前記変更工程は、
前記開口面積が前記第2面積とされた状態で前記基板への前記処理液の吐出が行われるように、移動機構によって移動すると共に当該カップの開口部を形成する移動部材を、当該第2面積を形成する位置へ第1速度で移動させる第1移動工程と、
次いで、前記開口面積が前記第2面積よりも広くなるように、前記第2面積を形成する位置から前記移動部材を移動させる第2移動工程と、
続いて、第2面積とした状態で前記基板の乾燥が行われるように、前記第2面積を形成する位置へ前記第1速度よりも小さい第2速度で前記移動部材を移動させる第3移動工程と、
を含む請求項1または2記載の液処理方法。
【請求項8】
前記基板は、先に前記カップに収容されて処理される第1基板と、前記第1基板の後に前記カップに収容されて処理される第2基板と、を含み、
前記変更工程は、移動機構によって移動すると共に当該カップの開口部を形成する移動部材を、前記基板への前記処理液の供給後に前記第2面積よりも広い開口面積を形成する位置から当該第2面積を形成する位置へ移動させる移動工程を含み、
前記処理工程が行われる間の当該第1基板を撮像部により撮像する工程と、
前記第2基板の処理工程における前記移動部材の前記第2面積を形成する位置への移動開始のタイミングまたは移動速度を、前記撮像結果に基づいて決定する工程と、
を含む請求項1または2記載の液処理方法。
【請求項9】
前記基板は、先に前記カップに搬入されて処理される第1基板と、前記第1基板の後に前記カップに搬入されて処理される第2基板とを含み、
前記変更工程は、移動機構によって移動すると共に当該カップの開口部を形成する移動部材を、前記第2面積よりも広い開口面積を形成する位置から当該第2面積を形成する位置へ移動させる移動工程を含み、
前記処理液は、前記基板の表面に膜を形成するための塗布液であり、
前記第1基板に形成された前記膜の厚さを測定する測定工程と、
前記第2基板の処理工程における前記移動部材の前記第2面積を形成する位置への移動開始のタイミングまたは移動速度を、前記測定工程で取得した測定結果に基づいて決定する工程と、
を含む請求項1または2記載の液処理方法。
【請求項10】
前記基板を収容するために開口面積が第1面積とされるカップと、
前記カップ内にて前記基板を保持して回転させる基板保持部と、
前記基板保持部に保持された前記基板に処理液を供給する処理液供給部と、
前記カップ内に設けられる基板保持部に保持された前記基板に処理液を供給し、続いて前記処理液を除去して前記基板を乾燥させるために前記基板保持部と共に前記基板を回転させる間に、前記カップの開口面積について前記第1面積よりも小さい第2面積となる期間が形成されるように当該開口面積を変更する変更機構と、
を備える液処理装置。
【請求項11】
カップの開口面積を第1面積として前記カップ内に基板を収容する収容ステップと、
前記カップ内に設けられる基板保持部に保持された前記基板に処理液を供給し、続いて前記処理液を除去して前記基板を乾燥させるために前記基板保持部と共に前記基板を回転させる処理ステップと、
前記カップの開口面積について前記第1面積よりも小さい第2面積となる期間が前記処理工程を行う間に形成されるように、当該開口面積を変更する変更ステップと、
を実施するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液処理方法、液処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程においては、基板である半導体ウエハ(以下、ウエハと記載する)に対して各種の処理液を供給して処理を行う。特許文献1では、ウエハに対してレジストを供給してレジスト膜を形成するにあたり、ウエハの周縁部にガスを供給することでレジスト膜の乾燥速度を高めて、当該周縁部の膜厚を調整することが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、基板に供給される処理液の乾燥具合についての調整の自由度を高くすることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の液処理方法は、カップの開口面積を第1面積として前記カップ内に基板を収容する収容工程と、
前記カップ内に設けられる基板保持部に保持された前記基板に処理液を供給し、続いて前記処理液を除去して前記基板を乾燥させるために前記基板保持部と共に前記基板を回転させる処理工程と、
前記カップの開口面積について、前記第1面積よりも小さい第2面積となる期間が前記処理工程を行う間に形成されるように、当該開口面積を変更する変更工程と、
を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示は、基板に供給される処理液の乾燥具合についての調整の自由度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の液処理装置の第1実施形態に係る洗浄装置の縦断側面図である。
【
図3】前記洗浄装置における移動部材の配置を示す平面図である。
【
図4】前記洗浄装置における移動部材の配置を示す平面図である。
【
図5】洗浄処理時におけるウエハの回転数の変化を示すチャート図である。
【
図6】前記洗浄装置における処理工程を示す説明図である。
【
図7】前記洗浄装置における処理工程を示す説明図である。
【
図8】前記洗浄装置における処理工程を示す説明図である。
【
図9】前記洗浄装置における移動部材の制御例を示す説明図である。
【
図10】前記洗浄装置における他の処理工程を示す説明図である。
【
図11】前記洗浄装置における他の処理工程を示す説明図である。
【
図12】液処理装置の第2実施形態に係るレジスト膜形成装置の縦断側面図である。
【
図14】膜形成の処理時におけるウエハの回転数の変化を示すチャート図である。
【
図15】前記レジスト膜形成装置における処理工程を示す説明図である。
【
図16】前記レジスト膜形成装置における処理工程を示す説明図である。
【
図17】前記レジスト膜形成装置における処理工程を示す説明図である。
【
図18】前記レジスト膜形成装置における他の処理工程を示す説明図である。
【
図19】前記レジスト膜形成装置におけるさらに他の処理工程を示す説明図である。
【
図20】前記レジスト膜形成装置におけるさらに他の処理工程を示す説明図である。
【
図21】前記レジスト膜形成装置を含むシステムのブロック図である。
【
図22】前記レジスト膜形成装置における移動部材の制御例を示す説明図である。
【
