(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024166598
(43)【公開日】2024-11-29
(54)【発明の名称】吸収性物品、吸収性物品の包装体、及び吸収性物品の収容体
(51)【国際特許分類】
A61F 13/47 20060101AFI20241122BHJP
A61F 13/15 20060101ALI20241122BHJP
B65D 85/07 20170101ALI20241122BHJP
【FI】
A61F13/47 300
A61F13/15 220
B65D85/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082795
(22)【出願日】2023-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003247
【氏名又は名称】弁理士法人小澤知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 美香
(72)【発明者】
【氏名】下津 麻衣子
(72)【発明者】
【氏名】谷尾 俊幸
【テーマコード(参考)】
3B200
3E068
【Fターム(参考)】
3B200CA11
3B200DF07
3B200DF08
3B200DF09
3E068AA40
3E068AB02
3E068AB03
3E068BB06
3E068BB09
3E068BB12
3E068BB17
3E068CC02
3E068CC22
3E068CD01
3E068CE02
3E068CE03
3E068DD40
3E068DE13
3E068EE17
(57)【要約】
【課題】トップシートの幅方向の長さを短くすることで横漏れを抑制するとともに、使用者がトップシートの幅方向の長さを視覚的又は感覚的に把握できることを目的とする。
【解決手段】吸収性物品(1)は、吸収材料を有する吸収コア(31)と、吸収コアよりも肌側に配置された補助シート(20)と、補助シートよりも肌側に配置され、補助シートよりも幅方向の長さが短いトップシート(10)と、を有する。使用前の吸収性物品は、前後方向に延びる一対の前後折り目(FL1,FL2)と、幅方向に延びる一対の幅折り目(FW1,FW2)と、を基点に折り畳まれた折り畳み状態である。一対の前後折り目及び一対の幅折り目によって折り畳まれていない非折り畳み状態におけるトップシートの幅方向の長さ(W10)は、折り畳み状態における吸収性物品の幅方向の長さ(W1)よりも長く、折り畳み状態における吸収性物品の前後方向の長さよりも短い。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交する前後方向及び幅方向と、
吸収材料を有する吸収コアと、
前記吸収コアよりも肌側に配置された補助シートと、
前記補助シートよりも肌側に配置され、前記補助シートよりも前記幅方向の長さが短いトップシートと、を有する吸収性物品であって、
使用前の前記吸収性物品は、前記前後方向に延び、かつ前記幅方向に間隔を空けた一対の前後折り目と、前記幅方向に延び、かつ前記前後方向に間隔を空けた一対の幅折り目と、を基点に折り畳まれた折り畳み状態であり、
前記一対の前後折り目及び前記一対の幅折り目によって折り畳まれていない非折り畳み状態における前記トップシートの前記幅方向の長さは、前記折り畳み状態における前記吸収性物品の前記幅方向の長さよりも長く、前記折り畳み状態における前記吸収性物品の前記前後方向の長さよりも短い、吸収性物品。
【請求項2】
前記折り畳み状態において、前記トップシートは、前記一対の前後折り目のうち、少なくとも一つの前記前後折り目によって折り畳まれている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記トップシートと前記補助シートは、シート接合部によって接合されており、
前記シート接合部の少なくとも一部は、前記非折り畳み状態において前記前後折り目よりも前記幅方向の外側に位置する、請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記トップシートと前記補助シートは、シート接合部によって接合されており、
前記シート接合部の少なくとも一部は、前記非折り畳み状態において前記前後折り目よりも前記幅方向の内側に位置する、請求項2又は請求項3に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記前後折り目よりも前記幅方向の外側において、前記トップシートの外側部が前記補助シートに接合されていないシート非接合部が設けられている、請求項2又は3に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記補助シートは、前記補助シートの外側部が前記幅方向の内側に折り返され、前記補助シート同士が積層された積層領域を有しており、
前記前後折り目よりも前記幅方向の外側には、前記積層領域の前記補助シート同士が接合されていない積層非接合部が設けられている、請求項5に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記前後折り目よりも前記幅方向の内側には、少なくとも前記吸収コアを厚み方向に圧縮した圧搾部が前後方向に延びて配置されており、
前記吸収コアを含む吸収体は、前記前後折り目に重なり、前記トップシートよりも前記幅方向の外側に延出している、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに一項に記載の吸収性物品と、
前記吸収性物品を個別に包装する包装シートと、を有する吸収性物品の包装体であって、
前記折り畳み状態において、前記吸収性物品と前記包装シートは、共に折り畳まれ、前記包装シートによって前記吸収性物品が個別に包装されており、
非折り畳み状態における前記トップシートの前記幅方向の長さは、前記折り畳み状態における前記包装体の前記幅方向の長さよりも長く、前記折り畳み状態における前記包装体の前記前後方向の長さよりも短い、吸収性物品の包装体。
【請求項9】
前記包装シートは、樹脂フィルムによって構成されている、請求項8に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項10】
前記トップシートは、前記折り畳み状態において前記包装体の外側から視認不可能である、請求項8又は請求項9に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項11】
前記包装体は、前記一対の前後折り目の一方である第1前後折り目を基点に折り畳まれた後に、前記一対の前後折り目の他方である第2前後折り目を基点に折り畳まれており、
前記第1前後折り目によって折り畳まれ、前記第2前後折り目によって折り畳まれていない状態において、前記第2前後折り目側に位置する前記トップシートの外端縁は、露出している、請求項8又は請求項9に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項12】
前記折り畳み状態の前記包装体の前記前後方向の長さと前記非折り畳み状態における前記トップシートの前記幅方向の長さの差分は、前記非折り畳み状態の前記トップシートの前記幅方向の長さと前記折り畳み状態の前記包装体の前記幅方向の長さの差分よりも大きい、請求項8又は請求項9に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項13】
前記非折り畳み状態における前記吸収コアの前記幅方向の長さは、前記折り畳み状態における前記包装体の前記幅方向の長さよりも長く、前記折り畳み状態における前記包装体の前記前後方向の長さよりも短い、請求項8又は請求項9に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項14】
前記折り畳み状態の前記包装体の前記前後方向の長さと前記非折り畳み状態における前記吸収コアの前記幅方向の長さの差分は、前記非折り畳み状態の前記吸収コアの前記幅方向の長さと前記折り畳み状態の前記包装体の前記幅方向の長さの差分よりも大きい、請求項13に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項15】
請求項1から請求項7のいずれかに一項に記載の吸収性物品と、
前記吸収性物品を複数収容する収容本体と、を有する吸収性物品の収容体であって、
前記収容本体の外面には、前記折り畳み状態における前記吸収性物品の前記幅方向の長さ及び前記吸収性物品の前記前後方向の長さと、前記非折り畳み状態における前記トップシートの前記幅方向の長さと、の関係を示す表示部が設けられている、吸収性物品の収容体。
【請求項16】
請求項8から請求項14のいずれかに一項に記載の吸収性物品の包装体と、
前記包装体を複数収容する収容本体と、を有する吸収性物品の収容体であって、
