(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166108
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】試験測定アクセサリ
(51)【国際特許分類】
G01R 31/28 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
G01R31/28 K
G01R31/28 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024075347
(22)【出願日】2024-05-07
(31)【優先権主張番号】63/463,994
(32)【優先日】2023-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/652,163
(32)【優先日】2024-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391002340
【氏名又は名称】テクトロニクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ジー・ニーリム
(72)【発明者】
【氏名】ノア・ブラマー
(72)【発明者】
【氏名】ロジャー・ディー・ビッグハウス
(57)【要約】
【課題】アイソレーション・プローブの性能を改善する。
【解決手段】試験測定アクセサリ6は、被試験デバイス(DUT)からの入力信号を受信する入力部12と、パイロット信号を生成するパイロット信号生成部24と、入力信号とパイロット信号を複合光信号に変換するE/Oコンバータ18と、複合光信号を複合電気信号に変換するO/Eコンバータ46と、複合電気信号からパイロット信号を分離する信号セパレータ44と、分離したパイロット信号の振幅を求める振幅検出部49と、分離したパイロット信号の振幅に基づく信号をE/Oコンバータ18、O/Eコンバータ46、入力増幅器16又は出力増幅器53に送信して入力部12から試験測定装置への信号パスの利得を調整する回路とを有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験測定アクセサリであって、
被試験デバイス(DUT)から入力電気信号を受信する入力部と、
パイロット信号を生成するパイロット信号生成部と、
上記入力部及び上記パイロット信号生成部に結合され、上記入力電気信号及び上記パイロット信号を複合光信号に変換する電気/光(E/O)コンバータと、
上記複合光信号を送信する光ファイバと、
上記複合光信号を受けて、該複合光信号を複合電気信号に変換する光/電気(O/E)コンバータと、
上記複合電気信号から上記パイロット信号を分離するための信号セパレータと、
該信号セパレータから分離された上記パイロット信号を受けて、分離された上記パイロット信号の振幅を求める振幅検出部と、
分離された上記パイロット信号の上記振幅を使用して、上記入力部から試験測定装置への信号パスの利得を調整する回路と
を具える試験測定アクセサリ。
【請求項2】
上記パイロット信号が、擬似ランダム・シーケンスを含み、
上記試験測定アクセサリが、
対応する擬似ランダム・シーケンスを生成する第2信号生成部と、
上記複合電気信号と上記対応する擬似ランダム・シーケンスとの間の相関を求めるように構成された回路と
を更に具える請求項1に記載の試験測定アクセサリ。
【請求項3】
上記パイロット信号生成部及び上記E/Oコンバータが、第1フォトニクス基板上に存在し、上記O/Eコンバータ、上記信号セパレータ及び上記振幅検出部が、第2フォトニクス基板上に存在し、上記第1及び第2フォトニクス基板は、上記光ファイバによって光学的に結合される請求項1に記載の試験測定アクセサリ。
【請求項4】
上記入力部から上記試験測定装置への上記信号パスの利得を調整する回路が、分離された上記パイロット信号の上記振幅に基づく信号を上記E/Oコンバータ、上記O/Eコンバータ、上記入力部に電気的に結合された入力増幅器又は出力増幅器に送信する請求項1に記載の試験測定アクセサリ。
【請求項5】
試験測定アクセサリであって、
被試験デバイス(DUT)から電気信号を受ける入力部と、
該入力部に結合され、上記電気信号を光信号に変換する電気/光(E/O)コンバータと、
該E/Oコンバータから独立していて、上記光信号を上記光信号のフィードバック部分と上記光信号の残りの部分に分割する光スプリッタと、
上記光信号の上記残りの部分を送信する光ファイバと、
上記光信号の上記フィードバック部分からフィードバック信号を生成し、上記光信号を調整するための、上記E/Oコンバータへのフィードバック電気信号を生成するフィードバック光ダイオードと、
上記光信号の上記残りの部分を受けて、上記光信号の上記残りの部分を電気信号に変換するO/Eコンバータと
を具える試験測定アクセサリ。
【請求項6】
上記光スプリッタが、上記E/Oコンバータ及び上記入力部を有するプローブ・ヘッド上にある請求項5に記載の試験測定アクセサリ。
【請求項7】
上記光スプリッタは、上記O/Eコンバータとともに存在し、上記試験測定アクセサリは、上記フィードバック部分を上記E/Oコンバータ及び上記入力部を収容するプローブ・ヘッドに戻すための第2光ファイバを更に具える請求項5に記載の試験測定アクセサリ。
【請求項8】
試験測定アクセサリであって、
被試験デバイス(DUT)から入力電気信号を受信する入力部と、
パイロット信号を生成するパイロット信号生成部と、
上記入力部及び上記パイロット信号生成部に結合され、上記入力電気信号及び上記パイロット信号を複合光信号に変換する電気/光(E/O)コンバータと、
上記複合光信号を送信する光ファイバと、
