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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166091
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】パターン形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/16 20060101AFI20241121BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20241121BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
G03F7/16
G03F7/004
G03F7/004 531
H01L21/30 565
H01L21/30 577
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024069232
(22)【出願日】2024-04-22
(31)【優先権主張番号】10-2023-0063963
(32)【優先日】2023-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】朴 慶 熏
(72)【発明者】
【氏名】文 炯 朗
(72)【発明者】
【氏名】朴 時 均
(72)【発明者】
【氏名】郭 澤 秀
(72)【発明者】
【氏名】宋 明 洙
(72)【発明者】
【氏名】李 東 炯
(72)【発明者】
【氏名】范 泰 源
(72)【発明者】
【氏名】宋 東 訓
【テーマコード(参考)】
2H225
5F146
【Fターム(参考)】
2H225AB03
2H225AC15
2H225AM61P
2H225AN11P
2H225AN80P
2H225CA12
2H225CB14
2H225CC01
2H225CC12
2H225CD05
2H225EA24P
5F146JA09
5F146JA15
(57)【要約】
【課題】良好な結果を示すパターン形成方法を提供する。
【解決手段】基板上に金属含有レジスト組成物を塗布してレジスト層を形成する工程;前記基板の外周に沿って前記レジスト層に対しエッジビード除去用組成物を塗布し、エッジビードの除去処理を行う除去工程;前記除去工程にて前記除去処理を施した前記レジスト層に対し乾燥処理及び加熱処理を行う第1熱処理工程;及び、前記第1熱処理工程にて前記乾燥処理及び前記加熱処理を行った前記レジスト層に対し露光処理及び現像処理を行い、レジストパターンを形成するレジストパターン形成工程を含み、前記第1熱処理工程後、前記レジストパターン形成工程前において、前記基板の外周端から中央方向に1mm以上30mm以下の領域における前記レジスト層のハンプ(Hump)の最大高さが300nm以下である、パターン形成方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に金属含有レジスト組成物を塗布してレジスト層を形成する工程;
前記基板の外周に沿って前記レジスト層に対しエッジビード除去用組成物を塗布し、エッジビードの除去処理を行う除去工程;
前記除去工程にて前記除去処理を施した前記レジスト層に対し乾燥処理及び加熱処理を行う第1熱処理工程;及び、
前記第1熱処理工程にて前記乾燥処理及び前記加熱処理を行った前記レジスト層に対し露光処理及び現像処理を行い、レジストパターンを形成するレジストパターン形成工程、を含み、
前記第1熱処理工程後、前記レジストパターン形成工程前において、前記基板の外周端から中央方向に1mm以上30mm以下の領域における前記レジスト層のハンプ(Hump)の最大高さが300nm以下である、パターン形成方法。
【請求項2】
前記ハンプの最大高さは10nm以上300nm以下である、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項3】
前記レジスト層の表面エネルギーと前記エッジビード除去用組成物の表面張力との差は、2mN/m以上15mN/m以下である、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項4】
前記エッジビード除去用組成物の表面張力は、25.0mN/m以上40.0mN/m以下である、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項5】
前記エッジビード除去用組成物の表面張力は、27.0mN/m以上36.0mN/m以下である、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項6】
前記エッジビード除去用組成物の粘度は、1cPs以上10cPs以下である、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項7】
前記除去工程における除去処理は、800rpm以上4,500rpm以下の速度で前記基板を回転させながら行う、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項8】
前記金属含有レジスト組成物に含まれる金属化合物は、有機オキシ基含有スズ化合物及び有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項9】
前記金属含有レジスト組成物は、下記の化学式1で表される金属化合物又はその縮合体を含む、請求項1に記載のパターン形成方法:
【化1】

前記化学式1中、
は、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールアルキル基、又は-L-O-R(ここでLは、単結合、又は置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Rは、置換又は非置換の炭素数1~20のアルキル基である)であり、
~Rは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールアルキル基、-ORおよび-OC(=O)Rの中から選択され、かつR~Rのうちの少なくとも1つは、-ORおよびOC(=O)Rの中から選択され、
この際、Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、又はこれらの組み合わせであり、
は、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、又はこれらの組み合わせである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エッジビード除去用組成物を塗布し、エッジビードの除去処理を行う工程を含むパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体産業では、臨界寸法が継続的に縮小されている。このような寸法縮小により、ますます小さいフィーチャ(feature)の加工及びパターニングの要求を充足させるための、新たな類型の高性能レジスト材料及びパターニング方法が求められている。
【0003】