前記収容本体の外面には、前記折り畳み状態における前記包装体の前記幅方向の長さ及び前記包装体の前記前後方向の長さと、前記非折り畳み状態における前記トップシートの前記幅方向の長さと、の関係を示す表示部が設けられている、吸収性物品の収容体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トップシートの幅方向の長さが補助シートの幅方向の長さよりも短く構成された吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、吸収コアと、吸収コアの肌側に配置された補助シートと、補助シートの肌側に配置されたトップシートと、を有する吸収性物品において、トップシートの幅方向の長さが補助シートの幅方向の長さよりも短く構成された吸収性物品が開示されている。特許文献1の吸収性物品によれば、トップシートにおいて拡散した体液がトップシートの外側縁に到達しても、トップシートよりも幅方向の外側かつ非肌側に位置する補助シートによって当該体液を引き込むことができ、体液の横漏れを抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の吸収性物品にあっては、トップシートの幅方向の長さが補助シートの幅方向の長さよりも短いため、使用者がトップシートの方向の長さをより短く感じることがある。使用者によっては、トップシートの幅方向の長さを実際の長さよりも短く錯覚することで不安を感じることがあった。また、他の使用者によっては、漏れに対する安心感を得たり、適切な装着位置を把握したりするために、トップシートの幅方向の長さを把握したいニーズがあった。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、トップシートの幅方向の長さを短くすることで横漏れを抑制しつつ、使用者がトップシートの幅方向の長さを視覚的又は感覚的に把握できることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係る吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、吸収材料を有する吸収コアと、前記吸収コアよりも肌側に配置された補助シートと、前記補助シートよりも肌側に配置され、前記補助シートよりも前記幅方向の長さが短いトップシートと、を有する。使用前の前記吸収性物品は、前記前後方向に延び、かつ前記幅方向に間隔を空けた一対の前後折り目と、前記幅方向に延び、かつ前記前後方向に間隔を空けた一対の幅折り目と、を基点に折り畳まれた折り畳み状態である。前記一対の前後折り目及び前記一対の幅折り目によって折り畳まれていない非折り畳み状態における前記トップシートの前記幅方向の長さは、前記折り畳み状態における前記吸収性物品の前記幅方向の長さよりも長く、前記折り畳み状態における前記吸収性物品の前記前後方向の長さよりも短い。
【0007】
一態様に係る吸収性物品の包装体は、吸収性物品と、前記吸収性物品を個別に包装する包装シートと、を有する。前記折り畳み状態において、前記吸収性物品と前記包装シートは、共に折り畳まれ、前記包装シートによって前記吸収性物品が個別に包装されている。非折り畳み状態における前記トップシートの前記幅方向の長さは、前記折り畳み状態における前記包装体の前記幅方向の長さよりも長く、前記折り畳み状態における前記包装体の前記前後方向の長さよりも短い。
【0008】
一態様に係る吸収性物品の収容体は、吸収性物品と、前記吸収性物品を複数収容する収容本体と、を有する。前記収容本体の外面には、前記折り畳み状態における前記吸収性物品の前記幅方向の長さ及び前記吸収性物品の前記前後方向の長さと、前記非折り畳み状態における前記トップシートの前記幅方向の長さと、の関係を示す表示部が設けられている。
【0009】
他態様に係る吸収性物品の収容体は、包装体と、前記包装体を複数収容する収容本体と、を有する。前記収容本体の外面には、前記折り畳み状態における前記包装体の前記幅方向の長さ及び前記包装体の前記前後方向の長さと、前記非折り畳み状態における前記トップシートの前記幅方向の長さと、の関係を示す表示部が設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る包装体及び吸収性物品の肌側から見た平面図である。
【
図3】
図3は、包装体の折り畳み態様を説明するための図である。
【
図4】
図4は、吸収性物品の折り畳み態様を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
態様1に係る発明は、吸収性物品である。吸収性物品は、互いに直交する前後方向及び幅方向と、吸収材料を有する吸収コアと、前記吸収コアよりも肌側に配置された補助シートと、前記補助シートよりも肌側に配置され、前記補助シートよりも前記幅方向の長さが短いトップシートと、を有する。使用前の前記吸収性物品は、前記前後方向に延び、かつ前記幅方向に間隔を空けた一対の前後折り目と、前記幅方向に延び、かつ前記前後方向に間隔を空けた一対の幅折り目と、を基点に折り畳まれた折り畳み状態である。前記一対の前後折り目及び前記一対の幅折り目によって折り畳まれていない非折り畳み状態における前記トップシートの前記幅方向の長さは、前記折り畳み状態における前記吸収性物品の前記幅方向の長さよりも長く、前記折り畳み状態における前記吸収性物品の前記前後方向の長さよりも短い。本態様によれば、トップシートの幅方向の長さが補助シートの幅方向の長さよりも短いため、トップシートの外側縁に到達した体液を補助シートによって引き込み、横漏れを抑制できる。使用者は、使用前に、折り畳み状態の吸収性物品を手に取ったり、折り畳み状態の吸収性物品を視認したりする。その際に、使用者は、吸収性物品の外形の長さを指標として、トップシートの幅方向の長さを視覚的又は感覚的に把握することができ、トップシートの長さを具体的にイメージできる。よって、トップシートの幅方向の長さを実際よりも短く錯覚することを抑制でき、使用者の不安を抑制できる。また、使用者は、トップシートの長さを具体的にイメージすることで、漏れに対する安心感を得たり、適切な装着位置を把握したりできる。
【0012】
好ましい態様によれば、態様2に係る発明は、態様1に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記折り畳み状態において、前記トップシートは、前記一対の前後折り目のうち、少なくとも一つの前記前後折り目によって折り畳まれている。本態様によれば、少なくとも一つの前後折り目がトップシートに重なっていることにより、一対の幅折り目と、少なくとも一方の前後折り目と、がトップシートに形成され、当該折り目によってトップシートから非肌側へ体液を引き込み易くなる。よって、吸収コアによる体液の吸収を促進して体液のリウェットを抑制したり、トップシートの外側縁に到達する体液を低減し、横漏れを抑制したりできる。
【0013】
好ましい態様によれば、態様3に係る発明は、態様1又は態様2に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記トップシートと前記補助シートは、シート接合部によって接合されている。前記シート接合部の少なくとも一部は、前記非折り畳み状態において前記前後折り目よりも前記幅方向の外側に位置する。本態様によれば、前後折り目よりも幅方向の外側の領域において、トップシートが補助シートに対して浮き上がり難くなり、トップシートから補助シートへの体液の移行を促進できる。
【0014】
好ましい態様によれば、態様4に係る発明は、態様1から態様3のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記トップシートと前記補助シートは、シート接合部によって接合されている。前記シート接合部の少なくとも一部は、前記非折り畳み状態において前記前後折り目よりも前記幅方向の内側に位置する。本態様によれば、前後折り目よりも前記幅方向の内側の領域でトップシートと補助シートが当接し、体液が前後折り目によって囲まれた領域内で拡散する過程で、トップシートから補助シートへの体液の移行を促進できる。
【0015】
好ましい態様によれば、態様5に係る発明は、態様1から態様4のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記前後折り目よりも前記幅方向の外側において、前記トップシートの外側部が前記補助シートに接合されていないシート非接合部が設けられている。本態様によれば、シート非接合部が設けられていることにより、トップシートの外側部が肌側に起立し、トップシートの外側部からの横漏れを抑制できる。
【0016】
好ましい態様によれば、態様6に係る発明は、態様1から態様5のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記補助シートは、前記補助シートの外側部が前記幅方向の内側に折り返され、前記補助シート同士が積層された積層領域を有している。前記前後折り目よりも前記幅方向の外側には、前記積層領域の前記補助シート同士が接合されていない積層非接合部が設けられている。本態様によれば、前後折り目よりも幅方向の外側に設けられた積層非接合部において、補助シート間に体液を保持し、吸収性物品の外側部に到達した体液の横漏れを抑制できる。
【0017】
