(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166151
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】ガラス板積層体及びガラス板梱包体
(51)【国際特許分類】
B65D 85/48 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
B65D85/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024079392
(22)【出願日】2024-05-15
(31)【優先権主張番号】P 2023081622
(32)【優先日】2023-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】AGC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】石田 渉
(72)【発明者】
【氏名】嶋村 剛直
(72)【発明者】
【氏名】清水 将伍
【テーマコード(参考)】
3E096
【Fターム(参考)】
3E096AA03
3E096AA15
3E096BA20
3E096BB03
3E096CA11
3E096CA21
3E096EA01X
3E096FA25
(57)【要約】
【課題】ガラス板と合紙とを順に取り出す際に、合紙を良好に取り出せるガラス板積層体及びガラス板梱包体を提供する。
【解決手段】ガラス板11の表裏に合紙13を配置させて積層させたガラス板積層体10であって、合紙13は、ガラス板11を覆うように配置され、ガラス板11に対して積層方向の上方側に隣接する合紙13の一辺13aは、両端部におけるガラス板11からの食み出し長さP1,P2の差が110mm以下であり、ガラス板11に対して積層方向の下方側に隣接する合紙13の一辺13aに対して、全長にわたって1mm以上のずれ量でずれている区間が60%以上とされている。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス板の表裏に合紙を配置させて積層させたガラス板積層体であって、
前記合紙は、前記ガラス板を覆うように配置され、
前記ガラス板に対して積層方向の上方側に隣接する前記合紙の一辺である第1辺は、
前記第1辺の両端部における前記ガラス板からの食み出し長さの差が110mm以下であり、
前記ガラス板に対して前記積層方向の下方側に隣接する前記合紙の一辺であって、前記第1辺の前記下方側に位置する辺である第2辺に対して、前記積層方向に視て、1mm以上のずれ量でずれている区間が、前記第1辺の全長の60%以上である、
ガラス板積層体。
【請求項2】
前記合紙は、前記第1辺における前記ガラス板からの食み出し長さが、10mm以上110mm以下である、
請求項1に記載のガラス板積層体。
【請求項3】
前記合紙は、繊維の配向方向である筋目方向が、前記第1辺に対して略平行に配置され、前記食み出し長さが、20mm以上80mm以下である、
請求項2に記載のガラス板積層体。
【請求項4】
前記合紙は、繊維の配向方向である筋目方向が、前記第1辺に対して略垂直に配置され、前記食み出し長さが、20mm以上110mm以下である、
請求項2に記載のガラス板積層体。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のガラス板積層体と、台座と、を備え、
前記ガラス板積層体が、前記台座に載置された状態で梱包された、
ガラス板梱包体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス板積層体及びガラス板梱包体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ガラス板の輸送や保管を行うための梱包形態として、隣り合うガラス板の相互間に合紙を介在させつつ複数枚のガラス板を重ね合わせてガラス板積層体とし、このガラス板積層体を平置き姿勢でパレットに積載したガラス板梱包体が開示されている。このガラス板梱包体において、ガラス板の相互間に介在される合紙としては、例えば、ガラス板よりも一回り大きい面積を有する矩形状の合紙が採用され、この合紙は、ガラス板の四辺のうち少なくとも三辺からそれぞれ食み出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のガラス板梱包体を開梱してガラス板積層体からガラス板を取り出すにあたっては、例えば、ガラス板積層体から最上層のガラス板を吸着して取り出すロボットと、ガラス板積層体から最上層の合紙の端部を摘んで取り出すロボットと、を動作させる。合紙を取り出すロボットは、直線状に並べられた複数の把持部を有し、これらの把持部の一対の爪部によって合紙のガラス板から食み出した一辺を挟み込むように摘んで把持し、その状態で引き上げることにより、合紙を取り出している。
