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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165878
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】ドローン
(51)【国際特許分類】
   B64U 20/30 20230101AFI20241121BHJP
   B64U 50/19 20230101ALI20241121BHJP
   B64U 10/13 20230101ALI20241121BHJP
   G06F 1/18 20060101ALI20241121BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B64U20/30
B64U50/19
B64U10/13
G06F1/18 B
G06F1/18 D
H02J7/00 302A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082444
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関家 一馬
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA17
(57)【要約】
【課題】ドローンの一部が故障しても飛行の継続や着陸などを含む飛行の制御ができるドローンを提供する事。
【解決手段】ドローン1は、プロペラ11と、プロペラ11を回転させるモーター12と、モーター12を制御するCPU13と、から構成されるプロペラユニット10と、複数のプロペラユニット10を連結するフレーム20と、プロペラユニット10のCPU13と、他のプロペラユニット10のCPU13と、をそれぞれ通信可能に接続する複数の通信ケーブル30と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロペラと、該プロペラを回転させるモーターと、該モーターを制御するCPUと、から構成されるプロペラユニットと、
複数の該プロペラユニットを連結するフレームと、
該プロペラユニットの該CPUと、他の該プロペラユニットの該CPUと、をそれぞれ通信可能に接続する複数の通信ケーブルと、
を備えるドローン。
【請求項2】
該プロペラユニットは、該モーターと、該CPUと、に電力を供給するバッテリーをさらに含んで構成され、
該バッテリーは、他の該プロペラユニットの該バッテリーと、電力供給ケーブルによってそれぞれ接続される請求項1に記載のドローン。
【請求項3】
該通信ケーブルは、
それぞれの該CPUを環状に接続する環状通信ケーブルと、
それぞれの該CPUを対角線状に接続する対角線通信ケーブルと、
で構成される請求項1に記載のドローン。
【請求項4】
一部の該通信ケーブルが断線した場合、残りの通信ケーブルを経由して、それぞれの該CPUが通信可能である請求項1に記載のドローン。
【請求項5】
一部の該プロペラユニットの該CPUが故障した場合、残りの該プロペラユニットのみで該ドローンを制御する請求項1に記載のドローン。
【請求項6】
電圧が低下した該バッテリーは、他の該プロペラユニットの該バッテリーから該電力供給ケーブルを通して、電力の供給を受ける事を特徴とする請求項2に記載のドローン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドローンに関する。
【背景技術】
【0002】
中央部にCPU、バッテリー、カメラなどの機体が配置され、中央部を囲う外周部に複数のプロペラとプロペラを回転させるモーターとが配置されており、一つのCPUが各プロペラユニットを制御する事で飛行するドローンが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-179718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このようなドローンにおいて、CPUの故障、通信ケーブルの断線、バッテリーの電圧の低下など、通信や電力の供給経路に一部でも故障が発生すると、制御ができなくなるプロペラユニットが発生し、飛行が困難になるという問題があった。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ドローンの一部が故障しても飛行の継続や着陸などを含む飛行の制御ができるドローンを提供する事である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のドローンは、プロペラと、該プロペラを回転させるモーターと、該モーターを制御するCPUと、から構成されるプロペラユニットと、複数の該プロペラユニットを連結するフレームと、該プロペラユニットの該CPUと、他の該プロペラユニットの該CPUと、をそれぞれ通信可能に接続する複数の通信ケーブルと、を備えるものである。