好ましい態様によれば、態様7に係る発明は、態様1から態様6のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記前後折り目よりも前記幅方向の内側には、少なくとも前記吸収コアを厚み方向に圧縮した圧搾部が前後方向に延びて配置されている。前記吸収コアを含む吸収体は、前記前後折り目に重なり、前記トップシートよりも前記幅方向の外側に延出している。本態様によれば、幅方向の中央から外側に向かって、圧搾部、前後折り目、トップシートの外側縁の順で配置され、更にトップシートよりも幅方向の外側に補助シート及び吸収コアが配置される。排泄口から排出された体液は、幅方向の外側に向かって拡散する過程で、圧搾部及び前後折り目によって非肌側に引き込まれ、トップシートの外側縁に到達した体液は、補助シート及び吸収コアによって吸収される。よって、体液の横漏れを抑制できる。
【0018】
態様8に係る発明は、吸収性物品の包装体である。吸収性物品の包装体は、吸収性物品と、前記吸収性物品を個別に包装する包装シートと、を有する。前記折り畳み状態において、前記吸収性物品と前記包装シートは、共に折り畳まれ、前記包装シートによって前記吸収性物品が個別に包装されている。非折り畳み状態における前記トップシートの前記幅方向の長さは、前記折り畳み状態における前記包装体の前記幅方向の長さよりも長く、前記折り畳み状態における前記包装体の前記前後方向の長さよりも短い。本態様によれば、トップシートの幅方向の長さが補助シートの幅方向の長さよりも短いため、トップシートの外側縁に到達した体液を補助シートによって引き込み、横漏れを抑制できる。トップシートの幅方向の長さが、折り畳み状態の包装体の幅方向の長さよりも長く、折り畳み状態の包装体の前後方向の長さよりも短い。使用者は、使用前に、折り畳み状態の包装体を手に取ったり、折り畳み状態の包装体を視認したりする。その際に、使用者は、包装体の外形の長さを指標として、トップシートの幅方向の長さを視覚的又は感覚的に把握することができ、トップシートの長さを具体的にイメージできる。よって、トップシートの幅方向の長さを実際よりも短く錯覚することを抑制でき、使用者の不安を抑制できる。また、使用者は、トップシートの長さを具体的にイメージすることで、漏れに対する安心感を得たり、適切な装着位置を把握したりできる。
【0019】
好ましい態様によれば、態様9に係る発明は、態様8に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記包装シートは、樹脂フィルムによって構成されている。樹脂フィルムからなる包装シートは、折り畳み状態において、不織布シートと比較して内容物である吸収性物品を視認し難い。しかし、使用者は、包装体を手にとった際等に、包装体の外形の長さを指標として、トップシートの幅方向の長さを視覚的又は感覚的に把握することができ、折り畳み状態において視認し難いトップシートの長さを把握できる。
【0020】
好ましい態様によれば、態様10に係る発明は、態様8又は態様9に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記トップシートは、前記折り畳み状態において前記包装体の外側から視認不可能である。本態様によれば、使用者は、折り畳み状態において、トップシートの幅方向の長さ等、吸収性物品の構造を把握し難い。しかし、使用者は、包装体を手に取った際等に、包装体の外形の長さを指標として、トップシートの幅方向の長さを視覚的又は感覚的に把握することができ、折り畳み状態に視認不可能であるトップシートの長さを把握できる。
【0021】
好ましい態様によれば、態様11に係る発明は、態様8から態様10のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記包装体は、前記一対の前後折り目の一方である第1前後折り目を基点に折り畳まれた後に、前記一対の前後折り目の他方である第2前後折り目を基点に折り畳まれている。前記第1前後折り目によって折り畳まれ、前記第2前後折り目によって折り畳まれていない状態において、前記第2前後折り目側に位置する前記トップシートの外端縁は、露出している。本態様によれば、折り畳み状態から展開する際は、先に第2前後折り目を基点に展開し、次いで、第1前後折り目を基点に展開する。そのため、展開する過程において、第1前後折り目によって折り畳まれ、前記第2前後折り目によって折り畳まれていない状態となる。この展開する過程において、トップシートの外端縁が露出しているため、展開する過程においてトップシートの外端縁の位置及び長さを把握しやすくなる。
【0022】
好ましい態様によれば、態様12に係る発明は、態様8から態様11のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記折り畳み状態の前記包装体の前記前後方向の長さと前記非折り畳み状態における前記トップシートの前記幅方向の長さの差分は、前記非折り畳み状態の前記トップシートの前記幅方向の長さと前記折り畳み状態の前記包装体の前記幅方向の長さの差分よりも大きい。本態様によれば、使用者は、非折り畳み状態のトップシートの幅方向の長さをより具体的に把握できる。
【0023】
好ましい態様によれば、態様13に係る発明は、態様8から態様12のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記非折り畳み状態における前記吸収コアの前記幅方向の長さは、前記折り畳み状態における前記包装体の前記幅方向の長さよりも長く、前記折り畳み状態における前記包装体の前記前後方向の長さよりも短い。本態様によれば、使用者は、包装体の外形の長さを指標として、吸収コアの幅方向の長さを具体的にイメージするでき、漏れに対する安心感を得たり、適切な装着位置を把握したりできる。
【0024】
好ましい態様によれば、態様14に係る発明は、態様13に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記折り畳み状態の前記包装体の前記前後方向の長さと前記非折り畳み状態における前記吸収コアの前記幅方向の長さの差分は、前記非折り畳み状態の前記吸収コアの前記幅方向の長さと前記折り畳み状態の前記包装体の前記幅方向の長さの差分よりも大きい。本態様によれば、使用者は、非折り畳み状態の吸収コアの幅方向の長さをより具体的に把握できる。
【0025】
態様15に係る発明は、吸収性物品の収容体である。吸収性物品の収容体は、吸収性物品と、前記吸収性物品を複数収容する収容本体と、を有する。前記収容本体の外面には、前記折り畳み状態における前記吸収性物品の前記幅方向の長さ及び前記吸収性物品の前記前後方向の長さと、前記非折り畳み状態における前記トップシートの前記幅方向の長さと、の関係を示す表示部が設けられている。本態様によれば、使用者は、前記折り畳み状態における前記吸収性物品の前記幅方向の長さ及び前記前後方向の長さと、前記非折り畳み状態における前記トップシートの前記幅方向の長さと、の関係性を表示部によって把握でき、トップシートの幅方向の長さを視覚的又は感覚的に把握することができ、折り畳み状態において視認し難いトップシートの長さを把握できる。
【0026】
態様16に係る発明は、吸収性物品の収容体である。吸収性物品の収容体は、包装体と、前記包装体を複数収容する収容本体と、を有する。前記収容本体の外面には、前記折り畳み状態における前記包装体の前記幅方向の長さ及び前記包装体の前記前後方向の長さと、前記非折り畳み状態における前記トップシートの前記幅方向の長さと、の関係を示す表示部が設けられている。本態様によれば、使用者は、前記折り畳み状態における前記包装体の前記幅方向の長さ及び包装体の前記前後方向の長さと、前記非折り畳み状態における前記トップシートの前記幅方向の長さと、の関係性を表示部によって把握でき、トップシートの幅方向の長さを視覚的又は感覚的に把握することができ、折り畳み状態において視認し難いトップシートの長さを把握できる。
【0027】
(2)実施形態に係る吸収性物品及び吸収性物品の包装体
以下、図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品及び吸収性物品の包装体(以下、包装体とする)について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。吸収性物品1は、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド、糞便パッドのような吸収性物品であってよい。吸収性物品1は、下着のような着用物品に装着されて使用される物品であってよい。実施の形態の吸収性物品1は、昼用の生理用ナプキンである。変形例において、吸収性物品1は、着用物品に装着されずに使用されてもよい。
【0028】
図1は、吸収性物品1を含む包装体100の肌側T1から見た平面図である。
図1は、後述する一対の前後折り目FL1,FL2及び幅折り目FW1、FW2を基点に折り畳まれていない非折り畳み状態における平面図である。なお、非折り畳み状態において、包装体100及び吸収性物品1は、前後折り目FL1,FL2及び幅折り目FW1,FW2以外の折り目を基点に折り畳まれていてもよい。具体的には、吸収性物品1は、前後折り目FL1,FL2及び幅折り目FW1,FW2以外の折り目を基点にウイング3が折り畳まれていてもよい。
図2は、
図1に示すA-A線に沿った断面図である。なお、
図2においては、説明の便宜上、包装体100及び吸収性物品1を構成する各部材が厚み方向に離間しているが、実際の製品においては、各部材が接している。