【0005】
ところで、ガラス板積層体からロボットによって合紙を取り出す際に、ロボットの把持部の一方の爪部を取り出し対象の合紙の下に差し込めない場合があった。また、ロボットの把持部の一方の爪部を合紙の下に差し込めたとしても、取り出し対象の合紙における辺全体にわたって配置された複数の把持部の全てでは、把持できない場合があった。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガラス板と合紙とを順に取り出す際に、合紙を良好に取り出せるガラス板積層体及びガラス板梱包体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
(1) ガラス板の表裏に合紙を配置させて積層させたガラス板積層体であって、
前記合紙は、前記ガラス板を覆うように配置され、
前記ガラス板に対して積層方向の上方側に隣接する前記合紙の一辺である第1辺は、
前記第1辺の両端部における前記ガラス板からの食み出し長さの差が110mm以下であり、
前記ガラス板に対して前記積層方向の下方側に隣接する前記合紙の一辺であって、前記第1辺の前記下方側に位置する辺である第2辺に対して、前記積層方向に視て、1mm以上のずれ量でずれている区間が、前記第1辺の全長の60%以上である、ガラス板積層体。
【0008】
上記(1)の構成のガラス板積層体によれば、ガラス板を覆うように配置される合紙において、その一辺の両端部における食み出し長さの差を110mm以下とし、さらに、積層方向下方の合紙に対して、全長の60%以上の区間で1mm以上のずれ量のずれを設けている。これにより、直線状に並べられた複数の把持部を備えた合紙取り出しロボットによって、合紙を取り出す際に、積層方向の上下の合紙の間に把持部の爪部を挿し込みやすくできるとともに、合紙取り出しロボットの全ての把持部によって合紙の一辺を把持できる。よって、このガラス板積層体によれば、上記合紙取り出しロボットによって、合紙の把持不良を抑えて合紙を円滑に取り出せる。
【0009】
(2) 前記合紙は、前記第1辺における前記ガラス板からの食み出し長さが、10mm以上110mm以下である、(1)に記載のガラス板積層体。
【0010】
上記(2)の構成のガラス板積層体によれば、ガラス板に対して積層方向上方側に隣接する合紙の一辺の食み出し長さを10mm以上110mm以下としている。このように、ガラス板に対して合紙の食み出し長さを10mm以上110mm以下とすれば、合紙の一辺を適度に垂れ下がらせ、ガラス板の端面を十分に保護しつつ、積層方向下方側の合紙の一辺と揃うことによる把持不良をより抑えられる。
【0011】
(3) 前記合紙は、繊維の配向方向である筋目方向が、前記第1辺に対して略平行に配置され、前記食み出し長さが、20mm以上80mm以下である、(2)に記載のガラス板積層体。
【0012】
上記(3)の構成のガラス板積層体によれば、合紙は、繊維が並んだ筋目方向が一辺に対して略平行に配置されている横筋目の場合に、ガラス板からの食み出し長さを20mm以上80mm以下としている。このように、横筋目の場合に、食み出し長さを20mm以上80mm以下とすれば、一辺を適度に垂れ下がらせ、積層方向下方側の合紙の一辺と揃うことによる把持不良をより抑えられる。
【0013】
(4) 前記合紙は、繊維の配向方向である筋目方向が、前記第1辺に対して略垂直に配置され、前記食み出し長さが、20mm以上110mm以下である、(2)に記載のガラス板積層体。
【0014】
上記(4)の構成のガラス板積層体によれば、合紙は、繊維が並んだ筋目方向が一辺に対して略垂直に配置されている縦筋目の場合に、ガラス板からの食み出し長さを20mm以上110mm以下としている。このように、縦筋目の場合に、食み出し長さを20mm以上110mm以下とすれば、一辺を適度に垂れ下がらせ、積層方向下方側の合紙の一辺と揃うことによる把持不良をより抑えられる。
【0015】
(5) (1)~(4)のいずれか一つに記載のガラス板積層体と、台座と、を備え、
前記ガラス板積層体が、前記台座に載置された状態で梱包された、ガラス板梱包体。
【0016】
上記(5)の構成のガラス板梱包体によれば、合紙取り出しロボットによって合紙を円滑に取り出せるガラス板積層体を梱包した梱包体であるので、開梱作業性を向上できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ガラス板と合紙とを順に取り出す際に、合紙を良好に取り出せるガラス板積層体及びガラス板梱包体を提供できる。
【0018】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るガラス板積層体を梱包したガラス板梱包体の概略断面図である。
