(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165965
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】駆動伝達装置、シート搬送装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 5/06 20060101AFI20241121BHJP
B65H 29/58 20060101ALI20241121BHJP
B65H 9/14 20060101ALI20241121BHJP
B65H 3/06 20060101ALI20241121BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20241121BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B65H5/06 L
B65H29/58 B
B65H9/14
B65H3/06 350C
G03G15/00 448
G03G21/16 195
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082593
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】清水 真也
【テーマコード(参考)】
2H072
2H171
3F049
3F053
3F102
3F343
【Fターム(参考)】
2H072CA01
2H072CB03
2H072JA02
2H072JA08
2H171FA04
2H171FA22
2H171GA01
2H171LA03
2H171LA18
2H171QA03
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB03
2H171QB15
2H171QB32
2H171QC36
2H171SA11
2H171SA14
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
3F049AA10
3F049DA12
3F049EA01
3F049EA24
3F049LA01
3F049LB03
3F053BA03
3F053BA13
3F053BA19
3F053LA01
3F053LB03
3F102AA01
3F102AB01
3F102BB02
3F102DA08
3F102EA03
3F102EC07
3F102FA08
3F343FA01
3F343FB01
3F343FC00
3F343HB02
3F343LC25
3F343LD21
3F343MC08
(57)【要約】
【課題】異常画像の発生を抑制できる駆動伝達装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】駆動源たる搬送モータ101から中継搬送ローラ24までの駆動伝達経路に駆動伝達を遮断する駆動伝達遮断手段たる中継電磁クラッチ141が設けられている。手差し中継搬送路に配置された第二手差し中継搬送ローラ23b、第三手差し中継搬送ローラ23c、反転搬送路30に配置された反転搬送ローラ31には、中継電磁クラッチ141を介して搬送モータ101の駆動力が伝達される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送する複数の搬送ローラへ駆動源の駆動力を伝達する駆動伝達装置において、
複数の搬送ローラには、レジストローラの手前に配置され、少なくとも給紙カセットから給紙されたシートを前記レジストローラへ向けて搬送する中継搬送ローラと、手差しトレイから給紙されたシートを、前記給紙カセットのシートが搬送される搬送経路に合流する合流地点まで搬送する手差し中継経路に配置された手差し中継搬送ローラとが含まれ、
前記駆動源から前記中継搬送ローラまでの駆動伝達経路に駆動伝達を遮断する駆動伝達遮断手段が設けられており、
前記手差し中継搬送ローラには、前記駆動伝達遮断手段を介して前記駆動源の駆動力が伝達されることを特徴とする駆動伝達装置。
【請求項2】
請求項1に記載の駆動伝達装置において、
前記複数の搬送ローラには、更に、スイッチバック搬送されてきた定着装置を抜けたシートを再度、前記レジストローラへ搬送する反転搬送路に配置された反転搬送ローラを含み、
前記駆動伝達遮断手段を介して、前記反転搬送ローラに前記駆動源の駆動力が伝達されることを特徴とする駆動伝達装置。
【請求項3】
請求項2に記載の駆動伝達装置において、
前記複数の搬送ローラには、前記給紙カセットのシートを給紙する給紙部のローラ、前記手差しトレイのシートを給紙する手差し給紙部のローラ、および、前記レジストローラを更に含むことを特徴とする駆動伝達装置。
【請求項4】
給紙カセットのシートを給紙する給紙部と、
手差しトレイのシートを給紙する手差し給紙部と、
レジストローラと、
前記レジストローラの手前に配置され、少なくとも前記給紙カセットから給紙されたシートを前記レジストローラへ向けて搬送する中継搬送ローラと、
前記手差しトレイから給紙されたシートを前記給紙カセットのシートが搬送される搬送経路に合流する合流地点まで搬送する手差し中継経路に配置された手差し中継搬送ローラとを備えたシート搬送装置において、
少なくとも前記中継搬送ローラと前記手差し中継搬送ローラとに駆動源の駆動力を伝達する駆動伝達装置として、請求項1に記載の駆動伝達装置を用いたことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項5】
シート搬送装置によりシート搬送しながら、前記シートに画像を形成する画像形成装置において、
前記シート搬送装置として、請求項4に記載のシート搬送装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置において、
潜像担持体に潜像を書き込む潜像書込手段の真下に前記手差し中継経路が配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動伝達装置、シート搬送装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シートを搬送する複数の搬送ローラへ駆動源の駆動力を伝達する駆動伝達装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、上記駆動伝達装置として、搬送ローラとしてレジストローラと、レジストローラの手前に配置された搬送ローラとしての中継搬送ローラとに駆動源たる駆動モータの駆動力を伝達する駆動伝達装置を備える画像形成装置が記載されている。駆動伝達装置は、レジストローラへモータの駆動力を伝達する駆動伝達経路と、中継搬送ローラへモータの駆動力を伝達する駆動伝達経路とにそれぞれ駆動伝達遮断手段たる電磁クラッチが設けられている。レジストローラの電磁クラッチはOFFにし、中継搬送ローラの電磁クラッチはONにして、給紙を開始する。シートの先端がレジストローラに突き当たり、シートが所定量撓んだら、中継搬送ローラの電磁クラッチをOFFにする。そして、シート搬送再開タイミングになると、レジストローラの電磁クラッチと、中継搬送ローラの電磁クラッチとをONにして、シートの搬送を再開する。