また、近年の半導体産業の飛躍的な発展に伴い、半導体デバイスの動作速度及び大容量の記憶能力が要求されており、このような要求に合わせ、半導体デバイスの集積度、信頼度及び応答速度を向上させる技術も発展している。特に、シリコン基板の作用領域に不純物を正確に調節/注入し、これらの領域が相互接続されて素子及び超高密度直接回路を形成することが重要であるが、これはフォトリソグラフィ工程によって可能となる。即ち、基板上にレジストを塗布し、紫外線(極紫外線を含む)、電子線又はX線などを照射して選択的に露光させた後、現像することを含むフォトリソグラフィ工程における統合を考慮することが重要になっている。
【0004】
特に、レジスト層を形成する工程では、主にシリコン基板を回転させながらレジストを基板上に塗布することになるが、この過程で基板エッジと裏面にもレジストが塗布される。これはエッチングやイオン注入工程などの半導体後続工程において、圧子の誘発や、パターン不良を引き起こす原因となる可能性がある。従って、シンナー組成物等を使用してシリコン基板のエッジと裏面に塗布されているレジストをストリッピングして除去するプロセス、即ち、EBR(EDGE BEAD REMOVAL)工程を実施する。
【0005】
当該EBR工程では、レジストに対して優れた溶解性を示し、基板に残留するビーズ及びレジストを効果的に除去し、レジスト残留物が発生しない組成物を用いる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、微細なパターンの形成時の不良率を低減するパターン形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様であるパターン形成方法は、
1.基板上に金属含有レジスト組成物を塗布してレジスト層を形成する工程;
前記基板の外周に沿って前記レジスト層に対しエッジビード除去用組成物を塗布し、エッジビードの除去処理を行う除去工程;
前記除去工程にて前記除去処理を施した前記レジスト層に対し乾燥処理及び加熱処理を行う第1熱処理工程;及び、
前記第1熱処理工程にて前記乾燥処理及び前記加熱処理を行った前記レジスト層に対し露光処理及び現像処理を行い、レジストパターンを形成するレジストパターン形成工程を含み、
前記第1熱処理工程後、前記レジストパターン形成工程前において、前記基板の外周端から中央方向に1mm以上30mm以下の領域における前記レジスト層のハンプ(Hump)の最大高さが300nm以下である。
【0008】
2.上記1.に記載のパターン形成方法において、前記ハンプの最大高さは、10nm以上300nm以下であってもよい。
【0009】
3.上記1.又は2.に記載のパターン形成方法において、前記レジスト層の表面エネルギーと前記エッジビード除去用組成物の表面張力との差は、2mN/m以上15mN/m以下であってもよい。
【0010】
4.上記1.~3.のいずれかに記載のパターン形成方法において、前記エッジビード除去用組成物の表面張力は、25.0mN/m以上40.0mN/m以下であってもよい。
【0011】
5.上記1.~4.のいずれかに記載のパターン形成方法において、前記エッジビード除去用組成物の表面張力は、27.0mN/m以上36.0mN/m以下であってもよい。
【0012】
6.上記1.~5.のいずれかに記載のパターン形成方法において、前記エッジビード除去用組成物の粘度は、1cPs以上10cPs以下であってもよい。
【0013】
7.上記1.~6.のいずれかに記載のパターン形成方法において、前記除去工程における除去処理は、500rpm以上4,500rpm以下の速度で前記基板を回転させながら行ってもよい。
【0014】
8.上記1.~7.のいずれかに記載のパターン形成方法において、前記金属含有レジスト組成物に含まれる金属化合物は、有機オキシ基含有スズ化合物及び有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含んでもよい。
【0015】
9.上記1.~8.のいずれかに記載のパターン形成方法において、前記金属含有レジスト組成物は、下記の化学式1で表される金属化合物又はその縮合体を含んでもよい。
【0016】
【化1】
【0017】
前記化学式1中、
は、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールアルキル基、又は-L-O-R(ここでLは、単結合、又は置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Rは、置換又は非置換の炭素数1~20のアルキル基である)であり、
~Rは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールアルキル基、-ORおよび-OC(=O)Rの中から選択され、かつR~Rのうちの少なくとも1つは、-ORおよびOC(=O)Rの中から選択され、
この際、Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、又はこれらの組み合わせであり、
は、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、又はこれらの組み合わせである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、微細なパターンの形成時の不良率を低減する、パターン形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】レジスト塗布装置を示す模式図である。
図2】ハンプ(hump)を説明するための模式図である。
図3】プロファイラ(profiler)装置によって測定した、基板上のレジスト層にエッジビード除去用組成物を噴射した後の実施例に係るレジスト層を、電子顕微鏡により撮影したイメージである。
図4】プロファイラ(profiler)装置によって測定して、基板上のレジスト層にエッジビード除去用組成物を噴射した後の比較例に係るレジスト層を、電子顕微鏡により撮影したイメージである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、本発明を説明するにあたり、既に公知である機能あるいは構成についての説明は、本記載の要旨を明確にするために省略することにする。
【0021】
本記載を明確に説明するために、説明上不要な部分を省略し、明細書全体にわたって同一又は類似の構成要素については、同一の参照符号を付けるようにする。また、図面に示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意に示したものであり、本発明が必ずしも図示されたものに限定されるわけではない。
【0022】
図面において、様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。また、図面において説明の便宜上、一部の層及び領域の厚さを誇張して示した。層、膜、領域、板などの部分が、他の部分「の上」に又は「上」にある場合、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。
【0023】