【
図2】
図2は、載置台が設けられたガラス板梱包体の概略平面図である。
【
図3】
図3は、載置台が設けられていないガラス板梱包体の概略平面図である。
【
図4】
図4は、ガラス板積層体が縦置きされたガラス板梱包体の概略断面図である。
【
図5】
図5は、ガラス板積層体からのガラス板の取り出し工程を説明するガラス板梱包体の概略断面図である。
【
図6】
図6は、ガラス板積層体からの合紙の取り出し工程を説明するガラス板梱包体の概略断面図である。
【
図7】
図7は、ガラス板積層体からの合紙の取り出し工程を説明するガラス板梱包体の概略平面図である。
【
図8】
図8は、合紙の取り出し工程における把持不良を説明するガラス板梱包体の概略平面図である。
【
図9】
図9は、合紙の取り出し工程における把持不良を説明するガラス板積層体の縁部の概略断面図である。
【
図10】
図10は、ガラス板積層体における合紙の配置を示す概略平面図である。
【
図11】
図11は、積層方向上方側の合紙の一辺を積層方向下方側の合紙の一辺に対して内側へずらした状態のガラス板積層体の縁部の概略断面図である。
【
図12】
図12は、積層方向上方側の合紙の一辺を積層方向下方側の合紙の一辺に対して外側へずらした状態のガラス板積層体の縁部の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るガラス板積層体10を梱包したガラス板梱包体17の概略断面図である。
【0021】
図1に示すように、本実施形態に係るガラス板積層体10は、ガラス板11と、合紙13とを交互に積層させた積層体である。すなわち、
図1における上下方向が積層方向である。合紙13は、ガラス板11を覆うように表裏に配置されている。このガラス板積層体10は、パレット19の台座15に載置された状態で梱包されてガラス板梱包体17とされ、このガラス板梱包体17の状態で、輸送または保管される。
【0022】
合紙13は、ガラス板11よりも大きな面積を有する矩形状に形成されている。したがって、合紙13は、その四辺のうち少なくとも三辺がガラス板11からはみ出すようにガラス板11の間に介在される。
図2に示すように、パレット19に、ガラス板11の一辺に当接しガラス板11を支持する載置台16が設けられている場合には、合紙13は、ガラス板11の四辺のうち、載置台16に当接する一辺以外の三辺からはみ出すように配置され、かつ、載置台16に当接する一辺の両端部から延びる二辺のそれぞれについて、少なくとも90%を覆うように、配置される。このとき、合紙13が前記二辺のそれぞれについて100%覆っていてもよい。一方、
図3に示すようにパレット19に載置台が設けられない場合、合紙13は、ガラス板11の全面を覆い、全辺の合紙がはみ出すように、配置される。ガラス板積層体10が平置きされた平パレットについては、載置台が設けられる場合と設けられない場合があるので、載置台の有無に応じて、上述したように合紙13が配置される。
図4に示すようなガラス板積層体10が縦置きされた縦パレットの場合には、ガラス板積層体10は、合紙13の主面が傾斜台18の傾斜面に接するようにパレット19に載置され、ガラス板積層体10の下辺が載置台16に支持される。よって、合紙13はガラス板11の四辺のうち下辺以外の三辺からはみ出すように配置される。縦パレットの場合においても、ガラス板11の積層方向から視たガラス板積層体10は、
図2と同様であり、合紙13は載置台16に当接する一辺の両端部から延びる二辺のそれぞれについて、少なくとも90%を覆うように、配置される。このとき、合紙13が前記二辺のそれぞれについて100%覆っていてもよい。
すなわち、載置台16が設けられている平パレット又は縦パレットにおいて、ガラス板11の積層方向からパレットに載置されたガラス板積層体10を視た場合、合紙13が前記二辺のそれぞれについて100%覆っている場合を除き、
図2に示すようにガラス板の一部の領域が合紙13に覆われていない状態となる。
【0023】
ガラス板11は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やOLED(Organic Light-Emitting Diode)等のフラットパネルディスプレイ(FPD:Flat Panel Display)用に使用される。
【0024】
合紙13は、例えば、平滑度5~30秒(JIS P 8119,1998)、密度0.4~1.0g/cm3、樹脂分が0.5質量%以下(JIS P 8224,2002)であってクッション性に優れ、樹脂分の転写の少ないような性状のものが選択される。さらに具体的には、平滑度20秒以下(JIS P 8119,1998)、密度0.8g/cm3、樹脂分が0.05質量%以下(JIS P 8224,2002)であってクッション性に優れ、樹脂分の転写の少ないような性状のものが選択される。なお、合紙13の樹脂分は、0.05質量%以下(JIS P 8224,2002)が好ましく、0.01質量%程度(JIS P 8224,2002)が特に好ましく、上述の紙面粗さとの複合効果によりガラス板11自体の品質に悪影響を及ぼさない紙質が選択される。