上記複合光信号を受けて、該複合光信号を上記パイロット信号及び出力電気信号から構成される複合電気信号に変換する光/電気(O/E)コンバータと、
少なくとも上記出力電気信号を試験測定装置に送信する出力部と
を具える試験測定アクセサリ。
【請求項9】
上記複合電気信号を上記出力電気信号及び上記パイロット信号に分離する信号セパレータと、
上記試験測定アクセサリが上記パイロット信号を上記試験測定装置に送信できるようにする第2出力部と
を更に具える請求項8に記載の試験測定アクセサリ。
【請求項10】
上記信号セパレータから分離された上記パイロット信号を受信して分離された上記パイロット信号の振幅を求める振幅検出部を更に具え、上記第2出力部は、上記試験測定アクセサリが上記振幅を上記試験測定装置に送信できるようにする請求項9に記載の試験測定アクセサリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、試験測定プローブなどの試験測定アクセサリに関し、特にアイソレーションされた試験測定アクセサリに関する。
【背景技術】
【0002】
試験測定プローブは、オシロスコープ(以下「スコープ」)などの試験測定装置を、DUTからの1つ以上の信号を試験や測定するために被試験デバイス(DUT)に接続する。テクトロニクス製のTIVP型プローブ・ファミリの1つなど、アイソレーション型試験測定プローブは、ガルバニック・アイソレーション(例えば、光学式など)又はRFアイソレーションを使用して、プローブの基準電圧をオシロスコープの基準電圧(通常はアース・グランド)から分離する。これにより、パワー・デバイスの設計者は、大きなコモン・モード電圧が存在する場合でも、高帯域幅、高電圧の差動信号の問題を正しく解決できる。テクトロニクスのアイソレーション・プローブは、ガルバニック・アイソレーションを使用したIsoVuTMプローブ・テクノロジーを採用しており、小型のプローブ・フォーム・ファクタで、広帯域にわたってクラス最高レベルのコモン・モード除去(common mode rejection)性能を提供する。
【0003】
IsoVuTMプローブは、アイソレーションと高周波の組み合わせにより、パワー・デバイスの設計者は、高電圧信号の測定に高帯域幅を必要とするアプリケーションにおいて、従来の差動プローブよりも高精度な測定が可能になる。この手法の使用例としては、スイッチチング電源の設計、ワイド・バンド・ギャップGaN(窒化ガリウム)及び炭化ケイ素(SiC)デバイス向けのパワーFET(電界効果トランジスタ)の設計/分析、インバータ設計、モータ駆動回路設計、バルク電流注入(BCI:bulk current injection)又は静電放電(ESD)測定、電流シャント測定、などがある。
【0004】
既存のアイソレーション・プローブには、ドリフト(多くの場合、温度によるドリフト)によって発生する可能性のある信号パスの利得とオフセット誤差を補償するための校正ルーチンが組み込まれている。このドリフトの原因の大部分は、バック・ファセット・モニタ光ダイオードを備えた分布帰還(DFB:distributed feedback)型レーザ、光ファイバ、光ダイオードなどの光学部品が占めている。プローブのユーザが、これらのコンポーネントの熱で生じる小さな誤差を修正するために、校正ルーチンを頻繁に再実行しなければならないのは不便である。
【0005】
米国特許第9,557,399号は、低周波(LF: low-frequency)オフセット補正技術を開示しており、これは、入力信号を低速でデジタル化すると共に、出力信号を低速でデジタル化し、これらデジタル信号の一方をもう1つの光ファイバによるアイソレーション・バリアを越えて送信し、デジタル化されたこれら値を比較してエラー(誤差)を求め、このエラー信号をフィード・バック(FB)するか又はフィード・フォワード(FF)して、低周波数誤差を補正するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第9557399号明細書
【特許文献2】特許第6633970号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「Galvanic isolation」の記事、Wikipedia(英語版)、[online]、[2024年5月2日検索]、インターネット<https://en.wikipedia.org/wiki/Galvanic_isolation>
【非特許文献2】「絶縁 (電気)」の記事、特に「isolation」について、Wikipedia(日本語版)、[online]、[2024年5月2日検索]、インターネット<https://ja.wikipedia.org/wiki/絶縁_(電気)>
【非特許文献3】「レーザ給電向けに高出力光給電コンバータ「KPC8H-FC」を発表」、株式会社京都セミコンダクター(デクセリアルズ株式会社の子会社)、[2024年5月6日検索]、インターネット<https://www.dexerials.jp/news/2021/news21k01.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これは、低周波数オフセット誤差ではうまく機能するが、高周波(HF:high-frequency)側波帯に混在する低周波数利得誤差は修正できない。別の手法では、電気信号を光信号に変換する電気/光コンバータ(E/O)の光出力信号を検出し、光出力信号と入力信号を比較し、それに応じてレーザ駆動回路を調整する、より高速なローカル・フィードバック方式を利用している。これは、高周波信号の利得変調側波帯を補正せず、レーザからの光出力信号を検知するために使用される「バック・ファセット・モニタ」における熱が原因の低周波数利得誤差(エラー)に悩まされる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願に開示される実施形態は、アイソレーション・プローブ技術の性能を改善するための複数の態様を含む。アイソレーション・プローブは、試験測定アクセサリの少なくとも一部を構成していてもよい。