本記載において、「置換」とは、水素原子が、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、置換又は非置換の炭素数1~30のアミン基、ニトロ基、置換又は非置換の炭素数1~40のシリル基、炭素数1~30のアルキル基、炭素数1~10のハロアルキル基、炭素数1~10のアルキルシリル基、炭素数3~30のシクロアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数1~20のアルコキシ基、又はシアノ基で置換されたことを意味する。「非置換」とは、水素原子が他の置換基で置換されず、水素原子のままであることを意味する。
【0024】
本記載において、「アルキル(alkyl)基」とは、別途の定義がない限り、直鎖型又は分岐鎖型の脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基は、いかなる二重結合や三重結合を含まない「飽和アルキル(saturated alkyl)基」であってもよい。
【0025】
アルキル基は、炭素数1~20のアルキル基であってもよい。より具体的に、アルキル基は、炭素数1~10のアルキル基又は炭素数1~6のアルキル基であってもよい。例えば、炭素数1~5のアルキル基は、アルキル鎖に1~5個の炭素原子を含まれることを意味し、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル、及びネオペンチルからなる群より選択されることを示す。
【0026】
アルキル基の具体例な例として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
【0027】
本明細書において、「シクロアルキル(cycloalkyl)基」とは、別途の定義がない限り、1価の環状脂肪族炭化水素基を意味する。シクロアルキル基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを意味する。
【0028】
本明細書において、「アルケニル(alkenyl)基」とは、別途の定義がない限り、直鎖型又は分岐鎖型の脂肪族炭化水素基であって、一つ以上の二重結合を含む脂肪族不飽和アルケニル(unsaturated alkenyl)基を意味する。
【0029】
本明細書において、「アルキニル(alkynyl)基」とは、別途の定義がない限り、直鎖型又は分岐鎖型の脂肪族炭化水素基であって、一つ以上の三重結合を含む脂肪族不飽和アルキニル(unsaturated alkynyl)基を意味する。
【0030】
本明細書において、「アリール(aryl)基」とは、環状の置換基の全ての元素がp-軌道を有し、これらのp-軌道が共役(conjugation)を形成している置換基を意味し、単環式又は融合環多環式(即ち、炭素原子の隣接する対を共有する環)官能基を含む。
【0031】
より具体的に、置換又は非置換の炭素数6~30のアリール基は、置換又は非置換のフェニル基、置換又は非置換のナフチル基、置換又は非置換のアントラセニル基、置換又は非置換のフェナントレニル基、置換又は非置換のナフタセニル基、置換又は非置換のピレニル基、置換又は非置換のビフェニル基、置換又は非置換のp-ターフェニル基、置換又は非置換のm-ターフェニル基、置換又は非置換のo-ターフェニル基、置換又は非置換のクリセニル基、置換又は非置換のベンゾフェナントレニル基、置換又は非置換のトリフェニレン基、置換又は非置換のペリレニル基、置換又は非置換のフルオレニル基、置換又は非置換のインデニル基、又はこれらの組み合わせであってもよいが、これに限定されない。
【0032】
図1は、フォトレジスト塗布装置を示す模式図である。なお、本明細書では、フォトレジストを単にレジストとも称する。
【0033】
図1を参照すると、レジスト塗布装置には、基板(W)が置かれる基板支持部1が備えられる。基板支持部1は、スピンチャック又はスピンコーターなどを含む。
【0034】
基板支持部1は、所定の回転速度で第1方向に回転し、基板(W)に遠心力を提供する。基板支持部1の上方には噴射ノズル2が位置する。当該噴射ノズル2は、基板(W)の上方から離れた領域に位置し、溶液を供給する工程で基板の上方に移動し、レジスト溶液10を噴射することができる。これにより、レジスト溶液10は、遠心力によって基板表面に塗布される。この際、基板(W)の中央に供給されるレジスト溶液10は、遠心力によって基板(W)の端部に広がりながら塗布され、その一部は、基板の側面と基板の端部の下面に移動するようになる。
【0035】
即ち、基板上にレジスト層を形成する工程で、レジスト溶液10は、主にスピンコーティング方式で基板上に塗布される。当該スピンコーティング方式では、基板(W)の中央部に粘性のある所定量のレジスト溶液10を供給し、当該レジスト溶液10が遠心力によって基板の端部方向に徐々に広がっていく。
【0036】
従って、レジストは、基板支持部1の回転によって一定の厚みに形成される。
【0037】
ところが、溶媒が蒸発してレジスト溶液10の粘性が増加し、表面張力の作用により基板の端部に相対的に多量のレジストが蓄積されるようになる。さらに深刻なのは、基板の端部の下面までレジストが蓄積されるようになり、これをエッジビード(edge bead)12という。
【0038】
以下、本発明の一実施形態に係るパターン形成方法を説明する。なお、以下では、レジスト溶液10を金属含有レジスト組成物とも称する。
【0039】
本明細書でハンプとは、図2の模式図で示したようにエッジビード除去後、レジスト層の中心から端部方向へ続く平坦な領域と、除去された領域と、の境界で発生する、レジスト層の隆起部分を意味する。
【0040】
本発明の一実施形態に係るパターン形成方法は、基板上に金属含有レジスト組成物を塗布してレジスト層を形成する工程;基板の外周に沿ってレジスト層に対しエッジビード除去用組成物を塗布し、エッジビードの除去処理を行う除去工程;除去工程にて除去処理を施したレジスト層に対し乾燥処理及び加熱処理を行う第1熱処理工程;及び、第1熱処理工程にて乾燥処理及び加熱処理を行ったレジスト層に対し露光処理及び現像処理を行い、レジストパターンを形成するレジストパターン形成工程、を含み、
第1熱処理工程後、レジストパターン形成工程前において、基板の外周端から基板の中央方向に1mm以上30mm以下の領域におけるレジスト層のハンプ(Hump)の最大高さが300nm以下である。
【0041】
ここで、ハンプの最大高さとは、図2のbに示すように、ハンプ以外のレジスト層の平坦な箇所と、ハンプ部分の最も隆起した部分と、の段差(△Thickness)を意味する。ハンプの最大高さは、例えば、Tencor社のProfilerのP17OF装置を用いて測定することができる。
【0042】
基板の外周端から中央方向に1mm以上30mm以下の領域におけるハンプ(Hump)の最大高さの最大値は、300nm以下であるが、250nm以下であってもよく、200nm以下であってもよく、150nm以下であってもよく、100nm以下であってもよい。又はンプの最大高さの最小値は、10nm以上であってもよく、20nm以上であってもよい。すなわち、ハンプの最大高さは10nm以上300nm以下であってもよく、20nm以上300nm以下、10nm以上250nm以下、20nm以上250nm以下、10nm以上200nm以下、20nm以上200nm以下、10nm以上150nm以下、20nm以上150nm以下、10nm以上100nm以下、又は20nm以上100nm以下であってもよい。