【0004】
また、特許文献1に記載の画像形成装置には、給紙カセットと、手差しトレイとを備え、手差しトレイにセットされたシートは、手差し給紙ローラにより給紙された後、手差し中継搬送路を搬送され、中継搬送ローラの手前で、給紙カセットのシートが搬送されるシート搬送経路に合流する。そして、手差し中継搬送路には、手差し中継搬送ローラとしての捌きローラが配設されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電磁クラッチなどの駆動伝達遮断手段の駆動伝達遮断時の衝撃による異常画像の発生数が多かった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、シートを搬送する複数の搬送ローラへ駆動源の駆動力を伝達する駆動伝達装置において、複数の搬送ローラには、レジストローラの手前に配置され、少なくとも給紙カセットから給紙されたシートをレジストローラへ向けて搬送する中継搬送ローラと、手差しトレイから給紙されたシートを、前記給紙カセットのシートが搬送される搬送経路に合流する合流地点まで搬送する手差し中継経路に配置された手差し中継搬送ローラとが含まれ、前記駆動源から前記中継搬送ローラまでの駆動伝達経路に駆動伝達を遮断する駆動伝達遮断手段が設けられており、前記手差し中継搬送ローラには、前記駆動伝達遮断手段を介して前記駆動源の駆動力が伝達されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、異常画像の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】駆動装置の中継搬送ローラ、手差し中継搬送ローラおよび反転搬送ローラに駆動力を伝達する駆動列を示す概略構成図。
【
図4】駆動装置の給紙部の各搬送ローラに駆動力を伝達する駆動列を示す概略構成図。
【
図5】駆動装置の手差し給紙ローラおよび第一手差し中継搬送ローラに駆動力を伝達する駆動列を示す概略図。
【
図6】駆動装置のレジストローラに駆動力を伝達する駆動列を示す概略図。
【
図7】駆動装置の中継搬送ローラに駆動力を伝達する駆動列を示す概略図。
【
図8】駆動装置の手差し中継搬送ローラに駆動力を伝達する駆動列を示す概略図。
【
図9】駆動装置の反転搬送ローラに駆動力を伝達する駆動列を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものである。以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
【0010】
本発明が適用されるカラー画像形成装置の一例を
図1に基づき説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置は、潜像担持体としての複数、4つのドラム状をした感光体10Y、10C、10M、10Kをタンデム配列したフルカラー画像形成装置である。これら感光体は画像形成手段たる各作像ユニット7Y、7C、7M、7Kの一部として構成されている。これら作像ユニット7Y、7C、7M、7Kは順に、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に対応し、これらの色の画像をつくる。
【0011】
図1の画像形成装置のタイプでは、5つの支持ローラ15a、15b、15c、15d,15eに支持されて回転する表面移動部材としての中間転写ベルト14を有している。この中間転写ベルト14の下側の張設ラインに沿って、矢印で示す該中間転写ベルト14の移動方向順に、上流側から、上記作像ユニット7Y、7C、7M、7Kが間隔をおいて配置されている。
【0012】
フルカラー画像の形成に際しては、これら作像ユニット7Y、7C、7M、7Kに設けられた感光体10Y、10C、10M、10Kに後述するように、各色のトナー画像が形成される。次に、これら異なる色のトナー画像は、中間転写ベルト14を間にして各感光体に対向して配置されている転写手段としての一次転写ローラ16の機能により中間転写ベルト14の移動とともに、中間転写ベルト14上に順次重ね転写される。詳しくは、中間転写ベルト14上の一次転写ローラ16が接している箇所は転写位置といい、この転写位置で転写が行なわれる。
【0013】
4つの重ね転写トナー像はシートPに、支持ローラ15aと二次転写ローラ9とのニップ部で一括転写され、定着装置6の定着対ローラ間を通紙したのち、搬送ローラを経て、排紙ローラ26より排紙トレイ19上に排紙される。こうして、シート上にフルカラー画像を得る。
【0014】
なお、中間転写ベルト14は、黒画像1色形成モードに適合させるために、感光体10Kについては一次転写ローラ16により常時接触させる構成であり、他の感光体については、可動のテンションローラの機能により中間転写ベルト14が接離する構成としている。
【0015】
画像形成装置本体の下部には、出力画像が記録されるシートPを複数枚重ねて収容する給紙カセット5、給紙カセット5のシートPを給紙する給紙部40が設けられている。給紙部40は、給紙カセット5に積載されたシートに対して接離可能に支持されたピックアップローラ41と、ピックアップローラ41により送られてきた複数のシートを分離して最上位のシートのみを給送する分離ローラ対42とを備えている。分離ローラ対42は、フィードローラ42aとリバースローラ42bとからなる。フィードローラ42aは、後述する駆動モータの駆動力が伝達され、分離ローラ対42の分離ニップにおいて、シート給送方向に表面移動するように回転駆動する。一方、リバースローラ42bは、トルクリミッタを介して駆動モータの駆動力が伝達されて、分離ニップにおいて、シートを給紙カセットへ戻す方向に表面移動するように回転駆動する。
【0016】
分離ニップに1枚のシートが挟持されたときや、シートが挟持されていないときは、リバースローラ42bにかかる回転負荷が比較的大きい。従って、このときは、リバースローラ42bに係るトルクが規定値以上となり、トルクリミッタは、モータからの駆動力を遮断する。よって、リバースローラ42bはトルクリミッタに対して空転しフィードローラ42aに連れ回る。
【0017】
一方、分離ニップに複数枚の用紙が挟持されたときは、シート同士のすべりでリバースローラ42bにかかる回転負荷が比較的小さい。従って、このときは、リバースローラ42bに係るトルクが規定値未満となり、トルクリミッタは、モータからの駆動力をリバースローラ42bに伝達する。これにより、リバースローラ42bは、モータからの駆動力により分離ニップにおいて、シートを給紙カセットへ戻す方向に表面移動し、分離ニップに挟まれた複数枚のシートのうち、最上位シートを除く下方のシートを給紙カセット5へ戻す。