【0007】
該プロペラユニットは、該モーターと、該CPUと、に電力を供給するバッテリーをさらに含んで構成され、該バッテリーは、他の該プロペラユニットの該バッテリーと、電力供給ケーブルによってそれぞれ接続されてもよい。
【0008】
該通信ケーブルは、それぞれの該CPUを環状に接続する環状通信ケーブルと、それぞれの該CPUを対角線状に接続する対角線通信ケーブルと、で構成されてもよい。
【0009】
一部の該通信ケーブルが断線した場合、残りの通信ケーブルを経由して、それぞれの該CPUが通信可能であってもよい。
【0010】
一部の該プロペラユニットの該CPUが故障した場合、残りの該プロペラユニットのみで該ドローンを制御してもよい。
【0011】
電圧が低下した該バッテリーは、他の該プロペラユニットの該バッテリーから該電力供給ケーブルを通して、電力の供給を受けてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本願発明は、プロペラと、プロペラを回転させるモーターと、モーターを制御するCPUと、を備えるプロペラユニットが複数備えられ、それぞれのプロペラユニットのCPUとその他のそれぞれのプロペラユニットのCPUとが複数の通信ケーブルにより互いに通信可能に接続されているので、ドローンの一部が故障しても飛行の継続や着陸などを含む飛行の制御ができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態1に係るドローンの構成例を示す上面図である。
図2図2は、図1のドローンの動作処理の一例を説明する上面図である。
図3図3は、図1のドローンの動作処理の別の一例を説明する上面図である。
図4図4は、実施形態2に係るドローンの構成例を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0015】
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係るドローン1を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係るドローン1の構成例を示す上面図である。ドローン1は、図1に示すように、複数のプロペラユニット10と、フレーム20と、通信ケーブル30と、バッテリー40と、を備える。また、ドローン1は、不図示のセンサと、不図示の動作ユニットと、をさらに備えてもよい。ドローン1は、例えばマルチコプターである。
【0016】
ドローン1は、実施形態1では、4つのプロペラユニット10-1,10-2,10-3,10-4を備えるが、本発明ではこれに限定されず、プロペラユニット10の数は複数であればいくつでも構わない。なお、複数のプロペラユニット10に共通の事項を説明する際には、プロペラユニット10と記し、複数のプロペラユニット10をそれぞれ区別する場合には、それぞれ、プロペラユニット10-1,10-2,10-3,10-4と記す。
【0017】
プロペラユニット10は、図1に示すように、それぞれが個々に、プロペラ11と、プロペラ11を回転させるモーター12と、モーター12を制御するCPU(Central Processing Unit)13と、から構成される。プロペラ11は、回転することにより、ドローン1を飛行させる。モーター12及びCPU13は、いずれも、それぞれがバッテリー40と電気的に接続されており、バッテリー40から電力の供給を受けて、動作する。
【0018】
CPU13は、モーター12の動作を制御し、モーター12の動作の制御を通じてプロペラ11の回転動作を制御して、ドローン1を飛行させるための各種動作をプロペラユニット10に実施させる。このようにして、プロペラユニット10は、CPU13の制御下で、ドローン1が自律的に飛行することを可能にする。
【0019】