【0043】
(レジスト層を形成する工程)
基板上に金属含有レジスト組成物を塗布してレジスト層を形成する工程は、より具体的には、金属含有レジスト組成物を基板上にスピンコーティング、スリットコーティング、インクジェットプリンティングなどで塗布する工程及び塗布された金属含有レジスト組成物を乾燥してレジスト層を形成する工程を含むことができる。
【0044】
〈金属含有レジスト組成物〉
金属含有レジスト組成物に含まれる金属化合物は、例えばスズ化合物であってもよく、スズ化合物は、例えば有機オキシ基含有スズ化合物及び有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含むことができる。
【0045】
金属含有レジストに含まれる金属化合物の一例は下記の化学式1に表される化合物又はその縮合体である。
【0046】
【化2】
【0047】
化学式1中、
は、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールアルキル基、又は-L-O-R(ここでLは、単結合、又は置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Rは、置換又は非置換の炭素数1~20のアルキル基である)であり、
~Rは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールアルキル基、-ORおよび-OC(=O)Rの中から選択され、かつR~Rのうちの少なくとも1つは、-ORおよび-OC(=O)Rの中から選択され、
この際、Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、又はこれらの組み合わせであり、
は、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、又はこれらの組み合わせである。
【0048】
一実施形態に係る金属含有レジスト組成物に含まれる金属化合物は、下記の化学式C又は化学式Dで表される化合物であってもよい。
【0049】
【化3】
【0050】
【化4】
【0051】
一実施形態に係る金属含有レジスト組成物は、溶媒を含むことができる。当該溶媒は、特に制限されず、当業界においてレジスト組成物に適用できる溶媒を用いることができるが、例えば、芳香族化合物類(例えば、キシレン、トルエン)、アルコール類(例えば、4-メチル-2-ペンタノール、4-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、1-プロパノール)、エーテル類(例えば、アニソール、テトラヒドロフラン)、エステル類(n-ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルアセテート、エチルラクテート)、ケトン類(例えば、メチルエチルケトン、2-ヘプタノン)、これらの混合物などを含むことができるが、これに限定されるのではない。
【0052】
また、一実施形態に係る金属含有レジスト組成物は、界面活性剤、分散剤、吸湿剤、及びカップリング剤から成る群から選択される少なくとも一つを含むことができる。
【0053】
界面活性剤は、レジスト組成物のコーティング均一性を向上させ、湿潤性(wetting)を向上させる役割を果たすことができる。一実施形態において、界面活性剤は、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル、石鹸、アミン塩、4級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール、アルキルフェノールエチレンオキシド付加物、多価アルコール、窒素含有ビニル高分子、又はこれらの組み合わせからなるが、これらに限定されるものではない。例えば、界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルピリジニウム塩、ポリエチレングリコール、又は第4アンモニウム塩を含むことができる。レジスト組成物が、界面活性剤を含む場合、界面活性剤は、レジスト組成物の総重量を基準に約0.001重量%~約3重量%の含有量で含まれる。
【0054】
分散剤は、レジスト組成物を構成する各構成成分がレジスト組成物内で均一に分散するようにする役割を果たすことができる。一実施形態において、分散剤は、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール(polyvinyl butyral)、ポリビニルピロリドン、グルコース、ドデシル硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、オレイン酸、リノール酸、又はこれらの組み合わせからなるが、これらに限定されない。レジスト組成物が、分散剤を含む場合、分散剤は、レジスト組成物の総重量を基準に、約0.001重量%~約5重量%の含有量で含まれる。
【0055】
吸湿剤は、レジスト組成物における水分による悪影響を防止する役割を果たすことができる。例えば、吸湿剤は、レジスト組成物に含まれている金属が水分によって酸化されるのを防止する役割を果たすことができる。一実施形態において、吸湿剤は、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(polyoxyethylenenonylphenolether)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド(polyacrylamide)、又はこれらの組み合わせからなるが、これらに限定されるものではない。レジスト組成物が、吸湿剤を含む場合、吸湿剤は、レジスト組成物の総重量を基準に約0.001重量%~約10重量%の含有量で含まれる。
【0056】
カップリング剤は、レジスト組成物を下部膜上にコーティングする際に、下部膜との密着力を向上させる役割を果たすことができる。一実施形態において、カップリング剤は、シランカップリング剤を含むことができる。シランカップリング剤は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、又はトリメトキシ[3-(フェニルアミノ)プロピル]シランからなるが、これらに限定されるものではない。レジスト組成物が、カップリング剤を含む場合、カップリング剤は、レジスト組成物の総重量を基準に約0.001重量%~約5重量%の含有量で含まれる。
【0057】
(除去工程)
続いて、本発明の一実施形態に係るパターン形成方法においては、基板の外周に沿ってレジスト層に対しエッジビード除去用組成物を塗布し、エッジビードの除去処理をする除去工程を行う。
【0058】
当該工程にて、エッジビード除去用組成物を塗布してエッジビードを除去した後、レジスト層の中心から端部方向へ続く平坦な領域と、除去された領域と、の境界でハンプが発生する。
【0059】
ハンプは、層の焼成時に亀裂や膜剥離の原因となり得、マスク汚染発生、及び後続工程での不均一性を引き起こす可能性がある。そのため、エッジビード除去用組成物を塗布した後のエッジ切断(edge cut)部分の形状がより優れたレジスト層(レジスト膜)を収得できるエッジビード除去用組成物が要求される。