【0018】
分離ニップを抜けたシートは、給紙経路43に配置された中継搬送ローラ24によりレジストローラ25へむけて搬送される。
【0019】
また、画像形成本体の図中左側面には、手差しで給紙を行うための手差しトレイ21が備えられている。また、潜像書込手段たる書込装置4と給紙カセット5との間には、手差し給紙ローラ22により手差しトレイ21から給紙されたシートPを給紙経路43との合流部へ搬送する手差し中継搬送路23が設けられている。手差し中継搬送路23には、3つの手差し中継搬送ローラ23a,23b,23cが配設されている。
手差し中継搬送路23は、中継搬送ローラ24の手前で給紙経路43に合流している。
【0020】
また、画像形成装置本体の定着装置6よりも図中右側には、両面印刷時にシートPを再び二次転写ニップへ搬送するための反転搬送路30が設けられている。反転搬送路30には、反転搬送ローラ31が配置されている。
【0021】
図1において、各作像ユニット7Y、7C、7M、7Kは扱うトナーの色が異なるだけであり、機械的な構成及び作像プロセスは共通である。よって、感光体以外の各構成部材は同一の符号を付し、任意の一つの作像ユニット、例えば作像ユニット7Yについて構成及び作像のプロセスを説明する。
【0022】
作像ユニット7Yの感光体10Yの周囲には、図中、時計回りの回転方向順に、感光体10Yを帯電する帯電手段としての帯電ローラ11、光ビームLの照射位置、現像手段としての現像装置12、一次転写ローラ16、クリーニング装置13などが配置されている。
【0023】
光ビームLは、潜像書込手段たる書込装置4から出射されるもので、内部には、光源としての半導体レーザ、カップリングレンズ、fθレンズ、トロイダルレンズ、ミラー、回転多面鏡などを装備している。書込装置4は、各感光体に向けて各色用の光ビームLを出射し、感光体10Y上の書込位置に光ビームLを照射して静電潜像を形成する。
【0024】
例えば、作像ユニット7Yの現像装置12については、イエローの現像剤が収納されていて、潜像をイエロー画像で可視像化する。他の作像ユニットについても、それぞれの色の現像剤が収納されていて、その収納されている現像剤の色で潜像を可視像化する。
【0025】
画像形成に際しては、感光体10Yが回転して帯電ローラ11により一様に帯電され、書込位置でイエロー画像の情報を含む光ビームLの照射を受けて静電潜像が形成され、この潜像が現像装置を通過する間にイエロートナーにより顕像化される。
感光体10Y上のイエロートナー像は、一次転写ローラ16により中間転写ベルト14に転写される。中間転写ベルト14上の、このイエロートナー画像は、作像ユニット7Cでシアントナー画像、作像ユニット7Mでマゼンタトナー画像、作像ユニット7Kでブラックトナー画像と順次重ね転写される。これにより、フルカラートナー画像が形成される。
転写後の感光体はクリーニング装置13により残留トナーが除去された後、除電ランプにより除電されて次の画像形成に備えられる。
【0026】
シートPは、給紙カセット5、もしくは手差しトレイ21のいずれかから搬送され、レジストローラ25に到達したところで一旦停止する。そして、所定のタイミングに合せてレジストローラ25が回転してシートPを支持ローラ15aと二次転写ローラ9とのニップ部へ向けて送り出す。
【0027】
中間転写ベルト14上に重ね合わされたフルカラートナー画像は、支持ローラ15aと二次転写ローラ9とのニップ部でシートPに二次転写される。フルカラートナー画像が二次転写されたシートPは、定着装置6に向けて搬送されて定着ニップに挟み込まれる。シートP上のトナー画像は、定着ニップにて定着ローラ6aからの熱により加熱定着される。トナー画像が定着せしめられたシートPは、片面印刷の場合には、排紙ローラ26によって機外に排出される。一方、両面印刷の場合、シートPは、スイッチバックされて、反転搬送路30へ搬送されて反転され、先に画像が形成された面とは反対側の面に、上述したように画像が形成された後に機外に排出される。
【0028】
近年、マシンサイズの小型化が進んでおり、小型化を実現するために、各搬送ローラの駆動を制御する電磁クラッチなどの駆動伝達遮断手段が、書込装置4や作像ユニット7の近くに配置されることになる。駆動伝達遮断手段により駆動伝達を遮断するときに発生する衝撃により書込装置4や作像ユニット7を揺らし異常画像が発生するおそれがある。
【0029】
シートを搬送する画像形成装置の各搬送ローラにモータの駆動力を伝達する駆動伝達装置には、一般的に、以下の駆動伝達経路にそれぞれ駆動伝達遮断手段が設けられている。すなわち、給紙部40の各搬送ローラ(ピックアップローラ41、フィードローラ42aおよびリバースローラ42b)に駆動力を伝達する給紙駆動伝達経路、中継搬送ローラ24に駆動力を伝達する中継駆動伝達経路、レジストローラ25に駆動力を伝達するレジスト駆動伝達経路、排紙ローラ26に駆動力を伝達する排紙駆動伝達経路、反転搬送ローラ31に駆動力を伝達する反転駆動伝達経路、手差し給紙ローラ22に駆動力を伝達する手差し給紙駆動伝達経路、および、手差し中継搬送ローラ23a,23b,23cに駆動力を伝達する手差し中継駆動伝達経路である。
【0030】
このように、各駆動伝達経路に駆動伝達遮断手段が存在するため、その駆動伝達遮断手段の数だけ衝撃が発生し、その発生した衝撃の数だけ異常画像が発生するおそれがある。特に、本実施形態の画像形成装置は、手差し中継搬送路23が書込装置4の真下にあるため、中継駆動伝達経路に設けられた駆動伝達遮断手段の衝撃で書込装置4が大きく揺れやすく異常画像が発生しやすい。
【0031】
そこで、本実施形態では、中継搬送経路に配置された駆動伝達手段を介して、手差し中継搬送ローラ23a,23b,23cおよび反転搬送ローラ31に駆動力を伝達するようにして、手差し中継搬送路および両面駆動伝達経路の駆動伝達手段を無くした。以下、本実施形態の特徴部について、図面を用いて具体的に説明する。
【0032】
図2は、本実施形態の駆動装置100の概略構成図であり、
図2(a)は、斜視図であり、
図2(b)は、正面図である。
駆動装置100は、駆動源たる搬送モータ101を備えている。この搬送モータ101の駆動力で、給紙部40の各搬送ローラ(ピックアップローラ41、フィードローラ42aおよびリバースローラ42b)、中継搬送ローラ24、反転搬送ローラ31、手差し給紙ローラ22、および、手差し中継搬送ローラ23a,23b,23cを回転駆動する。
【0033】
駆動装置100は、搬送モータ101のモータギヤ101aから3つのギヤ102~104を介して、第一分岐ギヤ105に搬送モータ101の駆動力が伝達される。第一分岐ギヤ105には、給紙アイドラギヤ108と、レジスト中継アイドラギヤ106とが噛み合っている。給紙アイドラギヤ108には、給紙分岐ギヤ109が噛み合っており、この給紙分岐ギヤ109から手差し給紙駆動伝達経路110と、給紙駆動伝達経路160とに分岐している。
