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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016654
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】発光装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/00 20100101AFI20240131BHJP
   H01L 23/32 20060101ALI20240131BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20240131BHJP
【FI】
H01L33/00 K
H01L23/32 D
H01L33/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118942
(22)【出願日】2022-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】西岡 誠
(72)【発明者】
【氏名】中江 博人
(72)【発明者】
【氏名】寒川 翔太
【テーマコード(参考)】
5F142
5F241
【Fターム(参考)】
5F142DA02
5F142DA14
5F142FA48
5F241AA46
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数の透光性基板が接合された基材を割断する際に、透光性基板が割断されたものを検出可能な発光装置の製造方法を提供する。
【解決手段】基材1と、下面が基材に接合され上面の外形は複数の辺を有する透光性基板2を有する複数の発光素子4と、を有する構造体を準備する工程と、上面視において、透光性基板の上面の対向する二辺それぞれの中点を通る直線である中心線24と、透光性基板の上面の外形の外側に位置する透光性基板の下面の外縁との間の距離Aを測定する工程と、隣り合う発光素子間に位置する基材を割断することにより、複数の発光装置に分割する工程と、複数の発光装置に分割する工程の後、中心線と、透光性基板の上面の外形の外側に位置する基材の外縁11との間の中心線に直交する方向における距離Bを測定する工程と、距離Bから距離Aを差し引いた差分値が所定値Xよりも大きい場合に合格と判定する工程と、を含む発光装置の製造方法。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、上面と下面とを有する透光性基板の前記上面に発光部を有し、前記透光性基板の前記下面が前記基材に接合された複数の発光素子と、を有する構造体であって、前記透光性基板の前記上面の外形は複数の辺を有する前記構造体を準備する工程と、
上面視において、前記透光性基板の前記上面の前記複数の辺のうち対向する二辺それぞれの中点を通る直線である中心線と、前記透光性基板の前記上面の外形の外側に位置する前記透光性基板の前記下面の外縁との間の前記中心線に直交する方向における距離Aを測定する工程と、
前記複数の発光素子のうち隣り合う前記発光素子間に位置する前記基材を割断することにより、複数の発光装置に分割する工程と、
前記複数の発光装置に分割する工程の後、上面視において、前記中心線と、前記透光性基板の前記上面の外形の外側に位置する前記基材の外縁との間の前記中心線に直交する方向における距離Bを測定する工程と、
前記距離Bから前記距離Aを差し引いた差分値が所定値Xよりも大きい場合に合格と判定する工程と、を含む、発光装置の製造方法。
【請求項2】
前記距離Aは、上面視において、前記中心線に直交する方向における前記中心線と、前記透光性基板の前記上面の外形の外側に位置する前記透光性基板の前記下面の外縁との間の距離のうち、最長の距離である、請求項1に記載の発光装置の製造方法。
【請求項3】
前記距離Bは、上面視において、前記中心線に直交する方向における前記中心線と、前記透光性基板の前記上面の外形の外側に位置する前記基材の外縁と間の距離のうち、最短の距離である、請求項1または請求項2に記載の発光装置の製造方法。
【請求項4】
上面視における前記透光性基板および前記基材それぞれの外形形状は正方形であり、
前記透光性基板の一辺の長さをL1、前記基材の一辺の長さをL2とすると、前記所定値Xは以下の式(1)を満足する、
X≦(L2-L1)/4 ・・・ (1)
請求項1または請求項2に記載の発光装置の製造方法。
【請求項5】
前記所定値Xは以下の式(2)を満足する、
0(μm)≦X(μm)≦25(μm) ・・・ (2)
請求項1または請求項2に記載の発光装置の製造方法。
【請求項6】
上面視における前記透光性基板および前記基材それぞれの外形形状は矩形であり、
前記判定する工程は、前記透光性基板および前記基材それぞれにおける四辺全てに対して行い、前記四辺全てにおいて前記距離Bから前記距離Aを差し引いた差分値が所定値Xよりも大きい場合に合格と判定する、請求項1または請求項2に記載の発光装置の製造方法。
【請求項7】
前記複数の発光装置に分割する工程を行う前に、前記複数の発光素子それぞれにおける、前記透光性基板の前記下面に交差する側面の一部と、前記基材の上面の一部と、を覆う樹脂部を形成する工程を含む、請求項1または請求項2に記載の発光装置の製造方法。