図23】前記移動部材の他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔第1実施形態〕
本開示の第1実施形態に係る洗浄装置1について、
図1の縦断側面図及び、
図2の平面図を参照して説明する。当該洗浄装置1は液処理装置の一例であり、円形の基板であるウエハWの表面及び裏面に対して処理液として洗浄液を供給することで、洗浄処理を行う。この洗浄液は、例えば純水である。洗浄装置1に搬送されるウエハWは、例えば表面にレジスト膜が形成されている。このレジスト膜は、所定の回路パターンに沿って露光済みであると共に、現像前の状態である。
【0009】
以下、XYZ直交座標系を用いて装置構成を説明する。X方向、Y方向は水平方向であり、Z方向は鉛直方向である。X方向について前後方向、Y方向について左右方向として説明する場合が有る。洗浄装置1は、ノズル移動機構2と、カップ3と、スピンチャック11と、回転機構13と、ウエハWの受け渡し機構15と、を備えており、上方が開口するカップ3に収容されて囲まれた状態のウエハWに対して洗浄処理を行う。
【0010】
カップ3内に、スピンチャック11が設けられている。スピンチャック11は円形の基板保持部であり、載置されたウエハWの下面(裏面)の中央部を吸着して、当該ウエハWを水平に保持する。スピンチャック11は、Z方向に伸びるシャフト12を介して回転機構13に接続されている。回転機構13によって、スピンチャック11と共に当該スピンチャック11に保持されたウエハWが、鉛直軸回りに回転する。
図2中の点Pは、スピンチャック11の回転中心点である。また、ウエハWはその中心がスピンチャック11の回転中心点に重なるように載置されるので、点Pはスピンチャック11に載置された、ウエハWの中心点でもある。
【0011】
ウエハ受け渡し機構15は、3本のピン16と、昇降機構17と、を含む。3本のピン16は、シャフト12を囲んで各々Z方向に伸び、昇降機構17により昇降する。ピン16の上端は上昇時にカップ3の上方へ突出することによって、スピンチャック11と図示しない搬送機構との間でウエハWを受け渡すことができる。搬送機構はこの受け渡しのために、カップ3に対する前方側から後方に向けて移動して、カップ3の上方に位置することが可能である。
【0012】
次にノズル移動機構2について説明する。処理液供給機構であるノズル移動機構2は、ノズル21、純水供給部22、アーム23、移動機構24及びガイドレール25を備える。ノズル21は、純水供給部22から圧送される純水を鉛直下方に吐出する。純水供給部22はポンプやバルブを含み、所望のタイミングで純水をノズル21に圧送することができる。アーム23の先端側(後端側)に、ノズル21が支持されており、アーム23の基端側は移動機構24に接続されている。移動機構24は、ガイドレール25に沿ってY方向に移動可能であると共に、アーム23を昇降させることができる。
【0013】
また平面視でのカップ3の外側には、上方に開口する容器をなす待機部26が設けられており、非使用時におけるノズル21は当該待機部26にて待機する。上記した移動機構24によって、ノズル21は待機部26とカップ3内との間で移動することができる。また、ノズル21はウエハW上において当該ウエハWの径方向に沿って移動し、ウエハWの中心部から周縁部に至る領域に純水を供給することが可能である。なお、
図1中27は大気供給部であり、アーム23及びノズル21の移動に干渉しないようにカップ3の上方に設けられ、下方に向けて清浄な大気を供給する。
【0014】
続いて、カップ3について説明する。カップ3は、カップ本体31と、2つの開口変更ユニット5と、により構成されている。後に詳述するように開口変更ユニット5はカップ3の開口部30を形成すると共にカップ本体31に対して移動する移動部材61を備えており、カップ3の開口部の変更機構をなす。移動部材61の移動により、カップ3については平面視での開口面積の変更がなされる。
【0015】
カップ本体31は、ガイド部32、筒部33、底部34、側壁35及び上壁36を備える。ガイド部32はウエハWの下方に配置される平面視での円形部材であり、中心部がシャフト12に貫通されている。ガイド部32は、処理中にウエハWから流下した洗浄液をウエハWの底部34へとガイドできるように、縦断面が山型に形成されると共に周縁部が下方に延出されている。また、ガイド部32上には裏面側ノズル41が設けられている。裏面側ノズル41には上記した純水供給部22から純水が供給され、裏面側ノズル41からウエハWの裏面(下面)の周縁部に向けて当該純水が吐出される。なお、純水供給部22は、裏面側ノズル41、ノズル21の各々に対して個別に純水を供給可能である。
【0016】
ガイド部32の径方向の中央部が、下方へ延伸されて筒部33を形成する。そして筒部33の下端がカップ3の外方へ向けて延伸されて、カップ3の底部34を形成する。この底部34には、排液口42が開口すると共に、起立した排気管43が設けられている。装置の稼働中にこの排気管43からの排気と、上記の大気供給部27からの大気の供給と、が行われ、処理によってウエハWの周囲に発生するミストは、カップ3内を排気管43へ向かうこの大気の排気流に乗って排気管43に流れて除去される。またカップ3内に流下した処理液は、上記の排液口42に流入することで除去される。
【0017】
底部34の周縁が鉛直上方に延伸され、起立した円筒状の側壁35を形成し、当該側壁35がスピンチャック11及びスピンチャックに保持されるウエハWを囲む。そして、側壁35の上端がカップ3の中心部へと概ね水平方向に延伸され、円環状の上壁36を形成しており、当該上壁36によって形成される円形の開口部を上壁開口部37として示している。平面視での上壁開口部37の中心点は、スピンチャック11の回転中心点Pと一致する。カップ3内に対するウエハWの搬入出が可能であるように、平面視で上壁開口部37は、ウエハWよりも若干大きく形成されている。
【0018】
続いて、開口変更ユニット5について説明する。開口変更ユニット5は、移動機構51及び移動部材61によって構成されており、カップ3に2つ設けられている。開口変更ユニット5はカップ3の左側、右側に各々設けられている。そして、左側の開口変更ユニット5と、右側の開口変更ユニット5とは、平面視でスピンチャック11の回転中心点Pを通過すると共にX軸に沿う仮想の直線Lに対して対称の配置とされる。各開口変更ユニット5の移動機構51は、上壁36の前後方向における中央部の上面に設けられている。そして、移動機構51に対して上壁開口部37側に移動部材52が設けられており、当該移動機構51に接続されている。