【0034】
レジスト中継アイドラギヤ106には、レジスト中継分岐ギヤ107が噛み合っている。そして、このレジスト中継分岐ギヤ107からレジスト駆動伝達経路130と、中継駆動伝達経路140とに分岐している。具体的には、レジスト中継分岐ギヤ107には、レジスト駆動伝達経路130のレジスト電磁クラッチ131のクラッチギヤと、中継駆動伝達経路140の中継電磁クラッチ141のクラッチギヤ141a(
図10参照)とが噛み合っている。
【0035】
図3は、駆動装置100の中継搬送ローラ24、手差し中継搬送ローラ23b,23cおよび反転搬送ローラ31に駆動力を伝達する駆動列を示す概略構成図である。
図3(a)は、斜視図であり、
図3(b)は、正面図である。
図3に示すように、中継電磁クラッチ141が取り付けられた回転軸には、中継駆動伝達経路140の第一中継ギヤ142が取り付けられている。この第一中継ギヤ142には、手差し中継反転分岐ギヤ144が噛み合っている。この手差し中継反転分岐ギヤ144から手差し中継駆動伝達経路120と、反転駆動伝達経路150とに分岐し、手差し中継搬送ローラ23b,23cと、反転搬送ローラ31とに搬送モータ101の駆動力を伝達する。
【0036】
図4は、駆動装置100の給紙部40の各搬送ローラ(ピックアップローラ41、フィードローラ42aおよびリバースローラ42b)に駆動力を伝達する駆動列を示す概略構成図である。
図4(a)は斜視図であり、
図4(b)は、正面図である。
給紙部40の各搬送ローラ(ピックアップローラ41、フィードローラ42aおよびリバースローラ42b)には、給紙分岐ギヤ109から給紙駆動伝達経路160を介して搬送モータ101の駆動力が伝達される。
【0037】
給紙駆動伝達経路160は、駆動伝達遮断手段としての給紙電磁クラッチ161と、第一給紙ギヤ162と、第二給紙ギヤ163とを有している。給紙電磁クラッチ161のクラッチギヤが、給紙分岐ギヤ109に噛み合っている。第一給紙ギヤ162は、給紙電磁クラッチ161が取り付けられた回転軸に取り付けられている。第二給紙ギヤ163は、フィードローラ42aの軸の一端に取り付けられ、第一給紙ギヤ162に噛み合っている。
【0038】
フィードローラ42aの軸には、ピックアップローラ41に駆動力を伝達するためのピックアップ第一ギヤと、リバースローラ42b(
図1参照)の軸に取り付けられたトルクリミッタへ駆動力を伝達するリバースギヤ168とが取り付けられている。ピックアップ第一ギヤ165からピックアップアイドラギヤ166を介して搬送モータ101の駆動力が、ピックアップローラ41の軸に取り付けられたピックアップ第二ギヤ167に伝達され、ピックアップローラ41が回転駆動する。
【0039】
給紙カセット5からシートを給紙するときは、給紙電磁クラッチ161をONにする。これにより、第一給紙ギヤ162へ搬送モータ101の駆動力が伝達され、給紙部40の各搬送ローラ(ピックアップローラ41、フィードローラ42aおよびリバースローラ42b)を回転駆動する。これにより、給紙カセット5のシートが給紙される。一方、手差しトレイ21からシートを給紙するときは、給紙電磁クラッチ161をOFFにして第一給紙ギヤ162への駆動伝達を遮断する。
【0040】
図5は、駆動装置100の手差し給紙ローラ22および3つの手差し中継搬送ローラ23a,23b,23cうち、シート搬送方向最上流の第一手差し中継搬送ローラ23aに駆動力を伝達する駆動列を示す概略図である。
図4(a)は、斜視図であり、
図5(b)は、正面図である。
手差し給紙ローラ22と第一手差し中継搬送ローラ23aは、給紙分岐ギヤ109から手差し給紙駆動伝達経路110を介して搬送モータ101の駆動力が伝達されて回転駆動する。
【0041】
手差し給紙駆動伝達経路110は、手差し給紙段ギヤ111、手差し給紙アイドラギヤ112、手差し給紙出力ギヤ113、第一手差し給紙タイミングベルト114、第二手差し給紙タイミングベルト115、駆動伝達遮断手段としてのソレノイドクラッチ機構170等を有している。
【0042】
手差し給紙段ギヤ111の大径ギヤ部は、給紙分岐ギヤ109に噛み合っており、手差し給紙段ギヤ111の小径ギヤ部には、手差し給紙アイドラギヤ112が噛み合っている。この手差し給紙アイドラギヤ112には、第一手差し給紙タイミングベルト114が巻き掛けられた第一手差し給紙プーリ114aと同軸上に配置された手差し給紙出力ギヤ113が噛み合っている。
【0043】
第一手差し給紙タイミングベルト114は、第一手差し給紙プーリ114aと中継プーリ117とに張架されている。中継プーリ117には、第二手差し給紙タイミングベルト115が巻き掛けられており、第二手差し給紙タイミングベルト115は、中継プーリ117と第二手差し給紙プーリとに張架されている。
【0044】
第一手差し中継搬送ローラ23aの軸端部には、第一手差し中継入力ギヤ119が取り付けられており、第一手差し中継入力ギヤ119は、第二手差し給紙プーリと同軸上に配置された第一手差し中継出力ギヤに噛み合っている。
【0045】
駆動伝達遮断手段としてのソレノイドクラッチ機構170は、ソレノイド171と、揺動自在に支持されたストッパ172と、ストッパギヤ173と、ワンウェイギヤ174とを有している。
【0046】
ワンウェイギヤ174は、第二手差し給紙プーリと一体回転する軸に設けられている。ストッパ172の一端には、ストッパギヤ173の歯の間に入り込んでストッパギヤ173の回転を規制する規制部を有している。ストッパギヤ173は、ワンウェイギヤ174と噛み合っている。ソレノイド171がOFFのときは、ストッパ172の規制部がストッパギヤ173の歯の間に入り込んでストッパギヤ173の回転を規制する。このとき、ストッパギヤ173に噛み合っているワンウェイギヤ174の回転も規制され、ワンウェイギヤ174が、第二手差し給紙プーリと一体回転する軸に対して空回りする。これにより、搬送モータ101の駆動力が遮断される。例えば、トルクリミッタを用いることで、ストッパギヤ173の回転を規制しているときに、第二手差し給紙プーリと一体回転する軸に対してワンウェイギヤ174を空回りさせることができる。
【0047】
手差し給紙トレイ上のシートを給紙するときは、ソレノイド171をONとすることで、ストッパ172が揺動し、ストッパ172の一端の規制部がストッパギヤ173の歯の間から離間する。これにより、ストッパギヤ173が回転駆動可能となる。すると、ワンウェイギヤ174が、第二手差し給紙プーリと一体回転する軸とともに回転駆動し、ワンウェイギヤ174およびストッパギヤ173が回転駆動する。ストッパギヤ173が回転駆動することで、手差し給紙アイドラギヤ118を介して、手差し給紙ローラ22の軸の一端に取り付けられた手差し給紙入力ギヤ22aに駆動力が伝達され、手差し給紙ローラ22が回転駆動する。これにより、手差し給紙ローラ22により手差しトレイ21のシートが給紙される。