図1に示すように、オシロスコープなどの試験測定装置8は、被試験デバイス(DUT)4からデータを収集する。試験測定アクセサリ6は、DUTと試験測定装置との間の経路(パス)にある。試験測定アクセサリの性能が向上すれば、試験測定装置で受信するDUTからのデータの精度が、初期のデータと比較して向上する。
【0010】
一実施形態では、パイロット・トーンを使用して、低周波(LF)オフセット誤差とは別に、利得変動を直接検出する。以前の手法では、低周波数誤差の全体を検出しているが、低周波数利得誤差に低周波数信号成分を掛けたものから、低周波数オフセット誤差を分離することができない。利得誤差を別途検出することにより、HF側波帯を含む利得誤差を独立して補正でき、また、残りのLFオフセット誤差を補正するために以前の手法を引き続き使用できる。
【0011】
別の実施形態は、差動信号伝送(signaling)を使用する。試験測定アクセサリは、DUTからシングル・エンド電気信号又は差動電気信号を受信し、2つのレーザを使用して差動光信号に変換する。補償ユニットは、2つの光信号を受信し、これらをシングル・エンド電気信号又は差動電気信号に変換する。補償ユニット内の増幅器を使用して、信号を増幅したり、オシロスコープなどの試験測定装置に送信する前にシングル・エンド形式に変換しても良い。差動の手法によれば、2つの側が整合する範囲で、コモン・モードとして現れるオフセット誤差を分離し、自動的にキャンセルすることができる。これにより、利得誤差の追跡と調整が容易になる。差動アプローチには、他のコモン誤差のキャンセルや、2つの側の間の独立したランダム・エラーの平均化など、追加の利点もある。
【0012】
別の実施形態は、DFBレーザの外部にある光ダイオードを使用する。外付け光ダイオードは、レーザの電力損失の変化を原因とする、モニタ・ダイオードに到達する光における熱で誘発される変化から生じる低周波数利得変動を解決するための、よりシンプルで直接的なアプローチを提供する。これは、レーザとモニタ・ダイオードを異なるパッケージに配置することで熱的に分離するため、レーザで発生する熱が、フィードバック補正スキームに影響を与えない。
【0013】
別の実施形態は、光ファイバのいずれかの「側」にシリコン・フォトニクス基板を、単独で又は他の実施形態のいずれかと組み合わせて使用することを含む。フォトニクス基板はコストを削減し、局所的な熱フィードバックを可能にして一定の温度を維持し、熱に起因する誤差(エラー)の発生を防止する。以下の手法のいずれか又はこれらの組み合わせによれば、信号パスの利得誤差やオフセット誤差を補償できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、被試験デバイス(DUT)と試験測定装置の間にある試験測定アクセサリを示す。
【
図2】
図2は、パイロット信号を利用して信号を調整する試験測定アクセサリの実施形態を示す。
【
図3】
図3は、フロント・ライト・フィードバック信号を利用して信号を調整する試験測定アクセサリの実施形態を示す。
【
図4】
図4は、差動光信号を用いた試験測定アクセサリの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図2は、パイロット信号を利用して、被試験デバイス(DUT)からデータを収集するために使用される試験測定アクセサリの実施形態を示す。試験測定アクセサリ6には、センサ・ヘッド又はプローブ・ヘッド10と補償ユニット40とがある。補償ユニット40は、電源端子36を介して試験測定装置8から電力を受けるようにしても良い。上述のように、パイロット信号を使用することにより、利得変動を直接検出する。
図1において、試験測定アクセサリ6には、DUTから電気信号を受信するための入力部12がある。電気信号は、14におけるAC入力結合又はDC入力結合を経て、増幅器16がこの信号を増幅する。電気/光(E/O)コンバータ18は、入力信号を光信号に変換する。電気/光コンバータ18は、概して、光信号を生成するためにレーザ22が使用する電力を制御する電力制御部20を有する。E/Oコンバータ18は、以下でより詳細に説明するパイロット信号生成部24からもパイロット電気信号を受信する。E/Oコンバータ18は、パイロット信号と入力信号とを組み合わせて複合光信号を生成し、レーザ22から光ファイバ21を介して光/電気(O/E)コンバータ46へ送信する。O/Eコンバータは、光センサ、典型的には光ダイオード48を有し、また、典型的にはトランス・インピーダンス増幅器(TIA:transimpedance amplifier)52を含む。本願の実施形態では、E/Oコンバータ18は、センサ・ヘッド又はプローブ・ヘッド10上にあっても良く、O/Eコンバータは、補償ユニット40上にあっても良いが、他の構成も可能である。
【0016】
O/Eコンバータから得られる信号は、複合電気信号である。パイロット信号検出部/セパレータ44は、パイロット信号をこの電気信号から分離して、理想的には、DUTから受ける元の電気信号となり、出力部42に送られる。しかし、上述したように、入力部12と出力部42との間の信号パスにおける様々な影響により、得られる信号が変化する。パイロット信号により、試験測定アクセサリは、これらの影響を補正できる。この変化は、
図2の領域50における熱ドリフトから生じることがあり、多くの場合、レーザが動作しているときのレーザの温度上昇や光ファイバの機械的動きに起因する。
【0017】