図3は、包装体100の折り畳み態様を説明するための図である。
図4は、吸収性物品1の折り畳み態様を説明するための図である。
【0029】
包装体100及び吸収性物品1は、互いに直交する前後方向Lと幅方向Wを有し、かつ着用者の肌側T1から非肌側T2へ延びる厚み方向Tを有する。肌側T1は、使用時に、着用者の肌に面する側に相当する。非肌側T2は、使用時に、肌側T1とは反対側、すなわち着用者の肌とは反対に向けられる側に相当する。包装体100は、吸収性物品1と、包装シート70と、を有する。包装シート70は、吸収性物品1を個別に包装する。包装シート70は、樹脂フィルム(液不透過性シート)、不織布シートを例示できる。包装体100は、吸収性物品1及び包装シート70が共に折り畳まれることによって、吸収性物品1が包装シート70によって個別に包装されていてよい。
図3において、吸収性物品1と包装シート70を含む包装体100の実施形態として、吸収性物品1と包装シート70が共に折り畳まれた形態について説明する。しかし、本発明は、包装シート70を備えずに、吸収性物品1が単体で折り畳まれた形態であってもよく、
図4に示すように、包装シート70を除いた形態に置き換えることができる。包装体100の折り畳み態様及び吸収性物品1の折り畳み態様については、後述にて詳細に説明する。
【0030】
吸収性物品1は、股下域S3、前側域S1及び後側域S2を有する。股下域S3は、着用者の排泄口、例えば膣口に対向する領域である。吸収性物品1が着用物品に装着されたときに、股下域S3は着用物品の股下部に配置され、着用者の両足の間に配置される領域である。前側域S1は、股下域S3よりも前側に位置する。前側域S1の前端縁は、吸収性物品1の前端縁1Fを規定する。後側域S2は、股下域S3よりも後方に位置する。後側域S2の後端縁は、吸収性物品1の後端縁1Rを規定する。
【0031】
吸収性物品1は、ウイング3を有してよい。ウイング3は、吸収性物品1において着用状態で着用物品の非肌側T2に折り返される部分である。ウイング3は、ウイング3の内側縁3Iを基点として非肌側T2に折り返され、着用状態において着用者の排泄口に対向して配置されない。ウイング3の内側縁3Iは、ウイング3の付け根によって規定されている。内側縁3Iは、最も幅方向Wの内側に窪んだ2つの部分のうち、前側に位置する前端縁と後側に位置する後端縁を有する。ウイング3の前端縁は、股下域S3と前側域S1との境界を規定してよい。ウイング3の後端縁は、股下域S3と後側域S2との境界を規定してよい。なお、吸収性物品1は、ウイング3を有していなくてもよい。また、吸収性物品1は、ウイング3よりも後側に配置され、使用時に着用物品の非肌側に折り返されないヒップフラップを有してもよい。ヒップフラップは、後側域S2に配置されてよい。
【0032】
なお、本発明における外側部とは、幅方向Wにおける外側縁を含む幅方向Wに一定の範囲を占める部分であり、外側縁とは、幅方向Wにおける外縁である。本発明における内側部とは、幅方向Wにおける内縁を含む幅方向Wに一定の範囲を占める部分であり、内側縁とは、幅方向Wにおける内縁である。また、本発明における前端部及び後端部は、前後方向Lにおける縁を含む前後方向Lに一定の範囲を占める部分であり、前端縁及び後端縁は、前後方向Lにおける外縁である。外端部は、前端部及び後端部を含んでいる。
【0033】
吸収性物品1は、吸収コア31と、トップシート10と、補助シート20と、トップシート10と、バックシート50と、を少なくとも有してよい。吸収コア31は、液体を吸収する吸収材料を有する。本実施の形態は、吸収材料としてのパルプ及びSAPを有してよい。吸収コア31は、エアレイドパルプシートによって構成されてもよい。吸収コア31は、ティッシュ等からなるカバーシート32によって覆われてよい。カバーシート32は、不織布、ティッシュを例示できる。カバーシート32は、吸収コア31よりも肌側T1に配置された第1カバーシート321と、吸収コア31よりも非肌側T2に配置された第2カバーシート322と、の少なくとも一方を有してよい。本実施の形態のカバーシート32は、第1カバーシート321と第2カバーシート322の両方を有する。第1カバーシート321の幅方向Wの長さと第2カバーシート322の幅方向Wの長さは、同じであってもよいが、異なっていてもよい。本実施の形態では、第1カバーシート321の幅方向Wの長さは、第2カバーシート322の幅方向Wの長さよりも長い。吸収コア31とカバーシート32を合わせて、本発明の吸収体30を構成する。
【0034】
補助シート20は、吸収コア31よりも肌側T1であって、トップシート10よりも非肌側T2に配置されている。
図2に示すように、本実施の形態では、トップシート10が配置された領域では、補助シート20は、第1カバーシート321とトップシート10の間に配置されている。トップシート10が配置されていない領域(トップシート10の外側縁10Eよりも幅方向Wの外側の領域)では、補助シート20は、サイドシート12よりも肌側T1に配置されており、補助シート20の肌側T1は、いずれの部材によっても覆われてなく露出している。補助シート20は、液透過性の不織布によって構成されてよい。補助シート20は、熱融着性繊維を含んでよい。補助シート20の保水性は、トップシート10の保水性よりも低くてよい。吸収性物品1は、一対のサイドシート12を有してよい。サイドシート12は、補助シート20の外側部と重なるように、吸収性物品1の幅方向Wの中心に対する両側において一対で設けられている。サイドシート12は、補助シート20よりも非肌側T2に配置され、補助シート20よりも幅方向Wの外側に延出してよい。サイドシート12は、ウイング3に配置されてよい。サイドシート12の保水性は、補助シート20の保水性よりも低くてよい。
【0035】
トップシート10は、補助シート20よりも肌側T1に配置され、着用者の肌に当接するシートである。トップシート10は、幅方向Wにおける吸収コア31の中央部を覆ってよい。トップシート10の外側縁10Eは、補助シート20の外側縁20Eよりも幅方向の内側に位置している。トップシート10の外側縁10Eは、吸収コア31の外側縁31Eよりも幅方向の外側に位置してよく、第1カバーシート321の外側縁よりも幅方向の内側に位置してよく、第2カバーシート322の外側縁よりも幅方向の内側に位置してよい。トップシート10は、前側域S1から後側域S2まで前後方向Lに連続して延びていてよい。トップシート10は、保水性繊維を有してよい。トップシート10は、コットン繊維及びレーヨン繊維等の保水性繊維を主として構成されている。ここでいう主とは、トップシート10の繊維における保水性繊維の重量比率が50%以上であることを指す。当該トップシート10によれば、肌からトップシートへの汗の移行性と、装着感と、をバランスよく向上できる。より好ましくは、トップシート10は、実質的に保水性繊維のみから構成されてよい。実質的に保水性繊維のみから構成されたトップシート10は、10%未満の重量比率にて熱可塑性樹脂繊維やバインダーとなる繊維を含んでいてよい。当該トップシート10によれば、肌からトップシートへの汗の移行性と、装着感と、をより向上できる。他の形態において、トップシート10は、コットン繊維100%であってもよい。トップシート10は、コットン不織布を例示できる。コットン繊維の繊維長は、5~35mmであってよい。トップシート10の幅方向Wの長さは、55mm未満であってよい。55mmは、平均的な女性の会陰部の幅+10mmである。柔らかい肌触りを実現するトップシート10が会陰部に当たり、装着感を向上できる。
【0036】
トップシート10の材料と補助シート20の材料は、異なってよい。好適には、トップシート10の保水性繊維の重量比率(繊維全体に占める吸収性繊維の重量比率)は、補助シート20の保水性繊維の重量比率よりも高くてよい。また、補助シート20の熱融着性繊維の重量比率は、トップシート10の熱融着性繊維の重量比率よりも高くてよい。トップシート10を構成する繊維と補助シート20を構成する繊維とを異ならせることで、当該繊維の違いによって液拡散性、保水性能等の機能を調整することができる。また、トップシート10の保水性繊維の重量比率が比較的高いことにより、トップシート10の肌触りを向上させる効果と、トップシート10における体液の拡散性能を向上できる。特に、トップシート10によって体液を前後方向Lに拡散することで、前後方向Lの広い範囲に亘って体液を拡散し、横漏れを抑制できる。補助シート20が熱融着性繊維を有することにより、後述する圧搾部の形成時に熱融着性繊維が周囲と融着し、体液の引き込み性を向上できる。
【0037】
なお、本明細書において、「保水」という用語は、例えば、パルプは保水性と言ったように、当業者にとって容易に理解できるものである。同様に、熱可塑性繊維は非保水性であることも、容易に理解され得る。保水性繊維は、例えばコットン、レーヨン等に含まれるセルロースあるいはビスコースのようなセルロースもしくはその誘導体を有する繊維が含まれているものを指す。保水性繊維としては、斯かる水分率が6%以上であることが好ましく、さらに10%以上が好ましい。一方で、非保水性繊維は、斯かる水分率が6%未満であることが好ましく、さらに4%未満が好ましい。保水性は、水分率によって評価でき、水分率が高い程、保水性が高く、水分率が低い程、保水性が低い。