【0048】
シートの後端が手差し給紙ローラ22を抜けるタイミングで、ソレノイド171をOFFとし、ストッパ172の規制部をストッパギヤ173の歯の間に入り込ませることで、ストッパギヤ173の回転が規制される。これにより、手差し給紙ローラ22への駆動伝達が遮断され、手差し給紙ローラ22の回転駆動が停止する。
【0049】
なお、ソレノイド171をOFFとし、手差し給紙ローラ22への駆動伝達が遮断された状態のときも、第一手差し中継搬送ローラ23aへの駆動伝達は、遮断されず、第一手差し中継搬送ローラ23aは、回転駆動を続ける。ソレノイド171をOFFとし、手差し給紙ローラ22への駆動伝達が遮断されたときは、シートの後端は、第一手差し中継搬送ローラ23aを抜けていない。よって、手差し給紙ローラ22への駆動伝達が遮断された状態のときも第一手差し中継搬送ローラ23aは、回転駆動を続けることで、手差しトレイ21から給紙されたシートを良好に搬送することができる。
【0050】
また、本実施形態では、第一手差し中継搬送ローラ23aへの駆動伝達経路には、電磁クラッチなどの駆動伝達遮断手段がなく、搬送モータ101の駆動が停止するまで第一手差し中継搬送ローラ23aは回転駆動する。しかし、本実施形態は、
図1に示すように、手差し中継搬送路23が長い。そのため、装置が搬送可能な最大のサイズのシートを手差しトレイ21から給紙し、その最大サイズのシートがレジストローラ25により一時停止したとき、シートの後端は、第一手差し中継搬送ローラ23aを抜けている。そのため、第一手差し中継搬送ローラ23aが、常に回転駆動している状態であっても搬送に影響を及ぼすことはない。
【0051】
図6は、駆動装置100のレジストローラ25に駆動力を伝達する駆動列を示す概略図である。
図6(a)は、斜視図であり、
図6(b)は、正面図である。
レジスト中継分岐ギヤ107から搬送モータ101の駆動力をレジストローラ25へ伝達するレジスト駆動伝達経路130には、レジスト電磁クラッチ131と、第一レジストギヤ132と、第二レジストギヤ133とを有している。
【0052】
レジスト電磁クラッチ131のクラッチギヤが、レジスト中継分岐ギヤ107に噛み合っている。第一レジストギヤ132は、レジスト電磁クラッチ131が取り付けられた回転軸に取り付けられている。第二レジストギヤ133は、レジストローラ25の軸の一端に取り付けられ、第一レジストギヤ132に噛み合っている。
【0053】
給紙開始時は、レジスト電磁クラッチ131は、OFFでありレジストローラ25への搬送モータ101の駆動伝達を遮断しており、レジストローラ25は停止している。シートの先端がレジストローラ25に突き当たった後、所定のタイミングでレジスト電磁クラッチ131をONにする。これにより、搬送モータ101の駆動力が、第一レジストギヤ132から第二レジストギヤ133に伝達され、レジストローラ25が回転駆動する。そして、シートの後端がレジストローラ25を抜けたタイミングでレジスト電磁クラッチ131をOFFにし、レジストローラ25の回転を停止し、次のシートを待つ。
【0054】
図7は、駆動装置100の中継搬送ローラ24に駆動力を伝達する駆動列を示す概略図である。
図7(a)は、斜視図であり、
図7(b)は、正面図である。
レジスト中継分岐ギヤ107から搬送モータ101の駆動力を中継搬送ローラ24へ伝達する中継駆動伝達経路140には、駆動伝達遮断手段たる中継電磁クラッチ141と、第一中継ギヤ142と、第二中継ギヤ143とを有している。
【0055】
中継電磁クラッチ141のクラッチギヤが、レジスト中継分岐ギヤ107に噛み合っている。第一中継ギヤ142は、中継電磁クラッチ141が取り付けられた回転軸に取り付けられている。第二中継ギヤ143は、中継搬送ローラ24の軸の一端に取り付けられ、第一中継ギヤ142に噛み合っている。
【0056】
給紙開始時は、中継電磁クラッチ141をONにし、搬送モータ101の駆動力を、第一中継ギヤ142から第二中継ギヤ143に伝達し中継搬送ローラ24を回転駆動する。そして、給紙されたシートの先端が停止しているレジストローラ25に突き当たり、シートが所定量撓んでスキュー補正がなされたら、中継電磁クラッチ141をOFFにして駆動伝達を遮断して中継搬送ローラ24の回転駆動を停止する。そして、レジスト電磁クラッチ131のONにするタイミングと同時または少し遅れたタイミングで中継電磁クラッチ141をONとし、中継搬送ローラ24の回転駆動を開始し、シートの搬送を再開する。
【0057】
図8は、駆動装置100の手差し中継搬送ローラ23b,23cに駆動力を伝達する駆動列を示す概略図である。
図8(a)は、斜視図であり、
図8(b)は、正面図である。
第一中継ギヤ142に噛み合う手差し中継反転分岐ギヤ144から搬送モータ101の駆動力を第二手差し中継搬送ローラ23bと第三手差し中継搬送ローラ23cへ伝達する手差し中継駆動伝達経路120は、手差し中継アイドラギヤ121、手差し中継段ギヤ122、手差し中継出力ギヤ123、第一手差し中継タイミングベルト124、第二手差し中継タイミングベルト126等を有している。
【0058】
手差し中継アイドラギヤ121は、手差し中継反転分岐ギヤ144と、手差し中継段ギヤ122の小径ギヤ部とに噛み合っている。手差し中継段ギヤ122の大径ギヤ部は、第一手差し中継タイミングベルト124が巻き掛けられた第一手差し中継プーリ124aと同軸上に配置された手差し中継出力ギヤ123が噛み合っている。
【0059】
第一手差し中継タイミングベルト124は、第一手差し中継プーリ124aと中継プーリ125aとに張架されている。中継プーリ125aには、第二手差し中継タイミングベルト126が巻き掛けられており、第二手差し中継タイミングベルト126は、中継プーリ125aと第二手差し中継プーリ126bとに張架されている。
【0060】
中継プーリ125aと同軸上には、中継プーリ125aと一体回転する第一出力ギヤ125bが設けられており、第一出力ギヤ125bには、第三手差し中継搬送ローラ23cの軸の一端に設けられた第一入力ギヤ128が噛み合っている。
【0061】
また、第二手差し中継プーリ126bと同軸上には、第二手差し中継プーリ126bと一体回転する第二出力ギヤ127が設けられており、第二出力ギヤ127には、第二手差し中継搬送ローラ23bの軸の一端に設けられた第二入力ギヤ129が噛み合っている。
【0062】
図8に示すように、第二手差し中継搬送ローラ23bおよび第三手差し中継搬送ローラ23cは、中継電磁クラッチ141を介して搬送モータ101の駆動力が伝達される。そのため、中継電磁クラッチ141のON/OFFにより第二手差し中継搬送ローラ23bおよび第三手差し中継搬送ローラ23cは回転駆動する。
【0063】