【0060】
本発明の一実施形態に係るエッジビード除去用組成物を塗布する工程では、レジストとエッジビード除去用組成物の主要物性の中で、特に粘度、表面エネルギーの差、そしてエッジビードを除去する工程の工程条件などを調節することによって、後続する工程において問題点が発生する可能性が少ないハンプの高さについて検証し、さらに当該ハンプの高さを実現するための最適化した方法を検証した。ここで、表面エネルギーの差とは、レジスト層の表面エネルギーとエッジビード除去用組成物の表面張力との差を意味する。
【0061】
レジスト層の表面エネルギーとエッジビード除去用組成物の表面張力の差は、2mN/m以上15mN/m以下でありうる。レジスト層の表面エネルギーとエッジビード除去用組成物の表面張力の差が15mN/m以下であることにより、湿潤(wetting)性が低くなり、エッジビード除去用組成物によるレジストの溶解が難しくなるため、洗浄力が低くなる可能性がある、という問題を解消し得る。また、表面エネルギーの差が15mN/m以下であることによって、界面で親和力が低い際に、相互斥力が作用し、ハンプがより大きくなり、溶解したレジストが除去されずにかたまった形態になって、界面近所に残留する可能性がある、という問題を解消し得る。また、レジスト層の表面エネルギーとエッジビード除去用組成物の表面張力の差が2mN/m以上であることにより、レジストに対するエッジビード除去用組成物の浸透が速くなって、レジスト層の損傷及び膨張現像などを発生させる可能性がある、という問題を解消し得る。本発明の一実施形態に係るパターン形成方法では、レジスト層の表面エネルギーとエッジビード除去用組成物の表面張力の差が適切で、レジスト層に対する影響を最小化しつつ、金属基盤汚染を減少させることによって、より小さなフィーチャ(feature)の加工及びパターニングの要求を満たすことができる。また、レジスト層の表面エネルギーとエッジビード除去用組成物の表面張力の差は、3mN/m以上15mN/m以下、3mN/m以上10mN/m以下、4mN/m以上15mN/m以下、又は4mN/m以上10mN/m以下であってもよい。
【0062】
なお、レジスト層の表面エネルギーとエッジビード除去用組成物の表面エネルギーの差は、実施例に記載の方法により測定することができる。
【0063】
レジスト層の表面エネルギーは、25.0mN/m以上50.0mN/m以下であってもよく、30.0mN/m以上45.0mN/m以下であってもよい。レジスト層の表面エネルギーが上記の範囲にあることで、より効果的にエッジビードを除去することができ、さらにハンプの最大高さも効果的に抑制することができる。なお、レジスト層の表面エネルギーは、実施例に記載の方法により測定することができる。
【0064】
エッジビード除去用組成物の表面張力は、25.0mN/m以上40.0mN/m以下であってもよく、27.0mN/m以上40.0mN/m以下であってもよく、27.0mN/m以上36.0mN/m以下であってもよく、27.0mN/m以上33.0mN/m以下であってもよい。エッジビード除去用組成物の表面張力が上記の範囲にあることで、より効果的にエッジビードを除去することができ、さらにハンプの最大高さも効果的に抑制することができる。
【0065】
なお、エッジビード除去用組成物の表面張力は、K11-MK1(KRUSS社製)表面張力系を使用して測定することができる。より具体的には、エッジビード除去用組成物の表面張力は、実施例に記載の方法により測定することができる。
【0066】
エッジビード除去用組成物の粘度は1cPs以上10cPs以下でありうる。また、エッジビード除去用組成物の粘度は、1cPs以上9cPs以下、1cPs以上8cPs以下、1cPs以上7cPs以下、1cPs以上6cPs以下、1cPs以上5cPs以下、1cPs以上4cPs以下、又は1cPs以上3cPs以下であってもよい。エッジビード除去用組成物の粘度が上記の範囲にあることで、より効果的にエッジビードを除去することができ、さらにハンプの最大高さも効果的に抑制することができるため、パターン不良率がより低減される。
【0067】
例えば、レジスト層が化学式Cで表される金属化合物を含む場合、エッジビード除去用組成物の粘度は、1cPs以上10cPs以下であってもよく、1cPs以上9cPs以下、1cPs以上8cPs以下、1cPs以上7cPs以下、1cPs以上6cPs以下、1cPs以上5cPs以下、1cPs以上4cPs以下、又は1cPs以上3cPs以下であってもよい。レジスト層が化学式Cで表される金属化合物を含む場合に、エッジビード除去用組成物の粘度が上記の範囲にあることで、より十分にエッジビードを除去することができ、さらにハンプの最大高さもより効果的に抑制することができる。
【0068】
なお、エッジビード除去用組成物の粘度はLVDV-III-UCP(BROOKFIELD社製)を利用して測定することができる。より具体的には、エッジビード除去用組成物の粘度は実施例に記載の方法により測定することができる。
【0069】
本発明の一実施形態に係るエッジビード除去用組成物は、添加剤及び溶媒を含むことができる。添加剤及び溶媒は当業界においてエッジビード除去用組成物に適用できる物質で、前述した条件を満足する範囲内で選択することができる。エッジビード除去用組成物の粘度が上記の範囲にあることにより、エッジビードを効果的に除去することができ、さらにハンプの最大高さも抑制することができる。
【0070】
一実施形態に係るエッジビード除去用組成物に含まれる添加剤は、例えば、カルボン酸、燐酸、亜燐酸、ホスホン酸、硫酸、スルホン酸などの酸化合物、アルコール化合物、ケトン化合物のうち、少なくとも1種でありうる。中でも、エッジビードをより効率よく除去するという観点から、添加剤は、エタンスルホン酸(ethanesulfonic acid)、メタンスルホン酸、ブチルホスホン酸、メチルホスホン酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ジフルオロ酢酸、ビニルホスホン酸、ステアリン酸、オレイン酸、4-ニトロカテコール、トロポロン、及びアセチルアセトンから成る群より選択される1種以上であり得る。
【0071】
一実施形態に係るエッジビード除去用組成物に含まれる溶媒は、特に限定されないが、エーテル類、アルコール類、グリコールエーテル類、芳香族炭化水素化合物類、ケトン類、エステル類、アミド類、スルホキシド類、及びニトリル類から成る群から選択される少なくとも1種を含むことができ、中でも、エーテル類、グリコールエーテル類、エステル類、及びアルコール類から成る群から選択される少なくとも1種を含むことができる。