【請求項8】
上面視における前記透光性基板の外形形状は正方形であり、
前記透光性基板の正方形における一辺の長さは500μm以上1500μm以下である、請求項1または請求項2に記載の発光装置の製造方法。
【請求項9】
前記透光性基板は、サファイアからなる基板であり、
前記構造体を準備する工程は、上面に複数の前記発光部を有する基板を割断することにより、それぞれが前記透光性基板の前記上面に前記発光部を含む複数の前記発光素子に個片化する工程を含む、請求項1または請求項2に記載の発光装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LED(Light Emitting Diode)素子等の発光素子を有する発光装置が幅広く使用されている。例えば、特許文献1には、上面にLED素子が配置された複数のサファイア基板を蛍光体シートに貼り付けた後、この蛍光体シートを切断することにより、LED装置等の発光装置を製造する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-227470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、サファイア基板等の透光性基板を割断する際に透光性基板が裂開または劈開することにより、透光性基板の側面がその上面の法線に対して傾く場合がある。透光性基板の側面の傾きが大きくなると、複数の透光性基板が蛍光体シート等の基材に接合された後、この基材を割断する際に、基材に接合された透光性基板が基材とともに割断されるおそれがある。これにより、製造される発光装置に不良が生じる場合がある。
【0005】
本開示に係る実施形態は、複数の透光性基板が接合された基材を割断する際に、透光性基板が割断されたものを検出可能な発光装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態に係る発光装置の製造方法は、基材と、上面と下面とを有する透光性基板の前記上面に発光部を有し、前記透光性基板の前記下面が前記基材に接合された複数の発光素子と、を有する構造体であって、前記透光性基板の前記上面の外形は複数の辺を有する前記構造体を準備する工程と、上面視において、前記透光性基板の前記上面の前記複数の辺のうち対向する二辺それぞれの中点を通る直線である中心線と、前記透光性基板の前記上面の外形の外側に位置する前記透光性基板の前記下面の外縁との間の前記中心線に直交する方向における距離Aを測定する工程と、前記複数の発光素子のうち隣り合う前記発光素子間に位置する前記基材を割断することにより、複数の発光装置に分割する工程と、前記複数の発光装置に分割する工程の後、上面視において、前記中心線と、前記透光性基板の前記上面の外形の外側に位置する前記基材の外縁との間の前記中心線に直交する方向における距離Bを測定する工程と、前記距離Bから前記距離Aを差し引いた差分値が所定値Xよりも大きい場合に合格と判定する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示の実施形態によれば、複数の透光性基板が接合された基材を割断する際に、透光性基板が割断されたものを検出可能な発光装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る発光装置の構成例を示す上面図である。
図2図1におけるII-II線に沿った断面図である。
図3】第1実施形態に係る発光装置の製造方法の製造工程例を上面図である。
図4図3におけるIV-IV線に沿った断面図である。
図5】第2実施形態に係る発光装置の構成例を示す上面図である。
図6図5におけるVI-VI線に沿った断面図である。
図7】第2実施形態に係る発光装置の製造方法の製造工程例を示す上面図である。
図8図7におけるVIII-VIII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態に係る発光装置の製造方法について図面を参照しながら詳細に説明する。但し、以下に示す形態は、本実施形態の技術思想を具現化するための発光装置の製造方法を例示するものであって、以下に限定するものではない。また、実施形態に記載されている構成部の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本開示の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0010】
以下の説明では、特定の方向や位置を示す用語(例えば「上」、「下」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。これらの用語は、参照した図面における相対的な方向や位置を、分かり易くするために用いているにすぎない。各図面が示す部材の大きさ、位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。また、以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており詳細説明を適宜省略する。断面図として、切断面のみを示す端面図を用いる場合がある。
【0011】