上述したように、中継電磁クラッチ141は、給紙開始時はONであり、搬送モータ101の駆動力が第一中継ギヤ142、手差し中継反転分岐ギヤ144および手差し中継駆動伝達経路120を介して、第二手差し中継搬送ローラ23bおよび第三手差し中継搬送ローラ23cに伝達される。これにより、給紙開始時は、第二手差し中継搬送ローラ23bおよび第三手差し中継搬送ローラ23cは、回転駆動する。よって、手差しトレイ21から給紙されたシートを第二手差し中継搬送ローラ23bおよび第三手差し中継搬送ローラ23cによりレジストローラ25へ向けて搬送することができる。
【0064】
上述したように、中継電磁クラッチ141は、シートの先端がレジストローラ25に突き当たり、シートが所定量撓んでスキュー補正がなされたらOFFにし、駆動伝達遮断する。そのため、第二手差し中継搬送ローラ23bおよび第三手差し中継搬送ローラ23cは、中継搬送ローラ24と同時に回転駆動が停止する。よって、第二手差し中継搬送ローラ23bや第三手差し中継搬送ローラ23cを抜けていないシートの後端側が搬送されることがない。その結果、ジャムなどが発生することがない。
【0065】
そして、上述したように、レジスト電磁クラッチ131のONにするタイミングと同時または少し遅れたタイミングで中継電磁クラッチ141をONとし、中継搬送ローラ24の回転駆動開始と同時に、第二手差し中継搬送ローラ23bおよび第三手差し中継搬送ローラ23cは回転駆動する。これにより、第二手差し中継搬送ローラ23bや第三手差し中継搬送ローラ23cによりシートの後端側が搬送される。
【0066】
給紙カセット5からシートを給紙するときも、第二手差し中継搬送ローラ23bおよび第三手差し中継搬送ローラ23cは回転駆動するが、シートの搬送に影響を及ぼすことはない。
【0067】
このように、本実施形態では、中継電磁クラッチ141を介して第二手差し中継搬送ローラ23bおよび第三手差し中継搬送ローラ23cへ搬送モータ101の駆動力を伝達することで、手差し中継駆動伝達経路120に駆動伝達遮断手段を設けずに、問題なくシートを搬送することができる。よって、手差し中継伝達経路に駆動伝達遮断手段を設けるものに比べて、駆動伝達遮断手段の数を減らすことができ、衝撃発生数を低減することができ、異常画像の発生数を低減できる。特に、書込装置4の近傍に位置する手差し中継駆動伝達経路120に駆動伝達遮断手段が無いことで、書込装置4の揺れの発生を良好に抑制でき、異常画像を抑制できる。また、電磁クラッチなどの高価な駆動伝達遮断手段の数を減らすことができので、装置のコストダウンを図ることができる。
【0068】
図9は、駆動装置100の反転搬送ローラ31に駆動力を伝達する駆動列を示す概略図である。
図9(a)は、斜視図であり、
図9(b)は、正面図である。
第一中継ギヤ142に噛み合う手差し中継反転分岐ギヤ144から搬送モータ101の駆動力を反転搬送ローラ31へ伝達する反転駆動伝達経路150も、手差し中継駆動伝達経路120と同様に、電磁クラッチなどの駆動伝達遮断手段を有していない構成である。
【0069】
反転駆動伝達経路150は、第一反転アイドラギヤ151、反転段ギヤ152、第二反転アイドラギヤ153、反転出力ギヤ154、反転タイミングベルト155等を有している。
【0070】
第一反転アイドラギヤ151は、手差し中継反転分岐ギヤ144と、反転段ギヤ152の小径ギヤ部とに噛み合っている。反転段ギヤ152の大径ギヤ部は、第二反転アイドラギヤ153に噛み合っており、第二反転アイドラギヤ153は、反転出力ギヤ154に噛み合っている。
【0071】
反転タイミングベルト155は、反転出力ギヤ154が取り付けられた回転軸に取り付けられた第一反転プーリ155aと、反転搬送ローラ31の軸の一端に取り付けられた第二反転プーリ155bとに張架されている。
【0072】
反転搬送ローラ31も、中継電磁クラッチ141を介して搬送モータ101の駆動力が伝達されるため、中継電磁クラッチ141のON/OFFにより反転搬送ローラ31は回転駆動する。
【0073】
上述したように、給紙開始からシートの先端がレジストローラに突き当たりスキューが補正されるまでの間、中継電磁クラッチ141はONであるため、その間、反転搬送ローラ31は回転駆動する。給紙開始からスキュー補正が完了するまでの間は、反転搬送ローラ31にシートがくることがないため、スキュー補正完了と同時に反転搬送ローラ31の回転駆動が停止してもシートの搬送に影響が生じることがない。
【0074】
その後、レジスト電磁クラッチ131をONにするタイミングと同時または少し遅れたタイミングで中継電磁クラッチ141をONとしシートの搬送を再開する。そして、片面印刷の場合は、シートの後端が中継搬送ローラ24を抜けたら、中継電磁クラッチをOFFにする。一方、両面印刷の場合は、シートの後端が中継搬送ローラ24を抜けた後も中継電磁クラッチをONにし続け、中継搬送ローラ、手差し中継搬送ローラ23b,23c、反転搬送ローラ31の回転駆動を続ける。これにより、スイッチバックされて、反転搬送路30へ搬送されてシートを反転搬送ローラ31により良好に搬送することができる。
【0075】
このとき、中継搬送ローラ24は、回転駆動を続けるが、本実施形態では、連続両面印刷は、シート両面印刷後に次のシートを給紙カセットまたは手差しトレイから給紙する制御をしている。そのため、シートが反転搬送路30を移動中に、次のシートがレジストローラ25に到達するようなことがない。従って、中継電磁クラッチ141は、反転搬送ローラ31でシートを搬送中にOFFとする必要が生じない。よって、反転搬送路30の片面印刷済みのシートの先端が、再びレジストローラ25に突き当たって、スキュー補正が完了するまで中継電磁クラッチ141をON状態にでき、反転搬送ローラ31により良好に片面印刷済みのシートを搬送することができる。
【0076】
反転搬送路30を搬送されてきた片面印刷済みシートの先端がレジストローラ25に到達したら、中継電磁クラッチ141をOFFにし、反転搬送ローラ31の回転駆動を停止し、反転搬送ローラ31によるシートの搬送を一時停止する。このとき、中継搬送ローラ24、手差し中継搬送ローラ23b,23cの回転駆動も停止する。しかし、上述したように、シートに対して両面印刷後に次のシートを給紙カセットまたは手差しトレイから給紙するため、中継搬送ローラ24、手差し中継搬送ローラ23b,23cの回転駆動停止時に次のシートが、中継搬送ローラ24、手差し中継搬送ローラ23b,23cへ搬送されることがない。よって、シート搬送に問題が生じることがない。
【0077】
そして、上述同様レジスト電磁クラッチ131のONにするタイミングと同時または少し遅れたタイミングで中継電磁クラッチ141をONとし、反転搬送ローラ31とレジストローラとでシートを搬送する。シートの後端が反転搬送ローラ31を抜けたら中継電磁クラッチ141をOFFにする。なお、次の印刷がある場合は、そのまま中継電磁クラッチ141のON状態を維持して、中継搬送ローラ24、手差し中継搬送ローラ23b,23cを回転駆動して、給紙トレイまたは手差しトレイから給紙される次のシートを搬送可能な状態にしておいてもよい。
