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特開2024-166593車輪を含むユニットのための交換装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166593
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】車輪を含むユニットのための交換装置
(51)【国際特許分類】
   B61F 5/00 20060101AFI20241122BHJP
   B60B 17/00 20060101ALI20241122BHJP
   B61K 13/00 20060101ALI20241122BHJP
   B61D 15/00 20060101ALI20241122BHJP
   B61K 7/20 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
B61F5/00 D
B60B17/00 B
B61K13/00 Z
B61D15/00 D
B61K7/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082783
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000180070
【氏名又は名称】山陽特殊製鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 悟志
(57)【要約】
【課題】車輪38を含むユニット30の交換が容易になされうる交換装置の提供。
【解決手段】交換装置2は、架台4を有している。この架台4は、土台10、一対のレール12、一対のストッパー14、一対のサイドサポート16、及びセンターサポート18を有している。それぞれのレール12は、土台10に固定されている。それぞれのストッパー14は、部分的にレール12を覆っている。それぞれのサイドサポート16はジャッキボルト24aを有している。センターサポート18は、ジャッキボルト24bを有している。レール12には、ディーゼル機関車の車輪38が載せられる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪を含むユニットを有する車両において、上記ユニットが交換されるための、交換装置であって、
架台を備えており、
上記架台が、レールと、このレールに載置された上記車輪の転動を阻止するストッパーとを有する交換装置。
【請求項2】
上記ユニットが減速機を含んでおり、
上記架台が、上記減速機の姿勢を維持するためのサポートを有する、請求項1に記載の交換装置。
【請求項3】
前輪を含むユニット及び後輪を含むユニットを有する車両において、これらユニットが交換されるための、交換装置であって、
第一架台及び第二架台を備えており、
上記第一架台が、レールと、このレールに載置された上記前輪の転動を阻止するストッパーとを有しており、
上記第二架台が、レールと、このレールに載置された上記後輪の転動を阻止するストッパーとを有しており、
上記第一架台と上記第二架台とのピッチが、上記車両における上記前輪と上記後輪とのピッチと一致する、交換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、車輪を含むユニットを有する車両において、このユニットが交換されるときに用いられる、交換装置を開示する。
【背景技術】
【0002】
製鋼工場では、物品の運搬に、ディーゼル機関車が使用されている。このディーゼル機関車は、台車を牽引する。台車には、鋼塊等の重量物が積載される。ディーゼル機関車の車輪には、大きな荷重がかかる。この荷重は、車輪の摩耗を促す。特に、フランジが顕著に摩耗する。摩耗が進行した車輪は、交換される。交換に適した技術が、特開2022-90932公報に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-90932公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車輪の交換では、ディーゼル機関車の車体から、前輪ユニット及び後輪ユニットが外される。この車輪に、新しい前輪ユニット及び新しい後輪ユニットが装着される。この装着において、各ユニットにおける車軸の方向の調整が必要である。さらに、この装着において、前輪ユニットと後輪ユニットとのピッチの調整も、必要である。車輪の交換には、手間がかかる。
【0005】
本出願人の意図するところは、車輪を含むユニットの交換が容易になされうる交換装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、車輪を含むユニットを有する車両において、このユニットが交換されるための、交換装置を開示する。この交換装置は、架台を有する。この架台は、レールと、このレールに載置された車輪の転動を阻止するストッパーとを有する。
【0007】
このユニットは、減速機を含みうる。好ましくは、この架台は、減速機の姿勢を維持するためのサポートを有する。
【0008】