試験測定アクセサリの下側のコンポーネントは、センサ/プローブ・ヘッド10の動作制御及び補償ユニット40との通信を行う。これらの制御コンポーネントとしては、マイクロコントローラ26及び56、DC-DC電源(DC-DCコンバータ)30及び60、光通信トランスミッタ(Tx)及びレシーバ(Rx)コンポーネント28及び58、パワー・オーバー・ファイバ(PoF)コンバータ32及びPoFレーザ62とその関連するレーザ駆動回路54があっても良い。PoFコンバータ32は、PoFレーザ62から光ファイバを介してレーザ光を受け取り、それを電力に変換してDC-DC電源30に供給しても良い。DC-DC電源30は、PoFコンバータ32からの電圧を、センサ・ヘッド又はプローブ・ヘッド10内の各コンポーネントに必要な電圧に変換する。これらは、通常、標準的なコンポーネントで構成されるが、念のためここに記載している。
【0018】
パイロット信号生成部24は、多種多様なタイプのパイロット信号の中の1つを生成しても良い。ある実施形態では、このパイロット信号は、光信号に変換される前の、加えられる入力信号の帯域外の信号から構成される。受信側では、パイロット信号検出部/セパレータ44が、ダイプレクサを有し、これが、パイロット信号を分離し、分離されたパイロット信号と出力電気信号を生成しても良い。次いで、セパレータ44は、パイロット信号を振幅検出部49に送る。振幅検出部49は、パイロット信号の振幅を検出し、入力部12と出力部42との間の信号パスの利得を調整する調整信号を提供する回路を含む。利得調整は、正又は負の調整を有していても良い。
【0019】
この調整は、利得差を考慮して入力信号を調整するために入力増幅器16に送り返されるフィードバック信号の形式、電力制御部20がレーザ22に印加する電力を調整するためにE/Oコンバータに送られるフィードバック信号の形式、又は、変換後にO/Eコンバータに送られ、O/Eコンバータの動作を調整する電気信号の形式をとることができる。これに代えて、オプションの出力増幅器53が、振幅検出部49の出力を受けて、その結果生じる信号を出力部42に送るようにもできる。図中の破線のコンポーネントとパスは、代替の実施形態又はオプションのコンポーネントを示している。
【0020】
別の実施形態では、分離されたパイロット信号の振幅は、出力電気信号に加えて、試験測定装置に送ることもできる。試験測定装置は、分離されたパイロット信号の振幅を使用して、試験測定アクセサリから受信した信号を補正できる。分離されたパイロット信号の振幅は、出力部42を介して送られる出力電気信号とは別の出力部43を通じて試験測定装置に送られても良い。ある実施形態では、パイロット信号と出力電気信号とを含む複合電気信号が試験測定装置に送られ、試験測定装置が、分離、振幅検出及び利得調整を行う。変形例としては、試験測定アクセサリに信号セパレータを設け、振幅検出機能を試験測定装置の一部とするか、又は、振幅検出部が試験測定アクセサリにあり、その出力を出力部43の前のアナログ・デジタル・コンバータ(A/D)51で変換して、振幅を試験測定装置にデジタル的に送信するものがある。別の出力部43により、パイロット信号又は振幅のいずれかを送信することが可能になる。これら変形例では、第1出力部42は、少なくとも出力電気信号を試験測定装置に送ることになる。
【0021】
帯域外のパイロット信号の代わりに、パイロット信号を擬似ランダム・シーケンスで構成し、これをパイロット信号生成部が入力信号に挿入することもできる。受信側では、パイロット信号検出部/セパレータ44が、同じシーケンスを生成するための信号生成部を有することになる。次いで、セパレータ44は、挿入されたパターンと補償ユニットで生成されたパターンとの間の最大の相関を探す。これにより、擬似ランダム・シーケンスの位相と振幅を検出して、振幅検出部49が複合電気信号から減算し、上述のようにフィードバック信号又はフィードフォワード信号を送信することができる。
【0022】
別の代替案では、パイロット信号生成部24によって生成されるパイロット信号とは別のキャリア(搬送波)信号に入力信号を変調することもできる。次いで、パイロット信号セパレータ44は、2つの信号を復調して、これらを分離し、パイロット信号が振幅検出部に到達できるようにする。
【0023】
別の手法では、
図3に示すように、光信号の一部をフィードバック信号として使用する。既存の光学的にアイソレーションされたプローブは、ここに示すレーザなどの光信号源からの光信号を使用して、DUTからの被試験信号を表すものを送信する。既存のプローブは、
図3のE/Oパッケージ(18など)内に搭載されたバック・ファセット・ミラーのモニタ光ダイオードからの電気信号を利用し、低周波フィードバック・ループにおいて出力光信号を追跡して調整する。残念ながら、モニタ光ダイオードのメイン光出力の追跡(トラッキング)誤差は、レーザ22の温度によって変化し、また、レーザ22は、印加される入力信号によって変化する。これにより、フィードバック・ループがモニタ・ダイオードの電流を安定させるように機能するが、必ずしも光出力信号のパワーを安定させるようには機能しないので、光出力信号に非線形でややヒステリシス的な誤差(エラー)が生じる。
【0024】
図3に示すような本願の実施形態では、バック・ファセット・ミラーを、E/Oコンバータ18の外部にあって独立している別個の光スプリッタ64及びフィードバック光ダイオード34に置き換える。光パワーの大部分は、依然としてケーブルを介して補償ユニットのレシーバに流れ、高帯域幅パスでは良好なSNRを維持するが、ローカルのO/E変換と低速のフィードバック・ループ用に、プローブ・ヘッドにおいて少量がピックアップされる。上述したバック・ファセットを使用するアプローチとは対照的に、このアプローチではE/Oレーザからの「フロント」光を使用する。一実施形態では、光スプリッタは、64に示すようにプローブ・ヘッド10上に存在することも、66に示すように補償ユニット40上に存在することもできる。これにより、スプリッタにより多くのスペースが提供され、スプリッタの温度制御が改善される可能性がある。スプリッタは、また、ファイバ21の中間点に設けることもでき、プローブ・ヘッドのフィードバック光ダイオード34へ向けて戻すための追加の光ファイバ23のルートを設けることもできる。