【0078】
このように、中継電磁クラッチ141を介して反転搬送ローラ31へ搬送モータ101の駆動力を伝達することで、反転駆動伝達経路150に駆動伝達遮断手段を設けずに、問題なくシートを搬送することができる。よって、反転駆動伝達経路150に駆動伝達遮断手段を設けるものに比べて、駆動伝達遮断手段の数を減らすことができ、衝撃発生数を低減することができ、異常画像の発生数を低減できる。また、電磁クラッチなどの高価な駆動伝達遮断手段の数を減らすことができので、装置のコストダウンを図ることができる。
【0079】
次に、給紙駆動伝達経路160、レジスト駆動伝達経路130、中継駆動伝達経路140に設けられた電磁クラッチ161,131,141について説明する。各駆動伝達経路に設けられた電磁クラッチの構成は、同一であるので、以下の説明では、中継電磁クラッチ141について説明する。
【0080】
図10は、中継電磁クラッチ141の概略斜視図である。
中継電磁クラッチ141は、クラッチギヤ141aと、電磁クラッチ部141bと、断面Dカット形状の貫通孔141cとを有している。断面Dカット形状にした回転軸のクラッチ取り付け部を、断面Dカット形状の貫通孔108cに挿入することで、レジスト電磁クラッチは、回転軸と一体的に回転可能に回転軸に取り付けられる。クラッチギヤ141aは、回転軸に相対的に回転可能となっている。
【0081】
中継電磁クラッチをONにすると、電磁力によりクラッチギヤ141aが電磁クラッチ部141bに吸着し、クラッチギヤ141aが電磁クラッチ部141bとの間で駆動伝達が可能となる。これにより、クラッチギヤ141aから駆動力が、電磁クラッチ部141bを介して回転軸に伝達され、回転軸が回転駆動する。一方、レジスト電磁クラッチをOFFにすると、クラッチギヤ141aと、電磁クラッチ部141bとの間の駆動伝達が遮断される。
【0082】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、上述では、
図1に示すように、反転搬送路30は、中継搬送ローラ24とレジストローラ25との間で給紙経路43に合流しているが、中継搬送ローラ24の手前で給紙経路43に合流する構成でもよい。また、
図1では、手差し中継搬送路23は、中継搬送ローラ24の手前で給紙経路43に合流しているが、中継搬送ローラ24とレジストローラ25との間で給紙経路43に合流する構成であってもよい。
【0083】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
シートPを搬送する複数の搬送ローラへ搬送モータ101などの駆動源の駆動力を伝達する駆動伝達装置において、複数の搬送ローラには、レジストローラ25の手前に配置され、少なくとも給紙カセット5から給紙されたシートをレジストローラ25へ向けて搬送する中継搬送ローラ24と、手差しトレイ21から給紙されたシートを、給紙カセット5のシートが搬送される給紙経路43などの搬送経路に合流する合流地点まで搬送する手差し中継搬送路23などの手差し中継経路に配置された手差し中継搬送ローラ23b,23cとが含まれ、駆動源から中継搬送ローラ24までの駆動伝達経路に駆動伝達を遮断する中継電磁クラッチ141などの駆動伝達遮断手段が設けられており、手差し中継搬送ローラ23a,23bには、駆動伝達遮断手段を介して駆動源の駆動力が伝達される。
特許文献1には、手差し給紙ローラと、捌きローラ等の手差中継搬送ローラとの駆動伝達については記載がないが、手差し給紙モータを設け、この手差し給紙モータの駆動力を手差し給紙ローラと手差し中継搬送ローラとに駆動伝達するのが一般的である。手差し中継搬送ローラは、以下の理由により、手差し給紙ローラとは異なるタイミングで回転駆動を停止する必要があった。すなわち、手差し給紙ローラについては、シートの後端が抜けるタイミングで手差し給紙ローラの回転駆動を停止して、手差しトレイ上の次のシートが給紙されないようにする必要がある。一方、この手差し給紙ローラの回転駆動を停止するタイミングで、手差し中継搬送ローラの駆動を停止するとシートの搬送ができなくなるおそれがある。仮に、手差し給紙ローラの回転駆動を停止するときに、シートの先端側が中継搬送ローラに到達しており、中継搬送ローラから搬送力を受ける状態であったとしても、手差し給紙ローラの回転駆動を停止するタイミングで、手差し中継搬送ローラの駆動を停止すると、手差し中継搬送ローラが搬送の抵抗となって、シートが良好に搬送できなくなるおそれがある。このように、手差し中継搬送ローラは、手差し給紙ローラの回転駆動を停止した後も、回転駆動を続けてシートの搬送を継続する必要があるため、手差し給紙ローラとは異なるタイミングで回転駆動を停止する必要がある。
手差し給紙ローラと手差し中継搬送ローラの回転駆動停止タイミングを異ならせる必要があるため、手差し中継搬送ローラに駆動源の駆動力を伝達する駆動伝達経路と、手差し給紙ローラに駆動源の駆動力を伝達する駆動伝達経路のそれぞれに、電磁クラッチなどの駆動伝達遮断手段を設けるのが一般的である。
よって、レジストローラ、中継搬送ローラ、手差し中継搬送ローラおよび手差し給紙ローラそれぞれの駆動伝達経路に駆動伝達遮断手段を設けることになり、駆動伝達遮断手段の駆動伝達遮断時の衝撃の発生数が多く、その衝撃発生数の分、異常画像が発生するおそれがあった。
これに対し、態様1では、手差し中継搬送ローラは、駆動源から中継搬送ローラまでの駆動伝達経路に設けられた駆動伝達遮断手段を介して駆動源の駆動力が伝達される構成となっている。そのため、手差し中継搬送ローラと中継搬送ローラとが、中継搬送ローラの駆動伝達経路に設けられた駆動伝達遮断手段によって、同時に回転駆動がON/OFFされるが、以下に説明するように、シートの搬送に影響が出ることはない。上述したように、給紙開始時、駆動伝達遮断手段は、中継搬送ローラに駆動力を伝達し中継搬送ローラを回転駆動させるため、手差し中継搬送ローラも給紙開始時に回転駆動することになる。よって、手差しトレイから給紙されたシートは、手差し中継搬送ローラによって、レジストローラへ向けて搬送される。シートの先端がレジストローラに当接してシートが所定量撓んだら駆動伝達を遮断して中継搬送ローラの回転駆動を停止する。このとき、手差し中継搬送ローラの回転駆動も停止するため、シートの後端が手差し中継搬送ローラを抜けていない場合は、シートの後端側が搬送されてしまうことがなく、ジャムなどの搬送異常となることはない。また、給紙カセットからシートを給送するときも、手差し中継搬送ローラは回転駆動するが、手差し中継搬送ローラは、給紙カセットから給紙されるシートが搬送される搬送経路にはなく、また、手差しトレイからシートが給送されることもないため、給紙カセットから給紙されるシートの搬送に影響はない。