各図面において、方向を表すために、X軸、Y軸、及びZ軸を有する直交座標を用いる。Z軸方向は上下方向を表し、Z軸の矢印が向く方向は上、上とは反対方向は下を表す。X軸方向およびY軸方向は、Z軸に直交する面内において直交する二方向を表す。また本明細書において、上面視とは上方から対象を視ることをいう。但し、これら方向表現は、本開示の実施形態の方向を限定するものではない。
【0012】
[第1実施形態]
<発光装置10の構成例>
図1および図2は、第1実施形態に係る発光装置10の構成の一例を示す図である。図1は、発光装置10の上面図である。図2は、図1におけるII-II線に沿った発光装置10の断面図である。発光装置10は、基材1と、透光性基板2と、発光部3と、を有する。本実施形態では、上面視における基材1および透光性基板2それぞれの外形形状は正方形である。図1のL1は透光性基板2の一辺の長さを表し、L2は基材1の一辺の長さを表す。但し、上面視における基材1および透光性基板2それぞれの外形形状は、正方形に限定されるものではなく、長方形、多角形等であってもよい。
【0013】
透光性基板2は、上面21と、下面22と、側面23と、を有する。上面21は、下面22の反対側に位置している。側面23は、下面22と交差する面である。側面23は、第1側面231と、第2側面232と、第3側面233と、第4側面234と、を含む。第1側面231および第2側面232は、上面21の法線に対して傾いている。上面視において、第1側面231は、X軸と交差する。上面視において、第1側面231に接する上面21の外縁と、第1側面231に接する下面22の外縁との間のX軸方向における距離は、例えば、5μm以上30μm以下である。
【0014】
発光部3は、透光性基板2の上面21に配置されている。透光性基板2の下面22は、基材1に接合されている。透光性基板2の上面21の外形は、複数の辺210を有する。複数の辺210は、第1辺211と、第2辺212と、第3辺213と、第4辺214と、を含む。なお、第2側面232の一部と第2辺212、第3側面233の一部と第3辺213、第4側面234の一部と第4辺214、はそれぞれ重なっているため、符号を併記している。以降においても構成部が重なる場合に符号を併記することがある。以下、上記の各構成部について詳細に説明する。
【0015】
(基材1)
基材1は、透光性基板2を支持する。基材1は、例えば、発光部3から透光性基板2を通って入射する光の一部の波長を変換して出射する波長変換部材である。上面視において、基材1の外形は透光性基板2の下面22よりも大きい。上面視における基材1および透光性基板2の外形形状が正方形である場合、基材1の一辺の長さは透光性基板2の一辺の長さよりも、例えば、10μm以上200μm以下長い。
基材1の上面視における外形形状が正方形である場合、基材1の一辺の長さL2は、例えば、600μm以上1800μm以下である。
以下では、基材1が波長変換部材である場合の形態について説明する。
【0016】
基材1は、透光性基板2の下面22と直接接している。基材1と透光性基板2の下面22とは直接接合によって接合されている。直接接合とは、接合する界面において、接着材等の接合部材を用いずに、接合する界面に露出している原子同士が互いに結合する接合形態をいう。
【0017】
基材1は、発光部3から透光性基板2を通って入射する光の一部の波長を変換して放射する蛍光体を含む。基材1が蛍光体を含むことにより、基材1から外部に出射される光は、発光部3からの出射光と、蛍光体により波長変換された光との混色光となる。例えば、発光部3から出射された青色光と、その青色光の一部が蛍光体により波長変換された黄色光とを混合させることにより、白色系の光を発する発光装置10を得ることができる。
【0018】
基材1は、例えば、蛍光体の焼結体、あるいは、セラミックス、ガラス等の無機材料に蛍光体を含有させたものからなる。蛍光体には、発光部3が出射する光で励起可能なものが使用される。例えば、蛍光体としては、以下に示す具体例のうちの1種を単独で、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu(Al,Ga)12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb(Al,Ga)12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(POCl:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、SrAl1425:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、CaMgSi16Cl:Eu)、シリケート系蛍光体(例えば、(Ba,Sr,Ca,Mg)SiO:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)(O,N):Eu)若しくはαサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)等の酸窒化物系蛍光体、LSN系蛍光体(例えば、(La,Y)Si11:Ce)、BSESN系蛍光体(例えば、(Ba,Sr)Si:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、KSiF:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K(Si1-xAl)F6-x:Mn ここで、xは、0<x<1を満たす。)