【0025】
光ダイオード34からの電気的フィードバック信号は、バック・ファセット・モニタ・ダイオードの信号が現在使用されているのと同じ方法で使用することができ、実装が簡単である。外部の別個の光ダイオードは、信号を増幅器16やE/Oコンバータ18に送信しても良い。いずれの場合も、その効果は、
図2に示すような実施形態の相乗効果(multiplicative effect:乗算的効果)ではなく、相加効果(additive effect:加算的効果)である。
【0026】
レーザは、RF信号の光送信によく使用されるが、この場合、信号の符号化処理(encoding)は、マルチパス環境でのアンテナやリフレクターの移動による利得変調に対処することが既に予想されている。これにより、レーザは、バック・ファセット・ダイオードのトラッキング誤差における熱の影響に対して比較的耐性がある。フロント・ライト方式は、光分割(スプリット)と光検出をレーザ自体の熱放散から分離するため、このような低速な変調効果に敏感な広帯域オシロスコープのプローブなどのアプリケーションにおいて、この熱的に誘発されるトラッキング誤差を最小限に抑える。
【0027】
別の実施形態は、差動信号伝送(signaling)を利用する。既存の光学アイソレーション・プローブのプローブ・ヘッドから補償ユニットまでの光路は、本質的にシングル・エンドであって、偶数次歪み、ノイズ、電源感度(power-supply sensitivity)など、シングル・エンドの電気信号パスに見られるのと同じエラーの多くに悩まされている。
【0028】
本開示のいくつかの実施形態によれば、
図4に示すように、E/Oコンバータ18及び78のように2つのレーザを使用することにより、光学的パス(光路)を差動にすることができる。E/Oコンバータ78は、独自の電力制御部89及びレーザ82を有することになる。この実施形態における増幅器16は、差動出力パス17-1及び17-2を有する増幅器から構成されてもよい。E/Oコンバータの夫々は、増幅器16の差動出力の一方の側によって駆動される。この実施形態における構成は、2つの光信号ファイバ21及び25と、補償ユニット40内のO/Eコンバータ46及び96の2つの光ダイオード48及び98とを含んでもよい。差動信号の形成は、入力パスの他の点、例えば、入力増幅器16の前で行われても良く、これは、増幅器16の第2出力パス17-2に代えて、第2入力部72、第2AC又はDC入力結合ブロック75及び第2入力増幅器76を含んでもよい。入力信号の第1部分は、E/Oコンバータ18によって第1光信号に変換される一方のパスを進み、入力信号の第2部分は、E/Oコンバータ18とは別の電力制御部80及びレーザ82を有するE/Oコンバータ78によって第2光信号に変換される他方のパスを進み、E/Oコンバータ78からの第2光信号は、第1光信号とは反対の極性に変化する振幅を有する。制御コンポーネントは、簡略化のため、この図から削除されているが、この実施形態には依然として存在している。
【0029】
本開示の他の実施形態によれば、ファイバ21及び25を使用する代わりに、波長分割マルチプレクサ(WDM:Wavelength Division Multiplexer、波長分割多重化器)104を用いて、両方のレーザの出力信号を単一のファイバに通し、波長分割デマルチプレクサ(WDDM:Wavelength Division DeMultiplexer)106を使用して、光ダイオードへ向けて、これらを再び2つに分離しても良い。補償ユニット40の増幅器93は、必要に応じて、オシロスコープへのシングル・エンド電気出力部42に向けて、これらを再結合できる。O/Eコンバータ46及び96の夫々は、TIA52及び102を有するが、ある代替案では、増幅器93の代わりに、2つの信号を結合する1つのTIAがある。
【0030】
この差動の手法では、追加のレーザと光ダイオードのコストが増加するが、偶数次歪み、コモン・モード電源、温度感度など、いくつかのシングル・エンドのエラー(誤差)を相殺するのに有益であり、また、ショット・ノイズやヒステリシス熱歪みなどの他のもっとランダムなエラーの要因を2つで平均化するのに有益である。別の選択肢としては、下側のパス上の第2入力部72によって示されるように、DUTからの差動信号を使用し、追加の増幅器76及びAC又はDC入力結合ブロック75を使用することも可能である。
【0031】
別の実施形態としては、電子素子と光学素子を集積したもの(即ち、シリコン・フォトニクス)を使用して、アイソレーション技術を実装するものがある。
【0032】
テクトロニクスのTIVP型アイソレーション・プローブ・ファミリのような光学アイソレーション・プローブ・ヘッドでは、物理的なスペースと電力の両方が重要である。サイズが小さいほど、DUTに近づけることができ、これにより、ケーブル編組抵抗によるCMRR損失が減少し、また、プローブ本体の「無限大容量(capacitance-to-infinity)」も減少するため、DUTの負荷が軽減され、CMRRが更に向上する。一方、プローブ・ヘッドを動かすための電力は光学的に供給されるため、効率的ではなく、プローブの安全要件が複雑になる。
【0033】