【0019】
移動機構51は、例えば単動式のエアシリンダとして構成されており、左右方向(Y方向)に水平に伸びるロッド53を介して移動機構51内の空間に設けられるピストン55に移動部材61が接続されている。ピストン55の移動によって移動部材61は左右方向に水平移動する。ピストン55は移動機構51内に設けられるばね56により、カップ3の周縁部側へと付勢される。移動機構51内の空間のうち、ピストン55に対してカップ3の周縁部側を圧力室57とすると、当該圧力室57には配管58、59の一端が接続される。そして、配管58、59の他端は、洗浄装置1が設けられる半導体製造工場の給気源18、排気源19に夫々接続されており、工場の用力を利用した給気及び排気が移動機構51に対して行われることで、移動機構51が動作する。給気源18からはエアが供給される。排気源19は、例えば負圧が形成される工場の排気路により構成されている。
【0020】
配管58、59には電磁バルブ65が介設されており、各電磁バルブ65の開閉によって圧力室57に対する給気及び排気が行われる。この給気及び排気によって圧力室57の圧力が変化し、ばね56の付勢力に抗してピストン55が当該圧力室57の圧力に応じた位置に移動する。それにより移動部材56を左右方向の任意の位置で静止させることができる。また配管58の電磁バルブ65の下流側には、圧力室57へ供給されるエアの流量を調整する調整部66が介設されており、このエアの流量の調整によって、移動部材61のカップ3の中心側への移動速度を所望の速度とすることができる。この調整部66による供給流量は、制御部10によって変更可能である。
【0021】
移動部材61は、基部62及び垂下部63によって構成されている。基部62は、上壁36の上面に接するかあるいは近接すると共に、当該上面に沿って上壁開口部37の外周から当該上壁開口部37の周縁部上へと向けて伸びる板状に形成されており、カップ3の前後方向の中央部に配置されている。垂下部63は、基部62の先端側が鉛直下方へ向うように屈曲された板状に形成されており、上壁開口部37内に進入している。そして、この垂下部63の下端は、当該上壁開口部37の下端の高さ(上壁36の先端の部位における下端の高さ)Hよりも下方に位置する。
【0022】
移動機構51によって移動部材61は、垂下部63が上壁開口部37の口縁に接すると共に平面視ではウエハWに重ならない位置(基準位置とする)と、垂下部63が上壁開口部37の口縁から離れると共に平面視でウエハWに重なる位置(気流制御位置とする)との間で移動する。移動部材61が気流調整位置に位置した際における垂下部63の下端は、ウエハWの上面に近接し、平面視ではその下方の当該ウエハWの周に沿うように、円弧状に形成されている。
図3は各移動部材61が基準位置に位置した状態の平面図であり、
図4は各移動部材61が気流制御位置に位置した状態の平面図である。このように平面視において、気流制御位置は基準位置よりもウエハWの中心寄りの位置である。
【0023】
なお、左側の開口変更ユニット5と、右側の開口変更ユニット5との間では、基準位置及び気流制御位置の各々において移動機構51と移動部材61との距離に差は無い。そのため
図3、
図4に示す左側、右側の移動部材61は、上記した仮想の直線Lに対して対称に配置されている。なお、本例では気流制御位置に位置した移動部材61の垂下部63が、ウエハWの周端の位置よりも若干ウエハWの中心寄りに位置するように設定しているが、この設定に限られず、例えば周端上に位置するように気流制御位置を設定してもよい。
【0024】
以上のように移動部材61が構成されるため、カップ本体31に設けられる円形の上壁開口部37のうち、平面視で移動部材61に重ならない領域が、カップ3の開口部30であり、当該開口部30はカップ本体31の上壁36及び移動部材61により形成される。移動部材61は、カップ3内とウエハWの搬送機構との間でのウエハWの受け渡しを妨げないように、当該受け渡しを行う際には第1位置である基準位置に位置し、カップ3内のウエハWを処理する際には、ウエハWの周縁部上の気流を制御するために第2位置である気流制御位置に位置する。なお、ここでいうウエハWの処理とは、処理液を供給することに限られず、処理液供給後におけるウエハWの乾燥処理が含まれる。
【0025】
そして、移動部材61が基準位置に位置する際の開口面積(第1面積)に比べると、移動部材61が気流制御位置に位置する際の開口面積(第2面積)は、開口部30の周縁の一部が当該開口部30の中心に向けて突出している状態であるため小さい。つまり、移動部材61の気流制御位置への移動により、平面視における開口部30の開口面積は縮小化される。そして、このように開口部30の中心へ向けて突出した当該開口部30の周縁の一部はウエハWの周縁部を覆い、既述したように垂下部63がウエハWの上面に近接する。
【0026】
このように移動部材61によってウエハWの周縁部を覆うのは、ウエハWの周縁部における乾燥速度を大きくするためである。具体的に説明すると、上記したようにカップ3内の排気が行われることで処理中にカップ3内に流入した大気は、処理のために回転するウエハWの上面を中心部側から周縁部側へと流れる。ウエハWの上方に当該ウエハWを被覆する部材を配置した場合、この被覆部材とウエハWとの間の隙間が小さい方が、ウエハWの上面を周縁部側へと流れる気流の速度が大きくなることで、乾燥速度が大きくなる。洗浄後のウエハWを回転させて乾燥させるにあたり、ウエハWの周縁部には液残りが比較的発生しやすいことが確認されているが、その液残りが防止されるように洗浄装置1では、既述した移動部材61による被覆を行う。そして、ウエハWの周縁部上に形成される隙間をより小さいものとして乾燥性を高めるために、移動部材61には垂下部63が形成されている。
【0027】
また、平面視ではカップ3の外側で当該カップ3よりも上方位置に撮像部であるカメラ29が設けられている。カメラ29の光軸はX方向、Y方向、Z方向の各々に対して傾くように斜め下方に向けられ、カップ3内を俯角で撮像することができる。従って、ウエハWの上面及びウエハW上に配置されたノズル21を撮像することができる。カメラ29の撮像によって取得された画像データは、後述の制御部10に送信される。制御部10は、この画像データからウエハWの表面の異常やノズル21の動作の異常の有無の判定を行うことができる。また、後述するようにこの画像データは、開口変更ユニット5の動作のフィードバック制御に用いることもできる。
【0028】