CPU13は、マイクロプロセッサを有する演算処理装置である。CPU13は、実施形態1では、不図示のROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とが備えられており、1つのコンピュータシステム、1つの制御ユニットを構成している。CPU13は、備えられている記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、プロペラユニット10を制御するための制御信号を、備えられている入出力インターフェース装置を介してモーター12に出力する。
【0020】
また、CPU13は、不図示の無線通信部が備えられており、プロペラユニット10は、このCPU13に備えられた無線通信部を介して、ドローン1のオペレータが操作する不図示のセンターサーバーとの間で無線で情報通信する。CPU13は、この無線通信部を介して、オペレータによりセンターサーバーからドローン1に対する動作指令を受信すると、動作指令の情報に応じて、ドローン1の各部動作を制御する。CPU13は、センターサーバーからドローン1の飛行軌道や飛行時間等の飛行に関する情報を含む飛行指令を受信すると、この飛行に関する情報に応じて、プロペラユニット10の各種動作を制御して、飛行指令に従ったドローン1の飛行を実現する。無線通信部は、実施形態1では、例えば、5G(5th Generation)、4G(4th Generation)、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution、登録商標)等の電話通信網や、赤外線、遠赤外線、及び、Bluetooth(登録商標)やWiFi(登録商標)(Wireless Fidelity)などの無線通信技術を利用して、センターサーバーと情報通信するものである。
【0021】
フレーム20は、図1に示すように、ドローン1の本体を構成しており、複数のプロペラユニット10を互いに連結し、各プロペラユニット10のドローン1における位置及び位置関係を固定している。フレーム20は、実施形態1では、平面視で概ね十字状に形成され、十字状の交差部分を概ね中央とし、当該中心に対して外周側にあたり、十字状の先端側にあたる4箇所ある端部に、4つのプロペラユニット10をそれぞれ配置しているが、本発明ではこれに限定されず、適宜形状を変更することができ、また、形状に応じて、プロペラユニット10の配置を変更することができる。
【0022】
通信ケーブル30は、それぞれのプロペラユニット10のCPU13と、他のプロペラユニット10のCPU13と、をそれぞれ互いに通信可能に接続する。通信ケーブル30は、2つのプロペラユニット10のCPU13間毎に、当該プロペラユニット10のCPU13間を互いに通信可能にするように、複数設けられている。通信ケーブル30は、実施形態1では、具体的には、プロペラユニット10-1,10-2間、プロペラユニット10-1,10-3間、プロペラユニット10-1,10-4間、プロペラユニット10-2,10-3間、プロペラユニット10-2,10-4間、プロペラユニット10-3,10-4間に、それぞれ設けられており、合計6本設けられている。
【0023】
通信ケーブル30は、実施形態1では、図1に示すように、それぞれのプロペラユニット10のCPU13を環状に接続する環状通信ケーブル31と、それぞれのプロペラユニット10のCPU13を対角線状に接続する対角線通信ケーブル32と、で構成される。環状通信ケーブル31は、プロペラユニット10-1,10-2間、プロペラユニット10-2,10-3間、プロペラユニット10-3,10-4間、及び、プロペラユニット10-1,10-4間、をそれぞれ通信可能に接続し、フレーム20の中央付近を中心とし、概ね端部付近を通過する円に沿った円弧状に形成されて配設された4本の通信ケーブル30で構成される。対角線通信ケーブル32は、プロペラユニット10-1,10-3間、及び、プロペラユニット10-2,10-4間、をそれぞれ通信可能に接続し、フレーム20の中央付近を通って直線状に配設された2本の通信ケーブル30で構成される。
【0024】
通信ケーブル30は、このように環状通信ケーブル31と対角線通信ケーブル32とで構成されるため、複数本(実施形態1では6本)の通信ケーブル30が少ない箇所に集中的に配設されずに、多くの箇所に分散して配設されるので、例えばドローン1が何らかの衝突等に巻き込まれて通信ケーブル30が断線等の故障に至ってしまう場合等に、複数本の通信ケーブル30が同時に断線等の故障に至ってしまう恐れを低減できる。
【0025】