なお、合紙13の各辺は略直線状であるが、製造条件(原紙の切断装置など)によっては、僅かに曲がっている場合やギザギザ形状の場合もある。
【0025】
次に、ガラス板梱包体17のガラス板積層体10からガラス板11及び合紙13を取り出す場合について説明する。
図5は、ガラス板積層体10からのガラス板11の取り出し工程を説明するガラス板梱包体17の概略断面図である。
図6は、ガラス板積層体10からの合紙13の取り出し工程を説明するガラス板梱包体17の概略断面図である。
図7は、ガラス板積層体10からの合紙13の取り出し工程を説明するガラス板梱包体17の概略平面図である。
【0026】
図5に示すように、最上部のガラス板11をガラス板吸着ロボット21の吸着部23によって吸着して上方へ引き上げ、最上部のガラス板11をガラス板積層体10から取り出す。このとき、ガラス板積層体10の側部を押さえ部材25によって押さえておく。これにより、最上部のガラス板11から、このガラス板11の下方側に隣接していた合紙13が剥がされ、この最上部のガラス板11が円滑に取り出される。
【0027】
図6及び
図7に示すように、最上部のガラス板11を取り出したら、次に、最上部の合紙13を合紙取り出しロボット27によって取り出す。この合紙取り出しロボット27は、直線状に並べられた複数の把持部29を有しており、これらの把持部29が、取り出し対象である最上部の合紙13の一辺13aを挟み込むように摘んで把持する。
【0028】
それぞれの把持部29は、上爪部31と、下爪部33とを有しており、これらの上爪部31及び下爪部33は、後端部がヒンジ部35によって回動可能に連結されている。これらの把持部29によって合紙13の一辺13aを把持する際には、下爪部33を合紙13の積層方向の下方側に挿し込むとともに、上爪部31を合紙13の積層方向の上方側に配置させる。これにより、合紙13の一辺13aを把持部29の上爪部31と下爪部33との間に配置させる。この状態において、上爪部31と下爪部33とを互いに近接する方向へ回動させることにより、これらの上爪部31と下爪部33とによって合紙13の一辺13aを摘んで把持する。その後、把持部29を移動させ、合紙13をガラス板積層体10から取り出す。
【0029】
そして、このガラス板吸着ロボット21によるガラス板11の取り出し工程及び合紙取り出しロボット27による合紙13の取り出し工程を繰り返し行うことにより、ガラス板積層体10からガラス板11及び合紙13を1枚ずつ取り出す。
【0030】
なお、ガラス板11を積層させてガラス板積層体10とするには、上記のガラス板11の取り出し作業とは逆に、ガラス板11と合紙13とを順に積層させる。このとき、カメラによって撮影し、その画像に基づいてガラス板11及び合紙13を位置決めしながら積層させる。
【0031】
ところで、合紙取り出しロボット27による合紙13の取り出し工程において、取り出し対象である最上部の合紙13の把持不良が生じる場合がある。
【0032】
図8は、合紙13の取り出し工程における把持不良を説明するガラス板梱包体17の概略平面図である。
図9は、合紙13の取り出し工程における把持不良を説明するガラス板積層体10の縁部の概略断面図である。
【0033】
例えば、
図8に示すように、合紙13の一辺13aにおけるガラス板11からの食み出し長さが両端部で大きくずれることがある。このように、合紙13の一辺13aにおける両端部での食み出し長さの差が大きすぎると、合紙取り出しロボット27の複数の把持部29によって摘まめない領域が生じ、合紙13の把持不良が生じるおそれがある。
【0034】
しかも、この合紙13の一辺13aの両端部での食み出し長さの差が大きいと、合紙13によってガラス板11の全面が覆われなくなり、積層させたガラス板11同士が直接接触するおそれもある。
【0035】
また、
図9に示すように、最上部の合紙13と、積層方向下方側に隣接する合紙13との一辺13aが揃っていることがある。すなわち、
図9に示す例では、ガラス板11に対して積層方向の上方側に隣接する合紙13の一辺13a(第1辺)が、このガラス板11に対して積層方向の下方側に隣接する合紙13の一辺13a(第2辺)に対して、積層方向に視て、ずれが生じていない。このように、上下の合紙13の一辺13aが揃っていると、これらの合紙13の間へ把持部29の下爪部33が挿し込みづらくなり、把持不良を生じるおそれがある。
【0036】