このように、手差し中継搬送ローラは、駆動源から中継搬送ローラまでの駆動伝達経路に設けられた駆動伝達遮断手段を介して駆動源の駆動力が伝達される構成とし、中継搬送ローラと手差し中継搬送ローラとで駆動伝達遮断手段を共用しても問題なくシートを搬送することができる。よって、中継搬送ローラと手差し中継搬送ローラとで駆動伝達遮断手段を共用せず、中継搬送ローラ用の駆動伝達遮断手段と、手差し中継搬送ローラ用の駆動伝達遮断手段とをそれぞれ設ける場合に比べて、駆動伝達遮断手段の個数を低減できる。よって、駆動伝達遮断時の衝撃の発生数を減らすことができ、異常画像の発生を抑制できる。
【0084】
(態様2)
態様1において、複数の搬送ローラには、更に、スイッチバック搬送されてきた定着装置6を抜けたシートを再度、レジストローラ25へ搬送する反転搬送路30に配置された反転搬送ローラ31を含み、中継電磁クラッチ141などの駆動伝達遮断手段を介して、反転搬送ローラ31に搬送モータ101などの駆動源の駆動力が伝達される。
これによれば、反転搬送ローラ31と中継搬送ローラ24と手差し中継搬送ローラ23b,23cとが、中継電磁クラッチ141などの駆動伝達遮断手段によって、同時に回転駆動がON/OFFされるが、実施形態で説明したように、シートの搬送に影響が出ることはない。これにより、反転搬送ローラ31と中継搬送ローラ24と手差し中継搬送ローラ23b,23cとで駆動伝達遮断手段を共用しても問題なくシートを搬送することができる。よって、反転搬送ローラ31専用の駆動伝達遮断手段を設ける場合に比べて、駆動伝達遮断手段の個数をさらに低減できる。よって、駆動伝達遮断時の衝撃の発生数をさらに減らすことができ、異常画像の発生を抑制できる。
【0085】
(態様3)
態様2において、複数の搬送ローラには、給紙カセット5のシートを給紙する給紙部40のローラ(本実施形態では、ピックアップローラ41、フィードローラ42aおよびリバースローラ42b)、手差しトレイ21のシートを給紙する手差し給紙部のローラ(本実施形態では手差し給紙ローラ22)、および、レジストローラ25を更に含む。
これによれば、実施形態で説明したように、搬送モータ101などの駆動源により、中継搬送ローラ24、手差し中継搬送ローラ23b,23c、反転搬送ローラ31、給紙部40のローラ(本実施形態では、ピックアップローラ41、フィードローラ42aおよびリバースローラ42b)、手差しトレイ21のシートを給紙する手差し給紙部のローラ(本実施形態では手差し給紙ローラ22)、および、レジストローラ25を回転駆動することができる。これにより、駆動源の数を削減でき、装置のコストダウンおよび装置の小型化を図ることができる。
【0086】
(態様4)
給紙カセット5のシートを給紙する給紙部40と、手差しトレイ21のシートを給紙する手差し給紙部と、レジストローラ25と、レジストローラ25の手前に配置され、少なくとも給紙カセット5に積載されたシートをレジストローラ25へ向けて搬送する中継搬送ローラ24と、手差しトレイ21から給紙されたシートを給紙カセット5のシートが搬送される給紙経路43などの搬送経路に合流する合流地点まで搬送する手差し中継搬送路23などの手差し中継経路に配置された手差し中継搬送ローラ23b,23cとを備えたシート搬送装置において、少なくとも中継搬送ローラ24と手差し中継搬送ローラ23b,23cとに搬送モータ101の駆動源の駆動力を伝達する駆動伝達装置として、態様1乃至3いずれかの駆動伝達装置を用いた。
これによれば、異常画像の発生数を抑え、かつ、シートを良好に搬送することができる。
【0087】
(態様5)
シート搬送装置によりシート搬送しながら、シートに画像を形成する画像形成装置において、シート搬送装置として、態様4に記載のシート搬送装置を用いた。
これによれば、異常画像の発生数を抑え、かつ、シートを良好に搬送することができる。
【0088】
(態様6)
態様5において、感光体10などの潜像担持体に潜像を書き込む書込装置4などの潜像書込手段の真下に手差し中継搬送路23などの手差し中継経路が配置されている。
これによれば、実施形態で説明したように、手差し中継搬送路23に配置された手差し中継搬送ローラ23b,23cの回転駆動停止時、書込装置4などの潜像書込手段が大きく揺れるのを抑制でき、異常画像を抑制することができる。
【符号の説明】
【0089】
4 :書込装置
5 :給紙カセット
6 :定着装置
7 :作像ユニット
10 :感光体
21 :手差しトレイ
22 :手差し給紙ローラ
22a :手差し給紙入力ギヤ
23 :手差し中継搬送路
23a :第一手差し中継搬送ローラ
23b :第二手差し中継搬送ローラ
23c :第三手差し中継搬送ローラ
24 :中継搬送ローラ
25 :レジストローラ
26 :排紙ローラ
30 :反転搬送路
31 :反転搬送ローラ
40 :給紙部
41 :ピックアップローラ
42 :分離ローラ対
42a :フィードローラ
42b :リバースローラ
43 :給紙経路
100 :駆動装置
101 :搬送モータ
101a :モータギヤ
105 :第一分岐ギヤ
106 :レジスト中継アイドラギヤ
107 :レジスト中継分岐ギヤ
108 :給紙アイドラギヤ
108c :貫通孔
109 :給紙分岐ギヤ
110 :手差し給紙駆動伝達経路
111 :手差し給紙段ギヤ
112 :手差し給紙アイドラギヤ
113 :手差し給紙出力ギヤ
114 :第一手差し給紙タイミングベルト
114a :第一手差し給紙プーリ
115 :第二手差し給紙タイミングベルト
117 :中継プーリ
118 :手差し給紙アイドラギヤ
119 :第一手差し中継入力ギヤ
120 :手差し中継駆動伝達経路
121 :手差し中継アイドラギヤ
122 :手差し中継段ギヤ
123 :手差し中継出力ギヤ
124 :第一手差し中継タイミングベルト
124a :第一手差し中継プーリ
125a :中継プーリ
125b :第一出力ギヤ
126 :第二手差し中継タイミングベルト
126b :第二手差し中継プーリ
127 :第二出力ギヤ
128 :第一入力ギヤ
129 :第二入力ギヤ
130 :レジスト駆動伝達経路
131 :レジスト電磁クラッチ
132 :第一レジストギヤ
133 :第二レジストギヤ
140 :中継駆動伝達経路
141 :中継電磁クラッチ
141a :クラッチギヤ
141b :電磁クラッチ部
141c :貫通孔
142 :第一中継ギヤ
143 :第二中継ギヤ
144 :手差し中継反転分岐ギヤ
150 :反転駆動伝達経路
151 :第一反転アイドラギヤ
152 :反転段ギヤ
153 :第二反転アイドラギヤ
154 :反転出力ギヤ
155 :反転タイミングベルト
155a :第一反転プーリ
155b :第二反転プーリ
160 :給紙駆動伝達経路
161 :給紙電磁クラッチ
162 :第一給紙ギヤ
163 :第二給紙ギヤ
165 :ピックアップ第一ギヤ
166 :ピックアップアイドラギヤ
167 :ピックアップ第二ギヤ
168 :リバースギヤ
170 :ソレノイドクラッチ機構
171 :ソレノイド
172 :ストッパ
173 :ストッパギヤ
174 :ワンウェイギヤ
P :シート
【先行技術文献】
【特許文献】
【0090】