それぞれのプロペラユニット10に備えられたCPU13は、備えられている入出力インターフェース装置及び通信ケーブル30を介して、互いに通信し合いながら、それぞれのプロペラユニット10のモーター12の動作の制御を通じてプロペラ11の回転動作を制御して、ドローン1の飛行を制御する。
【0026】
それぞれのプロペラユニット10に備えられたCPU13は、備えられている入出力インターフェース装置及び通信ケーブル30を介して、互いに所定間隔(本実施形態では、例えば、1秒)で通信し合い、互いのハングアップを監視する。ここで、ハングアップとは、通信処理が出来なくなっている状態のことをいう。
【0027】
具体的には、全てのプロペラユニット10のCPU13は、それぞれ、正常に動作している場合、所定間隔(本実施形態では、例えば、1秒)毎に、他のプロペラユニット10のCPU13のそれぞれに対し、正常に動作している旨を確認するための動作確認信号を送信し、他のプロペラユニット10のCPU13がそれぞれ送信した動作確認信号を受信する。動作確認信号は、例えば、クロック信号が使用される。
【0028】
全てのプロペラユニット10のCPU13は、それぞれ、動作確認信号を受信した先のプロペラユニット10のCPU13が正常に動作している旨を確認するとともに、動作確認信号を受信しなかった先のプロペラユニット10のCPU13との間でハングアップが起きた(可能性がある)と判定する。このようにして、全てのプロペラユニット10のCPU13は、それぞれ、他のプロペラユニット10のCPU13のそれぞれとの間で、互いのハングアップを監視する。また、全てのプロペラユニット10のCPU13は、互いに通信することにより、他のプロペラユニット10のCPU13との間でハングアップが起きた旨の情報を互いに提供する。
【0029】
全てのプロペラユニット10のCPU13は、それぞれ、ある任意の2つのプロペラユニット10のCPU13の間でハングアップが起きた旨の情報と、当該2つのプロペラユニット10のCPU13がいずれもその他の少なくとも1つのプロペラユニット10のCPU13との間でハングアップが起きていない旨の情報とに基づいて、当該2つのプロペラユニット10のCPU13の故障ではなく、当該2つのプロペラユニット10のCPU13の間を通信可能に接続する通信ケーブル30が断線等の故障をした(可能性がある)と判定する。
【0030】
全てのプロペラユニット10のCPU13は、それぞれ、ある任意の通信ケーブル30が断線等の故障をしたと判定した場合、断線等の故障をしたと判定した当該通信ケーブル30を経由せずに、残りの断線等の故障をしていない通信ケーブル30を経由して、互いに通信するように、通信経路を変更する。このように、実施形態1に係るドローン1は、一部の通信ケーブル30が断線した場合、残りの通信ケーブル30を経由して、それぞれのプロペラユニット10のCPU13が互いに通信可能である。
【0031】
また、それぞれのプロペラユニット10のCPU13は、ある任意のプロペラユニット10のCPU13がその他の全てのプロペラユニット10のCPU13との間でハングアップが起きている旨の情報に基づいて、当該プロペラユニット10のCPU13が故障した(可能性がある)と判定する。ある任意のプロペラユニット10のCPU13が故障したか否かについては、さらに当該プロペラユニット10のCPU13とセンターサーバーとの間の情報通信の状態に関する情報を取得して、この情報にも基づいて判定しても良い。実施形態1に係るドローン1は、ある任意のプロペラユニット10のCPU13が故障したと判定した場合、故障したと判定したCPU13を備えるプロペラユニット10を除く残りのプロペラユニット10のみで、ドローン1を制御するように、制御系統を変更する。
【0032】
バッテリー40は、実施形態1では、図1に示すように、1つのみ、フレーム20の中央部分に配設されている。バッテリー40は、ドローン1に配置されている全てのプロペラユニット10のモーター12及びCPU13と電気的に接続されており、ドローン1に配置されている全てのプロペラユニット10のモーター12及びCPU13に電力を供給する。
【0033】
ドローン1がさらに備えるセンサは、例えば、ドローン1の位置情報を取得するGPS(Global Positioning System)受信機等や、ドローン1の角速度情報を取得するジャイロセンサ、ドローン1の加速度情報を取得する加速度センサ、ドローン1の方位角情報を取得する方位角センサ等である。このようなセンサは、いずれも、例えばフレーム20の中央領域に配設されており、所定間隔(本実施形態では、例えば、1秒)で、ドローン1の位置情報や角速度情報、加速度情報、方位角情報等を取得する。