本明細書はさらに、前輪を含むユニット及び後輪を含むユニットを有する車両において、これらユニットが交換されるための、交換装置を開示する。この交換装置は、第一架台及び第二架台を有する。この第一架台は、レールと、このレールに載置された前輪の転動を阻止するストッパーとを有する。第二架台は、レールと、このレールに載置された後輪の転動を阻止するストッパーとを有する。第一架台と第二架台とのピッチは、車両における前輪と後輪とのピッチと一致する。
【発明の効果】
【0009】
この交換装置により、車輪ユニットが容易に交換されうる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態に係る交換装置が示された正面図である。
図2図2は、図1の交換装置の一部が示された拡大図である。
図3図3は、図2の交換装置の一部が示された平面図である。
図4図4は、図1の交換装置がディーゼル機関車と共に示された正面図である。
図5図5は、図4の交換装置の一部がディーゼル機関車の一部と共に示された拡大図である。
図6図6は、図4の交換装置の一部が車輪ユニットと共に示された平面図である。
図7図7は、図4の交換装置の一部が車輪の一部と共に示された断面図である。
図8図8は、図4の交換装置の一部がディーゼル機関車の一部と共に示された拡大図である。
図9図9は、図4の交換装置が、分解されたディーゼル機関車と共に示された、正面図である。
図10図10は、図2の交換装置が新しい車輪ユニットと共に示された正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に示された交換装置2は、第一架台4a及び第二架台4bを有している。それぞれの架台4は、基礎8の上に置かれている。この架台4は、アンカーボルト6によって基礎8に固定されている。第二架台4bの構造は、第一架台4aの構造と同じである。図1では、第二架台4bの向きは、第一架台4aの向きと逆である。図1において、矢印Xは前後方向を表し、矢印Zは高さ方向を表す。
【0012】
図2及び3に、架台4(第一架台4a)が示されている。この架台4は、土台10、一対のレール12、一対のストッパー14、一対のサイドサポート16、及びセンターサポート18を有している。前述のアンカーボルト6は、土台10の一部を貫通している。図3において矢印Yは、左右方向を表す。
【0013】
それぞれのレール12は、ボルト20によって土台10に固定されている。このレール12は、前後方向に延在している。それぞれのストッパー14は、ボルト22によって土台10に固定されている。このストッパー14の上面の断面形状は、概ね円弧である。この円弧の曲率半径は、後に詳説される車輪の曲率半径と、概ね一致している。このストッパー14は、部分的にレール12を覆っている。ストッパー14が、レール12と一体であってもよい。それぞれのサイドサポート16は、土台10から起立している。このサイドサポート16は、ジャッキボルト24aを有している。センターサポート18は、土台10から起立している。このセンターサポート18は、ジャッキボルト24bを有している。
【0014】
この装置2が用いられた車輪の交換では、この装置2に車両が載置される。図4では、車両としてのディーゼル機関車26が、装置2に載置されている。載置は、ディーゼル機関車26がクレーン等で吊られて移動させられることで、達成されうる。このディーゼル機関車26は、ボディ28、前輪ユニット30、後輪ユニット32及び変速機34を有している。
【0015】
図5及び6に、交換装置2と共に、前輪ユニット30が示されている。この前輪ユニット30は、減速機36と、一対の車輪38と、シャフト40と、軸箱41とを有している。減速機36は、変速機34と連結されている。車輪38は、フランジ42を有している。図5に示されるように、車輪38はレール12の上に載っている。この車輪38に、ストッパー14の上面が当接している。前述の通り、ストッパー14の曲率半径が車輪38の曲率半径と概ね一致しているので、ストッパー14は広い面積にて車輪38に当接している。この当接により、ストッパー14は、車輪38の転動を阻止している。詳細な図示は省略されるが、後輪ユニット32も、減速機36と、一対の車輪38と、シャフト40とを有している。後輪ユニット32でも、減速機36は、変速機34と連結されている。後輪ユニット32でも、車輪38はレール12の上に載っており、この車輪38にストッパー14が当接している。
【0016】
図7には、交換装置2の一部が車輪38と共に示されている。図7に示されるように、車輪38のフランジ42は、レール12の側面44に当接している。この当接により、車輪38の左右方向への移動が阻止されている。本明細書では、車輪38が載置される部材であって、かつフランジ42を当接させて車輪38の左右方向への移動を阻止する部材が、総じて「レール」と称される。
【0017】
図8にも、交換装置2と前輪ユニット30とが示されている。図5との対比から明らかなように、図8では、サイドサポート16のジャッキボルト24aが、図5の状態に比べて上昇している。このジャッキボルト24aは、前輪ユニット30の軸箱41に当接している。さらに図8では、センターサポート18のジャッキボルト24bが、図5の状態に比べて上昇している。このジャッキボルト24bは、前輪ユニット30の減速機36に当接している。前輪ユニット30は、ジャッキボルト24によってサポートされている。ジャッキボルト24は、前輪ユニット30の姿勢の維持に寄与する。詳細な図示は省略されるが、第二架台4bにおいても、ジャッキボルト24が後輪ユニット32をサポートする。ジャッキボルト24は、後輪ユニット32の姿勢の維持に寄与する。