洗浄装置1は制御部10を備えている。制御部10はコンピュータにより構成されており、プログラムを備えている。このプログラムには、洗浄装置1における一連の動作を実施することができるように、ステップ群が組み込まれている。そして、当該プログラムによって制御部10は洗浄装置1の各部に制御信号を出力し、当該各部の動作が制御される。具体的には回転機構13によるスピンチャック11の回転数、昇降機構17によるピン16の昇降、純水供給部22からのノズル21及び裏面側ノズル41への純水の供給、移動機構24によるノズル21の移動、電磁バルブ65の開閉による移動部材61の移動、調整部66による圧力室57へのエアの供給流量の調整などの各動作が、上記の制御信号によって制御され、後述のようにウエハWに処理が実行される。また、後述のフィードバック制御を行うための画像データにおけるウエハWに関して行う検出や判定も、当該プログラムによって実行される。このプログラムは、例えばコンパクトディスク、ハードディスク、DVDなどの記憶媒体に格納されて、制御部10にインストールされる。
【0029】
続いて、洗浄装置1によるウエハWの処理について、
図5~
図8を参照して説明する。
図5は、処理中におけるウエハWの回転数の変化を示すチャート図であり、
図6~
図8は洗浄装置1の動作を示す説明図である。なお、
図6~
図8中のウエハWの周囲の矢印は、気流を示す。
【0030】
各開口変更ユニット5の移動部材61が基準位置に位置する状態で、搬送機構によりカップ3の上方にウエハWが搬送され、ピン16の昇降動作によって、当該ウエハWがスピンチャック11に載置されて吸着保持される。ノズル21が待機部28からウエハWの中心部の上方に移動し、ウエハWの回転が開始されて所定の回転数R1となると、ノズル21及び裏面側ノズル41からウエハWの表面及び裏面への純水L1の吐出が開始される(チャート中、時刻t1)。このノズル21は、純水L1を吐出した状態でウエハWの周縁部上へ向けて移動し、洗浄処理が進行する(
図6)。
【0031】
その後、ノズル21及び裏面側ノズル41からの純水L1の吐出が停止し(時刻t2)、ノズル21については待機部28に向けて移動する。そしてウエハWから純水L1を振り切るために、当該ウエハWの回転数が上昇し(時刻t3)、所定の回転数R2となる。このように回転数が上昇することにより、ウエハW上では純水L1が当該ウエハWの中心部側から周縁部に向けて流れ、ウエハWから飛散して除去される(
図7)。
【0032】
そして時刻t3から所定の時間が経過した後に、移動部材61が気流制御位置に向けて移動してカップ3の開口部30の開口面積が小さくなり(時刻t4)、垂下部63がウエハWの周縁部上に配置される(
図8)。それによって、ウエハWの周縁部上の気流の流速が大きくなり、当該周縁部における乾燥速度が大きくなる。然る後、ウエハWの回転数が低下する一方(時刻t5)、移動部材61が基準位置に向って移動する。そして当該ウエハWの回転が停止し(時刻t6)、カップ3内への収容時とは逆の動作でウエハWがカップ3から搬出されて搬送機構に受け渡される。なお、純水の供給が開始される時刻t1から乾燥が終了して回転を停止させる時刻t6に至るまでが、処理工程に該当する。
【0033】
この洗浄装置1によれば、ウエハWを乾燥させるためにウエハWの回転数を洗浄液の供給時のR1からR2に上昇させた後に、移動部材61を移動させてカップ3の開口部30の開口面積を縮小し、ウエハWの周縁部上に移動部材61の垂下部63を配置している。それによって、ウエハWの周縁部における乾燥速度が大きくなり、処理の終了後に当該周縁部に純水L1が残留することが防止される。従って、ウエハWから製造される半導体製品の歩留りの低下が防止される。また、そのように乾燥速度が大きくなることによって、純水L1の乾燥を完了するまでに必要な時間が長くなることを防止し、装置のスループットを向上させることができる。
【0034】
そして上記のチャートで説明した処理では、ウエハWの乾燥を行うために回転数がR2になるように上昇してから気流制御位置へ向けて移動部材61の移動を開始させるまでの間に、所定の間隔(時刻t3-t4の間隔)が設けられている。これは回転数が上昇した直後にウエハW上に残る純水L1による不具合の発生を抑制するためである。具体的に述べると、そのように純水L1がウエハW上に多く残る状態で移動部材61が気流制御位置へ移動すると、ウエハWの回転の遠心力でウエハWから飛散した純水L1がカップ3の側壁35に衝突して跳ね返り、移動部材61に付着した後に液滴として落下する。移動部材61が気流制御位置に位置した状態だと、この液滴がウエハWの周縁部へ落下し、異物となってしまうおそれが有る。従って、上記した間隔を設けて、純水L1の除去が進行した後に移動部材61を移動させ、このような不具合の発生を防止し、半導体製品の歩留りの低下がさらに防止されるようにしている。
【0035】
なお、ノズル21から純水L1の吐出が停止するタイミングと、移動部材61が気流制御位置へ向けて移動開始するタイミングとの間にも所定の間隔が設けられるが(時刻t2-t4の間隔)、当該間隔が利用されることでノズル21及び当該ノズル21を支持するアーム23は、移動部材61に干渉しないようにカップ3から退避する。
【0036】
ところで、移動部材61が気流制御位置に移動開始するタイミングが早すぎると上記したウエハWの周縁部への液垂れが起きるおそれが有るが、ウエハWの周縁部における乾燥具合を十分に高くするには早いタイミングで移動部材61を気流制御位置へ移動させることが好ましい。上記したチャートの処理で、移動部材61が気流制御位置へ移動開始する時刻t4について、カメラ29による画像データを用いてフィードバック制御を行うことで、より適正なものとすることができる。以下、
図9を参照してその手法を説明する。ウエハWのうち先に洗浄装置1に搬送されて処理されるもの、その後に洗浄装置1に搬送されて処理されるものを夫々ウエハW1、ウエハW2とする。
【0037】
先ず、ウエハW1について
図5~
図8で説明したように処理を行う。この処理中、少なくともウエハW1の回転数が上昇する時刻t3以降、カメラ29による撮像を行う。時刻t3以降でウエハW1の回転により、ウエハW1表面を純水L1の液膜がウエハWの周端に向けて移動する。制御部10は、取得した画像データからこの液膜がウエハWの周端に達して消失する時刻(t4′とする)を検出する。
【0038】