溶媒は、例えば、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールブチルエーテル(PGBE)、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エタノール、2-ブトキシエタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブチルアルコール、ヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘプタノン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、酢酸エチル、n-ブチル酢酸(nBA)、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、ジイソペンチルエーテル、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジアセトンアルコール、3,3-ジメチル-2-ブタノン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノンメチル-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパネート(HBM)、ガンマブチロラクトン(GBL)、1-ブタノール(n-Butanol)、乳酸エチル(EL)、ジエンブチルエーテル(DBE)、ジイソプロピルエーテル(DIAE)、アセチルアセトン(Acetyl acetone)、乳酸ブチル(n-Butylactate)、4-メチル-2-ペンタノール(又は、methyl isobutyl carbinol(MIBC)と記載できる)、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、トルエン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル(methyl pyruvate)、ピルビン酸エチル(ethyl pyruvate)、酢酸ブチル、メチル2-ヒドロキシイソブチレート(methyl 2-hydroxyisobutyrate)、メトキシベンゼン(methoxybenzene)、n-ブチルアセテート、1-メトキシ-2-プロピルアセテート、メトキシエトキシプロピオン酸塩、エトキシエトキシプロピオン酸塩、又はこれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でも、エッジビードをより効率よく除去するという観点から、溶媒は、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、ガンマブチロラクトン(GBL)、乳酸エチル(EL)、4-メチル-2-ペンタノール(MIBC)から成る群から選択される1種以上であることが好ましい。
【0072】
また、上記の溶媒と添加剤との組合せは、特に制限されないが、溶媒がエーテル類である場合、組み合わされる添加剤は酸化合物(特に、カルボン酸)であってもよい。例えば、溶媒がプロピレングリコールメチルエーテル(PGME)である場合、組み合わされる添加剤はプロピオン酸、及びジフルオロ酢酸から成る群から選択される1種以上であってもよい。
【0073】
また、溶媒がグリコールエーテル類である場合は、組み合わされる添加物はアルコール化合物及び酸化合物から成る群から選択される1種であってもよい。例えば、溶媒がプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)である場合、添加剤は4-ニトロカテコール、ブチルホスホン酸、メチルホスホン酸、トロポロン、ビニルホスホン酸、及びオレイン酸から成る群から選択される1種以上であってもよい。
【0074】
また、溶媒がエステル類である場合、組み合わされる添加剤は、酸化合物、及びケトン化合物から選択される1種以上であってもよく、添加剤を使用せずエステル類の溶媒を単独で用いてもよい。例えば、溶媒が乳酸エチル(EL)である場合、添加剤は、エタンスルホン酸、グリコール酸、アセチルアセトン、及びステアリン酸から成る群から選択される1種以上であってもよく、添加剤を使用せず乳酸エチル(EL)単独で用いてもよい。また、溶媒がガンマブチロラクトン(GBL)である場合、添加剤はトリフルオロ酢酸、及びプロピオン酸から成る群から選択される1種以上であってもよい。
【0075】
また、溶媒がアルコール類である場合、組み合わされる添加剤は酸化合物であってもよい。例えば、溶媒が4-メチル-2-ペンタノール(MIBC)である場合、添加剤はメタンスルホン酸であってもよい。
【0076】
一実施形態においては、エッジビード除去用組成物は、前述した添加剤を0.01重量%以上50重量%以下で含み、溶媒を50重量%以上99.99重量%以下で含むことができる。
【0077】
エッジビード除去用組成物は、界面活性剤、分散剤、吸湿剤、及びカップリング剤から成る群から選択される少なくとも一つをさらに含むことができる。これらを含む場合、溶媒は、含まれる構成を除いた残量で含まれる。エッジビード除去用組成物に含まれる界面活性剤、分散剤、吸湿剤、及びカップリング剤としては、金属含有レジスト組成物の欄に記載したものを適宜採用することができる。
【0078】
一実施形態に係るエッジビード除去用組成物を塗布し、エッジビードの除去処理を行う工程は、例えば、800rpm以上4,500rpm以下の速度で基板を回転(spin)させながら行うことができる。また、基盤を回転させる当該速度は、1000rpm以上4500rpm以下、1500rpm以上4500rmp以下、2000rpm以上4500rmp以下、2500rpm以上4500rmp以下、1000以上4000rmp以下、1500rpm以上4000rmp以下、2000rpm以上4000rmp以下、又は2500rpm以上4000rmp以下であってもよい。基盤を回転させる速度が上記の範囲内にあることにより、パンプの最大高さをより低いものにすることができる。また、一実施形態において、上記の速度で基盤を回転させる時間は、10秒以上100秒以下であることが好ましく、20秒以上60秒以下であることが好ましい。
【0079】
一実施形態においては、基板のエッジ及び裏面に塗布された金属基盤汚染を減少させ、レジストを望む水準に減少させるため、エッジビード除去用組成物を塗布する工程を数回行うことができる。
【0080】
また、一実施形態に係るエッジビード除去用組成物を塗布する領域は、エッジビードを除去可能なように基板の外周に沿っていれば特に制限されないが、例えば、基板の外周端から中央方向に30mm以内の位置に塗布されてもよく、25mm以内の領域に塗布されてもよく、20mm以内の領域に塗布されてもよく、15mm以内の領域に塗布されてもよく、10mm以内の領域に塗布されてもよく、5mm以内の領域に塗布されてもよく、4mm以内の領域に塗布されてもよく、3mm以内の領域に塗布されてもよく、2mm以内の領域に塗布されてもよく、1mm以内の領域に塗布されてもよい。
【0081】
本発明に係るエッジビード除去用組成物を塗布し、エッジビードを除去する工程を含むパターン形成方法は、特に金属含有レジスト、さらに具体的には、望ましくない金属残留物、例えばスズ基盤金属残留物の除去により効果的である。
【0082】
(第1熱処理工程)
続いて、レジスト層が形成されている基板を乾燥及び加熱する第1熱処理工程を行う。第1熱処理工程は、特に制限されないが、70℃以上170℃以下の温度で行うことができ、80℃以上160℃以下の温度で行うこともできる。当該温度で加熱する加熱時間は、特に制限されないが、30秒以上120秒以下であってもよく、40秒以上80秒以下であってもよい。この過程で溶媒は増発され、レジスト層は基板にさらに固く接着される。
【0083】
(レジストパターン形成工程)