【0038】
以下、水分率の測定方法について説明する。水分率は、JIS P8203の水分率試験方法を準用して算出した。即ち、繊維試料(水分率の測定対象のシート)を温度40℃、相対湿度80%SHの試験室に24時間静置後、その室内にて絶乾処理前の繊維試料の重量W(g)を測定した。その後、温度105±2℃の電気乾燥機(例えば、株式会社いすゞ製作所製)内にて1時間静置し、繊維試料の絶乾処理を行った。絶乾処理後、温度20±2℃ 、相対温度65±2%の標準状態の試験室にて、旭化成(株)製サランラップ(登録商標)で繊維試料を包括した状態で、Siシリカゲル(例えば、豊田化工(株)製)をガラスデシゲータ内(例えば、(株)テックジャム製)に入れて、繊維試料が温度20±2℃になるまで静置する。その後、繊維試料の恒量W'(g)を秤量して、次式により繊維試料の水分率を求める。
水分率(%)=(W-W'/W')×100
【0039】
なお、吸収性物品から繊維試料を得る際は、比較対象である2つのシートを同条件で取り出す。具体的には、トップシート10の保水性と補助シート20の保水性を比較する際は、トップシート10及び補助シート20の両方を圧搾部が形成されていない領域で切り出す。トップシート10及び補助シート20が接着剤によって接合されていない場合には、切り出した後に、トップシート10及び補助シート20を分けて、繊維試料とする。また、トップシート10及び補助シート20が接着剤によって接合されている場合には、トルエンを用いて接着剤を溶解させ、24時間標準状態(温度23±2℃,相対湿度50± %)下にて乾燥させたものを用いる。このように得た繊維試料は、1枚又は複数枚を合わせて100mm×100mmの寸法とする。1つの吸収性物品から、100mm×100mmの寸法の繊維試料を得られない場合は、同じ梱包材(段ボール)内に梱包されたパッケージから取り出した吸収性物品1から切り出した繊維試料を組み合わせてもよい。また、上記の寸法を集めることが難しい場合には、80mm×125mm又は50mm×200mmにおいて測定してもよい。水分率(%)は、n=10の平均値とする。
【0040】
バックシート50は、液不透過性のシートである。バックシート50は、ポリエチレンシート、ポリプロピレン等を主体としたラミネート不織布、通気性の樹脂フィルム、スパンボンド、又はスパンレース等の不織布に通気性の樹脂フィルムが接合されたシートなどを用いることができる。バックシート50の非肌面には、吸収性物品1を着用物品(下着等)に接合するための止着部60が設けられていてよい。止着部60は、ホットメルト型接着剤等の接着剤が付された部分であってもよいし、メカニカルファスナ等の係合部材が設けられた部分であってよい。止着部60は、吸収コア31と重なる領域に配置された本体止着部61と、ウイング3に配置されたウイング止着部62と、を有してよい。
【0041】
止着部60は、吸収性物品1の使用前に、包装シート70によって覆われていてよい。包装シート70の内面(止着部60が接する面)には、剥離処理が施されてよい。また、包装シート70によって個別に包装されない形態にあっては、吸収性物品1の止着部60は、図示しない剥離シートによって覆われていてもよい。また、着用物品に止着されない吸収性物品1にあっては、止着部60を備えず、折り畳み状態においてバックシート50が外面に位置してもよい。
【0042】
次いで、包装体100及び吸収性物品1の折り畳み態様について説明する。
図3は、包装体100の折り畳み態様を説明するための図である。使用前の包装体100は、一対の前後折り目FL1,FL2と、一対の幅折り目FW1、FW2と、を基点に折り畳まれた折り畳み状態である。
図3(c)は、折り畳み状態の包装体100を示している。一対の前後折り目FL1、FL2は、前後方向Lに延び、かつ幅方向Wに間隔を空けて配置されている。一対の前後折り目FL1、FL2は、幅方向Wの一方側に配置された第1前後折り目FL1と、幅方向Wの他方側に配置された第2前後折り目FL2と、を有する。幅方向Wにおいて、非折り畳み状態における包装シート70の一方側の外側縁70E1と第1前後折り目FL1との距離は、第1前後折り目FL1と第2前後折り目FL2と距離よりも短く、非折り畳み状態における包装シート70の他方側の外側縁70E2と第2前後折り目FL2との距離は、第1前後折り目FL1と第2前後折り目FL2と距離よりも短い。一対の幅折り目FW1,FW2は、幅方向Wに延び、かつ前後方向Lに間隔を空けて配置されている。一対の幅折り目FW1,FW2は、後側に位置する第1幅折り目FW1と、前側に位置する第2幅折り目FW2と、を有する。前後方向Lにおいて、包装シート70の後端縁70Rと第1幅折り目FW1との距離は、第1幅折り目FW1と第2幅折り目FW2と距離よりも短く、包装シート70の前端縁70Fと第2幅折り目FW2との距離は、第1幅折り目FW1と第2幅折り目FW2と距離よりも短い。よって、包装体100は、折り畳み状態において平面視にて矩形状である。当該矩形状は、幅折り目FW1,FW2に沿う一対の辺と、前後折り目FL1,FL2に沿う一対の辺と、によって囲まれた矩形状である。
【0043】
包装体100は、一対の前後折り目FL1,FL2と、一対の幅折り目FW1、FW2と、を基点に共に折り畳まれており、折り畳み状態において、吸収性物品1は、包装シート70によって内包され、包装シート70によって個別に包装されている。より詳細には、包装体100は、包装シート70の内面に吸収性物品1が配置された状態で、
図3(a)に示すように、第1前後折り目FL1を基点に折り畳まれる。次いで、
図3(b)に示すように、第2前後折り目FL2を基点に折り畳まれる。
図1及び
図3に示すように、包装シート70の内面には、第2前後折り目FL2側の外側縁70E2に沿って接着部75が設けられてよい。第2前後折り目FL2を基点に折り畳まれた状態で、包装シート70の内面の第2前後折り目FL2側の外側部は、包装シート70の外面の第1前後折り目FL1近傍に接着される。次いで、
図3(c)に示すように、第1幅折り目FW1を基点に折り畳まれ、その後に、第2幅折り目FW2を基点に折り畳まれる。包装シート70の前端縁70Fには、止着テープ76が接合されており、当該止着テープ76によって、包装シート70の前端縁70Fが包装シート70の外面に止着し、折り畳み状態が維持されている。使用時に、使用者が、一対の前後折り目FL1,FL2と、一対の幅折り目FW1、FW2と、を基点に展開することで、一対の前後折り目及び一対の幅折り目によって折り畳まれていない非折り畳み状態となる。一対の幅折り目FW1、FW2は、一対の前後折り目FL1,FL2及び一対の幅折り目FW1,FW2は、吸収性物品の肌側T1同士が向き合うように折り畳むための折り目であってよい。
【0044】
包装体100においては、包装シート70上に吸収性物品1が配置された状態で、包装シート70と吸収性物品1が共に、一対の前後折り目FL1,FL2及び一対の幅折り目FW1,FW2を基点に折り畳まれる。一方、吸収性物品1の形態にあっては、吸収性物品1単体、もしくは、吸収性物品1と止着部60を覆う剥離シートとが、一対の前後折り目FL1,FL2及び一対の幅折り目FW1,FW2を基点に折り畳まれる。
図4は、吸収性物品1の折り畳み態様を説明するための図である。使用前の吸収性物品1は、一対の前後折り目FL1,FL2と、一対の幅折り目FW1、FW2と、を基点に折り畳まれた折り畳み状態である。
図4(c)は、折り畳み状態の吸収性物品1を示している。幅方向Wにおいて、非折り畳み状態における吸収性物品1の一方側の外側縁1E1と第1前後折り目FL1との距離は、第1前後折り目FL1と第2前後折り目FL2と距離よりも短く、非折り畳み状態における吸収性物品1の他方側の外側縁1E2と第2前後折り目FL2との距離は、第1前後折り目FL1と第2前後折り目FL2と距離よりも短い。前後方向Lにおいて、吸収性物品1の後端縁1Rと第1幅折り目FW1との距離は、第1幅折り目FW1と第2幅折り目FW2と距離よりも短く、吸収性物品1の前端縁1Fと第2幅折り目FW2との距離は、第1幅折り目FW1と第2幅折り目FW2と距離よりも短い。よって、吸収性物品1は、折り畳み状態において平面視にて矩形状である。当該矩形状は、幅折り目FW1,FW2に沿う一対の辺と、前後折り目FL1,FL2に沿う一対の辺と、によって囲まれた矩形状である。吸収性物品1は、
図4(a)に示すように、第1前後折り目FL1を基点に折り畳まれる。次いで、
図4(b)に示すように、第2前後折り目FL2を基点に折り畳まれる。次いで、
図4(c)に示すように、第1幅折り目FW1を基点に折り畳まれ、その後に、第2幅折り目FW2を基点に折り畳まれる。
【0045】
非折り畳み状態において、トップシート10の幅方向Wの長さW10は、補助シート20の幅方向Wの長さW20よりも短い。好適には、トップシート10の両方の外側縁10Eは、補助シート20の外側縁よりも幅方向Wの内側に位置してよい。トップシート10の外側縁10Eから幅方向Wの外側に延びる一定領域では、補助シート20が、吸収性物品1の肌側T1の面を構成してよい。トップシート10において拡散した体液は、トップシート10の外側縁10Eに到達しても、トップシート10よりも幅方向Wの外側かつ非肌側T2に位置する補助シート20によって引き込まれる。よって、体液の横漏れを抑制できる。特に、コットン繊維のように液拡散性が高い繊維を有するトップシート10においては、トップシート10の外側縁10Eに体液が到達し易い。しかし、補助シート20によって当該体液を引き込むことにより、体液の横漏れを好適に抑制できる。