2.5D及び3D技術を使用して、電気部品と光学部品を同じダイ上で組み合わせること、つまり、一緒にパッケージ化されたダイを、本願では、フォトニクス基板と呼ぶ。フォトニクス基板は、現在、ムーアの法則によるコンピューティングの成長を制限しているダイ・ツー・ダイ(die-to-die:ダイ間)通信のスペースと電力の障壁を取り除くことを意図としている。こうした同じ手法が、おそらくいくつかの機能(別々のダイやパッケージ上のO/Eパワー・コンバータ/レーザなど)を備えた「シングル・チップ」の光学的にアイソレーションされたプローブ・ヘッドを製造するのに利用できる。
【0034】
個別に実装するにはコストがかかりすぎる可能性のある多くの機能が、1つのチップに集積できるという利点により、実用的になる可能性がある。これら機能には、例えば、上側のVgs又は上側のIsの測定を測定するための入力信号の多重化処理(multiplexing)、差動光信号伝送、温度に非常に敏感なデバイスを「オーブンにする」ための局所的なヒータ、温度調整のための局所的なヒータその他のコンポーネントのような温度制御素子を有する温度計、誤差補正のための追加の局所的なフィードバック・ループ、上述したような継続的な校正のためのパイロット・トーン挿入機能、などがある
【0035】
現在のシリコン・フォトニクスの研究は、データ・センターでの使用など、高速シリアル通信に焦点を当てている。アイソレーション・プローブ・ヘッドにおける使用は、同じ基本技術に関する新しくて非競合的な使用に相当する。これにより、プローブ・ヘッドに更に多くの光学デバイスを配置できるが、同時に、デバイスが、選択したテクノロジーで利用可能な選択肢に限定される。しかし、この選択肢は、テクノロジーが洗練され、データ・センターで採用されるにつれて、時間の経過とともに増加すると予想される。
【0036】
図2の実施形態では、これは、例えば、パイロット信号生成部及びE/Oコンバータが、プローブ・ヘッド基板10によって表される第1フォトニクス基板上に存在し、O/Eコンバータ、信号セパレータ及び振幅検出部が補償ユニット基板40によって表される第2フォトニクス基板上に存在し、第1及び第2フォトニクス基板が、光ファイバによって光学的に結合される、という結果になり得る。上述したように、レーザ・コンポーネント、E/Oコンバータ及びO/Eコンバータは、これらフォトニクス基板に隣接している場合があるが、この説明では、別々の基板上に存在しているとする。
【0037】
図4の実施形態では、これは、例えば、第1E/Oコンバータ及び第2E/Oコンバータが、第1フォトニクス基板上に存在し、第1O/Eコンバータ、第2O/Eコンバータ及び増幅器が第2フォトニクス基板上に存在し、第1フォトニクス基板及び第2フォトニクス基板が1つ以上の光ファイバによって光学的に結合される、という結果になり得る。
【0038】
本開示技術の態様は、特別に作成されたハードウェア、ファームウェア、デジタル・シグナル・プロセッサ又はプログラムされた命令に従って動作するプロセッサを含む特別にプログラムされた汎用コンピュータ上で動作できる。本願における「コントローラ」又は「プロセッサ」という用語は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、ASIC及び専用ハードウェア・コントローラ等を意図する。本開示技術の態様は、1つ又は複数のコンピュータ(モニタリング・モジュールを含む)その他のデバイスによって実行される、1つ又は複数のプログラム・モジュールなどのコンピュータ利用可能なデータ及びコンピュータ実行可能な命令で実現できる。概して、プログラム・モジュールとしては、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み、これらは、コンピュータその他のデバイス内のプロセッサによって実行されると、特定のタスクを実行するか、又は、特定の抽象データ形式を実現する。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、リムーバブル記憶媒体、ソリッド・ステート・メモリ、RAMなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶しても良い。当業者には理解されるように、プログラム・モジュールの機能は、様々な実施例において必要に応じて組み合わせられるか又は分散されても良い。更に、こうした機能は、集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのようなファームウェア又はハードウェア同等物において全体又は一部を具体化できる。特定のデータ構造を使用して、本開示技術の1つ以上の態様をより効果的に実施することができ、そのようなデータ構造は、本願に記載されたコンピュータ実行可能命令及びコンピュータ使用可能データの範囲内と考えられる。
【0039】
開示された態様は、場合によっては、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はこれらの任意の組み合わせで実現されても良い。開示された態様は、1つ以上のプロセッサによって読み取られ、実行され得る1つ又は複数のコンピュータ可読媒体によって運搬されるか又は記憶される命令として実現されても良い。そのような命令は、コンピュータ・プログラム・プロダクトと呼ぶことができる。本願で説明するコンピュータ可読媒体は、コンピューティング装置によってアクセス可能な任意の媒体を意味する。限定するものではないが、一例としては、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含んでいても良い。
【0040】