続いて、第1熱処理工程にて乾燥処理及び加熱処理を行ったレジスト層について、露光処理及び現像処理してレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程をおこなう。
【0084】
露光処理においては、レジスト層を選択的に露光することができる。
【0085】
例えば、露光処理で用いることができる光の例としては、活性化照射導線i-line(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)等の短波長を有する光だけでなく、EUV(Extreme Ultra Violet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー波長を有する光などが挙げられる。
【0086】
より具体的に、一実施形態に係る露光用光は、5nm~150nm波長範囲を有する短波長光であってもよく、EUV(Extreme Ultra Violet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー波長を有する光であってもよい。
【0087】
レジストパターン形成工程では、ネガ型パターンを形成することができる。
【0088】
レジスト層のうち露光された領域は、金属化合物間の縮合などの架橋反応によってポリマーを形成することによって、レジスト層の未露光領域と互いに異なる溶解度を有するようになる。
【0089】
続いて、一実施形態のレジストパターン形成工程においては、基板に第2熱処理工程を行うことができる。第2熱処理工程は、90℃~200℃の温度で行うことができる。また、加熱時間は、特に制限されないが、30秒以上120秒以下であってもよく、40秒以上80秒以下であってもよい。第2熱処理工程を行うことによって、前記レジスト層の露光された領域は、現像液に溶解が難しい状態となる。
【0090】
続いて、現像処理においては、現像液組成物を用いて現像を行うことができる。
【0091】
具体的に、現像液組成物を使用して未露光の領域に当該するレジスト層を溶解した後に除去することによって、ネガティブトーンイメージに当該するレジストパターンが完成できる。
【0092】
現像処理で使用される現像液組成物は、例えば有機溶媒であってもよく、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、2-ハブタノンなどのケトン類、4-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、イソプロパノール、1-プロパノール、メタノール、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、メチルイソブチルカルビノール(MIBC)などのアルコール類、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、乳酸エチル、酢酸n-ブチル、メチル-2-ヒドロキシイソブチレート、ブチロラクトンなどのエステル類、ベンゼン、キシレン、トルエンなどの芳香族化合物、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0093】
前述したように、i-line(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)等の波長を有する光だけでなく、EUV(Extreme Ultra Violet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギーを有する光などによって露光されて形成されたレジストパターンは、5nm~100nm厚さの幅を有することができる。例えば、レジストパターンは、5nm~90nm、5nm~80nm、5nm~70nm、5nm~60nm、5nm~50nm、5nm~40nm、5nm~30nm、又は5nm~20nmの厚さの幅で形成することができる。
【0094】
一方、レジストパターンは、約50nm以下、例えば40nm以下、例えば30nm以下、例えば20nm以下、例えば15nm以下のハーフピッチ(half-pitch)、及び約10nm以下、約5nm以下、約3nm以下、約2nm以下の線幅粗さを有するピッチを有することができる。
【0095】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、これは説明的かつ例示的なものであって限定的ではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって解釈されるべきであることは明らかである。例えば、本発明の一実施形態に係るパターン形成方法は、以下の実施形態をも含むものとする。
(i)基板上に金属含有レジスト組成物を塗布してレジスト層を形成する段階;
前記基板のエッジに沿ってエッジビーズ除去用組成物を塗布する段階;
乾燥及び加熱する熱処理段階;そして
露光及び現像してレジストパターンを形成する段階
を含み、
前記エッジビーズ除去用組成物を塗布した後、基板周縁から基板の中央方向に1mm乃至30mmの領域で前記レジスト層の最大ハンプ(Hump)高さが300nm以下である、パターン形成方法。
(ii)前記最大ハンプ(Hump)高さは10nm乃至300nmである、(i)に記載のパターン形成方法。
(iii)前記レジスト層の表面エネルギーと前記エッジビーズ除去用組成物の表面張力との差は、2mN/m乃至15mN/mである、(i)又は(ii)に記載のパターン形成方法。
(iv)前記エッジビーズ除去用組成物の表面張力は、25.0mN/m乃至40.0mN/mである、(i)~(iii)のいずれかに記載のパターン形成方法。
(v)前記エッジビーズ除去用組成物の表面張力は、27.0mN/m乃至36.0mN/mである、(i)~(iv)のいずれかに記載のパターン形成方法。
(vi)前記エッジビーズ除去用組成物の粘度は、1乃至10cPsである、(i)~(v)のいずれかに記載のパターン形成方法。
(vii)前記エッジビーズ除去用組成物を塗布する段階は、1,000乃至4,000rpmの速度で基板を回転させながら行う、(i)~(vi)のいずれかに記載のパターン形成方法。
(viii)前記金属含有レジストに含まれる金属化合物は、有機オキシ基含有スズ化合物及び有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物のうち、少なくとも一つを含む、(i)~(vii)のいずれかに記載のパターン形成方法。
(ix)前記金属含有レジストに含まれる金属化合物は、下記の化学式1に表示される、(i)~(viii)のいずれかに記載のパターン形成方法:
【0096】
【化5】
【0097】
前記化学式1中、
は、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、置換もしくは非置換のC6~C30アリールアルキル基、及び-L-O-R(ここでLは、単結合、又は置換もしくは非置換のC1~C20アルキレン基であり、Rは、置換又は非置換のC1~C20アルキル基である)の中から選択され、
~Rは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、置換もしくは非置換のC6~C30アリールアルキル基、-ORおよび-OC(=O)Rの中から選択され、かつR~Rのうちの少なくとも1つは、-ORおよびOC(=O)Rの中から選択され、