このように、複数の把持部29を備えた合紙取り出しロボット27によって合紙13を円滑に取り出すには、ガラス板積層体10において、ガラス板11に対する上下の合紙13の位置関係が重要である。
【0037】
このため、本実施形態に係るガラス板積層体10では、上記のような把持不良等を抑えて合紙13を円滑に取り出すために、ガラス板11の表裏の合紙13の位置を以下のように規定している。
【0038】
図10は、ガラス板積層体10における合紙13の配置を示す概略平面図である。
図11は、積層方向上方側の合紙13の一辺13aを積層方向下方側の合紙13の一辺13aに対して内側へずらした状態のガラス板積層体10の縁部の概略断面図である。
図12は、積層方向上方側の合紙13の一辺13aを積層方向下方側の合紙13の一辺13aに対して外側へずらした状態のガラス板積層体10の縁部の概略断面図である。
【0039】
本実施形態に係るガラス板積層体10では、
図10に示すように、ガラス板11の積層方向上方側の合紙13の一辺13aは、両端部におけるガラス板11からの食み出し長さP1,P2の差(|P1-P2|)が110mm以下とされている。
【0040】
このように、合紙13の一辺13aの両端部における食み出し長さP1,P2の差が110mm以下であれば、合紙取り出しロボット27の全ての把持部29によって合紙13の一辺13aを摘まめる。
【0041】
また、本実施形態に係るガラス板積層体10では、
図11及び
図12に示すように、最上部の合紙13の一辺13a(以下、上の合紙13ともいう。)と、上の合紙13の積層方向下方側に隣接する合紙13(以下、下の合紙13ともいう。)の一辺13aとが互いにずれるように配置されている。そして、これらの積層方向の上下の合紙13は、そのずれ量が1mm以上である区間が合紙13の一辺13aの全長において60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上とされている。ずれ量は、上の合紙13及び下の合紙13の垂れ下がりを考慮しない状態において、前記合紙13の主面に対して垂直な方向から視たときの上下の合紙13の各端部13a、13a間の距離である。すなわち、上の合紙13と下の合紙13の食み出し長さの差に相当する。より詳細には、ずれ量は、
図11及び
図12に示す例では、合紙13が垂れ下がっているため、上下の合紙13を水平な状態とした後、上の合紙13の主面に対し垂直方向から視て測定する。
【0042】
なお、合紙13の一辺13aは、積層方向下方側の合紙13の一辺13aに対して内側へ引き込んだ位置にずらしてもよく(
図11参照)、また、積層方向下方側の合紙13の一辺13aに対して外側へ突出した位置にずらしてもよい(
図12参照)。
【0043】
このように、積層方向の上下の合紙13の一辺13aにおいて、全長の60%以上の区間で1mm以上のずれ量のずれを設ければ、一辺13a同士が揃っている場合と比べ、合紙13の間に把持部29の下爪部33を挿し込みやすくできる。これにより、把持部29によって合紙13の一辺13aを円滑に把持できる。
【0044】
以上、説明したように、本実施形態に係るガラス板積層体10によれば、ガラス板11の全面を覆うように配置されてガラス板11の全面を保護する合紙13において、その一辺13aの両端部における食み出し長さP1,P2の差を110mm以下とする。さらに、このガラス板積層体10によれば、積層方向下方側の合紙13に対して、全長の60%以上の区間で1mm以上のずれ量のずれを設けている。これにより、積層方向の上下の合紙13の間に把持部29の下爪部33を挿し込みやすくできるとともに、合紙取り出しロボット27の全ての把持部29によって合紙13の一辺13aを把持できる。したがって、合紙13の把持不良を抑えて合紙13を円滑に取り出せる。
【0045】
これにより、このガラス板積層体10を備えたガラス板梱包体17によれば、合紙取り出しロボット27によって合紙13を円滑に取り出せるガラス板積層体10を梱包した梱包体であるので、開梱作業性を向上できる。
【0046】
ところで、ガラス板11に対する合紙13の食み出し長さが短すぎると、ガラス板11の端面を合紙13によって十分に保護できなかったり、合紙13の一辺13aを側方から押さえることが困難となるおそれがある。さらに、ガラス板11から食み出す合紙13が垂れ下がらずに張り出すため、上下の合紙13の一辺13a同士が揃いやすくなる。また、ガラス板11に対する合紙13の食み出し長さが長すぎると、自重によって合紙13の食み出し部分が垂れ下がりすぎて上下の合紙13の一辺13a同士が揃ったり密着しやすくなるおそれがある。このため、ガラス板11に対する合紙13の食み出し長さは短すぎても長すぎても、合紙取り出しロボット27の把持部29による把持が困難となるおそれがある。
【0047】