【0046】
使用者によっては、トップシート10の幅方向Wの長さが補助シート20の幅方向Wの長さよりも短いため、トップシート10の幅方向の長さを実際の長さよりも短く錯覚することで不安を感じることがあった。また、他の使用者によっては、漏れに対する安心感を得たり、適切な装着位置を把握したりするために、トップシート10の幅方向Wの長さを把握したいニーズがあった。本実施の形態の吸収性物品1及び包装体100は、使用者がトップシート10の幅方向Wの長さを視覚的又は感覚的に把握できるように構成されている。次いで、使用者がトップシート10の幅方向Wの長さを視覚的又は感覚的に把握するための構成について詳細に説明する。
【0047】
非折り畳み状態におけるトップシート10の幅方向の長さW10は、折り畳み状態における包装体100の幅方向Wの長さW100よりも長く、折り畳み状態における包装体100の前後方向Lの長さL1よりも短い。折り畳み状態における包装体100の幅方向Wの長さW100は、第1前後折り目FL1と第2前後折り目FL2との幅方向Wの距離である。折り畳み状態における包装体100の前後方向の長さL100は、第1前後折り目FL1と第2前後折り目FL2との幅方向Wの距離である。トップシート10の幅方向の長さW10が、折り畳み状態の包装体100の幅方向Wの長さW100よりも長く、折り畳み状態の包装体100の前後方向の長さL100よりも短い。すなわち、W100<W10<L100の関係を満たす。使用者は、使用前に、折り畳み状態の包装体100を手に取ったり、折り畳み状態の包装体100を視認したりする。その際に、使用者は、包装体100の外形の長さであるW100とL100を指標として、トップシート10の幅方向Wの長さW10を視覚的又は感覚的に把握することができる。より詳細には、使用者は、トップシート10の幅方向Wの長さの範囲(包装体100の幅方向の長さW100以上、包装体100の前後方向Lの長さL100以下)を把握でき、トップシート10の長さを具体的にイメージできる。よって、トップシート10の幅方向の長さを実際よりも短く錯覚することを抑制でき、使用者の不安を抑制できる。また、使用者は、トップシート10の長さを具体的にイメージすることで、漏れに対する安心感を得たり、適切な装着位置を把握したりできる。
【0048】
また、非折り畳み状態におけるトップシート10の幅方向の長さW10は、折り畳み状態における吸収性物品1の幅方向Wの長さW1よりも長く、折り畳み状態における吸収性物品1の前後方向Lの長さL1よりも短い。折り畳み状態における吸収性物品1の幅方向Wの長さW100は、第1前後折り目FL1と第2前後折り目FL2との幅方向Wの距離である。折り畳み状態における吸収性物品1の前後方向の長さL100は、第1前後折り目FL1と第2前後折り目FL2との幅方向Wの距離である。トップシート10の幅方向の長さW10が、折り畳み状態の吸収性物品1の幅方向の長さW1よりも長く、折り畳み状態の吸収性物品1の前後方向の長さL1よりも短い。すなわち、W1<W10<L1の関係を満たす。使用者は、吸収性物品1の外形の長さであるW1とL1を指標として、トップシート10の幅方向Wの長さを視覚的又は感覚的に把握することができる。より詳細には、使用者は、トップシート10の幅方向Wの長さの範囲(吸収性物品1の幅方向の長さW1以上、吸収性物品1の前後方向Lの長さL1以下)を把握でき、トップシート10の長さを具体的にイメージできる。よって、トップシート10の幅方向の長さを実際よりも短く錯覚することを抑制でき、使用者の不安を抑制できる。また、使用者は、トップシート10の長さを具体的にイメージすることで、漏れに対する安心感を得たり、適切な装着位置を把握したりできる。
【0049】
折り畳み状態の包装体100の前後方向Lの長さL100と非折り畳み状態のトップシート10の幅方向Wの長さW10の差分(L100―W10)は、非折り畳み状態のトップシート10の幅方向Wの長さW10と折り畳み状態の包装体100の幅方向の長さW100との差分(W10―W100)よりも大きくよい。すなわち、非折り畳み状態のトップシート10の幅方向Wの長さW10は、包装体100の前後方向の長さL100よりも包装体100の幅方向の長さW100に近くてよい。折り畳み状態の吸収性物品1の前後方向の長さL1と非折り畳み状態のトップシート10の幅方向Wの長さW10の差分(L1―W10)は、非折り畳み状態のトップシート10の幅方向Wの長さW10と折り畳み状態の吸収性物品1の幅方向の長さW1との差分(W10―W1)よりも大きくよい。すなわち、非折り畳み状態のトップシート10の幅方向Wの長さW10は、吸収性物品1の前後方向の長さL1よりも吸収性物品1の幅方向の長さW1に近くてよい。使用者は、非折り畳み状態のトップシート10の幅方向Wの長さW10をより具体的に把握できる。非折り畳み状態のトップシート10の幅方向Wの長さW10は、折り畳み状態の包装体100の前後方向Lの長さL100の半分の長さよりも長くてよく、折り畳み状態の吸収性物品1の前後方向の長さL1の半分の長さよりも長くてよい。使用者は、トップシートの幅方向Wの長さを段階的に比べて把握でき、具体的なトップシート10の幅方向Wの長さW10をよりイメージし易くある。
【0050】
非折り畳み状態のトップシート10の幅方向Wの長さW10は、非折り畳み状態における止着テープ76の前端縁と第2幅折り目FW2との距離よりも短くてよい。折り畳み状態から展開する際に、使用者は、止着テープを把持して第2幅折り目FW2を基点に包装シートを展開することがある。このとき、使用者は、非折り畳み状態における止着テープ76の前端縁と第2幅折り目FW2との距離を把握でき、当該距離に基づいてトップシートの長さを具体的にイメージできる。また、非折り畳み状態のトップシート10の幅方向Wの長さW10は、包装シート70の前端縁70Fと第2幅折り目FW2との距離よりも短くてよい。折り畳み状態から展開する際に、使用者は、包装シートの前端縁近傍を把持して第2幅折り目FW2を基点に包装シートを展開することがある。このとき、使用者は、包装シート70の前端縁70Fと第2幅折り目FW2との距離を把握でき、当該距離に基づいてトップシート10の長さを具体的にイメージできる。非折り畳み状態のトップシート10の幅方向Wの長さW10は、包装シート70の後端縁70Rと第1幅折り目FW1との距離よりも短くてよい。使用者は、折り畳み状態から第2幅折り目FW2を基点に展開した後、第1幅折り目FW1を基点に展開する。使用者は、包装シートの後端縁近傍を把持して第1幅折り目FW1を基点に包装シートを展開することがある。このとき、使用者は、包装シート70の後端縁70Rと第1幅折り目FW1との距離を把握でき、当該距離に基づいてトップシート10の長さを具体的にイメージできる。
【0051】
吸収コア31の幅方向の長さW31は、補助シート20の幅方向の長さよりも短くてよい。吸収コア31の面積を狭くすることで、吸収性物品1全体の剛性を低くし、装着感を向上させることができる。また、補助シート20によって体液を保持するとともに、着用者の視界に入りやすい(肌側に位置する)補助シート20の幅方向の長さを確保することで、漏れに対する安心感を付与できる。吸収コア31の幅方向の長さW31は、折り畳み状態の包装体100の幅方向の長さW100よりも長く、折り畳み状態の包装体100の前後方向の長さL100よりも短くてよい。すなわち、W100<W31<L100の関係を満たす。使用者は、使用前に、包装体100の外形の長さであるW100とL100を指標として、吸収コア31の幅方向Wの長さを視覚的又は感覚的に把握することができる。よって、使用者は、吸収コア31の幅方向の長さを具体的にイメージすることで、漏れに対する安心感を得たり、適切な装着位置を把握したりできる。また、吸収コア31の幅方向の長さW31は、折り畳み状態の吸収性物品1の幅方向の長さW1よりも長く、折り畳み状態の吸収性物品1の前後方向の長さL1よりも短くてよい。すなわち、W1<W31<L1の関係を満たしてよい。使用者は、使用前に、吸収性物品1の外形の長さであるW1とL1を指標として、吸収コア31の幅方向Wの長さを視覚的又は感覚的に把握することができる。よって、使用者は、吸収コア31の幅方向の長さを具体的にイメージすることで、漏れに対する安心感を得たり、適切な装着位置を把握したりできる。
【0052】
折り畳み状態の包装体100の前後方向の長さL100と吸収コア31の幅方向Wの長さW10の差分(L100―W31)は、吸収コア31の幅方向Wの長さW31と折り畳み状態の包装体100の幅方向の長さW100との差分(W31―W100)よりも大きくよい。すなわち、吸収コア31の幅方向Wの長さW31は、包装体100の前後方向の長さL100よりも包装体100の幅方向の長さW100に近くてよい。折り畳み状態の吸収性物品1の前後方向の長さL1と吸収コア31の幅方向Wの長さW10の差分(L1―W31)は、吸収コア31の幅方向Wの長さW31と折り畳み状態の吸収性物品1の幅方向の長さW1との差分(W31―W1)よりも大きくよい。すなわち、吸収コア31の幅方向Wの長さW31は、吸収性物品1の前後方向の長さL1よりも吸収性物品1の幅方向の長さW1に近くてよい。使用者は、吸収コア31の幅方向Wの長さW31をより具体的に把握できる。