そして、その後にカップ3に収容されたウエハW2についてもウエハW1と同様に処理を行うが、移動部材61を気流制御位置に向けて移動させる時刻t4については時刻t4′に一致するように、ウエハW1の処理時における時刻t4に対してずらす。従って、ウエハW1の処理時において時刻t4′が時刻t4より遅い場合には、ウエハW2の処理時にはウエハW1の処理時よりも時刻t4を遅らせることで、回転数を上昇させる時刻t3と時刻t4との間隔を長くする(
図9右側)。一方、ウエハW1の処理時において時刻t4′が時刻t4より早い場合には、ウエハW2の処理時にはウエハW1の処理時よりも時刻t4を早めることで、回転数を上昇させる時刻t3と時刻t4との間隔を短くする(
図9左側)。なお、このように時刻t4をずらしても、回転数を上昇させる時刻t3と回転数を低下させる時刻t5との間隔は一定とし、変化させない。以上のフィードバック制御により、ウエハWの周縁部への液垂れを防止しつつ、ウエハWの周縁部を十分に乾燥させることができる。
【0039】
なお、ウエハWをカップ3に収容後、移動部材61を基準位置から若干ウエハWの中心側寄りの位置に移動させておいてもよい。そして、時刻t4でその中心側寄りの位置から気流制御位置へと移動部材61が移動するようにしてもよい。上記のフィードバック制御を行う場合には、その中心側寄りの位置からの移動速度を制御すればよい。
【0040】
また、左右の開口変更ユニット5について、上記した例では同様の動作が行われるようにしているが異なる動作が行われるようにしてもよい。
図10~
図11を参照して、
図5~
図8で説明した処理との差異点を中心に説明する。時刻t1でノズル21及び裏面側ノズル41から純水L1を吐出させつつ、当該ノズル21をウエハWの周縁部へと移動させる。このとき、ノズル21を右方へ移動させるとすると、左方側の開口変更ユニット5の移動部材61を気流制御位置へ移動させる。右方側の開口変更ユニット5の移動部材61については、ノズル21及びアーム23に対する干渉を防ぐために基準位置に留める(
図10)。
【0041】
そしてノズル21からの純水L1の吐出を停止させ、当該ノズル21をカップ3から退避させた後、ウエハWの回転数上昇後の時刻t4で、左方側の移動部材61を気流制御位置へ移動させる(
図11)。従って左方側の移動部材61については、
図5~
図8と同様のタイミングで気流制御位置へと移動させる。
【0042】
この
図10、
図11の処理について詳しく述べると、上記したように移動部材61を処理開始後に基準位置から気流制御位置へ移動させるのは、ノズル21及びアーム23との干渉を防ぐためでもある。そして、左右の開口変更ユニット5のうち、ウエハWの径方向に移動するノズル21の移動方向とは逆側の移動部材61については、ノズル21がカップ3内に位置する状態であっても上記の干渉が起こらないので、このように移動方向の移動部材61よりも先に気流制御位置へ移動させる。それによってウエハWへの純水L1の吐出の停止後において、比較的速度の大きい気流によるウエハWの周縁部の乾燥が速やかにスタートすることになるので、当該周縁部をより短い時間で確実に乾燥させることができる。
【0043】
〔第2実施形態〕
第2実施形態に係るレジスト膜形成装置7について洗浄装置1との差異点を中心に、
図12の縦断側面図及び
図13の平面図を参照して説明する。レジスト膜形成装置7は、ウエハWの表面に対してシンナー及びレジストをスピンコートにより順に塗布して、レジスト膜を形成する。シンナーはレジストが塗布される前のウエハWの表面に塗布することで、当該ウエハWの表面のレジストに対する濡れ性を高める改質液である。また、レジスト膜形成装置7はレジスト膜の形成後に回転するウエハWの周縁部にシンナーを供給することで、EBR(Edge Bead Remover)と呼ばれる当該周縁部に限定したレジスト膜の除去処理を行う。
【0044】
レジスト膜形成装置7におけるノズル移動機構2について説明する。アーム23の先端側にはノズル21の代わりにノズル71、72が支持されており、ノズル71はレジスト供給部73に、ノズル72はシンナー供給部74に夫々接続されている。レジスト供給部73、シンナー供給部74は、純水供給部22と略同様の構成であるが、純水の代わりに夫々レジスト、シンナーをノズル71、72に圧送する。ノズル71、72は各々ウエハWの中心部上に移動することが可能であり、当該中心部にレジスト、シンナーを吐出することができる。またシンナー供給部74は、裏面側ノズル41、後述するEBR用ノズル76にもシンナーを圧送することができ、これらの裏面側ノズル41、ノズル72、EBR用ノズル76へのシンナーの圧送は、個別に行うことが可能である。
【0045】
また、レジスト膜形成装置7には、ノズル移動機構2と略同様の構成のノズル移動機構75が設けられている。このノズル移動機構75はEBRを行うために設けられており、ノズル移動機構2との差異点として、アーム23にはノズル71、72の代わりにEBR用ノズル76が設けられていることが挙げられる。EBR用ノズル76はシンナー供給部74に接続されており、当該シンナー供給部74からEBR用ノズル76にシンナーが圧送される。EBR用ノズル76はウエハWの周縁部上に移動し、当該周縁部にシンナーを供給することが可能である。ノズル71、72は、非使用時に待機部26にて待機する。また、レジスト膜形成装置7には、非使用時のEBR用ノズル76を待機させる待機部77が設けられている。この待機部77は、待機部26と同様、平面視でカップ3の外側に設けられている。
【0046】
続いて、レジスト膜形成装置7によるウエハWの処理について、
図14~
図17を参照して説明する。
図14は
図5と同様にウエハWの回転数の変化を示すチャート図であり、
図15~
図17はレジスト膜形成装置7の動作を示す説明図である。なお、チャート中に示す時刻t11′における装置の動作は本例では行われず、この動作については、後に他の処理例の動作として説明する。
【0047】
各開口変更ユニット5の移動部材61が基準位置に位置する状態で、ウエハWがスピンチャック11に吸着保持され、ノズル72がウエハWの中心部上に位置し、シンナーが吐出される。シンナー吐出が停止するとウエハWが回転し、シンナーがウエハWの表面全体に行き渡り、塗布される。続いてノズル71がウエハWの中心部上に位置し、ウエハWの回転数が所定の回転数R11(第1回転数)となった状態で、ノズル71から処理液であるレジストL2が吐出され(時刻t11)、当該レジストL2がウエハWの表面全体に行き渡るように塗布される(
図15)。続いて、レジストL2の吐出が終了すると共にウエハWの回転数が低下し(時刻t12)、所定の回転数R12(第2回転数)となる。このように比較的低い回転数でウエハWが回転することで、ウエハW上のレジストL2について、当該ウエハWの径方向における膜厚分布の均一化が図られる。