本実施形態に係るガラス板積層体10では、合紙13の一辺13aにおけるガラス板11からの食み出し長さは10mm以上110mm以下であることが好ましい。このように、ガラス板11に対して合紙13の一辺13aの食み出し長さを10mm以上110mm以下とすれば、合紙13の一辺13aを適度に垂れ下がらせることができる。よって、ガラス板11の端面を十分に保護しつつ、積層方向下方側の合紙13の一辺13aとが揃うことによる把持不良をより抑えられる。
【0048】
また、合紙13は、その製造過程において、繊維が一方向に並んだ状態で製造される場合がある。この繊維の配向方向である筋目方向を有する合紙13では、筋目方向によって、特に、剛度や引張強度が異なり、自重によるたわみ量も異なる。
【0049】
本実施形態に係るガラス板積層体10では、合紙13は、繊維が並んだ筋目方向が一辺13aに対して略平行に配置されている横筋目の場合に、その一辺13aの食み出し長さは20mm以上80mm以下であることが好ましく、25mm以上75mm以下であることがより好ましく、30mm以上70mm以下であることがさらに好ましい。このように、横筋目の場合に、合紙13の一辺13aの食み出し長さを20mm以上80mm以下とすれば、合紙13の一辺13aを適度に垂れ下がらせ、積層方向下方側の合紙13の一辺13aとが揃うことによる把持不良をより抑えられる。
【0050】
また、本実施形態に係るガラス板積層体10では、合紙13は、繊維が並んだ筋目方向が一辺13aに対して略垂直に配置されている縦筋目の場合に、その一辺13aの食み出し長さは20mm以上110mm以下であることが好ましく、20mm以上80mm以下であることがより好ましく、25mm以上75mm以下であることがさらに好ましく、30mm以上70mm以下であることが特に好ましい。このように、縦筋目の場合に、合紙13の一辺13aの食み出し長さを20mm以上110mm以下とすれば、合紙13の一辺13aを適度に垂れ下がらせ、積層方向下方側の合紙13の一辺13aとが揃うことによる把持不良をより抑えられる。
【実施例0051】
<爪部挿し込み試験>
(試験方法)
ガラス板と合紙とを20枚重ねとしたガラス板積層体において、最上部である1枚目の合紙と2枚目の合紙との間への把持部の下爪部の挿し込み試験を行った。なお、下爪部として、厚さ0.5mmのステンレス製の爪部を用いた。
挿し込み試験は、ガラス板からの食み出し長さ及び合紙同士のずれ量を変え、各条件において試行回数20回ずつ行い、その成功率(挿し込み成功回数/試行回数)を求めた。なお、1枚目の合紙の一辺と2枚目の合紙の一辺は、互いに平行に配置させた。
【0052】
(ガラス板及び合紙)
(1)ガラス板
サイズ:長辺470mm、短辺370mm
厚さ:0.5mm
(2)合紙
サイズ:長辺500mm、短辺400mm
横筋目におけるクラーク剛度:17.5cm3/100
縦筋目におけるクラーク剛度:52cm3/100
【0053】
(試験結果)
筋目方向を一辺に対して平行に配置した横筋目の場合の試験結果を表1及び
図13に示し、筋目方向を一辺に対して垂直に配置した縦筋目の場合の試験結果を表2及び
図14に示す。なお、正のずれ量は、1枚目の合紙が2枚目の合紙よりも外側にずれている場合のずれ量であり、負のずれ量は、1枚目の合紙が2枚目の合紙よりも内側にずれている場合のずれ量である。
【0054】
【0055】
【0056】
表1及び
図13に示すように、横筋目の場合では、食み出し長さが50mmの前後の範囲である20mm以上80mm以下であれば、1枚目と2枚目のずれ量が1mmにおいても、爪部を問題なく挿し込めた。特に、食み出し長さが100mm以下で、かつ1枚目と2枚目のずれ量が3mm以上であれば、爪部の挿し込みは概ね成功(成功率95~100%)となった。また、食み出し長さが50mmの場合、1枚目と2枚目のずれ量が1mm以上であれば、爪部の挿し込みは高い成功率(成功率90%以上)となった。
表2及び
図14に示すように、縦筋目の場合では、食み出し長さが20mm以上110mm以下であれば、1枚目と2枚目のずれ量が1mmにおいても、爪部を問題なく挿し込めた。特に、食み出し長さが100mmの場合、1枚目と2枚目のずれ量が1mm以上であれば、爪部の挿し込みは概ね成功(成功率95%以上)となった。このように、縦筋目の場合、合紙の腰が強くなるため、横筋目の場合よりも合紙の食み出し長さが長い方が合紙同士の間に隙間ができて爪部が挿し込みやすくなると推定される。
【0057】
<合紙取り出し試験>
(試験方法)
ガラス板と合紙とを交互に重ねたガラス板積層体において、最上部の1枚目の合紙である第1合紙の長辺を、直線状に配列させた複数(6個)の把持部によって把持して取り出す合紙取り出し試験を行った。