【0053】
補助シート20の幅方向Wの長さW20は、折り畳み状態の包装体100の幅方向の長さW100よりも長く、折り畳み状態の包装体100の前後方向の長さL100よりも短くてよい。すなわち、W100<W20<L100の関係を満たしてよい。補助シート20の幅方向Wの長さW20は、折り畳み状態の吸収性物品1の幅方向の長さW1よりも長く、折り畳み状態の吸収性物品1の前後方向の長さL1よりも短くてよい。すなわち、W1<W20<L1の関係を満たしてよい。折り畳み状態の吸収性物品1の前後方向Lの長さL1と補助シート20の幅方向Wの長さW20の差分(L1―W20)は、補助シート20の幅方向Wの長さW20と折り畳み状態の吸収性物品1の幅方向の長さW1との差分(W20―W1)よりも小さくてよい。すなわち、補助シート20の幅方向Wの長さW20は、吸収性物品1の幅方向の長さW1よりも吸収性物品1の前後方向の長さL1に近くてよい。よって、使用者は、補助シート20の幅方向Wの長さW20が、トップシート10の幅方向Wの長さW10よりも長いこと、吸収コアの幅方向の長さW31よりも長いことも視覚的又は感覚的に把握できる。
【0054】
折り畳み状態において、トップシート10は、一対の前後折り目FL1,FL2のうち、少なくとも一つの前後折り目FL1、FL2によって折り畳まれてよい。すなわち、トップシート10は、第1前後折り目FL1によって折り畳まれ、第2前後折り目FL2によって折り畳まれていなくてもよいし、第2前後折り目FL2によって折り畳まれ、第1前後折り目FL1によって折り畳まれていなくてもよいし、本実施の形態のように第1前後折り目FL1及び第2前後折り目FL2の両方によって折り畳まれていてもよい。一対の前後折り目FL1,FL2によって挟まれ、かつ一対の幅折り目FW1、FW2によって挟まれた領域に排出された体液は、当該折り目によって囲まれた領域内で拡散し、その後、折り目を越えて平面方向の外側に拡散する。例えば、トップシート10の外側縁10Eが前後折り目FL1、FL2よりも幅方向Wの内側に位置し、トップシート10が前後折り目FL1,FL2に重なっていない形態にあっては、トップシート10をコンパクトに折り畳むことができる。その一方で、前後折り目FL1,FL2によって囲まれた領域においてトップシート10による拡散が進み易く、折り目によって囲まれた領域内における非肌側T2への体液の引き込み性を確保し難いことがある。少なくとも一つの前後折り目FL1,FL2がトップシート10に重なっていることにより、一対の幅折り目FW1,FW2と、少なくとも一方の前後折り目と、がトップシート10に形成され、当該折り目によってトップシート10から非肌側T2へ体液を引き込み易くなる。よって、吸収コア31による体液の吸収を促進して体液のリウェットを抑制したり、トップシート10の外側縁10Eに到達する体液を低減し、横漏れを抑制したりできる。
【0055】
トップシート10と補助シート20は、シート接合部15によって接合されてよい。シート接合部15は、接着剤によって接合された部分であってもよいし、熱溶着等の溶着によって接合された部分であってもよい。シート接合部15の少なくとも一部は、非折り畳み状態において前後折り目FL1,FL2よりも幅方向Wの外側に位置してよい。シート接合部15は、第1前後折り目FL1よりも幅方向Wの外側の領域に設けられ、第2前後折り目FL2よりも幅方向Wの外側の領域に設けられていなくてもよいし、第2前後折り目FL2よりも幅方向Wの外側の領域に設けられ、第1前後折り目FL1よりも幅方向Wの外側の領域に設けられていなくてもよいし、本実施の形態のように、第1前後折り目FL1よりも幅方向Wの外側の領域と、第2前後折り目FL2よりも幅方向Wの外側の領域と、の両方に設けられていてもよい。当該構成によれば、前後折り目FL1,FL2よりも幅方向Wの外側の領域において、トップシート10が補助シート20に対して浮き上がり難くなり、トップシート10から補助シート20への体液の移行を促進できる。
【0056】
シート接合部15の少なくとも一部は、非折り畳み状態において前後折り目FL1,FL2よりも幅方向Wの内側に位置してよい。すなわち、シート接合部15の少なくとも一部は、第1前後折り目FL1と第2前後折り目FL2によって挟まれた領域内に配置されてよい。当該構成によれば、体液が前後折り目FL1,FL2によって囲まれた領域内で拡散する過程で、トップシート10から補助シート20への体液の移行を促進できる。シート接合部15は、幅方向Wに間隔を空けて配置されていてもよいし、本実施の形態のように、幅方向Wに連続して設けられていてもよい。シート接合部15は、前後折り目FL1,FL2を幅方向Wに跨いで配置されてよい。前後折り目FL1,FL2を跨いでシート接合部15が設けられていることにより、前後折り目FL1,FL2による非肌側T2への体液の引き込み性と、トップシート10が補助シート20に対して浮き上り過ぎないことによる非肌側T2への体液の引き込み性と、の両方を向上できる。
【0057】
前後折り目FL1,FL2よりも幅方向Wの外側において、トップシート10の外側部が補助シート20に接合されていないシート非接合部16が設けられてよい。シート非接合部16は、トップシートの外側縁10Eから幅方向Wの内側に延びる一定の範囲に設けられてよい。シート非接合部16が設けられていることにより、トップシート10の外側部が肌側に起立し、トップシート10の外側部からの横漏れを抑制できる。本実施の形態では、トップシート10の両方の外側縁から幅方向Wの内側に向かってシート非接合部16が設けられ、両側のシート非接合部16によって挟まれた領域には、シート接合部15が連続して設けられている。シート非接合部16の内側縁(シート接合部の外側縁)は、第1前後折り目FL1よりも幅方向の外側と、第2前後折り目FL2よりも幅方向の外側と、にそれぞれ位置している。
【0058】
補助シート20は、補助シート20の外側部が幅方向Wの内側に折り返され、補助シート同士が積層された積層領域25を有してよい。補助シート20の外側縁は、積層領域25の外側縁(補助シート20の折り目)となる。補助シート20外側部は、補助シート20の外側縁が非肌側T2かつ幅方向Wの内側に折り返されている。よって、折り返されていない状態の補助シート20の外側縁は、第1カバーシート321に当接しており、着用者の肌に当たらないように構成されている。よって、補助シート20の外側縁(補助シート20の折り目)が着用者に当たった際に、着用者への当たりを和らげることができる。前後折り目FL1,FL2よりも幅方向Wの外側には、積層領域25の補助シート20同士が接合されていない積層非接合部27が設けられている。前後折り目FL1,FL2よりも幅方向Wの外側に設けられた積層非接合部27において、補助シート20間に体液を保持し、吸収性物品の外側部に到達した体液の横漏れを抑制できる。また、積層非接合部27とシート非接合部16の両方が設けられていることにより、吸収性物品1の外側部に、シート同士が接合されていない部分を重ねて配置でき、当該領域の肌へのあたりが柔らかくなり、脚などにあたった際の違和感を抑制できる。本実施の形態では、積層領域25には、補助シート20同士が接合されていない積層非接合部27と、補助シート20同士が接合された積層接合部26と、が設けられている。また、積層領域25は、前後折り目FL1,FL2よりも幅方向Wの外側のみに設けられてよい。本構成によれば、前後折り目FL1,FL2よりも幅方向Wの外側における補助シート20の厚みを確保し、当該補助シート20内に体液を保持し、吸収性物品1の外側部に到達した体液の横漏れを抑制できる。
【0059】
前後折り目FL1,FL2よりも幅方向Wの内側には、少なくとも吸収コア31を厚み方向Tに圧縮した圧搾部35が前後方向に延びて配置されてよい。本構成によれば、幅方向Wの中央から外側に向かって、圧搾部35、前後折り目FL1,FL2、トップシート10の外側縁10Eの順で配置され、更にトップシート10よりも幅方向Wの外側に補助シート20及び吸収コア31が配置される。圧搾部35は、少なくとも吸収コア31を圧縮していればよく、吸収コア31と補助シート20を共に圧縮してもよいし、吸収コア31、トップシート10及び補助シート20を共に圧縮してもよい。前後方向Lに延びる圧搾部35は、前後方向Lに対して平行な構成のみならず、前後方向Lに対する角度が45度未満で傾斜する構成も含む。前後方向Lに延びる圧搾部35は、直線状の構成のみならず、5mm以下の間隔で間欠的に配置された圧搾部35の集合体であってよい。
【0060】