【0018】
ジャッキボルト24が上昇した後、前輪ユニット30のボディ28との連結が、解除される。このとき、減速機36の変速機34との連結も解除される。さらに、後輪ユニット32のボディ28との連結も解除され、後輪ユニット32の減速機36の変速機34との連結も解除される。このボディ28が、クレーン等で吊り上げられる。ボディ28は、ジャッキ(図示されず)に載せられる。このボディ28が、図9に示されている。図9では、前輪ユニット30はボディ28から離れており、後輪ユニット32もボディ28から離れている。ボディ28の吊り上げによっても、前輪ユニット30の位置及び姿勢に、変化はない。ボディ28の吊り上げによっても、後輪ユニット32の位置及び姿勢に、変化はない。
【0019】
前輪ユニット30は、第一架台4aから外される。第一架台4aには、新しい前輪ユニット30aがセットされる。この前輪ユニット30aが、図10に示されている。この前輪ユニット30aは、レール12に載っている。この前輪ユニット30aは、ストッパー14と当接している。図示されないが、この前輪ユニット30aのフランジ42aは、レール12の側面に当接する。この前輪ユニット30aは、ジャッキボルト24にサポートされている。図8及び図10の対比から明らかなように、新しい前輪ユニット30aは、古い前輪ユニット30と同じ位置にある。車輪38のストッパー14との当接、及びフランジ42aのレール12との当接によって、新しい前輪ユニット30aの、古い前輪ユニット30と同じ位置へのセットが達成される。さらに、新しい前輪ユニット30aの姿勢は、古い前輪ユニット30の姿勢と同じである。ジャッキボルト24によって、新しい前輪ユニット30aの、古い前輪ユニット30と同じ姿勢へのセットが達成される。
【0020】
図示は省略されるが、第二架台4bでは、古い後輪ユニット32が外され、新しい後輪ユニットがセットされる。新しい後輪ユニットは、古い後輪ユニット32と同じ位置にある。さらに、新しい後輪ユニットの姿勢は、古い後輪ユニット32の姿勢と同じである。新しい後輪ユニットのセットにも、ストッパー14、フランジ及びジャッキボルト24が寄与する。
【0021】
この新しい前輪ユニット30a及び新しい後輪ユニットに、ボディ28が載せられる。新しい前輪ユニット30aは、ボディ28と連結される。このとき、前輪ユニット30aの減速機36aは、変速機34と連結される。さらに、新しい後輪ユニットも、ボディ28と連結される。このとき、後輪ユニットの減速機は、変速機34と連結される。
【0022】
これらの作業により、古い車輪38から新しい車輪38への交換が、完了する。新しい車輪38が装着されたディーゼル機関車26は、クレーン等によって、運搬のための軌道に戻される。
【0023】
図1において矢印Ptは、第一架台4aと第二架台4bとのピッチを表す。このピッチPtは、ディーゼル機関車26に装着された状態の、前輪と後輪とのピッチと、一致している。この交換装置2では、第一架台4aにセットされた新しい前輪ユニット30aと、第二架台4bにセットされた新しい後輪ユニットとのピッチは、図1に示されたピッチPtと一致する。この装置2が用いられた車輪38の交換では、車輪38の間のピッチ調整の必要がない。
【0024】
この装置2では、各架台4にセットされた新しい車輪ユニットのシャフトは、左右方向に延在する。この装置2が用いられた車輪38の交換では、シャフトの方向調整の必要がない。
【0025】
この装置2では、各架台4にセットされた新しい車輪ユニットの姿勢は、古い車輪ユニットの姿勢と同じである。この装置2が用いられた車輪38の交換では、減速機36と変速機34との位置合わせは、容易である。
【0026】
この装置2により、短時間で車輪38が交換されうる。
【0027】
この装置2では、2つのサイドサポート16及び1つのセンターサポート18により、車輪ユニットの姿勢が維持される。サポートの数は、3である。サポートの数は、1でもよく、2でもよく、4以上であってもよい。
【0028】
この装置2では、架台4の数は、2である。架台4の数は、1でもよく、3以上であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0029】
この装置により、種々の車両の車輪が交換されうる。この装置は、種々の場面において利用されうる。
【符号の説明】
【0030】
2・・・交換装置
4・・・架台
4a・・・第一架台
4b・・・第二架台
6・・・アンカーボルト
10・・・土台
12・・・レール
14・・・ストッパー
16・・・サイドサポート
18・・・センターサポート
24、24a、24b・・・ジャッキボルト
26・・・ディーゼル機関車
30・・・前輪ユニット
32・・・後輪ユニット
34・・・変速機
36・・・減速機
38・・・車輪
40・・・シャフト
41・・・軸箱
42・・・フランジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10