合紙取り出し試験は、異なるサイズのガラス板及び合紙を積層させた4パターンのガラス板積層体において、積層条件を異ならせた試験例1~18について行った。なお、試験例1~14では、平パレットに水平に配置させたガラス板積層体とし、試験例15~18では、縦パレットの台座に縦置きされたガラス板積層体とした。
積層条件は、主に、2枚目の合紙である第2合紙に対する第1合紙の長辺のなす角度、第2合紙に対する第1合紙の長辺のずれ量(第2合紙の対角線の交点に対する、第1合紙の対角線の交点の、第2合紙の短辺延在方向へのずれ量)、第1合紙の長辺における両端部の食み出し長さの差を変更した。
なお、第2合紙は、長辺の両端部における食み出し長さの差を0mmとした。つまり、第2合紙の長辺は、平面視において、ガラス板の縁部と平行にした。
試験例2~6,9,10,12,13,15~17は実施例であり、試験例1,7,8,11,14,18は比較例である。
【0058】
(ガラス板積層体)
(1)試験例1~8
ガラス板のサイズ:長辺3370mm、短辺2940mm、厚さ:0.5mm
合紙のサイズ:長辺3470mm、短辺3040mm
長辺方向の合紙の食み出し長さ:50mm
短辺方向の合紙の食み出し長さ:50mm
(2)試験例9~11
ガラス板のサイズ:長辺2620mm、短辺2200mm、厚さ:0.5mm
合紙のサイズ:長辺2720mm、短辺2300mm
長辺方向の合紙の食み出し長さ:50mm
短辺方向の合紙の食み出し長さ:50mm
(3)試験例12~14
ガラス板のサイズ:長辺2250mm、短辺1950mm、厚さ:0.5mm
合紙のサイズ:長辺2350mm、短辺2050mm
長辺方向の合紙の食み出し長さ:50mm
短辺方向の合紙の食み出し長さ:50mm
(4)試験例15~18
ガラス板のサイズ:長辺1800mm、短辺1500mm、厚さ:0.5mm
合紙のサイズ:長辺1890mm、短辺1550mm
長辺方向の合紙の食み出し長さ:45mm
短辺方向の合紙の食み出し長さ:50mm
なお、傾斜する台座に積層させた試験例15~18では、傾斜の下方側における短辺方向の合紙の食み出し長さは0mmとした。
【0059】
(試験結果)
試験結果を表3に示す。
表3の評価結果における◎、〇、△、×の意味は、それぞれ次の通りである。
◎:合紙取り出しロボットのすべての把持部によって第1合紙を摘まめ、安定して第1合紙を取り出せた。
○:合紙取り出しロボットの把持部の一部では第1合紙を摘まめなかったが、問題無く第1合紙を取り出せた。
△:合紙取り出しロボットの把持部の一部は第1合紙を摘まめず、第1合紙を取り出せない場合があったが、実用上許容できるレベルであった。
×:合紙取り出しロボットの把持部の多くの部分で第1合紙を摘まめず、ほとんどの試行において第1合紙を良好に取り出せなかった。つまり、実用に耐えないレベルであった。
なお、表3の第1合紙と第2合紙との長辺におけるずれ量において、正のずれ量は、第1合紙が第2合紙よりも外側にずれている場合のずれ量であり、負のずれ量は、第1合紙が第2合紙よりも内側にずれている場合のずれ量である。
【0060】
【0061】
試験例1:第1合紙と第2合紙との食み出し長さに差がない試験例1では、第1合紙を良好に取り出せなかった(評価×)。
試験例2~4:第1合紙と第2合紙との食み出し長さの差が1mm以上であり、その区間が85%以上の試験例2~4では、安定して第1合紙を取り出せた(評価◎)。
試験例5:第1合紙と第2合紙との食み出し長さの差が1mm以上であり、その区間が83%の試験例5では、問題なく第1合紙を取り出せた(評価〇)。
試験例6:第1合紙と第2合紙との食み出し長さの差が1mm以上であり、その区間が71%の試験例6では、実用上許容できるレベルで第1合紙を取り出せた(評価△)。
試験例7:第1合紙と第2合紙との食み出し長さの差が1mm以上であり、その区間が55%の試験例7では、第1合紙を良好に取り出せなかった(評価×)
試験例8:第1合紙の長辺両端部の食み出し長さの差が152mmの試験例8では、第1合紙と第2合紙との食み出し長さの差が1mm以上であり、その区間が86%であるものの第1合紙を良好に取り出せなかった(評価×)。また、試験例8では、ガラス板の非カバー部が生じ、ガラス板を十分に保護できない。
試験例9:第1合紙と第2合紙との食み出し長さの差が1mm以上であり、その区間が63%の試験例9では、実用上許容できるレベルで第1合紙を取り出せた(評価△)。
試験例10:第1合紙と第2合紙との食み出し長さの差が1mm以上であり、その区間が81%の試験例10では、安定して第1合紙を取り出すせた(評価◎)。
試験例11:第1合紙の長辺両端部の食み出し長さの差が115mmの試験例11では、第1合紙と第2合紙との食み出し長さの差が1mm以上であり、その区間が83%であるものの第1合紙を良好に取り出せなかった(評価×)。また、試験例11では、ガラス板の非カバー部が生じ、ガラス板を十分に保護できない。