吸収コア31を含む吸収体30は、前後折り目FL1,FL2に重なり、トップシート10よりも幅方向Wの外側に延出してよい。本構成によれば、排泄口から排出された体液は、幅方向Wの外側に向かって拡散する過程で、圧搾部35及び前後折り目FL1,FL2によって非肌側T2に引き込まれ、トップシート10の外側縁10Eに到達した体液は、補助シート20及び吸収コア31によって吸収される。よって、体液の横漏れを抑制できる。吸収体30を構成する吸収コア31、第1カバーシート321、及び第2カバーシート322の少なくともいずれかが前後折り目FL1,FL2に重なっていればよく、吸収体30を構成する吸収コア31、第1カバーシート321、及び第2カバーシート322の少なくともいずれかがトップシート10よりも幅方向の外側に延出していればよい。本実施の形態では、吸収コア31、第1カバーシート321、及び第2カバーシート322のいずれも、前後折り目FL1,FL2に重なっている。第1カバーシート321、及び第2カバーシート322は、トップシート10よりも幅方向Wの外側に延出しており、吸収コア31は、トップシート10よりも幅方向Wの外側に延出していない。吸収コア31の外側縁31Eは、トップシート10の外側縁10Eよりも幅方向の内側に位置する。
【0061】
包装体100において、包装シート70は、樹脂フィルムによって構成されてよい。樹脂フィルムからなる包装シート70は、折り畳み状態において、不織布シートと比較して内容物である吸収性物品1を視認し難い。よって、使用者は、折り畳み状態において、トップシート10の幅方向Wの長さ等、吸収性物品1の構造を把握し難い。しかし、使用者は、包装体100を手にとった際に、包装体の外形の長さ(W100とL100)を指標として、トップシート10の幅方向Wの長さW10を視覚的又は感覚的に把握することができ、折り畳み状態において視認し難いトップシート10の長さW10を把握できる。
【0062】
包装体100の折り畳み状態において、吸収性物品1は、包装体100の外側から視認不可能であってよい。なお、本発明における「視認不可能」とは、昼白色(色温度目安 4600~5400K(ケルビン))で明るく照明された室内(目安:500~750lx(ルクス))で約30~50cmの距離で、良好な視力(1.0以上)を両眼に有する被験者が対象物を見たときに視認できない事を意味している。使用者は、折り畳み状態において、トップシート10の幅方向Wの長さW10等、吸収性物品1の構造を把握し難い。折り畳み状態において包装体100の外側から吸収性物品1は視認不可能であっても、使用者は、包装体100の外側から視認できないトップシート10の長さW10を把握できる。包装シート70の光線透過率は、30%以下であってよい。包装シート70の光線透過率が低く、包装体100の外側から吸収性物品1は視認不可能であっても、使用者は、包装体100の外側から視認できないトップシート10の長さW10を把握できる。
【0063】
包装体100は、一対の前後折り目FL1、FL2の一方である第1前後折り目FL1を基点に折り畳まれた後に、一対の前後折り目の他方である第2前後折り目FL2を基点に折り畳まれてよい。
図3(a)に示すように、第1前後折り目FL1によって折り畳まれ、第2前後折り目FL2によって折り畳まれていない状態において、第2前後折り目FL2側に位置するトップシート10の外端縁は、第1前後折り目FL1によって折り畳まれた包装シート70によって覆われずに、露出してよい。折り畳み状態から展開する際は、先に第2前後折り目FL2を基点に展開し、次いで、第1前後折り目FL1を基点に展開する。そのため、展開する過程において、第1前後折り目FL1によって折り畳まれ、第2前後折り目FL2によって折り畳まれていない状態となる。この展開する過程において、トップシート10の外側縁10Eが露出しているため、展開する過程においてトップシート10の外側縁10Eの位置及び長さを把握しやすくなる。
【0064】
(3)実施形態に係る吸収性物品の収容体
次いで、図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品の収容体(以下、収容体200とする)200について説明する。
図5は、収容体200の斜視図である。収容体200は、複数の吸収性物品1又は複数の包装体100と、当該吸収性物品1又は包装体100を収容する収容本体210と、を有する。本実施の形態の収容体200は、複数の包装体100を収容している。しかし、他の形態において、収容体200は、吸収性物品1(包装体から包装シートを除いたもの)を収容してもよい。収容本体210は、フィルム等のシートが袋状に形成されていてもよいし、紙等の箱状であってもよい。収容本体の外面は、表示部220が設けられている。
【0065】
本実施の形態の収容体200は、包装体100を収容しており、表示部220は、折り畳み状態における包装体100の幅方向Wの長さW100及び包装体100の前後方向Lの長さL100と、非折り畳み状態におけるトップシート10の幅方向Wの長さW10と、の関係を示している。表示部220は、折り畳み状態における吸収性物品1の幅方向の長さW10をYとして示し、折り畳み状態における包装体100の前後方向Lの長さL100をZとして示し、非折り畳み状態であるトップシート10の幅方向Wの長さW10をXとして示している。そして、長さの関係を、Y<X<Zとして示している。使用者は、折り畳み状態における包装体の長さと、非折り畳み状態におけるトップシートの幅方向の長さと、の関係性を表示部220によって把握でき、使用者は、包装体の外形の長さを指標として、トップシートの幅方向の長さを視覚的又は感覚的に把握することができ、折り畳み状態において視認し難いトップシートの長さを把握できる。
【0066】
また、吸収性物品1を収容した収容体にあっては、表示部220は、折り畳み状態における吸収性物品の幅方向の長さ及び吸収性物品の前後方向の長さと、非折り畳み状態におけるトップシートの幅方向の長さと、の関係を示してよい。当該形態によれば、使用者は、折り畳み状態における吸収性物品の長さと、非折り畳み状態におけるトップシートの幅方向の長さと、の関係性を表示部によって把握でき、使用者は、吸収性物品の外形の長さを指標として、トップシートの幅方向の長さを視覚的又は感覚的に把握することができ、折り畳み状態において視認し難いトップシートの長さを把握できる。
【0067】
表示部220は、実際の製品における長さを示して、折り畳み状態における包装体100の幅方向Wの長さW100及び包装体100の前後方向Lの長さL100(又は折り畳み状態における吸収性物品の幅方向Wの長さW1及び吸収性物品1の前後方向Lの長さL1)と、非折り畳み状態におけるトップシート10の幅方向Wの長さW10と、の長さの関係を示してもよいし、実際の製品における長さと異なる縮尺で、当該長さの関係を示してもよい。また、折り畳み状態における包装体の長さ及び折り畳み状態における吸収性物品の長さは、前後折り目FL1、FL2間の距離と幅折り目FW1、FW間の距離に置き換えることができる。そのため、表示部220は、非折り畳み状態の吸収性物品を示し、当該吸収性物品の表示において、前後折り目FL1、FL2(折り畳み状態における包装体100又は吸収性物品1の幅方向Wの長さ)と、幅折り目FW1,FW2(折り畳み状態における包装体100又は吸収性物品1の前後方向Lの長さ)と、トップシート10の幅方向の長さW10と、を示してもよい。すなわち、1つの表示部によって、折り畳み状態における包装体100の幅方向Wの長さW100及び包装体100の前後方向Lの長さL100(又は折り畳み状態における吸収性物品の幅方向Wの長さW1及び吸収性物品1の前後方向Lの長さL1)と、非折り畳み状態におけるトップシート10の幅方向Wの長さW10と、の関係を示してもよい
【0068】
なお、表示部は、本実施の形態のように、吸収性物品の外形等を図示して、使用者が感覚的に長さの関係を把握できるように構成してもよい。または、表示部は、長さの関係を文字等で説明し、使用者が長さの関係を具体的に把握できるように構成してもよい。また、表示部は、折り畳み状態における包装体の幅方向の長さ及び包装体の前後方向の長さと、非折り畳み状態における吸収コアの幅方向の長さと、の関係を示す表示部を更に備えてもよいし、折り畳み状態における吸収性物品の幅方向の長さ及び吸収性物品の前後方向の長さと、非折り畳み状態における吸収コアの幅方向の長さと、の関係を示す表示部を更に備えてもよい。加えて、表示部は、折り畳み状態における包装体の幅方向の長さ及び包装体の前後方向の長さと、非折り畳み状態における補助シートの幅方向の長さと、の関係を示す表示部を更に備えてもよいし、非折り畳み状態における補助シートの幅方向の長さと、の関係を示す表示部を更に備えてもよい。
【0069】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0070】
本発明において、折り畳み状態における長さと非折り畳み状態の長さを測定する際、及び当該長さを比較する際は、折り目による折り癖に基づいて測定し、又は比較してもよい。また、折り目による折り癖が安定して形成されない場合には、折り畳み状態において包装体の外面又は吸収性物品の外面に折り目に印を付し、非折り畳み状態に展開した後に当該印に基づいて長さを測定、又は長さを比較してよい。
【符号の説明】
【0071】
1 :吸収性物品
10 :トップシート
15 :シート接合部
16 :シート非接合部
20 :補助シート
25 :積層領域
27 :積層非接合部
30 :吸収体
31 :吸収コア
35 :圧搾部
70 :包装シート
100 :包装体
200 :収容体
210 :収容本体
220 :表示部
FL1、FL2 :前後折り目
FW1、FW2 :幅折り目
L :前後方向
T :厚み方向
T1 :肌側
T2 :非肌側
W :幅方向