【0034】
また、ドローン1が備えるセンサは、いずれも、バッテリー40と電気的に接続されており、バッテリー40から電力の供給を受けて、動作する。また、このようなセンサは、いずれも、ドローン1に配置されている全てのプロペラユニット10のCPU13と通信可能に接続されている。また、それぞれのプロペラユニット10のCPU13は、センターサーバーからドローン1が備えるセンサに対する動作指令を受信すると、当該動作指令に応じて、ドローン1が備えるセンサに対して動作指令の信号を送信し、ドローン1が備えるセンサを動作させる。それぞれのプロペラユニット10のCPU13は、ドローン1が備えるセンサから、ドローン1が備えるセンサが取得したプロペラユニット10の位置情報や角速度情報、加速度情報、方位角情報等を取得する。
【0035】
それぞれのプロペラユニット10のCPU13は、ドローン1が備えるセンサから取得したこれらの情報を、それぞれのプロペラユニット10のモーター12の動作の制御を通じてプロペラ11の回転動作を制御して、ドローン1の飛行を制御する際に使用する。また、それぞれのプロペラユニット10のCPU13は、ドローン1が備えるセンサから取得したこれらの情報を、それぞれのCPU13に備えられた記憶装置に記憶してもよいし、それぞれのCPU13に備えられた無線通信部を介してセンターサーバーに送信してもよい。
【0036】
ドローン1がさらに備える動作ユニットは、例えば、フレーム20の中央領域に配設されており、所定の動作を実施し、所定の動作に関する情報等を取得する。この動作ユニットは、バッテリー40と電気的に接続されており、バッテリー40から電力の供給を受けて、動作する。また、この動作ユニットは、ドローン1に配置されている全てのプロペラユニット10のCPU13と通信可能に接続されている。また、それぞれのプロペラユニット10のCPU13は、センターサーバーからこの動作ユニットに対する動作指令を受信すると、当該動作指令に応じて、この動作ユニットに対して動作指令の信号を送信し、この動作ユニットを動作させる。それぞれのプロペラユニット10のCPU13は、この動作ユニットから、この動作ユニットの所定の動作に関する情報等を取得する。
【0037】
この動作ユニットは、実施形態1では、例えば、ドローン1の周囲を撮像する撮像素子を備えた撮像ユニットである。この撮像素子が備える撮像素子は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)撮像素子又はCMOS(Complementary MOS)撮像素子である。この撮像ユニットの場合、所定の動作がドローン1の周囲の撮像であり、所定の動作に関する情報等が、ドローン1の周囲の画像等である。
【0038】
なお、この動作ユニットは、本発明では撮像ユニットに限定されず、ドローン1の周囲にあるものを把持する把持ユニットでもよいし、ドローン1の周囲にあるものを加工する加工ユニットでもよいし、ドローン1の周囲に所定のものを供給する供給ユニットでもよい。把持ユニットの場合、所定の動作がドローン1の周囲にあるものの把持であり、所定の動作に関する情報等が、ドローン1の周囲にあるものを把持している旨の情報等である。加工ユニットの場合、所定の動作がドローン1の周囲にあるものに対する加工であり、所定の動作に関する情報等が、ドローン1の周囲にあるものに対して加工をした旨の情報等である。供給ユニットの場合、所定の動作がドローン1の周囲に対する所定のものの供給であり、所定の動作に関する情報等が、ドローン1の周囲に対する所定のものの供給をした旨の情報等である。
【0039】
以上のような構成を有する実施形態1に係るドローン1の動作処理を説明する。図2は、図1のドローン1の動作処理の一例を説明する上面図である。図3は、図1のドローン1の動作処理の別の一例を説明する上面図である。
【0040】
実施形態1に係るドローン1は、図2に示すように、プロペラユニット10-1,10-4間に配設された、環状通信ケーブル31に含まれる1本の通信ケーブル30が断線等の故障に至ってしまった場合、プロペラユニット10-1のCPU13が、プロペラユニット10-4のCPU13との間でハングアップが起きている旨の情報を取得し、プロペラユニット10-4のCPU13が、プロペラユニット10-1のCPU13との間でハングアップが起きている旨の情報を取得し、全てのプロペラユニット10-1,10-2,10-3,10-4のCPU13が、互いに通信することにより、プロペラユニット10-1のCPU13とプロペラユニット10-4のCPU13との間でハングアップが起きた旨の情報と、その他のプロペラユニット10のCPU13間でハングアップが起きていない旨の情報とを互いに共有し、全てのプロペラユニット10-1,10-2,10-3,10-4のCPU13が、それぞれ、互いに共有した情報に基づいて、プロペラユニット10-1,10-4間を通信可能に接続する1本の通信ケーブル30が断線等の故障をしたと判定する。