試験例12:第1合紙と第2合紙との食み出し長さの差が1mm以上であり、その区間が63%の試験例12では、実用上許容できるレベルで第1合紙を取り出せた(評価△)。
試験例13:第1合紙と第2合紙との食み出し長さの差が1mm以上であり、その区間が83%の試験例13では、安定して第1合紙を取り出せた(評価◎)。
試験例14:第1合紙と第2合紙との食み出し長さの差が1mm以上であり、その区間が85%の試験例14では、実用上許容できるレベルで第1合紙を取り出せた(評価△)。しかし、試験例14では、ガラス板の非カバー部が生じ、ガラス板を十分に保護できない。
試験例15:第1合紙と第2合紙との食み出し長さの差が1mm以上であり、その区間が100%の試験例15では、安定して第1合紙を取り出せた(評価◎)。
試験例16:第1合紙と第2合紙との食み出し長さの差が1mm以上であり、その区間が70%の試験例16では、実用上許容できるレベルで第1合紙を取り出せた(評価△)。
試験例17:第1合紙と第2合紙との食み出し長さの差が1mm以上であり、その区間が95%の試験例17では、安定して第1合紙を取り出せた(評価◎)。
試験例18:第1合紙と第2合紙との食み出し長さの差が1mm以上であり、その区間が92%の試験例18では、実用上許容できるレベルで第1合紙を取り出せた(評価△)。しかし、試験例18では、ガラス板の非カバー部が生じ、ガラス板を十分に保護できない。
【0062】
以上のように、第1合紙と第2合紙との食み出し長さに差がない場合、第1合紙と第2合紙とが揃ってしまい、第1合紙を良好に取り出せないと推定される(試験例1)。
これに対して、第1合紙と第2合紙との食み出し長さに1mm以上の差があり、その区間が60%以上であると、把持部による第1合紙の取り出しが可能であると推定される(試験例2~6,9,10,12,13,15~17)。
特に、第1合紙と第2合紙の長辺におけるなす角度が0°である場合、第1合紙を平行移動させることによって、第1合紙を円滑に取り出せた(試験例2,3,15)。
なお、第1合紙と第2合紙の長辺におけるずれがなく、かつ第1合紙と第2合紙の長辺におけるなす角度が小さい(例えば、0.1°以下)と、第1合紙と第2合紙との食み出し長さの差が生じている区間が狭くなり、第1合紙の取り出しが困難であった(試験例7)。
また、第1合紙と第2合紙の長辺におけるずれがなく、かつ第1合紙と第2合紙の長辺におけるなす角度が大きい(例えば、2.4°以上)と、第1合紙と第2合紙との食み出し長さの差が生じている区間が十分であっても、第1合紙がガラス板をカバーできなくなり、ガラス板を十分に保護できなくなる(試験例8,11,14,18)。
【0063】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0064】
ここで、上述した本発明に係るガラス板積層体及びガラス板梱包体の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[5]に簡潔に纏めて列記する。
[1] ガラス板(11)の表裏に合紙(13)を配置させて積層させたガラス板積層体(10)であって、
前記合紙(13)は、前記ガラス板(11)を覆うように配置され、
前記ガラス板(11)に対して積層方向の上方側に隣接する前記合紙(13)の一辺である第1辺(一辺13a)は、
前記第1辺の両端部における前記ガラス板(11)からの食み出し長さ(P1,P2)の差が110mm以下であり、
前記ガラス板(11)に対して前記積層方向下の方側に隣接する前記合紙(13)の一辺であって、前記第1辺の前記下方側に位置する辺である第2辺(一辺13a)に対して、前記積層方向に視て、1mm以上のずれ量でずれている区間が、前記第1辺の全長の60%以上である、ガラス板積層体。
[2] 前記合紙(13)は、前記第1辺(一辺13a)における前記ガラス板(11)からの食み出し長さが、10mm以上110mm以下である、[1]に記載のガラス板積層体。
[3] 前記合紙(13)は、繊維の配向方向である筋目方向が、前記第1辺(一辺13a)に対して略平行に配置され、前記食み出し長さが、20mm以上80mm以下である、[2]に記載のガラス板積層体。
[4] 前記合紙(13)は、繊維の配向方向である筋目方向が、前記第1辺(一辺13a)に対して略垂直に配置され、前記食み出し長さが、20mm以上110mm以下である、[2]に記載のガラス板積層体。
[5] [1]~[4]のいずれか一つに記載のガラス板積層体(10)と、台座(15)と、を備え、
前記ガラス板積層体が、台座に載置された状態で梱包された、ガラス板梱包体。
【0065】
本出願は、2023年5月17日付出願の日本特許出願2023-081622に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。