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する量子ドット(例えば、(Cs,FA,MA)(Pb,Sn)(F,Cl,Br,I) ここで、FAとMAは、それぞれホルムアミジニウムとメチルアンモニウムを表す。)、II-VI族量子ドット(例えば、CdSe)、III-V族量子ドット(例えば、InP)、又はカルコパイライト構造を有する量子ドット(例えば、(Ag,Cu)(In,Ga)(S,Se))等を用いることができる。これらの蛍光体と、青色発光素子または紫外線発光素子と組み合わせることにより、所望の発光色の発光装置(例えば白色系の発光装置)を得ることができる。例えば、基材1に含まれる蛍光体の種類および濃度を調整することにより白色光を出射する発光装置10を得ることができる。基材1中の蛍光体の含有量は、例えば、5~50質量%程度である。
【0019】
基材1は、蛍光体の他に光拡散材を含んでもよい。光拡散材としては、例えば、酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等を用いることができる。基材1が無機材料のみを含むことにより、つまり、有機材料を含まないことにより、基材1の熱伝導率を大きくし、放熱性を高めることができる。また、有機材料を含む場合に比べて、基材1の屈折率を大きくし、透光性基板2との屈折率差を小さくできるため、基材1と透光性基板2との界面における反射を低減し、基材1からの出射効率を高めることができる。
【0020】
(透光性基板2)
透光性基板2は、発光部3を支持する。透光性基板2は、例えば、発光部3をエピタキシャル成長させるための基板である。発光部3が窒化物系半導体である場合には、サファイア(Al)、スピネル(MgAl)等の透光性の絶縁性基板、または、窒化物半導体などの半導体基板等を、透光性基板2として用いることができる。ここでの透光性とは、発光部3から出射される光に対して、少なくとも60%以上、好ましくは80%程度以上の透光率を有する性質を指す。本実施形態では一例として、透光性基板2はサファイアからなる基板である。透光性基板2の上面21は、上面視において、略矩形形状を有する。透光性基板2の厚さは、例えば、100μm以上300μm以下である。
【0021】
(発光部3)
発光部3は、発光ダイオード等の半導体発光素子である。発光部3からの出射光のピーク波長に特に制限はない。本実施形態では、発光装置10は1つの発光部3を含んでいるが、複数の発光部3を含んでいてもよい。発光部3からの出射光は、透光性基板2を透過して透光性基板2の下面22および側面23から発光装置10の外部へ出射する。発光部3は、上面視において、略矩形形状を有する。上面視において、発光部3の外形は、透光性基板2の上面21の外形よりも小さい。発光部3の厚さは、例えば、5μm以上20μm以下である。
【0022】
発光部3は、積層された複数の半導体層を含む。例えば、発光部3は、発光層(活性層)と、発光層を挟む第1導電型半導体層(例えばn型半導体層)および第2導電型半導体層(例えばp型半導体層)と、を含む。発光層は、例えば、複数の障壁層と、複数の井戸層とを含む多重量子井戸構造とすることができる。発光層は、第1導電型半導体層と第2導電型半導体層との間に位置している。発光部3は、発光層に含まれる井戸層のバンドギャップに対応した波長の光を出射する。紫外光、青色光から緑色光の可視光を発光可能な半導体層は、例えば、III-V族化合物半導体、II-VI族化合物半導体等の半導体材料を含んで形成されてもよい。具体的には、発光部3は、InAlGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等組成を有する窒化物系の半導体材を含んでもよい。発光部3は透光性基板2の上面21と接している。
【0023】
<発光装置10の製造方法例>
次に、上述した発光装置10の製造方法について説明する。発光装置10の製造方法は、(a)構造体を準備する工程と、(b)構造体における距離Aを測定する工程と、(c)構造体を割断することにより、複数の発光装置に分割する工程と、を含む。また、発光装置10の製造方法は、(d)上記発光装置における距離Bを測定する工程と、(e)距離Bから距離Aを差し引いた差分値を用いて判定を行う工程と、を含む。以下、図3および図4を参照して、各工程を詳細に説明する。図3および図4は、発光装置10の製造方法の製造工程の一例を示す図である。図3は、発光装置10の製造方法を説明するための上面図である。図4は、図3におけるIV-IV線に沿った断面図である。
【0024】
(a)構造体を準備する工程
まず、構造体20を準備する。構造体20は、基材1と、複数の発光素子4と、を有する。複数の発光素子4のそれぞれは、透光性基板2の上面21に発光部3を有する。複数の発光素子4それぞれにおける透光性基板2の下面22は、基材1に接合されている。本実施形態では、複数の発光素子4は、第1発光素子41と、第2発光素子42と、第3発光素子43と、を含む。但し、複数の発光素子4は2つまたは4つ以上の発光素子を含んでもよい。複数の発光素子4は、格子配列、千鳥配列等により、基材1上に配置される。
【0025】