【0041】
実施形態1に係るドローン1は、全てのプロペラユニット10-1,10-2,10-3,10-4のCPU13がこのようにプロペラユニット10-1,10-4間に配設された1本の通信ケーブル30が断線等の故障をしたと判定すると、プロペラユニット10-1,10-4間に配設された通信ケーブル30を経由せずに、残りの断線等の故障をしていない通信ケーブル30を経由して、互いに通信するように、通信経路を変更する。実施形態1に係るドローン1は、このようにして、一部の通信ケーブル30が断線等の故障をしても、残りの断線等の故障をしていない通信ケーブル30を経由して全てのプロペラユニット10のCPU13が互いに通信して、全てのプロペラユニット10を制御できるので、飛行し続けられる。
【0042】
実施形態1に係るドローン1は、図3に示すように、プロペラユニット10-1のCPU13が故障に至ってしまった場合、その他のプロペラユニット10-2,10-3,10-4のCPU13が、いずれもプロペラユニット10-1のCPU13との間でハングアップが起きている旨の情報を取得し、互いに通信してこの情報を共有し、この情報に基づいて、プロペラユニット10-1のCPU13が故障したと判定する。
【0043】
実施形態1に係るドローン1は、残り全てのプロペラユニット10-2,10-3,10-4のCPU13がこのようにプロペラユニット10-1のCPU13が故障したと判定すると、故障したと判定したCPU13を備えるプロペラユニット10-1を除く残りのプロペラユニット10-2,10-3,10-4のみで、ドローン1を制御するように、制御系統を変更する。実施形態1に係るドローン1は、このようにして、一部のプロペラユニット10-1のCPU13が、異常が発生する等して故障しても、残りのプロペラユニット10-2,10-3,10-4のCPU13が互いに通信して、残りのプロペラユニット10-2,10-3,10-4のみでドローン1を制御できるので、飛行し続けられる。
【0044】
以上のような構成を有する実施形態1に係るドローン1は、プロペラ11と、プロペラ11を回転させるモーター12と、モーター12を制御するCPU13と、を備えるプロペラユニット10が複数備えられ、それぞれのプロペラユニット10のCPU13とその他のそれぞれのプロペラユニット10のCPU13とが複数の通信ケーブル30により互いに通信可能に接続されているので、ドローン1の一部が故障しても飛行し続けられるという作用効果を奏する。
【0045】
また、実施形態1に係るドローン1は、通信ケーブル30が、それぞれのCPU13を環状に接続する環状通信ケーブル31と、それぞれのCPU13を対角線状に接続する対角線通信ケーブル32と、で構成されるので、複数本の通信ケーブル30が多くの箇所に分散して配設されるため、複数本の通信ケーブル30が同時に断線等の故障に至ってしまう恐れを低減できる。
【0046】
また、実施形態1に係るドローン1は、一部の通信ケーブル30が断線した場合、残りの通信ケーブル30を経由して、それぞれのCPU13が通信可能であり、また、一部のプロペラユニット10のCPU13が故障した場合、残りのプロペラユニット10のみでドローン1を制御するので、ドローン1の一部の通信ケーブル30やプロペラユニット10のCPU13が故障しても飛行の継続や着陸などを含む飛行の制御ができるという作用効果を奏する。
【0047】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2に係るドローン1-2を説明する。図4は、実施形態2に係るドローン1-2の構成例を示す上面図である。なお、図4は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0048】
実施形態2に係るドローン1-2は、図4に示すように、実施形態1に係るドローン1において、1つのバッテリー40に代えて、プロペラユニット10毎に備えられたバッテリー14に変更され、さらに、それぞれのプロペラユニット10のバッテリー14とその他のそれぞれのプロペラユニット10のバッテリー14とを互いに電力供給可能に接続する複数の電力供給ケーブル50を備えるように変更されたものである。