【0048】
その後、ウエハWの回転数が上昇し(時刻t13)、所定の回転数R13(第3回転数)となり、そのように回転数が上昇することでレジストL2の乾燥が進行して、塗布膜であるレジスト膜L3が形成される。なお、この回転数R13は回転数R11よりも低い。その一方で、カップ3内に位置していたノズル71、72は、ウエハW上から待機部28に向けて移動する。続いて、各移動部材61が気流制御位置に向けて移動し(時刻t14)、ウエハWの周縁部の気流の流速が大きくなり、当該周縁部においてレジスト膜L3の乾燥が速やかに進行する(
図16)。また、そのように乾燥が進行することによって、移動部材61が仮に気流制御位置に配置されていないとする場合に比べると、ウエハWの周縁部側におけるレジスト膜L3の膜厚は大きくなる。
【0049】
然る後、ウエハWの回転数が低下すると共に、移動部材61が基準位置に向け移動し(時刻t15)、所定の回転数R14となる。この回転数R14は、回転数R12よりも大きい。そのように回転数が変化する一方、EBR用ノズル76が待機部77からウエハWの周縁部上に移動し、当該EBR用ノズル76及び裏面側ノズル41からシンナーL4の吐出が開始され(時刻t16)、EBR用ノズル76はウエハWの周端上へ向けてウエハWの径方向に沿って移動する。それによって、ウエハW表面におけるシンナーL4の吐出位置がウエハWの周端へ向けて移動し、ウエハWの周縁部上におけるレジスト膜L3の不要な部位が除去される(
図17)。また、裏面側ノズル41から吐出されるシンナーL4によって、ウエハWの裏面が洗浄される。その後、EBR用ノズル76及び裏面側ノズル41からのシンナーの吐出が停止し(時刻t17)、EBR用ノズル76が待機部77に戻る一方で、ウエハWの回転が続けられて、ウエハWの周縁部における乾燥が進行する。その後、ウエハWの回転が停止し(時刻t18)、ウエハWがカップ3から搬出される。なお、本例ではレジストの供給が開始される時刻t11から当該レジストの乾燥が終了して、次の処理であるEBRのために回転数を変更する時刻t15に至るまでが、処理工程に該当する。
【0050】
このように、処理液がレジストのような塗布膜形成用の塗布液である場合にも、ウエハWの周縁部での乾燥を促進させることができるので、装置のスループットの向上を図ることができる。また、塗布液を処理液として用いる場合には、移動部材61を気流制御位置に配置することによってウエハWの周縁部における乾燥速度が大きくなることを利用し、ウエハWの面内におけるレジスト膜L3の膜厚分布を調整することもできる。
【0051】
なお、この処理例ではウエハWが回転数R11で回転する期間、及び回転数R13で回転する期間における途中の時点(t14)以降については移動部材61が気流制御位置に位置することで、開口面積が比較的小さい第2面積とされる。そして、回転数R12で回転する期間及び回転数R13で回転する期間における途中の時点(t14)までは、移動部材61がウエハWのカップ3への搬入出時の位置である基準位置に配置されることで開口面積が第2面積よりも大きくされる。しかし、そのように基準位置に配置することに限られず、ウエハWの処理に影響が無ければ、基準位置よりも若干、気流制御位置寄りの位置に配置されるようにしてもよい。
【0052】
続いて、レジスト膜形成装置7の他の処理例について、
図15~
図17で説明した処理例との差異点を中心に、上記した
図14のチャートを参照して説明する。ノズル71がウエハWの中心部上に位置し、ウエハWの回転数が所定の回転数R11となった状態でノズル71からレジストL2が吐出され(時刻t11)、この吐出中に移動部材61を気流調整位置へ向けて移動させる(時刻t11′、
図18)。吐出されたレジストL2がウエハWに衝突することで飛散するミストについて、このように開口部30の開口面積が小さくされることで、カップ3外への漏洩がより確実に防止される。続いての時刻t12では、ノズル71からのレジストL2の吐出停止及び回転数を低下させることの他に、移動部材61を基準位置に向けて移動させる。それ以降は、
図15~
図17で説明した処理と同様に処理が進行する。従って、時刻t12以降に移動部材61は再度、気流調整位置と基準位置との間で移動する。
【0053】
時刻t11でのレジストL2の吐出を行う前から、移動部材61を気流制御位置に配置しておいてもよいが、吐出開始直後は吐出されるレジストL2の液流の乱れが比較的大きい場合が有り、ウエハW表面で撥ねて気流制御位置に移動した移動部材61に付着することが考えられる。そうなると、このレジストL2が液滴となってウエハWに異物として落下するおそれが有るので、上記したようにレジストL2の吐出開始後に移動部材61を移動させることが好ましい。
【0054】
またこの
図18で説明する処理において、気流制御位置に移動させた移動部材61を時刻t12で基準位置に戻すのは、ノズル71からのレジストL2の吐出が停止する時刻t12以降はミストの飛散が抑えられることの他に、レジスト膜L3の膜厚分布を調整する時刻t12~13での当該レジスト膜L3の流動性を十分に確保するためでもある。具体的には、レジストL2がウエハWの表面全体に塗布されてからウエハWの面内の膜厚分布の調整が完了する時刻t13までの間に、ウエハWの周縁部が移動部材61に被覆される時間が長すぎると、当該周縁部のレジストL2の流動性が低くなる。それによって、この膜厚分布の調整が十分に行えなくなるおそれがあるので、上記のように時刻t12で移動部材61を基準位置に戻し、当該レジストL2の流動性を確保する。
【0055】
図18に示すレジストL2吐出時の気流制御位置への移動部材61の移動をミスト用移動、
図16に示すレジスト膜L3を乾燥させるための気流制御位置への移動部材61の移動を乾燥用移動と記載する。ミスト用移動における移動部材61の移動速度(第1速度)と、乾燥用移動における移動部材61の移動速度(第2速度)と、が異なるようにしてもよい。具体的には、ミスト用移動における移動速度の方が、乾燥用移動の際の移動速度よりも大きいようにする。
【0056】