上述した発光装置10は、複数の発光素子4のうちの1以上の発光素子4を含むように構造体が割断されることで得られたものである。従って、第1発光素子41、第2発光素子42および第3発光素子43それぞれに含まれる構成部は、発光装置10の構成部と同じである。図3および図4では、第1発光素子41のみに符号を付している。以下では、主に第1発光素子41について説明する。
【0026】
本実施形態では、構造体20を準備する工程は、上面に複数の発光部3を有する基板を割断することにより、それぞれが透光性基板2の上面21に発光部3を含む複数の発光素子4に個片化する工程を含む。基板の割断には、ダイヤモンドブレード等を用いたダイシング加工、レーザ光を用いたレーザ加工等を適用できる。ここで、透光性基板2がサファイア等の結晶からなる場合には、割断の際に、結晶の面方位に応じて基板が裂開する場合がある。例えば、透光性基板2の結晶の面方位として、第1側面231、第2側面232、第3側面233、および第4側面242のいずれかの面がm面に沿った面であると裂開が生じる場合がある。具体的には、透光性基板2の結晶の面方位として、上面21および下面22がc面に沿った面、第1側面231および第2側面232がm面に沿った面、第3側面233および第4側面234がa面に沿った面であると、第1側面231および第2側面232に裂開が生じる場合がある。図2および図4の例では、第1側面231及び第2側面232は、上記の裂開により上面21の法線に対して傾いている。なお、本明細書において構造体20を準備するとは、構造体を購入することで入手することも含む。
【0027】
個片化された複数の発光素子4のそれぞれは、上述した配列により配置され、基材1に接合される。具体的には、複数の発光素子4それぞれにおける透光性基板2の下面22が基材1に向き合うように、基材1に対して複数の発光素子4が配置される。基材1と複数の発光素子4における透光性基板2の下面22とは、直接接合によって接合する。但し、基材1と透光性基板2との接合は、直接接合に限定されず、接着部材等を用いたものであってもよい。
【0028】
(b)構造体における距離Aを測定する工程
次に、構造体20における距離Aを測定する。距離Aは、上面視において、中心線24と、透光性基板の下面22の外縁221と、の間の中心線24に直交する方向における距離である。距離Aは、複数の発光素子4それぞれについて測定する。中心線24は、透光性基板2の上面21の複数の辺のうち対向する二辺それぞれの中点を通る直線である。対向する二辺それぞれの中点は、第1辺211と第2辺212との間の中点、および第3辺213と第4辺214との間の中点である。平面視において、外縁221の一部は、透光性基板2の上面21の外縁の外側に位置する。
【0029】
距離Aの測定では、例えば、構造体20に光を照射し、構造体20をカメラにより撮影する。その後、撮影された画像に対して画像処理を施すことにより距離Aを測定する。画像処理では、例えば、上面21の第1辺211および第2辺212の画像から中心線24の位置を求める。次に、中心線24と外縁221との間の中心線24に直交する方向における距離Aを、画素を目盛として測定する。画像処理は、電気回路、ソフトウェア(CPU;Central Processing Unit)等により実行可能である。
【0030】
第1辺211および第2辺212の画像、外縁221の画像等を高いコントラストで得るためには、構造体20に上方から光を照明し、構造体20の上方からカメラにより撮影することが好ましい。また、カメラが有するレンズの光軸と照明光の光軸とがほぼ同じ軸上にある同軸照明により撮影することが好ましい。さらに、照明光には、可視光を用いることが好ましい。なお、距離Aの測定は、カメラによる撮影画像を画像処理する方法に限定されず、他の測定方法であってもよい。
【0031】
(c)構造体を割断することにより、複数の発光装置に分割する工程
次に、複数の発光素子4のうち隣り合う発光素子4間に位置する基材1を割断することにより、構造体20を複数の発光装置10に分割する。構造体20の割断には、ダイヤモンドブレード等を用いたダイシング加工、レーザ光を用いたレーザ加工等を適用できる。図3および図4におけるダイヤモンドブレード100は、構造体20を割断する際におけるダイヤモンドブレードが相対移動する軌跡またはダイヤモンドブレードそのものを表している。ダイヤモンドブレード100は、構造体20に対して相対移動しながら構造体20を割断できる。
【0032】
(d)発光装置における距離Bを測定する工程
次に、構造体20における距離Bを測定する。距離Bは、上面視において、中心線24と、透光性基板2の上面21の外形の外側に位置する基材1の外縁11と、の間の中心線24に直交する方向における距離である。距離Bは、複数の発光素子4それぞれについて測定する。基材1の外縁11は、基材1がダイヤモンドブレード100により割断された面である基材1の側面に対応する。
【0033】
距離Bの測定では、例えば、構造体20に光を照射し、構造体20をカメラにより撮影する。その後、撮影された画像に対して画像処理を施すことにより、距離Bを測定する。画像処理では、例えば、上面21の第1辺211および第2辺212の画像から中心線24の位置を求める。次に、中心線24と外縁11との間の中心線24に直交する方向における距離Bを、画素を目盛として測定する。画像処理は、電気回路、ソフトウェア(CPU)等により実行できる。