【0049】
実施形態2に係るドローン1-2のプロペラユニット10は、図4に示すように、実施形態1に係るドローン1のプロペラユニット10において、さらにモーター12とCPU13とに電力を供給するバッテリー14をさらに含んで構成されるように変更されたものである。バッテリー14は、当該バッテリー14が備えられたプロペラユニット10のモーター12及びCPU13に電力供給可能に接続されて設けられている。
【0050】
電力供給ケーブル50は、それぞれのプロペラユニット10のバッテリー14と、他のプロペラユニット10のバッテリー14と、をそれぞれ互いに電力供給可能に接続する。電力供給ケーブル50は、2つのプロペラユニット10のバッテリー14間毎に、当該プロペラユニット10のバッテリー14間を互いに電力供給可能に接続にするように、複数設けられている。電力供給ケーブル50は、いずれも、一対一組の2本の電線を有し、一対一組の2本の電線で、2つのプロペラユニット10のバッテリー14の正極同士及び負極同士を互いに接続することにより、2つのプロペラユニット10のバッテリー14を互いに並列に接続する。電力供給ケーブル50は、実施形態2では、具体的には、プロペラユニット10-1,10-2間、プロペラユニット10-1,10-3間、プロペラユニット10-1,10-4間、プロペラユニット10-2,10-3間、プロペラユニット10-2,10-4間、プロペラユニット10-3,10-4間に、それぞれ設けられており、合計6組設けられている。
【0051】
電力供給ケーブル50は、通信ケーブル30と同様に、実施形態2では、図4に示すように、それぞれのプロペラユニット10のバッテリー14を環状に接続する環状電力供給ケーブル51と、それぞれのプロペラユニット10のバッテリー14を対角線状に接続する対角線電力供給ケーブル52と、で構成される。環状電力供給ケーブル51は、プロペラユニット10-1,10-2間、プロペラユニット10-2,10-3間、プロペラユニット10-3,10-4間、及び、プロペラユニット10-1,10-4間、をそれぞれ電力供給可能に接続し、フレーム20の中央付近を中心とし、概ね端部付近を通過する円に沿った円弧状に形成されて配設された4組の電力供給ケーブル50で構成される。対角線電力供給ケーブル52は、プロペラユニット10-1,10-3間、及び、プロペラユニット10-2,10-4間、をそれぞれ通信可能に接続し、フレーム20の中央付近を通って直線状に配設された2組の電力供給ケーブル50で構成される。
【0052】
電力供給ケーブル50は、このように環状電力供給ケーブル51と対角線電力供給ケーブル52とで構成されるため、複数組(実施形態1では6組)の電力供給ケーブル50が少ない箇所に集中的に配設されずに、多くの箇所に分散して配設されるので、例えばドローン1が何らかの衝突等に巻き込まれて電力供給ケーブル50が断線等の故障に至ってしまう場合等に、複数組の電力供給ケーブル50が同時に断線等の故障に至ってしまう恐れを低減できる。
【0053】
以上のような構成を有する実施形態2に係るドローン1-2の動作処理を説明する。実施形態2に係るドローン1-2は、いずれかのプロペラユニット10のバッテリー14の電圧が低下した場合、当該プロペラユニット10のバッテリー14は、その他のプロペラユニット10のバッテリー14から電力供給ケーブル50を通して電力の供給を受ける。実施形態2に係るドローン1-2は、このようにして、一部のバッテリー14の電圧が低下しても、当該バッテリー14が備えられたプロペラユニット10のモーター12及びCPU13が、残りのバッテリー14から電力供給ケーブル50を通して電力の供給を受けられるため、電圧が低下したバッテリー14が備えられたプロペラユニット10を停止させずに制御を続けることができるので、このプロペラユニット10も含めて、好適に飛行の継続や着陸などを含む飛行の制御ができる。
【0054】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0055】
1,1-2 ドローン
10,10-1,10-2,10-3,10-4 プロペラユニット
11 プロペラ
12 モーター
13 CPU
14,40 バッテリー
20 フレーム
30 通信ケーブル
31 環状通信ケーブル
32 対角線通信ケーブル
50 電力供給ケーブル
図1
図2
図3
図4