そのように移動速度を変更する理由について説明する。ミスト用移動の際には、レジストL2の吐出中であり、当該レジストL2については乾燥が略進行しておらず、流動性が高い状態であるため、移動部材61の移動によってレジスト膜の周囲の気流が乱れたとしてもレジスト膜L3の表面形状や膜厚へ与える影響が少ない。そのように気流の影響が少ないことと、ミストのカップ3外への漏洩を速やかに防止する観点とから、移動部材61の移動速度を比較的大きくする。そして乾燥用移動の際には、レジスト膜L3の乾燥がある程度進行したことで当該レジスト膜の表面形状は、周囲の気流の影響を受けやすい状態となっている。そのため気流の乱れを抑えるために、移動部材61の移動速度を比較的小さくする。以上のことから、ミスト用移動における移動速度を、乾燥用移動の際の移動速度よりも大きくすることが有効である。
【0057】
また、ミスト用移動において移動部材61が向う気流制御位置(第1気流制御位置とする)と、乾燥用移動において移動部材61が向う気流制御位置(第2気流制御位置とする)と、が異なるようにしてもよい。上記した
図16、
図18では、そのように異なる気流制御位置に移動した移動部材61を示しており、第1気流制御位置は第2気流制御位置よりもカップ本体31の上壁開口部37の中心寄り(平面視でウエハWの中心寄り)である。従って、第1気流制御位置に位置した場合の方が、第2気流制御位置に位置した場合よりも、カップ3の開口部30の開口面積が小さい。乾燥用移動により第2気流制御位置に各移動部材61が位置した際の開口部30の開口面積が一の面積であり、ミスト用移動により第1気流制御位置に各移動部材61が位置した際の開口部30の開口面積が他の面積である。
【0058】
このように気流制御位置を変更する理由を述べる。第2気流制御位置については、移動部材61が基準位置に位置させたまま処理を行った場合にウエハWの周縁部で最もレジスト膜L3の膜厚が小さくなる部位の上方に位置するように設定する。つまり第2気流制御位置は、ウエハWに形成される膜厚分布に応じて望ましい位置が決まる。その一方で、ミスト用移動においては開口部30からのミストの漏洩を防止するという目的から、第1気流制御位置はカップ3の開口部30の中心に近いほど好ましく、例えば移動部材61が移動可能な範囲のうち最も上壁開口部37の中心寄りとなる位置に設定する。以上のことから、第1気流制御位置は、第2気流制御位置よりもカップ3の開口面積が小さくなる位置として設定することが好ましい。
【0059】
また、EBRを行うにあたり移動部材61を気流制御位置に配置し、ウエハWの周縁部に供給されたシンナーL4の乾燥が早まるようにしてもよい。この場合、第1実施形態で例の一つとして説明したように、ノズル及びアームとの干渉が防止されるように、左右の移動部材61のうち、一方の移動部材61のみを気流制御位置に移動させる。具体的には、
図14のチャート中の時刻t16~t17において、シンナーを吐出するEBR用ノズル76の移動方向が
図19に示すように右方であるとすると、左右の開口変更ユニット5のうち、右側の移動部材61についてはEBR用ノズル76及び当該EBR用ノズル76を支持するアーム23との干渉を避けるために基準位置に位置させ、左側の移動部材61については気流制御位置に配置する。
【0060】
そのような左側の移動部材61の気流制御位置への移動により、時刻t17でEBR用ノズル76からのシンナーの吐出が停止した後は、速やかにウエハWの周縁部を乾燥させることができる。時刻t17でシンナーの吐出が停止し、EBR用ノズル76がカップ3内から退避して、EBR用ノズル76との干渉が起こらない状態となったら、
図20に示すように右側の移動部材61についても気流制御位置に移動させて、さらに乾燥を促進させることができる。
【0061】
続いて
図21を参照して、レジスト膜形成装置7を備えた処理システム8について説明する。この処理システム8では、上記の第2気流制御位置へと移動する移動部材61の移動速度についてのフィードバック制御が行われる。処理システム8は、ウエハWを格納する搬送容器81が載置されるステージと、搬送機構83と、膜厚測定装置82と、を備える。搬送機構83は、搬送容器81から取り出したウエハWをレジスト膜形成装置7、膜厚測定装置82の順で搬送して搬送容器81に戻す。図中の実線の矢印は、ウエハWの搬送経路を表し、点線の矢印はデータの授受を示している。膜厚測定装置82は、ウエハWの表面の各部に光を照射する投光部と、この投光部より照射されてウエハW表面の膜によって反射された光を受光する受光部と、を備えており、受光部は受光に応じた検出信号を制御部10に送信する。制御部10は、この検出信号に基づいて光が照射された箇所の膜厚測定を行う。
【0062】
ここでもレジスト膜形成装置7のカップ3に先に収容されて処理されるウエハW、後で収容されて処理されるウエハを夫々、W1、W2として説明する。レジスト膜形成装置7によってウエハW1にレジスト膜L3が形成され、膜厚測定装置82によって各部の膜厚に応じた検出信号が制御部10に送信される。制御部10は、そのうちのレジスト膜L3の周縁部への光照射によって取得された検出信号から、当該周縁部におけるレジスト膜L3の膜厚を測定する。そして、ウエハW2をレジスト膜形成装置7で処理するにあたり、第2気流制御位置へ向う移動部材61の移動速度のフィードバック制御を行う。
【0063】
このフィードバック制御を具体的例に説明する。検出されたウエハW1の周縁部の膜厚が所定の基準値よりも小さい場合は、ウエハW2の処理時にはウエハW1の処理時における第2気流制御位置へ向かう際の移動部材61の移動速度に対して、所定の量増加した移動速度で移動部材61を移動させる。そのようにウエハW1の処理時よりも早いタイミングで第2気流制御位置に移動部材61を配置することによって、ウエハW2の周縁部の膜厚をウエハW1の周縁部の膜厚よりも増加させる。その一方で、検出されたウエハW1の周縁部の膜厚が所定の基準値よりも大きい場合は、ウエハW2の処理時にはウエハW1の処理時における第2気流制御位置へ向かう際の移動部材61の移動速度に対して、所定の量低下させた移動速度で移動部材61を移動させる。そのようにウエハW1の処理時よりも遅いタイミングで第2気流制御位置に移動部材61を配置することによって、ウエハW2の周縁部の膜厚をウエハW1の周縁部の膜厚よりも低下させる。
【0064】
このように移動速度を変更する代わりに、第2気流制御位置へ向けて移動部材61を移動開始させるタイミング(
図14中の時刻t14)を変更するようにしてもよい。つまり、
図14で説明したチャート中の時刻t13~t15間は一定のままで、時刻t14をずらす。回転数の変化を示す
図22を参照して具体的に説明する。
【0065】
検出されたウエハW1の周縁部の膜厚が所定の基準値よりも小さい場合は