【0034】
第1辺211および第2辺212の画像、外縁11の画像等を高いコントラストで得るためには、構造体20に下方から光を照明し、構造体20の上方からカメラにより撮影する、いわゆるバックライト照明による撮影が好ましい。なお、距離Bの測定は、カメラによる撮影画像を画像処理する方法に限定されず、他の測定方法であってもよい。バックライト照明には、可視光を用いることが好ましい。
【0035】
(e)距離Bから距離Aを差し引いた差分値を用いて判定を行う工程
次に、距離Bから距離Aを差し引いた差分値が所定値Xよりも大きいか否かを判定する。本実施形態では、上記差分値が所定値Xよりも大きい場合に合格と判定する。例えば、裂開に伴う透光性基板2の側面23の傾きが大きいと、上記(c)の工程において、基材1に接合された透光性基板2が基材1とともに割断される場合がある。透光性基板2が割断されることにより、製造される発光装置10に不良が生じる。発光装置10の不良とは、製造された発光装置10において所定の性能が得られないことをいう。距離Bから距離Aを差し引いた差分値が所定値Xよりも大きければ、透光性基板の下面22の外縁221と、基材1の外縁11と、の間に距離を広く確保できているということが判断できる。これにより、上記(c)の工程において、基材1に接合された透光性基板2が基材1とともに割断されたものを検出することが可能となる。その結果、不良となった発光装置10が後の工程で用いられることが低減され、生産性を向上することができる。
【0036】
上記の距離Aは、上面視において、中心線24に直交する方向における、中心線24と透光性基板2の下面22の外縁221との間の距離のうち、最長の距離であることが好ましい。上面に複数の発光部3を有する基板を割断することにより発光素子4を形成すると、第1側面231に凹凸が生じ、距離Aが一定値ではなくばらつく場合がある。上記の最長の距離を距離Aとして用いることにより、距離Aにばらつきがある場合に、透光性基板2の側面が上面21の法線に対して最も傾いている状態を想定した数値によって上記(e)の工程の判定を行うことができる。これにより、基材1に接合された透光性基板2が基材1とともに割断されたものをさらに検出しやすくすることができる。
【0037】
上記の距離Bは、上面視において、中心線24に直交する方向における、中心線24と、基材1の外縁11と間の距離のうち、最短の距離であることが好ましい。上面に複数の発光素子4を有する基材1を割断することにより発光装置10を形成すると、基材1の外縁11に凹凸が生じ、距離Bが一定値ではなくばらつく場合がある。上記の最短の距離を距離Bとして用いることにより、距離Bにばらつきがある場合に、最も基材1の外縁11と透光性基板2の下面22の外縁221とが近くなる状態を想定した数値によって上記(e)の工程の判定を行うことができる。これにより、基材1に接合された透光性基板2が基材1とともに割断されたものをさらに検出しやすくすることができる。
【0038】
本実施形態では、所定値Xは、以下の式(1)を満足することが好ましい。
X≦(L2-L1)/4 ・・・ (1)
【0039】
所定値Xを大きく設定すると、不良でない発光装置10を合格でないと判定する誤判定が生じる場合がある。上記の式(1)を満足することにより、基材1に接合された透光性基板2が基材1とともに割断されたものを検出する際に誤判定が生じることを低減することができる。
【0040】
また、本実施形態では、所定値X以下の式(2)を満足することがさらに好ましい。
(L2-L1)/20≦X≦(L2-L1)/4 ・・・ (2)
【0041】
所定値Xを大きく設定すると、不良でない発光装置10を合格でないと判定する誤判定が生じる場合がある。一方、所定値Xを小さく設定すると、上記の誤判定を低減できる反面、基材1に接合された透光性基板2が基材1とともに割断されたものが合格と判定される可能性が、所定値Xを大きく設定した場合と比較して高くなる。上記の式(2)を満足することにより、基材1に接合された透光性基板2が基材1とともに割断されたものを検出する際に誤判定が生じることをさらに低減することができる。
【0042】
所定値Xは以下の式(3)を満足することが好ましい。
0(μm)≦X(μm)≦25(μm) ・・・ (3)
【0043】
上記の式(3)を満足することにより、基材1に接合された透光性基板2が基材1とともに割断されたものを検出する際に誤判定が生じることを低減することができる。上面視における透光性基板2および基材1それぞれの外形形状が正方形である場合だけでなく、長方形である場合にも、上記効果を得ることができる。
【0044】
所定値Xは以下の式(4)を満足することがさらに好ましい。
5(μm)≦X(μm)≦25(μm) ・・・ (4)
【0045】
上記の式(4)を満足することにより、測定の誤差を考慮した判定が可能となり、基材1に接合された透光性基板2が基材1とともに割断されたものを検出する際に誤判定が生じることをさらに低減することができる。
【0046】