コンピュータ記憶媒体とは、コンピュータ読み取り可能な情報を記憶するために使用することができる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、コンピュータ記憶媒体としては、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリやその他のメモリ技術、コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、DVD(Digital Video Disc)やその他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置やその他の磁気記憶装置、及び任意の技術で実装された任意の他の揮発性又は不揮発性の取り外し可能又は取り外し不能の媒体を含んでいても良い。コンピュータ記憶媒体としては、信号そのもの及び信号伝送の一時的な形態は除外される。
【0041】
通信媒体とは、コンピュータ可読情報の通信に利用できる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、通信媒体には、電気、光、無線周波数(RF)、赤外線、音又はその他の形式の信号の通信に適した同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、空気又は任意の他の媒体を含んでも良い。
実施例
【0042】
以下では、本願で開示される技術の理解に有益な実施例が提示される。この技術の実施形態は、以下で記述する実施例の1つ以上及び任意の組み合わせを含んでいても良い。
【0043】
実施例1は、試験測定アクセサリであって、被試験デバイス(DUT)から入力電気信号を受信する入力部と、パイロット信号を生成するパイロット信号生成部と、上記入力部及び上記パイロット信号生成部に結合され、上記入力電気信号及び上記パイロット信号を複合光信号に変換する電気/光(E/O)コンバータと、上記複合光信号を送信する光ファイバと、上記複合光信号を受けて、該複合光信号を複合電気信号に変換する光/電気(O/E)コンバータと、上記複合電気信号から上記パイロット信号を分離するための信号セパレータと、該信号セパレータから分離された上記パイロット信号を受けて、分離された上記パイロット信号の振幅を求める振幅検出部と、分離された上記パイロット信号の上記振幅を使用して、上記入力部から試験測定装置への信号パスの利得を調整する回路とを具える。
【0044】
実施例2は、実施例1の試験測定アクセサリであって、上記パイロット信号生成部は、帯域外のパイロット信号を生成する。
【0045】
実施例3は、実施例2の試験測定アクセサリであって、上記信号セパレータは、上記複合電気信号から帯域外のパイロット信号を分離するためのダイプレクサを有する。
【0046】
実施例4は、実施例1から3のいずれかの試験測定アクセサリであって、上記パイロット信号が、擬似ランダム・シーケンスを含む。
【0047】
実施例5は、実施例4の試験測定アクセサリであって、対応する擬似ランダム・シーケンスを生成する第2信号生成部と、上記複合電気信号と上記対応する擬似ランダム・シーケンスとの間の相関を求めるように構成された回路とを更に具える。
【0048】
実施例6は、実施例1~5のいずれかの試験測定アクセサリであって、上記E/Oコンバータは、上記パイロット信号とは異なるキャリア信号上に上記入力電気信号を変調する。
【0049】
実施例7は、実施例1から6のいずれかの試験測定アクセサリであって、上記パイロット信号生成部及び上記E/Oコンバータが、第1フォトニクス基板上に存在し、上記O/Eコンバータ、上記信号セパレータ及び上記振幅検出部は、第2フォトニクス基板上に存在し、上記第1及び第2フォトニクス基板は、上記光ファイバによって光学的に結合される。
【0050】
実施例8は、実施例1から7のいずれかの試験測定アクセサリであって、上記入力部から上記試験測定装置への上記信号パスの利得を調整する回路が、分離された上記パイロット信号の上記振幅に基づく信号を上記E/Oコンバータに送り返す。
【0051】
実施例9は、実施例1から8のいずれかの試験測定アクセサリであって、上記入力部から上記試験測定装置への上記信号パスの利得を調整する回路は、分離された上記パイロット信号の上記振幅に基づく信号を上記O/Eコンバータに送信する。
【0052】
実施例10は、実施例1から実施例9のいずれかの試験測定アクセサリであって、上記入力部から上記試験測定装置への上記信号パスの利得を調整する回路は、分離された上記パイロット信号の上記振幅に基づく信号を上記入力部に電気的に結合された入力増幅器に送り返す。
【0053】
実施例11は、実施例1から実施例10のいずれかの試験測定アクセサリであって、上記入力部から上記試験測定装置への上記信号パスの利得を調整する回路は、分離された上記パイロット信号の上記振幅に基づく信号を出力増幅器へと前方向(forward)に送信する。
【0054】
実施例12は、実施例1から実施例11のいずれかの試験測定アクセサリであって、上記信号セパレータは、分離された上記パイロット信号と出力電気信号を生成するように構成される。
【0055】
実施例13は、実施例12の試験測定アクセサリであって、上記出力電気信号を上記試験測定装置に送信する出力部を更に具える。
【0056】
実施例14は、試験測定アクセサリであって、被試験デバイス(DUT)から電気信号を受ける入力部と、該入力部に結合され、上記電気信号を光信号に変換する電気/光(E/O)コンバータと、該E/Oコンバータから独立していて、上記光信号を上記光信号のフィードバック部分と上記光信号の残りの部分に分割する光スプリッタと、上記光信号の上記残りの部分を送信する光ファイバと、上記光信号の上記フィードバック部分からフィードバック信号を生成し、上記光信号を調整するための、上記E/Oコンバータへのフィードバック電気信号を生成するフィードバック光ダイオードと、上記光信号の上記残りの部分を受けて、上記光信号の上記残りの部分を電気信号に変換するO/Eコンバータとを具える。
【0057】