図22の左側に示すように、ウエハW2の処理時にはウエハW1の処理時における第2気流制御位置へ向かう際の移動部材61の時刻t14を所定時間だけ早める。それにより、移動部材61が第2気流制御位置に位置する時間を長くし、ウエハW1の周縁部の膜厚よりもウエハW2の周縁部の膜厚を上昇させる。
【0066】
その一方で、検出されたウエハW1の周縁部の膜厚が所定の基準値よりも大きい場合は
図22の右側に示すように、ウエハW2の処理時にはウエハW1の処理時における第2気流制御位置へ向かう際の移動部材61の時刻t14を所定時間だけ遅らせる。それにより、移動部材61が第2気流制御位置に位置する時間を短くし、ウエハW1の周縁部の膜厚よりもウエハW2の周縁部の膜厚を低下させる。なお、移動部材61の移動速度及び移動開始のタイミング(第2気流制御位置に位置する時間)のうちの一方のみではなく、両方を変更するフィードバック制御を行ってもよい。
【0067】
なお、このレジスト膜形成装置7でもウエハWをカップ3に収容後、移動部材61を基準位置から若干ウエハWの中心側寄りの位置に移動させておき、時刻t14ではその中心側寄りの位置から気流制御位置へと移動部材61が移動するようにしてもよい。上記のフィードバック制御を行う場合には、その中心側寄りの位置からの移動速度及び/または移動開始のタイミングを制御すればよい。
【0068】
ところで第1及び第2実施形態において、開口変更ユニット5は1つのみ設けられていてもよい。ただし開口変更ユニット5はウエハWの周方向における処理の均一性を高める観点から、これまでに述べたように複数設けるようにし、移動部材61については平面視においてウエハWの中心を挟んで対称となるように形成、配置することが好ましい。また、開口変更ユニット5を複数設けることは、後述する移動部材で円環93を形成する例のように、ウエハWの周縁部全体を被覆して周方向の処理の均一性をより高めることが可能であるという観点からも好ましい。なお、移動部材61を備えた開口変更ユニット5を複数設けるにあたり、2つ設けることには限られない。例えば、スピンチャック11の回転中心点Pに対して前後左右の各々に、即ち計4つ設けてもよい。
【0069】
また、開口変更ユニット5を2つ設けるにあたって、これまでに述べた例のように開口変更ユニット5をカップ3における左右に設けることに限られず、カップ3における前後に設けてもよい。ただし、既述したようにウエハWの搬送機構は前後方向に移動してカップ3上に位置する。開口変更ユニット5をカップ3における左右に設けることは、前後に設けることに比べると、開口変更ユニット5と搬送機構の移動路との重なる面積を比較的小さなものとすることができるので、カップ3の上方における限られた高さでの互いの干渉を抑えるにあたっての設計が容易である点で好ましい。
【0070】
そして移動部材は、既述した例に限られない。
図23は、移動部材の他の例を示す斜視図である。この
図23に示す移動部材91は、基部62の代わりに基部92を備える点で移動部材61と異る。基部92は平面視で円弧をなす帯状に形成されており、この帯の長さ方向の中央部でカップ3の中心部寄りの部位が下方に突出することにより、垂下部63が形成されている。
【0071】
図24及び
図25は、移動部材61の代わりに移動部材91が設けられた開口変更ユニット5を備えるカップ3を示しており、
図24が基準位置に位置する状態、
図25が気流制御位置に位置する状態を夫々表している。基準位置に位置する際の移動部材91は、基準位置に位置する移動部材61と同様に、平面視でウエハWに重ならない。そして気流制御位置に位置する際の各移動部材91は、移動部材91の基部92の端部同士が互いに接することで、円環93を形成する。この円環93は上壁開口部37の口縁に沿うと共に、平面視において当該口縁よりもカップ3の中心側の位置から当該口縁の外側の位置に跨がる。従って平面視で円環93と上壁開口部37との間に、隙間は形成されていない。
【0072】
この円環93によって、平面視にてウエハWの周縁部全体が被覆される。そのように周縁部全体が被覆されることで、乾燥速度をより大きくすることができ、また、ウエハWに処理液を用いて各処理を行うにあたり、周方向における処理のばらつきを、より確実に抑えることができるので好ましい。
【0073】
ところで移動部材に垂下部63が設けられない構成としてもよい。ただし、既述したようにウエハW上での処理液の乾燥速度を大きくする上で、垂下部63を設けることが好ましい。垂下部63を設けるにあたり、既述した例では垂下部63の下端について、上壁開口部37の下端の高さHよりも下方に位置する例を示したが、当該高さHと同じ高さであってもよい。
【0074】
また、開口変更ユニット5の移動機構51についてエアシリンダであることに限られず、油圧シリンダによって構成してもよい。エア以外のガスであってもよい。従って、移動部材61を移動させるために移動機構51内の圧力を調整する流体としては、エアに限られない。そして、単動式のシリンダであることにも限られない。さらに、流体の供給、除去による圧力変化を利用する移動機構51を用いることには限られず、モーターなどの電力によって動作する駆動源を有する移動機構によって、移動部材61が移動する構成であってもよい。
【0075】
そして第2実施形態にて塗布膜としてレジスト膜を形成する例を示したが、塗布膜はレジスト膜には限られず、例えば反射防止膜や絶縁膜であってもよい。従って、これらの各膜を形成する塗布液を、処理液として用いることができる。なお、第2実施形態において、上記したようにレジストL2の吐出開始後に移動部材61を気流制御位置へ移動させることが好ましいが、気流制御位置に移動させた後、ノズル71を待機部28からウエハW上へY方向に移動させて、レジストL2の吐出が開始されるようにしてもよい。そのようにノズル71を移動させる場合は、上記したようにカップ3上における前後方向(X方向)に開口変更ユニット5が並んで配置される構成であれば、ノズル71は平面視で開口変更ユニット5間を移動する。即ち、開口変更ユニット5の上方を移動する必要が無い。この点から、開口変更ユニット5とノズル71との干渉を抑え、装置の増大を防ぐことができる。
【0076】
さらに各実施形態において、処理対象の基板としてはウエハであることに限られず、例えばフラットパネルディスプレイ製造用の基板や、露光用のマスクを製造するためのマスク基板であってもよい。従って角型の基板を処理してもよい。
【0077】
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更及び組み合わせがなされてもよい。
【符号の説明】
【0078】
W ウエハ
11 スピンチャック
3 カップ
L1 純水