上面視における透光性基板2および基材1それぞれの外形形状が矩形である場合には、上記(e)の工程は、透光性基板2および基材1それぞれにおける四辺全てに対して行い、四辺全てにおいて距離Bから距離Aを差し引いた差分値が所定値Xよりも大きい場合に合格と判定することが好ましい。なお、矩形には、長方形および正方形の両方が含まれる。透光性基板2および基材1それぞれの四辺に対応する位置を割断すると、透光性基板2および基材1それぞれの四辺において、基材1に接合された透光性基板2が基材1とともに割断される場合がある。透光性基板2および基材1それぞれにおける四辺全てに対し、上記(e)の工程を行うことにより、基材1に接合された透光性基板2が基材1とともに割断されたものをさらに検出しやすくすることができる。
【0047】
本実施形態では、透光性基板2の正方形における一辺の長さL1は500μm以上1500μm以下であることが好ましい。基材1に接合された透光性基板2が基材1とともに割断されたものを検出しつつ、誤判定を低減できるからである。
【0048】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る発光装置について説明する。なお、第1実施形態と同一の名称および符号は、同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。
【0049】
<発光装置10aの構成例>
図5および図6は、第2実施形態に係る発光装置10aの構成の一例を示す図である。図5は、発光装置10aの上面図である。図6は、図5におけるVI-VI線に沿った発光装置10aの断面図である。発光装置10は、樹脂部5を有すること以外は、上記第1実施形態の発光装置10と同じ構成を有している。樹脂部5は、発光装置10aにおける透光性基板2の側面23の一部と、基材1の上面の一部と、を覆っている。本実施形態では、樹脂部5は、第1側面231、第2側面232、第3側面233および第4側面234それぞれの一部と、各側面近傍に位置する基材1の上面の一部と、を覆っている。樹脂部5は、樹脂材料と、光拡散材とを含む。樹脂部5に用いる樹脂材料は、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂の1種以上を含む樹脂またはハイブリッド樹脂等からなる樹脂部材を用いることができる。光拡散材には、例えば、酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等を用いることができる。樹脂部5は、発光部3からの光のうち透光性基板2の側面から出射される光を反射することにより基材1側に向けて導光し、基材1から出射させることができる。発光装置10aは、樹脂部5を有することにより、発光装置10aにおける光の取り出し効率を向上させることができる。
【0050】
<発光装置10aの製造方法例>
次に、上述した発光装置10aの製造方法について説明する。発光装置10aの製造方法は、第1実施形態における上記(c)の工程に対応する複数の発光装置10aに分割する工程を行う前に、(c-1)複数の発光素子4それぞれにおける側面23の一部と、基材1の上面の一部と、を覆う樹脂部5を形成する工程を含む。以下、図7および図8を参照して、上記(c-1)の工程を詳細に説明する。図7および図8は、発光装置10aの製造方法の製造工程の一例を示す図である。図7は、発光装置10aの製造方法の製造工程を説明するための上面図である。図8は、図7におけるVIII-VIII線に沿った断面図である。なお、発光装置10aの製造方法において、(c-1)の工程以外の工程は、第1実施形態における発光装置10の製造方法と同じである。
【0051】
(c-1)複数の発光素子それぞれにおける側面の一部と基材の上面の一部とを覆う樹脂部を形成する工程
図4に示す、基材1の上面に複数の発光素子4を配置した状態において、複数の発光素子4間に樹脂部5となる樹脂を配置する。具体的には、樹脂部5となる樹脂の原料である未硬化の樹脂材料を、上面視において複数の発光素子4間に位置する基材1の上面上に、ポッティング等によって配置する。このとき、未硬化の樹脂材料は、表面張力により発光素子4の側面を這いあがる。これにより、図6に示すように、発光装置10aにおける透光性基板2の側面23の一部と、基材1の上面の一部と、は未硬化の樹脂材料により覆われる。その後、所定の時間が経過した後に、未硬化の樹脂材料を加熱して硬化させる。未硬化の樹脂材料が硬化することにより、樹脂部5が形成される。なお、図8では、樹脂材料がそれぞれの発光素子4の側面を覆うように形成される例を示しているが、樹脂材料が隣り合う発光素子4の側面を連続して覆うように形成されてもよい。
【0052】
(c-1)の工程は、複数の発光装置10aに分割する工程を行う前であれば、どの時点に行ってもよい。但し、樹脂部5を形成した後では、透光性基板2の下面22の外縁221が樹脂部5により覆われることにより、カメラにより撮影しても外縁221を検出できず、距離Aを測定できなくなる場合がある。従って、上記(b)の工程を行った後、複数の発光装置10aに分割する工程を行う前に、上記(c-1)の工程を行うことが好ましい。
【0053】
本実施形態では、光の取り出し効率を向上させた発光装置10aの製造方法において、複数の透光性基板2が接合された基材1を割断する際に、透光性基板2が割断されたものを検出することができる。これ以外の効果は、第1実施形態で説明したものと同じである。
【0054】
以上、好ましい実施の形態について詳説したが、上述した実施の形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形および置換を加えることができる。