この際、Rは、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、又はこれらの組み合わせであり、
は、水素原子、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、又はこれらの組み合わせである。
【実施例0098】
以下、上述したパターン形成方法に関する実施例を通して、本発明をより詳細に説明する。しかし、下記の実施例によって本発明の技術的特徴が限定されるのではない。
【0099】
(金属含有レジスト組成物の製造)
〈製造例A〉
下記の化学式Cの構造を有する金属化合物を4-メチル-2-ペンタノール(4-methyl-2-pentanol)に1重量%の濃度で溶解し、0.1μmのPTFEシリンジフィルターでろ過してレジスト組成物を製造した。
【0100】
【化6】
【0101】
〈製造例B〉
下記の化学式Dの構造を有する金属化合物を使用したこと以外は製造例Aと同様に、レジスト組成物を製造した。
【0102】
【化7】
【0103】
(エッジビード除去用組成物の製造)
製造例1から製造例22
添加剤と溶媒をそれぞれ下記表1の組成で混合した後、常温(25℃)で振って完全に溶解させた。その後、1μmのポアサイズを有するPTFE材質のフィルターを通過させて最終エッジビード除去用組成物を得た。なお、表中、PGMEAがプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ELが乳酸エチル、GBLがガンマブチロラクトン、MIBCが4-メチル-2-ペンタノール、PGMEがプロピレングリコールメチルエーテル、nBAがn-ブチル酢酸を意味する。
【0104】
【表1】
【0105】
(現像液の製造)
〈製造例C〉
酢酸(Acetic acid) 1.0wt%をPGMEAに溶解して現像液を製造した。
【0106】
(レジスト層の作製)
8インチシリコンウェハー上に製造例A及び製造例Bによる金属含有レジスト組成物を2.0mL投入して20秒間静置した後、1500rpmの速度で30秒間スピンコーティングした。表2中、金属含有レジスト組成物として製造例Aを用いたものをPR(A)、製造例Bを用いたものをPR(B)と表す。続いて、ウェハー外周部から1mm地点の上部で下記表2に記載のように製造例に係るエッジビード除去用組成物を10mL投入し、表2に記載された回転速度(rpm)で30秒間回転させた後、160℃で60秒間乾燥した。
【0107】
[評価1:レジスト層の表面エネルギー(表面張力)(mN/m)測定]
8インチシリコンウェハー上に製造例に係る金属化合物含有レジスト組成物を2.0mL投入して、20秒間静置した後、1500rpmの速度で30秒間スピンコーティングした後、100℃で60秒間熱処理してレジスト層を形成した。
【0108】
レジスト層の表面を清潔にした後、DSA100(KRUSS社製)を表面に乗せて脱イオン水(DIW:Deionized water)の接触角、ジヨードメタン(diiodomethane)の接触角及び幾何平均法(OWRK Method)によって計算される表面エネルギー(表面張力)を測定した。同じ測定を5回繰り返して、上限と下限を除いた3回の測定値の平均値を測定して表2に示した。
【0109】
[評価2:エッジビード除去用組成物の表面張力(mN/m)の測定]
K11-MK1(KRUSS社製)表面張力系を使用して、製造例1~22によるエッジビード除去用組成物の25℃での表面張力を5回繰り返して、上限と下限を除いた3回の測定値の平均値を測定して表2に示した。
【0110】
当該評価2で得られたエッジビード除去用組成物の表面張力の値から、評価1で得られたレジスト層の表面エネルギーの値を引くことにより、表面エネルギーの差(mN/m)を算出した。結果を表2に示す。
【0111】
[評価3:エッジビード除去用組成物の粘度測定]
製造例1~22によるエッジビード除去用組成物の絶対粘度をLVDV-III-UCP(BROOKFIELD社製)を利用して、25℃、Torque%45の条件で5回繰り返して、上限と下限を除いた3回の測定値の平均値を測定して表2に示した。
【0112】
[評価4:ハンプ(hump)の評価]
図2はハンプの模式図である。図2を参照すると、ハンプは、エッジビード除去用組成物を噴射し、エッジビードを除去した際に生じる、金属化合物含有レジスト薄膜(レジスト層)の終端における凸状に隆起した部分を指す。
【0113】
ここでハンプの最大の高さを測定した。ハンプの最大高さとは、図2のbに示すように、ハンプ以外のレジスト層の平坦な箇所と、ハンプ部分の最も隆起した部分と、の段差(△Thickness)を意味する。ハンプの最大高さは、Tencor社製のProfilerのP17OF装置で測定した。測定した値を下記表2に記載した。
【0114】
測定されたハンプの最大高さを下記基準により評価してその結果を共に記載した。
【0115】
A:ハンプの最大高さ≦100nm
B:100nm<ハンプの最大高さ≦300nm
C:300nm<ハンプ最大高さ≦1,000nm
D:1,000nm<ハンプ最大高さ
[評価5:エッジパターンの不良率評価]
エッジビードの除去が完了した各実施例のウェハーに対して、ArFscanner(ASML社製 XT1250D)を使用して、1cm×1cm大きさの正四角形パターンで40mJ doseにて露光した後、170℃で60秒間硬化した。続いて、現像液組成物(製造例C)を使用して1500rpmスピンで30秒間現像工程を進行した後、240℃で60秒間硬化した。
【0116】
硬化する工程の後、Line/SpaceCDパターンが形成されたパターンウェハーをCD-SEM測定装備に移して、限界寸法(CD、Critical Dimension)サイズを測定した。限界寸法は、CD-SEMイメージで12point測定後平均値に定め、ターゲットの限界寸法を80nmにし、ターゲットの限界寸法から誤差範囲(±10%)を逸脱したり、ブリッジ又はスコムなどが発生したpointを不良ショットとして、下記式1により不良率を計算し、不良率が1.5%以下の場合は良、1.5%超過の場合は不良に評価して、表2に記載した。
【0117】
【数1】
【0118】
【表2】
【0119】
表2を参照すると、実施例1~実施例18により形成されたパターンウェハーは、比較例1~11に比べて、ハンプの最大高さが低く測定され、そのためにパターン不良率が低いことが確認できる。
【0120】
前述のように、本発明の特定の実施例を説明し、図示したが、本発明は記載された実施例に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく、種々の修正及び変形が可能であることは、この技術分野において通常の知識を有する者にとって自明なことである。従って、そのような修正例又は変形例は、本発明の技術的思想又は観点から個別に理解されるべきではなく、変形された実施例は、本発明の特許請求の範囲に属するというべきである。
【符号の説明】
【0121】
1 基板支持部
2 噴射ノズル
10 レジスト溶液
12 エッジビード
a レジスト層
b ハンプの最大高さ
c及びW 基板
図1
図2
図3
図4