実施例15は、実施例14の試験測定アクセサリであって、上記光スプリッタは、上記E/Oコンバータ及び上記入力部を有するプローブ・ヘッド上にある。
【0058】
実施例16は、実施例14又は15のいずれかの試験測定アクセサリであって、上記光スプリッタは、上記O/Eコンバータとともに存在し、上記試験測定アクセサリは、上記フィードバック部分を上記E/Oコンバータ及び上記入力部を収容するプローブ・ヘッドに戻すための第2光ファイバを更に具える。
【0059】
実施例17は、実施例14から実施例16のいずれかの試験測定アクセサリであって、上記E/Oコンバータは、上記フィードバック信号を増幅器を介して受信し、上記フィードバック部分に基づいて上記増幅器の出力信号を調整する。
【0060】
実施例18は、実施例14から実施例17のいずれかの試験測定アクセサリであって、上記E/Oコンバータは、上記フィードバック信号を受信して上記E/Oコンバータの動作を調整する。
【0061】
実施例19は、試験測定アクセサリであって、被試験デバイス(DUT)から入力電気信号を受信する入力部と、パイロット信号を生成するパイロット信号生成部と、上記入力部及び上記パイロット信号生成部に結合され、上記入力電気信号及び上記パイロット信号を複合光信号に変換する電気/光(E/O)コンバータと、上記複合光信号を送信する光ファイバと、上記複合光信号を受けて、該複合光信号を上記パイロット信号及び出力電気信号から構成される複合電気信号に変換する光/電気(O/E)コンバータと、少なくとも上記出力電気信号を試験測定装置に送信する出力部とを具える。
【0062】
実施例20は、実施例19の試験測定アクセサリであって、上記複合電気信号を上記出力電気信号及び上記パイロット信号に分離する信号セパレータと、上記試験測定アクセサリが上記パイロット信号を上記試験測定装置に送信できるようにする第2出力部とを更に具える。
【0063】
実施例21は、実施例20又は21のいずれかの試験測定アクセサリであって、上記信号セパレータから分離された上記パイロット信号を受信して分離された上記パイロット信号の振幅を求める振幅検出部を更に具え、上記第2出力部は、上記試験測定アクセサリが上記振幅を上記試験測定装置に送信できるようにする。
【0064】
実施例22は、実施例21の試験測定アクセサリであって、上記振幅検出部に結合され、上記第2出力部より前において上記振幅をデジタル化するアナログ・デジタル・コンバータを更に具える。
【0065】
実施例23は、実施例19から22のいずれかの試験測定アクセサリであって、上記出力部は、上記複合電気信号を上記試験測定装置に送信する。
【0066】
加えて、本願の説明は、特定の特徴に言及している。本明細書における開示には、これらの特定の特徴の全ての可能な組み合わせが含まれると理解すべきである。ある特定の特徴が特定の態様又は実施例に関連して開示される場合、その特徴は、可能である限り、他の態様及び実施例との関連においても利用できる。
【0067】
また、本願において、2つ以上の定義されたステップ又は工程を有する方法に言及する場合、これら定義されたステップ又は工程は、状況的にそれらの可能性を排除しない限り、任意の順序で又は同時に実行しても良い。
【0068】
明細書、特許請求の範囲、要約書及び図面に開示される全ての機能、並びに開示される任意の方法又はプロセスにおける全てのステップは、そのような機能やステップの少なくとも一部が相互に排他的な組み合わせである場合を除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。明細書、要約書、特許請求の範囲及び図面に開示される機能の夫々は、特に明記されない限り、同じ、等価又は類似の目的を果たす代替の機能によって置き換えることができる。
【0069】
説明の都合上、本発明の具体的な実施例を図示し、説明してきたが、本発明の要旨と範囲から離れることなく、種々の変更が可能なことが理解できよう。従って、本発明は、添付の請求項以外では、限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0070】
4 被試験デバイス(DUT)
6 試験測定アクセサリ
8 試験測定装置
10 センサ・ヘッド又はプローブ・ヘッド
12 入力部
14 AC又はDC入力結合ブロック
16 増幅器
17-1 第1出力パス
17-2 第2出力パス
18 電気/光(E/O)コンバータ
20 電力制御部
21 光ファイバ
22 レーザ
23 光ファイバ
24 パイロット信号生成部
25 光ファイバ
26 マイクロコントローラ
28 光通信送信機(Tx)及び受信機(Rx)コンポーネント
30 DC-DC電源(DC-DCコンバータ)
32 パワー・オーバー・ファイバ(PoF)コンバータ
34 フィードバック光ダイオード
36 電源端子
40 補償ユニット
42 出力部
43 別の出力
44 パイロット信号検出部/セパレータ
46 光/電気(O/E)コンバータ
48 光ダイオード
49 振幅検出部
50 領域
51 アナログ・デジタル・コンバータ(A/D)
52 トランス・インピーダンス増幅器(TIA)
53 オプションの出力増幅器
54 レーザ駆動回路
56 マイクロコントローラ
58 光通信送信機(Tx)及び受信機(Rx)コンポーネント
60 DC-DC電源(DC-DCコンバータ)
62 パワー・オーバー・ファイバ(PoF)レーザ
64 光スプリッタ
66 光スプリッタ
72 入力部
75 AC又はDC入力結合ブロック
76 第2入力増幅器
78 E/Oコンバータ
80 電力制御部
82 レーザ
93 増幅器
96 光/電気(O/E)コンバータ
98 光ダイオード
102 トランス・インピーダンス増幅器(TIA)
104 波長分割マルチプレクサ(WDM)
106 波長分割デマルチプレクサ(WDDM)
【外国語明細書】