【0055】
上述した実施形態では、透光性基板が裂開する場合を示したが、透光性基板が劈開する場合においても実施形態を適用でき、上述した効果と同じ効果を得ることができる。
【0056】
本開示の発光装置は、車載用光源のほか、照明用光源、各種インジケーター用光源、ディスプレイ用光源、液晶のバックライト用光源、信号機、車載部品、看板用チャンネルレター等、種々の光源に使用することができる。
【0057】
本開示の態様は、例えば、以下のとおりである。
<項1> 基材と、上面と下面とを有する透光性基板の前記上面に発光部を有し、前記透光性基板の前記下面が前記基材に接合された複数の発光素子と、を有する構造体であって、前記透光性基板の前記上面の外形は複数の辺を有する前記構造体を準備する工程と、上面視において、前記透光性基板の前記上面の前記複数の辺のうち対向する二辺それぞれの中点を通る直線である中心線と、前記透光性基板の前記上面の外形の外側に位置する前記透光性基板の前記下面の外縁との間の前記中心線に直交する方向における距離Aを測定する工程と、前記複数の発光素子のうち隣り合う前記発光素子間に位置する前記基材を割断することにより、複数の発光装置に分割する工程と、前記複数の発光装置に分割する工程の後、上面視において、前記中心線と、前記透光性基板の前記上面の外形の外側に位置する前記基材の外縁との間の前記中心線に直交する方向における距離Bを測定する工程と、前記距離Bから前記距離Aを差し引いた差分値が所定値Xよりも大きい場合に合格と判定する工程と、を含む、発光装置の製造方法である。
<項2> 前記距離Aは、上面視において、前記中心線に直交する方向における前記中心線と、前記透光性基板の前記上面の外形の外側に位置する前記透光性基板の前記下面の外縁との間の距離のうち、最長の距離である、前記<項1>に記載の発光装置の製造方法である。
<項3> 前記距離Bは、上面視において、前記中心線に直交する方向における前記中心線と、前記透光性基板の前記上面の外形の外側に位置する前記基材の外縁と間の距離のうち、最短の距離である、前記<項1>または前記<項2>に記載の発光装置の製造方法である。
<項4> 上面視における前記透光性基板および前記基材それぞれの外形形状は正方形であり、前記透光性基板の一辺の長さをL1、前記基材の一辺の長さをL2とすると、前記所定値Xは以下の式(1)を満足する、
X≦(L2-L1)/4 ・・・ (1)
前記<項1>から前記<項3>のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法である。
<項5> 前記所定値Xは以下の式(2)を満足する、
0(μm)≦X(μm)≦25(μm) ・・・ (2)
前記<項1>から前記<項3>のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法である。
<項6> 上面視における前記透光性基板および前記基材それぞれの外形形状は矩形であり、前記判定する工程は、前記透光性基板および前記基材それぞれにおける四辺全てに対して行い、前記四辺全てにおいて前記距離Bから前記距離Aを差し引いた差分値が所定値Xよりも大きい場合に合格と判定する、前記<項1>から前記<項3>のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法である。
<項7> 前記複数の発光装置に分割する工程を行う前に、前記複数の発光素子それぞれにおける、前記透光性基板の前記下面に交差する側面の一部と、前記基材の上面の一部と、を覆う樹脂部を形成する工程を含む、前記<項1>から前記<項6>のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法である。
<項8> 上面視における前記透光性基板の外形形状は正方形であり、前記透光性基板の正方形における一辺の長さは500μm以上1500μm以下である、前記<項1>から前記<項3>のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法である。
<項9> 前記透光性基板は、サファイアからなる基板であり、前記構造体を準備する工程は、上面に複数の前記発光部を有する基板を割断することにより、それぞれが前記透光性基板の前記上面に前記発光部を含む複数の前記発光素子に個片化する工程を含む、前記<項1>から前記<項8>のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法である。
【符号の説明】
【0058】
1 基材
11 基材の外縁
2 透光性基板
21 上面
210 複数の辺
211 第1辺
212 第2辺
213 第3辺
214 第4辺
22 下面
221 透光性基板の下面の外縁
23 側面
231 第1側面
232 第2側面
233 第3側面
234 第4側面
24 中心線
3 発光部
4 発光素子
41 第1発光素子
42 第2発光素子
43 第3発光素子
44 第4発光素子
5 樹脂部
10、10a 発光装置
20 構造体
100 ダイヤモンドブレード
A、B 距離
L1 透光性基板の一辺の長さ
L2 基材の一辺の長さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8